説明

遊技機用メガネ及び遊技システム

【課題】 遊技盤に設けられる画像表示装置に表示される画像とは別の光信号を遊技者の視覚に作用させるようにして、より娯楽性を向上させるようにした遊技機用メガネ及び遊技システムを提供する。
【解決手段】 遊技状態に応じた画像を表示する画像表示装置26が遊技盤2に設けられ、所定の遊技状態において無線信号を送信する遊技機1と、画像表示装置26に表示される画像を立体画像として視認するように構成され、遊技機1から無線信号を受信することにより、装着した遊技者の目に入射するメッセージを発する遊技機用メガネ3と、を組み合わせて遊技システムを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の遊技盤に設けられる画像表示装置の表示画像を立体画像として視認するための遊技機用メガネ、及び該遊技機用メガネを備えてなる遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ、アレンジボール等の遊技機において、遊技盤に画像を表示する画像表示装置が設けられており、遊技球が所定の始動入賞口に入賞することにより、画像表示装置の画像を一定時間変動表示し、変動表示の停止時における画像が所定の図柄となったときに、入賞しやすいように構成された大型の可変入賞口を所定時間に亘って開放する等、遊技者に対して大当たり状態を発生させるようにしたものがある。このような遊技機において画像表示装置に右目画像と左目画像を交互に表示するとともに、左右のレンズ部を交互に遮断するシャッタ手段を備える遊技機用メガネを遊技者に装着させて、無線信号で遊技機の画像表示と遊技機用メガネのシャッタ手段の作動タイミングを合わせることにより、右目画像は右目のみで左目画像は左目のみで視認されるように、画像表示装置の表示画像を立体画像として視認させるようにした遊技システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−66142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような遊技システムを採用することにより、遊技者に対して、通常時は画像表示装置の表示画像を平面的に視認させる一方、リーチ時や大当たり時には立体的に視認させることにより、遊技機の娯楽性を向上させることができる。しかしながら、遊技盤には多数の釘や入賞口を設ける必要があるため、画像表示装置の表示画面はある程度の大きさに限られており、遊技者に対して娯楽性を訴えるうえで、まだ十分でなかった。
【0004】
本発明は、斯かる実情に鑑み、遊技盤に設けられる画像表示装置に表示される画像とは別の光信号を遊技者の視覚に作用させるようにして、より娯楽性を向上させるようにした遊技機用メガネ及び遊技システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に記載の発明は、遊技機の遊技盤に設けられる画像表示装置の表示画像を立体画像として視認するための遊技機用メガネであって、前記遊技機が所定の遊技状態において送信する無線信号を受信することにより、装着した遊技者の目に入射するメッセージを発することを特徴とする遊技機用メガネを提供する。
【0006】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機用メガネであって、
前記表示画像を視認するためのレンズ部と、該レンズ部を遊技者に対して位置決めさせるためのフレーム部と、を有してなり、前記メッセージは、前記フレーム部から発せられることを特徴とする遊技機用メガネを提供する。
【0007】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機用メガネであって、前記レンズ部にハーフミラーが形成されており、前記ハーフミラーに前記メッセージを映すようにしたことを特徴とする遊技機用メガネを提供する。
【0008】
本発明の請求項4に記載の発明は、遊技状態に応じた画像を表示する画像表示装置が遊技盤に設けられ、所定の遊技状態において無線信号を送信する遊技機と、前記画像を立体画像として視認するように構成され、前記無線信号を受信することにより、装着した遊技者の目に入射するメッセージを発する遊技機用メガネと、で構成されることを特徴とする遊技システムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1〜4記載の遊技機用メガネ及び遊技システムによれば、所定の遊技状態において送信する無線信号に応じて、遊技機メガネが装着者である遊技者の目に入射するメッセージを発するので、遊技盤に設けられた画像表示装置の表示画像のみを視認する場合に比べて、一層高い娯楽性が得られるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しつつ説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る遊技システムを構成する遊技機1の遊技盤2を示し、図2は、遊技機用メガネ3を遊戯者の頭部に装着した状態を示す斜視図である。図3は、遊技機用メガネ3の正面図であり、図4は、図3のA−A断面に相当する図である。図5は、本実施形態にかかる遊技システムの概要を示すブロック図である。
【0012】
本実施形態に係る遊技システムは、遊技状態に応じた画像を表示する画像表示装置26が設けられるパチンコの遊技機1と、画像表示装置26に表示される画像を立体画像として視認するための遊技機用メガネ3と、で構成され、特に、所定の遊技状態にあるときに遊技機1から送信される無線信号に応じて、遊技機用メガネ3の装着者の目に入射する光学的メッセージを発することに特徴がある。
【0013】
〔遊技機1〕
遊技機1の遊技盤2(図1)は、不図示の発射装置で発射された遊技球が、円弧状のガイド21により導入される略円形の遊技エリア22を備えてなる。遊技エリア22には、遊技球が接触することにより回転して遊技球の行方を散らす風車23、遊技球が入賞することで所定数の賞球が行われる入賞口24が設けられるほか、中央部付近に、液晶ディスプレイパネル26aを有する画像表示装置26が設けられている。
【0014】
画像表示装置26は、大型の液晶ディスプレイパネル26aに所定の表示画像(例えば、3桁の数字)を表示することができるように、かつ、所定の遊技状態において表示画像を変動表示する(例えば、3桁の数字について各桁の数字を0〜9の間で変動させながら表示する)ことができるように構成されている。画像表示装置26は、遊技者が表示画像を立体画像として視認できるようにするため、左右視差を考慮した右目視野に相当する右目画像と、左目視野に相当する左目画像と、を一定周期で交互に表示することとしている。
【0015】
但し、右目画像と左目画像を交互表示しただけで遊技者に立体画像として視認されるものではなく、遊技者に、右目画像を表示しているときは右目で、左目画像を表示しているときは左目で液晶ディスプレイパネル26aを視認させるようにする必要がある。そのため、左目画像と右目画像の表示タイミングに合わせて開閉作動するシャッタをレンズ部31に備える遊技機用メガネ3(詳細は後述)を遊技者に装着させることとしている。
【0016】
なお、遊技機用メガネ3のシャッタ作動を、画像表示装置26における左目画像と右目画像の表示タイミングに同期させるため、図5に示されるように、遊技機1には、画像表示装置26に接続されるシャッタ制御信号出力部11と、これから出力されるシャッタ制御信号を、遊技機用メガネ3に無線信号として送信する無線アンテナ12aを備えてなる送信部12が設けられている。
【0017】
画像表示装置26の下方には、遊技球が入賞することで所定数の賞球が行われ、また、画像表示装置26の表示画像を変動表示させるためのスイッチを備えた始動入賞口27が設けられている。表示画像の変動表示は、一定時間を経過すると、停止して(例えば、変動表示する3桁の数字が左側の桁から順次停止させられて)、停止時における表示画像が所定図柄(例えば、3桁の数字が「777」のゾロ目表示)となったときに、大当たり状態として取り扱われる。
【0018】
さらに、始動入賞口27の下方には、上述した大当たり状態が発生したときに、幅方向寸法の大きい開閉板28aが手前側に回動して開放状態となり、上方から落下する遊技球を受け入れる大型入賞口28が設けられている。大型入賞口28は、所定個数の遊技球が入賞するか、所定時間を経過すると、開閉板28aが奥側へ回動して閉鎖するが、開放中に大型入賞口28の内部に設けられる特定エリア(不図示)に入賞していれば、再び開放状態となり、それを所定回数まで繰り返すことができるようになっている。
【0019】
遊技機1は、上記以外に、画像表示装置26の表示状態(遊技状態)に合わせた光学的メッセージを遊技機用メガネ3のレンズ部31に表示させるために、メッセージ信号を出力するメッセージ信号出力部13を有している。メッセージ信号出力部13から出力されるメッセージ信号は、シャッタ制御信号と同様に、送信部12により、無線信号として遊技機用メガネ3に送信され、遊技機用メガネ3に備えられる映写部35により、遊技者の目に入射する光学的メッセージとして出力される。なお、メッセージとしては、例えば、大当たり状態において、大型入賞口28が最高であと何回開放されるかを表示したり、変動表示状態において、遊技者を応援する言葉を表示したりすることが考えられるが、これに限らず、単なる図形信号や点滅信号やのように具体的な意味を有しないものも含まれる。
【0020】
〔遊技機用メガネ3〕
遊技機用メガネ3は、図2に示されるように、遊技者の頭部に装着させるゴーグル型メガネであって、左右一対のレンズ部31と、レンズ部31を遊技者の目の位置に合わせて位置決め保持するフレーム部32と、を有してなり、上述したように、レンズ部31は、画像表示装置26の表示画像を遊技者に立体画像として視認させるためのシャッタを備え、フレーム部32は、レンズ部31に光学的メッセージを映し出す映写部35を備える。
【0021】
左右一対のレンズ部31には、液晶素子パネルと偏光パネルを一体に重ね合わせて構成される液晶シャッタが形成されており、遊技機1から受信するシャッタ制御信号に応じて左右交互にかけられる電圧により、遊技者の視界を左右交互に遮断する。シャッタ制御信号は、画像表示装置26に右目画像が表示されているときに、レンズ部31の左目に対応する部分を遮断し、左目画像が表示されているときに、レンズ部31の右目に対応する部分を遮断するように生成されている。
【0022】
フレーム部32は、遊技機用メガネ3を遊技者に装着させたり、レンズ部31を遊技者の目の位置に合わせて位置決めしたりするほか、遊技者の前頭部や側頭部との隙間を詰めて、外部からの光を遮蔽する役割を有する。また、フレーム部32には、図3に示されるように、遊技機1から送信されるシャッタ制御信号及びメッセージ信号を受信する受信部33と、受信部33からのシャッタ制御信号に基づいてレンズ部31のシャッタを開閉制御するシャッタ制御部34と、受信部33からのメッセージ信号を光学メッセージに変換してレンズ部31に映写する映写部35と、が内蔵されている。なお、図示されていないが、フレーム部32には、上記各部の電源となるバッテリー(例えば、ボタン電池)が、交換可能に内蔵されている。
【0023】
受信部33は、遊技機用メガネ3の中央前部に配置されており、その受信アンテナ33aは、遊技者が頭部を左右に回転させた場合でも遊技機1からの信号を確実に受信できるように、遊技機用メガネ3の中央上部に突出させられている。シャッタ制御部34は、受信部33の下方に配置されており、左右のレンズ部31に接続されている。映写部35は、左右のレンズ部31の上方にそれぞれ一つずつ配置されており、光学的メッセージをレンズ内面に形成されるハーフミラー31aに映写することで、遊技者に確実に認識させることができるようになっている。なお、送受信される無線信号の周波数は、遊技機1及び遊技機用メガネ3において統一されている。そのため、遊技機1を複数台設置した店舗内において、遊技者が席を移動して他の遊技機でプレイする場合でも、遊技機用メガネ3を交換する必要はない。また、無線信号は、遊技機1の正面でプレイする遊技者が装着する遊技機用メガネ3にのみ届くように、出力等が設定されている。
【0024】
上記の遊技システム及び遊技機用メガネ3によれば、所定の遊技状態(例えば、大当たり状態や変動表示状態)に応じた光学的メッセージを遊技者の目に入射させるので、遊技者に、遊技盤2に設けられた画像表示装置26の表示画像のみを視認する場合に比べて、一層高い娯楽性を与えることができるものである。しかも、光学的メッセージを発する映写装置をフレーム部32に内蔵したので、遊技者による取り扱い性が良く、また、光学的メッセージは、レンズ部31の内面に映し出されるので、遊技者はメッセージを確実に視認することができるものである。
【0025】
〔上記実施形態の変形例〕
上記実施形態では、映写部35をレンズ部31の上方に配置したが、例えば、フレーム部32の左右側面(遊技者のこめかみに対向する位置)に配置しても良い。映写部35から発せられるメッセージは、レンズ部31の内面に形成されるハーフミラー31aにより反射させることとしたが、フレーム部32で反射させるようにしても良いし、映写部35から遊技者の目に直接入射させるようにしても良い。
上記実施形態では、レンズ部31を交互に開閉するために液晶シャッタを採用したが、本発明は、これに限らず、他のあらゆるシャッタ方式、あるいは、立体画像視認システムに対応し得るものであることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態に係る遊技システムを構成する遊技機1の遊技盤2を示す図。
【図2】遊技機用メガネ3を遊戯者の頭部に装着した状態を示す斜視図。
【図3】遊技機用メガネ3の正面図。
【図4】図3のA−A断面に相当する断面図。
【図5】本実施形態にかかる遊技システムの概要を示すブロック図。
【符号の説明】
【0027】
1 遊技機
2 遊技盤
3 遊技機用メガネ
26 画像表示装置
31 レンズ部
31a ハーフミラー
32 フレーム部
33a 受信アンテナ
34 シャッタ制御部
35 映写部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の遊技盤に設けられる画像表示装置の表示画像を立体画像として視認するための遊技機用メガネであって、
前記遊技機が所定の遊技状態において送信する無線信号を受信することにより、装着した遊技者の目に入射するメッセージを発することを特徴とする遊技機用メガネ。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機用メガネであって、
前記表示画像を視認するためのレンズ部と、該レンズ部を遊技者に対して位置決めさせるためのフレーム部と、を有してなり、
前記メッセージは、前記フレーム部から発せられることを特徴とする遊技機用メガネ。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技機用メガネであって、
前記レンズ部にハーフミラーが形成されており、
前記ハーフミラーに前記メッセージを映すようにしたことを特徴とする遊技機用メガネ。
【請求項4】
遊技状態に応じた画像を表示する画像表示装置が遊技盤に設けられ、所定の遊技状態において無線信号を送信する遊技機と、
前記画像を立体画像として視認するように構成され、前記無線信号を受信することにより、装着した遊技者の目に入射するメッセージを発する遊技機用メガネと、で構成されることを特徴とする遊技システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−223524(P2006−223524A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−40249(P2005−40249)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(505060381)株式会社ロイヤル (1)
【Fターム(参考)】