説明

遊技機

【課題】遊技領域に風車や入賞装置等を配設した遊技盤の本体を、透光性を有する部材により形成してなる遊技機において、遊技球の流下態様を多彩なものにして興趣を高める。
【解決手段】風車装置70に遊技盤1に形成された開口部1cに対して風車76を取り付けるための取付ベース72を備え、取付ベース72には風車76の回転軸をなす風車軸75を取り付けるための軸取付部73を形成する。そして、該軸取付部73から表側および裏側の各々に延在するように風車軸75を取付け、風車軸75の両端側に風車76,76を各々配設し、該風車76の一方を表面の遊技領域(第1遊技領域1a)に臨む表面風車77とし、他方を裏面の遊技領域(第2遊技領域20)に臨む裏面風車78とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技領域に風車や入賞装置等を配設した遊技盤の本体を、透光性を有する部材により形成してなる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、木製の合板に遊技釘を打ち込んで遊技盤を構成し、該遊技盤に向けて遊技球を発射することで遊技を行う遊技機が知られている。遊技盤の遊技領域には、遊技釘の他、遊技球の流下(落下)態様に変化を与える風車が設けられているが、この風車も遊技盤に回転軸を植設し、該回転軸に対して羽根部および回転盤等からなる風車本体が回転可能に設けられている。
【0003】
ところで、近年においては、遊技盤の本体を透光性の合成樹脂で構成したものが考えられている。このような遊技機においては、透明な遊技盤の後方に画像表示装置を備え、画像表示装置の表示画像を、遊技盤を透かして遊技機前方に存在する遊技者に視認させるように構成されている。また、従来の遊技機においては、遊技盤の表面だけではなく、裏面にも遊技球が流下可能な遊技領域を形成し、遊技盤の表面及び裏面の両方で遊技を行うようにしたものも考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−270473号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技盤の裏面に形成された遊技領域には、遊技釘や風車等が設けられていないことから、裏面の遊技領域を流下する遊技球の流下態様は変化の乏しいものとなり、遊技の興趣を高めるものとなっていない。
また、遊技盤の裏面に転動部を形成し、その転動部に設けられた段差等により流下態様を変化させるようにはしているが、固定的な段差では、多彩な流下態様を形成することは困難であり、やはり興趣を高めるものではない。
【0005】
本発明の目的は、遊技領域に風車や入賞装置等を配設した遊技盤の本体を、透光性を有する部材により形成してなる遊技機において、遊技球の流下態様を多彩なものにして興趣を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
遊技領域に風車装置や入賞装置等を配設した遊技盤の本体を、透光性を有する部材により形成してなる遊技機において、
前記遊技盤の表面と裏面の各々に遊技領域を形成し、
前記風車装置は、
前記遊技盤に形成された開口部に対して風車を取り付けるための取付ベースを備え、
前記取付ベースには前記風車の回転軸をなす風車軸を取り付けるための軸取付部が形成され、該軸取付部から表側および裏側の各々に延在するように前記風車軸を取付け、前記風車軸の両端側に前記風車を各々配設し、該風車の一方を前記表面の遊技領域に臨む表面風車とし、他方を前記裏面の遊技領域に臨む裏面風車としたことを特徴とする。
【0007】
ここで、風車と風車軸は、例えば、両端に風車が固定された風車軸が、軸取付部に対して回転するようにし、表面及び裏面の風車が連動して回転するようにしても良いし、風車軸が軸取付部に固定されて両端の風車が風車軸に対して回転し、表面及び裏面の風車が独立して回転するようにしても良い。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、軸取付部から表側および裏側の各々に延在するように風車軸を取付け、風車軸の両端側に風車を各々配設し、該風車の一方を表面の遊技領域に臨む表面風車とし、他方を裏面の遊技領域に臨む裏面風車としたので、遊技盤の裏面の遊技領域にも風車を設けることができ、遊技球の流下態様を多彩なものにして興趣を高めることができる。また、遊技盤の表面及び裏面の遊技領域の各々に、配置スペース的に効率よく風車を設けることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機であって、
前記風車軸を前記軸取付部に形成された貫通孔に遊嵌するとともに前記表面風車および前記裏面風車の各々を前記風車軸に固定することで、一方の前記風車の回転に応じて他方の前記風車が回転するようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、風車軸を軸取付部に形成された貫通孔に遊嵌するとともに表面風車および裏面風車の各々を風車軸に固定することで、一方の風車の回転に応じて他方の風車が回転するようにしたので、一方の遊技領域における遊技球の流下態様が他方の遊技領域における遊技球の流下態様に影響を与えることとなり、遊技者は裏面の遊技領域での遊技球の流下にも注目するような、極めて興趣の高い遊技を実現することが可能となる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機であって、
前記遊技盤表面の遊技領域を流下する遊技球を受け入れて、遊技盤裏面の遊技領域に形成された流出口から流下させるワープ装置を備え、
前記裏面風車を、前記ワープ装置の流出口の下方に配設して、該流出口から流出した遊技球により所定方向に回転するように構成し、
前記裏面風車の所定方向への回転に応じて前記表面風車が回転した場合には、当該表面風車の回転により遊技球が変動表示ゲームの始動口側へ誘導されるように構成したことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、遊技盤表面の遊技領域を流下する遊技球を受け入れて、遊技盤裏面の遊技領域に形成された流出口から流下させるワープ装置を備え、裏面風車を、ワープ装置の流出口の下方に配設して、該流出口から流出した遊技球により所定方向に回転するように構成したので、ワープ装置の流出口から流出した遊技球により裏面の風車を確実に回転させることが可能となる。さらに、裏面風車の所定方向への回転に応じて表面風車が回転した場合には、当該表面風車の回転により遊技球が変動表示ゲームの始動口側へ誘導されるので、流出口から流出した遊技球が、変動表示ゲームの始動口に入賞しやすい位置から遊技盤表面に再排出されることとなり、遊技者の期待感を高めるような遊技内容を提供できる。また、遊技球がワープ装置に受け入れられた場合には、その遊技球が有利になるほか、表面を流下する他の遊技球も有利になるため、遊技者の期待感を更に高めることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の遊技機であって、
前記表面風車の羽根部が固定される第1の風車軸と、該第1の風車軸に形成された貫通孔に遊嵌するとともに該表面風車の回転板が固定される第2の風車軸とを備え、
前記遊技盤裏面の遊技領域は前後方向に複数の遊技球が並列に流下可能な前後幅を有し、
前記第1の風車軸よりも前記第2の風車軸を後方側に延在し、各風車軸における前記遊技盤裏面の遊技領域に位置する部分に羽根部を設けることで該羽根部を前後に並設して、前記遊技盤裏面の遊技領域における遊技球が流下する前後位置により第1および第2の風車軸に固定された羽根部が独立して回転するようにしたことを特徴とする。
【0014】
ここで、「複数の遊技球が並列に流下可能な前後幅」とは、遊技球の直径の2倍以上の幅である。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、表面風車の羽根部が固定される第1の風車軸と、該第1の風車軸に形成された貫通孔に遊嵌するとともに該表面風車の回転板が固定される第2の風車軸とを備えたので、回転板と羽根部が別々に回転することとなり、回転板の回転と遊技球の流下誘導態様とが一致しないので、意外性のある動作となって視覚的な装飾効果を向上することができる。また、遊技盤裏面の遊技領域は前後方向に複数の遊技球が並列に流下可能な前後幅を有し、第1の風車軸よりも第2の風車軸を後方側に延在し、各風車軸における遊技盤裏面の遊技領域に位置する部分に羽根部を設けることで該羽根部を前後に並設して、遊技盤裏面の遊技領域における遊技球が流下する前後位置により第1および第2の風車軸に固定された羽根部が独立して回転するようにしたので、従来にない斬新な遊技を行えるようなり、さらに興趣を高めることが可能となる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の遊技機であって、前記遊技盤の後方に画像表示装置を配設して、遊技盤を透かして画像表示装置の表示画像を遊技者に視認可能に構成し、
前記風車の回転板を透明部材により形成したことを特徴とする。
【0017】
ここで、「透明部材」は、例えば、無色透明のもののほか、色付き透明のもの、画像表示装置の画像を視認可能な程度の半透明のものである。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、遊技盤の後方に画像表示装置を配設して、遊技盤を透かして画像表示装置の表示画像を遊技者に視認可能に構成し、風車の回転板を透明部材により形成したので、画像表示装置の表示画像と同時に表裏の遊技領域における遊技球の流下も見ることができ、興趣が向上する。また、風車を設けても画像表示の視認性が低下することを防止できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、軸取付部から表側および裏側の各々に延在するように風車軸を取付け、風車軸の両端側に風車を各々配設し、該風車の一方を表面の遊技領域に臨む表面風車とし、他方を裏面の遊技領域に臨む裏面風車としたので、遊技盤の裏面の遊技領域にも風車を設けることができ、遊技球の流下態様を多彩なものにして興趣を高めることができる。また、遊技盤の表面及び裏面の遊技領域の各々に、配置スペース的に効率よく風車を設けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について図1から図11を用いて説明を行う。
【0021】
図1から3に示すように、本実施形態の遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、機枠110の前面側には、該機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸着されている。なお、矩形枠状の機枠110は、裏面側から見て左側の一辺が金属製とされ、その他の辺は木製となっている。これによって、裏面側から見て左側の一辺においては、強度を保ったまま厚みを薄くでき、後述するように大型の表示ユニット170を備える裏機構枠160の配設を可能としている。
【0022】
前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠140と、前面枠本体130の前面のクリア部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150と、前面枠本体130の裏面側に回動可能に軸支され、表示ユニット170を備える裏機構枠160とを有する。
【0023】
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110の前面側をちょうど覆うような概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部に渡る部分に後述する遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部131が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部131から前側に臨むようになっている。すなわち遊技盤1は、前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
【0024】
また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部131、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、図1に示すように、前面枠本体130の前側を覆うようにクリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面とクリア部材保持枠140に嵌め込まれたクリア部材としてのガラス板141との間で、遊技盤1の前面に設けられた遊技領域区画壁9に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する第1遊技領域1aとされている。
【0025】
また、クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の第1遊技領域1aの前側を開放可能となっている。クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部131をほぼ閉塞するように、該開口部131に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な第1遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板141が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板141を介して遊技盤1の前面側の少なくとも第1遊技領域1aの部分が視認可能となっている。また、クリア部材保持枠140の前面であって、ガラス板141が固定されて第1遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、枠装飾装置としてのランプやLED、音声を出力するスピーカ58,58などが設けられている。
【0026】
また、前面枠本体130に軸着されたクリア部材保持枠140の開放端側となる前面側から見て右側の端部の前面には、施錠装置の一部をなす鍵穴143が形成されている。この鍵穴143は、前面枠本体130の施錠装置の一部であるとともに、クリア部材保持枠140の施錠装置の一部でもあって、鍵穴143に鍵を入れて一方(例えば左回り)に回すと前面枠本体130の施錠が解除され、他方(例えば右回り)に回すとクリア部材保持枠140の施錠が解除されるようになっている。
【0027】
また、前面枠本体130の前面側のクリア部材保持枠140の下側には、発射操作ユニット150が取り付けられている。発射操作ユニット150は、左右側部のうちの一側部となる左側部を前面枠本体130に軸着されて、左右方向に回動して開閉自在な開閉パネル151とその下の下部パネル152とからなる。開閉パネル151は、排出された遊技球を貯留するとともに、遊技球を発射する発射装置(図示略)に遊技球を送る上皿153を有している。この上皿153の周囲には、遊技者が操作可能な演出用ボタン(図示略)が設けられている。また、開閉パネル151の下側の下部パネル152には、上皿153に収容しきれない遊技球を収容する下皿154及び灰皿155と、第1遊技領域1aに向けての遊技球の発射操作を行うとともに、該第1遊技領域1aに遊技球を発射する際の発射勢を調節するための操作ハンドル156、音声を出力するスピーカ58などが設けられている。
【0028】
また、前面枠本体130の裏面側であって遊技盤1が嵌め込まれた開口部131の下方には、排出ユニットによる賞球の排出、発射装置による遊技球の発射を制御する排出発射制御装置や、遊技機100内の各装置に電力を供給する電源回路としての電源供給装置が取り付けられている。その他、前面枠本体130には、各部材の取付位置に各部材を取り付けるための構造が設けられており、例えば、取り付けられた部材を囲むように補強用のリブが形成されていたり、ビス等による部材の取り付けのためのボス等が形成されている。
【0029】
また、図3に示すように、前面枠本体130の裏面側であって、遊技盤1が嵌め込まれた開口部131の上端部から中央より少し下側にわたる部分には、前面枠本体130の裏面側を覆うように裏機構枠160が配置されている。裏機構枠160の前面の左端部は、前面枠本体130の裏面であって遊技機100の裏面側から見て右側の側部に回動可能に軸支されて扉状に開閉自在とされ、裏機構枠160を開くことにより、遊技盤1の裏面側の上部を開放可能となっている。なお、裏機構枠160と前面枠本体130の連結部分は着脱自在であって、前面枠本体130、裏機構枠160はそれぞれユニット単位で交換やメンテナンスが可能となっている。
【0030】
裏機構枠160は、裏機構枠本体161と、画像を表示する画像表示装置としての表示ユニット170を案内するためのガイド部162とを有し、表示ユニット170の他、表示ユニット170を制御する第1演出制御装置33が設けられている。また、図示は省略するが、賞球などを排出する排出ユニットと排出ユニットに遊技球を供給する貯留タンク192が設けられている。
【0031】
裏機構枠本体161の前側には、それぞれコ字状のガイド部162,162が左右の側面を前側に延長するように取り付けられ、裏機構枠160の前面側に所定の奥行きを有するとともに前面側(遊技盤1の裏面に臨む側)に開口した略矩形凹室形状の空間(少なくとも背面と左右側面とを囲まれた空間)が形成され、この空間が表示ユニット170を収納する表示ユニット収納部168となる。すなわち、ガイド部162,162は裏機構枠本体161の左右端部の各々に設けられ、裏機構枠本体161の周囲を囲む周囲壁187とともに表示ユニット収納部168の側面部をなす。
【0032】
このように形成される表示ユニット収納部168には、画像表示面171が前側(開口した側)となるように表示ユニット170が配設されており、裏機構枠160を遊技盤1の裏面に臨むように配することで、遊技盤1の裏面側に表示ユニット170の画像表示面171が臨むようになっている。すなわち、表示ユニット170は該裏機構枠160を介して前面枠120側に配設された状態で遊技盤1の後方位置に配設されることとなる。
【0033】
表示ユニット170は、前面側が開口した矩形箱状(額縁状)に形成された金属製の表示ユニットケース174と、この矩形箱状の表示ユニットケース174に収容された液晶表示パネル175(液晶表示器、バックライトを含む)とを有する。そして、表示ユニットケース174の前面側から液晶表示パネル175の画像表示面171を有する前面が露出している。
【0034】
表示ユニットケース174の上下の側部であって、左端部及び右端部の合わせて4ヶ所からは、側部に対して垂直に外側に突出する被案内部(図示略)が設けられている。この被案内部は、摩擦係数が低い材質(例えば、ポリアセタール、金属)からなる被案内部材を、表示ユニットケース174の上下部(上下面の左右両端)に固定することで形成されている。また、表示ユニット170の下面に設けられた被案内部は、その下部に滑動体として左右方向に沿った回転軸を有するローラを備えている。そして、表示ユニット収納部168には、この被案内部と対応する位置に前後に延在する溝状の案内部(図示略)が形成されており、表示ユニット170が表示ユニット収納部168内において前後動自在に配されることとなる。また、案内部に対して摩擦係数が低い材質からなる被案内部もしくは回転可能なローラが当接することとなり、被案内部と案内部との間の摩擦抵抗が軽減され、表示ユニット170を円滑に前後方向に移動することができるようになっている。
【0035】
液晶表示パネル175の画像表示面171の面積は、前面枠本体130に形成された開口部131に嵌め込まれた遊技盤1の大部分を裏面側から覆うことができる面積となっており、後述する遊技盤裏面構成部材80に形成された、遊技盤本体1bを透して後方を視認可能な視認開口87よりも広いものである。すなわち、画像表示面171の面積が、少なくとも遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87よりも広く、遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87の大きさが変化してもそれに対応できるようになっている。このように、液晶表示器の画像表示面171が遊技盤1の裏面側を幅広く覆うようにすることで、遊技盤1を交換して遊技機100の遊技内容を変更する場合に、多種の遊技盤1に対応できるようになっている。
【0036】
また、表示ユニット170は、裏機構枠160の裏面側に配される第1演出制御装置33と接続され、第1演出制御装置33が液晶表示パネル175の画像表示面171における表示を制御するが、画像表示面171の面積が遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87よりも広いので、遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87から露出する領域に所定の画像が表示されるように制御されている。この画像表示領域を決定する遊技盤1の遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87の大きさや位置に関する初期情報や、変動表示ゲームの画像に関する情報は第2演出制御装置31の演出データ基板に記憶されているが、第2演出制御装置31は遊技盤1に取り付けられており、遊技盤1と一緒に第2演出制御装置31も交換される。よって、遊技盤1の交換に伴い、例えば、これまでの遊技盤に対応した画像表示領域から、新たな遊技盤1に対応した画像表示領域に変更できるようになっている。
【0037】
また、表示ユニット収納部168の上下幅および左右幅は、表示ユニット170の上下幅および左右幅よりも大きくなっており、表示ユニット170の周囲に空間があいた状態とされる。これによって、表示ユニット170の前後方向への移動が容易になるとともに、表示ユニット170が表示ユニット収納部168内で僅かに傾斜した状態(遊技盤1の左右方向と非平行状態)になることも可能となる。なお、溝状の凹部となった案内部内に被案内部が収納された状態となっているので、表示ユニット170が非平行状態になっても被案内部が案内部から脱落することがない。
【0038】
また、表示ユニット170は、圧縮コイルばねからなる表示ユニット付勢手段により前方側に向かって付勢された状態となっており、裏機構枠160を開放した状態あるいは、遊技盤1を前面枠120から取り外した状態では、前後の移動範囲の最も前側の位置に配される。
【0039】
なお、遊技盤1が装着されて裏機構枠160を閉じた状態においては、後述する遊技盤裏面構成部材80の裏面に設けられて後方に突出する押圧部83,83,…が、表示ユニット170の前後方向の移動範囲における最も前側の位置より後方に位置するようになっている。よって、押圧部83の後端部にある押圧部材83bが表示ユニット170の前面に密着し、表示ユニット170は遊技盤裏面構成部材80の裏面から押圧部83,83,…の突出幅の分だけ後方側へ隔離した位置に配されるようになっている。以上のような構成によって、液晶表示器を備えた表示ユニット170は、裏機構枠160に前後移動可能に保持されることとなる。
【0040】
裏機構枠160の背面(裏面)には、第1演出制御装置33が配設されている。この第1演出制御装置33はCPUなどを備えた演出制御基板を有し、画像表示装置をなす表示ユニット170における液晶表示器の表示を制御する表示制御装置をなすものである。また、第1演出制御装置33の下部は、裏機構枠の下方に形成された開口部163へ延出しており、この第1演出制御装置33の前面側であって開口部163に延出する部分からはコネクタ部33aが外側に露出しているこのコネクタ部33aは、遊技盤1の裏面に取り付けられた第2演出制御装置31のコネクタ部(図示略)と接続するようになっており、これによって、第2演出制御装置31と第1演出制御装置33が直接接続するようになっている。
【0041】
また、裏機構枠本体161の上面には、遊技機100が設置される図示しない島設備に設けられた供給装置から供給される遊技球を一時貯留し、排出ユニットに供給する貯留タンク192が取り付けられている。そして、排出発射制御装置が遊技制御装置30の制御の下で排出ユニットを作動させることで、所定数の遊技球が発射操作ユニット150の前面に形成された上皿153に払い出されるようになっている。
【0042】
図2,4,5に示すように、前面枠本体130の開口部131に嵌め込まれる遊技盤1は、遊技盤本体1bと、遊技盤本体1bの裏面側に配される遊技盤裏面構成部材80とを備える。遊技盤本体1bは透明な合成樹脂(例えば、ポリカーボネートやアクリル)からなり、前面には、遊技領域区画壁9で囲まれた第1遊技領域1aを有し、この第1遊技領域1a内に発射装置(図示略)から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
【0043】
遊技盤本体1bの前面側には、第1遊技領域1aを区画する遊技領域区画壁9を備える遊技領域区画部材8,8,…が取り付けられている。この遊技領域区画部材8,8,…は所定の厚みを有し、遊技盤本体1bの前面の四隅に配されて第1遊技領域1aを区画するものであって、遊技盤1の中心側に配される側面が第1遊技領域1aを区画する遊技領域区画壁9をなしている。また、遊技領域区画部材8,8,…は不透明な材質からなり、第1遊技領域1a以外から遊技機100の内部が見えないようになっている。
【0044】
さらに、遊技盤本体1bの四隅に配された遊技領域区画部材8,8,…には、遊技盤1を前面枠本体130に形成された開口部に対して着脱可能とする係合凹部8b、固定凹部8cが形成されている。前面側から見て左側の上下にある遊技領域区画部材8,8には、前面枠本体130に設けられた係合部材132,132が係合可能な係合凹部8bが形成され、遊技盤1の前面側から見て右側の上下にある遊技領域区画部材8,8には、前面枠本体130に設けられた固定部が係合可能な固定凹部8cが形成されている。そして、前面枠本体130に形成された開口部に対して、前面側から係合凹部8b,8bを係合部材132,132に係合させ、この係合部分を軸として他端部を後方に回動させて開口部に収容し、固定凹部8c,8cに固定部133,133を係合させることで遊技盤1が前面枠本体130に固定されるようになっている。
【0045】
遊技盤1を構成する遊技盤本体1bの前面側に形成された第1遊技領域1a内には、遊技盤1の装飾や遊技球を流下案内する遊技装置として、普図始動ゲート6、始動入賞口10および普通変動入賞装置3、特別変動入賞装置4が設けられている。さらに遊技装置として、一般入賞口形成部材14,14に設けられた一般入賞口2,2、遊技球の流下方向を変化させる風車装置70,70、多数の障害釘(図示略)、流下方向規制装置7、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口5、ランプ・LEDなどの遊技盤装飾装置などが設けられている。また、遊技盤本体1bの裏面側には、遊技球が流下可能な後述する第2遊技領域20が設けられ、第1遊技領域1aには遊技装置として、この第2遊技領域20への導入口をなすワープ入口12,12、第2遊技領域20からの導出口13が設けられている。
【0046】
普図始動ゲート6は遊技球が上下に通過可能なゲートであり、その内部には遊技球の通過を検出するゲートセンサ6aが設けられている。そして、該ゲートセンサ6aで遊技球が検出されることに基づき普図変動表示ゲームの始動条件が成立するようになっている。また、普図変動表示ゲームは、遊技盤1の前面側に設けられた図示しない普図変動表示器にて表示されるようになっている。さらに、遊技盤1の前面側には、未処理となっている第1普図変動表示ゲームの回数をLEDの点滅で表示する図示しない普図始動記憶表示器が設けられている。
【0047】
始動入賞口10および普通変動入賞装置3は第1遊技領域1aの下部にあって、その内部には遊技球の流入を検出する始動口センサが設けられている。この始動入賞口10および普通変動入賞装置3は、特図始動入賞口であって、始動口センサで遊技球が検出されることに基づき特図変動表示ゲームの始動条件が成立するようになっている。この特図変動表示ゲームは、遊技盤1の前面側に設けられた図示しない特図変動表示器にて表示されるようになっている。また、遊技盤1の前面側には、未処理となっている特図変動表示ゲームの回数をLEDの点滅で表示する図示しない特図始動記憶表示器が設けられている。
【0048】
普通変動入賞装置3は左右一対の開閉部材3a,3aを具備し、始動入賞口10の下部に配設され、この開閉部材3a,3aは、常時は遊技球が流入不能な閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様(例えば、「7」)となった場合には、普図の当たりとなって、普通変動入賞装置3の開閉部材3a,3aが所定時間(例えば、0.5秒間)逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置3に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化されるようになっている。これにより、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0049】
また、特図変動表示ゲームは、第1遊技領域1a内に設けられた特図変動表示器で実行されるが、ここで実行される特図変動表示ゲームに対応する表示ゲームが表示ユニット170の画像表示面171に表示されるようになっている。この特図変動表示ゲームに対応した表示ゲームの表示領域は、遊技盤本体1bの裏面側に配された表示領域区画壁64,92、上部役物装置25によって区画された領域であって、透明な材質からなる遊技盤本体1bを通して、その裏面側に配された表示ユニット170の画像表示面171を視認可能な領域となっている。なお、遊技機100に特図変動表示器を備えずに、表示ユニット170のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図変動表示器の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して画像表示面171における表示ゲームの表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。
【0050】
特別変動入賞装置4は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉4aによって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせる。なお、開閉扉4aは、ソレノイド(大入賞口SOL)により駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するための大入賞口用センサ(カウントセンサ)が配設されている。
【0051】
一般入賞口形成部材14,14は、第1遊技領域1aの下部に位置する遊技領域区画壁9に沿って配されており、前面側には一般入賞口2,2が形成されている。また、この一般入賞口2,2には、一般入賞口2,2に入った遊技球を検出するための一般入賞口センサが配設されている。また、一般入賞口形成部材14,14は、遊技に関連した装飾が施されて一部が光を透過可能に構成されているとともにLEDなどを備えており、遊技盤1の装飾を行う遊技盤装飾装置の一部をなしている。
【0052】
そして、遊技を開始することにより第1遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口2,2、特図始動入賞口(始動入賞口10、普通変動入賞装置3)、大入賞口(特別変動入賞装置4)等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球としての遊技球が排出発射制御装置(排出発射制御基板)の制御により排出ユニットによって上皿153に排出される(払い出される)ようになっている。
【0053】
また、流下方向規制装置7は、第1遊技領域1aとなる遊技盤本体1bの前面に突出するように取り付けられている。この流下方向規制装置7は透光性を有する材質からなる部材で、鎧部7aとその両端に接続した案内部7b,7bとから略コ字状に形成されていて、コ字状の開口部分が下側を向くように第1遊技領域1aの中央部に配され、第1遊技領域1aの中央部分を区画するようになっている。これによって、第1遊技領域1aに発射されて流下する遊技球が第1遊技領域1aの左右に振り分けられ、第1遊技領域1aの中央部分における画像表示面171の視認性が保たれるようになっている。
【0054】
この流下方向規制装置7の鎧部7aは、第1遊技領域1aの中央部分に対して上側に配されて上方に突出するような円弧状をしており、その上面が中央から左右に下るような傾斜面とされている。このように上面が円弧状となっていることで、第1遊技領域1aの上方に発射され、流下する遊技球を傾斜に沿って左右に振り分けることができるようになっている。
【0055】
また、鎧部7aの端部に連続した案内部7b,7bは、第1遊技領域1aの中央部分に対して左右に配されて下方に向かって延在するようになっている。この案内部7b,7bは、鎧部7aで左右に振り分けられた遊技球が中央部分へ戻らないように下方へ案内するものである。また、この案内部7b,7bの下端部にはワープ流路24a,24aへの入口となるワープ入口12,12が、流下方向規制装置7の外側(案内部7bと、対向する遊技領域区画壁9との間)を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されている。また、遊技盤本体1bにおけるワープ入口12,12が配される部分には、前後に貫通したワープ孔が形成され、ワープ入口12,12から流入した遊技球を、遊技盤本体1bの裏面側に形成された後述する第2遊技領域20へ誘導可能とされている。
【0056】
また、案内部7b,7bの下方には風車装置70,70が配されている。この風車装置70は、案内部7b,7bに沿って流下する遊技球の流下方向の延長線上に風車を76,76備えており、案内部7b,7bに沿って流下した遊技球の多くが風車76,76に衝突するようになっている。そして、風車76,76に遊技球が衝突することで、風車76,76が回転するとともに遊技球の流下方向が変更される。なお、この風車装置70の詳細に付いては後述する。
【0057】
また、第1遊技領域1aにおける始動入賞口10の上側には、後述する第2遊技領域20からの導出口13が形成されている。この導出口13は、遊技盤本体1bに形成された前後に貫通した導出孔に導出口形成部材23を取り付けることで構成されている。この導出口形成部材23は、遊技盤本体1bと略同じ厚みを有し、導出孔に嵌め込まれる部分に導出口13を形成する筒状の開口23aが形成されている。この筒状の開口23aの内周面における下側の面(導出口13の底面)は、後方に配される後述するステージ部材21の形状に合わせた曲面とされているとともに前側に傾斜するようにされており、ステージから前側に誘導された遊技球を第1遊技領域1aに誘導可能とされている。また、この曲面とされた遊技球が転動する下側の面の下方には、ステージの下側に前後方向に沿って延在するように形成された球誘導路22の下流側端部が形成されている。導出口形成部材23の前端部に位置する球誘導路22の下流側端部は、始動入賞口10の直上に位置するようになっており、ここを流下した遊技球は高い確率で始動入賞口10に流入するようになっている。
【0058】
図5に示すように、遊技盤1を構成する遊技盤本体1bの裏面側には、遊技盤裏面構成部材80が取り付けられている。この遊技盤裏面構成部材80は、上部カバー部材81、下部カバー部材82、側部カバー部材84とから遊技盤本体1bの周囲に沿う矩形状に形成され、不透明又は半透明とされた合成樹脂(例えば、ポリカーボネートやABS)からなる。この遊技盤裏面構成部材80の略中央部には、遊技盤本体1bに形成された第1遊技領域1aの大部分と重なるように略矩形状の視認開口87が形成されている。
【0059】
上部カバー部材81は、遊技盤本体1bの裏面における上側部分を覆う板状の部材で、左右及び上側の周縁が遊技盤本体1bの上側部分における外周に沿うような形状をしている。また、下側の周縁は、遊技盤本体1bの前面側に形成された第1遊技領域1aの周縁をなす遊技領域区画壁9に略沿うように湾曲した形状とされている。この上部カバー部材81の裏面側には上部役物装置25が取り付けられている。すなわち、上部カバー部材81は上部役物装置25の取り付けベースをなす。
【0060】
上部役物装置25はその大部分が、上部カバー部材81の下側の周縁よりも下側に配されるようになっていて、その前面は遊技盤1の前面側から遊技盤本体1bを透して視認可能となっており、この前面には、例えば機種名や装飾図柄などが描かれ、装飾が施された装飾板が配されている。
【0061】
この上部役物装置25は、内部に演出部材と、この演出部材を駆動する駆動装置が設けられており、遊技の進行に合わせて演出部材を視認開口87に現出させることで、遊技の演出を行うものである。すなわち演出部材は、通常時は上部役物装置25の内部に収納された状態となっていて、遊技者からは見えないように機種名などが描かれた装飾板により隠蔽されており、この状態から駆動装置により駆動されて視認開口87に現出し、遊技者から視認可能となることで演出を行うようになっている。また、この上部役物装置25は遊技盤装飾装置の一部をなすものであって、第1演出制御装置33が第2演出制御装置31を介して制御するようになっている。また、上部役物装置25は所定の前後幅を有し、遊技盤1と表示ユニット170の間の上部の隙間から遊技機100の内部が見えないようにする機能も有する。
【0062】
下部カバー部材82は、遊技盤本体1bの裏面における下側部分を覆う板状の部材で、左右及び下側の周縁が遊技盤本体1bの下側部分における外周に沿うような形状をしている。また、上側の周縁は第1遊技領域1aに設けられた役物装置(普通変動入賞装置3、特別変動入賞装置4、一般入賞口形成部材14,14)の後部を覆うことができるように、役物装置の配設部位における上縁部に沿う形状とされている。この下部カバー部材82の裏面側には、役物装置の後部を覆う下部覆い部材60が取り付けられるようになっている。すなわち、下部カバー部材82は下部覆い部材60の取り付けベースをなす。
【0063】
下部覆い部材60はその前面側に、始動入賞口10、普通変動入賞装置3、特別変動入賞装置4、一般入賞口2,2などに入賞した遊技球を流下させる入賞球流路を備える。この入賞球流路は、遊技機100の外部(島設備の回収樋)に連通する図示しない流路に接続するようになっている。また、この下部覆い部材60の裏面側から見て左側の端部は、上下方向に沿って延在する回動軸を備える連結部62が形成されており、第2演出制御装置31が左右方向に扉状に回動可能に軸支されるようになっている。
【0064】
また、下部覆い部材60は透明な材質からなり、一部がレンズのように加工されていて、裏面側に配されたLED基板(図示略)に備えられたLEDからの光を役物装置に向けて誘導する機能も有する。さらに、下部覆い部材60の上部には着色されて半透明とされた板状の表示領域区画壁64が形成されており、表示領域を区画するとともに、遊技機100の内部が見えないようにしている。また、下部覆い部材60の裏面側に取り付けられた第2演出制御装置31の裏面側には遊技制御装置30が取り付けられている。
【0065】
第2演出制御装置31は、画像データなどを記憶したROMを備える演出データ基板と、遊技盤装飾装置を駆動するための盤装飾ドライバを備えたドライバ基板を備え、遊技制御装置30の制御の下で演出の制御を行うものである。この第2演出制御装置31の裏面側には、左右方向に沿って延在する回動軸を備える一対の支持部31a,31aが形成されており、遊技制御装置30を上下方向に扉状に回動可能に軸支するようになっている。また、遊技を制御する遊技制御装置30を軸支する支持部31a,31aの近傍には、遊技制御装置30が第1演出制御装置33の裏面に沿って配された状態、すなわち遊技制御装置30が起立した状態を保持する保持部材(図示略)が設けられている。すなわち、第2演出制御装置31の裏面は遊技制御装置30を取り付けるための台座をなす。
【0066】
すなわち、機種に依存する演出データ基板を備えた第2演出制御装置31、遊技制御装置30は遊技盤1に取り付けられ、複数の機種で共通使用可能な第1演出制御装置33、排出発射制御装置、電源供給装置は前面枠本体130もしくは裏機構枠160に取り付けられている。よって、遊技盤1を変更することにより機種に依存する装置(基板)のみが交換され、遊技機100の遊技内容を変更することが可能である。
【0067】
側部カバー部材84は、遊技盤本体1bの左右それぞれの側端に沿って取り付けられており、上端部が上部カバー部材81の下端に接して連続するように配されるとともに、下端部が下部カバー部材82の上端部に接して連続するように配される。さらに、側部カバー部材84と一体に表示領域区画壁92を備える側壁部材90が取り付けられている。
【0068】
側壁部材90は、表示領域を区画する表示領域区画壁92を備え、該表示領域区画壁92が遊技盤本体1bに対して上下方向に延在するとともに後方へ延出するような向きで配される。なお、左右の表示領域区画壁92は遊技盤本体1bに対して略垂直に配されるが、より詳細には、後方へ向かって間隔が狭くなるように若干斜めに配されるようになっている。この表示領域区画壁92は、表示領域区画壁92を通して遊技機100の内部が透けて見えない程度の半透明とされており、表示領域区画壁92の外側を前方から隠蔽するように構成されている。また、表示領域区画壁92の遊技盤本体1bの側端側に配される面には波状の凹凸が形成されており、さらに、表示領域区画壁92の遊技盤本体1bの中央側に配される面には、不透明な装飾用のシールが貼付されるようになっており、表示領域区画壁92を透して遊技機100の内部が見えないようになっている。
【0069】
以上のような構成を有する上部役物装置25、表示領域区画壁92,64によって、遊技盤本体1bの裏面側に前後方向に沿った筒状の空間が形成される。この表示領域区画壁92,64および上部役物装置25は、遊技盤1の後方に配される後述する表示ユニット170の画像表示面171に近接するように配され(当接はしない)、特図変動表示ゲームに対応した表示ゲームなどの表示領域を区画するようになっている。すなわち、表示ユニット170の画像表示面171のうち、表示領域区画壁92,64および上部役物装置25で囲まれた領域が遊技盤1の前面側から視認可能な表示領域(視認領域)となる。これによって、第1遊技領域1aの大部分に表示ユニット170の画像が表示されることとなる。また後述するように、この遊技盤本体1bの裏面側における表示領域区画壁92,64および上部役物装置25で囲まれた領域の一部が、遊技球が流下可能な第2遊技領域20とされている。
【0070】
なお、画像表示面171の面積は、遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87よりも広いので、視認開口87から露出する領域に所定の画像が表示されるように第1演出制御装置33によって制御されている。また、上述したように、表示領域区画壁92,64と上部役物装置25は、遊技機100の内部が見えないようにする機能も有しており、これらで囲まれた視認開口87の外周部分となる領域は遊技盤1の前面側からは見えないようになっている。
【0071】
また、上部カバー部材81、下部カバー部材82の裏面には、遊技盤本体1bの左右端部に沿って配される周縁の近傍に後方へ突出する押圧部83,83,…が形成されている。この押圧部83,83,…は、遊技盤1の裏面側に配される表示ユニット170の前面(表示ユニット170の外枠をなす表示ユニットケース174の前面)に、その後端部が当接するようになっている。表示ユニット170は、表示ユニット付勢手段(圧縮コイルばね)によって前側に付勢されているので、押圧部83,83,…と表示ユニット170は密着した状態で保持されるようになっている。
【0072】
また、押圧部83,83,…は、所定の前後幅を有しており、押圧部83,83,…が表示ユニット170の前面に当接することで、遊技盤1と表示ユニット170は所定の間隔をおいて平行に配され、両者の間に空間部が形成されるようになっている。なお、押圧部83,83,…の前後幅は、上述した表示領域区画壁92の前後幅よりも若干広くされており、押圧部83,83,…が表示ユニット170の前面に当接することで、表示領域区画壁92が画像表示面171に近接した位置に配されるようになっている。
【0073】
このように、遊技盤1に対して表示ユニット170が所定の間隔をおいて遊技機100の奥側に配されるので、表示ユニット170と遊技者との距離を確保でき、奥行き感を出すことができるとともに、大型の表示ユニット170を用いた場合でも、遊技者にとって見やすい構成とすることができる。また、遊技盤側から入り込む外光によって画像表示面171における表示が見にくくなることを防止できる。
【0074】
また、押圧部83,83,…は上部カバー部材81の裏面、下部カバー部材82の裏面に形成された基部と、基部の後端部にねじによって取り付けられた摩擦係数が低い材質(例えば、ポリアセタール、金属)からなる押圧部材83bとを有している。さらに、上部カバー部材81、下部カバー部材82の裏面側から見て右側に位置する押圧部83,83の基部には、押圧部材83bに加え、上下方向に沿った軸を中心に回動可能なローラ83cが、外側に位置する角部に取り付け可能とされている。
【0075】
表示ユニット170の前面に当接する押圧部83,83,…がこのような構成を有することで、押圧部83,83,…が表示ユニット170の前面に当接し、押圧した状態で、容易に適切な位置に移動することができるようになっている。
【0076】
遊技盤本体1bの裏面側における表示領域区画壁92,64および上部役物装置25で囲まれた領域内には、遊技装置としてのステージ部材21が配されている。このステージ部材21は透光性を有する材質からなる板状の部材であって、左右の端部は表示領域区画壁92に一部が支持されるとともに近接して配され、後端部は表示領域区画壁92の後端部と等しい前後位置に配されている。すなわち、このステージ部材21によって、表示領域区画壁92,64および上部役物装置25によって形成された前後方向に沿った筒状の空間が上下に区画されるようになっている。そして、遊技盤1の裏面側に表示ユニット170が配されることで、表示ユニット170と表示領域区画壁92、ステージ部材21および上部役物装置25によって囲まれた空間である第2遊技領域20が遊技盤本体1bの裏面側に形成される。このように形成される第2遊技領域20へは、案内部7b,7bに形成されたワープ入口12,12に流入した遊技球が誘導されるようになっている。
【0077】
遊技盤本体1bの裏面におけるワープ入口12,12と対応する位置には、ワープ装置をなすワープ流路形成部材24,24が配されている。このワープ流路形成部材24,24は透光性を有する材質からなる部材で、ワープ入口12,12に流入してワープ孔を通って遊技盤本体1bの裏面に至った遊技球を、ステージ部材21の上面に形成されたステージ21a上に誘導するワープ流路24a,24aが内部に形成されている。このワープ流路24a,24aは、遊技球を一列で流下可能な筒状の流路であって、その入口となる上流側端部は遊技盤本体1bに形成されたワープ孔に接続しており、ここから遊技盤本体1bの裏面に沿って遊技盤本体1bの側端方向へ屈曲し、出口となる下流側端部はステージ21aの側端部の上方に近接した位置に配されるようになっている。これによって、第1遊技領域1aに開口したワープ入口12に流入した遊技球は、ワープ流路24a,24aを通って第2遊技領域20におけるステージ部材21の上面に形成されたステージ21aの側端方向へ誘導されることとなる。
【0078】
ステージ部材21は、左右両側が中央に向かって下る傾斜面となっているとともに、中央部が上向きに突出した略W字状に形成されている。そして、このステージ部材21の上面が、遊技球が転動するステージ21aとされ、遊技球が略W字状の傾斜に沿って左右に転動するようになっている。また、このステージ部材21の中央部は、遊技盤本体1bに形成された導出口13の後方に位置するように形成されており、ステージ21aは、導出口形成部材23によって形成された導出口13の底面に連続するようになっている。これによって、ステージ21a上を転動する遊技球は前側へ誘導され、導出口13から第1遊技領域1aへ導出されることとなる。
【0079】
また、ステージ21aの左右方向の中央であって、遊技球が転動する面の下側には、遊技球が流下可能な流路である球誘導路22の後方部分が形成されている。この球誘導路22は、前後方向に沿って延在するように形成された遊技球が一個流下可能な内径を有する筒状の流路で、前側に向かって下るように傾斜している。この球誘導路22の上流側端部はステージ21aに開口しており、下流側端部は上述したように、導出口形成部材23の前端部に開口している。
【0080】
また、ワープ流路24a,24aの流出口24b,24bの下方に隣接する位置には風車装置70,70の裏面風車78が位置しており、ワープ流路24a,24aから排出された遊技球はこの裏面風車78に衝突し、裏面風車78を回転させるとともに流下態様が変化するようになっている。図6から10に示すように、この風車装置70は、遊技盤本体1bに形成された前後に貫通する開口部1cに固定される本体部71と、該本体部71に回転可能に支持された風車軸75の両端にそれぞれ取り付けられ、遊技盤本体1bの前面側に形成された第1遊技領域1aに臨む表面風車77と、遊技盤本体1bの裏面側に形成された後述の第2遊技領域20に臨む裏面風車78と、を備える。
【0081】
本体部71は、遊技盤本体1bの前面に固定される取付ベース72と、風車軸75を挿通する軸取付部73、軸支持盤74とを備える。取付ベース72は、風車装置70の各種部材を取り付けるベース部材をなすとともに、風車装置70を遊技盤本体1bに取り付けるためのものである。この取付ベース72は、遊技盤本体1bに形成された風車装置70を取り付けるための円形の開口部1cよりも大きい板状の部材で、遊技盤本体1bの前面側に裏面が密着するように配され、開口部1cを前面側から覆うようになっている。
【0082】
また、取付ベース72の開口部1cと前後に重ならないように配される部分には、前後に貫通するねじ穴72a,72aが形成されており、取付ベース72をねじによって遊技盤本体1bの前面に固定できるようになっている。さらに、ねじ穴72a,72aに隣接する位置であって、開口部1cと前後に重ならないように配される部分の裏面には、後方に延出する位置決め用ボス72b,72bが形成されており、この位置決め用ボス72b,72bを遊技盤本体1bの前面に形成された挿入部1d,1dに挿入するように取り付けることで、取付ベース72が遊技盤本体1bの所定位置に取り付けられるようになっている。また、このように遊技盤本体1bの前面に配される取付ベース72の前面の外周部72cは、外側へ向かって厚みが薄くなるようなテーパ状とされており、第1遊技領域1aを構成する遊技盤本体1bの前面に沿って配される取付ベース72が遊技球の流下を妨げないようにされている。
【0083】
取付ベース72の裏面であって円形の開口部1cを覆うように配される部分のうち、開口部1cの中心に位置する部分には、後方へ延出するように軸取付部73が形成されている。この軸取付部73は、取付ベース72に対して垂直に延出するように形成された略円柱状の部分で、その周囲には延出方向に沿った補強リブ73a,73a,…が周方向に等間隔に複数形成されている。さらに、軸取付部73の後端には、円形板状の軸支持盤74が軸取付部73の延出方向と垂直に形成されている。軸支持盤74は、遊技盤本体1bに形成された円形の開口部1cよりもやや小さい径の円形板状をしており、軸取付部73の後端は、この軸支持盤74の中心に接続している。
【0084】
すなわち、本体部71においては、取付ベース72と軸支持盤74が軸取付部73を挟んで平行に配されている。また、取付ベース72と軸支持盤74の間隔は、遊技盤本体1bの厚みに略等しく、取付ベース72が遊技盤本体1bに形成された開口部1cの前面側を閉鎖するとともに、軸支持盤74が開口部1cの裏面側を閉鎖するようになっている。なお、軸支持盤74は円形の開口部1cを閉鎖するとともに、その裏面が遊技盤本体1bの裏面と略同一面をなすように配され、円形の開口部1c及び軸支持盤74が第2遊技領域20を流下する遊技球の障害とならないようになっている。また、本体部71には、取付ベース72、軸取付部73、軸支持盤74を貫通するように、風車軸75を挿通可能な貫通孔71aが形成されている。この貫通孔71aは軸取付部73の中心を延在方向に沿って貫通するように形成されており、遊技盤1と平行に配される取付ベース72、軸支持盤74に対して垂直に延在するように形成されている。
【0085】
風車軸75は、上述の貫通孔71aに回転可能に挿通されて(遊嵌されて)支持されるようになっていて、取付ベース72及び軸支持盤74に対して垂直に配されるようになっている。この風車軸75の長さは、遊技盤本体1bの厚みと略等しい本体部71の厚みよりも長く、貫通孔71aに挿通した状態では本体部71の両端から端部が延出するようになる。そして、この本体部71の両端から延出する風車軸75の両端に風車76,76が固定されている。
【0086】
風車76は、取付ベース72側に配されて第1遊技領域1aに臨む表面風車77と、軸支持盤74側に配されて第2遊技領域20に臨む裏面風車78とがあるが、いずれも同じ構成を有している。この風車76は円形板状の回転板76aを有し、この回転板76aにおける一側面に、風車軸75の端部を挿通し固定するための軸挿通部76bと、遊技球が衝突する羽根部76cが形成されている。
【0087】
軸挿通部76bは、回転板76aの一側面の中心に、回転板76aに対して垂直に延出するように形成された円柱状の部分である。この軸挿通部76bの回転板76aからの延出幅は、遊技球の直径よりもやや広いものとされている。また、軸挿通部76bの中心には、風車軸75を挿通して固定する接続孔が形成されている。この接続孔は、回転板76aの中心軸に沿って回転板76aに対して垂直に延在するとともに、軸挿通部76b及び回転板76aを貫通するように形成されている。また、羽根部76cは、軸挿通部76bの周面及び回転板76aの一側面に対して垂直に接続した板状の部分で、円形板状の回転板76aの径方向に沿って等間隔に3つ(120度おきに)形成されている。
【0088】
このような構成を有する風車76は、回転板76aよりも軸挿通部76bが本体部71側に位置するような向きで、本体部71の両側に延出する風車軸75の端部を接続孔に挿入して固定することで、本体部71の両側に回転可能に取り付けられるようになっている。なお、接続孔は回転板76aを貫通するように形成されており、風車軸75の端部は回転板76aの外側に突出している。このように、一本の風車軸の両端に2つの風車を取り付けたことで、一方の風車76が回転することで他方の風車76も連動して回転するようになる。
【0089】
以上のような構成を有する風車装置70は、取付ベース72の前面を正面に向けた状態で、軸支持盤74が形成された側を遊技盤本体1bに形成された円形の開口部1cに対して前側から挿入するように取り付けられている。円形の開口部1cの内径は風車76(裏面風車78)や軸支持盤74の外径よりも大きく、これらを挿通可能となっている。そして、円形の開口部1cよりも大きい取付ベース72の裏面が遊技盤本体1bの前面に当接することで、風車装置70の後方への移動が規制され、所定の前後位置に配されることとなる。このとき、軸支持盤74は円形の開口部1cを閉鎖し、その裏面が遊技盤本体1bの裏面と略同一面をなすように配される。
【0090】
さらに、取付ベース72の裏面に形成された位置決め用ボス72bを遊技盤本体1bに形成された挿入部1dに挿入し、また、取付ベース72に形成されたねじ穴72aに挿通したねじを遊技盤本体1bに螺合することで、風車装置70が遊技盤本体1bの所定位置に固定される。このように風車装置70を取り付けることにより、遊技盤本体1bの表裏に風車76,76が臨むようになり、このうち、取付ベース72側に取り付けられた風車76が第1遊技領域1a内に臨む表面風車77となり、軸支持盤74側に取り付けられた風車76が第2遊技領域20内に臨む裏面風車78となる。
【0091】
なお、風車装置70の風車76(回転板76aなど)や本体部71は透明な材質からなり、遊技盤1の後方に配された表示ユニット170の表示画像の視認を妨げないようにされている。この透明な材質は無色透明のもののほか、色付き透明のものや表示ユニット170の画像を視認可能な程度の半透明のものでも良い。また、裏面風車78の羽根部76cの軸支持盤74と対向する面(遊技者から視認可能な面)を着色し、風車76,76の回転をわかりやすくするようにしても良い。
【0092】
以上のことから、遊技領域(第1遊技領域1a)に風車装置70,70や入賞装置(一般入賞口2、普通変動入賞装置3、特別変動入賞装置4、始動入賞口10)等を配設した遊技盤の本体(遊技盤本体1b)を、透光性を有する部材により形成してなる遊技機100において、遊技盤1の表面と裏面の各々に遊技領域(第1遊技領域1a、第2遊技領域20)を形成し、風車装置70,70は、遊技盤1に形成された開口部1cに対して風車76,76を取り付けるための取付ベース72を備え、取付ベース72には風車76,76の回転軸をなす風車軸75を取り付けるための軸取付部73が形成され、該軸取付部73から表側および裏側の各々に延在するように風車軸75を取付け、風車軸75の両端側に風車76,76を各々配設し、該風車76,76の一方を表面の遊技領域(第1遊技領域1a)に臨む表面風車77とし、他方を裏面の遊技領域(第2遊技領域20)に臨む裏面風車78としたこととなる。
【0093】
また、風車軸75を軸取付部73に形成された貫通孔71aに遊嵌するとともに表面風車77および裏面風車78の各々を風車軸75に固定することで、一方の風車76の回転に応じて他方の風車76が回転するようにしたこととなる。
【0094】
また、遊技盤1の後方に画像表示装置(表示ユニット170)を配設して、遊技盤1を透かして画像表示装置の表示画像を遊技者に視認可能に構成し、風車76の回転板76aを透明部材により形成したこととなる。
【0095】
このような風車装置70が遊技盤1に設けられていることによって、第1遊技領域1aでは、表面風車77に流下する遊技球が衝突して表面風車77が回転するとともに、その流下方向が変更される。また、第2遊技領域20では、裏面風車78にワープ流路24aの流出口24bから排出される遊技球が衝突して裏面風車78が回転するとともに、その流下方向が変更される。上述したように表面風車77と裏面風車78は連動して回転するようになっており、一方の風車76に遊技球が衝突して回転することで他方の風車も76連動して回転し、該他方の風車76に衝突した遊技球の流下方向を変更するように作用することとなる。これにより、遊技球の流下態様を多彩なものにして興趣を高めることができる。
【0096】
なお、本実施形態の遊技機100では、発射された遊技球の一部がワープ流路24a,24aを流下して第2遊技領域20に至るようになっており、大部分は第1遊技領域1aを流下することとなる。よって、主に第1遊技領域1aを流下する遊技球が風車装置70を介して第2遊技領域20の遊技球の流下態様を変化させることとなる。また、逆に、第2遊技領域20を流下する遊技球が風車装置70を介して第1遊技領域1aを流下する遊技球の流下態様を変化させる場合もある。この場合、遊技者に有利な状態となるようにされている。
【0097】
裏面風車78は第2遊技領域20においてワープ流路24aの流出口24bの下方であって、流出口24bから排出される遊技球の流下経路よりも上方に配されるようになっている。よって、例えば、図5に示すように、遊技盤1の裏面側から見て右側の風車装置70においては、ワープ流路24aから排出された遊技球が衝突することによって、所定方向(反時計回り方向)に回転することとなる。この風車装置70は、図4に示すように、遊技盤1の前面側から見ると左側にあって、ワープ流路24aから排出された遊技球の衝突により裏面風車78が回転することに連動して回転する表面風車77は、所定方向(時計回り方向)に回転することとなる。
【0098】
すなわち、表面風車77の上方から流下する遊技球を始動入賞口10や特別変動入賞装置4のある第1遊技領域1aの中央方向に誘導するように回転することとなり、遊技者にとって有利な状態となる。また、遊技盤1の前面側から見て右側にある風車装置70でも同様に、ワープ流路24aから排出された遊技球が衝突することによって裏面風車78が回転することに連動して回転する表面風車77は、遊技球を遊技盤1の中央方向に誘導する方向(前面側から見て反時計回り方向)に回転することとなる。このように動作するようにしたことにより、遊技球がワープ流路24aに受け入れられた場合には、その遊技球が有利になるほか、表面を流下する他の遊技球も有利になるため、遊技者の期待感を高めることができる。
【0099】
以上のことから、遊技盤表面の遊技領域(第1遊技領域1a)を流下する遊技球を受け入れて、遊技盤裏面の遊技領域(第2遊技領域20)に形成された流出口24bから流下させるワープ装置(ワープ流路形成部材24,24)を備え、裏面風車78を、ワープ装置の流出口24bの下方に配設して、該流出口24bから流出した遊技球により所定方向に回転するように構成し、裏面風車78の所定方向への回転に応じて表面風車77が回転した場合には、当該表面風車77の回転により遊技球が変動表示ゲームの始動口(始動入賞口10)側へ誘導されるように構成したこととなる。
【0100】
なお、以上の実施形態においては、両端に風車76,76が固定された風車軸75が、軸取付部73に対して回転するようにし、表面風車77及び裏面風車78が連動して回転するようにしたが、風車軸75が軸取付部73に固定されて両端の風車76,76が風車軸75に対して回転し、表面風車77及び裏面風車78が独立して回転するようにしても良い。
【0101】
また、遊技盤1は、前面枠120に対して前側から取り付ける構成としたが、遊技盤1を前面枠120に後側から取り付ける(或いはサイドからスライド挿入する)構成としても良い。この場合は、前面枠120に遊技盤1を装着した後に裏機構枠160を閉鎖することとなる。
また、裏機構枠160を開閉可能としたが、遊技盤1を前側から取り付ける構成の場合は、開閉できない裏機構枠160であっても良い。また、裏機構枠160を別途設けずに、前面枠本体130の裏面側に表示ユニット170を前後動可能に配するようにしても良い。また、表示ユニット170が遊技盤1の後方の所定間隔を空けた位置に配されるように、前面枠120などに固定されている構成としても良い。
【0102】
また、遊技盤1は透明な合成樹脂からなるとしたが、少なくとも視認開口87が設定される部分が透明であれば良く、遊技盤1の全てが透明であっても良いし、一部が透明であっても良い。
【0103】
次に、上述した実施形態の遊技機の第1変形例について図11を参照して説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、同様の構成を有する部分には同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、ステージ40が上下二段とされ、裏面風車78によって何れかの段に振り分けられるようになっている。
【0104】
図11には、遊技盤1の裏面側から見て右側に位置する風車装置70とその下方に位置するステージ40を示した。風車装置70の裏面風車78は、ワープ流路24aの流出口24bの直下に配されており、裏面風車78に衝突した遊技球は裏面風車78の左右何れかに振り分けられ、下方に形成されたステージ40に流下するようになっている。
【0105】
裏面風車78の下方に形成されたステージ40は上下二段となっていて、上側の第1ステージ41は、裏面風車78の下方に端部が位置し、この端部から遊技盤1の中央側に向かって下るように形成されている。また、下側の第2ステージ42は端部が遊技盤1の側端に位置し、この端部から中央側へ向かって下るように形成されている。また、遊技盤1の中央にはステージ40の傾斜に沿って流下した遊技球を第1遊技領域1aへ誘導する導出口(図示略)が形成されているが、本変形例の導出口においては、上側の第1ステージ41を流下した遊技球の方が、下側の第2ステージ42を流下した遊技球よりも始動入賞口10へ誘導される可能性が高くなるようになっている。すなわち、第1ステージ41の方が第2ステージ42よりも遊技者にとって有利である。なお、ステージ40の構造は、遊技盤1の中心に対して左右対称に形成されており、遊技盤1の裏面側から見て左側に位置する風車装置70が設けられた部分においても、上述と同様に構成されている。
【0106】
そして、裏面風車78によって、遊技盤1の中央側(図11では左側)へ振り分けられた遊技球は第1ステージ41上に流下し、遊技盤1の側端側(図11では右側)へ振り分けられた遊技球は第2ステージ42上に流下するようになっている。ここで、裏面風車78は表面風車77と連動して回転するようになっており、表面風車77が上方から流下する遊技球を遊技盤1の中央側へ誘導するように回転した際には、裏面風車78も上方から流下する遊技球を遊技盤1の中央側へ誘導するように回転して遊技球を第1ステージ41に流下させる。すなわち、表面風車77が遊技者にとって有利な方向に回転した際には、裏面風車78も遊技者にとって有利な方向に回転するようになっており、遊技者の期待感を向上させることができる。
【0107】
なお、本変形例の導出口においては、上側の第1ステージ41を流下した遊技球の方が、下側の第2ステージ42を流下した遊技球よりも始動入賞口10へ誘導される可能性が高く、遊技者にとって有利としたが、逆に第2ステージの方が始動入賞口10へ誘導される可能性が高くなるようにしても良い。
【0108】
すなわち、遊技盤裏面の遊技領域(第2遊技領域20)に、流下する遊技球を変動表示ゲームの始動口(始動入賞口10)へ誘導する確率が異なる複数の流下経路(第1ステージ41、第2ステージ42)を設け、裏面風車78がワープ装置(ワープ流路形成部材24,24)の流出口24bから流出した遊技球を何れかの流下経路に振り分けるようにしたこととなる。
【0109】
次に、上述した実施形態の遊技機の第2変形例について図12を参照して説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、同様の構成を有する部分には同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、ステージ50の前後幅を複数の遊技球が並列に流下可能な幅とし、裏面風車78の羽根部51として独立して回転可能な前方羽根部51aと後方羽根部51bとを前後に並設している。
【0110】
図12には、遊技盤1の前面側から見て左側に位置する風車装置200とその下方に位置するステージ50を上方から見た断面図を示した。第2遊技領域20を構成するステージ50は、遊技球の直径の2倍以上の前後幅を有し、遊技盤1の側端から中央側へ向かって下る傾斜面となっており、複数の遊技球が並列に中央へ向かって流下可能となっている。すなわち、第2遊技領域20は、前後方向に複数の遊技球が並列に流下可能な前後幅を有している。また、第1遊技領域1aからステージ50に遊技球を誘導するワープ流路24aの流出口24bは、風車装置70の裏面風車78が配された位置よりも遊技盤1の側端側、すなわち、傾斜上流側に遊技球を排出するように形成されている。よって、ワープ流路24aからステージ50上に排出された遊技球は、裏面風車78が設けられた部分を通過して遊技盤1の中央側へ誘導されるようになっている。
【0111】
風車装置200は風車軸75として第1の風車軸75aと第2の風車軸75bとを有する。第1の風車軸75aは、中心に延在方向に沿った貫通孔を有する円筒状であり、本体部71の貫通孔71aに回転可能に挿通されて(遊嵌されて)いる。また、第2の風車軸75bは、第1の風車軸75aに形成された貫通孔に回転可能に挿通されて(遊嵌されて)いる。この第2の風車軸75bは第1の風車軸75aよりも延在方向に沿った長さが長く、後端部が第1の風車軸75aよりも後方側に延在するようになっている。なお、第1の風車軸75aと第2の風車軸75bの回動中心は共通である。すなわち、風車軸75は外側の第1の回動軸75aと内側の第2の回動軸75bが、同じ回転中心を中心としてそれぞれ独立して回転可能な二重の構造となっている。
【0112】
第1の風車軸75aにおける第1遊技領域1a側の端部の周面には、表面風車77の羽根部52が第1の風車軸75aの径方向に沿って延出するように形成されている。また、第1の風車軸75aにおける第2遊技領域20側の端部の周面には、裏面風車78の羽根部51の一部をなす前方羽根部51aが第1の風車軸75aの径方向に沿って延出するように形成されている。この前方羽根部51aはステージ50の前後幅の略半分の幅を有しており、ステージ50の前半部分に配されるようになっている。
【0113】
第2の風車軸75bにおける第1遊技領域1a側の端部には、表面風車77の回転板76aが第2の風車軸75bの延在方向に対して垂直に形成されている。また、第2の風車軸75bにおける第1の風車軸75aよりも後方側に延在する第2遊技領域20側の端部には、裏面風車78の回転板76aが第2の風車軸75bの延在方向に対して垂直に形成されているとともに、裏面風車78の羽根部51の一部をなす後方羽根部51bが第2の風車軸75bの径方向に沿って延出するように形成されている。この後方羽根部51bはステージ50の前後幅の略半分の幅を有しており、ステージ50の後半部分に配されるようになっている。なお、風車装置70の配設位置は、裏面風車78の羽根部51(前方羽根部51a、後方羽根部51b)がステージ50の上面に近接し、ステージ50上を流下する遊技球と衝突可能となるような位置とされている。
【0114】
このような構成によって、第1遊技領域1aに臨む表面風車77は、回転板76aと羽根部52が独立して回転するような構成となる。また、第2遊技領域20に臨む裏面風車78の羽根部51は、前後に並んで設けられ、各々独立して回転する前方羽根部51aと後方羽根部51bとにより構成される。また、表面風車77の羽根部52と裏面風車78の羽根部51の一部をなす前方羽根部51aが連動して回転するようになっており、表面風車77の回転板76aと裏面風車78の回転板76aと羽根部51の一部をなす後方羽根部51bが連動して回転するようになっている。
【0115】
そして、ワープ流路24aの流出口24bから排出されてステージ50の前半部分を流下する遊技球は、前方羽根部51aに衝突することとなる。この前方羽根部51aは表面風車77の羽根部52と連動して回転するようになっており、第1遊技領域1aを流下する遊技球の流下態様と、第2遊技領域20の前半部分を流下する遊技球の流下態様は互いに影響し合うようになっている。なお、第1遊技領域1aを流下する遊技球が表面風車77の下側を通過するような構成とすれば、連動して回転する前方羽根部51aと羽根部52が何れも遊技球を遊技者にとって有利な遊技盤1の中央方向へ誘導するようになる。
【0116】
また、ワープ流路24aの流出口24bから排出されてステージ50の後半部分を流下する遊技球は、後方羽根部51bに衝突することとなる。この後方羽根部51bは表面風車77の回転板76aと連動して回転するようになっており、第1遊技領域1を流下する遊技球の流下態様と、第2遊技領域20の後半部分を流下する遊技球の流下態様は互いに影響しない。このように、ステージ50上での流下位置によって第1遊技領域1aを流下する遊技球への影響及び第1遊技領域1aを流下する遊技球からの影響が異なるようになっている。
【0117】
また、表面風車77においては、回転板76aと羽根部52が別々に回転するようになっているので、例えば、回転板76aが回転しているにもかかわらず、羽根部52が回転していないこともあり、回転板76aの回転と遊技球の流下誘導態様とが一致せず、意外性のある動作となって視覚的な装飾効果を向上することができる。
【0118】
以上のことから、表面風車77の羽根部52が固定される第1の風車軸75aと、該第1の風車軸75aに形成された貫通孔に遊嵌するとともに該表面風車77の回転板76aが固定される第2の風車軸75bとを備え、遊技盤裏面の遊技領域(第2遊技領域20)は前後方向に複数の遊技球が並列に流下可能な前後幅を有し、第1の風車軸75aよりも第2の風車軸75bを後方側に延在し、各風車軸75a,75bにおける遊技盤裏面の遊技領域に位置する部分に羽根部51を設けることで該羽根部51を前後に並設して、遊技盤裏面の遊技領域における遊技球が流下する前後位置により第1および第2の風車軸75a,75bに固定された羽根部51が独立して回転するようにしたこととなる。
【0119】
なお、この第2変形例の風車装置200の裏面風車78を、ワープ装置24の流出口24bの下方に配設するとともに、流出口24bを遊技球が前後に2個程度流出できる大きさに設定して、該流出口24bから流出した遊技球の一部が裏面風車78の前方羽根部51aに衝突して前方羽根部51aを所定方向に回転するように構成し、裏面風車78の前方羽根部51aの所定方向への回転に応じて表面風車77の羽根部52が回転した場合には、当該表面風車77の羽根部52の回転により遊技球が変動表示ゲームの始動口(始動入賞口10)側へ誘導されるような構成としても良い。また、この第2変形例の風車装置200を第1変形例の遊技機に適用しても良い。なおこの場合、ワープ流路24aの流出口24bから排出される遊技球を、所定の割合で前後に振り分けるようにし、前方羽根部51aと後方羽根部51bの何れかに衝突するような構成としても良い。
【0120】
以上のような遊技機100は、遊技領域(第1遊技領域1a)に風車装置70,70や入賞装置(一般入賞口2、普通変動入賞装置3、特別変動入賞装置4、始動入賞口10)等を配設した遊技盤の本体(遊技盤本体1b)を、透光性を有する部材により形成してなる遊技機100であって、遊技盤1の表面と裏面の各々に遊技領域(第1遊技領域1a、第2遊技領域20)を形成し、風車装置70,70は、遊技盤1に形成された開口部1cに対して風車76,76を取り付けるための取付ベース72を備え、取付ベース72には風車76,76の回転軸をなす風車軸75を取り付けるための軸取付部73が形成され、該軸取付部73から表側および裏側の各々に延在するように風車軸75を取付け、風車軸75の両端側に風車76,76を各々配設し、該風車76,76の一方を表面の遊技領域(第1遊技領域1a)に臨む表面風車77とし、他方を裏面の遊技領域(第2遊技領域20)に臨む裏面風車78としている。
【0121】
したがって、軸取付部73から表側および裏側の各々に延在するように風車軸75を取付け、風車軸75の両端側に風車76,76を各々配設し、該風車76,76の一方を表面の遊技領域(第1遊技領域1a)に臨む表面風車77とし、他方を裏面の遊技領域(第2遊技領域20)に臨む裏面風車78としたので、遊技盤1の裏面の遊技領域にも風車76を設けることができ、遊技球の流下態様を多彩なものにして興趣を高めることができる。また、遊技盤1の表面及び裏面の遊技領域の各々に、配置スペース的に効率よく風車76,76を設けることができる。
【0122】
また、風車軸75を軸取付部73に形成された貫通孔71aに遊嵌するとともに表面風車77および裏面風車78の各々を風車軸75に固定することで、一方の風車76の回転に応じて他方の風車76が回転するようにしている。
【0123】
したがって、風車軸75を軸取付部73に形成された貫通孔71aに遊嵌するとともに表面風車77および裏面風車78の各々を風車軸75に固定することで、一方の風車76の回転に応じて他方の風車76が回転するようにしたので、一方の遊技領域における遊技球の流下態様が他方の遊技領域における遊技球の流下態様に影響を与えることとなり、遊技者は裏面の遊技領域(第2遊技領域20)での遊技球の流下にも注目するような、極めて興趣の高い遊技を実現することが可能となる。
【0124】
また、遊技盤表面の遊技領域(第1遊技領域1a)を流下する遊技球を受け入れて、遊技盤裏面の遊技領域(第2遊技領域20)に形成された流出口24bから流下させるワープ装置(ワープ流路形成部材24,24)を備え、裏面風車78を、ワープ装置24の流出口24bの下方に配設して、該流出口24bから流出した遊技球により所定方向に回転するように構成し、裏面風車78の所定方向への回転に応じて表面風車77が回転した場合には、当該表面風車77の回転により遊技球が変動表示ゲームの始動口(始動入賞口10)側へ誘導されるように構成している。
【0125】
したがって、遊技盤表面の遊技領域を流下する遊技球を受け入れて、遊技盤裏面の遊技領域に形成された流出口24bから流下させるワープ装置24を備え、裏面風車78を、ワープ装置24の流出口24bの下方に配設して、該流出口24bから流出した遊技球により所定方向に回転するように構成したので、ワープ装置24の流出口24bから流出した遊技球により裏面風車78を確実に回転させることが可能となる。さらに、裏面風車78の所定方向への回転に応じて表面風車77が回転した場合には、当該表面風車77の回転により遊技球が変動表示ゲームの始動口側へ誘導されるので、流出口24bから流出した遊技球が、変動表示ゲームの始動口に入賞しやすい位置から遊技盤表面に再排出されることとなり、遊技者の期待感を高めるような遊技内容を提供できる。また、遊技球がワープ装置24に受け入れられた場合には、その遊技球が有利になるほか、表面を流下する他の遊技球も有利になるため、遊技者の期待感を更に高めることができる。
【0126】
また、表面風車77の羽根部52が固定される第1の風車軸75aと、該第1の風車軸75aに形成された貫通孔に遊嵌するとともに該表面風車77の回転板76aが固定される第2の風車軸75bとを備え、遊技盤裏面の遊技領域(第2遊技領域20)は前後方向に複数の遊技球が並列に流下可能な前後幅を有し、第1の風車軸75aよりも第2の風車軸75bを後方側に延在し、各風車軸75a,75bにおける遊技盤裏面の遊技領域に位置する部分に羽根部51を設けることで該羽根部51を前後に並設して、遊技盤裏面の遊技領域における遊技球が流下する前後位置により第1および第2の風車軸75a,75bに固定された羽根部51が独立して回転するようにしている。
【0127】
したがって、表面風車77の羽根部52が固定される第1の風車軸75aと、該第1の風車軸75aに形成された貫通孔に遊嵌するとともに該表面風車77の回転板76aが固定される第2の風車軸75bとを備えたので、回転板76aと羽根部52が別々に回転することとなり、回転板76aの回転と遊技球の流下誘導態様とが一致しないので、意外性のある動作となって視覚的な装飾効果を向上することができる。また、遊技盤裏面の遊技領域は前後方向に複数の遊技球が並列に流下可能な前後幅を有し、第1の風車軸75a
よりも第2の風車軸75bを後方側に延在し、各風車軸75a,75bにおける遊技盤裏面の遊技領域に位置する部分に羽根部51を設けることで該羽根部51を前後に並設して、遊技盤裏面の遊技領域における遊技球が流下する前後位置により第1および第2の風車軸75a,75bに固定された羽根部51が独立して回転するようにしたので、従来にない斬新な遊技を行えるようなり、さらに興趣を高めることが可能となる。
【0128】
また、遊技盤1の後方に画像表示装置(表示ユニット170)を配設して、遊技盤1を透かして画像表示装置の表示画像を遊技者に視認可能に構成し、風車76の回転板76aを透明部材により形成している。
【0129】
したがって、遊技盤1の後方に画像表示装置を配設して、遊技盤1を透かして画像表示装置の表示画像を遊技者に視認可能に構成し、風車76の回転板76cを透明部材により形成したので、画像表示装置の表示画像と同時に表裏の遊技領域における遊技球の流下も見ることができ、興趣が向上する。また、風車76を設けても画像表示の視認性が低下することを防止できる。
【0130】
なお、本発明の遊技機100は、遊技機100として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
【0131】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の構成を示す遊技機の正面図である。
【図2】透明部材保持枠を取り外した状態の遊技機の正面図である。
【図3】透明部材保持枠、遊技盤を取り外した状態の前面枠の前面側から見た斜視図である。
【図4】遊技盤の正面図である。
【図5】遊技盤の背面図である。
【図6】風車装置の正面図である。
【図7】風車装置の前面側から見た斜視図である。
【図8】風車装置の裏面側から見た斜視図である。
【図9】風車装置の側面側から見た斜視図である。
【図10】風車装置の側面図である。
【図11】第1変形例の遊技機における遊技盤の裏面の一部を示す図であって、裏面側から見て右側の風車装置の周辺を示す図である。
【図12】第2変形例の遊技機における遊技盤の一部を示す図であって、風車装置が設けられた部分の上方から見た断面図である。
【符号の説明】
【0133】
1 遊技盤
1a 第1遊技領域(表面の遊技領域)
1b 遊技盤本体
1c 開口部
2 一般入賞口(入賞装置)
3 普通変動入賞装置(入賞装置)
4 特別変動入賞装置(入賞装置)
10 始動入賞口(入賞装置、始動口)
20 第2遊技領域(裏面の遊技領域)
24 ワープ流路形成部材(ワープ装置)
24a ワープ流路
24b 流出口
40 ステージ
50 ステージ
51 羽根部
51a 前方羽根部
51b 後方羽根部
52 羽根部
70 風車装置
71a 貫通孔
72 取付ベース
73 軸取付部
75 風車軸
75a 第1の風車軸
75b 第2の風車軸
76 風車
76a 回転板
77 表面風車
78 裏面風車
100 遊技機
170 表示ユニット(画像表示装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域に風車装置や入賞装置等を配設した遊技盤の本体を、透光性を有する部材により形成してなる遊技機において、
前記遊技盤の表面と裏面の各々に遊技領域を形成し、
前記風車装置は、
前記遊技盤に形成された開口部に対して風車を取り付けるための取付ベースを備え、
前記取付ベースには前記風車の回転軸をなす風車軸を取り付けるための軸取付部が形成され、該軸取付部から表側および裏側の各々に延在するように前記風車軸を取付け、前記風車軸の両端側に前記風車を各々配設し、該風車の一方を前記表面の遊技領域に臨む表面風車とし、他方を前記裏面の遊技領域に臨む裏面風車としたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記風車軸を前記軸取付部に形成された貫通孔に遊嵌するとともに前記表面風車および前記裏面風車の各々を前記風車軸に固定することで、一方の前記風車の回転に応じて他方の前記風車が回転するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技盤表面の遊技領域を流下する遊技球を受け入れて、遊技盤裏面の遊技領域に形成された流出口から流下させるワープ装置を備え、
前記裏面風車を、前記ワープ装置の流出口の下方に配設して、該流出口から流出した遊技球により所定方向に回転するように構成し、
前記裏面風車の所定方向への回転に応じて前記表面風車が回転した場合には、当該表面風車の回転により遊技球が変動表示ゲームの始動口側へ誘導されるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記表面風車の羽根部が固定される第1の風車軸と、該第1の風車軸に形成された貫通孔に遊嵌するとともに該表面風車の回転板が固定される第2の風車軸とを備え、
前記遊技盤裏面の遊技領域は前後方向に複数の遊技球が並列に流下可能な前後幅を有し、
前記第1の風車軸よりも前記第2の風車軸を後方側に延在し、各風車軸における前記遊技盤裏面の遊技領域に位置する部分に羽根部を設けることで該羽根部を前後に並設して、前記遊技盤裏面の遊技領域における遊技球が流下する前後位置により第1および第2の風車軸に固定された羽根部が独立して回転するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記遊技盤の後方に画像表示装置を配設して、遊技盤を透かして画像表示装置の表示画像を遊技者に視認可能に構成し、
前記風車の回転板を透明部材により形成したことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−302007(P2008−302007A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−151779(P2007−151779)
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(000132747)株式会社ソフィア (2,465)
【Fターム(参考)】