遊技機
【課題】複数の異常が発生した場合に、複数の異常を個々に解除することができ、それぞれに異常の発生状況を把握することが可能な遊技機の提供を目的とする。
【解決手段】遊技機における複数の遊技構成部の個々に対する状態を検知する状態検知手段と、遊技構成部の異常を解除するために操作可能な解除操作部として異常解除スイッチ275とを備え、複数の異常が発生したと異常判定手段によって判定され、異常報知切り替え手段により異常報知の内容が切り替えられて異常表示装置277で報知された場合に、異常報知中の所定期間内に異常解除スイッチ275の操作を行うことを起因に、異常報知に対応した内容の異常のみを解除する異常解除手段を備えた。
【解決手段】遊技機における複数の遊技構成部の個々に対する状態を検知する状態検知手段と、遊技構成部の異常を解除するために操作可能な解除操作部として異常解除スイッチ275とを備え、複数の異常が発生したと異常判定手段によって判定され、異常報知切り替え手段により異常報知の内容が切り替えられて異常表示装置277で報知された場合に、異常報知中の所定期間内に異常解除スイッチ275の操作を行うことを起因に、異常報知に対応した内容の異常のみを解除する異常解除手段を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の異常が発生していることを報知可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機等においては、複数の異常が同時に発生している場合に、発生している全ての異常を1つの異常表示器で順次表示する異常表示手段を備えた遊技機があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の異常表示手段を有する遊技機においては、異常表示手段で表示された異常を遊技機が自動的に解除するように構成されているため、発生した異常の中には係員が発生状況を把握しておきたい異常があるにも関わらず、個々に異常を解除する手段が無く、異常の発生状況を把握することが困難な場合があった。
【0005】
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであって、複数の異常が発生した場合に、複数の異常を個々に解除することができ、それぞれに異常の発生状況を把握することが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、複数の遊技構成部の個々に対する状態を検知するための状態検知手段と、前記状態検知手段による状態検知結果に基づいて前記複数の遊技構成部のうち少なくとも1つに異常が発生したかを判定する異常判定手段と、異常が発生したと前記異常判定手段により判定された場合に、異常が発生したと判定された異常の内容を認識可能に報知する異常報知手段と、を備えた遊技機において、前記異常報知手段は、発生した異常の発生状態に応じて異常報知の報知時間を設定する報知時間設定手段と、前記異常判定手段により複数の異常が発生したと判定された場合に、前記報知時間設定手段によって設定された報知時間が経過した後に異常報知の内容を切り替えて報知する異常報知切り替え手段とを備え、前記異常報知手段により報知された異常報知に対応した異常を解除するために操作可能な解除操作部を備え、複数の異常が発生したと前記異常判定手段によって判定され、前記異常報知切り替え手段により異常報知の内容が切り替えられて報知された場合に、異常報知中の前記報知時間を含む所定期間内での前記解除操作部の操作を起因に、前記異常報知に対応した内容の異常のみを解除する異常解除手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、前記異常解除手段は、前記所定期間外での前記解除操作部による操作を無効にすることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記異常判定手段によって異常が発生したと判定された異常の情報と異常数を記憶する異常数記憶手段を備え、前記異常数記憶手段の記憶内容に基づいて、前記異常の報知順あるいは前記報知時間の少なくとも一方を設定する異常報知設定手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1から3の何れか一項において、前記異常報知手段は、予め設定された前記所定期間が経過することを視認できる期間表示器と、予め設定された前記所定期間を前記期間表示器に表示する期間表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1から4の何れか一項において、前記異常判定手段によって判定される異常には、前記異常解除手段によって解除可能な任意解除異常と、前記異常解除手段によることなく自動的に解除される自動解除異常とがあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、異常報知手段は、発生した異常の発生状態に応じて異常報知の報知時間を設定する報知時間設定手段と、異常判定手段により複数の異常が発生したと判定された場合に、報知時間設定手段によって設定された報知時間が経過した後に異常報知の内容を切り替えて報知する異常報知切り替え手段とを備えることにより、複数の異常が発生した場合に、設定された時間の経過ごとに異常の内容が切り替えられて報知されるため、発生している複数の異常の内容を容易に把握することが可能となる。
【0012】
また、請求項1の発明によれば、異常報知手段により報知された異常報知に対応した異常を解除するために操作可能な解除操作部を備え、複数の異常が発生したと異常判定手段によって判定され、異常報知切り替え手段により異常報知の内容が切り替えられて報知された場合に、異常報知中の報知時間を含む所定期間内での解除操作部の操作を起因に、異常報知に対応した内容の異常のみを解除する異常解除手段を備えたことにより、切り替えられて報知される複数の異常を個々に解除することができるため、解除する異常を任意に選択することができ、異常の発生状況を個々に把握することが可能である。
【0013】
請求項2の発明によれば、異常解除手段は、所定期間外での前記解除操作部による操作を無効にするため、誤った操作による異常解除を低減させることが可能である。
【0014】
請求項3の発明によれば、異常判定手段によって異常が発生したと判定された異常の情報と異常数を記憶する異常数記憶手段を備え、異常数記憶手段の記憶内容に基づいて、異常の報知順あるいは報知時間の少なくとも一方を設定する異常報知設定手段を備えたことにより、不定期に発生する異常の全てに対して報知順あるいは報知時間を設定することが可能である。
【0015】
請求項4の発明によれば、異常報知手段は、予め設定された所定期間が経過することを視認できる期間表示器と、予め設定された所定期間を期間表示器に表示する期間表示手段とを備えたことにより、報知される複数の異常の報知に関して報知が切り替わるタイミングを容易に把握することが可能である。
【0016】
請求項5の発明によれば、異常判定手段によって判定される異常には、異常解除手段によって解除可能な任意解除異常と、異常解除手段によることなく自動的に解除される自動解除異常とがあるため、遊技機に発生する異常の全てに対して解除操作部を操作して異常を解除する必要がなく、異常解除を行う係員の負担や、異常を解除するために遊技が一旦遮られる遊技者のストレスを軽減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例に係る遊技機の正面図である。
【図2】同遊技機の裏側を示す図である。
【図3】同遊技機の制御基板や装置等の接続を示すブロック図である。
【図4】異常の報知内容と表示データの対応を示す表である。
【図5】表示数と表示カウンタと表示時間の関係を示す表である。
【図6】異常が複数発生している場合の報知態様の一例を示す図である。
【図7】同遊技機における主制御基板が行う入賞に関する処理のフローチャートである。
【図8】同遊技機における払出制御基板が行う払出制御基板処理のフローチャートである。
【図9】コマンド受信処理のフローチャートである。
【図10】払出処理のフローチャートである。
【図11】異常状態設定処理のフローチャートである。
【図12】払出センサ異常状態設定処理のフローチャートである。
【図13】下皿満杯状態設定処理のフローチャートである。
【図14】球無し状態設定処理のフローチャートである。
【図15】カードユニット未接続状態設定処理のフローチャートである。
【図16】異常表示データ準備処理の第1のフローチャートである。
【図17】異常表示データ準備処理の第2のフローチャートである。
【図18】異常表示処理のフローチャートである。
【図19】異常報知解除処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面に基づき本発明の実施形態を説明する。図1に示す遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であって、遊技盤2の縁に外側誘導レール3及び内側誘導レール4が略円形に配置され、前記外側誘導レール3及び内側誘導レール4によって区画された遊技領域6が前記遊技盤2上に設けられている。前記遊技領域6には遊技球を誘導する誘導釘Rが遊技盤2の表面に設けられている。また、遊技機1の前面側には、装飾ランプ等からなるランプ装置35、発射装置へ供給する遊技球と払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿36、該上側球受け皿36の満杯時に遊技球を受けるための下側球受け皿37、効果音等を発するスピーカ38、遊技者の発射操作に応じて遊技球を前記遊技領域6へ向けて弾発発射するための発射装置64、遊技者による操作可能な遊技用操作ボタン67が設けられている。前記下側球受け皿37には遊技球が満杯になった状態を検出する下皿満杯センサ280(図3に示す)が設けられている。前記下皿満杯センサ280は、本発明において複数の遊技構成部の個々に対する状態を検知するための状態検知手段の一つに相当する。図1における符号W1は遊技機の外枠、W2は外枠W1に取り付けられた前枠、Gは前記前枠W2に開閉可能にヒンジで取り付けられたガラス枠である。なお、この遊技機1には遊技機外の装置としてプリペイドカード用のカードユニット56が遊技機1に接続されている。カードユニット56には、遊技機1とは別個に遊技店側から電源が供給されている。以下、遊技機1の主要な部分について説明する。
【0019】
前記遊技領域6には、中心線上の上部から下部に向かって順に表示装置10、上側始動入賞口41、下側始動入賞口42、大入賞口45、アウト口48が配置されている。前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42の左には左袖第1入賞口51と左袖第2入賞口52が配置され、また、大入賞口45の左右には左落とし入賞口53と右落とし入賞口54が配置されている。また、前記表示装置10の左には普通図柄変動開始用ゲート55、その下方には風車76が設けられている。前記上側始動入賞口41、下側始動入賞口42、大入賞口45、左袖第1入賞口51、左袖第2入賞口52、左落とし入賞口53、右落とし入賞口54は、遊技盤2に形成された遊技領域6内を流下する遊技球が入賞(入球)可能な複数の入賞装置に相当する。前記の各入賞口(入賞装置)に遊技球が入賞(入球)して入賞(入球)が検出されると1入賞球の検出に対して所定個数の賞品球(遊技球)が遊技者に払い出される。前記1入賞球の検出に対する賞品球の払出個数は、前記入賞口毎に設定されている。
【0020】
前記表示装置10は、図柄等が表示可能なものであって、液晶,ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の画像表示装置からなる。本実施例では、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成されている。
【0021】
前記表示装置10は、左下部が普通図柄表示部50とされ、他の部分が特別図柄表示部11となっている。前記特別図柄表示部11は、当否判定の結果を表示するための識別情報を変動表示可能な表示手段に相当する。識別情報は、遊技者が識別可能なものであって、本実施例では特別図柄からなる判定図柄で構成されている。前記特別図柄表示部11には、左右に並ぶ左特別図柄(左判定図柄、左識別情報)と中特別図柄(中判定図柄、中識別情報)と右特別図柄(右判定図柄、右識別情報)が、それぞれ変動表示し、所定時間変動表示した後、判定結果に基づき左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が確定停止特別図柄(確定停止判定図柄、確定停止識別情報)として停止表示される。また、前記特別図柄表示部11には、前記特別図柄に加えて背景画像(キャラクター,背景,文字等を含む。)が表示されることもあり、該背景画像が特別図柄の変動開始等の所定条件に起因して変動表示可能となっていてもよい。
【0022】
この実施例において変動および停止表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄は、それぞれ『1,2,3,4,5,6,7,8』の8通りの図柄とされている。本実施例では、遊技の当否判定結果が大当たり(当たり)の場合には、前記特別図柄表示部11に大当たりの特別図柄組合せ、この例では『1,1,1』(いわゆる‘1’のぞろ目)や『2,2,2』(いわゆる‘2’のぞろ目)等、同一数字の組合せで特別図柄が停止表示され、遊技者に有利な特典を付与する大当たり遊技(特別遊技)に移行する。遊技者に有利な特典は、本実施例では、遊技者による遊技球の獲得し易さ増大に設定されている。
【0023】
前記普通図柄表示部50は、記号或いは絵(キャラクター)等の小当たり判定用普通図柄を変動表示及び停止表示する。本実施例における普通図柄表示部50に変動及び停止表示される普通図柄は、『0』と『1』の2種類からなり、小当たり(普通図柄当たり)の場合には小当たり普通図柄『1』で停止表示され、一方、小当たり外れ(普通図柄外れ)の場合には小当たり外れ普通図柄『0』で停止表示される。
【0024】
前記上側始動入賞口41は、上方が開口した形状からなって遊技球が上方から入球(入賞)可能となっている。一方、前記下側始動入賞口42は、2つの可動片42a,42bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で遊技球の入賞(入球)困難な閉状態(通常状態)と略V字形(逆ハの字形)の入賞可能な開状態間を変化可能に制御されている。前記下側始動入賞口42の可動片42a,42b間は入賞(入球)領域に相当する。前記下側始動入賞口42の開状態への移行は、前記普通図柄表示部50で普通図柄が変動した後、小当たりを示す特定の普通図柄(本実施例では『1』)で確定停止表示された時に行われる。
【0025】
また、前記遊技盤2の背面には、前記上側始動入賞口41に入賞(入球)した遊技球を検出する上側始動入賞口検出スイッチ(上側始動入賞口センサ)と、前記下側始動入賞口42へ入賞(入球)した遊技球を検出する下側始動入賞口検出スイッチ(下側始動入賞口センサ)がそれぞれの入賞球用通路に設けられている。本実施例において前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への遊技球の入賞(入球)検出は、乱数値の取得の起因および前記特別図柄(識別情報)の変動表示開始の起因とされ、さらには、遊技者にとって有利となる大当たり状態となるか否かを判定する当否判定手段の判定を行うための判定条件の成立に設定され、前記判定条件の成立に起因して当否判定が行われる。
【0026】
前記普通図柄変動開始用ゲート55は、前記遊技盤2の背面に設けられた普通図柄変動開始スイッチで普通図柄変動開始用ゲート55を通過する遊技球が検出されることに基づいて前記普通図柄表示部50で普通図柄の変動を開始させるようになっている。また、前記左袖第1入賞口51の入賞球を検出する左袖第1入賞口用検出スイッチ、前記左袖第2入賞口52の入賞球を検出する左袖第2入賞口用検出スイッチ、前記左落とし入賞口53及び右落とし入賞口54の入賞球を検出する左落とし入賞口用検出スイッチ及び右落とし入賞口用検出スイッチが、それぞれ対応する遊技盤背面に設けられている。
【0027】
前記大入賞口45は、前記遊技盤2の背面に設けられた大入賞口開放用ソレノイドによって開閉する開閉板46を備えている。この大入賞口45は、通常は開閉板46が閉じた状態とされ、当否判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技(特別遊技)時に所定ラウンドとして本実施例では15ラウンド(15回)開放される。また、前記大入賞口45内には、大入賞口45に入賞した入賞球を検出する入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)が設けられている。
【0028】
なお、前記上側始動入賞口検出スイッチ、下側始動入賞口検出スイッチ、左袖第1入賞口用検出スイッチ、左袖第2入賞口用検出スイッチ、左落とし入賞口用検出スイッチ、右落とし入賞口用検出スイッチ、入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)は、入賞装置に入賞した遊技球を検出する入賞検出手段に相当する。
【0029】
前記発射装置64は、操作レバー65の操作により駆動する発射モータを裏側に有し、該発射モータの駆動により遊技球を弾発発射するようになっている。前記発射装置64により発射された発射球は、前記遊技盤2の表面に立設された内側誘導レール4と外側誘導レール3間で構成される発射球誘導路を介して遊技領域6に誘導される。前記遊技領域6に誘導された遊技球は、転動しつつ下方へ落下し、前記各装置及び各入賞口に入賞するか、或いは何処にも入賞しなければ前記アウト口48から遊技盤2の裏側へ排出される。
【0030】
前記遊技機1の裏側には、図2に示すように、複数の制御基板や装置等が設けられている。制御基板の主なものとして、主制御基板200、ランプ制御基板205、表示制御基板210、音声制御基板220、払出制御基板240、電源基板250、発射制御基板260等がある。符号265は外部端子、271はRAMクリアスイッチ、272は遊技機の電源スイッチ、275は異常解除スイッチ(SW)、277は期間表示装置、279は異常表示装置、281は遊技球の払出装置、283は前記払出装置281へ供給される遊技球が無いことを検出する球無し検出センサ、289は球貯留タンク、291は球誘導樋である。なお各制御基板には制御回路が設けられている。前記RAMクリアスイッチ271は、後述の主制御基板200に設けられているRAMに記憶されている遊技情報を強制的に初期化するための操作スイッチである。以下、主な制御基板と、払出装置281、異常解除スイッチ(SW)275、期間表示装置277、異常表示装置279、球無し検出センサ283等について詳述する。
【0031】
前記の各制御基板は、単独でまたは複数まとめてケースに収納された状態で遊技機1の裏側に配置されている。主な制御基板を、図3のブロック図を用いて簡略に示す。
主制御基板(主制御回路)200は、遊技情報に従って遊技の制御を行う遊技制御装置に相当し、CPU、RAM、ROMおよび複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータを少なくとも備え、遊技情報や入賞検出等の入力信号に従って遊技を制御すると共に、遊技情報を記憶する記憶手段を備えた遊技制御装置であり、ランプ制御基板205、表示制御基板210、払出制御基板240、電源基板250、始動入賞口(上側始動入賞口41、下側始動入賞口42)と接続され、また中継回路を介して大入賞口等と接続されている。前記主制御基板200のCPUは制御プログラムを実行して遊技情報に従って遊技に関わる主制御を行う。前記主制御基板200は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
【0032】
前記主制御基板200におけるCPUは、制御部,演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、乱数値も生成し、また制御信号(コマンドとも称される)を接続されている各基板(各制御装置)等へ出力(送信)可能に構成されている。なお、前記主制御基板200のCPUは、小当たり(普通図柄当たり)の当否判定や、大当たりの当否判定を行う当否判定手段としても機能する。
【0033】
前記主制御基板200から出力される制御信号には制御基板に対する設定や動作を行わせるための指令信号と、遊技状態の情報を少なくとも含む遊技情報の信号とが少なくとも含まれる。前記指令信号としては、前記特別図柄表示部11で特別図柄(識別情報)を変動態様に基づいて変動表示させるための変動コマンド、当否判定結果が大当たりの場合に特別遊技を実行させるための大当たりコマンド、入賞に起因する球払出信号等を挙げることができる。一方、前記遊技情報としては、大当たりの確率(後述の通常状態又は確変状態)、大当たりによって行われる大当たり状態や各種乱数の更新・取得情報等の遊技に関する情報が挙げられる。
【0034】
前記RAMは、遊技情報の記憶手段、主電源からの電源が遮断された際に遊技情報を記憶する記憶手段等に相当する。前記RAMには、遊技情報を記憶する記憶領域、CPUで生成される各種乱数値(数値データ)用の記憶領域、遊技に必要な遊技データ等の各種データ等を一時的に記憶する記憶領域、フラグ及びCPUの作業領域を備える。
【0035】
前記ROMは、前記CPUのための制御プログラムや制御データ、前記特別図柄表示部11での変動表示に関する変動態様や図柄データ等が書き込まれている他、大当たり及び小当たりの判定値等が書き込まれている。また、前記主制御基板200には、大当たり判定用乱数カウンタ、大当たり図柄用乱数カウンタ、外れ図柄用乱数カウンタ、普通図柄当たり判定用乱数カウンタ等が設けられている。
【0036】
ランプ制御基板205は、前記主制御基板200からの制御信号に基づいてランプ装置35の点灯を制御する。前記ランプ制御基板205は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
【0037】
表示制御基板210は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータと、前記主制御基板200を結ぶ入力回路と前記表示装置10を結ぶ出力回路等で構成され、前記表示制御基板200から出力される制御信号(コマンド)に基づき、前記表示装置10に対して表示の制御を行う。前記表示装置10は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
【0038】
前記表示制御基板210のROMには制御用のプログラムが記憶されている。前記表示制御基板210は、前記主制御基板200からの制御信号に基づきCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画像のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて特別図柄表示部11に出力される。
【0039】
音声制御基板220は、前記主制御基板200から出力される信号により音声信号を合成し、アンプに出力する。アンプは音声信号を増幅してスピーカ38に出力する。
【0040】
払出制御基板240は、遊技球の払出を制御する払出制御手段に相当し、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータを有し、本発明における報知時間設定手段、異常判定手段、異常報知切り替え手段、異常解除手段、異常数記憶手段、異常報知設定手段、期間表示手段を有する。前記払出制御基板240は前記主制御基板200と電気的接続手段で接続され、前記主制御基板200から出力される球払出信号等の制御信号を受信して払出装置281を制御する。また、前記払出制御基板240は、前記カードユニット56が通信可能に接続され、貸球購入操作に応じて前記払出装置281を制御する。さらに、前記払出制御基板240は、前記払出装置281に設けられている後述の払出センサ282及び前記球無し検出センサ283と接続され、前記払出センサ282により遊技球の払出状態が検出されて前記払出制御基板240のCPUに入力可能とされ、一方、前記払出装置281へ供給される遊技球の有無状態が、前記球無し検出センサ283により検出されて前記払出制御基板240のCPUに入力可能とされている。
【0041】
前記払出制御基板240は電源基板250から供給される電源によって作動する。前記払出制御基板240のCPUは、報知時間設定手段、異常判定手段、異常報知切り替え手段、異常解除手段、異常報知設定手段、期間表示手段の処理を実行する。前記払出制御基板240のROMには制御用のプログラムが記憶されている。前記払出制御基板240のRAMは、種々の入賞口への入賞検出に基づき前記払出装置281により払い出される賞品球の払出個数を、1入賞球の検出に対する払出個数毎に記憶可能となっており、また、異常判定手段によって異常が発生したと判定された異常の情報と異常数を記憶する異常数記憶手段にも相当する。
【0042】
電源基板250は、遊技機1の外部より供給される主電源から遊技機1に適する所要の電源(所定電圧の遊技機用電源)を生成して主制御基板200や表示制御基板210、ランプ制御基板205、音声制御基板220、払出制御基板240等に供給する。前記主電源は、遊技店側で所要の電圧、本実施例では直流(AC)24Vに変換されて供給される。
【0043】
前記電源基板250は、AC24Vの主電源を受電回路で受電し、各制御基板等に必要な電源を電源回路で生成する。また、前記受電回路には、遊技機の電源スイッチ(図2に示す符号272)が接続され、前記電源スイッチ272の操作により、遊技機1の電源ON・OFFが可能になっている。
【0044】
前記払出装置281は、払出モータの駆動によって回転する払出スクリューを備え、前記球誘導樋291から誘導されてきて払出装置281に至った遊技球を払出スクリューの羽根部分に乗せて払出スクリューが回転することにより徐々に下方へ移動させて遊技球の払い出し行うように構成されている。前記球誘導樋291と払出装置281の間における遊技球の流路に遊技球の存否を検出する前記球無しセンサ283が設けられている。前記球無し検出センサ283は、本発明における状態検知手段の一つに相当する。前記払出装置281の球出口には、前記払出装置281から払い出された遊技球を検出する払出センサ282が設けられている。なお、本実施例では前記払出装置281に遊技球の払出流路が2本設けられ、各払出流路にそれぞれ払出センサ282が設けられている。また、前記払出センサ282は本発明における状態検知手段の一つに相当する。
【0045】
前記異常解除スイッチ275は、本発明における異常を解除するために操作可能な解除操作部に相当し、本実施例では押しボタン式のスイッチで構成され、前記払出制御基板240に設けられている。前記期間表示装置277は、本発明において予め設定された所定期間が経過することを視認できる期間表示器に相当し、液晶または7セグメント表示装置等からなり、本実施例では7セグメントLEDで構成され、前記払出制御基板に設けられている。前記期間表示装置277で表示される所定期間は、前記異常解除スイッチ275の操作を有効とする期間である。前記異常表示装置279は、本発明における異常報知手段に相当し、液晶または7セグメント表示装置等からなり、本実施例では7セグメントLEDで構成され、前記払出制御基板240に設けられている。前記異常表示装置279は、本発明において複数の遊技構成部の個々に対する状態を検知するために設けられた状態検知手段による検知結果が異常と判定された内容を報知する。
【0046】
図4に、7セグメントLEDからなる前記異常表示装置279に表示される表示データと、表示データによって表される異常の内容を示す。表示データは[1]〜[7]で構成され、[1]は払出センサ異常、[2]は払出不足異常、[3]は払出過剰異常、[4]は下皿満杯異常、「5」は球無し異常、[6]は主制御基板通信異常、「7」はカードユニット未接続異常を表す。前記払出センサ異常は、前記払出装置281に設けられている払出センサ282の異常であり、前記払出不足異常は、前記払出装置281により払い出される遊技球の個数が不足する異常であり、前記払出過剰異常は、前記払出装置281により払い出される遊技球の個数が多すぎる異常であり、前記下皿満杯異常は、前記下側球受け皿37に溜まった遊技球が満杯となる異常であり、前記球無し異常は、前記払出装置281へ供給される遊技球が無いことによる異常であり、前記主制御基板通信異常は、前記主制御基板200から送信されて前記払出制御基板240で受信した球払出信号が、定義されている球払出信号ではないことによる異常であり、前記カードユニット未接続異常は、前記カードユニットが遊技機本体(遊技機1)に未接続の場合の異常である。また、複数の異常があると判定された場合には、前記異常表示装置279に表示される表示データが順に切り替えられて表示される。例えば、払出センサ異常とカードユニット未接続異常の2種類の異常がある場合、前記異常表示装置279は[1]を所定の表示時間表示した後、[7]に切り替えて所定の表示時間表示する。なお、前記異常表示装置279における表示時間は本発明における報知時間に相当する。
【0047】
また、複数の異常が発生していると判定された場合に前記異常表示装置279で前記表示データを表示する表示時間は、表示数と表示カウンタの組み合わせによって図5のように設定されている。表示数は、後述の異常表示データ準備処理(S140)で登録された表示数(異常の数)であり、表示カウンタは図5のタイマ値を優先順に切り替えるために後述の異常表示処理(S150)で加算・減算される値であり、表示内容の表示順序(報知順)を兼ねている。また、タイマ値(s)は1つの異常内容に対する表示時間(秒)である。例えば、図5において、表示数(異常数)が1の場合は、表示カウンタの値は1しかなく、タイマ値(表示時間)が10秒に設定される。また、図5において、例えば表示数(異常数)が3の場合、表示カウンタ1にはタイマ値(表示時間)が10秒に設定され、表示カウンタ2にはタイマ値(表示時間)が6秒に設定され、表示カウンタ3にはタイマ値(表示時間)が4秒に設定される。なお、前記異常解除スイッチ(解除操作部)275の操作を有効とする前記所定期間は、前記表示時間(報知時間)を含むように設定されている。
【0048】
また、本実施例では任意解除異常同士は複数同時に表示しないように構成されており、発生している異常が複数の場合には、図6のように前記異常表示装置279に表示される表示データを[1.]のように数字の後にドットを付けたり、表示データを点滅させたり(図示せず)、あるいは異常が1つの場合とは異なる色で表示データを表示したり(図示せず)して、異常が複数発生していることを示してもよい。このようにすれば、複数の異常が発生していることを明確に報知することができ、一部の異常について解除を忘れることを防ぐことができる。
【0049】
前記異常表示装置279で報知(表示)される異常には、前記異常解除スイッチ(解除操作部)275が所定期間の間に操作されたことを起因に解除可能な任意解除異常と、前記異常解除スイッチ(解除操作部)275を操作することなく解除可能な自動解除異常とがある。例えば、本実施例では、前記払出センサ異常、前記払出不足異常、前記払出過剰異常は任意解除異常であり、一方、前記下皿満杯異常、球無し異常、主制御基板通信異常、カードユニット未接続異常は自動解除異常に設定されている。前記任意解除異常は、払出センサの交換、或いはセンサ部分の埃を除去等の異常の内容に応じた処置を係員が行った後、所定期間内に前記異常解除スイッチ(解除操作部)275を操作することにより、払い出しの異常に関する記憶がリセットされ、対応する異常の内容の報知を解除することができるため、係員は前記任意解除異常が同じ遊技台で複数回発生した場合に、遊技機に対する不正行為、或いは遊技機に故障が発生したことを把握することができる。また払い出しの異常に関する記憶以降に払い出しに関する記憶があれば払出動作を開始する。一方、前記自動解除異常における下皿満杯異常は、前記下側球受け皿37に溜まっている遊技球が取り出されることにより自動的に解除され、前記球無し異常は、前記遊技機1に遊技球が供給されることにより自動的に解除され、前記主制御基板通信異常は、定義されている球払出信号を前記払出制御基板240が主制御基板200から受信することにより自動的に解除され、前記カードユニット未接続異常は前記カードユニット56が前記遊技機1に接続されることにより自動的に解除される。
【0050】
前記異常表示装置279で報知される異常を、任意解除異常と自動解除異常に分けた理由は、払出センサの異常や払出過剰異常は不正行為による可能性があるため係員は状況を常に把握しておきたいが、それらの異常を自動解除とした場合、不正の発見が遅れてしまう虞がある。又、払出不足異常は遊技者に直接損害が生じてしまうため、係員は遊技球が正常に払い出されたか否かを把握しておく必要がある。しかしながら全ての異常を任意解除にすると、解除する係員の負担が増えると共に、遊技機の異常解除作業のために遊技を一旦遮られることで遊技者に余計なストレスを与えてしまう虞がある。そのため、自動解除しても係員や遊技者に損害が生じない異常に対してのみ自動解除異常に設定している。
【0051】
前記遊技機1の遊技及び異常発生時の報知を説明する。前記遊技機1では、遊技領域6へ向けて発射装置64により発射された遊技球が、前記種々の入賞口に入賞すると入賞口に応じた所定数の遊技球が賞球として前記払出装置281から上側球受け皿36に払い出される。また、前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過すると、普通図柄当たり判定用乱数が取得され、その取得乱数値に基づいて普通図柄当たりの判定が行われると共に、前記普通図柄表示部50で普通図柄が変動を開始し、所定時間変動後に停止する。その際、普通図柄当たりの判定結果が当たりの場合には、当たり普通図柄、この例では『1』で停止し、前記下側始動入賞口42の2つの可動片42a,42bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で入賞困難な閉状態(通常状態)から略V字形(逆ハの字形)の入賞可能な開状態に変化する。前記下側始動入賞口42に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。
【0052】
また、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42に遊技球が入賞すると、大当たり判定用乱数、大当たり図柄用乱数、外れ図柄用乱数等が取得され、取得された大当たり判定用乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われ、前記表示装置10の特別図柄表示部11で特別図柄の変動表示が開始し、所定時間変動後に停止する。
【0053】
大当たりの当否判定結果が当たりの場合には、大当たり図柄用乱数に基づいて前記特別図柄表示部11に左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が大当たり図柄組み合わせ(本実施例ではぞろ目)で停止し、大当たり遊技(特別遊技)に移行する。大当たり遊技状態になると、前記大入賞口45の開閉板46が開いて遊技領域6の表面を落下してくる遊技球を受け止め易くして、大入賞口45へ入賞可能にし、該大入賞口45への入賞があると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。前記開閉板46は、所定時間(例えば15秒)経過後、或いは入賞球数が所定個数(例えば10個)となった時点で閉じるようにされ、15ラウンド、前記開閉板46の開閉を繰り返す。
【0054】
また、前記遊技機1では、異常判定手段によって異常があると判定されると、前記異常表示装置279に表示データ[1]〜[7]の何れかが表示され、表示データの数字によって異常が報知される。また、前記異常表示装置279で表示された表示データによって表される異常が任意解除異常の場合には、前記異常表示装置279で報知(表示)された異常の内容に応じた処置を行い、前記期間表示装置277で表示される所定期間が経過するまでに前記異常解除スイッチ(解除操作部)275を操作(本実施例では押下)することにより、対応する異常の内容の報知を解除することができる。一方、前記所定期間が経過した後に前記異常解除スイッチ(解除操作部)275を操作した場合には、報知していた内容に対応する異常解除の操作が無効とされ、対応する異常の内容の報知が解除されない。それに対して、前記異常表示装置279で表示された表示データが表す異常が自動解除異常の場合、例えば下皿満杯異常の場合には下側球受け皿37に溜まっている遊技球を取り出すことにより異常状態の原因が無くなり、自動的に異常の報知も解除され、またその他の自動解除異常の場合においても異常の原因が無くなることにより自動的に異常の内容の報知が解除される。
【0055】
次に、前記遊技機1の制御処理に関して異常に関する制御を主に説明する。前記主制御基板200は、前記ROMに記憶されている制御用プログラムに従い前記マイクロコンピュータのCPUにより制御処理を行う。図7は前記主制御基板200が行う入賞に関する処理(S10)のフローチャートである。入賞に関する処理(S10)では、まず、各種の入賞口への入賞が検出されたか確認される(S11)。各種の入賞口としては、前記左袖第1入賞口51、左袖第2入賞口52、左落とし入賞口53、右落とし入賞口54、上側始動入賞口41、下側始動入賞口42、大入賞口45がある。何れの入賞口についても入賞が検出されない場合には、この入賞に関する処理(S10)が終了する。一方、何れかの入賞口への入賞が検出されると、前記払出制御基板240に球払出信号が送信され(S12)、その後にこの入賞に関する処理(S10)が終了する。
【0056】
前記払出制御基板240では、図8のフローチャートに示す払出制御基板処理(S100)が行われる。
払出制御基板処理(S100)では、コマンド受信処理(S110)、球払出処理(S120)、異常状態設定処理(S130)、異常表示データ準備処理(S140)、異常表示処理(S150)、異常報知解除処理(S160)がこの順に行われる。
【0057】
コマンド受信処理(S110)では、前記主制御基板200から送信された入賞に関する球払出信号の受信処理が行われ、受信した球払出信号の状態が検知され、異常が検知された場合には主制御基板通信異常状態と判定し、主制御基板通信異常フラグが設定される。具体的には、図9のフローに示すように、まず、主制御基板200から球払出信号を受信したか否か確認され(S110−1)、球払出信号を受信していない場合には、このコマンド受信処理(S110)が終了する。一方、球払出信号を受信している場合には、受信した球払出信号が未定義の信号か否か確認される(S110−2)。未定義の信号は、入賞に対して予め設定されている球払出信号とは異なる異常な信号である。前記S110−2の処理は、前記球払出信号を送信した主制御基板200との通信状態を検知するための状態検知手段に相当する。S110−2において未定義の信号(異常な球払出信号)を検知した場合には、未定義の信号を送信した主制御基板200の通信状態に異常が発生している主制御基板通信異常状態と判定し、主制御基板通信異常フラグが設定(F6が1にセット)され(S110−3)、その後にこのコマンド受信処理(S110)が終了する。それに対して受信した球払出信号が定義されている信号(正常な信号)であると前記S110−2で判断された場合には、主制御基板通信異常フラグが解除(F6が0にセット)され(S110−4)、入賞に応じた払出球数が加算され(S110−5)、その後にこのコマンド受信処理(S110)が終了する。S110−2〜S110−4は異常判定手段の一つとされる。
【0058】
なお、本実施例では、前記主制御基板通信異常は自動解除異常に設定されているため、主制御基板通信異常状態(F6が1にセットされた状態)時に、新たに正常な球払出信号(定義されている球払出信号)を払出制御基板240で受信することにより、前記コマンド受信処理におけるS110−4で自動的に主制御基板通信異常フラグが解除(F6が0にセット)されるように構成されている。
【0059】
球払出処理(S120)では、前記払出球数が有る場合(払出球数が0より大の場合)に、前記払出装置281により遊技球を払い出す処理が行われ、また遊技球の払出に関する状態が検出され、検出状態に応じて払出過剰状態や払出不足状態と判定され、対応する異常フラグが設定される。具体的には、図10のフローに示すように、まず、払出球数が有る(払出球数が0より大)か確認され(S120−1)、払出球数が有る場合には、前記払出装置281の払い出しに関して設定されている異常のうち少なくとも1つに異常が発生しているか、あるいは何れの異常も発生していないか確認される(S120−2)。本実施例において払い出しに関して設定されている異常は、払出センサ異常(F1=1)、払出不足異常(払出不足フラグF2=1)、払出過剰異常(払出過剰フラグF3=1)、下皿満杯異常(下皿満杯フラグF4=1)、球無し異常(球無しフラグF5=1)である。
【0060】
前記払い出しに関して少なくとも1つに異常が発生している(F1〜F5≠0)場合には、前記払出装置281が停止状態とされ(S120−3)、この球払出処理(S120)が終了する。
一方、前記払い出しに関して何れの異常も発生していない場合(F1〜F5=0の場合)には、正常と判断され、前記払出装置281の駆動が行われ(S120−4)、次に前記払出センサ282で通過遊技球を検出したか確認され(S120−5)、遊技球の通過が検出された場合には正常と判断し、通過遊技球分だけ払出球数から減算し(S120−6)、その後にこの球払出処理(S120)が終了する。それに対し、前記払出センサ282で通過遊技球を検出しなかった場合には、払い出されるべき遊技球が払い出されていないこととなり、払出不足状態と判断されると共に払出不足フラグが設定(F2=1)され(S120−7)、その後にこの球払出処理(S120)が終了する。S120−5、S120−7は、異常判定手段の一つである。
【0061】
S120−1で払出球数がないと判断された場合(払出球数が0の場合)には、前記払出装置281が停止状態とされ(S120−8)、その状態において前記払出センサ282が通過遊技球を検出したか確認される(S120−9)。通過遊技球を検出しなかった場合には正常と判断され、この球払出処理(S120)が終了する。一方、遊技球の通過が検出された場合には、前記払出装置281が駆動していない状況で遊技球が余分に払い出されたことになるため、払出過剰状態と判断され、過剰払出フラグが設定(F3=1)され(S120−10)、その後にこの球払出処理(S120)が終了する。S120−9、S120−10は、異常判定手段の一つである。
【0062】
なお、前記払出不足状態の判断は、前記払出装置281を指定回数(例えば3回)駆動させても前記払出センサ282で通過遊技球を検出できなかった場合に払出不足状態と判断するように構成してもよい。
【0063】
異常状態設定処理(S130)では、前記主制御基板200及び前記払い出しに関する構成部を含む遊技機構成部に生じる異常を検出し、対応する異常フラグを設定する処理が行われる。具体的には、図11のフローに示すように、払出センサ異常状態設定処理(S130−1)、下皿満杯状態設定処理(S130−2)、球無し状態設定処理(S130−3)、カードユニット未接続状態設定処理(S130−4)が順に行われる。
【0064】
払出センサ異常状態設定処理(S130−1)では、図12に示すように、前記払出センサ282の通信状態が一定時間以上ON(遊技球検出状態)か確認され(S130−1−1)、前記払出センサ282の通信状態が一定時間以上ON(遊技球検出状態)の場合には払出センサ異常状態と判断されて払出センサ異常フラグが設定(F1が1にセット)され(S130−1−2)、その後にこの払出センサ異常状態設定処理(S130−1)が終了する。一方、前記S130−1−1でNOと判断されると、この払出センサ異常状態設定処理(S130−1)が終了する。S130−1−1、S130−1−2は、異常判定手段の一つである。
【0065】
下皿満杯状態設定処理(S130−2)では、図13に示すように、まず下皿満杯フラグF4が0か否か確認される(S130−2−1)。下皿満杯フラグF4が0の場合、前記下皿満杯センサ280が所定時間ON(満杯検出状態)か確認され(S130−2−2)、ONの場合には「下皿満杯状態」と判断され、下皿満杯フラグが設定(F4が1にセット)され(S130−2−3)、この下皿満杯状態設定処理(S130−2)が終了する。それに対して、S130−2−2でNOと判断されると、この下皿満杯状態設定処理(S130−2)が終了する。S130−2−2、S130−2−3は、異常判定手段の一つである。
【0066】
一方、S130−2−1でF4が0ではないと判断されると、次に前記下皿満杯センサ280が所定時間OFF(満杯非検出状態)か確認され(S130−2−4)、所定時間OFFの場合には下皿満杯状態が解除されていると判断され、下皿満杯フラグが解除(F4が0にセット)され(S130−2−5)、この下皿満杯状態設定処理(S130−2)が終了する。それに対して、S130−2−4でNOと判断されると、この下皿満杯状態設定処理(S130−2)が終了する。S130−2−4、S130−2−5は、異常判定手段の一つである。なお、本実施例では、下皿満杯異常は自動解除異常に設定されているため、下皿満杯状態が解消されると自動的に下皿満杯フラグが解除(F4が0にセット)されるように構成されている。
【0067】
球無し状態設定処理(S130−3)では、図14に示すように、まず球無しフラグF5が0か否か確認される(S130−3−1)。球無しフラグF5が0の場合、前記球無し検出センサ283が所定時間OFF(遊技球の非検出状態)か確認され(S130−3−2)、OFFの場合には球無し状態と判断され、球無しフラグが設定(F5が1にセット)され(S130−3−3)、この球無し状態設定処理(S130−3)が終了する。それに対して、S130−3−2でNOと判断されると、この球無し状態設定処理(S130−3)が終了する。S130−3−2、S130−3−3は、異常判定手段の一つである。
【0068】
一方、S130−3−1でF5が0ではないと判断されると、次に前記球無し検出センサが所定時間ON(遊技球検出状態)か確認され(S130−3−4)、所定時間ONの場合には球無し状態が解除されていると判断され、球無しフラグが解除(F5が0にセット)され(S130−3−5)、この球無し状態設定処理(S130−3)が終了する。それに対して、S130−3−4でNOと判断されると、この球無し状態設定処理(S130−3)が終了する。S130−3−4、S130−3−5は、異常判定手段の一つである。なお、本実施例では、球無し異常は自動解除異常に設定されているため、球無し状態が解消されると自動的に球無しフラグが解除(F5が0にセット)されるように構成されている。
【0069】
カードユニット未接続状態設定処理(S130−4)では、図15に示すように、前記カードユニット56と遊技機本体(遊技機1)との通信状態がOFFか判断され(S130−4−1)、OFFの場合にはカードユニット未接続状態と判断され、カードユニット未接続フラグが設定(F7が1にセット)され(S130−4−2)、このカードユニット未接続状態設定処理(S130−4)が終了する。一方、前記カードユニット56と遊技機本体(遊技機1)との通信状態がOFFではない場合には、カードユニット未接続フラグが解除(F7が0にセット)され(S130−4−3)、このカードユニット未接続状態設定処理(S130−4)が終了する。カードユニット未接続状態設定処理は状態検知手段の一つであり、また、S130−4−1〜S130−4−3は、異常判定手段の一つである。なお、本実施例では、カードユニット未接続異常は自動解除異常に設定されているため、カードユニット56が遊技機本体(遊技機1)と電気的に接続されると、自動的にカードユニット未接続フラグが解除(F7が0にセット)されるように構成されている。
【0070】
異常表示データ準備処理(S140)では、前記払出制御基板240の各々の処理で検出された異常を前記異常表示装置279で表示(報知)するための準備が行われる。具体的には、図16及び図17に示すように、まず、エラー数(発生している異常数)をカウントしている表示数が一旦0にクリアされる(S140−1)。次に、前記払出センサ異常状態が検出されたか(F1=1?)確認され(S140−2)、払出センサ異常状態が検出されている場合(F1=1の場合)には払出センサ異常に対応した表示データ[1]が払出制御基板240のRAMに登録(記憶)され、表示数(異常数)に1加算され(S140−3)、その後に払出不足状態が検出された(F2=1)か確認される(S140−4)。一方、前記S140−2で払出センサ異常状態が検出されていない(F1=0)と判断された場合には、次に払出不足状態が検出された(F2=1)か確認される(S140−4)。
【0071】
S140−4で、払出不足状態が検出されていると判断された場合(F2=1の場合)には払出不足状態に対応した表示データ[2]が払出制御基板240のRAMに登録され、表示数(異常数)に1加算され(S140−5)、その後に払出過剰状態が検出された(F3=1)か確認される(S140−6)。一方、前記S140−4で「払出不足状態」が検出されていない(F2=0)と判断された場合には、次に払出過剰状態が検出された(F3=1)か確認される(S140−6)。
【0072】
S140−6で、払出過剰状態が検出されていると判断された場合(F3=1の場合)には払出過剰状態に対応した表示データ[3]が払出制御基板240のRAMに登録され、表示数(異常数)に1加算され(S140−7)、その後に下皿満杯状態が検出された(F4=1)か確認される(S140−8)。一方、前記S140−6で払出過剰状態が検出されていない(F3=0)と判断された場合には、次に下皿満杯状態が検出された(F4=1)か確認される(S140−8)。
【0073】
S140−8で、下皿満杯状態が検出されていると判断された場合(F4=1の場合)には下皿満杯状態に対応した表示データ[4]が払出制御基板240のRAMに登録されれ、表示数(異常数)に1加算され(S140−9)、その後に球無し状態が検出された(F5=1)か確認される(S140−10)。一方、前記S140−8で下皿満杯状態が検出されていない(F4=0)と判断された場合には、次に球無し状態が検出された(F5=1)か確認される(S140−10)。
【0074】
S140−10で、球無し状態が検出されていると判断された場合(F5=1の場合)には球無し状態に対応した表示データ[5]が払出制御基板240のRAMに登録され、表示数(異常数)に1加算され(S140−11)、その後に主制御基板通信異常状態が検出された(F6=1)か確認される(S140−12)。一方、前記S140−10で球無し状態が検出されていない(F5=0)と判断された場合には、次に主制御基板通信異常状態が検出された(F6=1)か確認される(S140−12)。
【0075】
S140−12で、主制御基板通信異常状態が検出されていると判断された場合(F6=1の場合)には主制御基板通信異常状態に対応した表示データ[6]が払出制御基板240のRAMに登録され、表示数(異常数)に1加算され(S140−13)、その後にカードユニット未接続状態が検出された(F7=1)か確認される(S140−14)。一方、前記S140−12で主制御基板通信異常状態が検出されていない(F6=0)と判断された場合には、次にカードユニット未接続状態が検出された(H7=1)か確認される(S140−14)。
【0076】
S140−14で、カードユニット未接続状態が検出されていると判断された場合(F7=1の場合)にはカードユニット未接続状態に対応した表示データ[7]が払出制御基板240のRAMに登録され、表示数(異常数)に1加算され(S140−15)、その後にこの異常表示データ準備処理(S140)が終了する。一方、前記S140−14でカードユニット未接続状態が検出されていない(F7=0)と判断された場合には、この異常表示データ準備処理(S140)が終了する。
【0077】
異常表示処理(S150)では、前記異常表示データ準備処理(S140)で準備された表示データを前記異常表示装置279で所定時間ごとに切り替えて表示する処理及び報知時間設定手段の処理が行われる。具体的には図18に示すように、まず、前記異常表示データ準備処理(S140)で加算された表示数(異常数)が0か確認される(S150−1)。表示数が0の場合、すなわち発生している異常数(異常報知する異常数)が0の場合には、払出制御基板240のRAMに登録されている異常表示情報がクリアされ(S150−13)、異常が発生していないことを示す表示データ[0]を前記異常表示装置279で表示(報知)し(S150−14)、この異常表示処理(S150)を終了する。なお、「異常表示情報」とは、前記「表示数」と「表示データ」と「表示カウンタ」とを示す。
【0078】
前記S150−1で表示数(異常数)が0ではないと判断された場合、前回払出制御基板240のRAMに記憶された異常表示情報と今回の異常表示情報が比較され(S150−2)、異常表示情報に変化があったか確認される(S150−3)。異常表示情報の変化の例として、異常解除により表示数(異常数)が2から1に減少したり、表示データが[1]と[2]から[2]に減少する例、あるいは加算処理により表示カウンタが1から2に増加したりする例などを挙げることができる。S150−3で異常表示情報に変化があったと判断された場合、変化のあった異常表示情報に更新されて前記払出制御基板240のRAMに記憶され(S150−11)、表示カウンタがクリアされ(S150−12)、異常に対応した表示データを切り替えて表示(報知)するための起因となる表示タイマに、図5に示した表示カウンタに対応したタイマ値が設定され(S150−8)、前記異常表示装置279に表示カウンタに対応した表示データが表示されると共に現在の表示タイマの値が前記期間表示装置277で表示され(S150−9)、この異常表示処理(S150)を終了する。前記表示タイマは本実施例では、本発明における報知時間を含む所定期間に相当する。なお、前記異常表示情報は、後述の異常表示解除処理(S160)により解除された異常と、まだ解除されていない異常と新たに生じる異常とを正確に表示するために必要なものであり、表示数と表示データと表示カウンタを前回のものと比較し、何れかに変化が有る度にその時の表示数と表示データと表示カウンタを記憶することで確実に現在の状況を表示することが可能となっている。
【0079】
S150−3で異常表示情報に変化が無いと判断されると、次に表示タイマのタイマ値が0か確認される(S150−4)。表示タイマのタイマ値が0ではない場合、表示タイマのタイマ値が減算され(S150−10)、前記異常表示装置279に表示カウンタに対応した表示データを表示し(S150−9)、この異常表示処理(S150)を終了する。
【0080】
S150−4で表示タイマのタイマ値が0と判断された場合は、表示カウンタに1加算され、次の異常に切り替えられ(S150−5)、その後に表示カウンタが表示数(異常数)より多いか確認される(S150−6)。表示カウンタが表示数(異常数)より多い場合には、異常数分の異常を報知したので、一旦元に戻すために表示カウンタが先頭に設定され(S150−7)、表示タイマに表示カウンタに対応したタイマ値が設定され(S150−8)、前記異常表示装置279に表示カウンタに対応した表示データを表示し(S150−9)、この異常表示処理(S150)を終了する。一方、S150−6で表示カウンタが表示数より多くないと判断された場合には、次の異常を報知するために表示タイマに表示カウンタに対応したタイマ値が設定され(S150−8)、前記異常表示装置279に表示カウンタに対応した表示データを表示し(S150−9)、この異常表示処理(S150)を終了する。なお、前記異常表示処理(S150)は、本発明における報知時間設定手段、異常報知切り替え手段及び異常報知設定手段、期間表示手段にも相当する。
【0081】
異常報知解除処理(S160)では、任意解除異常について、異常表示中(異常報知中)の異常1件のみを前記異常解除スイッチ275の所定期間中の押下によって表示(報知)を解除する。具体的には、図19に示すように、前記異常解除スイッチ275が押下されたか確認され(S160−1)、前記異常解除スイッチ275が押下されていない場合には、この異常報知解除処理(S160)が終了する。一方、前記異常解除スイッチ275が押下された場合には、前記異常表示装置279に表示データ[1]を表示中か(S160−2)、表示データ[2]を表示中か(S160−3)、表示データ[3]を表示中か(S160−4)確認される。表示データ[1]を表示中の場合には払出センサ異常状態が解除(払出センサ異常フラグF1が0にセット)され(S160−5)、表示データ[2]を表示中の場合には払出不足状態が解除(払出不足フラグF2が0にセット)され(S160−6)、表示データ[3]を表示中の場合には払出過剰状態が解除(払出過剰フラグF3が0にセット)され(S160−7)、その後にこの異常報知解除処理(S160)が終了する。なお、前記異常解除スイッチ275が押下された場合において、前記異常表示装置279で対応する表示データの表示が終了している場合(すなわち本実施例では所定期間が経過している場合)、あるいは表示データ[1]〜[3]の何れも表示されていない場合には、前記異常解除スイッチ275の押下は無効となり、そのままこの異常表示解除処理(S160)が終了する。そして全ての異常が解除されることで、停止していた払出装置を駆動させることが可能になる。また、任意解除異常の解除とは、個々の異常によって発生した払出装置の停止条件を解除するもので、例えば払出装置を交換したり誤操作と判断した場合に払い出しの異常に関する記憶を初期化する役割を果たす場合に使用することができる。前記異常報知解除処理(S160)は、異常解除手段に相当する。
【0082】
このように、本実施例の遊技機においては、複数の異常が発生した場合に、設定された時間の経過ごとに異常の内容が切り替えられて報知されるため、発生している複数の異常の内容を容易に把握することが可能となる。また、切り替えられて報知される複数の異常を個々に解除することができるため、解除する異常を任意に選択することができ、異常の発生状況を個々に把握することが可能である。
【0083】
なお、本発明は、実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、異常表示装置は遊技機の背面側に設けたが、遊技者が視認可能な遊技機の前面側に設けてもよい。また、例えば振動センサや磁気センサを設けて、振動や磁気の異常検知などの実施例以外の異常を含むようにしてもよい。さらに、解除操作部が操作可能な所定期間は、異常報知時間より長い期間を有効としてもよい。その際は表示切替をする時に何も表示していないブランク期間を設けて、ブランク期間内の所定期間も有効にすることで、報知後など、多少操作が遅れたりした場合でも解除することができる。また本実施例においては、主制御基板から払出制御基板への一方向通信で構成されているが、主制御基板と払出制御基板との双方向通信で構成したりして、他の基板等で異常報知や解除を行ってもよい。また本発明は、パチンコ遊技機に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0084】
1 遊技機
2 遊技盤
10 表示装置
11 特別図柄表示部
50 普通図柄表示部
64 発射装置
275 異常解除スイッチ
279 異常表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の異常が発生していることを報知可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機等においては、複数の異常が同時に発生している場合に、発生している全ての異常を1つの異常表示器で順次表示する異常表示手段を備えた遊技機があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の異常表示手段を有する遊技機においては、異常表示手段で表示された異常を遊技機が自動的に解除するように構成されているため、発生した異常の中には係員が発生状況を把握しておきたい異常があるにも関わらず、個々に異常を解除する手段が無く、異常の発生状況を把握することが困難な場合があった。
【0005】
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであって、複数の異常が発生した場合に、複数の異常を個々に解除することができ、それぞれに異常の発生状況を把握することが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、複数の遊技構成部の個々に対する状態を検知するための状態検知手段と、前記状態検知手段による状態検知結果に基づいて前記複数の遊技構成部のうち少なくとも1つに異常が発生したかを判定する異常判定手段と、異常が発生したと前記異常判定手段により判定された場合に、異常が発生したと判定された異常の内容を認識可能に報知する異常報知手段と、を備えた遊技機において、前記異常報知手段は、発生した異常の発生状態に応じて異常報知の報知時間を設定する報知時間設定手段と、前記異常判定手段により複数の異常が発生したと判定された場合に、前記報知時間設定手段によって設定された報知時間が経過した後に異常報知の内容を切り替えて報知する異常報知切り替え手段とを備え、前記異常報知手段により報知された異常報知に対応した異常を解除するために操作可能な解除操作部を備え、複数の異常が発生したと前記異常判定手段によって判定され、前記異常報知切り替え手段により異常報知の内容が切り替えられて報知された場合に、異常報知中の前記報知時間を含む所定期間内での前記解除操作部の操作を起因に、前記異常報知に対応した内容の異常のみを解除する異常解除手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、前記異常解除手段は、前記所定期間外での前記解除操作部による操作を無効にすることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記異常判定手段によって異常が発生したと判定された異常の情報と異常数を記憶する異常数記憶手段を備え、前記異常数記憶手段の記憶内容に基づいて、前記異常の報知順あるいは前記報知時間の少なくとも一方を設定する異常報知設定手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1から3の何れか一項において、前記異常報知手段は、予め設定された前記所定期間が経過することを視認できる期間表示器と、予め設定された前記所定期間を前記期間表示器に表示する期間表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1から4の何れか一項において、前記異常判定手段によって判定される異常には、前記異常解除手段によって解除可能な任意解除異常と、前記異常解除手段によることなく自動的に解除される自動解除異常とがあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、異常報知手段は、発生した異常の発生状態に応じて異常報知の報知時間を設定する報知時間設定手段と、異常判定手段により複数の異常が発生したと判定された場合に、報知時間設定手段によって設定された報知時間が経過した後に異常報知の内容を切り替えて報知する異常報知切り替え手段とを備えることにより、複数の異常が発生した場合に、設定された時間の経過ごとに異常の内容が切り替えられて報知されるため、発生している複数の異常の内容を容易に把握することが可能となる。
【0012】
また、請求項1の発明によれば、異常報知手段により報知された異常報知に対応した異常を解除するために操作可能な解除操作部を備え、複数の異常が発生したと異常判定手段によって判定され、異常報知切り替え手段により異常報知の内容が切り替えられて報知された場合に、異常報知中の報知時間を含む所定期間内での解除操作部の操作を起因に、異常報知に対応した内容の異常のみを解除する異常解除手段を備えたことにより、切り替えられて報知される複数の異常を個々に解除することができるため、解除する異常を任意に選択することができ、異常の発生状況を個々に把握することが可能である。
【0013】
請求項2の発明によれば、異常解除手段は、所定期間外での前記解除操作部による操作を無効にするため、誤った操作による異常解除を低減させることが可能である。
【0014】
請求項3の発明によれば、異常判定手段によって異常が発生したと判定された異常の情報と異常数を記憶する異常数記憶手段を備え、異常数記憶手段の記憶内容に基づいて、異常の報知順あるいは報知時間の少なくとも一方を設定する異常報知設定手段を備えたことにより、不定期に発生する異常の全てに対して報知順あるいは報知時間を設定することが可能である。
【0015】
請求項4の発明によれば、異常報知手段は、予め設定された所定期間が経過することを視認できる期間表示器と、予め設定された所定期間を期間表示器に表示する期間表示手段とを備えたことにより、報知される複数の異常の報知に関して報知が切り替わるタイミングを容易に把握することが可能である。
【0016】
請求項5の発明によれば、異常判定手段によって判定される異常には、異常解除手段によって解除可能な任意解除異常と、異常解除手段によることなく自動的に解除される自動解除異常とがあるため、遊技機に発生する異常の全てに対して解除操作部を操作して異常を解除する必要がなく、異常解除を行う係員の負担や、異常を解除するために遊技が一旦遮られる遊技者のストレスを軽減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例に係る遊技機の正面図である。
【図2】同遊技機の裏側を示す図である。
【図3】同遊技機の制御基板や装置等の接続を示すブロック図である。
【図4】異常の報知内容と表示データの対応を示す表である。
【図5】表示数と表示カウンタと表示時間の関係を示す表である。
【図6】異常が複数発生している場合の報知態様の一例を示す図である。
【図7】同遊技機における主制御基板が行う入賞に関する処理のフローチャートである。
【図8】同遊技機における払出制御基板が行う払出制御基板処理のフローチャートである。
【図9】コマンド受信処理のフローチャートである。
【図10】払出処理のフローチャートである。
【図11】異常状態設定処理のフローチャートである。
【図12】払出センサ異常状態設定処理のフローチャートである。
【図13】下皿満杯状態設定処理のフローチャートである。
【図14】球無し状態設定処理のフローチャートである。
【図15】カードユニット未接続状態設定処理のフローチャートである。
【図16】異常表示データ準備処理の第1のフローチャートである。
【図17】異常表示データ準備処理の第2のフローチャートである。
【図18】異常表示処理のフローチャートである。
【図19】異常報知解除処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面に基づき本発明の実施形態を説明する。図1に示す遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であって、遊技盤2の縁に外側誘導レール3及び内側誘導レール4が略円形に配置され、前記外側誘導レール3及び内側誘導レール4によって区画された遊技領域6が前記遊技盤2上に設けられている。前記遊技領域6には遊技球を誘導する誘導釘Rが遊技盤2の表面に設けられている。また、遊技機1の前面側には、装飾ランプ等からなるランプ装置35、発射装置へ供給する遊技球と払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿36、該上側球受け皿36の満杯時に遊技球を受けるための下側球受け皿37、効果音等を発するスピーカ38、遊技者の発射操作に応じて遊技球を前記遊技領域6へ向けて弾発発射するための発射装置64、遊技者による操作可能な遊技用操作ボタン67が設けられている。前記下側球受け皿37には遊技球が満杯になった状態を検出する下皿満杯センサ280(図3に示す)が設けられている。前記下皿満杯センサ280は、本発明において複数の遊技構成部の個々に対する状態を検知するための状態検知手段の一つに相当する。図1における符号W1は遊技機の外枠、W2は外枠W1に取り付けられた前枠、Gは前記前枠W2に開閉可能にヒンジで取り付けられたガラス枠である。なお、この遊技機1には遊技機外の装置としてプリペイドカード用のカードユニット56が遊技機1に接続されている。カードユニット56には、遊技機1とは別個に遊技店側から電源が供給されている。以下、遊技機1の主要な部分について説明する。
【0019】
前記遊技領域6には、中心線上の上部から下部に向かって順に表示装置10、上側始動入賞口41、下側始動入賞口42、大入賞口45、アウト口48が配置されている。前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42の左には左袖第1入賞口51と左袖第2入賞口52が配置され、また、大入賞口45の左右には左落とし入賞口53と右落とし入賞口54が配置されている。また、前記表示装置10の左には普通図柄変動開始用ゲート55、その下方には風車76が設けられている。前記上側始動入賞口41、下側始動入賞口42、大入賞口45、左袖第1入賞口51、左袖第2入賞口52、左落とし入賞口53、右落とし入賞口54は、遊技盤2に形成された遊技領域6内を流下する遊技球が入賞(入球)可能な複数の入賞装置に相当する。前記の各入賞口(入賞装置)に遊技球が入賞(入球)して入賞(入球)が検出されると1入賞球の検出に対して所定個数の賞品球(遊技球)が遊技者に払い出される。前記1入賞球の検出に対する賞品球の払出個数は、前記入賞口毎に設定されている。
【0020】
前記表示装置10は、図柄等が表示可能なものであって、液晶,ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の画像表示装置からなる。本実施例では、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成されている。
【0021】
前記表示装置10は、左下部が普通図柄表示部50とされ、他の部分が特別図柄表示部11となっている。前記特別図柄表示部11は、当否判定の結果を表示するための識別情報を変動表示可能な表示手段に相当する。識別情報は、遊技者が識別可能なものであって、本実施例では特別図柄からなる判定図柄で構成されている。前記特別図柄表示部11には、左右に並ぶ左特別図柄(左判定図柄、左識別情報)と中特別図柄(中判定図柄、中識別情報)と右特別図柄(右判定図柄、右識別情報)が、それぞれ変動表示し、所定時間変動表示した後、判定結果に基づき左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が確定停止特別図柄(確定停止判定図柄、確定停止識別情報)として停止表示される。また、前記特別図柄表示部11には、前記特別図柄に加えて背景画像(キャラクター,背景,文字等を含む。)が表示されることもあり、該背景画像が特別図柄の変動開始等の所定条件に起因して変動表示可能となっていてもよい。
【0022】
この実施例において変動および停止表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄は、それぞれ『1,2,3,4,5,6,7,8』の8通りの図柄とされている。本実施例では、遊技の当否判定結果が大当たり(当たり)の場合には、前記特別図柄表示部11に大当たりの特別図柄組合せ、この例では『1,1,1』(いわゆる‘1’のぞろ目)や『2,2,2』(いわゆる‘2’のぞろ目)等、同一数字の組合せで特別図柄が停止表示され、遊技者に有利な特典を付与する大当たり遊技(特別遊技)に移行する。遊技者に有利な特典は、本実施例では、遊技者による遊技球の獲得し易さ増大に設定されている。
【0023】
前記普通図柄表示部50は、記号或いは絵(キャラクター)等の小当たり判定用普通図柄を変動表示及び停止表示する。本実施例における普通図柄表示部50に変動及び停止表示される普通図柄は、『0』と『1』の2種類からなり、小当たり(普通図柄当たり)の場合には小当たり普通図柄『1』で停止表示され、一方、小当たり外れ(普通図柄外れ)の場合には小当たり外れ普通図柄『0』で停止表示される。
【0024】
前記上側始動入賞口41は、上方が開口した形状からなって遊技球が上方から入球(入賞)可能となっている。一方、前記下側始動入賞口42は、2つの可動片42a,42bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で遊技球の入賞(入球)困難な閉状態(通常状態)と略V字形(逆ハの字形)の入賞可能な開状態間を変化可能に制御されている。前記下側始動入賞口42の可動片42a,42b間は入賞(入球)領域に相当する。前記下側始動入賞口42の開状態への移行は、前記普通図柄表示部50で普通図柄が変動した後、小当たりを示す特定の普通図柄(本実施例では『1』)で確定停止表示された時に行われる。
【0025】
また、前記遊技盤2の背面には、前記上側始動入賞口41に入賞(入球)した遊技球を検出する上側始動入賞口検出スイッチ(上側始動入賞口センサ)と、前記下側始動入賞口42へ入賞(入球)した遊技球を検出する下側始動入賞口検出スイッチ(下側始動入賞口センサ)がそれぞれの入賞球用通路に設けられている。本実施例において前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への遊技球の入賞(入球)検出は、乱数値の取得の起因および前記特別図柄(識別情報)の変動表示開始の起因とされ、さらには、遊技者にとって有利となる大当たり状態となるか否かを判定する当否判定手段の判定を行うための判定条件の成立に設定され、前記判定条件の成立に起因して当否判定が行われる。
【0026】
前記普通図柄変動開始用ゲート55は、前記遊技盤2の背面に設けられた普通図柄変動開始スイッチで普通図柄変動開始用ゲート55を通過する遊技球が検出されることに基づいて前記普通図柄表示部50で普通図柄の変動を開始させるようになっている。また、前記左袖第1入賞口51の入賞球を検出する左袖第1入賞口用検出スイッチ、前記左袖第2入賞口52の入賞球を検出する左袖第2入賞口用検出スイッチ、前記左落とし入賞口53及び右落とし入賞口54の入賞球を検出する左落とし入賞口用検出スイッチ及び右落とし入賞口用検出スイッチが、それぞれ対応する遊技盤背面に設けられている。
【0027】
前記大入賞口45は、前記遊技盤2の背面に設けられた大入賞口開放用ソレノイドによって開閉する開閉板46を備えている。この大入賞口45は、通常は開閉板46が閉じた状態とされ、当否判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技(特別遊技)時に所定ラウンドとして本実施例では15ラウンド(15回)開放される。また、前記大入賞口45内には、大入賞口45に入賞した入賞球を検出する入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)が設けられている。
【0028】
なお、前記上側始動入賞口検出スイッチ、下側始動入賞口検出スイッチ、左袖第1入賞口用検出スイッチ、左袖第2入賞口用検出スイッチ、左落とし入賞口用検出スイッチ、右落とし入賞口用検出スイッチ、入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)は、入賞装置に入賞した遊技球を検出する入賞検出手段に相当する。
【0029】
前記発射装置64は、操作レバー65の操作により駆動する発射モータを裏側に有し、該発射モータの駆動により遊技球を弾発発射するようになっている。前記発射装置64により発射された発射球は、前記遊技盤2の表面に立設された内側誘導レール4と外側誘導レール3間で構成される発射球誘導路を介して遊技領域6に誘導される。前記遊技領域6に誘導された遊技球は、転動しつつ下方へ落下し、前記各装置及び各入賞口に入賞するか、或いは何処にも入賞しなければ前記アウト口48から遊技盤2の裏側へ排出される。
【0030】
前記遊技機1の裏側には、図2に示すように、複数の制御基板や装置等が設けられている。制御基板の主なものとして、主制御基板200、ランプ制御基板205、表示制御基板210、音声制御基板220、払出制御基板240、電源基板250、発射制御基板260等がある。符号265は外部端子、271はRAMクリアスイッチ、272は遊技機の電源スイッチ、275は異常解除スイッチ(SW)、277は期間表示装置、279は異常表示装置、281は遊技球の払出装置、283は前記払出装置281へ供給される遊技球が無いことを検出する球無し検出センサ、289は球貯留タンク、291は球誘導樋である。なお各制御基板には制御回路が設けられている。前記RAMクリアスイッチ271は、後述の主制御基板200に設けられているRAMに記憶されている遊技情報を強制的に初期化するための操作スイッチである。以下、主な制御基板と、払出装置281、異常解除スイッチ(SW)275、期間表示装置277、異常表示装置279、球無し検出センサ283等について詳述する。
【0031】
前記の各制御基板は、単独でまたは複数まとめてケースに収納された状態で遊技機1の裏側に配置されている。主な制御基板を、図3のブロック図を用いて簡略に示す。
主制御基板(主制御回路)200は、遊技情報に従って遊技の制御を行う遊技制御装置に相当し、CPU、RAM、ROMおよび複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータを少なくとも備え、遊技情報や入賞検出等の入力信号に従って遊技を制御すると共に、遊技情報を記憶する記憶手段を備えた遊技制御装置であり、ランプ制御基板205、表示制御基板210、払出制御基板240、電源基板250、始動入賞口(上側始動入賞口41、下側始動入賞口42)と接続され、また中継回路を介して大入賞口等と接続されている。前記主制御基板200のCPUは制御プログラムを実行して遊技情報に従って遊技に関わる主制御を行う。前記主制御基板200は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
【0032】
前記主制御基板200におけるCPUは、制御部,演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、乱数値も生成し、また制御信号(コマンドとも称される)を接続されている各基板(各制御装置)等へ出力(送信)可能に構成されている。なお、前記主制御基板200のCPUは、小当たり(普通図柄当たり)の当否判定や、大当たりの当否判定を行う当否判定手段としても機能する。
【0033】
前記主制御基板200から出力される制御信号には制御基板に対する設定や動作を行わせるための指令信号と、遊技状態の情報を少なくとも含む遊技情報の信号とが少なくとも含まれる。前記指令信号としては、前記特別図柄表示部11で特別図柄(識別情報)を変動態様に基づいて変動表示させるための変動コマンド、当否判定結果が大当たりの場合に特別遊技を実行させるための大当たりコマンド、入賞に起因する球払出信号等を挙げることができる。一方、前記遊技情報としては、大当たりの確率(後述の通常状態又は確変状態)、大当たりによって行われる大当たり状態や各種乱数の更新・取得情報等の遊技に関する情報が挙げられる。
【0034】
前記RAMは、遊技情報の記憶手段、主電源からの電源が遮断された際に遊技情報を記憶する記憶手段等に相当する。前記RAMには、遊技情報を記憶する記憶領域、CPUで生成される各種乱数値(数値データ)用の記憶領域、遊技に必要な遊技データ等の各種データ等を一時的に記憶する記憶領域、フラグ及びCPUの作業領域を備える。
【0035】
前記ROMは、前記CPUのための制御プログラムや制御データ、前記特別図柄表示部11での変動表示に関する変動態様や図柄データ等が書き込まれている他、大当たり及び小当たりの判定値等が書き込まれている。また、前記主制御基板200には、大当たり判定用乱数カウンタ、大当たり図柄用乱数カウンタ、外れ図柄用乱数カウンタ、普通図柄当たり判定用乱数カウンタ等が設けられている。
【0036】
ランプ制御基板205は、前記主制御基板200からの制御信号に基づいてランプ装置35の点灯を制御する。前記ランプ制御基板205は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
【0037】
表示制御基板210は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータと、前記主制御基板200を結ぶ入力回路と前記表示装置10を結ぶ出力回路等で構成され、前記表示制御基板200から出力される制御信号(コマンド)に基づき、前記表示装置10に対して表示の制御を行う。前記表示装置10は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
【0038】
前記表示制御基板210のROMには制御用のプログラムが記憶されている。前記表示制御基板210は、前記主制御基板200からの制御信号に基づきCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画像のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて特別図柄表示部11に出力される。
【0039】
音声制御基板220は、前記主制御基板200から出力される信号により音声信号を合成し、アンプに出力する。アンプは音声信号を増幅してスピーカ38に出力する。
【0040】
払出制御基板240は、遊技球の払出を制御する払出制御手段に相当し、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータを有し、本発明における報知時間設定手段、異常判定手段、異常報知切り替え手段、異常解除手段、異常数記憶手段、異常報知設定手段、期間表示手段を有する。前記払出制御基板240は前記主制御基板200と電気的接続手段で接続され、前記主制御基板200から出力される球払出信号等の制御信号を受信して払出装置281を制御する。また、前記払出制御基板240は、前記カードユニット56が通信可能に接続され、貸球購入操作に応じて前記払出装置281を制御する。さらに、前記払出制御基板240は、前記払出装置281に設けられている後述の払出センサ282及び前記球無し検出センサ283と接続され、前記払出センサ282により遊技球の払出状態が検出されて前記払出制御基板240のCPUに入力可能とされ、一方、前記払出装置281へ供給される遊技球の有無状態が、前記球無し検出センサ283により検出されて前記払出制御基板240のCPUに入力可能とされている。
【0041】
前記払出制御基板240は電源基板250から供給される電源によって作動する。前記払出制御基板240のCPUは、報知時間設定手段、異常判定手段、異常報知切り替え手段、異常解除手段、異常報知設定手段、期間表示手段の処理を実行する。前記払出制御基板240のROMには制御用のプログラムが記憶されている。前記払出制御基板240のRAMは、種々の入賞口への入賞検出に基づき前記払出装置281により払い出される賞品球の払出個数を、1入賞球の検出に対する払出個数毎に記憶可能となっており、また、異常判定手段によって異常が発生したと判定された異常の情報と異常数を記憶する異常数記憶手段にも相当する。
【0042】
電源基板250は、遊技機1の外部より供給される主電源から遊技機1に適する所要の電源(所定電圧の遊技機用電源)を生成して主制御基板200や表示制御基板210、ランプ制御基板205、音声制御基板220、払出制御基板240等に供給する。前記主電源は、遊技店側で所要の電圧、本実施例では直流(AC)24Vに変換されて供給される。
【0043】
前記電源基板250は、AC24Vの主電源を受電回路で受電し、各制御基板等に必要な電源を電源回路で生成する。また、前記受電回路には、遊技機の電源スイッチ(図2に示す符号272)が接続され、前記電源スイッチ272の操作により、遊技機1の電源ON・OFFが可能になっている。
【0044】
前記払出装置281は、払出モータの駆動によって回転する払出スクリューを備え、前記球誘導樋291から誘導されてきて払出装置281に至った遊技球を払出スクリューの羽根部分に乗せて払出スクリューが回転することにより徐々に下方へ移動させて遊技球の払い出し行うように構成されている。前記球誘導樋291と払出装置281の間における遊技球の流路に遊技球の存否を検出する前記球無しセンサ283が設けられている。前記球無し検出センサ283は、本発明における状態検知手段の一つに相当する。前記払出装置281の球出口には、前記払出装置281から払い出された遊技球を検出する払出センサ282が設けられている。なお、本実施例では前記払出装置281に遊技球の払出流路が2本設けられ、各払出流路にそれぞれ払出センサ282が設けられている。また、前記払出センサ282は本発明における状態検知手段の一つに相当する。
【0045】
前記異常解除スイッチ275は、本発明における異常を解除するために操作可能な解除操作部に相当し、本実施例では押しボタン式のスイッチで構成され、前記払出制御基板240に設けられている。前記期間表示装置277は、本発明において予め設定された所定期間が経過することを視認できる期間表示器に相当し、液晶または7セグメント表示装置等からなり、本実施例では7セグメントLEDで構成され、前記払出制御基板に設けられている。前記期間表示装置277で表示される所定期間は、前記異常解除スイッチ275の操作を有効とする期間である。前記異常表示装置279は、本発明における異常報知手段に相当し、液晶または7セグメント表示装置等からなり、本実施例では7セグメントLEDで構成され、前記払出制御基板240に設けられている。前記異常表示装置279は、本発明において複数の遊技構成部の個々に対する状態を検知するために設けられた状態検知手段による検知結果が異常と判定された内容を報知する。
【0046】
図4に、7セグメントLEDからなる前記異常表示装置279に表示される表示データと、表示データによって表される異常の内容を示す。表示データは[1]〜[7]で構成され、[1]は払出センサ異常、[2]は払出不足異常、[3]は払出過剰異常、[4]は下皿満杯異常、「5」は球無し異常、[6]は主制御基板通信異常、「7」はカードユニット未接続異常を表す。前記払出センサ異常は、前記払出装置281に設けられている払出センサ282の異常であり、前記払出不足異常は、前記払出装置281により払い出される遊技球の個数が不足する異常であり、前記払出過剰異常は、前記払出装置281により払い出される遊技球の個数が多すぎる異常であり、前記下皿満杯異常は、前記下側球受け皿37に溜まった遊技球が満杯となる異常であり、前記球無し異常は、前記払出装置281へ供給される遊技球が無いことによる異常であり、前記主制御基板通信異常は、前記主制御基板200から送信されて前記払出制御基板240で受信した球払出信号が、定義されている球払出信号ではないことによる異常であり、前記カードユニット未接続異常は、前記カードユニットが遊技機本体(遊技機1)に未接続の場合の異常である。また、複数の異常があると判定された場合には、前記異常表示装置279に表示される表示データが順に切り替えられて表示される。例えば、払出センサ異常とカードユニット未接続異常の2種類の異常がある場合、前記異常表示装置279は[1]を所定の表示時間表示した後、[7]に切り替えて所定の表示時間表示する。なお、前記異常表示装置279における表示時間は本発明における報知時間に相当する。
【0047】
また、複数の異常が発生していると判定された場合に前記異常表示装置279で前記表示データを表示する表示時間は、表示数と表示カウンタの組み合わせによって図5のように設定されている。表示数は、後述の異常表示データ準備処理(S140)で登録された表示数(異常の数)であり、表示カウンタは図5のタイマ値を優先順に切り替えるために後述の異常表示処理(S150)で加算・減算される値であり、表示内容の表示順序(報知順)を兼ねている。また、タイマ値(s)は1つの異常内容に対する表示時間(秒)である。例えば、図5において、表示数(異常数)が1の場合は、表示カウンタの値は1しかなく、タイマ値(表示時間)が10秒に設定される。また、図5において、例えば表示数(異常数)が3の場合、表示カウンタ1にはタイマ値(表示時間)が10秒に設定され、表示カウンタ2にはタイマ値(表示時間)が6秒に設定され、表示カウンタ3にはタイマ値(表示時間)が4秒に設定される。なお、前記異常解除スイッチ(解除操作部)275の操作を有効とする前記所定期間は、前記表示時間(報知時間)を含むように設定されている。
【0048】
また、本実施例では任意解除異常同士は複数同時に表示しないように構成されており、発生している異常が複数の場合には、図6のように前記異常表示装置279に表示される表示データを[1.]のように数字の後にドットを付けたり、表示データを点滅させたり(図示せず)、あるいは異常が1つの場合とは異なる色で表示データを表示したり(図示せず)して、異常が複数発生していることを示してもよい。このようにすれば、複数の異常が発生していることを明確に報知することができ、一部の異常について解除を忘れることを防ぐことができる。
【0049】
前記異常表示装置279で報知(表示)される異常には、前記異常解除スイッチ(解除操作部)275が所定期間の間に操作されたことを起因に解除可能な任意解除異常と、前記異常解除スイッチ(解除操作部)275を操作することなく解除可能な自動解除異常とがある。例えば、本実施例では、前記払出センサ異常、前記払出不足異常、前記払出過剰異常は任意解除異常であり、一方、前記下皿満杯異常、球無し異常、主制御基板通信異常、カードユニット未接続異常は自動解除異常に設定されている。前記任意解除異常は、払出センサの交換、或いはセンサ部分の埃を除去等の異常の内容に応じた処置を係員が行った後、所定期間内に前記異常解除スイッチ(解除操作部)275を操作することにより、払い出しの異常に関する記憶がリセットされ、対応する異常の内容の報知を解除することができるため、係員は前記任意解除異常が同じ遊技台で複数回発生した場合に、遊技機に対する不正行為、或いは遊技機に故障が発生したことを把握することができる。また払い出しの異常に関する記憶以降に払い出しに関する記憶があれば払出動作を開始する。一方、前記自動解除異常における下皿満杯異常は、前記下側球受け皿37に溜まっている遊技球が取り出されることにより自動的に解除され、前記球無し異常は、前記遊技機1に遊技球が供給されることにより自動的に解除され、前記主制御基板通信異常は、定義されている球払出信号を前記払出制御基板240が主制御基板200から受信することにより自動的に解除され、前記カードユニット未接続異常は前記カードユニット56が前記遊技機1に接続されることにより自動的に解除される。
【0050】
前記異常表示装置279で報知される異常を、任意解除異常と自動解除異常に分けた理由は、払出センサの異常や払出過剰異常は不正行為による可能性があるため係員は状況を常に把握しておきたいが、それらの異常を自動解除とした場合、不正の発見が遅れてしまう虞がある。又、払出不足異常は遊技者に直接損害が生じてしまうため、係員は遊技球が正常に払い出されたか否かを把握しておく必要がある。しかしながら全ての異常を任意解除にすると、解除する係員の負担が増えると共に、遊技機の異常解除作業のために遊技を一旦遮られることで遊技者に余計なストレスを与えてしまう虞がある。そのため、自動解除しても係員や遊技者に損害が生じない異常に対してのみ自動解除異常に設定している。
【0051】
前記遊技機1の遊技及び異常発生時の報知を説明する。前記遊技機1では、遊技領域6へ向けて発射装置64により発射された遊技球が、前記種々の入賞口に入賞すると入賞口に応じた所定数の遊技球が賞球として前記払出装置281から上側球受け皿36に払い出される。また、前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過すると、普通図柄当たり判定用乱数が取得され、その取得乱数値に基づいて普通図柄当たりの判定が行われると共に、前記普通図柄表示部50で普通図柄が変動を開始し、所定時間変動後に停止する。その際、普通図柄当たりの判定結果が当たりの場合には、当たり普通図柄、この例では『1』で停止し、前記下側始動入賞口42の2つの可動片42a,42bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で入賞困難な閉状態(通常状態)から略V字形(逆ハの字形)の入賞可能な開状態に変化する。前記下側始動入賞口42に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。
【0052】
また、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42に遊技球が入賞すると、大当たり判定用乱数、大当たり図柄用乱数、外れ図柄用乱数等が取得され、取得された大当たり判定用乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われ、前記表示装置10の特別図柄表示部11で特別図柄の変動表示が開始し、所定時間変動後に停止する。
【0053】
大当たりの当否判定結果が当たりの場合には、大当たり図柄用乱数に基づいて前記特別図柄表示部11に左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が大当たり図柄組み合わせ(本実施例ではぞろ目)で停止し、大当たり遊技(特別遊技)に移行する。大当たり遊技状態になると、前記大入賞口45の開閉板46が開いて遊技領域6の表面を落下してくる遊技球を受け止め易くして、大入賞口45へ入賞可能にし、該大入賞口45への入賞があると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。前記開閉板46は、所定時間(例えば15秒)経過後、或いは入賞球数が所定個数(例えば10個)となった時点で閉じるようにされ、15ラウンド、前記開閉板46の開閉を繰り返す。
【0054】
また、前記遊技機1では、異常判定手段によって異常があると判定されると、前記異常表示装置279に表示データ[1]〜[7]の何れかが表示され、表示データの数字によって異常が報知される。また、前記異常表示装置279で表示された表示データによって表される異常が任意解除異常の場合には、前記異常表示装置279で報知(表示)された異常の内容に応じた処置を行い、前記期間表示装置277で表示される所定期間が経過するまでに前記異常解除スイッチ(解除操作部)275を操作(本実施例では押下)することにより、対応する異常の内容の報知を解除することができる。一方、前記所定期間が経過した後に前記異常解除スイッチ(解除操作部)275を操作した場合には、報知していた内容に対応する異常解除の操作が無効とされ、対応する異常の内容の報知が解除されない。それに対して、前記異常表示装置279で表示された表示データが表す異常が自動解除異常の場合、例えば下皿満杯異常の場合には下側球受け皿37に溜まっている遊技球を取り出すことにより異常状態の原因が無くなり、自動的に異常の報知も解除され、またその他の自動解除異常の場合においても異常の原因が無くなることにより自動的に異常の内容の報知が解除される。
【0055】
次に、前記遊技機1の制御処理に関して異常に関する制御を主に説明する。前記主制御基板200は、前記ROMに記憶されている制御用プログラムに従い前記マイクロコンピュータのCPUにより制御処理を行う。図7は前記主制御基板200が行う入賞に関する処理(S10)のフローチャートである。入賞に関する処理(S10)では、まず、各種の入賞口への入賞が検出されたか確認される(S11)。各種の入賞口としては、前記左袖第1入賞口51、左袖第2入賞口52、左落とし入賞口53、右落とし入賞口54、上側始動入賞口41、下側始動入賞口42、大入賞口45がある。何れの入賞口についても入賞が検出されない場合には、この入賞に関する処理(S10)が終了する。一方、何れかの入賞口への入賞が検出されると、前記払出制御基板240に球払出信号が送信され(S12)、その後にこの入賞に関する処理(S10)が終了する。
【0056】
前記払出制御基板240では、図8のフローチャートに示す払出制御基板処理(S100)が行われる。
払出制御基板処理(S100)では、コマンド受信処理(S110)、球払出処理(S120)、異常状態設定処理(S130)、異常表示データ準備処理(S140)、異常表示処理(S150)、異常報知解除処理(S160)がこの順に行われる。
【0057】
コマンド受信処理(S110)では、前記主制御基板200から送信された入賞に関する球払出信号の受信処理が行われ、受信した球払出信号の状態が検知され、異常が検知された場合には主制御基板通信異常状態と判定し、主制御基板通信異常フラグが設定される。具体的には、図9のフローに示すように、まず、主制御基板200から球払出信号を受信したか否か確認され(S110−1)、球払出信号を受信していない場合には、このコマンド受信処理(S110)が終了する。一方、球払出信号を受信している場合には、受信した球払出信号が未定義の信号か否か確認される(S110−2)。未定義の信号は、入賞に対して予め設定されている球払出信号とは異なる異常な信号である。前記S110−2の処理は、前記球払出信号を送信した主制御基板200との通信状態を検知するための状態検知手段に相当する。S110−2において未定義の信号(異常な球払出信号)を検知した場合には、未定義の信号を送信した主制御基板200の通信状態に異常が発生している主制御基板通信異常状態と判定し、主制御基板通信異常フラグが設定(F6が1にセット)され(S110−3)、その後にこのコマンド受信処理(S110)が終了する。それに対して受信した球払出信号が定義されている信号(正常な信号)であると前記S110−2で判断された場合には、主制御基板通信異常フラグが解除(F6が0にセット)され(S110−4)、入賞に応じた払出球数が加算され(S110−5)、その後にこのコマンド受信処理(S110)が終了する。S110−2〜S110−4は異常判定手段の一つとされる。
【0058】
なお、本実施例では、前記主制御基板通信異常は自動解除異常に設定されているため、主制御基板通信異常状態(F6が1にセットされた状態)時に、新たに正常な球払出信号(定義されている球払出信号)を払出制御基板240で受信することにより、前記コマンド受信処理におけるS110−4で自動的に主制御基板通信異常フラグが解除(F6が0にセット)されるように構成されている。
【0059】
球払出処理(S120)では、前記払出球数が有る場合(払出球数が0より大の場合)に、前記払出装置281により遊技球を払い出す処理が行われ、また遊技球の払出に関する状態が検出され、検出状態に応じて払出過剰状態や払出不足状態と判定され、対応する異常フラグが設定される。具体的には、図10のフローに示すように、まず、払出球数が有る(払出球数が0より大)か確認され(S120−1)、払出球数が有る場合には、前記払出装置281の払い出しに関して設定されている異常のうち少なくとも1つに異常が発生しているか、あるいは何れの異常も発生していないか確認される(S120−2)。本実施例において払い出しに関して設定されている異常は、払出センサ異常(F1=1)、払出不足異常(払出不足フラグF2=1)、払出過剰異常(払出過剰フラグF3=1)、下皿満杯異常(下皿満杯フラグF4=1)、球無し異常(球無しフラグF5=1)である。
【0060】
前記払い出しに関して少なくとも1つに異常が発生している(F1〜F5≠0)場合には、前記払出装置281が停止状態とされ(S120−3)、この球払出処理(S120)が終了する。
一方、前記払い出しに関して何れの異常も発生していない場合(F1〜F5=0の場合)には、正常と判断され、前記払出装置281の駆動が行われ(S120−4)、次に前記払出センサ282で通過遊技球を検出したか確認され(S120−5)、遊技球の通過が検出された場合には正常と判断し、通過遊技球分だけ払出球数から減算し(S120−6)、その後にこの球払出処理(S120)が終了する。それに対し、前記払出センサ282で通過遊技球を検出しなかった場合には、払い出されるべき遊技球が払い出されていないこととなり、払出不足状態と判断されると共に払出不足フラグが設定(F2=1)され(S120−7)、その後にこの球払出処理(S120)が終了する。S120−5、S120−7は、異常判定手段の一つである。
【0061】
S120−1で払出球数がないと判断された場合(払出球数が0の場合)には、前記払出装置281が停止状態とされ(S120−8)、その状態において前記払出センサ282が通過遊技球を検出したか確認される(S120−9)。通過遊技球を検出しなかった場合には正常と判断され、この球払出処理(S120)が終了する。一方、遊技球の通過が検出された場合には、前記払出装置281が駆動していない状況で遊技球が余分に払い出されたことになるため、払出過剰状態と判断され、過剰払出フラグが設定(F3=1)され(S120−10)、その後にこの球払出処理(S120)が終了する。S120−9、S120−10は、異常判定手段の一つである。
【0062】
なお、前記払出不足状態の判断は、前記払出装置281を指定回数(例えば3回)駆動させても前記払出センサ282で通過遊技球を検出できなかった場合に払出不足状態と判断するように構成してもよい。
【0063】
異常状態設定処理(S130)では、前記主制御基板200及び前記払い出しに関する構成部を含む遊技機構成部に生じる異常を検出し、対応する異常フラグを設定する処理が行われる。具体的には、図11のフローに示すように、払出センサ異常状態設定処理(S130−1)、下皿満杯状態設定処理(S130−2)、球無し状態設定処理(S130−3)、カードユニット未接続状態設定処理(S130−4)が順に行われる。
【0064】
払出センサ異常状態設定処理(S130−1)では、図12に示すように、前記払出センサ282の通信状態が一定時間以上ON(遊技球検出状態)か確認され(S130−1−1)、前記払出センサ282の通信状態が一定時間以上ON(遊技球検出状態)の場合には払出センサ異常状態と判断されて払出センサ異常フラグが設定(F1が1にセット)され(S130−1−2)、その後にこの払出センサ異常状態設定処理(S130−1)が終了する。一方、前記S130−1−1でNOと判断されると、この払出センサ異常状態設定処理(S130−1)が終了する。S130−1−1、S130−1−2は、異常判定手段の一つである。
【0065】
下皿満杯状態設定処理(S130−2)では、図13に示すように、まず下皿満杯フラグF4が0か否か確認される(S130−2−1)。下皿満杯フラグF4が0の場合、前記下皿満杯センサ280が所定時間ON(満杯検出状態)か確認され(S130−2−2)、ONの場合には「下皿満杯状態」と判断され、下皿満杯フラグが設定(F4が1にセット)され(S130−2−3)、この下皿満杯状態設定処理(S130−2)が終了する。それに対して、S130−2−2でNOと判断されると、この下皿満杯状態設定処理(S130−2)が終了する。S130−2−2、S130−2−3は、異常判定手段の一つである。
【0066】
一方、S130−2−1でF4が0ではないと判断されると、次に前記下皿満杯センサ280が所定時間OFF(満杯非検出状態)か確認され(S130−2−4)、所定時間OFFの場合には下皿満杯状態が解除されていると判断され、下皿満杯フラグが解除(F4が0にセット)され(S130−2−5)、この下皿満杯状態設定処理(S130−2)が終了する。それに対して、S130−2−4でNOと判断されると、この下皿満杯状態設定処理(S130−2)が終了する。S130−2−4、S130−2−5は、異常判定手段の一つである。なお、本実施例では、下皿満杯異常は自動解除異常に設定されているため、下皿満杯状態が解消されると自動的に下皿満杯フラグが解除(F4が0にセット)されるように構成されている。
【0067】
球無し状態設定処理(S130−3)では、図14に示すように、まず球無しフラグF5が0か否か確認される(S130−3−1)。球無しフラグF5が0の場合、前記球無し検出センサ283が所定時間OFF(遊技球の非検出状態)か確認され(S130−3−2)、OFFの場合には球無し状態と判断され、球無しフラグが設定(F5が1にセット)され(S130−3−3)、この球無し状態設定処理(S130−3)が終了する。それに対して、S130−3−2でNOと判断されると、この球無し状態設定処理(S130−3)が終了する。S130−3−2、S130−3−3は、異常判定手段の一つである。
【0068】
一方、S130−3−1でF5が0ではないと判断されると、次に前記球無し検出センサが所定時間ON(遊技球検出状態)か確認され(S130−3−4)、所定時間ONの場合には球無し状態が解除されていると判断され、球無しフラグが解除(F5が0にセット)され(S130−3−5)、この球無し状態設定処理(S130−3)が終了する。それに対して、S130−3−4でNOと判断されると、この球無し状態設定処理(S130−3)が終了する。S130−3−4、S130−3−5は、異常判定手段の一つである。なお、本実施例では、球無し異常は自動解除異常に設定されているため、球無し状態が解消されると自動的に球無しフラグが解除(F5が0にセット)されるように構成されている。
【0069】
カードユニット未接続状態設定処理(S130−4)では、図15に示すように、前記カードユニット56と遊技機本体(遊技機1)との通信状態がOFFか判断され(S130−4−1)、OFFの場合にはカードユニット未接続状態と判断され、カードユニット未接続フラグが設定(F7が1にセット)され(S130−4−2)、このカードユニット未接続状態設定処理(S130−4)が終了する。一方、前記カードユニット56と遊技機本体(遊技機1)との通信状態がOFFではない場合には、カードユニット未接続フラグが解除(F7が0にセット)され(S130−4−3)、このカードユニット未接続状態設定処理(S130−4)が終了する。カードユニット未接続状態設定処理は状態検知手段の一つであり、また、S130−4−1〜S130−4−3は、異常判定手段の一つである。なお、本実施例では、カードユニット未接続異常は自動解除異常に設定されているため、カードユニット56が遊技機本体(遊技機1)と電気的に接続されると、自動的にカードユニット未接続フラグが解除(F7が0にセット)されるように構成されている。
【0070】
異常表示データ準備処理(S140)では、前記払出制御基板240の各々の処理で検出された異常を前記異常表示装置279で表示(報知)するための準備が行われる。具体的には、図16及び図17に示すように、まず、エラー数(発生している異常数)をカウントしている表示数が一旦0にクリアされる(S140−1)。次に、前記払出センサ異常状態が検出されたか(F1=1?)確認され(S140−2)、払出センサ異常状態が検出されている場合(F1=1の場合)には払出センサ異常に対応した表示データ[1]が払出制御基板240のRAMに登録(記憶)され、表示数(異常数)に1加算され(S140−3)、その後に払出不足状態が検出された(F2=1)か確認される(S140−4)。一方、前記S140−2で払出センサ異常状態が検出されていない(F1=0)と判断された場合には、次に払出不足状態が検出された(F2=1)か確認される(S140−4)。
【0071】
S140−4で、払出不足状態が検出されていると判断された場合(F2=1の場合)には払出不足状態に対応した表示データ[2]が払出制御基板240のRAMに登録され、表示数(異常数)に1加算され(S140−5)、その後に払出過剰状態が検出された(F3=1)か確認される(S140−6)。一方、前記S140−4で「払出不足状態」が検出されていない(F2=0)と判断された場合には、次に払出過剰状態が検出された(F3=1)か確認される(S140−6)。
【0072】
S140−6で、払出過剰状態が検出されていると判断された場合(F3=1の場合)には払出過剰状態に対応した表示データ[3]が払出制御基板240のRAMに登録され、表示数(異常数)に1加算され(S140−7)、その後に下皿満杯状態が検出された(F4=1)か確認される(S140−8)。一方、前記S140−6で払出過剰状態が検出されていない(F3=0)と判断された場合には、次に下皿満杯状態が検出された(F4=1)か確認される(S140−8)。
【0073】
S140−8で、下皿満杯状態が検出されていると判断された場合(F4=1の場合)には下皿満杯状態に対応した表示データ[4]が払出制御基板240のRAMに登録されれ、表示数(異常数)に1加算され(S140−9)、その後に球無し状態が検出された(F5=1)か確認される(S140−10)。一方、前記S140−8で下皿満杯状態が検出されていない(F4=0)と判断された場合には、次に球無し状態が検出された(F5=1)か確認される(S140−10)。
【0074】
S140−10で、球無し状態が検出されていると判断された場合(F5=1の場合)には球無し状態に対応した表示データ[5]が払出制御基板240のRAMに登録され、表示数(異常数)に1加算され(S140−11)、その後に主制御基板通信異常状態が検出された(F6=1)か確認される(S140−12)。一方、前記S140−10で球無し状態が検出されていない(F5=0)と判断された場合には、次に主制御基板通信異常状態が検出された(F6=1)か確認される(S140−12)。
【0075】
S140−12で、主制御基板通信異常状態が検出されていると判断された場合(F6=1の場合)には主制御基板通信異常状態に対応した表示データ[6]が払出制御基板240のRAMに登録され、表示数(異常数)に1加算され(S140−13)、その後にカードユニット未接続状態が検出された(F7=1)か確認される(S140−14)。一方、前記S140−12で主制御基板通信異常状態が検出されていない(F6=0)と判断された場合には、次にカードユニット未接続状態が検出された(H7=1)か確認される(S140−14)。
【0076】
S140−14で、カードユニット未接続状態が検出されていると判断された場合(F7=1の場合)にはカードユニット未接続状態に対応した表示データ[7]が払出制御基板240のRAMに登録され、表示数(異常数)に1加算され(S140−15)、その後にこの異常表示データ準備処理(S140)が終了する。一方、前記S140−14でカードユニット未接続状態が検出されていない(F7=0)と判断された場合には、この異常表示データ準備処理(S140)が終了する。
【0077】
異常表示処理(S150)では、前記異常表示データ準備処理(S140)で準備された表示データを前記異常表示装置279で所定時間ごとに切り替えて表示する処理及び報知時間設定手段の処理が行われる。具体的には図18に示すように、まず、前記異常表示データ準備処理(S140)で加算された表示数(異常数)が0か確認される(S150−1)。表示数が0の場合、すなわち発生している異常数(異常報知する異常数)が0の場合には、払出制御基板240のRAMに登録されている異常表示情報がクリアされ(S150−13)、異常が発生していないことを示す表示データ[0]を前記異常表示装置279で表示(報知)し(S150−14)、この異常表示処理(S150)を終了する。なお、「異常表示情報」とは、前記「表示数」と「表示データ」と「表示カウンタ」とを示す。
【0078】
前記S150−1で表示数(異常数)が0ではないと判断された場合、前回払出制御基板240のRAMに記憶された異常表示情報と今回の異常表示情報が比較され(S150−2)、異常表示情報に変化があったか確認される(S150−3)。異常表示情報の変化の例として、異常解除により表示数(異常数)が2から1に減少したり、表示データが[1]と[2]から[2]に減少する例、あるいは加算処理により表示カウンタが1から2に増加したりする例などを挙げることができる。S150−3で異常表示情報に変化があったと判断された場合、変化のあった異常表示情報に更新されて前記払出制御基板240のRAMに記憶され(S150−11)、表示カウンタがクリアされ(S150−12)、異常に対応した表示データを切り替えて表示(報知)するための起因となる表示タイマに、図5に示した表示カウンタに対応したタイマ値が設定され(S150−8)、前記異常表示装置279に表示カウンタに対応した表示データが表示されると共に現在の表示タイマの値が前記期間表示装置277で表示され(S150−9)、この異常表示処理(S150)を終了する。前記表示タイマは本実施例では、本発明における報知時間を含む所定期間に相当する。なお、前記異常表示情報は、後述の異常表示解除処理(S160)により解除された異常と、まだ解除されていない異常と新たに生じる異常とを正確に表示するために必要なものであり、表示数と表示データと表示カウンタを前回のものと比較し、何れかに変化が有る度にその時の表示数と表示データと表示カウンタを記憶することで確実に現在の状況を表示することが可能となっている。
【0079】
S150−3で異常表示情報に変化が無いと判断されると、次に表示タイマのタイマ値が0か確認される(S150−4)。表示タイマのタイマ値が0ではない場合、表示タイマのタイマ値が減算され(S150−10)、前記異常表示装置279に表示カウンタに対応した表示データを表示し(S150−9)、この異常表示処理(S150)を終了する。
【0080】
S150−4で表示タイマのタイマ値が0と判断された場合は、表示カウンタに1加算され、次の異常に切り替えられ(S150−5)、その後に表示カウンタが表示数(異常数)より多いか確認される(S150−6)。表示カウンタが表示数(異常数)より多い場合には、異常数分の異常を報知したので、一旦元に戻すために表示カウンタが先頭に設定され(S150−7)、表示タイマに表示カウンタに対応したタイマ値が設定され(S150−8)、前記異常表示装置279に表示カウンタに対応した表示データを表示し(S150−9)、この異常表示処理(S150)を終了する。一方、S150−6で表示カウンタが表示数より多くないと判断された場合には、次の異常を報知するために表示タイマに表示カウンタに対応したタイマ値が設定され(S150−8)、前記異常表示装置279に表示カウンタに対応した表示データを表示し(S150−9)、この異常表示処理(S150)を終了する。なお、前記異常表示処理(S150)は、本発明における報知時間設定手段、異常報知切り替え手段及び異常報知設定手段、期間表示手段にも相当する。
【0081】
異常報知解除処理(S160)では、任意解除異常について、異常表示中(異常報知中)の異常1件のみを前記異常解除スイッチ275の所定期間中の押下によって表示(報知)を解除する。具体的には、図19に示すように、前記異常解除スイッチ275が押下されたか確認され(S160−1)、前記異常解除スイッチ275が押下されていない場合には、この異常報知解除処理(S160)が終了する。一方、前記異常解除スイッチ275が押下された場合には、前記異常表示装置279に表示データ[1]を表示中か(S160−2)、表示データ[2]を表示中か(S160−3)、表示データ[3]を表示中か(S160−4)確認される。表示データ[1]を表示中の場合には払出センサ異常状態が解除(払出センサ異常フラグF1が0にセット)され(S160−5)、表示データ[2]を表示中の場合には払出不足状態が解除(払出不足フラグF2が0にセット)され(S160−6)、表示データ[3]を表示中の場合には払出過剰状態が解除(払出過剰フラグF3が0にセット)され(S160−7)、その後にこの異常報知解除処理(S160)が終了する。なお、前記異常解除スイッチ275が押下された場合において、前記異常表示装置279で対応する表示データの表示が終了している場合(すなわち本実施例では所定期間が経過している場合)、あるいは表示データ[1]〜[3]の何れも表示されていない場合には、前記異常解除スイッチ275の押下は無効となり、そのままこの異常表示解除処理(S160)が終了する。そして全ての異常が解除されることで、停止していた払出装置を駆動させることが可能になる。また、任意解除異常の解除とは、個々の異常によって発生した払出装置の停止条件を解除するもので、例えば払出装置を交換したり誤操作と判断した場合に払い出しの異常に関する記憶を初期化する役割を果たす場合に使用することができる。前記異常報知解除処理(S160)は、異常解除手段に相当する。
【0082】
このように、本実施例の遊技機においては、複数の異常が発生した場合に、設定された時間の経過ごとに異常の内容が切り替えられて報知されるため、発生している複数の異常の内容を容易に把握することが可能となる。また、切り替えられて報知される複数の異常を個々に解除することができるため、解除する異常を任意に選択することができ、異常の発生状況を個々に把握することが可能である。
【0083】
なお、本発明は、実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、異常表示装置は遊技機の背面側に設けたが、遊技者が視認可能な遊技機の前面側に設けてもよい。また、例えば振動センサや磁気センサを設けて、振動や磁気の異常検知などの実施例以外の異常を含むようにしてもよい。さらに、解除操作部が操作可能な所定期間は、異常報知時間より長い期間を有効としてもよい。その際は表示切替をする時に何も表示していないブランク期間を設けて、ブランク期間内の所定期間も有効にすることで、報知後など、多少操作が遅れたりした場合でも解除することができる。また本実施例においては、主制御基板から払出制御基板への一方向通信で構成されているが、主制御基板と払出制御基板との双方向通信で構成したりして、他の基板等で異常報知や解除を行ってもよい。また本発明は、パチンコ遊技機に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0084】
1 遊技機
2 遊技盤
10 表示装置
11 特別図柄表示部
50 普通図柄表示部
64 発射装置
275 異常解除スイッチ
279 異常表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技構成部の個々に対する状態を検知するための状態検知手段と、
前記状態検知手段による状態検知結果に基づいて前記複数の遊技構成部のうち少なくとも1つに異常が発生したかを判定する異常判定手段と、
異常が発生したと前記異常判定手段により判定された場合に、異常が発生したと判定された異常の内容を認識可能に報知する異常報知手段と、
を備えた遊技機において、
前記異常報知手段は、発生した異常の発生状態に応じて異常報知の報知時間を設定する報知時間設定手段と、前記異常判定手段により複数の異常が発生したと判定された場合に、前記報知時間設定手段によって設定された報知時間が経過した後に異常報知の内容を切り替えて報知する異常報知切り替え手段とを備え、
前記異常報知手段により報知された異常報知に対応した異常を解除するために操作可能な解除操作部を備え、
複数の異常が発生したと前記異常判定手段によって判定され、前記異常報知切り替え手段により異常報知の内容が切り替えられて報知された場合に、異常報知中の前記報知時間を含む所定期間内での前記解除操作部の操作を起因に、前記異常報知に対応した内容の異常のみを解除する異常解除手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記異常解除手段は、前記所定期間外での前記解除操作部による操作を無効にすることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記異常判定手段によって異常が発生したと判定された異常の情報と異常数を記憶する異常数記憶手段を備え、
前記異常数記憶手段の記憶内容に基づいて、前記異常の報知順あるいは前記報知時間の少なくとも一方を設定する異常報知設定手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記異常報知手段は、予め設定された前記所定期間が経過することを視認できる期間表示器と、予め設定された前記所定期間を前記期間表示器に表示する期間表示手段とを備えたことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記異常判定手段によって判定される異常には、前記異常解除手段によって解除可能な任意解除異常と、前記異常解除手段によることなく自動的に解除される自動解除異常とがあることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項1】
複数の遊技構成部の個々に対する状態を検知するための状態検知手段と、
前記状態検知手段による状態検知結果に基づいて前記複数の遊技構成部のうち少なくとも1つに異常が発生したかを判定する異常判定手段と、
異常が発生したと前記異常判定手段により判定された場合に、異常が発生したと判定された異常の内容を認識可能に報知する異常報知手段と、
を備えた遊技機において、
前記異常報知手段は、発生した異常の発生状態に応じて異常報知の報知時間を設定する報知時間設定手段と、前記異常判定手段により複数の異常が発生したと判定された場合に、前記報知時間設定手段によって設定された報知時間が経過した後に異常報知の内容を切り替えて報知する異常報知切り替え手段とを備え、
前記異常報知手段により報知された異常報知に対応した異常を解除するために操作可能な解除操作部を備え、
複数の異常が発生したと前記異常判定手段によって判定され、前記異常報知切り替え手段により異常報知の内容が切り替えられて報知された場合に、異常報知中の前記報知時間を含む所定期間内での前記解除操作部の操作を起因に、前記異常報知に対応した内容の異常のみを解除する異常解除手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記異常解除手段は、前記所定期間外での前記解除操作部による操作を無効にすることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記異常判定手段によって異常が発生したと判定された異常の情報と異常数を記憶する異常数記憶手段を備え、
前記異常数記憶手段の記憶内容に基づいて、前記異常の報知順あるいは前記報知時間の少なくとも一方を設定する異常報知設定手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記異常報知手段は、予め設定された前記所定期間が経過することを視認できる期間表示器と、予め設定された前記所定期間を前記期間表示器に表示する期間表示手段とを備えたことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記異常判定手段によって判定される異常には、前記異常解除手段によって解除可能な任意解除異常と、前記異常解除手段によることなく自動的に解除される自動解除異常とがあることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−40290(P2012−40290A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185954(P2010−185954)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(599104196)株式会社サンセイアールアンドディ (597)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(599104196)株式会社サンセイアールアンドディ (597)
【Fターム(参考)】
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