説明

遊技機、遊技システム及び遊技制御方法

【課題】 遊技者の采配によって、発動させるジャックポットを異ならせ得る構成とし、複数種類ある各ジャックポットへの期待感を高めることにより、エンタテイメント性を充分確保することが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】 本発明の遊技機は、通信回線により接続された複数の遊技機において消費される遊技媒体を複数種類のジャックポットに分配して貯留する際に各ジャックポットに分配する比率を入力するための入力スイッチと、記憶装置と、演算処理装置とを備える。上記演算処理装置は、上記入力スイッチから入力された分配比率を上記記憶装置に記憶する処理を実行する。また、上記演算処理装置は、上記記憶装置が記憶する分配比率に基づいて、遊技が行われるごとに消費される遊技媒体を各ジャックポットに分配する処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイン等の遊技媒体(遊技価値)を用いて遊技を行うスロットマシン等の遊技機、該遊技機と管理サーバとを備えた遊技システム、及び、該遊技システムに係る遊技制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技によって消費されたコイン等の遊技媒体の一部を貯留(積み立て)しておき、所定の条件が満たされることを条件として、貯留した遊技媒体を1の遊技者に払い出すジャックポットと呼ばれるシステムを有する遊技機が存在する(例えば、特許文献1参照)。このような遊技機のなかには、ジャックポットに当選する確率や1度の当選で払い出される遊技媒体の枚数が異なる複数種類のジャックポットを有する遊技機が存在する。
【0003】
複数種類のジャックポットを有する遊技機では、貯留された遊技媒体がある一定量に達すると、ジャックポットを発動することが可能な状態となる。通常、このような遊技機では、各ジャックポットへの当選確率が異なっており、当選確率の低いものほど、より多くの遊技媒体が払い出される構成となっている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−130119号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、遊技者の采配によって、発動させるジャックポットを異ならせ得る構成とし、複数種類ある各ジャックポットへの期待感を高めることにより、上述した従来技術にはない新たなエンタテイメントを提供することが可能な遊技機、遊技システム及び遊技制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
本発明の遊技機は、通信回線により接続された複数の遊技機において消費される遊技媒体を複数種類のジャックポットに分配して貯留する際に各ジャックポットに分配する比率を入力するための入力スイッチと、上記分配する比率を分配比率データとして記憶する記憶装置と、演算処理装置とを備える。上記演算処理装置は、上記入力スイッチから入力された分配比率を上記記憶装置に分配比率データとして記憶する処理を実行する。また、上記演算処理装置は、上記記憶装置が記憶する分配比率に基づいて、遊技が行われるごとに消費される遊技媒体を各ジャックポットに分配する処理を実行する。
【0007】
本発明の遊技機によれば、入力スイッチから入力された分配比率に基づいて、遊技が行われるごとに消費される遊技媒体が各ジャックポットに分配される。従って、遊技者の采配によって、発動させるジャックポットを異ならせ得るため、複数種類ある各ジャックポットへの期待感を高めることにより、エンタテイメント性を充分確保することが可能となる。
【0008】
また、本発明の遊技システムは、複数の遊技機と管理サーバとを備えた遊技システムである。上記遊技機は、通信回線により接続された上記複数の遊技機において消費される遊技媒体を、複数種類のジャックポットに対して貯留する際に各ジャックポットに分配する比率を入力するための入力スイッチを備える。そして、上記入力スイッチから入力された分配比率を上記遊技機が備える記憶装置に記憶する処理を実行する。また、上記遊技機が備える上記記憶装置に記憶する分配比率に基づいて、遊技が行われるごとに消費される遊技媒体を各ジャックポットに分配する処理を実行する。また、上記管理サーバは、上記複数の遊技機が分配した遊技媒体をジャックポット毎に貯留する処理を実行する。また、上記管理サーバは、貯留した遊技媒体の数が所定数に達した場合に、所定の抽籤を行い、貯留した遊技媒体をいずれか1の遊技機に払い出す処理を実行する。
【0009】
本発明の遊技システムによれば、遊技機が備える入力スイッチから入力された分配比率に基づいて、遊技が行われるごとに消費される遊技媒体が各ジャックポットに分配される。そして、分配され、ジャックポット毎に貯留した遊技媒体の数が所定数に達した場合に、所定の抽選を行い、貯留した遊技媒体をいずれか1の遊技機に払い出す。従って、遊技者の采配によって、発動させるジャックポットを異ならせ得るため、複数種類ある各ジャックポットへの期待感を高めることにより、エンタテイメント性を充分確保することが可能となる。
【0010】
また、本発明の遊技制御方法は、遊技機において実行する遊技制御方法である。この遊技制御方法は、通信回線により接続された複数の遊技機において消費される遊技媒体を、複数種類のジャックポットに貯留する際に、各ジャックポットに貯留する遊技媒体の分配比率を設定する段階を含む。
【0011】
本発明の遊技制御方法によれば、各ジャックポットに貯留する遊技媒体の分配比率を設定する。従って、遊技者の采配によって、発動させるジャックポットを異ならせ得るため、複数種類ある各ジャックポットへの期待感を高めることにより、エンタテイメント性を充分確保することが可能となる。
【0012】
さらに、本発明の遊技機、遊技システム、及び、遊技制御方法は、以下のようなものを提供する。
上記遊技機が備える上記演算処理装置は、分配比率をゼロにしたジャックポットに当選させないように制御する処理を実行する。
【0013】
本発明の遊技機、遊技システム、及び、遊技制御方法によれば、分配比率をゼロにしたジャックポットに当選させないため、遊技の公平性を保つことができる。また、分配していないジャックポットに当選するという不自然さを解消することができる。
【0014】
さらに、本発明の遊技機、遊技システム、及び、遊技制御方法は、以下のようなものを提供する。
上記遊技機は、表示装置を備える。上記遊技機が備える上記演算処理装置は、ゲーム開始時に、分配比率を入力する指示を上記表示装置に表示する処理を実行する。
【0015】
本発明の遊技機、遊技システム、及び、遊技制御方法によれば、ゲーム開始時に、分配比率を入力する指示を表示装置に表示するため、遊技者の意思をゲーム開始時から反映することができる。
【0016】
さらに、本発明の遊技システム、及び、遊技制御方法は、以下のようなものを提供する。
上記遊技機は、表示装置を備える。上記遊技機が備える上記演算処理装置は、いずれかの当選役に当選する毎に、分配比率を入力する指示を上記表示装置に表示する処理を実行する。
【0017】
本発明の遊技機、遊技システム、及び、遊技制御方法によれば、いずれかの当選役に当選する毎に、分配比率を入力する指示を表示装置に表示する。当選役に当選した場合には、遊技媒体を獲得することができるため、発動を希望するジャックポットの種類が変わることがある。このように、分配比率の変更を希望し得るタイミングで分配比率を入力する指示が表示されるため、遊技者の意思がゲームの途中で変わってもその意思を反映することができる。
【0018】
[用語の定義等]
「ジャックポット」とは、遊技によって消費されたコイン等の遊技媒体の全部又は一部を貯留しておき、所定の条件が満たされることを条件として、貯留された遊技媒体を1の遊技者(遊技機)に払い出すことをいう。また、このようにして積み立てられた遊技媒体の払い出しを受ける条件を満たしたことをジャックポットに当選するという。
「分配して貯留する」とは、消費される遊技媒体を、夫々のジャックポットごとに貯留することをいう。貯留は、電子データとして行われることが通常である。この場合、電子データとして記憶することをいう。
「分配比率」とは、遊技によって消費された遊技媒体の全部又は一部を貯留する際に、複数のジャックポットに振り分けるための比率をいう。例えば、貯留される全遊技媒体の数が10である場合、ジャックポットへの振分比率が10%のジャックポットへは、1の遊技媒体が貯留されることになる。以下、「分配比率」に基づいて、遊技が行われるごとに消費される「遊技媒体を各ジャックポットに分配する」方法について説明する。
【0019】
まず、本発明に係る遊技システムについて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る遊技システムの全体構成を示す概略図である。
遊技システム100は、複数の遊技機10と、これらの遊技機10と所定の通信回線101を介して接続された管理サーバ200とを備えている。このような遊技システム100は、バーやカジノ等の様々な遊技を行うことが可能な1つの遊技施設内に構築されてもよく、複数の遊技施設間に構築されてもよい。また、1つの遊技施設内に構築される場合には、該遊技施設のフロアやセクションごとに遊技システム100が構築されてもよい。通信回線101は、特に限定されるものではなく、有線であっても無線であってもよく、専用回線や交換回線等を採用することが可能である。
【0020】
遊技システム100は、複数種類のジャックポットを有している。遊技システム100では、遊技機10において、遊技が行われ、遊技媒体が消費された場合には、その全部又は一部が貯留される。遊技機10では、遊技の開始時、及び、いずれかの当選役に当選する毎に、遊技媒体が各ジャックポットに貯留される際の分配比率を入力することが可能である。遊技者は、遊技機10が備える入力スイッチを操作して、分配比率を入力することが可能である。入力スイッチとしては、遊技機10の画面上に設けられたタッチパネルであってもよく、専用のスイッチが設けられていてもよく、スピンボタン、チェンジボタン、キャッシュアウトボタン、BETボタン等が選択スイッチとして機能することとしてもよい。分配比率を入力するタイミングは、遊技の開始時、及び、いずれかの当選役に当選する毎に限定されない。例えば、常時可能としてもよい。
【0021】
遊技機10では、入力スイッチから入力された分配比率を記憶する。そして、遊技媒体が消費された場合には、その遊技媒体を各ジャックポットに分配する。遊技媒体を各ジャックポットに分配する方法としては、特に限定されないが、例えば、消費された遊技媒体の枚数と分配比率とから、各ジャックポットへの分配枚数を算出し、その分配枚数を管理サーバに送信する方法を挙げることができる。また、他の方法としては、消費された遊技媒体の枚数と分配比率を管理サーバ200に送信することにより、消費された遊技媒体を各ジャックポットに分配する方法を挙げることができる。
【0022】
管理サーバ200では、複数の遊技機10が分配した遊技媒体をジャックポット毎に貯留する。遊技媒体をジャックポット毎に貯留する方法としては、特に限定されないが、例えば、遊技機10により各ジャックポットへの分配枚数が算出され、その分配枚数を遊技機10から受信した場合には、その分配枚数をジャックポット毎に貯留する方法を挙げることができる。また、他の方法としては、消費された遊技媒体の枚数と分配比率とを遊技機10から受信した場合には、各ジャックポットへの分配枚数を算出し、この分配枚数をジャックポット毎に貯留する方法を挙げることができる。
【0023】
管理サーバ200では、貯留した遊技媒体の数が所定の閾値(所定数)に達した場合に、所定の抽選を行い、貯留した遊技媒体を払い出す遊技機を決定する。閾値は、ジャックポット毎に異なっていてもよく、同じであってもよい。また、貯留した遊技媒体を払い出す遊技機を決定するための抽選は、特に限定されないが、例えば、管理サーバ200が遊技中であると認識している遊技機10のなかから1の遊技機10を乱数抽選により決定する方法を挙げることができる。この場合、分配比率の高い遊技機10ほど当選確率を高くしてもよい。また、遊技機10から何かのデータが送信されたタイミングが所定のタイミングである場合に当該遊技機10を、貯留した遊技媒体を払い出す遊技機として決定することとしてもよい。
【0024】
また、管理サーバ200では、上記抽選により決定した遊技機に、貯留した遊技媒体を払い出す。貯留した遊技媒体を払い出す方法としては、特に限定されないが、例えば、遊技機10に対して貯留した遊技媒体を払い出す旨の信号を送信することにより払い出す方法を挙げることができる。また、他の例としては、貯留した遊技媒体を払い出す遊技機を決定した後、当該遊技機において、例えば、所定のゲームをクリアする等、所定の条件が満たされることを条件として、貯留した遊技媒体を払い出すことを許容することにより払い出す方法を挙げることができる。
【0025】
このとき、遊技機10では、分配比率をゼロにしたジャックポットに当選させないように制御する。分配比率をゼロにしたジャックポットに当選させないように制御する方法としては特に限定されないが、例えば、予め管理サーバ200に、分配比率がゼロであるジャックポットを通知しておき、上記の抽選において当該遊技機10が選択されないようにする方法を挙げることができる。また、他の例としては、ジャックポットに当選した場合に、分配比率を参照し、当該ジャックポットへの分配比率がゼロである場合には、当該当選を無効にする方法を挙げることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、遊技者の采配によって、発動させるジャックポットを異ならせ得る構成とし、複数種類ある各ジャックポットへの期待感を高めることにより、エンタテイメント性を充分確保することが可能な遊技機、遊技システム及び遊技制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下の詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明する。
本発明は、以下の詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。
また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。
また、要約書の目的は、特許庁及び一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判断し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。
また、本発明の目的及び本発明の特有の効果を充分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。
【0028】
以下の詳細な説明は、コンピュータ又はコンピュータネットワーク上で実行される処理を含むものである。以下での説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。
本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各ステップは、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各ステップでは、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各ステップにおける処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。
また、各ステップにおける処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各ステップを行うために要求されるその他の構成は、以下の説明から自明になるものである。
【0029】
本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る遊技機を模式的に示す斜視図である。
本実施形態において、遊技機10は、スロットマシンである。ただし、本発明において、遊技機としては、スロットマシンに限定されず、例えば、ビデオスロットマシン、ビデオカードゲーム機等の所謂シングルゲーム機であってもよく、競馬ゲームやビンゴゲームや宝くじ等のように結果が表示されるまでに所定の時間を要するゲームを行う所謂マスゲーム機(マルチ・ターミナル・ゲーミングマシン)等であってもよい。
【0030】
遊技機10では、遊技媒体として、コイン、紙幣又はこれらに相当する電子的な有価情報が用いられる。ただし、本発明において、遊技媒体としては、特に限定されるものではなく、例えば、メダル、トークン、電子マネー、チケットを挙げることができる。なお、上記チケットとしては、特に限定されるものではなく、例えば、後述するようなバーコード付きチケット等を挙げることができる。
【0031】
遊技機10は、キャビネット11と、キャビネット11の上側に設置されたトップボックス12と、キャビネット11の前面に設けられたメインドア13とを備えている。キャビネット11の内部には、3個のリール14(14L、14C、14R)が回転可能に設けられている。各リール14の外周面には、22個の図柄(以下、シンボルともいう)からなるシンボル列が描かれている。
【0032】
メインドア13における各リール14の前方には、表示装置としての下側画像表示パネル16が設けられている。下側画像表示パネル16は、透明液晶パネルを備えていて、遊技中には、遊技に関する各種の情報や演出画像等が表示される。
下側画像表示パネル16には、クレジット数表示部31及びペイアウト数表示部32が設定されている。クレジット数表示部31には、クレジットされたコインの枚数が画像によって表示される。ペイアウト表示部32には、入賞ラインL上に停止表示されたシンボルの組合せが所定の組合せであった場合に払い出されるコインの数が画像によって表示される。
【0033】
下側画像表示パネル16には、その背面を視認可能な3個の表示窓15(15L、15C、15R)が形成されていて、各表示窓15を介して各リール14の外周面に描かれたシンボルが夫々3個ずつ表示される。下側画像表示パネル16には、3個の表示窓15を水平に横切る1本の入賞ラインLが形成されている。入賞ラインLは、シンボルの組合せを規定するものである。入賞ラインL上に停止表示されたシンボルの組合せが所定の組合せであった場合に、その組合せとコインの投入数(BET数)とに応じた枚数のコインが払い出される。
【0034】
なお、本発明においては、例えば、3個の表示窓15を水平に又は斜めに横切る複数本の入賞ラインLが形成されていて、コインの投入数に応じた数の入賞ラインLが有効化され、有効化された入賞ラインL上に停止表示されたシンボルの組合せが所定の組合せであった場合に、その組合せに応じた枚数のコインが払い出されることとしてもよい。
【0035】
さらに、下側画像表示パネル16の前面には、図示しないが、タッチパネル69が設けられていて、遊技者はタッチパネル69を操作して各種の指示を入力することかできる。
【0036】
下側画像表示パネル16の下方には、遊技者によって遊技進行に係る指示が入力される複数のボタン23〜27からなるコントロールパネル20と、コインをキャビネット11内に受け入れるコイン受入口21と、紙幣識別器22とが設けられている。
【0037】
コントロールパネル20には、スピンボタン23と、チェンジボタン24と、キャッシュアウトボタン25と、1−BETボタン26と、最大BETボタン27とが設けられている。スピンボタン23は、リール14の回転を開始させる指示を入力するためのものである。チェンジボタン24は、遊技施設の係員に両替を要求する際に用いられるものである。キャッシュアウトボタン25は、クレジットされているコインをコイントレイ18に払い出す指示を入力するためのものである。
【0038】
1−BETボタン26は、クレジットされているコインのうち、1枚のコインを遊技に賭ける指示を入力するためのものである。最大BETボタン27は、クレジットされているコインのうち、1回の遊技に賭けることが可能な最大枚数(本実施形態では50枚)のコインを遊技に賭ける指示を入力するためのものである。
【0039】
なお、本発明において、遊技媒体の投入とは、遊技媒体が遊技に賭けられることをいう。例えば、コイン受入口21に投入されたコインが、直接遊技に賭けられる場合、コイン受入口21へのコインの投入が、遊技媒体の投入に相当する。ただし、本実施形態のように、コイン受入口21へコインが投入されると、一旦クレジットされ、1−BETボタン26又は最大BETボタン27が操作されると、クレジットされたコインが遊技に賭けられる場合、クレジットされたコインが遊技に賭けられることが、遊技媒体の投入に相当する。
【0040】
紙幣識別器22は、紙幣の適否を識別するとともに正規の紙幣をキャビネット11内に受け入れるものである。なお、紙幣識別器22は、後述するバーコード付チケット39を読み取ることができるように構成されていてもよい。メインドア13の下部前面、すなわち、コントロールパネル20の下方には、遊技機10のキャラクタ等が描かれたベリーガラス34が設けられている。
【0041】
トップボックス12の前面には、上側画像表示パネル33が設けられている。上側画像表示パネル33は、液晶パネルを備えていて、例えば、遊技内容の紹介や遊技のルールの説明を表す画像が表示される。
【0042】
また、トップボックス12には、スピーカ29が設けられている。上側画像表示パネル33の下側には、チケットプリンタ35と、カードリーダ36と、データ表示器37と、キーパッド38とが設けられている。チケットプリンタ35は、クレジット数や日時や遊技機10の識別番号等のデータがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット39として出力するものである。遊技者は、バーコード付チケット39を他の遊技機に読み取らせて該遊技機で遊技を行ったり、バーコード付チケット39を遊技施設の所定箇所(例えばカジノ内のキャッシャ)で紙幣等に交換したりすることができる。
【0043】
カードリーダ36は、スマートカードからのデータの読み取り及びスマートカードへのデータの書き込みを行うものである。スマートカードは、遊技者が所持するカードであり、例えば、遊技者を識別するためのデータ、遊技者が行った遊技の履歴に関するデータが記憶される。スマートカードには、コイン、紙幣又はクレジットに相当するデータが記憶されることとしてもよい。また、スマートカードにかえて、磁気ストライプカードを採用してもよい。データ表示器37は、蛍光ディスプレイ等からなり、例えば、カードリーダ36が読み取ったデータや、遊技者によってキーパッド38を介して入力されたデータを表示するものである。キーパッド38は、チケット発行等に関する指示やデータを入力するためのものである。
【0044】
図3は、各リールの外周面に描かれたシンボルの列を示した模式図である。
左リール14L、中リール14C及び右リール14Rの外周面には、夫々22個のシンボルが描かれている。各リール14に描かれたシンボルの列は、互いに異なっている。各シンボルの列は、「JACKPOT 7」、「BLUE 7」、「BELL」、「CHERRY」、「STRAWBERRY」、「PLUM」、「ORANGE」、「APPLE」のシンボルが組み合わされて構成されている。
【0045】
「JACKPOT 7」、「BLUE 7」、「BELL」、「CHERRY」、「STRAWBERRY」、「PLUM」、「ORANGE」は、入賞ラインL上に3つ停止表示された場合に、予め定められたクレジット数が遊技者の所有するクレジットとして追加される(図11参照)。また、「CHERRY」、「ORANGE」については、入賞ライン上に1つ又は2つ停止表示された場合であっても、その数に応じて、予め定められたクレジット数が遊技者の所有するクレジットとして追加される(図12参照)。
【0046】
「APPLE」は、ボーナスゲームトリガー(ボーナスゲームに移行するためのシンボル)である。「APPLE」が入賞ラインL上に3つ停止表示された場合には、ボーナスゲームに移行することができる。本実施形態において、ボーナスゲームは、フリーゲーム(コインをBETすることなく所定回数にわたって遊技を行うことができるゲーム)である。
【0047】
各リール14に描かれたシンボルの列は、1−BETボタン26又は最大BETボタン27が押下された後にスピンボタン23が押下されてゲームが開始されると、リール14の回転に伴って、表示窓15において上方向から下方向へとスクロール表示され、所定時間経過後に、リール14の回転の停止に伴って、表示窓15において停止表示される。さらに、各シンボルの組合せに基づき各種の役(図12参照)が予め定められていて、役に対応するシンボルの組合せが入賞ラインL上で停止した際には、役に応じたコインの払出数が、遊技者が所有するクレジットに加算される。また、ボーナスゲームトリガーが成立したときには、ボーナスゲームが発生する。
【0048】
図4は、図2に示した遊技機の内部構成を示すブロック図である。
ゲーミングボード50は、内部バスによって互い接続されたCPU(Central Processing Unit)51、ROM55及びブートROM52と、メモリカード53に対応したカードスロット53Sと、GAL(Generic Array Logic)54に対応したICソケット54Sとを備えている。
【0049】
メモリカード53は、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の不揮発性メモリからなり、ゲームプログラムを記憶している。ゲームプログラムには、抽選プログラムが含まれている。上記抽選プログラムは、入賞ラインL上に停止表示される各リール14のシンボル(シンボルに対応するコードNo.)を決定するためのプログラムである。
【0050】
また、カードスロット53Sは、メモリカード53を挿抜可能なように構成されていて、IDEバスによってマザーボード40に接続されている。従って、カードスロット53Sからメモリカード53を抜き取り、メモリカード53に別のゲームプログラムを書き込み、そのメモリカード53をカードスロット53Sに差し込むことにより、遊技機10で行われる遊技の種類や内容を変更することができる。ゲームプログラムには、遊技進行に係るプログラム、分配比率の入力に係るプログラムが含まれる。また、ゲームプログラムには、遊技中に出力される画像データや音データが含まれる。
【0051】
内部バスによって互いに接続されたCPU51、ROM55及びブートROM52は、PCIバスによってマザーボード40に接続されている。PCIバスは、マザーボード40とゲーミングボード50との間の信号伝達を行うとともに、マザーボード40からゲーミングボード50への電力供給を行う。
【0052】
マザーボード40は、市販の汎用マザーボード(パーソナルコンピュータの基本部品を実装したプリント配線板)を用いて構成され、メインCPU41と、ROM(Read Only Memory)42と、RAM(Random Access Memory)43と、通信用インターフェイス44とを備えている。メインCPU41は、本発明における演算処理装置である。
【0053】
ROM42には、フラッシュメモリ等のメモリデバイスからなり、メインCPU41により実行されるBIOS(Basic Input/Output System)等のプログラムと、恒久的なデータが記憶されている。メインCPU41によってBIOSが実行されると、所定の周辺装置の初期化処理が行われるとともに、メモリカード53に記憶されているゲームプログラムのゲーミングボード50を介した取込処理が開始される。なお、本発明において、ROM42は、内容の書き換えが可能なものであってもよく、不可能なものであってもよい。
【0054】
RAM43には、メインCPU41が作動する際に用いられるデータやプログラムが記憶される。また、RAM43は、ゲームプログラムを記憶することができる。
【0055】
また、記憶装置としてのRAM43には、タッチパネル69を介して入力される分配比率が記憶される。また、RAM43には、クレジット数や、1回の遊技における投入数や払出数等のデータが記憶される。
【0056】
通信インターフェイス44は、通信回線101を介して管理サーバ200との通信を行うためのものである。メインCPU41は、遊技において役が成立しなかった場合には、当該遊技において消費されたコインの枚数と、後述する分配比率(図8参照)とを管理サーバ200に送信する。このようにして送信されたコインの枚数と分配比率とに基づいて、管理サーバ200では、各ジャックポットにコインが貯留されることとなる。
【0057】
また、マザーボード40には、後述する本体PCB(Printed Circuit Board)60及びドアPCB80とが、夫々USBによって接続されている。さらに、マザーボード40には、電源ユニット45が接続されている。
【0058】
本体PCB60及びドアPCB80には、メインCPU41に入力される入力信号を発生させる機器や装置と、メインCPU41から出力される制御信号により動作が制御される機器や装置とが接続されている。メインCPU41は、メインCPU41に入力された入力信号に基づいて、RAM43に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、所定の演算処理を行ってその結果をRAM43に記憶したり、各機器や装置に対する制御処理として各機器や装置に制御信号を送信したりする。
【0059】
本体PCB60には、ランプ30、サブCPU61、ホッパー66、コイン検出部67、グラフィックボード68、スピーカ29、タッチパネル69、紙幣識別器22、チケットプリンタ35、カードリーダ36、キースイッチ38S及びデータ表示器37が接続されている。ランプ30は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、所定のパターンで点灯する。
【0060】
サブCPU61は、リール14(14L、14C、14R)の回転及び停止の制御を行うものである。サブCPU61には、FPGA(Field Programmable Gate Array)63及びドライバ64を備えたモータ駆動回路62が接続されている。FPGA63は、プログラミング可能なLSI等の電子回路であり、ステッピングモータ70の制御回路として機能するものである。ドライバ64は、ステッピングモータ70に入力するパルスの増幅回路として機能するものである。モータ駆動回路62には、各リール14の回転を行うステッピングモータ70(70L、70C、70R)が接続されている。ステッピングモータ70は、1−2相励磁方式のステッピングモータである。
【0061】
また、サブCPU61には、インデックス検出回路65と、位置検出変更回路71とが接続されている。インデックス検出回路65は、回転中のリール14の位置(後述するインデックス)を検出するものであり、さらに、リール14の脱調を検出可能である。
【0062】
位置変更検出回路71は、リール14の回転が停止した後におけるリール14の停止位置の変更を検出する。例えば、位置変更検出回路71は、実際には入賞態様となるシンボルの組合せではないにも拘わらず、遊技者により強制的に入賞態様となるシンボルの組合せになるように停止位置が変更された場合等に係るリール14の停止位置の変更を検出する。位置変更検出回路71は、例えば、リール14の内側部分に所定間隔で取り付けられたフィン(図示せず)を検出することにより、リール14の停止位置の変更を検出可能に構成されている。
【0063】
ホッパー66は、キャビネット11内に設置されていて、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、所定数のコインをコイン払出口19からコイントレイ18に払い出す。コイン検出部67は、コイン払出口19の内部に設けられていて、コイン払出口19から所定枚数のコインが払い出されたことを検出した場合には、メインCPU41に対して入力信号を出力する。
【0064】
グラフィックボード68は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、上側画像表示パネル33及び出力装置としての下側画像表示パネル16における画像表示を制御する。下側画像表示パネル16のクレジット数表示部31には、RAM43に記憶されているクレジット数が表示される。また、下側画像表示パネル16のペイアウト数表示部31には、コインの払出数が表示される。
グラフィックボード68は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて画像データを生成するVDP(Video Display Processor)や、VDPによって生成される画像データを一時的に記憶するビデオRAM等を備えている。なお、VDPによって画像データを生成する際に用いられる画像データは、メモリカード53から読み出されてRAM43に記憶されたゲームプログラム内に含まれている。
【0065】
紙幣識別器22は、紙幣の適否を識別するとともに正規の紙幣をキャビネット11内に受け入れる。紙幣識別器22は、正規の紙幣を受け入れたとき、その紙幣の額に基づいてメインCPU41に対して入力信号を出力する。メインCPU41は、該入力信号により伝達された紙幣の額に応じたクレジット数をRAM43に記憶する。
【0066】
チケットプリンタ35は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、RAM43に記憶されたクレジット数、日時や遊技機10の識別番号等のデータがコード化されたバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケット39として出力する。
カードリーダ36は、スマートカードからのデータを読み取ってメインCPU41へ送信したり、メインCPU41からの制御信号に基づいてスマートカードへのデータの書き込みを行ったりする。キースイッチ38Sは、キーパッド38に設けられていて、キーパッド38が遊技者によって操作されたとき、所定の入力信号をメインCPU41へ出力する。データ表示器37は、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて、カードリーダ36が読み取ったデータや遊技者によってキーパッド38を介して入力されたデータを表示する。
【0067】
ドアPCB80には、コントロールパネル20、リバータ21S、コインカウンタ21C及び冷陰極管81が接続されている。コントロールパネル20には、スピンボタン23に対応したスピンスイッチ23S、チェンジボタン24に対応したチェンジスイッチ24S、CASHOUTボタン25に対応したCASHOUTスイッチ25S、1−BETボタン26に対応した1−BETスイッチ26S、及び、最大BETボタン27に対応した最大BETスイッチ27Sが設けられている。各スイッチ23S〜27Sは、対応するボタン23〜27が遊技者によって操作されたとき、メインCPU41に対して入力信号を出力する。
【0068】
コインカウンタ21Cは、コイン受入口21の内部に設けられていて、遊技者によってコイン受入口21に投入されたコインの適否を識別する。正規のコイン以外のものは、コイン払出口19から排出される。また、コインカウンタ21Cは、正規のコインを検出したときにメインCPU41に対して入力信号を出力する。
【0069】
リバータ21Sは、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて動作するものであり、コインカウンタ21Cによって正規のコインとして認識されたコインを、遊技機10内に設置されたキャッシュボックス(図示せず)又はホッパー66に振り分ける。すなわち、ホッパー66がコインで満たされている場合、正規のコインはリバータ21Sによってキャッシュボックスに振り分けられる。一方、ホッパー66がコインで満たされていない場合には、正規のコインはホッパー66に振り分けられる。冷陰極管81は、下側画像表示パネル16と、上側画像表示パネル33との背面側に設置されるバックライトとして機能するものであり、メインCPU41から出力される制御信号に基づいて点灯する。
【0070】
図5は、本発明の一実施形態に係る管理サーバの内部構成を示すブロック図である。
管理サーバ200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、通信インターフェイス204と、ハードディスクドライブ205とを備えている。通信インターフェイス204は、通信回線101を介して、各遊技機10の通信インターフェイス44と接続されている。ROM202は、制御装置の動作を制御するためのシステムプログラムや恒久的なデータ等が記憶されている。また、ハードディスクドライブ205は、各遊技機10において消費されたコインをジャックポット毎に記憶する。また、RAM203は、各遊技機10から受信したデータや、演算結果等のデータを一時的に記憶する。
【0071】
CPU201は、各遊技機10から受信した消費コインの枚数と、分配比率(図8参照)とから各ジャックポットへの分配枚数を算出し、この分配枚数をジャックポット毎に、ハードディスクドライブ205に記憶することにより、貯留する。
【0072】
図6は、ジャックポットと貯留枚数とを説明するための図である。
本実施形態では、A〜Dの5種類のジャックポットが存在する。各ジャックポットは、発動閾値が互いに異なっている。
ジャックポットAの発動閾値は、1000である。従って、貯留枚数が1000枚に達するまでは、ジャックポットAは発動しない。図6では、ジャックポットAへの貯留枚数が現在800枚であることを示している。
ジャックポットBの発動閾値は、5000である。従って、貯留枚数が5000枚に達するまでは、ジャックポットBは発動しない。図6では、ジャックポットBへの貯留枚数が現在6500枚であることを示している。
ジャックポットCの発動閾値は、10000である。従って、貯留枚数が10000枚に達するまでは、ジャックポットCは発動しない。図6では、ジャックポットCへの貯留枚数が現在8000枚であることを示している。
ジャックポットDの発動閾値は、500000である。従って、貯留枚数が500000枚に達するまでは、ジャックポットDは発動しない。図6では、ジャックポットDへの貯留枚数が現在300000枚であることを示している。
なお、ジャックポットが発動した場合には、貯留枚数を“0”にすることにしてもよく、“0”とはせずに、所定の初期の数(例えば、500)から開始されることとしてもよい。
【0073】
次に、遊技機10において行われる処理について説明する。
メインCPU41は、分配比率の入力に係るプログラム、ゲームプログラムを読み出して実行することにより、遊技を進行させる。
図7は、分配比率入力処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
このサブルーチンは、遊技開始時に実行される他、後述する遊技実行処理においても呼び出されて実行される(図10、ステップS19参照)。
まず、メインCPU41は、分配比率の入力を遊技者に対して要求するための画像を下側画像表示パネル16に表示する処理を行う(ステップS1)。この処理において、メインCPU41は、分配比率入力画像の描画命令をグラフィックボード68に送信する。グラフィックボードでは、上記描画命令に基づいて、VDPが画像データをRAM43から抽出してビデオRAMに展開し、1フレームの画像データを生成し、この画像データを下側画像表示パネル16に出力する。その結果、下側画像表示パネル16には、例えば、図8に示すような画像が表示される。
【0074】
図8は、下側画像表示パネルに表示される分配比率入力画像の一例を示す図である。
下側画像表示パネル16の上部には、「JPへの分配比率を入力してください」を示す画像が表示されている。この画像は、各ジャックポットへの分配比率を入力することを促すための画像である。また、下側画像表示パネル16の中央部には、「Type A」、「Type B」、「Type C」、「Type D」を示す画像が表示され、各画像の下側には、各画像が示すジャックポットに対する分配比率を入力するためのテキストボックスを示す画像が表示されている。遊技者は、テンキーを示す画像の表示領域に対応するタッチパネル69の所定箇所に触れることにより、テキストボックスに数値を入力することができる。タッチパネル69は、本発明における入力スイッチである。また、遊技者は、「決定」を示す画像の表示領域に対応するタッチパネル69の所定箇所に触れることにより、テキストボックスに入力した数値を確定することができる。
【0075】
次に、ステップS2において、メインCPU41は、タッチパネル69から出力される検出信号に基づいて、分配比率の入力を受け付ける。
次に、ステップS3において、メインCPU41は、入力された分配比率をRAM43に記憶する。その後、本サブルーチンを終了する。
【0076】
図9は、分配比率を説明するための図である。
図9に示すように、RAM43には、各ジャックポットに対応付けて分配比率が記憶されている。ジャックポットAには、分配比率10%が対応付けられている。ジャックポットBには、分配比率20%が対応付けられている。ジャックポットCには、分配比率30%が対応付けられている。ジャックポットDには、分配比率50%が対応付けられている。
【0077】
図10は、遊技実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
このサブルーチンは、遊技開始時に図7に示した分配比率入力処理を実行した後に実行されるサブルーチンである。
遊技実行処理においては、まず、メインCPU41は、コインがBETされたか否かを判断する(ステップS10)。この処理において、メインCPU41は、1−BETボタン26が操作された際に1−BETスイッチ26Sから出力される入力信号、又は、最大BETボタン27が操作された際に最大BETスイッチ27Sから出力される入力信号を受信したか否かを判断する。コインがBETされていないと判断した場合、ステップS10に処理を戻す。
【0078】
一方、ステップS10において、コインがBETされたと判断した場合、メインCPU41は、BETされたコインの枚数に応じて、RAM43に記憶されたクレジット数を減算する処理を行う(ステップS11)。なお、BETされるコインの枚数がRAM43に記憶されたクレジット数より多い場合には、RAM43に記憶されたクレジット数を減算する処理を行わずに、ステップS10に処理を戻す。また、BETされるコインの枚数が、1回の遊技にBETすることが可能な上限値(本実施形態では50枚)を超える場合には、RAM43に記憶されたクレジット数を減算する処理を行わずに、ステップS12に処理を進める。
【0079】
次に、メインCPU41は、スピンボタン23がONされたか否かを判断する(ステップS12)。この処理において、メインCPU41は、スピンボタン23が押下された際にスピンスイッチ23Sから出力される入力信号を受信したか否かを判断する。
スピンボタン23がONされていないと判断した場合、ステップS10に処理を戻す。なお、スピンボタン23がONされなかった場合(例えば、スピンボタン23がONされずに遊技を終了する旨の指示が入力された場合)には、メインCPU41は、ステップS11における減算結果をキャンセルする。
【0080】
一方、ステップS12において、スピンボタン23がONされたと判断した場合、メインCPU41は、抽選処理を行う(ステップS13)。この抽選処理において、メインCPU41は、RAM43に記憶された抽選プログラムを実行することにより、各リール14の停止時におけるコードNo.を決定する。これにより、停止表示されるシンボルの組合せが決定される。この処理については、後で図10、図11を用いて詳述することにする。なお、本実施形態では、停止表示されるシンボルの組合せを決定することにより、複数種類の役の中から1つの役を決定する場合について説明するが、本発明においては、例えば、先ず抽選によって、複数種類の役の中から選ばれる1つの役を決定し、その後に、停止表示されるシンボルの組合せを上記役に基づいて決定することとしてもよい。
【0081】
次に、メインCPU41は、リールの回転制御処理を行う(ステップS14)。この処理は、全リール14の回転を開始した後、ステップS13において決定された役に対応したシンボルの組合せが入賞ラインL上に停止表示されるように、各リールの回転を停止させる処理である。
【0082】
次に、メインCPU41は、ボーナスゲームトリガーが成立したか否か、すなわち、表示窓15内に「APPLE」が停止表示されたか否かを判断する(ステップS15)。ボーナスゲームトリガーが成立したと判断した場合には、メインCPU41は、ボーナスゲームを行うためのプログラムをRAM43から読み出してボーナスゲーム処理を実行する(ステップS16)。ボーナスゲーム処理については、後で図12を詳述することにする。
【0083】
一方、ボーナスゲームトリガーが成立していないと判断した場合、メインCPU41は、役が成立したか否かを判断する(ステップS17)。役が成立したと判断した場合、メインCPU41は、投入数及び役に応じたコインの払い出しを行う(ステップS18)。コインの貯留を行う場合、メインCPU41は、RAM43に記憶されたクレジット数を加算する処理を行う。一方、コインの払い出しを行う場合には、メインCPU41は、ホッパー66に制御信号を送信して所定数のコインの払い出しを行う。
【0084】
ステップS16の処理の後、又は、ステップS18の処理の後、メインCPU41は、分配比率入力処理を実行する(ステップS19)。分配比率入力処理については、図7を用いて既に説明したからここでは省略することとする。
【0085】
ステップS17において役が成立しなかったと判断した場合、メインCPU41は、分配比率と消費枚数とを管理サーバ200に送信する(ステップS20)。例えば、10枚のコインを投入して遊技を行い、当該遊技において役が成立しなかった場合には、10枚のコインを消費したことになる。従って、メインCPU41は、分配比率(図9参照)と、消費したコイン数10枚を示す貯留枚数10枚を管理サーバ200に送信する。
【0086】
ステップS19の処理の後、又は、ステップS20の処理の後、メインCPU41は、ジャックポット挑戦権があるか否かを判断する(ステップS21)。ジャックポット挑戦権は、管理サーバ200から通知を受ける(図14、ステップS93参照)ことにより獲得する。この通知には、A〜Dのどのジャックポットへの挑戦権を獲得したかについての情報が含まれる。ジャックポット挑戦権があると判断した場合、メインCPU41は、RAM43に記憶されている分配比率を参照し、当該ジャックポットへの分配比率がゼロであるか否かを判断する(ステップS22)。例えば、ジャックポットAへの挑戦権の通知を受けた場合、RAM43に記憶されているジャックポットAへの分配比率は、10%であり、“0”ではない。
【0087】
ステップS22において当該ジャックポットへの分配比率がゼロではないと判断した場合、メインCPU41は、ジャックポット当選に関する所定の乱数抽選を行い、当選か否かを決定する(ステップS23)。ジャックポットに当選と決定した場合、メインCPU41は、払出処理を行う(ステップS24)。この処理において、メインCPU41は、ジャックポットに応じたコインの払い出しを行い、当該ジャックポットに当選した旨の通知を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200では、この通知を受けると、貯留枚数を初期の数(所定数)にすることになる。
ステップS21においてジャックポット挑戦権がないと判断した場合、ステップS22において当該ジャックポットへの分配比率がゼロであると判断した場合、又は、ステップS23においてジャックポットに当選と決定しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
【0088】
図11は、図10に示したサブルーチンのステップS13において呼び出されて実行される抽選処理のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理は、RAM43に記憶された抽選プログラムをメインCPU41が実行することによって行われる処理である。
まず、メインCPU41は、抽選プログラムに含まれる乱数発生用プログラムを実行することにより、0〜255の数値範囲の中から、3つのリール14の夫々に対応する乱数値を選択する(ステップS31)。本実施形態では、プログラム上で乱数を発生させる場合(所謂ソフトウェア乱数を用いる場合)について説明する。ただし、本発明においては、乱数発生器を設けておいて該乱数発生器から乱数を抽出する(所謂ハードウェア乱数を用いる)こととしてもよい。
【0089】
次に、メインCPU41(演算処理装置)は、選択された3つの乱数値に基づいて、各リール14のコードNo.(図3参照)を決定する(ステップS32)。各リール14のコードNo.は、入賞ラインL上に停止表示されるシンボルのコードNo.に対応している。メインCPU41は、各リール14のコードNo.を決定することにより、役を決定する。例えば、各リール14のコードNo.を“00”、“00”、“00”に決定した場合、メインCPU41は、役を「JACKPOT 7」に決定したことになる。
【0090】
ここで、本実施形態における役について説明する。
図12は、本実施形態における複数種類の役と各役の成立可能性及び払出数との関係を説明するための図である。図12に示す各役の成立可能性は、ボーナスゲーム以外におけるペイアウト率が88%である場合のものである。なお、図中に示す成立可能性は、シンボル重み付けデータを参照して3つの乱数値に基づいて、各リール14のコードNo.を決定した場合に、当該役が成立する可能性を示すものである。すなわち、各役に対して乱数値が対応付けられているものではない。
【0091】
ボーナスゲームトリガーの成立可能性は、0.5%である。ボーナスゲームトリガーに当選すると、「APPLE」のシンボルが入賞ライン上に3つ停止表示され、ボーナスゲームが発生する。ボーナスゲームでは、抽選によって定められた回数のフリーゲームを実行する。
【0092】
「JACKPOT 7」の成立可能性は0.5%である。この役が成立すると、「JACKPOT 7」のシンボルが入賞ラインL上に3つ停止表示され、コイン投入数1枚あたり30枚のコインが払い出される。成立可能性は低い役ほど、払出数は多く設定されている。
ただし、図11に示した役のいずれの組合せにもならないシンボルの組合せが停止表示された場合は、ハズレであり、コインの払い出しは行われない。
【0093】
図13は、図10に示したサブルーチンのステップS16において呼び出されて実行されるボーナスゲーム処理のサブルーチンを示すフローチャートである。ボーナスゲーム処理においては、先ず、メインCPU41は、RAM43に記憶された抽選プログラムに含まれる乱数発生プログラムを実行して得られた乱数値に基づいて、10〜25ゲームのいずれかの中から決定する(ステップS60)。メインCPU41は、決定したボーナスゲームのゲーム数をデータとしてRAM43に記憶する。
【0094】
続いて、メインCPU41は、抽選処理(ステップS61)及びリール回転制御処理(ステップS63)を行う。ステップS61の処理は、図10を用いて説明した処理と略同様の処理である。この処理については、既に説明済であるから、ここでの説明は省略する。
【0095】
次に、メインCPU41は、ボーナスゲームトリガーが成立したか否か、すなわち、表示窓15内に「APPLE」が停止表示されたか否かを判断する(ステップS64)。ボーナスゲームトリガーが成立したと判断した場合には、ボーナスゲームの繰り返し回数tが新たに抽選により決定され(ステップS65)、その決定された繰り返し回数tは、現在のボーナスゲームのゲーム数Tに加算される(ステップS66)。これにより、ボーナスゲーム中にボーナスゲームに当選すると、ボーナスゲームの残り回数が増える。具体的に言えば、例えば、20回のボーナスゲームに初めて移行した場合に、そのボーナスゲームの12回目で17回のボーナスゲームに当選したときには、その後、25回(20回−12回+17回)のボーナスゲームが行われる。
【0096】
ボーナスゲームトリガーが成立しなかった場合、メインCPU41は、役が成立したか否かを判断する(ステップS67)。役が成立したと判断した場合、メインCPU41は、投入数及び役に応じたコインの払い出しを行う(ステップS68)。この処理は、ステップS18の処理と同様であり、既に説明済であるから、ここでの説明は省略する。
【0097】
ステップS66若しくはS68の処理を実行した場合、又は、ステップS67において、いずれの役も成立していないと判断した場合(ハズレであると判断した場合)、メインCPU61は、RAM43に記憶されたボーナスゲームのゲーム数Tを読み出し、読み出したゲーム数Tの値を1減算する。そして、減算後のゲーム数Tを再びRAM43に格納する(ステップS69)。
【0098】
次に、メインCPU41は、ボーナスゲームの回数Tが、ステップS60で決定された回数に到達したか否かを判断する(ステップS70)。具体的には、RAM43に記憶されたゲーム数Tが0となったか否かにより判断し、ゲーム数Tが0でない場合、すなわちボーナスゲームの実行回数が、ステップS60で決定された回数に到達していないと判断する場合、ステップS61に処理を戻し、上述した処理を繰り返す。一方、ゲーム数Tが0である場合、すなわち、ステップS60で決定された回数に到達したと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0099】
図14は、管理サーバで実行される貯留処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、管理サーバ200が備えるCPU201は、遊技機10から受信した分配比率と消費枚数とに応じてコインを貯留する(ステップS90)。この処理においてCPU201は、消費枚数のうちの一部(例えば、10%)を貯留枚数とし、その貯留枚数を分配比率に応じて分配して貯留する。例えば、消費枚数が10枚である場合、その一部(10%)である1枚が貯留される。このとき、ジャックポットAへの分配比率が10%、ジャックポットBへの分配比率が20%、ジャックポットCへの分配比率が30%、ジャックポットDへの分配比率が50%である場合には、ジャックポットAには、0.1枚のコインが貯留され、ジャックポットBには、0.2枚のコインが貯留され、ジャックポットCには、0.3枚のコインが貯留され、ジャックポットDには、0.5枚のコインが貯留される。これにより、各遊技機10において消費されたコインが累積的に貯留されることになる(図6参照)。
【0100】
次に、CPU201は、いずれかのジャックポットの貯留枚数がジャックポット発動閾値に達しているか否かを判断する(ステップS91)。例えば、貯留の状態が、図6に示す状態である場合、ジャックポットAでは、ジャックポット発動閾値が1000である一方、貯留枚数が800枚であるので、まだジャックポット発動閾値に達していない。
また、ジャックポットBでは、ジャックポット発動閾値が5000である一方、貯留枚数が6500枚であるので、ジャックポット発動閾値に達している。また、ジャックポットCでは、ジャックポット発動閾値が10000である一方、貯留枚数が8000枚であるので、まだジャックポット発動閾値に達していない。ジャックポットDのジャックポット発動閾値が500000である一方、貯留枚数が300000枚であるので、ジャックポット発動閾値に達している。
【0101】
ステップS91においていずれかのジャックポットの貯留枚数がジャックポット発動閾値を超えていると判断した場合、CPU201は、ジャックポット挑戦権を与える遊技機10を決定する(ステップS92)。この処理においてCPU201は、分配比率と消費枚数とを所定期間内(例えば、過去1分以内)に送信してきた遊技機10のなかから1の遊技機10を、ジャックポット挑戦権を与える遊技機10として決定する。例えば、乱数抽選により1の遊技機10を、ジャックポット挑戦権を与える遊技機10として決定する。
【0102】
次に、ステップS93において、CPU201は、ジャックポット挑戦権を与えると決定した遊技機10にその旨を通知する。その結果、遊技機10では、ジャックポット挑戦権があると判断され(図10、ステップS21:YES)、ジャックポットに当選か否かが決定される(図10、ステップS23)ことになる。
【0103】
ステップS91においてジャックポットの貯留枚数がジャックポット発動閾値を超えていないと判断した場合、又は、ステップS93の処理の後、CPU201は、ジャックポットへの当選通知を受信したか否かを判断する(ステップS94)。ジャックポットへの当選通知は、遊技実行処理(図10)のステップS24においてコインの払い出しが行われた際に、当該遊技機10から送信される通知である。
【0104】
ステップS94においてジャックポットへの当選通知を受信したと判断した場合、CPU201は、当該ジャックポットの貯留枚数を初期の数にする。例えば、遊技機10からジャックポットAに当選した旨の通知を受信した場合には、ジャックポットAの貯留枚数を初期の数である500にする。ステップS94においてジャックポットへの当選通知を受信していないと判断した場合、又は、ステップS95の処理後、本サブルーチンを終了する。
【0105】
以上、本実施形態に係る遊技機10は、通信回線101により接続された複数の遊技機10において消費されるコインを複数種類のジャックポットに分配して貯留する際に各ジャックポットに分配する比率を入力するためのタッチパネル69(入力スイッチ)と、RAM43(記憶装置)と、メインCPU41(演算処理装置)とを備える。メインCPU41は、タッチパネル69から入力された分配比率をRAM43に記憶する処理を実行する。また、メインCPU41は、RAM43が記憶する分配比率に基づいて、遊技が行われるごとに消費されるコインを各ジャックポットに分配する処理を実行する。
【0106】
また、本実施形態に係る遊技システム100は、複数の遊技機10と管理サーバ200とを備えた遊技システムである。遊技機10は、通信回線101により接続された複数の遊技機10において消費されるコインを、複数種類のジャックポットに対して貯留する際に各ジャックポットに分配する比率を入力するためのタッチパネル69(入力スイッチ)を備える。そして、タッチパネル69から出力される検出信号を検出する処理を実行する。また、検出した検出信号が示す分配比率を遊技機10が備えるRAM43に記憶する処理を実行する。また、RAM43に記憶した分配比率に基づいて、遊技が行われるごとに消費されるコインを各ジャックポットに分配する処理を実行する。一方、管理サーバ200は、複数の遊技機10が分配したコインをジャックポット毎に貯留する処理を実行する。また、貯留したコインの数が所定数に達したか否かを判断する処理を実行する。また、貯留したコインの数がジャックポット発動閾値(所定数)に達したと判断した場合に、所定の抽選を行い、貯留したコインを払い出す遊技機10を決定する処理を実行する。また、貯留したコインを払い出すと決定した遊技機10に、その旨を通知する信号を送信する処理と実行する。
【0107】
また、本実施形態に係る遊技制御方法は、通信回線101により接続された複数の遊技機10において消費されるコインを、複数種類のジャックポットに対して貯留する際に各ジャックポットに分配する比率を入力するためのタッチパネル69(入力スイッチ)を備えた遊技機10において実行する遊技制御方法である。この遊技制御方法は、タッチパネル69から入力された分配比率をRAM43(記憶装置)に記憶する段階を含む。また、RAM43に記憶する分配比率に基づいて、遊技が行われるごとに消費されるコインを各ジャックポットに分配する段階を含む。
【0108】
また、本実施形態に係る遊技制御方法は、通信回線101により接続された複数の遊技機10において消費されるコインを、複数種類のジャックポットに対して貯留する際に各ジャックポットに分配する比率を入力するためのタッチパネル69(入力スイッチ)を備えた複数の遊技機10と管理サーバ200とを備えた遊技システム100において実行する遊技制御方法である。この遊技制御方法は、遊技機10が、タッチパネル69から出力される検出信号を検出する段階を含む。遊技機10が、検出した検出信号が示す分配比率を遊技機10が備えるRAM43(記憶装置)に記憶する段階含む。遊技機10が、RAM43に記憶した分配比率に基づいて、遊技が行われるごとに消費されるコインを各ジャックポットに分配する段階を含む。管理サーバ200が、複数の遊技機10が分配したコインをジャックポット毎に貯留する段階を含む。管理サーバ200が、貯留したコインの数がジャックポット発動閾値(所定数)に達したか否かを判断する段階を含む。貯留したコインの数がジャックポット発動閾値に達したと判断した場合に、管理サーバが、所定の抽選を行い、貯留したコインを払い出す遊技機10を決定する段階を含む。管理サーバ200が、貯留したコインを払い出すと決定した遊技機10に、その旨を通知する信号を送信する段階を含む。
【0109】
このように、本実施形態に係る遊技機10、遊技システム100、及び、遊技制御方法によれば、通信回線101により接続された複数の遊技機10において消費されるコインを、複数種類のジャックポットに貯留する際に、各ジャックポットに貯留するコインの分配比率を設定する。そして、貯留したコインの数がジャックポット発動閾値に達した場合に、所定の抽選を行い、貯留したコインを払い出す。従って、遊技者の采配によって、発動させるジャックポットを異ならせ得る構成とし、複数種類ある各ジャックポットへの期待感を高めることにより、エンタテイメント性を充分確保することが可能となる。
【0110】
さらに、本実施形態に係る遊技機10、遊技システム100、及び、遊技制御方法は、以下のようなものである。
遊技機10が備えるメインCPU41(演算処理装置)は、分配比率をゼロにしたジャックポットに当選させないように制御する処理を実行する。
【0111】
このように、本実施形態に係る遊技機10、遊技システム100、及び、遊技制御方法によれば、分配比率をゼロにしたジャックポットに当選させないため、遊技の公平性を保つことができる。また、分配していないジャックポットに当選するという不自然さを解消することができる。
【0112】
さらに、本実施形態に係る遊技機10、遊技システム100、及び、遊技制御方法は、以下のようなものである。
遊技機10は、下側画像表示パネル16(表示装置)を備える。遊技機10が備えるメインCPU41(演算処理装置)は、ゲーム開始時に、分配比率を入力する指示を下側画像表示パネル16に表示する処理を実行する。
【0113】
このように、本実施形態に係る遊技機10、遊技システム100、及び、遊技制御方法によれば、ゲーム開始時に、分配比率を入力する指示を下側画像表示パネル16に表示するため、遊技者の意思をゲーム開始時から反映することができる。
【0114】
さらに、本実施形態に係る遊技システム100、及び、遊技制御方法は、以下のようなものである。
遊技機10は、下側画像表示パネル16(表示装置)を備える。遊技機10が備えるメインCPU41(演算処理装置)は、いずれかの役(当選役)に当選する毎に、分配比率を入力する指示を下側画像表示パネル16に表示する処理を実行する。
【0115】
このように、本実施形態に係る遊技機10、遊技システム100、及び、遊技制御方法によれば、いずれかの役に当選する毎に、分配比率を入力する指示を下側画像表示パネル16に表示する。役に当選した場合には、コインを獲得することができるため、発動を希望するジャックポットの種類が変わることがある。このように、分配比率の変更を希望し得るタイミングで分配比率を入力する指示が表示されるため、遊技者の意思がゲームの途中で変わってもその意思を反映することができる。
【0116】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技システムの全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る遊技機を模式的に示す斜視図である。
【図3】各リールの外周面に描かれたシンボルの列を示した模式図である。
【図4】図2に示した遊技機の内部構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る制御装置の内部構成を示すブロック図である。
【図6】ジャックポットと貯留枚数とを説明するための図である。
【図7】分配比率入力処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】フリーゲーム選択処理が実行されるときに下側画像表示パネルに表示される画像の一例を示す図である。
【図9】分配比率を説明するための図である。
【図10】遊技実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】抽選処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】本実施形態における複数種類の役と各役の成立可能性及び払出数との関係を説明するための図である。
【図13】ボーナスゲーム処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】遊技機と管理サーバとの間で実行される変換レート関連処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0118】
10 遊技機(スロットマシン)
11 キャビネット
12 トップボックス
13 メインドア
14(14L、14C、14R) リール
15(15L、15C、15R) 表示窓
16 下側画像表示パネル
18 コイントレイ
19 コイン払出口
20 コントロールパネル
21 コイン受入口
22 紙幣識別器
23 スピンボタン
24 チェンジボタン
25 キャッシュアウトボタン
26 1−BETボタン
27 最大BETボタン
29 スピーカ
30 ランプ
31 クレジット数表示部
32 ペイアウト数表示部
33 上側画像表示パネル
34 ベリーガラス
35 チケットプリンタ
36 カード受入口
37 データ表示器
38 キーパッド
39 バーコード付チケット
40 マザーボード
41 メインCPU
42 ROM
43 RAM
44 通信インターフェイス
45 電源ユニット
50 ゲーミングボード
51 CPU
52 ブートROM
53 メモリカード
54 GAL
60 本体PCB
61 サブCPU
62 モータ駆動回路
63 FPGA
64 ドライバ
65 インデックス検出回路
66 ホッパー
67 コイン検出部
68 グラフィックボード
69 タッチパネル
70(70L、70C、70R) ステッピングモータ
71 位置変更検出回路
80 ドアPCB
81 冷陰極管
100 遊技システム
200 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線により接続された複数の遊技機において消費される遊技媒体を複数種類のジャックポットに分配して貯留する際に各ジャックポットに分配する比率を入力するための入力スイッチと、
前記分配する比率を分配比率データとして記憶する記憶装置と、
前記入力スイッチから入力された分配比率を前記記憶装置に分配比率データとして記憶する処理と、前記記憶装置が記憶する分配比率に基づいて、遊技が行われるごとに消費される遊技媒体を各ジャックポットに分配する処理とを実行する演算処理装置とを備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演算処理装置は、
分配比率をゼロにしたジャックポットに当選させないように制御する処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
表示装置を備え、
前記演算処理装置は、
ゲーム開始時に、分配比率を入力する指示を前記表示装置に表示する処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
表示装置を備え、
前記演算処理装置は、
いずれかの当選役に当選する毎に、分配比率を入力する指示を前記表示装置に表示する処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項5】
複数の遊技機と管理サーバとを備えた遊技システムであって、
前記遊技機は、
通信回線により接続された前記複数の遊技機において消費される遊技媒体を、複数種類のジャックポットに対して貯留する際に各ジャックポットに分配する比率を入力するための入力スイッチを備え、
前記入力スイッチから入力された分配比率を前記遊技機が備える記憶装置に記憶する処理と、
前記遊技機が備える前記記憶装置に記憶した分配比率に基づいて、遊技が行われるごとに消費される遊技媒体を各ジャックポットに分配する処理と
を実行し、
前記管理サーバは、
前記複数の遊技機が分配した遊技媒体をジャックポット毎に貯留する処理と、
貯留した遊技媒体の数が所定数に達した場合に、所定の抽選を行い、貯留した遊技媒体をいずれか1の遊技機に払い出す処理と
を実行することを特徴とする遊技システム。
【請求項6】
前記遊技機は、
分配比率をゼロにしたジャックポットに当選させないように制御する処理を実行することを特徴とする請求項5に記載の遊技システム。
【請求項7】
前記遊技機は、
表示装置を備え、
ゲーム開始時に、分配比率を入力する指示を前記表示装置に表示する処理を実行することを特徴とする請求項5に記載の遊技システム。
【請求項8】
前記遊技機は、
表示装置を備え、
いずれかの当選役に当選する毎に、分配比率を入力する指示を前記表示装置に表示する処理を実行することを特徴とする請求項5に記載の遊技システム。
【請求項9】
遊技機において実行する遊技制御方法であり、
前記遊技機が、通信回線により接続された複数の遊技機において消費される遊技媒体を、複数種類のジャックポットに貯留する際に、各ジャックポットに貯留する遊技媒体の分配比率を設定する段階を含む遊技制御方法。
【請求項10】
前記遊技機が、分配比率をゼロにしたジャックポットに当選させない制御を行う段階を含むことを特徴とする請求項9に記載の遊技制御方法。
【請求項11】
前記遊技機が、ゲーム開始時に、分配比率を入力する指示を表示する段階を含むことを特徴とする請求項9に記載の遊技制御方法。
【請求項12】
前記遊技機が、いずれかの当選役に当選する毎に、分配比率を入力する指示を表示する段階を含むことを特徴とする請求項9に記載の遊技制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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