遊技媒体貸出装置およびこれを含む遊技媒体貸出システム
【課題】遊技機より任意の個数の遊技媒体払出を可能にする遊技媒体貸出装置の提供を目的とする。
【解決手段】遊技媒体貸出装置20の遊技媒体貸出制御装置21は、遊技機動作モード検出手段21aによって、接続された遊技機10が旧来動作モードが新規動作モードかを検出し、新規動作モードの遊技機10が接続されていると検出された場合には、1度数当たり貸出個数設定・記憶手段21bおよび1度数当たり消費金額設定・記憶手段21cの設定情報に基づいて、貸出ボタンスイッチ信号で指定された度数分の遊技媒体を排出するように、貸出装置貸出指示信号および貸出装置貸出個数通知信号によって遊技機へ遊技媒体の排出指示を行う。
【解決手段】遊技媒体貸出装置20の遊技媒体貸出制御装置21は、遊技機動作モード検出手段21aによって、接続された遊技機10が旧来動作モードが新規動作モードかを検出し、新規動作モードの遊技機10が接続されていると検出された場合には、1度数当たり貸出個数設定・記憶手段21bおよび1度数当たり消費金額設定・記憶手段21cの設定情報に基づいて、貸出ボタンスイッチ信号で指定された度数分の遊技媒体を排出するように、貸出装置貸出指示信号および貸出装置貸出個数通知信号によって遊技機へ遊技媒体の排出指示を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技店に設置された遊技機に夫々対応して設けられ、情報記録媒体に記憶された情報に基づいて、遊技媒体の貸出制御を行う遊技媒体貸出装置と、この遊技媒体貸出装置を含む遊技媒体貸出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技店に導入されている遊技媒体貸出システムにおいては、プリペイド媒体(購入金額に相当する価値を記憶させた磁気カードやICカード等)や現金の投入による遊技媒体(遊技球や遊技メダル等)の貸出に際して、プリペイド媒体等を受入れて遊技媒体の貸出制御を行う遊技媒体貸出装置(いわゆるCRユニット)と、遊技媒体貸出機能を備えた遊技機(いわゆるCR遊技機)とを並設している。この遊技媒体貸出システムにおいては、遊技機に設けた遊技媒体貸出装置接続端子板を介して、CRユニットからCR遊技機へ遊技媒体の払出要求を信号で通知し、CRユニットから遊技媒体の払出要求を受けたCR遊技機が実際に遊技媒体を払い出し、払い出した遊技媒体分の金額や価値がCRユニットにて取り込まれる。
【0003】
このように、従来の遊技媒体貸出システムでは、遊技媒体の貸出を金額や価値により指定するものとなっており、CR遊技機の適所に配置された貸出ボタンの操作(一回のボタン押下)に対して、金額や価値(現行では、100円で1度数)が予め設定されており、この金額や価値に対応する数量(現行では、遊技球25個もしくは遊技メダル5枚)を基準単位として、遊技媒体の貸出動作が行われるのである。しかし、基準単位相当の遊技媒体数では十分に遊技を楽しめないので、基準単位の倍数分の払出が可能に設定できるCRユニットがある(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
【特許文献1】特許第2935990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された遊技媒体貸出システムでは、CR遊技機とCRユニットとの間で、予め貸出指示パルス1個当り25発という暗黙の了解がなされており、この変更は、どちらか一方で行うことが出来ない。仮に、1個当り1パルスにすることは可能であるが、払出個数が多い場合はそれだけ貸出指示パルスの送信に長時間を要するため、トータルの払出時間が長くなってしまうことから、実用的な範囲を超えてしまう。これは、個数の指示と払出の指示が分離されていないことに起因する。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、遊技媒体貸出装置から遊技機に対する払出個数の通知と実際の払出指示を分離し、任意の個数の払出を可能とする遊技媒体貸出装置およびこれを含む遊技媒体貸出システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、遊技店に設置された遊技機に夫々対応して設けられ、情報記録媒体に記憶された情報に基づいて、遊技媒体の貸出制御を行う遊技媒体貸出装置において、遊技媒体の貸出における基準単位である1度数当たりの貸出遊技媒体数を外部操作によって任意に可変設定できると共に設定情報を記憶する1度数当たり貸出個数設定・記憶手段と、前記1個当たり貸出個数設定・記憶手段の記憶する設定情報に基づいて、前記対応する遊技機に対して、貸出装置貸出個数通知信号による払出個数の通知と貸出装置貸出指示信号による払出指示の送信を分離して行うことにより、任意の個数の遊技媒体の払出を遊技機に行わせる貸出制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の遊技媒体貸出装置において、貸出装置貸出個数通知信号と貸出装置貸出指示信号による遊技媒体の払出制御を受け付ける新規動作モードの遊技機が接続されているか、旧来より固定設定された1度数単位での払出制御しか受け付けない旧来動作モードの遊技機が接続されているかを検出する遊技機動作モード検出手段を備え、前記貸出制御手段は、前記遊技機動作モード検出手段により旧来動作モードの遊技機が接続されていることが検出された場合、旧来互換の信号出力によって遊技媒体の払出を旧来より固定設定された1度数単位で行わせるようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の遊技媒体貸出装置において、前記1度数分の遊技媒体を貸し出す対価として消費する1度数当たりの消費金額を外部操作によって任意に可変設定できると共に設定情報を記憶する1度数当たり消費金額設定・記憶手段を備え、前記貸出制御手段は、投入された情報記録媒体に記憶されている有価価値を読み出し、遊技機と接続して所定度数の貸出操作が行われた時に、情報記録媒体の有価価値から貸出度数分の金額を引き落とし、情報記録媒体に残価値の更新書き込みを行うようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、前記請求項3に記載の遊技媒体貸出装置において、前記貸出制御手段は、投入された情報記録媒体に記憶されている有価価値が1度数の金額に満たない端数価値となった場合、前記1度数当たり貸出個数設定・記憶手段および前記1度数当たり消費金額設定・記憶手段に設定された情報に基づき、端数価値で貸出可能な遊技媒体数を算出し、端数価値を暫定的な1度数とみなして、遊技機に対する遊技媒体の払出制御を行うことにより、1度数に満たない端数価値による遊技媒体の払出を可能としたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、前記請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置において、予め設定された遊技媒体1個の税抜き価格と消費税率とに基づき、1度数あたりの消費金額および遊技媒体払い出し個数を、切り捨て・四捨五入・切り上げの何れかに定めた端数処理によって1円単位かつ1個単位で算出する消費税外税換算遊技媒体単価演算手段を備え、前記貸出制御手段は、前記消費税外税換算遊技媒体単価演算手段により算出された遊技媒体1個単位での貸出制御を行うようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る発明は、前記請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置において、ネットワークにより相互にまたは管理装置と通信可能に接続され、1度数当たり貸出個数設定・記憶手段に記憶させる1度数当たりの遊技媒体貸出個数を通信により取得するようにしたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る発明は、前記請求項3〜請求項6の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置において、ネットワークにより相互にまたは管理装置と通信可能に接続され、1度数当たり消費金額設定・記憶手段に記憶させる1度数当たりの消費金額を通信により取得するようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に係る発明は、前記請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置において、当日の遊技用または景品交換用として所持する遊技媒体の数を記憶する当日所持遊技媒体数記憶領域を備えた情報記録媒体の取り扱いが可能で、遊技機に一対一で対応付けられた遊技媒体計数器から送出される遊技媒体計数信号が入力され、その計数値を記憶するとともに、前記情報記録媒体の当日所持遊技媒体数記憶領域に記憶された当日所持遊技媒体数と前記遊技媒体計数器よりの遊技媒体計数値とから払出が可能な遊技媒体の総数を算出・記憶する払出可能遊技媒体数記憶手段と、前記払出可能遊技媒体数記憶手段に記憶された払出可能遊技媒体数の範囲で遊技媒体の払出を行った場合に、払出可能遊技媒体数記憶手段の記憶数から払出数を減算した値に更新させるとともに、この更新した新たな払出可能遊技媒体数を情報記録媒体の当日所持遊技媒体数記憶領域に書き込むことで、遊技媒体計数器で計数した遊技媒体の受入および当日所持遊技媒体の払出を制御する当日所持遊技媒体受入払出制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、請求項9に係る発明は、前記請求項8に記載の遊技媒体貸出装置において、払出可能遊技媒体数記憶手段に記憶された払出可能遊技媒体数を、予め設定された換算率に基づいて、当日所持遊技媒体合計金額に換算する当日所持遊技媒体合計金額換算手段を備え、前記当日所持遊技媒体受入払出制御手段は、前記当日所持遊技媒体合計金額換算手段が換算した当日所持遊技媒体合計金額を有価価値として扱うことにより、貸出料金の異なる遊技媒体の貸出にも充てることができるようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項10に係る発明は、前記請求項9に記載の遊技媒体貸出装置において、前記当日所持遊技媒体合計金額換算手段が換算した当日所持遊技媒体合計金額を記憶する当日所持遊技媒体合計金額記憶領域を備えた情報記録媒体の取り扱いが可能で、前記当日所持遊技媒体受入払出制御手段によって当日所持遊技媒体合計金額を情報記録媒体に記録することで、情報記録媒体を介して景品交換端末もしくは景品交換システムへ当日所持遊技媒体合計金額を伝達し、当日所持遊技媒体合計金額による景品交換を可能とした。
【0017】
また、請求項11に係る発明は、前記請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置が管理コンピュータを含むネットワークに接続されてなる遊技媒体貸出システムであって、1度数当たりの貸出個数、1度数当たりの消費金額、遊技機貸出ボタン押下1回当たりの貸出度数を各台別に設定する記憶手段を有する管理コンピュータと該管理コンピュータの操作により指定する任意の台番号範囲で前記設定を通信により設定することが出来ることを特徴とする。
【0018】
また、請求項12に係る発明は、前記請求項8〜請求項10の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置が、管理コンピュータを含むネットワークに接続されてなる遊技媒体貸出システムであって、前記当日所持遊技媒体数情報を管理コンピュータで管理し、実際の遊技媒体を物理的に運ぶことなく、管理コンピュータで管理する当日所持遊技媒体数情報を媒介として、任意の遊技機で遊技媒体の払出を可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る遊技媒体貸出装置によれば、遊技媒体の貸出における基準単位である1度数当たりの貸出遊技媒体数を外部操作によって任意に可変設定できると共に設定情報を記憶する1度数当たり貸出個数設定・記憶手段と、前記1個当たり貸出個数設定・記憶手段の記憶する設定情報に基づいて、前記対応する遊技機に対して、貸出装置貸出個数通知信号による払出個数の通知と貸出装置貸出指示信号による払出指示の送信を分離して行うことにより、任意の個数の遊技媒体の払出を遊技機に行わせる貸出制御手段と、を備えるので、貸出装置側のみで設定される1度数あたりの払出個数に基づき、遊技媒体の貸出個数を任意に設定できることで、遊技媒体の貸出に関する制約を大きく緩和し、遊技や料金設定の多様性やシステム構成の柔軟性を格段に広げることができる。
【0020】
また、請求項2に係る遊技媒体貸出装置によれば、貸出装置貸出個数通知信号と貸出装置貸出指示信号による遊技媒体の払出制御を受け付ける新規動作モードの遊技機が接続されているか、旧来より固定設定された1度数単位での払出制御しか受け付けない旧来動作モードの遊技機が接続されているかを検出する遊技機動作モード検出手段を備え、前記貸出制御手段は、前記遊技機動作モード検出手段により旧来動作モードの遊技機が接続されていることが検出された場合、旧来互換の信号出力によって遊技媒体の払出を旧来より固定設定された1度数単位で行わせるようにしたので、旧来動作モードの遊技機と遊技媒体貸出装置を接続しても正常に稼働させることができる。よって、新規動作モードの遊技機が普及していない段階においても、遊技店に導入して使用できる。
【0021】
また、請求項3に係る遊技媒体貸出装置によれば、前記1度数分の遊技媒体を貸し出す対価として消費する1度数当たりの消費金額を外部操作によって任意に可変設定できると共に設定情報を記憶する1度数当たり消費金額設定・記憶手段を備え、前記貸出制御手段は、投入された情報記録媒体に記憶されている有価価値を読み出し、遊技機と接続して所定度数の貸出操作が行われた時に、情報記録媒体の有価価値から貸出度数分の金額を引き落とし、情報記録媒体に残価値の更新書き込みを行うようにしたので、貸出装置側のみで設定される1度数あたりの払出個数と消費金額の情報に基づき、遊技媒体の貸出個数と消費金額を任意に設定することが可能となり、遊技媒体の貸出に関する制約を大きく緩和し、遊技や料金設定の多様性やシステム構成の柔軟性を格段に広げることができる。
【0022】
また、請求項4に係る遊技媒体貸出装置によれば、前記貸出制御手段は、投入された情報記録媒体に記憶されている有価価値が1度数の金額に満たない端数価値となった場合、前記1度数当たり貸出個数設定・記憶手段および前記1度数当たり消費金額設定・記憶手段に設定された情報に基づき、端数価値で貸出可能な遊技媒体数を算出し、端数価値を暫定的な1度数とみなして、遊技機に対する遊技媒体の払出制御を行うことにより、1度数に満たない端数価値による遊技媒体の払出を可能としたので、基準単位に満たない端数価値が残っても、これを使い切って遊技媒体を貸し出すことができ、遊技者にとって利便性の高いものとなる。
【0023】
また、請求項5に係る遊技媒体貸出装置によれば、予め設定された遊技媒体1個の税抜き価格と消費税率とに基づき、1度数あたりの消費金額および遊技媒体払い出し個数を、切り捨て・四捨五入・切り上げの何れかに定めた端数処理によって1円単位かつ1個単位で算出する消費税外税換算遊技媒体単価演算手段を備え、前記貸出制御手段は、前記消費税外税換算遊技媒体単価演算手段により算出された遊技媒体1個単位での貸出制御を行うようにしたので、外税方式の導入や税率変更に伴う遊技店側の負担を軽減することができる。
【0024】
また、請求項6に係る遊技媒体貸出装置によれば、ネットワークにより相互にまたは管理装置と通信可能に接続され、1度数当たり貸出個数設定・記憶手段に記憶させる1度数当たりの遊技媒体貸出個数を通信により取得するようにしたので、遊技媒体貸出装置に対する1度数当たりの貸出個数の設定を簡易に行うことができる。
【0025】
また、請求項7に係る遊技媒体貸出装置によれば、ネットワークにより相互にまたは管理装置と通信可能に接続され、1度数当たり消費金額設定・記憶手段に記憶させる1度数当たりの消費金額を通信により取得するようにしたので、遊技媒体貸出装置に対する1度数当たりの消費金額の設定を簡易に行うことができる。
【0026】
また、請求項8に係る遊技媒体貸出装置によれば、当日の遊技用または景品交換用として所持する遊技媒体の数を記憶する当日所持遊技媒体数記憶領域を備えた情報記録媒体の取り扱いが可能で、遊技機に一対一で対応付けられた遊技媒体計数器から送出される遊技媒体計数信号が入力され、その計数値を記憶するとともに、前記情報記録媒体の当日所持遊技媒体数記憶領域に記憶された当日所持遊技媒体数と前記遊技媒体計数器よりの遊技媒体計数値とから払出が可能な遊技媒体の総数を算出・記憶する払出可能遊技媒体数記憶手段と、前記払出可能遊技媒体数記憶手段に記憶された払出可能遊技媒体数の範囲で遊技媒体の払出を行った場合に、払出可能遊技媒体数記憶手段の記憶数から払出数を減算した値に更新させるとともに、この更新した新たな払出可能遊技媒体数を情報記録媒体の当日所持遊技媒体数記憶領域に書き込むことで、遊技媒体計数器で計数した遊技媒体の受入および当日所持遊技媒体の払出を制御する当日所持遊技媒体受入払出制御手段と、を備えるので、遊技機から離れることなく、獲得した遊技媒体を当日所持遊技媒体数として情報記録媒体に記録しておくことが可能となり、遊技媒体そのものを持ち運ぶことなく、他の遊技機へ移動したり景品交換を行うことができ、遊技者にとっての利便性が良い。
【0027】
また、請求項9に係る遊技媒体貸出装置によれば、払出可能遊技媒体数記憶手段に記憶された払出可能遊技媒体数を、予め設定された換算率に基づいて、当日所持遊技媒体合計金額に換算する当日所持遊技媒体合計金額換算手段を備え、前記当日所持遊技媒体受入払出制御手段は、前記当日所持遊技媒体合計金額換算手段が換算した当日所持遊技媒体合計金額を有価価値として扱うことにより、貸出料金の異なる遊技媒体の貸出にも充てることができるようにしたので、遊技媒体が異なる遊技機での遊技を行うために、改めて遊技媒体を借り受ける必要が無く、遊技者にとっての利便性が良い。
【0028】
また、請求項10に係る遊技媒体貸出装置によれば、前記当日所持遊技媒体合計金額換算手段が換算した当日所持遊技媒体合計金額を記憶する当日所持遊技媒体合計金額記憶領域を備えた情報記録媒体の取り扱いが可能で、前記当日所持遊技媒体受入払出制御手段によって当日所持遊技媒体合計金額を情報記録媒体に記録することで、情報記録媒体を介して景品交換端末もしくは景品交換システムへ当日所持遊技媒体合計金額を伝達し、当日所持遊技媒体合計金額による景品交換を可能としたので、遊技媒体そのものを持ち運ぶことなく景品交換することができ、遊技者にとっての利便性がよい。
【0029】
また、請求項11に係る遊技媒体貸出システムによれば、1度数当たりの貸出個数、1度数当たりの消費金額、遊技機貸出ボタン押下1回当たりの貸出度数を各台別に設定する記憶手段を有する管理コンピュータと該管理コンピュータの操作により指定する任意の台番号範囲で前記設定を通信により設定することが出来るので、遊技媒体の貸出に関する制約を大きく緩和して遊技者の利便性を高めると共に、遊技媒体貸出料金の設定等を容易かつ柔軟に行うことができ、遊技店にとっての利便性も高いシステムとなる。
【0030】
また、請求項12に係る遊技媒体貸出システムによれば、前記当日所持遊技媒体数情報を管理コンピュータで管理し、実際の遊技媒体を物理的に運ぶことなく、管理コンピュータで管理する当日所持遊技媒体数情報を媒介として、任意の遊技機で遊技媒体の払出を可能としたので、遊技媒体そのものを持ち運ぶことなく、他の遊技機へ移動でき、遊技者の利便性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
次に、本発明に係る遊技媒体貸出装置の実施形態として、遊技媒体として遊技球を貸し出す球貸装置に適用した例を添付図面に基づき詳細に説明するが、遊技媒体としてコイン形状の遊技メダルを貸し出すメダル貸出装置にも適用可能である。図1は、遊技媒体である遊技球の貸出機能を備えたCRタイプの遊技機10と、これに対応して接続された遊技媒体貸出装置(いわゆるCRユニット)20の前面側斜視図であり、図2は裏面側斜視図である。
【0032】
遊技機10は、遊技球を用いた弾球遊技を行うための種々の機能を備えるもので、その適所には、遊技者が遊技球の貸出を要求するために操作する貸出ボタン10aと、この貸出ボタンが操作可能な状態である場合に点灯表示される貸出可能ランプ10bと、遊技媒体貸出装置20へ投入した情報記録媒体(プリペイドカード/コインや会員カード等)を排出させるための返却ボタン10cを設けてある。遊技機10の裏面側には、弾球遊技の主たる制御を行う主制御装置、表示制御や音制御といった演出面の動作制御を行う副制御装置、遊技球の発射動作を制御する発射制御装置、賞としての遊技球や貸出用の遊技球を排出する遊技球排出装置、この遊技球排出装置に対する遊技球の排出制御を行う排出制御装置11等を設けてある。
【0033】
第1実施形態に係る遊技媒体貸出装置20は、遊技機10の一側方に設置されるもので、遊技球の貸出制御を統括的に行う遊技媒体貸出制御装置21を備える。この遊技媒体貸出制御装置21は、紙幣投入口20aから紙幣が投入されると投入金額に応じたプリペイド媒体(例えば、ICを内蔵した硬貨形状のプリペイドコイン)を発行したり、コイン投入口20bから投入されたプリペイドコインの残価値の範囲内で遊技者が選択した金額(遊技機10の貸出ボタン10aの操作による貸出要求)に応じた遊技媒体貸出信号を遊技機10へ送信したり、カード挿入口20cから挿入された会員カードを受け付け、遊技者が貸出ボタン10aを操作して選択した球数(あるいは金額、度数)に応じた遊技媒体貸出制御のための信号(後に詳述)を遊技機10へ送信する。また、遊技媒体貸出装置20自体の状態(例えば、自身の利用可能状態や異常停止状態など)を利用可能ランプ20dにより表示すると共に、遊技媒体貸出装置20が遊技媒体貸出要求を受けられる状態にある場合は、前記遊技機10に設けた貸出可能ランプ10bを点灯表示させ、遊技者にその旨を報らせる。
【0034】
また、遊技媒体貸出装置20の遊技媒体貸出制御装置21は、接続ケーブル30を介して遊技機10と接続される。例えば、図3に示すように、遊技媒体貸出装置20の貸出装置インターフェース基板22のコネクタと、遊技機10の遊技媒体貸出装置接続端子板12のコネクタに、夫々接続ケーブル30のコネクタを接続することで、所定のプロトコルに従って相互に信号の授受を行い、互いの正常稼働が確認できると、新規動作モードの遊技機10と遊技媒体貸出装置20が協働して、払出個数や金額を任意設定可能な遊技媒体貸出動作が実行される。
【0035】
そして、接続ケーブル30を介して遊技機10から遊技媒体貸出装置20へは、遊技機接続確認信号(PSI),遊技機準備状態信号(PRDY),遊技機貸出完了信号(EXS),貸出ボタンスイッチ信号等が送信されると共に、遊技媒体貸出装置20から遊技機10へは、貸出装置貸出指示信号(BRDY),貸出装置貸出個数通知信号(BRQ)が送信される。なお、旧来動作モードの遊技機10(100円で25個を基準単位とする現行機)に遊技媒体貸出装置20が接続された場合、貸出装置貸出指示信号(BRDY)は貸出装置準備状態信号として、貸出装置貸出個数通知信号(BRQ)は貸出装置貸出要求信号として用いることにより、遊技媒体貸出動作が可能である。
【0036】
一方、遊技媒体貸出装置20の遊技媒体貸出制御装置21には、遊技機10との相互通信によって遊技機10の動作モード(例えば、新規動作モードか旧来動作モードか)を検出する遊技機動作モード検出手段21a、遊技媒体の貸出における基準単位である1度数当たりの貸出遊技媒体数を外部操作によって任意に可変設定できると共に設定情報を記憶する1度数当たり貸出個数設定・記憶手段21b、1度数分の遊技媒体を貸し出す対価として消費する1度数当たりの消費金額を外部操作によって任意に可変設定できると共に設定情報を記憶する1度数当たり消費金額設定・記憶手段21cを備える。なお、1度数当たり貸出個数設定・記憶手段21bや1度数当たり消費金額設定・記憶手段21cに対する設定操作は、遊技店員らが遊技媒体貸出装置21の裏面側から操作パネル等を使って行うものとし、遊技客が勝手に設定変更してしまうことのないようにセキュリティを高めることが望ましい。
【0037】
そして、接続ケーブル30によって接続された遊技機10が新規動作モードであると遊技機動作モード検出手段21aが検出した場合、任意の個数の遊技媒体の払出を遊技機に行わせる貸出制御手段21dは、1個当たり貸出個数設定・記憶手段21bや1度数当たり消費金額設定・記憶手段21cの記憶する設定情報に基づいて、対応する遊技機10に対して、貸出装置貸出個数通知信号による払出個数の通知と貸出装置貸出指示信号による払出指示の送信を分離して行う。
【0038】
すなわち、遊技媒体貸出装置20から遊技機10に対する遊技媒体払出個数の通知を、貸出装置貸出個数通知信号によって行うことにより、遊技媒体の貸出個数を任意に設定することができるので、1度数当たり貸出個数設定・記憶手段21bに対して任意に設定した貸出個数での遊技媒体払出が実現可能となる。なお、本実施形態においては、1度数当たり消費金額設定・記憶手段21cを設けることによって、1度数の消費金額も任意設定可能としたが、例えば、1度数の消費金額を旧来通りの所定金額(100円)に固定して貸出個数のみ増減させることで、1度数当たりの遊技媒体の貸出個数を任意に変える場合は、1度数当たり消費金額設定・記憶手段21cは不要である。
【0039】
また、本実施形態の遊技媒体貸出装置20の如く、1個当たり貸出個数設定・記憶手段21bおよび1度数当たり消費金額設定・記憶手段21cの両方を備えていれば、投入された情報記録媒体(プリペイドカードや会員カード)に記憶されている有価価値が1度数の金額に満たない端数価値となった場合、設定値として記憶されている1度数当たりの貸出個数および1度数当たりの消費金額に基づいて、端数価値で貸出可能な遊技媒体数を算出することができる。そこで、貸出制御手段21dが、端数価値で貸出可能な遊技媒体数を算出し、この端数価値を暫定的な1度数とみなして、遊技機10に対する遊技媒体の払出制御を行うことにより、1度数に満たない端数価値による遊技媒体の払出が可能となる。
【0040】
さらに、遊技媒体貸出制御装置21には、遊技媒体貸出装置20の外部と通信を行う外部通信手段21eを設けてあり、例えば、外部との通信により1度数当たり貸出個数設定・記憶手段21bに記憶させる1度数当たりの遊技媒体貸出個数を取得するようにしたり、外部との通信により1度数当たり消費金額設定・記憶手段21cに記憶させる1度数当たりの消費金額を通信により取得するようにしても良い。
【0041】
加えて、遊技媒体貸出制御装置21には、予め設定された遊技媒体1個の税抜き価格と消費税率とに基づき、1度数あたりの消費金額および遊技媒体払い出し個数を、切り捨て・四捨五入・切り上げの何れかに定めた端数処理によって1円単位かつ1個単位で算出する消費税外税換算遊技媒体単価演算手段21fを設けてあり、消費税外税換算遊技媒体単価演算手段21fにより算出された遊技媒体1個単位での貸出制御を貸出制御手段21dが行えるようにしてある。斯くすれば、外税方式の導入や税率変更に伴う遊技店側の負担を軽減することができ、遊技媒体貸出の料金改定等を低コストで円滑に進めることが可能となる。
【0042】
次に、遊技媒体貸出装置20が遊技機10の動作モードを検出し、遊技機10の動作モードに応じた遊技媒体貸出動作が可能となる一連の処理を、図4および図5に基づき詳述する。図4では、遊技機10の起動処理と遊技媒体貸出装置20の起動処理とを並記することで、相互に行う信号の送受信の時系列な流れを分かり易くした。また、図5は、遊技機10が起動した後に遊技媒体貸出装置20が起動する場合のタイミングチャートを示してある。
【0043】
先ず、遊技機10は、電源投入により、遊技媒体貸出装置20で基準電圧VL(例えば、DC18V)を生成するための電源供給を開始し(ステップS101)、自己診断を行い(ステップS102)、診断結果に異常があるか否かを判定する(ステップS103)。このステップS103の判定で異常がなければ、遊技媒体貸出装置20が正常に稼働することで生成される基準電圧VLが供給されるのを待つ(ステップS104)。もし、ステップS103で異常有りと判定された場合には、エラー表示等を行って異常停止し(ステップS105)、遊技媒体貸出処理を行うことはない。
【0044】
一方、遊技媒体貸出装置20は、電源投入により、自己診断および自己モード確認(例えば、1度数当たり貸出個数や1度数当たり消費金額等の設定情報の確認)を行い(ステップS201)、このステップS202の判定で異常がなければ、貸出装置貸出指示信号(BRDY)および貸出装置貸出個数通知信号(BRQ)をOFFにし(ステップS203)、遊技機10へ基準電圧VLを出力し(ステップS204)、遊技機10から遊技機接続確認信号(PSI)が入力されるのを待つ(ステップS205)。もし、ステップS202で異常有りと判定された場合には、エラー表示等を行って異常停止し(ステップS206)、遊技媒体貸出処理を行うことはない。
【0045】
上記のようにして、遊技媒体貸出装置20から基準電圧VLを受信した遊技機10は、遊技媒体貸出装置20へ遊技機接続確認信号を出力する(ステップS106)。この遊技機接続確認信号を受けた遊技媒体貸出装置20は、遊技機10の動作モードを確認するために、遊技機10からの入力信号パターンの確認(遊技機準備状態信号(PRDY)と遊技機貸出完了信号(EXS)のレベル変化を監視)する(ステップS207)。
【0046】
遊技機10が新規動作モード(払出個数の指定が可能なモード)対応の機種であれば、遊技機動作モード対応パターンの信号出力を行う(ステップS107)。具体的には、図5に示すように、遊技機10は、PRDYを“H”に保持したまま、EXSで所定パターンのパルス列を発生させる。
【0047】
遊技媒体貸出装置20は、動作モード対応パターンでの応答があるか否かを判定し(ステップS208)、応答があった場合は、その入力信号パターンが新規動作モード遊技機10のものとして既知であるか否かを判定する(ステップS209)。このパルス周期やON/OFFの時間長が新規動作モードの遊技機10に対応した信号パターンとして記憶しているパルス列に合致していれば、遊技媒体貸出装置20は、その検知パターンに対応した確認用の信号として所定パターンのパルス信号を出力し(ステップS210)、検知パターン対応の動作モードで自ら動作するように確定する(ステップS211)。具体的には、図5に示すように、遊技媒体貸出装置20から遊技機10へ入力されるBRQで所定パターンのパルス列を発生させる。
【0048】
一方、上記ステップS208において、新規動作モードと認定できる入力信号パターンが無く、旧来動作モードと同様(PRDYが“L”に反転、EXSは“H”を保持)であれば、旧来動作モードの遊技機10との接続が完了したものとして、当該遊技機10とのコネクションを確立するように貸出装置貸出個数通知信号(BRQ)をOFFにすることで接続確認応答を行い(ステップS212)、旧来動作モードの遊技機10に対応するように自己の動作モードとして従来互換モードを選択する(ステップS213)。
【0049】
ここで、遊技媒体貸出装置20が接続される遊技機10の動作モードが、単純に新規動作モードと旧来動作モードの2種類に限らず、例えば、第1新規動作モード,第2新規動作モード…のように、3種類以上の動作モードの遊技機が市場へ導入された場合、遊技媒体貸出装置20が全ての動作モードの遊技機に対応できるとは限らないし、遊技店の営業上の理由から、対応させる動作モードの遊技機を限定する場合も考えられる。このため、本実施形態の遊技媒体貸出装置20においては、上記ステップS211やステップS213にて確定した動作モードに対応しているか否かを判定し(ステップS214)、動作モードが対応していないと判定されれば異常停止し(ステップS205)、遊技媒体貸出動作が行われることはない。一方、ステップS214で動作モードが対応していると判定されれば、遊技機10からの遊技機準備状態信号がONに変わるまで待機する(ステップS215)。
【0050】
上記のようにして、遊技媒体貸出装置20から対応モード確認のための信号(BRQのパルス信号)が送信されると、遊技機10では、この入力信号を確認し(ステップS108)、確認された検知パターンが遊技機10自身の動作モードと整合するか判定する(ステップS109)。本実施形態においては、対応モードの確認のために遊技媒体貸出装置20より遊技機10へ送信されるBRQのパルスパターンが、遊技機10が遊技媒体貸出装置20へ送信したEXSのパルスパターンと一致していれば、遊技機10自身の動作モードと遊技媒体貸出装置20とが整合していると判定するものとした。動作モードが整合していると判定された場合、遊技機10はEXSのパルス出力を停止(EXSを“H”に保持)した後、PRDYを“L”に落とすことで遊技機準備状態信号のON出力を行う(ステップS110)。
【0051】
そして、遊技機10から遊技機準備状態信号を受けた遊技媒体貸出装置20は、直ちにBRQのパルス出力を停止(BRQを“H”に保持)した後、貸出スタンバイ表示(例えば、利用可能ランプ20dを点灯表示)を行って(ステップS216)、遊技者からの貸出要求に応じて遊技媒体貸出処理を行い(ステップS217)、また、遊技機10の接続断が検知されたか否かを判定し(ステップS218)、遊技機10との接続断が生じていると判定された場合には、ステップS201へ移行して、遊技機10に対する動作モード確認処理を改めて行う。同様に、遊技機10も、遊技媒体貸出装置20からの貸出要求に応じて遊技媒体貸出処理を行い(ステップS111)、また、遊技媒体貸出装置20の接続断が検知されたか否かを判定し(ステップS112)、遊技媒体貸出装置20との接続断が生じていると判定された場合には、ステップS102へ移行して、遊技媒体貸出装置20との動作モード確認処理を改めて行う。
【0052】
上述したように、遊技機10と遊技媒体貸出装置20の動作モード確認(相互認証)が完了して、遊技媒体貸出処理が可能になると、遊技者による貸出ボタンの操作に基づいて、遊技媒体貸出装置20と遊技機10とが協働することにより、遊技媒体の払出動作が行われる。以下、遊技機10と遊技媒体貸出装置20との間の信号授受による遊技媒体払出動作を、図6に示すタイミングチャートに基づき説明する。
【0053】
図6(a)は、例えば、10個の遊技媒体払出を行う場合を示す。なお、遊技媒体貸出装置20は、動作モードの相互認証完了後に遊技機10が正常稼働(遊技機準備状態信号がアクティブ)しており、尚且つ、遊技媒体の貸出で消費可能な残価値のある情報記録媒体が挿入されており、自らも遊技媒体の貸出が可能な状態であることを条件に、遊技機10側に配置された貸出ボタン10aの操作待ち状態となる。
【0054】
先ず、貸出ボタン10aが押下されたことを検知した遊技媒体貸出装置20は、先ず、貸出装置貸出指示信号をアクティブ(BRDYを“L”)にする。遊技機10は、この信号変化を基に実際の払出準備に入ることを想定する。続いて、遊技媒体貸出装置20は、所定時間T0経過後に貸出装置貸出個数通知信号をアクティブ(BRQを“L”)にすることで、1個目の貸出個数通知を行う。
【0055】
遊技媒体貸出装置20が貸出装置貸出個数通知信号をアクティブにしてから待機時間T1が経過する前に、遊技機10からの遊技機貸出完了信号がアクティブ(EXSを“L”)になると、1個目の個数通知を遊技機10が受け付けたことを示すので、このEXSの変化を検出した遊技媒体貸出装置20は、所定時間T2内にBRQを“H”にすることで1個目の個数通知の受付完了を遊技機10に報らせると共に、引き続き2個目の通知準備を行う。
【0056】
遊技媒体貸出装置20から遊技機10へ、2個目以降の貸出通知を行う場合、待機時間Txの経過後に再びBRQを“L”にし、これを保持時間Tyが経過するまで維持し、3個目以降の貸出通知に備えて再びBRQを“H”にする。このように、貸出装置貸出個数通知信号をアクティブにする回数によって払出個数Nを遊技機に通知する。払出個数分の通知が終了した後(BRQを“H”に戻した後)、払出指示終了を通知する猶予期間Tz以内にBRDYを“H”にすることで、一括払出個数分(通常は1度数分)の指示が完了する。
【0057】
上記のようにして遊技媒体貸出装置20から払出個数の指示が完了したとき、払出保証の義務は遊技機10側に移る。遊技機10は、遊技媒体貸出装置20より指示された個数分の払出動作を行い、払出が完了したところでEXSを“H”にする。なお、遊技機10が払出動作を完了するまでの猶予期間T3は、払出個数分の遊技媒体を排出するのに必要十分な時間を設定しておく必要があるものの、T3としてあまりに長い時間を割り当ててしまうと、遊技球排出装置内部で生じた球噛み等に起因して排出動作が滞ってしまったような場合に、T3が経過するまで遊技媒体排出装置20で異常を検知できないため、円滑な遊技媒体排出動作が妨げられてしまう。そこで、遊技媒体排出装置20から遊技機10へ指示できる一括排出の遊技媒体数Nに上限(例えば、25個)を設けておき、例えばT3がMAXでも数秒以内に収まるようにしておくことが望ましい。
【0058】
遊技機10からの入力信号であるEXSがT3経過前に“H”に判定することで、遊技機10へ指示したN個の払出完了を確認した遊技媒体貸出装置20は、次の度数の払出のための最低待ち時間T4経過後に、次の度数の払出動作を開始(BRDYを“L”に)する。このように、N個の遊技媒体払出指示で行う1度数相当の遊技媒体払出をM回(M度数分)繰り返すことで、貸出ボタン10aの1回押下に対する払出動作が完了するのである。
【0059】
図6(b)に示すのは、貸出ボタン10aの1回押下で3度数分の遊技媒体排出が設定され、1度数分の遊技媒体数が25個であるときの例である。貸出ボタン10aの押下によって遊技媒体貸出装置20による貸出動作が開始されると(BRDYが“L”になると)、貸出ボタン10aの操作を検出する貸出ボタンスイッチの入力を受け付けなくなると共に、返却ボタン10cの操作を検出する返却ボタンセンサの入力も受け付けなくなり、規定量(3度数分)の遊技媒体払出が完了した後、貸出ボタンスイッチおよび返却ボタンスイッチの入力を受け付けるようになる。
【0060】
なお、遊技媒体排出動作中に計時する各期間T0,T1,T2,T3,T4,Tx,Ty,Tzの設定時間は特に限定されるものではなく、適宜に設定して構わない。例えば、Tz<Txとすれば、払出個数指示の待機時間Txを計時するときに、先ずTzのタイマーで待ち、TzのMAXを超えたところで「Tx−Tz」のタイマーで待つようにすれば、保持時間Tyが経過した時に、払出個数の指示終了を検出するためのタイマと、次個数の指示待ち待機時間を計時するタイマとを同時に作動させる必要が無く、制御の簡潔さと時間短縮が可能となる。また、期間TxとTyに、それぞれ許容最長時間Tx〈MAX〉,Ty〈MAX〉と許容最短時間Tx〈min〉,Ty〈min〉を設定した場合、(Tx〈min〉+Ty〈min〉)×2>(Tx〈MAX〉+Ty〈MAX〉)となるように設定することにより、ダブルカウントの防止と受信漏れの検出を可能にすることができる。
【0061】
また、遊技機10と遊技媒体貸出装置20とで相互に行う動作モード認証も、上記の例(所定のパルスパターン出力)に限定されるものではなく、遊技機10と遊技媒体貸出装置20との間で授受される信号を用いて行うことができれば、如何様な認証手法を適用しても構わない。図7に示すのは、遊技機貸出完了信号(EXS)と貸出装置貸出個数通知信号(BRQ)の信号レベルを変化させると共に、この信号レベルの読取タイミングを予め設定しておくことで、擬似的なシリアル通信を行い、相互の対応モード確認を厳密に行えるようにした例である。以下、図7に基づいて、疑似シリアル通信による相互認証が完了するまでの流れを説明する。
【0062】
例えば、遊技媒体貸出装置20が先に電源ONされてスタンバイしており、その後、遊技機10が電源投入されると、AC24Vが遊技媒体貸出装置20へ供給され、遊技媒体貸出装置20は基準電圧VLを生成して遊技機10へ供給し、これを受けた遊技機10から遊技媒体貸出装置20へ遊技機接続確認信号(PSI)が入力(信号電位がHからLへ反転)される。
【0063】
このPSI入力を契機に、遊技媒体貸出装置20は、遊技機10からEXSによる遊技機認証パターン(遊技機モード整合ビットパターン)の入力待ちとなり、遊技機認証パターン入力の猶予期間Tiを計時開始する。また、遊技媒体貸出装置20では、猶予期間Tiの計時開始と同時に、信号レベル監視タイマで計時するTj毎にEXSレベルを監視する。すなわち、Tjが経過する毎にEXSの信号レベルがHかLかを判定することで、時系列なビットパターンを遊技媒体貸出装置20において取得できるのである。
【0064】
遊技機10が新規動作モード(払出個数の指定が可能なモード)対応の機種であれば、遊技媒体貸出装置20で計時する猶予期間Tiが経過する前に、遊技機認証パターンが入力開始されるが、新規動作モードに対応している機種の遊技機10が接続されていなければ、遊技媒体貸出装置20で計時する猶予期間Tiが経過しても遊技機認証パターンが入力されることはないので、猶予期間Tiが経過した時点で、旧来動作モードの遊技機10が接続されていると判定できる。
【0065】
一方、遊技機10が新規動作モードであった場合に入力される遊技機認証パターンとして、例えば、“スタートビット列(SB:15ビット以上)”+“テキスト開始コード(STX:7ビット+奇数パリティ)”+“第1データ本体(DATA1:7ビット+奇数パリティ)”+“第2データ本体(DATA2:7ビット+奇数パリティ)”+“テキスト終了コード(ETX:7ビット+奇数パリティ)”+“BCC(7ビット+奇数パリティ)”とする。なお、遊技機認証パターンとして8ビット×5ワード分を受信するために、遊技媒体貸出装置20には、8ビット×5ワードの受信バッファを用意しておく。
【0066】
先ず、スタートビット列として15個以上の“1”(Lレベルで判定)を連続させ、15個目以上の“1”が連続したことを条件に、第1ワードとして、STXのビットパターン“0000010+0”を検出する。続いて、第2ワードとしてDATA1のビットパターン“1010000(7ビットASCIIコードでP)+1”を受信し、続いて第3ワードとしDATA2のビットパターン“0110100(7ビットASCIIコードで4)+0”を受信し、続いて第4ワードとしてETXのビットパターン“0000011+1”を受信する。
【0067】
最後に受信するBCCは、STXを除くDATA1,DATA2,ETXの3ワードからXORにて算出した値(水平偶数パリティ)であり、受信したBCCのビットパターンが“1100111+0”であれば、受信した第2〜第4ワードによるXORと一致するので、受信誤りがないこととなる。なお、BCCが不一致であった場合には、遊技機認証パターンの再送要求を最大2回(初回を含めてトータル3回まで)可能とする。
【0068】
上記のようにして、遊技媒体貸出装置20が受信した第1データ本体と第2データ本体から、接続されている遊技機はP4(例えば、旧来動作モードと新規動作モードの両方に対応しているタイプの遊技機)であると判定でき、今度は、遊技媒体貸出装置20が、自らの対応モードをBRQによって遊技機10へ送信する。
【0069】
一方、遊技機認証モードを送信し終わった遊技機10は、遊技媒体貸出装置20からの応答として貸出装置認証パターン(貸出装置モード整合ビットパターン)が入力されるまでの応答猶予期間であるTruを計時する。新規動作モードに対応していない遊技媒体貸出装置20が接続されていた場合には、応答猶予期間Truが経過しても貸出装置認証パターンが入力されることはないので、応答猶予期間Truが経過した時点で、旧来動作モードの遊技媒体貸出装置20が接続されていると判定できる。なお、遊技媒体貸出装置20が両モード対応のU4であっても、何らかの事情で旧来動作モードによる稼働に制限されている場合には、貸出装置認証パターンを出力しない。
【0070】
貸出装置認証パターンも、上述した遊技機認証パターンと同様に、“スタートビット列(SB:15ビット以上)”+“テキスト開始コード(STX:7ビット+奇数パリティ)”+“第1データ本体(DATA1:7ビット+奇数パリティ)”+“第2データ本体(DATA2:7ビット+奇数パリティ)”+“テキスト終了コード(ETX:7ビット+奇数パリティ)”+“BCC(7ビット+奇数パリティ)”とし、8ビット×5ワード分の受信バッファにて受信する。
【0071】
例えば、遊技機10が受信した第1データ本体と第2データ本体から、接続されている遊技媒体貸出装置20はU4(例えば、旧来動作モードと新規動作モードの両方に対応しているタイプの遊技媒体貸出装置)であると判定できれば、新規動作モードでの遊技媒体貸出が可能であるから、遊技機10は、PRDYを“L”に反転させ、相互認証が完了する。なお、BCCが不一致であった場合には、貸出装置認証パターンの再送要求を最大2回(初回を含めてトータル3回まで)可能とする。
【0072】
一方、貸出装置認証パターンの出力を終えた遊技媒体貸出装置20は、PRDYがONになるまでの応答猶予期間であるTrpを計時し、この応答猶予期間Trpが経過するまでにPRDYがONにならなければ、相互認証は完結しない。
【0073】
このように、遊技機10と遊技媒体貸出装置20との間で、擬似的なシリアル通信を行って相互認証を図れば、お互いの対応動作モードを特定した上で遊技媒体貸出動作を実行できるので、3種類以上の遊技媒体貸出動作モードが混在していても、遊技機10と遊技媒体貸出装置20とで確実な相互認証を行うことができ、信頼性の高い遊技媒体貸出システムとなる。
【0074】
以上、本発明の第1実施形態に係る遊技媒体貸出装置20を説明したが、遊技媒体貸出装置20は、遊技機10と接続するだけでなく、遊技店内に構築されたネットワークに接続することで、一層利便性を高めるような運用とすることも可能である。
【0075】
図8に示すのは、第2実施形態に係る遊技媒体貸出装置20′の概略構成である。遊技媒体貸出装置20′は、貨幣投入口23aから投入された貨幣Mによって、プリペイド媒体(例えば、磁気記録部に有価価値を記録したカード形状のプリペイドカードやICを内蔵した硬貨形状のプリペイドコイン等)の情報記録媒体Cを発行したり、媒体挿排口23bから投入された情報記録媒体Cに残っている有価価値に基づいて遊技球の貸出制御を行う。
【0076】
なお、遊技媒体貸出装置20′で遊技球貸出のために使用できる情報記録媒体Cは、購入金額に応じた有価価値が記録されたプリペイド媒体に限定されるものではなく、遊技で獲得した遊技球を顧客管理サーバ上の会員番号をキーとする口座に貯めておける貯玉システムを利用可能な会員カードを媒体挿排口23bから受け入れ、遊技で獲得した遊技媒体の預入や預け入れた遊技媒体の引出を行うことができる。このようなサービスを利用できる情報記録媒体として、例えば、図9に示すような多数の記憶領域(第1〜第Nフィールド)を備え、各記憶領域に応じた内容が記録されている。
【0077】
また、遊技媒体貸出装置20′の遊技媒体貸出制御装置21′は、投入された貨幣Mの真贋や金額を識別する貨幣識別部24、表示パネルや操作ボタンからなる表示/操作部25、媒体挿排口23bから投入された情報記録媒体Cを保持する記録媒体保持部26(情報記録媒体Cに記録された記録情報の読出/書換を行う媒体R/W部26aを有する。)等と接続され、種々の情報を受信すると共に制御信号を送出する。電源部27は、外部から電源供給を受けて、遊技媒体貸出制御装置21′等へ所要の電源を供給する。なお、図8においては図示を省略したが、遊技媒体貸出制御装置21′は、前述した第1実施形態と同様に、遊技機動作モード検出手段21a,1度数当たり貸出個数設定・記憶手段21b,1度数当たり消費金額設定・記憶手段21c,貸出制御手段21d,外部通信手段21e,消費税外税換算遊技媒体価値演算手段21fを備える。
【0078】
さらに、遊技媒体貸出装置20′は、外部機器接続用中継基板28を介して、遊技機10、ホールコンピュータ30、顧客/持玉管理システムサーバ40、プリペイドシステム管理コンピュータ50、各遊技機10に対応して設けられるローカルな遊技媒体計数器60等と接続される。
【0079】
遊技機10は、上述したと同様に遊技媒体貸出装置20′と1対1で接続され、相互に動作モードの認証を行って動作モードが適合すれば正常稼働する。もちろん、新規動作モードの遊技機10であれば、遊技媒体貸出装置20′からの貸出装置貸出指示信号および貸出装置貸出個数通知信号を受けて、任意個数分の遊技媒体を払い出すことができる。
【0080】
ホールコンピュータ30は、遊技媒体貸出装置20′で遊技球の貸出に消費した情報記録媒体Cの有価価値情報や新たに発行した情報記録媒体Cの金額情報などの各種売上信号やエラー信号を受信する。また、遊技媒体貸出装置20′に対する設定情報をホールコンピュータ30から送信することで、各遊技媒体貸出装置20′毎に個別の設定を行うことができる。例えば、図10に示すように、ホールコンピュータ30と店内のLAN回線70を介して接続される各遊技媒体貸出装置20′に対して、ホールコンピュータ30の設定画面で設定された設定情報(例えば、1度数当たり払出個数、1度数当たり消費金額、貸出1回当りの度数など)が台毎に送信される。この個別設定内容は、遊技媒体貸出装置20′の台別設定記憶部29に記憶される。遊技媒体制御装置21′は、この台別設定記憶部29の設定内容を参照して遊技媒体貸出制御等を行うのである。
【0081】
顧客/持玉管理サーバ40は、プリペイド機能および貯玉機能を有する情報記録媒体Cが遊技媒体貸出装置20′へ投入されたときに、その情報記録媒体Cについての顧客データ等を送信するものである。この顧客/持玉管理サーバ40が管理するファイル構成の一例を図11に示す。このように、顧客/持玉管理サーバ40では、情報記録媒体Cが投入された各遊技機10毎の情報(台番号、島番号、遊技媒体種別、1度数当たり払出個数、1度数当たり消費金額、遊技媒体単価など)に加えて、情報記録媒体Cの記録内容(カードID、カード種別、残価値、持玉数など)も管理している。特に、当日所持遊技媒体の情報として持玉数(持ちメダル数)を管理することで、情報記録媒体Cの記憶内容を書き換えて持玉数を増やすような不正が行われても、直ちにこれを異常と判定できることから、当日所持遊技媒体の預入システムにおける信頼性を担保できる。なお、預入した持玉/持ちメダルの有効期限を当日限りとして運用すれば、遊技者が獲得した遊技媒体をドル箱に入れて持ち歩く代わりに遊技店へ一時的に預けたと同様の処理が出来るので、会員サービスとして翌日以降でも遊技媒体を引き出して利用できる貯玉システムを採用していない遊技店においても、当日限定の預入システムであれば導入し易い。
【0082】
プリペイドシステム管理コンピュータは、遊技媒体貸出装置20′において新たに発行された情報記録媒体Cの発行情報や遊技媒体貸出に伴う有価価値消費情報等の取引データを受信するものであり、この収集情報はプリペイドシステムの管理会社で管理される。
【0083】
遊技媒体計数器60は、各遊技機10に一対一で対応付けて設けられ、遊技機10より投入された遊技媒体を計数し、その計数値を遊技媒体計数信号として遊技媒体貸出装置20へ送信する。なお、遊技媒体貸出装置20′より計数停止信号が入力されている間は、遊技媒体計数器60は機能しない。
【0084】
この遊技媒体計数器60から送信された遊技媒体計数信号を受けると、遊技媒体貸出制御装置21′の払出可能遊技媒体数記憶手段21gによってこれを記憶し、この払出可能遊技媒体数記憶手段21gに記憶された遊技媒体計数値を遊技媒体受入払出制御手段21hが情報記録媒体Cの当日所持遊技媒体数記憶領域に書き込んで情報記録媒体Cの記録内容を更新する。なお、払出可能遊技媒体数記憶手段21gに計数結果である持玉数(払出可能遊技媒体数)が既に記憶されている場合、新たな計数値を加算して持玉数を更新し、更新された計数値が払出可能遊技媒体数記憶手段21gに記憶保持される。また、遊技媒体受入払出制御手段21hは、持玉払出ボタンの押下を検出した場合、遊技媒体貸出通信を介して遊技機10から所定個数の遊技媒体を払い出すとともに、払出可能遊技媒体数記憶手段21gに記憶されている持玉数から所定の個数を減算して更新し、更新された持玉数が払出可能遊技媒体数記憶手段21gに記憶保持される。
【0085】
なお、持玉(当日所持遊技媒体)の払出要求を行うために操作する持玉払出ボタンは、遊技媒体貸出制御装置の表示/操作部25に設けても良いし、遊技機10に設けるようにしても良い。或いは、情報記録媒体Cの当日所持遊技媒体数記憶領域に持玉数が記憶されている場合に、遊技機10上の貸出ボタン10aを操作すると、有価価値の残度数よりも優先して持玉分から遊技媒体を払い出す様にしても良い。更に、遊技媒体受入払出制御手段21hは、払出可能遊技媒体数記憶手段21gに記憶されている持玉数を顧客/持玉管理サーバ40へ送信し、これを受けた顧客/持玉管理サーバ40は、該当する情報記録媒体Cにおける持玉/メダル数を更新する。
【0086】
ここで、遊技媒体貸出装置20′が行う持玉(持ちメダル)移動処理の一例を図12に基づき詳述する。なお、図12に示す持玉移動処理においては、顧客/持玉管理サーバ40への送信動作は省略した。
【0087】
先ず、遊技媒体計数器60へ計数停止信号を出力して(ステップS301)、持玉/持ちメダルの計数を規制しておき、情報記録媒体Cが挿入されているか否かを判定し(ステップS302)、情報記録媒体Cが挿入されていなければ、そのままループして持玉の計数を規制したままとなる。
【0088】
上記ステップS302で情報記録媒体Cが挿入されたと判定された場合には、この情報記録媒体Cが正規のカードか否かを判定する(ステップS303)。正規のカードでないと判断した場合は、当該カードを排出し(ステップS304)、ステップS201へ移行して新たなカード挿入の有無を判定する。なお、挿入された情報記録媒体Cが持玉機能の使用を認めていないゲスト用カードであった場合には、ゲスト用カードを受け入れたまま、持玉移動の処理を実行しないようにしても良い。
【0089】
上記ステップS303で正規のカードと判定された場合には、挿入された情報記録媒体Cの預入遊技媒体数記憶領域に書き込まれた持玉/メダル数を読み出して、払出可能遊技媒体数記憶手段21gへ書き込む(ステップS305)。なお、遊技媒体貸出装置20′が接続された遊技機が遊技球を使うものであれば、情報記録媒体Cに記憶された持玉数を読み出し、遊技媒体貸出装置20′が接続された遊技機がメダルを使うものであれば、情報記録媒体Cに記憶された持ちメダル数を読み出す。斯くして、持玉/持ちメダルの取り扱い準備が完了すると、計数停止信号をOFFにして(ステップS306)、遊技媒体計数器60による遊技媒体の計数を可能にする。
【0090】
続いて、持玉を引き出して使うために操作する持玉払出ボタンが押されたか否かを判定し(ステップS307)、押されていなければ、情報記録媒体Cを取り出すために操作する返却ボタンが押されたか否かを判定し(ステップS308)、返却ボタンが押されていなければ、遊技機10毎に設けた遊技媒体計数器60からの計数値信号が入力されているか否かを判定し(ステップS309)、計数信号も入力されていなければ、再びステップS307へ戻る。
【0091】
上記ステップS309で遊技媒体計数器60から計数信号が入力されていると判定した場合、計数信号(例えば、遊技媒体が1個につき1パルスの信号)をカウントすることで持玉/メダル数を計数してゆき(ステップS310)、遊技媒体計数器60による計数が終了して、預け入れ用の持玉/メダル数が確定するのを待ち(ステップS311)、確定した持玉/メダル数を払出可能遊技媒体数記憶手段21gに記憶している計数値に加算して、払出可能遊技媒体数記憶手段21gの計数値(全ての持玉/メダル数)を更新する(ステップS312)。
【0092】
上記ステップS307で持玉払出ボタンが操作されたと判定した場合、払出ボタンの操作に対して予め定めた所定個数の遊技媒体を遊技機10より排出させるように指示する(ステップS313)。そして、適正な払出動作時間内に遊技機10によって所定個数の遊技媒体の払出が完了したか否かを判定し(ステップS314)、払出が完了していれば、払い出した個数分を払出可能遊技媒体数記憶手段21gの記憶値から減算して更新する(ステップS315)。しかしながら、遊技機10による払出動作が完了していないと判定された場合、遊技媒体計数器60へ計数停止信号を出力し(ステップS316)、エラー処理を行い(ステップS317)、計数停止信号をOFFにして持玉移動処理を終了する。
【0093】
上記ステップS308で返却ボタンが押下されたと判定した場合、払出可能遊技媒体数記憶手段21gの記憶値を挿入中の情報記録媒体Cに書き込んで更新し(ステップS319)、払出可能遊技媒体数記憶手段21gの記憶値をクリアし(ステップS320)、情報記録媒体Cを排出し(ステップS321)、ステップS301へ戻って計数停止信号を出力して次の情報記録媒体Cが挿入されるのを待つ。
【0094】
上述した第2実施形態に係る遊技媒体貸出装置20′によれば、遊技媒体を貸し出す機能に加えて、遊技者が獲得した遊技媒体を持玉(当日所持遊技媒体)として一時的に預け入れる機能を有するので、遊技者は玉やメダルが溜まったドル箱を持って他の遊技機へ移動する手間が必要なく、遊技者の利便性が高いものとなる。
【0095】
これに加えて、本実施形態に係る遊技媒体貸出装置20′の遊技媒体貸出制御装置21′には、払出可能遊技媒体数記憶手段21gに記憶された払出可能遊技媒体数を、予め設定された換算率に基づいて当日所持遊技媒体合計金額に換算できる持玉合計金額換算手段21iを設け、当日所持遊技媒体受入払出制御手段21hが当日所持遊技媒体合計金額を有価価値として扱うことで、貸出料金の異なる遊技媒体の貸出にも充てることができるようにした。斯くするために、情報記録媒体Cには、当日所持遊技媒体合計金額記憶領域を設けると共に、当日所持遊技媒体受入払出制御手段21hには、情報記録媒体Cの当日所持遊技媒体合計金額記憶領域に対する読出/書込の機能を持たせておく。
【0096】
例えば、パチンコ球を遊技媒体とする遊技機10で遊技を行っていた遊技者が遊技を中断するとき、持玉を当日所持遊技媒体合計金額として情報記録媒体Cに書き込んでおくと、そのままスロット式の遊技機へ移動して遊技を行うときには、情報記録媒体Cの当日所持遊技媒体合計金額からメダルの貸出金額に応じた数量の遊技媒体を払い出すことができるので、メダルを借り受けるために、改めて情報記録媒体Cの有価価値を消費しないで済む。逆に、スロット式の遊技機からパチンコ式の遊技機へ移動する場合も、当日所持遊技媒体合計金額から換算した数量の遊技球を払い出すことが可能である。また、持玉/メダル数を当日所持遊技媒体合計金額として情報記録媒体Cに書き込んでおくと、そのまま景品交換を行うことができるので、景品交換のためにドル箱をサービスカウンタ等へ持って行く手間も無くすことができ、利便性を一層高めるものとした。
【0097】
なお、持玉合計金額換算手段21iによって当日所持遊技媒体合計金額の換算処理を行う際に、景品交換処理を行うようにしてもよい。すなわち、予め設定された換算率に基づいて持玉数(メダル数)から指定した景品の金額分を引き落とし、これと景品を交換するのである。但し、遊技店の景品カウンタで渡されるような嵩張る現物を遊技媒体貸出装置20′毎にストックしておくことは現実的ではないので、持玉換算の金額分に相当する景品交換カードやレシートを発行するようにしても良い。この場合、情報記録媒体Cには交換カードもしくはレシートの分を差し引いた価値を記録する。
【0098】
また、当日所持遊技媒体合計金額を書き込んだ情報記録媒体Cを用いた遊技媒体の払出に際して、遊技媒体自体が異なる場合の遊技媒体払出を制限する必要があれば、例えば、情報記録媒体Cに予め複数の当日所持遊技媒体合計金額記憶領域を設け、遊技媒体の種別毎に分けて記憶・管理すれば良い。
【0099】
以上、本発明に係る遊技媒体貸出装置の実施形態を添付図面に基づいて説明したが、本発明の包摂範囲は、これらの実施形態に限定されるものではなく、公知既存の手法を適宜転用することで実現しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】遊技機と遊技媒体貸出装置の前面側斜視図である。
【図2】遊技機と遊技媒体貸出装置の裏面側斜視図である。
【図3】第1実施形態に係る遊技媒体貸出装置の概略構成図である。
【図4】遊技機起動処理と遊技媒体貸出装置起動処理を示すフローチャートである。
【図5】遊技媒体貸出装置と遊技機とで動作モードの認証を行うときに授受される信号のタイミングチャートである。
【図6】任意個数の遊技媒体排出を遊技媒体貸出装置が遊技機へ指示するときに授受される信号のタイミングチャートである。
【図7】遊技媒体貸出装置と遊技機とで動作モードの認証を他の方式で行うときに授受される信号のタイミングチャートである。
【図8】第2実施形態に係る遊技媒体貸出装置の概略構成図である。
【図9】情報記録媒体における記憶領域の構成図である。
【図10】ホールコンピュータによる遊技媒体貸出装置への設定操作説明図である。
【図11】顧客/持玉管理サーバが管理するファイル構成図である。
【図12】遊技媒体貸出装置が行う持玉移動処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0101】
10 遊技機
20 遊技媒体貸出装置
21 遊技媒体貸出制御装置
21a 遊技機動作モード検出手段
21b 1度数当たり貸出個数設定・記憶手段
21c 1度数当たり消費金額設定・記憶手段
21d 貸出制御手段
21e 外部通信手段
21f 消費税外税換算遊技媒体単価演算手段
30 接続ケーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技店に設置された遊技機に夫々対応して設けられ、情報記録媒体に記憶された情報に基づいて、遊技媒体の貸出制御を行う遊技媒体貸出装置と、この遊技媒体貸出装置を含む遊技媒体貸出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技店に導入されている遊技媒体貸出システムにおいては、プリペイド媒体(購入金額に相当する価値を記憶させた磁気カードやICカード等)や現金の投入による遊技媒体(遊技球や遊技メダル等)の貸出に際して、プリペイド媒体等を受入れて遊技媒体の貸出制御を行う遊技媒体貸出装置(いわゆるCRユニット)と、遊技媒体貸出機能を備えた遊技機(いわゆるCR遊技機)とを並設している。この遊技媒体貸出システムにおいては、遊技機に設けた遊技媒体貸出装置接続端子板を介して、CRユニットからCR遊技機へ遊技媒体の払出要求を信号で通知し、CRユニットから遊技媒体の払出要求を受けたCR遊技機が実際に遊技媒体を払い出し、払い出した遊技媒体分の金額や価値がCRユニットにて取り込まれる。
【0003】
このように、従来の遊技媒体貸出システムでは、遊技媒体の貸出を金額や価値により指定するものとなっており、CR遊技機の適所に配置された貸出ボタンの操作(一回のボタン押下)に対して、金額や価値(現行では、100円で1度数)が予め設定されており、この金額や価値に対応する数量(現行では、遊技球25個もしくは遊技メダル5枚)を基準単位として、遊技媒体の貸出動作が行われるのである。しかし、基準単位相当の遊技媒体数では十分に遊技を楽しめないので、基準単位の倍数分の払出が可能に設定できるCRユニットがある(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
【特許文献1】特許第2935990号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された遊技媒体貸出システムでは、CR遊技機とCRユニットとの間で、予め貸出指示パルス1個当り25発という暗黙の了解がなされており、この変更は、どちらか一方で行うことが出来ない。仮に、1個当り1パルスにすることは可能であるが、払出個数が多い場合はそれだけ貸出指示パルスの送信に長時間を要するため、トータルの払出時間が長くなってしまうことから、実用的な範囲を超えてしまう。これは、個数の指示と払出の指示が分離されていないことに起因する。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、遊技媒体貸出装置から遊技機に対する払出個数の通知と実際の払出指示を分離し、任意の個数の払出を可能とする遊技媒体貸出装置およびこれを含む遊技媒体貸出システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、遊技店に設置された遊技機に夫々対応して設けられ、情報記録媒体に記憶された情報に基づいて、遊技媒体の貸出制御を行う遊技媒体貸出装置において、遊技媒体の貸出における基準単位である1度数当たりの貸出遊技媒体数を外部操作によって任意に可変設定できると共に設定情報を記憶する1度数当たり貸出個数設定・記憶手段と、前記1個当たり貸出個数設定・記憶手段の記憶する設定情報に基づいて、前記対応する遊技機に対して、貸出装置貸出個数通知信号による払出個数の通知と貸出装置貸出指示信号による払出指示の送信を分離して行うことにより、任意の個数の遊技媒体の払出を遊技機に行わせる貸出制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の遊技媒体貸出装置において、貸出装置貸出個数通知信号と貸出装置貸出指示信号による遊技媒体の払出制御を受け付ける新規動作モードの遊技機が接続されているか、旧来より固定設定された1度数単位での払出制御しか受け付けない旧来動作モードの遊技機が接続されているかを検出する遊技機動作モード検出手段を備え、前記貸出制御手段は、前記遊技機動作モード検出手段により旧来動作モードの遊技機が接続されていることが検出された場合、旧来互換の信号出力によって遊技媒体の払出を旧来より固定設定された1度数単位で行わせるようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の遊技媒体貸出装置において、前記1度数分の遊技媒体を貸し出す対価として消費する1度数当たりの消費金額を外部操作によって任意に可変設定できると共に設定情報を記憶する1度数当たり消費金額設定・記憶手段を備え、前記貸出制御手段は、投入された情報記録媒体に記憶されている有価価値を読み出し、遊技機と接続して所定度数の貸出操作が行われた時に、情報記録媒体の有価価値から貸出度数分の金額を引き落とし、情報記録媒体に残価値の更新書き込みを行うようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、前記請求項3に記載の遊技媒体貸出装置において、前記貸出制御手段は、投入された情報記録媒体に記憶されている有価価値が1度数の金額に満たない端数価値となった場合、前記1度数当たり貸出個数設定・記憶手段および前記1度数当たり消費金額設定・記憶手段に設定された情報に基づき、端数価値で貸出可能な遊技媒体数を算出し、端数価値を暫定的な1度数とみなして、遊技機に対する遊技媒体の払出制御を行うことにより、1度数に満たない端数価値による遊技媒体の払出を可能としたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、前記請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置において、予め設定された遊技媒体1個の税抜き価格と消費税率とに基づき、1度数あたりの消費金額および遊技媒体払い出し個数を、切り捨て・四捨五入・切り上げの何れかに定めた端数処理によって1円単位かつ1個単位で算出する消費税外税換算遊技媒体単価演算手段を備え、前記貸出制御手段は、前記消費税外税換算遊技媒体単価演算手段により算出された遊技媒体1個単位での貸出制御を行うようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る発明は、前記請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置において、ネットワークにより相互にまたは管理装置と通信可能に接続され、1度数当たり貸出個数設定・記憶手段に記憶させる1度数当たりの遊技媒体貸出個数を通信により取得するようにしたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る発明は、前記請求項3〜請求項6の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置において、ネットワークにより相互にまたは管理装置と通信可能に接続され、1度数当たり消費金額設定・記憶手段に記憶させる1度数当たりの消費金額を通信により取得するようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に係る発明は、前記請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置において、当日の遊技用または景品交換用として所持する遊技媒体の数を記憶する当日所持遊技媒体数記憶領域を備えた情報記録媒体の取り扱いが可能で、遊技機に一対一で対応付けられた遊技媒体計数器から送出される遊技媒体計数信号が入力され、その計数値を記憶するとともに、前記情報記録媒体の当日所持遊技媒体数記憶領域に記憶された当日所持遊技媒体数と前記遊技媒体計数器よりの遊技媒体計数値とから払出が可能な遊技媒体の総数を算出・記憶する払出可能遊技媒体数記憶手段と、前記払出可能遊技媒体数記憶手段に記憶された払出可能遊技媒体数の範囲で遊技媒体の払出を行った場合に、払出可能遊技媒体数記憶手段の記憶数から払出数を減算した値に更新させるとともに、この更新した新たな払出可能遊技媒体数を情報記録媒体の当日所持遊技媒体数記憶領域に書き込むことで、遊技媒体計数器で計数した遊技媒体の受入および当日所持遊技媒体の払出を制御する当日所持遊技媒体受入払出制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、請求項9に係る発明は、前記請求項8に記載の遊技媒体貸出装置において、払出可能遊技媒体数記憶手段に記憶された払出可能遊技媒体数を、予め設定された換算率に基づいて、当日所持遊技媒体合計金額に換算する当日所持遊技媒体合計金額換算手段を備え、前記当日所持遊技媒体受入払出制御手段は、前記当日所持遊技媒体合計金額換算手段が換算した当日所持遊技媒体合計金額を有価価値として扱うことにより、貸出料金の異なる遊技媒体の貸出にも充てることができるようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項10に係る発明は、前記請求項9に記載の遊技媒体貸出装置において、前記当日所持遊技媒体合計金額換算手段が換算した当日所持遊技媒体合計金額を記憶する当日所持遊技媒体合計金額記憶領域を備えた情報記録媒体の取り扱いが可能で、前記当日所持遊技媒体受入払出制御手段によって当日所持遊技媒体合計金額を情報記録媒体に記録することで、情報記録媒体を介して景品交換端末もしくは景品交換システムへ当日所持遊技媒体合計金額を伝達し、当日所持遊技媒体合計金額による景品交換を可能とした。
【0017】
また、請求項11に係る発明は、前記請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置が管理コンピュータを含むネットワークに接続されてなる遊技媒体貸出システムであって、1度数当たりの貸出個数、1度数当たりの消費金額、遊技機貸出ボタン押下1回当たりの貸出度数を各台別に設定する記憶手段を有する管理コンピュータと該管理コンピュータの操作により指定する任意の台番号範囲で前記設定を通信により設定することが出来ることを特徴とする。
【0018】
また、請求項12に係る発明は、前記請求項8〜請求項10の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置が、管理コンピュータを含むネットワークに接続されてなる遊技媒体貸出システムであって、前記当日所持遊技媒体数情報を管理コンピュータで管理し、実際の遊技媒体を物理的に運ぶことなく、管理コンピュータで管理する当日所持遊技媒体数情報を媒介として、任意の遊技機で遊技媒体の払出を可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る遊技媒体貸出装置によれば、遊技媒体の貸出における基準単位である1度数当たりの貸出遊技媒体数を外部操作によって任意に可変設定できると共に設定情報を記憶する1度数当たり貸出個数設定・記憶手段と、前記1個当たり貸出個数設定・記憶手段の記憶する設定情報に基づいて、前記対応する遊技機に対して、貸出装置貸出個数通知信号による払出個数の通知と貸出装置貸出指示信号による払出指示の送信を分離して行うことにより、任意の個数の遊技媒体の払出を遊技機に行わせる貸出制御手段と、を備えるので、貸出装置側のみで設定される1度数あたりの払出個数に基づき、遊技媒体の貸出個数を任意に設定できることで、遊技媒体の貸出に関する制約を大きく緩和し、遊技や料金設定の多様性やシステム構成の柔軟性を格段に広げることができる。
【0020】
また、請求項2に係る遊技媒体貸出装置によれば、貸出装置貸出個数通知信号と貸出装置貸出指示信号による遊技媒体の払出制御を受け付ける新規動作モードの遊技機が接続されているか、旧来より固定設定された1度数単位での払出制御しか受け付けない旧来動作モードの遊技機が接続されているかを検出する遊技機動作モード検出手段を備え、前記貸出制御手段は、前記遊技機動作モード検出手段により旧来動作モードの遊技機が接続されていることが検出された場合、旧来互換の信号出力によって遊技媒体の払出を旧来より固定設定された1度数単位で行わせるようにしたので、旧来動作モードの遊技機と遊技媒体貸出装置を接続しても正常に稼働させることができる。よって、新規動作モードの遊技機が普及していない段階においても、遊技店に導入して使用できる。
【0021】
また、請求項3に係る遊技媒体貸出装置によれば、前記1度数分の遊技媒体を貸し出す対価として消費する1度数当たりの消費金額を外部操作によって任意に可変設定できると共に設定情報を記憶する1度数当たり消費金額設定・記憶手段を備え、前記貸出制御手段は、投入された情報記録媒体に記憶されている有価価値を読み出し、遊技機と接続して所定度数の貸出操作が行われた時に、情報記録媒体の有価価値から貸出度数分の金額を引き落とし、情報記録媒体に残価値の更新書き込みを行うようにしたので、貸出装置側のみで設定される1度数あたりの払出個数と消費金額の情報に基づき、遊技媒体の貸出個数と消費金額を任意に設定することが可能となり、遊技媒体の貸出に関する制約を大きく緩和し、遊技や料金設定の多様性やシステム構成の柔軟性を格段に広げることができる。
【0022】
また、請求項4に係る遊技媒体貸出装置によれば、前記貸出制御手段は、投入された情報記録媒体に記憶されている有価価値が1度数の金額に満たない端数価値となった場合、前記1度数当たり貸出個数設定・記憶手段および前記1度数当たり消費金額設定・記憶手段に設定された情報に基づき、端数価値で貸出可能な遊技媒体数を算出し、端数価値を暫定的な1度数とみなして、遊技機に対する遊技媒体の払出制御を行うことにより、1度数に満たない端数価値による遊技媒体の払出を可能としたので、基準単位に満たない端数価値が残っても、これを使い切って遊技媒体を貸し出すことができ、遊技者にとって利便性の高いものとなる。
【0023】
また、請求項5に係る遊技媒体貸出装置によれば、予め設定された遊技媒体1個の税抜き価格と消費税率とに基づき、1度数あたりの消費金額および遊技媒体払い出し個数を、切り捨て・四捨五入・切り上げの何れかに定めた端数処理によって1円単位かつ1個単位で算出する消費税外税換算遊技媒体単価演算手段を備え、前記貸出制御手段は、前記消費税外税換算遊技媒体単価演算手段により算出された遊技媒体1個単位での貸出制御を行うようにしたので、外税方式の導入や税率変更に伴う遊技店側の負担を軽減することができる。
【0024】
また、請求項6に係る遊技媒体貸出装置によれば、ネットワークにより相互にまたは管理装置と通信可能に接続され、1度数当たり貸出個数設定・記憶手段に記憶させる1度数当たりの遊技媒体貸出個数を通信により取得するようにしたので、遊技媒体貸出装置に対する1度数当たりの貸出個数の設定を簡易に行うことができる。
【0025】
また、請求項7に係る遊技媒体貸出装置によれば、ネットワークにより相互にまたは管理装置と通信可能に接続され、1度数当たり消費金額設定・記憶手段に記憶させる1度数当たりの消費金額を通信により取得するようにしたので、遊技媒体貸出装置に対する1度数当たりの消費金額の設定を簡易に行うことができる。
【0026】
また、請求項8に係る遊技媒体貸出装置によれば、当日の遊技用または景品交換用として所持する遊技媒体の数を記憶する当日所持遊技媒体数記憶領域を備えた情報記録媒体の取り扱いが可能で、遊技機に一対一で対応付けられた遊技媒体計数器から送出される遊技媒体計数信号が入力され、その計数値を記憶するとともに、前記情報記録媒体の当日所持遊技媒体数記憶領域に記憶された当日所持遊技媒体数と前記遊技媒体計数器よりの遊技媒体計数値とから払出が可能な遊技媒体の総数を算出・記憶する払出可能遊技媒体数記憶手段と、前記払出可能遊技媒体数記憶手段に記憶された払出可能遊技媒体数の範囲で遊技媒体の払出を行った場合に、払出可能遊技媒体数記憶手段の記憶数から払出数を減算した値に更新させるとともに、この更新した新たな払出可能遊技媒体数を情報記録媒体の当日所持遊技媒体数記憶領域に書き込むことで、遊技媒体計数器で計数した遊技媒体の受入および当日所持遊技媒体の払出を制御する当日所持遊技媒体受入払出制御手段と、を備えるので、遊技機から離れることなく、獲得した遊技媒体を当日所持遊技媒体数として情報記録媒体に記録しておくことが可能となり、遊技媒体そのものを持ち運ぶことなく、他の遊技機へ移動したり景品交換を行うことができ、遊技者にとっての利便性が良い。
【0027】
また、請求項9に係る遊技媒体貸出装置によれば、払出可能遊技媒体数記憶手段に記憶された払出可能遊技媒体数を、予め設定された換算率に基づいて、当日所持遊技媒体合計金額に換算する当日所持遊技媒体合計金額換算手段を備え、前記当日所持遊技媒体受入払出制御手段は、前記当日所持遊技媒体合計金額換算手段が換算した当日所持遊技媒体合計金額を有価価値として扱うことにより、貸出料金の異なる遊技媒体の貸出にも充てることができるようにしたので、遊技媒体が異なる遊技機での遊技を行うために、改めて遊技媒体を借り受ける必要が無く、遊技者にとっての利便性が良い。
【0028】
また、請求項10に係る遊技媒体貸出装置によれば、前記当日所持遊技媒体合計金額換算手段が換算した当日所持遊技媒体合計金額を記憶する当日所持遊技媒体合計金額記憶領域を備えた情報記録媒体の取り扱いが可能で、前記当日所持遊技媒体受入払出制御手段によって当日所持遊技媒体合計金額を情報記録媒体に記録することで、情報記録媒体を介して景品交換端末もしくは景品交換システムへ当日所持遊技媒体合計金額を伝達し、当日所持遊技媒体合計金額による景品交換を可能としたので、遊技媒体そのものを持ち運ぶことなく景品交換することができ、遊技者にとっての利便性がよい。
【0029】
また、請求項11に係る遊技媒体貸出システムによれば、1度数当たりの貸出個数、1度数当たりの消費金額、遊技機貸出ボタン押下1回当たりの貸出度数を各台別に設定する記憶手段を有する管理コンピュータと該管理コンピュータの操作により指定する任意の台番号範囲で前記設定を通信により設定することが出来るので、遊技媒体の貸出に関する制約を大きく緩和して遊技者の利便性を高めると共に、遊技媒体貸出料金の設定等を容易かつ柔軟に行うことができ、遊技店にとっての利便性も高いシステムとなる。
【0030】
また、請求項12に係る遊技媒体貸出システムによれば、前記当日所持遊技媒体数情報を管理コンピュータで管理し、実際の遊技媒体を物理的に運ぶことなく、管理コンピュータで管理する当日所持遊技媒体数情報を媒介として、任意の遊技機で遊技媒体の払出を可能としたので、遊技媒体そのものを持ち運ぶことなく、他の遊技機へ移動でき、遊技者の利便性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
次に、本発明に係る遊技媒体貸出装置の実施形態として、遊技媒体として遊技球を貸し出す球貸装置に適用した例を添付図面に基づき詳細に説明するが、遊技媒体としてコイン形状の遊技メダルを貸し出すメダル貸出装置にも適用可能である。図1は、遊技媒体である遊技球の貸出機能を備えたCRタイプの遊技機10と、これに対応して接続された遊技媒体貸出装置(いわゆるCRユニット)20の前面側斜視図であり、図2は裏面側斜視図である。
【0032】
遊技機10は、遊技球を用いた弾球遊技を行うための種々の機能を備えるもので、その適所には、遊技者が遊技球の貸出を要求するために操作する貸出ボタン10aと、この貸出ボタンが操作可能な状態である場合に点灯表示される貸出可能ランプ10bと、遊技媒体貸出装置20へ投入した情報記録媒体(プリペイドカード/コインや会員カード等)を排出させるための返却ボタン10cを設けてある。遊技機10の裏面側には、弾球遊技の主たる制御を行う主制御装置、表示制御や音制御といった演出面の動作制御を行う副制御装置、遊技球の発射動作を制御する発射制御装置、賞としての遊技球や貸出用の遊技球を排出する遊技球排出装置、この遊技球排出装置に対する遊技球の排出制御を行う排出制御装置11等を設けてある。
【0033】
第1実施形態に係る遊技媒体貸出装置20は、遊技機10の一側方に設置されるもので、遊技球の貸出制御を統括的に行う遊技媒体貸出制御装置21を備える。この遊技媒体貸出制御装置21は、紙幣投入口20aから紙幣が投入されると投入金額に応じたプリペイド媒体(例えば、ICを内蔵した硬貨形状のプリペイドコイン)を発行したり、コイン投入口20bから投入されたプリペイドコインの残価値の範囲内で遊技者が選択した金額(遊技機10の貸出ボタン10aの操作による貸出要求)に応じた遊技媒体貸出信号を遊技機10へ送信したり、カード挿入口20cから挿入された会員カードを受け付け、遊技者が貸出ボタン10aを操作して選択した球数(あるいは金額、度数)に応じた遊技媒体貸出制御のための信号(後に詳述)を遊技機10へ送信する。また、遊技媒体貸出装置20自体の状態(例えば、自身の利用可能状態や異常停止状態など)を利用可能ランプ20dにより表示すると共に、遊技媒体貸出装置20が遊技媒体貸出要求を受けられる状態にある場合は、前記遊技機10に設けた貸出可能ランプ10bを点灯表示させ、遊技者にその旨を報らせる。
【0034】
また、遊技媒体貸出装置20の遊技媒体貸出制御装置21は、接続ケーブル30を介して遊技機10と接続される。例えば、図3に示すように、遊技媒体貸出装置20の貸出装置インターフェース基板22のコネクタと、遊技機10の遊技媒体貸出装置接続端子板12のコネクタに、夫々接続ケーブル30のコネクタを接続することで、所定のプロトコルに従って相互に信号の授受を行い、互いの正常稼働が確認できると、新規動作モードの遊技機10と遊技媒体貸出装置20が協働して、払出個数や金額を任意設定可能な遊技媒体貸出動作が実行される。
【0035】
そして、接続ケーブル30を介して遊技機10から遊技媒体貸出装置20へは、遊技機接続確認信号(PSI),遊技機準備状態信号(PRDY),遊技機貸出完了信号(EXS),貸出ボタンスイッチ信号等が送信されると共に、遊技媒体貸出装置20から遊技機10へは、貸出装置貸出指示信号(BRDY),貸出装置貸出個数通知信号(BRQ)が送信される。なお、旧来動作モードの遊技機10(100円で25個を基準単位とする現行機)に遊技媒体貸出装置20が接続された場合、貸出装置貸出指示信号(BRDY)は貸出装置準備状態信号として、貸出装置貸出個数通知信号(BRQ)は貸出装置貸出要求信号として用いることにより、遊技媒体貸出動作が可能である。
【0036】
一方、遊技媒体貸出装置20の遊技媒体貸出制御装置21には、遊技機10との相互通信によって遊技機10の動作モード(例えば、新規動作モードか旧来動作モードか)を検出する遊技機動作モード検出手段21a、遊技媒体の貸出における基準単位である1度数当たりの貸出遊技媒体数を外部操作によって任意に可変設定できると共に設定情報を記憶する1度数当たり貸出個数設定・記憶手段21b、1度数分の遊技媒体を貸し出す対価として消費する1度数当たりの消費金額を外部操作によって任意に可変設定できると共に設定情報を記憶する1度数当たり消費金額設定・記憶手段21cを備える。なお、1度数当たり貸出個数設定・記憶手段21bや1度数当たり消費金額設定・記憶手段21cに対する設定操作は、遊技店員らが遊技媒体貸出装置21の裏面側から操作パネル等を使って行うものとし、遊技客が勝手に設定変更してしまうことのないようにセキュリティを高めることが望ましい。
【0037】
そして、接続ケーブル30によって接続された遊技機10が新規動作モードであると遊技機動作モード検出手段21aが検出した場合、任意の個数の遊技媒体の払出を遊技機に行わせる貸出制御手段21dは、1個当たり貸出個数設定・記憶手段21bや1度数当たり消費金額設定・記憶手段21cの記憶する設定情報に基づいて、対応する遊技機10に対して、貸出装置貸出個数通知信号による払出個数の通知と貸出装置貸出指示信号による払出指示の送信を分離して行う。
【0038】
すなわち、遊技媒体貸出装置20から遊技機10に対する遊技媒体払出個数の通知を、貸出装置貸出個数通知信号によって行うことにより、遊技媒体の貸出個数を任意に設定することができるので、1度数当たり貸出個数設定・記憶手段21bに対して任意に設定した貸出個数での遊技媒体払出が実現可能となる。なお、本実施形態においては、1度数当たり消費金額設定・記憶手段21cを設けることによって、1度数の消費金額も任意設定可能としたが、例えば、1度数の消費金額を旧来通りの所定金額(100円)に固定して貸出個数のみ増減させることで、1度数当たりの遊技媒体の貸出個数を任意に変える場合は、1度数当たり消費金額設定・記憶手段21cは不要である。
【0039】
また、本実施形態の遊技媒体貸出装置20の如く、1個当たり貸出個数設定・記憶手段21bおよび1度数当たり消費金額設定・記憶手段21cの両方を備えていれば、投入された情報記録媒体(プリペイドカードや会員カード)に記憶されている有価価値が1度数の金額に満たない端数価値となった場合、設定値として記憶されている1度数当たりの貸出個数および1度数当たりの消費金額に基づいて、端数価値で貸出可能な遊技媒体数を算出することができる。そこで、貸出制御手段21dが、端数価値で貸出可能な遊技媒体数を算出し、この端数価値を暫定的な1度数とみなして、遊技機10に対する遊技媒体の払出制御を行うことにより、1度数に満たない端数価値による遊技媒体の払出が可能となる。
【0040】
さらに、遊技媒体貸出制御装置21には、遊技媒体貸出装置20の外部と通信を行う外部通信手段21eを設けてあり、例えば、外部との通信により1度数当たり貸出個数設定・記憶手段21bに記憶させる1度数当たりの遊技媒体貸出個数を取得するようにしたり、外部との通信により1度数当たり消費金額設定・記憶手段21cに記憶させる1度数当たりの消費金額を通信により取得するようにしても良い。
【0041】
加えて、遊技媒体貸出制御装置21には、予め設定された遊技媒体1個の税抜き価格と消費税率とに基づき、1度数あたりの消費金額および遊技媒体払い出し個数を、切り捨て・四捨五入・切り上げの何れかに定めた端数処理によって1円単位かつ1個単位で算出する消費税外税換算遊技媒体単価演算手段21fを設けてあり、消費税外税換算遊技媒体単価演算手段21fにより算出された遊技媒体1個単位での貸出制御を貸出制御手段21dが行えるようにしてある。斯くすれば、外税方式の導入や税率変更に伴う遊技店側の負担を軽減することができ、遊技媒体貸出の料金改定等を低コストで円滑に進めることが可能となる。
【0042】
次に、遊技媒体貸出装置20が遊技機10の動作モードを検出し、遊技機10の動作モードに応じた遊技媒体貸出動作が可能となる一連の処理を、図4および図5に基づき詳述する。図4では、遊技機10の起動処理と遊技媒体貸出装置20の起動処理とを並記することで、相互に行う信号の送受信の時系列な流れを分かり易くした。また、図5は、遊技機10が起動した後に遊技媒体貸出装置20が起動する場合のタイミングチャートを示してある。
【0043】
先ず、遊技機10は、電源投入により、遊技媒体貸出装置20で基準電圧VL(例えば、DC18V)を生成するための電源供給を開始し(ステップS101)、自己診断を行い(ステップS102)、診断結果に異常があるか否かを判定する(ステップS103)。このステップS103の判定で異常がなければ、遊技媒体貸出装置20が正常に稼働することで生成される基準電圧VLが供給されるのを待つ(ステップS104)。もし、ステップS103で異常有りと判定された場合には、エラー表示等を行って異常停止し(ステップS105)、遊技媒体貸出処理を行うことはない。
【0044】
一方、遊技媒体貸出装置20は、電源投入により、自己診断および自己モード確認(例えば、1度数当たり貸出個数や1度数当たり消費金額等の設定情報の確認)を行い(ステップS201)、このステップS202の判定で異常がなければ、貸出装置貸出指示信号(BRDY)および貸出装置貸出個数通知信号(BRQ)をOFFにし(ステップS203)、遊技機10へ基準電圧VLを出力し(ステップS204)、遊技機10から遊技機接続確認信号(PSI)が入力されるのを待つ(ステップS205)。もし、ステップS202で異常有りと判定された場合には、エラー表示等を行って異常停止し(ステップS206)、遊技媒体貸出処理を行うことはない。
【0045】
上記のようにして、遊技媒体貸出装置20から基準電圧VLを受信した遊技機10は、遊技媒体貸出装置20へ遊技機接続確認信号を出力する(ステップS106)。この遊技機接続確認信号を受けた遊技媒体貸出装置20は、遊技機10の動作モードを確認するために、遊技機10からの入力信号パターンの確認(遊技機準備状態信号(PRDY)と遊技機貸出完了信号(EXS)のレベル変化を監視)する(ステップS207)。
【0046】
遊技機10が新規動作モード(払出個数の指定が可能なモード)対応の機種であれば、遊技機動作モード対応パターンの信号出力を行う(ステップS107)。具体的には、図5に示すように、遊技機10は、PRDYを“H”に保持したまま、EXSで所定パターンのパルス列を発生させる。
【0047】
遊技媒体貸出装置20は、動作モード対応パターンでの応答があるか否かを判定し(ステップS208)、応答があった場合は、その入力信号パターンが新規動作モード遊技機10のものとして既知であるか否かを判定する(ステップS209)。このパルス周期やON/OFFの時間長が新規動作モードの遊技機10に対応した信号パターンとして記憶しているパルス列に合致していれば、遊技媒体貸出装置20は、その検知パターンに対応した確認用の信号として所定パターンのパルス信号を出力し(ステップS210)、検知パターン対応の動作モードで自ら動作するように確定する(ステップS211)。具体的には、図5に示すように、遊技媒体貸出装置20から遊技機10へ入力されるBRQで所定パターンのパルス列を発生させる。
【0048】
一方、上記ステップS208において、新規動作モードと認定できる入力信号パターンが無く、旧来動作モードと同様(PRDYが“L”に反転、EXSは“H”を保持)であれば、旧来動作モードの遊技機10との接続が完了したものとして、当該遊技機10とのコネクションを確立するように貸出装置貸出個数通知信号(BRQ)をOFFにすることで接続確認応答を行い(ステップS212)、旧来動作モードの遊技機10に対応するように自己の動作モードとして従来互換モードを選択する(ステップS213)。
【0049】
ここで、遊技媒体貸出装置20が接続される遊技機10の動作モードが、単純に新規動作モードと旧来動作モードの2種類に限らず、例えば、第1新規動作モード,第2新規動作モード…のように、3種類以上の動作モードの遊技機が市場へ導入された場合、遊技媒体貸出装置20が全ての動作モードの遊技機に対応できるとは限らないし、遊技店の営業上の理由から、対応させる動作モードの遊技機を限定する場合も考えられる。このため、本実施形態の遊技媒体貸出装置20においては、上記ステップS211やステップS213にて確定した動作モードに対応しているか否かを判定し(ステップS214)、動作モードが対応していないと判定されれば異常停止し(ステップS205)、遊技媒体貸出動作が行われることはない。一方、ステップS214で動作モードが対応していると判定されれば、遊技機10からの遊技機準備状態信号がONに変わるまで待機する(ステップS215)。
【0050】
上記のようにして、遊技媒体貸出装置20から対応モード確認のための信号(BRQのパルス信号)が送信されると、遊技機10では、この入力信号を確認し(ステップS108)、確認された検知パターンが遊技機10自身の動作モードと整合するか判定する(ステップS109)。本実施形態においては、対応モードの確認のために遊技媒体貸出装置20より遊技機10へ送信されるBRQのパルスパターンが、遊技機10が遊技媒体貸出装置20へ送信したEXSのパルスパターンと一致していれば、遊技機10自身の動作モードと遊技媒体貸出装置20とが整合していると判定するものとした。動作モードが整合していると判定された場合、遊技機10はEXSのパルス出力を停止(EXSを“H”に保持)した後、PRDYを“L”に落とすことで遊技機準備状態信号のON出力を行う(ステップS110)。
【0051】
そして、遊技機10から遊技機準備状態信号を受けた遊技媒体貸出装置20は、直ちにBRQのパルス出力を停止(BRQを“H”に保持)した後、貸出スタンバイ表示(例えば、利用可能ランプ20dを点灯表示)を行って(ステップS216)、遊技者からの貸出要求に応じて遊技媒体貸出処理を行い(ステップS217)、また、遊技機10の接続断が検知されたか否かを判定し(ステップS218)、遊技機10との接続断が生じていると判定された場合には、ステップS201へ移行して、遊技機10に対する動作モード確認処理を改めて行う。同様に、遊技機10も、遊技媒体貸出装置20からの貸出要求に応じて遊技媒体貸出処理を行い(ステップS111)、また、遊技媒体貸出装置20の接続断が検知されたか否かを判定し(ステップS112)、遊技媒体貸出装置20との接続断が生じていると判定された場合には、ステップS102へ移行して、遊技媒体貸出装置20との動作モード確認処理を改めて行う。
【0052】
上述したように、遊技機10と遊技媒体貸出装置20の動作モード確認(相互認証)が完了して、遊技媒体貸出処理が可能になると、遊技者による貸出ボタンの操作に基づいて、遊技媒体貸出装置20と遊技機10とが協働することにより、遊技媒体の払出動作が行われる。以下、遊技機10と遊技媒体貸出装置20との間の信号授受による遊技媒体払出動作を、図6に示すタイミングチャートに基づき説明する。
【0053】
図6(a)は、例えば、10個の遊技媒体払出を行う場合を示す。なお、遊技媒体貸出装置20は、動作モードの相互認証完了後に遊技機10が正常稼働(遊技機準備状態信号がアクティブ)しており、尚且つ、遊技媒体の貸出で消費可能な残価値のある情報記録媒体が挿入されており、自らも遊技媒体の貸出が可能な状態であることを条件に、遊技機10側に配置された貸出ボタン10aの操作待ち状態となる。
【0054】
先ず、貸出ボタン10aが押下されたことを検知した遊技媒体貸出装置20は、先ず、貸出装置貸出指示信号をアクティブ(BRDYを“L”)にする。遊技機10は、この信号変化を基に実際の払出準備に入ることを想定する。続いて、遊技媒体貸出装置20は、所定時間T0経過後に貸出装置貸出個数通知信号をアクティブ(BRQを“L”)にすることで、1個目の貸出個数通知を行う。
【0055】
遊技媒体貸出装置20が貸出装置貸出個数通知信号をアクティブにしてから待機時間T1が経過する前に、遊技機10からの遊技機貸出完了信号がアクティブ(EXSを“L”)になると、1個目の個数通知を遊技機10が受け付けたことを示すので、このEXSの変化を検出した遊技媒体貸出装置20は、所定時間T2内にBRQを“H”にすることで1個目の個数通知の受付完了を遊技機10に報らせると共に、引き続き2個目の通知準備を行う。
【0056】
遊技媒体貸出装置20から遊技機10へ、2個目以降の貸出通知を行う場合、待機時間Txの経過後に再びBRQを“L”にし、これを保持時間Tyが経過するまで維持し、3個目以降の貸出通知に備えて再びBRQを“H”にする。このように、貸出装置貸出個数通知信号をアクティブにする回数によって払出個数Nを遊技機に通知する。払出個数分の通知が終了した後(BRQを“H”に戻した後)、払出指示終了を通知する猶予期間Tz以内にBRDYを“H”にすることで、一括払出個数分(通常は1度数分)の指示が完了する。
【0057】
上記のようにして遊技媒体貸出装置20から払出個数の指示が完了したとき、払出保証の義務は遊技機10側に移る。遊技機10は、遊技媒体貸出装置20より指示された個数分の払出動作を行い、払出が完了したところでEXSを“H”にする。なお、遊技機10が払出動作を完了するまでの猶予期間T3は、払出個数分の遊技媒体を排出するのに必要十分な時間を設定しておく必要があるものの、T3としてあまりに長い時間を割り当ててしまうと、遊技球排出装置内部で生じた球噛み等に起因して排出動作が滞ってしまったような場合に、T3が経過するまで遊技媒体排出装置20で異常を検知できないため、円滑な遊技媒体排出動作が妨げられてしまう。そこで、遊技媒体排出装置20から遊技機10へ指示できる一括排出の遊技媒体数Nに上限(例えば、25個)を設けておき、例えばT3がMAXでも数秒以内に収まるようにしておくことが望ましい。
【0058】
遊技機10からの入力信号であるEXSがT3経過前に“H”に判定することで、遊技機10へ指示したN個の払出完了を確認した遊技媒体貸出装置20は、次の度数の払出のための最低待ち時間T4経過後に、次の度数の払出動作を開始(BRDYを“L”に)する。このように、N個の遊技媒体払出指示で行う1度数相当の遊技媒体払出をM回(M度数分)繰り返すことで、貸出ボタン10aの1回押下に対する払出動作が完了するのである。
【0059】
図6(b)に示すのは、貸出ボタン10aの1回押下で3度数分の遊技媒体排出が設定され、1度数分の遊技媒体数が25個であるときの例である。貸出ボタン10aの押下によって遊技媒体貸出装置20による貸出動作が開始されると(BRDYが“L”になると)、貸出ボタン10aの操作を検出する貸出ボタンスイッチの入力を受け付けなくなると共に、返却ボタン10cの操作を検出する返却ボタンセンサの入力も受け付けなくなり、規定量(3度数分)の遊技媒体払出が完了した後、貸出ボタンスイッチおよび返却ボタンスイッチの入力を受け付けるようになる。
【0060】
なお、遊技媒体排出動作中に計時する各期間T0,T1,T2,T3,T4,Tx,Ty,Tzの設定時間は特に限定されるものではなく、適宜に設定して構わない。例えば、Tz<Txとすれば、払出個数指示の待機時間Txを計時するときに、先ずTzのタイマーで待ち、TzのMAXを超えたところで「Tx−Tz」のタイマーで待つようにすれば、保持時間Tyが経過した時に、払出個数の指示終了を検出するためのタイマと、次個数の指示待ち待機時間を計時するタイマとを同時に作動させる必要が無く、制御の簡潔さと時間短縮が可能となる。また、期間TxとTyに、それぞれ許容最長時間Tx〈MAX〉,Ty〈MAX〉と許容最短時間Tx〈min〉,Ty〈min〉を設定した場合、(Tx〈min〉+Ty〈min〉)×2>(Tx〈MAX〉+Ty〈MAX〉)となるように設定することにより、ダブルカウントの防止と受信漏れの検出を可能にすることができる。
【0061】
また、遊技機10と遊技媒体貸出装置20とで相互に行う動作モード認証も、上記の例(所定のパルスパターン出力)に限定されるものではなく、遊技機10と遊技媒体貸出装置20との間で授受される信号を用いて行うことができれば、如何様な認証手法を適用しても構わない。図7に示すのは、遊技機貸出完了信号(EXS)と貸出装置貸出個数通知信号(BRQ)の信号レベルを変化させると共に、この信号レベルの読取タイミングを予め設定しておくことで、擬似的なシリアル通信を行い、相互の対応モード確認を厳密に行えるようにした例である。以下、図7に基づいて、疑似シリアル通信による相互認証が完了するまでの流れを説明する。
【0062】
例えば、遊技媒体貸出装置20が先に電源ONされてスタンバイしており、その後、遊技機10が電源投入されると、AC24Vが遊技媒体貸出装置20へ供給され、遊技媒体貸出装置20は基準電圧VLを生成して遊技機10へ供給し、これを受けた遊技機10から遊技媒体貸出装置20へ遊技機接続確認信号(PSI)が入力(信号電位がHからLへ反転)される。
【0063】
このPSI入力を契機に、遊技媒体貸出装置20は、遊技機10からEXSによる遊技機認証パターン(遊技機モード整合ビットパターン)の入力待ちとなり、遊技機認証パターン入力の猶予期間Tiを計時開始する。また、遊技媒体貸出装置20では、猶予期間Tiの計時開始と同時に、信号レベル監視タイマで計時するTj毎にEXSレベルを監視する。すなわち、Tjが経過する毎にEXSの信号レベルがHかLかを判定することで、時系列なビットパターンを遊技媒体貸出装置20において取得できるのである。
【0064】
遊技機10が新規動作モード(払出個数の指定が可能なモード)対応の機種であれば、遊技媒体貸出装置20で計時する猶予期間Tiが経過する前に、遊技機認証パターンが入力開始されるが、新規動作モードに対応している機種の遊技機10が接続されていなければ、遊技媒体貸出装置20で計時する猶予期間Tiが経過しても遊技機認証パターンが入力されることはないので、猶予期間Tiが経過した時点で、旧来動作モードの遊技機10が接続されていると判定できる。
【0065】
一方、遊技機10が新規動作モードであった場合に入力される遊技機認証パターンとして、例えば、“スタートビット列(SB:15ビット以上)”+“テキスト開始コード(STX:7ビット+奇数パリティ)”+“第1データ本体(DATA1:7ビット+奇数パリティ)”+“第2データ本体(DATA2:7ビット+奇数パリティ)”+“テキスト終了コード(ETX:7ビット+奇数パリティ)”+“BCC(7ビット+奇数パリティ)”とする。なお、遊技機認証パターンとして8ビット×5ワード分を受信するために、遊技媒体貸出装置20には、8ビット×5ワードの受信バッファを用意しておく。
【0066】
先ず、スタートビット列として15個以上の“1”(Lレベルで判定)を連続させ、15個目以上の“1”が連続したことを条件に、第1ワードとして、STXのビットパターン“0000010+0”を検出する。続いて、第2ワードとしてDATA1のビットパターン“1010000(7ビットASCIIコードでP)+1”を受信し、続いて第3ワードとしDATA2のビットパターン“0110100(7ビットASCIIコードで4)+0”を受信し、続いて第4ワードとしてETXのビットパターン“0000011+1”を受信する。
【0067】
最後に受信するBCCは、STXを除くDATA1,DATA2,ETXの3ワードからXORにて算出した値(水平偶数パリティ)であり、受信したBCCのビットパターンが“1100111+0”であれば、受信した第2〜第4ワードによるXORと一致するので、受信誤りがないこととなる。なお、BCCが不一致であった場合には、遊技機認証パターンの再送要求を最大2回(初回を含めてトータル3回まで)可能とする。
【0068】
上記のようにして、遊技媒体貸出装置20が受信した第1データ本体と第2データ本体から、接続されている遊技機はP4(例えば、旧来動作モードと新規動作モードの両方に対応しているタイプの遊技機)であると判定でき、今度は、遊技媒体貸出装置20が、自らの対応モードをBRQによって遊技機10へ送信する。
【0069】
一方、遊技機認証モードを送信し終わった遊技機10は、遊技媒体貸出装置20からの応答として貸出装置認証パターン(貸出装置モード整合ビットパターン)が入力されるまでの応答猶予期間であるTruを計時する。新規動作モードに対応していない遊技媒体貸出装置20が接続されていた場合には、応答猶予期間Truが経過しても貸出装置認証パターンが入力されることはないので、応答猶予期間Truが経過した時点で、旧来動作モードの遊技媒体貸出装置20が接続されていると判定できる。なお、遊技媒体貸出装置20が両モード対応のU4であっても、何らかの事情で旧来動作モードによる稼働に制限されている場合には、貸出装置認証パターンを出力しない。
【0070】
貸出装置認証パターンも、上述した遊技機認証パターンと同様に、“スタートビット列(SB:15ビット以上)”+“テキスト開始コード(STX:7ビット+奇数パリティ)”+“第1データ本体(DATA1:7ビット+奇数パリティ)”+“第2データ本体(DATA2:7ビット+奇数パリティ)”+“テキスト終了コード(ETX:7ビット+奇数パリティ)”+“BCC(7ビット+奇数パリティ)”とし、8ビット×5ワード分の受信バッファにて受信する。
【0071】
例えば、遊技機10が受信した第1データ本体と第2データ本体から、接続されている遊技媒体貸出装置20はU4(例えば、旧来動作モードと新規動作モードの両方に対応しているタイプの遊技媒体貸出装置)であると判定できれば、新規動作モードでの遊技媒体貸出が可能であるから、遊技機10は、PRDYを“L”に反転させ、相互認証が完了する。なお、BCCが不一致であった場合には、貸出装置認証パターンの再送要求を最大2回(初回を含めてトータル3回まで)可能とする。
【0072】
一方、貸出装置認証パターンの出力を終えた遊技媒体貸出装置20は、PRDYがONになるまでの応答猶予期間であるTrpを計時し、この応答猶予期間Trpが経過するまでにPRDYがONにならなければ、相互認証は完結しない。
【0073】
このように、遊技機10と遊技媒体貸出装置20との間で、擬似的なシリアル通信を行って相互認証を図れば、お互いの対応動作モードを特定した上で遊技媒体貸出動作を実行できるので、3種類以上の遊技媒体貸出動作モードが混在していても、遊技機10と遊技媒体貸出装置20とで確実な相互認証を行うことができ、信頼性の高い遊技媒体貸出システムとなる。
【0074】
以上、本発明の第1実施形態に係る遊技媒体貸出装置20を説明したが、遊技媒体貸出装置20は、遊技機10と接続するだけでなく、遊技店内に構築されたネットワークに接続することで、一層利便性を高めるような運用とすることも可能である。
【0075】
図8に示すのは、第2実施形態に係る遊技媒体貸出装置20′の概略構成である。遊技媒体貸出装置20′は、貨幣投入口23aから投入された貨幣Mによって、プリペイド媒体(例えば、磁気記録部に有価価値を記録したカード形状のプリペイドカードやICを内蔵した硬貨形状のプリペイドコイン等)の情報記録媒体Cを発行したり、媒体挿排口23bから投入された情報記録媒体Cに残っている有価価値に基づいて遊技球の貸出制御を行う。
【0076】
なお、遊技媒体貸出装置20′で遊技球貸出のために使用できる情報記録媒体Cは、購入金額に応じた有価価値が記録されたプリペイド媒体に限定されるものではなく、遊技で獲得した遊技球を顧客管理サーバ上の会員番号をキーとする口座に貯めておける貯玉システムを利用可能な会員カードを媒体挿排口23bから受け入れ、遊技で獲得した遊技媒体の預入や預け入れた遊技媒体の引出を行うことができる。このようなサービスを利用できる情報記録媒体として、例えば、図9に示すような多数の記憶領域(第1〜第Nフィールド)を備え、各記憶領域に応じた内容が記録されている。
【0077】
また、遊技媒体貸出装置20′の遊技媒体貸出制御装置21′は、投入された貨幣Mの真贋や金額を識別する貨幣識別部24、表示パネルや操作ボタンからなる表示/操作部25、媒体挿排口23bから投入された情報記録媒体Cを保持する記録媒体保持部26(情報記録媒体Cに記録された記録情報の読出/書換を行う媒体R/W部26aを有する。)等と接続され、種々の情報を受信すると共に制御信号を送出する。電源部27は、外部から電源供給を受けて、遊技媒体貸出制御装置21′等へ所要の電源を供給する。なお、図8においては図示を省略したが、遊技媒体貸出制御装置21′は、前述した第1実施形態と同様に、遊技機動作モード検出手段21a,1度数当たり貸出個数設定・記憶手段21b,1度数当たり消費金額設定・記憶手段21c,貸出制御手段21d,外部通信手段21e,消費税外税換算遊技媒体価値演算手段21fを備える。
【0078】
さらに、遊技媒体貸出装置20′は、外部機器接続用中継基板28を介して、遊技機10、ホールコンピュータ30、顧客/持玉管理システムサーバ40、プリペイドシステム管理コンピュータ50、各遊技機10に対応して設けられるローカルな遊技媒体計数器60等と接続される。
【0079】
遊技機10は、上述したと同様に遊技媒体貸出装置20′と1対1で接続され、相互に動作モードの認証を行って動作モードが適合すれば正常稼働する。もちろん、新規動作モードの遊技機10であれば、遊技媒体貸出装置20′からの貸出装置貸出指示信号および貸出装置貸出個数通知信号を受けて、任意個数分の遊技媒体を払い出すことができる。
【0080】
ホールコンピュータ30は、遊技媒体貸出装置20′で遊技球の貸出に消費した情報記録媒体Cの有価価値情報や新たに発行した情報記録媒体Cの金額情報などの各種売上信号やエラー信号を受信する。また、遊技媒体貸出装置20′に対する設定情報をホールコンピュータ30から送信することで、各遊技媒体貸出装置20′毎に個別の設定を行うことができる。例えば、図10に示すように、ホールコンピュータ30と店内のLAN回線70を介して接続される各遊技媒体貸出装置20′に対して、ホールコンピュータ30の設定画面で設定された設定情報(例えば、1度数当たり払出個数、1度数当たり消費金額、貸出1回当りの度数など)が台毎に送信される。この個別設定内容は、遊技媒体貸出装置20′の台別設定記憶部29に記憶される。遊技媒体制御装置21′は、この台別設定記憶部29の設定内容を参照して遊技媒体貸出制御等を行うのである。
【0081】
顧客/持玉管理サーバ40は、プリペイド機能および貯玉機能を有する情報記録媒体Cが遊技媒体貸出装置20′へ投入されたときに、その情報記録媒体Cについての顧客データ等を送信するものである。この顧客/持玉管理サーバ40が管理するファイル構成の一例を図11に示す。このように、顧客/持玉管理サーバ40では、情報記録媒体Cが投入された各遊技機10毎の情報(台番号、島番号、遊技媒体種別、1度数当たり払出個数、1度数当たり消費金額、遊技媒体単価など)に加えて、情報記録媒体Cの記録内容(カードID、カード種別、残価値、持玉数など)も管理している。特に、当日所持遊技媒体の情報として持玉数(持ちメダル数)を管理することで、情報記録媒体Cの記憶内容を書き換えて持玉数を増やすような不正が行われても、直ちにこれを異常と判定できることから、当日所持遊技媒体の預入システムにおける信頼性を担保できる。なお、預入した持玉/持ちメダルの有効期限を当日限りとして運用すれば、遊技者が獲得した遊技媒体をドル箱に入れて持ち歩く代わりに遊技店へ一時的に預けたと同様の処理が出来るので、会員サービスとして翌日以降でも遊技媒体を引き出して利用できる貯玉システムを採用していない遊技店においても、当日限定の預入システムであれば導入し易い。
【0082】
プリペイドシステム管理コンピュータは、遊技媒体貸出装置20′において新たに発行された情報記録媒体Cの発行情報や遊技媒体貸出に伴う有価価値消費情報等の取引データを受信するものであり、この収集情報はプリペイドシステムの管理会社で管理される。
【0083】
遊技媒体計数器60は、各遊技機10に一対一で対応付けて設けられ、遊技機10より投入された遊技媒体を計数し、その計数値を遊技媒体計数信号として遊技媒体貸出装置20へ送信する。なお、遊技媒体貸出装置20′より計数停止信号が入力されている間は、遊技媒体計数器60は機能しない。
【0084】
この遊技媒体計数器60から送信された遊技媒体計数信号を受けると、遊技媒体貸出制御装置21′の払出可能遊技媒体数記憶手段21gによってこれを記憶し、この払出可能遊技媒体数記憶手段21gに記憶された遊技媒体計数値を遊技媒体受入払出制御手段21hが情報記録媒体Cの当日所持遊技媒体数記憶領域に書き込んで情報記録媒体Cの記録内容を更新する。なお、払出可能遊技媒体数記憶手段21gに計数結果である持玉数(払出可能遊技媒体数)が既に記憶されている場合、新たな計数値を加算して持玉数を更新し、更新された計数値が払出可能遊技媒体数記憶手段21gに記憶保持される。また、遊技媒体受入払出制御手段21hは、持玉払出ボタンの押下を検出した場合、遊技媒体貸出通信を介して遊技機10から所定個数の遊技媒体を払い出すとともに、払出可能遊技媒体数記憶手段21gに記憶されている持玉数から所定の個数を減算して更新し、更新された持玉数が払出可能遊技媒体数記憶手段21gに記憶保持される。
【0085】
なお、持玉(当日所持遊技媒体)の払出要求を行うために操作する持玉払出ボタンは、遊技媒体貸出制御装置の表示/操作部25に設けても良いし、遊技機10に設けるようにしても良い。或いは、情報記録媒体Cの当日所持遊技媒体数記憶領域に持玉数が記憶されている場合に、遊技機10上の貸出ボタン10aを操作すると、有価価値の残度数よりも優先して持玉分から遊技媒体を払い出す様にしても良い。更に、遊技媒体受入払出制御手段21hは、払出可能遊技媒体数記憶手段21gに記憶されている持玉数を顧客/持玉管理サーバ40へ送信し、これを受けた顧客/持玉管理サーバ40は、該当する情報記録媒体Cにおける持玉/メダル数を更新する。
【0086】
ここで、遊技媒体貸出装置20′が行う持玉(持ちメダル)移動処理の一例を図12に基づき詳述する。なお、図12に示す持玉移動処理においては、顧客/持玉管理サーバ40への送信動作は省略した。
【0087】
先ず、遊技媒体計数器60へ計数停止信号を出力して(ステップS301)、持玉/持ちメダルの計数を規制しておき、情報記録媒体Cが挿入されているか否かを判定し(ステップS302)、情報記録媒体Cが挿入されていなければ、そのままループして持玉の計数を規制したままとなる。
【0088】
上記ステップS302で情報記録媒体Cが挿入されたと判定された場合には、この情報記録媒体Cが正規のカードか否かを判定する(ステップS303)。正規のカードでないと判断した場合は、当該カードを排出し(ステップS304)、ステップS201へ移行して新たなカード挿入の有無を判定する。なお、挿入された情報記録媒体Cが持玉機能の使用を認めていないゲスト用カードであった場合には、ゲスト用カードを受け入れたまま、持玉移動の処理を実行しないようにしても良い。
【0089】
上記ステップS303で正規のカードと判定された場合には、挿入された情報記録媒体Cの預入遊技媒体数記憶領域に書き込まれた持玉/メダル数を読み出して、払出可能遊技媒体数記憶手段21gへ書き込む(ステップS305)。なお、遊技媒体貸出装置20′が接続された遊技機が遊技球を使うものであれば、情報記録媒体Cに記憶された持玉数を読み出し、遊技媒体貸出装置20′が接続された遊技機がメダルを使うものであれば、情報記録媒体Cに記憶された持ちメダル数を読み出す。斯くして、持玉/持ちメダルの取り扱い準備が完了すると、計数停止信号をOFFにして(ステップS306)、遊技媒体計数器60による遊技媒体の計数を可能にする。
【0090】
続いて、持玉を引き出して使うために操作する持玉払出ボタンが押されたか否かを判定し(ステップS307)、押されていなければ、情報記録媒体Cを取り出すために操作する返却ボタンが押されたか否かを判定し(ステップS308)、返却ボタンが押されていなければ、遊技機10毎に設けた遊技媒体計数器60からの計数値信号が入力されているか否かを判定し(ステップS309)、計数信号も入力されていなければ、再びステップS307へ戻る。
【0091】
上記ステップS309で遊技媒体計数器60から計数信号が入力されていると判定した場合、計数信号(例えば、遊技媒体が1個につき1パルスの信号)をカウントすることで持玉/メダル数を計数してゆき(ステップS310)、遊技媒体計数器60による計数が終了して、預け入れ用の持玉/メダル数が確定するのを待ち(ステップS311)、確定した持玉/メダル数を払出可能遊技媒体数記憶手段21gに記憶している計数値に加算して、払出可能遊技媒体数記憶手段21gの計数値(全ての持玉/メダル数)を更新する(ステップS312)。
【0092】
上記ステップS307で持玉払出ボタンが操作されたと判定した場合、払出ボタンの操作に対して予め定めた所定個数の遊技媒体を遊技機10より排出させるように指示する(ステップS313)。そして、適正な払出動作時間内に遊技機10によって所定個数の遊技媒体の払出が完了したか否かを判定し(ステップS314)、払出が完了していれば、払い出した個数分を払出可能遊技媒体数記憶手段21gの記憶値から減算して更新する(ステップS315)。しかしながら、遊技機10による払出動作が完了していないと判定された場合、遊技媒体計数器60へ計数停止信号を出力し(ステップS316)、エラー処理を行い(ステップS317)、計数停止信号をOFFにして持玉移動処理を終了する。
【0093】
上記ステップS308で返却ボタンが押下されたと判定した場合、払出可能遊技媒体数記憶手段21gの記憶値を挿入中の情報記録媒体Cに書き込んで更新し(ステップS319)、払出可能遊技媒体数記憶手段21gの記憶値をクリアし(ステップS320)、情報記録媒体Cを排出し(ステップS321)、ステップS301へ戻って計数停止信号を出力して次の情報記録媒体Cが挿入されるのを待つ。
【0094】
上述した第2実施形態に係る遊技媒体貸出装置20′によれば、遊技媒体を貸し出す機能に加えて、遊技者が獲得した遊技媒体を持玉(当日所持遊技媒体)として一時的に預け入れる機能を有するので、遊技者は玉やメダルが溜まったドル箱を持って他の遊技機へ移動する手間が必要なく、遊技者の利便性が高いものとなる。
【0095】
これに加えて、本実施形態に係る遊技媒体貸出装置20′の遊技媒体貸出制御装置21′には、払出可能遊技媒体数記憶手段21gに記憶された払出可能遊技媒体数を、予め設定された換算率に基づいて当日所持遊技媒体合計金額に換算できる持玉合計金額換算手段21iを設け、当日所持遊技媒体受入払出制御手段21hが当日所持遊技媒体合計金額を有価価値として扱うことで、貸出料金の異なる遊技媒体の貸出にも充てることができるようにした。斯くするために、情報記録媒体Cには、当日所持遊技媒体合計金額記憶領域を設けると共に、当日所持遊技媒体受入払出制御手段21hには、情報記録媒体Cの当日所持遊技媒体合計金額記憶領域に対する読出/書込の機能を持たせておく。
【0096】
例えば、パチンコ球を遊技媒体とする遊技機10で遊技を行っていた遊技者が遊技を中断するとき、持玉を当日所持遊技媒体合計金額として情報記録媒体Cに書き込んでおくと、そのままスロット式の遊技機へ移動して遊技を行うときには、情報記録媒体Cの当日所持遊技媒体合計金額からメダルの貸出金額に応じた数量の遊技媒体を払い出すことができるので、メダルを借り受けるために、改めて情報記録媒体Cの有価価値を消費しないで済む。逆に、スロット式の遊技機からパチンコ式の遊技機へ移動する場合も、当日所持遊技媒体合計金額から換算した数量の遊技球を払い出すことが可能である。また、持玉/メダル数を当日所持遊技媒体合計金額として情報記録媒体Cに書き込んでおくと、そのまま景品交換を行うことができるので、景品交換のためにドル箱をサービスカウンタ等へ持って行く手間も無くすことができ、利便性を一層高めるものとした。
【0097】
なお、持玉合計金額換算手段21iによって当日所持遊技媒体合計金額の換算処理を行う際に、景品交換処理を行うようにしてもよい。すなわち、予め設定された換算率に基づいて持玉数(メダル数)から指定した景品の金額分を引き落とし、これと景品を交換するのである。但し、遊技店の景品カウンタで渡されるような嵩張る現物を遊技媒体貸出装置20′毎にストックしておくことは現実的ではないので、持玉換算の金額分に相当する景品交換カードやレシートを発行するようにしても良い。この場合、情報記録媒体Cには交換カードもしくはレシートの分を差し引いた価値を記録する。
【0098】
また、当日所持遊技媒体合計金額を書き込んだ情報記録媒体Cを用いた遊技媒体の払出に際して、遊技媒体自体が異なる場合の遊技媒体払出を制限する必要があれば、例えば、情報記録媒体Cに予め複数の当日所持遊技媒体合計金額記憶領域を設け、遊技媒体の種別毎に分けて記憶・管理すれば良い。
【0099】
以上、本発明に係る遊技媒体貸出装置の実施形態を添付図面に基づいて説明したが、本発明の包摂範囲は、これらの実施形態に限定されるものではなく、公知既存の手法を適宜転用することで実現しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】遊技機と遊技媒体貸出装置の前面側斜視図である。
【図2】遊技機と遊技媒体貸出装置の裏面側斜視図である。
【図3】第1実施形態に係る遊技媒体貸出装置の概略構成図である。
【図4】遊技機起動処理と遊技媒体貸出装置起動処理を示すフローチャートである。
【図5】遊技媒体貸出装置と遊技機とで動作モードの認証を行うときに授受される信号のタイミングチャートである。
【図6】任意個数の遊技媒体排出を遊技媒体貸出装置が遊技機へ指示するときに授受される信号のタイミングチャートである。
【図7】遊技媒体貸出装置と遊技機とで動作モードの認証を他の方式で行うときに授受される信号のタイミングチャートである。
【図8】第2実施形態に係る遊技媒体貸出装置の概略構成図である。
【図9】情報記録媒体における記憶領域の構成図である。
【図10】ホールコンピュータによる遊技媒体貸出装置への設定操作説明図である。
【図11】顧客/持玉管理サーバが管理するファイル構成図である。
【図12】遊技媒体貸出装置が行う持玉移動処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0101】
10 遊技機
20 遊技媒体貸出装置
21 遊技媒体貸出制御装置
21a 遊技機動作モード検出手段
21b 1度数当たり貸出個数設定・記憶手段
21c 1度数当たり消費金額設定・記憶手段
21d 貸出制御手段
21e 外部通信手段
21f 消費税外税換算遊技媒体単価演算手段
30 接続ケーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技店に設置された遊技機に夫々対応して設けられ、情報記録媒体に記憶された情報に基づいて、遊技媒体の貸出制御を行う遊技媒体貸出装置において、
遊技媒体の貸出における基準単位である1度数当たりの貸出遊技媒体数を外部操作によって任意に可変設定できると共に設定情報を記憶する1度数当たり貸出個数設定・記憶手段と、
前記1個当たり貸出個数設定・記憶手段の記憶する設定情報に基づいて、前記対応する遊技機に対して、貸出装置貸出個数通知信号による払出個数の通知と貸出装置貸出指示信号による払出指示の送信を分離して行うことにより、任意の個数の遊技媒体の払出を遊技機に行わせる貸出制御手段と、
を備えることを特徴とする遊技媒体貸出装置。
【請求項2】
貸出装置貸出個数通知信号と貸出装置貸出指示信号による遊技媒体の払出制御を受け付ける新規動作モードの遊技機が接続されているか、旧来より固定設定された1度数単位での払出制御しか受け付けない旧来動作モードの遊技機が接続されているかを検出する遊技機動作モード検出手段を備え、
前記貸出制御手段は、前記遊技機動作モード検出手段により旧来動作モードの遊技機が接続されていることが検出された場合、旧来互換の信号出力によって遊技媒体の払出を旧来より固定設定された1度数単位で行わせるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項3】
前記1度数分の遊技媒体を貸し出す対価として消費する1度数当たりの消費金額を外部操作によって任意に可変設定できると共に設定情報を記憶する1度数当たり消費金額設定・記憶手段を備え、
前記貸出制御手段は、投入された情報記録媒体に記憶されている有価価値を読み出し、遊技機と接続して所定度数の貸出操作が行われた時に、情報記録媒体の有価価値から貸出度数分の金額を引き落とし、情報記録媒体に残価値の更新書き込みを行うようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項4】
前記貸出制御手段は、投入された情報記録媒体に記憶されている有価価値が1度数の金額に満たない端数価値となった場合、前記1度数当たり貸出個数設定・記憶手段および前記1度数当たり消費金額設定・記憶手段に設定された情報に基づき、端数価値で貸出可能な遊技媒体数を算出し、端数価値を暫定的な1度数とみなして、遊技機に対する遊技媒体の払出制御を行うことにより、1度数に満たない端数価値による遊技媒体の払出を可能としたことを特徴とする請求項3に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項5】
予め設定された遊技媒体1個の税抜き価格と消費税率とに基づき、1度数あたりの消費金額および遊技媒体払い出し個数を、切り捨て・四捨五入・切り上げの何れかに定めた端数処理によって1円単位かつ1個単位で算出する消費税外税換算遊技媒体単価演算手段を備え、
前記貸出制御手段は、前記消費税外税換算遊技媒体単価演算手段により算出された遊技媒体1個単位での貸出制御を行うようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項6】
ネットワークにより相互にまたは管理装置と通信可能に接続され、1度数当たり貸出個数設定・記憶手段に記憶させる1度数当たりの遊技媒体貸出個数を通信により取得するようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項7】
ネットワークにより相互にまたは管理装置と通信可能に接続され、1度数当たり消費金額設定・記憶手段に記憶させる1度数当たりの消費金額を通信により取得するようにしたことを特徴とする請求項3〜請求項6の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項8】
当日の遊技用または景品交換用として所持する遊技媒体の数を記憶する当日所持遊技媒体数記憶領域を備えた情報記録媒体の取り扱いが可能で、
遊技機に一対一で対応付けられた遊技媒体計数器から送出される遊技媒体計数信号が入力され、その計数値を記憶するとともに、前記情報記録媒体の当日所持遊技媒体数記憶領域に記憶された当日所持遊技媒体数と前記遊技媒体計数器よりの遊技媒体計数値とから払出が可能な遊技媒体の総数を算出・記憶する払出可能遊技媒体数記憶手段と、
前記払出可能遊技媒体数記憶手段に記憶された払出可能遊技媒体数の範囲で遊技媒体の払出を行った場合に、払出可能遊技媒体数記憶手段の記憶数から払出数を減算した値に更新させるとともに、この更新した新たな払出可能遊技媒体数を情報記録媒体の当日所持遊技媒体数記憶領域に書き込むことで、遊技媒体計数器で計数した遊技媒体の受入および当日所持遊技媒体の払出を制御する当日所持遊技媒体受入払出制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項9】
払出可能遊技媒体数記憶手段に記憶された払出可能遊技媒体数を、予め設定された換算率に基づいて、当日所持遊技媒体合計金額に換算する当日所持遊技媒体合計金額換算手段を備え、
前記当日所持遊技媒体受入払出制御手段は、前記当日所持遊技媒体合計金額換算手段が換算した当日所持遊技媒体合計金額を有価価値として扱うことにより、貸出料金の異なる遊技媒体の貸出にも充てることができるようにしたことを特徴とする請求項8に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項10】
前記当日所持遊技媒体合計金額換算手段が換算した当日所持遊技媒体合計金額を記憶する当日所持遊技媒体合計金額記憶領域を備えた情報記録媒体の取り扱いが可能で、
前記当日所持遊技媒体受入払出制御手段によって当日所持遊技媒体合計金額を情報記録媒体に記録することで、情報記録媒体を介して景品交換端末もしくは景品交換システムへ当日所持遊技媒体合計金額を伝達し、当日所持遊技媒体合計金額による景品交換を可能としたことを特徴とする請求項9に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項11】
請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置が管理コンピュータを含むネットワークに接続されてなる遊技媒体貸出システムであって、
1度数当たりの貸出個数、1度数当たりの消費金額、遊技機貸出ボタン押下1回当たりの貸出度数を各台別に設定する記憶手段を有する管理コンピュータと該管理コンピュータの操作により指定する任意の台番号範囲で前記設定を通信により設定することが出来ることを特徴とする遊技媒体貸出システム。
【請求項12】
請求項8〜請求項10の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置が、管理コンピュータを含むネットワークに接続されてなる遊技媒体貸出システムであって、
前記当日所持遊技媒体数情報を管理コンピュータで管理し、実際の遊技媒体を物理的に運ぶことなく、管理コンピュータで管理する当日所持遊技媒体数情報を媒介として、任意の遊技機で遊技媒体の払出を可能としたことを特徴とする遊技媒体貸出システム。
【請求項1】
遊技店に設置された遊技機に夫々対応して設けられ、情報記録媒体に記憶された情報に基づいて、遊技媒体の貸出制御を行う遊技媒体貸出装置において、
遊技媒体の貸出における基準単位である1度数当たりの貸出遊技媒体数を外部操作によって任意に可変設定できると共に設定情報を記憶する1度数当たり貸出個数設定・記憶手段と、
前記1個当たり貸出個数設定・記憶手段の記憶する設定情報に基づいて、前記対応する遊技機に対して、貸出装置貸出個数通知信号による払出個数の通知と貸出装置貸出指示信号による払出指示の送信を分離して行うことにより、任意の個数の遊技媒体の払出を遊技機に行わせる貸出制御手段と、
を備えることを特徴とする遊技媒体貸出装置。
【請求項2】
貸出装置貸出個数通知信号と貸出装置貸出指示信号による遊技媒体の払出制御を受け付ける新規動作モードの遊技機が接続されているか、旧来より固定設定された1度数単位での払出制御しか受け付けない旧来動作モードの遊技機が接続されているかを検出する遊技機動作モード検出手段を備え、
前記貸出制御手段は、前記遊技機動作モード検出手段により旧来動作モードの遊技機が接続されていることが検出された場合、旧来互換の信号出力によって遊技媒体の払出を旧来より固定設定された1度数単位で行わせるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項3】
前記1度数分の遊技媒体を貸し出す対価として消費する1度数当たりの消費金額を外部操作によって任意に可変設定できると共に設定情報を記憶する1度数当たり消費金額設定・記憶手段を備え、
前記貸出制御手段は、投入された情報記録媒体に記憶されている有価価値を読み出し、遊技機と接続して所定度数の貸出操作が行われた時に、情報記録媒体の有価価値から貸出度数分の金額を引き落とし、情報記録媒体に残価値の更新書き込みを行うようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項4】
前記貸出制御手段は、投入された情報記録媒体に記憶されている有価価値が1度数の金額に満たない端数価値となった場合、前記1度数当たり貸出個数設定・記憶手段および前記1度数当たり消費金額設定・記憶手段に設定された情報に基づき、端数価値で貸出可能な遊技媒体数を算出し、端数価値を暫定的な1度数とみなして、遊技機に対する遊技媒体の払出制御を行うことにより、1度数に満たない端数価値による遊技媒体の払出を可能としたことを特徴とする請求項3に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項5】
予め設定された遊技媒体1個の税抜き価格と消費税率とに基づき、1度数あたりの消費金額および遊技媒体払い出し個数を、切り捨て・四捨五入・切り上げの何れかに定めた端数処理によって1円単位かつ1個単位で算出する消費税外税換算遊技媒体単価演算手段を備え、
前記貸出制御手段は、前記消費税外税換算遊技媒体単価演算手段により算出された遊技媒体1個単位での貸出制御を行うようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項6】
ネットワークにより相互にまたは管理装置と通信可能に接続され、1度数当たり貸出個数設定・記憶手段に記憶させる1度数当たりの遊技媒体貸出個数を通信により取得するようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項7】
ネットワークにより相互にまたは管理装置と通信可能に接続され、1度数当たり消費金額設定・記憶手段に記憶させる1度数当たりの消費金額を通信により取得するようにしたことを特徴とする請求項3〜請求項6の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項8】
当日の遊技用または景品交換用として所持する遊技媒体の数を記憶する当日所持遊技媒体数記憶領域を備えた情報記録媒体の取り扱いが可能で、
遊技機に一対一で対応付けられた遊技媒体計数器から送出される遊技媒体計数信号が入力され、その計数値を記憶するとともに、前記情報記録媒体の当日所持遊技媒体数記憶領域に記憶された当日所持遊技媒体数と前記遊技媒体計数器よりの遊技媒体計数値とから払出が可能な遊技媒体の総数を算出・記憶する払出可能遊技媒体数記憶手段と、
前記払出可能遊技媒体数記憶手段に記憶された払出可能遊技媒体数の範囲で遊技媒体の払出を行った場合に、払出可能遊技媒体数記憶手段の記憶数から払出数を減算した値に更新させるとともに、この更新した新たな払出可能遊技媒体数を情報記録媒体の当日所持遊技媒体数記憶領域に書き込むことで、遊技媒体計数器で計数した遊技媒体の受入および当日所持遊技媒体の払出を制御する当日所持遊技媒体受入払出制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項9】
払出可能遊技媒体数記憶手段に記憶された払出可能遊技媒体数を、予め設定された換算率に基づいて、当日所持遊技媒体合計金額に換算する当日所持遊技媒体合計金額換算手段を備え、
前記当日所持遊技媒体受入払出制御手段は、前記当日所持遊技媒体合計金額換算手段が換算した当日所持遊技媒体合計金額を有価価値として扱うことにより、貸出料金の異なる遊技媒体の貸出にも充てることができるようにしたことを特徴とする請求項8に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項10】
前記当日所持遊技媒体合計金額換算手段が換算した当日所持遊技媒体合計金額を記憶する当日所持遊技媒体合計金額記憶領域を備えた情報記録媒体の取り扱いが可能で、
前記当日所持遊技媒体受入払出制御手段によって当日所持遊技媒体合計金額を情報記録媒体に記録することで、情報記録媒体を介して景品交換端末もしくは景品交換システムへ当日所持遊技媒体合計金額を伝達し、当日所持遊技媒体合計金額による景品交換を可能としたことを特徴とする請求項9に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項11】
請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置が管理コンピュータを含むネットワークに接続されてなる遊技媒体貸出システムであって、
1度数当たりの貸出個数、1度数当たりの消費金額、遊技機貸出ボタン押下1回当たりの貸出度数を各台別に設定する記憶手段を有する管理コンピュータと該管理コンピュータの操作により指定する任意の台番号範囲で前記設定を通信により設定することが出来ることを特徴とする遊技媒体貸出システム。
【請求項12】
請求項8〜請求項10の何れか1項に記載の遊技媒体貸出装置が、管理コンピュータを含むネットワークに接続されてなる遊技媒体貸出システムであって、
前記当日所持遊技媒体数情報を管理コンピュータで管理し、実際の遊技媒体を物理的に運ぶことなく、管理コンピュータで管理する当日所持遊技媒体数情報を媒介として、任意の遊技機で遊技媒体の払出を可能としたことを特徴とする遊技媒体貸出システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−112715(P2009−112715A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−292175(P2007−292175)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(501468770)株式会社ジョイコシステムズ (66)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(501468770)株式会社ジョイコシステムズ (66)
【Fターム(参考)】
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