説明

遊技機

【課題】 遊技媒体貸出装置が接続されていない状態で遊技の実行が可能となることを防止できる遊技機を提供すること。
【解決手段】 遊技機と通信することで遊技媒体を貸出すための制御を行うとともに、遊技機からの信号の出力状態に基づいて該遊技機の異常を判定し、該遊技機の異常を判定したときに該異常を判定した旨を示す特定信号を該遊技機に出力する遊技用装置と接続可能であり、該遊技用装置と接続されたときに遊技媒体を用いた遊技の実行が可能な遊技機であって、前記遊技用装置に対する信号の出力状態を、当該遊技機の異常を示す異常出力状態に制御する異常出力制御手段と、前記異常出力制御手段が前記異常出力状態に制御した後に、前記遊技用装置から前記特定信号の入力があるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が前記特定信号の入力があると判定したときに、前記遊技の実行を許可する遊技実行許可手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め定められた貸出条件が成立したことにより遊技機と通信することで遊技媒体を貸出すための制御を行うとともに、前記遊技機からの信号の出力状態に基づいて該遊技機の異常を判定し、該遊技機の異常を判定したときに該異常を判定した旨を示す特定信号を該遊技機に出力する遊技用装置と接続接続可能であり、該遊技用装置と接続されたときに前記遊技媒体を用いた遊技の実行が可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技用装置として代表されるカードユニットとしては、例えば遊技場に設置される複数のパチンコ機各々に対応して設けられ、該対応するパチンコ機の遊技に使用可能な遊技用価値の大きさ(度数)を特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体としてのプリペイドカードを受付けて、該受付けた遊技用記録媒体の記録情報より特定される遊技用価値の大きさを該大きさの範囲内において遊技に使用(貸出)させるための使用処理(貸出処理)を行うことにより、パチンコ機にてパチンコ球の貸出を行わせるものがある。
【0003】
このようなカードユニットをパチンコ機に並設して使用する目的は、遊技場において売り上げを不透明にする営業が行われることがないように、遊技場の売り上げを第3者機関において管理するためであり、カードユニットが接続されていないと遊技が実行できないパチンコ機が提案されている。
【0004】
この種のパチンコ機の一例としては、例えば電源の投入時にカードユニットから供給される電力をフォトカプラを介して監視することにより該カードユニットと接続されているか否かを判定し、電力の供給がないと判定したときには該カードユニットと接続されていないものとして、パチンコ球の発射制御を停止、すなわち、遊技を実行できないようにしたもの等がある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平5−277249号公報(第8頁、第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、遊技場において前記カードユニットをパチンコ機に並設して使用する場合、遊技者はパチンコ球を借り受けるためにプリペイドカードを購入しなければならず、現金を投入することでパチンコ球を借り受けることができる現金球貸機と比べて利便性が低下するといった問題があった。
【0007】
上記特許文献1に記載の遊技機にあっては、パチンコ機に電力が供給されたときにカードユニットに該電力が供給されるとともに、該電力の供給を受けたカードユニットから出力される18VのVL信号をフォトカプラにて監視することによりカードユニットが接続されているか否かを確認しているだけであったため、遊技者の利便性を優先させたい遊技場等にあっては、例えば18Vの電流を流すダミー部品等をパチンコ機に接続することによりカードユニットと接続されている状態をパチンコ機に容易に認識させ、これによりカードユニットと正規に接続することなくパチンコ機による遊技が実行できるようにすることがあった。
【0008】
このようにカードユニットと正規に接続していなくてもパチンコ機において遊技の実行が可能となれば、カードユニットと正規に接続していなくても営業に支障をきたすことはないため、遊技場において売り上げを不透明にする営業が行われる虞があるといった問題があった。
【0009】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、遊技用装置が接続されていない状態で遊技の実行が可能となることを防止できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の遊技機は、
予め定められた貸出条件が成立したことにより遊技機と通信することで遊技媒体を貸出すための制御を行うとともに、前記遊技機からの信号の出力状態に基づいて該遊技機の異常を判定し、該遊技機の異常を判定したときに該異常を判定した旨を示す特定信号を該遊技機に出力する遊技用装置と接続可能であり、該遊技用装置と接続されたときに前記遊技媒体を用いた遊技の実行が可能な遊技機であって、
前記遊技用装置に対する信号の出力状態を、当該遊技機の異常を示す異常出力状態に制御する異常出力制御手段と、
前記異常出力制御手段が前記異常出力状態に制御した後に、前記遊技用装置から前記特定信号の入力があるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が前記特定信号の入力があると判定したときに、前記遊技の実行を許可する遊技実行許可手段と、
を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、遊技用装置が当該遊技機と接続されていなければ、異常出力制御手段が異常出力状態に制御しても、遊技用装置が遊技機の異常を判定して特定信号を出力することはない。すなわち、遊技用装置が当該遊技機に接続されていない状態では、特定信号の入力に基づいて遊技の実行が許可されることはないため、遊技用装置が接続されていない状態で遊技機による遊技が実行されることを効果的に防止することができる。
【0011】
本発明の請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機であって、
前記遊技用装置から出力される駆動信号により駆動され、前記遊技用装置が前記遊技機の異常を判定した旨の報知を行う報知手段を備え、
前記判定手段は、前記遊技用装置から前記特定信号として前記駆動信号の入力があるか否かを判定する、ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技用装置から出力される駆動信号に基づいて駆動される報知手段への駆動信号の入力を遊技の実行の許可の判定に利用することができるため、当該遊技機の異常を判定したときに遊技用装置から出力させる特定信号を新規に設ける必要がなく、製造コストを低減できるばかりか、遊技機の異常を判定した旨が報知手段にて報知されるため、遊技の実行が許可されない状況を容易に認識することができる。
【0012】
本発明の請求項3に記載の遊技機は、請求項1または2に記載の遊技機であって、
前記異常出力制御手段は、前記判定手段が前記特定信号の入力があると判定したときに前記異常出力制御を終了し、
前記判定手段は、前記異常出力制御手段による前記異常出力状態の制御の終了後も引き続き前記特定信号の入力状態の監視を行い、
前記遊技実行許可手段は、前記判定手段が前記異常出力制御手段による前記異常出力状態の制御の終了に応じて前記特定信号の入力がなくなったと判定したときに前記遊技の実行を許可する、ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技用装置が遊技機の異常を判定している状態で遊技の実行が許可されることを防止することができる。
【0013】
本発明の請求項4に記載の遊技機は、請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記判定手段が前記特定信号の入力がないと判定したときに前記遊技用装置と非接続状態である旨の報知を行う非接続状態報知手段を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、遊技用装置が接続されていないことで遊技の実行が許可されないことを認識させることができるため、遊技機に故障等が発生したと誤認識されることを防止することができる。
【0014】
本発明の請求項5に記載の遊技機は、請求項1〜4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技媒体の貸出が可能な状態であるときに該遊技媒体の貸出が可能である旨の貸出可信号を前記遊技用装置に出力する制御を行う貸出可信号出力制御手段を備え、
前記異常出力制御手段は、前記異常出力状態として、前記遊技媒体の貸出が可能な状態であるときに前記貸出可信号出力制御手段による前記貸出可信号の出力を停止させる、ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技媒体の貸出が可能な状態であるときに出力される貸出可信号の出力を停止することで、特殊な信号等を遊技用装置に出力させること等なく、異常出力状態を容易に実現することができる。
【0015】
本発明の請求項6に記載の遊技機は、請求項1〜5のいずれかに記載の遊技機であって、
前記特定信号が伝達される特定信号線並びに前記遊技媒体の貸出を要求する貸出要求信号が伝達される貸出要求信号線を少なくとも含む配線を前記遊技用装置に配線接続するための配線接続手段を備え、
前記配線接続手段は、前記配線接続を解除するときに、該配線接続に関連する接続関連部位を破壊しない限り前記配線接続を解除することができない配線接続手段にて構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、遊技用装置と遊技機との配線接続が解除されたときにはその痕跡が残ることになるため、遊技用装置との配線接続状態を担保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0017】
図1には、本実施例に用いた遊技機としてのカードリーダ式パチンコ機1(以下パチンコ機1と略称する)、並びに該パチンコ機1に対応して設置され、遊技用記録媒体としてのプリペイドカード(図示略)を受付けて遊技媒体であるパチンコ球の貸出処理(使用処理)を実施する遊技用装置としてのカードユニット3の正面図が示されている。パチンコ機1は、図示しない基枠に対して開閉自在に設けられた前面枠2と、前面枠2の前面側上部に開閉自在に設けられたガラス扉枠3並びに前面板4と、から主に構成され、前面板4の前面には打球供給皿5が設けられているとともに、打球供給皿5よりも下方の前記前面枠2の下部位置には、打球供給皿5から溢れた遊技球としてのパチンコ球を貯留する余剰球受皿6と、打球を発射する打球操作ハンドル7とが設けられている。
【0018】
打球供給皿5の前面には、図1に示すように、7セグメントLEDからなる残高表示LED47a〜47c(図3参照)からなり、これら残高表示LED47a〜47cの各セグメントが点灯されることにより、対応するカードユニット3において受付け中のプリペイドカード(図示略)より読み出された遊技用価値としての度数{本実施例ではカード残額を100で除した値(100円=1度数)}が表示される残高表示部47(本実施例では3桁の数値を表示可能)と、遊技の開始または打球供給皿5に持球が少なくなったか無くなった際に押圧操作されて、前記残高表示部47に度数が存在する場合に所定数量のパチンコ球の貸出を実施させるための貸出スイッチ46と、該貸出スイッチ46の操作が有効である旨を点灯により報知する貸出可LED49と、遊技を終了して前記受付け中のプリペイドカード(図示略)を返却させるための返却スイッチ45と、が設けられており、これら各部は打球供給皿5の内部に設けられている残高表示基板48に実装されている。
【0019】
ガラス扉枠3の後面側には、図1に示されるような遊技盤10が前面板4に着脱可能に取り付けられている。遊技盤10の前面には遊技領域11が設けられており、この遊技領域11の中央付近には、「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報(特別図柄)が可変表示される表示領域を形成する可変表示部12を前面に備える液晶表示器と、該可変表示部12の周囲を囲むように設けられた表示領域形成部材としての飾り枠13と、からなる可変表示装置14が設けられている。また遊技盤10には、複数の入賞口や通過ゲート、始動領域を形成する始動入賞口15と可動片16とから構成された可変始動入賞球装置17、大当り状態において開成する開閉板18を備える可変入賞球装置19が設けられているとともに、遊技領域11の下部には、入賞しなかった打込球を回収するアウト口20が形成されている。
【0020】
打球操作ハンドル7の操作によって揺動されるハンマー(図示略)によって発射された打球は、打球レール21を通って遊技領域11に入り、その後、遊技領域11を流下していく。この際、発射の勢いが弱すぎて前記遊技領域11に達しなかったパチンコ球は図示しない環流経路(図示略)を通じて余剰球受皿6に環流されるようになっている。
【0021】
始動入賞口15にパチンコ球が入賞すると、該入賞したパチンコ球が検出され、該検出に基づいて可変表示部12において全特別図柄が可変表示(変動表示)を開始する。そして、その後、例えば左、中、右の特別図柄が停止し、その停止表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777や444)となった場合に、特定遊技状態(大当り状態)が発生する。このように大当り状態が発生した場合には、可変入賞球装置19に設けられた開閉板18が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば30秒間)の経過または打球の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了し、その後、遊技者にとって不利な第2の状態となる。第1の状態となっている可変入賞球装置19の大入賞口内に進入した打球が特定入賞領域(Vポケット)に入賞して図示しないVカウントスイッチにより検出されれば、その回の第1の状態の終了を待って前記第2の状態から前記第1の状態に制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の上限回数は例えば15回と定められている。
【0022】
本実施例に用いたパチンコ機1の構成を図2に基づいて簡単に説明すると、該パチンコ機1には、可変表示装置の表示制御を行う表示制御マイクロコンピュータ等が設けられた表示制御基板(図示略)や、遊技効果ランプ等の制御を実施するランプ制御マイクロコンピュータ等が設けられたランプ制御基板(図示略)や、スピーカから出力される音声の制御を行う音声制御マイクロコンピュータ等が設けられた音声制御基板(図示略)等の各部の制御を実施する遊技制御手段としての遊技制御マイクロコンピュータ等からなる遊技制御部51が設けられた遊技制御基板50と、該遊技制御基板50から出力される賞球信号並びにカードユニット3より入出力される各種信号に基づきパチンコ球の払出制御を行う払出制御手段としての払出制御マイクロコンピュータ等からなる払出制御部61が設けられた払出制御基板60と、が主に設けられている。
【0023】
払出制御基板60には、後述するカードユニット接続確認処理においてカードユニット3が接続されていないと判定した場合に点灯して該カードユニット3が接続されていない旨を報知する非接続状態報知手段としての非接続LED66(図1参照)や、パチンコ機1の背面上部に設けられた図示しない球タンクに供給されたパチンコ球の払出を実施する払出ユニット62や、打球操作ハンドル7の操作を検出するタッチリング63、並びに該タッチリング63からの発射信号の出力に基づき打球供給皿5に払い出されたパチンコ球を遊技領域11に発射する前述した図示しないハンマーを駆動する発射モータ64等からなる打球発射装置が接続された発射制御基板67が接続されている。なお、発射制御基板67は、タッチリング63並びに発射モータ64の制御を行う図示しない発射制御マイクロコンピュータ等が設けられており、発射制御マイクロコンピュータは、払出制御部61から出力される発射許可信号に基づいて発射モータ64の駆動制御を行うようになっている。
【0024】
また、払出制御基板60は、図2並びに図3に示すように、カードユニット3と信号ケーブルKを介して接続されたインターフェース基板65に接続されており、パチンコ機1に設けられた電源回路(図示略)からカードユニット3に対して交流電圧(AC24V)を供給するようになっている。
【0025】
また、カードユニット3には、払出制御基板60から供給された交流電圧(AC24V)を整流して直流電圧VL(DC18V)を生成する整流回路(図示略)が設けられており、この整流回路にて生成された直流電圧VLが前記信号ケーブルK並びにインターフェース基板65を介して払出制御基板60に供給されるようになっているとともに、払出制御基板60とカードユニット3との後述する各種信号の入出力が実施されるようになっている。
【0026】
払出制御基板60には、カードユニット3からの直流電圧VLの供給状態を検出する検出回路(図示略)が設けられており、この検出回路(図示略)は直流電圧VLを検出している状態において払出制御部61に対してVL検出信号を出力するようになっている。
【0027】
また、発射制御基板67に設けられた図示しない発射制御マイクロコンピュータは、払出制御部61から発射許可信号が出力されている状態において発射モータ64を駆動可能とし、この状態において打球操作ハンドル7が操作されてタッチリング63からの発射信号を検出すると該発射モータ64を駆動させるようになっており、これによりパチンコ球が遊技領域11に発射されて遊技が実行される。また、払出制御部61から発射許可信号が出力されていない状態において発射モータ64を駆動不可とし、打球操作ハンドル7がタッチリング63からの発射信号を検出しても発射モータ64を駆動しないようになっており、これにより打球操作ハンドル7が操作されても、パチンコ球が遊技領域11に発射されて遊技が実行されることはない。
【0028】
残高表示基板48は、前記インターフェース基板65を介してカードユニット3に接続されているとともに、前述した残高表示LED47a〜47c、貸出可LED49、貸出スイッチ46、返却スイッチ45が実装されており、残高表示基板48とカードユニット3との後述する各種信号の入出力が実施されるようになっている。
【0029】
一方、遊技用装置としてのカードユニット3の前面には、図1に示されるように、点灯によりカードユニット3の動作を報知する動作ランプ301と、前記プリペイドカードが挿入可能とされたカード挿入口305と、該カード挿入口305からのプリペイドカードの排出を遊技者に報知するカードインジケータ306と、が設けられている。
【0030】
このカードユニット3は、特に詳細な図示はしないが、前記動作ランプ301やカードインジケータ306に加えて、カード挿入口305に挿入されたプリペイドカードの記録情報の読み出し並びに書き込み等を行うカードリーダライタ(図示略)と、パチンコ機1の払出制御基板60や残高表示基板48との各種信号の入出力を行う入出力回路(図示略)と通信ケーブルを介して図示しない管理コンピュータとのデータ通信を行うための通信部と、挿入されたプリペイドカードから読み出し及び書き込まれる情報等を記憶するRAM、MPUが実行する制御内容が記述された制御プログラムや該カードユニット3の装置ID等が記憶されたROM、各部の制御を行うMPU等が実装されたカードユニット制御部(図示略)を有する制御ユニットと、を具備している。
【0031】
次に、パチンコ機1とカードユニット3との接続状況並びに信号の入出力状況を図2並びに図3に基づき詳述する。
【0032】
まず、パチンコ機1の払出制御基板60とカードユニット3とは、前述のように信号ケーブルKを介して接続されており、払出制御基板60は、パチンコ機1に設けられた電源回路(図示略)からカードユニット3に交流電圧(AC24V)を供給するとともに、カードユニット3は、この供給された交流電圧を前述した図示しない整流回路にて整流して直流電圧VL(DC18V)を生成し、これをカードユニット3の各部に供給するとともに、払出制御基板60に供給する。なお、カードユニット3にて生成した直流電圧VLは、パチンコ機1に設けられた残高表示基板48の貸出可LED49や残高表示LED47a〜47c、パチンコ機1とカードユニット3との後述する各種信号の入出力等の電源として使用される。
【0033】
一方、払出制御基板60には、カードユニット3から出力された直流電圧VLを検出する検出回路(図示略)が設けられており、該検出回路は、カードユニット3から供給された直流電圧VLの検出に基づきVL検出信号を払出制御部61に出力する。この検出回路はフォトカプラにて構成されており、直流電圧VLの検出を一度光に変換した後、電気信号であるVL検出信号を払出制御部61に出力する。また、払出制御基板60では、パチンコ球の貸出が可能な状態(本実施例では払出ユニット62に所定数のパチンコ球が供給され、かつ、打球供給皿5並びに余剰球受皿6にパチンコ球を払出できる状態)であるときに該パチンコ球の貸出が可能である旨の貸出可信号としての後述の台READY信号(PRDY)や、台端末貸出完了信号(EXS)をフォトカプラからなるスイッチ回路を介してカードユニット3に出力する。
【0034】
カードユニット3は、払出制御基板60から出力されたPRDYやEXSをフォトカプラからなるスイッチ回路を介してカードユニット3に出力する。また、カードユニット3から出力する後述のカードユニットREADY信号(BRDY)や台端末貸出要求完了確認信号(BRQ)をフォトカプラからなるスイッチ回路を介して払出制御基板60に出力する。
【0035】
また、払出制御基板60では、カードユニット3から出力されたBRDYやBRQをフォトカプラからなるスイッチ回路を介して払出制御部61に出力する。
【0036】
残高表示基板48は、前述したように実装された貸出スイッチ46並びに返却スイッチ45のスイッチ入力を検出した場合には、貸出スイッチ入力信号(TDS)や返却スイッチ入力信号(RES)をインターフェース基板65を介してカードユニット3に出力する。また、カードユニット3から出力される貸出可表示信号(TDLO)を、スイッチ回路並びにインターフェース基板65を介して残高表示基板48に実装された貸出可LED49に出力し、該出力されたTDLOに基づき貸出可LED49の点灯制御が実施される。
【0037】
カードユニット3は、図示しないカードユニット制御部から出力された桁指定信号(DG1;下1桁指定、DG2;下2桁指定、DG3;下3桁指定)を、フォトカプラからなるスイッチ回路並びにインターフェース基板65を介して残高表示基板48に実装された各残高表示LED47a〜47cに出力する。なお、これらカードユニット3から出力された桁指定信号DG1〜DG3は、各残高表示LED47a〜47cの各共通電極に対して電圧を印加するための信号である。
【0038】
また、図示しないカードユニット制御部から出力された度数表示信号(SEGa;セグメントa、SEGb;セグメントb、SEGc;セグメントc、SEGd;セグメントd、SEGe;セグメントe、SEGf;セグメントf、SEGg;セグメントg)を、フォトカプラからなるスイッチ回路並びにインターフェース基板65を介して各残高表示LED47a〜47cに出力する。なお、これらカードユニット3から出力された桁指定信号DG1〜DG3は、各残高表示LED47a〜47cにおける各セグメントの対応電極に対して電圧を印加するための信号であり、これら各残高表示LED47a〜47cにおいては、前記共通電極に電圧が印加されていることを条件として、印加された各セグメントの対応電極に相当するセグメントが表示状態に切換わるようになっており、カードユニット3より出力された桁指定信号DG1〜DG3並びに度数表示信号SEGa〜SEGgの各信号に基づき各残高表示LED47a〜47cの表示制御が実施される。
【0039】
つまり、残高表示LED47a〜47cは、遊技用装置としてのカードユニット3から出力される駆動信号に基づいて駆動され、後述するようにカードユニット3がパチンコ機1の異常を判定した旨の報知を行う報知手段を構成している。
【0040】
また、本実施例においては、カードユニット3からインターフェース基板65を介して残高表示基板48に対して出力される桁指定信号DG1並びに度数表示信号SEGa〜SEGgが伝達される信号線の一部が、インターフェース基板65において分岐されて払出制御基板60の払出制御部61に接続されており、カードユニット3からインターフェース基板65を介して残高表示基板48に対して出力される駆動信号(特定信号)としての桁指定信号DG1並びに度数表示信号SEGa〜SEGgが払出制御部61にも入力されるようになっている。
【0041】
つまり、パチンコ機1の電源投入に伴い実施される後述するカードユニット接続確認処理において、払出制御部61がカードユニット3に対する信号の出力状態を当該パチンコ機1の異常を示す異常出力状態に制御することで通信エラーを発生させたとき、パチンコ機1との通信エラーの発生を示すエラーコードである「P」の文字を残高表示LED47aに表示させるためにカードユニット3から出力される桁指定信号DG1並びに度数表示信号SEGa〜SEGg(特定信号)の入力状態を払出制御部60が監視することで、当該パチンコ機1がカードユニット3と通信可能に接続されているか否かの判定を行うとともに、これら特定信号の入力があると判定したことに基づいて遊技の実行を許可するようになっている。
【0042】
また、本実施例においては、貸出スイッチ46や返却スイッチ45も、カードユニット3に設けられた図示しない整流回路に対して直列に接続されており、これら貸出スイッチ46や返却スイッチ45も各スイッチ回路と同一の電源である直流電圧VLによって動作する構成とされている。また、貸出可LED49や残高表示部47を構成する残高表示LED47a〜47cも前記整流回路に接続されており、これら貸出可LED49や残高表示LED47a〜47cも、各スイッチ回路や貸出スイッチ46、返却スイッチ45と同一の電源である直流電圧VLによって動作する構成とされている。
【0043】
また、払出制御基板60と接続されるインターフェース基板65とカードユニット3とを接続する信号ケーブルKは、図8に示されるように、インターフェース基板65から延出された信号ケーブルKの端部に設けられた接続コネクタ70と、カードユニット3から延出された信号ケーブルKの端部に設けられた接続コネクタ71とを介して配線接続されている。
【0044】
これら接続コネクタ70、71は、互いに接続された状態において、ケース本体80bと、該ケース本体80bの開口を閉塞可能なケースカバー80aとからなる透明な樹脂材からなるコネクタ収容ケース80により接続解除が不可能な状態で被覆されており、接続コネクタ70、71の配線接続に関連する配線接続関連部位となるコネクタ収容ケース80の所定部位を破壊しない限り配線接続を解除することができないようになっている。
【0045】
具体的に説明すると、ケース本体80b及びケースカバー80aは、互いに接続された接続コネクタ70、71を収容可能な大きさにて形成されており、ケースカバー80aにおける互いに対向する一対の側板には、信号ケーブルKを挿通可能とする切欠部82が形成されている。また、他方の一対の側板には、一方に上向きのフック片84が突設されているとともに、他方に複数の封止片82が突設されている。封止片82の内部にはワンウェイネジ86を挿通可能な挿通孔82aが形成されている。
【0046】
ケース本体80bにおける互いに対向する一対の側板には、一方に前記フック片84が係止可能な係止バー85が突設されているとともに、他方に複数の封止片82に対応する封止片83が突設されている。封止片83の内部には、封止片82から挿通されるワンウェイネジ86が螺入な螺入孔83aが形成されている。
【0047】
これらケース本体80b及びケースカバー80aは、フック片84を係止バー85に係止させた状態で、互いに接続された接続コネクタ70、71を上下方向から挟持するように互いの開口を付き合わせた状態で、いずれか1つの封止片82の挿通孔82aにワンウェイネジ86を挿通して封止片83の螺入孔83aに螺入することで、互いに開放不能に閉塞できるようになっている。
【0048】
ワンウェイネジ86は、ドライバー等の工具によりネジを螺入(取付)する方向には回すことはできるが、ネジを取り外す方向には回転させることができないネジ溝が頭部に形成された従来公知のワンウェイネジが適用されているため、ワンウェイネジ86によりケース本体80b及びケースカバー80aを互いに閉塞状態に取り付けると、封止片82、83等を切り離す等、コネクタ収容ケース80の所定部位を破壊しない限り開放することはできないように構成されている。
【0049】
このようなコネクタ収容ケース80に収容された接続コネクタ70、71は、互いに接続された状態を解除することはできないとともに、配線接続が解除されたときは、コネクタ収容ケース80の所定部位が破壊されてその痕跡が残ることになるため、配線接続が不正に解除されたことを確実に発見することができるようになっている。
【0050】
つまり、このようにインターフェース基板65からの信号ケーブルKとカードユニット3からの信号ケーブルKとを配線接続する配線接続手段としての接続コネクタ70、71は、配線接続を解除するときに、該配線接続に関連する接続関連部位であるコネクタ収容ケース80を破壊しない限り前記配線接続を解除することができないように構成されている。
【0051】
なお、本実施例においては、接続コネクタ70、71とは別個に設けられたコネクタ収容ケース80を破壊しない限り前記配線接続を解除することができないように構成されていたが、接続コネクタ70、71自体に設けた前記封止片82、83等を設けて構成してもよいし、あるいは1度結束すると破壊しない限り結束を解除できない結束バンド等を利用して、配線接続に関連する接続関連部位を破壊しない限り前記配線接続を解除することができない配線接続手段を構成してもよい。
【0052】
また、本実施例においては、インターフェース基板65からの信号ケーブルKとカードユニット3からの信号ケーブルKとを配線接続手段としての接続コネクタ70、71により配線接続するようになっていたが、例えばインターフェース基板65側の接続コネクタを該インターフェース基板65上に搭載し、該接続コネクタを含むインターフェース基板65と、該インターフェース基板65上の接続コネクタに接続したカードユニット3側の接続コネクタとを、前記コネクタ収容ケース80と同様に構成した収容ケースに収容し、該収容ケースを開放不能としてもよい。つまり、このような収容ケースにより配線接続に関連する接続関連部位を破壊しない限り前記配線接続を解除することができない配線接続手段を構成してもよい。
【0053】
次いで、カードユニット3における各種処理状況について説明する。
【0054】
まず、本実施例のカードユニット3においては、プリペイドカードが挿入されることで、該プリペイドカードより読み出されたカードIDと度数とをRAMに記憶するとともに、これら読み出されたカードID並びに度数と使用許諾要求と当該カードユニット3に付与された装置IDとを前記図示しない管理コンピュータに対して送信し、該管理コンピュータ100から使用許諾が返信された場合には、挿入されたプリペイドカードを使用可能とし、使用不可が受信された場合には、挿入されたプリペイドカードを使用不可として返却する受付処理を実施するようになっている。
【0055】
前記受付処理により受付けたプリペイドカードより読み出されてRAMに記憶されている度数を前記残高表示部47に表示するようになっており、この状態において度数が残存する場合には、貸出スイッチ46が入力されることで前記RAMに記憶されている度数を使用して対応するパチンコ機1の遊技に使用されるパチンコ球の貸出を行う貸出処理(使用処理)が実施可能とされている。つまり、カードユニット3のカードユニット制御部は、予め定められた貸出条件(貸出スイッチ46の検出)が成立したことによりパチンコ機2と通信することでパチンコ球を貸出すための制御(貸出処理)を行う。
【0056】
ここで、カードユニット3における貸出処理時における払出制御部61並びにカードユニット3のカードユニット制御部(図示略)の制御状況を簡単に説明すると、まずパチンコ機1の払出制御部61は、後述するカードユニット接続確認処理(図7参照)においてカードユニット3から供給される直流電圧VLを検出したことに基づいて、カードユニット3と正常に接続されているか否かを確認するために通信エラーを発生させる処理、すなわち、カードユニット3に対する信号の出力状態を当該パチンコ機1の異常を示す異常出力状態に制御する後述のカードユニット接続確認処理を行い、カードユニット3が接続されていることを確認した場合には、パチンコ球の貸出が可能な状態である旨の貸出可信号としての前記PRDYをLOW(ON)としてスタンバイ状態とする。
【0057】
このようにPRDYが出力されている状態において貸出スイッチ46が操作されて前記TDSが検出されると、カードユニット3の図示しないカードユニット制御部は、前記BRDYをLOWとし、この状態において、更に前記BRQをLOWとする。
【0058】
次いで、払出制御部61は、前記BRDYのLOWを検出した状態においてBRQのLOWを検出すると、パチンコ球の払い出しが可能であるかを確認し、可能である場合には、前記EXSをLOWとする。該EXSのLOWを検出したカードユニット3のカードユニット制御部は、前記BRQをHIGH(OFF)とし、このBRQのHIGHを検出した払出制御部61は、払出ユニット62に球払出信号を出力し、これに基づき払出ユニット62は1度数に該当する球数(本実施例では25球)の払い出しを実施するとともに、払出制御部61はこの払い出しの終了に基づき前記EXSをHIGHとする。
【0059】
カードユニット3のカードユニット制御部は、これら信号制御並びにRAMに記憶されている度数や残高表示部47において表示されている度数の減算更新制御、前記BRDY、BRQ、EXSの出力制御を、1回の貸出スイッチ46の操作に基づいて貸し出される度数分繰返し実施し、これら制御が終了した後、BRDYをHIGHとして貸出処理を終了する。
【0060】
このようにカードユニット3のカードユニット制御部から出力されるBRQのHIGHの検出回数に基づき、払出制御部60は1度分に該当する数量(25球)のパチンコ球の貸出を実施するようになっており、このようにして貸出されたパチンコ球を使用して遊技者はパチンコ機1における遊技を実施できるようになっている。
【0061】
次に、本実施例における払出制御部61が行う各種処理について説明する。本実施例における払出制御部61は、該払出制御部61による制御状態を電源断前の制御状態に復帰させるのに必要な情報を電力供給が停止しても所定時間記憶内容を保持可能なバックアップ領域(RAM)に保存するバックアップ処理を行うようになっている。また、前記バックアップ処理により保存されている情報に基づいて、電力供給が再開されたときに制御状態を電源断前の制御状態に復帰させる復帰処理を行うとともに、該復帰処理後において後述するタイマ割込処理を実施するようになっている。そして、このタイマ割込処理後において、カードユニット3との接続状態を確認するためのカードユニット接続確認処理を実施するようになっている。
【0062】
ここで、払出制御部61が行うカードユニット接続確認状況を、図4に示されるタイミングチャートに基づいて説明すると、まず図4(a)に示されるように、直流電圧VLの供給の検出に基づいて前記PRDYをHIGHからLOWとした後(T1)、カードユニット3の電源を立ち上げてから各種装置が起動するまでにかかるとされるCR起動時間(本実施例では10秒)が経過したことを確認した後(T2)、前記PRDYを再びHIGHとすることで(T3)、カードユニット3の図示しないカードユニット制御部に対してパチンコ機1との通信エラー(通信異常)が発生したと認識させる状況を擬似的に発生させる。つまり、本実施例の払出制御部61は、遊技用装置としてのカードユニット3に対する信号(PRDY)の出力状態を、当該パチンコ機2の異常を示す異常出力状態(後述するカードユニット接続確認処理におけるSc9〜Sc13)に制御する異常出力制御手段を構成している。
【0063】
次いで、このようにPRDYが前記CR起動時間の経過後にHIGHとされたことに基づいて、カードユニット3のカードユニット制御部は、パチンコ機1との通信エラーが発生した、すなわち、パチンコ機1からの信号(PRDY)の出力状態に基づいて該パチンコ機1の異常を判定したとしてエラーコードをONとする(T3)。このエラーコードは、前述したように、前記3桁の残高表示LED47a〜47cのうち、下1桁の残高表示LED47aに通信エラーの発生を示す例えば「P」の文字を表示(報知)させるためのものであり、駆動信号(特定信号)となる桁指定信号DG1並びに度数表示信号SEGa〜SEGgを残高表示基板48に出力することによりONとされる。
【0064】
カードユニット3から残高表示基板48へ桁指定信号DG1並びに度数表示信号SEGa〜SEGgが出力されると、これら信号が前述したようにインターフェース基板65から分岐された信号線を介して払出制御部61に出力される。これら桁指定信号DG1並びに度数表示信号SEGa〜SEGgの入力があったと判定した払出制御部61は、カードユニット3により報知手段としての残高表示LED47aを介して通信エラーの報知(「P」の文字表示)がなされたことをもって、当該パチンコ機側で発生させた通信エラーの検出に基づいてエラーコードをONとして特定信号(駆動信号)が出力されたとして、カードユニット3が通信可能に接続されていると判定し、パチンコ球の貸出(払出)が可能である旨を示す貸出可信号としてのPRDYをLOWとし(T4)、カードユニット3に対してパチンコ球の貸出(払出)が可能である旨を出力する。
【0065】
次いで、カードユニット3のカードユニット制御部は、該PRDYがLOWとされたことに基づいて、通信エラーが解除されたと判定し、前記エラーコードをOFFとして残高表示LED47aによる通信エラーの報知を終了させる(T5)。
【0066】
払出制御部61は、このエラーコードの出力の終了に基づいて、発射モータ64の駆動を許可する発射許可信号を発射制御基板67に出力する。つまり、パチンコ機1による遊技の実行を許可するため、これによりパチンコ球の発射が可能な状態、すなわち、パチンコ機1による遊技の実行が可能な状態となる(T6)。
【0067】
次に、例えばパチンコ機1とカードユニット3とが信号ケーブルKを介して正常に接続されていない状態でこのカードユニット接続確認処理が行われる状況を、図4(b)に基づいて説明する。
【0068】
まず、前述の背景技術において説明したように、例えばパチンコ機1に直流電圧VLを払出制御基板60に対して供給することが可能なダミー部品が接続され、該ダミー部品により直流電圧VLが払出制御基板60に供給されると、払出制御基板60は、直流電圧VLの供給の検出に基づいて前記PRDYをHIGHからLOWとした後(T1)、カードユニット3の電源を立ち上げてから各種装置が起動するまでにかかるとされるCR起動時間(本実施例では10秒)が経過したことを確認した後(T2)、前記PRDYを再びHIGHとすることで(T3)、カードユニット3の図示しないカードユニット制御部に対してパチンコ機1において異常が発生したことを判定(検出)させる状況を発生させる。
【0069】
しかし、ここではパチンコ機1がカードユニット3と信号ケーブルKを介して正常に接続されていないことから、カードユニット3のカードユニット制御部においてパチンコ機1から出力されるPRDYが検出されることはなく、つまりはPRDYが前記CR起動時間である10秒の経過後にHIGHとされる通信異常が検出されることはないため、パチンコ機1との通信エラーの発生に基づき駆動するエラーコードはOFFのままとなり、前記3桁の残高表示LED47a〜47cのうち、下1桁の残高表示LED47aに通信エラーの発生を示す「P」の文字を表示させるための駆動信号となる桁指定信号DG1並びに度数表示信号SEGa〜SEGgが残高表示基板48並びに払出制御部60に出力されることはない。
【0070】
したがって、払出制御部61は、PRDYをHIGHにすることにてカードユニット3側で通信エラーを検出させる状況を発生させたにも関わらず、桁指定信号DG1並びに度数表示信号SEGa〜SEGgの信号の入力がない、すなわち、カードユニット3が接続されていないと判定するため、非接続LED66を点灯させるとともに、発射モータ64の駆動を許可する発射許可信号を発射制御基板67に出力しない。つまり、カードユニット3が接続されていない状態では、払出制御部61がパチンコ球の遊技領域11への発射(発射モータ64の駆動制御)を許可することはなく、これによりパチンコ機1による遊技の実行が可能な状態とならないため、カードユニット3が接続されていない状態でパチンコ機1による遊技が実行されることが効果的に防止される。
【0071】
また、払出制御部61が前記桁指定信号DG1並びに度数表示信号SEGa〜SEGgの入力がないと判定したときにカードユニット3と非接続状態である旨が非接続状態報知手段として非接続LED66の点灯により報知されることで、カードユニット3が接続されていないことで遊技の実行が許可されないことを遊技場の店員等に外部から容易に認識させることができるため、故障等が発生したと誤認識させることを防止することができる。
【0072】
次に、払出制御部61が行うメイン処理内容を、図5に基づいて説明すると、まず、Sa1において割込処理を禁止した後、割込モードの設定(Sa2)、スタックポインタの設定(Sa3)、CPU内蔵デバイスの設定(Sa4)、CTC及びPIOの設定(Sa5)、RAMをアクセス可能に設定した後(Sa6)、RAMに記憶されているデータをクリアするための図示しないRAMクリアスイッチが操作されているか否かを判定する(Sa7)。
【0073】
Sa7においてRAMクリアスイッチが操作されていなければ、RAMにバックアップデータがあるか否かを判定し(Sa8)、バックアップデータがあると判定した場合にはバックアップデータが正しいか否かを確認するためのチェックサムデータが正しいか否かを判定し(Sa9)、チェックサムデータが正しければカードユニット3が接続されている旨のカードユニット接続フラグをクリアする(Sa10)。
【0074】
また、Sa7においてRAMクリアスイッチが操作されている場合並びにSa8においてバックアップデータがない場合並びにSa9においてチェックサムデータが正しくない場合にはRAMに記憶されているデータをクリアした後(Sa14)、Sa10に進む。
【0075】
Sa10においてカードユニット接続フラグをクリアした後、タイマ割込の設定を行い(Sa11)、タイマ割込を許可して(Sa12)、タイマ割込処理のルーチンに移行する(Sa13)。
【0076】
次に、払出制御部61が行うメイン処理におけるSa13のタイマ割込処理内容を、図6に基づいて説明すると、まず払出制御部61は、後述するカードユニット接続確認処理においてカードユニット3が接続されていることが確認されたことを示すカードユニット接続確認フラグが1であるか、すなわち、カードユニット3が接続されているかを判定し(Sb1)、カードユニット接続確認フラグが1である、すなわち、カードユニット3が接続されている場合には発射モータ64の励磁パターンを発射制御基板67に出力し、各種のスイッチ処理を行う(Sb3)。また、Sb1においてカードユニット接続確認フラグが1でないと判定した場合は、後述するカードユニット接続確認処理を行った後(Sb15)、Sb3に進む。
【0077】
Sb3におけるスイッチ処理の実施後、再びカードユニット接続確認フラグが1である、すなわち、カードユニット3が接続されているかを確認し(Sb4)、カードユニット接続確認フラグが1である、すなわち、カードユニット3が接続されている場合には発射モータ64の制御を実施可能とする処理を行うとともに(Sb5)、払出ユニット62の払出モータ(図示略)の制御を実施可能とする処理を行う(Sb6)。また、Sb4においてカードユニット3が接続されていないと判定した場合にはSb6に進み、払出ユニット62の払出モータ(図示略)の制御を実施可能とする処理のみを行う。つまり、カードユニット3が接続されていなければ発射モータ64の制御を実施可能とする処理を行わないため、遊技の実行は許可されないことになる。
【0078】
次いで、Sb6における払出ユニット62の払出モータ(図示略)の制御を実施可能とする処理後において、再びカードユニット接続確認フラグが1である、すなわち、カードユニット3が接続されているかを確認し(Sb7)、カードユニット接続確認フラグが1である、すなわち、カードユニット3が接続されている場合にはプリペイドカードの受付け制御を実施可能とする処理を実施した後(Sb8)、遊技制御基板50との通信制御を実施可能とする処理を行う(Sb9)。また、Sb7においてカードユニット接続確認フラグが1でない、すなわち、カードユニット3が接続されていないと判定した場合はそのままSb9に進む。
【0079】
次いで、Sb9において遊技制御基板50との通信制御を実施可能とする処理を行った後、払出ユニット62によるパチンコ球の払出制御を実施可能とする処理を行うとともに(Sb10)、エラー処理(Sb11)、情報出力処理(Sb12)、表示制御処理(Sb13)、出力処理(Sb14)を行い、処理を終了する。
【0080】
次に、払出制御部61が行うSb15のカードユニット接続確認処理内容を、図7に基づいて説明すると、まず払出制御部61は、接続確認プロセスコードが0であるかを確認し(Sc1)、接続確認プロセスモードが0であると判定した場合にはカードユニット3から直流電圧VLが供給されているか否かを判定し(Sc2)、カードユニット3から直流電圧VLが供給されていると判定した場合には、PRDYをカードユニット3に対して出力する(HIGHからLOWにする)ためのPRDY出力ビットをセットし(Sc3)、CR起動タイマに初期値(本実施例では10秒を示す値=10)をセットした後(Sc4)、接続確認プロセスコードに1をセットして(Sc5)、処理を終了する。また、Sc2においてカードユニット3から直流電圧VLが供給されていないと判定した場合にはそのまま処理を終了する。
【0081】
Sc1において接続確認プロセスコードが0でないと判定した場合には、接続確認プロセスコードが1であるかを判定し(Sc6)、接続確認プロセスコードが1であると判定した場合には、Sc4においてCR起動タイマにセットされている値から1を減算した後(Sc7)、CR起動タイマの値が0になったか否か、すなわち、Sc4においてCR起動タイマに初期値である10をセットした時点から10秒が経過したか否かを判定する(Sc8)。Sc8においてCR起動タイマに初期値である10をセットした時点から10秒が経過したと判定した場合には、Sc3においてセットされたPRDY出力ビットを一旦クリアしてPRDYをLOWからHIGHに戻すとともに(Sc9)、接続確認プロセスコードに2をセットして(Sc10)、処理を終了する。つまりSc9のステップにおいて通信エラーを発生させることになる。また、Sc8においてCR起動タイマに初期値である10をセットした時点から10秒が経過してないと判定した場合にはそのまま処理を終了する。
【0082】
次いで、Sc6において接続確認プロセスコードが1でないと判定した場合には、接続確認プロセスコードが2であるかを判定し(Sc11)、接続確認プロセスコードが2であると判定した場合には、カードユニット3からの度数表示信号SEGa〜SEGg並びに桁指定信号DG1の入力状態をチェックする(Sc12)。つまり、カードユニット3から当該パチンコ機1の異常を判定した旨を報知するための駆動信号の入力があるか否かを確認することで、カードユニット3からエラーコード(「P」の文字を表示させるための信号)が出力されているか否かを判定する(Sc13)。
【0083】
Sc13においてカードユニット3からエラーコードが出力されていると判定した場合には、カードユニット3が当該パチンコ機1の異常を判定した、つまりはカードユニット3は当該パチンコ機1と接続されているとして、PRDY出力ビットをセットした後(Sc14)、接続確認プロセスコードに3をセットして(Sc15)処理を終了する。また、Sc13においてカードユニット3からエラーコードが出力されていないと判定した場合には、前記非接続LED66を点灯させ、カードユニット3が当該パチンコ機1の異常を判定していない、つまりはカードユニット3は当該パチンコ機1と接続されていない旨の報知を行い、処理を終了する。
【0084】
次いで、Sc11において接続確認プロセスコードが2でないと判定した場合には、カードユニット3からの度数表示信号SEGa〜SEGg並びに桁指定信号DG1の入力状態をチェックする(Sc16)。つまり、カードユニット3から当該パチンコ機1との通信異常が発生している旨を報知するための駆動信号の入力があるか否かを確認することで、カードユニット3からエラーコード(「P」の文字を表示させるための信号)が出力されているか否かを判定する(Sc17)。
【0085】
Sc17においてカードユニット3からエラーコードが出力されていないと判定した場合には、エラーコードの出力が終了した、すなわち、カードユニット3は当該パチンコ機1と接続されていることを示すカードユニット接続確認フラグに1をセットして処理を終了する。また、Sc17においてカードユニット3からエラーコードが出力されていると判定した場合には、カードユニット3が当該パチンコ機1の異常を判定したままであるとして、そのまま処理を終了し、エラーコードの出力の終了待ち状態とする。
【0086】
つまり、エラーコードの出力が終了するまではカードユニット接続確認フラグに1をセットすることはないため、エラー報知が行われているにも関わらず発射モータ64の駆動制御が許可されて、遊技の実行が可能となることはないので、カードユニット3が当該パチンコ機1の異常を判定した状態で遊技の実行が許可されることを防止することができる。
【0087】
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ機1にあっては、遊技用装置としてのカードユニット3が当該パチンコ機1と信号ケーブルKを介して接続されていなければ、異常出力制御手段としての払出制御部60が行うカードユニット接続確認処理において、CR起動タイマに設定された時間(本実施例では10秒)の経過後において、PRDYをHIGHとすることでカードユニット3との通信異常を発生させても、該発生させた通信異常に基づいてカードユニット3から特定信号(駆動信号)として度数表示信号SEGa〜SEGg並びに桁指定信号DG1が出力されることはない。すなわち、カードユニット3が当該パチンコ機1に接続されていない状態では、払出制御部61に度数表示信号SEGa〜SEGg並びに桁指定信号DG1が入力されることはなく、該入力に基づいて遊技の実行が許可されること、すなわち、発射モータ64を駆動させることはないため、カードユニット3が接続されていない状態でパチンコ機1による遊技が実行されることを効果的に防止することができる。
【0088】
また、本実施例のパチンコ機1にあっては、カードユニット3から出力される駆動信号である度数表示信号SEGa〜SEGg並びに桁指定信号DG1に基づいて駆動される報知手段としての残高表示LED47aへの駆動信号を払出制御部61に入力されるようにし、該払出制御部61にてその入力状態を監視することで遊技の実行の許可の判定に利用するため、当該パチンコ機1との通信異常が発生したことに基づいてカードユニット3から出力させる特定信号を新規に生成する必要がなく、製造コストを低減できるばかりか、パチンコ機1との通信異常が発生した旨が残高表示LED47aにて報知されるため、遊技の実行が許可されない状況を店員等が外部から容易に認識することができる。
【0089】
また、払出制御部61は、カードユニット接続確認処理において、カードユニット3から出力されるエラーコードの入力がなくなったと判定したときにカードユニット接続フラグに1をセットしてカードユニット3が接続されていると判定するようになっているため、カードユニット3が通信異常を認識したままで遊技の実行が許可されることを防止することができる。
【0090】
また、払出制御部61は、カードユニット接続確認処理において、特定信号としての度数表示信号SEGa〜SEGg並びに桁指定信号DG1の入力がないと判定したときにカードユニット3と非接続状態である旨の報知を非接続状態報知手段としての にて行うことで、カードユニット3が接続されていないことで遊技の実行が許可されないことを認識させることができるため、故障等が発生したと誤認識させることを防止することができる。
【0091】
また、払出制御部61は、カードユニット接続確認処理において、パチンコ球の貸出が可能な状態であるときに出力する貸出可信号としてのPRDYの出力を停止する(HIGHとする)ことで、カードユニット3との通信異常を容易に発生させることができる。詳しくは、パチンコ機1において貸出ができる状態であれば出力されるべきPRDYの出力を停止させるだけでカードユニット3との通信異常を容易に発生させることができることで、通信異常を発生させるための特殊な回路等を別途設ける必要がないため、製造コストが効果的に軽減される。
【0092】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0093】
例えば、前記実施例においては、本発明の遊技機の一例として、遊技媒体としてパチンコ球を用いた遊技の実行が可能なパチンコ機1を適用していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技媒体を用いた遊技の実行が可能な遊技機であれば、例えば1ゲームに対して遊技媒体の一例であるメダルを用いて賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、表示状態を変化させることが可能な可変表示装置の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシン、あるいは遊技媒体の一例としてのパチンコ球を用いた遊技の実行が可能な遊技球を用いたスロットマシン等を適用してもよい。
【0094】
また、前記実施例においては、遊技用装置としてのカードユニット3からのパチンコ球の貸出要求に基づいてパチンコ球を貸出すための貸出制御を行う制御手段は、払出制御基板60に搭載された払出制御部61にて構成されていたが、例えば前記貸出処理を遊技の制御を行う遊技制御手段としての遊技制御部51等が行うようにしてもよい。
【0095】
また、前記実施例におけるパチンコ機1において、遊技実行許可手段としての払出制御部61は、パチンコ球を打ち出す打球発射装置を駆動する発射モータ64を駆動させる発射許可信号を発射制御基板67の図示しないマイクロコンピュータに出力し、発射モータ64を駆動可能とすることで遊技の実行を許可するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図示しない発射制御マイクロコンピュータにて特定信号の入力があるか否かの判定を行うとともに、特定信号の入力があることを条件に発射モータ64の駆動制御を実行するようにしてもよい。つまり、発射制御マイクロコンピュータ等の払出制御部61以外の制御部が判定手段並びに遊技実行許可手段を構成してもよい。
【0096】
また、払出制御部61がパチンコ球を打ち出す打球発射装置を駆動する発射モータ64を駆動させる発射許可信号を出力することで遊技の実行が許可されるようになっていたが、例えば打球操作ハンドル7を機械的に可動不能にロックするロック手段等を設け、該ロック手段によるロックを解除させることで遊技の実行を許可するようにしてもよい。
【0097】
また、前記遊技機の他の一例であるメダルや遊技球を用いたスロットマシン等にあっては、可変表示装置の変動表示を開始させるためのいわゆるスタートレバー操作や、賭数の設定を、制御的または機械的に可能な状態とすることで遊技の実行を許可するように構成すればよい。
【0098】
さらには、これら遊技機における遊技制御プログラムを正常に実行させることや、遊技媒体の付与(払出)が実行可能な状態とすることで遊技の実行を許可するように構成すればよい。
【0099】
また、前記実施例における払出制御部61は、カードユニット接続確認処理においてPRDYをHIGHとしてカードユニット3との通信異常を発生させたときに、当該パチンコ機1との通信異常が発生した旨を残高表示LED47aにて報知するためにカードユニット3から出力される駆動信号(度数表示信号SEGa〜SEGg並びに桁指定信号DG1)の入力があったとき、パチンコ機1との通信異常が発生したことに基づいてカードユニット3から出力される特定信号の入力があると判定するようになっていたが、パチンコ機1との通信異常が発生したことに基づいてカードユニット3から出力される特定信号は、カードユニット3にて駆動される報知手段の一例である残高表示LED47aを駆動させるための駆動信号に限定されるものではなく、例えばパチンコ機1の払出制御部61のみに直接出力される特定信号等としてもよい。
【0100】
また、前記実施例においては、遊技用装置としてのカードユニット3がパチンコ機1の異常を判定した旨の報知を行う報知手段の一例として、カードユニット3にて受付けたプリペイドカードの残存度数等のカードユニット3に関連する貸出装置関連情報の表示や、該カードユニット3と接続するパチンコ機1との通信エラーの発生を示すエラーコード(「P」)の表示が可能な残高表示LED47a〜47bが適用されていたが、少なくともカードユニット3がパチンコ機1の異常を判定した旨の報知が可能であれば、前述したようなカードユニット3に関連する貸出装置関連情報としての残存度数等の表示ができなくてもよい。また、報知手段として数値や文字を表示可能な7セグメントLEDを適用していたが、カードユニット3がパチンコ機1の異常を判定した旨のを報知可能な手段であれば、画像を表示可能な液晶表示器やEL表示器等を適用してもよい。
【0101】
また、前記実施例のパチンコ機1にあっては、払出制御手段としての払出制御部61の制御状態を電源断前の制御状態に復帰させるのに必要な情報を電力供給が停止しても所定時間記憶内容を保持可能なバックアップ領域(RAM)に保存するバックアップ手段と、電力供給が再開されたときに前記バックアップ領域に保存されている情報に基づいて前記制御手段の制御状態を電源断前の制御状態に復帰させる復帰処理(バックアップ処理)を行う復帰処理手段と、を備えており、前記メイン処理におけるSa7〜Sa9において復帰処理を行った後、タイマ割込処理にてカードユニット接続確認処理を実施するようになっていたが、例えば遊技実行許可手段としての払出制御部61が遊技の実行が許可したことを条件に前記復帰処理を行うようにしてもよく、このようにすれば、カードユニット3が接続されていない状態で制御状態が復帰してしまうことを防止することができる。
【0102】
また、前記実施例において、払出制御部61は、カードユニット3との接続状態を確認するためのカードユニット接続確認処理を、パチンコ機1の電源投入時において行うようになっていたが、電源投入時だけではなく、例えばパチンコ機1への電力の供給が遮断されていない状態等において何らかのエラーが発生したとき等において前記カードユニット接続確認処理を行うようにしてもよい。
【0103】
また、前記実施例において、カードユニット3との通信エラーを発生させる異常出力制御手段としての払出制御部61は、カードユニット3に対する信号の出力状態を当該パチンコ機1の異常を示す異常出力状態に制御するために、電源の投入後、貸出可信号としてのPRDYを一度カードユニット3に出力(HIGHからLOW)した後に再度該PRDYの出力を停止(LOWからHIGHにする)することで通信エラーを発生させ、パチンコ機1の異常をカードユニット3に判定させるようになっていたが、前記異常出力状態は上記のような制御内容に限定されるものではなく、例えば電源の投入後から貸出可信号としてのPRDYの出力を停止(HIGH)させたままとしておくことで通信エラーを発生させてもよいし、あるいはカードユニット3から出力されるBRQに基づいてパチンコ機1から出力されるEXSを、カードユニット3がBRQを出力してないときにパチンコ機1から出力させること等により通信エラーを発生させるようにしてもよい。
【0104】
つまり、異常出力制御状態とは、前述のようにパチンコ機1から出力する必要がある信号(例えばPRDY)の出力を停止させることのみならず、出力する必要がない信号を出力させること等により通信エラーを発生させる制御状態であってもよい。また、通信エラーを発生させるための信号の種類は前記PRDYに限定されるものではなく、EXS等の他の信号であってもよい。さらには、これら前記貸出処理に関連してパチンコ機1から出力される信号であるPRDYやEXSとは別個に、通信異常を発生させるための信号をパチンコ機1から出力可能とすることで、通信異常を発生させるようにしてもよい。
【0105】
前記実施例における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
【0106】
本発明の請求項1は、予め定められた貸出条件(貸出スイッチ46の検出)が成立したことにより遊技機(パチンコ機2)と通信することで遊技媒体(パチンコ球)を貸出すための制御を行うとともに、前記遊技機からの信号(PRDY)の出力状態に基づいて該遊技機の異常(通信エラー)を判定し、該遊技機の異常を判定したときに該異常を判定した旨を示す特定信号{駆動信号(桁指定信号DG1並びに度数表示信号SEGa〜SEGg)}を該遊技機に出力する遊技用装置(カードユニット3)と接続可能であり、該遊技用装置と接続されたときに前記遊技媒体を用いた遊技の実行(パチンコ球の発射)が可能な遊技機(パチンコ機2)であって、前記遊技用装置に対する信号の出力状態を、当該遊技機の異常を示す異常出力状態(カードユニット接続確認処理におけるSc9〜Sc13)に制御する異常出力制御手段{払出制御部61(カードユニット接続確認処理におけるSc9〜Sc13)}と、前記異常出力制御手段が前記異常出力状態に制御した後に、前記遊技用装置から前記特定信号{駆動信号(桁指定信号DG1並びに度数表示信号SEGa〜SEGg)}の入力があるか否かを判定する判定手段{払出制御部61(カードユニット接続確認処理におけるSc13〜Sc17)}と、前記判定手段が前記特定信号の入力があると判定したときに、前記遊技の実行(パチンコ球の発射)を許可する遊技実行許可手段{払出制御部61(タイマ割込処理)}と、を備える。
【0107】
本発明の請求項2は、前記遊技用装置(カードユニット3)から出力される駆動信号(桁指定信号DG1並びに度数表示信号SEGa〜SEGg)により駆動され、前記遊技用装置が前記遊技機の異常(通信エラー)を判定した旨の報知(エラーコードの表示)を行う報知手段(残高表示LED47a〜47c)を備え、前記判定手段{払出制御部61(カードユニット接続確認処理におけるSc13〜Sc17)}は、前記遊技用装置から前記特定信号として前記駆動信号の入力があるか否かを判定する。
【0108】
本発明の請求項3は、前記異常出力制御手段{払出制御部61(カードユニット接続確認処理におけるSc9〜Sc13)}は、前記判定手段{払出制御部61(カードユニット接続確認処理におけるSc13〜Sc17)}が前記特定信号{駆動信号(桁指定信号DG1並びに度数表示信号SEGa〜SEGg)}の入力があると判定したときに前記異常出力状態(カードユニット接続確認処理におけるSc9〜Sc13)の制御を終了し、前記判定手段は、前記異常出力制御手段による前記異常出力状態の制御の終了後も引き続き前記特定信号の入力状態の監視を行い(カードユニット接続確認処理におけるSc17)、前記遊技実行許可手段{払出制御部61(タイマ割込処理)}は、前記判定手段が前記異常出力制御手段による前記異常出力状態の制御の終了に応じて前記特定信号の入力がなくなったと判定したとき(カードユニット接続確認処理におけるSc18)に前記遊技の実行(パチンコ球の発射)を許可する。
【0109】
本発明の請求項4は、前記判定手段{払出制御部61(カードユニット接続確認処理におけるSc13〜Sc17)}が前記特定信号{駆動信号(桁指定信号DG1並びに度数表示信号SEGa〜SEGg)}の入力がないと判定したときに前記遊技用装置(カードユニット3)と非接続状態である旨の報知を行う非接続状態報知手段(非接続LED66)を備える。
【0110】
本発明の請求項5は、前記遊技媒体(パチンコ球)の貸出が可能な状態であるときに該遊技媒体の貸出が可能である旨の貸出可信号(PRDY)を前記遊技用装置(カードユニット3)に出力する制御を行う貸出可信号出力制御手段{払出制御部61(貸出処理)}を備え、前記異常出力制御手段{払出制御部61(カードユニット接続確認処理におけるSc9〜Sc13)}は、前記異常出力状態として、前記遊技媒体の貸出が可能な状態であるときに前記貸出可信号出力制御手段による前記貸出可信号の出力を停止させる(カードユニット接続確認処理におけるSc9〜Sc13)。
【0111】
本発明の請求項6は、前記特定信号{駆動信号(桁指定信号DG1並びに度数表示信号SEGa〜SEGg)}が伝達される特定信号線(ケーブルK)並びに前記遊技媒体(パチンコ球)の貸出を要求する貸出要求信号(台端末貸出要求完了確認信号BRQ)が伝達される貸出要求信号線(ケーブルK)を少なくとも含む配線を前記遊技用装置(カードユニット3)に配線接続するための配線接続手段(接続コネクタ70、71/コネクタ収容ケース80、ワンウェイネジ86)を備え、前記配線接続手段は、前記配線接続を解除するときに、該配線接続に関連する接続関連部位(例えば封止片82、83)を破壊しない限り前記配線接続を解除することができない配線接続手段にて構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の実施例としてのパチンコ機並びにカードユニットを示す正面図である。
【図2】図1のパチンコ機とカードユニットと接続状況を示すブロック図である。
【図3】払出制御基板とカードユニットとの通信状況を示す配線図である。
【図4】(a)は正常動作時における電源投入に伴う各部の動作状況を示すタイミングチャートであり、(b)は異常動作時における電源投入に伴う各部の動作状況を示すタイミングチャートである。
【図5】払出制御部が行うメイン処理内容を示すフローチャートである。
【図6】払出制御部が図5のSa13において行うタイマ割込処理内容を示すフローチャートである。
【図7】払出制御部が図6のSb15において行うカードユニット接続確認処理内容を示すフローチャートである。
【図8】(a)はインターフェース基板とカードユニットとの信号ケーブルの配線接続状況を示す斜視図であり、(b)はコネクタ収容ケースが閉塞された状態を示す一部破断図である。
【符号の説明】
【0113】
1 パチンコ機
3 カードユニット
12 可変表示部
14 可変表示装置
47a〜47c 残高表示LED
48 残高表示基板
50 遊技制御基板
60 払出制御基板
61 払出制御部
65 インターフェース基板
70、71 接続コネクタ
80 コネクタ収容ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた貸出条件が成立したことにより遊技機と通信することで遊技媒体を貸出すための制御を行うとともに、前記遊技機からの信号の出力状態に基づいて該遊技機の異常を判定し、該遊技機の異常を判定したときに該異常を判定した旨を示す特定信号を該遊技機に出力する遊技用装置と接続可能であり、該遊技用装置と接続されたときに前記遊技媒体を用いた遊技の実行が可能な遊技機であって、
前記遊技用装置に対する信号の出力状態を、当該遊技機の異常を示す異常出力状態に制御する異常出力制御手段と、
前記異常出力制御手段が前記異常出力状態に制御した後に、前記遊技用装置から前記特定信号の入力があるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が前記特定信号の入力があると判定したときに、前記遊技の実行を許可する遊技実行許可手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技用装置から出力される駆動信号により駆動され、前記遊技用装置が前記遊技機の異常を判定した旨の報知を行う報知手段を備え、
前記判定手段は、前記遊技用装置から前記特定信号として前記駆動信号の入力があるか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記異常出力制御手段は、前記判定手段が前記特定信号の入力があると判定したときに前記異常出力状態の制御を終了し、
前記判定手段は、前記異常出力制御手段による前記異常出力状態の制御の終了後も引き続き前記特定信号の入力状態の監視を行い、
前記遊技実行許可手段は、前記判定手段が前記異常出力制御手段による前記異常出力状態の制御の終了に応じて前記特定信号の入力がなくなったと判定したときに前記遊技の実行を許可する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記判定手段が前記特定信号の入力がないと判定したときに前記遊技用装置と非接続状態である旨の報知を行う非接続状態報知手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機。
【請求項5】
前記遊技媒体の貸出が可能な状態であるときに該遊技媒体の貸出が可能である旨の貸出可信号を前記遊技用装置に出力する制御を行う貸出可信号出力制御手段を備え、
前記異常出力制御手段は、前記異常出力状態として、前記遊技媒体の貸出が可能な状態であるときに前記貸出可信号出力制御手段による前記貸出可信号の出力を停止させる、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の遊技機。
【請求項6】
前記特定信号が伝達される特定信号線並びに前記遊技媒体の貸出を要求する貸出要求信号が伝達される貸出要求信号線を少なくとも含む配線を前記遊技用装置に配線接続するための配線接続手段を備え、
前記配線接続手段は、前記配線接続を解除するときに、該配線接続に関連する接続関連部位を破壊しない限り前記配線接続を解除することができない配線接続手段にて構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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