説明

遊技機

【課題】遊技の興趣性を保ちつつ、液晶表示装置のバックライトの光量を低下して消費電力を抑制し得る遊技機を提案する。
【解決手段】機台使用検知手段の検知により遊技者が使用していない場合には、設定低光量値に従ってバックライトの光量を調整し、機台使用検知手段により使用開始を検知すると、設定高光量値に従ってバックライトの光量を調整し、所定時間継続して使用されていると判定すると、バックライトの光量を段階的に低下するように調整する制御処理を行うようにしたものであるから、遊技者により使用されていない場合にバックライトの消費電力を抑制し、且つ比較的長く使用されている場合にもバックライトの消費電力を抑制することができため、優れた省エネルギー化効果を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演出画像を表示する液晶表示装置を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、遊技球を遊技媒体とするパチンコ遊技機は、一般的に、発射装置により発射された遊技球が転動流下する遊技領域に、液晶表示装置を備えたセンターケースが配設されている。この液晶表示装置では、遊技状態に応じて様々な演出画像が表示され、遊技者の興趣を向上するようにしている。ここで、液晶表示装置は、液晶表示パネルの後方にバックライトが配設され、該バックライトの照明によって液晶表示パネルを照らすことにより、該液晶表示パネルに画像を表示するようにしているものである。
【0003】
このようなパチンコ遊技機としては、遊技場の開店中、その液晶表示装置で常に所定の演出画像を表示するようにしているものが一般的である。これに対して、液晶表示装置のバックライトの寿命向上を目的として、遊技者が使用していない場合には、バックライトを消灯又は減光するようにした構成が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−79224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記したパチンコ遊技機等の遊技機を設置した遊技場では、遊技者が比較的長時間に亘って同じ遊技機で遊技を行ったり、遊技者が頻繁に遊技機を換えることが通常である。そのため、上記した従来構成のように、遊技者に使用されていない場合に液晶表示装置のバックライトを消灯又は減光する構成にあっても、遊技者により使用されていない状態は限定的であり、その作用効果にも限界が生じていた。
【0006】
本発明は、上記した問題点の解決を試みたものであって、液晶表示装置のバックライトを減光することにより生ずる作用効果を効率的に向上し得る遊技機を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、バックライトにより液晶表示パネルを照らすことによって該液晶表示パネルに演出画像を表示する液晶表示装置と、該液晶表示装置を駆動制御する表示制御手段とを備えた遊技機において、遊技者により使用中か否かを検知する機台使用検知手段を備えると共に、表示制御手段は、機台使用検知手段の検知により遊技者が使用していないと判定すると、バックライトの光量を、予め設定された設定低光量値に従って調整する制御処理と、機台使用検知手段により使用開始を検知すると、バックライトの光量を、前記設定低光量値に比して高い設定高光量値に従って調整する制御処理と、機台使用検知手段の検知により所定時間継続して使用されていると判定すると、バックライトの光量を、設定高光量値と設定低光量値との間で段階的に低下するように調整する制御処理とを実行する光量調整処理内容を備えているものであることを特徴とする遊技機である。
【0008】
ここで、機台使用検知手段としては、パチンコ遊技機の場合、遊技球を発射するための発射ハンドルに設けられたタッチセンサによる検知手段、所定の始動口に入賞することにより発生する始動記憶データを確認する手段、該始動口への入賞を契機とする特別図柄の変動表示を確認する手段などが好適に用い得る。また、スロットマシンの場合、投入コインの残数、ボタン操作等を確認する手段などが好適に用い得る。
【0009】
かかる構成にあっては、液晶表示装置のバックライトの光量を、遊技者により使用されていない状態では低くし、遊技者により使用開始されると高くし、その後継続して所定時間使用されると段階的に低下するように調整制御する。これにより、遊技者に使用されていない状態では、バックライトの消費電力量を低減することができ、さらに、遊技者により比較的長時間継続して使用されている場合にも、バックライトの光量を段階的に低下することによって、その消費電力量を抑制することができる。このように本発明は、遊技者に使用されていない場合だけでなく、遊技者により継続して使用されている場合にも、バックライトの光量を低下する制御処理を行うことから、バックライトの消費電力量を抑制する効果が高く、優れた省エネルギー化効果を奏するものである。特に、パチンコ遊技機やスロットマシンでは、上記したように、遊技者が比較的長時間に亘って一台の遊技機で遊技を行う場合が多くみられるため、消費電力を抑制する効果が高く生じ得る。
【0010】
そして、バックライトの光量を段階的に低下する制御処理を行うことにより、液晶表示装置の画面(液晶表示パネル)で表示する演出画像の明るさを徐々に低減できることから、遊技中に発生する明るさ低減を遊技者に分かり難くしている。尚、仮に、バックライトの光量を急激に低下するように制御した場合には、液晶表示装置の画面が急激に暗くなってしまうことから、これを遊技者がはっきりと認識でき、さらに、これを不利益な予告表示と誤認してしまう恐れもあり、遊技の興趣性を低下してしまうことにもなり得る。しかしながら、本発明では、前記のように、遊技中にあっても、バックライトの光量低下が遊技者にわかり難く、遊技の興趣性を適正に保ちつつ、バックライトの消費電力を抑制する効果を得ることができる。また、このようにバックライトの光量を段階的に低下することによって、比較的長時間に亘って遊技者が液晶表示装置の画面を注視することにより生ずる目の疲労感を緩和することもできる。これにより、遊技者の集中力を持続することができ、遊技の興趣性を高めることもでき得る。
【0011】
尚、本構成にあって、設定高光量値および設定低光量値としては、設定低光量値に従う制御処理から設定高光量値に従う制御処理へ移行した場合に、バックライトの光量が急激に向上したことを遊技者に明確に認識させ得るように、両者間の差を比較的大きく設定した構成が好適である。そして、設定高光量値および設定低光量値は、バックライトの光量の絶対値として夫々に設定しても良いし、光量を変化させるための割合や変化量を示す値として設定することもできる。また、光量を段階的に低下する処理としては、設定低光量値に従って調整される光量に至るまで低下するようにしても良いし、該設定低光量値よりも高い所定の光量まで低下するようにしても良い。さらに、段階的に低下する制御処理としては、低下する処理毎の間隔を比較的長く設定することにより、遊技者に光量の低下を一層わかり難くすることができる。
【0012】
上述した遊技機にあって、表示制御手段の光量調整処理内容は、機台使用検知手段の検知により遊技者が使用していないと判定すると、液晶表示パネルのコントラストを、予め設定された設定コントラスト基準値に従って調整する制御処理と、機台使用検知手段の検知により所定時間継続して使用されていると判定すると、バックライトの光量の段階的な低下に応じて、液晶表示パネルのコントラストを段階的に高くするように調整する制御処理とを実行するようにした構成が提案される。
【0013】
かかる構成にあっては、バックライトの光量を段階的に低下する処理に合わせるように、コントラストを段階的に高くする処理を行うことによって、段階的な光量低下に伴う液晶表示装置の画面の明るさ低下を、コントラストを高くして補うことができるため、液晶表示装置の画面では見かけ上の明るさ低下が抑制される。そのため、バックライトの光量を段階的に低下する処理を行った際に、遊技者に液晶表示装置の画面の明るさ低減を一層分かり難くすることができる。
【0014】
ここで、本構成では、コントラストを段階的に高くする調整処理をした後に、遊技者により使用されていない状態となると、コントラストを設定コントラスト基準値に従って調整制御する。そして、遊技者により使用開始された際には、コントラストを設定コントラスト基準値に従ったまま維持するように調整制御しても良いし、コントラストを高く又は低くするように調整制御しても良い。尚、設定コントラスト基準値としては、コントラストの絶対値として夫々に設定しても良いし、コントラストを変化させるための割合や変化量を示す値として設定することもできる。
【0015】
上述した遊技機にあって、遠隔操作により液晶表示装置のバックライトの光量を調整するための光量調整ボリュームを備えてなると共に、表示制御手段は、光量調整ボリュームの操作に従って、バックライトの光量を低下し且つ該光量低下に応じて液晶表示パネルのコントラストを高くする制御処理、又はバックライトの光量を高くし且つ該光量向上に応じて液晶表示パネルのコントラストを低下する制御処理とのいずれかを行う遠隔調整処理内容を備えている構成が提案される。
【0016】
ここで、光量調整ボリュームは、遠隔操作されるように配設されているものであるため、通常、遊技者が操作することはできず、遊技場側によって操作されるものである。そのため、遊技場側が、独自の判断によって、この光量調整ボリュームを操作して、バックライトの光量を変化することができるため、該光量を低下させることによりバックライトの消費電力を抑制して、省エネルギー化を適宜実行することが可能である。そして、バックライトの光量を低下する制御に伴って、コントラストを向上するように調整制御していることから、液晶表示装置の画面で見かけ上の明るさ変化を抑制することができる。これにより、光量調整ボリュームを操作しても、液晶表示装置の画面の明るさが見かけ上変わらず、当該光量調整ボリューム操作による制御処理の実行が遊技者にわかり難い。そのため、遊技中に、光量調整ボリュームの操作を行っても、遊技者がそれに気付かず遊技を進行し、遊技の興趣性が保たれ得る。
【発明の効果】
【0017】
本発明の遊技機は、上述したように、機台使用検知手段の検知により遊技者が使用していない場合には、設定低光量値に従ってバックライトの光量を調整し、機台使用検知手段により使用開始を検知すると、設定高光量値に従ってバックライトの光量を調整し、所定時間継続して使用されていると判定すると、バックライトの光量を段階的に低下するように調整する制御処理を行うようにしたものであるから、遊技者により使用されていない場合にバックライトの消費電力を抑制し、且つ比較的長く使用されている場合にもバックライトの消費電力を抑制することができため、優れた省エネルギー化効果を得ることができる。特に、パチンコ遊技機やスロットマシンのように、比較的長時間に亘って遊技が継続するものにあっては、前記した省エネルギー化効果が一層高く生じ得る。また、遊技中にあっては、バックライトの光量を段階的に低下するようにしていることから、遊技者が比較的長時間に亘って液晶表示装置の画面を注視することにより生ずる目の疲労感を緩和できると共に、バックライトの光量低下を遊技者にわかり難くできるため、遊技の興趣性を適正に保ち得る。
【0018】
上述した遊技機にあって、機台使用検知手段により所定時間継続して使用されていると判定すると、バックライトの光量の段階的な低下に応じて、液晶表示パネルのコントラストを段階的に高くするように調整する制御処理を行うようにしたものであるから、段階的な光量低下に伴う液晶表示装置の画面の明るさ低下を、コントラストを高くして補うことができるため、液晶表示装置の画面では見かけ上の明るさ低下が抑制され、上記した遊技の興趣性を保つ効果が一層向上する。
【0019】
上述した遊技機にあって、光量調整ボリュームを遠隔操作することにより、バックライトの光量を低下し且つ該光量低下に従ってコントラストを向上する制御と、バックライトの光量を向上し且つ該光量向上に従ってコントラストを低下する制御とを行うようにした構成の場合には、遊技場側が光量調整ボリュームを操作することにより、バックライトの光量を調整することができるため、該バックライトの光量を低下するように操作することによって、省エネルギー化を適宜実行でき得る。また、バックライトの光量調整に伴ってコントラストの調整も行うことから、液晶表示パネルの見かけ上の明るさを保つことができるため、遊技場側によるバックライトの光量調整に伴って遊技者の感情が起伏することを抑制でき、遊技の興趣性を適正に維持でき得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】パチンコ遊技機1の斜視図である。
【図2】パチンコ遊技機1に設けられた遊技盤10の正面図である。
【図3】遊技を制御する制御回路を示すブロック図である。
【図4】光量調整処理を示すフロー図である。
【図5】遠隔調整処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施例を、添付図面を用いて詳述する。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、遊技島設備(図示省略)に固定される外枠2と、この外枠2の前面開口部を覆う遊技機本体3とからなる。遊技機本体3は、中央上部の略円形の開口部に遊技盤10(図2参照)が取り付けられた前枠5を備え、この前枠5の一側縁がヒンジ部材4を介して外枠2に開閉可能に枢着されている。さらに前枠5には、遊技盤10を覆うガラス板6が設けられている。また、前枠5の下部には、上受皿7と下受皿8とが上下に列設されており、下受皿8の右側方に発射ハンドル9が突設される。
【0022】
図2は、上記した遊技盤10の正面図である。遊技盤10の前面には、ガイドレール11によって略円形の遊技領域12が区画形成されており、遊技領域12の中央には、各種遊技部材を組み込んだセンターケース13が配設される。センターケース13には、液晶表示装置14が組み付けられている。この液晶表示装置14は、その画面(液晶表示パネル41)に各種演出画像が表示される。
【0023】
尚、液晶表示装置14の画面には、特別図柄A,B,Cも表示される。この特別図柄A,B,Cは、後述する可変入賞装置21の始動口22に遊技球が流入することにより変動開始し、その後停止して各特別図柄の組合せからなる停止図柄態様により当り又はハズレを確定する。そして、当り停止図柄態様で確定表示した場合には、後述する大入賞口26を所定回数開閉駆動する特別遊技作動を実行し、大入賞口26への遊技球の入賞により多くの賞球を得ることができる。この特別遊技作動は、多量の賞球を得ることができるため、該特別遊技作動の実行に至る特別図柄A,B,Cの当り停止図柄態様は、遊技者によって最も望まれている。
【0024】
このセンターケース13の下部には、四個のLEDからなる特別始動記憶数表示装置17と普通始動記憶数表示装置18とが夫々に設けられている。特別始動記憶数表示装置17は、後述する可変入賞装置21の始動口22に遊技球が連続して流入した場合に、該始動口22への流入毎に発生する特別図柄始動記憶の記憶数(以下、特別図柄始動記憶数という)を、そのLEDの点灯数によって表示する。また、普通始動記憶数表示装置18は、後述する普通図柄(図示せず)を変動する普通図柄始動記憶の記憶数(以下、普通図柄始動記憶数という)を、そのLEDの点灯数によって表示する。ここで、特別図柄始動記憶数と普通図柄始動記憶数は、それぞれ四個を上限数として設定している。
【0025】
上記センターケース13の左右側方には、普通図柄始動ゲート19,19が配設されており、遊技球の通過により、各普通図柄始動ゲート19に設けられた普通図柄始動スイッチS2 (図3参照)から遊技球検出信号が発生すると、液晶表示装置14の表示画面で普通図柄(図示せず)が変動し、所定時間経過後に停止して種々の組み合わせの図柄態様が表示される。
【0026】
また、センターケース13の下方には、遊技球を流入可能とする始動口22と、左右一対の開閉翼片(図示省略)とを備えた可変入賞装置21が配設されている。この始動口22の内部には、遊技球を検知する特別図柄始動スイッチS1(図3参照)が配設されており、該特別図柄始動スイッチS1による遊技球検知に従って、上述したように、液晶表示装置14の画面で特別図柄A,B,Cを変動開始する。また、左右一対の開閉翼片は、上下方向に起立して一個の遊技球が上方から入賞可能な間隔となる起立位置と、該起立位置から左右両側に逆ハ字形に拡開して遊技球の入賞を容易とする傾動位置とに変換駆動されるようになっている。そして、前記普通図柄(図示せず)の表示結果が所定の当り図柄態様の場合には、普通電動役物ソレノイド(図示せず)を駆動源として開閉翼片が所定時間(約 0.2秒間)傾動位置に拡開されて、始動口22に遊技球が入り易い状態となる。
【0027】
さらに、可変入賞装置21の下方には、大入賞口26を有する特別電動役物25が配設されている。この特別電動役物25は横長矩形状の開閉片27を具備し、内蔵された大入賞口ソレノイド(図示せず)により開閉片27を開閉制御することによって大入賞口26が開放状態又は閉鎖状態に変換される。この特別電動役物25は、上記した液晶表示装置14の画面で変動表示した特別図柄A,B,Cが所定の当り停止図柄態様で確定表示された場合(大当りの場合)に、大入賞口26を開閉作動することにより、特別遊技作動を実行するものである。特別遊技作動では、開閉片27が前方に傾倒して開き、その開放状態で開閉片27の上面の案内作用を介して、大入賞口26内へ遊技球を案内するとともに、所定開放時間(例えば30秒)の満了、またはその所定開放時間中における所定個数(例えば 9個)の遊技球の入賞により開閉片27が起立して大入賞口26が閉鎖される開閉ラウンドを、所定制限回数(本実施例にあっては15回)行うことにより、大入賞口26に多量の遊技球が入賞し、遊技者に所定の利益が供与される。この特別電動役物25の内部には入賞した遊技球を検知するカウントスイッチS3(図3参照)が設けられている。
【0028】
その他、遊技領域12には、複数の一般入賞口58が配設されており、その内部に設けられた一般入賞スイッチS4(図3参照)による遊技球の入賞検知に伴って、所定数の賞球が払い出される。
【0029】
また、上記した発射ハンドル9は、図1のように、前枠5の下部から前方へ突出するように設けられており、前枠5に固定されるベース部材(図示せず)と、該ベース部材の前側に回動操作可能に配設された操作部31と、該操作部31の前側に配設された半球状のハンドルカバー32とを備えてなる。ここで、操作部31は、その外周に突出する突起部31aを三個備えており、この突起部31aにより容易に回動操作できるようになっている。そして、発射ハンドル9の内部には、操作部31の定常角度位置からの回動角度を検知して出力する回動角度検知センサ33(図3参照)が配設されており、該回動角度検知センサ33により検知した回動角度に従って、遊技球を図示しない発射装置により遊技領域12へ発射する。さらに、発射ハンドル9の内部には、ハンドルカバー32に遊技者の手が触れたことを検知するためのタッチセンサ34(図3参照)も配設されており、該タッチセンサ34により遊技者の手を検知していなければ、前記操作部31が定常角度位置から回動していてもこれを無効として、遊技球が発射されないようになっている。
【0030】
次に、上述のパチンコ遊技機1の制御回路について、図3に示すブロック図に従って説明する。
制御回路には、主制御基板80、払出制御基板81、演出制御基板82、電源基板83、発射制御基板84が配設されている。主制御基板80は、マイクロコンピュータにより構成されており、パチンコ遊技機1の遊技を統括的に制御するものである。そして、この主制御基板80には、上記した特別図柄始動スイッチS1、普通図柄始動スイッチS2、カウントスイッチS3等の各種スイッチやセンサが盤面中継端子板90を介して接続されている。
【0031】
主制御基板80には、各種スイッチやセンサなどからの入力信号に従って演算処理を実行して所定の指令信号を出力する中央制御装置CPU、演算処理に用いる制御プログラム等を格納する記憶装置ROM、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)とを介して接続され、主制御基板80の基板回路を構成している。前記記憶装置ROMには、制御プログラムや、普通当り乱数テーブル、普通当り図柄乱数テーブル、大当り乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル、リーチ乱数テーブル、リーチ図柄乱数テーブル、リーチ態様乱数テーブル等の固定データが格納されている。そして、後述するように始動口22に遊技球が流入して特別図柄始動スイッチS1がON作動すると、中央制御装置CPUによって各乱数テーブルの乱数値の抽選が行われ、大当り乱数値、大当り図柄乱数値、ハズレ図柄乱数値、リーチ乱数値、リーチ図柄乱数値、リーチ態様乱数値等が選出される。また、記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1 ,普通図柄始動スイッチS2 のON作動数等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域及びワークエリア等が設けられている。
【0032】
さらに、主制御基板80の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、中央制御装置CPUに接続されている。そして中央制御装置CPUは一定間隔のクロックパルスによって、時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーTMも接続されている。
【0033】
また、上記主制御基板80の基板回路には、中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、該出力ポートを介して主制御基板80からの指令信号が、払出制御基板81、演出制御基板82、発射制御基板84の各入力ポートに向けて発信されるようになっている。また、主制御基板80の入力ポートには、盤面中継端子板90を介して、特別図柄始動スイッチS1、普通図柄始動スイッチS2、カウントスイッチS3、一般入賞スイッチS4、後述する光量調整ボリューム50等が接続されている。そして、主制御基板80は、これら各スイッチやセンサなどによる検知状態を、所定時間毎(例えば2ms毎)に調べ、信号入力があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板80の出力ポートには、盤面中継端子板90を介して大入賞口ソレノイド,普通電動役物ソレノイドが接続されており、中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。
【0034】
また、主制御基板80の中央制御装置CPU及び上記した各制御基板81〜84に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。尚、前記演算ユニットの連成数によって、各中央制御装置CPUの演算処理能力が決まる。そして、主制御基板80の中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した指令信号を各制御基板81〜84に夫々送信し、各制御基板81〜84の中央制御装置CPUがこの指令信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
【0035】
一方、上記した演出制御基板82は、上述した液晶表示装置14の駆動制御や、各種スピーカから音響を発する制御や、各種ランプおよびLEDを発光する制御などを行うものである。そして、この演出制御基板82には、液晶表示装置14と、各種LEDをLED中継端子板を介して発光制御するランプ制御基板86と、スピーカが接続された演出中継端子板87とが夫々に接続されている。ここで、液晶表示装置14は、その液晶表示パネル41を後方より照らすためのバックライト42を備えており、該バックライト42が前記ランプ制御基板86を介して接続されている。このバックライト42は、本実施例にあって、白色LEDが用いられている。また、演出制御基板82にも、上述した主制御基板80と同様に、中央制御装置CPU、記憶装置ROM、記憶装置RAMを備えている。このような演出制御基板82は、主制御基板80から受信した演出指令信号に従って、液晶表示装置14による演出画像の表示、各LEDの発光、スピーカの発音を制御実行する。尚、液晶表示装置14を制御する処理については、本発明の要部にかかり、詳しくは後述する。
【0036】
また、払出制御基板81は、賞球や貸球を払い出す球払出装置(図示省略)を駆動制御するものである。この払出制御基板81は、主制御基板80から受信した払出指令信号に従って上記した球払出装置(図示省略)を駆動して、所定の賞球を払い出す制御を実行する。
【0037】
また、発射制御基板84は、上記した発射ハンドル9の操作に従って、図示しない発射装置を駆動制御することにより、遊技球を発射制御するものであり、上記した回動角度検知センサ33やタッチセンサ34が接続されている。そして、回動角度検知センサ33から入力した回動角度信号に従って、発射装置を駆動制御するようにしている。さらに、タッチセンサ34からの入力信号によって、遊技者が発射ハンドル9を操作していることを確認している。この発射制御基板84も、上記した主制御基板80と接続されており、主制御基板80から所定の指令信号を入力すると、それに従って駆動制御するようにもなっている。さらに、本実施例にあっては、発射ハンドル9の操作を示す信号を前記タッチセンサ34から入力すると、これを主制御基板80へ出力するようにしている。これにより、主制御基板80が、発射ハンドル9の操作中か否かを確認している。
【0038】
また、上述した電源基板83は、外部電源から供給された電力を、所定の電圧に変換して、上述した主制御基板80、払出制御基板81、演出制御基板82(およびランプ制御基板86)、発射制御基板84に送電するものである。電源基板83には、外部電源からAC24Vの電流が送電される。そして、このAC24Vを、DC32V、DC12V、DC5Vに変換する回路が夫々配設されている。さらに、過剰の電流が流れないようする過負荷保護回路、リセット回路、バックアップ用コンデンサ(バックアップ電源)などが配設されている。
【0039】
この電源基板83からDC32V、DC12V、DC6Vの各電力を夫々供給された主制御基板80、払出制御基板81、演出制御基板82(およびランプ制御基板86)、発射制御基板84は、夫々が駆動制御するモータ、ソレノイド、スイッチ、センサ、LED、スピーカ、表示装置などに所定の電力を分配する。
【0040】
次に、図3に示した制御回路による制御態様をパチンコ遊技機1の作動に従って説明する。
上記した発射ハンドル9が遊技者によって操作されると、その操作部31の回動角度に従って発射装置(図示せず)を駆動制御することにより、遊技球を遊技領域12に発射する。この遊技球が普通図柄始動ゲート19を通過し、普通図柄始動スイッチS2 がON作動すると、主制御基板80は普通図柄の始動処理として、普通当り乱数値と普通当り図柄乱数値を夫々選出する。さらに、演出制御基板82により、液晶表示装置14で普通図柄(図示省略)を図柄変動する制御処理を行い、選出した普通当り乱数値と普通当り図柄乱数値に従って、普通図柄を確定停止する制御処理を行う。ここで、普通図柄が当り図柄態様で確定停止した場合には、可変入賞装置21の開閉翼片(図示省略)を傾動位置に拡開する制御を行う。尚、遊技球が普通図柄始動ゲート19を連続して通過した場合には、通過毎にそれぞれ各乱数値を選出して記憶装置RAMに普通図柄始動記憶として一旦格納し、該普通図柄始動記憶の記憶数に従って普通始動記憶数表示装置18のLEDを点灯する。そして、普通図柄始動記憶を記憶している場合には、その発生順に消化して、前記のように普通図柄を変動して停止する制御処理を実行する。
【0041】
遊技領域12を転動流下した遊技球が可変入賞装置21の始動口22に流入すると、特別図柄始動スイッチS1がON作動し、主制御基板80は、上記した各乱数値を抽出して特別図柄始動記憶を記憶する始動口処理を行う。ここで、主制御基板80の中央制御装置CPUは、特別図柄始動スイッチS1のON作動により、記憶装置ROMに記憶されている大当り乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル、リーチ乱数テーブル、リーチ図柄乱数テーブル、リーチ態様乱数テーブル等から抽選によって、大当り乱数値、大当り図柄乱数値などを夫々に抽出する。そして、主制御基板80からの指令信号により、演出制御基板82が液晶表示装置14を駆動制御して、特別図柄A,B,Cを図柄変動し、前記した抽選により選出した各乱数値に従って特別図柄A,B,Cを停止表示する制御処理を実行する。ここで、大当り乱数値が当りであると、大当り図柄乱数値を選択して当り図柄を決定すると共に、その他の乱数値に従って液晶表示装置14の画面で表示する当り図柄変動パターンを選定し、演出制御基板82により、液晶表示装置14で、特別図柄A,B,Cを当り停止図柄態様で確定停止するまでの一連の図柄生成工程が表示される。そして、特別図柄A,B,Cが当り図柄態様で確定停止すると、上述したように、特別遊技作動として、大入賞口26を開閉作動する開閉ラウンドを開始する。一方、大当り乱数値がハズレであると、ハズレ図柄乱数値を選択してハズレ図柄を決定すると共に、その他の乱数値に従ってハズレ図柄変動パターンを選定し、液晶表示装置14で、特別図柄A,B,Cをハズレ停止図柄態様で確定停止するまでの一連の図柄生成行程が表示される。
【0042】
尚、遊技球が連続的に始動口22に流入した場合には、特別図柄始動スイッチS1がON作動する毎に、上記した大当り乱数値等の各乱数値を選出して特別図柄始動記憶として、その発生順に記憶装置RAMに記憶保持すると共に、特別始動記憶数表示装置17のLEDをその始動記憶数に応じて順次点灯する。この特別図柄始動記憶の記憶数は、最大四個と設定されていることから、四個の特別図柄始動記憶が記憶されている状態で、新たに始動口22へ遊技球が流入しても、特別図柄始動記憶が発生しない。そして、この特別図柄始動記憶が記憶保持されている場合には、その発生順に消化されて、上記した図柄生成行程が実行される。尚、特別図柄始動記憶の消化に従って、特別始動記憶数表示装置17のLEDを消灯する。
【0043】
次に、本発明の要部について説明する。
上記したセンターケース13に配設された液晶表示装置14は、液晶表示パネル41、バックライト42、駆動回路43、電源回路44等を備えてなるものである(図3参照)。ここで、液晶表示パネル41は、偏光フィルタ、透明電極、液晶、配向膜、カラーフィルタなどから構成されてなる一般的な構成のものである。そして、電源回路44によりバックライト42の発光制御を行うと共に、駆動回路43により透明電極に電圧を加えて液晶を配向膜に従って所定方向へ並べる制御を行うことにより、液晶表示パネル41に所定の画像を表示する。このような液晶表示装置14により画像表示する制御処理としては、従来から用いられている制御方法を適用することができ、その詳細については省略する。
【0044】
演出制御基板82は、主制御基板80からの指令信号に従って、駆動回路43を駆動制御すると共に、ランプ制御基板86を介して電源回路44を駆動制御することにより、上記した液晶表示装置14を駆動制御する(図4参照)。すなわち、演出制御基板82は、主制御基板80から入力した指令信号に従って、予め設定されて記憶されている演出画像データを選択して、該演出画像データに従って駆動回路43を駆動制御することにより、液晶表示パネル41の透明電極に電圧印加する制御を行う。さらに、演出制御基板82は、ランプ制御基板86を介して電源回路44を駆動制御することにより、所定のパルス幅に従ってバックライト42へ電力を供給する制御を行う。このようにバックライト42への電力供給制御と液晶表示パネル41の駆動制御とを実行することにより、該液晶表示パネル41に所望の演出画像を表示する。
【0045】
本実施例にあっては、演出制御基板82が、液晶表示装置14の電源回路44を駆動制御して、バックライト42の光量を増減調整する制御処理(図4参照)を行うようにしており、この制御処理用のプログラムとデータとを備えている。この制御処理としては、バックライト42へ供給する電力の電力供給量を制御することにより、該バックライト42の光量を調整する。そして、この電力供給量として、遊技中に遊技者がはっきりと演出画像を視認可能な明るさにより表示するために、供給する電力量を高く設定した設定高電力供給量と、遊技者により使用されていない状態で消費電力を抑制するために、供給する電力量を低く設定した設定低電力供給量とを、予め設定している。すなわち、電源回路44を、前記の設定低電力供給量に従って駆動制御すると、バックライト42への電力供給量が少ないことから、その光量も低くなるため、液晶表示装置14の画面(液晶表示パネル41)で表示する明るさが比較的暗くなる。一方、電源回路44を、前記の設定高電力供給量に従って駆動制御すると、バックライト42への電力供給量が多いことから、その光量も高くなるため、液晶表示装置14の画面で表示する明るさが充分に明るくなる。尚、電力供給量として設定した設定高電力供給量と設定低電力供給量としては、両者間の電力供給量の差を比較的大きく設定し、電源回路44により設定低電力供給量から設定高電力供給量へ切り換えた場合に、液晶表示装置14の画面が急激に明るくなるようにしており、この明るさ変化が遊技者に明確に分かるようにしている。
【0046】
さらに、バックライト42の光量を増減調整する制御処理として、所定条件の成立を契機として、バックライト42の電力供給量を10%低下し、その後も、予め設定した低下処理時間を経過する毎に電力供給量を10%づつ低下するように調整する制御処理(図4参照)を行うようにしている。これは、後述するように、電源回路44により、上記した設定高電力供給量に従って電力供給量を制御している状態から、電力供給量を10%低下する制御を繰り返し行い、これに伴って、バックライト42の光量を10%づつ段階的に低下させる。そして、このようにバックライト42の光量を段階的に低下しても、一回毎の光量低下が10%と比較的小さいことから、この光量低下に伴って液晶表示装置14の画面の明るさが低下しても、この明るさ低下が遊技者にわかり難い。さらに、前記の低下処理時間としては、比較的長い時間に設定することによって、液晶表示装置14の画面の明るさが段階的に低下していくことを一層分かり難くすることができる。
【0047】
ここで、電力供給量を10%づつ低下する処理は、本実施例にあって、最大10回実行するようにしており、10回実行後はその電力供給量で維持するようにしている。ここで、10回実行後の電力供給量は、上記した設定高電力供給量により制御される電力供給量に比して、約65%低下した値となり、上記した設定低電力供給量により制御される電力供給量に比して高くなっている。すなわち、バックライト42の光量を段階的に低下する処理は、設定高電力供給量と設定低電力供給量との間で実行している。また、電力供給量の低下処理を行う間隔である低下処理時間としては、本実施例にあって、定期的に低下処理を実行するように、所定の一定時間として予め設定している。さらにまた、本実施例にあっては、この段階的に電力供給量を低下する制御処理を、遊技者により使用開始されてから継続して使用されている所定の継続使用時間が経過したことを条件として、実行するようにしている。尚、具体例として、前記の継続使用時間を30分間として設定し、低下処理時間を15分間として設定する。
【0048】
また、本実施例にあっては、演出制御基板82が、駆動回路43を駆動制御することにより、液晶表示パネル41のコントラストを調整する制御処理用のプログラムとデータとを備えている。ここで、駆動回路43の駆動制御としては、液晶表示パネル41の透明電極(図示せず)への電圧印加を制御することにより、コントラストを調整するようにしている。そして、コントラストの制御処理(図4参照)として、透明電極への電圧印加を制御する基準として設定コントラスト基準値を予め設定しており、この設定コントラスト基準値に従って駆動回路43を駆動制御することによって、液晶表示パネル41のコントラストを、所定の基準レベルに維持している。さらに、本実施例にあっては、コントラストを段階的に高くするように調整する制御処理(図4参照)を実行するようにしている。この制御処理は、上記したバックライト42への電力供給量を段階的に低下する制御処理と同期して実行する。すなわち、遊技者による使用開始から上記した継続使用時間が経過したことを条件として実行し、バックライト42への電力供給量の低下に応じてコントラストを高くする処理を行い、その後、上記した低下処理時間が経過する毎に、同様にコントラストを高くする処理を行う。尚、このコントラストを段階的に高くする処理は、バックライト42への電力供給量を段階的に低下する処理と同様に10回実行される。また、コントラストを向上するように調整する処理では、液晶表示装置14の画面の明るさが、バックライト42への電力供給量を10%低下したことによって低下する(暗くなる)ことを、遊技者にできるだけわかり難くできるように、当該コントラストの調整制御を設定している。これにより、上記した継続使用時間の経過とその後の低下処理時間が経過する毎に、バックライト42への電力供給量を低減しても、液晶表示装置14の画面の明るさ変化が、見かけ上、遊技者に一層分かり難くなっている。
【0049】
尚、上述したようにバックライト42の光量を増減する制御処理やコントラストを調整する処理を行った場合にも、遊技状態に応じて所定の演出画像を液晶表示装置14の画面(液晶表示パネル41)で表示する。そのため、遊技者に使用されていない場合には、液晶表示装置14の比較的暗い画面で、所定の演出画像を表示している。
【0050】
一方、上記した主制御基板80が、当該パチンコ遊技機1を遊技者により使用されているか否かを判定するための使用判定処理を行うようにしている。この使用判定処理(図4参照)として、本実施例にあっては、上記した発射ハンドル9のタッチセンサ34による入力信号の有無と、特別図柄始動記憶および普通図柄始動記憶の記憶保持の有無と、液晶表示装置14での図柄生成行程の実行有無とに基づいて、判定処理を行うように設定されている。詳述すれば、発射ハンドル9のタッチセンサ34からの入力信号によって、発射ハンドル9を遊技者が操作しているか否かを確認し、操作していない場合には、主制御基板80の記憶装置RAMに、未消化の特別図柄始動記憶または普通図柄始動記憶が記憶されているか否かを確認する。さらに、未消化の前記各始動記憶が無ければ、液晶表示装置14で図柄生成行程が実行中であるか否かを確認する。この三段階の確認処理を順次行った結果、図柄生成行程を実行していない場合には、予め設定した不使用時間をセットして、該不使用時間の計測を開始する。この不使用時間が経過すると、当該パチンコ遊技機1が遊技者により使用されていないと判定する。このように、本実施例では、発射ハンドル9を遊技者が操作しておらず、且つ未詳消化の始動記憶が無く、且つ図柄生成行程が実行されていない場合に、不使用時間を時限消化して、その経過によって、遊技者が使用していない状態として判定する処理を行う。また、この使用判定処理では、遊技者が使用していない状態で、発射ハンドル9のタッチセンサ34からの入力信号によって、遊技者の操作を確認すると、遊技者の使用開始と判定する。尚、本実施例では、前記の不使用時間を5分間として設定している。
【0051】
上記の使用判定処理によって、遊技者が使用していないと判定すると、主制御基板80から演出制御基板82へ指令信号を出力し、演出制御基板82が、電源回路44を駆動制御して、設定低電力供給量に従って電力供給量を供給するように制御し、バックライト42の光量を調整する。これと共に、駆動回路43を駆動制御して、設定コントラスト基準値に従ってコントラストを調整する。このような制御処理が、遊技者が使用中の状態から実行された場合には、バックライト42の光量が低下するため、液晶表示装置14の画面の明るさが暗くなる。一方、使用されていない状態で、発射ハンドル9のタッチセンサ34から入力信号を得て使用開始されたと判定すると、演出制御基板82が、電源回路44により、設定高電力供給量に従って電力供給量を調整する制御を行う(図4参照)。これによって、バックライト42の光量が高くなるため、液晶表示装置14の画面が急激に明るくなる。尚ここで、駆動回路43では、設定コントラスト基準値に従ってコントラストを調整する制御処理が継続して実行している。
【0052】
また、本実施例にあっては、当該パチンコ遊技機1の液晶表示装置14の駆動回路43と電源回路44とを遠隔操作するための光量調整ボリューム50(図3参照)が設けられている。この光量調整ボリューム50は、当該パチンコ遊技機1の本体から離れた場所に設置されており、遊技場により管理されて、遊技者が容易に操作できないようになっている。そして、光量調整ボリューム50は、その操作により生じた調整信号を伝達するための配線によって盤面中継端子板90に接続しており、この調整信号が、盤面中継端子板90を介して主制御基板80へ入力するようにしている。ここで、本実施例の光量調整ボリューム50は、回転操作可能なダイヤル式のものであり、予め設定した基準位置から左右へ最大90度回転操作することができ、この基準位置を0度として、該基準位置に対する回転角度を前記調整信号として出力するようにしている。そして、基準位置よりも左側へ回転操作した場合には、マイナスの回転角度を調整信号として出力し、基準位置よりも右側へ回転操作した場合には、プラスの回転角度を調整信号として出力する。
【0053】
主制御基板80は、光量調整ボリューム50から上記の調整信号を入力すると、該調整信号に応じて、液晶表示装置14のバックライト42の光量とコントラストとを調整制御するための指令信号を演出制御基板82へ出力する。ここで、バックライト42の光量とコントラストとの調整制御(図5参照)としては、その時点におけるバックライト42への電力供給量とコントラストとを、光量調整ボリューム50の回転角度(上記の基準位置に対する回転角度)に従って補正する処理を行う。この補正処理としては、光量調整ボリューム50の左右それぞれへの最大回転角度(90度)で、バックライト42への電力供給量を30%増減し且つこの増減に応じてコントラストを変化するように、回転角度に応じて補正する処理を行う。そして、この補正処理により、この回転角度に応じて、上記した設定高電力供給量、設定低電力供給量、設定コントラスト基準値も補正する。ここで、電力供給量の補正とコントラストの補正とは、互いにプラス・マイナス方向が逆となるように行う。例えば、光量調整ボリューム50が左側へ30度回動された場合には、電源回路44により電力供給量を10%(最大回転角度の1/3に相当)低下するように調整すると共に、この電力供給量の低減に応じて、駆動回路43を駆動制御してコントラストを高くする処理を行う(図4,5参照)。そして、設定高電力供給量と設定低電力供給量とを10%低下した値に補正すると共に、これに伴って設定コントラスト基準値を高くするように補正する。尚、右側へ回動された場合には、プラス・マイナスが逆になるように補正する。
【0054】
さらに、光量調整ボリューム50を回転操作して所定回転角度で維持された状態では、上記したように、その回転角度に従ってバックライト42への電力供給量とコントラストとを補正すると共に、設定高電力供給量、設定低電力供給量、設定コントラスト基準値の補正後の値が維持される(図5参照)。そのため、この補正した状態で、当該パチンコ遊技機1が遊技者により使用されていない状態や使用開始された場合にも、補正した各設定値に従って制御処理が実行される。尚、バックライト42への電力供給量を段階的に低下する制御処理は、電力供給量を10%づつ低下する処理であるこことから、回転角度に従って補正された後には、補正された後の電力供給量を10%づつ低下する処理が行われる。コントラストを段階的に高くする制御処理にあっても、同様である。
【0055】
尚、本実施例にあって、主制御基板80と演出制御基板82とにより、本発明にかかる表示制御手段が構成されている。また、遊技者により使用中か否かを検知する機台使用検知手段は、上記したタッチセンサ34と使用判定処理する主制御基板80とにより構成されている。そして、この使用判定処理の判定に従って、不使用状態と使用開始時点でバックライト42への電力供給量を調整し、段階的に電力供給量を低下するように電源回路44を駆動制御する処理と、電力供給量に応じてコントラストを調整するために駆動回路43を駆動制御する処理とが、本発明にかかる光量調整処理内容(図4参照)である。また、光量調整ボリューム50の操作に従って、バックライト42への電力供給量とコントラストとを補正する処理が、本発明にかかる遠隔調整処理内容(図4,5参照)である。また、上記した設定低電力供給量は、これに従って電源回路44を駆動制御して、バックライト42の光量を調整制御するために予め設定されたものであり、本発明にかかる設定低光量値に相当するものとなっている。同様に、上記した設定高電力供給量は、本発明にかかる設定高光量値に相当するものとなっている。
【0056】
次に、液晶表示装置14のバックライト42の光量とコントラストとを変化する制御処理の流れについて説明する。尚、この制御処理は、所定時間間隔で連続して実行されるメイン処理(図示せず)に組み込まれた、図4の光量調整処理と図5の遠隔調整処理とにより実行されるようにしている。
【0057】
例えば、本実施例のパチンコ遊技機1が遊技者により使用されていない状態であると、図4の光量調整処理により、液晶表示装置14では、設定低電力供給量に従ってバックライト42への電力供給量が制御されて、バックライト42の光量が調整されていると共に、設定コントラスト基準値に従って液晶表示パネル41のコントラストが調整されている。これにより、パチンコ遊技機1の液晶表示装置14では、その画面が比較的暗くなっており、この明るさ状態の画面で所定の演出画像が表示されている。尚、上記した光量調整ボリューム50は基準位置に維持されている状態とする。
【0058】
当該パチンコ遊技機1で遊技者が遊技を開始する際に、発射ハンドル9に触れると、主制御基板80が、該発射ハンドル9のタッチセンサ34の検知による入力信号を得て、演出制御基板82へ指令信号を出力する。そして、図4のように、演出制御基板82は、設定高電力供給量に従ってバックライト42への電力供給量を制御して、バックライト42の光量を調整する。これにより、液晶表示装置14の画面が明るくなる。さらに、主制御基板80は、継続使用時間の時間消化を開始する。ここで、コントラストは、上記した設定コントラスト基準値に従って制御されて維持されている。
【0059】
遊技者による遊技が継続して実行され、上記した継続使用時間を経過すると、演出制御基板82が、バックライト42への電力供給量を10%低下する処理を実行する。すなわち、設定高電力供給量から10%低下した電力供給量に従って、バックライト42への電力供給を行う。この処理と同期して、電力供給量の低減に応じてコントラストを向上する処理を行う。さらに、低下処理時間の時間消化を開始する。その後、低下処理時間が経過すると、再度、バックライト42への電力供給量を10%低下する処理とコントラストを向上する処理とを行う。そして、再び低下処理時間の時間消化を開始する。このように、電力供給量を低下する処理とコントラストを向上する処理とを、低下処理時間が経過する毎に繰り返し行い、断続的に最大10回まで実行する。このように、バックライト42への電力供給量を段階的に低減することによって、バックライト42への消費電力量を徐々に低減することができる。そして、バックライト42の光量低下に伴って、コントラストを向上していることから、液晶表示装置14の明るさ低下が遊技者にわかり難くなっている。このように段階的にバックライト42への電力供給量を低減する処理によって、バックライト42の光量が実質的に低減することから、遊技者の目の疲労感を緩和する効果も奏し得る。
【0060】
尚、本実施例にあっては、上記したバックライト42への電力供給量を低下する処理を10回繰り返すと、この低下処理を終了して、その後の電力供給量とコントラストとを維持するようにしている。
【0061】
また、遊技を行っている最中に、遊技者が発射ハンドル9から手を離すと、タッチセンサ34により検知されないことから、検知を示す入力信号が停止する。このように入力信号が停止すると、主制御基板80は、記憶装置RAMに未消化の特別図柄始動記憶または普通図柄始動記憶が記憶保持されているか否かを調べる。さらに、液晶表示装置14で図柄生成行程が実行中であるか否かを調べる。そして、未消化の始動記憶が有るか図柄生成行程が実行中であれば、遊技が継続していると判定し、上述した遊技中の処理を維持する。一方、未消化の始動記憶が無く且つ図柄生成行程が実行されていない場合には、予め設定した不使用時間の時間消化を開始し、該不使用時間が経過すると、遊技者により使用されていないと判定する。そして、この判定を得ると、バックライト42への電力供給量を設定低電力供給量に従って処理し、且つコントラストを設定コントラスト基準値に従って処理する。これにより、液晶表示装置14が、その画面を比較的暗くした状態となり、この明るさ状態の画面で所定の演出画像が表示される。尚、上記したように段階的にバックライト42への電力供給量を低下する処理中に、遊技者により使用されていないと判定した場合には、低下処理の回数が10回未満で終了し当該回数をリセットする。
【0062】
さらにまた、遊技場の係員が、場内環境や省エネルギー化を考慮して、液晶表示装置14のバックライト42の光量を低下する場合には、光量調整ボリューム50を、基準位置から左側へ回転操作する。この光量調整ボリューム50が回動操作されると、図5の遠隔調整処理に従って、バックライト42への電力供給量とコントラストとを調整する制御処理を行う。ここで、光量調整ボリューム50が、基準位置から左側へ45度回転されたとすると、該回転角度に応じて、電力供給量を15%低下するように補正すると共に、この電力供給量の低下に応じてコントラストを向上するように補正し、これら補正に従って電源回路44と駆動回路43とを駆動制御する(図4参照)。この光量調整ボリューム50を操作した場合にあっても、液晶表示装置14の画面明るさが見かけ上わかり難いことから、遊技者に明るさ変化を気付かせることなく、バックライト42の電力供給量を低下できる。尚、次に光量調整ボリューム50を回転操作するまでは、バックライト42の電力供給量を前の回転角度(この場合には左側へ45度)に応じた補正した状態を維持することから、上記した段階的な低下処理は、前記補正した状態に基づいて調整制御される。同様に、設定低電力供給量と設定高電力供給量とも、前記補正した状態に基づいて調整されるようにしている。尚、コントラストのついても同様な調整制御処理を行う。
【0063】
このように、本実施例のパチンコ遊技機1は、遊技が開始されると、液晶表示装置14の画面を明るくし、遊技が所定時間(継続使用時間)継続すると、前記画面の明るさを段階的に低減するようにしている。そして、遊技が実行されていない状態では、遊技の実行中に比して液晶表示装置14の画面を暗くするようにしている。このように液晶表示装置14のバックライト42への電力供給量を制御処理することにより、遊技していない状態で消費電力を抑制し、かつ遊技が継続されている場合にも消費電力を抑制することができるようにしている。これにより、本実施例のパチンコ遊技機1は、優れた省エネルギー化を奏するものとなっている。さらに、遊技が比較的長時間継続した場合にバックライト42への電力供給量を低減することにより、液晶表示装置14を注視する遊技者の目に生ずる疲労感を緩和することができる。そして、この電力供給量の段階的な低下処理に同期して、コントラストを向上する処理を実行していることから、液晶表示装置14の画面の見かけ以上の明るさ変化を、遊技者に分かり難くしている。これにより、液晶表示装置14で表示する演出画像を違和感なく見続けることができるため、遊技の興趣性を保ちつつ、消費電力の低減と遊技者の疲労感緩和との作用効果を奏し得る。
【0064】
尚、液晶表示装置14にあって、そのバックライト42に要する消費電力は、当該液晶表示装置14の駆動電力の多くをしめることから、これを低減することによる効果は高い。特に、遊技を行っていない状態だけでなく、遊技が継続して実行している状態でも消費電力を低減するため、これによる省エネルギー化効果への寄与も極めて高くなる。
【0065】
また、光量調整ボリューム50を回転操作することにより、遊技場側がバックライト42の光量を適宜調整できるようにしていることから、遊技場側の独自の判断によって、バックライト42の消費電力を抑制して省エネルギー化することも可能である。尚、この光量調整ボリューム50によってバックライト42の光量を低下した場合にも、これに伴いコントラストを向上するように制御していることから、明るさ階級の変化の場合と同様に、液量表示パネル41での明るさ変化を見かけ上分かり難くなるため、同様の作用効果を奏し得る。
【0066】
上述した実施例にあっては、遊技が継続して実行されている場合にバックライト42への電力供給量を段階的に低下する処理として、最大10回繰り返し実行するようにした構成であるが、この低下処理は様々に設定することができる。例えば、繰り返し行う最大回数を、10回より少なく設定したり、又は10回よりも多く設定することもできる。また、設定低電力供給量まで繰り返し低下するように制御するようにしても良い。さらに、一回の低下処理としては、低下率を10%の他の固定値に設定しても良いし、段階的に5〜20%毎低下するように低下率を変動させても良い。また、低下率を一回毎に増減するように設定することもできる。ここで、低下処理として低下率を設定する以外に、低下量を設定することもでき、低下率と同様に固定値や変動値として設定することもできる。また、段階的な低下処理を行う時間間隔(低下処理時間)も、同様に適宜設定することができ、この時間間隔を順に増減するように設定しても良い。
【0067】
また、上記した実施例にあっては、発射ハンドルのタッチセンサ、未消化の始動記憶数、図柄生成行程を判定する処理により、遊技者により遊技中であるか否かを検知する機台使用検知手段とした構成であるが、その他の構成として、機台前方に配設したイスに遊技者を検知するためのセンサを、前記機台使用検知手段として配設することも可能である。この場合には、前記センサにより遊技者を検知すると、これにより遊技の開始と判定する。
【0068】
また、上述した実施例は、パチンコ遊技機1毎に光量調整ボリューム50を備えた構成であるが、複数のパチンコ遊技機を同時に制御する光量調整ボリュームを備えた構成とすることもできる。
【0069】
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、その他の構成についても、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 パチンコ遊技機(遊技機)
14 液晶表示装置
34 タッチセンサ(機台使用検知手段)
41 液晶表示パネル
42 バックライト
50 光量調整ボリューム
80 主制御基板(表示制御手段)
82 演出制御基板(表示制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライトにより液晶表示パネルを照らすことによって該液晶表示パネルに演出画像を表示する液晶表示装置と、該液晶表示装置を駆動制御する表示制御手段とを備えた遊技機において、
遊技者により使用中か否かを検知する機台使用検知手段を備えると共に、
表示制御手段は、
機台使用検知手段の検知により遊技者が使用していないと判定すると、バックライトの光量を、予め設定された設定低光量値に従って調整する制御処理と、
機台使用検知手段により使用開始を検知すると、バックライトの光量を、前記設定低光量値に比して高い設定高光量値に従って調整する制御処理と、
機台使用検知手段の検知により所定時間継続して使用されると、バックライトの光量を、設定高光量値と設定低光量値との間で段階的に低下するように調整する制御処理と
を実行する光量調整処理内容を備えているものであることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
表示制御手段の光量調整処理内容は、
機台使用検知手段の検知により遊技者が使用していないと判定すると、液晶表示パネルのコントラストを、予め設定された設定コントラスト基準値に従って調整する制御処理と、
機台使用検知手段の検知により所定時間継続して使用されていると判定すると、バックライトの光量の段階的な低下に応じて、液晶表示パネルのコントラストを段階的に高くするように調整する制御処理と
を実行するようにしたものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
遠隔操作により液晶表示装置のバックライトの光量を調整するための光量調整ボリュームを備えてなると共に、
表示制御手段は、光量調整ボリュームの操作に従って、バックライトの光量を低下し且つ該光量低下に応じて液晶表示パネルのコントラストを高くする制御処理、又はバックライトの光量を高くし且つ該光量向上に応じて液晶表示パネルのコントラストを低下する制御処理とのいずれかを行う遠隔調整処理内容を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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