説明

遊技機

【課題】遊技機の製造工数の増加を招くことなく、ボタンユニットがドアから取り外されて不正行為が行われることを防止する。
【解決手段】1ベットボタンユニット200をドアの1ベットボタンユニット用開口部へ前面から嵌入し、第一係止部220により1ベットボタンユニット200がドアに係止している状態において、ドアの背面から1ベットボタンユニット200を係止部材300に嵌入させる。1ベットボタンユニット200の下方Dから係止部材300本体外筒部310を嵌入させるとともに、第二係止部240に対応する係止爪360を第二係止部240にそれぞれ係止させる。第二係止部240それぞれに対して、対応する係止爪360が係止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造工数の増加を招くことなく、ボタンユニットがドアから取り外されて不正行為が行われることを防止することができる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パチンコ型スロットマシン(いわゆるパチスロ)等の遊技機は、筐体の前面の開口部に取り付けられるドアの前面に、遊技者による遊技操作に応じて押下されるボタンが設けられる。ボタンは、取り付けベースと、ボタン面とから形成されるボタンユニットとして、ドアの前面において遊技者がボタン面を押下可能な状態になるように、取り付けベースがドアの前面に設けられた開口部に嵌入されることにより、ドアに取り付けられる。そして、遊技者によるボタンユニットのボタン面の押下操作に応じて、遊技機内のスイッチが作動し、遊技機の動作が制御される。
【0003】
例えば、ボタンユニットの取り付けベースには、ドアに係止する係止爪が設けられる。係止爪が、取り付けベースがドアの前面の開口部に嵌入される際の押圧力により弾性変形し、係止位置で弾性変形が解除され、ドアに係止されることにより、ボタンユニットをドアに容易に取り付けることができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−12239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したボタンユニットは、ドアの前面から取り付けベースを嵌入し、係止爪で係止することのみで取り付けられているので、ドアから容易に取り外すことができる。例えば、ボタンユニットの表面に穴を開け、その穴から針金等を内部に侵入させることで、係止爪によるドアへのボタンユニットの係止が容易に解除される。
【0006】
このため、不正を企む者により、ドアからボタンユニットが容易に取り外され、ボタンユニットの取り付けベースを嵌入するドアの前面に設けられた開口部から遊技機の筐体内の部品へ不正が加えられてしまうというおそれがあった。
【0007】
なお、ボタンユニットが容易に抜き出されないように、係止爪に代えてネジ等を用いてボタンユニットをドアに取り付けることも考えられるが、取り付け作業が煩雑となり、製造工数を増加させるので、好ましくない。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、製造工数の増加を招くことなく、ボタンユニットがドアから取り外されて不正行為が行われることを防止することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、筐体(例えば、後述のキャビネット1a)と、前記筐体の一面に取り付けられ、開口部(例えば、後述の1ベットボタンユニット用開口部11b)を有する扉(例えば、後述のドア2)と、第一の係止部(例えば、後述の第一係止部220)および第二の係止部(例えば、後述の第二係止部240)が設けられ、前記開口部へ前記扉の前面から嵌入された際に該第一の係止部により前記開口部に係止されるボタンユニット(例えば、後述の1ベットボタンユニット200)と、前記開口部へ前記扉の前面から嵌入された前記ボタンユニットを前記扉の背面において嵌入させた際に前記第二の係止部により前記ボタンユニットを係止させる第三の係止部(例えば、後述の係止爪360)が設けられた係止部材(例えば、後述の係止部材300)とを備え、前記ボタンユニットの前記第二の係止部は、前記ボタンユニットが前記開口部に嵌入される深度に関して、前記ボタンユニットの第一の係止部材よりもより高い深度となる位置に設けられ、前記係止部材は、前記ボタンユニットを係止させるとともに、前記扉に係止されることで抜き出す方向への移動を規制し、第二及び第三の係止部による係止によって、抜き出す方向とは反対の方向への移動を規制することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、ボタンユニットの第二の係止部は、ボタンユニットが開口部に嵌入される深度に関して、ボタンユニットの第一の係止部よりもより高い深度となる位置に設けられる。これにより、不正を企む者が、第一の係止部によるボタンユニットの係止を解除しても、第二の係止部による係止の解除がより困難となる。よって、ボタンユニットを扉から取り外されることを容易とさせず、筐体の内部に収容される機器などへ不正が加えられることを防止することができる。また、第一の係止部は、針金等が引っ掛けられて上方に引っ張られることで、爪が弾性変形して係止が解除される可能性があり、第二の係止部は、下方に力を加えた場合は、解除が可能であるが、上方に力が加えられても破壊されない限り係止が解除されない。ここで、不正部材は、隙間から侵入させるために針金などの細長いものが採用され易いため、引っ掛ける等して上方(隙間の方)に力を加えることはできるが、下方に力を加えることは困難であり、係止が解除され難い。これにより、ボタンユニットがドアから取り外されて不正行為が行われることを防止することが可能である。また、ネジ等を用いてボタンユニットをドアに取り付けること必要もないので、遊技機の製造工数の増加を招くこともない。
【0011】
また、本発明は、前記ボタンユニットの最大径は、前記開口部の内径より大きく、前記ボタンユニットが前記開口部に嵌入される際に、弾性体により形成された前記第一の係止部が前記開口部の周縁に当接し、該周縁からの圧力による弾性変形により圧縮され、前記ボタンユニットが前記開口部の所定位置まで嵌入されると前記弾性変形が解除されることにより前記ボタンユニットが前記開口部に係止されることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、第一の係止部が開口部に嵌入される際に、圧力による弾性変形により圧縮され、ボタンユニットが開口部の所定位置まで嵌入されると弾性変形が解除されることによりボタンユニットが開口部に係止される。これにより、不正を企む者が、第二の係止部および第三の係止部による係止の解除だけでなく、第一の係止部によるボタンユニットの係止も解除しなければ、ボタンユニットを扉から取り外すことができないので、ボタンユニットを扉から取り外すことをより困難にすることが可能である。また、不正を企む者は、ゴト行為を繰り返し行うため、若しくは、ゴト行為の最中に発覚させて捕まる可能性を低くするために、カモフラージュをしたり、なるべく部材を破壊しないようにしたりしている。このため、第一の係止部を破壊せずに取り外すためには、第一の係止部を弾性変形させて係止を解除した状態で、第二及び第三の係止部による係止を解除する必要があり、取り外しをより困難にすることが可能である。
【0013】
また、本発明は、前記ボタンユニットには、前記第二の係止部として孔部が形成されており、前記係止部材には、前記第三の係止部として爪状部が形成されており、前記係止部材は、前記爪状部を前記孔部に嵌入させることにより前記ボタンユニットを係止させることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、第二の係止部として孔部と第三の係止部として爪状部とが嵌入させることによりボタンユニットを係止させる。このため、不正を企む者が、嵌入された孔部と爪状部とを外されない限りボタンユニットを扉から取り外すことができないので、ボタンユニットを扉から取り外すことをより困難にすることが可能である。
【0015】
また、本発明は、前記ボタンユニットには、前記第二の係止部として爪状部が形成されており、前記係止部材には、前記第三の係止部として孔部が形成されており、前記係止部材は、前記爪状部が前記孔部に嵌入されることにより前記ボタンユニットを係止させることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、第二の係止部として爪状部孔部と第三の係止部として孔部とが嵌入させることによりボタンユニットを係止させる。このため、不正を企む者が、嵌入された爪状部と孔部とを外されない限りボタンユニットを扉から取り外すことができないので、ボタンユニットを扉から取り外すことをより困難にすることが可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、遊技機の製造工数の増加を招くことなく、ボタンユニットがドアから取り外されて不正行為が行われることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、実施形態に係る遊技機の外観の斜視図である。
【図2】図2は、実施形態に係る遊技機の外観の正面図である。
【図3】図3は、実施形態に係る遊技機のブロック図である。
【図4】図4は、実施形態に係る遊技機のドア前面であって、各種のユニットが嵌入されていない状態の台座部の斜視図である。
【図5】図5は、実施形態に係る遊技機の1ベットボタンユニットをA1方向から見た斜視図である。
【図6】図6は、実施形態に係る遊技機の1ベットボタンユニットをA2方向から見た斜視図である。
【図7】図7は、実施形態に係る遊技機の係止部材をA1方向から見た斜視図である。
【図8】図8は、実施形態に係る遊技機の防止部材をA2方向から見た斜視図である。
【図9】図9は、実施形態に係る遊技機の係止部材の上面図である。
【図10】図10は、実施形態に係る遊技機の1ベットボタンユニットおよび係止部材をA1方向から見た斜視図である。
【図11】図11は、実施形態に係る遊技機の1ベットボタンユニットをA1方向から見た断面図である。
【図12】図12は、実施形態に係る遊技機の1ベットボタンユニットおよび係止部材の係合状態をA1方向から見た断面図である。
【図13】図13は、他の実施形態に係る遊技機のMAXベットボタンユニットの分解図である。
【図14】図14は、他の実施形態に係る遊技機のMAXベットボタンユニットの側面図である。
【図15】図15は、他の実施形態に係る遊技機のMAXベットボタンユニットおよび係止部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の遊技機に係る実施形態を説明する。以下の実施形態のでは、各図に示すように、遊技機を水平面に設置した場合に、LおよびRで水平方向の左方および右方を示し、FおよびBで水平方向の前方および後方を示し、UおよびDで垂直方向の上方および下方を示すことにより、遊技機の筐体における相対的な位置関係を示す。
【0020】
[遊技機の外観]
図1は、実施形態に係る遊技機の外観の斜視図である。また、図2は、実施形態に係る遊技機の外観の正面図である。遊技機1は、並んで配設されるリール3L、3C、3R、各種の回路基板などを収容する筐体であるキャビネット1aと、キャビネット1aの前方F側の開口面に開閉可能に取り付けられるドア2と、ドア2の前方F側の面に取り付けられるフロントパネル8が設けられる。リール3L、3C、3Rは、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄が回転方向に沿って連続的に配置された帯状のシートが貼付されて形成される。リール3L、3C、3Rは、フレームの回転軸がステッピングモータなどの駆動装置により回転されることにより、複数の図柄を変動させながら表示する。
【0021】
フロントパネル8のおおむね中央より上方U側には、液晶表示装置5が設けられる。液晶表示装置5は、フロントパネル8のおおむね上方U側であって、ドア2とフロントパネル8との間に設けられる。液晶表示装置5は、取り付け枠などにより、ドア2の上方U側の部分に固定され、表示画面5aを通して画像を表示制御する。表示画面5aは、液晶表示装置5が表示制御する画像を表示するとともに、リール窓21L、21C、21Rを通して、リール3L、3C、3Rのフレームに貼付されたシートそれぞれの図柄を表示する。
【0022】
フロントパネル8には、遊技者による遊技の操作を受け付ける各部が設けられる。メダル投入口10は、遊技者により投入されるメダルを受け入れる。メダル投入口10に投入されたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として遊技機1における1回の遊技に消費され、所定枚数を超えた分は遊技機1にクレジットとして貯留される。
【0023】
1ベットボタン11は、遊技機1に投入された、あるいは貯留されているメダルから1回の遊技について1枚の消費するために、遊技者により押下される。MAXベットボタン12は、遊技機1に投入された、あるいは貯留されているメダルから1回の遊技について消費可能な最大枚数(例えば、3枚)を消費するために、遊技者により押下される。精算ボタン13は、遊技機1に貯留されている全てのメダルを外部に引き出すために、遊技者により押下される。
【0024】
スタートレバー14は、リール3L、3C、3Rの回転を開始させるために、遊技者により操作される。ストップボタン15L、15C、15Rは、3つのリール3L、3C、3Rのそれぞれに対応づけられ、遊技者による押下操作のタイミングで、対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止させる。
【0025】
[遊技機の機能構成]
次に、図3を参照して、実施形態における遊技機1が有する機能構成について説明する。図3は、実施形態に係る遊技機のブロック図である。実施形態における遊技機1は、主制御回路71、副制御回路72およびこれらと電気的に接続される周辺装置(アクチュエータなど)が設けられる。
【0026】
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、CPU31、ROM32およびRAM33などを含む。
【0027】
ROM32には、CPU31により実行される制御プログラム、各種のデータテーブル、副制御回路72に対して送信される各種制御指令(コマンドなど)のデータ等が記憶される。RAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
【0028】
CPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36およびサンプリング回路37が接続される。クロックパルス発生回路34および分周器35は、クロックパルスを発生する。CPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲(例えば、0〜65,535)から1つの乱数を発生させる。
【0029】
マイクロコンピュータ30の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。CPU31は、各種のスイッチなどからの入力を受けて、ステッピングモータ49L、49C、49Rなどの周辺装置の動作を制御する。
【0030】
ストップスイッチ15Sは、3つのストップボタン15L、15C、15Rが遊技者により、リール3、3C、3Rの回転を停止させるために押下されたことを検出する。また、スタートスイッチ14Sは、スタートレバー14が遊技者により、リール3、3C、3Rの回転を開始させるために操作されたことを検出する。
【0031】
メダルセンサ42Sは、メダル投入口10に受け入れられたメダルを検出する。1ベットスイッチ11Sは、1ベットボタン11が遊技者により押下されたことを検出する。MAXベットスイッチ12Sは、MAXベットボタン12が遊技者により押下されたことを検出する。精算スイッチ13Sは、精算ボタン13が遊技者により押下されたことを検出する。
【0032】
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L、49C、49R、7セグ表示器53およびホッパー40がある。また、マイクロコンピュータ30の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
【0033】
モータ駆動回路39は、リール3L、3C、3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動を制御する。リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L、3C、3Rが一回転したことを示すリールインデックスをリール3L、3C、3Rに応じて検出する。
【0034】
ステッピングモータ49L、49C、49Rは、回転速度がパルスの出力数に比例し、指定された角度で回転軸を停止させることが可能な構成を含む。ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動力は、所定の減速比のギアを介してリール3L、3C、3Rに伝達される。ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3L、3C、3Rは一定の角度で回転する。
【0035】
メインCPU31は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ49L、49C、49Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール3L、3C、3Rの回転角度を管理する。メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転角度を管理することにより、リール3L、3C、3Rの表面に配置された複数の図柄の各位置を管理する。
【0036】
表示部駆動回路48は、7セグ表示器53の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー40に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
【0037】
副制御回路72は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路72には、液晶表示装置5、スピーカ9L、9R、ランプ14が接続されており、主制御回路71から送信されたコマンドに応じてこれらのアクチュエータを制御する。
【0038】
[遊技機の台座部の外観]
図4を参照して、ドア2の前方F側に設けられた各種のユニットが嵌入される開口部について説明する。図4は、実施形態に係る遊技機のドア前面であって、ボタンユニット等の各種ユニットが嵌入されていない状態の台座部の斜視図である。
【0039】
図4に示すように、ドア2の前方F側の前面に配設される台座部17の上方Uの面には、メダル投入ユニット用開口部10a、1ベットボタンユニット用開口部11b、MAXベットボタンユニット用開口部12aが設けられる。また、台座部17の上方Uの面の下方Dの左方Lには、精算ボタン用開口部13aおよびスタートレバー用開口部14aが設けられる。後述する1ベットボタンユニット200を嵌入するための1ベットボタンユニット用開口部11aが設けられたカバー17aが、上方Uから台座部17に取り付けられる。
【0040】
メダル投入ユニット用開口部10aは、台座部17の前方Fの右方Rに設けられる。メダル投入ユニット用開口部10aには、メダル投入口10を有するメダル投入ユニット(図示せず)が嵌入される。
【0041】
1ベットボタンユニット用開口部11bは、台座部17の左方L、かつMAXベットボタンユニット用開口部12aの後方Bの左方Lに設けられる。台座部17にカバー17aが取り付けられた状態では、1ベットボタンユニット用開口部11a、11bの水平方向での位置がおおむね一致する。1ベットボタンユニット用開口部11bの内径は、1ベットボタンユニット用開口部11aの内径よりも大きい。1ベットボタンユニット用開口部11a、11bには、後述する1ベットボタンユニット200が嵌入される。
【0042】
MAXベットボタンユニット用開口部12aは、台座部17の前方Fの左方L、かつ1ベットボタンユニット用開口部11aの前方Fの右方Rに設けられる。MAXベットボタンユニット用開口部12aには、後述するMAXベットボタンユニット400が嵌入される。
【0043】
精算ボタン用開口部13aは、台座部17の下方Dの左方L、かつ台座部17の下方Dの左方Lに設けられ、精算ボタンユニット(図示せず)が嵌入される。スタートレバー用開口部14aは、台座部17の下方Dの左方L、かつ精算ボタン用開口部13aの右方Rに設けられ、スタートレバーユニット(図示せず)が嵌入される。
【0044】
[1ベットボタンユニットの構成]
図5および図6を参照して、1ベットボタンユニットの構成について説明する。図5は、実施形態に係る遊技機の1ベットボタンユニットをA1方向から見た斜視図である。図6は、実施形態に係る遊技機の1ベットボタンユニットをA2方向から見た斜視図である。
【0045】
図5および図6において、1ベットボタンユニット200は、上方Uの最上部に、下方Dへ向かって押下される面により形成された1ベットボタン12が設けられる。1ベットボタン12は、上述したように、表示画面5aの下方Dに設けられた台座部17の前方Fの左方Lに設けられる1ベットボタンユニット用開口部11a、11bに嵌入されることにより、台座部17に取り付けられる。
【0046】
1ベットボタンユニット200は、押圧部材210と、第一係止部220と、ボタン本体部230と、第二係止部240とを含む。ボタン本体部230は、略筒状の部材である。1ベットボタンユニット200は、ボタン本体部230の上方Uの最上部に押圧部材210が取り付けられ、下方Dの最底部が開口する開口部となる。押圧部材210は、その上方Uの最上面に蓋部211が設けられることで、1ベットボタン12が形成される。
【0047】
第一係止部220は、ボタン本体部230の側面において、ボタン本体部230と一体的に形成される。第一係止部220の上方Uの部分は、鋸刃状の凹凸を有する突起部221が形成され、第一係止部220の下方Dの部分には、斜面222が形成されている。突起部221は、1ベットボタンユニット200が1ベットボタンユニット用開口部11a、11bに嵌入される際に、1ボタンユニット用開口部11aの円周縁に突起部221の凹凸が当接する。
【0048】
第一係止部220は、1ベットボタンユニット200が1ベットボタンユニット用開口部11a、11bに嵌入されると、第一係止部220の斜面222がボタンユニット用開口部11aの内径の周縁に当接し、押圧力により第一係止部220が押圧されて弾性変形する。斜面222は、第一係止部220の上方Uへ向かって連続的に突起の高さがより高くなっている。よって、1ベットボタンユニット200が1ベットボタンユニット用開口部11a、11bに嵌入される深さに応じて連続的に増加する押圧力に応じて、第一係止部220が徐々に弾性変形され、第一係止部220の高さがより低くなる。
【0049】
そして、1ベットボタンユニット200が1ベットボタンユニット用開口部11a、11bにさらに嵌入されると、第一係止部220の突起部221がボタンユニット用開口部11aの内径の周縁に当接する。突起部221は、第一係止部220の上方Uへ向かって段階的に突起の高さが低くなっている。よって、1ベットボタンユニット200が1ベットボタンユニット用開口部11a、11bに嵌入される深さに応じて段階的に減少する押圧力に応じて、第一係止部220が段階的に弾性変形を解除され、第一係止部220の高さがより低くなる。
【0050】
そして、係止位置で第一係止部220の弾性変形がすべて解除され、第一係止部220が1ベットボタンユニット用開口部11aに係止することにより、ドア2の前面に1ベットボタンユニット200が取り付けられる。突起部221の凹凸は、ドア2の前面に嵌入された1ベットボタンユニット200が容易に取り出されることを防止する。
【0051】
これにより、1ベットボタンユニット200が1ベットボタンユニット用開口部11a、11bに嵌入された状態で1ベットボタンユニット200にドア2に取り付けられるとともに、1ベットボタンユニット200がドア2から抜き出されないようにしている。
【0052】
ボタン本体部230の上端には、略円環状のフランジ232が胴部231と一体に形成されている。胴部231は、略円筒状であって、外径寸法がフランジ232の外径寸法よりも小さく形成されている。
【0053】
フランジ232は、1ベットボタンユニット200が1ベットボタンユニット用開口部11a、11bに嵌入された際に、1ベットボタンユニット用開口部11aの周縁部上面と上方Uから当接し、1ベットボタンユニット200が遊技機1の内部へ脱落することを防止する。
【0054】
ボタン本体部230の胴部231における下方Dの所定位置に、4つの第二係止部240が設けられている。第二係止部240には、後述する係止部材300の係止爪360がそれぞれ係止される。これにより、1ベットボタンユニット200が係止部材300に取り付けられ、不正を行おうとする者により1ベットボタンユニット200が抜き出されることを防止する。
【0055】
1ベットボタンユニット200は、下方Dの開口部から弾性体(図示せず、例えばコイルバネ、ゴムなど)が挿入される。1ベットボタンユニット200は、ドア2に取り付けられた状態で押圧部材210の上方Uに形成された1ベットボタン12がおおむね下方Dに向けて押下されると、弾性体の反発力により1ベットボタン12の位置が復原される。
【0056】
図5および図6では図示を省略しているが、押圧部材210の蓋部211には、1ベットボタンであることを意味する「BET」の文字が表示されており、亜鉛やクロム、あるいはこれらの合金等のメッキがほどこされている。
【0057】
なお、図5および図6に示すように、1ベットボタンユニット200が1ベットボタンユニット用開口部11a、11bに嵌入される方向(図5および図6におけるU−Lの方向)に関し、第二係止部240は、第一係止部220よりもより嵌入の深度が深い位置に設けられる。これにより、不正を企む者が、第一係止部220による1ベットボタンユニット200の係止を解除しても、第二係止部240による係止の解除がより困難となる。よって、1ベットボタンユニット200をドア2から取り外されることを容易とさせず、キャビネット1aの内部に収容される機器などへ不正が加えられることを防止することができる。
【0058】
また、第一係止部220は、針金等が引っ掛けられて上方に引っ張られることで、爪が弾性変形して係止が解除される可能性があり、第二係止部240は、下方に力を加えた場合は、解除が可能であるが、上方に力が加えられても破壊されない限り係止が解除されない。ここで、不正部材は、隙間から侵入させるために針金などの細長いものが採用され易いため、引っ掛ける等して上方(隙間の方)に力を加えることはできるが、下方に力を加えることは困難であり、係止が解除され難い。
【0059】
[係止部材の構成]
図7〜図9を参照して、係止部材300について説明する。図7は、実施形態に係る遊技機の係止部材をA1方向から見た斜視図である。図8は、実施形態に係る遊技機の防止部材をA2方向から見た斜視図である。図9は、実施形態に係る遊技機の係止部材の上面図である。
【0060】
図7および図8に示すように、係止部材300は、略円筒形状の本体外筒部310を備える。本体外筒部310の上方U側の端部は開口され、1ベットボタンユニット200を収容しうるように形成されている。よって、本体外筒部310の内径寸法は、1ベットボタンユニット200のボタン本体部230の外形寸法よりも大きい。
【0061】
また、本体外筒部310の外径寸法は、少なくとも1ベットボタンユニット用開口部11aの内径寸法よりも大きい寸法に形成されている。このため、隙間から針金を侵入させ、第一係止部220に引っ掛けて引っ張る不正行為が行われた場合に、第一係止部220は、弾性変形して係止が解除されてしまう虞があるが、第二係止部240および第三係止部360は、引っ張られても係止部材300の上面と1ベットボタンユニット用開口部11bとが接触する。この結果、ドア2の前方Fの前面から針金等で第一係止部220の係止が解除されたとしても、ドア2の裏面に取り付けられた係止部材300に1ベットボタンユニット200が係止されているので、1ベットボタンユニット200がドア2から抜き出されることを防止できる。
【0062】
本体外筒部310は、A1方向から見て、前方Fにある正面部320と、後方Rにある背面部330と、右方Rにある側面部340と、左方Lにある側面部350とを含む。正面部320は、上縁部325が本体外筒部310の筒状に応じて湾曲することにより、上縁部325の中央付近が前方Fに突出している。また、正面部320は、突出片326が形成されるとともに、突出片326の下方Dの中央付近に切欠部321、322が形成されている。
【0063】
また、正面部320は、湾曲した上縁部325の左方Lおよび右方Rそれぞれに、上方Uに突出する突出部323、324が形成され、突出部323、324の上端が側面部340、350の上縁部341、351上端と繋がって形成されている。
【0064】
なお、正面部320と、背面部330とは、本体外筒部310の中心を通る本体外筒部310のL−Rの断面を対称面として、位置および形状が対称である。また、側面部340と、側面部350とは、本体外筒部310の中心を通る本体外筒部310のF−Bの断面を対称面として、位置および形状が対称である。
【0065】
側面部340は、上縁部341が略U字型を形成しており、略U字型の内側のスペースに1ベットボタンユニット200の第一係止部220が収納されるように形成されている。また、側面部340は、下方Dに斜面342が設けられる。また、側面部34の内側も同様に、斜面342に対応する斜面342aが設けられる。斜面342aは、1ベットボタンユニット200の第一係止部220が収納された場合に、1ベットボタンの斜面222と当接するように形成されている。このため、係止部材300が第一係止部220を覆うため、第一係止部220に対する不正行為を行い難くしている。
【0066】
本体外筒部310の内側の下端近傍には、対称となる位置に二対の係止爪360が形成されている。係止爪360は、4つで一組として構成され、各係止爪360が第二係止部240に係止されることで、1ベットボタンユニット200が係止部材300に係止される。
【0067】
また、図9に示すように、係止部材300は、略T字状の底部370を有している。底部370は、右方Rの端部が側面部340の底面に接合されており、左方Lの端部が側面部350の底面に接合されており、前方Fの端部が正面部320の突出片326の底面に接合されている。
【0068】
[1ベットボタンユニットおよび係止部材の係合]
図10〜図12を参照して、1ベットボタンユニット200および係止部材300の係合について説明する。図10は、実施形態に係る遊技機の1ベットボタンユニットおよび係止部材をA1方向から見た斜視図である。図11は、実施形態に係る遊技機の1ベットボタンユニットをA1方向から見た断面図である。図12は、実施形態に係る遊技機の1ベットボタンユニットおよび係止部材の係合状態をA1方向から見た断面図である。
【0069】
なお、図11に示すように、1ベットボタンユニット200は、1ベットボタンユニット用開口部11a、11bにドア2の前方Fから嵌入され、第一係止部220が1ベットボタンユニット用開口部11aに係止している状態であるものとする。
【0070】
図10に示すように、第一係止部220が1ベットボタンユニット用開口部11aに係止している状態で、ドア2の背面から1ベットボタンユニット200に係止部材300を取り付ける。具体的には、下方Dから1ベットボタンユニット200を係止部材300の本体外筒部310に嵌入させるとともに、第二係止部240に対応する係止爪360を係止させる。図12は、1ベットボタンユニット200に係止部材300を取り付けた状態を示す。このように、4つの第二係止部240それぞれに対して、対応する係止爪360が係止されることで、1ベットボタンユニット200が、ドア2から抜き出されることを防止する。
【0071】
すなわち、不正を行おうとする者が、ドア2の前方Fから1ベットボタンユニット200の表面に小さな穴を空け、針金等で第一係止部220の係止を解除したとしても、ドア2の背面に取り付けられた係止部材300に1ベットボタンユニット200が係止されているので、1ベットボタンユニット200がドア2から抜き出されることを防止する。このため、1ベットボタンユニット200が取り外され、1ベットボタンユニット用開口部11bから筐体内部部品に対して不正行為が行なわれることを防止することができる。
【0072】
また、1ベットボタンユニット200がドア2に取り付けられた状態で、係止部材300を取り付ける作業が追加される。しかし、1ベットボタンユニット200を係止部材300の本体外筒部310に嵌入させ、第二係止部240に対応する係止爪360を係止させるのみであるので、1ベットボタンユニット200の取り付け作業が煩雑になることがない。
【0073】
[MAXベットボタンユニットへの適用例]
実施形態では、1ベットボタン11をユニット化した1ベットボタンユニット200を係止部材300に嵌入させ、第二係止部240に対応する係止爪360をそれぞれ係止させる場合を説明したが、MAXベットボタン12、精算ボタン13、ストップボタン15L、15C、15Rなど、他のボタンも同様に、本発明を適用することができる。
【0074】
そこで、以下では、他の実施形態として、MAXベットボタン12をユニット化したMAXベットボタンユニットに本発明を適用した場合を示す。図13、図14を参照して、MAXベットボタンユニットに本発明を適用した場合について説明する。図13は、他の実施形態に係る遊技機のMAXベットボタンユニットの分解図である。図14は、他の実施形態に係る遊技機のMAXベットボタンユニットの側面図である。
【0075】
[MAXベットボタンユニットの構成]
図13に示すように、MAXベットボタンユニット400は、ボタンキャップ410と、文字シート420と、プリズムシート430と、ボタン基部440と、ボタン本体部450と、発光体ユニット460とを含む。
【0076】
ボタンキャップ410は、MAXベットボタンユニット400の上方Uの最上部に配置される。ボタンキャップ410は、上方Uを閉塞する面状のボタンキャップ面411を備えている。
【0077】
文字シート420は、ボタンキャップ410の下方Dにおいて、ボタンキャップ410と、プリズムシート430との間に配置される。文字シート420は、平面円板状の光透過性の樹脂シートにより構成される。文字シート420には、MAX文字421がシルク印刷により描かれている。
【0078】
プリズムシート430は、文字シート420の裏面に配置される。プリズムシート430は、平面円板状の光透過性の樹脂シートからなり、発光体474から照射される光を文字シート420方向の面に配光性を持たせる。このため、プリズムシート430に対し発光体474から光を照射することにより、発光体474から照射された光を一様に均一にさせ、文字シート420全体の光量を均一化する。
【0079】
ボタン基部440は、ボタン本体部450の上方Uに配置される。ボタン基部440は、ボタン本体部450に対し摺動可能に収容される。ボタン基部440は、略円筒形状の基部外筒部441を備えている。
【0080】
ボタン基部440の下方Dには、ボタン基部440の下方Dに向かって突出して形成された基部突出片444がそれぞれ形成されている。各基部突出片444の下方Dの先端には、それぞれ基部外筒部441の最大径の方向の外側に向かって突出する係合爪部444aが設けられている。
【0081】
ボタン基部440の下方Dには、ボタン基部440の下方Dに向かって突出して形成された接点片部442が設けられている。接点片部442は、後述の接点部484と接触し、遊技者がMAXベットボタン11を押し下げて押しボタン操作を行ったことを検知するために設けられている。
【0082】
ボタン基部440と、ボタン本体部450との間には、ボタン基部440を下方Dに向かって押し下げする力に対し反発しうるように形成されたスプリング490が設けられている。スプリング490は、略円筒形状に形成されたコイルばねにより形成され、ボタン基部440と、ボタン本体部450とを互いに反発しうるように配置されている。このため、スプリング490は、遊技者がMAXベットボタン11を下方Dに向かって押し下げる力に対して反発する。
【0083】
ボタン本体部450は、略円筒形状の本体外筒部451を備えている。本体外筒部451の上方Uは開口され、ボタン基部440を収納しうるように形成されている。したがって、基部外筒部441の外形寸法は、本体外筒部451の内径寸法よりも大きい寸法に形成されている。また、本体外筒部451は、第一係止部451aを有する。第一係止部451aは、MAXベットボタンユニット400がMAXベットボタンユニット用開口部12aに嵌入されると、第一係止部451aがMAXベットボタンユニット用開口部12aの内径の周縁に当接し、押圧力により第一係止部451aが押圧されて弾性変形する。そして、第一係止部451aは、係止位置で弾性変形が解除され、MAXベットボタンユニット用開口部12aに係止する。
【0084】
遊技者がMAXベットボタン11を下方Dに向かって押し下げるボタン操作を行うことにより、基部外筒部441は、ボタン本体部450を構成する本体外筒部451の内方において、MAXベットボタンユニット400の下方Dに向かって移動する。
【0085】
基部外筒部441が移動することにより、ボタン基部440に設けられた接点片部442がMAXベットボタンユニット400の下方Dに移動して接点検知部482と接触する。これにより、遊技者がボタン操作を行ったことがCPU31により検知される。
【0086】
そして、遊技者がMAXベットボタン11を下方Dに向かって押し下げるボタン操作をやめると、スプリング490の反発力によりボタン基部440がMAXベットボタンユニット400の上方Uに向かって移動する。
【0087】
これにより、ボタン基部440に設けられた接点片部442がMAXベットボタンユニット400の上方Uに移動して接点検知部482との接触が解除される。これにより、遊技者がボタン操作を行っていないことがCPU31により検知される。
【0088】
各基部突出片444の間隔寸法は、各基部突出片444の間隔寸法と略同じ寸法に形成されている。また、基部外筒部441の直径方向外方に向かって突出して形成されている各係合爪部444aの間隔寸法は、各基部突出片444の間隔寸法よりも大きい間隔寸法に形成されている。
【0089】
また、ボタン本体部450の下方Dには、ボタン本体部450の下方Dに対し突出して互いに対向する位置に配置された4本の突出片459aと突出片459c(図示せず)および、突出片459bと突出片459d(図示せず)とが形成されている。
【0090】
各突出片459aと突出片459cと、突出片459bと突出片459dとの間隔寸法は、後述の接点ユニット基板481の幅寸法と略同寸法に形成されている。突出片459a、459b、459c、459dには、それぞれ対向する方向へ突出された係合爪部460a、460b、460c(図示せず)、460d(図示せず)が設けられている。
【0091】
係合爪部460aと係合爪部460cおよび、係合爪部460bと係合爪部460dとの間隔寸法は、該接点ユニット基板481の幅寸法よりも小さい間隔寸法に形成されている。このため、係合爪部460aと係合爪部460cおよび、係合爪部460bと係合爪部460d同士で、接点ユニット基板481を係止することができる。
【0092】
また、本体筒部下端面部456の下方Dには、係止片部464aが形成されている。係止片部464aは、突出片459a、459b、459c、459dとは別に、本体筒部下端面部456の下方Dに対し突出して形成されている。係止片部464aには、接点ユニット基板481と当接して係止しうるように窪んで形成された凹部464bが形成されている。凹部464bと、接点ユニット基板481の上方Uに設けられた面とが当接することにより、ボタン基部440と、接点ユニット基板481とが互いに固定される。
【0093】
ボタン本体部450の下方Dには、発光体ユニット470が配置されている。発光体ユニット470は、複数種類の色を照射しうるLED475を有する発光体474と、発光体474を固定する平面状に形成された発光体ユニット基板472とを備える。発光体474は、メインCPU31から送信される信号に基づいて、光を照射しうるように形成されている。
【0094】
発光体ユニット470の下方Dには、接点検知部482を固定する接点ユニット基板481と、送信コネクタ部485とが配置されている。接点ユニット基板481は、平板に形成されている。
【0095】
送信コネクタ部485は、接点ユニット基板481に固定され、接点検知部482が検知した信号をメインCPU31に送信する。接点検知部482は、接点ユニット基板481の上方Uの面に配置されている。接点検知部482は、横断面が四辺形状に形成されている。接点検知部482の上方Uの端部には、接点部484が設けられている。この接点部484と、ボタン基部440に設けられた接点片部442とが接触することにより、遊技者がMAXベットボタン11を押し下げて押しボタン操作を行ったことを検知することができる。
【0096】
[MAXベットボタンユニットおよび係止部材の係合]
図15を参照して、MAXベットボタンユニット用の係止部材500について説明する。図15は、他の実施形態に係る遊技機のMAXベットボタンユニットおよび係止部材の斜視図である。なお、図15の例では図示を省略しているが、MAXベットボタンユニット400は、図4を用いて前述したMAXベットボタンユニット用開口部12aにドア2前面側から嵌め込まれている状態であるものとする。
【0097】
MAXベットボタン用の係止部材500の本体外筒部510は、上述した1ベットボタン用の係止部材300と比較して形状が異なっており、略円筒形状で形成されている。本体外筒部510の内径寸法は、MAXベットボタンユニット400のボタン本体部450の外形寸法よりも大きい寸法に形成されている。本体外筒部510の上方は開口され、MAXベットボタンユニット400を収納しうるように形成される。
【0098】
MAXベットボタン用の係止部材500は、上述した1ベットボタン用の係止部材300と比較して、本体外筒部510の形状以外については、ほぼ同様の構成であるため、MAXベットボタン用の係止部材500の構成について、ここでは簡単に説明する。
【0099】
本体外筒部510の外径寸法は、少なくともMAXベットボタンユニット用開口部12aの内径寸法よりも大きい寸法に形成されている。このため、隙間から針金を侵入させ、第一係止部451aに引っ掛けて引っ張る不正行為が行われた場合に、第一係止部451aは、弾性変形して係止が解除されてしまう虞があるが、第二係止部461および第三係止部560は、引っ張られても係止部材500の上面とMAXベットボタンユニット用開口部12aとが接触する。この結果、ドア2の前方Fの前面から針金等で第一係止部451aの係止が解除されたとしても、ドア2の裏面に取り付けられた係止部材500にMAXベットボタンユニット400が係止されているので、MAXベットボタンユニット400がドア2から抜き出されることを防止できる。
【0100】
本体外筒部510は、上縁部541、551が略U字型を形成しており、略U字型の内側のスペースにMAXベットボタンユニット400の第一係止部451aが収納されるように形成されている。このため、係止部材500が第一係止部451aを覆うため、第一係止部451aに対する不正行為を行い難くしている。
【0101】
また、第一係止部451aがMAXベットボタンユニット用開口部12aに係止している状態で、ドア2の背面からMAXベットボタンユニット400に係止部材500を取り付ける。具体的には、MAXベットボタンユニット400の下から本体外筒部510を嵌め込むとともに、第二係止部461に対応する係合爪560を係止する。第二係止部461である4つの係止孔それぞれに対して、対応する係止爪560が係止されることで、MAXベットボタンユニット400が抜き出されることを防止する。
【0102】
つまり、第一係止部451aは、針金等が引っ掛けられて上方に引っ張られることで、爪が弾性変形して係止が解除される可能性があり、第二係止部461は、下方に力を加えた場合は、解除が可能であるが、上方に力が加えられても破壊されない限り係止が解除されない。ここで、不正部材は、隙間から侵入させるために針金などの細長いものが採用され易いため、引っ掛ける等して上方(隙間の方)に力を加えることはできるが、下方に力を加えることは困難であり、係止が解除され難い。
【0103】
また、ドア2前面側からMAXベットボタンユニット400の表面に小さな穴を空け、針金等で係止を解除したとしても、ドア2の裏面に取り付けられる係止部材500がMAXベットボタンユニット400に係止されているので、MAXベットボタンユニット400が抜き出されることを防止することができる。このため、MAXベットボタンユニット400が取り外され、そのMAXベットボタンユニット用開口部12aから筐体内部部品に対して不正行為が行われることを防止することが可能である。
【0104】
また、MAXベットボタンユニット400がドア2に取り付けられた状態で、係止部材500を取り付ける作業が追加されることとなるため、MAXベットボタンユニット400の取り付け作業自体が煩雑になることがない。
【0105】
実施形態では、1ベットボタンユニット200およびMAXベットボタンユニット400に抜き出し防止用の係止部材300、500を取り付ける場合を説明したが、これに限られない。例えば、精算ボタン、決定ボタンやキャンセルボタン等の各種ボタンユニットに対して、抜き出し防止用の防止部材を取り付けるようにしてもよい。
【0106】
また、実施形態において、1ベットボタンユニット200およびMAXベットボタンユニット400側に第二係止部材として係止孔を設け、係止部材300、500側に該係止孔に係止する係止爪を設ける場合を説明しているが、これに限定されない。例えば、1ベットボタンユニット200およびMAXベットボタンユニット400側に第二係止部材として係止爪を設け、係止部材300、500側に係止孔を設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0107】
11 1ベットボタン
11a、11b 1ベットボタンユニット用開口部
11S 1ベットスイッチ
12 MAXベットボタン
12a MAXベットボタンユニット用開口部
12S MAXベットスイッチ
13 精算ボタン
13a 精算ボタン用開口部
13S 精算スイッチ
14 スタートレバー
14a スタートレバー用開口部
14S スタートスイッチ
15S ストップスイッチ
15L、15C、15R ストップボタン
17a カバー
17 台座部
200 1ベットボタンユニット
210 押圧部材
211 蓋部
220 第一係止部
221 突起部
222 斜面
230 ボタン本体部
231 胴部
232 フランジ
240 第二係止部
300 係止部材
310 本体外筒部
320 正面部
321 切欠部
323 突出部
325 上縁部
326 突出片
330 背面部
340 側面部
341 上縁部
342、342a 斜面
350 側面部
360 係止爪
370 底部
400 MAXベットボタンユニット
410 ボタンキャップ
411 ボタンキャップ面
440 ボタン基部
441 基部外筒部
442 接点片部
444 基部突出片
444a 係合爪部
450 ボタン本体部
451 本体外筒部
451a 第一係止部
459a、459b、459c、459d 突出片
460a、460b、460c、460d 係合爪部
461 第二係止部
464a 係止片部
464b 凹部
481 接点ユニット基板
482 接点検知部
484 接点部
485 送信コネクタ部
490 スプリング
500 係止部材
510 本体外筒部
560 係止爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の一面に取り付けられ、開口部を有する扉と、
第一の係止部および第二の係止部が設けられ、前記開口部へ前記扉の前面から嵌入された際に該第一の係止部により前記開口部に係止されるボタンユニットと、
前記開口部へ前記扉の前面から嵌入された前記ボタンユニットを前記扉の背面において嵌入させた際に前記第二の係止部により前記ボタンユニットを係止させる第三の係止部が設けられた係止部材と
を備え、
前記ボタンユニットの前記第二の係止部は、前記ボタンユニットが前記開口部に嵌入される深度に関して、前記ボタンユニットの第一の係止部よりもより高い深度となる位置に設けられ、
前記係止部材は、前記ボタンユニットを係止させるとともに、前記扉に係止されることで抜き出す方向への移動を規制し、第二及び第三の係止部による係止によって、抜き出す方向とは反対の方向への移動を規制する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記ボタンユニットの最大径は、前記開口部の内径より大きく、
前記ボタンユニットが前記開口部に嵌入される際に、弾性体により形成された前記第一の係止部が前記開口部の周縁に当接し、該周縁からの圧力による弾性変形により圧縮され、前記ボタンユニットが前記開口部の所定位置まで嵌入されると前記弾性変形が解除されることにより前記ボタンユニットが前記開口部に係止される
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記ボタンユニットには、前記第二の係止部として孔部が形成されており、
前記係止部材には、前記第三の係止部として爪状部が形成されており、
前記係止部材は、前記爪状部を前記孔部に嵌入させることにより前記ボタンユニットを係止させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記ボタンユニットには、前記第二の係止部として爪状部が形成されており、
前記係止部材には、前記第三の係止部として孔部が形成されており、
前記係止部材は、前記爪状部が前記孔部に嵌入されることにより前記ボタンユニットを係止させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−245279(P2012−245279A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121119(P2011−121119)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【Fターム(参考)】