説明

遊技機

【課題】 遊技盤面に発射された遊技球が入賞可能な入賞装置と、当該入賞装置を開閉する可動部材と、遊技に関する情報を表示する透過式の表示手段とを有する遊技機において、透過式の表示手段の合理的な構築技術を提供する。
【解決手段】 パチンコ機の電動役物装置110において、大入賞口111,111を開閉する開閉羽根112,112よりも前面側に透過式の表示手段としての透明ELパネル220を配置する。この透明ELパネル220に、開閉羽根112,112の動作に関連する情報を、当該開閉羽根112,112の動作と連動させて表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に係り、詳しくは、遊技盤面に発射された遊技球が入賞可能な入賞装置と、当該入賞装置への遊技球の入賞確率を変化させる可動部材とを有する遊技機において、遊技に関する情報を表示する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機において、遊技に関与する情報を表示する箇所に透過式の表示器を配置した構成が知られている。例えば、下記の特許文献1には、回転ドラムの前方側に透明ELパネルを配置した構成のスロットマシンが記載されている。このような構成は、透明ELパネルの後方に配置された回転ドラムの視界を妨げることなく、遊技に関する情報を表示するのに有効である。
ところで、遊技球が遊技盤の広い範囲を流下する構成のパチンコ機のように、スロットマシンのような遊技機に比して遊技盤の各部位のうち遊技者が注目する箇所が多い遊技機では、透過式の表示器を遊技機のいかなる部位に配置するかについては、より一層の技術的探求が要請される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−85624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、遊技盤面に発射された遊技球が入賞可能な入賞装置と、当該入賞装置への遊技球の入賞確率を変化させる可動部材と、遊技に関する情報を表示する透過式の表示手段とを有する遊技機において、透過式の表示手段の合理的な構築技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するために、本発明が構成される。なお、本発明は、技盤面に発射された遊技球が入賞可能な入賞装置と、当該入賞装置への遊技球の入賞確率を変化させる可動部材と、遊技に関する情報を表示する透過式の表示手段とを有する遊技機において、透過式の表示手段を可動部材よりも前面側に配置し、当該可動部材の近傍に遊技に関与する情報を表示させることによって、特に遊技者が注目する箇所が多い遊技機における透過式の表示手段の効果的な配置を可能とする技術である。本明細書でいう「遊技機」としては、パチンコ機、アレンジボール機などが典型的なものである。
【0006】
(請求項1に記載の発明)
請求項1に記載の遊技機は、少なくとも入賞装置、可動部材、透過式の表示手段を備えている。
本明細書でいう「入賞装置」とは、遊技盤面に発射された遊技球を装置内に受け入れて当該遊技球が装置内において流下することが可能な各種の装置を広く含む主旨であり、典型的には、遊技球の流下に影響を及ぼすことが可能な役物、例えば、内部に遊技球の入賞領域を有する構成の役物や、単に遊技球の通過を許容する構成の役物などを包含する。より具体的には、内部に遊技球の入賞領域を有し、遊技球の入賞によって賞球を付与することが可能な入賞装置が本発明における「入賞装置」の一例である。
また、本明細書でいう「入賞」とは、入賞口、あるいは特定入賞口、また入賞口以外の各種球受口(領域)に遊技球が流入した状態をいう。
【0007】
本発明の可動部材は、入賞装置への遊技球の入賞確率を変化させ得る構成の部材である。なお、本明細書でいう「入賞装置への遊技球の入賞確率を変化させる。」とは、入賞装置へ遊技球が入賞する入賞し易さの度合いを変えることが可能な態様を広く含む主旨である。従って、本態様には、入賞装置への遊技球の入賞が可能な状態と遊技球の入賞が不可能な状態とに切り替える態様(入賞装置の入口部分の開閉動作)のほか、常に入賞装置への遊技球の入賞が可能な状態において当該入賞装置の入口部分の開口幅を変化させる態様(入賞装置の入口部分の拡開動作)などが含まれる。典型的には、所定の回転軸を中心にして回転動作する1または複数の部材(羽根状部材、板状部材など)や、所定のスライド軸に沿ってスライド動作する1または複数の部材を用いて本発明の可動部材を構成し、当該可動部材によって入賞装置へ遊技球が入賞する入賞し易さの度合いを変化させるようにする。本発明の可動部材のような部材は、遊技球が入賞装置に入賞するか否かの分かれ目に関与する動作を行うことから、遊技盤の各部位のうち遊技者の注目度が高い。
【0008】
本発明の透過式の表示手段は、遊技盤に配置される可動部材よりも前面側に配置され、可動部材の近傍に遊技に関与する情報を表示する機能を有する手段である。典型的には、透明EL(エレクトロスミネッセンス)パネルや、透明液晶パネルといった透過型のパネルを用いて本発明の透過式の表示手段が構成される。
なお、本明細書でいう「可動部材の近傍」とは、可動部材よりも前面側の各領域のうち当該可動部材の前面およびその周辺領域を広く含む主旨である。遊技者からみて、可動部材が少なくとも透過式の表示手段に表示される表示情報の一部に重なり得る領域が、ここでいう「可動部材の近傍」の典型例である。従って、表示情報が可動部材の前面側を完全に覆うことが可能な透過式の表示手段の配置態様のみならず、当該表示情報が可動部材の一部の前面側を覆うことが可能な表示手段の配置態様であっても、本発明における「可動部材よりも前面側に配置され、可動部材の近傍に遊技に関与する情報を表示する透過式の表示手段」の配置態様の範疇に含まれる。
本発明では、前記構成の透過式の表示手段を、遊技盤の前面側に配置されるガラス板に配置する態様や、入賞装置側に一体的に配置する態様等を用いることができる。
本発明では、透過式の表示手段によって表示される情報として、例えば可動部材の所定の動作タイミングのように可動部材の動作に関する情報、遊技球が所定の入賞領域へ入賞するタイミングに関する情報、所定の入賞領域へ入賞した遊技球の数、ラウンド数のように遊技の進行状態を示す情報等、遊技全般に関する各種の情報が広く用いられる。これら各種の情報は、画像、図形、図柄、文字、またはこれらを適宜組み合わせた種々の表示演出(静止画、動画など)として表示される。
【0009】
請求項1に記載の発明のこのような構成によれば、遊技盤の各部位のうち遊技者の注目度が高い可動部材よりも前面側に透過式の表示手段を設け、当該透過式の表示手段によって可動部材の近傍に遊技に関する情報を表示するようにしたため、表示手段に表示された情報を遊技者の視界に入り易くすることができる。遊技者は、遊技球の行方と遊技に関連する種々の情報の表示を、視線移動を抑えた状態で確認することができる。これにより、視覚的な演出効果をより高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、「遊技盤面に発射された遊技球が入賞可能な入賞装置と、当該入賞装置への遊技球の入賞確率を変化させる可動部材と、遊技に関する情報を表示する透過式の表示手段とを有する遊技機において、透過式の表示手段の合理的な構築技術を提供する。」という目的に対し、
本発明によれば、「遊技盤の各部位のうち遊技者の注目度が高い可動部材よりも前面側に透過式の表示手段を配置し、当該透過式の表示手段によって可動部材の近傍に遊技に関する情報を表示するようにしたため、視覚的な演出効果をより高めることができる。」という効果を奏することとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の遊技機の一実施の形態であるパチンコ機101の遊技盤103の全体構成を示す図である。
【図2】図1中の電動役物装置110の拡大図である。
【図3】図1中の電動役物装置110を斜め上方から視た図である。
【図4】図1中の電動役物装置110に対応した位置の断面構造を示す図である。
【図5】表示装置200の構成を示す正面図である。
【図6】パチンコ機101の電装システムを示す図である。
【図7】透明ELパネル220に表示される表示情報の表示例を示す図である。
【図8】透明ELパネル220に表示される表示情報の表示例を示す図である。
【図9】透明ELパネル220に表示される表示情報の表示例を示す図である。
【図10】透明ELパネル220の設置位置に関する別の実施の形態を示す断面図である。
【図11】別の実施の形態の表示装置300の構成を示す正面図である。
【図12】図11の断面構造を示す図である。
【図13】図5中の表示装置200の構成に関し、透明ELパネル220が2分割されて配置される例を示す図である。
【図14】図11中の表示装置300の構成に関し、透明ELパネル320が2分割されて配置される例を示す図である。
【図15】図4中の透明ELパネル220の設置態様に関する別の実施の形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の遊技機の一実施の形態であるパチンコ機101につき図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1〜図6に基づいて本実施の形態のパチンコ機101の構成を説明する。
なお、本実施の形態は、本発明を「遊技機」のひとつであるパチンコ機に適用したものである。
【0013】
本発明の「遊技機」の一実施の形態であるパチンコ機101の遊技盤103の全体構成が図1に示される。
図1に示すパチンコ機101は、いわゆる「第2種パチンコ機」と呼称される機種である。このパチンコ機101の遊技盤103の表面に形成された遊技領域105には、第2種始動口108,109、電動役物装置110、その他、特に符号を付さない入賞口、風車、多数の遊技釘等が配置されている。本実施の形態では、1つの第2種始動口108の左右両側に第2種始動口109が配置されている。第2種始動口108に入賞した遊技球(パチンコ玉)は、始動口センサ150によって検出され、第2種始動口109に入賞した遊技球は、始動口センサ151によって検出されるようになっている。
【0014】
図1中の電動役物装置110の拡大図が図2に示される。
図2に示すように、電動役物装置110は、当該電動役物装置110の上部の左右に大入賞口111、およびこれらの大入賞口111,111を開閉する左右1対の開閉羽根112,112を備えている。本実施の形態では、これら開閉羽根112,112は透明樹脂によって形成されている。これら開閉羽根112,112は、大入賞口111,111への遊技球の入賞が可能な開放状態と遊技球の入賞が不可能な閉鎖状態とを切り替え可能な透明樹脂製の部材であり、本発明における「入賞装置への遊技球の入賞確率を変化させる可動部材」、および後述する態様14における「透明材料によって構成された可動部材」に対応している。また、大入賞口111,111に入賞した遊技球は、大入賞口センサ152によって検出されるようになっている。この電動役物装置110が、本発明における「入賞装置」に対応している。
【0015】
図2中の電動役物装置110では、大入賞口111,111を開放した状態の開閉羽根112,112を実線で示しており、大入賞口111,111を閉鎖した状態の開閉羽根112,112を二点鎖線で示している。この開閉羽根112,112は、第2種始動口108,109に入賞した遊技球が始動口センサ150,151によって検出された場合に、開閉動作するように構成されている。典型的には、第2種始動口108に遊技球が入賞した場合に開閉羽根112,112が開閉動作を2回連続で行い、第2種始動口109に遊技球が入賞した場合に開閉羽根112,112が開閉動作を1回行う。大入賞口111,111に入った遊技球は、大入賞口センサ152によって検出されるようになっている。
また、電動役物装置110において開閉羽根112,112の上方に表示部120が設けられており、この表示部120には、後述するように、大当たり後の特別遊技状態において通常ラウンドおよび技術介入ラウンドに関する抽選結果が表示される構成になっている。
【0016】
電動役物装置110の内部には、特に図示しないものの、大入賞口111,111に入った(入球した)遊技球を入賞室114に誘導するための球誘導通路や、遊技機を保留ないし停留させる保留装置(停留装置)、遊技球の流下経路を振り分ける振り分け装置、遊技球が転動可能な構成の棚部材などの介在部材が設けられている。これらの介在部材が、後述する態様7における「介在部材」に相当する。入賞室114へ誘導された遊技球は、これらの介在部材を通過したのち当該入賞室114の下流に配置された特定入賞口115(V入賞ゾーン)ないし一般入賞口116へと流下する。本実施の形態では、入賞室114下流の中央に配置された特定入賞口115の左右両側に一般入賞口116が配置されている。特定入賞口115に入賞した遊技球は、特定入賞口センサ(V入賞センサ)154によって検出され、一般入賞口116に入賞した遊技球は、一般入賞口センサ156によって検出されるようになっている。
【0017】
上記構成のパチンコ機101の電動役物装置110に対応した位置の断面構造が図3および図4に示される。
図3および図4に示すように、遊技領域105の前面側、すなわち遊技領域105を挟む遊技盤103の対向面にはガラス板106が配置され、このガラス板106のうち遊技盤103の反対側の面、すなわち図4中においてガラス板106の左側には、開閉羽根112,112よりも前面側に透過式の表示装置200を構成する透明ELパネル220が配置されている。この透明ELパネル220は、ガラス板106の表面にフォトレジスト等の手法を用いて透明配線及び透明電極を形成し、その上にシート状の有機ELシート220aを積層し、更に透明配線及び電極が形成された電極ガラス板220bを積層した構成になっている。すなわち、ガラス板106および電極ガラス板220bの2枚によって有機ELシート220aがサンドイッチ状に挟まれるようになっている。このような構成によれば、既設のガラス板106を用いて透明ELパネル220を構成することができるため、有機ELシートを2枚のガラス板によってサンドイッチ状に挟んだパネルを、その後にガラス板106に取り付ける構成に比して、構成を簡素化することが可能となる。
【0018】
本実施の形態では、この透明ELパネル220によって、所定の表示情報が開閉羽根112,112よりも前面側において、当該開閉羽根112,112の近傍、すなわち、遊技者からみて所定の表示情報の全部または一部が開閉羽根112,112に重なるような領域に表示される。この表示態様が、後述する態様1における「透過式の表示手段は、可動部材の近傍の領域であって、遊技者からみて遊技に関する情報の全部または一部が可動部材に重なるような領域に当該情報を表示する。」との態様に相当する。本実施の形態では、透明ELパネル220がガラス板106の1箇所に配置されている。この透明ELパネル220が、本発明における「透過式の表示手段」、あるいは後述する態様12における「ELパネル」に対応しており、ガラス板106が、後述する態様10における「透視窓」ないし「透明部材」に対応している。
この透明ELパネル220の有機ELシート220aは、電流を流すことによって発光する材料である自発光式のEL(エレクトロスミネッセンス)を用いたものであり、本実施の形態では、電動役物装置110の各部位のうち少なくとも開閉羽根112,112を覆うことが可能な大きさを有する。
このような透明ELパネル220は、液晶パネルのようなバックライト(光源)を必要としないため、より薄く、より省電力なディスプレイが可能となるうえ、液晶パネルと比べ、素子自体が発光するため、見る角度による輝度変化がなく、応答速度が速いため、滑らかな動画再生が可能となる。また、透明ELパネル220は、構造がシンプルなため、製造コストを低く抑えることが可能となる。
【0019】
ここで、本実施の形態の表示装置200の構成が図5に示される。
図5に示すように、この表示装置200は、遊技盤103の右上に配置された電流供給装置210、前記の透明ELパネル220、これら電流供給装置210と透明ELパネル220とを電気的に接続する透明の電流供給配線230等によって構成されている。電流供給配線230は、水平ドット数および垂直ドット数に対応する数の配線によって構成されている。この電流供給配線230が、後述する態様11における「電流供給配線」に対応している。
なお、この電流供給配線230はガラス板106に配設される構成上、遊技中における遊技者の視界を極力妨げない構成であるのが好ましい。電流供給配線230が透明であっても、当該電流供給配線230は通常のガラスに比して光の透過性が悪くなる。そこで、本実施の形態ではこのような点を勘案し、遊技盤103の各部位のうち遊技者からみて右側(図5中の右側)の位置に前記の透明の電流供給配線230を配設している。すなわち、電流供給配線230は、いずれもガラス板106のうち透明ELパネル220の右側の領域において延在するように構成されている。電流供給配線230のこのような配置態様が、後述する態様11における「電流供給配線は、透視窓のうち遊技領域の側方に対応した位置において延在するように配置される。」との態様に相当する。
一般に、遊技盤103の各部位のうち遊技者からみて右側の領域は、左側の領域に比して遊技球の流下頻度が低いため、本実施の形態の電流供給配線230のこのような配設態様は、遊技中における遊技者の視界を極力妨げ難い構成として有効である。
【0020】
本実施の形態に係るパチンコ機101の電装システムが図6に模式的に示される。
図6に示すように、本実施の形態に係るパチンコ機101は、概略的に見て、AC電源に接続された電源装置140に中継基板142を介して接続されたメイン制御部160を主体として構成される。メイン制御部160内には、特に図示しないもののCPU(中央演算処理装置)、メモリ、入力処理回路および出力処理回路が適宜設定されている。さらにメイン制御部160には、始動口センサ150,151、大入賞口センサ152、特定入賞口センサ(V入賞センサ)154、および一般入賞口センサ156が接続され、これら各センサ150,151,152,154,156からの検出信号が適宜入力される。またメイン制御部160には、サブ制御基板162、ソレノイド170、表示制御部172、音制御部174、賞球制御部176がそれぞれ接続されている。サブ制御基板162は、各種の検出情報に基づく処理、判断を行い、表示制御部172および音制御部174へ制御信号を出力する。また、表示制御部172には更に前記の表示部120および表示装置200が接続されており、賞球制御部176には更に賞球の払出しを実行する賞球装置178が接続されている。
【0021】
ソレノイド170は、メイン制御部160内に設けられた出力処理回路(特に図示しない)からの駆動制御信号に基づいて適宜励磁・非励磁状態を切り替えることにより、上述のように図1に示す電動役物装置110の開閉羽根112,112の開閉駆動(開放動作ないし閉鎖動作)を行う。表示制御部172は、サブ制御基板162からの制御信号に基づいて電動役物装置110の表示装置200(透明ELパネル220)の駆動制御を行う。音制御部174は、同じくサブ制御基板162からの制御信号に基づいてスピーカへの音声出力を制御する。
【0022】
賞球制御部176は、特に図示しないものの、内部にCPU(中央演算処理装置)および入出力ポート等を備え、電源装置140から電源供給を受けて駆動されるとともに、始動口センサ150,151、大入賞口センサ152、特定入賞口センサ(V入賞センサ)154、および一般入賞口センサ156からの検出信号を受けたメイン制御部160から適宜賞球制御信号を受けて、賞球装置178における賞球の払い出し制御を適宜行う。さらにメイン制御部160は、パチンコ機101を設置した遊技ホールに設けられたホールコンピュータ180に接続され、例えば大当たりの回数等といった遊技に関する営業情報を適宜出力する。
【0023】
次に、本実施の形態に係る上記構成のパチンコ機101の作用を、図1〜図6に加えさらに図7〜図9を参照しつつ説明する。
図1に示すパチンコ機101において、発射ハンドル装置(図示省略)によって遊技盤103表面の遊技領域105に射出された遊技球は、遊技盤103面に多数配置された遊技釘等によって流下態様を変えつつ遊技領域105を流下していく。遊技球が第2種始動口108,109のいずれかに入賞すると、当該入賞した遊技球が始動口センサ150あるいは始動口センサ151によって検出される。これにより始動口センサ150,151からの検出信号がメイン制御部160に送られる。なお、第2種始動口108,109への遊技球の入賞は、パチンコ機101における「特別の遊技状態(特典遊技状態)」の開始条件に対応する。
【0024】
このとき、メイン制御部160は、始動口センサ150,151による遊技球の検出によって、ソレノイド170に制御信号を出力し、開閉羽根112,112を所定回数だけ開閉動作させる。本実施の形態では、始動口センサ150が遊技球を検出したときに開閉羽根112,112が開閉動作を1回行い、始動口センサ151が遊技球を検出したときに開閉羽根112,112が開閉動作を2回連続で行う。これら開閉羽根112,112が開放位置にあるとき大入賞口111,111が開放されて電動役物装置110内への遊技球の入球が許容される。一方、これら開閉羽根112,112が閉鎖位置にあるとき大入賞口111,111が閉鎖されて電動役物装置110内への遊技球の入球が規制される。
【0025】
本実施の形態では、開閉羽根112,112の動作に連動してサブ制御基板162が表示装置200に制御信号を出力し、透明ELパネル220に所定の表示情報を表示させるようになっている。ここで、本実施の形態において透明ELパネル220に表示される表示情報の表示例が図7〜図9に示される。
【0026】
図7に示すように、透明ELパネル220のうち、閉鎖状態にある開閉羽根112,112よりも前面側(前方)には、当該閉鎖状態にある開閉羽根112,112よりも大きな開閉羽根を模式的に示す第1の表示画像221、すなわち当該閉鎖状態にある開閉羽根112,112の外周を囲む太線状の図形が表示される。この第1の表示画像221として、開閉羽根112,112の実際の映像を拡大した相似形のものを用いてもよい。この表示は、遊技球が第2種始動口108,109へ入賞する前のタイミングで行われる。この第1の表示画像221、および後述する第2の表示画像222は、本発明における「遊技に関与する情報」、あるいは後述する態様2における「可動部材の動作に関与する情報」に対応している。特に、第1の表示画像221は、後述する態様5における「可動部材画像」、および後述する態様6における「可動部材よりも大きな画像」に相当する。
【0027】
次に、透明ELパネル220は、図7に示す表示状態からさらに遊技球が第2種始動口108,109へ入賞し、開閉羽根112,112が実際に開放動作に移行するまでの間において、図8に示すような表示状態に切り替わる。図8に示す表示状態では、図7に示す第1の表示画像221の開閉羽根の図形が点滅表示されるともに、当該第1の表示画像221の下方の左右に「GO!」の文字情報を示す第2の表示画像222が表示される。点滅する第1の表示画像221と第2の表示画像222とによる表示は、これから開閉羽根112,112が開閉動作に移行することを報知するものであり、開閉羽根112,112に向けて速やかに遊技球を発射することを遊技者に促すものである。透明ELパネル220におけるこのような表示態様が、後述する態様4における「透過式の表示手段は、可動部材が動作するタイミングを報知する表示を行う。」との態様に相当する。
この第2の表示画像222を視認した遊技者がそのまま速やかに開閉羽根112,112に向けて遊技球を発射することによって、発射された遊技球は当該開閉羽根112,112の開放動作タイミングにあわせて当該開閉羽根112,112に到達し大入賞口111,111に入賞し易くなる。
【0028】
また、透明ELパネル220に表示された第1の表示画像221は、開閉羽根112,112の開閉動作と連動して変動するように構成されている。すなわち、開閉羽根112,112が開放状態となる際には、図9に示すように第1の表示画像221の開閉羽根の図形が開放状態で表示され、開閉羽根112,112が閉鎖状態となる際には、図8に示すように第1の表示画像221の開閉羽根の図形が閉鎖状態で表示されることとなる。透明ELパネル220が第1の表示画像221を表示するこのような態様が、後述する態様3における「透過式の表示手段が、可動部材の動作に関与する情報を当該可動部材の動作と連動させて表示する。」との態様に相当する。
なお、開閉羽根112,112が開放状態にある場合には、図9に示すように、第1の表示画像221の開閉羽根の図形に、さらに遊技球の好適な流下方向(入賞室114内へ向かう方向)を示す矢印を付すことによって、遊技者に遊技球の好適な流下方向を示唆することが可能となる。
【0029】
このように表示制御される第1の表示画像221を用いることによって、開閉羽根112,112の位置を誇張して示すことが可能となるとともに、実際の開閉羽根112,112の開閉動作を実際よりも遊技者に大きく見せることが可能となるため、開閉羽根112,112の開閉動作が遊技者に判り易い。例えば、開閉羽根112,112の大きさ(実質的には、左右の大入賞口111,111の各々の開口幅の和)が規格等によって規制されるような場合であっても、第1の表示画像221を用いることで、実際の開閉羽根112,112を所望の大きさに適宜拡大して表示することが可能となる。
【0030】
また、開閉羽根112,112は、開閉動作する頻度が高いうえに、遊技球が大入賞口111,111に入賞するか否かの分かれ目に関与する動作を行うことから、遊技盤の各部位のうち遊技者の注目度が高く、このような開閉羽根112,112の近傍に上記の第1の表示画像221および第2の表示画像222が表示される構成によれば、表示された情報を遊技者の視界に入り易くすることができ、視覚的な演出効果や遊技者に対する報知効果をより高めるのに有効である。遊技者は、遊技球の行方と当該遊技球を大入賞口111,111に入賞させることが可能な開閉羽根112,112の動作に関与する表示を、視線移動を抑えた状態で確認することができる。
【0031】
なお、本実施の形態では開閉羽根112,112が透明樹脂によって形成されているため、透明ELパネル220に第1の表示画像221が表示された場合に、開閉羽根112,112を遊技者に見えにくくさせることができ、遊技者は、開閉羽根112,112を模した第1の表示画像221の表示に集中することができる。このように、開閉羽根112,112が透明樹脂によって形成するのが好ましいが、必要に応じては、開閉羽根112,112を有色の樹脂によって形成することもできる。
【0032】
メイン制御部160は、始動口センサ150,151による遊技球の検出によってさらに賞球制御部176に制御信号を出力し、当該賞球制御部176は第2種始動口108,109に入賞した遊技球の入賞数に応じた数の賞球を賞球装置178に払い出させる。また賞球装置178によるこの賞球払い出し情報は、ホールコンピュータ180に対しても出力される。
【0033】
開閉羽根112,112が開放位置にあるときに大入賞口111,111に入った遊技球は、大入賞口センサ152によって検出されたのち、球誘導通路(図示省略)を経て特定入賞口115あるいは一般入賞口116へ向けて流下(転動)し、これら特定入賞口115および一般入賞口116のいずれかに入賞する。遊技球が特定入賞口115あるいは一般入賞口116に入賞すると、当該入賞した遊技球が特定入賞口センサ154あるいは一般入賞口センサ156によって検出される。これにより特定入賞口センサ154、一般入賞口センサ156からの検出信号がメイン制御部160に送られる。このとき、メイン制御部160は、賞球制御部176に制御信号を出力し、当該賞球制御部176は特定入賞口センサ154、一般入賞口センサ156に入賞した遊技球の入賞数に応じた数の賞球を賞球装置178に払い出させる。また賞球装置178によるこの賞球払い出し情報は、ホールコンピュータ180に対しても出力される。
【0034】
遊技球が特定入賞口115に入賞した場合には、パチンコ機101は大当たり状態となり、いわゆる「特別の遊技状態」の複数のラウンドが順次実行されることとなる。この特定入賞口115が、後述する態様8における「特定入賞口」に対応している。一のラウンドは、次ラウンド移行条件が達成されて終了する場合を除き、開閉羽根112,112が所定回数だけ開閉動作されるか、あるいは遊技球が所定数だけ入賞するかのいずれかの条件が充足されるまで継続する。一方、当該ラウンド実行中に次ラウンド移行条件が達成された場合、すなわち当該ラウンド実行中に遊技球が特定入賞口115に入賞した場合、当該ラウンドは特定入賞口115への入賞の時点で終了し、次のラウンドに移行することとなる。換言すれば、特別の遊技状態のラウンドは、所定の満了条件に至るまで継続可能とされるとともに、次ラウンド移行条件を充足することで次ラウンドへと移行し、これによって所定数のラウンドが重畳的に繰り返し可能に設定される。
遊技者に付与されるこのような「特別の遊技状態」の特典は、遊技球が特定入賞口115に入賞したときにのみ付与され、遊技球が一般入賞口116に入賞した場合には付与されない。すなわち、遊技球が特定入賞口115に入賞した場合と、一般入賞口116に入賞した場合とで、遊技者に付与される特典が異なる。
【0035】
なお、本実施の形態では、遊技球が特定入賞口115に入賞し大当たり状態となったことを示す情報、および特別の遊技状態において順次遂行されるラウンドや遊技球のカウントに関する情報を、透明ELパネル220に表示するように構成されている。具体的には、大当たり状態になった場合に、透明ELパネル220に「大当たり」や「V入賞」などの文字情報が表示される。また、特別の遊技状態において、透明ELパネル220に現在のラウンド数、および所定のラウンドにおいてカウントされた遊技球の数がリアルタイムで表示される。このように、本実施の形態では、開閉羽根112,112の動作に関与する情報のみならず、遊技全般に関与する各種の表示情報を、遊技者の視界に入り易い位置に設けられた透明ELパネル220に集約して表示することができるため、表示器の設置数を減らすことができ合理的である。
【0036】
ところで、所定のラウンド継続中に次ラウンド移行条件が達成された場合、次ラウンド移行権が確保されるものの、そのラウンドにおいて最後まで有利な遊技条件を享有する権利、すなわちラウンド満了権が失効するという裏腹の関係となる。
この点に関し、本実施の形態に係るパチンコ機101では、二種類のラウンドを設定し、それぞれのラウンドにおいて各権利の確保の容易性を適宜変化させることで遊技の趣向性を向上させている。このうち、一方のラウンドは「通常ラウンド」として定義され、他方のラウンドは「技術介入ラウンド」として定義される。通常ラウンドでは、上述の次ラウンド移行権とラウンド満了権の双方が比較的容易に確保され易く設定される一方、技術介入ラウンドでは、両者を確保するのに遊技者の高度な技量が要求されるように設定されている。この技術介入ラウンドが、後述する態様9における「当該ラウンドが次ラウンドへ移行する移行難度の高いラウンド」に相当する。
【0037】
本実施の形態では、通常ラウンドで遊技が行なわれるラウンドの回数については、図2に示す特定入賞口115に遊技球が入賞して大当たり状態が発生した際に、電動役物装置110の表示部120を用いて所定の抽選作業を実行し、抽選結果に応じて適宜決定される。例えば抽選結果で表示部120に「7」が表示された場合には、初回ラウンドから6回目のラウンドまでは通常ラウンドに設定され、次ラウンド移行権および当該ラウンド満了権が比較的容易に確保されるように構成している。一方、7回目以降のラウンドでは技術介入ラウンドに切替えられ、双方の権利の確保につき遊技者の遊技技術が介在する幅を大きく設定している。
【0038】
(通常ラウンド)
上記した通常ラウンドでは、遊技球がその遊技球流通路の途上にて保持されるように設定される。この状態では、保持された遊技球は、特定入賞口115への入賞が保留された状態とされる。この状態を「V入賞保留モード」と定義することとする。
通常ラウンドにおいては、当該ラウンドの満了までV入賞保留モードが継続されるよう設定されている。そして当該ラウンドの満了の際には、特定入賞口115への遊技球の入賞を許容するように設定される。この状態を「V入賞許容モード」と定義することとする。このV入賞許容モードでは、遊技球が高確率で特定入賞口115へ入賞され易く設定するのみであり、特定入賞口115への入賞を確実に保証するものではない。
通常ラウンドでは、上記V入賞保留モードが継続されるとともに、開閉羽根112,112が所定回数だけ開放動作されるか、あるいは遊技球が所定数だけ入賞するかのいずれかの条件が充足されることによって当該ラウンドが満了する際に、V入賞保留モードを解除し、V入賞許容モードに移行する。これにより、それまで保留されていた遊技球が特定入賞口115に入賞することが許容されるので、次ラウンド移行権を高確率で確保しつつ、ラウンド満了権をも確保することが可能とされる。
【0039】
(技術介入ラウンド)
一方、技術介入ラウンドでは、遊技球流通路の有効断面積が減少し、遊技球の通過および滞留を許容しない状態とされる。この状態を「V入賞規制モード」と定義することとする。V入賞規制モードでは、特定入賞口115への入賞の確率が非常に小さく設定され、一般入賞口116に入賞することとなる。
技術介入ラウンドの実行中、所定の条件を充足することにより、V入賞規制モードからV入賞許容モードに短時間だけ移行するように設定される。本実施の形態では、技術介入ラウンド実行中において、開閉羽根112,112の所定回数目の開閉動作の際に、V入賞規制モードからV入賞許容モードに移行するように設定されている。従って遊技者は、このV入賞許容モードに移行したタイミングを見計らって特定入賞口115への遊技球の入賞を狙わないと次ラウンド移行権を確保することができなくなる。すなわち、「技術介入」ラウンドとは、遊技者の遊技球入賞技術を介入させないと次ラウンドへの移行が確保できないラウンドとして定義される。
【0040】
そこで、本実施の形態では、上記技術介入ラウンドにおいて、特定入賞口115へ遊技球が入賞し易いタイミングを、透明ELパネル220を用いて遊技者に報知するように構成している。具体的には、透明ELパネル220に、図8中の第2の表示画像222の「GO!」のような文字情報が表示される。これにより、開閉羽根112,112に向けて速やかに遊技球を発射することを遊技者に促すことができる。透明ELパネル220におけるこのような表示態様が、後述する態様9における「透過式の表示手段は、当該ラウンドが次ラウンドへ移行する移行難度の高いラウンド中に遊技盤面へ発射された遊技球が特定入賞口へ入賞し易い発射タイミングに関する情報を表示する。」との態様に相当する。
なお、上記のように特定入賞口115へ遊技球が入賞し易いタイミングを報知する場合に、「GO!」のような文字情報を表示する前に、「カウントダウン表示」を行うように構成することもできる。例えば、透明ELパネル220に「3」、「2」、「1」の文字情報を順次表示したのちに、「GO!」を表示する。このような構成によれば、「GO!」の表示タイミングが遊技者に判り易くなる。
【0041】
以上のように、本実施の形態のパチンコ機101のこのような構成によれば、透過式の表示手段の合理的な構築技術を実現することができる。
すなわち、本実施の形態により、遊技盤103の各部位のうち遊技者の注目度が高い開閉羽根112,112よりも前面側に配置された透明ELパネル220を用いて遊技に関与する情報を開閉羽根112,112の近傍に表示するため、表示された情報を遊技者の視界に入り易くすることができ、視覚的な演出効果や遊技者に対する報知効果をより高めるのに有効である。
特に、本実施の形態では、透明ELパネル220に開閉羽根112,112よりも大きな開閉羽根を模式的に示す第1の表示画像221を表示するように構成したため、開閉羽根112,112の位置を誇張して示すことが可能となるとともに、実際の開閉羽根112,112の開閉動作を実際よりも遊技者に大きく見せることが可能となる。そのうえ、第1の表示画像221の開閉羽根は、実際の開閉羽根112,112と連動して変動するように構成したため、遊技者の注目度の高い開閉羽根112,112の開閉動作が遊技者に判り易い。
また、本実施の形態のように、透明ELパネル220を電動役物装置110に配置する構成によれば、遊技全般に関与する各種の表示情報を、遊技者の視界に入り易い位置に集約して表示することができ、これにより表示器の設置数を減らすのに有効である。
【0042】
(他の実施の形態)
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、本実施の形態に基づいた種々の応用例や変更例を想到することができる。例えば、本実施の形態を応用した以下の形態を実施することもできる。
【0043】
上記実施の形態では、遊技領域105の前面側に配置されるガラス板106に透明ELパネル220を設ける場合について記載したが、本発明において透明ELパネル220のような表示手段の設置箇所は必要に応じて適宜変更可能である。
例えば、図4中の透明ELパネル220の設置位置に関する別の実施の形態を示す断面図が図10に示される。図10に示す実施形態では、ガラス枠にはまっているガラス板、すなわちガラス板106(内ガラス)のさらに前面側に配置される保護ガラス板107(外ガラス)の遊技盤103側に透明ELパネル220が配置される構成になっている。すなわち、透明ELパネル220は、開閉羽根112,112よりも前面側に配置されることとなる。
本実施の形態では、保護ガラス板107の表面にフォトレジスト等の手法を用いて透明配線及び透明電極を形成し、その上にシート状の有機ELシートを積層し、更に透明配線及び電極が形成されたガラス板を積層した構成になっている。この保護ガラス板107が、後述する態様10における「透視窓」に対応している。また、透明ELパネル220のこのような配置態様が、後述する態様10における「透視窓において可動部材の前面側の部分に透過式の表示手段が配置されている。」との態様に相当する。このような構成によれば、既設の保護ガラス板107を用いて透明ELパネル220を構成することができるため、有機ELシートを2枚のガラス板によってサンドイッチ状に挟んだパネルを、その後に保護ガラス板107に取り付ける構成に比して、構成を簡素化することが可能となる。
なお、保護ガラス板107はガラス板106(内ガラス)とは異なり遊技者が直に接触するおそれがあるため、透明ELパネル220は、図4に示すようにガラス板106(内ガラス)に設けるのが好ましい。
【0044】
また、上記実施の形態の表示装置200の別の実施の形態の表示装置300の構成が図11および図12に示される。なお、これらの図において図5および図10に示す要素と同一の要素には同一の符号を付すものとし、当該同一の要素についての詳細な説明は省略する。
図11および図12に示す実施形態では、ガラス板106とその前面側に配置される保護ガラス板107との間に、さらに透明ガラス製ないし透明樹脂製の別の透明板340を介在させ、この透明板340の遊技盤103側に透明ELパネル320が配置される構成になっている。すなわち、透明ELパネル320は、開閉羽根112,112よりも前面側に配置されることとなる。この表示装置300は、電流供給装置210と同様の電流供給装置310、透明ELパネル220と同様の透明ELパネル320、電流供給配線230と同様の電流供給配線330等によって構成されている。本実施の形態では、透明板340の表面にフォトレジスト等の手法を用いて透明配線及び透明電極を形成し、その上にシート状の有機ELシートを積層し、更に透明配線及び電極が形成されたガラス板を積層した構成になっている。
なお、透明板340が、後述する態様10における「透視窓」に対応している。また、透明ELパネル320のこのような配置態様が、後述する態様10における「透視窓において可動部材の前面側の部分に透過式の表示手段が配置されている。」との態様に相当する。
【0045】
また、上記実施の形態では、透明ELパネル220はガラス板106の1箇所に配置される場合について記載したが、本発明では透明ELパネル220のような表示手段を複数箇所に分割して配置することも可能である。
図5中の表示装置200の構成に関し、透明ELパネル220が2分割されて配置される例が図13に示される。図13に示す実施形態では、開閉羽根112,112のような可動部材が遊技盤103面の左右両側の計2箇所に配置された構成であり、当該可動部材の各々よりも前面側に透明ELパネル220が配置されるようになっている。
また、同様に図11および図12に示す表示装置300の構成に関し、透明ELパネル220が2分割されて配置される例が図14に示される。図14に示す実施の形態では、開閉羽根112,112のような可動部材が遊技盤103面の左右両側の計2箇所に配置された構成であり、当該可動部材の各々よりも前面側に透明ELパネル320が配置されるようになっている。
【0046】
また、本発明では、上記実施の形態において、開閉羽根112,112の動作と、電動役物装置110内に介在して遊技球の流下経路を振り分ける振り分け装置の動作とに基づいて透明ELパネル220に所定の情報を表示させるように構成することができる。具体的には、開閉羽根112,112の開放動作と、振り分け装置が特定入賞口115へ遊技球を誘導し易い動作とが一致するタイミングにおいて、遊技球が特定入賞口115へ入賞する可能性に関する「入賞可能性情報」を透明ELパネル220を用いて報知するように構成する。ここでいう「入賞可能性情報」は、遊技球が特定入賞口115へ入賞する可能性を示すものであればよく、透明ELパネル220に入賞の可能性を直接、数字や文字によって表示してもよいし、あるいは入賞の可能性を示唆する情報を表示してもよい。
透明ELパネル220におけるこのような表示態様が、後述する態様7における「透過式の表示手段は、遊技球が前記特定入賞口に入賞する可能性に関する情報を、可動部材および介在部材の動作に基づいて表示する。」との態様に相当する。
【0047】
また、上記実施の形態では、自発光式の透明ELパネル220を用いて表示装置200を構成する場合について記載したが、透明ELパネル220にかえて透明液晶パネルを用いて表示装置を構成することもできる。本構成が、後述する態様13の構成に相当する。
【0048】
また、上記実施の形態では、第2種パチンコ機であるパチンコ機101について記載したが、第1種パチンコ機や第3種パチンコ機の構成に本発明を適用することもできる。例えば、第1種パチンコ機において「アタッカー」と称呼される部位や「チューリップ」と称呼される部位に対応させて、上記透明ELパネル220のような表示手段を配置することができる。また、パチンコ機以外の遊技機、例えばアレンジボール機の構成に本発明を適用することもできる。
なお、本実施の形態では、開閉羽根112,112のように入賞装置(電動役物装置110)への遊技球の入賞が可能な状態と遊技球の入賞が不可能な状態とに切り替える開閉動作に関連した情報を透明ELパネル220に表示する場合について記載したが、「チューリップ」のように常に入賞装置への遊技球の入賞が可能な状態において当該入賞装置の入口部分の開口幅を変化させる拡開動作に関連した情報を透明ELパネル220に表示する構成を用いてもよい。
【0049】
また、上記実施の形態において、始動入賞時において開閉羽根112,112が開閉動作を1回行う場合と2回行う場合とで、第1の表示画像221の表示色や点滅態様を異ならせたりする構成、また、開閉羽根112,112が大当たり中に開閉動作する場合とそれ以外で開閉動作する場合とで、第1の表示画像221の表示色や点滅態様を異ならせたりする構成、また、大当たり中において、開閉羽根112,112が通常ラウンドにおいて開閉動作する場合と技術介入ラウンドにおいて開閉動作する場合とで、第1の表示画像221の表示色や点滅態様を異ならせたりする構成などを用いることができる。
なお、第1の表示画像221の表示色や点滅態様を異ならせる具体的な態様としては、具体的には、開閉羽根112,112が開閉動作を1回行う場合に第1の表示画像221を所定の色(例えばオレンジ色)で表示し、開閉羽根112,112が開閉動作を2回行う場合に第1の表示画像221を異なる色(例えば赤色)で表示する第1の態様、開閉羽根112,112が開閉動作を1回行う場合に第1の表示画像221を点灯させておき、開閉羽根112,112が開閉動作を2回行う場合に第1の表示画像221を点灯から点滅に切り替える第2の態様、開閉羽根112,112が開閉動作を1回行う場合に第1の表示画像221を所定の点滅速度に設定しておき、開閉羽根112,112が開閉動作を2回行う場合に第1の表示画像221を異なる点滅速度(例えば、前記の点滅速度よりも速い点滅速度)に切り替える第3の態様、第1の態様と、第2または第3の態様とを組み合わせた態様などがある。
【0050】
また、図4,図10,図12に示す実施の形態では、いずれも遊技盤103の可動部材(開閉羽根112,112)よりも前面側に位置するガラス板106、保護ガラス板107、透明板340に透明ELパネルを配置する場合について記載したが、透明ELパネルを可動部材(開閉羽根112,112)よりも前面側において当該可動部材を備えた入賞装置(電動役物装置110)側に一体的に配置することもできる。例えば、図4中の透明ELパネル220の設置態様に関する別の実施の形態が図15に示される。
図15に示す実施の形態では、2枚の電極ガラス板220b,220c間に有機ELシート220aを有する透明ELパネル220がブラケット110aを介して電動役物装置110自体に一体的に形成されるようになっている。すなわち、本実施の形態では、開閉羽根112,112よりも前面側であって、当該開閉羽根112,112とガラス板106との間に透明ELパネル220が配置されることとなる。このような構成によっても、図4に示す実施の形態の構成と同様の作用効果を奏する。また、本構成によれば、透明ELパネル220の配線や電極をガラス板106に配置する必要がないため、当該透明ELパネル220の配線や電極が遊技者の視界を妨げるのを防止することが可能となる。
【0051】
また、上記実施の形態や種々の変更の形態に鑑み、本発明では以下の態様1〜態様14に記載の構成を採り得る。
【0052】
(態様1)
本発明では、「請求項1に記載の遊技機であって、
前記透過式の表示手段は、前記可動部材の近傍の領域であって、遊技者からみて遊技に関する情報の全部または一部が前記可動部材に重なるような領域に当該情報を表示するように構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様1)を採り得る。
【0053】
この態様1では、請求項1に記載の透過式の表示手段が、遊技者からみて遊技に関する情報の全部または一部が可動部材に重なるような領域に当該情報を表示するようになっている。
本態様1に記載のこのような構成によれば、遊技に関する情報の全部または一部が可動部材に重なるように表示されるため、表示された情報が遊技者の視界により入り易くなる。
【0054】
(態様2)
本発明では、「請求項1または態様1に記載の遊技機であって、
前記透過式の表示手段は、前記可動部材よりも前面側において当該可動部材の動作に関与する情報を表示するように構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様2)を採り得る。
【0055】
この態様2では、請求項1または態様1に記載の透過式の表示手段が、可動部材よりも前面側において当該可動部材の動作に関与する情報を表示するようになっている。ここでいう「可動部材の動作に関与する情報」としては、可動部材が所定の動作を行うタイミング、当該動作の実行時間、当該動作の実行回数などがある。例えば、可動部材が開閉動作を行う構成においては、可動部材が開放動作あるいは閉鎖動作するタイミング、開放動作あるいは閉鎖動作の実行時間、開放動作あるいは閉鎖動作の回数などが当該情報に相当する。
本態様2に記載のこのような構成によれば、透過式の表示手段によって、可動部材の動作に関与する情報を、当該可動部材自体の前面側に表示させることができるため、表示情報が、当該表示情報の対象である可動部材に関するものであることが遊技者に判り易い。
【0056】
(態様3)
本発明では、「態様2に記載の遊技機であって、
前記透過式の表示手段は、前記可動部材の動作に関与する情報を当該可動部材の動作と連動させて表示するように構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様3)を採り得る。
【0057】
この態様3では、態様2に記載の透過式の表示手段が、可動部材の動作に関与する情報を当該可動部材の動作と連動させて表示するようになっている。すなわち、表示手段に表示される表示情報が、可動部材の動作と関連性をもって変動するようになっている。例えば、画像や文字を用いて、実際の可動部材が所定の動作を行ったことを表示する。可動部材が開閉動作を行う構成においては、実際の可動部材が開放動作したときに当該可動部材が開放状態になったことを表示し、実際の可動部材が閉鎖動作したときに当該可動部材が閉鎖状態になったことを表示する。
本態様3に記載のこのような構成によれば、表示情報が、当該表示情報の対象である可動部材の動作に関するものであることが遊技者に判り易くなる。
【0058】
(態様4)
また、本発明では、「態様2または態様3に記載の遊技機であって、
前記透過式の表示手段は、前記可動部材が動作するタイミングを報知する表示を行うように構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様4)を採り得る。
【0059】
この態様4では、態様2または態様3のいずれかに記載の構成において、透過式の表示手段が、さらに可動部材が所定動作するタイミングを報知する表示を行うようになっている。例えば、可動部材が開閉動作を行う構成においては、当該可動部材が開放動作するタイミングを報知する表示を行うようになっている。すなわち、可動部材が閉鎖状態から開放動作に移行する間に、遊技球を可動部材へ向けて発射することを遊技者に促すような情報を透過式の表示手段に表示させる。具体的は、実際の可動部材を拡大した可動部材画像を表示したうえで当該可動部材画像を点滅させたり、「GO!」、「発射」、「打ち出し」等の文字情報を表示したりすることができる。
本態様4に記載のこのような構成によれば、透過式の表示手段を、可動部材が所定動作するタイミングを遊技者に報知する手段として用いることができる。
【0060】
(態様5)
また、本発明では、「態様2〜態様4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記透過式の表示手段は、前記可動部材を模した可動部材画像を用いて当該可動部材の動作に関与する情報の表示を行うように構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様5)を採り得る。
【0061】
この態様5では、態様2〜態様4のいずれかに記載の構成において、透過式の表示手段が、可動部材を模した可動部材画像を用いて当該可動部材の動作に関与する情報の表示を行うようになっている。ここでいう「可動部材画像」とは、可動部材の映像であってもよいし、あるいは可動部材を簡略的に示す図形等であってもよい。典型的には、実際の可動部材を模した可動部材画像を表示し、当該可動部材画像を可動部材の開閉動作にあわせて開閉動作させて表示する。
本態様5に記載のこのような構成によれば、可動部材画像が、当該可動部材画像の対象である可動部材の動作に関するものであることが遊技者に判り易くなる。
【0062】
(態様6)
また、本発明では、「態様5に記載の遊技機であって、
前記透過式の表示手段は、前記可動部材画像として前記可動部材よりも大きな画像を用いるように構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様6)を採り得る。
【0063】
この態様6では、態様5に記載の構成において、透過式の表示手段が、可動部材を模した可動部材画像として当該可動部材よりも大きな画像を用いるようになっている。この可動部材画像は、可動部材が拡大された相似形の可動部材の画像であってもよいし、あるいは可動部材よりも大きな開閉羽根を模式的に示す画像であってもよい。
本態様6に記載のこのような構成によれば、実際の可動部材よりも大きい可動部材画像を表示することによって、実際の可動部材の動作を実際よりも遊技者に大きく見せることが可能となる。
【0064】
(態様7)
また、本発明では、「請求項1、態様1〜態様6のいずれかに記載の遊技機であって、
前記入賞装置は、遊技球の入賞によって遊技者に特典を付与する特定入賞口と、当該入賞装置内に入った遊技球が前記特定入賞口へ至るまでの間に介在する介在部材とを備えており、
前記透過式の表示手段は、遊技球が前記特定入賞口に入賞する可能性に関する情報を、前記可動部材および介在部材の動作に基づいて表示するように構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様7)を採り得る。
【0065】
この態様7では、請求項1、態様1〜態様6のいずれかに記載の構成において、透過式の表示手段が、遊技球が特定入賞口に入賞する可能性に関する情報を、可動部材および介在部材の動作に基づいて表示するようになっている。特定入賞口に遊技球が入賞することによって遊技者に、特別の遊技状態のような特典を付与される。介在部材としては、入賞装置内において遊技球が特定入賞口へと流下する流下経路を振り分ける振り分け装置が典型的なものである。本態様では、例えば可動部材が開放動作し、且つ介在部材が特定入賞口への遊技球の流下を許容する動作とが一致するタイミングに関する情報を、透過式の表示手段に表示させる。
本態様7に記載のこのような構成によれば、透過式の表示手段を、遊技球が入賞装置内に入りしかも特定入賞口に入り易いタイミングを遊技者に報知する手段として用いることができる。
【0066】
(態様8)
また、本発明では、「請求項1、態様1〜態様7のいずれかに記載の遊技機であって、
前記入賞装置内に特定入賞口を備え、前記特定入賞口への遊技球の入賞によって複数のラウンドが順次実行され、ラウンド中に前記特定入賞口へ遊技球が入賞することによって当該ラウンドが次ラウンドへと移行する構成であり、
前記透過式の表示手段は、所定のラウンド中には、遊技盤面に発射された遊技球が前記特定入賞口へ入賞し易い発射タイミングに関する情報を表示するように構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様8)を採り得る。
【0067】
この態様8では、請求項1、態様1〜態様7のいずれかに記載の構成において、透過式の表示手段が、所定のラウンド中には、遊技盤面に発射された遊技球が特定入賞口へ入賞し易い発射タイミングに関する情報を表示するようになっている。本態様では、特定入賞口に遊技球の入賞が入賞して特別の遊技状態になることによって複数のラウンドが順次実行され、ラウンド中に特定入賞口へ遊技球が入賞することによって当該ラウンドが次ラウンドへと移行するようになっている。
本態様8に記載のこのような構成によれば、透過式の表示手段を、特別の遊技状態においてラウンドが次ラウンドへと継続され易いタイミングを遊技者に報知する手段として用いることができる。
【0068】
(態様9)
また、本発明では、「態様8に記載の遊技機であって、
前記特定入賞口への遊技球の入賞によって複数のラウンドが順次実行されるとともに、前記複数のラウンドには、当該ラウンドが次ラウンドへ移行する移行難度の異なるラウンドが含まれる構成であり、
前記透過式の表示手段は、当該ラウンドが次ラウンドへ移行する移行難度の高いラウンド中に遊技盤面へ発射された遊技球が前記特定入賞口へ入賞し易い発射タイミングに関する情報を表示するように構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様9)を採り得る。
【0069】
態様9では、態様8に記載の構成において、透過式の表示手段が、当該ラウンドが次ラウンドへ移行する移行難度の高いラウンド中に遊技盤面へ発射された遊技球が特定入賞口へ入賞し易い発射タイミングに関する情報を表示するようになっている。本態様では、複数のラウンドに、当該ラウンドが次ラウンドへ移行する移行難度の異なるラウンドが含まれるようになっている。ここでいう「移行難度の異なるラウンド」としては、例えば、一般的に「通常ラウンド」、「技術介入ラウンド」と称呼されるラウンドがある。通常ラウンドでは、次ラウンド移行権とラウンド満了権の双方が比較的容易に確保され易く設定される一方、技術介入ラウンドでは、両者を確保するのに遊技者の高度な技量が要求されるように設定される。
本態様9に記載のこのような構成によれば、特に遊技者の高度な技量が要求されるラウンドにおいて、透過式の表示手段を、ラウンドが次ラウンドへと継続され易いタイミングを遊技者に報知する手段として用いることができる。
【0070】
(態様10)
また、本発明では、「請求項1、態様1〜態様9のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技領域を透視可能な透明部材で構成される透視窓を備え、前記透視窓において前記可動部材の前面側の部分に前記透過式の表示手段が配置されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様10)を採り得る。
【0071】
態様10では、請求項1、態様1〜態様9のいずれかに記載の構成において、透過式の表示手段が、遊技領域を透視可能な透明部材で構成される透視窓において、可動部材の前面側の部分に配置されるようになっている。この「透視窓」としては、一般に遊技盤の前面側に設置されている既設のガラス板を用いるのが好ましい。
本態様10に記載のこのような構成によれば、可動部材の前面側において透過式の表示手段の合理的な取り付け態様を実現することが可能となる。
【0072】
(態様11)
また、本発明では、「態様10に記載の遊技機であって、
前記透過式の表示手段には、電流供給配線を通じて電流が供給される構成であり、
前記電流供給配線は、前記透視窓のうち遊技領域の側方に対応した位置において延在するように配置されることを特徴とする遊技機。」という構成(態様11)を採り得る。
【0073】
態様11では、態様10に記載の構成において、透過式の表示手段を構成する電流供給配線が、透視窓のうち遊技領域の側方に対応した位置において延在するように配置されている。この電流供給配線は、透過式の表示手段と電気的に接続されており、当該表示手段に電流を供給する機能を有する。
一般に、遊技盤の各部位のうち側方の領域は、中央の領域に比して遊技中における遊技者の視界を極力妨げ難い領域であるため、本態様11に記載のこのような構成は、遊技中における遊技者の視界を極力妨げ難い構成として有効である。なお、より好ましくは、電流供給配線を、透視窓のうち遊技者からみて右側の領域に配置する。遊技者からみて右側の領域は、左側の領域に比して遊技球の流下頻度が特に低いため、遊技中における遊技者の視界を極力妨げ難い構成としてより有効である。
【0074】
(態様12)
また、本発明では、「請求項1、態様1〜態様11のいずれかに記載の遊技機であって、
前記透過式の表示手段は、透明ELパネルを用いて構成されることを特徴とする遊技機。」という構成(態様12)を採り得る。
【0075】
態様12では、請求項1、態様1〜態様11のいずれかに記載の構成において、透過式の表示手段が、透過型の透明ELパネルを用いて構成されるようになっている。ELパネルは、電流を流すことによって発光する材料であるEL(エレクトロスミネッセンス)を用いたものである。
本態様12に記載のこのような構成によれば、ELパネルが自発光式であるため、液晶パネルに必要なバックライトの構成を省略することができ、より薄く、より省電力なディスプレイが可能となる。また、ELパネルは、素子自体が発光するため、見る角度による輝度変化がなく、応答速度が速いため、滑らかな動画再生が可能となる。また、ELパネルは、構造がシンプルなため、製造コストを低く抑えることが可能となる。
【0076】
(態様13)
また、本発明では、「請求項1、態様1〜態様11のいずれかに記載の遊技機であって、
前記透過式の表示手段は、透明液晶パネルを用いて構成されることを特徴とする遊技機。」という構成(態様13)を採り得る。
【0077】
態様13では、請求項1、態様1〜態様11のいずれかに記載の構成において、透過式の表示手段が、透明液晶パネルを用いて構成されるようになっている。
本態様13に記載のこのような構成によれば、透過式の表示手段を透過型の透明液晶パネルを用いて構成することが可能となる。
【0078】
(態様14)
また、本発明では、「態様1〜態様13のいずれかに記載の遊技機であって、
前記可動部材は、透明材料によって構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様14)を採り得る。
【0079】
態様14では、態様1〜態様13のいずれかに記載の構成において、可動部材が透明材料によって構成されるようになっている。すなわち、本態様では、透過式の表示手段の背面に配置される可動部材が透明材料によって形成されている。典型的には、透明樹脂、透明ガラス等の材料によって本発明の「可動部材」を構成することができる。
本態様14に記載のこのような構成によれば、透過式の表示手段に可動部材の動作に関与する情報が表示された場合に、可動部材を遊技者に見えにくくさせることができ、遊技者は、可動部材の動作に関与する情報の表示に集中することができるという効果がある。
【符号の説明】
【0080】
101 パチンコ機
103 遊技盤
105 遊技領域
106 ガラス板
107 保護ガラス板
108,109 第2種始動口
110 電動役物装置
110a ブラケット
111 大入賞口
112 開閉羽根
114 入賞室
115 特定入賞口
116 一般入賞口
120 表示部
140 電源装置
150,151 始動口センサ
152 大入賞口センサ
154 特定入賞口センサ
156 一般入賞口センサ
160 メイン制御部
162 サブ制御基板
170 ソレノイド
172 表示制御部
174 音制御部
176 賞球制御部
178 賞球装置
180 ホールコンピュータ
200 表示装置
210 電流供給装置
220 透明ELパネル
220a 有機ELシート
220b,220c 電極ガラス板
221 第1の表示画像
222 第2の表示画像
230 電流供給配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤面に発射された遊技球が入賞可能な入賞装置と、当該入賞装置への遊技球の入賞確率を変化させる可動部材と、前記可動部材よりも前面側に配置され、前記可動部材の近傍に遊技に関与する情報を表示する透過式の表示手段とを備えていることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−131450(P2010−131450A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58679(P2010−58679)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【分割の表示】特願2003−335505(P2003−335505)の分割
【原出願日】平成15年9月26日(2003.9.26)
【出願人】(000148922)株式会社大一商会 (3,262)
【Fターム(参考)】