説明

遊技履歴管理システム

【課題】遊技者の画像を用いて認証することにより遊技者毎の遊技履歴を管理すること。
【解決手段】遊技機2、画像撮影手段3、ホールコンピュータ10、並びに遊技機情報データベース13を備えた遊技履歴管理システムである。この遊技履歴管理システムには、ホールコンピュータ10と接続されるデータ交換ゲートウェイ装置11と、データ交換ゲートウェイ装置11に設けられ、ホールコンピュータ10が、遊技機情報データベース13の内容をコピーする遊技機情報データベース(コピー)15と、データ交換ゲートウェイ装置11を介して遊技機情報データベース(コピー)15に接続され、この遊技機情報データベース(コピー)15から遊技機2の遊技機情報を収集するとともに、画像撮影手段3で撮影された遊技者の画像から遊技者を識別し、遊技機情報データベース(コピー)15の遊技機情報から遊技者毎の遊技履歴を算出して、識別された遊技者毎に遊技履歴を管理する遊技履歴蓄積手段12とが後付けされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者を認証することにより遊技者毎の遊技履歴を管理することができる遊技履歴管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場等に設置される遊技機(例えば、パチンコ機)は、遊技場の特定の場所(管理者のみが入室可能な管理室等)に設置されている管理用電子装置(「ホールコンピュータ」と呼ばれている)に接続され、このホールコンピュータが遊技場に設置されている多数のパチンコ機を統括管理するとともに、各パチンコ機の出球データ等の遊技情報を管理運用している。このようなパチンコ機に代表される遊技機は、外部からの不正操作を防止するために、ホールコンピュータによる管理のために限定された信号のみが出力可能に構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−170246号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、各遊技機の遊技情報(出球情報等)はホールコンピュータで収集することができるが、これらの情報は遊技機毎に収集管理するように構成されており、その遊技機で遊技を行った遊技者毎の遊技情報(遊技履歴)が取得できないという課題があった。例えば、貯球管理を行うために会員カードを発行し、遊技機でこの会員カードを読み込ませることにより遊技者を識別することはできるが、この会員カードの読み取り操作が煩わしく、全ての遊技者にこの操作を強制することはできていない。また、会員カードを読み込ませて識別したとしても、会員以外の遊技者、すなわち、会員カードを所有していない遊技者を識別することはできないという課題もあった。
【0004】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、遊技者の顔画像を用いて認証することにより遊技者毎の遊技履歴を管理することができる遊技履歴管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明に係る遊技履歴管理システムは、遊技機(例えば、実施形態におけるパチンコ機2)と、前記遊技機で遊技をしている遊技者の画像を撮影する画像撮影手段(例えば、実施形態における顔画像撮影装置3)と、前記遊技機の遊技機情報(例えば、アウト球の数、賞球の数、特賞の回数、確変の回数、売上げの額、および、スタート回数)を収集するホールコンピュータと、前記ホールコンピュータが収集した遊技機情報を管理する遊技機情報データベースとを備えた遊技履歴管理システムにおいて、前記ホールコンピュータと接続されるデータ交換ゲートウェイ装置と、前記データ交換ゲートウェイ装置に設けられ、前記ホールコンピュータによって前記遊技機情報データベースの内容がコピーされる遊技機情報データベース(コピー)と、前記データ交換ゲートウェイ装置を介して前記遊技機情報データベース(コピー)に接続され、この遊技機情報データベース(コピー)から前記遊技機の遊技機情報を収集するとともに、前記画像撮影手段で撮影された前記遊技者の画像から前記遊技者を識別し、前記遊技機情報データベース(コピー)の前記遊技機情報から前記遊技者毎の遊技履歴を算出して、識別された前記遊技者毎に前記遊技履歴を管理する遊技履歴蓄積手段(例えば、実施形態における顔認証装置12)とを備えている。
【0006】
このような本発明に係る遊技履歴管理システムにおいて、前記遊技者の氏名を含む属性情報(氏名、住所、年齢、性別等)が対応づけられた登録者識別情報(例えば、実施形態における会員マスタID)を記憶する会員マスタデータベースと、前記データ交換ゲートウェイ装置に設けられ、前記会員マスタデータベースの内容がコピーされる会員マスタデータベース(コピー)とをさらに備え、前記ホールコンピュータは、前記データ交換ゲートウェイ装置を介して前記会員マスタデータベースの内容を前記会員マスタデータベース(コピー)にコピーするものであり、前記遊技履歴蓄積手段は、前記会員マスタデータベース(コピー)の前記登録者識別情報に基づいて、前記遊技者毎の遊技履歴を算出して、識別された前記遊技者毎に前記遊技履歴を管理するものであることが好ましい。
【0007】
また、記遊技者の画像から抽出される特徴点を、当該特徴点を一意に識別する画像識別情報並びに当該遊技者の前記登録者識別情報と対応づけて管理する特徴点管理手段(例えば、実施形態における顔情報データベース17)と、前記画像撮影手段で撮影された前記遊技者の画像から特徴点を抽出する識別情報抽出手段(例えば、実施形態における顔認証装置12)とをさらに備え、前記遊技履歴蓄積手段は、前記識別情報抽出手段によって抽出された特徴点を前記特徴点管理手段から検索し、検索している特徴点が前記特徴点管理手段にない場合には、新たな画像識別情報を発行して、この新たな画像識別情報と抽出された特徴点とを対応づけて前記特徴点管理手段に記憶させ、前記遊技機データベース(コピー)の前記遊技機情報から前記新たな画像識別情報毎の遊技履歴を算出して、当該新たな画像識別情報毎に前記遊技履歴を管理する一方、前記識別情報抽出手段によって抽出された特徴点を前記特徴点管理手段から検索した際に、検索している特徴点が前記特徴点管理手段にある場合には、当該特徴点に対応する登録者識別情報を前記会員マスタデータベース(コピー)から読み出すとともに、読み出された登録者識別情報に係る前記遊技者を識別し、前記遊技機データベース(コピー)の前記遊技機情報から前記遊技者毎の遊技履歴を算出して、識別された前記遊技者毎に前記遊技履歴を管理するものであることが好ましい。
【0008】
また、このような本発明に係る遊技履歴管理システムは、遊技者の登録者識別情報を入力させる手段を含み、前記登録者識別情報を入力した遊技者の画像から特徴点を抽出し、この特徴点が、前記特徴点管理手段で管理されていないときは、新たな画像識別情報を発行し、前記登録者識別情報を入力した遊技者の画像に係る特徴点を前記新たな画像識別情報と対応付けて前記特徴点管理手段に登録する端末装置(例えば、実施形態における受付キオスク端末装置5)を有するものであることが好ましい。
【0009】
さらに、前記端末装置が、前記登録者識別情報を入力した遊技者の画像に係る特徴点が前記特徴点管理手段で管理されているときは、当該特徴点に係る画像識別情報が前記会員マスタデータベース(コピー)の前記登録者識別情報と対応づけて管理されているか否かを判別し、前記登録者識別情報と対応づけて管理されていないときは、前記遊技者により入力された前記登録者識別情報を、前記登録者識別情報を入力した遊技者の画像に係る特徴点と対応づけられた画像識別情報と対応付けて前記特徴点管理手段に登録するように構成されることが好ましい。
【0010】
なお、このような本発明に係る遊技履歴管理システムにおいて、前記画像が、前記遊技者の顔を含む画像であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る遊技履歴管理システムを以上のように構成すると、本発明に係る遊技履歴管理システムを以上のように構成すると、遊技者の特定をその遊技者の画像(例えば、顔のキャプチャ画像)から抽出される特徴点により行うことにより、遊技者に特別の操作をさせなくてもこの遊技者を特定することができ、遊技者毎に遊技履歴を管理することができる。しかも、前記ホールコンピュータの管理する遊技機情報データベースおよび会員マスタデータベースに遊技履歴蓄積手段から直接アクセスされることがないため、セキュリティを向上させることができる。
【0012】
なお、遊技者の属性情報を特徴点とともに管理することにより、遊技履歴管理手段(遊技履歴データベース18)に蓄積された遊技履歴をその遊技者に提供するサービスを実現できるとともに、遊技者の属性情報でこれらの遊技履歴を分析することができるので、より魅力的な遊技を提供して収益を向上させることができる。このとき、既に画像識別情報および特徴点と対応付けて管理されている遊技履歴も、そのまま遊技者の属性情報と対応付けられるため、この対応付けを行う前の遊技履歴も遊技者の属性情報で分析することができる。
【0013】
また、遊技者を特定するために撮影される画像は、その遊技者の顔を含む画像とすることにより、顔の部分から特徴点を容易に抽出することができ、精度良く遊技者の特定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る遊技履歴管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】顔認証および遊技履歴記憶処理を示すフローチャートである。
【図3】会員情報対応付け処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1および図2を用いて本発明に係る遊技履歴管理システム1の構成について説明する。なお、本実施例において、この遊技履歴管理システム1を遊技機としてパチンコ機に適用した場合について説明する。この遊技履歴管理システム1は、パチンコ機2、このパチンコ機2毎に対応付けて取り付けられる顔画像撮影装置3、パチンコ機2における遊技機情報を収集するとともに、顔画像撮影装置3で撮影された遊技者の顔画像から遊技者を特定し、遊技機情報を用いてこの遊技者毎の遊技履歴を管理する管理装置4、遊技者の登録を行う受付キオスク端末装置5、および、遊技機2の左側側部に取り付けられる遊技媒体貸出装置6から構成される。なお、顔画像撮影装置3は、遊技者の顔画像を撮影するカメラ3aとこのカメラ3aで撮影された画像をキャプチャするキャプチャ装置3bとから構成され、カメラ3aは、遊技の邪魔にならず、且つ、遊技者の顔画像が鮮明に撮影できる位置、例えば、遊技媒体貸出装置6の上部に取り付けられている。
【0016】
管理装置4は、台端末装置8、島管理装置9、ホールコンピュータ10、データ交換ゲートウェイ装置11、および、顔認証装置12から構成される。パチンコ機2は、遊技機の状態、すなわち、賞球が払い出されたとき、特賞(大当たり)になったときや、確変状態になったとき、また、始動口に遊技球が入賞して図柄の変動がスタートしたときに、信号線7からパルス信号を外部に出力するように構成されており、これらの情報は、台端末装置8および島管理装置9を介してホールコンピュータ10に出力される。また、遊技媒体貸出装置6に紙幣又は硬貨が投入されて遊技球が貸し出されたとき(売上げがあったとき)に、その情報が台端末装置8および島管理装置9を介してホールコンピュータ10に出力される。さらに、パチンコ機2から遊技済み球として排出されたアウト球は、島側で計数され、台端末装置8および島管理装置9を介してホールコンピュータ10に出力される。なお、これらの情報(賞球の数、特賞の回数、確変の回数、スタート回数、売上げの額、および、アウト球の数であって、以降の説明では「遊技機情報」と呼ぶ)は、所定の時間間隔(例えば、1分周期)でホールコンピュータ10により読み出され、パチンコ機2毎に遊技機情報データベース13に記憶されるように構成されている。この遊技機情報データベース13は、パチンコ機2の識別情報(ここでは、パチンコ機2毎に番号を付し、これを「台番号」と呼ぶ)をキーに、上述の遊技機情報が1レコードとして管理されており、読み出された遊技機情報によりこのレコードが更新されるように構成されている。
【0017】
また、ホールコンピュータ10は、会員マスタデータベース14を有している。この会員マスタデータベース14は、会員を識別する情報(ここでは、「会員マスタID」と呼ぶ)に対応付けて、貯球情報や会員の属性情報(氏名、住所、年齢、性別等)が記憶されている。なお、本実施例においては、貯球情報の管理については本発明の対象外であるため説明を省略し、また、会員マスタIDおよび会員の属性情報は予めこの会員マスタデータベース14に登録されているものとして説明する。
【0018】
データ交換ゲートウェイ装置11は、ホールコンピュータ10および顔認証装置12に接続されており、ホールコンピュータ10で管理されている遊技機情報データベース13と会員マスタデータベース14を顔認証装置12で利用可能にするものである。具体的には、このデータ交換デートウェイ装置11は、遊技機情報データベース(コピー)15、および、会員マスタデータベース(コピー)16を有しており、ホールコンピュータ10が、遊技機情報データベース13の内容を例えば1分周期で遊技機情報データベース(コピー)15にコピーし、会員マスタデータベース14の内容を例えば30分周期で会員マスタデータベース(コピー)16にコピーするように構成されている。このように構成することにより、ホールコンピュータ10の管理する遊技機情報データベース13および会員マスタデータベース14に顔認証装置12から直接アクセスされることがないため、セキュリティを向上させることができる。
【0019】
顔認証装置12は、パチンコ機2で遊技をしている遊技者の顔画像(顔を含むその付近の画像)からその遊技者を特定し、その遊技者の遊技履歴を収集管理する装置である。遊技者の特定には、顔画像撮影装置3のカメラ3aにより、パチンコ機2の前に座って遊技をしている遊技者の顔画像を撮影してキャプチャ装置3bでキャプチャし、このキャプチャ画像から遊技者の顔の特徴部分(遊技者個人を認証するための情報であって以降の説明では「特徴点」と呼ぶ)を抽出する。そして、この特徴点が管理されている顔情報データベース17からその特徴点の識別情報(特徴点を一意に識別するための情報であって、以降の説明では「顔情報ID」と呼ぶ)を検索し、顔情報ID毎に遊技の履歴をデータ交換ゲートウェイ装置7で管理されている遊技機情報データベース(コピー)15を用いて集計して遊技履歴データベース18に記憶するように構成されている。
【0020】
それでは、顔認証装置12における遊技者の顔認証および遊技履歴記憶処理について、図2を用いて説明する。顔認証装置12は、データ交換ゲートウェイ装置11で管理されている遊技機情報データベース(コピー)15を所定の間隔(例えば、1分周期)で取り出し、前回取り出した遊技機情報と今回取り出した遊技機情報との間に差異がある遊技機2を監視している(ステップS100)。そして、差異を検出するとそのパチンコ機2において、遊技が開始されたのか、終了したのかの判定を行う(ステップS101)。この判定方法としては、例えば、遊技機情報のアウト球数が増加し始めたときを遊技の開始と判定し、アウト球数の増加が停止したときを遊技の終了と判定する。あるいは、遊技の開始については、遊技機情報の売上額が増加しときを判断基準とすることもできる。
【0021】
上述のステップS101で遊技の開始と判断されたときは、まず、顔画像撮影装置3から遊技者の顔部分のキャプチャ画像を取得する(ステップS102)。そして、このキャプチャ画像から特徴点を抽出し(ステップS103)、この特徴点をキーにして顔情報データベース17を検索し(ステップS104)、その特徴点を有する情報が顔情報データベース17に登録されているか否かを判定する(ステップS105)。顔情報データベース17に、キャプチャ画像から抽出した特徴点が登録されている場合は、その顔情報IDを取り出す(ステップS106)。一方、この特徴点が登録されていない場合は、新しい顔情報ID(これを「仮ID」と呼ぶ)を発行し、発行された仮IDと抽出された特徴点とを対応付けて顔情報データベース17に記憶させる(ステップS107)。そして、取り出された顔情報ID若しくは仮IDと、ステップS100で状態変化が検出されたときの台番号および前回取り出した遊技機情報とを対応付けて開始時遊技機情報として一時的に記憶する(ステップS108)。
【0022】
一方、ステップS101で遊技の終了と判断されたときは、そのときの台番号および遊技機情報とを対応づけて終了時遊技機情報として一時的に記憶し(ステップS109)、上述のステップS108で一時的に記憶した開始時遊技機情報のうち、この台番号に対応する開始時遊技機情報と、ステップS109で一時的に記憶した終了時遊技機情報との差分を算出し、顔情報ID若しくは仮IDに対応付けて台番号およびこの差分を遊技履歴データベース18に蓄積させる。すなわち、開始時遊技機情報と終了時遊技機情報との差分を取ることにより、顔画像のキャプチャ画像から認証された遊技者毎の遊技履歴(遊技をしたパチンコ機2の台番号、開始から終了までの間に投入した遊技球の数、賞球の数、特賞回数、確変回数、売上額、スタート回数等)を取得することができ、この遊技履歴が遊技者毎(顔情報ID若しくは仮ID毎)に遊技履歴データベース18に蓄積される。
【0023】
このように、遊技者の特定をその遊技者の顔画像(キャプチャ画像)から抽出される特徴点により行うことにより、遊技者に特別の操作をさせなくてもこの遊技者を特定することができ、遊技者毎に管理することができる。また、遊技者自身が登録作業をしていなくても、顔情報データベース17に特徴点が登録されていないときは、自動的に顔画像IDの仮IDを発行してこの特徴点を管理し、さらに仮IDに対応付けて遊技履歴を管理するため、すべての遊技者の遊技履歴をその遊技者毎に取得することができる。
【0024】
以上のように、本実施例に係る遊技履歴管理システム1においては、遊技者が登録をしなくても遊技者毎の遊技履歴を取得することができるが、例えば、これらの履歴情報を遊技者に提供することにより遊技場のサービスを向上する場合等には遊技者情報の登録が必要である。上述のようにこのような遊技場では、ホールコンピュータ10に会員マスタデータベース14を設け、会員登録をした会員の属性情報をこの会員マスタデータベース14で管理するとともに、会員のID(上述の会員マスタID)が記憶された磁気カード等を発行し、この磁気カードを用いて遊技で獲得した遊技球を貯めておくシステム等が開発されており、このシステムと連係することにより、本遊技履歴管理システム1で管理される情報(顔画像の特徴点、顔情報ID、および、遊技履歴)に会員情報(会員マスタデータベース14で管理されている情報)を連係させることができる。
【0025】
この会員マスタデータベース14(実際には会員マスタデータベース(コピー)16)に登録されている会員マスタIDおよび会員情報と顔情報IDとの対応付けは、上述の受付キオスク端末装置5を用いて行われる。それでは、図3を用いて顔画像による認証情報に会員情報を対付ける処理について説明する。なお、受付キオスク端末装置5には、初めて利用する遊技者の顔画像を撮影するために、上述の顔画像撮影装置3と同様の装置19が設けられている(図1ではカメラだけを示し、キャプチャ装置は省略する)。また、上述のようにホールコンピュータ10の会員マスタデータベース14には予め会員マスタIDおよび会員情報が登録されているものとし、利用者は、会員を識別するために会員マスタIDが記憶された会員カードを所有しているものとして説明を行う。
【0026】
まず、利用者(登録をしようとする上述の遊技者)は、受付キオスク端末装置19のユーザインタフェースにて会員登録を選択する(ステップS200)。例えば、この受付キオスク端末装置19のタッチパネル式のディスプレイ等を操作することにより選択する。そして、会員マスタIDを受付キオスク端末装置5に入力する(ステップS201)。上述のように本実施例では利用者は会員カードを所有しているため、これを受付キオスク端末装置5に読み取らせ、会員マスタIDを入力する。すると、顔画像撮像装置19によりこの受付キオスク端末装置5の前で操作している利用者の顔画像が撮影されてキャプチャされる(ステップS202)。そして、このキャプチャ画像から特徴点を抽出し(ステップS203)、この特徴点をキーにして顔情報データベース17を検索し(ステップS204)、この特徴点が登録されているか否かを調べる(ステップS205)。
【0027】
ステップS205でこの特徴点が既に顔情報データベース17に登録されていると判断したときは、上述の顔認証および遊技履歴記憶処理のステップS107において、パチンコ機2を遊戯する遊技者としてその特徴点が仮IDとともに登録されているため、仮IDであるか否かを調べ(ステップS206)、仮IDであるときは(すなわち、会員マスタIDが対応付けられていないときは)、顔情報データベース17においてこの仮IDが示すレコードに、ステップS201で会員カードから読み込んだ会員マスタIDを記憶させて、仮IDを本登録されたIDとする(ステップS207)。仮IDでない場合は、すでに会員マスタIDと対応付けられて本登録されたIDとされているため、そのまま処理を終了する。
【0028】
一方、ステップS205において、特徴点が顔情報データベース17に登録されていないと判断したときは、顔情報IDを新たに発行し、この顔情報IDに上述のステップS203で抽出した特徴点とステップS201で会員カードから読み出した会員マスタIDとを対応付けて顔情報データベース17に本登録する(ステップS208)。
【0029】
なお、上述のステップS207およびステップS208において、顔情報データベース17に会員マスタIDを登録するときに、その会員マスタIDをキーにしてデータ交換ゲートウェイ装置11の会員マスタデータベース(コピー)16を検索し、その利用者(会員)の属性情報を読み出して、顔情報データベース17に登録するように構成することが好ましい。
【0030】
このように、既にホールコンピュータ10で管理されている会員マスタデータベース14の情報を顔情報データベース17の顔情報IDに対応付けて管理することにより、遊技履歴データベース18に蓄積された遊技履歴をその遊技者に提供するサービスを実現できるとともに、利用者の属性情報でこれらの遊技履歴を分析することができるので、より魅力的な遊技を提供して収益を向上させることができる。このとき、既に顔情報IDの仮IDが発行されて特徴点が対応付され、この仮IDに対応付けて遊技履歴が管理されている場合、その遊技履歴もそのまま遊技者の会員マスタID(属性情報)と対応付けられるため、この対応付けを行うまえの遊技履歴も遊技者に提供できるとともに、遊技者の属性情報で分析することができる。なお、以上の実施例においては、顔情報IDと会員マスタIDとの対応付けを受付キオスク端末装置5で行った場合について説明したが、パチンコ機2に取り付けられている顔画像取得装置3を用いて行うことも可能である。
【0031】
以上説明したように、本発明に係る遊技履歴管理システム1は、利用者自らが会員登録をしなくても、顔画像のキャプチャ画像からその利用者の特徴点を抽出して認証するように構成されているため、各パチンコ機2毎に、且つ、遊技者毎に利用履歴を取得することができる。そのため、例えば、遊技履歴データベース18に記憶された履歴から、あるパチンコ機2で何人の遊技者が遊技を行ったかを算出し、また、当日に認証を行った会員および非会員(会員マスタデータベース14に登録されていない利用者)の来店客数を記憶しており、それらのデータから、1台辺りの遊技人数と、店舗への来客定数を算出し、ホールコンピュータ10に送信する。すると、ホールコンピュータ10は、そのデータを元に次の式(1)により客単価が求められ、式(2)により平均稼働時間を求めることができる。
【0032】
客単価 = 総売上 / 来店客数 (1)
平均稼働時間 = (アウト球/100) / 1台当たりの遊技人数 (2)
なお、以上の実施例では、遊技履歴管理システム1を構成する管理装置4を、複数の装置(ホールコンピュータ10等)で構成した場合について説明したが、これらの装置を1台の装置で構成することも可能である。
【0033】
また、以上の実施例においては、遊技機としてパチンコ機2に適用した場合について説明したが、本発明がこの実施例に限定されることはなく、例えば、スロットマシンに適用することもできる。この場合、スロットマシンから出力される遊技機情報としては、メダルが払い出されたときや、各種ボーナス(レギュラー、ビッグ、チャレンジ、ミドルボーナス等)になったときの情報が出力される。また、アウトメダルや遊技媒体貸出装置6からの情報は、上述のパチンコ機2の場合と同様である。
【符号の説明】
【0034】
1 遊技履歴管理システム
2 パチンコ機(遊技機)
3 顔画像撮影装置(画像撮影手段)
4 管理装置
5 受付キオスク端末装置(端末装置)
10 ホールコンピュータ(遊技機情報収集手段)
12 顔認証装置(識別情報抽出手段、遊技履歴蓄積手段)
14 会員マスタデータベース(属性情報管理手段)
17 顔情報データベース(特徴点管理手段)
18 遊技履歴データベース(遊技履歴管理手段)
19 顔画像撮影装置(画像撮影手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機と、
前記遊技機で遊技をしている遊技者の画像を撮影する画像撮影手段と、
前記遊技機の遊技機情報を収集するホールコンピュータと、
前記ホールコンピュータが収集した遊技機情報を管理する遊技機情報データベースと
を備えた遊技履歴管理システムにおいて、
前記ホールコンピュータと接続されるデータ交換ゲートウェイ装置と、
前記データ交換ゲートウェイ装置に設けられ、前記ホールコンピュータによって前記遊技機情報データベースの内容がコピーされる遊技機情報データベース(コピー)と、
前記データ交換ゲートウェイ装置を介して前記遊技機情報データベース(コピー)に接続され、この遊技機情報データベース(コピー)から前記遊技機の遊技機情報を収集するとともに、前記画像撮影手段で撮影された前記遊技者の画像から前記遊技者を識別し、前記遊技機情報データベース(コピー)の前記遊技機情報から前記遊技者毎の遊技履歴を算出して、識別された前記遊技者毎に前記遊技履歴を管理する遊技履歴蓄積手段と
を備えている遊技履歴管理システム。
【請求項2】
前記遊技者の氏名を含む属性情報が対応づけられた登録者識別情報を記憶する会員マスタデータベースと、
前記データ交換ゲートウェイ装置に設けられ、前記会員マスタデータベースの内容がコピーされる会員マスタデータベース(コピー)と
をさらに備え、
前記ホールコンピュータは、前記データ交換ゲートウェイ装置を介して前記会員マスタデータベースの内容を前記会員マスタデータベース(コピー)にコピーするものであり、
前記遊技履歴蓄積手段は、前記会員マスタデータベース(コピー)の前記登録者識別情報に基づいて、前記遊技者毎の遊技履歴を算出して、識別された前記遊技者毎に前記遊技履歴を管理するものである
請求項1記載の遊技履歴管理システム。
【請求項3】
前記遊技者の画像から抽出される特徴点を、当該特徴点を一意に識別する画像識別情報並びに当該遊技者の前記登録者識別情報と対応づけて管理する特徴点管理手段と、
前記画像撮影手段で撮影された前記遊技者の画像から特徴点を抽出する識別情報抽出手段と
をさらに備え、
前記遊技履歴蓄積手段は、前記識別情報抽出手段によって抽出された特徴点を前記特徴点管理手段から検索し、検索している特徴点が前記特徴点管理手段にない場合には、新たな画像識別情報を発行して、この新たな画像識別情報と抽出された特徴点とを対応づけて前記特徴点管理手段に記憶させ、前記遊技機データベース(コピー)の前記遊技機情報から前記新たな画像識別情報毎の遊技履歴を算出して、当該新たな画像識別情報毎に前記遊技履歴を管理する一方、前記識別情報抽出手段によって抽出された特徴点を前記特徴点管理手段から検索した際に、検索している特徴点が前記特徴点管理手段にある場合には、当該特徴点に対応する登録者識別情報を前記会員マスタデータベース(コピー)から読み出すとともに、読み出された登録者識別情報に係る前記遊技者を識別し、前記遊技機データベース(コピー)の前記遊技機情報から前記遊技者毎の遊技履歴を算出して、識別された前記遊技者毎に前記遊技履歴を管理するものである
請求項2記載の遊技履歴管理システム。
【請求項4】
遊技者の登録者識別情報を入力させる手段を含み、前記登録者識別情報を入力した遊技者の画像から特徴点を抽出し、この特徴点が、前記特徴点管理手段で管理されていないときは、新たな画像識別情報を発行し、前記登録者識別情報を入力した遊技者の画像に係る特徴点を前記新たな画像識別情報と対応付けて前記特徴点管理手段に登録する端末装置を有する
請求項3に記載の遊技履歴管理システム。
【請求項5】
前記端末装置が、前記登録者識別情報を入力した遊技者の画像に係る特徴点が前記特徴点管理手段で管理されているときは、当該特徴点に係る画像識別情報が前記会員マスタデータベース(コピー)の前記登録者識別情報と対応づけて管理されているか否かを判別し、前記登録者識別情報と対応づけて管理されていないときは、前記遊技者により入力された前記登録者識別情報を、前記登録者識別情報を入力した遊技者の画像に係る特徴点と対応づけられた画像識別情報と対応付けて前記特徴点管理手段に登録するように構成された請求項4に記載の遊技履歴管理システム。
【請求項6】
前記画像が、前記遊技者の顔を含む画像である請求項1〜5のいずれか一項に記載の遊技履歴管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−196546(P2012−196546A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−162804(P2012−162804)
【出願日】平成24年7月23日(2012.7.23)
【分割の表示】特願2006−279630(P2006−279630)の分割
【原出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000182616)JCMシステムズ株式会社 (46)
【出願人】(599094624)株式会社システム エイ・ブイ (2)
【Fターム(参考)】