説明

遊技台

【課題】本発明は、パチンコ機等に代表される遊技台に関し、玉噛みし難い入賞装置を備えた遊技台を提供することを目的とする。
【解決手段】遊技領域124を有する遊技盤200と、遊技領域124に発射した遊技球Bが入賞可能なシャッタ式入賞装置700を備えた遊技台であって、シャッタ式入賞装置700は遊技領域に出現可能なシャッタ800を有し、シャッタ800の動作により遊技球Bの入賞を許容するように構成され、シャッタ800の出現方向に備えられた飾り部(前面部710a)に凸状梁部900aを形成し、遊技球Bがシャッタ800及び凸状梁部900aに接触した場合に、シャッタ800と遊技球Bの接点TP1よりも上部となる位置に遊技球Bと凸状梁部900aの接点TP2を備えるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回胴遊技機(スロットマシン)や弾球遊技機(パチンコ機(封入式遊技機を含む))に代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技球の入球を許容する入賞装置を備えたパチンコ機が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−200302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、入賞装置が遊技球を挟み込んで遊技球の流れが悪くなるという問題が生じることがある。
【0005】
本発明の目的は、玉噛みし難い入賞装置を備えた遊技台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、遊技球が入賞可能な入賞手段を備えた遊技台であって、前記入賞手段は可動部材の動作により遊技球の入賞が可能であり、飾り部の裏側に当該裏側より突出する凸部を形成し、遊技球が前記可動部材及び前記凸部に接触した場合に、当該可動部材と遊技球の接点よりも上部となる位置で当該遊技球と前記凸部が接するように構成し、前記入賞手段は、大当りとなることで前記可動部材が動作可能となる所定の入賞手段であることを特徴とする遊技台によって達成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技の興趣を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100を背面側から見た外観図である。
【図3】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図である。
【図4】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100の制御部の回路ブロック図である。
【図5】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100での表示図柄の一例であって、(a)は特図の停止表示図柄の一例を示し、(b)は装飾図柄の一例を示し、(c)は普図の停止表示図柄の一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100の主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100の主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100の第1副制御部での処理の流れを示すフローチャートであり、(a)は第1副制御部メイン処理の流れを示し、(b)は第1副制御部コマンド受信割込処理の流れを示し、(c)は第1副制御部タイマ割込処理の流れを示している。
【図9】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100のシャッタ式入賞装置700の構造を示す分解斜視図である。
【図10】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100のシャッタ式入賞装置700を組み立てた状態の斜視図である。
【図11】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100のシャッタ式入賞装置700を示す図である。
【図12】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100のシャッタ式入賞装置700の凹凸部900、球整列第1部材910、および球整列第2部材920について詳細に説明する図である。
【図13】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100のシャッタと複数種類の壁部平面との間での球噛み動作を模式的に例示しつつ球噛み状態を抑制可能な機構について説明する図である。
【図14】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100のシャッタと複数種類の壁部平面との間での球噛み動作を模式的に例示しつつ球噛み状態を抑制可能な機構について説明する図である。
【図15】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100のシャッタ式入賞装置700の凹凸部900を用いた球噛み防止動作について説明する図である。
【図16】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100のシャッタ式入賞装置700の可変入賞口235の底面部第1傾斜平面710eの機能(その1)について説明する図である。
【図17】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100のシャッタ式入賞装置700の可変入賞口235の底面部第1傾斜平面710eの機能(その2)について説明する図である。
【図18】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100のシャッタ式入賞装置700の可変入賞口235の底面部第1傾斜平面710eの機能(その3)について説明する図である。
【図19】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100のシャッタ式入賞装置700を遊技盤200に取り付けた状態を示す図である。
【図20】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100の回動扉式入賞装置1000を示す図である。
【図21】本発明の一実施の形態の一実施例によるパチンコ機100での特図変動遊技を説明する図である。
【図22】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100のシャッタ式入賞装置1200を示す図である。
【図23】本発明の一実施の形態の変形例による遊技台としてのスロットマシンを正面から見た略示正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本発明の一実施の形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。まず、図1を用いて、本実施の形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。パチンコ機100は、外部的構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。
【0010】
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状からなる木製の枠部材である。本体104は、内枠と呼ばれ、外枠102の内部に備えられ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。また、本体104が開放された場合、本体104の開放を検出する不図示の内枠開放センサを備える。
【0011】
前面枠扉106は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部116とした扉部材である。なお、前面枠扉106には、開口部116にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124を区画形成する。また、前面枠扉106が開放された場合、前面枠扉106の開放を検出する不図示の前面枠扉開放センサを備える。
【0012】
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤200の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、下皿128が満タンであることを検出する不図示の下皿満タンセンサを備える。
【0013】
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。
【0014】
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。
【0015】
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
【0016】
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
【0017】
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。なお、この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の表側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
【0018】
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600を構成すると共に遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部660を構成すると共に遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRWMクリア信号を主制御部300に出力するRWMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインタフェース部186を配設している。
【0019】
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。外レール202は演出装置206の上方から右方にまで延びており、演出装置206上部と外レール202との空間を通って遊技盤200の右側の遊技領域124まで遊技球が飛翔できるようになっている。つまり、遊技領域124は、発射された遊技球が流下する経路として装飾部材としての演出装置206を挟んで左側となる第一流下経路と、発射された遊技球が流下する経路として装飾部材を挟んで右側となる第二流下経路とを有している。
【0020】
演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」、第2特別図柄を「特図2」と称する場合がある。
【0021】
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施の形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。また、装飾図柄表示装置208は、1個の小さな例えば円形の図柄を表示可能な表示範囲を有し、演出表示領域208dの例えば左下角部に設けられた第4図柄表示領域(図3では不図示)を有している。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
【0022】
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。特図1表示装置212および特図2表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。
【0023】
普図保留ランプ216は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。特図1保留ランプ218および特図2保留ランプ220は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ222は、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
【0024】
また、演出装置206の周囲には、所定の球進入口、例えば、一般入賞口226と、普図始動口228と、特図1始動口230と、特図2始動口232と、可変入賞口234、235を配設している。
【0025】
一般入賞口226は、本実施形態では遊技盤200に複数配設しており、一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、遊技球には、入賞の対価として遊技者に払い出す球(以下、「賞球」と呼ぶ場合がある)と、遊技者に貸し出す球(以下、「貸球」と呼ぶ場合がある)とが含まれる。
【0026】
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤200の右側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
【0027】
特図1始動口230は、本実施形態では遊技盤200の中央下部に1つだけ配設している。特図1始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図1表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、特図1始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0028】
特図2始動口232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施形態では普図始動口228の下方に1つだけ配設している。なお、特図2始動口232は電チュー内に配設されているということもできる。特図2始動口232は、左右に開閉自在な羽根部材232aを備え、羽根部材232aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当り図柄を停止表示した場合に羽根部材232aが所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。特図2始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図2表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、特図2始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0029】
普図始動口228およびその下方の特図2始動口232は、演出装置206を挟んで右側となる第二流下経路内にあるので、演出装置206を挟んで左側となる第一流下経路に進んだ遊技球が普図始動口228を通過したり、特図2始動口232に入球したりすることはない。また、特図1始動口230は、演出装置206を挟んで左側となる第一流下経路内にあるので、演出装置206を挟んで右側となる第二流下経路に進んだ遊技球が特図1始動口230に入球することはない。
【0030】
入賞手段を構成する可変入賞口は、大入賞口またはアタッカと呼ばれ、本実施形態では遊技盤200の中央部下方に1つ配設され、さらに遊技盤200の右下に1つ配設されている。遊技盤中央部下方の可変入賞口234は、遊技領域124の左側に流下した遊技球の入賞を許容する回動扉式入賞装置(入賞手段)1000の前面部1010aの後方に設けられている。詳細は後述するが、回動扉式入賞装置1000の可変入賞口234は、回動自在な扉部材234aを備え、扉部材234aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当り図柄(例えば、図5(a)に示す特図B)を停止表示した場合に扉部材234aが所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で回動して開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0031】
遊技盤200の右下に設けられた可変入賞口235は、遊技領域124の右側に流下した遊技球の入賞を許容するシャッタ式入賞装置(入賞手段)700に設けられている。詳細は後述するが、シャッタ式入賞装置700は、可変入賞口235に出没可能なシャッタを備え、シャッタが現出した状態(シャッタが閉じた状態)では球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当り図柄(例えば、図5(a)に示す特図A)を停止表示した場合にシャッタが所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で現出と退出(シャッタが開いた状態)を繰り返す。可変入賞口235への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。シャッタ式入賞装置700を備え遊技盤200の右下に設けられた可変入賞口235は、一般に遊技盤中央部下方の可変入賞口234よりも入球率が高く大当り遊技での消化効率に優れている。なお、可変入賞口235に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0032】
特図1始動口230から可変入賞口234の右端までの領域に複数の遊技釘238が遊技球の径より狭い間隔でほぼ一直線状に並んで配置されている。このため、15R通常大当り時には左打ち(演出装置206の左側の遊技領域124に遊技球を落下させる打ち方)をして、第一流下経路に遊技球を飛翔させないと、回動扉式入賞装置1000の可変入賞口234に遊技球が入賞しない構成となっている。
【0033】
一方、シャッタ式入賞装置700は第二流下経路内の下方に配置されている。このため、15R特別大当り時には右打ち(演出装置206上部と外レール202との空間を通って遊技盤200の右側の遊技領域124まで遊技球を飛翔させる打ち方)をして、第二流下経路に遊技球を飛翔させないと、シャッタ式入賞装置700の可変入賞口235に遊技球が入賞しない構成となっている。
【0034】
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
【0035】
パチンコ機100は、遊技者が上皿126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234、235)や始動口(特図1始動口230、特図2始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
【0036】
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246(以下、扉と称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246は、ワープ装置242、およびステージ244の後方に位置することとなる。ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技盤200の釘などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が特図1始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
【0037】
遮蔽装置246は、格子状の左扉246aおよび右扉246bからなり、装飾図柄表示装置208および前面ステージ244の間に配設する。左扉246aおよび右扉246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽装置246は、左扉246aおよび右扉246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉246aおよび右扉246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉246aおよび右扉246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉246aおよび右扉246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
【0038】
次に、図4を用いて、パチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源制御部660と、によって構成している。
【0039】
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0040】
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数値生成回路318(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、所定の球検出センサ、例えば各始動口、入賞口、可変入賞口を通過する遊技球を検出するセンサや、前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を乱数値生成回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、所定の図柄表示装置、例えば特図1表示装置212や特図2表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、所定の図柄表示装置、例えば普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、特図1保留ランプ218、特図2保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、所定の可動部材、例えば特図2始動口232の羽根部材232aや回動扉式入賞装置1000の可変入賞口234の扉部材234a、あるいはシャッタ式入賞装置700のシャッタ800等を開閉駆動する各種ソレノイド332等を制御するための駆動回路334を接続している。
【0041】
なお、特図1始動口230に球が入賞したことを球検出センサ320が検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号を乱数値生成回路318に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路318は、特図1始動口230に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図1始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、乱数値生成回路318は、特図2始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、特図2始動口232に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図2始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
【0042】
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0043】
また、主制御部300には、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9V)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
【0044】
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0045】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0046】
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振信器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0047】
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418の制御を行うための駆動回路420と、チャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、所定の検出センサ、例えばチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406と、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)208および遮蔽装置246の制御を行うための第2副制御部500と、を接続している。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
【0048】
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源制御部660について説明する。払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
【0049】
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
【0050】
電源制御部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部や払出装置152等の各装置に供給する。さらに、電源制御部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源制御部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第2副制御部500と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
【0051】
次に、図5(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図1表示装置212、特図2表示装置214、装飾図柄表示装置208、普図表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。図5(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、特図1表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、特図2表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が本実施形態にいう図柄の変動表示の一例に相当する。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図1表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図2表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。したがって、「特図1の変動表示」を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示するまで、あるいは「特図2の変動表示」を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示するまでが本実施形態にいう図柄変動停止表示の一例に相当し、以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称する。後述するように、図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。
【0052】
図5(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」までの10種類の特図が示されている。図5(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当り図柄であり、「特図B」は15R大当り図柄である。本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、15R特別大当り遊技終了後および15R大当り遊技終了後はいずれも電サポ状態(特図変動遊技の変動時間短縮状態と合わせて時短状態と呼ぶ)に移行する。時短状態については詳しくは後述するが、時短状態に移行する状態のことを普図高確率状態と称し、時短状態に移行しない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当り図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当り図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に対する有利度が相対的に大きくなる図柄である。
【0053】
「特図C」は突然確変と称される2R大当り図柄であり、特図高確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図A」と比べて、「特図C」は2Rである点が異なる。「特図D」は突然時短と称される2R大当り図柄であり、特図低確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図B」と比べて、「特図D」は2Rである点が異なる。「特図E」は隠れ確変と称される2R大当り図柄であり、特図高確率普図低確率状態である。「特図F」は突然通常と称される2R大当り図柄であり、特図低確率普図低確率状態である。これら「特図E」および「特図F」はいずれも、2Rであると共に、時短状態に移行しない状態である。
【0054】
「特図G」は第1小当り図柄であり、「特図H」は第2小当り図柄であり、何れも特図低確率普図低確率状態である。ここにいう小当りは、2R時短無し大当りと同じものに相当する。すなわち、この「特図G」、「特図H」は「特図F」と同じ状態であるが、両者では装飾図柄表示装置208に表示される演出が異なり、あえて、同じ状態でも「特図G」、「特図H」と「特図F」を設けておくことで、遊技の興趣を高めている。
【0055】
また、「特図I」は第1はずれ図柄であり、「特図J」は第2はずれ図柄であり、遊技者に対する有利度が相対的に小さくなる図柄である。なお、本実施形態のパチンコ機100には、15R特別大当り図柄として「特図A」以外の図柄も用意されており、15R大当り図柄等の他の図柄についても同様である。
【0056】
図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。特図1始動口230または特図2始動口232に球が入賞したこと、すなわち、特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。
【0057】
そして、「特図A」の15R特別大当りまたは「特図B」の15R大当りを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾2−装飾2−装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当りを明示的に報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾7−装飾7−装飾7」等)を停止表示する。
【0058】
また、「特図E」の隠れ確変と称される2R大当り、「特図F」の突然通常と称される2R大当り、あるいは「特図G」の第1小当り、「特図H」の第2小当りを報知する場合には、「装飾1−装飾2−装飾3」を停止表示する。さらに、「特図C」の突然確変と称される2R大当り、あるいは「特図D」の突然時短と称される2R大当りを報知する場合には、「装飾1−装飾3−装飾5」を停止表示する。
【0059】
一方、「特図I」の第1はずれ、「特図J」の第2はずれを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに図5(b)に示す図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示する。
【0060】
図5(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、はずれ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを上述のゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図A」を停止表示し、普図変動遊技のはずれを報知する場合には「普図B」を停止表示する。図5(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
【0061】
次に、図6を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図6に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0062】
ステップS101では、初期設定1を行う。初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可および初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8ms(ミリ秒)に相当する数値を設定する。
【0063】
ステップS101の次のステップS103では、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する。ステップS103の次のステップS105では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9V)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS103に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS107に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。
【0064】
ステップS107では、初期設定2を行う。初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
【0065】
ステップS107の次のステップS109では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップS113)に進む。具体的には、最初に、電源基板に設けたRWMクリアスイッチ180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS111に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS113に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS113に進む。
【0066】
ステップS111では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS115内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図4に示す主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS111では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
【0067】
ステップS113では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップS113)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
【0068】
ステップS113の次のステップS115では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、特図変動遊技での停止図柄を決定する抽選に用いる特図決定用乱数値を生成する特図決定用乱数値カウンタの初期値を生成するための初期値生成用乱数カウンタを更新する。また、普図変動遊技の当否判定に用いる普図当選乱数値を生成する普図当選乱数値カウンタの初期値を生成するための初期値生成用乱数カウンタを更新する。主制御部300のRAM308には、特図決定用乱数値カウンタとその初期値生成用乱数カウンタ、および普図当選乱数値カウンタとその初期値生成用乱数カウンタが設けられている。ステップS115では、これらのうち2つの初期値生成用乱数カウンタの初期値をそれぞれ更新する。例えば、初期値生成用乱数カウンタの取り得る数値範囲が0〜99とすると、初期値生成用乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の初期値生成用乱数カウンタに記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が100であれば0を元の初期値生成用乱数カウンタに記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。なお、初期値生成用乱数カウンタは、後述するステップS207でも更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、ステップS115の処理を繰り返し実行する。
【0069】
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
【0070】
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。ステップS201の次のステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
【0071】
ステップS203の次のステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、上述の前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサ、各種の球検出センサを含む各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
【0072】
また、ステップS205では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、ステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。ステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、235、特図1始動口230、および特図2始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口226、234やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
【0073】
ステップS205の次のステップS207およびステップS209では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS115で行った初期値生成用乱数カウンタの更新を行い、次に主制御部300で使用する、特図決定用乱数値を生成する特図決定用乱数値カウンタおよび普図当選乱数値を生成する普図当選乱数値カウンタを更新する。例えば、特図決定用乱数値として取り得る数値範囲が0〜99とすると、特図決定用乱数値を生成するためにRAM308に設けた特図決定用乱数値カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の特図決定用乱数値カウンタに記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が100であれば0を元の特図決定用乱数値カウンタに記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、特図決定用乱数値カウンタが一周していると判定した場合には特図決定用乱数値カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、特図決定用乱数値カウンタにセットする。例えば、0〜99の数値範囲で変動する特図決定用乱数値カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、特図決定用乱数値カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、特図決定用乱数値カウンタにセットすると共に、特図決定用乱数値カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。また、特図決定用乱数値カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、普図当選乱数値カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。特図決定用乱数値カウンタは、特図1用の乱数値を取得するためのカウンタと特図2用の乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けてもよいし、あるいは、同一のカウンタを用いてもよい。
【0074】
ステップS209の次のステップS211では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。具体的には、特図変動遊技での図柄変動時間を決めるための特図タイマ番号決定用乱数値を生成する特図タイマ番号決定用乱数値カウンタの値あるいはその初期値を更新する。また、普図変動遊技での図柄変動時間を決めるための普図タイマ番号決定用乱数値を生成する普図タイマ番号決定用乱数値カウンタの値あるいはその初期値を更新する。
【0075】
ステップS211の次のステップS213では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普図表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、特図1表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、特図2表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
【0076】
ステップS213の次のステップS215では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口226、234や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
【0077】
また、ステップS215の次のステップS217では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、特図1始動口230、特図2始動口232、普図始動口228および可変入賞口234、235への入賞があったか否かを判定する。ここでは、ステップS205における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。
【0078】
特図1始動口230へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する特図1保留数記憶領域が満タン(本例では、保留数4で満タンとなる)でない場合、乱数値生成回路(ハード乱数回路)318の特図1始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した大当り判定用乱数値を取得すると共に、RAM308に設けた特図決定用乱数値カウンタから特図決定用乱数値を取得して特図1乱数値記憶領域に取得順に格納する。特図1乱数値記憶領域内の大当り判定用乱数値および特図決定用乱数値の組(以下、「特図1乱数値の組」と略称する)は、特図1保留数記憶領域に記憶された特図1保留数と同数分だけ格納される。特図1乱数値記憶領域内では、特図1保留数が1つ減るごとに保留順位が最上位(最先であり最も過去に記憶されている)の特図1乱数値の組のデータが消去されると共に、残余の特図1乱数値の組のデータの保留順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図1保留数が1つ増えるごとに、保留順位が最下位(最後)の特図1乱数値の組のデータの次の保留順位に新たな特図1乱数値の組のデータが書き込まれる。
【0079】
特図2始動口232へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する特図2保留数記憶領域が満タン(本例では、保留数4で満タンとなる)でない場合、乱数値生成回路318の特図2始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した大当り判定用乱数値を取得すると共に、RAM308に設けた大当り時用特図決定用乱数値カウンタから大当り時用特図決定用乱数値を取得して特図2乱数値記憶領域に取得順に格納する。特図2乱数値記憶領域内の大当り判定用乱数値および大当り時用特図決定用乱数値の組(以下、「特図2乱数値の組」と略称する)は、特図2保留数記憶領域に記憶された特図2保留数と同数分だけ格納される。特図2乱数値記憶領域内では、特図2保留数が1つ減るごとに保留順位が最上位の特図2乱数値の組のデータが消去されると共に、残余の特図2乱数値の組のデータの保留順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図2保留数が1つ増えるごとに、保留順位が最下位の特図2乱数値の組のデータの次の保留順位に新たな特図2乱数値の組のデータが書き込まれる。
【0080】
普図始動口228へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する普図保留数記憶領域が満タンでない場合、普図当選乱数値カウンタから値を普図当選乱数値として取得して対応する普図乱数値記憶領域に格納する。可変入賞口234、235へ入賞があった場合には、可変入賞口用の入賞記憶領域に、可変入賞口234、235に球が入球したことを示す情報を格納する。
【0081】
ステップS217の次のステップS219では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は、例えば1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
【0082】
ステップS219の次のステップS221では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普図表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
【0083】
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、普図当りフラグがオンの場合には、当り図柄の表示態様となるように普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、普図当りフラグがオフの場合には、はずれ図柄の表示態様となるように普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うと共に、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普図表示装置210は、当り図柄(図5(c)に示す普図A)およびはずれ図柄(図5(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500ms間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
【0084】
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンにされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定すると共に、所定の開放期間(例えば2秒間)、特図2始動口232の羽根部材232aの開閉駆動用のソレノイド(各種ソレノイド332の一部)に、羽根部材232aを開放状態に保持する信号を出力すると共に、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
【0085】
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド332に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力すると共に、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
【0086】
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果がはずれであれば、後述するように、普図当りフラグがオフにされる。この普図当りフラグがオフの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
【0087】
ステップS223では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および特図2始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の普図乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定を行い、当選とする場合にはRAM308に設けた普図当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、普図当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ番号決定用乱数値を生成する普図タイマ番号決定用乱数値カウンタの値を普図タイマ番号決定用乱数値として取得し、取得した普図タイマ番号決定用乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
【0088】
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップS225)。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の複数(本例では9つ)の処理のうちの1つの処理を行う。
【0089】
例えば、特図2変動開始のタイミングにおける特図2状態更新処理では、RAM308に設けた特図2保留数記憶領域に記憶された特図2保留数の値を1だけ減算した値を特図2保留数記憶領域に記憶し直す。それと共に、特図2保留ランプ220の点滅を制御する。例えば、図3の特図2保留ランプ220の4つのLEDを図左から右に向かって順にLED番号1−4とすると、LED番号の若い方から順に特図2保留数分のLEDを例えば赤色に点灯させ、他を消灯させる。
【0090】
また例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、特図2表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、特図2表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
【0091】
また、主制御部300のRAM308には、15R大当りフラグ、2R大当りフラグ、第1小当りフラグ、第2小当りフラグ、第1はずれフラグ、第2はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には図5(a)に示す特図A、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図B、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には特図C、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図D、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグはオフの場合には特図E、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグもオフの場合には特図F、第1小当りフラグがオンの場合には特図G、第2小当りフラグがオンの場合には特図H、第1はずれフラグがオンの場合には特図I、第2はずれフラグがオンの場合には特図Jそれぞれの態様となるように、特図2表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、特図2表示装置214は、15R特別大当り図柄(特図A)、15R大当り図柄(特図B)、突然確変図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当り図柄(特図G)、第2小当り図柄(特図H)、第1はずれ図柄(特図I)、および第1はずれ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500ms間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた電サポ(詳細は後述)回数記憶部に記憶された電サポ回数が1以上であれば、その電サポ回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、時短フラグをオフにする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフにする。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶すると共に、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
【0092】
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンにされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定すると共に、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で入賞演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0093】
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234、235に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口234の扉部材234aの開閉駆動用のソレノイドや可変入賞口235のシャッタ800の開閉駆動用のシャッタ駆動用ソレノイド760に、扉部材234aやシャッタ800を開放状態に保持する信号を出力すると共に、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口開放設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0094】
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材234aの開閉駆動用のソレノイドや可変入賞口235のシャッタ800の開閉駆動用のシャッタ駆動用ソレノイド760に、扉部材234aやシャッタ800を閉鎖状態に保持する信号を出力すると共に、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0095】
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施形態では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた電サポ回数記憶部に電サポ回数(例えば、100回)をセットするともに、RAM308に設けられた時短フラグをオンにする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、電サポ回数記憶部に電サポ回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンにすることもない。ここでの時短状態とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くするため、パチンコ機が遊技者にとって有利な状態になることをいう。この時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率(普図確変)状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技で当りになる確率が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、特図2始動口232の一対の羽根部材232aの1回の開放における開放時間が長くなり易い(電チュー開延)。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、一対の羽根部材232aは多く開き易い。これらの普図確変、普図変短、電チュー開延による制御状態をまとめて、電サポ(電動チューリップによる始動口入賞サポート)状態と呼ぶ。また、特図変動遊技の変動時間も短くする制御状態を含めて時短状態と呼ぶ。
【0096】
また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当り遊技中に普図高確率状態であると、大当り遊技中に可変入賞口234、235に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に特図2始動口232に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233)で終了演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0097】
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果がはずれであれば、後述するように、はずれフラグがオンにされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次のステップS227に移行するようにしている。
【0098】
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
【0099】
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に、特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い(ステップS229)、その後で、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う(ステップS231)。これらの特図関連抽選処理についても、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、特図2変動遊技の保留数が0より多い場合には、特図1変動遊技の保留に関する抽選処理や変動遊技は行われない。装飾図柄表示装置208による、特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行われ、特図2始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、特図1始動口230への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。特図2関連抽選処理(ステップS229)の場合には、特図2乱数値記憶領域内の最先の(最も過去に記憶された)保留位置から特図2乱数値の組(始動情報)を取得し、不図示の判定用テーブルを用いて大当りとするか否かの決定、小当りとするか否かの決定、特図2の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間の決定、特図2の変動表示後に停止表示する図柄(停止図柄)の決定などを行う。特図2乱数値記憶領域から最先の特図2乱数値の組を取り出した後、特図2乱数値記憶領域における当該特図2乱数値の組の記憶はクリアされると共に、特図2保留数を1減算する。このとき特図2乱数値記憶領域から取り出した特図2乱数値の組をRAM308に設けた一時領域(第2の始動情報記憶手段の一例)に当該特図2乱数値の組を記憶し、この一時領域に記憶している当該特図2乱数値の組に基づいて上述の決定を行うようにしてもよい。
【0100】
ステップS231の次のステップS233では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は例えば16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、FRAMクリアコマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
【0101】
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオンまたはオフになるようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、主制御部300のRAM308に格納されている15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、特図確率変動フラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば特図確率変動フラグの値、大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、特図1始動口230への入賞の有無、特図2始動口232への入賞の有無、可変入賞口234、235への入賞の有無などを含む。
【0102】
また、上述の回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図1関連抽選処理および特図2関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。上述の入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。また、このステップS233では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、予告情報(事前予告情報、偽事前予告情報、または事前予告無情報のいずれか)を設定する。第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になると共に、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
【0103】
ステップS233の次のステップS235では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
【0104】
ステップS235の次のステップS237では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、所定のエラーの有無、例えば前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド332を駆動して特図2始動口232や、可変入賞口234、235の開閉を制御したり、駆動回路324、326、330を介して普図表示装置210、特図1表示装置212、特図2表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219)で設定した出力予定情報を出力ポート(I/O310)を介して第1副制御部400に出力する。
【0105】
ステップS237の次のステップS239では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS243に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS241に進む。ステップS241では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。一方、ステップS243では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0106】
次に、図8を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理(ストローブ割込み処理)のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部400のタイマ変数更新割込処理のフローチャートである。
【0107】
まず、同図(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。この初期化処理は、例えば約30秒の時間を要する。
【0108】
ステップS301の次のステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
【0109】
ステップS305の次のステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
【0110】
ステップS307の次のステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
【0111】
ステップS309の次のステップS311では、チャンスボタンの押下を検出していた場合、ステップS309で更新した演出データをチャンスボタンの押下に応じた演出データに変更する処理を行う。
【0112】
ステップS311の次のステップS313では、ステップS309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
【0113】
ステップS313の次のステップS315では、ステップS309で読み出した演出データの中に各種ランプ418への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
【0114】
ステップS315の次のステップS317では、ステップS309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS303へ戻る。
【0115】
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
【0116】
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。第1副制御部タイマ割込処理のステップS501では、図8(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
【0117】
ステップS501の次のステップS503では、第1副制御部400のメイン処理におけるステップS321で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信やその他演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0118】
次に、図9乃至図19を用いて本実施形態によるパチンコ機100のシャッタ式入賞装置700について説明する。なお、図9乃至図19を用いたシャッタ式入賞装置700の構成要素間の位置関係は、パチンコ機100を例えば島設備に設置した場合に、当該パチンコ機100に対面する遊技者に相対的に近い位置を「前」と表記し、当該「前」より遊技者に遠い位置を「後」と表記する。従って、例えば、遊技者により近い方を「前方」と表記し、当該「前方」より遊技者に遠い方を「後方」と表記する。また、遊技者により近い側を「前側」と表記し、当該「前側」より遊技者に遠い側を「後側」と表記する。また、遊技者により近い面を「前面」と表記し、当該「前面」より遊技者に遠い面を「後面」と表記する。
【0119】
同様に、パチンコ機100を例えば島設備に設置して遊技盤200の盤面に向かって見て相対的に上の位置を「上」と表記し、当該「上」より下の位置を「下」と表記する。従って、例えば、相対的に上の方を「上方」と表記し、当該「上方」より下の方を「下方」と表記する。また、相対的に上の側を「上側」と表記し、当該「上側」より下の側を「下側」と表記する。また、相対的に上の面を「上面」と表記し、当該「上面」より下の面を「下面」と表記する。
【0120】
また、同様に、パチンコ機100を例えば島設備に設置して遊技盤200の盤面に向かって見て相対的に左の位置を「左」と表記し、当該「左」より右の位置を「右」と表記する。従って、例えば、相対的に左の方を「左方」と表記し、当該「左方」より右の方を「右方」と表記する。また、相対的に左の側を「左側」と表記し、当該「左側」より右の側を「右側」と表記する。また、相対的に左の面を「左面」と表記し、当該「左面」より右の面を「右面」と表記する。
【0121】
また、同様に、構成要素の面の表裏関係は、パチンコ機100を例えば島設備に設置して当該パチンコ機100に対面する遊技者が比較的容易に視認可能な面あるいは遊技者側に向いている面を原則として「表面」と表記し、当該「表面」の裏側を「裏面」と表記する。当該「表面」の前方に配置された遮蔽物等で当該「表面」が視認できなくても「表面」と表記する。
【0122】
図9は、本実施形態に係るシャッタ式入賞装置700の分解斜視図である。図9は、シャッタ式入賞装置700の前方から後方を図左下から右上に向かって示している。
シャッタ式入賞装置700は、大別すると、可変入賞口画成部710、入賞装置基台720、照明部730、基台カバー740、シャッタ駆動用部材750、シャッタ駆動用ソレノイド760、シャッタ駆動系収容部770、およびシャッタ800で構成されている。
【0123】
可変入賞口画成部710は、例えば透明樹脂材料により一体的に成型されて、前面部(前面部表面)710a、前面部裏面710b、左側面部710c、右側面部710d、底面部第1傾斜平面710e、底面部第2傾斜平面710f、非入賞球通路710g、後方傾斜面710h、および上端辺710iを有している。なお、図9では、底面部第2傾斜平面710f、および後方傾斜面710hは隠れているので引出線および符号は付していない。また、左側面部710c、右側面部710d、底面部第1傾斜平面710e、底面部第2傾斜平面710f等は、遊技盤200表面に当接された基台平面部(ベース板)720aから前方に向かって突出するので突出部と称する場合がある。
【0124】
可変入賞口画成部710は、前方に向かって形成される一対の左側面部710cおよび右側面部710dを有している。左側面部710cの上部は、右から左に下る傾斜平面の非入賞球通路710gが設けられている。右側面部710dの上部にも、右から左に下る傾斜平面が設けられている。非入賞球通路710gの傾斜平面と右側面部710d上部の傾斜平面とはほぼ同一面(以下、第1基準平面という)内に含まれている。つまり、左側面部710cの高さは右側面部710dの高さより低く形成されている。
【0125】
また、可変入賞口画成部710は、左側面部710cおよび右側面部710dに連なって前面側に形成された前面部710aを有している。前面部710aの平面状の表面には、低い凹凸による飾り模様が施され、凸部は例えば金色に鍍金されている。このため、前面部710aは飾り部710aとも称する。
【0126】
前面部710aの上部は、第1基準平面から所定距離をおいて第1基準平面に平行に直線状に傾斜する上端辺710iが設けられている。
【0127】
前面部裏面710bは第1基準平面にほぼ直交する平面状に形成されている。前面部裏面710bの上端辺710i近傍には上端辺710iに沿って第1基準平面に平行に凹凸部900(不図示)が配置されている。凹凸部900については後述する。
【0128】
左側面部710cおよび右側面部710dと前面部710aで囲む領域の下部には底面部が形成されている。底面部は、前面部裏面710bにほぼ直交し、左から右に向かって下に傾斜する底面部傾斜平面を有している。さらに底面部は、底面部傾斜平面に続く後方傾斜面710h(図9では不図示)を備えている。底面部傾斜平面は第1の傾斜角度を有する底面部第1傾斜平面710eと、底面部第1傾斜平面710eの下流に連続するとともに底面部第1傾斜平面710eよりも傾斜角度の小さい底面部第2傾斜平面710f(図9では不図示)とで構成されている。以下、底面部第2傾斜平面710fを含む平面を第2基準平面という。パチンコ機100を例えば島設備に設置した場合、第2基準平面は水平面を挟んで第1基準平面のほぼ反対側にあり、第2基準平面と水平面とでなす角は、第1基準平面と水平面とでなす角にほぼ等しくなっている。底面部第2傾斜平面710fの下流には、前方から後方に向かって下に傾斜する後方傾斜面710hが設けられている。なお、傾斜平面は、一部が曲面状であってもよい。
【0129】
可変入賞口画成部710の左側面部710c、右側面部710d、底面部第1傾斜平面710e、第2底面傾斜面710f、および非入賞球通路710gの各後端辺は、前面部裏面710bから一定の所定幅だけ後側で前面部裏面710bに平行な平面内に含まれている。
【0130】
入賞装置基台720は図3に示す遊技盤200の右下所定位置にシャッタ式入賞装置700を位置決め固定する際に遊技盤200に唯一ねじ留めされる部材である。入賞装置基台720は、例えば透明樹脂材料により成型されて、下から右上に向かう端辺が遊技領域124の右下端辺の円弧形状に合わせた円弧形状を有している。入賞装置基台720は、基台平面部(ベース板)720a、シャッタ出没用開口部720b、入賞球通過用開口部720c、発光窓720d、720e、シャッタ収容屋根前部720f、および一般入賞球通路720gを有している。
【0131】
入賞装置基台720の前面はほぼ全面が平面状に形成されている。前面上方の所定位置には可変入賞口235の一内面となる基台平面部720aが設けられている。基台平面部720aの右端の所定位置には遊技球が通過可能な大きさの開口が形成された入賞球通過用開口部720cが設けられている。可変入賞口画成部710の左側面部710c、右側面部710d、底面部第1傾斜平面710e、底面部第2傾斜平面710f、および非入賞球通路710gの各後端辺を基台平面部720aの表面の所定位置に位置合わせして、2本の取付ねじ714で基台平面部720a裏面側から可変入賞口画成部710を基台平面部720aの前側に固定して可変入賞口235が構成される。可変入賞口235は、前面部裏面710bと基台平面部720a表面とで所定幅でほぼ平行に配置された対向内壁が構成され、底面部第1傾斜平面710e、底面部第2傾斜平面710f、および後方傾斜面710h、さらに前面部裏面710bに垂直で上下方向に延びる右側面部710dの左壁面で、対向内壁を結ぶ底面部および側面部が構成される。また、前面部裏面710bを含む平面、基台平面部720aの表面を含む平面、底面部第1傾斜平面710eを含む平面、および右側面部710dの左壁面を含む平面が第1基準平面と交差して画定される第1基準平面内の閉領域で可変入賞口235の開口面(開口領域)が構成される。後方傾斜面710hは後方端辺が入賞球通過用開口部720cの下辺上にまで延びて固定される。
【0132】
可変入賞口235の開口面と基台平面部720aの表面との交線の下方の基台平面部720aには、当該交線に平行に当該交線の左右方向の幅内で細長長方形の開口が3つ形成された発光窓720dが配置されている。また、当該交線の上方には、当該交線に平行に当該交線の左右方向の幅をわずかに超える幅で細長長方形の開口が形成されたシャッタ出没用開口部720bが配置されている。
【0133】
基台平面部720aの表面下方であって、入賞装置基台720の円弧状端辺の上側には平滑性が比較的高い透明樹脂平面板が取付られた円形外形の発光窓720eが配置されている。入賞装置基台720の所定表面には、低い凹凸による飾り模様が施され、凸部は一部が例えば金色に鍍金され、他部は透過性を備え、凹部は例えば半透過性を有するように加工されている。
【0134】
基台平面部720aの裏面であってシャッタ出没用開口部720bの上方には、シャッタ収容屋根前部720fが設けられている。シャッタ収容屋根前部720fの右側には一般入賞球通路720gが配置されている。一般入賞球通路720gの前側には一般入賞口226が配置されて入賞装置基台720裏面から2本の取付ねじ716で固定されている。入賞装置基台720の円弧状端辺の上端表面には、遊技領域124の右上方から流下してくる遊技球の進路を左下方に変更する球通路712が配置されて入賞装置基台720裏面から1本の取付ねじ718で固定されている。
【0135】
照明部730は、例えば透明樹脂材料により一体成型されて、入賞装置基台720の裏面に形成された不図示の凹凸部に嵌め込まれて配置される形状を有している。照明部730は、光射出部730a、730b、入賞球通過用通路730c、および上側平面部730dを有している。
【0136】
光射出部730aは、照明部730が入賞装置基台720の裏面に嵌め込まれると、基台平面部720aに開口された3つの発光窓720dに嵌め込まれるように3つの発光窓720dの開口輪郭に倣う突出部を有している。突出部の前部は、光射出部730aが発光窓720dに嵌め込まれると基台平面部720a表面にほぼ一致する平面形状に形成されている。突出部の前部平面の裏面には入射光を散乱させる微小プリズムが複数整列して配置されている。突出部内方には、例えばLED等の発光素子(不図示)が配置され、光射出部730aは、当該発光素子からの光を突出部前部平面から発光窓720dを介して可変入賞口235内に射出する。
【0137】
光射出部730bは、照明部730が入賞装置基台720の裏面に嵌め込まれると、基台平面部720aの表面下方の円形外形の発光窓720eに嵌め込まれるように発光窓720eの開口輪郭に倣う突出部を有している。突出部の前部は、光射出部730bが発光窓720eに嵌め込まれると発光窓720e裏面にほぼ一致する平面形状に形成されている。突出部の前部裏面には入射光を散乱させる微小プリズムがランダムに複数配置されている。突出部後方には、例えばLED等の発光素子(不図示)が配置され、光射出部730bは、当該発光素子からの光を突出部前部平面から発光窓720eを介して前方に射出する。
【0138】
入賞球通過用通路730cは、照明部730が入賞装置基台720の裏面に嵌め込まれると、基台平面部720aの右端の所定位置に開口された入賞球通過用開口部720cと前後方向に定距離を隔てて対向する。
【0139】
照明部730が入賞装置基台720の裏面に嵌め込まれると、入賞球通過用通路730cと入賞球通過用開口部720cとの間の隙間を含む所定空間が形成され、当該所定空間に球検出センサ732が挟持されるようになっている。球検出センサ732は、球が通過可能な内径を有する開口部と、開口部を球が通過すると球検出信号を生成する電気回路部とを備えている。球検出センサ732の開口部は、入賞球通過用開口部720cと入賞球通過用通路730cとの間に配置されて、可変入賞口235から入球して入賞球通過用開口部720cに到達した遊技球を通過させて入賞球通過用通路730cに流下させる。
【0140】
光射出部730aの上部の上側平面部730dは、照明部730が入賞装置基台720の裏面に嵌め込まれると、シャッタ出没用開口部720bの左右方向の下辺より所定距離低い位置に配置される。
【0141】
基台カバー740は、例えば透明樹脂材料により一体成型されて、入賞装置基台720の裏面と組合わせて配置される。基台カバー740は、前面がほぼ平面形状のカバー面とカバー面の周囲のカバー面前側に所定高さで屹立する縁部を有している。カバー面の前面と縁部とで薄い凹部が形成される。カバー面の所定位置に入賞球通過用開口部740aと上側平面部740bとが形成されている。照明部730と球検出センサ732を入賞装置基台720の裏面に嵌め込んで、不図示の発光素子とそれらの配線類を凹部に収容して基台カバー740を入賞装置基台720の裏面に位置決めして3本の取付ねじ746で入賞装置基台720の裏面に固定する。
【0142】
入賞球通過用開口部740aは照明部730の入賞球通過用通路730cの後方開口を露出させる位置に配置され、上側平面部740bは、シャッタ出没用開口部720bの左右方向の下辺にほぼ一致する位置に配置される。
【0143】
シャッタ駆動用部材750、シャッタ駆動用ソレノイド760、およびシャッタ800は、シャッタ駆動系収容部770に収容される。シャッタ駆動系収容部770は、例えば透明樹脂材料により一体成型されて、前面が開口された箱形状をしている。前方から開口を見て左から右に順に、ソレノイド収容部770a、シャッタ駆動板収容部770b、球通路770c、およびセンサ収容部770dが区画されている。ソレノイド収容部770a、シャッタ駆動板収容部770b、および球通路770cの上方には、シャッタ収容部770eが区画され、シャッタ収容部770e上部はシャッタ収容屋根後部770fになっている。シャッタ収容屋根後部770fには放熱用のスリットが複数開口されている。
【0144】
ソレノイド収容部770aには、シャッタ駆動用ソレノイド760が収容されている。シャッタ駆動用ソレノイド760は、ヨーク760a、コイル760b、可動鉄心760cを有している。コイル670bは例えばフェライト製のボビンに銅線が巻き回されている。ボビン内方の一端側に固定鉄心を配し、固定鉄心と例えば鉄製のヨーク760aとが磁気的に接続されている。ヨーク760aは中空の箱形状から対向2面を除去した構造を有している。ヨーク760aの上下対向2面の一面にコイル670bの固定鉄心が固定され、他面にはボビン内方の他端側が位置するようにコイル670bはヨーク760a内に設置されている。ヨーク760aの当該他面にはボビン内方の他端側が露出する開口が設けられている。開口を介しボビン内方に可動鉄心760cが挿通されている。可動鉄心670cの先端にはシャッタ駆動用部材750の揺動冶具750aの上端の把持部に差し込む把持用円板が固定されている。可動鉄心670cはコイル760bの内方で上下方向に移動可能に保持されている。コイル760bに電流を流さない状態で可動鉄心670cは不図示のばねにより下方に付勢されており、コイル760bに電流を流すことにより上方に移動する。これにより、可動鉄心670cの先端に取り付けられた揺動冶具750aが上下動するようになっている。
【0145】
ソレノイド収容部770aの後壁面には、シャッタ駆動用ソレノイド760をソレノイド収容部770aに固定するための取付金具772が、2つの取付ねじ776で固定されている。シャッタ駆動用ソレノイド760のヨーク760aのソレノイド収容部770aの後壁と対面する側には2つのねじ穴が設けられている。ソレノイド収容部770aの後壁および取付金具772には当該2つのねじ穴に対応する位置に貫通孔がそれぞれ設けられている。この貫通孔を介して取付金具772の後側から2つの取付ねじ774をヨーク760aの2つのねじ穴にねじ込んでシャッタ駆動用ソレノイド760がソレノイド収容部770aに固定されている。
【0146】
シャッタ駆動用部材750は、揺動冶具750aとシャッタ駆動板とを有している。揺動冶具750aは例えば黒色樹脂等で成型されている。シャッタ駆動板は例えば黒色樹脂等で一体成型され、軸部750bと、それぞれ板状の第1板部750c、第2板部750d、および第3板部750eを有している。
第1板部750cの下端左側面には、ソレノイド収容部770aに収容された揺動冶具750aの右側面に形成された案内溝内に突出して、当該案内溝で方向を規制されて移動可能な案内軸が形成されている。
第1板部750cの上端辺には左右側面からほぼ垂直に突出する軸を有する軸部750bが形成されている。第2板部750dの下端辺は第1板部750cの上端辺と一体となり軸部750bを共有している。第1板部750cに対し、第2板部750dは軸部750bで前側に所定角度で曲げられている。第3板部750eは第2板部750dの上端辺から第2板部750dの板面に平行に延びて形成されている。第3板部750eの板厚は第2板部750dの板厚より薄く形成されている。第3板部750eの上端辺は断面が円弧状に形成されている。
軸部750bから第3板部750e上端までの距離は、軸部750bから第1板部750cの案内軸までの距離より長く形成されている。
【0147】
シャッタ駆動用部材750のシャッタ駆動板はシャッタ駆動板収容部770bに収容される。シャッタ駆動板収容部770bにはシャッタ駆動板の軸部750bの両軸を受ける軸受部が設けられている。シャッタ駆動板をシャッタ駆動板収容部770bに収容して軸部750bの両軸を軸受部に載置すると、シャッタ駆動板の第1乃至第3板部750c〜750eは軸部750bを回転中心として前後に回動(揺動)可能となる。
また、シャッタ駆動板をシャッタ駆動板収容部770bに収容して、第1板部750cの下端左側面に突出する案内軸はソレノイド収容部770aに収容された揺動冶具750aの右側面に形成された案内溝に差し込まれる。
【0148】
シャッタ駆動用ソレノイド760の非駆動時には、可動鉄心670cの先端の揺動冶具750aはその底面がソレノイド収容部770aの底面に当接して停止している。この非駆動時の揺動冶具750aの案内溝内の案内軸の停止位置における第3板部750eの上端辺の位置を初期位置とする。
揺動冶具750aの案内溝は、揺動冶具750aが上昇すると、軸部750bを回転中心として第1板部750cの案内軸を前方向に回転移動させるように溝通路が形成されている。このため、シャッタ駆動用ソレノイド760に通電して可動鉄心670cを駆動して揺動冶具750aを所定距離上昇させると、揺動冶具750aの案内溝の上昇に伴い案内溝内の溝通路に倣って案内軸が移動して軸部750bを回転中心として第1板部750cを前方向に回転移動させる。これにより、軸部750bを挟んで第1板部750cの反対側に位置する第3板部750eの上端辺を初期位置から所定距離後方に移動させることができる。
【0149】
シャッタ収容部770eには、収容したシャッタ800を前後に出没可能に保持するための一組の左右レール部材752、754が取り付けられている。左右レール部材752、754はそれぞれ例えば黒色樹脂等で成型されている。左レール部材752は、逆コ字状の凹型レール部と、凹型レール部の基端に設けられた取付端部とを有している。右レール部材754は、コ字状の凹型レール部と、凹型レール部の基端に設けられた取付端部とを有している。左右レール部材752、754は、シャッタ800の左右端辺をそれぞれ摺動可能に保持する余裕を持たせてシャッタ収容部770eの後壁面に2つの取付ねじ756、758でそれぞれ固定されている。また、左右レール部材752、754は、シャッタ式入賞装置700を組み立てたときに、シャッタ800がシャッタ出没用開口部720bから出没可能なように、左レール部材752より右レール部材754の方が上方に取り付けられている。
【0150】
シャッタ800は、例えば透明樹脂部材で一体成型されて全体視において、薄板直方体形状をしている。シャッタ800は、シャッタ平面部800a、シャッタ先端部800b、および駆動用部材連結部800cを有している。シャッタ平面部800aはほぼ長方形平面を有しており、左右幅は可変入賞口235の開口面の左右幅よりわずかに広い幅を有している。シャッタ平面部800aの前側端辺から所定幅でシャッタ先端部800bが形成されている。シャッタ先端部800bは、シャッタ平面部800aの上平面の前側端辺から所定角度で前方に下降する傾斜上平面と、シャッタ平面部800aの下平面に一致して前方に延びる下平面を有している。傾斜上平面と下平面が交差する先端辺は所定の丸め加工が施されている。傾斜上平面と下平面とで挟む角は、例えば25度〜30度である。シャッタ800のシャッタ先端部800bを細く形成したので、シャッタ800と遊技球とが接触した時点の接点となる面積を減らして球噛みの可能性を低減させることができる。シャッタ先端部800bの上面側が傾斜しているので、凹凸部900の角部との間で遊技球が挟まりかけたときの力を逃がすことができる。
【0151】
シャッタ平面部800aの後側端辺ほぼ中央部に駆動用部材連結部800cが設けられている。駆動用部材連結部800cは下側が開口してシャッタ駆動用部材750の第3板部750eの上端辺が差し込まれる凹部を有している。
【0152】
シャッタ800の駆動用部材連結部800c側を後方にして左右レール部材752、754にシャッタ800の左右側面部を差し込みながら、駆動用部材連結部800cの凹部にシャッタ駆動用部材750の第3板部750eの上端辺を差し込んで、シャッタ800およびその駆動系が構成される。
【0153】
シャッタ駆動系収容部770は、シャッタ駆動板収容部770bの右側に球通路770cが形成されている。また、球通路770cの右側にセンサ収容部770dが形成されている。センサ収容部770dには所定のセンサ762が配置されている。
【0154】
シャッタ駆動用部材750、シャッタ駆動用ソレノイド760、およびシャッタ800等を収容したシャッタ駆動系収容部770は、入賞装置基台720の裏面にねじ留めされた基台カバー740の裏面に3本の取付ねじ748で基台カバー740に固定される。なお、基台カバー740の裏面の所定位置には、シャッタ駆動板の軸部750bの軸がシャッタ駆動板収容部770bの軸受部から脱落しないように軸受部の開口を塞ぐ閉鎖部が設けられている。また、シャッタ駆動系収容部770のシャッタ収容屋根後部770fの上面はシャッタ収容屋根前部720fの上面にほぼ一致している。
【0155】
図10は組み立てられたシャッタ式入賞装置700の斜視図である。図10(a)、(b)共に、シャッタ式入賞装置700の前方から後方を図左下から右上に向かって示している。図10(a)は、シャッタ800が現出して可変入賞口235の開口面を塞いでいる状態を示している。図10(a)に示す状態は、シャッタ駆動用ソレノイド760が非駆動状態で可動鉄心670cがばねにより下方に押されて第3板部750eが初期位置で駆動用部材連結部800cを介してシャッタ800を前方に押している状態である。これにより、シャッタ出没用開口部720bからシャッタ800が現出して、シャッタ先端部800bが前面部裏面710bに接触し、可変入賞口235の開口面を塞いで可変入賞口235を閉鎖状態にしている。
【0156】
また、シャッタ先端部800bの左端は非入賞球通路710gの上方に、右端は右側面部710dの上方に一部がかぶるように現出して可変入賞口235の開口面の閉鎖を行っている。シャッタ平面部800aは、右から左に向かって下降するように傾斜しており、球通路として機能する。可変入賞口235の開口面上方のスペースを極力広く取っているので、シャッタ800の閉鎖時にシャッタ800の上部に乗った遊技球を速やかに流下させることが可能となっている。例えば、球通路712に達した球はバウンドしたり転がったりしながら可変入賞口235上のシャッタ平面部800aを通過して、非入賞球通路710gを転がったり跳び越したりして左下方に流下する。
【0157】
図10(b)は、シャッタ800が退出して可変入賞口235の開口面が現れている状態を示している。図10(b)に示す状態は、シャッタ駆動用ソレノイド760が駆動状態でばねの力より電磁石の磁力が勝り可動鉄心670cが上昇して、第3板部750eの上端辺が初期位置から後方に移動して駆動用部材連結部800cを介してシャッタ800を後方に引っ張っている状態である。この状態で、シャッタ出没用開口部720bの後方にシャッタ800が退出して、可変入賞口235の開口面が現れて可変入賞口235が開放されている。このように、シャッタ800は、可変入賞口画成部710の左側面部710cの左上端辺と右側面部710dの右上端辺、および前面部710aの上端辺710iを含む空間S内に出没可能になっている。図10(b)に示すように可変入賞口235の開口面が現れている場合は、例えば球通路712に達した球はバウンドしたり転がったりしながら高確率で空間Sおよび開口面を通過して可変入賞口235に入球する。
【0158】
特図1または特図2始動口230、232に入球があり特図1または特図2の関連抽選処理(図7のステップS229、S231)により当否判定結果が15R特別大当りとなると、主制御部300は当該特図変動遊技の終了後の大当り遊技において特図1または特図2の状態更新処理(図7のステップS225、S227)によりシャッタ800の出没動作の制御を行う。この際に、第1副制御部400の制御(図8のステップS315等)に基づき、大当り遊技中に、可変入賞口235の開口面の後下側に臨んでいる光射出部730aからの発光および光射出部730bからの発光によりシャッタ式入賞装置700が光る演出が行われる。
【0159】
図11は組み立てられたシャッタ式入賞装置700を示している。図11(a)は、シャッタ式入賞装置700を上方から右後方にずれた位置から見た斜視図であって、シャッタ式入賞装置700の前側を図左方に示し、左側を図上方に示している。図11(b)は、シャッタ式入賞装置700を直上から見た状態であって、シャッタ式入賞装置700の前側を図左方に示し、左側を図上方に示している。図11(a)、(b)は共にシャッタ800がシャッタ出没用開口部720b内に没して可変入賞口235の開口面が露出した図10(b)の状態を示している。
【0160】
図11(a)、(b)に示すように、前面部裏面710bの上端辺710i近傍に上端辺710iにほぼ平行に延びる凹凸部900が形成されている。凹凸部900は空間S内でシャッタ800の現出位置よりも上部に形成されている。凹凸部900は、例えば可変入賞口画成部710と一体的に成型され、上端辺710iに沿って延びる凸状の梁部の上面に略同一形状の斜面部が一列に離散的に複数配置された構造を有している。斜面部は前面部裏面710bの上端辺710i寄りから後下方に向かって延びる傾斜平面を有しており、当該傾斜平面を一側面とする三角柱の概略形状をしている。この形状は凹凸部900で左右方向に形成される。この形状により、上方から流下してきた遊技球が当該傾斜平面に当たると遊技球を可変入賞口235の後側に落下させることができる。また、前面部裏面710bと凸状梁部下面の角部が凹凸部900の凹部となっている。凹凸部900の詳細については図12を用いて後程説明する。
【0161】
図11(a)、(b)に示すように、前面部裏面710bと右側面部710dの左壁面との交差角部には前面部裏面710bにほぼ垂直に平面状の板状部の球整列第1部材910が形成されている。球整列第1部材910は凹凸部900の下方で例えば前面部裏面710bおよび右側面部710dの左壁面と一体的に成型されている。球整列第1部材910は、右側面部710dの左壁面から前面部裏面710bに対し所定距離隔てて左方に平行に延びる後端辺と、後端辺から左前方に延びて前面部裏面710bと接する直線状の斜端辺とを有している。
【0162】
前面部裏面710bと基台平面部720aの表面との間の幅は、例えば、遊技球の直径(11mm)の1.3倍〜1.6倍程度であり好適には1.5倍程度になっている。同様に、球整列第1部材910の前面部裏面710bから後端辺までの幅は、例えば、遊技球の直径の0.3倍〜0.5倍程度であり好適には0.4倍程度に設定されている。このため、球整列第1部材910の板状部が前面部裏面710b側から遊技球1/2個分よりも小さく突出形成されているので、球整列第1部材910上に遊技球が乗り上げてしまわないようになっている。また、遊技球の転動による側面側の摩擦を軽減可能となる。
【0163】
図11(b)に示すように、直上から見た球整列第1部材910の後端辺の長さは、例えば、遊技球の直径の1.3倍〜1.6倍程度であり好適には1.5倍程度である。同様に、球整列第1部材910の斜端辺の長さは、例えば、遊技球の直径の0.6倍〜1.0倍程度であり好適には1.0倍程度である。図11(b)に示すように直上から見ると、後方傾斜面710hは球整列第1部材910の後端辺で一部が隠されて遊技球1個分が載置可能な略正方形に観察される。
【0164】
球整列第1部材910の後端辺や斜端辺に遊技球が接触することにより、底面部第1傾斜平面710e、底面部第2傾斜平面710f、および後方傾斜面710hの底面傾斜部で構成される球通路の下流側における遊技球の転動可能な幅(または領域)を徐々に狭くして流下する球を整列させることができる。これにより、球検出センサ732に向かって、球検出センサ732に近づくにつれて遊技球を整列させることが可能になる。また、可変入賞口235内の球通路の球詰まりを解消することができる。
【0165】
図11(a)、(b)に示すように、球整列第1部材910と交差して平面状の薄板状の球整列第2部材920が形成されている。球整列第2部材920は、後方傾斜面710hから立上がって右側面部710dの左壁面にほぼ平行で前面部裏面710bにほぼ垂直に形成されている。球整列第2部材920は、例えば、前面部裏面710b、球整列第1部材910、および後方傾斜面710hと一体的に成型されている。球整列第2部材920は、後方傾斜面710hから前面部裏面710bに対し所定距離隔てて上方に平行に延びる後端辺と、後端辺上端部から前方に延びて前面部裏面710bと接する直線状の上端辺とを有している。
【0166】
球整列第2部材920の前面部裏面710bから後端辺までの幅は、球整列第1部材910のそれとほぼ同一である。球整列第2部材920の右側面部710dの左壁面からの距離は、例えば遊技球の直径の0.3倍〜0.5倍程度であり好適には0.4倍程度である。このため、球整列第2部材920上に遊技球が乗り上げてしまわないようになっている。
【0167】
球整列第1部材910は底面部第1傾斜平面710eの上方から下流側の右側面部710dの左壁面に連なって形成されるとともに、球整列第2部材920は下流側の右側面部710dの左壁面から遊技球1/2個分よりも短い距離となる位置に突出形成している。これにより、右側面部710dの左壁面と球整列第2部材920の間に遊技球が乗ってしまうことを防止可能な場合がある。
【0168】
球整列第2部材920の上端辺や後端辺に遊技球が接触することにより、後方傾斜面710h上方に遊技球が滞留したり、球整列第1部材910上側からの遊技球の入賞により、球整列第1部材910の上方に遊技球が載ってしまうことを解消することが可能となる。
【0169】
図12は、シャッタ式入賞装置700の凹凸部900、球整列第1部材910、および球整列第2部材920等についてより詳細に説明する図である。図12(a)は、図11(a)から凹凸部900、球整列第1部材910、および球整列第2部材920を含む領域を中心に抜き出して示している。図12(b)は、図12(a)のA−A線で上下方向に切断した可変入賞口235を前面部裏面710bに向かって見た断面を示している。
【0170】
図12(a)、(b)に示すように、凹凸部900は、凸状梁部900a、斜面部900b、平面部900cを有している。凸状梁部900aは、前面部裏面710bから突出して上端辺710iと可変入賞口235の開口面との間でそれらにほぼ平行に形成されて概略において細長い直方体形状をしている。凸状梁部900aの前面部裏面710bに対し上下に直交する断面の形状は上下方向の辺の長さが例えば遊技球の直径の約0.14倍程度で前後方向の辺の長さが例えば遊技球の直径の0.2倍程度の長方形形状である。凸状梁部900aの前面部裏面710b側下端辺から上端辺710iまでの距離は例えば遊技球の直径の約0.6倍程度の長さに形成されている。
【0171】
斜面部900bは、上端辺710iからわずかに下方に前面部裏面710bと交差する上端辺と、凸状梁部900aの突出端の上端辺に接する下短辺とを備えた傾斜平面を有している。傾斜平面の上端辺および下短辺間の距離は例えば遊技球の直径の約0.4倍程度の長さに形成されている。傾斜平面の上端辺および下短辺の幅は共に例えば遊技球の直径の約0.14倍程度に形成されている。
【0172】
凹凸部900は、下方に向かうにつれて後方へと傾斜する斜面部900bを含んで構成されているので、可変入賞口235に飛翔する遊技球の流れを円滑にできる場合がある。また、凹凸部900の頂上は遊技球が乗らないように面積を狭くすることができる。また、斜面部900bでは遊技球との接点を1つにすることができる。
【0173】
平面部900cは、隣接する2つの斜面部900bの一方の斜面部900bの左側面と他方の斜面部900bの右側面との間に設けられ、凸状梁部900aの上平面で形成されている。平面部900cの左右方向の幅、つまり、隣接する2つの斜面部900bの一方の斜面部900bの左側面と他方の斜面部900bの右側面との距離は例えば遊技球の直径の約0.14倍程度に形成されている。凸状梁部900aの下面と前面部裏面710bの角部が凹凸部900の凹部となる。
【0174】
なお、図12(b)で、凸状梁部900aの下面と可変入賞口235の開口面との間はシャッタ800の出没領域となっている。当該出没領域の凹凸部900とシャッタ800の現出位置との間隔は遊技球1個分の幅より狭く(短く)設定されているので、シャッタ800の閉鎖状態時に当該出没領域に遊技球が入り込むことはない。当該間隔は遊技球1/2個弱の距離が最適である。凹凸部900はシャッタ800の左右方向に亘って形成されている。これにより、可変入賞口235全体に亘って球噛みを防止可能となる。
【0175】
また、図12(b)に示すように、球整列第1部材910は、底面部第2傾斜平面710fを含む平面である第2基準平面にほぼ平行な平面部を有している。球整列第1部材910の平面部は第2基準平面から例えば例えば遊技球の直径の約0.5倍程度の高さに設けられている。なお、球整列第1部材910は、前面部裏面710bに対し垂直ではなく後下方に若干傾斜していてもよい。また、図12(b)に示すように、球整列第2部材920は、後方傾斜面710hの前方中央辺りから上方に屹立している。
【0176】
図3に示すように可変入賞口235上方の遊技釘238は、可変入賞口235の開口面のほぼ中央直上には設けられていない。遊技領域124の右方から流下する遊技球は可変入賞口235直上の遊技釘238が設けられていない領域から可変入賞口235の開口面に向かって大方が左下方向に飛び込んでくる。つまり、図12(b)での図示において、開口面の右半分の下方に位置する底面部第1傾斜平面710eおよび底面部第2傾斜平面710fに入賞球の大半が落下してくる。
【0177】
底面部第1傾斜平面710eおよび底面部第2傾斜平面710fの下方には水平面にほぼ平行な底面部裏平面710jが設けられている。底面部第2傾斜平面710fと底面部裏平面710jとの間には遊技球の直径より短い所定間隔dでリブ710kが設けられている。これにより例えば前面部裏面710b等と比較して底面部第2傾斜平面710fの剛性が高められており、底面部第2傾斜平面710fでの遊技球の過大な跳ねを防止して、一度入賞した遊技球が再び可変入賞口235外に飛び出してしまうのを防止している。
【0178】
上述の通り、シャッタ800のシャッタ平面部800aの傾斜と前面部裏面710b側の凹凸部900の傾斜は共に第1基準平面と平行であり、底面部第2傾斜平面710fの傾斜は第1基準平面と水平面を挟んで逆側の第2基準平面と平行になっている。これにより右打ち(遊技領域124の右側に遊技球を寄せる打ち方)で無駄球を減らしつつ、シャッタ式入賞装置700に入賞した遊技球は、底面部第1傾斜平面710eおよび底面部第2傾斜平面710fにより方向転換してから後方傾斜面710hに至り、その先にある球検出センサ732に導かれる。このため、所定入球数が球検出センサ732により検出された時点で既に可変入賞口235の開口面を過ぎた遊技球も入賞に計数できるオーバー入賞が見込める。これにより、興趣を向上させることができる。
【0179】
次に、図13および図14を用いてシャッタと複数種類の壁部平面との間での球噛み動作を模式的に例示しつつ球噛み状態を抑制可能な機構について説明する。図13および図14の各図は、本実施形態のシャッタ800と同様の動作をするシャッタTの先端と壁部Wとが遊技球Bと接触している状態を、壁部Wの壁面に平行な水平線に直交する平面で切断した断面を模式的に示している。図13および図14の各図において、特に断らない限り、図の左右方向を水平方向(右向きを正(+)、左向きを負(−)とする)とし、図の上下方向を鉛直方向(上向きを正(+)、下向きを負(−)とする)とする。また、図13および図14の各図において、壁部Wを図左側に示し、シャッタTを右側に示す。なお、図13および図14、さらに図15の説明において、遊技球Bの自転や流下による運動エネルギー等については無視し、各要素が図示の状態で静止状態にあるものとする。
【0180】
いずれの場合においてもシャッタTはほぼ水平方向に出没し、水平方向の負方向に出現し正方向に退出する。シャッタTの出没方向(移動方向)を作動方向ADとして示す。また、遊技球BとシャッタT先端の接点(作用点)をTP1とし、遊技球Bと壁部W(図14では凸部L)の接点をTP2(複数ある場合は、順次、TP3等と示す)とする。接点TP2と遊技球Bの中心oを通る仮想直線をVL(複数ある場合は、順次、VL2等と示す)とする。
【0181】
また、シャッタTと遊技球Bとの静止摩擦係数と壁部Wと遊技球Bとの静止摩擦係数は同一でありμとする。遊技球Bの質量をmとし、重力加速度をgとして、遊技球Bには鉛直下方に大きさmgの重力が作用している。
【0182】
図13(a)は、鉛直方向に延びる壁部Wの壁部平面にほぼ垂直にシャッタTが近づいて、接点TP1と接点TP2で遊技球Bを挟んだ状態を示している。つまり、接点TP1と接点TP2は遊技球Bの中心oを通る同一直線上にあり、且つ作動方向ADと仮想直線VLは一致している。
【0183】
遊技球Bの中心oと接点TP1とを結ぶ直線は作動方向ADに一致している。接点TP1において、シャッタTから作動方向ADに−f1の押圧力が遊技球Bに作用している。また接点TP2において、遊技球Bには、壁部Wに直交する仮想直線VL上に押圧力−f1の反力として+f1の押圧力(反力)が作用している。
【0184】
接点TP1のシャッタT先端部と遊技球Bとの接触面には、+f1の垂直抗力が発生しており、最大静止摩擦力は+μf1となる。また、接点TP2の壁部Wと遊技球Bとの接触面には、−f1の垂直抗力が発生しており、最大静止摩擦力は+μf1となる。
【0185】
従って、重力の大きさmgが、接点TP1および接点TP2に生じる最大静止摩擦力の鉛直方向成分の大きさの総和A(=2μf1)より大きい場合、即ち、2μf1−mg<0の場合は、遊技球Bは壁部WとシャッタT先端部との間に挟まっても静止することなく下方に落下する。一方、重力の大きさmgが総和A以下の場合、即ち、2μf1−mg≧0の場合は、遊技球Bは壁部WとシャッタT先端部との間に挟まって静止する球噛み状態が発生し得る。以下、本例では、2μf1=mg(式(1)とする)として説明する。
【0186】
このように、図13(a)に示す構成では、壁部Wと遊技球Bの接点TP2から遊技球Bの中心oを結ぶ仮想直線VLとシャッタTが遊技球Bと接触した時点のシャッタTの作動方向ADとが一致しているため、壁部WとシャッタT先端とで遊技球Bを噛んでしまう危険性が高くなっている。図13(a)では仮想直線VLと作動方向ADとが遊技球Bの中心oを通り一致しているため最も遊技球Bを噛み易い状態を示しているが、シャッタTが鉛直方向に多少平行移動して作動方向ADが遊技球Bの中心oを通らない場合でも仮想直線VLと作動方向ADの関係は平行の状態となる。但しこの場合は、シャッタTの遊技球Bを押圧する押圧力(閉鎖の力)の大きさf1でシャッタTの上方あるいは下方のいずれかに遊技球Bを押し出すことができる場合がある。あるいは、仮想直線VLと作動方向ADとが一致している場合に比較して鉛直方向の最大静止摩擦力の大きさの総和Aが小さくなるので遊技球Bの自重で遊技球Bを落下させることができる場合がある。
【0187】
図13(b)は、シャッタTから見て壁部W平面が下方に向かって奥側に傾斜する凹部を有する場合である。シャッタTは壁部Wの傾斜平面の法線に対し所定角度で壁部Wの傾斜平面に近づいて、接点TP1と接点TP2で遊技球Bを挟んだ状態を示している。
【0188】
作動方向ADは、遊技球Bの中心oと接点TP1とを結ぶ直線に一致し、且つ接点TP2の下方を通過している。接点TP1において、シャッタTから作動方向ADに−f1の押圧力が遊技球Bに作用している。また、接点TP1のシャッタT先端部と遊技球Bとの接触面には、+f1の垂直抗力が発生しており、最大静止摩擦力は+μf1となる。
【0189】
接点TP1と接点TP2は遊技球Bの中心oを通る同一直線上になく、且つ作動方向ADと仮想直線VLは一致せず非平行になっている。接点TP2において、遊技球Bには、壁部Wの傾斜壁面に直交する仮想直線VL上に遊技球Bの中心oに向かう大きさfxyの押圧力が作用している。押圧力の水平方向分力は+fxであり、鉛直方向分力は−fyであるとする。
【0190】
また、接点TP2の接触面には、大きさfxyの垂直抗力が発生しており、接触面内で上方に向く最大静止摩擦力はμfxyとなり、その水平方向分力は+μfyであり、鉛直方向分力は+μfxである。鉛直方向の最大静止摩擦力の総和Aは、+μf1+μfxである。
【0191】
遊技球Bに水平方向に働く力は、fx+μfy−f1=0、鉛直方向に働く力は、μf1+μfx−mg−fyとなる。従って、鉛直下方に働く力の大きさ(=mg+fy)が、鉛直上方に働く摩擦力の大きさ(=μf1+μfx)より大きい場合、即ち、mg+fy>μf1+μfx(式(2)とする)の場合は、遊技球Bは壁部WとシャッタT先端部との間に挟まっても静止することなく下方に落下する。一方、μf1+μfx≧mg+fyの場合は、遊技球Bは壁部WとシャッタT先端部との間に挟まって静止する球噛み状態が発生し得る。
【0192】
ここで、図13(a)に示す構成と図13(b)に示す構成とで静止摩擦係数μが同じで接点TP1でのシャッタTの押圧力も同じ(=−f1)であると仮定すると、2μf1>μf1+μfxであるから、上記式(1)を用いて、mg>μf1+μfxとなるので、mg+fy>μf1+μfxとなり上記式(2)が満たされる。よって、シャッタTの押圧力f1が同じであれば、図13(a)に示す構成で球噛み状態が生じる場合でも、図13(b)に示す構成にすることにより球噛みを防止することができる場合がある。
【0193】
このように、図13(b)に示す構成では、壁部Wと遊技球Bの接点TP2から遊技球Bの中心oを結ぶ仮想直線VLとシャッタTが遊技球Bと接触した時点のシャッタTの作動方向ADとが非平行になっているため、シャッタTの作動の力が接点TP2に及び難くなる。そのため、遊技球Bを噛む危険性が緩和される。
【0194】
また、図13(b)に示すような凹部を有する場合は壁部Wの最薄部にも基本的な肉厚がある程度必要となるため、壁部Wの頂部の肉厚は相対的に厚くなる。このため、壁部Wの頂部には遊技球Bが乗り留まることがないように、図示のように例えば、断面が三角形状の凸部Cを頂部に設けることが望ましい場合がある。
【0195】
図13(c)は、シャッタTから見て壁部W平面が下方に向かって奥側に傾斜する凹部とその下方に壁部W平面が下方に向かって手前側に傾斜する凸部を有する場合である。シャッタTは壁部Wの凹部傾斜平面および凸部傾斜平面の両法線に対し所定角度で壁部Wの両傾斜平面に近づいて、シャッタT先端と遊技球Bの接点TP1と壁部Wと遊技球Bの2つの接点TP2、TP3とで遊技球Bが挟まれた状態を示している。この場合は詳細に説明するまでもなく、遊技球Bと壁部Wとで複数の接点(本例では2つの接点TP2、TP3)がある場合は遊技球Bを噛んでしまう危険性が高くなる。このため、壁部Wと遊技球Bとの接点は1つとなることがより好ましい。
【0196】
図14(a)〜(d)は、壁部Wが、壁部W平面のシャッタTより上方位置から突出する凸部Lを有する場合である。図14(a)は、シャッタTが壁部Wの平面の法線方向に壁部Wの平面に近づいて、シャッタT先端との接点TP1と壁部Wの凸部Lの角部との接点TP2で遊技球Bを挟んだ状態を示している。
【0197】
図14(a)において、作動方向ADは、接点TP2の下方であってさらに遊技球Bの中心oの下方を通っている。また、接点TP2と遊技球Bの中心oを通る仮想直線VLの延長上に接点TP1がある。従って、作動方向ADと仮想直線VLは一致せず非平行になっている。仮想直線VLをx軸(接点TP2から接点TP1に向かう方向を正とする)とし、x軸に直交する軸をy軸(重力加速度gの向きと逆側を正とする)とする。
【0198】
遊技球Bの接点TP1には、シャッタT先端から作動方向ADに押圧力(=−f1)が作用している。遊技球Bの接点TP1での垂直抗力の大きさは、押圧力のx軸方向分力f1xと遊技球Bに作用する重力のx軸方向分力mgxの和f1x+mgxであり、遊技球Bの接点TP1でy軸方向の最大静止摩擦力は+μ(f1x+mgx)となる。
【0199】
一方、遊技球Bの接点TP2には、凸部Lの角部から作動方向ADに平行に押圧力(=+f1)が作用している。遊技球Bの接点TP2での垂直抗力の大きさは、押圧力のx軸方向分力f1xに等しく、遊技球Bの接点TP2でy軸方向の最大静止摩擦力の大きさはμf1xとなる。
【0200】
従って、遊技球Bにy軸方向に働く力は、+μ(f1x+mgx)+μf1x−mgyとなる。ここで、接点TP1と接点TP2で挟まれた状態から遊技球Bが落下するには、+μ(f1x+mgx)+μf1x−mgy<0の場合には確実に落下する。一方、接点TP2での最大静止摩擦力+μf1xは接点TP1での最大静止力+μ(f1x+mgx)に比して小さい。従って、接点TP2での最大静止摩擦力+μf1xが遊技球Bの自重のy方向成分の半分より小さい場合は接点TP1を支点として遊技球Bは落下する場合がある。
【0201】
図14(a)においてmgとmgyとのなす角をθとすると、f1cosθ=f1x、mgcosθ=mgyである。上記式(1)よりμf1=mg/2であるのでμf1cosθ=(mg/2)cosθとなり、μf1x=mgy/2が成り立つ。μf1>μf1xだから、図14(a)に示す場合の方が図13(a)に示す場合より小さい力で遊技球Bは落下可能である。
【0202】
このように、図14(a)に示す構成では、壁部Wの凸部Lと遊技球Bの接点TP2から遊技球Bの中心oを結ぶ仮想直線VLとシャッタTが遊技球Bと接触した時点のシャッタTの作動方向ADとが非平行になっているため、シャッタTの作動の力が接点TP2に及び難くなる。そのため、遊技球Bを噛む危険性が緩和される。また、遊技球の形状により水平方向へのシャッタTの動きの力の係り具合が変化し遊技球Bが噛んでしまう危険性があるが、ベクトル自体は小さくなる。
【0203】
図14(b)は、シャッタTが壁部Wの平面の法線方向に壁部Wの平面に近づいて、シャッタT先端との接点TP1と壁部Wの凸部Lの角部との接点TP2で遊技球Bを挟んだ状態を示している。図14(b)において、作動方向ADは、接点TP2の下方であって遊技球Bの中心oの上方を通っている。従って、作動方向ADと仮想直線VLは一致せず非平行になっている。この状態では、壁部Wの凸部L側の接点TP2とシャッタT側の接点TP1との鉛直方向の位置を近接させることで遊技球Bを下側に落とすこともでき、球噛み状態の可能性が少なくなっている。
【0204】
図14(c)は、シャッタTは壁部Wの平面の法線方向に壁部Wの平面に近づいて、シャッタT先端と遊技球Bの接点TP1と、壁部Wの凸部Lと遊技球Bの接点TP2とで遊技球Bが挟まれた状態を示している。図14(c)に示す状態は図13(b)に示す状態とほぼ同様に作用する。このように、図14(a)に示す状態では、壁部Wの凸部Lと遊技球Bの接点TP2から遊技球Bの中心oを結ぶ仮想直線VLとシャッタTが遊技球Bと接触した時点のシャッタTの作動方向ADとが非平行になっているため、シャッタTの作動の力が接点TP2に及び難くなる。そのため、遊技球Bを噛む危険性が緩和される。
【0205】
図14(d)は、壁部Wの凸部Lは図14(a)等と同様だが、シャッタTの作動方向ADが図14(a)等に比較して凸部L側に近寄っている場合である。シャッタTが壁部Wの鉛直平面の法線方向から壁部Wに近づいて、シャッタT先端と遊技球Bの接点TP1と、壁部Wの凸部Lの角部と遊技球Bの接点TP2と、壁部Wの鉛直平面との接点TP3との3点で遊技球Bが挟まれた状態を示している。
【0206】
壁部Wの凸部Lと遊技球Bの接点TP2から遊技球Bの中心oを結ぶ仮想直線VL1とシャッタTが遊技球Bと接点TP1で接触した時点のシャッタTの作動方向ADとが非平行になっている。また、壁部Wと遊技球Bの接点TP3から遊技球Bの中心oを結ぶ仮想直線VL2は作動方向ADと一致しないが平行になっている。
【0207】
この場合において、シャッタTと遊技球Bとの接点TP1を遊技球Bの中心oより上方、即ち、仮想直線VL2より上に位置させることができるので、遊技球Bの重量等の要件も含めて下側に落とし易くすることができる。なお、シャッタTと遊技球Bとの接点TP1を上方にするには凸部LとシャッタTの上下方向の位置を近接させればよい。具体的には、凸部Lの接点TP2から作動方向ADに下した垂線の長さ(距離)が、凸部Lの接点TP2から仮想直線VL2に下した垂線の長さより短ければよい。
【0208】
このように、壁部W側で2接点TP2、TP3での接触となっても、一方の接点TP2が凸部Lの角部にあり、且つシャッタTと遊技球Bとの接点TP1が遊技球Bの中心oよりも上であればシャッタTの作動する力と遊技球Bの重力により下側に遊技球Bを落とすことが可能である。
【0209】
なお、図示は省略したが凸部Lの突出量を大きくすると図14(d)のような壁部Wでの2点接触になってしまう危険性を小さくできる。これにより、シャッタTが遊技球Bと接している状態での遊技球Bの壁部W側の接点が1つとなるように凸部Lを形成すれば、壁部W側とシャッタTとで3点支持となることを避けて球噛みを防止することができる。
【0210】
なお、壁部Wと遊技球Bの2点接触を避けるために凸部Lの突出量を大きくした場合は、凸部Lの上部に遊技球Bが乗らないようにする必要がある。そのためには、図14(a)〜(d)に示すような凸部Lを有する場合は凸部Lの上部に遊技球Bが乗り留まることがないように凸部Lの上部を例えば断面三角形状に設けることが望ましい。
【0211】
以上説明した種々の状態を踏まえ、図14(e)は、壁部Wに平行な方向に直交する平面で切った断面形状が円弧や楕円の弧、あるいはそれらの組合せにより形成した凸部Lを示している。これにより、凸部Lの上に遊技球Bが乗ってしまうことを避けることができる。
【0212】
さらに、図14(f)は、壁部Wに平行な方向に直交する平面で切った断面形状が壁部W側を底辺とする三角形形状に形成した凸部Lを示している。これにより、凸部Lの上に遊技球Bが乗ってしまうことを避けることができると共に、壁部Wと遊技球Bとの接触を1点にする可能性を高められる。また、凸部LはシャッタTの現出位置より上部に形成されているので遊技球Bを噛みそうになった場合に上方へ遊技球Bを逃がすことが可能となる。
【0213】
次に、図15を用いて本実施形態によるシャッタ式入賞装置700の凹凸部900を用いた球噛み防止動作について説明する。図15(a)〜(c)は、左右方向(紙面の奥から手前に向かう方向)に直交する平面で切断した可変入賞口235近傍の断面を模式的に示している。
【0214】
図15(a)は、比較例として凹凸部900を設けない場合に生じ得る球噛み動作を示しており、図13(a)と同様の状態を示している。遊技領域124を流下して可変入賞口235の開口面に向かう遊技球Bが、基台平面部720aのシャッタ出没用開口部720bから現出途上のシャッタ800のシャッタ先端部800bに接触すると共に、前面部裏面710bに接触して静止している球噛み状態を示している。
【0215】
遊技球Bには重力mgが鉛直下方に作用している。シャッタ先端部800bが遊技球Bと接触する時点でのシャッタ先端部800bと遊技球Bとの接点をTP1とし、同時点での前面部裏面710b側と遊技球Bの接点をTP2とする。
【0216】
遊技球Bには接点TP1において、シャッタ800の現出方向に等しい作動方向ADにシャッタ800からの前向き(図左方向)の押圧力F1(大きさf1)が作用している。作動方向ADは遊技球の中心(重心)oと接点TP1とを結ぶ直線に一致している。また、遊技球Bは接点TP2において、前面部裏面710bに直交して遊技球Bの中心を通る仮想直線VL上に押圧力F1と同じ大きさf1で向きが逆の反力Fr1が作用している。つまり、接点TP1と接点TP2は遊技球Bの中心を通る直線上にあり、作動方向ADと仮想直線VLは一致している。
【0217】
この場合において、接点TP1のシャッタ先端部800bと遊技球Bとの接触面には、大きさf1の垂直抗力が発生しており静止摩擦係数をμとすると大きさがμf1で鉛直上方に向いた最大静止摩擦力Ff1が生じる。また、接点TP2の前面部裏面710bと遊技球Bとの接触面には、大きさf1の垂直抗力が発生しており静止摩擦係数をμ(接点TP1と同一とする)とすると大きさがμf1で鉛直上方に向いた最大静止摩擦力Ff2が生じる。
【0218】
従って、鉛直下方に向いた重力mgの大きさが最大静止摩擦力の大きさの和Ff1+Ff2を超えない限り、遊技球Bが前面部裏面710bとシャッタ先端部800Bとの間に挟まった球噛み状態が発生し得る。
【0219】
図15(b)は、実施例1として凹凸部900により球噛みが回避される状態を示している。凹凸部900は下方に向かうにつれて後方へと傾斜する斜面部900bを有している。図15(b)に示す状態は、遊技領域124を流下して可変入賞口235の開口面に向かう遊技球Bが、基台平面部720aのシャッタ出没用開口部720bから現出途上のシャッタ800のシャッタ先端部800bと接点TP1で接触すると共に、前面部裏面710b上の凹凸部900の凸状梁部900aの前面部裏面710bから突出する突出下端辺と接点TP2で接触した状態を示している。
【0220】
本実施例では、作動方向ADは、接点TP2の下方であってさらに遊技球Bの中心oの下方を通り、作動方向ADと仮想直線VLは一致せず非平行になっている。この状態は図14(a)の状態と同様であり、さらに、仮想直線VLの延長上の遊技球Bとの交点より上に接点TP1がある状態を示している。
【0221】
このように、図15(b)に示す実施例1は、遊技領域124を流下する遊技球Bが、シャッタ800および前面部裏面710b側に接触した際に、前面部裏面710b側と遊技球Bの接点TP2と当該遊技球Bの中心oを結ぶ仮想直線VLが、シャッタ800における遊技球Bと接触する時点でのシャッタ800の作動方向ADと非平行となるように前面部裏面710b側に凹凸部900を形成したことを特徴とする。
【0222】
本実施例の構成によれば、前面部裏面710bの凹凸部900と遊技球Bの接点TP2から遊技球Bの中心oを結ぶ仮想直線VLとシャッタ800が遊技球Bと接触した時点のシャッタ800の作動方向ADとが非平行になっているため、シャッタ800の作動の力が接点TP2に及び難くなる。そのため、遊技球Bを噛む危険性が緩和される。
【0223】
具体的には、図14(d)のような壁部Wでの2点接触になってしまう危険性を小さくするために凹凸部900の前面部裏面710bからの突出量を相対的に大きくしている。これにより、シャッタ800が遊技球Bと接している状態での遊技球Bの前面部裏面710b側の接点を凹凸部900角部の接点TP2の1つだけにして、前面部裏面710b側とシャッタ800とで3点支持となることを避けて球噛みを防止することができる。
【0224】
なお、壁部Wと遊技球Bの2点接触を避けるために凸部Lの突出量を大きくした場合は、凸部Lの上部に遊技球Bが乗らないようにする必要がある。そのために凹凸部900は斜面部900bを有している。
【0225】
図15(c)は、実施例2として凹凸部900により球噛みが回避される状態を示している。凹凸部900は下方に向かうにつれて後方へと傾斜する斜面部900bを有している。図15(c)に示す状態は、遊技領域124を流下して可変入賞口235の開口面に向かう遊技球Bが、基台平面部720aのシャッタ出没用開口部720bから現出途上のシャッタ800のシャッタ先端部800bに接点TP1で触すると共に、前面部裏面710b上の凹凸部900の凹部の前面部裏面710bに接点TP2で接触した状態を示している。
【0226】
本実施例では、作動方向ADは、凸状梁部900aの突出下端辺より下方で、遊技球Bの中心oおよび接点TP2の上方を通り、作動方向ADと仮想直線VLは一致しないが平行になっている。この状態は図14(d)の状態に類似している。
【0227】
このように、図15(c)に示す実施例2は、遊技領域124を流下する遊技球Bが、シャッタ800および前面部裏面710b側に接触した際に、前面部裏面710b側と遊技球Bの接点TP2と当該遊技球Bの中心oを結ぶ仮想直線VLが、シャッタ800における遊技球Bと接触する時点でのシャッタ800の作動方向ADと一致しないように前面部裏面710b側に凹凸部900を形成したことを特徴とする。
【0228】
本実施例の構成によれば、前面部裏面710bの凹凸部900の凹部と遊技球Bの接点TP2から遊技球Bの中心oを結ぶ仮想直線VLとシャッタ800が遊技球Bと接触した時点のシャッタ800の作動方向ADとが一致しないため、シャッタ800の作動の力が接点TP2に及び難くなる。そのため、遊技球Bを噛む危険性が緩和される。
図15(b)および(c)に示す構成によれば、凹凸部900はシャッタ800の現出位置より上方に形成されているので遊技球Bが噛みそうになった場合は、可変入賞口235の開口面よりも広い上方からシャッタ式入賞装置700外へ遊技球Bを逃がすことが可能となる。
【0229】
また、本実施例の構成は、遊技球Bがシャッタ800及び凸状梁部900aに接触した場合に、シャッタ800と遊技球Bの接点TP1よりも上部となる位置に遊技球Bと凸状梁部900aの接点TP2を備えるように構成している。この構成によれば、シャッタ式入賞装置700の前面部(飾り部)710aであって、シャッタ800の出現位置よりも上部に球噛み防止手段としての凸状梁部900aを備えたので、シャッタ式入賞装置700の可変入賞口235に飛翔する遊技球Bの流れを円滑にできる場合がある。
【0230】
また、本実施形態によるパチンコ機100のシャッタ式入賞装置700は、遊技盤200表面から前方に向かって突出する突出部としての左側面部710cや右側面部710dと、突出部に連なって前面側に形成される飾り部となる前面部710aを備えるとともにシャッタ800が突出部と飾り部で画成される空間S内に出現可能となっており、飾り部の裏側に凸状梁部900aを形成したことを特徴とする。このパチンコ機100によれば、シャッタ式入賞装置700の可変入賞口235に飛翔する遊技球の流れを円滑にできる場合がある。
【0231】
次に、図16を用いて本実施形態によるシャッタ式入賞装置700の可変入賞口235の底面部第1傾斜平面710eの機能(その1)について説明する。図16(a)は、図12(a)のB−B線で上下方向に切断した可変入賞口235を基台平面部720aに向かって見た断面を示している。図16(b)は、比較例として底面部第1傾斜平面710eが除去されて底面部第2傾斜平面710fだけが底面部にある可変入賞口235を基台平面部720aに向かって見た断面を示している。
【0232】
まず、図16(b)に示す構成は、底面部第1傾斜平面710eがなく、上下に切り立つ左側面部710cの右壁面から直接に底面部第2傾斜平面710fが連なっている。このため、右側面部710dの左壁面から左側面部710cの右壁面までの幅が例えば遊技球Bが5個連なる長さであると左右の側壁部にぴったり遊技球が挟まってしまい、球詰まりを生じた場合に容易に球を取り出して詰まりを解消するのが困難となる。
【0233】
これに対し、図16(a)に示す構成は、底面部第1傾斜平面710eから底面部第2傾斜平面710fが連なっている。このため、図16(b)に示すのと同様の状態で遊技球Bが例えば5個連なっても、傾斜角の異なる2つの底面部第1傾斜平面710eと底面部第2傾斜平面710fとを備えているので、遊技球Bが詰まってしまった場合にも傾斜の変わる部分に空間Eを多く作り出すことができるため、球が取り出し易く球詰りの容易な解消に寄与する場合がある。なお、図16(a)に示す符号Kは、センター飾り部材への位置決め突起形成部分である。
【0234】
次に、図17を用いて本実施形態によるシャッタ式入賞装置700の可変入賞口235の底面部第1傾斜平面710eの機能(その2)について説明する。図17(a)に示す可変入賞口235の図示は、図16(a)と同一である。図17(b)に示す可変入賞口235の図示は、比較例としての図16(b)と同一である。
【0235】
まず、図17(b)に示す構成では、可変入賞口235の開口面を通過して右上方から左下方向に飛翔する遊技球Bの運動エネルギーが十分に高い場合は、遊技球Bが傾斜角の比較的緩やかな底面部第2傾斜平面710fに直接衝突すると、底面部第2傾斜平面710fで跳ね返って可変入賞口235の開口面を再び通過して、非入賞球通路710gを飛び越えて、あるいは非入賞球通路710gを転がって可変入賞口235から出てしまうという問題が生じる。
【0236】
これに対し、図17(a)に示す構成は、底面部第2傾斜平面710fより傾斜角の大きい底面部第1傾斜平面710eが左側面部710c側に設けられているので、可変入賞口235の開口面を通過して右上方から左下方向に飛翔する遊技球Bの運動エネルギーが大きくても、底面部第1傾斜平面710eで跳ね返った遊技球Bは右側面部710d側に進むため可変入賞口235内で運動エネルギーが減衰して可変入賞口235の開口面を再び通過して可変入賞口235から出てしまうことはない。
【0237】
次に、図18を用いて本実施形態によるシャッタ式入賞装置700の可変入賞口235の底面部第1傾斜平面710eの機能(その3)について説明する。図18(a)に示す可変入賞口235の図示は、図16(a)と同一である。図18(b)に示す可変入賞口235の図示は、比較例としての図16(b)と同一である。
【0238】
まず、図18(b)に示す構成では、可変入賞口235の開口面を通過して右上方から左下方向に飛翔する遊技球Bが、上下に切り立つ左側面部710cの右壁面に直接衝突すると、衝突時の右壁面の法線となす角度が相対的に大きいため反射角度も大きくなる。このため、即座に底面部第2傾斜平面710fに落下して底面部第2傾斜平面710fを転がり下る距離が相対的に長くなる。これにより球速度が低下して球検出センサ732への到達時間が相対的に長くなるので所望のオーバー入賞の数内に抑えることができない場合が生じ得る。
【0239】
一方、図18(a)に示す構成では、可変入賞口235の開口面を通過して右上方から左下方向に飛翔する遊技球Bが、底面部第1傾斜平面710eに直接衝突すると、衝突時の底面部第1傾斜平面710eの法線となす角度が相対的に小さくなるため反射角度も小さくなる。このため、底面部第2傾斜平面710fの上空を飛翔する距離が長く底面部第2傾斜平面710fを転がり下る距離が相対的に短くなる。これにより球速度が低下せず球検出センサ732への到達時間が相対的に短くなるので所望のオーバー入賞の数内に抑えることができるようになる。
【0240】
また、底面部第1傾斜平面710eにより、球検出センサ732から遠い位置に入賞した遊技球Bをすばやく検知可能となる。また、素早い検知を行うことで底面部第1傾斜平面710e付近での球噛みを防止可能となる。
【0241】
図19はシャッタ式入賞装置700を遊技盤200に取り付けた状態を示している。図示は、シャッタ式入賞装置700を直上から見た状態であって、シャッタ式入賞装置700の前側を図左方に示し、左側を図上方に示している。図19に示すように、遊技盤200の遊技領域124に取り付けたシャッタ式入賞装置700の前方には透明板部材118が備えられている。
一般に遊技盤200前面から透明板部材118までの距離は遊技球1個分よりも長い距離で形成されている。つまり遊技盤200表面から前面部710a前面までの幅を遊技球の幅を基準に合わせてしまうと前面部710aと透明板部材118との距離が空いて遊技球が乗ってしまう危険性がある。
これに対し本実施形態では、透明板部材118と前面部710aを近接配置したことを特徴とする。透明板部材118と前面部710aの近接配置の程度は、遊技球の半径よりも短い距離に設定する。透明板部材118と前面部710aを近接配置したので透明板部材118と前面部710aとで遊技球が支持されて前面部710aの上に遊技球が乗ってしまうことを防止可能になる。
【0242】
次に、図20を用いて本実施形態によるパチンコ機100の回動扉式入賞装置1000について説明する。なお、図20を用いた回動扉式入賞装置1000の構成要素間の位置関係は、図9乃至図19を用いて説明したシャッタ式入賞装置700の場合と同様である。図20(a)は、本実施形態に係る回動扉式入賞装置1000の斜視図であり、回動扉式入賞装置1000の前方から後方を図左下から右上に向かって示している。図20(b)は、回動扉式入賞装置1000を上方から見た平面図であり、図20(c)は、回動扉式入賞装置1000を前方から見た正面図であり、図20(d)は、図20(c)のA−A線で切断した断面図である。図20(a)〜(d)では、扉部材234aが回動して可変入賞口234の開口面を開放している状態を示している。
【0243】
回動扉式入賞装置1000は、大別すると、前方部材1010、入賞装置基台1020、可変入賞口234、および扉部材234aで構成されている。可変入賞口234は、入賞装置基台1020の前面の所定位置に開口されている。扉部材234aは可変入賞口234を開放したり閉鎖したりできるように、入賞装置基台1020の可変入賞口234の前面に回動可能に配置されている。前方部材1010は、扉部材234aが回動しても干渉し合わないように入賞装置基台1020の前面に取り付けられている。
【0244】
入賞装置基台1020は図3に示す遊技盤200の下方所定位置に回動扉式入賞装置1000を位置決め固定する際に遊技盤200に唯一ねじ留めされる部材である。遊技盤200にねじ留めされた入賞装置基台1020は、例えば透明樹脂材料により成型されて左右に長い長方形形状をしている。入賞装置基台1020は、基台平面部(ベース板)1020aと賞球用通路収容部1020bを有している。基台平面部1020aは遊技盤200表面に当接して取り付けられ、賞球用通路収容部1020bは遊技盤200に設けられた開口を貫通してパチンコ機100の裏面側に突出している。
【0245】
入賞装置基台1020の前面の基台平面部1020aはほぼ全面が平面状に形成されており、前面中央の所定位置に遊技球が通過可能な大きさで左右に長い長方形形状の可変入賞口234が開口されている。
【0246】
扉部材234aは、可変入賞口234を塞ぐことができる大きさの長方形形状の板状部材である。図20(d)に示すように、扉部材234aは、可変入賞口234の下側長辺の両端近傍に設けられた回動軸234bにより、可変入賞口234の開口前面に回動可能に取り付けられている。扉部材234aは、不図示の扉部材回動手段により駆動されると、扉部材234aの下側端辺部を回転軸とし、扉部材234aの上側端辺部を回転端部として、回転端部が円弧状に移動して、扉部材234aの板材が例えば鉛直方向に対し約80度から90度の間の角度になるまで回動すると所定時間(例えば、15R大当り遊技の場合は29秒)だけ当該角度を維持して停止する。
【0247】
前方部材1010は、例えば樹脂材料により一体的に成型されて、前面部(前面部表面)1010a、前面部裏面1010b、左側面部1010c、および右側面部1010dを有している。左側面部1010c、および右側面部1010dは前方から見て遊技盤200に左右一対に配置される。左側面部1010c、右側面部1010dは、遊技盤200表面に当接された基台平面部1020aに接続されている。左側面部1010c、右側面部1010dは、遊技盤200表面に当接された基台平面部1020a前方に向かって突出しているので突出部と称する場合がある。また、前面部1010aは、左側面部1010cおよび右側面部1010dに連なって前面側に形成されている。前面部1010aの平面状の表面には飾り模様が施されている。このため、前面部は飾り部とも称する。
【0248】
左側面部1010cと右側面部1010dは、前面部裏面1010bと基台平面部1020aとで挟まれた空間S内で扉部材234aが十分回動できると共に、遊技盤200から突出した前面部表面1010aが透明板部材118に近接配置されるだけの長さ(高さ)を有している。より具体的には、図19に示したものと同様に、前面部裏面1010bと基台平面部1020aの表面との間の幅は、例えば、遊技球の直径(11mm)の1.3倍〜1.6倍程度であり好適には1.5倍程度になっている。透明板部材118と前面部1010aの近接配置の程度は、遊技球の半径よりも短い距離に設定する。すなわち、透明板部材118と前面部1010aとの距離を遊技球1/2個よりも短い距離で近接配置する。透明板部材118と前面部1010aを近接配置したので透明板部材118と前面部1010aとで遊技球が支持されて前面部1010aの上に遊技球が乗ってしまうことを防止可能になる。これにより、飾り部となる前面部1010aの構成により入賞手段の意匠性を確保しつつ透明板部材118と前面部1010aの間に遊技球が乗っかってしまうことを防止し得る。また、可変入賞口234へスムーズに遊技球を入賞させることができる。また、前面部1010aの上端を細く(薄く)形成してもよい。こうすれば、透明板部材118と前面部1010aの間に遊技球が乗っかってしまうことをより確実に防止し得る。
【0249】
空間Sの下方は底面部が形成されておらず筒抜け状になっている。このため、扉部材234aが可変入賞口234を閉鎖している状態では、上方から空間S内に進入した遊技球はそのまま空間S領域を通過してアウト口240に向かう。一方、扉部材234aが可変入賞口234を開放している状態では、扉部材234aが空間S内に突出するため空間S内に進入した遊技球は扉部材234a上を転がって可変入賞口234に入球する。
【0250】
図20(a)〜(d)に示すように、前面部1010aの上端辺は直線状に形成されている。前面部裏面1010bは前面部1010a平面にほぼ平行な平面状に形成されている。前面部1010aの上端辺の裏側、つまり、前面部裏面1010bの上端辺近傍には上端辺に沿って凹凸部1100が直線状に配置されている。
【0251】
凹凸部1100は、例えば前面部裏面1010bと一体的に成型され、上端辺に沿って延びる凸状梁部1100aの上面に略同一形状の斜面部1100bが一列に離散的に複数配置された構造を有している。斜面部1100bは前面部裏面1010bの上端辺寄りから後下方に向かって延びる傾斜平面を有しており、当該傾斜平面を一側面とする三角柱の概略形状をしている。この形状は凹凸部1100で左右方向に形成される。この形状により、上方から流下してきた遊技球が当該傾斜平面に当たると遊技球を扉部材234aの後側に落下させることができる。また、前面部裏面1010bと凸状梁部1100a下面の角部が凹凸部1100の凹部となっている。凹凸部1100は、下方に向かうにつれて後方へと傾斜する斜面部1100bを含んで構成されているので、可変入賞口234に飛翔する遊技球の流れを円滑にできる場合がある。また、凹凸部1100の頂上は遊技球が乗らないように面積を狭くすることができる。また、斜面部では遊技球との接点を1つにすることができる。
【0252】
図20(d)に示すように、扉部材234aが可変入賞口234を開放している状態では、空間S内に進入した遊技球Bは凸状梁部1100aの傾斜平面に衝突すると円滑に方向転換して扉部材234a上に落下し、扉部材234a上を転がりながら可変入賞口234に入球する。このように、本実施例の回動扉式入賞装置1000によれば、凹凸部1100により可変入賞口234へスムーズに遊技球を入賞させることができる。
【0253】
なお、凹凸部1100の詳細構成は、図9乃至図19を用いて説明した凹凸部900の構成と同様であるのでその詳細説明は省略する。また、回動扉式入賞装置1000での球噛み状態の抑制動作は図13乃至図15を用いて説明したシャッタと複数種類の壁部平面との間での球噛み動作の抑制と同様に達成することができる。すなわち、遊技球Bが扉部材234aおよび凸状梁部1100aに接触した際に、凸状梁部1100aと遊技球Bの接点TP2と遊技球Bの中心oを結ぶ仮想直線VLが、扉部材234aにおける遊技球Bと接触する時点での扉部材234aの作動方向ADに一致しないように構成している。扉部材234aの作動方向ADは、扉部材234aの上側端辺部(回転端部)が円弧状に移動する際の円弧の接線方向となる。
【0254】
また、本実施例の構成は、遊技球Bが扉部材234a及び凸状梁部1100aに接触した場合に、扉部材234aと遊技球Bの接点TP1よりも上部となる位置に遊技球Bと凸状梁部1100aの接点TP2を備えるように構成している。この構成によれば、回動扉式入賞装置1000の前面部(飾り部)1010aであって、扉部材234aの上側端辺部(回転端部)の回動位置よりも上部に球噛み防止手段としての凸状梁部1100aを備えたので、回動扉式入賞装置1000の可変入賞口234に飛翔する遊技球Bの流れを円滑にできる場合がある。
【0255】
また、板状部材である扉部材234aの一先端である上側端辺部(回転端部)を細く形成してもよい。扉部材234aの先端を細く形成すると扉部材234a側の接点となり得る面積を減らすことができるので球噛みの可能性自体を低減し得る場合がある。
【0256】
また、本実施形態によるパチンコ機100の回動扉式入賞装置1000は、遊技盤200表面から前方に向かって突出する突出部としての左側面部1010cや右側面部1010dと、突出部に連なって前面側に形成される飾り部となる前面部1010aを備えるとともに扉部材234aが突出部と飾り部で画成される空間S内に回動可能となっており、飾り部の裏側に凸状梁部1100aを形成したことを特徴とする。このパチンコ機100によれば、回動扉式入賞装置1000の可変入賞口234に飛翔する遊技球の流れを円滑にできる場合がある。
【0257】
特図1または特図2始動口230、232に入球があり特図1または特図2の関連抽選処理(図7のステップS229、S231)により当否判定結果が15R通常大当りとなると、主制御部300は当該特図変動遊技の終了後の大当り遊技において特図1または特図2の状態更新処理(図7のステップS225、S227)により扉部材234aの回動動作の制御を行う。
【0258】
図20(e)、(f)は、回動扉式入賞装置1000の変形例を示している。図20(a)〜(d)に示す回動扉式入賞装置1000は、突出部が左側面部1010cと右側面部1010dであるのに対し、図20(e)、(f)に示す回動扉式入賞装置1000は、突出部が左側面部1010cだけで、右側面部1010dがない構造となっている点が特徴である。このように、突出部は1つだけでもよく、この例のように右側に突出部がない回動扉式入賞装置1000を遊技領域124の右側に配置すれば突出部に邪魔されずに遊技球の入賞をスムーズにすることができる。
【0259】
次に、本実施の形態によるパチンコ機100での特図変動遊技の実施例について図21を用いて説明する。図21(a)〜(d)のそれぞれは、装飾図柄表示装置208の長方形の表示領域を示している。装飾図柄表示装置208の表示領域の左下部は特図1の保留1表示領域となっており、同表示領域の右下部は特図2変動遊技に係る保留を表示する特図2保留表示領域となっている。図21(a)、(b)は、通常遊技状態で当否判定結果が15R大当りの場合の特図変動遊技を示し、図21(c)、(d)は、確変状態で当否判定結果が15R大当りの場合の特図変動遊技を示している。
【0260】
図21(a)は、例えば特図1の保留が1つ消化されて特図1変動遊技が開始されている状態を示している。装飾図柄表示装置208の左中右図柄表示領域208a、208b、208cのそれぞれに図中下向きの太矢印で示すように装飾図柄が上から下に移動(回転)する図柄変動表示が実行されている。また、左中右図柄表示領域208a、208b、208cの上段に位置する演出表示領域208dには「通常時」という文字列が表示されて現在の遊技状態が通常遊技状態であることが報知されている。特図1保留表示領域には1つの保留a1が表示されている。また、特図2変動遊技は保留されておらず、特図2保留表示領域には保留表示画像は表示されていない。本例では、主制御部300による当否判定結果は、15R通常大当り(特図低確率普図高確率)の「特図B」であるものとする。
【0261】
次いで図21(b)に示すように、左中右図柄表示領域208a、208b、208cに「装飾7−装飾7−装飾7」が停止表示されて15R大当りであることが遊技者に報知される。また、特図1保留表示領域には1つの保留a1が表示されている。図21(b)に示す演出が終了すると15R通常大当り遊技に移行する。15R通常大当り遊技では、回動扉式入賞装置1000の扉部材234aが回動して可変入賞口234が15ラウンド開口する。15R通常大当り遊技では、シャッタ式入賞装置700のシャッタ800は現出状態を維持するので可変入賞口235の開口面は常時塞がれている。このため、遊技者者は、第一流下経路に遊技球を飛翔させて回動扉式入賞装置1000の可変入賞口234に入球させるように遊技球の発射を制御する必要がある。
【0262】
15R通常大当り遊技では、可変入賞口234の開放時には、扉部材234aは、1ラウンド当り、鉛直方向に対し約80度から90度の間の角度で29秒間停止する。扉部材234a上に落下した遊技球は可変入賞口234に入球し不図示の球検出センサで入球数がカウントされる。本例では回動扉式入賞装置1000への1ラウンド当りの規定入賞数は5個としている。入賞球1個に対して賞球は15個としているので、15R通常大当り遊技で払い出される賞球の数は、15(入賞球1個に対する賞球数)×5(規定入賞数)×15(ラウンド数)=1125個程度となる。
【0263】
図21(c)は、例えば特図2の保留が1つ消化されて特図2変動遊技が開始されている状態を示している。装飾図柄表示装置208の左中右図柄表示領域208a、208b、208cのそれぞれに図中下向きの太矢印で示すように装飾図柄が上から下に移動(回転)する図柄変動表示が実行されている。また、左中右図柄表示領域208a、208b、208cの上段に位置する演出表示領域208dには「確変時」という文字列が表示されて現在の遊技状態が特別遊技状態であることが報知されている。特図1保留表示領域には1つの保留a1が表示されている。また、特図2変動遊技は3つ保留b1、b2、b3が表示されている。本例では、主制御部300による当否判定結果は、15R特別大当り(特図高確率普図高確率)の「特図A」であるものとする。なお、特別遊技状態は、確変状態だけでなく少なくとも電サポ状態であればよい。
【0264】
次いで図21(d)に示すように、左中右図柄表示領域208a、208b、208cに「装飾7−装飾7−装飾7」が停止表示されて15R大当りであることが遊技者に報知される。特図1保留表示領域には1つの保留a1が表示されている。また、特図2変動遊技は3つ保留b1、b2、b3が表示されている。図21(c)に示す演出が終了すると15R特別大当り遊技に移行する。15R特別大当り遊技では、シャッタ式入賞装置700のシャッタ800が退出して可変入賞口235の開口面が現れるラウンドが15回実行される。15R特別大当り遊技では、回動扉式入賞装置1000の扉部材234は回動せず可変入賞口234の開口面は常時塞がれている。このため、遊技者者は、第二流下経路に遊技球を飛翔させてシャッタ式入賞装置700の可変入賞口235に入球させるように遊技球の発射を制御する必要がある。
【0265】
15R特別大当り遊技では、シャッタ800は1ラウンド当り29秒間退出する。可変入賞口235に入球した遊技球は球検出センサ732で入球数がカウントされる。本例ではシャッタ式入賞装置700への1ラウンド当りの規定入賞数は10個としている。入賞球1個に対して賞球は15個としているので、15R特別大当り遊技で払い出される賞球の数は、15(入賞球1個に対する賞球数)×10(規定入賞数)×15(ラウンド数)=2250個程度となる。
【0266】
このように、本実施形態では確変時や電サポ時で右打ちしているときの15R大当りの方が約2倍の遊技球を獲得できる仕様となっている。さらに、右打ち用の第二流下経路に配置された入賞装置700はシャッタ式でオーバー入賞しやすい構成であるため実際にはシャッタ式入賞装置700による獲得賞球数は回動扉式入賞装置1000での獲得賞球数の2倍強となる。
【0267】
なお、凹凸部900、1100を形成したことにより、前後方向の入賞空間を狭くすることで実質的に出玉を付与したくない例えば2R当り中に可変入賞口234、235への遊技球の入賞を減少させることができる場合がある。
【0268】
次に、図22を用いて本実施形態によるパチンコ機100のシャッタ式入賞装置(所謂ベロ式入賞手段)1200について説明する。なお、図22を用いたシャッタ式入賞装置1200の構成要素間の位置関係は、図9乃至図19を用いて説明したシャッタ式入賞装置700の場合と同様である。図22(a)は、本実施形態に係るシャッタ式入賞装置1200の斜視図であり、シャッタ式入賞装置1200の前方から後方を図左下から右上に向かって示している。図22(b)は、シャッタ式入賞装置1200を前方から見た正面図であり、図22(c)は、図22(b)のA−A線で切断した断面図である。シャッタ式入賞装置1200は、大別すると、前方部材1210、入賞装置基台1220、シャッタ1400、および可変入賞口1410で構成されている。
【0269】
入賞装置基台1220は図3に示す遊技盤200の下方または右方の所定位置にシャッタ式入賞装置1200を位置決め固定する際に遊技盤200に唯一ねじ留めされる部材である。遊技盤200にねじ留めされた入賞装置基台1220は例えば樹脂材料により成型された多角形状の輪郭を有している。入賞装置基台1220は、基台平面部(ベース板)1220aと賞球用通路収容部1220bと賞球用案内路1220cとを有している。基台平面部1220aは遊技盤200表面に当接して取り付けられ、賞球用通路収容部1220bは遊技盤200に設けられた開口を貫通してパチンコ機100の裏面側に突出している。
【0270】
入賞装置基台1220の前面の基台平面部1220aはほぼ全面が平面状に形成されている。基台平面部1220aの前面中央の所定位置には後側に向かって賞球用通路収容部1220b側に突出して遊技球を可変入賞口1410側に案内する賞球用案内路1220cが設けられている。
【0271】
図22(c)に示すように、賞球用案内路1220cの下方には可変入賞口1410を備えたシャッタ1400が配置されている。シャッタ1400は細長い長方形状の板状部材であり、賞球用案内路1220cの下方に配置されている。シャッタ1400は、不図示のシャッタ駆動機構により駆動されて基台平面部1220aの前方に現出し、あるいは賞球用通路収容部1220b内に退出できるようになっている。シャッタ1400の根元側の板状部材は水平面にほぼ平行になっているが、シャッタ1400の先端側は先端に向かって上方に幾分傾斜している。シャッタ1400が基台平面部1220aの前方に現出している状態で、落下してきた遊技球がシャッタ1400の先端側に着地すると、当該傾斜により遊技球を根元側に誘導することができる。
【0272】
シャッタ1400の根元側の板状部材には遊技球が通過可能な大きさの可変入賞口1410が開口されている。可変入賞口1410はシャッタ1400が基台平面部1220aの前方に現出した状態で賞球用案内路1220cの下側に位置するように配置されている。これにより、シャッタ1400が基台平面部1220aの前方に現出している状態で、シャッタ1400の先端側に着地した遊技球は賞球用案内路1220cに誘導されて賞球用案内路1220c下方に位置する可変入賞口1410に入球し、賞球用通路収容部1220b内に進むことができる。一方、シャッタ1400が基台平面部1220aの後方に退出すると可変入賞口1410も後方に移動する。このため、シャッタ1400が基台平面部1220aの後方に退出した状態では、賞球用案内路1220cの下側には可変入賞口1410に代えてシャッタ1400の先端側が位置する。これにより、シャッタ1400が退出した状態では、遊技球はシャッタ1400の先端側に着地せずに落下し、仮に、賞球用案内路1220c側に遊技球が飛翔したとしても賞球用案内路1220c下方に位置するシャッタ1400の先端側で入賞は阻止される。
【0273】
前方部材1210は、例えば樹脂材料により一体的に成型されて、前面部(前面部表面)1210a、前面部裏面1210b、左上側面部1210c、右上側面部1210d、および左下側面部1210eと右下側面部1210fを有している。左上側面部1210cと右上側面部1210dは前方から見て左右一対に配置される。左下側面部1210eと右上側面部1210dは、左上側面部1210cおよび右上側面部1210dの下方に位置し前方から見て左右一対に配置される。左上側面部1210c、右上側面部1210d、および左下側面部1210e、右下側面部1210fは、遊技盤200表面に当接された後述する基台平面部(ベース板)1220aに接続されている。左上側面部1210c、右上側面部1210d、および左下側面部1210e、右下側面部1210fは、基台平面部1220aから前方に向かって突出しているので突出部と称する場合がある。また、前面部1210aは、左上側面部1210c、右上側面部1210d、および左下側面部1210e、右下側面部1210fに連なって前面側に形成されている。前面部1210aの平面状の表面には飾り模様が施されている。このため、前面部は飾り部とも称する。
【0274】
左上側面部1210c、右上側面部1210d、および左下側面部1210e、右下側面部1210fは、前面部裏面1210bと基台平面部1220aとで挟まれた空間S内でシャッタ1400が十分出没できると共に、遊技盤200から突出した前面部表面1210aが透明板部材118に近接配置されるだけの長さ(高さ)を有している。より具体的には、図19に示したものと同様に、前面部裏面1210bと基台平面部1220aの表面との間の幅は、例えば、遊技球の直径(11mm)の1.3倍〜1.6倍程度であり好適には1.5倍程度になっている。透明板部材118と前面部1210aの近接配置の程度は、遊技球の半径よりも短い距離に設定する。すなわち、透明板部材118と前面部1210aとの距離を遊技球1/2個よりも短い距離で近接配置する。透明板部材118と前面部1210aを近接配置したので透明板部材118と前面部1210aとで遊技球が支持されて前面部1210aの上に遊技球が乗ってしまうことを防止可能になる。これにより、飾り部となる前面部1210aの構成により入賞手段の意匠性を確保しつつ透明板部材118と前面部1210aの間に遊技球が乗っかってしまうことを防止し得る。また、可変入賞口1410へスムーズに遊技球を入賞させることができる。また、前面部1210aの上端を細く(薄く)形成してもよい。こうすれば、透明板部材118と前面部1210aの間に遊技球が乗っかってしまうことをより確実に防止し得る。
【0275】
図22(a)に示すように、左上側面部1210cと右上側面部1210dの間、左下側面部1210eと右下側面部1210fの間、左上側面部1210cと左下側面部1210eの間、および右上側面部1210dと右下側面部1210fの間は、それぞれ空間Sにつながる開口となっている。このため、シャッタ1400が退出して可変入賞口1410が賞球用案内路1220c下方にない状態では、上方や左右方向の開口から空間S内に進入した遊技球はそのまま下方開口から空間S領域を通過してアウト口240に向かう。一方、シャッタ1400が現出して可変入賞口1410が出現している状態では、シャッタ1400が空間S内に突出するため上方や左右方向の開口から空間S内に進入した遊技球はシャッタ1400上面に到達するとシャッタ1400上を転がって可変入賞口1410に入球する。
【0276】
前面部裏面1210bは前面部1210aにほぼ平行な平面状に形成されている。前面部裏面1210bであってシャッタ1400の突出領域の上部には水平方向に凹凸部1300が直線状に配置されている。
【0277】
凹凸部1300は、例えば前面部裏面1210bと一体的に成型され、直線状に延びる凸状梁部1300aの上面に略同一形状の斜面部1300bが一列に離散的に複数配置された構造を有している。斜面部1300bは前面部裏面1210bの上方から後下方に向かって延びる傾斜平面を有しており、当該傾斜平面を一側面とする三角柱の概略形状をしている。この形状は凹凸部1300で左右方向に形成される。この形状により、上方から流下してきた遊技球が当該傾斜平面に当たると遊技球をシャッタ1400の後側に落下させることができる。また、前面部裏面1210bと凸状梁部1300a下面の角部が凹凸部1300の凹部となっている。凹凸部1300は、下方に向かうにつれて後方へと傾斜する斜面部1300bを含んで構成されているので、可変入賞口1410に飛翔する遊技球の流れを円滑にできる場合がある。また、斜面部では遊技球との接点を1つにすることができる。
【0278】
図22(c)に示すように、シャッタ1400が現出して可変入賞口1410が賞球用案内路1220c下方に位置している状態では、空間S内に進入した遊技球Bは凸状梁部1300aの傾斜平面に衝突すると円滑に方向転換してシャッタ1400上に落下し、シャッタ1400上を転がりながら賞球用案内路1220cを通って可変入賞口1410に入球する。このように、本実施例のシャッタ式入賞装置1200によれば、凹凸部1300により可変入賞口1410へスムーズに遊技球を入賞させることができる。
【0279】
なお、凹凸部1300の詳細構成は、図9乃至図19を用いて説明した凹凸部900の構成と同様であるのでその詳細説明は省略する。また、シャッタ式入賞装置1200での球噛み状態の抑制動作は図13乃至図15を用いて説明したシャッタと複数種類の壁部平面との間での球噛み動作の抑制と同様に達成することができる。すなわち、遊技球Bがシャッタ1400および凸状梁部1300aに接触した際に、凸状梁部1300aと遊技球Bの接点TP2と遊技球Bの中心oを結ぶ仮想直線VLが、シャッタ1400における遊技球Bと接触する時点でのシャッタ1400の作動方向ADに一致しないように構成している。
【0280】
また、本実施例の構成は、遊技球Bがシャッタ1400及び凸状梁部1300aに接触した場合に、シャッタ1400と遊技球Bの接点TP1よりも上部となる位置に遊技球Bと凸状梁部1300aの接点TP2を備えるように構成している。この構成によれば、シャッタ式入賞装置1200の前面部(飾り部)1210aであって、シャッタ1400の突出位置よりも上部に球噛み防止手段としての凸状梁部1300aを備えたので、シャッタ式入賞装置1200の可変入賞口1410に飛翔する遊技球Bの流れを円滑にできる場合がある。
【0281】
また、板状部材であるシャッタ1400の先端部を細く形成してもよい。シャッタ1400の先端を細く形成するとシャッタ1400側の接点となり得る面積を減らすことができるので球噛みの可能性自体を低減し得る場合がある。
【0282】
また、本実施形態によるパチンコ機100のシャッタ式入賞装置1200は、遊技盤200表面から前方に向かって突出する突出部としての左上側面部1210c、右上側面部1210d、および左下側面部1210e、右下側面部1210fと、突出部に連なって前面側に形成される飾り部となる前面部1210aを備えるとともにシャッタ1400が突出部と飾り部で画成される空間S内に出没可能となっており、飾り部の裏側に凸状梁部1300aを形成したことを特徴とする。このパチンコ機100によれば、シャッタ式入賞装置1200の可変入賞口1410に飛翔する遊技球の流れを円滑にできる場合がある。
【0283】
特図1または特図2始動口230、232に入球があり特図1または特図2の関連抽選処理(図7のステップS229、S231)により当否判定結果が15R大当りとなると、主制御部300は当該特図変動遊技の終了後の大当り遊技において特図1または特図2の状態更新処理(図7のステップS225、S227)によりシャッタ1400の出没動作の制御を行う。
【0284】
次に、以上説明した本実施の形態によるパチンコ機100の特徴的構成について再度図1乃至図22を参照しつつ説明する。
(1)本実施の形態によるパチンコ機100は、遊技領域(例えば、遊技領域124)を有する遊技盤(例えば、遊技盤200)と前記遊技領域に発射した遊技球(例えば、遊技球B)が入賞可能な入賞装置(例えば、シャッタ式入賞装置700)を備えた遊技台であって、前記入賞装置は、前記遊技盤表面から前方(例えば、遊技者により近い方)に向かって形成される一対の側面部(例えば、左側面部710cと右側面部710d)と前記側面部に連なって前面側に形成される前面部(例えば、前面部710a)と、当該側面部および前面部で画成される空間(例えば、空間S)内に出没可能な可動部材(例えば、シャッタ800)を備え、前記可動部材の出没により前記遊技球の入賞を許容するように構成されており、前記遊技領域を流下する前記遊技球が、前記可動部材、および前記前面部の裏面側(例えば、前面部裏面710b側)に接触した際に、前記前面部裏面側と遊技球の接点(例えば、接点TP2)と当該遊技球の中心(例えば、中心o)を結ぶ仮想線(例えば、仮想直線VL)が、前記可動部材における前記遊技球と接触する時点での当該可動部材の作動方向(例えば、作動方向AD)に一致しないように前記前面部裏面側に凹凸部(例えば、凹凸部900)を形成したことを特徴とする。
【0285】
上記構成を備えたパチンコ機100によれば、例えば、シャッタ開閉式の入賞装置の球噛みを低減することができる。なお、可動部材の作動方向は、可動部材が遊技球と接触する際の可動方向に向いたベクトルであり、入賞装置が直線往復式のみならず回転可動する可動部材も含まれる。可動部材が遊技球と接触する時点での可動方向(ベクトル方向)と、遊技球と前面部(凹凸部)の接点と遊技球の中心を結んだ仮想線との両方の線が重なった場合(一致した場合)が最も遊技球を噛み易い状態となる。両線が一致しないが平行になる場合も非平行の場合よりは遊技球を噛み易い状態となる場合がある。両線の関係を非平行にすることで可動部材のベクトル方向が凹凸部と遊技球の接点方向に向かないため、より球噛みし難い状態となる。
また、複数の接点のうちの所定の2点や全ての2点について上記本発明の構成になっていればよい。また、所定の2つの接点が近設されており、高さ方向に大きくずれてなければ、3点接触でもよい。
【0286】
(2)上記パチンコ機100において、前記遊技領域を透過可能な透過部材(例えば、透明板部材118)を備え、前記透過部材と前記前面部を近接配置したことを特徴とする。上記パチンコ機100によれば、透過部材と前面部を近接配置したので透過部材と前面部とで遊技球が支持されて前面部の上に遊技球が乗ってしまうことを防止可能になる。
【0287】
(3)上記パチンコ機100において、前記凹凸部は前記可動部材の現出位置よりも上部に形成したことを特徴とする。上記パチンコ機100によれば、凹凸部は可動部材の現出位置より上部に形成されているので遊技球が噛みそうになった場合は、(入賞装置内よりも広い)入賞装置外へ逃がすことが可能となる。
【0288】
(4)上記パチンコ機100において、前記可動部材が遊技球と接している状態での当該遊技球の前記前面部との接点が1つとなるように前記凹凸部を形成したことを特徴とする。上記パチンコ機100によれば、凹凸部と可動部材とで3点支持となることを避けることで、球噛みを防止し得る。
【0289】
(5)上記パチンコ機100において、前記可動部材は板状の部材(例えば、シャッタ平面部800a)であって、当該可動部材の先端を細く形成したこと(例えば、シャッタ先端部800b)を特徴とする。上記パチンコ機100によれば、当該可動部材の先端を細く形成したので、可動部材側の接点となり得る面積を減らすことで球噛みの可能性自体を低減し得る場合がある。
【0290】
(6)上記パチンコ機100において、前記可動部材は前後方向(例えば、遊技者から見た前後方向)に出没可能に構成されていることを特徴とする。上記パチンコ機100によれば、入賞装置の開閉をスムーズに行うことが可能となる。
【0291】
(7)上記パチンコ機100において、前記凹凸部を前記可動部材の左右方向(例えば、遊技者から見た左右方向)に亘って形成したことを特徴とする。上記パチンコ機100によれば、入賞装置全体に亘って球噛みを防止可能となる。
【0292】
(8)上記パチンコ機100において、前記凹凸部は、下方(例えば、遊技盤200の盤面に向かって見て相対的に下の方)に向かうにつれて後方(例えば、遊技者から見た後方)へと傾斜する傾斜部(例えば、斜面部900b)を含んで構成したことを特徴とする。上記パチンコ機100によれば、傾斜部を設けたので凹凸部の頂上は遊技球が乗らないように面積を狭くすることができ、傾斜部では遊技球との接点を1つにすることが可能となる。
【0293】
(9)上記パチンコ機100において、前記凹凸部と前記可動部材の現出位置との間隔を遊技球1個分よりも短くしたことを特徴とする。上記パチンコ機100によれば、可動部材と凹凸部との間に遊技球が挟まることを防止できる。また当該間隔は遊技球1/2個弱の距離が最適である。
【0294】
(10)上記記載のパチンコ機100において、前記入賞装置は前記側面部および前面部の下部に形成される底面部(例えば、底面部第1傾斜平面710eや底面部第2傾斜平面710f等)を備え、前記可動部材が現出した状態(例えば、可変入賞口235の開口面を塞いでいる状態(図10(a)参照))では遊技球の入賞を規制する一方、前記可動部材が退出した状態(例えば、可変入賞口235の開口面が現れている状態(図10(b)参照))で遊技球の入賞を許容するように構成したことを特徴とする。
【0295】
上記パチンコ機100によれば、入賞領域(可変入賞口の開口面)が遊技領域に露出しているタイプの入賞装置において、可動部材の現出(閉鎖)時に球噛みすることで、入賞領域が開放してしまうことを防止可能である。ラウンド間は次のラウンドで可動部材が開放して自然解消されるが、大当りの最終ラウンドで球噛みが起こることは避ける必要がある。また、可動部材が底面部を備え、且つ、現出したときに遊技球の入賞を許容するタイプの場合においても、可動部材が現出したときに、可動部材の先端部と前面部裏面側とで遊技球が噛むと、入賞許容状態で遊技球が入賞しないようになってしまうが、これを防止するために凹凸部が有効である。
【0296】
(11)上記パチンコ機100において、前記底面部は左右方向に傾斜する底面傾斜部を備え、前記底面傾斜部は第一の傾斜角度を有する第一底面傾斜部(例えば、底面部第1傾斜平面710e)と、前記第一底面傾斜部の下流に連続するとともに当該第一底面傾斜部よりも傾斜角度の小さい第二底面傾斜部(例えば、底面部第2傾斜平面710f)とで構成され、前記第二底面傾斜部の下流側に前記遊技球を検出する遊技球検出手段(例えば、球検出センサ732)を配設したことを特徴とする。
【0297】
上記パチンコ機100によれば、第一の底面傾斜部により、遊技球検出手段から遠い位置に入賞した遊技球をすばやく検知可能となる。また、素早い検知を行うことで第一底面傾斜部付近での球噛みを防止可能となる。また、第一の底面傾斜部を具備しない入賞装置では入賞空間内に遊技球が詰まる一形態として左右の側壁部にぴったり遊技球が挟まってしまうことが考えられる。しかし本発明の構成では、傾斜角の異なる2つの底面傾斜部を備えることで、遊技球が詰まってしまった場合にも傾斜の変わる部分に空間を多く作り出すことができるため、球詰りの容易な解消に寄与する場合がある。
【0298】
(12)上記パチンコ機100において、前記底面傾斜部の下流側における前記遊技球の転動可能な幅(または領域)が狭くなるように前記遊技球が接触可能な第一当接部(例えば、球整列第1部材910)を、前記前面部裏面側に形成したことを特徴とする。上記パチンコ機100によれば、遊技球検出手段に向かって遊技球を整列させることが可能になる。
【0299】
(13)上記パチンコ機100において、前記第一当接部は、前記第二底面傾斜部と平行な板状部が前記前面部裏面側から前記遊技球1/2個分よりも小さく突出形成されていることを特徴とする。上記パチンコ機100によれば、遊技球1/2個よりも突出量が小さい板状部のため遊技球が板状部の上に乗ることがない。また、遊技球の転動による側面側の摩擦を軽減可能となる。
【0300】
(14)上記パチンコ機100において、前記第一当接部から上方に向かって突出する第二当接部(例えば、球整列第2部材920)を備えたことを特徴とする。上記パチンコ機100によれば、第一当接部上側からの遊技球の入賞により、第一当接部の上方に遊技球が載ってしまうことを解消することが可能となる。
【0301】
(15)上記記載のパチンコ機100において、前記第一当接部は前記第一底面傾斜部の上方から下流側の前記側面部に連なって形成されるとともに、前記第二当接部は前記下流側の側面部から遊技球1/2個分よりも短い距離となる位置に突出形成していることを特徴とする。上記パチンコ機100によれば、側面部と第二当接部の間に遊技球が乗ってしまうことを防止可能な場合がある。
【0302】
このように、従来、遊技台の一般的な構成として、特定の当否判定結果が導出されたことを契機に遊技球が入賞可能な入賞装置を備えている。本例のシャッタ式入賞装置700は右打ち用のアタッカであり、シャッタ式入賞装置700の右上方から左下方に向かって流下した遊技球の入賞を許容し、底面部は右下方へ下り傾斜している。一方、シャッタ800は遊技球の流下方向と同じで左下方傾斜しており、シャッタ800の現出時にはシャッタ800上面の傾斜に沿って遊技球を落下させる構成となっている。そして、シャッタ800が退出して遊技球が入賞した場合には、右下り傾斜への方向転換を行って球検出センサ732に向かうように構成されている。本発明によれば、入賞装置の開閉動作による球噛みや球詰まりを防止可能な入賞装置を備えた遊技台を提供することができる。また、右打ち用のアタッカは大当りの消化スピードを早く行う目的のものが一般的であるが、本実施形態では、右打ちにより無駄球(アタッカに入賞しない遊技球)を省きつつ、球検出センサ732までの到達時間を利用したオーバー入賞の可能性を高めており、遊技者の興趣を高め得る構造となっている。
【0303】
(16)本実施の形態によるパチンコ機100は、
遊技領域(例えば、遊技領域124)を有する遊技盤(例えば、遊技盤200)と、前記遊技領域に発射した遊技球(例えば、遊技球B)が入賞可能な入賞手段(例えば、可変入賞口234、235、1410、シャッタ式入賞装置700、1200、回動扉式入賞装置1000)を備えた遊技台であって、前記入賞手段は、前記遊技盤表面に当接されたベース板(例えば、基台平面部720a、1020a、1220a)から前方(例えば、遊技者により近い方)に向かって突出する突出部(例えば、左側面部710c、1210cや右側面部710d、1210d、底面部第1傾斜平面710e、底面部第2傾斜平面710f、あるいは左側面部1010cや右側面部1010d等)と前記突出部に連なって前面側に形成された飾り部(例えば、前面部710a、1010a、1210a)と、当該突出部および飾り部で画成される空間(例えば、空間S)内に出現可能な可動部材(例えば、シャッタ800、1400、扉部材234a)を備え、該可動部材の動作により前記遊技球の入賞を許容するように構成されており、
前記飾り部裏側に凸部(例えば、凸状梁部900a、1100a、1300a)を形成し、
前記遊技球が前記可動部材および前記凸部に接触した際に、前記凸部と前記遊技球の接点(例えば、接点TP2)と前記遊技球の中心(例えば、中心o)を結ぶ仮想線(例えば、仮想直線VL)が、前記可動部材における前記遊技球と接触する時点での当該可動部材の作動方向(例えば、作動方向AD)に一致しないように構成し、
前記遊技領域を透過可能な透過部材(例えば、透明板部材118)に前記飾り部を近接させたことを特徴とする。
【0304】
上記構成を備えたパチンコ機100によれば、入賞手段の飾り部に球噛み防止手段としての凸部を配置し、当該飾り部(前面部)が遊技領域を透過可能な透過部材に近接配置されているので、入賞手段に飛翔する遊技球の流れを円滑にできる場合がある。突出部は、例えば、左側面部710c、右側面部710d、底面部第1傾斜平面710e、底面部第2傾斜平面710f等のように、遊技盤200表面に当接された基台平面部(ベース板)720aから前方に向かって突出していればよく、飾り部(前面部)に連携する部材は側方から突出するだけでなく、前面部に対して上下となる位置から突出していてももちろんよい。また、突出部は、上記実施例の左側面部710c、右側面部710dのように一対の構成である必要はなく1つだけでもよい。予め遊技領域に入賞空間領域を形成している場合だけでなく、シャッタが出現したときに入賞を許容する入賞手段や、開閉扉式のアタッカの構成も含まれる。また、飾り部は前面部でもよいが、左右方向に可動部材が可動するタイプの入賞手段の場合には、遊技盤200に対して前面部とならないものも包含している。
【0305】
(17)上記パチンコ機100において、前記透過部材と前記飾り部との距離を遊技球1/2個よりも短い距離としたことを特徴とする。上記パチンコ機100によれば、飾り部の構成により入賞手段のデザイン性を付与しつつ透過部材と飾り部の間に遊技球が乗っかってしまうことを防止し得る。
【0306】
(18)上記パチンコ機100において、前記可動部材は板状の部材(例えば、シャッタ平面部800a、扉部材234a)であって、当該可動部材の先端を細く形成したこと(例えば、シャッタ先端部800b、扉部材234aの回転端部)を特徴とする。上記パチンコ機100によれば、当該可動部材の先端を細く形成したので、可動部材側の接点となり得る面積を減らすことで球噛みの可能性自体を低減し得る場合がある。
【0307】
(19)上記パチンコ機100において、
前記入賞手段は、前記飾り部の下部に形成される底面部を有し、
前記底面部は左右方向に傾斜する底面傾斜部(例えば、底面部第1傾斜平面710eや底面部第2傾斜平面710f等)を備え、
前記底面傾斜部は第一の傾斜角度を有する第一底面傾斜部(例えば、底面部第1傾斜平面710e)と、前記第一底面傾斜部の下流に連続するとともに当該第一底面傾斜部よりも傾斜角度の小さい第二底面傾斜部(例えば、底面部第2傾斜平面710f等)とで構成され、前記第二底面傾斜部の下流側に前記遊技球を検出する遊技球検出手段(例えば、球検出センサ732)を配設し、
前記可動部材が出現した状態(例えば、可変入賞口235の開口面を塞いでいる状態(図10(a)参照))では遊技球の入賞を規制する一方、前記可動部材が退出した状態(例えば、可変入賞口235の開口面が現れている状態(図10(b)参照))で遊技球の入賞を許容するように構成したことを特徴とする。
【0308】
上記パチンコ機100によれば、第一の底面傾斜部により、遊技球検出手段から遠い位置に入賞した遊技球をすばやく検知可能となる。また、素早い検知を行うことで第一底面傾斜部付近での球噛みを防止可能となる。入賞手段が大入賞口の場合には、可動部材が出現した状態は球噛みが起こり得るタイミングであり、次の大当りにより可動部材が退出するまで球噛みが継続してしまう危険性、すなわち大当り中以外で大入賞口への入賞を許容する可能性が生じ得るが、本実施形態の球噛みの防止の機構によりそのような事態を防止できる場合がある。
【0309】
(20)上記パチンコ機100において、前記飾り部の上端を細く(薄く)形成したことを特徴とする。上記パチンコ機100によれば、透過部材と飾り部の間に遊技球が乗っかってしまうことをより確実に防止し得る。
【0310】
(21)本実施の形態によるパチンコ機100は、
遊技領域(例えば、遊技領域124)を有する遊技盤(例えば、遊技盤200)と、前記遊技領域に発射した遊技球(例えば、遊技球B)が入賞可能な入賞手段(例えば、可変入賞口234、235、1410、シャッタ式入賞装置700、1200、回動扉式入賞装置1000)を備えた遊技台であって、
前記入賞手段は前記遊技領域に出現可能な可動部材(例えば、シャッタ800、1400、扉部材234a)を有し、該可動部材の動作により前記遊技球の入賞を許容するように構成され、
前記可動部材の出現方向に備えられた飾り部(例えば、前面部710a、1010a、1210a)に凸部(例えば、凸状梁部900a、1100a、1300a)を形成し、
遊技球が前記可動部材及び前記凸部に接触した場合に、当該可動部材と遊技球の接点(例えば、接点TP1)よりも上部となる位置で当該遊技球と前記凸部が接する(例えば、接点TP2)ように構成したことを特徴とする。
【0311】
上記パチンコ機100によれば、入賞手段の前面部(飾り部)であって、アタッカ部材の出現位置よりも上部に球噛み防止手段を備えたので、入賞手段に飛翔する遊技球の流れを円滑にできる場合がある。
【0312】
(22)上記パチンコ機100において、
前記入賞手段は、前記遊技盤表面から前方に向かって突出する突出部と前記突出部に連なって前面側に形成される前記飾り部を備えるとともに前記可動部材が前記突出部と飾り部で画成される空間内に出現可能となっており、
前記飾り部の裏側に前記凸部を形成したことを特徴とする。
【0313】
上記パチンコ機100によれば、入賞手段に飛翔する遊技球の流れを円滑にできる場合がある。
【0314】
(23)上記パチンコ機100において、前記可動部材は板状の部材(例えば、シャッタ平面部800a)であって、当該可動部材の先端を細く形成したこと(例えば、シャッタ先端部800b)を特徴とする。上記パチンコ機100によれば、当該可動部材の先端を細く形成したので、可動部材側の接点となり得る面積を減らすことで球噛みの可能性自体を低減し得る場合がある。
【0315】
(24)上記パチンコ機100において、
前記入賞手段は、前記飾り部の下部に形成される底面部を有し、
前記底面部は左右方向に傾斜する底面傾斜部(例えば、底面部第1傾斜平面710eや底面部第2傾斜平面710f等)を備え、
前記底面傾斜部は第一の傾斜角度を有する第一底面傾斜部(例えば、底面部第1傾斜平面710e)と、前記第一底面傾斜部の下流に連続するとともに当該第一底面傾斜部よりも傾斜角度の小さい第二底面傾斜部(例えば、底面部第2傾斜平面710f等)とで構成され、前記第二底面傾斜部の下流側に前記遊技球を検出する遊技球検出手段(例えば、球検出センサ732)を配設し、
前記可動部材が出現した状態(例えば、可変入賞口235の開口面を塞いでいる状態(図10(a)参照))では遊技球の入賞を規制する一方、前記可動部材が退出した状態(例えば、可変入賞口235の開口面が現れている状態(図10(b)参照))で遊技球の入賞を許容するように構成したことを特徴とする。
【0316】
上記パチンコ機100によれば、第一の底面傾斜部により、遊技球検出手段から遠い位置に入賞した遊技球をすばやく検知可能となる。また、素早い検知を行うことで第一底面傾斜部付近での球噛みを防止可能となる。入賞手段が大入賞口の場合には、可動部材が出現した状態は球噛みが起こり得るタイミングであり、次の大当りにより可動部材が退出するまで球噛みが継続してしまう危険性、すなわち大当り中以外で大入賞口への入賞を許容する可能性が生じ得るが、本実施形態の球噛みの防止の機構によりそのような事態を防止できる場合がある。
【0317】
(25)本実施の形態によるパチンコ機100は、
遊技領域(例えば、遊技領域124)を有する遊技盤(例えば、遊技盤200)と、前記遊技領域に発射した遊技球(例えば、遊技球B)が入賞可能な入賞手段(例えば、可変入賞口234、235、1410、シャッタ式入賞装置700、1200、回動扉式入賞装置1000)を備えた遊技台であって、
前記入賞手段は前記遊技領域に出現可能な可動部材(例えば、シャッタ800、1400、扉部材234a)を有し、該可動部材の動作により前記遊技球の入賞を許容するように構成され、
前記可動部材の出現方向に備えられた飾り部(例えば、前面部710a、1010a、1210a)に凸部(例えば、凸状梁部900a、1100a、1300a)を形成し、
前記遊技球が前記可動部材および前記凸部に接触した際に、前記凸部と前記遊技球の接点(例えば、接点TP2)と前記遊技球の中心(例えば、中心o)を結ぶ仮想線(例えば、仮想直線VL)が、前記可動部材における前記遊技球と接触する時点での当該可動部材の作動方向(例えば、作動方向AD)に一致しないように構成し、
前記凸部は下方(例えば、遊技盤200の盤面に向かって見て相対的に下の方)に向かって後方(例えば、遊技者から見た後方)へと傾斜する傾斜部(例えば、斜面部900b、1100b、1300b)を含んで構成されていることを特徴とする。
【0318】
上記パチンコ機100によれば、入賞手段の飾り部に下方に向かって後方傾斜する凸部を有する球噛み防止手段を備えたので、入賞手段に飛翔する遊技球の流れを円滑にできる場合がある。また、上記パチンコ機100によれば、傾斜部を設けたので凸部の頂上は遊技球が乗らないように面積を狭くすることができ、傾斜部では遊技球との接点を1つにすることが可能となる。
【0319】
(26)上記パチンコ機100において、
遊技球が前記可動部材及び前記凸部に接触した場合に、
前記可動部材と遊技球の接点(例えば、接点TP1)よりも上部となる位置に当該遊技球と前記凸部の接点(例えば、接点TP2)を備えるように該凸部を形成したことを特徴とする。
【0320】
上記パチンコ機100によれば、入賞手段の前面部(飾り部)であって、アタッカ部材の出現位置よりも上部に球噛み防止手段を備えたので、入賞手段に飛翔する遊技球の流れを円滑にできる場合がある。
【0321】
(27)上記パチンコ機100において、
前記入賞手段は、前記遊技盤表面から前方に向かって突出する突出部と前記突出部に連なって前面側に形成される前記飾り部を備えるとともに前記可動部材が前記突出部と飾り部で画成される空間内に出現可能となっており、
前記飾り部の裏側に前記凸部を形成したことを特徴とする。
【0322】
上記パチンコ機100によれば、可動部材が前後方向に動作する入賞手段に限定して入賞手段に飛翔する遊技球の流れを円滑にできる場合がある。
【0323】
(28)上記パチンコ機100において、
前記入賞手段は、前記飾り部の下部に形成される底面部を有し、
前記底面部は左右方向に傾斜する底面傾斜部(例えば、底面部第1傾斜平面710eや底面部第2傾斜平面710f等)を備え、
前記底面傾斜部は第一の傾斜角度を有する第一底面傾斜部(例えば、底面部第1傾斜平面710e)と、前記第一底面傾斜部の下流に連続するとともに当該第一底面傾斜部よりも傾斜角度の小さい第二底面傾斜部(例えば、底面部第2傾斜平面710f等)とで構成され、前記第二底面傾斜部の下流側に前記遊技球を検出する遊技球検出手段(例えば、球検出センサ732)を配設し、
前記可動部材が出現した状態(例えば、可変入賞口235の開口面を塞いでいる状態(図10(a)参照))では遊技球の入賞を規制する一方、前記可動部材が退出した状態(例えば、可変入賞口235の開口面が現れている状態(図10(b)参照))で遊技球の入賞を許容するように構成したことを特徴とする。
【0324】
上記パチンコ機100によれば、第一の底面傾斜部により、遊技球検出手段から遠い位置に入賞した遊技球をすばやく検知可能となる。また、素早い検知を行うことで第一底面傾斜部付近での球噛みを防止可能となる。入賞手段が大入賞口の場合には、可動部材が出現した状態は球噛みが起こり得るタイミングであり、次の大当りにより可動部材が退出するまで球噛みが継続してしまう危険性、すなわち大当り中以外で大入賞口への入賞を許容する可能性が生じ得るが、本実施形態の球噛みの防止の機構によりそのような事態を防止できる場合がある。
以上説明した本実施の形態によれば、遊技店員による遊技領域の遊技球の排除などメンテナンス作業が減少し、遊技者が遊技に集中できるようになり、遊技者の遊技の興趣を向上できる。
【0325】
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、凹凸部900の形状は特に限定されるものではない。一部突出する部分があれば他方は相対的に凹む部分となるので、前面部裏面710b側がフラットな形状でない限り、凹凸部900が形成されていると解釈できる。そして凹凸部900は○、△、□の突出形状や複雑に湾曲する形状であってもよい。その中でも特に好ましい形状としては、突出部分の上部に遊技球が乗らない形状となるよう、当該上部の面積が比較的小さいものがよい。そして、凹凸部分で2点接触を回避できる程度の突出量が必要であることを考慮すると、上記実施形態のような下方に向かうにつれて後方へ傾斜する構成を含んだ凹凸部であることが好ましい。
【0326】
また、例えば、底面部傾斜平面に代えて、可変入賞口235内の前面部裏面710bおよび/または基台平面部720aを傾斜させてもよい。
【0327】
また、例えば、本実施形態のシャッタ式入賞装置700の特徴は可変入賞口235のみならず可変入賞口234や特図2始動口232など入賞装置全般に採用可能である。
【0328】
上記実施の形態では、シャッタ式入賞装置700、1200、回動扉式入賞装置1000を用いて説明したが、本発明はこれ限られない。例えば、入賞手段の可動部材の可動方向が前後方向だけでなく左右方向に出現するタイプのアタッカにも適用可能である。
【0329】
また、遊技領域124内において入賞手段は1つでもよいし、扉式、シャッタ式いずれを用いてもよい。また、例えば2つの入賞手段をいずれもシャッタ式にしてもよいし、扉式にしてもよい。
【0330】
また、上記実施の形態では、電サポ中は右打ちが有利であり、特図2の大当りでは第二流下経路内にあるシャッタ式入賞装置700の可変入賞口235を開放するようにしているが、2R当りについては、遊技球の入賞をし難くする目的もあることから、その時点での遊技状態に対応する発射強度と異なる位置に存在する第一流下経路内の回動扉式入賞装置1000の可変入賞口234を開放する構成としてもよい。例えば、通常時に2R当りとなった場合は、シャッタ式入賞装置700の可変入賞口235を開放し、電サポ中の2R当りは中央下部の回動扉式入賞装置1000を開放するようにしてもよい。なお、一部の大当りのみ当該構成にしてもよく、組合せは任意である。
【0331】
また、上記実施の形態は、遊技機内に封入された遊技球を循環使用する封入式遊技機にも適用可能である。
【0332】
なお、上記詳細な説明で説明した事項、特に実施例および変形例で説明した事項は組み合わせることが可能である。
【0333】
上記実施の形態では、遊技台の例としてパチンコ機を用いたが本発明はこれに限られない。本発明は、図23に示すようなスロットマシン2000にも適用可能である。
本発明に係る遊技台は、図23に示す「複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール2002と、リールの回転を指示するためのスタートレバー2004と、各々のリールに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるための停止ボタン2006と、複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(入賞役内部抽選)と、抽選手段の抽選結果に基づいてリールの回転の停止に関する停止制御を行うリール停止制御手段(リール停止制御処理)と、抽選手段の抽選結果に基づいて停止されたリールによって表示される図柄組合せが、内部当選した役に対応して予め定めた図柄組合せであるか否かの判定をする判定手段(入賞判定処理)と、図柄の停止態様が所定の入賞態様である場合、所定の入賞態様に対応する遊技媒体を払出す遊技媒体払出処理を行う払出制御手段(メダル払出処理2008)と、に加え、抽選手段の抽選結果に基づいて演出を実行する演出手段2010を備え、この演出手段が、所定の遊技領域2012に球を発射する発射装置2014と、発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口2016と、入賞口2016に入球した球を検知する検知手段2018と、検知手段2018が球を検知した場合に球を払出す払出手段2020と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置2022と、可変表示装置2022を遮蔽する位置に移動可能なシャッタ2024と、所定動作態様で動作する可動体2026と、を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置2022が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技を演出するような演出装置2010、であるスロットマシン2000」にも好適である。
【0334】
上記実施の形態の遊技台は、例えば以下のように表現される。
(付記1)
遊技領域を有する遊技盤と前記遊技領域に発射した遊技球が入賞可能な入賞装置を備えた遊技台であって、
前記入賞装置は、前記遊技盤表面から前方に向かって形成される一対の側面部と前記側面部に連なって前面側に形成される前面部と、当該側面部および前面部で画成される空間内に出没可能な可動部材を備え、前記可動部材の出没により前記遊技球の入賞を許容するように構成されており、
前記遊技領域を流下する前記遊技球が、前記可動部材、および前記前面部の裏面側に接触した際に、前記前面部裏面側と遊技球の接点と当該遊技球の中心を結ぶ仮想線が、前記可動部材における前記遊技球と接触する時点での当該可動部材の作動方向に一致しないように前記前面部裏面側に凹凸部を形成したこと
を特徴とする遊技台。
(付記2)
付記1記載の遊技台であって、
前記遊技領域を透過可能な透過部材を備え、
前記透過部材と前記前面部を近接配置したこと
を特徴とする遊技台。
(付記3)
付記1または2に記載の遊技台であって、
前記凹凸部は前記可動部材の現出位置よりも上部に形成したこと
を特徴とする遊技台。
(付記4)
付記1乃至3のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記可動部材が遊技球と接している状態での当該遊技球の前記前面部との接点が1つとなるように前記凹凸部を形成したこと
を特徴とする遊技台。
(付記5)
付記1乃至4のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記可動部材は板状の部材であって、当該可動部材の先端を細く形成したこと
を特徴とする遊技台。
(付記6)
付記1乃至5のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記可動部材は前後方向に出没可能に構成されていること
を特徴とする遊技台。
(付記7)
付記1乃至6のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記凹凸部を前記可動部材の左右方向に亘って形成したこと
を特徴とする遊技台。
(付記8)
付記1乃至7のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記凹凸部は、下方に向かうにつれて後方へと傾斜する傾斜部を含んで構成したこと
を特徴とする遊技台。
(付記9)
付記1乃至8のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記凹凸部と前記可動部材の現出位置との間隔を遊技球1個分よりも短くしたこと
を特徴とする遊技台。
(付記10)
付記1乃至9のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記入賞装置は前記側面部および前面部の下部に形成される底面部を備え、
前記可動部材が現出した状態では遊技球の入賞を規制する一方、前記可動部材が退出した状態で遊技球の入賞を許容するように構成したこと
を特徴とする遊技台。
(付記11)
付記10記載の遊技台であって、
前記底面部は左右方向に傾斜する底面傾斜部を備え、
前記底面傾斜部は第一の傾斜角度を有する第一底面傾斜部と、前記第一底面傾斜部の下流に連続するとともに当該第一底面傾斜部よりも傾斜角度の小さい第二底面傾斜部とで構成され、前記第二底面傾斜部の下流側に前記遊技球を検出する遊技球検出手段を配設したこと
を特徴とする遊技台。
(付記12)
付記11記載の遊技台であって、
前記底面傾斜部の下流側における前記遊技球の転動可能な幅が狭くなるように前記遊技球が接触可能な第一当接部を、前記前面部裏面側に形成したこと
を特徴とする遊技台。
(付記13)
付記12記載の遊技台であって、
前記第一当接部は、前記第二底面傾斜部と平行な板状部が前記前面部裏面側から前記遊技球1/2個分よりも小さく突出形成されていること
を特徴とする遊技台。
(付記14)
付記12または13に記載の遊技台であって、
前記第一当接部から上方に向かって突出する第二当接部を備えたこと
を特徴とする遊技台。
(付記15)
付記14記載の遊技台であって、
前記第一当接部は前記第一底面傾斜部の上方から下流側の前記側面部に連なって形成されるとともに、前記第二当接部は前記下流側の側面部から遊技球1/2個分よりも短い距離となる位置に突出形成していること
を特徴とする遊技台。
(付記16)
遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域を透過可能な透過部材と、前記遊技領域に発射した遊技球が入賞可能な入賞手段を備えた遊技台であって、
前記入賞手段は、前記遊技盤表面から前方に向かって形成される一対の側面部と前記側面部に連なって前面側に形成されるとともに前記透過部材に近接配置される前面部と、当該側面部および前面部で画成される空間内に出没可能な可動部材を備え、前記可動部材の出没により前記遊技球の入賞を許容するように構成されており、
前記遊技領域を流下する前記遊技球が、前記可動部材、および前記前面部の裏面側に接触した際に、前記前面部裏面側と遊技球の接点と当該遊技球の中心を結ぶ仮想線が、前記可動部材における前記遊技球と接触する時点での当該可動部材の作動方向に一致しないように前記前面部裏面側に凸部を形成し、該凸部と前記可動部材の現出位置との間隔を遊技球1個分よりも短くしたことを特徴とする遊技台。
(付記17)
遊技領域を有する遊技盤と前記遊技領域に発射した遊技球が入賞可能な入賞手段を備えた遊技台であって、
前記入賞手段は、前記遊技盤表面から前方に向かって形成される一対の側面部と前記側面部に連なって前面側に形成される前面部と、当該側面部および前面部で画成される空間内に出没可能な可動部材を備え、前記可動部材の出没により前記遊技球の入賞を許容するように構成されており、
前記遊技領域を流下する前記遊技球が、前記可動部材、および前記前面部の裏面側に接触した際に、前記前面部裏面側と遊技球の接点と当該遊技球の中心を結ぶ仮想線が、前記可動部材における前記遊技球と接触する時点での当該可動部材の作動方向に一致しないように、前記前面部裏面側であって前記可動部材の現出位置よりも上部に凸部を形成し、該凸部と前記可動部材の現出位置との間隔を遊技球1個分よりも短くしたことを特徴とする遊技台。
(付記18)
遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域を透過可能な透過部材と、前記遊技領域に発射した遊技球が入賞可能な入賞手段を備えた遊技台であって、
前記入賞手段は、前記遊技盤表面から前方に向かって形成される一対の側面部と前記側面部に連なって前面側に形成される前面部と、当該側面部および前面部で画成される空間内に出没可能な可動部材を備え、前記可動部材の出没により前記遊技球の入賞を許容するように構成されており、
前記遊技領域を流下する前記遊技球が、前記可動部材、および前記前面部の裏面側に接触した際に、前記前面部裏面側と遊技球の接点と当該遊技球の中心を結ぶ仮想線が、前記可動部材における前記遊技球と接触する時点での当該可動部材の作動方向に一致しないように前記前面部裏面側であって、下方に向かうにつれて後方へと傾斜する傾斜部を含む凸部を形成し、該凸部と前記可動部材の現出位置との間隔を遊技球1個分よりも短くしたことを特徴とする遊技台。
(付記19)
遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域に発射した遊技球が入賞可能な入賞手段を備えた遊技台であって、
前記入賞手段は前記遊技領域に出現可能な可動部材を有し、該可動部材の動作により前記遊技球の入賞を許容するように構成され、
前記可動部材の出現方向に備えられた飾り部の裏側に当該裏側より突出する凸部を形成し、
遊技球が前記可動部材及び前記凸部に接触した場合に、当該可動部材と遊技球の接点よりも上部となる位置で当該遊技球と前記凸部が接するように構成したこと
を特徴とする遊技台。
(付記20)
付記19に記載の遊技台であって、
前記入賞手段は、前記遊技盤表面から前方に向かって突出する突出部と前記突出部に連なって前面側に形成される前記飾り部を備えるとともに前記可動部材が前記突出部と飾り部で画成される空間内に出現可能となっていること
を特徴とする遊技台。
(付記21)
付記19または20に記載の遊技台であって、
前記入賞手段は、前記飾り部の下部に形成される底面部を有し、
前記底面部は左右方向に傾斜する底面傾斜部を備え、
前記底面傾斜部は第一の傾斜角度を有する第一底面傾斜部と、前記第一底面傾斜部の下流に連続するとともに当該第一底面傾斜部よりも傾斜角度の小さい第二底面傾斜部とで構成され、前記第二底面傾斜部の下流側に前記遊技球を検出する遊技球検出手段を配設し、
前記可動部材が出現した状態では遊技球の入賞を規制する一方、前記可動部材が退出した状態で遊技球の入賞を許容するように構成したこと
を特徴とする遊技台。
【符号の説明】
【0335】
100 パチンコ機
208 装飾図柄表示装置
226 一般入賞口
228 普図始動口
230 特図1始動口
232 特図2始動口
234、235 可変入賞口
700、1200 シャッタ式入賞装置
710 可変入賞口画成部
720、1020 入賞装置基台
730 照明部
740 基台カバー
750 シャッタ駆動用部材
760 シャッタ駆動用ソレノイド
770 シャッタ駆動系収容部
800、1400 シャッタ
900、1100、1300 凹凸部
910 球整列第1部材
920 球整列第2部材
1000 回動扉式入賞装置
1010 前方部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が入賞可能な入賞手段を備えた遊技台であって、
前記入賞手段は可動部材の動作により遊技球の入賞が可能であり、
飾り部の裏側に当該裏側より突出する凸部を形成し、
遊技球が前記可動部材及び前記凸部に接触した場合に、当該可動部材と遊技球の接点よりも上部となる位置で当該遊技球と前記凸部が接するように構成し、
前記入賞手段は、大当りとなることで前記可動部材が動作可能となる所定の入賞手段であること
を特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1記載の遊技台であって、
賞球数の異なる入賞手段を複数備え、
前記所定の入賞手段は、前記賞球数が最も多く付与可能となる入賞手段であること
を特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊技台であって、
装飾部材を備え、
発射された遊技球が前記装飾部材の右側を流下した場合に前記所定の入賞手段に入賞可能となるように該所定の入賞手段を配置したこと
を特徴とする遊技台。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記凸部は、角張った形状および丸みを帯びた形状のうちの少なくとも一方の形状を備えていること
を特徴とする遊技台。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記凸部は、遊技領域に固定的に設けられていること
を特徴とする遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−70993(P2013−70993A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−11025(P2012−11025)
【出願日】平成24年1月23日(2012.1.23)
【分割の表示】特願2011−210983(P2011−210983)の分割
【原出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】