説明

遊技機

【課題】 遊技の進行上、連続性のある遊技状態の場合に、あえてそれぞれの遊技状態に設定した音データに切り替えることなく、最初に適用した音データをそのまま適用することで、遊技の進行との一体感を持たせ、聴覚を通じた演出効果を高める。
【解決手段】 通常の音声制御の他に、(1) 図柄変動パターン演出時の音声制御、(2) 連続音声制御、(3) ラウンド回数報知音声制御という特別な音声制御を加え、適宜選択されて実行させるようにしたため、スピーカ64から出力されるBGM等の音声にバリエーションを持たせることができる。特に、(2)において、特別な図柄変動パターンでは、図柄変動パターン演出開始時に出力を開始したBGMをそのまま大当たり終了まで連続して出力するようにした。これにより、普段では、あまり長期に聞くことができないBGMを聞くことができ、例えば、流行の曲を流すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体が遊技盤面上に設けられた始動口に入賞することを契機に所定の確率の下での抽選を実行すると共に前記抽選の結果を報知する通常遊技の実行と、前記抽選の結果が当たりの場合には、所定期間、遊技媒体の払い出しの契機を高める特別遊技の実行を制御する遊技実行制御手段を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機、特にパチンコ機において、通常遊技状態で、始動口(特別図柄始動入賞口)に入賞したパチンコ球を検出することで抽選がなされ、この抽選の結果、当たりとなると、前記通常遊技状態では閉止状態とされている大入賞口が所定期間、所定回数開放され(1回の開閉を1ラウンドとし、一般に10〜16ラウンド継続する。)、遊技球の入賞率を高める、遊技者に有利な状態とする特別遊技状態(以下、大当り処理という)を持つパチンコ機がある。
【0003】
この種のパチンコ機では、遊技盤面(一般には中央にあるセンター役物等)に液晶表示装置等の画像表示制御による表示部、或いはリールや球体等の機械動作制御による可動装置(以下、総称して図柄変動表示装置という)を配置し、この図柄変動表示装置に、例えば複数の図柄列をスクロール変動させ、当該変動が停止したときの各列の図柄の状態(図柄配列状態)で、前記抽選の結果を報知することがなされている(以下、図柄変動パターン演出という)。この図柄変動パターン演出に同期して、スピーカからは、音楽(BGM)や効果音等が出力され、視覚と聴覚を通じて、抽選の結果を報知している。
【0004】
なお、以下、この出願の願書に添付した明細書及び図面において、「図柄変動パターン」とした場合は、図柄変動するパターンの素材(図柄自体、背景、並びに色等)や構成を示し、「図柄変動パターン演出」とした場合は、実際に表示画面上等で図柄が変動する時間的な流れを含むものとする。
【0005】
ところで、上記抽選の当たりは2種類あり、一般的に1/2の確率で、確率変動図柄(以下、確変図柄という)と、非確率変動図柄(以下、非確変図柄という)と、で当たりの種類を区別している。
【0006】
一方、図柄変動表示装置では、前記大当たり処理中には、大当たり処理中であることを示す演出映像が表示され、かつ、スピーカからは大当たり処理中専用の音楽(BGM)や効果音が流れるようになっている。
【0007】
このように、図柄変動表示装置による画像表示と、スピーカによる音出力とは、一体感を持って遊技の趣向性を高めるのに、必須のものとなっている。
【0008】
ところで、一般にスピーカから流れるBGM等は、図柄変動パターン演出中、大当たりへの移行中、大当たり中(ラウンド消化中)において異なるものとなっており、それぞれの表示時間が主体となって、BGMが切替られる。このようなBGMがほとんど同じパターンであるため、図柄変動パターン等の映像に比べて単調なものとなっている。また、図柄変動パターン演出時間やラウンド処理時間によっては、出力されるBGMが途中で終了してしまう場合もある。
【0009】
このため、図柄変動保留記憶手段に記憶された保留数に対応する複数種類の図柄変動音を設定し、図柄変動パターン演出開始時の保留数に対応した図柄変動音を選択することが提案されている(特許文献1参照)。
【0010】
また、図柄変動パターン演出時間と、BGMの1フレーズ又は複数フレーズの演奏時間とを整合させることが提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−25533公報
【特許文献2】特開2000−129186公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、図柄変動パターン演出によって当たりが報知された場合、遊技者としては、この図柄変動パターン演出から大当たり処理の終了まで、期待感や優越感を持続しているにも拘わらず、それぞれの遊技状態(図柄変動パターン演出、大当たり移行中、大当たり処理中)で異なるBGMに切り替ると、遊技との一体感がなく、聴覚を通じた演出効果が半減する。
【0012】
本発明は上記事実を考慮し、遊技の進行上、連続性のある遊技状態の場合に、あえてそれぞれの遊技状態に設定した音データに切り替えることなく、最初に適用した音データをそのまま適用することで、遊技の進行との一体感を持たせ、聴覚を通じた演出効果を高めることができる遊技機を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の発明は、遊技媒体が遊技盤面上に設けられた始動口に入賞することを契機に所定の確率の下での抽選を実行すると共に前記抽選の結果を報知する通常遊技の実行と、前記抽選の結果が当たりの場合には、所定期間、遊技媒体の払い出しの契機を高める特別遊技の実行を制御する遊技実行制御手段を備えた遊技機であって、前記通常遊技中の抽選の結果の報知中、通常遊技から特別遊技への移行中、並びに特別遊技中のそれぞれの遊技状態に出力する複数の音データ群を記憶する音データ記憶手段と、現在の遊技状態に基づいて、前記音データ記憶手段に記憶されている音データを読み出す音データ読出手段と、前記音データ読出手段で読み出された音データに基づいて音を発生させる音発生手段と、を有し、所定の条件が成立した場合に、前記通常遊技中の抽選の結果の報知中に読み出される単一の音データを、その他の遊技状態において適用する、ことを特徴としている。
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、音発生手段では、現在の遊技状態、すなわち、通常遊技中の抽選の結果の報知中、通常遊技から特別遊技への移行中、並びに特別遊技中の何れかに基づいて読み出される音データに基づいて音を発生させる。
【0015】
ここで、所定の条件が成立した場合(例えば、抽選の結果、当たりの場合)、音発生手段では、通常遊技中の抽選の結果の報知中に読み出される単一の音データを、その他の遊技状態(通常遊技から特別遊技へ移行中、特別遊技中)において適用する。これにより、前述の通常遊技中の抽選の結果の報知中、通常遊技から特別遊技への移行中、並びに特別遊技中の一連の流れと一体感のある音を発生させることができる。
【0016】
単一の音データとは、楽曲であれば同一の楽曲を遊技の状態に拘わらず、流し続けることを言う。言い換えれば、聴者側が違和感を感じないような音(音階、音質、音量等)の連続性を単一の音データとして定義することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記所定の条件が、前記抽選の結果を報知する報知形態が特別な場合であることを特徴としている。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、所定の条件とは、予め設定された抽選の結果を報知する報知形態である。例えば、抽選の結果の報知は、複数の図柄列を変動させ、順次これを停止させていき、最終的に停止した図柄列によって当たりか外れかを報知している(図柄変動)。この図柄変動は、複数種類あり抽選の結果やそのときに設定される期待値等により決まる。
【0019】
ここで、所定の条件が成立する図柄変動の種類を、当/外は不明であるが、期待値の高い図柄変動パターンとすることで、遊技者は、視覚を通じてこの期待値の高い図柄変動パターンを見ると共に、当たりの場合には、当たりの期待感から当たりが確定した優越感までの一連の流れ(連続性)を音によって強調することができる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記単一の音データが連続性のあるBGMを含むことを特徴としている。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、単一の音データとしては、音声、効果音等でもよいが、BGM(バックグラウンドミュージック)を含むことが好ましい。BGM、すなわち単一のメロディーが流れることで、連続性の効果をより高めることができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明した如く本発明では、遊技の進行上、連続性のある遊技状態の場合に、あえてそれぞれの遊技状態に設定した音データに切り替えることなく、最初に適用した音データをそのまま適用することで、遊技の進行との一体感を持たせ、聴覚を通じた演出効果を高めることができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1には、本実施の形態に係るパチンコ機10が示されている。パチンコ機10は外枠12を備え、外枠12の前面には、窓部を有する額縁状の内枠14の一側部(図1の左辺部)が開閉可能に取付けられている。
【0024】
内枠14には、複数の表示灯62やスピーカ64が設けられている。また、内枠14の中央には、窓部となっており、この窓部には紙面奥行き方向に所定の間隔で互いに平行とされた一対のガラス16(二重構造)が装着されたガラス枠20が設けられている。また、内枠14の図1の右辺部には施錠装置(シリンダ)22が設けられている。
【0025】
ガラス枠20の下方位置には、球皿部24を備えた一体皿26が配設されている。この一体皿の球皿部24には、貯球タンク(図示省略)と連通し、この貯球タンク内のパチンコ球を球皿部24へ流出させる連通口23が設けられている。
【0026】
一体皿26は、その一側部(図1の左辺部)が内枠14に対して開閉可能に取付けられている。一体皿26の前面には、左側下部に灰皿28が配置され、右側下部には発射装置164(図3参照)から発射する打球の飛距離を調整するための発射ハンドル30が設けられている。
【0027】
また内枠14の窓部には、遊技盤載置台に載せて交換可能とされた遊技盤32が窓部に対応して設置されている。
【0028】
図2に示される如く、遊技盤32は、外バンド36及び内バンド38によって囲まれた略円形状の遊技領域40が形成されている。
【0029】
遊技領域40には、図示しない釘や風車の他、センター役物42、当該センター役物42に設けられた表示部43、並びに大入賞口(変動入賞装置)44等の役物、始動口46や通過装置48、入賞装置49等の遊技部品が取り付けられており、最下位置にアウト口54が配置されている。なお、センター役物42の上端部には、普通図柄表示装置42Aが設けられている。
【0030】
通過装置48は、前記普通図柄表示装置42Aの始動トリガとなっており、通過装置48をパチンコ球が通過すると普通図柄抽選が実行され、当たりの場合、普通図柄表示装置42Aの表示が当りを表示し、電動チューリップ47が開放し、始動口46への入賞の確率が物理的に高まるようになっている。
【0031】
また、表示部43の上部には、保留ランプ100が設けられており、本実施の形態では、最大4個の保留が可能であるため、この数に対応した4個の保留ランプ100が設けられている。
【0032】
保留とは、前記表示部43において、図柄変動パターン演出を実行中に新たに始動口46に入賞した場合に、この入賞により実行された抽選の結果の報知を待機することを言う。なお、大当たり処理中に始動口46に入賞した場合も、表示部43が大当たり処理演出の動画パターンを再生しているため、保留の対象となる。但し、保留する数には限度があり(本実施の形態では4個)、これ以上の始動口46への入賞は抽選の対象とはならない。
【0033】
図3には、パチンコ機10を制御するための制御系の概略が示されている。制御系は、主制御部150を中心として構成されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
【0034】
この主制御部150には、始動口46に設けられた始動入賞センサ168、通過装置48や入賞装置49に設けられた通過/入賞センサ172並びに大入賞口44に入賞したパチンコ球を検出する大入賞口センサ173が接続されている。なお、大入賞口44には、大入賞口の開閉動作を継続するためのVゾーンが設けられており、このVゾーンにもVゾーンセンサ177が設けられており、主制御部150に接続されている。なお、Vゾーンセンサ177を省略し、大入賞口センサ173のみにする構成でもよい。
【0035】
さらに、主制御部150には、始動入賞口46に設けられた電動チューリップ47(図2参照)を開閉させるためのソレノイド174、大入賞口44を開閉させるためのソレノイド175が接続されている。
【0036】
また、主制御部150からは盤用外部端子190を介してホールコンピュータへ遊技の進行状態を示す情報が出力されるようになっている。
【0037】
ここで、パチンコ球が始動口46に入賞すると、これを始動入賞センサ168で検出することで抽選が実行されるようになっており、当たりの場合は、通常遊技状態から特別遊技状態へ遊技状態が移行されるようになっている。
【0038】
一方、この主制御部150には、演出制御部152と、払出制御部154とが接続されている。
【0039】
演出制御部152には、図柄・音声制御部156を介してスピーカ64、センター役物42の表示部(LCD)43、普通図柄表示装置42A、並びに保留ランプ100が接続されている。また、演出制御部152は、パチンコ機10のガラス枠20に取り付けられた複数の表示灯62の点灯・消灯を制御する。なお、表示部43では、前記抽選の結果を報知するための図柄変動パターン演出画像を表示すると共に、スピーカ64からは当該図柄変動パターン演出時のBGMが出力されるようになっている。すなわち、遊技者は、視覚及び聴覚を通じて、抽選の結果を含む演出を楽しむことができる。なお、普通図柄表示装置42A、保留ランプ100は表示部43にて表示するものでもよい。
【0040】
次に、前記主制御部150に接続された払出制御部154には、パチンコ球の払出しを実行する払出装置192が接続されている。
【0041】
また、払出制御部154には、発射制御部158が接続されており、発射制御部158は、発射装置164を制御して、遊技者によるハンドル30の操作に応じてパチンコ球を打ち出す。
【0042】
さらに、払出制御部154では、枠用外部端子194を介して払出情報をホールに設置されたホールコンピュータへ送出するようになっている。
【0043】
ここで、前記抽選の結果が当たりとなり、表示部43における図柄変動パターン演出並びにスピーカ64からの音声(BGM等)出力によって、当該当選を報知し終えると、特別遊技状態である大当たり処理が実行される。
【0044】
この大当たり処理は、前記大入賞口44が所定回数(例えば15ラウンド)開放するものである。1ラウンドの開放時間は約30秒とされ、この間に最大10個のパチンコ球が入賞可能となる。すなわち、時間制限である30秒、或いは数制限である10個の何れか一方が先に満足されると、そのラウンドの権利は消滅し、当該大当たり処理中に大入賞口44内のVゾーンへの入賞があった場合に、次のラウンドへ移行することが約束される。なお、Vゾーンを省略し、単に所定個数のカウントをし、それを基に、次に継続するものでもよい。
【0045】
このため、特別遊技状態では、通常遊技状態よりも短期間で多くの入賞が期待され、遊技者にとって有利な遊技状態とすることができる。
【0046】
また、前述したように、前記表示部43において、図柄変動パターン演出を実行中に新たに始動口46に入賞した場合、並びに大当たり処理中に始動口46に入賞した場合、保留ランプ100の表示がその分、点灯数が増えていく(最大4個)。
【0047】
一方、前回の図柄変動パターン演出が終了する、或いは大当たり処理が終了すると、表示部43では、保留分の抽選の判定結果の報知を行うべく、新たな図柄変動パターン演出が開始される。これに伴い、保留ランプ100が1個消灯し、保留分の消化を遊技者に報知する。
【0048】
ところで、図柄変動パターンは、当たり/外れの抽選の後に、図柄変動パターンの選択抽選によって決められるようになっている。
【0049】
すなわち、図柄変動パターンは、複数種類設定されており、その中でも当選の期待値が低いものから高いもの、すなわち、当たりのときに選ばれる確率が高いもの、低いもの、或いは外れのときに選ばれる確率が高いもの低いものまで様々な種類が存在し、遊技者に対して本来の目的である抽選の判定結果の報知とは別に、表示部43での演出による趣向性を提供することができるようになっている。
【0050】
また、上記表示部43への図柄変動パターン演出に同期するように、スピーカ64からは、音楽(BGM等)、効果音や音声(以下、総称して単に「音声」という)を発することで、視覚と聴覚とを通じて、演出性を相乗的に高めている。
【0051】
スピーカ64による音声は、大きく分けて、表示部43における抽選の結果を報知するための「図柄変動パターン演出時」、大当たりとなったときの大当たり処理への移行を促すための「大当たり開始演出」、大当たり処理中であることを報知するための「ラウンド演出」の際に前記表示部43から出力される映像に同期して発せられるようになっている。
【0052】
ここで、従来の音声制御では、図柄変動パターン演出時、大当たり開始演出時、ラウンド演出時のそれぞれで全く異なるBGMを独立したかたちで出力し、それぞれの演出時間の終了の際に、BGMが演奏途中で途切れることがあった。
【0053】
また、図柄変動パターン演出時において、表示部43では、リーチ予告や当たりの期待値の高低差等の遊技情報を視覚を通じて、遊技者に報知することがあるが、スピーカ64による聴覚を通じた遊技情報の報知はなされていない。
【0054】
さらに、大当たり処理で繰り返される複数ラウンド毎に流れるBGMも同じBGMを繰り返しているにすぎず、単調な遊技が繰り返されていた。
【0055】
これに対して、本実施の形態では、前記図柄変動パターン演出時、大当たり開始演出時、ラウンド演出時を総合的に捉え、以下に示す(1)乃至(3)の音声制御を単独に、或いは組み合わせて、聴覚を通じた演出性を高めるようにしている。
【0056】
(1) 図柄変動パターン演出時の音声制御
表示部43における図柄変動パターンは、主制御部150において抽選され、そのとき、当たりか外れか、リーチとなるか等を認識しており、演出制御部152では、抽選によって選択された図柄変動パターンデータに基づいてリーチ予告や期待値等の遊技情報を設定し、図柄・音声制御部156における表示制御系の図柄変動パターン演出中に、予告するようにしている。
【0057】
このとき、図柄・音声制御部156では、前記遊技情報と予告タイミングデータを音声制御系に取込、この遊技情報並びに予告タイミングデータに基づいてスピーカ64から出力するBGMを選択するようにしている。
【0058】
選択されるBGMは、音源単位で格納されており、予告の種類(期待値のレベル)に応じて、時間差で重畳させる音源数を変える。
【0059】
また、抽選の結果が当たりの場合には、楽器音源の重畳数を多くする確率を高く設定しておく。
【0060】
なお、本実施の形態では、リーチ演出が開始したときに音声重畳制御を終了させているが、大当たり開始(大当たり開始コマンドを受信)まで音声重畳制御を行うようにすれば、リーチ演出中も期待値が高いことを遊技者に報知することができる。
【0061】
(2) 連続音声制御
表示部43における図柄変動パターン演出から、大当たり開始演出を経て、ラウンド演出まで、途切れることなく連続したBGMをスピーカ64から出力する。
【0062】
(3) ラウンド回数報知音声制御
表示部43におけるラウンド演出は、例えば15ラウンド実行されるようになっており(前述)、ラウンド回数は、表示部43において、ラウンドの開始の際に、例えば「1R」、「2R」・・・「15R」のように表示される。
【0063】
このとき、遊技者がラウンド回数の表示を見逃すと、現在が何ラウンドであるか不明となるため、本実施の形態では、ラウンドを3分割(第1区間が1R〜5R、第2区間が6R〜10R、第3区間が11R〜15R)し、各区間毎に異なるBGMを出力する。
【0064】
3分割としたのは、ラウンド回数の認識が前半、中盤、後半程度の認識で充分であるからであり、特に3分割に限定されるものではない(各ラウンド毎にBGM変更も可)。
【0065】
図4には、上記(1)乃至(3)の音声制御を実現するための主制御部150、演出制御部152及び図柄・音声制御部156における各部の制御を機能的に分類した制御ブロックが示されている。
【0066】
始動入賞センサ168は、主制御部150の抽選部200に接続されており、始動口46にパチンコ球が入賞(抽選に有効な始動入賞)したことを検出すると、抽選部200において抽選が実行される。例えば、抽選は、乱数カウンタから乱数を取得する。
【0067】
抽選部200は、抽選結果判定部202に接続されており、当該抽選結果判定部202は、前記取得した乱数を予め設定された当たり値と照合し、当/外を判定すると共に、確変か非確変かを判定する。
【0068】
抽選結果判定部202の抽選の判定結果(判定情報)は、遊技実行制御部204、図柄変動パターン抽選部206及び確変カウンタ208へ送出されるようになっている。
【0069】
遊技実行制御部204では、前記抽選の結果に基づいて、通常遊技を継続するか、特別遊技(大当たり処理)に移行するかを判断し、遊技の進行を制御する。
【0070】
遊技実行制御部204における遊技の進行情報は、コマンド生成部210へ送出される。
【0071】
図柄変動パターン抽選部206では、抽選の判定結果に基づいて図柄変動パターン種が抽選され、選択された図柄変動パターン種情報をコマンド生成部210へ送出する。
【0072】
また、確変カウンタ208は、抽選の結果が当たり、かつ確変である場合にカウンタ値を+1ずつ加算し、非確変である場合にカウント値をリセットする。
【0073】
確変/非確変履歴管理部212では、上記確変カウンタ208での加減算の履歴を管理する。すなわち、確変になると、+1ずつ加算することで確変の連続回数が認識でき、非確変になると、加算された数値がリセット(加算値が減算されて0になる)されるため、リセット直前の数値(加算値)を履歴として残すことで、例えば、5連続確変後の非確変ということが認識できる。
【0074】
この確変/非確変履歴管理部212における確変履歴情報は、コマンド生成部210へ所定のタイミングで送出される。
【0075】
コマンド生成部210では、各部から入力される情報に基づいてコマンドを生成し、コマンド出力部214を介して、演出制御部152のコマンド解析部216へ送出する。
【0076】
演出制御部152のコマンド解析部216には、図柄変動パターンデータ抽出部218、確変履歴データ抽出部220及び遊技進行データ抽出部224がそれぞれ接続されている。
【0077】
図柄変動パターンデータ抽出部218では、解析したコマンドから図柄変動パターンの種類の情報(当/外情報を含む)が抽出され、該情報を遊技情報設定部226へ送出するようになっている。
【0078】
遊技情報設定部226では、選択された図柄変動パターン種に対してリーチ予告の有無、期待値の設定がなされ、演出される図柄変動パターンを確定し、表示関連情報としてコマンド生成部228へ送出する。
【0079】
また、確変履歴データ抽出部220では、確変の履歴情報、すなわち、現在の状況が、設定されている条件に該当するかどうか、特に本実施の形態では、連続5回の確変後の非確変への移行タイミングの情報を抽出し、該情報を音声パターン設定部230へ送出する。
【0080】
遊技進行データ抽出部224は、遊技の進行情報(図柄変動パターン演出中、大当たり開始演出中、ラウンド演出中)を認識し、音声パターン設定部230へ送出する。
【0081】
一方、前記遊技情報設定部226には、遊技情報読出部232が接続されており、リーチ予告の有無、設定期待値を含む遊技情報が読み出され、該情報を音声パターン設定部230へ送出する。
【0082】
音声パターン設定部230では、確変履歴データ抽出部220、遊技進行データ抽出部224及び遊技情報読出部232からの各種情報に基づいて、前述の(1)〜(3)の音声制御パターンに基づいて、実行する音声パターンを必要に応じて組み合わせて設定し、設定された音声パターン情報をコマンド生成部228へ送出する。
【0083】
コマンド生成部228では、前記確定した図柄変動パターンを特定するアドレス情報、音声パターンを特定するアドレス情報を含むコマンドを生成し、コマンド出力部234を介して、図柄・音声制御部156のコマンド解析部236へ送出する。
【0084】
図柄・音声制御部156のコマンド解析部236には、表示関連情報抽出部238と音声関連情報抽出部240とが接続され、入力したコマンドから、それぞれ表示関連情報、音声関連情報をアドレス情報に基づいて抽出する。
【0085】
表示関連情報抽出部238によって抽出された表示関連情報は、データ読出部242へ送出され、このデータ読出部242では、図柄変動パターンデータメモリ244から図柄変動パターンデータ、或いは大当たり時表示データメモリ246から大当たり開始演出映像データ又はラウンド演出映像データを読み出す。
【0086】
読み出した画像データ(図柄変動パターンデータ、大当たり開始演出映像データ、ラウンド演出映像データ)は、表示ドライバ248を介して、表示部43へ出力され、表示される。
【0087】
一方、音声関連情報抽出部240で抽出された音声関連情報は、音声データ管理制御部250へ送出され、音声制御パターンを決定する。音声制御パターンは、前記(1)〜(3)の音声制御の単独の場合と、(1)と(2)の組み合わせ、(1)と(3)の組み合わせが考えられる。
【0088】
音声データ管理制御部250で決定した音声制御パターンは、音声データ読出部252へ送出され、この音声データ読出部252において、必要な音声や音源を音声データメモリ254から読み出し、出力ドライバ256を介してスピーカ64から出力する。本実施の形態では、音声データメモリ254には、基本BGMデータ254Aの他、ドラム音源データ254B、キーボード音源データ254C、ベース・ギター音源データ254D、ボーカル音源データ254Eが記憶されている。
【0089】
以下に、本実施の形態の作用を説明する。
【0090】
まず、通常遊技の流れを説明する。
【0091】
遊技者がハンドル30を把持し、発射のための操作を行なうと、このハンドル操作量(回転量)に応じた強度で、パチンコ球が打ち出される。
【0092】
パチンコ球が打ち出されると、外バンド36及び内バンド38に案内されて盤面32の釘や風車等に当接しながら、予測し得ない移動をしながら落下していく。ここで、始動口46にパチンコ球が入賞すると、乱数カウンタ等を備えた抽選部200により所定の確率下で抽選が開始される。
【0093】
抽選の結果が当りの場合は、大当たり処理の実行が開始され、予め設定したラウンド数(例えば、15ラウンド)の大当たり処理が実行される。この大当たり処理中は、大入賞口44がほとんど開放状態であるため、遊技者によって有利な状態とすることができる。所定ラウンドの大当たり処理が終了すると、通常の遊技に戻る。
【0094】
ここで、抽選の結果を遊技者に報知するべく、表示部43において図柄変動パターン演出が実行され、この演出の間、スピーカ64からは音声(BGMや効果音等)が出力され、当たりの期待感を盛り上げている。
【0095】
図柄変動パターン演出が終了すると、停止図柄配列で当/外が報知される。この報知が当たりの場合、前述の如く大当たり処理が実行されるが、その前に、表示部43では大当たり開始演出が実行され、スピーカ64からもこの大当たり開始演出に見合う音声が出力され、遊技者の大当たりに対する優越感を増大させている。
【0096】
また、大当たり処理中は、表示部43では、専用のラウンド演出が実行され、これに対応してスピーカ64からラウンド演出に見合う音声が出力される。
【0097】
ここで、従来のスピーカ64からの音声出力は、表示部43の映像表示時間に対して出力時間が一致しているだけであるため、例えば、BGMの小節等と関連付けられておらず、BGMの演奏途中で途切れることがあった。
【0098】
或いは、図柄変動パターン演出では、リーチ予告や期待値に基づく特別な演出等が実行されているにも拘わらず、スピーカ64から出力される音声は変化がなかった。
【0099】
さらに、表示部43におけるラウンド演出では、ラウンド開始時にラウンド数を報知するのみで、これを見逃すと現在のラウンド数がわからなくなる。
【0100】
このような従来の不具合を解消するべく、本実施の形態では、スピーカ64から出力される音声によって、表示部43に表示されるリーチ予告や期待値の報知や、ラウンド数等、遊技の進行状態を報知する機能を持たせ、表示部43とスピーカ64とによる遊技趣向性の相乗効果をもたらすようにした。
【0101】
以下、前述した(1)〜(3)の音声制御の流れをそれぞれ別々に説明する。
【0102】
(1) 図柄変動パターン演出時の音声制御
図5のフローチャート及び図6のタイムチャートに従い、図柄変動パターン演出時の音声制御について説明する。
【0103】
この図柄変動パターン演出時の音声制御では、音声データメモリ254に、基準の音声となる基本BGMデータ254Aと、4種類の音源データ254B乃至354Eを(ドラム音、キーボード音、ベース・ギター音、ボーカル音)を持ち、メロディーは共通となっている。
【0104】
ステップ300では、音声関連情報抽出部240でコマンド解析部236への図柄変動開始のコマンドの入力を認識すると、ステップ302へ移行して、音声データ管理制御部250では、図柄変動時の変動音として基本となるBGM(メロディー)を出力する。
【0105】
次のステップ304では、音声データ管理制御部250では、予告の有無を判別する。ここでは、予告の種類は、予告1〜予告4とする。
【0106】
ステップ304で肯定判定されると、ステップ306へ移行して、指定された予告の種類が予告1か否かが判断される。ステップ306で否定判定された場合には、予告なしのため、基本BGMのみが流れる(図6の(A)参照)。
【0107】
このステップ306で肯定判定(予告1)されると、ステップ308へ移行して所定時間後、基本BGMに対して、音声データメモリ254から読み出したドラム音源を追加し(図6の(B)参照)、このルーチンは終了する。
【0108】
ステップ306で否定判定されると、ステップ310へ移行して、指定された予告の種類が予告2か否かが判断される。
【0109】
このステップ310で肯定判定されると(予告2)、ステップ312へ移行して所定時間後、基本BGMに対して、音声データメモリ254から読み出したドラム音源を追加し、その後、さらに所定時間経過後に音声データメモリ254から読み出したキーボード音源を追加し(図6の(C)参照)、このルーチンは終了する。
【0110】
ステップ310で否定判定されると、ステップ314へ移行して、指定された予告の種類が予告3か否かが判断される。
【0111】
このステップ314で肯定判定されると(予告3)、ステップ316へ移行して所定時間後、基本BGMに対して、音声データメモリ254から読み出したドラム音源を追加し(図6の(D)参照)、その後、さらに所定時間経過後に音声データメモリ254から読み出したキーボード音源を追加し、さらに所定時間経過後に音声データメモリ254から読み出したベース・ギター音源を追加し、このルーチンは終了する。
【0112】
ステップ314で否定判定されると、予告4と判断し、ステップ318へ移行して所定時間後、BGMに対して、音声データメモリ254から読み出したドラム音源を追加し、その後、さらに所定時間経過後に音声データメモリ254から読み出したキーボード音源を追加し、さらに所定時間経過後に音声データメモリ254から読み出したベース・ギター音源を追加し、さらに所定時間経過後に音声データメモリ254から読み出したボーカル音源を追加し(図6の(E)参照)、このルーチンは終了する。
【0113】
このように、予告の種類によって、音源を順次重畳していくことで、BGMの音の拡がり(音域や音量)が徐々に拡大し、重畳数が多ければ多いほど、期待値が高いことを聴覚を通じて報知することができる。
【0114】
また、この予告は、実際の抽選の結果が外れであっても当たりであっても実行するが、実際の抽選の結果が当たりの場合には、楽器音源の重畳数を多くする確率を高く設定しておけば、より音による予告を有用とすることができる。
【0115】
(2) 連続音声制御
図7のフローチャート及び図8のタイムチャートに従い、図柄変動パターン演出時の音声制御について説明する。
【0116】
この連続音声制御では、特別な図柄変動パターンの場合に実行されるようになっており、図7のフローチャートでは、一般的な図柄変動パターンの下での通常の音声制御を含めたかたちで説明する。
【0117】
図7に示される如く、ステップ320では、音声関連情報抽出部240でコマンド解析部236への図柄変動開始のコマンドの入力を認識すると、ステップ322へ移行して、音声データ管理制御部250では、音声データ読出部252及び出力ドライバ256を制御して、図柄変動時の変動音としてBGM(メロディー)を出力する。
【0118】
次のステップ324では、音声データ管理制御部250において、音声関連情報抽出部240で抽出した音声関連情報が特別な図柄変動パターンか否かが判断され、否定判定された場合には、一般的な音声制御を行うべく、ステップ326へ移行して、大当たり開始コマンドの入力を待つ。
【0119】
ステップ326で肯定判定されると、ステップ328へ移行して、音声データ管理制御部250の制御により、前記BGMから大当たり開始音に切り替えて出力し、ステップ330へ移行する。
【0120】
ステップ330では、音声関連情報抽出部240へのラウンドコマンドの入力を待ち、肯定判定されると、ステップ332へ移行して、音声データ管理部250の制御により、大当たり開始音からラウンド音へ切り替えて出力し、ステップ334へ移行する。
【0121】
ステップ334では、音声関連情報抽出部240への大当たり終了コマンドが入力されたか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ336へ移行して、音声データ管理部250の制御により、大当たり終了音を出力し、このルーチンは終了する。
【0122】
一方、ステップ324で肯定判定、すなわち特別な図柄変動パターンであると認識すると、ステップ338へ移行し、大当たり開始コマンドの入力を待つ。
【0123】
ステップ338で肯定判定されると、ステップ340へ移行するが、このステップ340では、音声データ管理部250の制御により、大当たり開始コマンドを受信しても前記BGMをそのまま継続するように指示し、ステップ342へ移行する。
【0124】
大当たり開始コマンドを待ち、かつこのコマンドを無視する理由は、以下のとおりである。
【0125】
大当たり開始コマンドは、ホールコンピュータに特賞信号(大当たり信号)を出力する契機となるため入力は必要であるが、特別な図柄変動パターンの音声制御に関しては不要なため、コマンドの入力待ち、並びにそのコマンドを無視することで、同期を図っている。
【0126】
ステップ342では、ラウンドコマンドの入力を待ち、肯定判定されると、ステップ344へ移行へ移行するが、このステップ344では、音声データ管理部250の制御により、ラウンドコマンドを受信しても前記BGMをそのまま継続するように指示し、ステップ334へ移行する。
【0127】
ラウンドコマンドの入力を待ち、かつこのコマンドを無視する理由は、以下のとおりである。
【0128】
ラウンドコマンドは、ラウンド表示画面を出力するために必要であるが、特別な図柄変動パターンの音声制御に関しては不要なため、コマンドの入力待ち、並びにそのコマンドを無視することで同期を図っている。
【0129】
このように、特別な図柄変動パターンでは、図柄変動パターン演出開始時に出力を開始したBGMをそのまま大当たり終了まで連続して出力するようにした。これにより、普段では、あまり長期に聞くことができないBGMを聞くことができ、例えば、流行の曲を流すことができる。
【0130】
(3) ラウンド回数報知音声制御
このラウンド回数報知音声制御では、音声データメモリ254に5種類のラウンド音を予め記憶しておき、3区間に分割した最初のラウンド(1R、6R、11R)の開始前に乱数抽選によって選択する。また、1回の大当たり処理中は、重複して選択されないようにする。
【0131】
さらに、確変が5回連続した後の非確変時には、予め記憶した特別なラウンド音を全ラウンドに亘り出力する。
【0132】
【表1】

【0133】
図9のフローチャート及び図10のタイムチャートに従い、図柄変動パターン演出時の音声制御について説明する。
【0134】
図9に示される如く、ステップ350では、音声関連情報抽出部240でコマンド解析部236への図柄変動開始のコマンドの入力を認識すると、ステップ352へ移行して、音声データ管理制御部250により、音声データ読出部252及び出力ドライバ256を制御して、図柄変動時の変動音としてBGM(メロディー)を出力する。
【0135】
次のステップ354では、音声データ管理制御部250の制御により、前記BGMから大当たり開始音(BGM)に切り替えて出力し、ステップ356へ移行する。
【0136】
ステップ358では、ラウンドコマンドの入力を待ち、肯定判定されると、ステップ359で遊技状態が特別の状態(ここでは、5回連続確変、かつ非確変となった状態)か否かが判断され、否定判定されると、ステップ360へ移行する。
【0137】
ステップ360では、音声パターン設定部230において、ラウンド音抽選が実行される。すなわち、乱数抽選によって前記表1の中から1つのラウンド音(BGM)を抽選する。
【0138】
次のステップ362では、ラウンド音抽選結果を音声関連情報抽出部240へ送出し、抽選されたラウンド音(BGM)を出力し、ステップ364へ移行する。ステップ364では、遊技情報読出部232からの情報に基づいて、5ラウンド終了したか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ366へ移行して、音声パターン設定部230において、ラウンド音抽選が実行される。すなわち、乱数抽選によって前記表1の中から1つのラウンド音(BGM)を抽選する。このとき、同一の大当たり処理中に抽選されたラウンド音(BGM)は除外される。
【0139】
例えば、表1の中からラウンドBGM3が使用された(抽選済)場合は、以下の表2のように、ラウンドBGM3がない状態での乱数が設定される。すなわち、同一の大当たり処理中に抽選されたラウンド音は、ラウンド音の抽選乱数の範囲を変更することにより、除外される。具体的には、0〜49であった乱数が、ラウンドBGM3の選択実行により、0〜39に範囲が変更されると共に、ラウンドBGMが20〜29にという具合にラウンド音種の範囲も変更される。
【0140】
【表2】

【0141】
次のステップ368では、ラウンド音抽選結果を音声関連情報抽出部240へ送出し、抽選されたラウンド音(BGM)を出力し、ステップ370へ移行する。ステップ370では、遊技情報読出部232からの情報に基づいて、10ラウンド終了したか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ372へ移行して、音声パターン設定部230において、ラウンド音抽選が実行される。すなわち、乱数抽選によって前記表1の中から1つのラウンド音(BGM)を抽選する。このとき、同一の大当たり処理中に抽選されたラウンド音(BGM)は除外される。すなわち、上記表2から、また1つ減り、乱数も0〜29となる。
【0142】
次のステップ374では、ラウンド音抽選結果を音声関連情報抽出部240へ送出し、抽選されたラウンド音(BGM)を出力し、ステップ376へ移行する。ステップ376では、遊技情報読出部232からの情報に基づいて、大当たり終了コマンドが入力されたか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ378へ移行して大当たり終了音を出力し、このルーチンは終了する。
【0143】
また、前記ステップ359で肯定判定(特別な遊技状態)された場合には、ステップ380へ移行して、音声データ管理制御部250により音声データ読出部252及び出力ドライバ256を制御して、予め設定した特別ラウンド音(表1に示す特別BGM)を読み出し、次いでステップ382へ移行して、この読み出された特別ラウンド音(特別BGM)を出力し、ステップ376へ移行する。
【0144】
このように、全ラウンドを3分割して、各区分毎に異なるBGMを流すことで、視覚を通じてラウンド回数を見逃した遊技者がいても、聴覚を通じて現在のラウンド回数をほぼ把握することができる。また、単調なラウンド処理をBGMを変えることで、遊技の趣向性を高めることができる。
【0145】
以上説明したように本実施の形態では、通常の音声制御の他に、(1) 図柄変動パターン演出時の音声制御、(2) 連続音声制御、(3) ラウンド回数報知音声制御という特別な音声制御を加え、適宜選択されて実行させるようにしたため、スピーカ64から出力されるBGM等の音声にバリエーションを持たせることができる。
【0146】
また、音声によって遊技情報を報知することができるため、遊技者が表示部43の表示による遊技情報報知を見逃しても、聴覚を通じて当該情報を認識することができる。
【0147】
なお、上記(1)〜(3)の音声制御は、独立して選択されて実行してもよいが、組み合わせて適用してもよい。例えば、(1)と(2)の音声制御の組み合わせ、(1)と(3)の音声制御の組み合わせが考えられる。但し、(2)と(3)の音声制御の組み合わせを含む組み合わせは、矛盾を生じることになるため、除外する。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】本実施の形態に係るパチンコ機の正面図である。
【図2】本実施の形態に係る遊技盤の正面図である。
【図3】本実施の形態に係るパチンコ機の制御系の概略を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態に係るスピーカから出力される音声制御を主体とした各制御部の機能を示す制御ブロック図である。
【図5】図柄変動パターン演出時の音声制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】図柄変動パターン演出時の音声制御の流れを示すタイミングチャートである。
【図7】連続音声制御の流れを示すフローチャートである。
【図8】連続音声制御の流れを示すタイミングチャートである。
【図9】ラウンド回数報知音声制御の流れを示すフローチャートである。
【図10】ラウンド回数報知音声制御の流れを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0149】
10 パチンコ機(遊技機)
32 遊技盤
43 表示部
44 大入賞口
46 始動口
64 スピーカ(音発生手段)
150 主制御部
152 演出制御部
156 図柄・音声制御部
168 始動入賞センサ
200 抽選部
202 抽選結果判定部
204 遊技実行制御部
206 図柄変動パターン抽選部
208 確変カウンタ
210 コマンド生成部
212 確変/非確変履歴管理部
214 コマンド出力部
216 コマンド解析部
218 図柄変動パターンデータ抽出部
220 確変履歴データ抽出部
224 遊技進行データ抽出部
226 遊技情報設定部
228 コマンド生成部
230 音声パターン設定部
232 遊技情報読出部
234 コマンド出力部
236 コマンド解析部
238 表示関連情報抽出部
240 音声関連情報抽出部
242 データ読出部
244 図柄変動パターンデータメモリ
246 大当たり時表示データメモリ
248 表示ドライバ
250 音声データ管理制御部(音発生手段)
252 音声データ読出部(音データ読出手段)
254 音声データメモリ(音データ記憶手段)
256 出力ドライバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体が遊技盤面上に設けられた始動口に入賞することを契機に所定の確率の下での抽選を実行すると共に前記抽選の結果を報知する通常遊技の実行と、前記抽選の結果が当たりの場合には、所定期間、遊技媒体の払い出しの契機を高める特別遊技の実行を制御する遊技実行制御手段を備えた遊技機であって、
前記通常遊技中の抽選の結果の報知中、通常遊技から特別遊技への移行中、並びに特別遊技中のそれぞれの遊技状態に出力する複数の音データ群を記憶する音データ記憶手段と、
現在の遊技状態に基づいて、前記音データ記憶手段に記憶されている音データを読み出す音データ読出手段と、
前記音データ読出手段で読み出された音データに基づいて音を発生させる音発生手段と、を有し、
所定の条件が成立した場合に、前記通常遊技中の抽選の結果の報知中に読み出される単一の音データを、その他の遊技状態において適用する、ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記所定の条件が、前記抽選の結果を報知する報知形態が特別な場合であることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記単一の音データが連続性のあるBGMを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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