説明

遊技媒体貸出装置

【課題】遊技機の種類に応じた仕様変更に容易に対応でき、仕様変更の誤りも回避できる遊技媒体貸出装置11を提供する。
【解決手段】CR機10と接続可能とするインターフェース部38を備える。CR機10からメダルを貸し出す仕様とするCR機側とメダル投出部26からのメダルを貸し出す仕様とする現金機側との設定を切り換える切換スイッチ34を備える。CR機10の場合、インターフェース部38を接続し、切換スイッチ34をCR機側に設定する。現金機の場合、インターフェース部38を接続せず、切換スイッチ34を現金機側に設定する。CR機10か現金機かで、インターフェース部38の接続と切換スイッチ34の設定との対応に誤りがあれば、表示部17で表示し、遊技媒体貸出装置11を使用禁止とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技店に設置された遊技島には、例えばパチンコ機やパチスロ機などの複数の遊技機が並設されるとともに、各遊技機の側部に遊技媒体を貸し出すための台間機と呼ばれる遊技媒体貸出装置が設置されている。遊技機は、遊技媒体の貸出装置を別途必要とする現金機と遊技媒体貸出機能を有するCR機との2種類に大別されている。遊技媒体貸出装置は、遊技機の現金機とCR機とに対応して2種類の仕様に大別されている。すなわち、遊技媒体貸出装置は、遊技機が現金機の場合に、遊技者による現金の投入を受け付けて、内蔵した遊技媒体投出部から遊技媒体を投出して貸し出す仕様と、遊技機がCR機の場合に、そのCR機と通信可能に接続し、遊技者による現金、プリペイドカードなどの投入を受け付けて、CR機に遊技媒体の貸し出しを指令し、CR機から遊技媒体を貸し出す仕様とがある。
【0003】
このように遊技媒体貸出装置は、遊技機の種類に対応した仕様とするので、遊技機を現金機からCR機へ入れ換えたり、あるいはCR機から現金機へ入れ換える場合には、それに対応して遊技媒体貸出装置を仕様変更する必要があり、遊技媒体貸出装置も入れ換える必要がある。
【0004】
また、現金機用に対応したユニットとCR機用に対応したユニットとを遊技媒体貸出装置に対して交換可能とし、遊技媒体貸出装置全体を入れ換えることなく、遊技機の現金機とCR機との入れ換えに対応した遊技媒体貸出装置がある。すなわち、遊技機が現金機の場合には、遊技媒体投出部を有するユニットを遊技媒体貸出装置に装着し、このユニットと遊技媒体貸出装置の制御部とを接続することにより、ユニットの遊技媒体投出部から遊技媒体を投出して貸し出す仕様とし、一方、遊技機がCR機の場合には、CR機と通信機能を有するユニットを遊技媒体貸出装置に装着し、このユニットと遊技媒体貸出装置の制御部とを接続するとともにユニットとCR機とを接続することにより、CR機から遊技媒体を貸し出す仕様としている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−325643号公報(第7−9頁、図2、図4−6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現金機用に対応したユニットとCR機用に対応したユニットとを遊技媒体貸出装置に対して交換可能とし、遊技媒体貸出装置全体を入れ換えることなく、遊技機の現金機とCR機との入れ換えに対応した遊技媒体貸出装置においても、現金機に対応したユニットとCR機に対応したユニットとをそれぞれ用意して交換しなければならず、仕様変更に容易に対応できない問題がある。
【0006】
また、現金機に対応したユニットとCR機に対応したユニットとの交換作業は遊技店の店員では行えず、設置業者あるいは保守業者などの専門業者が行わなければならない。
【0007】
また、設置業者あるいは保守業者などの専門業者ではなく遊技店の店員でも容易に仕様変更できるように工夫するとしても、設定や遊技機との接続などの仕様変更の作業に誤りが発生することが考えられる。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、遊技機の種類に応じた仕様変更に容易に対応でき、仕様変更の誤りも回避できる遊技媒体貸出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の遊技媒体貸出装置は、遊技媒体を投出する遊技媒体投出部を配置可能とする貸出装置本体と、遊技媒体貸出機能を有する遊技機と接続可能とするインターフェース部と、前記遊技機とインターフェース接続するか否かの設定を切り換える切換スイッチと、前記切換スイッチがインターフェース接続する設定の場合、接続されている遊技機から供給された電圧を変換し、該遊技機へ供給するように指示する制御部とを具備しているものである。
【0010】
請求項2記載の遊技媒体貸出装置は、遊技媒体を投出する遊技媒体投出部を配置可能とする貸出装置本体と、遊技媒体貸出機能を有する遊技機と接続可能とするインターフェース部と、前記遊技機とインターフェース接続するか否かの設定を切り換える切換スイッチと、前記インターフェース部の接続と前記切換スイッチの設定との対応の誤りを通知する通知部と、前記インターフェース部が遊技機と接続されている場合に前記切換スイッチがインターフェース接続しない設定のとき、および前記インターフェース部が遊技機と接続されていない場合に前記切換スイッチがインターフェース接続する設定のとき、前記通知部で誤りを通知させる制御部とを具備しているものである。
【0011】
請求項3記載の遊技媒体貸出装置は、遊技媒体を投出する遊技媒体投出部を配置可能とする貸出装置本体と、遊技媒体貸出機能を有する遊技機と接続可能とするインターフェース部と、前記遊技機とインターフェース接続するか否かの設定を切り換える切換スイッチと、前記インターフェース部が遊技機と接続されている場合に前記切換スイッチがインターフェース接続しない設定のとき、および前記インターフェース部が遊技機と接続されていない場合に前記切換スイッチがインターフェース接続する設定のとき、少なくとも遊技媒体貸出動作を禁止させる制御部とを具備しているものである。
【0012】
請求項4記載の遊技媒体貸出装置は、請求項1ないし3いずれか記載の遊技媒体貸出装置において、制御部は、切換スイッチの設定により貸出装置本体に配置される遊技媒体投出部からの遊技媒体の貸し出しとインターフェース接続される遊技機からの遊技媒体の貸し出しとを切り換えて制御するものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の遊技媒体貸出装置によれば、遊技機の種類に応じた仕様変更をする際に、切換スイッチの設定により、遊技機とインターフェース接続するか否かを切り換えることができ、仕様別に入れ換えや部品の交換などが必要なく、仕様変更に容易に対応できる。しかも、切換スイッチがインターフェース接続する設定の場合のみ、接続されている遊技機から供給された電圧を変換して該遊技機へ供給することができ、切換スイッチがインターフェース接続しない設定の場合には、インターフェース部を遊技機と接続していても、接続されている遊技機から供給された電圧を変換し、該遊技機へ供給することはなく、これにより、インターフェース接続を禁止し、インターフェース部の接続と切換スイッチの設定との対応が誤っている状態での使用を防止できる。したがって、設置業者あるいは保守業者などの専門業者ではなく遊技店の店員であっても、容易かつ正常に仕様変更できる。
【0014】
請求項2記載の遊技媒体貸出装置によれば、遊技機の種類に応じた仕様変更をする際に、切換スイッチの設定により、遊技機とインターフェース接続するか否かを切り換えることができ、仕様別に入れ換えや部品の交換などが必要なく、仕様変更に容易に対応できる。しかも、インターフェース部が遊技機と接続されている場合に切換スイッチがインターフェース接続しない設定のとき、およびインターフェース部が遊技機と接続されていない場合に切換スイッチがインターフェース接続する設定のとき、インターフェース部の接続と切換スイッチの設定との対応の誤りを通知部で通知できる。したがって、設置業者あるいは保守業者などの専門業者ではなく遊技店の店員であっても、誤りなく容易に仕様変更できる。
【0015】
請求項3記載の遊技媒体貸出装置によれば、遊技機の種類に応じた仕様変更をする際に、切換スイッチの設定により、遊技機とインターフェース接続するか否かを切り換えることができ、仕様別に入れ換えや部品の交換などが必要なく、仕様変更に容易に対応できる。しかも、インターフェース部が遊技機と接続されている場合に切換スイッチがインターフェース接続しない設定のとき、およびインターフェース部が遊技機と接続されていない場合に切換スイッチがインターフェース接続する設定のとき、少なくとも遊技媒体貸出動作を禁止し、インターフェース部の接続と切換スイッチの設定との対応が誤っている状態での使用を防止できる。したがって、設置業者あるいは保守業者などの専門業者ではなく遊技店の店員であっても、誤りなく容易に仕様変更できる。
【0016】
請求項4記載の遊技媒体貸出装置によれば、請求項1ないし3いずれか記載の遊技媒体貸出装置の効果に加えて、遊技機の種類に応じた仕様変更する際に、切換スイッチの設定により、貸出装置本体に配置される遊技媒体投出部からの遊技媒体の貸し出しとインターフェース部に接続される遊技機からの遊技媒体の貸し出しとを切り換えることができ、仕様別に入れ換えや部品の交換などが必要なく、仕様変更に容易に対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図2および図3において、11は台間機である遊技媒体貸出装置で、この遊技媒体貸出装置11は、遊技店の遊技島に複数並設される例えばパチンコ機やパチスロ機などの各遊技機の側部に設置され、例えばパチンコ玉やメダルなどの遊技媒体の貸し出しを制御する。なお、この実施の形態では、遊技機がパチスロ機で、遊技媒体がメダルの場合を例にして説明する。
【0019】
遊技機は、メダルの貸出装置を別途必要とする現金機と、遊技中の当たり発生時にメダルを払い出す機能とともにメダルを貸し出す遊技媒体貸出機能を有するCR機10とがある。
【0020】
遊技媒体貸出装置11は、遊技機の台間に設置される貸出装置本体12を備え、この貸出装置本体12の前面には上から順に上部扉13、中央扉14、下部扉15がそれぞれ開閉可能に取り付けられている。
【0021】
上部扉13は、下端を回動可能に軸支され、直立して貸出装置本体12の前面を閉塞する閉塞位置と、上端側が手前側に倒されて貸出装置本体12の前面を開放する開放位置との間で回動可能としている。上部扉13には、上部扉13の閉塞位置でキーによって施錠、開錠する錠機構16、メダルの投出数やエラーコードおよび状態などを表示する通知部としての表示部17が配設されている。この表示部17には、例えばメダルの回収を指令するために店員が係員用リモコンで送信操作する信号を受信する受信部が配置されている。上部扉13は、貨幣としての紙幣を挿入する貨幣挿入口としての紙幣挿入口18が配設されている。
【0022】
中央扉14は、下端が貸出装置本体12に回動可能に軸支され、直立して貸出装置本体12の前面を閉塞する閉塞位置と、上端側が手前側に例えば45°傾斜する傾斜姿勢に倒されて貸出装置本体12の前面を開放する開放位置との間で回動可能としている。中央扉14には、中央扉14の閉塞位置でキーによって施錠、開錠する錠機構19が配設されている。
【0023】
下部扉15は、中央扉14を開放した貸出装置本体12の開口部分を通じて貸出装置本体12の内部の係合箇所を係合解除することにより貸出装置本体12に着脱可能としている。また、下部扉15は、仕様に応じて、メダルを取り出す遊技媒体取出部としてのノズル20を備えた遊技媒体取出用部材としての下部扉15aと、ノズル20を備えない遊技媒体非取出用部材としての下部扉15bとがあり、これら下部扉15a,15bが貸出装置本体12に対して交換可能に取り付けられる。
【0024】
また、上部扉13で開閉される貸出装置本体12内の上部には、貨幣処理部としての紙幣識別収納部23が配置されるとともに、その下側にメダルの貸し出しを制御する制御ユニット24が配置されている。紙幣識別収納部23は、紙幣挿入口18から挿入された紙幣を取り込んで識別し、取扱い対象で正規の紙幣については収納し、取扱い対象外または識別不能な紙幣については紙幣挿入口18に戻して返却する。紙幣識別収納部23に収納した紙幣は、上部扉13を開放して取り出し可能とする。
【0025】
中央扉14で開閉される貸出装置本体12内の中央部には、メダルを受け入れるメダル受入部25が形成されている。
【0026】
下部扉15で開閉される貸出装置本体12内の下部には、遊技媒体投出部としてのメダル投出部26が仕様に応じて着脱可能に配置されるとともに、その下側に遊技媒体貸出装置11の電源を供給する電源部27が配置されている。メダル投出部26は、メダル受入部25から受け入れたメダルを貯留するとともに1枚ずつ投出してノズル20から払い出す。
【0027】
また、図4に示すように、制御ユニット24には、紙幣識別収納部23、メダル投出部26、CR機10、図示しない管理コンピュータなどの上位機、電源部27などと接続される各種のコネクタ33が配設されている。さらに、制御ユニット24には、貸出装置本体12の前面側に近い前側位置に、メダル投出部26からのメダルの貸し出しとCR機10からのメダルの貸し出しとの設定を切り換えるつまり現金機側とCR機側とを切り換える切換スイッチ34が配設されている。
【0028】
また、図1に示すように、制御ユニット24は制御部37を備え、この制御部37には、表示部17、紙幣識別収納部23、CR機10と接続されるインターフェース部38、切換スイッチ34、メダル投出部26、電源部27が接続される。
【0029】
制御部37は、切換スイッチ34の設定により貸出装置本体12に配置されるメダル投出部26からのメダルの貸し出しとインターフェース部38に接続されるCR機10からのメダルの貸し出しとを切り換えて制御する機能、貸出装置本体12に配置される紙幣識別収納部23と通信してメダルの貸し出しを制御する機能を有している。
【0030】
さらに、制御部37は、インターフェース部38に遊技機と接続されているか否かを検知する接続検知手段の機能、切換スイッチ34がCR機側と現金機側とのいずれに設定されているかを検知する設定検知手段の機能を有している。
【0031】
また、制御部37は、切換スイッチ34がインターフェース接続するCR機側の設定の場合にインターフェース接続を許容し、切換スイッチ34がインターフェース接続しない現金機側の設定の場合にインターフェース接続を禁止する機能を有している。
【0032】
また、制御部37は、図5に示すように、インターフェース部38がCR機10と接続されている場合に切換スイッチ34がインターフェース接続しない現金機側の設定のときに、表示部17で切換スイッチ34の設定が誤っている旨を表示させ、さらに、インターフェース部38がCR機10と接続されていない場合に切換スイッチ34がインターフェース接続するCR機側の設定のとき、表示部17でインターフェース接続していない旨を表示させる機能を有している。
【0033】
また、制御部37は、図6に示すように、インターフェース部38がCR機10と接続されている場合に切換スイッチ34がインターフェース接続しない現金機側の設定のとき、およびインターフェース部38がCR機10と接続されていない場合に切換スイッチ34がインターフェース接続するCR機側の設定のとき、遊技媒体貸出装置11の遊技媒体貸出動作やCR機10の使用を禁止させる機能などを有している。この使用禁止は、表示部17での表示と同時に実施する。
【0034】
そして、遊技媒体貸出装置11は、CR機10とインターフェース部38で接続された状態で、インターフェース接続が許容されることにより、CR機10から供給されるAC24Vを電源部27でDC18Vに変換してCR機10へ供給し、CR機10の度数表示やエラーコードなどを表示する表示部などを制御する。これは、切換スイッチ34がCR機側に設定されている場合にのみ行い、切換スイッチ34が現金機側に設定されている場合は電源の変換や供給をしない。
【0035】
次に、遊技媒体貸出装置11の作用を説明する。
【0036】
なお、ここでは、遊技機が現金機の場合で、図2(a)および図3(a)に示すように(なお、CR機10とは接続されない)、遊技媒体貸出装置11が、紙幣識別収納部23およびメダル投出部26などを備えた仕様の場合において説明する。
【0037】
遊技機が現金機の場合には、現金機と制御ユニット24のインターフェース部38とは接続せず、切換スイッチ34の設定を現金機側に切り換えている。
【0038】
まず、店員による遊技媒体貸出装置11の準備作業について説明する。
【0039】
店員が中央扉14の錠機構19をキーで解錠して中央扉14を開放し、メダル受入部25を通じてメダル投出部26にメダルを補給する。補給完了後、中央扉14を閉鎖し、錠機構19をキーで施錠する。このメダル補充作業は、遊技店の開店前に行われるほか、営業中でもメダル投出部26内のメダル収納量が少なくなれば行われる。
【0040】
次に、遊技客による遊技媒体貸出装置11の利用について説明する。
【0041】
遊技客によって紙幣を紙幣挿入口18に挿入し、この挿入された紙幣を紙幣識別収納部23で識別する。識別の結果、取扱い対象でかつ正規の例えば千円紙幣を受け入れて収納し、千円紙幣以外の紙幣や識別不能紙幣などは返却する。
【0042】
紙幣識別収納部23で千円紙幣であると識別すれば、メダル投出部26を駆動して所定枚数のメダルを投出し、ノズル20を通じて払い出されたメダルを遊技者が遊技機で使用する。
【0043】
次に、店員による遊技媒体貸出装置11の後処理作業について説明する。
【0044】
店員が上部扉13の錠機構16をキーで解錠して上部扉13を開放し、紙幣識別収納部23に収納されている紙幣を取り出し、上部扉13を閉塞し、錠機構16をキーで施錠する。この紙幣回収作業は、営業終了後のほか、営業中にも行うこともある。
【0045】
また、メダルも有価物であり、閉店中に残留させることが不安などの理由でメダルを回収する場合には、係員用リモコンを表示部17のリモコン受信部に向けて送信操作することにより、メダル投出部26が収納されている全てのメダルを投出し、ノズル20から払い出されるメダルを回収する。
【0046】
次に、遊技媒体貸出装置11のメダル投出部26で詰まりが発生した場合について説明する。
【0047】
店員が中央扉14の錠機構19をキーで解錠して中央扉14を開放し、中央扉14を開放した貸出装置本体12の開口部分を通じて貸出装置本体12の内部の下部扉15の係合箇所を係合解除することによって下部扉15を取り外す。メダル投出部26を貸出装置本体12から引き出してメダル投出部26での詰まりを解消する。詰まりの解消後、メダル投出部26を貸出装置本体12内に押し込んで戻し、下部扉15を貸出装置本体12に装着し、中央扉14を閉鎖し、錠機構19をキーで施錠する。
【0048】
次に、遊技機が現金機からCR機10に入れ換えた場合の遊技媒体貸出装置11の仕様変更について説明する。
【0049】
CR機10と遊技媒体貸出装置11の制御ユニット24のインターフェース部38とを接続し、制御ユニット24の切換スイッチ34の設定をCR機側に切り換える。
【0050】
図5および図6に示すように、CR機10とインターフェース部38とを接続し、切換スイッチ34の設定をCR機側に切り換えていれば、正常で、表示部17にはエラー表示せず、CR機10および遊技媒体貸出装置11とも使用可能とする。
【0051】
切換スイッチ34がCR機側に設定されても、CR機10とインターフェース部38とが接続されていなければ、表示部17でインターフェース接続していない旨を表示し、遊技媒体貸出装置11を使用禁止とする。この場合、CR機10は、インターフェース接続されていないため、自動的に使用禁止となる。
【0052】
CR機10とインターフェース部38とが接続されていても、切換スイッチ34が現金機側に設定されていれば、表示部17で切換スイッチ34の設定が誤っている旨を表示し、遊技媒体貸出装置11を使用禁止とする。この場合、CR機10とインターフェース部38とが接続されていても、切換スイッチ34が現金機側に設定されているので、インターフェース接続を禁止し、遊技媒体貸出装置11での電源の変換や供給をしない。そのため、CR機10は、インターフェース接続されていないため、自動的に使用禁止となる。
【0053】
そのため、表示部17の表示、CR機10および遊技媒体貸出装置11とも使用禁止となることから、接続や設定に誤りがあることを確認できる。CR機10とインターフェース部38とを接続し、切換スイッチ34の設定をCR機側に切り換えるように誤りを正すことにより、インターフェース接続可能となり、表示部17のエラー表示が消え、CR機10および遊技媒体貸出装置11とも使用可能となる。
【0054】
なお、図2(a)および図3(a)に示すように、ノズル20やメダル投出部26はそのままあってもよい。
【0055】
そして、正常に仕様変更されていれば、遊技者によって挿入された紙幣が紙幣識別収納部23で千円紙幣であると識別すれば、CR機10に所定枚数のメダルを投出するように指令し、その指令を受けたCR機10から所定枚数のメダルを貸し出す。
【0056】
なお、遊技機がCR機10の場合には、遊技媒体貸出装置11に対するメダルの補給や回収などの必要がない。
【0057】
このように、CR機10と遊技媒体貸出装置11の制御ユニット24のインターフェース部38とを接続し、制御ユニット24の切換スイッチ34の設定をCR機側に切り換えるだけで、遊技機の現金機からCR機10への入れ換えに対応でき、遊技媒体貸出装置11の入れ換えや部品の交換などが必要なく、遊技媒体貸出装置11の仕様変更に容易に対応できる。
【0058】
また、遊技媒体貸出装置11からのメダルの貸し出しがなくなるが、ノズル20はそのままあってもよい。また、ノズル20が邪魔になるなどの理由で不要な場合には、図2(b)および図3(b)に示す仕様のように、下部扉15を、ノズル20を備えた下部扉15aから、ノズル20を備えない下部扉15bに交換する。
【0059】
また、メダル投出部26は、ノズル20を備えない下部扉15bに交換した場合であってもそのまま貸出装置本体12内にあってもよい。あるいは、図2(b)および図3(b)に示す仕様のように、メダル投出部26を貸出装置本体12から外してもよい。
【0060】
また、遊技機をCR機10から現金機に入れ換える場合には、図2(a)および図3(a)に示す仕様のように(なお、CR機10は接続されない)、CR機10と遊技媒体貸出装置11の制御ユニット24のインターフェース部38との接続を外し、制御ユニット24の切換スイッチ34の設定を現金機側に切り換える。また、遊技媒体貸出装置11にノズル20やメダル投出部26を備える。
【0061】
図5および図6に示すように、現金機とインターフェース部38との接続を外し、切換スイッチ34の設定を現金機側に切り換えていれば、正常で、表示部17にはエラー表示せず、遊技媒体貸出装置11を使用可能とする。
【0062】
現金機とインターフェース部38とが接続されていなくても、切換スイッチ34がCR機側に設定されていれば、表示部17で切換スイッチ34の設定が誤っている旨を表示し、遊技媒体貸出装置11を使用禁止とする。
【0063】
そのため、表示部17の表示、遊技媒体貸出装置11の使用禁止により、切換スイッチ34の設定に誤りがあることを確認できる。切換スイッチ34の設定を現金機側に切り換えるように誤りを正すことにより、表示部17のエラー表示が消え、遊技媒体貸出装置11が使用可能となる。
【0064】
したがって、遊技媒体貸出装置11は、図2(a)(b)および図3(a)(b)に示す各仕様に容易に仕様変更できる。図2(a)および図3(a)に示す仕様では、紙幣識別収納部23、ノズル20およびメダル投出部26などを備え、遊技機が現金機とCR機10とのいずれにも切り換えて対応可能とし、また、図2(b)および図3(b)に示す仕様では、紙幣識別収納部23などは備えるが、ノズル20およびメダル投出部26などは外され、遊技機がCR機10の場合に対応可能とする。
【0065】
このように、遊技媒体貸出装置11は、遊技機の種類に応じた仕様変更する際に、遊技機に対するインターフェース部38の接続の有無と切換スイッチ34の設定の切り換えとのみにより、貸出装置本体12に配置されるメダル投出部26からのメダルの貸し出しとインターフェース部38に接続されるCR機10からのメダルの貸し出しとを切り換えることができ、遊技媒体貸出装置11の入れ換えや部品の交換などが必要なく、遊技媒体貸出装置11の仕様変更に容易に対応できる。
【0066】
しかも、切換スイッチ34が現金機側に設定されている場合には、CR機10とインターフェース部38とを接続していても、接続されているCR機10から供給された電圧を変換して該CR機10へ供給することはなく、これにより、インターフェース接続を禁止し、インターフェース部38の接続と切換スイッチ34の設定との対応が誤っている状態での使用を防止できる。
【0067】
さらに、インターフェース部38がCR機10と接続されている場合に切換スイッチ34が現金機側に設定されているとき、およびインターフェース部38がCR機10と接続されていない場合に切換スイッチ34がCR機側に設定されているとき、インターフェース部38の接続と切換スイッチ34の設定との対応の誤りを表示部17で通知でき、また、CR機10および遊技媒体貸出動作11の使用を禁止し、インターフェース部38の接続と切換スイッチ34の設定との対応が誤っている状態での使用を防止できる。
【0068】
したがって、設置業者あるいは保守業者などの専門業者ではなく遊技店の店員であっても、誤りなく容易に仕様変更できる。
【0069】
なお、前記実施の形態では、遊技機がCR機10の場合には遊技媒体は遊技機から投出され、現金機の場合には遊技媒体貸出装置から投出されるようにしたが、遊技媒体の投出はこれに限定されず、どちらから投出するようにしてもよい。
【0070】
また、CR機の場合は、遊技機と遊技媒体貸出装置がインターフェース接続されていればよい。
【0071】
また、遊技媒体貸出装置で貸し出し制御する遊技媒体としては、パチスロ機に対応したメダルに限らず、パチンコ機に対応したパチンコ玉でもよい。
【0072】
また、遊技機としては、パチスロ機やパチンコ機に限らず、パチスロ機のメダルの代わりにパチンコ玉を使用する所謂パロット機でもよい。
【0073】
また、貨幣処理部は、紙幣に限らず、硬貨を受け入れて処理してもよく、あるいは貨幣価値を有するカードを受け入れて処理してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施の形態を示す遊技媒体貸出装置のブロック図である。
【図2】同上遊技媒体貸出装置の断面図であって(a)(b)に仕様別に示す断面図である。
【図3】同上遊技媒体貸出装置の斜視図であって(a)(b)に仕様別に示す斜視図である。
【図4】同上遊技媒体貸出装置の制御ユニットの斜視図である。
【図5】同上遊技媒体貸出装置の切換スイッチの設定とインターフェース接続とに関連した表示について示す表である。
【図6】同上遊技媒体貸出装置の切換スイッチの設定とインターフェース接続とに関連した使用動作について示す表である。
【符号の説明】
【0075】
10 遊技機としてのCR機
11 遊技媒体貸出装置
12 貸出装置本体
17 通知部としての表示部
26 遊技媒体投出部としてのメダル投出部
34 切換スイッチ
37 制御部
38 インターフェース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体を投出する遊技媒体投出部を配置可能とする貸出装置本体と、
遊技媒体貸出機能を有する遊技機と接続可能とするインターフェース部と、
前記遊技機とインターフェース接続するか否かの設定を切り換える切換スイッチと、
前記切換スイッチがインターフェース接続する設定の場合、接続されている遊技機から供給された電圧を変換し、該遊技機へ供給するように指示する制御部と
を具備していることを特徴とする遊技媒体貸出装置。
【請求項2】
遊技媒体を投出する遊技媒体投出部を配置可能とする貸出装置本体と、
遊技媒体貸出機能を有する遊技機と接続可能とするインターフェース部と、
前記遊技機とインターフェース接続するか否かの設定を切り換える切換スイッチと、
前記インターフェース部の接続と前記切換スイッチの設定との対応の誤りを通知する通知部と、
前記インターフェース部が遊技機と接続されている場合に前記切換スイッチがインターフェース接続しない設定のとき、および前記インターフェース部が遊技機と接続されていない場合に前記切換スイッチがインターフェース接続する設定のとき、前記通知部で誤りを通知させる制御部と
を具備していることを特徴とする遊技媒体貸出装置。
【請求項3】
遊技媒体を投出する遊技媒体投出部を配置可能とする貸出装置本体と、
遊技媒体貸出機能を有する遊技機と接続可能とするインターフェース部と、
前記遊技機とインターフェース接続するか否かの設定を切り換える切換スイッチと、
前記インターフェース部が遊技機と接続されている場合に前記切換スイッチがインターフェース接続しない設定のとき、および前記インターフェース部が遊技機と接続されていない場合に前記切換スイッチがインターフェース接続する設定のとき、少なくとも遊技媒体貸出動作を禁止させる制御部と
を具備していることを特徴とする遊技媒体貸出装置。
【請求項4】
制御部は、切換スイッチの設定により貸出装置本体に配置される遊技媒体投出部からの遊技媒体の貸し出しとインターフェース接続される遊技機からの遊技媒体の貸し出しとを切り換えて制御する
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の遊技媒体貸出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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