説明

遊技媒体取引処理システム

【課題】 遊技媒体投入後に利用者の会員認証が失敗した場合も、投入済みの遊技媒体取出作業によるシステムダウンを回避し、取引処理利用を続行可能にする。
【解決手段】 利用者による操作/表示部22での選択操作によりメダル預入処理が選択されると、制御部330は、管理装置10と通信して該利用者が会員であるか否かの認証処理を行い、会員である旨の認証がなされなかった場合、預入ホッパ27内に、投入されているメダルが存在するか否かをチェックし、存在する場合には、該投入済みのメダルを計数させる。メダルの計数が完了すると、計数済レシート発行制御部331は、ジャーナルプリンタ25に指示し、該メダル計数値を特定可能な情報を印字した計数済レシート255を発行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体の預入機能を有し、利用者が登録された会員であると認証された場合に、遊技媒体預入処理を実行する遊技媒体取引システムに係わり、詳しくは、遊技媒体預入処理に際し、遊技媒体が投入された後に利用者の会員認証が失敗した場合も、投入済みの遊技媒体取出作業によるシステムダウンを回避し、他の会員による取引処理利用を続行可能にする遊技媒体取引処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者の取引選択操作に基づき、該選択された取引の処理を実行する自動取引装置の例として、例えば、ゲームセンタ等の遊技店に設置され、遊技機での遊技に使用する遊技媒体を預け入れたり、払い出したり等の処理を行う遊技媒体預け払い機が知られている。
【0003】
この種の遊技媒体預け払い機の一例として、下記特許文献1には、ゲームセンタのゲーム機で使用するコイン(ゲームセンタ用コイン)の預け入れ並びに払出しに際して、本人確認を本人のコード番号と掌紋等の特徴を光学的に捉えたデータで行い、所定のコインの預け入れ及び払出しを行うゲームセンタ用コイン預かり装置が開示されている。
【特許文献1】特開平07−171240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のコイン預かり装置に代表される従来の遊技媒体預入払出装置では、コイン(=メダル)の預入に際して、投入口からメダルを投入するが、該投入口にはシャッター等の開閉機構が備わらず、常に投入口が開放されたままの状態であり、いつでもメダル投入が可能である。
【0005】
かかるメダル投入機構を有する遊技媒体預入払出装置では、会員登録していない遊技客もメダルを投入してしまうこともあるが、会員登録されていないため、会員認証においては認証エラーとなり、投入済みのメダルの計数は行われない。
【0006】
また、会員であっても、会員認証を行う前にメダルを投入し、その後、会員認証を行った際に会員認証に失敗してしまうこともある(コード番号の入力ミスや、掌紋の読取エラー等による)。
【0007】
この場合も、非会員によるメダル投入時と同様、投入済みのメダルの計数が行われないため、店員を呼んで、ホッパ部から全てのメダルを取出して、手渡しで払い戻してもらう必要がある。
【0008】
このため、店員に面倒なメダル払い戻し作業を強いることになり、また、メダル払い戻しのための処理が完了するまで、当該遊技媒体預入払出装置が使用不可となり、他の会員が利用できず、多大な迷惑を被るという問題点があった。
【0009】
本発明は上記問題点を解消し、遊技媒体預入処理に際し、遊技媒体が投入された後に利用者の会員認証が失敗した場合も、投入済みの遊技媒体取出作業によるシステムダウンを回避し、他の会員による取引処理利用を続行可能にして店舗運営の効率化を図ることができる遊技媒体取引処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、投入された遊技媒体の数を計数し、該計数された遊技媒体数を利用者の会員識別情報に対応する預入数に加算、更新する遊技媒体預入処理機能を有し、前記利用者による前記遊技媒体預入処理の利用に際し、該利用者から取得した会員認証用情報と、会員データベースにより管理される会員情報を照合して会員認証を行い、会員認証完了後に該遊技媒体預入処理を実行する遊技媒体取引処理システムにおいて、前記会員認証に失敗した場合、投入されている遊技媒体が存在する時には、該遊技媒体を遊技媒体計数手段により計数させる計数制御手段と、前記遊技媒体計数手段による前記遊技媒体の計数値を特定可能な情報を印字した計数済記録媒体を発行する計数済記録媒体発行手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記会員認証失敗の原因を解析する解析手段を具備し、前記計数済記録媒体発行手段は、前記解析手段により解析された前記会員認証失敗の原因を特定する情報を印字した前記計数済記録媒体を発行することを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、上記請求項1または2記載の発明において、前記計数済記録媒体発行手段は、前記遊技媒体の計数値を特定可能な情報を記録した機械可読符号を生成する手段を有し、前記機械可読符号を印字した前記計数済記録媒体を発行することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、上記請求項1乃至3のいずれか記載の発明において、前記預入数を含む会員情報を管理する前記会員データベースを有する管理装置と通信接続して成り、前記計数済記録媒体の発行に際し、会員認証が失敗した当該異常取引に関する情報を前記管理装置に通知する通知手段を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、遊技媒体預入処理の利用に際し、会員認証に失敗した場合、投入されている遊技媒体が存在する時には、該遊技媒体を計数し、該遊技媒体の計数値を特定可能な情報を印字した計数済記録媒体を発行するようにしたため、発行された計数済記録媒体に印字された情報に基づく対応を店員に委ねることで、システム側では、投入済みの遊技媒体を取出す等の作業のためにシステムをダウンせずに済み、該計数済記録媒体発行後も、他の会員による遊技媒体取引処理の受付けを続行可能とし、効率の良い店舗運営が行える。
【0015】
また、計数済記録媒体には、遊技媒体計数値を特定可能な情報が印字されるため、該計数済記録媒体を受取った店員は、該計数済記録媒体上の遊技媒体計数値に基づく会員データベース更新処理等に簡単かつ迅速に対応できるようになる。
【0016】
また、本発明では、会員認証失敗の原因を特定する情報を印字した計数済記録媒体を発行するため、該計数済記録媒体を渡された店員は、該計数済記録媒体上の会員認証失敗の原因を特定する情報から会員認証失敗の原因を簡単に特定でき、エラー復旧、並びにその後の会員データベース更新処理に迅速に対応できる。
【0017】
また、本発明では、遊技媒体の計数値を特定可能な情報を記録した機械可読符号を生成し、該機械可読符号を印字した計数済記録媒体を発行するため、該計数済記録媒体を渡された店員は、該計数済記録媒体上の機械可読符号を機械可読符号読取装置で読み取って出力(表示)することで、遊技媒体計数値等の情報確認とその後の対応作業が簡単に行えるようになる。
【0018】
また、本発明では、計数済記録媒体の発行に際し、会員認証が失敗した当該異常取引に関する情報を管理装置に通知する通知手段を有するため、店員は、後で計数済記録媒体を渡された時、該計数済記録媒体に印字された情報に基づいて管理装置にアクセスすることで、当該認証済記録媒体に関連する異常取引の取引内容等を簡単に確認できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明に係わるメダル預入払出システムの全体構成を示す図である。
【0021】
このシステムは、ゲームセンタ等の遊技店に設置された遊技機(メダルゲーム機70)でのメダルゲームに使用する遊技媒体(メダル)の貸出、預入、払出し等の取引処理を行うものであり、図1に示すように、例えば、該遊技店の事務所内に設置される管理装置10と、メダルゲーム機70等と共に遊技フロアに設置されるメダル預入払出装置20とをLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)等の伝送路50を介して相互に通信可能に接続して構成される。
【0022】
管理装置10は、遊技フロアに設置されるメダル預入払出装置20やメダルゲーム機70等を含む遊技システム全体を制御統括するコントローラであり、例えば、図2に示すように、主制御部であるCPU11(以下、主制御部)、ハードディスクなどの記憶装置12、動作プログラム等の各種情報を記憶するメモリ13、マウスやキーボード等の入力装置14、CRT等の表示装置15、メダル預入払出装置20やメダルゲーム機70等の被管理装置と伝送路50を介して通信(各種情報の送受)を行う通信インタフェース(I/F)部16、各種情報を印刷出力する印刷装置17を備えたPC(パーソナル・コンピュータ)等の情報処理端末により構成される。
【0023】
主制御部11には、メダル預入払出装置20と協働して上述したメダルの貸出、預入、払出し等の取引処理を実行する制御機能が備わる。
【0024】
また、メモリ13には、予め入会手続を行った遊技客(会員)の情報を管理する会員管理テーブル131が備わる。この会員管理テーブル131のデータ内容(図9参照)や、運用方法等については後で詳述する。
【0025】
一方、メダル預入払出装置20は、管理装置10における会員登録手続後に遊技客(新規加入会員)に渡される会員カードを用いて、該遊技客がメダルゲーム機70で遊技を行うために用いるメダルの貸出、メダルゲーム機70での遊技によって遊技客が獲得したメダルの預入、預入メダル数の範囲内でのメダル払出等の取引処理を行う装置であり、図3〜図5に示す構成により実現される。
【0026】
図3は、メダル預入払出装置20の正面外観構造を示す概念図である。
【0027】
図3に示すように、メダル預入払出装置20は、中が空洞の箱形の筐体から成る本体部201と、該本体部201の前面に取り付けられ、該本体部201に対して開閉可能な扉体202を備えて構成される。
【0028】
扉体202は、錠機構209を備え、該錠機構209に適合する鍵を用いて本体部201の前面開口部を塞いだ状態に施錠でき、また、施錠された状態から上記鍵を用いて錠機構209を解錠することにより本体部201の前面開口部が開いた状態に開放できる構造を有する。
【0029】
扉体202の前面には、後述する認証カメラ21の撮像窓口となる認証部203、遊技客(会員)がメダルの貸出、預入、払出し等の取引処理を選択するための取引処理選択画面221(図6参照)等の各種操作画面をパネル(液晶パネル)上に表示する表示機能と、パネルにタッチすることにより各種指令等を入力する操作(入力)機能を有する操作/表示部22、後述するカード処理部23が処理する会員カードの挿入、排出を行うカード挿入排出口204、後述する貨幣入出金処理部24がメダル貸出の際に処理する貨幣の入金、つり銭の排出を行なう貨幣入出金口205、後述するジャーナルプリンタ25により印刷されたレシートを排出するレシート発行口206、メダル貸出処理の完了により払い出される貸出要求枚数分のメダルを遊技客が取出し可能に排出するメダル取出口207、メダルゲーム機70でのゲームで獲得したメダルを預け入れる際に該メダルを投入するメダル投入口208が設けられる。
【0030】
また、この扉体202の裏側には、その前面に設けられる上記認証部203、カード挿入排出口204、レシート発行口206、錠機構209に各々対応して、それぞれ、小型CCDカメラ等によって成り、該装置を利用する利用客の顔を認証部203を通して撮像することにより該遊技客の顔画像情報を取得する認証カメラ21、カード挿入排出口204を通じて会員カードを受け入れて会員番号(ID)読取等のカード処理を行うカード処理部23、取引内容や集計結果を記録媒体(ロール紙等)上に印刷してレシートしてレシート発行口206より排出するジャーナルプリンタ25、扉体202の錠機構209が解錠されたことを検知する扉開閉検知センサ26(図5参照:図3には図示せず)が設けられる。
【0031】
図4は、メダル預入払出装置20における扉体202開放時の本体部201内部構造を示す概念図である。
【0032】
図4に示すように、メダル預入払出装置20の本体部201内部には、図3に示した貨幣入出金口205より遊技客が投入した貨幣を受入れてメダル貸出に係わる入出金処理を行う貨幣入出金処理部24、遊技客が預け入れるためにメダル投入口208に投入したメダルを受入れてその枚数を計数するメダル預入部(以下、預入ホッパ)27、計数後に預入ホッパ27から送られるメダルを収容(貯留)する下タンクとしてのメダル収容部28、所定のタイミング〔下タンクや上タンク(後述のメダル払出部31)の貯留枚数の兼ね合い〕でメダル収容部28から送り込まれるメダルを洗浄するメダル洗浄部29、洗浄後のメダルを後述のメダル払出部31(上タンク)までリフトアップ(揚送)するメダル搬送リフト30、メダル搬送リフト30により揚送されてくるメダルを受け取り、所定の投出中演出を経て該メダルをメダル取出口207に投出する(遊技客に払い出す)メダル払出部(以下、払出ホッパ)31、後述の通信インタフェース(I/F)部32(図5参照)により伝送路50を介して管理装置10等のネットワーク内各機器と通信し、メダルの預入、払出し処理全体及び係員設定/集計処理を行う制御用パソコンとしての機能回路部、並びに、上記制御用パソコンと通信し、ホッパメカ駆動制御や貨幣入出金処理部24との通信制御を行なう中央処理装置(CPU)としての機能回路部が実装される制御基板33、当該装置に電源を供給する電源装置34(図5参照)を具備して構成される。
【0033】
図5は、メダル預入払出装置20における上記各構成要素間の接続関係を示す機能ブロック図である。
【0034】
図5に示すように、メダル預入払出装置20は、認証カメラ21、操作/表示部22、カード処理部23、貨幣入出金処理部24、ジャーナルプリンタ25、扉開閉検知センサ26、預入ホッパ27、メダル収容部28、メダル洗浄部29、メダル搬送リフト30、払出ホッパ31、通信I/F部32、電源装置34等、上述した各構成要素を、図4における制御基板33に相当する制御部(以下、符号330を付す)に接続して構成される。
【0035】
制御部330は、操作/表示部22での取引処理選択操作に基づいて該当各部を駆動して該操作により選択されたメダル貸出、メダル預入、メダル払出等の各取引処理に係わる制御動作を管理装置10と協働して実行する。
【0036】
特に、預入ホッパ27、メダル搬送リフト30、払出ホッパ31等のメカ部に関しては以下のような駆動制御を行う。
【0037】
例えば、メダル預入に際して、制御部330は、遊技客が預け入れるために投入したメダルを預入ホッパ27で受け入れて計数手段(図示せず)でその枚数を計数した後、メダル収容部28に収容させるように制御する。
【0038】
その後は、払出ホッパ31内のタンク(上タンク)やホッパ部でのメダル貯留枚数との兼ね合いにより、所定のタイミングで、メダル収容部28からメダル洗浄部29にメダルを送って該メダルを洗浄し、次いで、該洗浄後のメダルをメダル搬送リフト30により払出ホッパ31のタンク内まで揚送し、更に、所定枚数ずつホッパ部に送り込んで貯留するように制御する。
【0039】
そして、メダル払出処理時、あるいは、メダル貸出処理時には、払出ホッパ31から払出しあるいは貸出要求された枚数のメダルを繰出してメダル取出口207に投出する。その際、上タンクのメダルの貯留数が足りなくなったらその分を補充、給送するように制御する。
【0040】
なお、上記メダル払出あるいはメダル貸出処理時において、制御部330は、利用客にメダル投出中であることが明確に認知できるような何等かの演出(例えば、メダルを載せたテーブルを回しながら下方に移動させて該メダルをメダル取出口207まで搬送する等)を加えてメダルを投出する制御を行うようになっている。
【0041】
制御部330には、計数済レシート発行制御部331、メモリ部333が設けられる。
【0042】
計数済レシート発行制御部331は、ジャーナルプリンタ25に指示して後述する計数済レシート255(図16参照:特許請求の範囲における計数済記録媒体に相当)を印字し、レシート発行口206より排出(発行)させる制御を行う。
【0043】
メモリ部333は、計数済レシート251に印字するメダル計数値、取引日時、エラーコード等、各種情報を記憶する。
【0044】
上記構成から成るメダル預入払出装置20でのメダル貸出、メダル預入、メダル払出の各取引処理を利用するためには、遊技客は、事前に、当該遊技店の会員として登録する手続を行う必要がある。
【0045】
この会員登録の手続としては、まず、会員登録を希望する遊技客は、会員申込書に、例えば、本人の氏名、住所、生年月日、性別、電話番号、希望のユーザID等の所定事項を記入したうえで、該会員申込書を店員に渡す。
【0046】
店員は、遊技客(申込者)から会員申込書を受け取ると、管理装置10を用いて、該会員申込書の記載内容を見ながら会員情報として必要な所定事項(例えば、氏名、住所、電話番号、ユーザID)を入力装置14から入力し、事前にメモリ13内に構築されている会員管理テーブル131の所定カードID(会員ID)エリアに格納(該利用者を会員として予備登録)した後、該カードIDが記憶されている会員カードを遊技客(会員)に手渡す。
【0047】
会員カードを受取った遊技客は、その後、メダル預入払出装置20で、該会員カード(あるいは、会員申込書で申告したユーザID)を用いて自分の顔を認証カメラ21で撮像し、該撮像画像から得られる顔画像情報(以下、顔データという)を上記会員管理テーブル131上の本人の会員情報と関連付けて登録する処理を行い、会員登録を完了させる。
【0048】
このメダル預入払出装置20を用いた会員登録処理について、図6〜図8を参照して説明する。
【0049】
図6は、メダル預入払出装置20における待機画面の表示例を示す概念図である。
【0050】
図6に示すように、メダル預入払出装置20では、待機状態において、操作/表示部22のパネル上に、「メダル預入」ボタン22a、「メダル新規預入」ボタン22b、「メダル払出」ボタン22c、「メダル貸出」ボタン22dの各ボタンを入力指示ツールとして有し、かつ、これら各ボタンを用いて所望の取引処理を選択することを促すメッセージ“希望する取引処理を選択して下さい”を有する取引処理選択画面221を表示している。
【0051】
会員申込書を提出し、会員管理テーブル131上にその中の所定事項が会員情報として登録された後に会員カードを受取った遊技客(申込者)は、待機画面として操作/表示部22に表示中の上記取引処理選択画面221上で「メダル新規預入」ボタン22bを押下(タッチ)することにより、顔データの関連付けを含む新規入会処理を開始させることができる。
【0052】
図7及び図8は、メダル預入払出装置20における新規入会処理の一連の流れを示すフローチャートである。
【0053】
図7において、メダル預入払出装置20(制御部330)は、表示中の待機画面上での各ボタン22(22a、22b、22c、22d)へのタッチによる処理選択状況を監視し(ステップS101)、該監視中に「メダル新規預入」ボタン22bが押下されたことを認識すると(ステップS101で新規預入ボタン押下)、入金を禁止する処理(ステップS102)を行う。
【0054】
次に、この入金禁止の状態を終了するまでの期間内に入金があったか否かをチェックし(ステップS103)、ここで、入金があった場合(ステップS103NO)、後述するメダル貸出処理へと移行する。
【0055】
また、入金なしと判定された場合(ステップS103YES)、会員カードの投入待ち状態に移行し、当該状態で、カード(会員カード)が投入されたか、スキップ操作がなされたか、取消操作があったかをチェックする(ステップS104)。
【0056】
ここで、取消し操作がなされると(ステップS104で取消)、取消の旨を操作/表示部22に表示し(ステップS111)、次いで、カードがあるか否かをチェックし(ステップS112)、カードがあれば(ステップS112YES)該カードを排出(ステップS113)した後に待機画面表示状態に戻し、カードがない場合(ステップS112NO)にはそのまま待機画面表示状態に戻す。
【0057】
また、カード投入待ち状態でスキップの操作がなされると(ステップS104でスキップ)、制御部330は、ユーザ名の入力を促す画面を操作/表示部22に表示し(ステップS131)、ユーザ名の入力が完了するまで入力待ち状態を維持する(ステップS132)。
【0058】
この間、ユーザ名が入力されると、制御部330は、管理装置10に問合せして該入力されたユーザIDに対応するユーザ名の検索処理を実施させ(ステップS133)、該検索結果を受け取って会員管理テーブル131中に該ユーザ名が登録されているか否かをチェックし(ステップS134)、該ユーザ名が登録されていない場合には(ステップS134で無効)、ステップS131に戻ってユーザ名再取得処理を続け、該ユーザ名が登録されている場合には(ステップS334で有効)、図8に示すステップS135以降の処理に進む。
【0059】
図8のステップS135において、制御部330は、認証カメラ21を起動して利用者の顔を認証部203を通して撮像し、該撮像により認証カメラ21より出力される画像情報から顔部分を切り出し処理して得た顔データを含む顔撮影画面を操作/表示部22に表示する。
【0060】
次いで、撮影画面確認操作を待ち(ステップS136)、ここで、確認OKの指示があった場合(ステップS136でOK)、上記切り出し処理した顔データをユーザIDと共に管理装置10に送り、会員管理テーブル131に当該ユーザIDに対応する顔画像エリアに該顔データを登録する処理を行う(ステップS137)。
【0061】
その後、管理装置10から登録処理の結果の通知を待ち、登録OKを受信することにより登録正常終了を確認した場合(ステップS138で正常終了)、会員登録証明書をジャーナルプリンタ25で印字して排出する(ステップS139)と共に、登録完了を知らせる画面を操作/表示部22に表示(ステップS140)した後、図7のステップS112,S113を経て待機状態に復帰する。尚、上記ステップS139において発行される会員登録証明書とは、登録処理が正常に終了したことを示す証明書である。
【0062】
また、管理装置10から登録NGを受信することにより登録正常終了しなかった場合(ステップS138でNG)、図7のステップS112,S113を経て待機状態に復帰する。
【0063】
一方、図7のステップS104でのカード投入待ち状態で会員カードが投入されると(ステップS104でカード投入)、制御部330は、カード処理部23が投入されたカードから読取ったカードIDをキーに管理装置10に問合せを行なって該カードIDに対応するユーザ名を取得する処理(ステップS121)を行う。
【0064】
ここで、会員管理テーブル131に当該カードIDに対応してユーザ名が登録されていないためにユーザ名を取得できなかった場合(ステップS122で失敗)、登録不可である旨を通知する画面を操作/表示部22に表示し(ステップS123)、ステップS112以降の処理に進む。
【0065】
これに対して、会員管理テーブル131に当該カードIDに対応して格納されているユーザ名を取得できた場合(ステップS122で登録済)、図8に示すステップS140に進み、既に会員登録済である旨を通知する登録完了画面を操作/表示部22に表示し(ステップS140)、その後、図7のステップS112,S113を経て待機状態に復帰する。
【0066】
このように、本発明のシステムでは、申込者(遊技客)が提出した会員申込書に記載された情報の中の必要な事項を係員が会員管理テーブル131に入力した後、更に、申込者自身が、メダル預入払出装置20で、本人の顔データを上記会員管理テーブル131上の本人の会員情報と関連付けて登録する処理を行うことによって会員登録が完了する。
【0067】
図9は、図7及び図8に示す新規入会処理を経て管理装置10のメモリ13内に構築された会員管理テーブル131の情報内容の一例を示す表図である。
【0068】
図9において、会員管理テーブル131には、係員が入会申込書を基に入力した会員の氏名、住所、電話番号、ユーザID(ユーザ名)と、申込者がメダル預入払出装置20を用いて撮像して得た顔データとが関連付けられて各会員の会員ID(カードID)に対応して登録されている。
【0069】
なお、この会員管理テーブル131において、顔画像の欄には、リンク先情報が記憶され、実際の顔データは、当該リンク先の記憶エリアに画像ファイルとして格納されている。
【0070】
このように、会員管理テーブル131に対して、会員情報と顔データとを関連付けて登録することにより会員登録を完了した遊技客は、その後、当該メダル預入払出装置20を用いてメダルの預入、払出、貸出の各取引を利用可能となる。
【0071】
なお、管理装置10では、図9に示すように、会員管理テーブル131を用いて、メダル枚数(残枚数)、ポイント(貸し出しに際して貸出額に応じて付与される)についても各会員ID毎に管理している。
【0072】
この会員管理テーブル131上のメダル枚数について、管理装置10は、メダル預入払出装置20と協働してメダル預入処理及びメダル払出処理を実施する中で、該メダル預入処理時に預け入れられた枚数を会員IDに対応して加算処理し、メダル払出処理時に払い出された枚数を会員IDに対応して減算する処理を経て、逐次、更新管理する。
【0073】
また、ポイントについては、メダル貸出に際して貸出金額に応じてポイントを加算し(図10のステップS234参照)、ポイントが利用された場合にはその分を減算する処理を行っている。
【0074】
次に、メダル預入払出装置20が管理装置10と協働して実施するメダル貸出処理、メダル預入処理、及びメダル払出処理について説明する。
【0075】
図10は、メダル預入払出装置20におけるメダル貸出処理の流れを示すフローチャートである。
【0076】
図10において、メダル預入払出装置20(制御部330)は、表示中の待機画面上での各ボタン22(22a、22b、22c、22d)へのタッチによる処理選択状況を監視し(ステップS201)、該監視中に「メダル貸出」ボタン22dが押下されたことを認識すると(ステップS201でメダル貸出ボタン押下)、カード(会員カード)の挿入を促す旨を操作/表示部22に表示し(ステップS202)、カードの挿入及び現金(貨幣)の投入待ち状態に進む(ステップS203)。
【0077】
また、上記処理選択状況の監視中に現金投入が開始された場合(ステップS201で現金投入)、現金投入を引き続き受付ける旨を操作/表示部22に表示し(ステップS202)、現金の投入待ち状態に進む(ステップS203)。
【0078】
カード挿入及び現金投入待ち状態、あるいは現金投入待ち状態において、操作/表示部22上で取消し操作が行われると(ステップS203で取消)、制御部330は、取消の旨を操作/表示部22に表示し(ステップS211)、次いで、カードが挿入済みであるか否かをチェックし(ステップS212)、カードが挿入済みであれば(ステップS212YES)該カードを排出(ステップS213)した後、更に、現金が投入済みであるか否かをチェックする(ステップS214)。
【0079】
なお、上記ステップS212において、カードが挿入されていない場合(ステップS212NO)は、直ちにステップS214に進む。
【0080】
ステップS214において、現金が投入済でないと判定された場合(ステップS214NO)、現金の投入を禁止する状態を維持したままステップS216に進む。
【0081】
また、ステップS214において、現金が投入済であると判定された場合(ステップS214YES)、該投入済みの現金(貨幣)を排出(返金)する処理を行い(ステップS215)、次いで、当該返金処理が正常に終了したか否かをチェックする(ステップS216)。
【0082】
ここで、返金処理が正常終了した場合(ステップS216で正常終了)は、待機画面表示状態(ステップS201)に戻し、返金処理が異常終了した場合(ステップS216で異常終了)は、係員呼び出し処理(ステップS239)に進む。
【0083】
また、カード挿入及び現金投入待ち状態、あるいは現金投入待ち状態において、カード処理部23にカードが投入されると(ステップS203でカード投入)、制御部330は、カード処理部23が投入されたカードから読取ったカードIDをキーに管理装置10に問合せを行なって該カードIDに対応するユーザ名を取得する処理(ステップS221)を行う。
【0084】
ここで、会員管理テーブル131に当該カードIDに対応してユーザ名が登録されていないためにユーザ名を取得できなかった場合(ステップS222で失敗)、処理(貸出金額に応じたポイント付与)が受付不可である旨を通知する画面を操作/表示部22に表示し、かつ、該カードを返却(ステップS223)した後、ステップS203に戻る。
【0085】
また、会員管理テーブル131に当該カードIDに対応して格納されているユーザ名を取得できた場合(ステップS222で成功)、該ユーザ名を保持し、ステップS203に戻る。
【0086】
ここで、カード投入を受け入れ、ユーザ名を取得してステップS203に戻った場合(ステップS221→S222で成功→S203)、当該ステップS203において、その後も、現金の投入を受付けつつ、有効ボタン(例えば、貸出金額ボタン等)が押下されたか否かの監視を続ける。
【0087】
また、ステップS203において、取消し操作もカード投入もなされない場合は、現金の投入受付けを継続しつつ、有効ボタン(例えば、貸出金額ボタン等)が押下されたか否かの監視を続ける。
【0088】
この状態で、現金の投入が完了し、貸出金額を確定するために貸出金額ボタン(有効ボタン)が押下された場合(ステップS203で有効ボタン)、制御部330は、以後の入金を禁止する状態にして(ステップS231)、指定された貸出金額を認識する等の処理を行い、該処理の完了後、上記入金禁止状態を終了する(ステップS232)。
【0089】
この間、制御部330は、上記入金禁止状態の終了が正常終了したか異常終了したかを監視し、異常終了した場合(ステップS232で異常終了)は、係員呼び出し処理(ステップS239)に進む。
【0090】
また、上記入金禁止状態の終了が正常終了した場合(ステップS232で正常終了)、次いで、制御部330は、カードが投入されているか否かをチェックし(ステップS233)、カードが投入されていない場合(ステップS233で無し)は、ステップS236に進む。
【0091】
また、カードが投入されている場合(ステップS233であり)は、店舗ポイント加算処理を実施する(ステップS234)。
【0092】
この店舗ポイント加算処理は、ステップS231の入金禁止後に認識した貸出金額と、ステップS222で取得したユーザ名とを含むポイント加算処理要求を管理装置10に送信し、管理装置10では、メダル預入払出装置20から受信した上記ポイント加算処理要求に従い、該要求と共に受信された貸出金額に相当するポイント数を確定したうえで、該ポイント数を、会員管理テーブル131における当該要求と共に受信されたユーザ名に対応するポイント欄(図9参照)に格納するという手順で実現される。
【0093】
管理装置10では、メダル預入払出装置20と協働して行う上記店舗ポイント加算処理が正常に完了すると、ポイント更新処理が完了した旨をメダル預入払出装置20に送信する。
【0094】
一方、メダル預入払出装置20は、ステップS234における店舗ポイント加算処理に際して上記ポイント加算処理要求を管理装置10に送信した後、該管理装置10からポイント更新処理完了通知を受信できたか否かによりポイント更新処理が正常終了したか異常終了したかをチェックする(ステップS235)。
【0095】
ここで、ポイント更新処理が異常終了したと判定された場合(ステップS235で異常終了)、係員呼び出し処理(ステップS239)に進む。
【0096】
これに対して、ポイント更新処理が正常終了した場合(ステップS235で正常終了)、制御部330は、指定された金額分のメダルを貸し出す処理、並びに、投入金額と指定金額の差分をつり銭として払い出す処理を行う(ステップS236)。
【0097】
その際、メダルを払い出し(貸出し)ている間は、その旨を操作/表示部22に表示しながら、メダル払出が正常に終了した異常終了したかをチェックする(ステップS237)。
【0098】
ここで、メダル払い出しが正常終了した場合(ステップS237で正常終了)には、制御部330は、当該処理により払い出した(貸し出した)メダル枚数や、“ご利用ありがとうございました”といったメッセージ等を含む払出(貸出)結果情報を操作/表示部22に表示し(ステップS238)、その後、ステップS212以降の処理に進む。
【0099】
これに対して、メダル払い出しが異常終了した場合(ステップS237で異常終了)には、係員呼び出し処理(ステップS239)に進む。
【0100】
係員呼び出し処理においては、ステップS216での返金処理の異常終了、ステップS232での入金禁止に関する異常終了、ステップS235でのポイント更新処理の異常終了、ステップS237でのメダル払出異常終了のいずれの場合も適宜な方法で係員が呼び出され(ステップS239)、該異常終了した取引のトラブル対応が当該係員に委ねられる。
【0101】
図10に示すメダル貸出処理によってメダルの貸出しを受けた遊技客(会員)は、このメダルを使ってメダルゲーム機70でゲームを行い、該ゲームでメダルを獲得した場合には、メダル預入払出装置20を利用して該メダルを自分の口座(会員管理テーブル131における自分の会員IDに対応するメダル枚数エリア)に預け入れることができる。
【0102】
また、自分の口座にメダルを預入れた遊技客(会員)は、次回、自分の口座から、預入れてある枚数の範囲内でメダルを引き出して(払出しを受けて)、該メダルを用いてメダルゲーム機70でのゲームを行うことができる。
【0103】
これらメダル預入れと払出しの処理について、便宜上、メダル払出しの処理から先に説明する。
【0104】
図11及び図12は、メダル預入払出装置20におけるメダル払出処理の一連の流れを示すフローチャートである。
【0105】
図11において、メダル預入払出装置20(制御部330)は、表示中の待機画面上での各ボタン22(22a、22b、22c、22d)へのタッチによる処理選択状況を監視し(ステップS301)、該監視中に「メダル払出」ボタン22cが押下されたことを認識すると(ステップS301でメダル払出ボタン押下)、入金を禁止する処理(ステップS302)を行う。
【0106】
次に、この入金禁止の状態を終了するまでの期間内に入金があったか否かをチェックし(ステップS303)、ここで、入金があった場合(ステップS303NO)、後述するメダル貸出処理へと移行する。
【0107】
また、入金なしと判定された場合(ステップS303YES)、会員カードの投入待ち状態にし、当該状態で、カードが投入されたか、スキップ操作がなされたか、取消操作があったかをチェックする(ステップS304)。
【0108】
ここで、取消し操作がなされると(ステップS304で取消)、取消の旨を操作/表示部22に表示し(ステップS311)、次いで、カードがあるか否かをチェックし(ステップS312)、カードがあれば(ステップS312YES)該カードを排出(ステップS313)した後に待機画面表示状態に戻し、カードがない場合(ステップS312NO)にはそのまま待機画面表示状態に戻す。
【0109】
また、カード投入待ち状態でスキップの操作がなされると(ステップS304でスキップ)、制御部330は、ユーザ名の入力を促す画面を操作/表示部22に表示し(ステップS331)、ユーザ名の入力が完了するまで入力待ち状態を維持する(ステップS332)。
【0110】
この間、ユーザ名が入力されると、制御部330は、管理装置10に問合せして該入力されたユーザIDに対応するユーザ名の検索処理を実施させ(ステップS333)、該検索結果を受け取って会員管理テーブル131中に該ユーザ名が登録されているか否かをチェックし(ステップS334)、該ユーザ名が登録されていない場合には(ステップS334で無効)、ステップS331に戻ってユーザ名再取得処理を続け、該ユーザ名が登録されている場合には(ステップS334で有効)、図12に示すステップS335以降の処理に進む。
【0111】
また、図11のステップS304でのカード投入待ち状態でカードが投入されると(ステップS304でカード投入)、制御部330は、カード処理部23が投入されたカードから読取ったカードIDをキーに管理装置10に問合せを行なって該カードIDに対応するユーザ名を取得する処理(ステップS321)を行う。
【0112】
ここで、会員管理テーブル131に当該カードIDに対応してユーザ名が登録されていないためにユーザ名を取得できなかった場合(ステップS322で失敗)、払出処理が受付不可である旨を通知する画面を操作/表示部22に表示し(ステップS323)、ステップS312以降の処理に進む。
【0113】
これに対して、会員管理テーブル131に当該カードIDに対応して格納されているユーザ名を取得できた場合(ステップS322で成功)、図12に示すステップS335以降の処理に進む。
【0114】
図12のステップS335において、制御部330は、利用者の撮影操作に応じて認証カメラ21を起動して該利用者の顔を撮像した後、顔部分の画像情報(顔データ)を切り出し処理し(ステップS335)、該切り出し処理して得た顔データと表示中の顔データで認証を開始して良いか否かの指示ボタン等から成る認証開始待画面を操作/表示部22に表示する(ステップS336)。
【0115】
この認証開始指示待ち状態で、認証待画面を用いて認証開始指示操作が行われると(ステップS336で認証)、制御部330は、ステップS334で取得したユーザ名とステップS335で撮影した顔データを管理装置10に送り、該顔データが会員管理テーブル131に当該ユーザIDに対応して格納されている顔画像情報と一致するか否かを照合させると共に、該ユーザIDに対応するメダル枚数領域に格納されるメダル残枚数を管理装置10から取得する処理を行う(ステップS337)。
【0116】
引き続き、管理装置10からの照合結果の受信を待ち、該受信した照合結果を基に認証NG(ステップS335で撮影した顔データが登録されている顔データと不一致)であると判定されると(ステップS338でNG)、認証トライ回数が予め決められた回数(n回)に達するまでの間は、再撮影が可能である旨を操作/表示部22に表示(ステップS339)して再撮影指示待ちの状態とし(ステップS340)、この状態で利用客が取消操作を行った場合(ステップS340で取消)にはステップS311以降の処理に進み、再撮影操作を行った場合(ステップS340で再撮影)にはステップS335以降の処理を、再撮影回数が満了するまで繰り返し実施する。
【0117】
この間、ステップS338において、管理装置10から受信した照合結果を基に認証OK(ステップS335で撮影した顔データが登録されている顔データに一致する)であると判定されると(ステップS338でOK)、制御部330は、認証がOKである旨と、ステップS337で取得したメダル残枚数と、払出要求枚数指定ボタンや取消ボタン等を含む払出指示待画面を操作/表示部22に表示する(ステップS341)。
【0118】
この払出枚数指示待状態で、遊技客により上記払出要求枚数指定ボタンを用いて払出要求メダル枚数が入力されたか、上記取消ボタンによる取消し操作がなされかをチェックし、取消し操作がなされた場合(ステップS342で取消)は図11のステップS311移行の処理に進む。
【0119】
また、遊技客によって払出要求メダル枚数が入力された場合、残枚数より多い払出要求枚数が指定された場合には(ステップS342で枚数不足)再入力を受付け、残枚数範囲内の払出要求枚数が指定された場合には(ステップS342で枚数入力)、該入力された払出要求メダル枚数とメダル預かりデータ更新要求を管理装置10に送信し、該管理装置10に会員管理テーブル131の当該ユーザ名に対応するメダル枚数から当該払出要求枚数分のメダル数を減算させる処理を行わせ(ステップS343)、該メダル預かりデータの更新処理が正常に終了したか否かの結果の受信待ち状態に入る。
【0120】
ここで、メダル預かりデータ更新処理が正常終了したとの結果を受信すると(ステップS344で正常終了)、次いで、制御部330は、払出ホッパ31等を駆動することによりメダルの払出しを開始し(ステップS345)、メダルを払い出している間は、その旨を操作/表示部22に表示しながら、メダル払出が正常に終了した異常終了したかをチェックする(ステップS346)。
【0121】
ここまでの処理において、メダル預かりデータの更新処理が異常終了した場合(ステップS344で失敗)、及び、該メダル払い出しが異常終了した場合(ステップS346で異常終了)には、適宜な方法で係員が呼び出され(ステップS348)、該異常終了した取引のトラブル対応が当該係員に委ねられる。
【0122】
これに対し、メダル預かりデータの更新処理正常終了後、該メダル払い出しが正常終了した場合(ステップS446で正常終了)には、制御部330は、当該処理により払い出したメダル枚数や、“ご利用ありがとうございました”といったメッセージ等を含む払出結果情報を操作/表示部22に表示し(ステップS347)、その後、図11のステップS312、S313を経て待機状態に復帰する。
【0123】
次に、メダル預入処理について説明する。
【0124】
図13及び図14は、メダル預入払出装置20におけるメダル預入処理の一連の流れを示すフローチャートである。
【0125】
図13において、メダル預入払出装置20(制御部330)は、表示中の待機画面上での各ボタン22(22a、22b、22c、22d)へのタッチによる処理選択状況を監視し(ステップS401)、該監視中に「メダル預入」ボタン22aが押下されたことを認識すると(ステップS401でメダル預入ボタン押下)、入金を禁止する処理(ステップS402)を行う。
【0126】
次に、この入金禁止の状態を終了するまでの期間内に入金があったか否かをチェックし(ステップS403)、ここで、入金があった場合(ステップS403NO)、後述するメダル貸出処理へと移行する。
【0127】
また、入金なしと判定された場合(ステップS403YES)、カード(会員カード)の投入待ち状態にし、当該状態で、カードが投入されたか、スキップ操作がなされたか、取消操作があったかをチェックする(ステップS404)。
【0128】
ここで、取消し操作がなされると(ステップS404で取消)、取消の旨を操作/表示部22に表示し(ステップS411)、次いで、カードがあるか否かをチェックし(ステップS412)、カードがあれば(ステップS412YES)該カードを排出(ステップS413)した後に待機画面表示状態に戻し、カードがない場合(ステップS412NO)にはそのまま待機画面表示状態に戻す。
【0129】
また、カード投入待ち状態でスキップの操作がなされると(ステップS404でスキップ)、制御部330は、ユーザ名の入力を促す画面を操作/表示部22に表示し(ステップS431)、ユーザ名の入力が完了するまで入力待ち状態を維持する(ステップS432)。
【0130】
この間、ユーザ名が入力されると、制御部330は、管理装置10に問合せして該入力されたユーザIDに対応するユーザ名の検索処理を実施させ(ステップS433)、該検索結果を受け取って会員管理テーブル131中に該ユーザ名が登録されているか否かをチェックし(ステップS434)、該ユーザ名が登録されていない場合には(ステップS434で無効)、ステップS431に戻ってユーザ名再取得処理を続け、該ユーザ名が登録されている場合には(ステップS434で有効)、図14に示すステップS435以降の処理に進む。
【0131】
また、図13のステップS404でのカード投入待ち状態でカードが投入されると(ステップS404でカード投入)、制御部330は、カード処理部23が投入されたカードから読取ったカードIDをキーに管理装置10に問合せを行なって該カードIDに対応するユーザ名を取得する処理(ステップS421)を行う。
【0132】
ここで、会員管理テーブル131に当該カードIDに対応してユーザ名が登録されていないためにユーザ名を取得できなかった場合(ステップS422で失敗)、預入処理が受付不可である旨を通知する画面を操作/表示部22に表示し(ステップS423)、次いで、図15を参照して後で詳述する計数済みレシート発行処理(ステップS460)を行った後、ステップS312以降の処理に進む。
【0133】
これに対して、会員管理テーブル131に当該カードIDに対応して格納されているユーザ名を取得できた場合(ステップS422で登録済)、図14に示すステップS443へと進む。
【0134】
次に、図14を参照して図13に続くメダル預入処理動作について説明する。
【0135】
図13におけるステップS434(ユーザ名有効)から移行する図14のステップS435において、制御部330は、操作/表示部22に表示される撮影用指示ツールを用いた利用者による撮影操作に応じて認証カメラ21を起動して該利用者の顔を撮像した後、顔部分の画像情報(顔データ)を切り出す処理を行う(ステップS435)。
【0136】
その際、認証カメラ21の故障等により、利用者の顔データが取得できなかった場合(ステップS436NO)、図13のステップS423の処理不可通知を経て、同、ステップS460の計数済レシート発行処理に進む。
【0137】
また、上記ステップS435で利用者の顔データが取得できた場合(ステップS436YES)、次いで、制御部330は、ステップS435の切り出し処理により得た顔データと表示中の顔データで認証を開始して良いか否かの指示ボタン等から成る認証開始待画面を操作/表示部22に表示する(ステップS437)。
【0138】
この認証開始指示待ち状態で、認証待画面を用いて認証開始指示操作が行われると(ステップS436で認証)、制御部330は、ステップS434で取得したユーザ名とステップS435で撮影して得た顔データを管理装置10に送り、該顔データが会員管理テーブル131に当該ユーザIDに対応して格納されている顔画像情報と一致するか否かを照合させると共に、該ユーザIDに対応するメダル枚数領域に格納されるメダル残枚数を管理装置10から取得する処理を行う(ステップS438)。
【0139】
その際、通信ネットワークの異常(伝送路50の断、管理装置10の故障等)等により、利用者の顔データ等のデータが取得できなかった場合(ステップS439NO)、図13のステップS423の処理不可通知を経て、同、ステップS460の計数済レシート発行処理に進む。
【0140】
これに対し、上記ステップS438で利用者の顔データ等のデータが取得できた場合(ステップS439YES)、引き続き、制御部330は、管理装置10からの照合結果の受信を待ち、該受信した照合結果を基に認証NG(ステップS435で撮影した顔データが登録されている顔データと不一致)であると判定されると(ステップS440でNG)、認証トライ回数が予め決められた回数(n回)に達するまでの間は、再撮影が可能である旨を操作/表示部22に表示(ステップS441)して再撮影指示待ちの状態とし(ステップS442)、この状態で利用客が取消操作を行った場合(ステップS442で取消)にはステップS411(図13)以降の処理に進み、再撮影操作を行った場合(ステップS442で再撮影)にはステップS435以降の処理を、再撮影回数が満了するまで繰り返し実施する。
【0141】
この間、ステップS437において、認証開始待画面上で取消操作がなされた場合、若しくは、再撮影回数を超える撮影操作がなされた場合(ステップS437で取消/n回以降)、図13のステップS423の処理不可通知を経て、同、ステップS460の計数済レシート発行処理に進む。
【0142】
また、ステップS440において、認証OKか否かをチェックする回数が規定回数(n回)を超えた(ステップS440でn回以降)、図13のステップS423の処理不可通知を経て、同、ステップS460の計数済レシート発行処理に進む。
【0143】
これに対し、再撮影回数並びに認証チェック回数が規定回数(n回)の範囲にある間に、ステップS440において、管理装置10から受信した照合結果を基に認証OK(ステップS435で撮影した顔データが登録されている顔データに一致する)であると判定されると(ステップS440でOK)、制御部330は、認証がOKである旨と、ステップS438で取得したメダル残枚数と、計数ボタン等を含む計数指示待画面を操作/表示部22に表示する(ステップS443)。
【0144】
この計数指示待状態で、遊技客によってメダルが投入され、計数ボタンが押下された場合(ステップS444で計数開始)、制御部330は、預入ホッパ27で遊技客により投入されたメダルの計数を開始し、メダル計数中の間はその旨を操作/表示部22に表示しながら(ステップS445)、計数が正常に終了した異常終了したかをチェックする(ステップS446)。
【0145】
ここで、計数が正常に終了した場合(ステップS446で正常終了)、次いで、制御部330は、メダル計数値とメダル預入更新要求を管理装置10に送信し、該管理装置10に会員管理テーブル131の当該ユーザ名に対応するメダル枚数に当該メダル計数値を加算する処理を行わせ(ステップS447)、該メダル預入データの更新処理が正常に終了したか否かの結果の受信待ち状態に入る。
【0146】
ここまでの処理において、計数が異常終了した場合(ステップS446で異常終了)、及び、該メダル預入データ更新処理が異常終了した場合(ステップS448で失敗)には、適宜な方法で係員が呼び出され(ステップS452)、該異常終了した取引のトラブル対応が当該係員に委ねられる。
【0147】
これに対し、メダル預入データ更新処理が正常終了したとの結果を受信すると(ステップS448で正常終了)、メダルの投入、継続投入の意思を確認するための画面を操作/表示部22に表示し(ステップS449)、メダル投入あるいは継続投入の指示確認待ち状態に制御する(ステップS450)。
【0148】
ここで、継続投入が指示されると(ステップS450で継続)、制御部330は、ステップS444以降に戻ってメダルの継続投入、計数、メダル残枚数更新処理を続行する。
【0149】
また、上記確認待ち状態でメダルの預入が正常終了したことを確認した旨の指示されると(ステップS450で確認)、制御部330は、当該処理によるメダル預入枚数や“ご利用ありがとうございました”といったメッセージ等を含む預入情報を操作/表示部22に表示し(ステップS451)、その後、図13のステップS412、S413を経て待機状態に復帰する。
【0150】
図13及び図14に示すように、メダル預入払出装置20のメダル預入処理においては、メダル預入処理を選択した後、会員認証が失敗すると、図13のステップS423の処理不可通知を経て、同、ステップS460の計数済レシート発行処理に進む。
【0151】
ここで、会員認証が失敗する状況としては、例えば、ユーザ名の取得に失敗した場合(ステップS422で失敗)、認証カメラ21から顔データが取得できなかった場合(ステップS436NO)、認証指示待中に取消操作がなされたり、再撮影回数を超える撮影操作がなされた場合(ステップS437で取消/n回以降)、管理装置10から顔データを取得できなかった場合(ステップS439NO)、認証チェック回数が規定回数を超えた場合(ステップS440でn回以降)等の状況が挙げられる。
【0152】
次に、かかる状況(会員認エラー発生)に際して実施される計数済レシート発行処理(図13のステップS460)について詳しく説明する。
【0153】
図15は、図13のステップS460における計数済レシート発行処理を示すフローチャートである。
【0154】
図15に示す計数済レシート発行処理は、メダル預入払出装置20の計数済レシート発行制御部331(図5参照)により行われる。
【0155】
このメダル預入払出装置20において、制御部330は、装置全体の動作を監視し、取引番号に対応付けて取引ログを記録したり、各種異常を検知したり、異常内容を解析(認識)する処理機能を有し、図13及び図14における一連のメダル預入処理中、ユーザ名の取得に失敗したこと(ステップS422で失敗)、認証カメラ21から顔データが取得できなかったこと(ステップS436NO)、認証指示待中に取消操作がなされたことや、再撮影回数を超える撮影操作がなされたこと(ステップS437で取消/n回以降)、管理装置10から顔データを取得できなかったこと(ステップS439NO)、認証チェック回数が規定回数を超えたこと(ステップS440でn回以降)を検出することにより会員認証の認証エラー(会員認証失敗)が発生したと認識すると(ステップS511)、認証済レシート発行制御部331に指示して図15に示す計数済レシート発行処理を開始させる。
【0156】
引き続き、制御部330は、上記ステップS511での認証エラーの発生原因〔会員未登録、認証キャンセル、認証カメラ21での撮影ミス、認証カメラ21の故障、通信ネットワークの異常(伝送路50の断線や、管理装置10の故障等)〕を特定し、該認証エラー発生原因(異常)を対応するエラーコードと関連付けて保持する等の異常解析処理を行い、以降の処理(ステップS516,S518等)に備える。
【0157】
一方、上記ステップS511で会員認証エラーとなることにより計数済レシート発行処理の開始を指示された計数済レシート発行制御部331は、まず、預入ホッパ27内に投入済みのメダルがあるか否かをチェックする(ステップS512)。
【0158】
ここで、メダルがない(存在しない)ものと判定された場合(ステップS512NO)、以後の計数済レシート発行処理(ステップS513〜S517)をキャンセルし、計数済レシート発行制御部331は、メダル投入後に会員認証エラーとなった当該異常取引に関する情報(取引番号、取扱号機番号、会員認証エラーとなる時点までの取引ログ、異常内容並びにエラーコード等)を集計し、該情報を管理装置10に送信(ステップS518)した後、図13のステップS412以降の処理に進む。
【0159】
これに対し、預入ホッパ27内に投入済みのメダルがあると判定された場合(ステップS513YES)、計数済レシート発行制御部331は、預入ホッパ27内のメダル計数手段に指示して当該メダルを計数させる(ステップS513)。
【0160】
この間、メダルの計数が完了したかどうかを監視しながら(ステップS514)、メダル計数が未完了の間(ステップS514NO)は当該メダル計数を続行させる。
【0161】
その後、投入済みメダルの計数が終了すると(ステップS514YES)、計数済レシート発行制御部331は、上記メダル計数手段によるメダル計数値を取得すると共に、更には、取引日時やエラーコード等も含めて、計数済レシートを印字するために必要な情報を取得する(ステップ515)。
【0162】
ここで、取引日時は、制御部330が会員認証エラーとなるまでの間に記録しておいた取引ログ(図示せず)から取得し、エラーコードは、上記ステップS511で認証エラーを認識するのに合わせて制御部330が行う上記異常解析処理を通じて取得する。
【0163】
上述の如く、計数済レシートを印字するために必要な情報(メダル計数値、取引日時、エラーコード等)を取得(ステップS515)した後、計数済レシート発行制御部331は、該取得した各情報を基に、当該各情報をレシート名(図16におけるレシート名61)や該レシートの使い方(同、メッセージ62)等も付与した所定のフォーマット(書式)で計数済レシートとして印字するための画像情報を生成する(ステップS516)。
【0164】
次いで、計数済レシート発行制御部331は、当該画像情報の印字指令をジャーナルプリンタ25に送り、該ジャーナルプリンタ25により当該画像情報に基づく画像を計数済レシートとして記録媒体(ロール紙等)上に印字させ、該計数済レシートをレシート発行口206より排出(発行)させる制御を実行する(ステップS517)。
【0165】
この計数済レシートの発行後、計数済レシート発行制御部331は、メダル投入後に会員認証エラーとなった当該異常取引に関する情報(取引番号、取扱号機番号、会員認証エラーとなる時点までの取引ログ、メダル計数値、異常内容並びにエラーコード等)を集計し、管理装置10に送信する(ステップS518)。
【0166】
そして、該異常取引に関する情報を管理装置10に送信した後は、図13のステップS412,S413の処理を経て、同、ステップS401の待機状態に戻る。
【0167】
図16は、図15のステップS517でジャーナルプリンタ25によって印字、発行される計数済レシート255の一例を示す図である。
【0168】
図16に示すように、この計数済レシート255には、レシート名(この例では、「計数済レシート」)61をはじめとして、利用者を認証できなかった旨、並びに、レシートを係員に渡すことで利用可能である旨を示すメッセージ(同、「お客様を認証できませんでした。このレシートを持ってお近くの係員に連絡願います」)62、メダル計数値(同、「預入メダル 155 枚」)63、会員未認証のままメダル計数が実施された当該取引の取引日時(同、「2005年12月25日(日) 13時35分」64、当該会員未認証を生じせしめた異常に対応するエラーコード(同、「E−0011」)65、及びバーコード66が印字されている。尚、店舗内に複数台のメダル預入払出装置が設置されている場合は、利用したメダル預入払出装置の号機番号を印字する必要がある。
【0169】
ここで、バーコード66には、例えば、該計数済レシート255に印字される各情報のうち、メダル計数値63、取引日時64、エラーコード65等の情報が記憶される。
【0170】
バーコード66は、後で、該計数済レシート255を利用者より受取った店員が当該バーコード66をバーコード読取装置で読み取って、会員認証エラーにより未終了となった異常取引の内容を確認するために用いられるものであり、当該取引内容を確認するのに必須の上記情報が記録されている。
【0171】
次に、会員認証エラーの発生により発行された上記計数済レシート255の利用方法について説明する。
【0172】
この計数済レシート255の発行を受けた利用者が、該計数済レシート255を店員に渡すと、店員は、渡された計数済レシート255の記載内容を見て、以下の対応をとることができる。
【0173】
利用者から計数済レシート255を渡された店員は、まず、利用者が会員であるか否かを確認し、会員でない場合は、会員登録することを勧める。
【0174】
ここで、利用者が、会員となることを拒否した場合は、該利用者に当該利用者特定可能な書類等の提出を求めてそのコピーをとるなどの本人確認作業を行なった後、計数済レシート255に記載されたメダル計数値分のメダルを手渡しで返却する。尚、一般に遊技場では遊技媒体の持ち帰りを認めていないため、利用者は返却されたメダルをその日中に使い切ることが求められる。
【0175】
これに対し、利用者が会員となることを承諾し、会員申込書に所定事項を記入して提出した場合は、店員は、管理装置10において、入力装置14を操作することにより、該会員申込書中の所定事項を新規会員IDに対応付けて会員管理テーブル131に登録し、該新規会員IDを記録した会員カードを発行することで仮の会員登録を行う。
【0176】
この仮会員登録の後、店員は、入力装置14を操作することにより、会員管理テーブル131における当該仮登録会員の会員IDに対応する「メダル枚数(図9参照)」の欄に、当該利用者(仮会員登録された利用者)から渡されている計数済レシート255に記載されたメダル計数値に相当するメダル枚数を入力し、手作業でのメダル預入れ処理を実行する。
【0177】
以後、この仮登録会員は、図7及び図8に示す新規入会処理を経て自分の顔データを会員管理テーブル131に登録することにより新規登録会員となることができる。
【0178】
そのうえで、該新規登録会員は、図11及び図12に示すメダル払出処理に従って、会員管理テーブル131における自分の口座からそこに預入れられたメダル数(計数済レシート255に記載されたメダル計数値に対応する)の範囲内でメダルを払出し、メダルゲーム機70でのゲームを行うことが可能となる。
【0179】
また、上記計数済レシート255を渡された際、その利用者が会員である場合、店員は、会員であるのに会員認証できなかった異常原因を特定し、該異常原因を取り除く作業にあたる。
【0180】
この場合、店員は、利用者(会員)から渡された計数済レシート255に記載されたエラーコード65を参照することにより、認証カメラ21の故障、あるいは、伝送路50の障害や管理装置10の故障等を認識する。
【0181】
そのうえで、店員は、該認識した異常原因に応じて、例えば、認証カメラ21の故障を直す、伝送路50を通信可能に復旧させる、管理装置10の故障を直す等の作業を行う。
【0182】
その後、店員は、例えば、計数済レシート255を渡してきた会員から会員IDを聞いて、該会員IDをキーに会員管理テーブル131を検索して該会員IDに対応する顔データを呼び出して、そばにいる当該会員の顔と照合する等の適宜な方法で当該会員の本人確認を行った後、上記と同様の手順で、管理装置10を操作して会員管理テーブル131の当該会員の口座(「メダル枚数」欄)に該会員から渡された計数済レシート255に記載されたメダル計数値に相当するメダル枚数を加算、更新する入力作業を行なう。
【0183】
以後、この会員は、図11及び図12に示すメダル払出処理に従って、会員管理テーブル131における自分の口座からそこに預入れられたメダル数(計数済レシート255に記載されたメダル計数値が加算された値)の範囲内でメダルを払出し、メダルゲーム機70でのゲームを行うことが可能となる。
【0184】
上記のように、新規登録会員、並びに会員が提出した計数済レシート255に記載されたメダル計数値の会員管理テーブル131への手作業による預入れ処理によって、店員は、これら新規登録会員、並びに会員が投入したメダルをメダル預入払出装置20を開けて取出す作業が不要となる。
【0185】
これにより、上記手作業によるメダル預入れ作業の間もメダル預入払出装置20を使用不能にせずに、店舗運営を継続できるようになる。
【0186】
なお、本発明において、メダル投入後、会員認証が失敗した際に発行される認証済レシート255には、上述したように、当該異常取引に関する情報、例えば、メダル計数値63、取引日時64、エラーコード65等が記録されたバーコード66も印字されている。
【0187】
一方で、管理装置10は、図15に示す計数済レシート発行処理中、ステップS518でメダル預入払出装置20が送出した、当該計数済レシート発行対象の異常取引に関する情報を受信し、該情報を、例えば、メモリ13内に設けられる異常取引情報管理テーブル(図示せず)に保持、管理している。
【0188】
これにより、利用者から計数済レシート255を渡された場合、店員は、この計数済レシート255に記載されたバーコード66をバーコード読取装置(図示せず:例えば、入力装置14の1つとして管理装置10に設けられる)により読み取って表示装置15に表示させる(あるいは、印刷装置17で印刷出力する)ことで、該表示装置15(あるいは、印刷出力結果)上でメダル計数値63、取引日時64、エラーコード65等を簡単に確認することができる。
【0189】
また、該出力された情報のうちの幾つかを検索キー(例えば、取引日時とメダル計数値等)として指定することにより、該管理装置10では、主制御部11が当該検索キーに一致する情報を有する取引情報を異常取引情報管理テーブルから検索して表示装置15に表示する。
【0190】
これにより、店員は、上記検索キーに基づき検索結果として表示装置15に表示される取引情報を見ることで、例えば、会員認証エラーによって当該計数済レシート255の発行処理を行ったメダル預入払出装置20の号機番号等も簡単に分かり、更には、エラーコード65を加味する等によって、当該メダル預入払出装置20の障害復旧にも迅速に対応でき、障害復旧後の会員管理テーブル131(会員認証失敗時メダル計数値加算処理)にも迅速に対応できる。
【0191】
なお、本実施例では、計数済レシート255に、当該計数済レシート255中のメダル計数値、取引日時、エラーコード等を記録したバーコード66を印字した例を挙げたが、バーコード66に限らず、機械可読符号全般を適用できる。
【0192】
以上説明したように、本発明によれば、メダル預入に際して、メダル投入後に会員認証が失敗した場合、投入済みのメダルを計数し、該メダル計数値を特定可能な情報を印字した計数済レシート255を発行するようにしたため、発行された計数済レシート255に記載された情報に基づく対応を店員に委ねることで、システム側では、投入済みのメダルを取出す等の作業のためにシステムをダウンせずに済み、該計数済レシート255発行後も、他の会員による、預入あるいは払出等の処理の受付けを続行可能とし、効率の良い店舗運営が行える。
【0193】
また、計数済レシート255には、メダル計数値を特定可能な情報が印字されるため、該計数済レシート255を受取った店員は、該計数済レシート255上のメダル計数値に基づく会員管理テーブル131上のメダル枚数更新処理等に簡単かつ迅速に対応できるようになる。
【0194】
また、本発明では、会員認証失敗の原因を特定する情報(エラーコード65)を印字した計数済レシート255を発行するため、該計数済レシート255を渡された店員は、該計数済レシート255上の会員認証失敗の原因を示す情報から認証エラー原因を簡単に特定でき、エラー復旧、並びにその後における会員管理テーブル131上のメダル枚数更新処理への迅速に対応が可能になる。
【0195】
また、本発明では、メダル計数値を特定可能な情報を記録した機械可読符号(バーコード66)を生成し、該機械可読符号を印字した計数済レシート255を発行するため、該計数済レシート255を渡された店員は、該計数済レシート255上の機械可読符号を機械可読符号読取装置で読み取って出力(表示)することで、メダル計数値等の情報確認とその後の対応作業が簡単に行えるようになる。
【0196】
また、本発明では、計数済レシート255の発行に際し、会員認証が失敗した当該異常取引に関する情報を上位の装置(管理装置10)に通知するようにしたため、店員は、後で計数済レシート255を渡された時、該計数済レシート255に印字された情報に基づいて上位装置にアクセスすることで、当該認証済レシート255に関連する異常取引の取引内容等を簡単に確認できるようになる。
【0197】
この他、本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0198】
例えば、上記実施例では、認証カメラ21で撮像して得た利用者(会員)の顔データを用いて会員認証を行っているが、本発明は、利用者(会員)の指紋、静脈、アイリス等の情報を用いて会員認証を行う場合にも適用できる。
【0199】
また、上記実施例では、メダルゲームに使用するメダルの貸出、預入、払出等の取引処理を行うメダル預入払出装置への適用例を挙げたが、本発明は、これに限らず、パチンコホールの貯玉システム等、利用者を会員認証して該当する口座に遊技媒体を預け入れておき、利用者から引き出し(払出し)を要求された場合に、該利用者を会員認証して該当する口座から遊技媒体を払出す預入払出処理機能を有するシステム全般に適用でき、更には、遊技媒体預入処理機能のみを有する装置でも実現できる。
【0200】
また、上記実施例では、遊技媒体の計数値を特定可能な情報をロール紙に印字した計数済レシートを発行する例を挙げているが、該計数済レシートに代えて、磁気カードやICカード等の記録媒体を発行する構成としても良い。この場合、メダル預入払出装置には、計数済記録媒体発行手段として、カード発行機能を備える必要がある。
【0201】
また、上記実施例では、会員管理テーブル131を管理装置10に設けた構成を開示しているが、当該会員管理テーブル131をメダル預入払出装置20内に設けた構成としても良い。この構成によれば、スタンドアローンの運用が可能となり、管理装置10や伝送路の設備が不要であることから、設備投資が少なくて済む。
【産業上の利用可能性】
【0202】
本発明は、遊技媒体の預入機能を有し、利用者が登録された会員であると認証された場合に、遊技媒体預入処理を実行する遊技媒体取引システム全般に適用可能であり、遊技媒体の投入後に利用者の会員認証に失敗した場合、投入済みの遊技媒体を計数し、該遊技媒体の計数値を特定可能な情報を印字した計数済レシートを発行することにより、該計数済レシートに記載された情報に基づく対応を店員に委ねることで、店員を呼んで装置内部からメダルを取出してもらう作業によるシステムダウンを回避でき、他の利用者の装置利用も続行可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0203】
【図1】本発明に係わるメダル預入払出システムの全体構成を示す図。
【図2】図1のシステムにおける管理装置の機能構成を示すブロック図。
【図3】図1のシステムにおけるメダル預入払出装置の正面外観構造を示す概念図。
【図4】メダル預入払出装置の本体部内部構造を示す概念図。
【図5】メダル預入払出装置の各構成要素間の接続関係を示す機能ブロック図。
【図6】メダル預入払出装置における待機画面の表示例を示す概念図。
【図7】メダル預入払出装置における図8へと続く新規入会処理の流れを示すフローチャート。
【図8】メダル預入払出装置における図7の後に続く新規入会処理の流れを示すフローチャート。
【図9】管理装置が有する会員管理テーブルの情報内容の一例を示す表図。
【図10】メダル預入払出装置におけるメダル貸出処理の流れを示すフローチャート。
【図11】メダル預入払出装置における図12へと続くメダル払出処理の流れを示すフローチャート。
【図12】メダル預入払出装置における図11の後に続くメダル払出処理の流れを示すフローチャート。
【図13】メダル預入払出装置における図14へと続くメダル預入処理の流れを示すフローチャート。
【図14】メダル預入払出装置における図13の後に続くメダル預入処理の流れを示すフローチャート。
【図15】図13のステップS460における計数済レシート発行処理を示すフローチャート。
【図16】計数済レシート発行処理により発行される計数済レシートの一例を示す図。
【符号の説明】
【0204】
10…管理装置、11…CPU(主制御部)、12…記憶装置、13…メモリ、131…会員管理テーブル、14…入力装置、15…表示装置、16…通信インタフェース(I/F)部、17…印刷装置、20…メダル預入払出装置、21…認証カメラ、22…操作/表示部、221…取引処理選択画面、23…カード処理部、24…貨幣入出金処理部、25…ジャーナルプリンタ、255…計数済レシート、26…扉開閉検知センサ、27…メダル預入部(預入ホッパ)、28…メダル収容部、29…メダル洗浄部、30…メダル搬送リフト、31…メダル払出部(払出ホッパ)、32…通信インタフェース(I/F)部、33…制御基板、330…制御部、331…計数済レシート発行制御部、333…メモリ部、34…電源装置、50…伝送路、70…メダルゲーム機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された遊技媒体の数を計数し、該計数された遊技媒体数を利用者の会員識別情報に対応する預入数に加算、更新する遊技媒体預入処理機能を有し、前記利用者による前記遊技媒体預入処理の利用に際し、該利用者から取得した会員認証用情報と、会員データベースにより管理される会員情報を照合して会員認証を行い、会員認証完了後に該遊技媒体預入処理を実行する遊技媒体取引処理システムにおいて、
前記会員認証に失敗した場合、投入されている遊技媒体が存在する時には、該遊技媒体を遊技媒体計数手段により計数させる計数制御手段と、
前記遊技媒体計数手段による前記遊技媒体の計数値を特定可能な情報を印字した計数済記録媒体を発行する計数済記録媒体発行手段と
を具備することを特徴とする遊技媒体取引処理システム。
【請求項2】
前記会員認証失敗の原因を解析する解析手段
を具備し、
前記計数済記録媒体発行手段は、
前記解析手段により解析された前記会員認証失敗の原因を特定する情報を印字した前記計数済記録媒体を発行する
ことを特徴とする請求項1記載の遊技媒体取引処理システム。
【請求項3】
前記計数済記録媒体発行手段は、
前記遊技媒体の計数値を特定可能な情報を記録した機械可読符号を生成する手段
を有し、前記機械可読符号を印字した前記計数済記録媒体を発行する
ことを特徴とする請求項1または2記載の遊技媒体取引処理システム。
【請求項4】
前記預入数を含む会員情報を管理する前記会員データベースを有する管理装置と通信接続して成り、
前記計数済記録媒体の発行に際し、会員認証が失敗した当該異常取引に関する情報を前記管理装置に通知する通知手段
を具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の遊技媒体取引処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−252587(P2007−252587A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−80511(P2006−80511)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】