説明

遊技情報管理装置

【課題】遊技開始時の一般非実行期間と遊技中の特別非実行期間とが存在することに着目し、遊技者のストレス度合いを如実に示す遊技情報を管理し得る遊技情報管理装置を提供する。
【解決手段】管理装置は、遊技機側から出力される遊技信号である遊技機が稼動状態であるのか非稼動状態であるのかを特定可能な稼動信号に基づいて、遊技機が稼動状態である旨が特定されている状態で非実行状態である旨が特定されている期間である非実行期間の内、更に遊技開始が特定されてから実行状態である旨が特定されるまでの期間である一般非実行期間を除いた特別非実行期間、及び、当該特別非実行期間となった回数である特別非実行回数のうち、少なくとも一方である特別非実行情報を保留情報として管理し、表示出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機から出力される遊技信号に基づいて遊技情報を管理する遊技情報管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機(以下、単に遊技機と称する)の遊技情報を管理する場合、図柄変動等の単位遊技の保留状態を管理すれば、例えば保留数が無い状態、即ち図柄変動を行っていない期間や、保留数毎の図柄変動時間等を管理出来、遊技者の不快度や、遊技機の遊技傾向等を把握出来、有意である。そこで、例えば特許文献1では、始動口に入賞したことを示す始動入賞信号(始動入賞パルス)と、図柄変動が行われたことを示す図柄変動信号(変動開始パルス)とを利用して保留状態を管理し、図柄変動を開始するまでの期間を管理することが提案されている。
【0003】
さて、遊技者が遊技する場合、遊技開始時には図柄変動が当然にして行われておらず、始動入賞するまでの期間は無変動状態となる(以下、この期間を一般非実行期間と称する)。一方、遊技中に図柄変動が実行され、図柄変動の保留がないまま(始動入賞が発生しないまま)その図柄変動が終了した場合にも、無変動状態になり得る(以下、この期間を特別非実行期間と称する)。この場合、一般非実行期間については遊技開始時に必ずと言ってよいほど発生する期間であり、遊技者にストレスを与え難い非実行期間(図柄変動が行われていない期間)である一方、特別非実行期間については、遊技機の調整により0とすることも可能な期間であり、遊技中に突如として無変動状態となることから、遊技者にストレスを与え易い非実行期間であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−253819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような従来の遊技情報管理装置では、一般非実行期間と特別非実行期間とを混在させた単なる非実行期間のみを管理対象としていたため、例えば遊技者が多数入れ替わり遊技開始となる回数が多ければ多いほど非実行期間に占める一般非実行期間の割合が高くなり、遊技者があまりストレスを感じていない期間が多分に非実行期間に含まれる。その結果、非実行期間が、遊技者のストレス度合い等を測る指標と成り得ない虞があるばかりか、仮に遊技機の調整により実際には特別非実行期間が0となっていたとしても、一般非実行期間が混在することにより非実行期間が0とならずに、遊技機の調整度合いを反映し切れずにいた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、遊技開始時の一般非実行期間と遊技中の特別非実行期間とが存在することに着目し、遊技者のストレス度合いを如実に示す遊技情報を管理し得る遊技情報管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、始動入賞したことを条件として大当たりを発生させるための単位遊技を実行し、その単位遊技の実行中に始動入賞した場合には、その始動入賞に対応する前記単位遊技を保留可能とし、当該実行中の単位遊技の終了に応じて保留している前記単位遊技を順次実行する一方、前記単位遊技を実行している状態である実行状態と、実行していない状態である非実行状態とを特定可能な実行状態特定信号を出力可能である遊技機の遊技情報を管理対象とした遊技情報管理装置であって、遊技機側から出力される遊技信号である遊技機が稼動状態であるのか、非稼動状態であるのかを特定可能な稼動信号、及び前記実行状態特定信号を入力する入力手段と、前記入力手段による前記稼動信号の入力により遊技機が稼動状態であるのか、非稼動状態であるのかを特定する稼動状態特定手段と、前記稼動状態特定手段により非稼動状態から稼動状態になったことが特定された場合に遊技機における遊技開始を特定する遊技開始特定手段と、前記入力手段による前記実行状態特定信号の入力により、前記単位遊技の前記実行状態であるのか、前記非実行状態であるのかを特定する実行状態特定手段と、前記稼動状態特定手段により、遊技機が稼動状態である旨が特定されている状態で、前記実行状態特定手段により前記非実行状態である旨が特定されている期間である非実行期間の内、更に前記遊技開始特定手段により遊技開始が特定されてから前記実行状態である旨が特定されるまでの期間である一般非実行期間を除いた特別非実行期間、及び当該特別非実行期間となった回数である特別非実行回数の内、少なくとも一方である特別非実行情報を保留情報として管理する保留情報管理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載した発明は、前記保留情報に対する許容範囲を示す設定を行う設定手段と、前記保留情報が前記許容範囲を逸脱したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を報知する報知手段と、を備え、前記保留情報管理手段は、前記一般非実行期間、及び当該一般非実行期間と前記特別非実行期間とを含めた前記非実行期間の内、少なくとも一方である非特別非実行期間を前記保留情報として管理し、前記設定手段は、前記非特別非実行期間に対する許容範囲である非特別許容範囲と、前記特別非実行期間に対する許容範囲である特別許容範囲とを示す設定を行うと共に、前記非特別許容範囲と前記特別許容範囲とが各々異なる許容範囲を示すように設定可能であり、前記判定手段は、前記非特別非実行期間については前記非特別許容範囲を逸脱したか否かを判定する一方、前記特別非実行期間については前記特別許容範囲を逸脱したか否かを判定することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載した発明は、前記入力手段による遊技信号により遊技情報を特定する遊技情報特定手段と、前記遊技機における保留数を示す管理保留数を管理する保留数管理手段と、を備え、前記遊技機は、始動入賞を特定可能な始動入賞信号と、前記単位遊技の実行を特定可能な単位遊技信号とを前記実行状態特定信号として出力可能であり、前記入力手段は、前記実行状態特定信号として、前記始動入賞信号と前記単位遊技信号とを入力し、前記遊技情報特定手段は、前記始動入賞信号により始動入賞を特定する一方、前記単位遊技信号により前記単位遊技の実行を特定し、前記保留数管理手段は、前記管理保留数を、前記遊技情報特定手段により始動入賞が特定されることによって加算する一方、前記単位遊技の実行が特定されることによって減算することで管理し、前記実行状態特定手段は、前記保留数管理手段により管理される前記管理保留数が、予め設定される前記単位遊技が実行されている状態であり、前記保留数が無い状態に対応する保留数である無保留設定数である状態で、前記遊技情報特定手段により前記単位遊技の実行が特定された場合、前記単位遊技の前記非実行状態を特定することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載した発明は、前記稼動状態特定手段は、前記実行状態特定手段により非実行状態である旨の特定が行われてから非稼動状態である旨の特定を行うまでの期間中に、前記実行状態特定手段により実行状態になった旨が特定されない場合に、当該期間に対応した稼動状態を特別除外稼動状態として特定し、前記保留情報管理手段は、前記特別非実行期間の内、前記特別除外稼動状態である旨が特定された期間である特別除外稼動期間を除外して、前記特別非実行情報を管理することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載した発明は、前記稼動信号は、遊技機にて複数の遊技価値が使用された場合に出力されるアウト信号であり、前記稼動状態特定手段は、非稼動状態であることを特定している状態で、前記入力手段により前記アウト信号が入力された場合に稼動状態になったことを特定する一方、稼動状態であることを特定している状態で、前記実行状態特定手段による非実行状態になった旨の特定、及び当該非実行状態である旨が特定されている状態での前記アウト信号の入力のいずれかがあってから、前記実行状態特定手段による実行状態になった旨の特定、或いは前記アウト信号の入力がないまま、予め設定される稼動設定期間が経過した場合に非稼動状態になったことを特定し、前記保留情報管理手段は、前記稼動状態特定手段により稼動状態であることが特定されている期間における前記非実行状態になった旨の特定、及び当該非実行状態である旨が特定されている状態での前記アウト信号の入力の内、いずれか遅い方から前記稼動設定期間が経過するまでの期間である最終稼動期間を、前記非実行期間から除外する、或いは予め設定される非稼動除外設定期間に置き換えて前記非実行期間を管理することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載した発明によれば、非実行期間の内、一般非実行期間を除外した特別非実行期間のみを管理対象とすることが可能であるので、遊技者のストレス度合いを如実に示した遊技情報を管理することが出来る。
請求項2に記載した発明によれば、保留情報管理手段は、一般非実行期間及び当該一般非実行期間と特別非実行期間とを含めた非実行期間の内、少なくとも一方である非特別非実行期間を管理し、判定手段は、非特別非実行期間については非特別許容範囲を逸脱したか否かを判定する一方、特別非実行期間については特別許容範囲を逸脱したか否かを判定する。特別非実行期間は短い期間であっても遊技者が強くストレスを感じる一方、非特別非実行期間は短い期間であれば当然に発生し得る期間なのでストレスを感じ難いが、長い期間継続すれば遊技者がストレスを感じ得る。そのため、その両者を管理対象とすると共に、各々異なる許容範囲を設定した上で、その許容範囲を逸脱したか否かを夫々判定することにより、遊技者の思考(感じ方)に沿った適切な判定を行うことが出来る。
【0012】
請求項3に記載した発明によれば、遊技機は、始動入賞を特定可能な始動入賞信号と単位遊技の実行を特定可能な単位遊技信号とを出力可能であり、遊技情報特定手段は、始動入賞信号により始動入賞を特定する一方、単位遊技信号により単位遊技の実行を特定する。これにより、保留数信号として保留数を直接的に示す信号や、実行状態特定信号として単位遊技を実行している期間を直接的に特定出来る信号が出力されなくとも、始動入賞信号と単位遊技信号とが出力されるだけで非実行状態や実行状態を特定することが出来る。
請求項4に記載した発明によれば、保留情報管理手段は、特別非実行期間の内、特別除外稼動状態である旨が特定された期間である特別除外稼動期間を除外して、特別非実行情報を管理する。例えば遊技者が遊技を終了する場合、最後の単位遊技により大当たりが発生し、その大当たりで入賞させることを考慮して、最後の単位遊技が終了する前に少しの遊技価値(所謂パチンコ玉)を残し、その打込(使用)を中断する遊技者がいる。そして、最後の単位遊技が終了した場合にその残した遊技価値を打込んで遊技を終了するが、この状態は遊技者が自ら発生させた非実行状態であるのでストレスを感じる遊技者は少ない。そのため、この期間を特別非実行状態から除外するので、更に遊技者のストレス度合いを如実に示した遊技情報を管理対象とすることが出来る。
【0013】
請求項5に記載した発明によれば、保留情報管理手段は、非稼動状態になったことが特定されるまでの期間の内、非稼動状態である旨の特定及びアウト信号の入力の内、いずれか遅い方から稼動設定期間が経過するまでの期間である最終稼動期間を、非実行期間から除外する、或いは予め設定される非稼動除外設定期間に置き換えて非実行期間を管理する。一般的には遊技機の稼動状態を管理する場合、遊技機側から稼動状態である旨を直接的に特定可能な状態信号が出力されないことが多いので、所謂アウト信号を稼動信号とし、アウト信号入力毎に所謂稼動タイマを作動させ、その作動期間を稼動状態期間として管理している。この場合、単位遊技中のリーチ等の特別単位遊技の実行或いは保留数が上限値近くになること等で遊技中にパチンコ玉の打込みを停止する場合が想定出来る。そのような場合、当然にして遊技中であることから、単位遊技の実行状態も稼動状態と特定すべきである。一方、例えば遊技者が遊技を終了する場合、最後の単位遊技が終了する前に少しのパチンコ玉を残した状態で打込(使用)を中断することがある。この場合には、稼動タイマのタイムアップ後に非稼動状態の特定を行うが、単位遊技終了後、或いはパチンコ玉の打込終了後、早々にして遊技者は遊技機を離れるので、そのタイムアップするまでの期間は実際には遊技中ではないのに関わらず、遊技中と判断される虞がある。そこで、このような期間を除外或いは置き換えて非実行期間を特定することにより、実際には稼動状態ではない期間を的確に排除して非実行期間を管理対象とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態による管理装置を適用した遊技場用システムの構成を概略的に示す図
【図2】管理装置が設定する機種別の保留情報設定を示す図
【図3】管理装置が管理する保留情報を記憶する保留管理記憶領域を示す図
【図4】管理装置による始動入賞信号入力処理を示すフローチャート
【図5】管理装置による図柄変動信号入力処理を示すフローチャート
【図6】管理装置による信号入力待機処理を示すフローチャート
【図7】本発明の第2実施形態による除外期間を概略的に示すタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明による遊技情報管理装置の複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による遊技情報管理装置について、図1から図6を参照しながら説明する。以下、遊技情報管理装置を単に管理装置と称する。
図1は、遊技場用システム1の全体構成の概略を示している。遊技場内には、複数台の遊技機2が設置されており、各遊技機2に対応して貸出機3が設置されている。これら遊技機2及び貸出機3は、2台づつ中継装置4に接続されている。遊技機2や貸出機3などの遊技機2側の機器から出力される後述する遊技信号は、中継装置4によって遊技情報管理装置としての管理装置5等に送信される。管理装置5は、遊技場内の例えば事務所等に設置され、LAN6を介して各中継装置4と接続されており、遊技機2及び貸出機3等から出力される遊技信号に基づいて各種の後述する遊技情報を管理している。図示しないが、遊技場内には例えば数百台の遊技機2が設置されて管理対象となっている。尚、遊技場内には、図示しないスロットマシンや計数装置等も設置されている。
【0016】
遊技機2は、所謂パチンコ遊技機であり、遊技媒体としてのパチンコ玉(遊技価値に相当する)を盤面に発射するためのハンドル2a、パチンコ玉を入賞させるための普図入賞口2b、第1始動口2c及び第2始動口2d、パチンコ玉の入賞に応じて表示図柄が変動する表示部2e、大当たり時に開放する大入賞口2f、受皿2g、及び保留数表示部2h等が設けられている。遊技機2は、第1始動口2c或いは第2始動口2dへのパチンコ玉の入賞(始動入賞に相当する)に応じて大当たり抽選を行い、その抽選結果に基づき所謂特別図柄(特図)による図柄変動(単位遊技に相当する)を表示部2eにて実行する。そして、表示部2eに停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たりを発生させる。第1始動口2cは入賞率が変動しない所謂ヘソタイプの入賞口である一方、第2始動口2dは普図入賞口2bへの入賞に伴って行われる普図抽選の抽選結果により入賞率が変動する所謂電チュータイプの入賞口である。
【0017】
遊技機2は、図柄変動中に発生した始動入賞に対応する図柄変動を予め設定された上限値(保留上限値に相当する)まで保留可能である。本実施形態では上限値は4個に設定されており、第1始動口2c及び第2始動口2dへの始動入賞の保留数の合計が4個になるまで図柄変動を保留可能である。保留された図柄変動は、実行中の図柄変動の終了後に順次実行される。尚、周知のように図柄変動時間は変動開始時の保留数に対応して変動する。即ち保留数が多い場合には図柄変動時間を短くなるようにして選択的に実行し、保留数が上限値にはなり難くなっている。この場合、無変動状態での始動入賞による場合も、図柄変動により保留数が減算され1となった場合も、開始される図柄変動については、ほぼ同様の図柄変動時間が選択されるようになっている。
【0018】
遊技機2の大当たり抽選の当選確率(大当たり確率)は1/300で、その大当たりの内、大当たり後に確変状態(確変)となる大当たりの割合は66.6%(2/3)である。この確変は、次回の大当たりが発生するまで継続するため、大当たりが発生した後に通常状態(通常)となる通常大当たりが発生するまで継続する。遊技機2は、大当たりが発生すると、対応するラウンド数(R)に応じた回数分だけ大入賞口2fを開放する。本実施形態の場合、1Rで大入賞口2fにパチンコ玉が入賞する上限入賞数は8個で、大入賞口2fの上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間のいずれかが満たされた場合(大当たり終了条件が成立した場合)に1Rを終了する。また、大当たりに対応するRは5Rと16Rとが設けられており、その振り分け割合は5Rが25%(1/4)で、16Rが75%(3/4)である。遊技機2は、確変中には大当たり確率が1/30に向上すると共に、第2始動口2dへの入賞率が向上する時短状態(時短)になる。また、通常大当たりが発生した場合には、通常状態から発生した大当たりも含め、大当たりの終了後に100回の図柄変動を行うまで時短となり、その後、通常状態に戻る。
【0019】
遊技機2は、図示しない制御手段を備えており、上記した第1始動口2c及び第2始動口2dへの始動入賞の検知、図柄変動等の単位遊技の実行の特定、保留数の加算及び減算による保留情報の管理等を行っている。また、遊技機2及び遊技機2の周辺機器は、図示しない信号出力手段を備えており、遊技者による遊技の進行に伴って以下に示すような遊技信号を信号出力手段から信号出力する。
アウト信号=使用玉を回収するアウトBOX(図示せず)から出力される使用媒体数(アウト、使用価値)を特定可能な信号(稼動信号に相当する)。回収玉(使用玉、打込玉)10玉に対して1パルス出力されるため、アウト信号数×10を使用媒体数(アウト)として特定する。尚、遊技機2から直接出力される信号でも良い。
セーフ信号=遊技機2から出力される払出媒体数(セーフ)を特定可能な信号。払出玉数10玉に対して1パルス出力されるため、セーフ信号×10を払出媒体数(セーフ、入賞付与価値)として特定する。尚、補給装置(図示せず)から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0020】
始動入賞信号=遊技機2から出力される各始動口への入賞(始動入賞)を特定可能な信号(保留数信号及び実行状態特定信号に相当する)。第1始動口2c又は第2始動口2dへの入賞1回につき1パルス出力されるので、始動入賞信号の入力に応じて始動入賞を特定する。
図柄変動信号=第1始動口2c或いは第2始動口2dへの始動入賞により変動(作動)を開始する図柄変動(役物作動、単位遊技)を特定可能な信号(単位遊技信号、保留数信号及び実行状態特定信号に相当する)。図柄確定時(図柄変動が終了して図柄が確定した時)に出力されるので、信号入力に応じて図柄変動を特定する。
大当たり信号=遊技機2から出力される大当たりである期間を特定可能な信号。大当たり中にレベル出力される状態信号であるため、大当たり信号受信中を大当たり中として特定する。
時短信号=遊技機2から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号(特別状態信号に相当する)。第2始動口2dへの入賞率が向上する特別状態中(時短中)にレベル出力される状態信号なので、時短状態信号受信中を特別状態として特定する。尚、大当たり確率が向上する確変中であるか否かに関わらず時短状態であれば出力されるが、区分けして出力するようにしても良い。また、大当たり信号と時短信号のいずれも受信していない期間を通常状態として特定する。
【0021】
貸出機3は、遊技情報等を表示するタッチパネル式の液晶表示部3a、パチンコ玉が払出される玉払出口3b、貨幣投入口3c等から構成されている。遊技者が貨幣投入口3cに貨幣を投入すると、投入した貨幣に応じた数のパチンコ玉が玉払出口3bから遊技機2の受皿2gに払出される。液晶表示部3aには、遊技機2の遊技データや遊技者個人の遊技データ等が表示される。貸出機3からは、例えば以下のような遊技信号が出力される。
売上信号=遊技者に対する貸出玉25玉毎に1パルス出力されるため、売上信号×25を貸出玉(対価付与価値)として特定し、その貸出玉に貸出単価(例えば4円)を乗じた値を売上額(対価額)として特定する。
【0022】
管理装置5(遊技情報管理装置、入力手段、遊技情報特定手段、遊技開始特定手段、保留数管理手段、設定手段、判定手段、保留情報管理手段に相当する)は、図示しないCPUからなる制御部、図示しないROMやRAM或いはHDD等からなる記憶部、及び上記した遊技信号等の送受信を行う入力手段である図示しない入出力部を備えたコンピュータで構成されている。この管理装置5は、記憶部に記憶されている制御プログラムに従って作動し、入出力部に入力される遊技機2側の機器からの遊技信号により特定される遊技情報を集計及び管理する。管理装置5には、例えばモニタ7やプリンタ(図示せず)等の出力手段が接続されている。管理装置5は、遊技機2側の機器から入力される遊技信号に基づいて、稼動情報、出玉率、売上等の周知の遊技情報の集計及び管理を行っている。
【0023】
また、管理装置5は、本発明に関連して、図2に示す保留情報設定を設定及び記憶している。保留情報設定の各項目の意味は、以下の通りである。尚、管理装置5は、遊技機を機種別にグループ分けする周知の機種設定も別途を行っており、機種別、或いは遊技機別に図2を設定可能としている。
上限値=図柄変動が保留される保留数の上限値(保留上限値)。本実施形態では4個に設定している。
リーチ設定期間=図柄変動期間を計時する変動タイマに対する設定値で、図柄変動期間の長さによってリーチが発生したことを特定するための設定値。リーチが発生しない図柄変動期間よりも長く、リーチが発生した図柄変動期間よりも短い期間を設定する。尚、対象とするリーチとは遊技者が止打を行うリーチなので、止打を行なわない程度のリーチを考慮する必要はなく、必ずしも発生したリーチ全てを特定する必要はない。尚、リーチとは、図柄変動における特別状態であって、リーチが発生した場合、その図柄変動の実行期間が、リーチを伴わない通常の図柄変動の実行期間よりも長くなる特別状態である。
【0024】
稼動タイマ設定期間=稼動状態(稼動期間に相当する)を特定するための周知の稼動タイマがタイムアップするまでの期間(稼動設定期間に相当する)。アウト信号入力毎に初期化され、この稼動タイマの作動中を稼動状態(稼動中)として特定し、タイムアップにより非作動となっている期間を非稼動状態(非稼動中)として特定する。
【0025】
また、管理装置5は、上記した周知の遊技情報の集計処理に加えて、後述する始動入賞信号入力処理、図柄変動信号入力処理及び信号入力待機処理を実行することにより、図3に示す保留管理記憶領域に各種のデータ(保留情報)を記憶している。保留管理記憶領域に記憶される各データの意味は以下の通りである。
状態=対応する保留状態を示す。保留−1は図柄変動を行っていない無変動状態(非実行状態)、保留0〜4は図柄変動を行っている変動状態(実行状態)に対応し、各々対応する数値の保留数に対応する。また、OFは保留数が保留上限値(上限管理保留数)である状態での始動入賞、即ち、図柄変動に結び付かった始動入賞である所謂オーバーフロー(以下、OFと称する)に対応する。尚、保留0が無保留設定数に相当する。
【0026】
回数=対応する保留数となった回数を示し、更にその回数を保留数が小さい格下の状態から昇格(始動入賞)したのか、保留数が大きい格上の状態から降格(図柄変動)したのかを区分けして記憶する。例えば、保留1であれば、保留0から始動入賞して保留1になった回数が昇格(202)で、保留2から図柄変動が停止して保留1になった回数が降格(512)となる。尚、保留−1の昇格(21)は非稼動状態から稼動状態になった回数、即ち遊技開始回数を示し、保留4の降格はOFして保留4の状態が維持された回数、即ちOF回数を示している。
累計期間=対応する保留数となっている状態期間の合計期間(秒)を示す。よって、保留−1の累計期間は単位遊技の非実行期間を示す。上記した回数と同様に昇格、降格を区分けして集計する。例えば、保留1であれば、保留1に昇格してから保留1を維持した期間の合計(累積期間)が6902秒であり、降格してから保留1を維持した期間の合計は15946秒であることを示している。
【0027】
打出到達=遊技開始されてから、即ち、保留−1にて非稼動状態から稼動状態になってから、最初に各状態へと到達した回数及び期間。上述した通り、遊技開始回数は21回なので、21回の内、保留3までは全て到達し、保留4へは19回、OFは15回到達し、それ以外は到達しなかったことを示す。期間は、遊技開始から到達するまでの期間を示し、平均は、期間÷回数で算出され、1回当たりの到達期間の平均を示している。
参照到達=対応する状態にて止め打ちする(非稼動となる)までの期間を集計対象とした打出到達に相当する。尚、図柄変動中のリーチ期間を考慮して、図柄変動信号入力間隔がリーチ設定期間以上である状態にて非稼動となっても集計を継続し、更にその非稼動検出後から稼動状態になるまで、或いは次の図柄変動信号(図柄変動の終了)までの期間を止打期間として集計対象から除外する。
【0028】
昇降格割合=昇格S率(合計昇格率、合計昇格回数率、合計降格率)は全ての始動入賞の内、対応する状態に昇格させた始動入賞の割合を示す。即ち、始動入賞は保留0〜4とOFの昇格回数の合計値(合計昇格情報、合計降格情報)なので、その合計値を各昇格回数にて除した値になる。尚、理論上、格上の昇格数と格下の降格数とは同数になるので、各昇格S率は、格下の降格した図柄変動の割合をも示すことになる。よって、特に図示しないが、降格した図柄変動の割合を示す降格図柄変動率を管理しても勿論良い。昇格率は、対応する状態に昇格した割合で、各昇格率=昇格回数(各昇格情報)÷合計回数(各合計情報)で算出される。降格率は、対応する状態に降格した割合で、各降格率=降格回数(各降格情報)÷合計回数で算出される。昇降率は、昇格回数対する降格回数の割合で、降格回数÷昇格回数で算出される。尚、回数だけでなく累計期間についても同様に管理しても良い。勿論、昇格S率も同様である。
【0029】
平均期間=昇格、降格、及び合計にて区分けした状態毎の滞在期間の平均(累計期間÷回数)を示す。ここで、保留−1の昇格は遊技開始から図柄変動を行うまでの期間を示し。降格はその遊技開始から図柄変動を行うまでの期間を除いた、即ち、図柄変動終了後に無変動状態となってから再度図柄変動を行うまでの期間に対応する。
滞在率=状態毎の稼動期間の割合。各状態の累計期間÷合計累計期間で算出する。
保留平均=稼動中の平均保留数。各状態に対応した保留数×各状態の累計期間の合計÷合計累計期間で算出する。図3の場合、保留平均=(0×3376+0×10038+1×22848+2×15600+3×2752+4×800)÷(3376+10038+22848+15600+2752+800)=1.18となっている。
【0030】
次に上記した構成の管理装置5の作用について説明する。
管理装置5は、上記した周知の遊技情報の集計処理に加えて、図4に示す始動入賞信号入力処理、図5に示す図柄変動信号入力処理、及び図6に示す信号入力待機処理を実行することにより、図3に示す保留管理記憶領域を更新する。
管理装置5は、図4に示す始動入賞信号入力処理において、始動入賞信号が入力されたか(A1)を判定しており、始動入賞信号が入力されていない場合には(A1:NO)、リターンする。また、図5に示す図柄変動信号入力処理において、図柄変動信号が入力されたかを判定しており(B1)、図柄変動信号が入力されていない場合には(B1:NO)、リターンする。さらに、図6に示す信号入力待機処理において、累計期間の加算計時中であるか(C1)、遊技機2が稼動となったか(C13)を判定しており、いずれでも無い場合には(C1:NO、C13:NO)、リターンする。尚、詳細は後述するが、累計期間の加算計時は稼動状態で行われる処理である。つまり、管理装置5は、遊技機2で遊技が開始されていない非稼動状態においては、実質的な処理は行わない。
【0031】
さて、遊技者により遊技が開始されると、パチンコ玉の打ち込みに伴って遊技機2側からはアウト信号が出力される。アウト信号が入力されると、管理装置5は、図6に示す信号入力待機処理において、遊技機2が稼動となったと判定し(C13:YES)、図3の保留管理記憶領域の保留−1の昇格の回数の加算及び累計期間の加算計時を開始する(C14)。つまり、管理装置5は、遊技信号の入力により遊技機2が稼動状態であるのか非稼動状態であるのかを判定(遊技情報として特定)すると共に、非稼動状態から稼動状態になった旨が判定(特定)された場合には遊技機2において遊技が開始されたと判定(遊技開始を特定)し、当該保留数における累計期間の加算計時を開始する。以下、管理装置5が管理する保留数を管理保留数と称する。この管理保留数は、無変動状態を−1により示し、図2の上限値を上限として始動入賞信号が入力されることにより始動入賞が特定される毎に加算され、後述するように図柄変動信号が入力されることにより図柄変動が特定される毎に減算される。尚、以下の説明においては、処理の流れを把握し易くするために、管理保留数を現保留数とも称する。
【0032】
続いて、管理装置5は、到達タイマを初期化して作動を開始し(C15)、参照判定フラグを1にし(C16)、判定保留数を−1にし(C17)、止打タイマを初期化して(C18)、リターンする。ここで、到達タイマとは、図3の打出到達の期間を特定するためのタイマであり、遊技開始時に初期化され作動を開始する。また、参照判定フラグとは、図3に示す参照到達を更新したか否かを示すフラグであり、遊技開始時に1となり、リーチとならない図柄変動にて止め打ち(非稼動状態)を判定した場合に0となるフラグである。尚、止め打ちが無くOFとなった場合にも0となる。また、判定保留数とは、管理保留数に対する参照値で、図3の打出到達を更新するための参照値である。判定保留数は、遊技開始時に−1となり、打出到達を更新する毎に加算される。また、止打タイマとは、図柄変動中の止打期間を特定するためのタイマであり、止め打ち(非稼動状態)開始判定時に作動を開始し、止打終了判定時に作動を停止するタイマである。
【0033】
この状態、即ち、保留数が−1の状態且つ遊技機2が稼動中の状態で始動入賞が発生しないまま遊技が継続されると、累計期間の加算計時中であり(C1:YES)、非稼動判定中ではなく(C2:NO)、現時点では遊技機2は稼動中であることから(C5:NO)、そのままリターンする。尚、ステップC2の「非稼動判定中」とは、後述するリーチ中に止め打ちする遊技者を見越し、その止め打ちにより非稼動が判定されている状態を意味している。この状態、即ち、遊技機2の稼動状態が特定され、且つ、図柄変動の実行が特定されていない期間が、非実行期間に相当する。
【0034】
これに対して、遊技が更に継続されて最初の始動入賞が発生すると、遊技機2は始動入賞信号を出力する。このとき、管理装置5は、図4に示す始動入賞信号入力処理において、始動入賞信号が入力されたことから(A1:YES)、管理保留数が上限であるかを判定する(A2)。今回は最初の始動入賞信号が入力された状態であることから、管理保留数は上限値ではないので(A2:NO)、保留−1に対する累計期間の加算計時を終了した後(A3)、管理保留数を加算する(A4)。つまり、管理保留数は、−1から0になる。尚、この場合、遊技開始から最初の始動入賞(図柄変動)となり、ステップC14にて昇格として加算計時開始し、ステップA3にて加算計時を終了した累計期間が、非実行期間のうち、遊技開始が特定されてから図柄変動の実行状態である旨が特定されるまでの期間である一般非実行期間に相当する。
【0035】
続いて、管理装置5は、現保留数(保留0)の昇格の回数の加算及び累計期間の加算計時を開始した後(A5)、管理保留数が0であることから(A6:YES)、変動タイマを初期化して作動を開始する(A7)。ここで、変動タイマとは、図柄変動中のリーチの発生を特定するためのタイマであり、詳細は後述するが、図柄変動開始時から停止時までの期間を測定するためのタイマである。この変動タイマの作動期間が図2のリーチ設定期間よりも長ければリーチが発生したと特定する。尚、管理保留数が0でない場合には(A6:NO)、ステップA7を省略する。これは、始動入賞により図柄変動を開始するのは無変動状態、即ち、始動入賞により管理保留数が0になった場合のみであり、変動状態であれば始動入賞しても保留され、その図柄変動後に保留された図柄変動が順次実行されるためである。
【0036】
その後、管理装置5は、判定保留数が現保留数よりも小さいかを判定する(A8)。上記したステップC17において判定保留数が−1にされたため現保留数(保留0)よりも小さいことから(A8:YES)、図3の打出到達の現保留数の回数を加算し(A9)、打出到達の現保留数の累計期間にステップC15で作動開始した到達タイマの作動期間を加算し(A10)、判定保留数を加算した後(A11)、リターンする。この判定保留数は、始動入賞信号の入力および図柄変動信号の入力が繰り返されて打出到達が更新される毎に加算される値であり、遊技開始から現時点までの期間における保留数の最高値に相当する。そのため、現保留数が判定保留数よりも大きい場合には(A8:YES)、過去の遊技において到達した保留数の最高値よりも現保留数(管理保留数)が大きくなり最高値が更新されたとして、ステップA9〜A11の処理が実行される。尚、現保留数が判定保留数以下の場合には(A8:NO)、ステップA9〜A11の処理は行われない。
【0037】
このように、管理装置5は、管理保留数と判定保留数とを比較し、遊技開始後に当該保留数(特別保留数)に初めて到達したとき、即ち、管理保留数が特別保留数を超えたとき、到達条件が成立した旨を(仮)判定している。尚、本実施形態では、特別保留数が遊技者毎に異なることが予想されることから−1以外の全ての保留数を特別保留数に設定し、各保留数に対して同様の処理を行っている。
さて、遊技機2は、始動入賞が発生すると、それに伴って図柄変動(単位遊技)を実行し、図柄変動が確定(終了)すると図柄変動信号を出力する。ここで、説明の簡略化のために、最初の始動入賞の発生後に新たな始動入賞が発生することなく図柄変動が確定した場合を想定する。管理装置5は、図5に示す図柄変動信号入力処理において、図柄変動信号が入力されたことから(B1:YES)、現保留数に対する累計期間の加算計時を終了する(B2)。
【0038】
続いて、管理装置5は、仮到達フラグが1であるかを判定する(B3)。ここで、仮到達フラグとは、図3の参照到達を更新するためのフラグであり、止め打ち(非稼動状態)を判定した場合に1となり、その後の図柄変動の停止時に0となるフラグである。今回は遊技が継続中、即ち、止め打ちが行われていないことから仮到達フラグは0であるので(B3:NO)、管理保留数を減算する(B9)。この時点で、管理保留数は0から−1になる。そして、管理装置5は、管理保留数が−1であり(B10:YES)、遊技機2は非稼動中ではないことから(B13:NO)、現保留数(−1)の降格の回数の加算および累計期間の加算計時を開始した後(B12)、リターンする。即ち、管理保留数が図柄変動の実行特定により0から−1になったことで、図柄変動が実行されている状態であり保留数が無い状態に対応する保留数である無保留設定数(0)である状態で、単位遊技(図柄変動)の実行が特定されたとして単位遊技の非実行状態を特定している。また、管理保留数が非実行期間である旨を示す−1である状態(B10:YES)で、ステップB12にて降格として加算計時を開始した累計期間が、非実行期間のうち、上述した一般非実行期間を除いた特別非実行期間に相当し、同じく回数が特別非実行回数に相当する。尚、非稼動中であれば(B13:YES)、遊技を終了したとして参照判定フラグを0として(B14)リターンする。また、上述した通り、図柄変動中に始動入賞があり、図柄変動が保留されていれば図柄変動の確定後に次の図柄変動が実行されるため、管理保留数を減算した結果(B9)、−1とならなければ(B10:NO)、次の図柄変動が開始したとして変動タイマを初期化し、作動を開始して(B11)、現保留数の降格の回数を加算する等、上記と同様の処理(B12)を行う。
【0039】
また、図柄変動の実行中に始動入賞が繰り返し発生した状態では、管理装置5は、図4に示す始動入賞信号入力処理において図柄変動の実行中に始動入賞が発生したことから(A1:YES)、管理保留数が上限値でない場合には(A2:NO)、現保留数に対する累計期間の加算計時を終了し(A3)、管理保留数を加算する(A4)など、上記と同様の処理を行う。
このように、管理装置5は、遊技機2の稼動状態、始動入賞信号の入力及び図柄変動信号の入力に応じて保留数を管理し、図3に示す保留管理記憶領域を更新している。
ところで、実際の遊技では図柄変動中に始動入賞が発生することが多い。その場合、図柄変動中に発生した始動入賞に対応する図柄変動は保留されるものの、図2等に示すように上限値が設定されている。そのため、遊技者は、保留数がある程度増加すると、即ち、保留数が特別保留数に到達すると、パチンコ玉の発射を停止する止め打ちを行い、保留状態にある図柄変動が随時実行されることで遊技を楽しみつつも、パチンコ玉を減らす必要が無くなることから一種の安心感を覚えた状態で遊技する。そして、遊技者は、止め打ちを行うまでの期間が短ければ短い程、遊技機2の調整が良好であると考える。ここで、遊技者が止め打ちを行う保留数が特別保留数に対応するが、遊技者毎に安心感を覚える保留数(特別保留数)は異なる。
【0040】
そこで、管理装置5は、以下のようにして遊技者が止め打ちを行うまでの期間を計測し、遊技者が安心感を覚える傾向を把握出来、遊技機2の調整に有効利用可能な遊技情報を管理している。尚、以下では遊技機2が非稼動状態(即ち、各フラグは初期状態)からの作動を説明するものの、上記した説明と重複する部分については詳細な説明は省略する。
遊技者が遊技を開始すると、管理装置5は、上記したように始動入賞信号および図柄変動信号の入力に応じて処理を実行する。このとき、始動入賞信号の入力に応じて、管理保留数や判定保留数の加減算が行われると共に、累計期間の加算計時が行われている。そして、保留数がある程度になると、遊技者は止め打ちを行う。そして、遊技者により止め打ちが行われると、遊技機2側からのアウト信号の出力は停止する。
【0041】
このとき、管理装置5は、図6に示す信号入力待機処理において、累計期間の加算計時中(C1:YES)であり、非稼動判定中ではないものの(C2:NO)、アウト信号の入力が無くなったことから、非稼動状態となったと判定する(C5:YES)。続いて、仮到達フラグは0(初期状態)であるので(C6:YES)、現保留数が−1であるかを判定する(C7)。止め打ちは保留数がある程度有る状態で行われることが多いことから、一般的には止め打ちが行われたときの管理保留数は−1ではなく(C7:NO)、参照判定フラグは1(初期状態)であるので(C8:YES)、仮到達フラグを1にする(C9)。つまり、管理装置5は、管理保留数が何れかの特別保留数となった状態で更に非稼動状態になったことを特定したことから、止め打ちが行われたと仮判定して仮到達フラグを1とする。即ち、到達条件が成立したと判定する。尚、後述する通り、参照到達が更新済みであり、参照判定フラグが0であれば(C8:NO)、ステップC9以降の処理を行うことなくリターンする。
【0042】
続いて、管理装置5は、止打タイマに稼動タイマ設定期間を加算し、止打タイマの作動を開始する(C10)。尚、止打タイマにより特定される止打期間は、図3の参照到達の期間からは除外されるものの、打出到達の期間からは除外されない。そのため、止打タイマを参照判定フラグ=1の場合のみ作動させている。また、管理保留数が−1、即ち、無変動状態において止め打ち状態(非稼動状態)になるのは、遊技者が遊技を終了した場合と考えられる。そのため、管理装置5は、管理保留数が−1の場合には(C7:YES)、累計期間の計時加算を終了し(C11)、参照判定フラグを0に初期化して(C12)、リターンする。つまり、管理装置5は、始動入賞信号と図柄変動信号とにより増減する(特定される)管理保留数により、遊技中の無変動状態の特定を行っている。
【0043】
さて、遊技機2は、止め打ちが行われた時点で実行していた図柄変動が確定すると、図柄変動信号を出力する。このとき、管理装置5は、図5に示す図柄変動信号入力処理において、図柄変動信号が入力されたことから(B1:YES)、累計期間の加算計時を終了し(B2)、ステップC9において仮到達フラグが1になったことから(B3:YES)、確定した図柄変動における図柄変動期間を示す変動タイマの作動期間が図2のリーチ設定期間より小さいかを判定する(B4)。そして、変動タイマの作動期間がリーチ設定期間より小さい場合には(B4:YES)、参照到達の現保留数の回数を加算し(B5)、参照到達の現保留数の累計期間に止打タイマ作動期間を除外した到達タイマ作動期間を加算する(B6)。その後、参照判定フラグを0にし(B7)、仮到達フラグを0にした後(B8)、ステップB9以降の処理を実行する。つまり、管理装置5は、リーチが発生した旨が特定されていない図柄変動の実行期間中に非稼動状態となったことから到達条件が成立したと判定し、図3に示す保留管理記憶領域を更新する。
【0044】
これに対して、管理装置5は、変動タイマの作動期間がリーチ設定期間以上である場合には(B4:NO)、ステップB5〜B7の処理を行うことなく、ステップB8に移行し、リーチが発生したと判定したため上述した到達条件の仮判定を無かったものとする。このようにして、管理装置5は、リーチの発生に応じて止め打ち期間を特定し、(特定保留数となったために)リーチの発生によらない止め打ちが発生したとの判定に応じてステップB6のようにリーチ中に止め打ちした期間を、累計期間から除外する。これは、リーチが発生した場合における止め打ちは、保留数が多くなり安心出来る状態になったからではなく、リーチに集中したいがために行われたものと推測されること、及び、リーチ時に止め打ちしている期間は始動入賞しないもののその期間自体にストレスを感じることはないこと等による。即ち、管理装置5は、リーチ時の止め打ち期間を加算計時対象から除外することにより、遊技者が安心感を得るまでの期間であり不信感を計る期間となる到達期間をその目的に沿って精度良く管理している。その後、管理装置5は、ステップB9以降の処理を実行する。尚、リーチ等で遊技中にパチンコ玉の打込みが停止された期間は、参照到達の期間からは除外するものの、図柄変動の実行状態であって遊技中であり、稼動状態として特定されることから、その他の期間については計時加算の対象となる。
【0045】
さて、遊技者は、リーチ中に止め打ちした場合、リーチ(図柄変動)の終了、或いはリーチから大当たりにならないことを察する等、リーチに集中する必要が無くなった場合にはパチンコ玉の打ち込みを再開する。この場合、非稼動判定中に(C2:YES)、稼動状態となった(C3:YES)と判定するので、止打タイマの作動を停止する(C4)。また、遊技者の中にはリーチ中に止め打ちとパチンコ玉の打ち込みとを交互に行う遊技者もいる。この遊技者がリーチ中、パチンコ玉の打ち込み再開後に図柄変動が確定しないまま再度止め打ちを行った場合には、稼動判定中に(C2:NO)、非稼動となった(C5:YES)と判定する一方、仮到達フラグが1である(C6:NO)ことから止打タイマの作動を再開する(C10)。尚、管理装置5は、非稼動判定中(C2:YES)において、稼動とならなかった場合には(C3:NO)、そのままリターンする。
【0046】
また、始動入賞により管理保留数が上限値になった場合には(A1:YES、A2:YES)、図3の参照到達のOFの昇格回数及び保留4の降格回数を加算した後(A12)、参照判定フラグが1であるか、即ち、図3の参照到達を更新済みかを判定する(A13)。上述のようにして更新済みであれば(A13:NO)、判定保留数が上限値より大きいか、即ち遊技開始後、最初のオーバーフローかを判定し(A19)、遊技開始から最初のオーバーフロー、即ち、上限値より大きくなければ(A19:NO)、図3の打出到達のOFの回数を加算し(A17)、打出到達のOFの累計期間に到達タイマの作動期間を加算して(A18)、判定保留数を加算し(A11)、既に上限値(4)に達している判定保留数を上限値よりも大きい値(5)とする。尚、この状態で、再度オーバーフローとなれば(A2:YES、A13:NO)、ステップA19にて判定保留数が上限値よりも大きくなる(A19:YES)ことから、リターンする。
【0047】
これに対して、参照到達を更新済みでなければ(A13:YES)、ステップB5以降の処理と同様に、参照到達の現保留数に相当するOFの回数と到達タイマの作動期間を更新し(A14、A15)、参照判定フラグを0として(A16)、当然ながら遊技開始から最初のオーバーフローとなることからステップA17に移行する。
このように、管理装置5は、遊技機2の稼動状態、および、始動入賞信号や図柄変動信号の入力に応じて、図3に示す保留管理記憶領域の回数、累計期間、打出到達などの更新を行うと共に、昇降格割合、平均期間、滞在率などのデータを算出している。そして、管理装置5は、これらのデータを例えばモニタ7やプリンタ等に表示出力する。尚、図2に示す保留情報設定も表示出力可能である。
【0048】
図3に示す保留管理記憶領域のデータは、例えば以下のようなことを示している。
昇格S率のように保留数毎に昇格(始動入賞)した回数の割合を管理することにより、始動入賞を遊技者の満足度合いによって振分けることが可能となる。即ち、昇格S率が上限(保留4)側に偏っている(昇格S率が保留4側は高く、保留−1側は低い)場合は、遊技者が喜ぶ始動入賞が少なく、逆に無変動(保留−1)側に偏っている場合は、遊技者が喜ぶ始動入賞が多いことを把握出来る。図3の場合、保留2の昇格S率が最も高いので、保留2にて止め打ちを行う遊技者が多く遊技したと推測出来る。この場合、その上下の保留1と3の昇格S率が高くなるのが自然だが、図3では保留3の昇格S率は低く、寧ろ保留4の方が高い。また、保留4の昇格S率は保留1と同程度であり、保留4の昇格率は高い、即ち上限側に偏っていると言える。尚、昇格S率は格下状態へと移行した図柄変動の割合も示すため、図3では喜びや悔しさを感じる始動入賞や図柄変動が少ないことが把握出来る。尚、昇格S率として回数の代わりに累計期間を対象としても、同様に喜びや悔しさを感じている状態での保留状態の期間を把握出来る。
【0049】
昇格率及び降格率からは、保留0や保留1の降格率が高いこと、即ち、保留0や保留1となった場合に、喜びを感じる割合よりも悔しさを感じる割合のほうが高いことが把握出来る。一方、保留3や保留4は昇格率と降格率とが同程度なので喜びも悔しさも同程度であることが把握出来る。また、保留−1の場合には、滞在率が6.1%であることから、遊技中に6.1%の期間が無変動状態であり遊技者が不満を持って遊技している可能性が高いことが分かる。更に、保留1の滞在率がもっとも高く保留平均も1.18であることから保留1の状態で図柄変動していることが多い一方、保留4の滞在率が低く、ほとんど保留4(上限値)になっていない等、遊技中の保留数の傾向等をも把握出来る。
【0050】
昇降格率からも同様のことが把握出来るが、上限(保留4)の昇降率は保留状態が上限となった(OFが発生し得る)状態で発生したOFの割合を示している。OFは、始動入賞の内、唯一遊技者が悔しさを感じる始動入賞であり、この昇降率を把握することでOFが発生し易いか否かを把握出来る。この場合、昇格S率にて止め打ちを行い上限にならないような遊技が多いことを大凡把握出来るが、図3では保留2にて止め打ちする遊技者が多いものの、保留4への昇格も多いことから止め打ちしない遊技者もおり、そのままOFしている割合も高いことが分かる。この場合、仮に保留4の昇降率が高いままで、昇格S率が低ければ、遊技者が止め打ちを行っているにも拘らずOFが発生し易い状態、即ち、止め打ちの効果が低い傾向があることを把握出来る。
【0051】
平均期間からも同様のことが把握出来るが、無変動状態(保留−1)については、昇格と降格とで大きく意味合いが異なる。無変動状態における昇格は、稼動開始から始動入賞するまでの期間(一般非実行期間)の平均を示している。この期間が長すぎるのは勿論問題があるものの、遊技開始時に必ず発生する期間なので、ある程度は遊技者がストレスを感じないと推測される。一方、降格は、遊技中の図柄変動している状態から無変動状態となってから始動入賞するまでの期間(特別非実行期間であり、対応する回数が特別非実行回数)を示しており、遊技者が特にストレスを感じる期間となる。つまり、昇格か降格かによって、遊技者がストレスと感じる許容範囲が異なる。また、降格の平均期間は、釘調整にて0にすることも可能である期間でもある。図3では降格の平均期間の内、無変動状態が最も長いので改善する調整を行う必要がある旨を把握出来る。
【0052】
このように、管理装置5が集計した保留管理記憶領域のデータからは遊技者の満足感や不満感などを把握可能であり、遊技場の管理者はそれを釘調整に活用することが出来る。
また状態毎の参照到達の回数を比較することにより遊技者がいずれの保留数にて止め打ちを行い、安心感を得ているのかの傾向を把握出来る。例えば図3では、保留3の回数が最も多いので、保留3になった時点で安心感を覚え、保留3を特定保留数として想定すれば、遊技者の傾向に合わせられることを把握出来ると共に、期間により、その安心感を覚えるまでの期間、即ち、遊技者の不満度を把握出来るようになる。また、打出到達によれば、参照到達により把握出来る、或いは遊技場管理者の経験等から推測出来る特定保留数に到達するまでの期間、即ち、遊技者の不満度を把握出来る。例えば図3によれば参照到達により把握出来る保留3の平均は89秒であるのに対して保留2の平均は25秒であり、大きく離れている。即ち、安心感を得る手前の保留数に到達するまでの期間は短いが、安心感を得る保留数に到達するまでの期間は長いため、遊技者が不満に感じていることを把握出来る。
【0053】
以上説明した管理装置によれば、次のような効果を奏する。
管理装置5は、図3の保留−1に対応した累計期間、或いは平均期間の降格にて示すように、非実行期間の内、昇格に示す一般非実行期間を除外した特別非実行期間を管理対象としているので、遊技者のストレス度合いを如実に示した遊技情報を管理することが出来る。
また、遊技機2からは始動入賞を特定可能な始動入賞信号と単位遊技の実行を特定可能な図柄変動信号とが出力されるので、管理装置5は、始動入賞信号により始動入賞を特定する一方、図柄変動信号により図柄変動の実行を特定する。これにより、保留数信号として保留数を直接的に示す信号や、実行状態特定信号として図柄変動を実行している期間を直接的に特定出来る信号が出力されなくとも、始動入賞信号と図柄変動信号とにより非実行状態や実行状態を特定することが出来る。
【0054】
(第2実施形態)
以下、第2の実施形態による管理装置について図7を参照して説明する。第2実施形態では、遊技の終了時に止打期間の加算対象となる期間を判定している点において第1実施形態と異なっている。尚、管理装置の構成は第1実施形態と同一であるため、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図7は、図柄変動の状態と遊技機2側からの信号出力との関係を示すタイミングチャートである。遊技機2側からは、例えばO1、O2、O3のようにアウト信号が出力される。このとき、管理装置5の稼動タイマは、各アウト信号の入力時に作動を開始すると共に、O3のアウト信号の入力後に稼動タイマ作動期間T1が経過するとタイムアップする。そのため、管理装置5は、O1のアウト信号の入力時に稼動状態になったと判定し、O3のアウト信号に伴い作動を開始した作動タイマがタイムアップした時点で非稼動状態になったと判定する。
【0055】
さて、遊技者は、遊技を終了する場合、最後となり得る図柄変動にて大当たりとなった場合に大入賞口2fへと入賞させること考慮して、少量(約10〜30玉程度)のパチンコ玉を受皿2gなどに残しておく。そして、実行中の図柄変動の行方を見守り、その図柄変動にて大当たりが発生しないと判断した場合には、その残した玉を全て打ち込む。このとき、管理装置5には、図7に示すようなタイミングでアウト信号及び図柄変動信号が入力される。即ち、図柄変動信号が入力される前(図柄変動が確定する前)にアウト信号O1が入力され、続けてO2およびO3のアウト信号が入力されたものの、新たなアウト信号及び図柄変動信号の入力がないまま稼動タイマ作動期間T1が経過して非稼動状態になったと判定される。
【0056】
この場合、30玉程度のアウト(パチンコ玉の打ち込み)に相当するHS1の入力から稼動タイマ作動期間T1の終了までの期間(図7では除外期間T2に相当する)は、本来であれば特別非実行期間(遊技中の図柄変動している状態から無変動状態となってから始動入賞するまでの期間)に相当することになる。しかし、このような場合、遊技を終了するために遊技者自らが無変動状態であることを受け入れてパチンコ玉の打込を行っているため、除外期間T2をストレスに感じる遊技者はかなり少ないことが予想される。換言すると、この除外期間T2を遊技者のストレスを表す他の特別非実行期間に含めることには問題がある。
【0057】
また、管理装置5は、O3のアウト信号の入力後は、上記したように稼動タイマ作動期間T1を経過した後に非稼動状態になったと判定する。しかし、この稼動タイマ作動期間T1では、最後の玉を打ち尽くした遊技者が遊技機を離れている可能性が非常に高く、稼動タイマ作動期間T1をそのまま図柄変動の非実行期間に含めることには、やはり問題がある。
そこで、第2実施形態の管理装置5は、無変動状態となってから、或いは遊技開始の判定をしてから図柄変動状態になることなく非稼動状態になった場合には、上記したように遊技者は遊技を終了させていると判定して、特別除外稼動期間としての除外期間T2を特別非実行期間から除外する。
【0058】
管理装置5は、非稼動状態となった場合、稼動タイマ作動期間T1に相当する最終稼動期間を除外するよう稼動タイマ分、或いは別途定める稼動タイマ分を超えない非稼動除外期間(例えば稼動タイマに30%を乗じた期間等)分を、非実行期間から除外する。尚、この処理は稼動期間全体に対して行っても、無変動状態期間のみに対して行ってもいずれでも良い。また、変動状態においては、アウト信号がなくとも遊技者は図柄変動を見守っている筈であり、遊技機2も稼動状態と判定されるので、無変動状態になった時点(HS1の図柄変動信号が入力された時点)から稼動タイマの作動を開始しても良い。
このように、管理装置5は、特別非実行期間の内、特別除外稼動状態である旨が特定された期間である特別除外稼動期間を除外して、特別非実行情報を管理している。これにより、遊技を終了しようとする遊技者による非実行状態、即ち、遊技者が自ら発生させた非実行状態でありストレスを感じることのない期間を、特別非実行状態から除外でき、遊技者のストレス度合いを如実に示した遊技情報を管理対象とすることが出来る。
【0059】
また、管理装置5は、非稼動状態になったことが特定されることに応じて非実行期間を特定する場合、上述のように最後の図柄変動の確定後又は最後のアウト信号が入力されてから稼動タイマがタイムアップするまでの期間を除外、或いは予め設定した非稼動除外期間に置き換えて非実行期間を管理する。これは、遊技の終了時には、非稼動状態になったことが特定されることに応じて非実行期間を特定する場合、遊技終了後の非稼動状態との判定時にはその直前のアウト信号の入力から作動した稼動タイマの作動中(稼動タイマ作動期間T1)も実際には非稼動状態である可能性が極めて高く、稼動状態であることを前提とした非実行状態に含めるべきではないためである。つまり、稼動タイマのタイムアップ後に非稼動状態の特定を行うと、図柄変動終了後、或いはパチンコ玉の打込終了後、早々にして遊技者は遊技機2を離れるので、そのタイムアップするまでの期間は実際には遊技中ではないのに関わらず、遊技中と判断される虞があるためである。そこで、このような期間を除外或いは置き換えて非実行期間を特定することにより、実際には稼動状態ではない期間を的確に排除して非実行期間を管理対象とすること、即ち、最後のアウト信号入力後の非稼動期間を考慮して精度良く非実行期間として管理することが出来る。
【0060】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した各実施形態にて例示したものに限定されることなく、次のように変形又は拡張出来る。
第1実施形態では非稼動状態となってから稼動状態になった旨が特定されるまでの期間を止打期間としたが、非稼動状態の特定後に次の図柄変動の実行が特定されるまで期間を止打期間としてもよい。
打出到達及び参照到達の何れか一方を管理対象としても良い。また、全ての状態に対して打出到達を特定すべく判定保留数を採用したが、参照判定フラグのように状態毎に判定フラグを設けて打出到達を特定しても良い。更に遊技機にて取り得る保留数全てを管理対象とすることで、図柄変動中の全ての保留数を特別保留数として設定したが、遊技者が安心出来る保留数は大凡予想がつくため、その保留数のみを打出到達等の管理対象としても勿論良い。この場合、例えば保留3だけ、或いは保留3と保留4等を管理対象とすることが想定出来る。即ち、特別保留数は複数でも単数でもいずれでも良い。また、その保留数を参照到達における回数の割合が基準範囲内となることにより設定しても良い。保留情報の管理は営業日単位で複数日分管理し、参照期間を適宜指定し、その参照期間の保留情報を抽出して出力することが望ましいが、例えば釘調整の前後にて比較可能に保留情報を区分して出力すれば、釘調整により遊技者が満足しているのか不満としているのかをより適切に把握出来るようになる。
【0061】
累計期間としてタイマの測定期間を採用したが、アウトを累計期間として採用しても良い。また、遊技開始の判定として保留数=−1にて非稼動状態から稼動状態となったこととしたが、例えば遊技者が遊技機の前方に座ったことを検知する検知信号の入力後にハンドル2aの操作が行われた信号を入力することで遊技開始を判定する等、遊技機2側から出力される稼動状態を特定可能な稼動信号により稼動を検知することにより遊技開始を判定すれば、どのように遊技開始を判定しても良い。
止打期間を計測し、参照到達の期間から除外したが、誤差の範囲として除外しなくとも良い。また、止打期間を打出到達の期間や累計期間から除外しても良い。第2実施形態における除外も同様である。
参照到達を特定する場合に、リーチの場合を除外したがリーチか否かに関わらず特定しても良い。また、リーチの特定を変動タイマにより特定したが、遊技機2からリーチになったことを特定可能なリーチ信号が出力されれば、その信号の入力によりリーチを特定することも可能である。更に、管理保留数が無保留設定数の状態で図柄変動を特定した場合に無変動状態になったと判定すれば、管理保留数を−1とせず0のままで管理しても良い。この場合、別途、変動状態か否かを示す変動フラグを管理する必要がある。
【0062】
最後の稼動信号受信時に遡ることで正確に止打期間を特定すべく止打タイマ作動時に稼動タイマの設定期間を加算したが、誤差の範囲として加算しなくとも良い。勿論、第2実施形態と同様に別途定める稼動タイマ分を超えない非稼動除外設定期間を加算しても良い。また、例えば遊技機2のハンドル2aの操作状態を監視する等、直接的に稼動状態を特定出来れば稼動タイマ自体が必要なくなるので、止打タイマの作動開始時に稼動タイマを加算する必要も無くなる。
前述の通り、遊技開始時と遊技中との無変動状態は互いに遊技者が感じるストレス度合いが異なるので、各々異なる許容範囲(非特別許容範囲と特別許容範囲)を設定して、その各許容範囲を逸脱した場合に、その旨を報知しても良い。この場合、遊技開始時の無変動状態(一般非変動状態)の代わりに全ての無変動状態を対象として遊技中の無変動状態(特別非変動状態)に対して許容範囲を設定し、報知対象としても勿論良い。尚、対象となる期間は累計であっても平均であっても何れでも効果は期待出来る。
【0063】
各実施形態では図柄変動確定時に出力される図柄変動信号により図柄変動を特定したが、図柄変動開始時に出力される図柄変動信号により図柄変動を特定しても良い。この場合、無変動状態から図柄変動信号を受信した場合には保留数を減算せず、保留数が0の状態で図柄変動信号を受信してから図柄変動時間に対応したタイマを作動させ、そのタイムアップに応じて図柄変動が終了したとして無変動状態を特定すれば良い。勿論、図柄変動中に継続して出力される状態信号のような出力形態に対応しても良い。
【0064】
第1始動口2c及び第2始動口2dのいずれの始動口への始動入賞を区別することなく保留数の上限値を定めて保留数を管理する遊技機2を管理対象としたが、区別して保留数の上限を各々定めて管理する遊技機を管理対象としても良い。この場合、始動入賞信号が第1始動口2cと第2始動口2dとで区別して出力されれば、その入賞順と図柄変動信号によりいずれの図柄変動が行われているのかを特定し、図3保留管理記憶領域を第1始動口2cと第2始動口2dとで各々設けて更新すれば各実施形態と同様の処理が可能となる。勿論、例えば所謂封入式のパチンコ遊技機等、これら以外の遊技機を管理対象としても良い。
また、単位遊技として表示部2eで図柄が変動する図柄変動を例示したが、例えば役物の開放動作等であっても良く、保留可能であり大当たりを発生させるための役物の動作であればどのような単位遊技に適用しても良い。
【0065】
図2の保留情報設定は機種別に区分けしているが、遊技機に対する設定情報を特定出来れば、遊技機別に設定しても良いし、詳細に設定する必要が無ければ全ての遊技機に共通した設定としても良い。また、機種に限らず、例えば設置される遊技島単位で設定する等、グループ単位で設定しても良い。この場合、機種設定のようにグループを特定可能な設定を行う必要が勿論ある。
例示した全ての遊技情報について遊技信号から直接的、或いは間接的に特定する等どのように特定しても良い。また、各実施形態で示した数値や項目等は全て例示であり、どのような数値や項目等を採用しても良い。この場合、管理保留数や無変動状態等を始動入賞信号と図柄変動信号とにより特定したが、例えば保留数自体を示す信号や変動状態を示す変動状態信号の入力により特定しても勿論良い。また、管理装置5が行う情報処理の一部を中継装置4等にて行う構成としても良い。
【符号の説明】
【0066】
図面中、2は遊技機、5は管理装置(遊技情報管理装置、入力手段、遊技情報特定手段、遊技開始特定手段、保留数管理手段、設定手段、判定手段、保留情報管理手段)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動入賞したことを条件として大当たりを発生させるための単位遊技を実行し、その単位遊技の実行中に始動入賞した場合には、その始動入賞に対応する前記単位遊技を保留可能とし、当該実行中の単位遊技の終了に応じて保留している前記単位遊技を順次実行する一方、前記単位遊技を実行している状態である実行状態と、実行していない状態である非実行状態とを特定可能な実行状態特定信号を出力可能である遊技機の遊技情報を管理対象とした遊技情報管理装置であって、
遊技機側から出力される遊技信号である遊技機が稼動状態であるのか、非稼動状態であるのかを特定可能な稼動信号、及び前記実行状態特定信号を入力する入力手段と、
前記入力手段による前記稼動信号の入力により遊技機が稼動状態であるのか、非稼動状態であるのかを特定する稼動状態特定手段と、
前記稼動状態特定手段により非稼動状態から稼動状態になったことが特定された場合に遊技機における遊技開始を特定する遊技開始特定手段と、
前記入力手段による前記実行状態特定信号の入力により、前記単位遊技の前記実行状態であるのか、前記非実行状態であるのかを特定する実行状態特定手段と、
前記稼動状態特定手段により、遊技機が稼動状態である旨が特定されている状態で、前記実行状態特定手段により前記非実行状態である旨が特定されている期間である非実行期間の内、更に前記遊技開始特定手段により遊技開始が特定されてから前記実行状態である旨が特定されるまでの期間である一般非実行期間を除いた特別非実行期間、及び当該特別非実行期間となった回数である特別非実行回数の内、少なくとも一方である特別非実行情報を保留情報として管理する保留情報管理手段と、
を備えたことを特徴とする遊技情報管理装置。
【請求項2】
前記保留情報に対する許容範囲を示す設定を行う設定手段と、
前記保留情報が前記許容範囲を逸脱したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を報知する報知手段と、を備え、
前記保留情報管理手段は、前記一般非実行期間、及び当該一般非実行期間と前記特別非実行期間とを含めた前記非実行期間の内、少なくとも一方である非特別非実行期間を前記保留情報として管理し、
前記設定手段は、前記非特別非実行期間に対する許容範囲である非特別許容範囲と、前記特別非実行期間に対する許容範囲である特別許容範囲とを示す設定を行うと共に、前記非特別許容範囲と前記特別許容範囲とが各々異なる許容範囲を示すように設定可能であり、
前記判定手段は、前記非特別非実行期間については前記非特別許容範囲を逸脱したか否かを判定する一方、前記特別非実行期間については前記特別許容範囲を逸脱したか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の遊技情報管理装置。
【請求項3】
前記入力手段による遊技信号により遊技情報を特定する遊技情報特定手段と、
前記遊技機における保留数を示す管理保留数を管理する保留数管理手段と、を備え、
前記遊技機は、始動入賞を特定可能な始動入賞信号と、前記単位遊技の実行を特定可能な単位遊技信号とを前記実行状態特定信号として出力可能であり、
前記入力手段は、前記実行状態特定信号として、前記始動入賞信号と前記単位遊技信号とを入力し、
前記遊技情報特定手段は、前記始動入賞信号により始動入賞を特定する一方、前記単位遊技信号により前記単位遊技の実行を特定し、
前記保留数管理手段は、前記管理保留数を、前記遊技情報特定手段により始動入賞が特定されることによって加算する一方、前記単位遊技の実行が特定されることによって減算することで管理し、
前記実行状態特定手段は、前記保留数管理手段により管理される前記管理保留数が、予め設定される前記単位遊技が実行されている状態であり、前記保留数が無い状態に対応する保留数である無保留設定数である状態で、前記遊技情報特定手段により前記単位遊技の実行が特定された場合、前記単位遊技の前記非実行状態を特定することを特徴とする請求項1または2記載の遊技情報管理装置。
【請求項4】
前記稼動状態特定手段は、前記実行状態特定手段により非実行状態である旨の特定が行われてから非稼動状態である旨の特定を行うまでの期間中に、前記実行状態特定手段により実行状態になった旨が特定されない場合に、当該期間に対応した稼動状態を特別除外稼動状態として特定し、
前記保留情報管理手段は、前記特別非実行期間の内、前記特別除外稼動状態である旨が特定された期間である特別除外稼動期間を除外して、前記特別非実行情報を管理することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技情報管理装置。
【請求項5】
前記稼動信号は、遊技機にて複数の遊技価値が使用された場合に出力されるアウト信号であり、
前記稼動状態特定手段は、非稼動状態であることを特定している状態で、前記入力手段により前記アウト信号が入力された場合に稼動状態になったことを特定する一方、稼動状態であることを特定している状態で、前記実行状態特定手段による非実行状態になった旨の特定、及び当該非実行状態である旨が特定されている状態での前記アウト信号の入力のいずれかがあってから、前記実行状態特定手段による実行状態になった旨の特定、或いは前記アウト信号の入力がないまま、予め設定される稼動設定期間が経過した場合に非稼動状態になったことを特定し、
前記保留情報管理手段は、前記稼動状態特定手段により稼動状態であることが特定されている期間における前記非実行状態になった旨の特定、及び当該非実行状態である旨が特定されている状態での前記アウト信号の入力の内、いずれか遅い方から前記稼動設定期間が経過するまでの期間である最終稼動期間を、前記非実行期間から除外する、或いは予め設定される非稼動除外設定期間に置き換えて前記非実行期間を管理することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の遊技情報管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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