説明

遊技機

【課題】 遊技の際の効果音を所望の電子楽器にて再生可能な遊技機を提供することを目的とする。また、本発明は、限られた記憶領域を効率的に利用することにより、バラエティに富んだ効果音を再生することが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】 上記課題を解決するため、本発明に係る遊技機は、遊技に関連したMIDIデータを記憶するワークRAM303と、MIDIデータを出力する出力端子321とを備え、出力端子321には、MIDIデータを再生する外部機器349が接続可能であるので、これにより遊技者は、好きな電子楽器等で遊技機1の有するMIDIデータを再生することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関し、特にMIDIデータを記憶する記憶領域を備えた遊技機に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、効果音のデータ量を小さくするためにMIDIデータを用いて効果音を生成する遊技機が提供されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−224305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような従来の技術においては、遊技者の好みの楽器(電子楽器等)で効果音を再生することができなかったので、遊技の興趣の向上をもたらすことが難しいことがあった。
【0004】
また、MIDI音源を記憶する記憶領域が限られていたため、バラエティに富んだ効果音を再生することが難しかった。
【0005】
そこで、本発明は、遊技の際の効果音を所望の電子楽器にて再生可能な遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、限られた記憶領域を効率的に利用することにより、バラエティに富んだ効果音を再生することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る遊技機は、遊技に関連したMIDIデータを記憶するMIDIデータ記憶手段(ワークRAM303)と、MIDIデータを出力する出力端子(出力端子321)とを備え、出力端子には、MIDIデータを再生する外部機器(外部機器349)が接続可能であることを特徴とする。
【0008】
これにより遊技者は、好きな電子楽器等で遊技機の有するMIDIデータを再生することができるので、遊技の興趣を高めることができる。
【0009】
MIDIデータを入力する入力端子(入力端子320)を備え、入力端子には外部機器が接続可能であることを特徴とする。
【0010】
これにより遊技機に、好きなMIDIデータを入力することができるので、遊技機に記憶される効果音のデータ量が少なくても、バラエティに富んだ効果音が再生でき、遊技の興趣を高めることができる。
【0011】
出力端子、または出力端子および入力端子は遊技機の前面に設けられていることを特徴とする。
【0012】
これにより、容易な操作で遊技の興趣を高めることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0014】
すなわち、本発明によれば、MIDIデータを出力する出力端子には、MIDIデータを再生する外部機器が接続可能であるので、遊技者は、好きな電子楽器等で遊技機の有するMIDIデータを再生することができる。そのため、遊技の興趣を高めることができる。
【0015】
MIDIデータを入力する入力端子には外部機器が接続可能であるので、遊技機に、好きなMIDIデータを入力することができる。そのため、遊技機に記憶される効果音のデータ量が少なくても、バラエティに富んだ効果音が再生でき、遊技の興趣を高めることができる。
【0016】
出力端子、または出力端子および入力端子は遊技機の前面に設けられているので、容易な操作で遊技の興趣を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0018】
以下、本発明の実施の形態1に係る弾球遊技機(以下、「遊技機」という。)1の構成について、図面を参照しながら説明する。図1〜図3は、プリペイドカード方式を適用した遊技機1の一実施の形態を示している。まず、図1を基に、本発明の実施の形態における遊技機の構成から説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態1に係る遊技機1の構成を示す斜視図である。
【0020】
遊技機1は、遊技機本体の一部として機能する外枠2と、この外枠2に対して開閉可能に取り付けられたフロントドア3を備えており、その下方には操作部4が設けられている。
【0021】
操作部4には、遊技に使用する遊技球を貯留すると共に払出される遊技球を受け入れる上皿5と、上皿5からオーバーフローした遊技球を受け入れる下皿6とが上下に並べて取り付けられている。また、下皿6の右側には発射装置90(図3)に遊技球の発射操作を行わせる発射ハンドル7が設けられ、下皿6の左側には灰皿8が設けられている。なお、この発射ハンドル7を回動することにより発射装置90が動作し、遊技球が弾発的に遊技部52へむけて発射される。さらに、上皿5には、当該遊技機1における球貸操作等を行う球貸し操作パネル9が設けられている。
【0022】
また、図1に示すように、操作部4の上方には、外部機器349からMIDI(musical instrument digital interface)データを入力する入力端子320および外部機器にMIDIデータ(効果音や、その他の音楽データ)を出力する出力端子321が設けられている。
【0023】
このように、入力端子320および出力端子321は遊技機1の前面に設けられている。
【0024】
ここで、外部機器349とは、例えば、電子オルガン、キーボード(電子鍵盤楽器)等の電子楽器やパソコンなど、MIDIデータを再生することが可能で、且つMIDIデータの入出力が可能な機器であればよい。
【0025】
なお、MIDIとは、電子楽器やパソコンを相互に接続し、音楽データをやりとりするための周知の規格であり、音そのものの情報ではなく、音の高さ、大きさ、長さ、音色や効果といった情報を「数値データ」に変換して音楽を表現しようとするものである。
【0026】
また、図1では、外部機器349に入力端子350および出力端子351が設けられている例を示している。
【0027】
なお、本実施の形態において遊技機1に接続可能な外部機器349は、入力端子350および出力端子351を有しているが、これに限られず、入力端子350および出力端子351のうちいずれか一方を有していればよい。
【0028】
さらに、本実施の形態において遊技機1に接続可能な外部機器349は、MIDIデータを再生することが可能であるが、これに限られず、MIDIデータの再生ができないものであってもよい。
【0029】
また、ピンジャックコード322(図1)は、外部機器349を遊技機1に接続するコードである。外部機器349と遊技機1とのMIDIデータのやりとりは、このピンジャックコード322を介して行われる。なお、外部機器349としてパソコン等を利用する場合は、USBコードを介して接続されてもよい。
【0030】
ピンジャックコード322の先端の一方を外部機器349の入力端子350または出力端子351のいずれかに挿入し、他方を遊技機1の入力端子320または出力端子321のいずれかに挿入することで、外部機器349は遊技機1に接続される。
【0031】
ここで、ピンジャックコード322の先端の一方を外部機器349の出力端子351に挿入し、他方を遊技機1に設けられた入力端子320に挿入することで、外部機器349の有するMIDIデータを遊技機1に入力することができる。
【0032】
これにより、外部機器349から遊技機1に対しMIDIデータを入力しているので、当該MIDIデータを、遊技機1のスピーカ11から再生することができるとともに、他の外部機器を遊技機1の出力端子321に接続することで、当該MIDIデータを他の外部機器に出力することもできる。
【0033】
これにより、例えば、遊技を提供する側が日によって異なるMIDIデータを遊技機1の記憶領域(例えば、後述するワークRAM303)に記憶させることにより、遊技者は、日によって異なるMIDIデータを、持ち込んだ外部機器に取り込み再生できるので、遊技者に期待感を持たせ、遊技の興趣の向上を図ることができる。
【0034】
また、本実施の形態の遊技機1は、ワークRAM303などに記憶されたMIDIデータを、後述するスピーカ11などにて再生させることができるので、日によって異なるMIDIデータを遊技機1の記憶領域(例えば、後述するワークRAM303)に記憶させることにより、限られた記憶領域で、バラエティに富んだ効果音等を再生することが可能となる。また、遊技者は、自分の好きなMIDIデータを、外部機器から遊技機1に入力することができるので、遊技者の好みの効果音等をスピーカ11にて再生することが可能となる。
【0035】
また、ピンジャックコード322の先端の一方を外部機器349の入力端子350に挿入し、他方を遊技機1に設けられた出力端子351に挿入することで、遊技機1のワークRAM303等に記憶されているMIDIデータを外部機器349に出力することができる。
【0036】
なお、遊技機1から外部機器349に出力したMIDIデータに関しては、そのまま外部機器349ごと持ち帰ってもよいし、外部機器349に内蔵されているエフェクタ等により種々の調整を行うことで再生してもよい。これにより遊技者は、好きな電子楽器等で遊技機1の有するMIDIデータを再生することができるので、遊技の興趣を高めることができる。また、再生時は、ヘッドフォン等を用いて外部に大音響を発生させない様にすることも可能である。
【0037】
また、フロントドア3の上部前面には遊技盤50(図2)が取り付けられている。さらに、フロントドア3には、後述する遊技部52の周囲前方に位置するようにして装飾枠10が設けられている。当該装飾枠10には、遊技部52を前方側から覆うようにしてガラス板などからなる透明板16が取り付けられており、さらに、装飾枠10の上部には、左右一対のスピーカ11が配設されている。
【0038】
フロントドア3の上部前面に取り付けられた遊技盤50は、図2に示すように、その表面に一対のガイドレール51で囲まれた略円形の遊技部52を備えており、遊技部52内には、複数の障害釘や風車等の障害部材53が配設されると共に、複数の特別図柄を変動表示すると共に演出画像や背景画像等を表示する画像表示装置(LCD)54と、普通図柄を変動表示する普通図柄表示部55(画像表示装置54内において画像表示される。)と、遊技球が通過したことを条件として、普通図柄表示部55における普通図柄の変動表示を開始させる普通図柄始動ゲート60と、複数の入賞口と、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技部52内から排出するアウト口56とが設けられている。
【0039】
上記入賞口は、その機能によって複数種類に分かれており、遊技球が入賞したことを条件として所定数の賞球を排出する一般入賞口59と、遊技球を受け入れ易い状態と遊技球を受け入れ難い状態との間で切換可能な変動部材(以下、「普通電動役物61」という。)を有し、遊技球が入賞したことを条件として画像表示装置54における特別図柄の変動表示を開始させる始動入賞口62と、画像表示装置54における特別図柄が所定の表示態様で停止して特定遊技状態に移行した場合に、所定の設定に従って所定回数だけ扉が開閉するように制御される大入賞口63とからなる。
【0040】
上記普通図柄始動ゲート60は、始動入賞口62の左上方に設けられており、通過する遊技球を検出するようになっている。この普通図柄始動ゲート60の通過球は保留記憶可能となっており、この通過記憶に基づいて、普通図柄表示部55における図柄の変動表示が行なわれる。また、画像表示装置54の右側上部には、普通図柄始動ゲート60の通過記憶個数を表示する4個の普通図柄記憶LED64が設けられている。この普通図柄記憶LED64の点灯個数により、普通図柄始動ゲート60の通過記憶個数を表示することができる。
【0041】
上記始動入賞口62の左右には、遊技球を受け入れ易い状態と、遊技球を受け入れ難い状態との間で切換可能なチューリップ状の普通電動役物61が設けられている。この普通電動役物61は、通常の状態では遊技球を受け入れ難い状態となっており、普通図柄表示部55において「当り」となった場合に、所定時間(例えば、0.3秒間)だけ開いて遊技球を受け入れ易い状態に切り換えられる。
【0042】
また、始動入賞口62への入賞球は入賞記憶可能となっており、この入賞記憶に基づいて、画像表示装置54における図柄の変動表示が行なわれる。画像表示装置54の上方には、始動入賞口62への入賞記憶個数を表示する4個の特別図柄記憶LED65が設けられている。この特別図柄記憶LED65の点灯個数により、始動入賞口62への入賞記憶個数を表示することができる。
【0043】
上記画像表示装置54は、遊技部52のほぼ中央に設けられた液晶表示装置からなり、画像で表示される複数の特別図柄を変動表示すると共に、遊技状態に対応したアニメーション表示を行うことにより、遊技演出を行うことができるようになっている。
【0044】
また、画像表示装置54に表示される特別図柄は、例えば「0」「1」「2」…「9」「10」「11」等の数字からなり、停止表示された数字の組み合わせが「0」「0」「0」、「7」「7」「7」等のように3個とも同一の数字となった場合を「大当り」とし、一般遊技状態と比較して遊技者に有利な特定遊技状態に移行した旨を示している。
【0045】
この特定遊技状態とは、例えば後述する大入賞口SOL72Sが、大入賞口63の扉を所定回数だけ開閉することで、一般遊技状態よりも多くの遊技球を入賞させやすくする遊技状態のことである。
【0046】
上記普通図柄表示部55は、画像表示装置54内に画像として表示されるようになっている。この普通図柄表示部55では、例えば2個の普通図柄が交互に点滅するようになっており、2個の普通図柄の点滅が終了して「当り」が表示された場合に、始動入賞口62に設けられた普通電動役物61を、所定時間だけ遊技球を受け入れ易い状態に切り換えて、始動入賞口62に遊技球を入賞させ易くする。
【0047】
なお、普通図柄表示部55は、上述した構成の他に、2個の普通図柄表示LEDを備えて構成することができ、また、例えば7セグメント表示器等により構成することもできる。この場合には、7セグメント表示器に表示する普通図柄として、例えば「0」「1」「2」…「7」「8」「9」等の数字を変動表示し、停止表示された数字が「3」あるいは「7」となった場合を「当り」とする。
【0048】
図4は図1に示した遊技機の制御系の回路構成を示したブロック図である。
【0049】
遊技機1の制御系は、主制御回路200と、この主制御回路200に接続される副制御回路300、払出・発射制御回路70を有している。
【0050】
この制御系は主制御回路200を主な構成要素とし、遊技盤50の背面に搭載されている。
【0051】
また、遊技機1の払出・発射制御回路70には、カードユニット81が接続されている。
【0052】
このカードユニット81は、遊技機1の近傍に設置され、プリペイドカードを差込可能な差込口を有しており、当該差込口に差し込まれたプリペイドカードに記録された記録情報を読み取る読み取り手段と、球貸し操作パネル9の操作に応じて、払出・発射制御回路70に対し遊技球の貸出を指令する貸出指令信号を出力する貸出指令信号出力手段と、前述の読み取り手段によって読み取った記録情報から特定される貸出可能数から、貸出指令信号出力手段により貸出を指令した貸出数を減算し、上記差込口に差し込まれているプリペイドカードに当該情報を記録させる書き込み手段を有している。
【0053】
主制御回路200には、予め設定されたプログラムに従って遊技機1の遊技動作を行うメインCPU(超小型演算処理装置)201、異常時や電源投入時に各種設定を初期値に戻すためのリセット信号を生成する初期リセット回路204、メインCPU201が動作する上で必要な各種データを記憶するメインRAM203、メインCPU201が遊技機1の遊技動作を処理制御するためのプログラム、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り判定テーブル、乱数抽選によって普通当り判定をする際に参照される普通当り判定テーブル、演出を抽選する際に参照される各種確率テーブルを格納しているメインROM202が実装されている。
【0054】
また、メインRAM203は、メインCPU201によって計数された入賞記憶の数を記憶するための入賞記憶カウンタ、およびメインCPU201によって計数された通過記憶の数を記憶するための通過記憶カウンタを具備する。
【0055】
ここで、メインCPU201は、始動入賞口62へ遊技球が入賞して始動入賞が発生すると大当り判定を行う大当り判定処理、大当りの判定結果に基づいて、特別図柄の変動表示を実行させるための変動表示パターンを決定する変動表示パターン決定手段である。
【0056】
具体的には、メインCPU201は、始動入賞が発生すると、所定の始動条件が成立したとして、大当り判定の結果に基づいて、特別図柄の変動表示を実行させるための変動表示パターンを指示する変動表示パターンコマンド、変動表示の停止図柄を指示するコマンドを生成し、セットする。さらに、メインCPU201は、普通図柄表示部に表示される内容の決定処理などを行っている。
【0057】
また、メインCPU201は、所定の始動条件が成立したとき(例えば、始動入賞が発生した場合など)、変動表示パターンコマンドを生成し、セットする。サブCPU301は、主制御回路200から、変動表示パターンコマンドを受信したとき、受信した変動表示パターンコマンドに対応する制御データをセットする。
【0058】
サブCPU301は、セットした制御データに含まれる演出パターンに従った表示を行わせるように、画像制御回路305に指示するためのデータを経時的に変化させる。
【0059】
画像制御回路305は、所定時間ごとに送信されるサブCPU301の指示を実行することにより、画像表示装置54においては、例えば、変動表示パターンに対応する特別図柄や背景画が表示される。
【0060】
さらにメインCPU201は、遊技状態が特定遊技状態に移行されると、大入賞口63の扉を開閉するように大入賞口SOL72Sを制御する大入賞口SOL制御手段を構成している。
【0061】
主制御回路200のI/Oポート205には、普通図柄始動ゲート60の内側に設けられ、遊技球が通過するのを検知するセンサである通過ゲートSW19Saや、始動入賞口62に入賞した遊技球を検知するセンサである始動入賞口SW19aが接続されている。また、大入賞口63内の継続入賞口に設けられ、入賞した遊技球を検知するセンサであるV・カウントSW19Sd、大入賞口63内の普通入賞口に設けられ、入賞した遊技球を検知するセンサであるカウントSW19Se、一般入賞口59へ入賞した遊技球を検知するセンサである一般入賞口SW19Sb、メインRAM203に記憶されている各種データを消去するためのバックアップクリアSW74Sが接続されている。また、発射ハンドル7の操作によって発射装置90から発射される遊技球を検知する発射球センサ(図示せず)、および発射されたものの遊技盤50の盤面まで到達せずにガイドレール51を戻ってきた遊技球を検知する戻り球センサ(図示せず)が接続されている。さらに、このI/Oポート205には、アクチュエータとして、普通電動役物61を、遊技球を受け入れ易い状態と遊技球を受け入れ難い状態との間で切換える始動口SOL71S、大入賞口63の扉を開閉する大入賞口SOL(ソレノイド)72S、大入賞口63内のシーソを駆動するシーソSOL73S等が接続されている。
【0062】
上記各センサが遊技球を検知すると、その検知信号は主制御回路200のメインCPU201に入力され、入力される検知信号に応じて、メインCPU201は上記各アクチュエータ71S、72S、73Sをそれぞれ駆動制御する。また、副制御回路300や払出・発射制御回路70に対して、それぞれ主制御回路200のコマンド出力ポート206から制御指令が送信され、副制御回路300や払出・発射制御回路70によって画像表示装置54や、スピーカ11、ランプ・LED39a、払出装置82、発射装置90などの動作が制御される。
【0063】
払出・発射制御回路70には、賞球や貸球等を払出す払出装置82および発射装置90が接続されている。払出・発射制御回路70は、一般入賞口59および大入賞口63などに遊技球が入球したことを条件として主制御回路200から出力される払出指令信号に応じて払出装置82を駆動制御し、所定数の遊技球を賞球として払出させる。また、払出・発射制御回路70は、カードユニット81から出力される貸出指令信号に応じて払出装置82を駆動制御し、所定数の遊技球を貸球として払出させる。さらに、払出・発射制御回路70は、発射ハンドル7の回動操作に応じて発射ソレノイドを駆動制御する。これによって発射装置90から遊技球を発射させる。
【0064】
また、発射ハンドル7には遊技球の発射を停止するストップボタン(図示せず)が設けられている。
【0065】
副制御回路300には、サブCPU301、ワークRAM303、プログラムROM302が実装されている。サブCPU301は、コマンド入力ポート304を介して主制御回路200から受信したコマンドを解釈し、その解釈結果に従って画像制御回路305,音声制御回路306,ランプ制御回路307等の制御を行う。プログラムROM302には、サブCPU301が、主制御回路200から出力される各種コマンドに基づいて画像制御回路305を処理制御するための制御プログラム、音声制御回路306を処理制御するための制御プログラム、およびランプ制御回路307を処理制御するための制御プログラムなどが記憶格納されている。ワークRAM303は、サブCPU301が上記制御プログラムに従って処理制御を行う際の一時的な記憶をするとともに、MIDIデータなども記憶する。また、ワークRAM303に記憶されているデータは、所定のタイミング(例えば、電源投入時など)でクリアされる。
【0066】
なお、I/Oポート310は、入力端子320および出力端子321と、サブCPU301とのデータのやり取りを仲介する役割を果たしている。
【0067】
また、サブCPU301は、入力端子320から入力したMIDIデータを、ワークRAM303に記憶するMIDIデータ記憶手段を有している。
【0068】
さらに、サブCPU301は、ワークRAM303等に記憶しているMIDIデータを、出力端子321に接続している外部機器に出力するMIDIデータ出力手段を有している。
【0069】
また、本実施の形態では、サブCPU301は、外部機器349から入力したMIDIデータをワークRAM303に記憶しているが、これに限られず、他の記憶領域に記憶してもよい。例えば、音声制御回路306に設けられている記憶領域に記憶してもよい。
【0070】
画像制御回路305は、サブCPU301からの制御に応じて、画像表示装置54に特別図柄の変動表示などの表示を実行するものであり、各種画像データを記憶する画像データROM(図示せず)と、サブCPU301からの制御に基づいて、画像データROMに記憶されている画像データを用いて特別図柄の変動表示などの表示を実行するためのデータを生成するVDP(Video Display Processor)と、VDPにより生成された表示画像データをアナログ信号に変換するD/Aコンバータ(図示せず)とを具備する。
【0071】
例えば、画像制御回路305は、サブCPU301の制御に基づいて、画像表示装置54に対し、大当り判定の結果に対応する特別図柄および背景画を変動表示させるなどの画像表示制御処理を行う。また、画像制御回路305および画像表示装置54は、特別図柄の変動表示時の演出表示態様によって当該遊技におけるリーチ演出発生の有無または発生するリーチ演出の種類または大当り発生の信頼度を報知する報知手段を構成している。
【0072】
音声制御回路306にはスピーカ11が接続されているとともに、所定の記憶領域が設けられている。音声制御回路306は、サブCPU301の制御に基づき、音信号を生成する。スピーカ11は、生成したこの音信号に基づいて音を発生する。
【0073】
具体的には、サブCPU301は、スピーカ11にて再生するMIDIデータをワークRAM303から選択する。そして、サブCPU301は、音声制御回路306を制御し、選択したMIDIデータを基に音信号を生成させる。次に、サブCPU301は、音声制御回路306を制御することで生成した音信号に基づいた音をスピーカ11から発生させる。
【0074】
ランプ制御回路307にはランプ・LED39aが接続されている。ランプ制御回路307は、サブCPU301の制御に基づき、信号を生成する。ランプ・LED39aは、入力したこの信号に基づいて遊技機1の各所に備え付けられているランプやLEDなどの点灯表示等を行う。
【0075】
なお、遊技機1における各処理は、主制御回路200と副制御回路300とにより制御されているが、主制御回路200は、副制御回路300により制御される処理の全部または一部を処理してもよく、副制御回路300は、主制御回路200により制御される処理の全部または一部を処理してもよい。
【0076】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これは本発明を具体的に例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。
【0077】
また、本実施の形態では、サブCPU301は、スピーカ11にて再生するMIDIデータをワークRAM303から選択しているが、これに限られず、他の記憶領域から選択してもよい。例えば、プログラムROM302から選択してもよいし、音声制御回路306に設けられている記憶領域から選択してもよい。また、入力端子320に接続されている外部機器349から直接MIDIデータを選択し、スピーカ11にて再生するようにしてもよい。
【0078】
また、サブCPU301は、遊技状態の変化に応じてスピーカ11にて再生するMIDIデータを変更してもよい。例えば、遊技球の入賞時には、サブCPU301は、プログラムROM302に記憶されているMIDIデータを選択して、スピーカ11にて再生するようにし、一方、特定遊技状態移行時には、音声制御回路306に設けられている記憶領域に記憶されているMIDIデータを選択して、スピーカ11にて再生するようにしてもよい。
【0079】
このように、本実施の形態によれば、MIDIデータを出力する出力端子321には、MIDIデータを再生する外部機器349が接続可能であるので、遊技者は、好きな電子楽器等で遊技機1の有するMIDIデータを再生することができる。そのため、遊技の興趣を高めることができる。
【0080】
また、本実施の形態によれば、MIDIデータを入力する入力端子320には外部機器349が接続可能であるので、遊技機1に、好きなMIDIデータを入力することができる。そのため、遊技機1に記憶される効果音のデータ量が少なくても、バラエティに富んだ効果音が再生でき、遊技の興趣を高めることができる。
【0081】
さらに、本実施の形態によれば、出力端子321、または出力端子321および入力端子320は遊技機1の前面に設けられているので、容易な操作で遊技の興趣を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
上記の実施の形態では、プリペイドカード方式の遊技機に適用する例が説明されているが、本発明はカードユニットを備えていないパチンコ機にも適用できるのは勿論である。例えば、クレジット方式のパチンコ機にも適用することができるし、いわゆるCR機以外の通常のパチンコ機にも適用することができる。プリペイドカード方式でなく、全くカードを使用しないパチンコ機についても幅広く適用することが可能である。
【0083】
また、本発明を遊技機の一つであるパチンコ遊技機に適用した場合が説明されているが、本発明はパチンコ遊技機に限定されるものではなく、たとえばスマートボールや雀球、あるいはパチスロ機など様々な遊技機に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本実施の形態に係る弾球遊技機(パチンコ遊技機)の構成を示す斜視図である。
【図2】本実施の形態に係る遊技部の正面図である。
【図3】本実施の形態に係る遊技機の制御部を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0085】
1 遊技機
2 外枠
3 フロントドア
4 操作部
5 上皿
6 下皿
7 発射ハンドル
8 灰皿
9 球貸し操作パネル
10 装飾枠
11 スピーカ
16 透明板
19a 始動入賞口SW
19Sb 一般入賞口SW
19Sd V・カウントSW
19Se カウントSW
19Sa 通過ゲートSW
50 遊技盤
51 ガイドレール
52 遊技部
53 障害部材
54 画像表示装置(LCD)
55 普通図柄表示部
56 アウト口
59 一般入賞口
60 普通図柄始動ゲート
62 始動入賞口
63 大入賞口
64 普通図柄記憶LED
65 特別図柄記憶LED
70 払出・発射制御回路
71S 始動口SOL
72S 大入賞口SOL
73S シーソSOL
74S バックアップクリアSW
81 カードユニット
82 払出装置
90 発射装置
200 主制御回路
201 メインCPU
202 メインROM
203 メインRAM
204 初期リセット回路
205 I/Oポート
206 コマンド出力ポート
300 副制御回路
301 サブCPU
302 プログラムROM
303 ワークRAM
304 コマンド入力ポート
305 画像制御回路
306 音声制御回路
307 ランプ制御回路
310 I/Oポート(I/O)
320,350 入力端子
321,351 出力端子
322 ピンジャックコード
349 外部機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に関連したMIDIデータを記憶するMIDIデータ記憶手段と、
前記MIDIデータを出力する出力端子とを備え、
前記出力端子には、前記MIDIデータを再生する外部機器が接続可能であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記MIDIデータを入力する入力端子を備え、
前記入力端子には前記外部機器が接続可能であることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記出力端子、または前記出力端子および前記入力端子は、遊技機の前面に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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