遊技機
【課題】遊技の進行を制御する遊技制御手段と、該遊技制御手段からの指令情報に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの演出制御を行う演出制御手段と、を備え、変動表示ゲームの結果態様に関連して遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、音による遊技に関する演出を効果的に行う。
【解決手段】他の遊技機の演出制御手段(演出制御装置300)に対して自遊技機で出力する共通音に関する情報である音データを送信可能な送信手段(隣接台出力部321、演出制御装置300)と、他の遊技機からの音データを受信可能な受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)と、を備え、該受信手段により受信された音データに基づき、共通音出力手段(演出制御装置300)により所定の音を出力可能とする。
【解決手段】他の遊技機の演出制御手段(演出制御装置300)に対して自遊技機で出力する共通音に関する情報である音データを送信可能な送信手段(隣接台出力部321、演出制御装置300)と、他の遊技機からの音データを受信可能な受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)と、を備え、該受信手段により受信された音データに基づき、共通音出力手段(演出制御装置300)により所定の音を出力可能とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、該遊技制御手段からの指令情報に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの演出制御を行う演出制御手段と、を備え、変動表示ゲームの結果態様に関連して遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技制御手段からの指令情報に関連して変動表示ゲームを含む演出制御を行う演出制御手段を備え、変動表示ゲームの結果態様に関連して遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、他の遊技機と制御情報を送受信可能とした遊技機が知られている。このような遊技機においては、演出制御手段は、自遊技機の遊技制御手段からの指令情報に基づいて主演出となる当該遊技機の遊技に関わる演出の制御を行うとともに、他遊技機からの制御情報に基づいて主演出に対して従属演出となる遊技内容に関連した演出の制御を行うようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−81266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の遊技機では、自遊技機での演出に関連して他遊技機が関連した音声を出力することが可能であるが、結局、各台は大音量で異なる音を発生することとなり、遊技者にとっては苦痛である。
【0005】
本発明の目的は、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、該遊技制御手段からの指令情報に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの演出制御を行う演出制御手段と、を備え、変動表示ゲームの結果態様に関連して遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、音による遊技に関する演出を効果的に行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、該遊技制御手段からの指令情報に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの演出制御を行う演出制御手段と、を備え、前記変動表示ゲームの結果態様に関連して遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
前記演出制御手段は、
複数機種の遊技機で共通して使用される共通音を出力可能な共通音出力手段を備え、
他の遊技機の演出制御手段に対して自遊技機で出力する前記共通音に関する情報である音データを送信可能な送信手段と、
他の遊技機からの前記音データを受信可能な受信手段と、を備え、
該受信手段により受信された音データに基づき、前記共通音出力手段により所定の音を出力可能であることを特徴とする。
【0007】
ここで、共通音出力手段は、複数の基本波形を合成して音色を作りエンベーロープを加工するPSG(Programmable Sound Generator)音源やSSG(Software-Controlled Sound Generator)音源、ADPCM音源、PCM音源、AMM音源、DAC音源、MP3音源などその他の種類の音源あるいは方式などを用いることができる。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、音による遊技に関する演出を効果的に行うことができる。すなわち、他の遊技機からも自遊技機の音が出るため、大音量でなくてもクリアに聞こえ、迫力ある音を楽しむことができる。また、他の遊技機で遊技している複数の遊技者にも自遊技機での遊技の状態を知らせることができ、遊技場全体で遊技の興趣を向上することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機であって、前記演出制御手段は、
前記共通音の出力優先順位を記憶した出力音記憶手段と、
前記受信手段により他の遊技機から前記音データを受信した際に、受信した前記音データに基づく共通音と、前記共通音以外の自遊技機で出力する音とを前記出力音記憶手段に記憶された出力優先順位に基づき比較し、前記共通音の前記出力優先順位が上位であれば前記共通音を出力する音比較出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、自遊技機の出力音がそれほど重要でない場合に、他遊技機の演出に参加することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機であって、前記演出制御手段は、
前記音データに基づく共通音を出力する際に、自遊技機で出力していた音のボリュームを下げることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、自遊技機で出力していた音のボリュームを下げることで、重要な演出を行っている他の遊技機をグループ全体で盛り上げることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の遊技機であって、前記演出制御手段は、
前記受信手段により他の遊技機から前記音データを受信しても、自遊技機でエラーが発生している際には、他の遊技機から受信した前記音データに基づく共通音を出力しないことを特徴とする。
【0014】
ここで、共通音を出力しないとは、音の出力自体を取りやめることの他、単にボリュームを0にすることも含む。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、自遊技機でのエラーの発生を確実に報知することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の遊技機であって、前記共通音出力手段は、前記共通音としてSSG音源を用いることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、異なる機種間でも音データに基づく共通音を出力可能となる。また、当該共通音を異なる機種であっても同一の状態の発生(例えば大当りの発生)に対して関連付けておけば、異なる機種で遊技する遊技者にも伝わりやすくなる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れか一項に記載の遊技機であって、遊技者が操作可能な演出操作手段を備え、
前記演出制御手段は、
前記演出操作手段の操作に基づき遊技中に再生可能な楽曲を複数の楽曲のうちから選択可能とする楽曲選択手段と、
前記楽曲選択手段で選択可能な楽曲を設定する選択可能楽曲設定手段と、
前記演出操作手段の操作に基づき自遊技機で選択可能な楽曲を他の遊技機で選択可能とする選択可能楽曲譲渡手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、知人どうしなどで楽曲の授受が可能となり、遊技の興趣が向上する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、音による遊技に関する演出を効果的に行うことができる。すなわち、他の遊技機からも自遊技機の音が出るため、大音量でなくてもクリアに聞こえ、迫力ある音を楽しむことができる。また、他の遊技機で遊技している複数の遊技者にも自遊技機での遊技の状態を知らせることができ、遊技場全体で遊技の興趣を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る遊技機の一実施形態を示す正面図である。
【図2】(a)遊技機の正面図、(b)遊技機の平面図である。
【図3】実施形態の遊技機における遊技盤の構成例を示す正面図である。
【図4】遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図5】遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図6】音声合成用ICの内部構成を示すブロック図である。
【図7】音声合成用IC内における信号の流れを示すシグナルフロー図である。
【図8】遊技機の情報通信経路を説明する図である。
【図9】メイン処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】メイン処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】タイマ割込み処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】コマンド送信処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】演出制御コマンド送信処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】演出制御コマンド出力処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】コマンドデータ出力処理を説明するためのフローチャートである。
【図16】特図ゲーム処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】始動口スイッチ監視処理を説明するためのフローチャートである。
【図18】特図始動口スイッチ共通処理を説明するためのフローチャートである。
【図19】特図保留情報判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図20】特図普段処理を説明するためのフローチャートである。
【図21】特図1変動開始処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】特図2変動開始処理を説明するためのフローチャートである。
【図23】小当りフラグ1設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図24】小当りフラグ2設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図25】図柄変動制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図26】1stメイン処理を説明するためのフローチャートである。
【図27】ヴァージョン設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図28】総接続台数と選択される演出ヴァージョンを説明する図である。
【図29】コマンド受信割込み処理を説明するためのフローチャートである。
【図30】2ndメイン処理を説明するためのフローチャートである。
【図31】Vブランク割込み処理を説明するためのフローチャートである。
【図32】通常ゲーム処理を説明するためのフローチャートである。
【図33】サブ間通信処理を説明するためのフローチャートである。
【図34】サブ間データ送受信処理を説明するためのフローチャートである。
【図35】外部入力音設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図36】外部入力音出力処理を説明するためのフローチャートである。
【図37】出力中の音と外部入力音の優先順位を説明する図である。
【図38】外部入力音としてAMM音源を用いる場合の出力中の音と外部入力音の優先順位を説明する図である。
【図39】外部入力音としてAMM音源を用いる場合の外部入力音設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図40】状態報知処理を説明するためのフローチャートである。
【図41】報知態様を選択するためのテーブルを説明する図である。
【図42】隣接高確率状態報知処理を説明するためのフローチャートである。
【図43】状態報知処理の別例を説明するためのフローチャートである。
【図44】別例の状態報知処理における報知態様を選択するためのテーブルを説明する図である。
【図45】枠表示装置のキャラクタの移動操作を説明する図である。
【図46】演出ヴァージョンの交換操作を説明する図である。
【図47】楽曲の提供操作を説明する図である。
【図48】確率の確認操作を説明する図である。
【図49】確率の確認操作の別例を説明する図である。
【図50】枠表示装置演出処理を説明するためのフローチャートである。
【図51】キャラクタ移動処理を説明するためのフローチャートである。
【図52】演出ヴァージョン交換処理を説明するためのフローチャートである。
【図53】楽曲選択処理を説明するためのフローチャートである。
【図54】確率確認処理を説明するためのフローチャートである。
【図55】確率確認処理の別例を説明するためのフローチャートである。
【図56】本発明を適用したパチスロ遊技機を複数設置した状態の正面図である。
【図57】パチスロ遊技機における報知態様を選択するためのテーブルを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
【0023】
本実施形態の遊技機10は前面構成枠12を備え、該前面構成枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図3参照)は前面構成枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面構成枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
【0024】
また、ガラス枠15の上部には、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面構成枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、ガラス枠15の左右にはランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18(図5参照)が設けられている。
【0025】
また、前面構成枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口(図示省略)、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面構成枠12の右側には、当該前面構成枠12の前面側に突出する前面構成枠突出部26を備え、当該前面構成枠突出部26の下部には、前面構成枠12を開放したり施錠したりするための鍵27が設けられている。
【0026】
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図3参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、図示は省略するが、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部等が設けられている。
【0027】
また、この実施形態の遊技機10において、図2(a)の遊技機10の正面図及び同図(b)の遊技機10の平面図に示すように、前面構成枠突出部26は、カバーガラス14の平面と略平行の突出面26aと、当該突出面26aの左側端部から遊技機10の中央に向かって傾斜する左側面26bと、を備え、当該左側面26bに遊技者による接触操作を検出可能であり、当該接触操作を検出した場合に接触位置を示す検出信号を出力する枠表示装置28aを備えた枠表示ユニット28を備えている。ここで、前面構成枠12は、一側方を前方に突出させ、その内側側面に枠表示装置28aを設けたこととなる。これにより、枠表示装置28aは、前面構成枠12の一側方を突出させその内側側面に設けられているので、遊技者の背後の位置からでは角度が付けられることとなり当該枠表示装置28aの表示画面を覗きこまれ難くすることができる。また、当該枠表示装置28aが設けられた一側方に隣接する遊技機からは突出した前面構成枠突出部26が障壁となり、他側方に隣接する遊技機からは遊技者自身が障壁となり当該枠表示装置28aの表示画面を覗きこまれ難くすることができる。
【0028】
次に、図3を用いて遊技盤30の一例について説明する。図3は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
【0029】
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。また、センターケース40の上部には当該遊技機10の表題(例えば漫画や映画のタイトル)の文字等があしらわれた飾り部材Tが配設されている。
【0030】
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0031】
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための一般入賞口スイッチ35a〜35n(図4参照)が配設されている。
【0032】
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞領域としての始動入賞口36(第1始動入賞口)が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口(始動入賞領域)を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
【0033】
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図4参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
【0034】
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
【0035】
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図4参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図4参照)が配設されている。特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
【0036】
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0037】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(第1特図表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(第2特図表示器)52と、を備える。また、一括表示装置50には、図示は省略するが、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、LEDランプ4つで構成された特図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図1保留表示器および特図2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図2保留表示器、LEDランプ2つで構成された普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示器、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示器、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する高確率報知器、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド数表示器が設けられている。
【0038】
第1特図表示器51と第2特図表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「大当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0039】
本実施形態の遊技機10では、打球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面構成枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
【0040】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図4参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の普図保留表示器(図示省略)に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
【0041】
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)(図示省略)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0042】
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図4参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
【0043】
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図4参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1、特図2保留表示器(図示省略)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
【0044】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51又は特図2表示器52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様(停止結果態様)も特別結果態様となる。
【0045】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0046】
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0047】
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0048】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面構成枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0049】
図4は、本実施形態の遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0050】
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0051】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0052】
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0053】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0054】
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0055】
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
【0056】
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0057】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。
【0058】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0059】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ等が設定されている。
【0060】
なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0061】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数(大当り判定用乱数)や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動態様決定用乱数)、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0062】
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数、停電復旧直後等の所定のタイミングなどに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
【0063】
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0064】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0065】
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0066】
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0067】
また、入力部120には、遊技機10の前面構成枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0068】
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面構成枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0069】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0070】
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0071】
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0072】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0073】
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0074】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0075】
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0076】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0077】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
【0078】
次に、図5を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41や枠表示装置28aへの映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)と、各種のメロディや効果音などをスピーカ(音声出力部)19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音声合成用IC314を備えている。
【0079】
また、ROM330には、上記主制御用マイコン(1stCPU)311が実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなる1stCPU用のプログラムROMや映像制御用マイコン(2ndCPU)312が実行するプログラムを格納した2ndCPU用のプログラムROM、VDPが画像処理を行う際のキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROMが含まれる。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音声合成用IC314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。また、RAM320は、主制御用マイコン(1stCPU)及び映像制御用マイコン(2ndCPU)によって処理される各種データを一時的に記憶する記憶領域や各CPUの作業領域を備えている。
【0080】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間はシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDPとの間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDPには、画像ROMから読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)や、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41や枠表示装置28aへ送信する映像信号を生成する信号変換回路などが設けられている。
【0081】
VDPから主制御用マイコン311へは表示装置41及び枠表示装置28aの映像と前面構成枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDPから映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコンからのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音声合成用IC314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0082】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0083】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)が設けられている。このコマンドI/Fを介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/Fには信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0084】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置(例えばセンターケース40に設けられたランプ等)42を駆動制御する盤装飾LED制御回路(図示省略)、前面構成枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18を駆動制御する枠装飾LED制御回路(図示省略)、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41や枠表示装置28aにおける演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路(図示省略)が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路は、入出力I/F340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0085】
また、演出制御装置300には、図示は省略するが、前面構成枠突出部26に設けられた枠表示装置28aを有する枠表示ユニット28を駆動制御する制御回路等が設けられている。なお、当該制御回路も入出力I/F340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0086】
枠表示ユニット28は、枠表示装置28aと、当該枠表示装置28aを振動させることが可能な振動機構部28bと、当該枠表示装置28aを回動させる駆動源としてのモータ28cと、当該枠表示装置28aが配された前面構成枠12の回動(開閉)や、遊技機の振動等を検出する3軸加速度センサ28dと、遊技者が当該枠表示装置28aを接触操作したときの接触位置や接触強度を検出するタッチセンサ28eと、を備えている。これにより、枠表示装置28aの表示を遊技者が触れることによって種々の操作が可能となっている。すなわち、枠表示ユニット28が、遊技者が操作可能な演出操作手段をなす。
【0087】
さらに、演出制御装置300には、前面構成枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路(図示省略)が設けられている。また、演出制御装置300には、自遊技機10と他の遊技機10との間で制御情報等の情報通信を可能とする情報通信手段として、自遊技機の情報を送信する隣接台出力部321と、他遊技機からの情報を受信する隣接台入力部322がもうけられている。さらに自遊技機を、情報通信を行うグループにおける統括制御遊技機(マスタ)又は従属制御遊技機(スレイブ)に設定するためのマスタ/スレイブSW323が設けられている。これら制御回路やスイッチも入出力I/F340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0088】
音声出力を制御する音声合成用IC314は、音制御用のコマンドデータに応じた制御データと、圧縮された複数種類の音声データとが格納された音声データROM315からデータを取得して音声を発生し、増幅回路316を介して上スピーカ19a、下スピーカ19bから出力する。また、増幅回路316を介して出力される音声の大きさを調整するためのボリューム調整部317を備えている。
【0089】
また、演出制御装置300には、電源装置400の通常電源部410から所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41や枠表示装置28aを駆動するためのDC12V、コマンドI/Fの電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0090】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP、音声合成用IC314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路、スピーカを駆動する増幅回路316に供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDPに対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDPの動作の連携性を向上させることができる。
【0091】
図6には、音声合成用IC314の内部構成を示すブロック図を示した。音声合成用IC314は、SSG音源と高性能圧縮音声再生機能を併せ持つ自動演奏LSIである。図6に示す構成において、CPUインタフェース351は、主制御用マイコン311と接続するためのインタフェースであって、主制御用マイコン311からの情報や信号を入力する。CPUインタフェース351は、/SEL(インタフェースモード選択端子)、S6M(CPUインタフェースモード選択端子)、/CS(チップセレクト信号入力端子)、/WR(ライトイネーブル信号入力端子)、ENA(イネーブル信号またはライトイネーブル信号入力端子)、AD(アドレスデータ選択信号入力端子)およびCD0〜CD7(CPUからのコマンドデータ入力端子:データバス)の端子が接続されている。/SELおよびS6Mの端子の信号レベルによってモードが選択され、/CS、/WR、ENAおよびADの端子の信号レベルによってモードに応じたコマンドデータの書き込みが行われる。
【0092】
タイミング発生回路352は、処理タイミングを決定するためのクロックを発生する回路であり、XI(水晶発振子接続端子または外部クロック入力端子)、XO(水晶発振子接続端子)、CLKO(クロック出力端子)および/RESET(リセット入力端子)の端子が接続されている。XIおよびXOの端子が水晶発振子と接続されることにより水晶発振回路が構成される。外部からのクロックをXIの端子より入力することも可能である。CLKOの端子からは所定周波数のクロックが出力される。/RESETの端子がロウレベルのとき、内部レジスタが初期化される。音声合成用IC314では、電源投入時にシステムリセットを行う必要がある。
【0093】
外部ROMインタフェース353は、音声データROM315と接続するためのインタフェースであって、音声データROM315との間で情報や信号の入出力を行う。外部ROMインタフェース315は、MA00〜MA23(アドレスバス)、MD00〜MD15(データバス)およびMBMD(データバス幅選択信号入力端子)の端子が接続されている。外部ROMインタフェース353は、MA00〜MA23の端子よりアドレスを音声データROM315に出力し、MD00〜MD15の端子より音声データROM315からのデータを読み込む。MBMDの端子がハイレベルのとき、16ビットのデータバスに対応し、ロウレベルのとき、8ビットのデータバスに対応する。
【0094】
AMMデコーダ354は、主制御用マイコン311からの命令(コマンド)により、AMM(AMusement Music compression)データ形式に圧縮されたフレーズデータを音声データROM315から外部ROMインタフェース353を介して読み出し、読み出したフレーズデータをPCMデータ(Pulse Code Modulation)にデコード(復号化、伸張)する。また、AMMデコーダ354は、主制御用マイコン311からの命令に従って、ボリューム、パン(ステレオ再生したときの、音が聞こえる定位(方向)を設定する機能)およびバスブースト(低音強調)を制御する機能を備えている。この実施の形態では、AMMデコーダ354には、音声の再生チャンネルとして8チャンネルが設けられ、独立した8フレーズの同時再生が可能である。AMMは音楽信号の高能率符号化方式であり、アミューズメント機器に適したフレーズの高音質・高圧縮が実現される。AMMデータのエンコード(符号化)は、専用のエンコーダが用いられる。
【0095】
SSG音源355は、3系列のパルスジェネレータと1系列のノイズジェネレータとエンベローブジェネレータで構成されており、効果音、警報など、各種の複雑な音(矩形波3音+ノイズ1音)を発生することが可能である。
【0096】
デジタル出力インタフェース356は、AMMデコーダ354によってPCMデータにデコードされたフレーズデータをデジタル出力するためのインタフェースである。デジタル出力インタフェース356は、LRO(ワードクロックのデジタル出力端子)、BCO(ビットクロックのデジタル出力端子)およびSDO(フレーズデータのデジタル出力端子)の端子が接続されている。LROの端子からワードクロックが出力され、BCOの端子からビットクロックが出力され、SDOの端子からフレーズデータが出力される。なお、デジタル出力を行わないときは、LRO、BCO、SDOの端子はオープンにされる。
【0097】
DAコンバータオペアンプ357は、AMMデコーダ354によってPCMデータにデコードされたフレーズデータをアナログデータに変換し、変換したアナログデータを増幅してアナログ出力する回路である。DAコンバータオペアンプ357は、AOL(Lチャンネルのアナログ出力端子)およびAOR(Rチャンネルのアナログ出力端子)の端子が接続されている。AOLの端子から左側のスピーカ19aに対してアナログデータが出力され、AORの端子から右側のスピーカ19aに対してアナログデータが出力される。
【0098】
OR回路358には、AMMデコーダ354とSSG音源355とが入力側に接続され、/PLAYの端子が出力されている。/PLAYの端子は、AMMデコーダ354およびSSG音源355の各再生チャンネルのいずれかが再生中の場合はロウレベルとなる。全ての再生チャンネルが停止中の場合はハイレベルになる。
【0099】
図7には、音声合成用IC314内における信号の流れを示すシグナルフロー図を示した。上述したように、音声合成用IC314は、音声データROM315に格納されているAMMデータ形式のフレーズデータをPCMデータにデコードして出力するAMMデコーダ354と、各種の複雑な音(矩形波3音+ノイズ1音)を独自に発生して出力するSSG音源355とを備えている。
【0100】
AMMデコーダ354には、フレーズを独立して再生可能な再生チャンネルとして8チャンネル(ch0〜ch7)が設けられている。偶数再生チャンネルはモノラル、ステレオフレーズのデコードが可能であり、奇数再生チャンネルはモノラルフレーズのみデコードが可能である。再生チャンネル0がステレオフレーズデコード時に、再生チャンネル1はデコード不可能になる。同様に、再生チャンネル2,4,6がステレオフレーズデコード時に、再生チャンネル3,5,7はデコード不可能になる。なお、モノラルおよびステレオフレーズの識別は、音声合成用IC314内でフレーズデータから自動的に検出される。また、SSG音源355には、各種の音(矩形波3音+ノイズ1音)を発生する音源が2系統設けられている。
【0101】
音声合成用IC314は、8系統のシーケンサーを内蔵しており、フレーズ再生停止検出機能やタイマ機能を利用して、フレーズの出力順序の指定や、フェードイン/フェードアウト、オートパン(音像を左右、前後に周期的に移動させるエフェクト)などを実現する。
【0102】
音声合成用IC314では、主制御用マイコン311からのコマンドにもとづいて、音声データROM315に登録された制御データ(コードデータ)を実行し、フレーズ再生制御レジスタ、SSG音源制御レジスタ、およびシーケンサーレジスタにデータを設定して、フレーズデータの再生やシーケンサーの起動などを実行する。
【0103】
フレーズ再生を制御するためのフレーズ再生制御レジスタには、全チャンネルの制御レジスタと各チャンネルの制御レジスタが設けられている。そして、全チャンネルの制御レジスタには、ミュートの設定を行うためのレジスタや全再生チャンネルの音量を設定するためのレジスタ、バスブーストの設定を行うためのレジスタなどが設けられている。また、各チャンネルの制御レジスタには、再生するフレーズナンバーの設定を行うためのレジスタ、各再生チャンネルの音量を設定するためのレジスタ、各再生チャンネルのパンポット(L/Rの定位)を設定するためのレジスタ(PAN設定用のレジスタ)、再生の繰り返しを設定するためのレジスタ、再生スタート/ストップを設定するためのレジスタなどが設けられている。
【0104】
SSG音源355を制御するためのSSG音源制御レジスタには、6チャンネル(1A,1B,1C,2A,2B,2C)のパルスジェネレータで生成される矩形波の周波数を設定するためのレジスタ(楽音周波数の設定用のレジスタ)、ノイズジェネレータで生成されるノイズ音の周波数を設定するためのレジスタ、各チャンネル(1A,1B,1C,2A,2B,2C)ごとに楽音(トーン)およびノイズ音を出力するかどうかを設定するためのレジスタ(ミキサー設定用のレジスタ)、各チャンネル(1A,1B,1C,2A,2B,2C)の音量を設定するためのレジスタ、エンベローブジェネレータ(電子楽器の音源部で、鍵盤を弾いた瞬間から音が消えるまでの、音の出力レベルを変化させる部分(装置)。音の立ち上がりの鋭さや減衰などを調節することが可能。)を設定するためのレジスタ、各チャンネル(1A,1B,1C,2A,2B,2C)のパンポット(L/Rの定位)を設定するためのレジスタ(PAN設定用のレジスタ)、SSG音全チャンネルのトータルボリュームを設定するためのレジスタなどが設けられている。
【0105】
シーケンサーを制御するためのシーケンサーレジスタには、8系統のシーケンサーごとに、各シーケンサーが実行する制御データ(コードデータ)を設定するためのレジスタ、各シーケンサーの起動/停止を設定するためのレジスタ、タイマの設定を行うためのレジスタなどが設けられている。
【0106】
AMMデコーダ354では、再生するフレーズナンバーを示すデータが制御レジスタに設定された一または複数の再生チャンネルにおいて、音声データROM315から読み出されたAMMデータ形式のフレーズデータがPCMデータにデコードされる。そして、ボリューム(VOL)において、制御レジスタに設定されたデータに従ってデコードされた音声データの音量が調整される。また、パン(pan)において、制御レジスタに設定されたデータに従ってパンポット(L/Rの定位)が調整される。そして、各再生チャンネルからの音声データが合成され、バスブーストにおいて、制御レジスタに設定されたデータに従って低音を強調する音声データ処理が行われる。そして、音声データが出力I/F(デジタル出力インタフェース356および(または)DAコンバータオペアンプ357)に出力される。
【0107】
SSG音源355では、制御レジスタに設定されたデータに従って、パルスジェネレータおよびノイズジェネレータが所定周波数の楽音およびノイズ音の音源データを出力する。パルスジェネレータおよびノイズジェネレータから出力された楽音およびノイズ音は、ミキサーでミックス(混合)される。そして、制御レジスタに設定されたデータに従って、エンベローブジェネレータによって音の立ち上がりの鋭さや減衰などが調節され、また、パンポット(L/Rの定位)が調整される。そして、各チャンネルからの音声データが合成され、合成された音声データが出力I/F(デジタル出力インタフェース356および(または)DAコンバータオペアンプ357)に出力される。出力I/F356,357は、AMMデコーダ354およびSSG音源355からの音声データをデジタル出力またはアナログ出力する。
【0108】
図8には、遊技機の情報通信経路を示した。各遊技機10は、遊技制御装置100の外部情報端子71を通じて外部中継装置510に接続され、さらに遊技場の管理装置520に接続されており、大当り情報など遊技機10に関する情報を管理装置520に送信できるようになっている。また、演出制御装置300の隣接台出力部321と隣接台入力部322を介して、隣接する遊技機10が順次リング状に接続されており、遊技に関する情報を送受信できるようになっている。このように隣接台出力部321と隣接台入力部322を介して接続された複数の遊技機が一つのグループをなし、マスタ/スレイブSW323による設定により、このグループのうちの一台をマスタに設定し、残りをスレイブに設定する。マスタに設定された遊技機10はグループ内で送受信された情報に基づき、スレイブに設定された遊技機10に対して指示を送信することができる。なお、各遊技機をリング状に接続して単方向で通信するようにしたが、双方向で通信するようにしても良い。また、無線通信により接続するようにしても良い。すなわち、隣接台出力部321及び演出制御装置300が、他の遊技機の演出制御手段に対して自遊技機の制御情報を送信可能な送信手段をなす。また、隣接台入力部322及び演出制御装置300が他の遊技機からの制御情報を受信可能な受信手段をなす。
【0109】
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器(図示省略)に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0110】
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
【0111】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光、枠表示装置28aの表示を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
【0112】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、25秒又は0.5秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回(第1特別遊技状態)又は2回(第2特別遊技状態))継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0113】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態が発生する確率の状態を、少なくとも通常確率状態と該通常確率状態よりも高い高確率状態の何れかに設定する確率設定手段をなす。なお、設定された確率状態は演出制御装置300でも記憶されるようになっており、この情報を元に確率状態に関する示唆、報知を行うことが可能となっている。すなわち、演出制御装置300が、確率状態を記憶する確率状態記憶手段をなす。
【0114】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
【0115】
例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000msが600ms)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604ms)よりも短い第2停止時間(例えば704ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば300ms)よりも長い第2開放時間(例えば1400ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
【0116】
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。なお、以下の説明や図中では、時短状態をサポートと称することがある。
【0117】
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図9及び図10参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図11参照)とからなる。
【0118】
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図9に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
【0119】
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
【0120】
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電復旧である(ステップS11;Yes)と判定すると、ステップS12へ進みチェックサムと呼ばれるデータを算出する処理及び算出されたチェックサムが正常か異常かを判定する(ステップS13)。また、ステップS9で初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合、ステップS11で停電復旧でない(ステップS11;No)と判定された場合及びステップS13でチェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合は、図10のステップS20へジャンプする。
【0121】
また、ステップS13でチェックサムが正常(ステップS13;Yes)と判定した場合は、図10のステップS14へ移行して、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブ(格納)してから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS15)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、高確率でないと(ステップS16;No)と判定した場合は、ステップS17,S18をスキップしてステップS19へ移行する。
【0122】
また、ステップS16で高確率であると(ステップS16;Yes)と判定した場合は、ステップS17で高確率の報知フラグ領域にON情報をセーブしてから、一括表示装置50に設けられる高確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定(ステップS18)してステップS19へ移行する。ステップS19では、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。
【0123】
一方、ステップS9,S11,S13からステップS20へジャンプした場合には、まずCPUが使用するRAM内の作業領域をリセットしてから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS21)。それから、ステップS22で電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。ステップS23では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
【0124】
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0125】
上記ステップS23のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS24)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS25)、割込みを許可する(ステップS26)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0126】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS27)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
【0127】
上記ステップS27の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電検出信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックして停電が発生したか否かの判定(ステップS28)を行い、停電が発生していない場合(ステップS28;No)には、ステップS27に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS27)の前に割り込みを許可する(ステップS26)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0128】
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0129】
上記ステップS28において、停電が発生していると判定した場合(ステップS28;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS29)、全出力ポートをオフにする処理(ステップS30)を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS31)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS32)を行った後、チェックサムをセーブし(ステップS33)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS34)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0130】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図11に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図11のタイマ割込み処理が開始される。
【0131】
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
【0132】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
【0133】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0134】
〔コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(ステップS54)の詳細について説明する。図12に示すように、コマンド送信処理は、演出制御装置300に対する演出制御コマンド送信処理(ステップS71)と、払出制御装置200に対する払出コマンド送信処理(ステップS72)とからなる。
【0135】
〔演出制御コマンド送信処理〕
次に、前述のコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(ステップS71)の詳細について説明する。図13に示すように、演出制御コマンド送信処理においては、まず、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかをチェックする(ステップS81)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であればコマンドが設定されていないと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には、未送信のコマンドが設定されていると判定する(ステップS82)。
【0136】
ステップS82で、コマンドが設定されていないと判定した場合(ステップS82;No)には、当該演出制御コマンド送信処理から抜け、ステップS82で、コマンドが設定されていると判定した場合(ステップS82;Yes)には、リードカウンタを更新(+1)する(ステップS83)。次いで、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))からコマンドをロードする(ステップS84)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS85)。さらに、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(ステップS86)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS87)。そして、演出制御コマンド出力処理(ステップS88)を行い、演出制御コマンド送信処理を終了する。
【0137】
〔演出制御コマンド出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド送信処理における演出制御コマンド出力処理(ステップS88)の詳細について説明する。図14に示すように、演出制御コマンド出力処理においては、先ず、コマンド(MODE)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備して(ステップS91)、コマンドデータ出力処理(ステップS92)を実行する。その後、コマンド(ACTION)を出力し(ステップS93)、コマンド(ACTION)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備(ステップS94)してから、コマンドデータ出力処理(ステップS95)を実行する。
【0138】
〔コマンドデータ出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド出力処理におけるコマンドデータ出力処理(ステップS92、S95)の詳細について説明する。図15に示すように、コマンドデータ出力処理においては、先ず、ポートの直前の状態が失われないようにするため、演出制御コマンド出力のストローブ信号を含む出力ポート131のポート状態保持データをロードする(ステップS101)。それから、演出制御コマンドを出力ポート132へ出力(ステップS102)し、出力ポート131へはストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持してオフ状態(データの読取り無効を示す例えばロウレベル)のストローブ信号を付加して出力する(ステップS103)。そして、次のステップS104で、ストローブ信号をオフ状態にすべき時間(オフ時間)が終了したか否か判定する。ここで、オフ時間が終了していない(ステップS104;No)と判定するとステップS102へ戻って上記処理を繰り返す。
【0139】
一方、ステップS104で、オフ時間が終了した(ステップS104;Yes)と判定するとステップS105へ移行して、ストローブ信号のオン状態(データの読取り有効を示す例えばハイレベル)の時間を設定する。続いて、ステップS101でロードしたデータを保持するレジスタ上で、出力ポート131のストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持したままストローブ信号をオン状態に設定する(ステップS106)。それから、演出制御コマンドを出力(ステップS107)し、オン状態(ハイレベル)のストローブ信号を出力する(ステップS108)。
【0140】
そして、次のステップS109で、ストローブ信号をオン状態にすべき時間(オン時間)が終了したか否か判定する。ここで、オン時間が終了していない(ステップS109;No)と判定するとステップS107へ戻って上記処理を繰り返す。また、ステップS109で、オン時間が終了した(ステップS109;Yes)と判定するとステップS110へ移行して、オフ状態のストローブ信号を設定してから、オフ状態のストローブ信号を出力(ステップS111)して、当該コマンドデータ出力処理を終了する。ステップS107で演出制御コマンドを再度出力しているのは、ステップS107〜S109のループ処理中に停電が発生した場合に、出力中の演出制御コマンドが停電復帰後に出力されなくなるのを回避するためである。また、ノイズによって、コマンドコードが変わってしまうのを回避することもできる。なお、このステップS104及びステップS109は、各々の処理のみをループさせることも可能である。
【0141】
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0142】
図16に示すように、特図ゲーム処理においては、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
【0143】
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
【0144】
次に、特図ゲーム処理タイマが、既にタイムアップしたか、又は当該特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した後にタイムアップしたかをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA4)。ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
【0145】
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
【0146】
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当り又は小当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)又は小当りに応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)又は小当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
【0147】
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
【0148】
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
【0149】
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
【0150】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図17に示すように、始動口スイッチ監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動入賞口36(始動口1)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
【0151】
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA113)、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
【0152】
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合は(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0153】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。当該特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
【0154】
図18に示すように、特図始動口スイッチ共通処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
【0155】
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードして、当該ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA205)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA206;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA207)、処理をステップA208に移行する。一方、ステップA206にて、出力回数がオーバーフローしたと判定された場合は(ステップA206;Yes)、処理をステップA208に移行する。
【0156】
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA208)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。
【0157】
ステップA209にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA209;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA210)を行う。続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA211)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA212)、コマンド設定処理(ステップA213)を行う。
【0158】
続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA214)を行った後、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA215)。そして、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して、当該大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。次に、対応する変動パターン乱数1を抽出し、RWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブし(ステップA217)、次に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、RWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブし(ステップA218)、さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、RWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブした(ステップA219)後、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロードし、準備して(ステップA220)、特図保留情報判定処理(ステップA221)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については後述する。
【0159】
一方、ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA209;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA222)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA223;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA224)、コマンド設定処理(ステップA225)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA223にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合には(ステップA223;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0160】
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA221)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
【0161】
図19に示すように、先ず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であるか否かをチェックして(ステップA231)、始動口2スイッチ37aの入力でない(ステップA232;No)と判定すると、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、即ち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)であるか否かを判定する処理(ステップA233)を行う。ここで、普通変動入賞装置37がサポート中でない(ステップA233;No)と判定すると、遊技機10が大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する処理(ステップA234)を行う。
【0162】
ステップA234にて、大当り中でない(ステップA234;No)と判定すると、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA235)を行う。
【0163】
一方、ステップA233にて、普通変動入賞装置37がサポート中であると判定されるか(ステップA233;Yes)、或いは、ステップA234にて、大当り中であると判定された場合(ステップA234;Yes)は、特図保留情報判定処理を終了する。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるときは、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないこととなる。
【0164】
また、ステップA232にて、始動口2スイッチ37aの入力であると判定された場合(ステップA232;Yes)は、ステップA233、ステップA234の処理を行わずに、ステップA235に処理を移行して、それ以降の処理を行う。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
【0165】
そして、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(ステップA236;No)には、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA237)、ステップA245へ移行する。一方、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りである場合(ステップA236;Yes)には、始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックする(ステップA238)。
【0166】
そして、ステップA238におけるチェックの結果、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA239;Yes)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル1を準備して(ステップA240)、ステップA242へ移行する。また、始動口1スイッチ36aの入力でない(ステップA239;No)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル2を準備して(ステップA241)、ステップA242へ移行する。
【0167】
次いで、ステップA242では、大当り図柄乱数をチェックし、対応する入賞情報ポインタを取得する(ステップA242)。そして、大当り情報テーブルアドレステーブルを設定した(ステップA243)後、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得し、設定して(ステップA244)、ステップA245へ移行する。
【0168】
続けて、ステップA245では、設定した情報テーブル(大当り情報テーブル、又は、はずれ情報テーブル)から図柄情報を取得し、取得した図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA246)。次に、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し(ステップA247)、取得した始動口入賞演出図柄コマンドを入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA248)。
【0169】
続けて、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備し(ステップA249)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備し(ステップA250)、特図情報設定処理(ステップA251)、後半変動パターン設定処理(ステップA252)、変動パターン設定処理(ステップA253)を行う。そして、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出し、準備し(ステップA254)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として、準備して(ステップA255)、コマンド設定処理(ステップA256)を行う。続けて、始動口入賞演出図柄コマンドをロードし、準備して(ステップA257)、コマンド設定処理(ステップA258)を行い、特図保留情報判定処理を終了する。
【0170】
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図20に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA271)。そして、特図2保留数が0である(ステップA272;Yes)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA273)。そして、特図1保留数が0である(ステップA274;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA275)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA276;No)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする処理(ステップA277)を行う。
【0171】
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA278)、コマンド設定処理(ステップA279)を行う。一方、ステップA275にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA276;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA277)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA278)され、コマンド設定処理(ステップA279)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA280に移行する。そして、特図普段処理移行設定処理1(ステップA280)を行って、特図普段処理を終了する。
【0172】
一方、ステップA272にて、特図2保留数が0でない(ステップA272;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA281)を行う。なお、ステップA281における特図2変動開始処理の詳細については後述する。その後、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA282)を行って、特図普段処理を終了する。また、ステップA274にて、特図1保留数が0でない(ステップA274;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA283)を行う。なお、ステップA283における特図1変動開始処理の詳細については後述する。その後、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA284)を行って、特図普段処理を終了する。このように、ステップA271とステップA272における特図2保留数のチェックを、ステップA273とステップA274における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA281)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
【0173】
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA283)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図21に示すように、先ず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定して大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA301)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定して小当りフラグ1にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理(ステップA302)を行う。
【0174】
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA303)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA304)。続いて、図柄情報領域から図柄情報をロードし(ステップA305)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA306)。
【0175】
次に、特図1変動フラグを設定し、準備して(ステップA307)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA308)。その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図1用)を準備して(ステップA309)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA310)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA311)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA312)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA313)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
【0176】
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA281)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図22に示すように、先ず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定して大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA321)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定して小当りフラグ2にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ2設定処理(ステップA322)を行う。
【0177】
次に、第2特図停止図柄(特図2停止図柄)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、第2特図停止図柄番号(特図2停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA324)。続いて、図柄情報領域から図柄情報をロードし(ステップA325)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA326)。
【0178】
次に、特図2変動フラグを設定し、準備して(ステップA327)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA328)。その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図2用)を準備して(ステップA329)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA330)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA331)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA332)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA333)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
【0179】
〔小当りフラグ1設定処理〕
図23には、図21に示す特図1変動開始処理における小当りフラグ1設定処理を示した。この小当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ領域1にはずれ情報をセーブし(ステップA341)、大当りフラグ1が大当りかチェックする処理(ステップA342)で、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされているかをチェックする。
【0180】
そして、大当りである場合(ステップA343;Yes)、すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされている場合は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。また、大当りでない場合(ステップA343;No)、すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされていない場合は、大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA344)、特図1判定データを準備する(ステップA345)。
【0181】
次に、小当り判定処理(ステップA346)を行い、小当りでない場合(ステップA347)は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。また、小当りである場合(ステップA347;Yes)は、小当りフラグ領域1に小当り情報をセーブし(ステップA348)、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
【0182】
〔小当りフラグ2設定処理〕
図24には、図22に示す特図2変動開始処理における小当りフラグ2設定処理を示した。この小当りフラグ2設定処理では、まず、小当りフラグ領域2にはずれ情報をセーブし(ステップA351)、大当りフラグ2が大当りかチェックする処理(ステップA352)で、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされているかをチェックする。
【0183】
そして、大当りである場合(ステップA353;Yes)、すなわち、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされている場合は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。また、大当りでない場合(ステップA353;No)、すなわち、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされていない場合は、大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA354)、特図2判定データを準備する(ステップA355)。
【0184】
次に、小当り判定処理(ステップA356)を行い、小当りでない場合(ステップA357)は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。また、小当りである場合(ステップA357;Yes)は、小当りフラグ領域2に小当り情報をセーブし(ステップA358)、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。
【0185】
〔図柄変動制御処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップA19)の詳細について説明する。図25に示すように、図柄変動制御処理では、先ず、対象の変動制御フラグがセットされ当該図柄が変動中であるか否かチェックする(ステップA361)。ここで、当該図柄が変動中であると判定された場合(ステップA362;Yes)は、対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(表示用)を取得し(ステップA363)、対象の図柄の変動時間を計時する変動タイマを−1更新し、タイムアップしたか否かチェックする(ステップA364)。
【0186】
そして、タイムアップしたと判定された場合(ステップA365;Yes)は、図柄変動制御タイマ初期値を対象の変動タイマ領域にセーブし(ステップA366)、対象の図柄の変動図柄番号を更新して(ステップA367)、ステップA368へ移行する。一方、タイムアップしていないと判定された場合(ステップA365;No)は、ステップA366及びステップA367をスキップして、ステップA368へ移行し表示図柄ポインタとして対象の変動図柄番号領域の値をロードして(ステップA368)、ステップA371へ移行する。
【0187】
また、ステップA362にて、当該図柄が変動中でないと判定された場合(ステップA365;No)は、対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得し(ステップA369)、表示図柄ポインタとして対象の停止図柄番号領域の値をロードして(ステップA370)、ステップA371へ移行する。次いで、ステップA371では、表示図柄ポインタに対応する表示データを取得し(ステップA371)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA372)、図柄変動制御処理を終了する。
【0188】
次に、演出制御装置300によって実行される制御処理について説明する。上述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。主制御用マイコンでは主に図26に示す1stメイン処理が行われ、映像制御用マイコンでは主に図30に示す2ndメイン処理が行われる。
【0189】
〔1stメイン処理〕
まず、1stメイン処理について説明する。図26に示すように、この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、演出ヴァージョンの設定を行うヴァージョン設定処理を行い(ステップB17)、割込みを許可する(ステップB18)。
【0190】
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(Watchdog Timer)をクリアし(ステップB19)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB20)を行う。その後、遊技制御コマンド解析処理(ステップB21)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB21)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
【0191】
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB22)を行う。このテストモード処理(ステップB22)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41や枠表示装置28aでの表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
【0192】
そして、遊技の演出の制御に関するシーン制御処理(ステップB23)を行う。次に、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行うための情報を設定する遊技機エラー監視処理(ステップB24)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41や枠表示装置28aでの表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理において制御を行う。
【0193】
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB25)を行い、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)が出力する音声に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB26)を行う。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB27)、盤演出装置44、枠演出装置のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB28)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB29)を行って、枠表示装置28aでの操作に基づく演出に関する処理を行う枠表示装置演出処理(ステップB30)を行い、WDTをクリアする処理(ステップB19)に戻る。
【0194】
〔ヴァージョン設定処理〕
図27には、1stメイン処理におけるヴァージョン設定処理を示した。このヴァージョン設定処理により、予め記憶されている複数の演出ヴァージョンのうち何れの演出ヴァージョンを設定するかが決定される。ヴァージョン設定処理では、まず、自台はマスタであるかを判定する(ステップB31)。各遊技機10は、遊技場の係員がマスタ/スレイブSW323により設定を行うことで、マスタとスレイブの何れかに設定される。
【0195】
自台がマスタである場合(ステップB31;Yes)は、グループ内の遊技機の数を確認するために台数確認コマンドを送信する(ステップB32)。その後、台数確認コマンドの送信から所定時間が経過したかを判定し(ステップB33)、所定時間が経過していない場合(ステップB33;No)は、一巡データを受信したかを判定する(ステップB34)。一巡データはリング状に接続されたグループの各遊技機を経由してマスタに設定された遊技機が受信するテータであり、この場合の一巡データには接続台数に関する情報が含まれている。この一巡データを受信していない場合(ステップB34:No)は、台数確認コマンドの送信から所定時間が経過したかの判定(ステップB33)に戻る。
【0196】
そして、一巡データを受信せずに所定時間が経過した場合(ステップB33;Yes)は、初期設定ヴァージョンを設定し(ステップB42)、ヴァージョン設定処理を終了する。この場合は総接続台数が1台であるとして自台の演出ヴァージョンを設定する。また、一巡データを受信した場合(ステップB34:Yes)は、接続台各々のヴァージョンを設定するヴァージョン設定データを送信し(ステップB35)、ヴァージョン設定処理を終了する。
【0197】
一方、自台はマスタでない場合(ステップB31;No)、すなわちスレイブである場合は、電源投入から所定時間が経過したかを判定し(ステップB36)、所定時間が経過していない場合(ステップB36;No)は、台数確認コマンドを受信したかを判定し(ステップB37)、受信していない場合(ステップB37)は、所定時間が経過したかの判定(ステップB36)に戻る。
【0198】
台数確認コマンドを受信せずに所定時間が経過した場合(ステップB36;Yes)は、初期設定ヴァージョンを設定し(ステップB42)、ヴァージョン設定処理を終了する。この場合は総接続台数が1台であるとして自台の演出ヴァージョンを設定する。また、台数確認コマンドを受信した場合(ステップB37)は、台数確認コマンドを自台を含めたコマンドに変換して送信する(ステップB38)。これにより、リング状に接続されたグループの各遊技機を経由するたびに台数確認コマンドに含まれる遊技機の台数に関する情報が+1更新される。
【0199】
その後、台数確認コマンドを送信してから所定時間が経過したかを判定し(ステップB39)、所定時間が経過していない場合は(ステップB39;No)、ヴァージョン設定データを受信したかを判定する(ステップB40)。ヴァージョン設定データは、マスタに設定された遊技機がグループ内の遊技機の台数に応じて、スレイブに設定された各遊技機10において設定する演出ヴァージョンを指定するために送信するデータである。このヴァージョン設定データを受信していない場合(ステップB40)は、所定時間が経過したかの判定(ステップB39)に戻る。
【0200】
そして、ヴァージョン設定データを受信せずに所定時間が経過した場合(ステップB39;Yes)は、初期設定ヴァージョンを設定し(ステップB42)、ヴァージョン設定処理を終了する。この場合は総接続台数が1台であるとして自台の演出ヴァージョンを設定する。また、ヴァージョン設定データを受信した場合(ステップB40)は、ヴァージョン設定データに基づいて自台のヴァージョンを設定し(ステップB41)、ヴァージョン設定処理を終了する。
【0201】
図28には、総設置台数(グループ内の台数)と設定される演出ヴァージョンの種類を示した。演出ヴァージョンには演出態様が異なるAからEの5種類があり、それぞれの演出ヴァージョンのデータである機種データは演出制御装置300のROM330に記憶されている。すなわち演出制御装置300が複数の演出ヴァージョンの機種データを記憶する演出ヴァージョン記憶手段をなす。総設置台数が1台の場合は演出ヴァージョンAが設定される。すなわちこの演出ヴァージョンが初期設定ヴァージョンをなす。また、総設定台数が2から6台の場合は設定される演出ヴァージョンがA、B、Cのうちから順次追加され、総接続台数が7台から9台の場合は演出ヴァージョンDが設定可能となる。さらに、総接続台数が10台以上の場合は演出ヴァージョンEが設定可能となる。
【0202】
このように、各遊技機10の演出ヴァージョンを設定することで、同一機種であっても異なる演出態様とすることができ遊技に関する演出に変化をもたせることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、遊技場に特有の演出表示を行うことが可能となり、他店との差別化を図ることも可能となる。さらに、総設置台数が増えるにつれて選択可能な演出ヴァージョンが増えるので、同一機種の遊技機を多数購入してもらうための購買意欲をそそることができる。なお、総設置台数が所定台数以上である場合に、総設置台数が所定台数以下の場合に設定可能な演出ヴァージョンのグループとはまったく異なるグループの演出ヴァージョンを設定可能としても良い。
【0203】
以上のことから、遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、該遊技制御手段からの指令情報に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの演出制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、変動表示ゲームの結果態様に関連して遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、演出制御手段は、複数の演出ヴァージョンの機種データを記憶する演出ヴァージョン記憶手段(演出制御装置300)と、他の遊技機の演出制御手段に対して自遊技機の制御情報を送信可能な送信手段(隣接台出力部321、演出制御装置300)と、他の遊技機からの制御情報を受信可能な受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)と、を備え、該受信手段により受信した制御情報に基づき、演出ヴァージョン記憶手段に記憶された複数の演出ヴァージョンの中から所定の演出ヴァージョンを選択して設定するようにしていることとなる。
【0204】
〔コマンド受信割込み処理〕
次に、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理について説明する。このコマンド受信割込み処理では、図29に示すように、先ず、遊技制御装置100から送信されたコマンドのポートの値を取り込む処理(ステップB51)を行う。そして、MODEコマンドの待機中であるか否かの判定(ステップB52)を行う。ここで、MODEコマンドの待機中の場合(ステップB52;Yes)は、さらにデータストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定(ステップB53)し、データストローブ信号SSTBがONの状態である場合(ステップB53;Yes)は、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定(ステップB54)する。
【0205】
そして、受信したコマンドがMODEコマンドである場合(ステップB54;Yes)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB55)を行い、算出後のアドレスに当該コマンドをMODEコマンドとしてセーブする処理(ステップB56)を行う。続いて、タイムアウト監視タイマに初期値を設定し、当該タイマをスタートさせる処理(ステップB57)を行った後、ACTIONコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB58)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0206】
また、ステップB53において、データストローブ信号SSTBがONの状態でない場合(ステップB53;No)、又はステップB54において、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(ステップB54;No)は、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB67)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB68)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0207】
また、ステップB52において、MODEコマンド待機中でない場合、即ち、ACTIONコマンド待機中の場合(ステップB52;No)は、タイムアウト監視タイマがタイムアウトとなったか否かを判定(ステップB59)する。ここで、タイムアウトとなっていない場合(ステップB59;No)は、データストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定(ステップB60)し、データストローブ信号SSTBがONの状態である場合(ステップB60;Yes)は、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定(ステップB61)する。
【0208】
そして、受信したコマンドがMODEコマンドである場合(ステップB61;Yes)は、ステップB55へ移行し、それ以降の処理を行う。また、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(ステップB61;No)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB62)を行い、算出後のアドレスに当該コマンドをACTIONコマンドとしてセーブする処理(ステップB63)を行う。続いて、受信済みコマンド数の値を+1更新する処理(ステップB64)を行った後、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB67)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB68)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0209】
また、ステップB59において、タイムアウトとなった場合(ステップB59;Yes)、又はステップB60において、データストローブ信号SSTBがONの状態でない場合(ステップB60;No)は、ステップB65へ移行し、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB65)を行い、算出されたアドレスのコマンドバッファにセーブされているMODEコマンドを破棄する処理(ステップB66)を行う。そして、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB67)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB68)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0210】
〔2ndメイン処理〕
次に、上記演出制御装置300の2ndCPU312によって実行される2ndメイン処理について説明する。図30に示すように、2ndメイン処理においては、先ず2ndCPUの初期化処理(ステップB71)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB72)を行う。
【0211】
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB73)を行い、2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)の初期化処理(ステップB74)を行う。その後、各種割込みを許可する処理(ステップB75)を行い、各種制御処理の初期化処理(ステップB76)を行う。
【0212】
次いで、VDPによる画像描画を許可する処理(ステップB77)を行った後、後述するVブランク割込み処理にてセットされるシステム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB78)を行う。ここで、システム周期待ちフラグが「1」でない場合(ステップB79;No)は、Vブランク割込み処理にてシステム周期待ちフラグがセットされるまで、ステップB79の処理を繰り返し行う。一方、システム周期待ちフラグが「1」である場合(ステップB79;Yes)は、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB80)を行い、通常ゲーム処理(ステップB81)を行い、ステップB78へ戻る。
【0213】
〔Vブランク割込み処理〕
次に、Vブランク割込み処理について説明する。Vブランク割込み処理は、例えば16ms毎の周期的なVブランク割込み信号が2ndCPUに入力されることで開始される。図31に示すように、Vブランク割込み処理が開始されると、まずフレームカウンタの値を+1更新する処理(ステップB91)を行い、当該フレームカウンタの値が規定値以上であるか判定(ステップB92)する。ここで、フレームカウンタの値が規定値未満の場合(ステップB92;No)は、Vブランク割込み処理を終了し、フレームカウンタの値が規定値以上の場合(ステップB92;Yes)は、ステップB93へ移行し、システム周期待ちフラグが「0」であるか判定(ステップB93)する。
【0214】
ここで、システム周期待ちフラグが「0」でない場合(ステップB93;No)は、Vブランク割込み処理を終了し、システム周期待ちフラグが「0」である場合(ステップB93;Yes)は、ステップB94へ移行し、VDPが表示装置41へ表示する描画を完了したか判定(ステップB94)する。VDPが描画を完了していない場合(ステップB94;No)は、Vブランク割込み処理を終了し、VDPが描画を完了した場合(ステップB94;Yes)は、ステップB95へ移行し、表示フレームバッファを切り替える処理を行い、VDPに切り替えられた表示フレームバッファへの描画開始を指示する(ステップB96)。
【0215】
次いで、VDPが描画を開始したことを示すVDP描画中フラグをセットする処理(ストップB97)を行った後、フレームカウンタを0クリアする処理(ステップB98)、システム周期待ちフラグに「1」をセットする処理(ステップB99)を行い、Vブランク割込み処理を終了する。
【0216】
〔通常ゲーム処理〕
次に、上述の2ndメイン処理における通常ゲーム処理(ステップB81)の詳細について説明する。図32に示すように、通常ゲーム処理では、先ず、遊技制御装置100から受信したコマンドをチェックする処理(ステップB101)を行う。この処理では、1stCPU311から送信されるコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後の制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。続いて、背景処理(ステップB102)を行う。背景処理では、遊技状態(確率状態や客待ち状態の有無)や、遊技モード、演出モード、リーチシーン等に応じた背景を表示する処理を行う。
【0217】
その後、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理であるリール制御/表示処理(ステップB103)、特図1保留表示器及び特図2保留表示器の表示に連動して表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示の設定を行う保留表示処理(ステップB104)を行う。さらに、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップB105)、予告キャラクタ等の設定や表示優先順位の設定を行い、特図変動表示ゲームの進行に対応する演出画像を表示装置41に表示するシーン制御/表示処理(ステップB106)を行う。そして、隣接する遊技機との制御情報の送受信に関する処理を行うサブ間通信処理(ステップB107)を行い、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップB108)を行って、通常ゲーム処理を終了する。
【0218】
〔サブ間通信処理〕
図33には、通常ゲーム処理におけるサブ間通信処理を示した。このサブ間通信処理では、まず、自台がマスタであるかを判定し(ステップB111)、マスタである場合(ステップB111;Yes)は、遊技状態確認コマンドを送信してから所定時間が経過したかを判定する(ステップB112)。遊技状態確認コマンドは、マスタに設定された遊技機がスレイブに設定された各遊技機の遊技状態(リーチ状態中や特別遊技状態中、高確率状態中など)を確認するためのコマンドである。この遊技状態確認コマンドを送信してから所定時間が経過していない場合(ステップB112;No)は、送信フラグがONであるかを判定する(ステップB113)。なお、電源投入後に未だ遊技状態確認コマンドを送信していない場合も、遊技状態確認コマンドを送信してから所定時間が経過していない場合(ステップB112;No)であると判定される。
【0219】
送信フラグがONでない場合(ステップB113;No)は、遊技状態確認コマンドを送信し(ステップB114)、送信フラグをONにして(ステップB115)、一巡データを受信したかを判定する(ステップB116)。また、送信フラグがONである場合(ステップB113;Yes)は、一巡データを受信したかを判定する(ステップB116)。一巡データはリング状に接続されたグループの各遊技機を経由してマスタに設定された遊技機が受信するテータであり、この場合の一巡データには遊技状態に関する情報が含まれている。
【0220】
この一巡データを受信していない場合(ステップB116;No)は、サブ間通信処理を終了する。また、一巡データを受信した場合(ステップB116;Yes)は、一巡データに基づいて各台遊技情報設定データを設定する(ステップB117)。各台遊技情報設定データには、スレイブに設定された各遊技機に対する指示が含まれている。例えば、予告演出が行われる遊技機の両隣の遊技機に対する音データが含まれ、該当する遊技機はこの音データに基づき所定の音声を出力する。その後、送信フラグをOFFにして(ステップB118)、サブ間通信処理を終了する。この際、設定された各台遊技情報設定データが送信されるとともに、遊技状態確認コマンドの送信からの時間を計時するタイマがクリアされる。
【0221】
一方、遊技状態確認コマンドを送信してから所定時間が経過した場合(ステップB112;Yes)は、上述のヴァージョン設定処理で確認した総設置台数が1台であるかを判定し(ステップB119)、1台である場合(ステップB119;Yes)は、サブ間通信処理を終了する。また、1台でない場合(ステップB119;No)は、サブ間接続異常報知処理(ステップB120)を行い、サブ間通信処理を終了する。サブ間接続異常報知処理(ステップB120)では、音声やランプ、画像表示などにより、スレイブに設定された遊技機と通信ができない旨の報知を行う。
【0222】
また、自台はマスタでない場合(ステップB111;No)、すなわちスレイブである場合は、遊技状態確認コマンドを受信したかを判定し(ステップB121)、受信していない場合(ステップB121;No)は、サブ間通信処理を終了する。また、受信した場合(ステップB121;Yes)は、サブ間データ送受信処理(ステップB122)を行い、サブ間通信処理を終了する。サブ間データ送受信処理(ステップB122)では、遊技状態確認コマンドを自台の遊技状態を含めたコマンドに変換して送信する。これにより、リング状に接続されたグループの各遊技機を経由するたびに各遊技機の遊技状態が含まれ、最終的にマスタに設定された遊技機が各遊技機の遊技状態を確認することができる。
【0223】
〔サブ間通信処理〕
図34には、サブ間通信処理におけるサブ間送受信処理を示した。このサブ間送受信処理では、まず、所定の変動パターンであるかを判定する(ステップB131)。所定の変動パターンとは、例えば特定のリーチである場合や大当りとなる場合である。この所定の変動パターンである場合(ステップB131;Yes)は、ボリュームダウンデータを設定し(ステップB132)、予告演出の開始タイミングであるかを判定する(ステップB133)。また、所定の変動パターンでない場合(ステップB131;No)は、予告演出の開始タイミングであるかを判定する(ステップB133)。
【0224】
そして、予告演出の開始タイミングである場合(ステップB133;Yes)は、実行される予告演出の種類を示す予告演出データを設定し(ステップB134)、一発告知の開始タイミングであるかを判定する。また、予告演出の開始タイミングでない場合(ステップB133;No)は、一発告知の開始タイミングであるかを判定する。予告演出とは、実行中の特図変動表示ゲームが大当りとなる可能性の高さを示唆する演出や、発生した始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが大当りとなる可能性の高さを示唆する演出(先読み演出)である。この予告演出では、表示装置41における画像による演出とともに所定の音声が出力される。
【0225】
一発告知の開始タイミングである場合(ステップB135;Yes)は、一発告知データを設定し(ステップB136)、自遊技機の確率状態(通常確率状態又は高確率状態)を示すデータである確率状態データを設定する(ステップB137)。また、一発告知の開始タイミングでない場合(ステップB135;No)は、確率状態データを設定する(ステップB137)。一発告知とは、大当りとなることを明確に報知する演出であって所定の音声が出力されるものである。その後、上述のように設定されたデータを含む確率状態確認コマンドを送信し(ステップB138)、サブ間データ送受信処理を終了する。
【0226】
マスタに設定された遊技機は、一巡データとして上述のようなデータを含む確率状態確認コマンドを受信し、対象の遊技機に各台遊技情報設定データを送信することで設定を行う。すなわち、ボリュームダウンデータに基づき、所定の変動パターンで特図変動表示ゲームを実行する遊技機の両隣にある遊技機が出力する音声のボリュームを小さくするように、各台遊技情報設定データとして対象の遊技機にボリュームダウン指示データを送信することで設定を行う。また、予告演出データに基づき予告演出を行う遊技機の両隣にある遊技機から所定の音声が出力されるように、各台遊技情報設定データとして対象の遊技機に予告演出音データを送信することで設定を行う。また、一発告知データに基づき一発告知を行う遊技機の両隣にある遊技機から所定の音声が出力されるように、各台遊技情報設定データとして対象の遊技機に一発告知音データを送信することで設定を行う。なお、後述するように、マスタに設定された遊技機は確率状態データに基づき、グループ内の遊技機でグループの確率状態に関する情報を報知するように報知コマンドを送信することで設定を行う。
【0227】
ここで、自遊技機が出力する予告演出音、一発告知音及び外部入力音として出力する予告演出音、一発告知音としてはSSG音源が用いられている。また、予告演出音、一発告知音はそれぞれ複数の機種で共通の共通音とされている。これにより、異なる機種間でも音データに基づく共通音を出力可能となる。また、異なる機種であっても同一の状態の発生(例えば大当りの発生)に対して関連付けられるので、他の遊技機で遊技する遊技者にも伝わりやすくなる。すなわち、演出制御装置300が、複数機種の遊技機で共通して使用される共通音を出力可能な共通音出力手段をなす。また、隣接台出力部321及び演出制御装置300が、他の遊技機の演出制御手段に制御情報として、自遊技機で出力する共通音に関する情報である音データ(予告演出データ、一発告知データ)や、確率状態情報(確率状態データ)を送信可能な送信手段をなす。また、隣接台入力部322及び演出制御装置300が、他の遊技機からの制御情報として、音データ(ボリュームダウン指示データ、予告演出音データ、一発告知音データ、予告演出データ、一発告知データ)や、確率状態情報(確率状態データ、報知コマンド)を受信可能な受信手段をなす。
【0228】
図35から図37には、スレイブに設定された遊技機で図26に示す1stメイン処理におけるサウンド制御処理において実行される、各台遊技情報設定データに基づく音声(外部入力音)に関する処理を示した。
【0229】
〔外部入力音設定処理〕
図35には、マスタに設定された遊技機から各台遊技情報設定データに基づく自遊技機で出力する音声の設定に関する処理を行う外部入力音設定処理を示した。この外部入力音設定処理では、まず、特別遊技状態中であるかを判定し(ステップB141)、特別遊技状態中である場合(ステップB141;Yes)は外部入力音設定処理を終了する。また、特別遊技状態中でない場合(ステップB141;No)は、エラー報知中であるかを判定する(ステップB142)。
【0230】
エラー報知中である場合(ステップB142;Yes)は、外部入力音設定処理を終了する。これにより、自遊技機で発生しているエラーを確実に報知することができる。また、エラー報知中でない場合(ステップB142;No)は、各台遊技情報設定データとしてボリュームダウン指示データを受信したかを判定する(ステップB143)。このボリュームダウン指示データを受信していない場合(ステップB143;No)は、各台遊技情報設定データとして予告演出音データを受信したかを判定する(ステップB145)。また、ボリュームダウン指示データを受信した場合(ステップB143;Yes)は、ボリュームダウンを設定し(ステップB144)、各台遊技情報設定データとして予告演出音データを受信したかを判定する(ステップB145)。これにより、隣接する遊技機で所定の変動パターンの特図変動表示ゲームが実行された場合に、当該遊技機の遊技者が遊技に集中でき、また隣接する遊技機の遊技者にアピールすることができ、両遊技者の興趣を向上することができる。
【0231】
各台遊技情報設定データとして予告演出音データを受信していない場合(ステップB145;No)は、各台遊技情報設定データとして一発告知音データを受信したかを判定する(ステップB147)。また、各台遊技情報設定データとして予告演出音データを受信した場合(ステップB145;Yes)は、現出力音より小さい音で受信した予告演出音データに基づく音を設定し(ステップB146)、各台遊技情報設定データとして一発告知音データを受信したかを判定する(ステップB147)。これにより、隣接する遊技機で予告演出が実行された場合に、当該遊技機と両隣の遊技機とから予告演出音を出力することができ、予告演出が実行された遊技機で遊技する遊技者に効果的に予告演出を行うことができる。すなわち、他の遊技機からも自遊技機の音が出るため、大音量でなくてもクリアに聞こえ、迫力ある音を楽しむことができる。また、隣接する遊技機の遊技者にアピールすることができ、両遊技者の興趣を向上することができ、遊技場全体で遊技の興趣を向上することができる。
【0232】
各台遊技情報設定データとして一発告知音データを受信していない場合(ステップB147;No)は、外部入力音設定処理を終了する。また、各台遊技情報設定データとして一発告知音データを受信した場合(ステップB147;Yes)は、一発告知音データを設定し(ステップB148)、外部入力音設定処理を終了する。これにより、隣接する遊技機で一発告知演出が実行された場合に、当該遊技機と両隣の遊技機とから一発告知音を出力することができ、一発告知演出が実行された遊技機で遊技する遊技者に効果的に告知を行うことができる。また、隣接する遊技機の遊技者にアピールすることができ、両遊技者の興趣を向上することができる。すなわち、受信手段をなす隣接台入力部322及び演出制御装置300が、他の遊技機からの制御情報として、音データ(予告演出データ、一発告知データ)を受信し、共通音出力手段をなす演出制御装置300が受信した音データに基づき共通音の出力を設定する。なお、予告演出音や一発告知音の出力タイミングを同期させるデータを含め、複数の遊技機から同時に音声が出力されるようにしても良い。
【0233】
〔外部入力音出力処理〕
図36には、上述の外部入力音設定処理で設定された外部入力音を出力する処理である外部入力音出力処理を示した。この外部入力音出力処理では、まず、外部入力音の設定があるかを判定し(ステップ151)、設定がない場合(ステップB151;No)は外部入力音出力処理を終了する。また、設定がある場合(ステップB151;Yes)は、出力中の音と外部入力音の優先順位を比較し(ステップB152)、音合成出力処理(ステップB153)を行い、外部入力音出力処理を終了する。
【0234】
図37には、出力中の音と外部入力音の優先順位を示した。なお、変動音Aとはリーチ状態における効果音であり、変動音BとはBGM等の音声であり、演出操作音とは演出ボタン25の操作に基づき出力される音声である。出力中の音と外部入力音の優先順位を比較する処理(ステップB152)では、この優先順位に従い比較を行い、外部入力音の方が出力中の音よりも優先順位が高い場合には音合成出力処理(ステップB153)で外部入力音を出力するようになっている。これにより、自遊技機の出力音がそれほど重要でない場合に、他遊技機の演出に参加することが可能となる。この際、外部入力音以外の自遊技機で出力する音についてはボリュームを下げ、重要な演出を行っている他の遊技機をグループ全体で盛り上げることができるようにしている。
【0235】
なお、外部入力音の方が出力中の音よりも優先順位が低い場合には、外部入力音を出力しないようにしても良いし、出力中の音よりも小さいボリュームで出力するようにしても良い。また、ここでは出力中の音と外部入力音の優先順位を比較しているが、自遊技機の遊技において出力する音どうしについてもこの優先順位に従い出力が行われるようになっており、優先順位の低い音は優先順位の高い音よりも小さいボリュームで出力されるようになっている。すなわち、演出制御装置300が、共通音の出力優先順位を記憶した出力音記憶手段をなす。また演出制御装置300が、共通音の出力優先順位が上位であれば共通音を出力する音比較出力手段をなす。
【0236】
以上のことから、遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、該遊技制御手段からの指令情報に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの演出制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、変動表示ゲームの結果態様に関連して遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、演出制御手段は、複数機種の遊技機で共通して使用される共通音を出力可能な共通音出力手段(演出制御装置300)を備え、他の遊技機の演出制御手段に対して自遊技機で出力する共通音に関する情報である音データを送信可能な送信手段(隣接台出力部321、演出制御装置300)と、他の遊技機からの音データを受信可能な受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)と、を備え、該受信手段により受信された音データに基づき、共通音出力手段により所定の音を出力可能であることとなる。
【0237】
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、共通音の出力優先順位を記憶した出力音記憶手段(演出制御装置300)と、受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)により他の遊技機から音データを受信した際に、受信した音データに基づく共通音と、共通音以外の自遊技機で出力する音とを出力音記憶手段に記憶された出力優先順位に基づき比較し、共通音の出力優先順位が上位であれば共通音を出力する音比較出力手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
【0238】
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、音データに基づく共通音を出力する際に、自遊技機で出力していた音のボリュームを下げるようにしていることとなる。
【0239】
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)により他の遊技機から音データを受信しても、自遊技機でエラーが発生している際には、他の遊技機から受信した音データに基づく共通音を出力しないようにしていることとなる。
【0240】
また、共通音出力手段(演出制御装置300)は、共通音としてSSG音源を用いるようにしていることとなる。
【0241】
図38には、外部入力音としてAMM音源を用いる場合の例を示した。AMMデコーダ354には音声の再生チャンネルとして8チャンネルが設けられ、各チャンネルに出力する音声の種類が対応付けられている。このうち、1つのチャンネル(チャンネル0)を外部入力音のためのチャンネルとして用いる。そして、外部入力音の方が出力中の音よりも優先順位が高い場合にはチャンネル0から外部入力音を出力し、外部入力音の方が出力中の音よりも優先順位が低い場合には、チャンネル0からの出力を行わないようにするか、出力中の音よりも小さいボリュームで出力する。
【0242】
図39には、外部入力音としてAMM音源を用いる場合の外部入力音設定処理の例を示した。この処理では、エラー報知中である場合(ステップB142;Yes)に、受信した音データに基づく音出力のボリューム(チャンネル0のボリューム)を0にする処理を行う(ステップB161)。これにより、外部入力音を設定しないのと同様の効果を得ることができる。
【0243】
なお、外部入力音を出力する場合を予告演出が行われる場合や、一発告知が行われる場合としたが、これ以外の場合にも外部入力音を出力するようにしても良い。例えば、遊技に関する遊技イベントとして、特別結果の発生、特定のリーチの発生、特定のキャラクタの登場、特定の音声の出力が行われる場合に近隣の遊技機から外部入力音を出力するようにしても良い。また、セキュリティやエラーに関するイベントとして、特別変動入賞装置38や普通変動入賞装置37への不正な入賞や、下皿オーバーフロー、シュート玉切れ、前枠(ガラス枠15)の開放、内枠(前面構成枠12)の開放、磁石による不正行為、振動による不正行為などが発生した場合に近隣の遊技機から外部入力音を出力するようにしても良い。
【0244】
次に、確率状態情報を送受信した遊技機が属するグループの確率状態に関する情報の報知について説明する。図34に示したように、スレイブに設定された各遊技機は自遊技機の確率状態情報である確率状態データをマスタに設定された遊技機に送信する。マスタに設定された遊技機はこの情報に基づき、自遊技機を含め確率状態情報を送受信した遊技機が属するグループにおける高確率状態である遊技機の台数について示唆、報知する報知態様を設定し、グループに属する遊技機において報知を行うように設定するようになっている。
【0245】
この確率状態についての示唆、報知は、表示装置41における所定箇所の発光色により行うようになっている。発光色にはレインボー、赤、黄、緑、白の5種類があり、レインボーが高確率台数が多く存在する可能性が最も高いことを示し、赤、黄、緑、白の順に高確率台数が多く存在する可能性が低いことを示すようになっている。なお、表示装置41で行うのではなく、前面構成枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18により行うようにしても良い。
【0246】
〔状態報知処理〕
図40には、図32に示した通常ゲーム処理における表示システム処理において行われるグループの確率状態の報知に関する設定を行なう状態報知処理を示した。この状態報知では、まず、自台はマスタであるかを判定し(ステップB171)、マスタである場合(ステップB171;Yes)は、報知禁止タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップB172)。報知禁止タイマは、後述するようにグループ内で稼動を開始した遊技機がある場合に確率状態に関する報知を禁止する期間を計時するためのタイマである。この報知禁止タイマがタイムアップしていない場合(ステップB172;No)は、状態報知処理を終了する。また、報知禁止タイマがタイムアップした場合(ステップB172;Yes)は、グループ内の稼働台数が前回の状態報知処理の実行から変化したかを判定する(ステップB173)。
【0247】
スレイブに設定された各遊技機は、マスタに設定された遊技機に対して自遊技機が稼働中であるか否かの情報を送信するようになっており、マスタに設定された遊技機はこの情報に基づきグループ内の稼働台数を把握する。自遊技機が稼働中であるか否かは、操作部24が操作されているか否かや特図変動表示ゲームが実行されているか否かなどにより判定する。なお、別途遊技者が遊技機の前方に存在するか否かを検出するセンサを設けるようにしても良い。
【0248】
このようにして検出されたグループ内の稼働台数が変化した場合(ステップB173;Yes)、すなわち稼動を開始した遊技機がある場合は、報知禁止タイマをセットする(ステップB179)。その後、確率状態の報知を行わない通常報知を設定し(ステップB180)、通常報知情報を報知コマンドとしてスレイブに設定された遊技機に送信して(ステップB181)、状態報知処理を終了する。これにより、確率状態についての示唆、報知が終了するので、報知態様の変化により遊技を開始した遊技機が高確率状態であるか否かを推測できないようにし、遊技者の期待感を煽ることができる。また、グループ内の稼働台数が変化していない場合(ステップB173;No)は、当り(大当り又は小当り)後の所定回転数以内の台があるかを判定する(ステップB174)。
【0249】
スレイブに設定された各遊技機は、マスタに設定された遊技機に対して自遊技機の当り(大当り又は小当り)後からの特図変動表示ゲームの実行回数(回転数)についての情報を送信するようになっている。この情報に基づき当り後の所定回転数以内の台がある場合(ステップB174;Yes)は、確率状態の報知を行わない通常報知を設定し(ステップB180)、通常報知情報を報知コマンドとしてスレイブに設定された遊技機に送信して(ステップB181)、状態報知処理を終了する。これにより、確率状態についての示唆、報知が終了するので、特別遊技状態の終了後の確率状態を明確に報知しない場合に、グループの確率状態に関する情報の報知態様の変化により当該遊技機が高確率状態であるか否かを推測できないようにし、遊技者の期待感を煽ることができる。なお、特別遊技状態の発生の契機となった特別結果が、特別遊技状態の終了後に確率状態を明確に報知しない特別結果であった場合のみ所定期間報知を行わないようにしても良い。また、所定回転数は、確率状態が推測できる程度の回数(例えば50回)が望ましい。
【0250】
また、当り後の所定回転数以内の台がない場合(ステップB174;No)は、総接続台数と高確率台数からテーブルを選択する(ステップB175)。その後、選択されたテーブルに基づき報知態様を選択し(ステップB176)、選択された報知態様を自遊技機の報知態様として設定する(ステップB177)。そして、選択された報知態様を報知コマンドとしてスレイブに設定された遊技機に送信して(ステップB178)、状態報知処理を終了する。
【0251】
一方、自体はマスタでない場合(ステップB171;No)、すなわちスレイブである場合は、報知コマンドを受信したかを判定する(ステップB182)。報知コマンドを受信していない場合(ステップB182;No)は、確率状態の報知を行わない通常報知を設定し(ステップB185)、状態報知処理を終了する。また、報知コマンドを受信した場合(ステップB182;Yes)は通常報知を設定する旨の通常報知情報であるかを判定する(ステップB183)。
【0252】
通常報知情報である場合(ステップB183;Yes)は、確率状態の報知を行わない通常報知を設定し(ステップB185)、状態報知処理を終了する。また、通常報知でない場合(ステップB183;No)、すなわち選択された報知態様に関する情報である場合は、選択された報知態様を設定し(ステップB184)、状態報知処理を終了する。
【0253】
図41には、マスタに設定された遊技機が報知態様を選択するためのテーブルの一例を示した。図41(a)に示すように、総接続台数と高確率台数により確率状態を示唆、報知する発光色を選択するための発光色テーブルが設定されている。例えば、総接続台数が2台であり高確率台数が0台である場合は発光色テーブルとしてTBL1が選択され、発光色としてレインボーが0%、赤が2%、黄が5%、緑が10%、白が83%の割合で選択される。また、総接続台数が2台であり高確率台数が2台である場合は、発光色テーブルとしてTBL3が選択され、発光色としてレインボーが50%、赤が30%、黄が10%、緑が5%、白が5%の割合で選択される。特にレインボーの発光色は高確率台数が複数台ある場合に選択可能となる。
【0254】
このような処理により、グループの確率状態に関する情報を報知するという従来にない報知を行うことができ、遊技に関する演出に変化をもたせることができて、遊技の興趣を向上することができる。また、遊技者は、今までのように1台の遊技機だけ見るのではなく、グループ全体を観察して遊技機を選択することができ、選択の幅が広がる。さらに、高確率の遊技機があると思えば、そのグループを横歩きして試打するため全体的に稼働が上がる。
【0255】
すなわち、演出制御装置300が確率状態を報知する確率状態報知手段をなす。また、受信手段をなす隣接台入力部322及び演出制御装置300が、他の遊技機からの制御情報として、確率状態情報(確率情報データ、報知コマンド)を受信可能であり、演出制御装置300が、受信した確率状態情報に基づき、当該確率状態情報を送受信した遊技機が属するグループの確率状態に関する情報を報知するグループ確率状態報知手段をなす。また、演出制御装置300が、グループ内にある高確率状態である遊技機の割合によって、報知態様を決定する報知態様決定手段をなす。
【0256】
〔隣接高確率状態報知処理〕
各遊技機では図32に示した通常ゲーム処理における表示システム処理において行われるグループの確率状態の報知に関する設定として、図42に示す隣接高確率状態報知処理を行う。この隣接高確率状態報知処理では、まず、自台は非稼動状態であるかを判定し(ステップB191)、非稼動状態でない場合(ステップB191;No)は、隣接高確率状態報知処理を終了する。また、非稼動状態である場合(ステップB191;Yes)は、自台は高確率状態であるかを判定する(ステップB192)。
【0257】
自台は高確率状態でない場合(ステップB192;No)は、隣接高確率状態報知処理を終了する。また、自台は高確率状態である場合(ステップB192;Yes)は、隣接する台は当り終了後所定回転数経過したかを判定する(ステップB193)。なお、隣接する遊技機の回転数についてのデータは、自遊技機が隣接する遊技機から直接受け取るようにしても良いし、マスタに設定された遊技機がデータを収集し、スレイブに設定された各遊技機に送信するようにしても良い。そして、隣接する台は当り終了後所定回転数経過していない場合(ステップB193;No)は、隣接高確率状態報知処理を終了する。また、隣接する台は当り終了後所定回転数経過した場合(ステップB193;Yes)は、自台高確率状態報知を行い(ステップB194)、隣接高確率状態報知処理を終了する。
【0258】
自台高確率状態報知では、例えば、「こっち!こっち!」と遊技者を誘導する音声を出力したり、表示装置41や枠表示装置28aに表示を行ったりすることで報知を行う。なお、自台が高確率状態である旨の情報を、当り終了後所定回転数経過した隣接する遊技機に送信し、当該遊技機において報知を行うようにして、当該遊技機で遊技をしている遊技者にのみ通知するようにしても良い。
【0259】
この処理により、隣接する空き台が高確率状態であることを報知するという従来にない報知を行うことができ、遊技に関する演出に変化をもたせることができて、遊技の興趣を向上することができる。例えば長期間当りが発生していない台(例えば1000回転、いわゆるハマリ台)で遊技している遊技者に対して、隣接する空き台が高確率状態であることを報知することができ、遊技者が不満に感じることを防止し、遊技を継続する意欲を与えることができる。
【0260】
以上のことから、遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、該遊技制御手段からの指令情報に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの演出制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、変動表示ゲームの結果態様に関連して遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、特別遊技状態が発生する確率の状態を、少なくとも通常確率状態と該通常確率状態よりも高い高確率状態の何れかに設定する確率設定手段(遊技制御装置100)を備え、演出制御手段は、確率状態を記憶する確率状態記憶手段(演出制御装置300)と、確率状態を報知する確率状態報知手段(演出制御装置300)と、他の遊技機の演出制御手段に対して自遊技機で設定した特別遊技状態の発生確率の情報である確率状態情報を送信可能な送信手段(隣接台出力部321、演出制御装置300)と、他の遊技機からの確率状態情報を受信可能な受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)と、を備え、確率状態報知手段は、該受信手段により受信した確率状態情報に基づき、当該確率状態情報を送受信した遊技機が属するグループの確率状態に関する情報を報知するグループ確率状態報知手段(演出制御装置300)を備えていることとなる。
【0261】
また、グループ確率状態報知手段(演出制御装置300)は、グループ内にある高確率状態である遊技機の割合によって、報知態様を決定する報知態様決定手段(演出制御装置300)を備えていることとなる。
【0262】
また、グループ確率状態報知手段(演出制御装置300)は、グループ内の他の遊技機が稼働を開始すると、自遊技機での報知を終了するようにしていることとなる。
【0263】
また、報知態様決定手段(演出制御装置300)は、自遊技機が高確率状態であり、かつ、非稼動状態である場合であって、隣接する遊技機が通常確率状態において所定回数の変動表示ゲームを実行した場合に、自遊技機が高確率状態であることを報知するようにしていることとなる。
【0264】
また、確率設定手段(遊技制御装置100)は、特別遊技状態の発生の契機となった結果態様に基づき当該特別遊技状態の終了後の特別遊技状態が発生する確率の状態を設定し、グループ確率状態報知手段(演出制御装置300)は、特別遊技状態の終了後、所定期間を経過するまでは報知を行わないようにしていることとなる。
【0265】
図43、図44には、状態報知処理の別例を示した。この例では非稼動台の高確率台数を示唆、報知するようにしている。この状態報知処理では、マスタに設定された遊技機において、当り後所定回転数以内の台がない場合(ステップB174;No)に非稼動台は所定数以下であるかの判定を行う(ステップB201)。非稼動台が所定数以下である場合(ステップB201;Yes)、通常報知を設定する(ステップB180)。非稼動台が少ない場合は、報知により高確率状態である遊技機が容易に認識できてしまうため、報知を行わないようにしている。なお、所定数以下とは一定の数値(例えば3台以下)であっても良いし、総設置台数により決定される数値(例えば、総設置台数が3台なら1台、総設置台数が10台なら5台)としても良い。
【0266】
そして、非稼動台が所定数以下でない場合(ステップB201;No)は、非稼動台数と高確率台数からテーブルを選択する(ステップB202)。図44には、この例における報知態様を選択するためのテーブルの一例を示した。図44(a)に示すように、非稼動台数と高確率台数により確率状態を示唆、報知する発光色を選択するための発光色テーブルが設定されているが、非稼動台が所定数以下の場合は通常報知となる。なお、図44(b)、(c)におけるTBL1から7は、図41(b)から(h)に示したTBL1から7である。
【0267】
また、図43において、選択された報知態様を報知コマンドとして送信する処理(ステップB178)を行った後、自台は非稼動台であるかの判定を行う(ステップB203)。自台が非稼動台でない場合(ステップB203;No)は、通常報知を設定する(ステップB180)。また、自台が非稼動台である場合(ステップB203;Yes)は、設定された報知態様を設定する(ステップB177)。すなわち、非稼動台でのみ報知を行うようになっている。
【0268】
スレイブに設定された遊技機では、通常報知情報でない場合(ステップB183;No)に、自台が非稼動台であるかを判定し(ステップB204)、自台が非稼動台でない場合(ステップB204;No)は通常報知を設定し、非稼動台である場合(ステップB204;Yes)は、選択された報知態様を設定する(ステップB184)。すなわち、スレイブに設定された遊技機でも非稼動台でのみ報知を行うようになっている。
【0269】
このようにすることで、空き台についてのみの情報を報知でき、遊技者が遊技台を選択する参考となる。なお、報知禁止タイマを設定しないようにしても良く、このようにすれば、報知態様の変化により遊技を開始した遊技機が高確率状態であるか否かを推測できるので、グループ内の空き台の稼働率を向上させることができる。
【0270】
以上のことから、報知態様決定手段(演出制御装置300)は、グループ内の遊技機が稼働を開始すると、残りの遊技機における高確率状態である遊技機の割合によって、報知態様を決定するようにしていることとなる。
【0271】
次に、枠表示装置28aの操作に基づく演出について説明する。枠表示装置28aには遊技に関連した種々の演出画像や情報が表示されるが、この演出画像や情報を、送信手段(隣接台出力部321、演出制御装置300)及び受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)により隣接する遊技機と送受信し、演出画像や情報を変化させることができるようになっている。
【0272】
例えば、枠表示装置28aに所定のキャラクタが表示された場合に、当該キャラクタを隣接する遊技機に移動することが可能となっている。図45には、このような操作の一例を示した。図45(a)に示すように枠表示装置28aに所定のキャラクタ80が表示された際に、図45(b)に示すように遊技者が右隣の遊技機に向けてキャラクタ80をこするように操作する(フリックする)ことで、図45(c)に示すように右隣の遊技機の表示装置41にキャラクタ80が移動するようになっている。
【0273】
また、枠表示装置28aの操作に基づき、自遊技機で設定されている演出ヴァージョンと隣接する遊技機で設定されている演出ヴァージョンを交換することができるようになっている。図46には、このような操作の一例を示した。ここでは、自遊技機(図中左)ではAモードの演出ヴァージョンが設定され、右隣の遊技機(図中右)ではBモードの演出ヴァージョンが設定されている状態となっている。
【0274】
隣接するそれぞれの遊技機で枠表示装置28aにおいて演出ヴァージョンの交換を選択すると、図46(a)に示すように、枠表示装置28aに現在の演出ヴァージョンを示す表示81と、演出ヴァージョンの交換が可能なことを示す表示82がなされる。そして、図46(b)に示すように、両遊技機の遊技者が互いの遊技機へ向けて演出ヴァージョンを示す表示81をこするように操作することで交換条件が成立し、図46(c)に示すように両遊技機の演出ヴァージョンが入れ替わるようになっている。これにより、遊技機間で演出を交換できるという従来にない演出を行うことができ、遊技に関する演出に変化をもたせることができて、遊技の興趣を向上することができる。
【0275】
また、枠表示装置28aの操作に基づき、自遊技機で遊技中に再生可能な楽曲を、隣接する遊技機で遊技中に再生可能な楽曲として提供できるようになっている。自遊技機で遊技中に再生可能な楽曲は、演出制御装置300において予め記憶された複数種類の楽曲のうちから数種類が選択されるようになっており、遊技者はこのうちから遊技中に再生したい楽曲を選択可能である。選択可能な楽曲の種類や数は当りの発生などの所定条件が成立することにより変更されるようになっている。すなわち、演出制御装置300が、楽曲選択手段で選択可能な楽曲を設定する選択可能楽曲設定手段をなす。
【0276】
図47には、このような操作の一例を示した。自遊技機で枠表示装置28aにおいて楽曲の変更を選択すると、図47(a)に示すように、枠表示装置28aに現在選択可能な楽曲を示す表示83がなされる。ここで、遊技者が再生したい楽曲の表示83に触れるように操作(タッチ操作)すれば遊技中の音楽が当該楽曲に変更される。また、図47(b)に示すように、自遊技機の遊技者が提供したい楽曲の表示83を隣接する遊技機へ向けてこするように操作すると、図47(c)に示すように、隣接する遊技機で当該楽曲を選択可能となる。これにより、知人どうしなどで楽曲の授受が可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
【0277】
また、枠表示装置28aの操作に基づき、隣接する遊技機の確率状態を推測できるようになっている。図48には、このような操作の一例を示した。自遊技機で所定の条件が成立すると、図48(a)に示すように、枠表示装置28aにおいて自遊技機の確率状態を示唆する表示84がなされる。なお、所定の条件とは、例えば所定時刻になることや、特別遊技状態の終了後から所定期間経過後である。この表示84では、魚群の色により確率状態を示唆するようになっており、レインボーが高確率状態である可能性が最も高く、赤、黄、緑、白の順に高確率状態である可能性が低いことを示すようになっている。
【0278】
そして、図47(b)に示すように、遊技者が確率状態を示唆する表示84を隣接する遊技機に向けてこするように操作すると、図47(c)に示すように、隣接する遊技機の枠表示装置28aにも確率状態を示唆する表示84が表示され、当該遊技機の確率状態が示唆されるようになっている。なお、枠表示装置28aでの操作に基づき隣接する遊技機において確率状態を表示するのは、当該隣接する遊技機が非稼動中であることが好ましいが、稼働中でも表示可能としても良い。
【0279】
また、枠表示装置28aの操作に基づき、近隣の遊技機の確率状態が表示されるようになっている。図49には、このような操作の一例を示した。自遊技機で所定の条件が成立すると、図49(a)に示すように、枠表示装置28aにおいて近隣の遊技機の確率状態を表示可能とする表示85がなされる。なお、所定の条件とは、例えば所定時刻になることや、特別遊技状態の終了後から所定期間経過後である。遊技者がこの表示に触れるように操作(タッチ操作)すると、図49(b)に示すように高確率状態である遊技機の自遊技機からの位置が示されるようになっている。
【0280】
これにより、遊技者の操作に基づき自遊技機や他遊技機の確率状態に関する情報を得ることができるという従来にない演出を行うことができ、遊技に関する演出に変化をもたせることができて、遊技の興趣を向上することができる。
【0281】
〔枠表示装置演出処理〕
以上のような制御を行うために、1stメイン処理における枠表示装置演出処理(ステップB30)において、図50に示す処理を行う。この枠表示装置演出処理では、まず、図45に示したようなキャラクタの移動操作に関する処理を行うキャラクタ移動処理(ステップB211)を行い、図46に示したような演出ヴァージョンの交換に関する処理を行う演出ヴァージョン交換処理(ステップB212)を行う。その後、図47に示したような遊技中に再生可能な楽曲の選択や提供に関する処理を行う楽曲選択処理(ステップB213)を行い、図48や図49に示したような確率状態の確認に関する処理を行う確率確認処理(ステップB214)を行って、枠表示装置演出処理を終了する。
【0282】
〔キャラクタ移動処理〕
図51には、枠表示装置演出処理におけるキャラクタ移動処理を示した。このキャラクタ移動処理では、まず、キャラクタフリック操作があるかを判定する(ステップB221)。キャラクタフリック操作とは、図45(b)に示したように遊技者が隣接する遊技機に向けてキャラクタ80をこするように操作することである。このキャラクタフリック操作がない場合は、キャラクタ移動要求コマンドを受信したかを判定する(ステップB223)。また、キャラクタフリック操作があった場合(ステップB221;Yes)は、移動対象の台にキャラクタ移動要求コマンドを送信し(ステップB222)、キャラクタ移動要求コマンドを受信したかを判定する(ステップB223)。
【0283】
キャラクタ移動要求コマンドを受信していない場合(ステップB223;No)は、キャラクタ移動完了コマンドを受信したかを判定する(ステップB227)。また、キャラクタ移動要求コマンドを受信した場合(ステップB223;Yes)は、キャラクタを受け入れ可能であるかを判定する(ステップB224)。キャラクタを受け入れ可能でない場合(ステップB224;No)は、キャラクタ移動完了コマンドを受信したかの判定を行う(ステップB227)。この場合はキャラクタの移動が行われない。また、キャラクタを受け入れ可能である場合(ステップB224;Yes)は、表示装置にキャラクタを表示し(ステップB225)、移動元の台にキャラクタ移動完了コマンドを送信して(ステップB226)、キャラクタ移動完了コマンドを受信したかの判定を行う(ステップB227)。これにより、図45(c)に示したように移動先の表示装置41にキャラクタが表示されるようになる。
【0284】
キャラクタ移動完了コマンドを受信していない場合(ステップB227;No)は、キャラクタ移動処理を終了する。また、キャラクタ移動完了コマンドを受信した場合(ステップB227;Yes)は、枠表示装置からキャラクタを消去し(ステップB228)、キャラクタ移動処理を終了する。これにより、図45(c)に示したように移動元の枠表示装置28aからキャラクタが消去されるようになる。
【0285】
〔演出ヴァージョン交換処理〕
図52には、枠表示装置演出処理における演出ヴァージョン交換処理を示した。この演出ヴァージョン交換処理では、まず、演出ヴァージョン交換操作があるかを判定する(ステップB231)。演出ヴァージョン交換操作とは、図46(b)に示したように、交換先の遊技機に向けて演出ヴァージョンを示す表示81をこするように操作することである。この演出ヴァージョン交換操作がない場合(ステップB231;No)は、演出ヴァージョン交換要求コマンドを受信したかを判定する(ステップB233)。また、演出ヴァージョン交換操作がある場合(ステップB231;Yes)は、交換対象の台に演出ヴァージョン交換要求コマンドを送信し(ステップB232)、演出ヴァージョン交換要求コマンドを受信したかを判定する(ステップB233)。演出ヴァージョン交換要求コマンドには、自遊技機で設定されていた演出ヴァージョンの情報が含まれている。
【0286】
演出ヴァージョン交換要求コマンドを受信していない場合(ステップB233;No)は、交換期間タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップB236)。また、演出ヴァージョン交換要求コマンドを受信した場合(ステップB233;Yes)は、演出ヴァージョンを交換可能であるかを判定する(ステップB234)。演出ヴァージョンを交換可能でない場合(ステップB234;No)は、交換期間タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップB236)。この場合は演出ヴァージョン交換が行われない。また、演出ヴァージョンを交換可能である場合(ステップB234;Yes)は、交換期間タイマを設定し(ステップB235)、交換期間タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップB236)。
【0287】
交換期間タイマは、一方の遊技機で演出ヴァージョン交換操作があった場合に、他方の遊技機で演出ヴァージョン交換操作が行われるのを待機する期間を計時するタイマである。この交換期間タイマがタイムアップしている場合(ステップB236;Yes)は、演出ヴァージョン交換完了コマンドを受信したかを判定する(ステップB240)。この場合は演出ヴァージョンの交換が行われない。また、交換期間タイマがタイムアップしていない場合(ステップB236;No)は、演出ヴァージョン交換操作があるかを判定する(ステップB238)。
【0288】
演出ヴァージョン交換操作がない場合(ステップB238;No)は、演出ヴァージョン交換完了コマンドコマンドを受信したかを判定する(ステップB240)。また、演出ヴァージョン交換操作があった場合(ステップB238;Yes)は、演出ヴァージョン交換要求コマンドに基づく演出ヴァージョンを設定し(ステップB238)、移動元の台に演出ヴァージョン交換完了コマンドを送信して(ステップB239)、演出ヴァージョン交換完了コマンドコマンドを受信したかを判定する(ステップB240)。演出ヴァージョン交換完了コマンドには、自遊技機で設定されていた演出ヴァージョンの情報が含まれている。
【0289】
演出ヴァージョン交換完了コマンドを受信していない場合(ステップB240;No)は、演出ヴァージョン交換処理を終了する。また、演出ヴァージョン交換完了コマンドを受信した場合(ステップB240;Yes)は、演出ヴァージョン交換完了コマンドに基づく演出ヴァージョンを設定し(ステップB241)、演出ヴァージョン交換処理を終了する。これにより、図46(c)に示したように演出ヴァージョンの交換が完了する。
【0290】
以上のことから、遊技者が操作可能な演出操作手段(枠表示ユニット28)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、演出操作手段の操作に基づき、自遊技機で設定された演出ヴァージョンと、他の遊技機で設定された演出ヴァージョンとを交換可能であることとなる。
【0291】
〔楽曲選択処理〕
図53には、枠表示装置演出処理における楽曲選択処理を示した。この楽曲選択処理では、まず、楽曲選択操作があるかを判定する(ステップB251)。楽曲選択操作とは、図47に示したように表示された現在選択可能な楽曲を示す表示83のうち、遊技者が再生したい楽曲の表示83に触れるように操作(タッチ操作)することである。この楽曲選択操作がない場合(ステップB251;No)は、楽曲提供操作があるかを判定する(ステップB253)。また、楽曲選択操作がある場合(ステップB251;Yes)は、選択された楽曲を遊技球の楽曲として設定し(ステップB252)、楽曲提供操作があるかを判定する(ステップB253)。すなわち、演出制御装置300が、演出操作手段(枠表示ユニット28)の操作に基づき遊技中に再生可能な楽曲を複数の楽曲のうちから選択可能とする楽曲選択手段をなす。
【0292】
楽曲提供操作とは、図47(b)に示したように、提供したい楽曲の表示83を提供先の遊技機へ向けてこするように操作することである。この楽曲提供操作がない場合(ステップB253;No)は、楽曲提供コマンドを受信したかを判定する(ステップB255)。また、楽曲提供操作がある場合(ステップB253;Yes)は、提供対象の台に楽曲提供コマンドを送信し(ステップB253)、楽曲提供コマンドを受信したかを判定する(ステップB255)。楽曲提供コマンドには提供される楽曲の情報が含まれている。
【0293】
楽曲提供コマンドを受信していない場合(ステップB255;No)は、楽曲提供完了コマンドを受信したかを判定する(ステップB259)。また、楽曲提供コマンドを受信した場合(ステップB255;Yes)は、自遊技機ですでに選択可能な楽曲であるかを判定する(ステップB256)。自遊技機ですでに選択可能な楽曲である場合(ステップB256;Yes)は、楽曲提供完了コマンドを受信したかを判定する(ステップB259)。この場合楽曲の提供は行われない。また、自遊技機ですでに選択可能な楽曲でない場合(ステップB256;No)は、楽曲提供コマンドに基づき当該楽曲を選択可能楽曲に設定し(ステップB257)、提供元の台に楽曲提供完了コマンドを送信して(ステップB258)、楽曲提供完了コマンドを受信したかを判定する(ステップB259)。
【0294】
楽曲提供完了コマンドを受信していない場合(ステップB259;No)は、楽曲選択処理を終了する。また、楽曲提供完了コマンドを受信した場合(ステップB259;Yes)は、当該楽曲を選択可能楽曲から削除し(ステップB260)、楽曲選択処理を終了する。これにより、図47(c)に示したように選択可能楽曲の提供が完了する。すなわち、演出制御装置300が、演出操作手段の操作に基づき自遊技機で選択可能な楽曲を他の遊技機で選択可能とする選択可能楽曲譲渡手段をなす。
【0295】
以上のことから、遊技者が操作可能な演出操作手段(枠表示ユニット28)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、演出操作手段の操作に基づき遊技中に再生可能な楽曲を複数の楽曲のうちから選択可能とする楽曲選択手段(演出制御装置300)と、楽曲選択手段で選択可能な楽曲を設定する選択可能楽曲設定手段(演出制御装置300)と、演出操作手段の操作に基づき自遊技機で選択可能な楽曲を他の遊技機で選択可能とする選択可能楽曲譲渡手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
【0296】
〔確率確認処理〕
図54には、枠表示装置演出処理における確率確認処理を示した。この確率確認処理では、まず、確率確認操作があるかを判定する(ステップB271)。確率確認操作とは、図48(b)に示したように確率状態を示唆する表示84を確認対象の遊技機に向けてこするように操作することである。この確率確認操作がない場合(ステップB271;No)は、確率確認コマンドを受信したかを判定する(ステップB273)。また、確率確認操作があった場合(ステップB271;Yes)は、確認対象の台に確率確認コマンドを送信し(ステップB272)、確率確認コマンドを受信したかを判定する(ステップB273)。
【0297】
確率確認コマンドを受信していない場合(ステップB273;No)は、確率確認処理を終了する。また、確率確認コマンドを受信した場合(ステップB273;Yes)は、確率確認可能状態であるかを判定する(ステップB274)。確率確認可能状態でない場合(ステップB274;No)は、確率確認処理を終了する。また、確率確認可能状態である場合(ステップB274;Yes)は、枠表示装置に確率確認表示を表示し(ステップB275)、確率確認処理を終了する。これにより、図48(c)に示したように、確認対象の遊技機の枠表示装置28aに確率状態を示唆する表示84が表示される。
【0298】
〔確率確認処理〕
図55には、図49に示したような確率状態の報知を行う場合の枠表示装置演出処理における確率確認処理を示した。この確率確認処理では、まず、確率確認操作があるかを判定する(ステップB281)。この場合の確率確認操作は、図49(a)に示したように、近隣の遊技機の確率状態を表示可能とする表示85に触れるように操作(タッチ操作)することである。この確率確認操作がない場合(ステップB281;No)は、確率確認処理を終了する。また、確率確認操作があった場合(ステップB281;Yes)は、枠表示装置に確率確認表示を表示し(ステップB282)、確率確認処理を終了する。これにより、図49(b)に示したように、近隣の遊技機の確率状態が表示される。
【0299】
以上のことから、遊技に関する情報を表示する表示装置(表示装置41、枠表示装置28a)と、遊技者が操作可能な演出操作手段(枠表示ユニット28)と、を備え、確率状態報知手段(演出制御装置300)は、演出操作手段の操作に基づき、確率状態情報を送受信したグループに属する自遊技機又は他の遊技機の確率状態に関する情報を表示装置に表示可能であることとなる。
【0300】
なお、上述の実施形態では、隣接する遊技機との制御情報の送受信により様々な演出を行うようにしたが、ここに挙げたもの以外の演出を行うことも可能である。例えば、グループ内の稼働台数に応じて表示装置41での表示態様を変更するようにしても良い。表示装置41の表示態様を変更するとは、例えば、稼働台数が多いほど、表示装置41で表示する背景画像の視点が高くなる(眺めが良くなる)ようにすることである。また、稼働台数が多いほど確率状態を示唆する表示を行うなどでも良い。このようにすることで、遊技を行っている遊技者の数により演出が変化するという従来にない演出を行うことができ、遊技に関する演出に変化をもたせることができて、遊技の興趣を向上することができる。
【0301】
すなわち、遊技に関する情報を表示する表示装置41を備え、送信手段(隣接台出力部321、演出制御装置300)は、他の遊技機の演出制御手段に対して自遊技機の稼働情報を送信可能であり、受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)は、他の遊技機からの稼働情報を受信可能であり、演出制御手段(演出制御装置300)は、受信した稼働情報に基づき、表示装置41の表示態様を変更するようにしても良い。
【0302】
また、特図保留情報判定処理(先読み処理)の結果を隣接する遊技機により報知するようにしても良い。例えば、始動記憶が4つある状態で4番目に特図変動表示ゲームを実行する始動記憶が大当りとなる場合に、まず、1番目の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始時に「3」の外部入力音を自遊技機から3つ先の遊技機から出力する。その後、2番目の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始時に「2」の外部入力音を自遊技機から2つ先の遊技機から出力し、3番目の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始時に「1」の外部入力音を自遊技機に隣接する遊技機から出力する。そして、大当りとなる4番目の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始時に自遊技機から「0」の音声を出力することで、遠くの台からカウントダウンの音声が近づくような演出を行うようにしても良い。
【0303】
また、外部入力音や遊技中に再生可能な楽曲は、遊技機に予め記憶されている音源により出力するようにしているが、出力対象の遊技機が該当する音源を記憶していない場合に、音源データを送信するようにしても良い。すなわち、演出制御手段(演出制御装置300)は、他の遊技機に音源データを送信可能な送信手段(隣接台出力部321、演出制御装置300)と、他の遊技機からの音源データを受信可能な受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)と、を備え、受信手段により受信した音源データに基づき音声を出力可能としても良い。
【0304】
また、音源としてSSG音源とAMM音源を用いるとしたが、これ以外の音源を用いるようにしても良く、PSG(Programmable Sound Generator)音源やADPCM音源、PCM音源、AMM音源、DAC音源、MP3音源などその他の種類の音源あるいは方式などを用いることができる。
【0305】
また、図56、図57に示すように、パチスロ遊技機にも本発明を適用可能である。図56に示すように、各パチスロ遊技機10に設定曖昧報知用LED90を設け、これにより確率状態情報を送受信したパチスロ遊技機が属するグループの確率状態に関する情報の報知を行うようにする。
【0306】
図57には、マスタに設定されたパチスロ遊技機10が報知態様を選択するためのテーブルの一例を示した。図57(a)に示すように、このパチスロ遊技機10では特別遊技状態が発生する確率の状態が異なる複数の確率設定として、6段階の確率設定のうちから何れかを遊技店の係員の操作により設定可能である。そして、設定1から3である場合を低設定とし、設定4から6である場合を高設定としてグループの確率状態に関する情報の報知を行う。報知態様は、図57(b)に示すように設定された、総接続台数と高設定台数により確率状態を示唆、報知する設定曖昧報知用LED90の発光色を選択するための発光色テーブルに基づき選択される。なお、図57(b)におけるTBL1から7は、図41(b)から(h)に示したTBL1から7である。
【0307】
これにより、パチンコ遊技機に限らずパチスロ遊技機でもグループの確率状態に関する情報を報知するという従来にない報知を行うことができ、遊技に関する演出に変化をもたせることができて、遊技の興趣を向上することができる。また、遊技者は、今までのように1台の遊技機だけ見るのではなく、グループ全体を観察して遊技機を選択することができ、選択の幅が広がる。さらに、高確率の遊技機があると思えば、そのグループを横歩きして試打するため全体的に稼働が上がる。
【0308】
なお、図56に示すパチスロ遊技機に備えられた、遊技に関する情報を表示する表示装置91においてグループの確率状態に関する情報の報知を行うようにしても良い。また、グループ内で送受信した音データに基づく音声の出力を行うようにしても良い。
【0309】
以上のことから、確率設定手段(遊技制御装置100)は、特別遊技状態が発生する確率の状態が異なる複数の確率設定のうちから遊技店の係員の操作により何れかの確率設定を選択可能であり、送信手段(隣接台出力部321、演出制御装置300)は、他の遊技機の演出制御手段に対して自遊技機で選択された確率設定を確率状態情報として送信可能であり、グループ確率状態報知手段(演出制御装置300)は、受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)により受信した確率状態情報に基づき、当該確率状態情報を送受信した遊技機が属するグループの確率設定に関する情報を報知するようにしていることとなる。
【0310】
以上のような遊技機は、遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、該遊技制御手段からの指令情報に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの演出制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、変動表示ゲームの結果態様に関連して遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機であって、演出制御手段は、複数機種の遊技機で共通して使用される共通音を出力可能な共通音出力手段(演出制御装置300)を備え、他の遊技機の演出制御手段に対して自遊技機で出力する共通音に関する情報である音データを送信可能な送信手段(隣接台出力部321、演出制御装置300)と、他の遊技機からの音データを受信可能な受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)と、を備え、該受信手段により受信された音データに基づき、共通音出力手段により所定の音を出力可能である。
【0311】
したがって、音による遊技に関する演出を効果的に行うことができる。すなわち、他の遊技機からも自遊技機の音が出るため、大音量でなくてもクリアに聞こえ、迫力ある音を楽しむことができる。また、他の遊技機で遊技している複数の遊技者にも自遊技機での遊技の状態を知らせることができ、遊技場全体で遊技の興趣を向上することができる。
【0312】
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、共通音の出力優先順位を記憶した出力音記憶手段(演出制御装置300)と、受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)により他の遊技機から音データを受信した際に、受信した音データに基づく共通音と、共通音以外の自遊技機で出力する音とを出力音記憶手段に記憶された出力優先順位に基づき比較し、共通音の出力優先順位が上位であれば共通音を出力する音比較出力手段(演出制御装置300)と、を備えている。
【0313】
したがって、自遊技機の出力音がそれほど重要でない場合に、他遊技機の演出に参加することができる。
【0314】
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、音データに基づく共通音を出力する際に、自遊技機で出力していた音のボリュームを下げるようにしている。
【0315】
したがって、自遊技機で出力していた音のボリュームを下げることで、重要な演出を行っている他の遊技機をグループ全体で盛り上げることができる。
【0316】
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)により他の遊技機から音データを受信しても、自遊技機でエラーが発生している際には、他の遊技機から受信した音データに基づく共通音を出力しないようにしている。
【0317】
したがって、自遊技機でのエラーの発生を確実に報知することができる。
【0318】
また、共通音出力手段(演出制御装置300)は、共通音としてSSG音源を用いるようにしている。
【0319】
したがって、異なる機種間でも音データに基づく共通音を出力可能となる。また、当該共通音を異なる機種であっても同一の状態の発生(例えば大当りの発生)に対して関連付けておけば、異なる機種で遊技する遊技者にも伝わりやすくなる。
【0320】
また、遊技者が操作可能な演出操作手段(枠表示ユニット28)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、演出操作手段の操作に基づき遊技中に再生可能な楽曲を複数の楽曲のうちから選択可能とする楽曲選択手段(演出制御装置300)と、楽曲選択手段で選択可能な楽曲を設定する選択可能楽曲設定手段(演出制御装置300)と、演出操作手段の操作に基づき自遊技機で選択可能な楽曲を他の遊技機で選択可能とする選択可能楽曲譲渡手段(演出制御装置300)と、を備えている。
【0321】
したがって、知人どうしなどで楽曲の授受が可能となり、遊技の興趣が向上する。
【0322】
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
【0323】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0324】
10 遊技機
28 枠表示ユニット(演出操作手段)
100 遊技制御装置(遊技制御手段、確率設定手段)
300 演出制御装置(演出制御手段、送信手段、受信手段、共通音出力手段、出力音記憶手段、音比較出力手段、楽曲選択手段、選択可能楽曲設定手段、選択可能楽曲譲渡手段)
321 隣接台出力部(送信手段)
322 隣接台入力部(受信手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、該遊技制御手段からの指令情報に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの演出制御を行う演出制御手段と、を備え、変動表示ゲームの結果態様に関連して遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技制御手段からの指令情報に関連して変動表示ゲームを含む演出制御を行う演出制御手段を備え、変動表示ゲームの結果態様に関連して遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、他の遊技機と制御情報を送受信可能とした遊技機が知られている。このような遊技機においては、演出制御手段は、自遊技機の遊技制御手段からの指令情報に基づいて主演出となる当該遊技機の遊技に関わる演出の制御を行うとともに、他遊技機からの制御情報に基づいて主演出に対して従属演出となる遊技内容に関連した演出の制御を行うようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−81266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の遊技機では、自遊技機での演出に関連して他遊技機が関連した音声を出力することが可能であるが、結局、各台は大音量で異なる音を発生することとなり、遊技者にとっては苦痛である。
【0005】
本発明の目的は、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、該遊技制御手段からの指令情報に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの演出制御を行う演出制御手段と、を備え、変動表示ゲームの結果態様に関連して遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、音による遊技に関する演出を効果的に行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、該遊技制御手段からの指令情報に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの演出制御を行う演出制御手段と、を備え、前記変動表示ゲームの結果態様に関連して遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
前記演出制御手段は、
複数機種の遊技機で共通して使用される共通音を出力可能な共通音出力手段を備え、
他の遊技機の演出制御手段に対して自遊技機で出力する前記共通音に関する情報である音データを送信可能な送信手段と、
他の遊技機からの前記音データを受信可能な受信手段と、を備え、
該受信手段により受信された音データに基づき、前記共通音出力手段により所定の音を出力可能であることを特徴とする。
【0007】
ここで、共通音出力手段は、複数の基本波形を合成して音色を作りエンベーロープを加工するPSG(Programmable Sound Generator)音源やSSG(Software-Controlled Sound Generator)音源、ADPCM音源、PCM音源、AMM音源、DAC音源、MP3音源などその他の種類の音源あるいは方式などを用いることができる。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、音による遊技に関する演出を効果的に行うことができる。すなわち、他の遊技機からも自遊技機の音が出るため、大音量でなくてもクリアに聞こえ、迫力ある音を楽しむことができる。また、他の遊技機で遊技している複数の遊技者にも自遊技機での遊技の状態を知らせることができ、遊技場全体で遊技の興趣を向上することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機であって、前記演出制御手段は、
前記共通音の出力優先順位を記憶した出力音記憶手段と、
前記受信手段により他の遊技機から前記音データを受信した際に、受信した前記音データに基づく共通音と、前記共通音以外の自遊技機で出力する音とを前記出力音記憶手段に記憶された出力優先順位に基づき比較し、前記共通音の前記出力優先順位が上位であれば前記共通音を出力する音比較出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、自遊技機の出力音がそれほど重要でない場合に、他遊技機の演出に参加することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機であって、前記演出制御手段は、
前記音データに基づく共通音を出力する際に、自遊技機で出力していた音のボリュームを下げることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、自遊技機で出力していた音のボリュームを下げることで、重要な演出を行っている他の遊技機をグループ全体で盛り上げることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の遊技機であって、前記演出制御手段は、
前記受信手段により他の遊技機から前記音データを受信しても、自遊技機でエラーが発生している際には、他の遊技機から受信した前記音データに基づく共通音を出力しないことを特徴とする。
【0014】
ここで、共通音を出力しないとは、音の出力自体を取りやめることの他、単にボリュームを0にすることも含む。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、自遊技機でのエラーの発生を確実に報知することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の遊技機であって、前記共通音出力手段は、前記共通音としてSSG音源を用いることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、異なる機種間でも音データに基づく共通音を出力可能となる。また、当該共通音を異なる機種であっても同一の状態の発生(例えば大当りの発生)に対して関連付けておけば、異なる機種で遊技する遊技者にも伝わりやすくなる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れか一項に記載の遊技機であって、遊技者が操作可能な演出操作手段を備え、
前記演出制御手段は、
前記演出操作手段の操作に基づき遊技中に再生可能な楽曲を複数の楽曲のうちから選択可能とする楽曲選択手段と、
前記楽曲選択手段で選択可能な楽曲を設定する選択可能楽曲設定手段と、
前記演出操作手段の操作に基づき自遊技機で選択可能な楽曲を他の遊技機で選択可能とする選択可能楽曲譲渡手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、知人どうしなどで楽曲の授受が可能となり、遊技の興趣が向上する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、音による遊技に関する演出を効果的に行うことができる。すなわち、他の遊技機からも自遊技機の音が出るため、大音量でなくてもクリアに聞こえ、迫力ある音を楽しむことができる。また、他の遊技機で遊技している複数の遊技者にも自遊技機での遊技の状態を知らせることができ、遊技場全体で遊技の興趣を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る遊技機の一実施形態を示す正面図である。
【図2】(a)遊技機の正面図、(b)遊技機の平面図である。
【図3】実施形態の遊技機における遊技盤の構成例を示す正面図である。
【図4】遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図5】遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図6】音声合成用ICの内部構成を示すブロック図である。
【図7】音声合成用IC内における信号の流れを示すシグナルフロー図である。
【図8】遊技機の情報通信経路を説明する図である。
【図9】メイン処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】メイン処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】タイマ割込み処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】コマンド送信処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】演出制御コマンド送信処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】演出制御コマンド出力処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】コマンドデータ出力処理を説明するためのフローチャートである。
【図16】特図ゲーム処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】始動口スイッチ監視処理を説明するためのフローチャートである。
【図18】特図始動口スイッチ共通処理を説明するためのフローチャートである。
【図19】特図保留情報判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図20】特図普段処理を説明するためのフローチャートである。
【図21】特図1変動開始処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】特図2変動開始処理を説明するためのフローチャートである。
【図23】小当りフラグ1設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図24】小当りフラグ2設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図25】図柄変動制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図26】1stメイン処理を説明するためのフローチャートである。
【図27】ヴァージョン設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図28】総接続台数と選択される演出ヴァージョンを説明する図である。
【図29】コマンド受信割込み処理を説明するためのフローチャートである。
【図30】2ndメイン処理を説明するためのフローチャートである。
【図31】Vブランク割込み処理を説明するためのフローチャートである。
【図32】通常ゲーム処理を説明するためのフローチャートである。
【図33】サブ間通信処理を説明するためのフローチャートである。
【図34】サブ間データ送受信処理を説明するためのフローチャートである。
【図35】外部入力音設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図36】外部入力音出力処理を説明するためのフローチャートである。
【図37】出力中の音と外部入力音の優先順位を説明する図である。
【図38】外部入力音としてAMM音源を用いる場合の出力中の音と外部入力音の優先順位を説明する図である。
【図39】外部入力音としてAMM音源を用いる場合の外部入力音設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図40】状態報知処理を説明するためのフローチャートである。
【図41】報知態様を選択するためのテーブルを説明する図である。
【図42】隣接高確率状態報知処理を説明するためのフローチャートである。
【図43】状態報知処理の別例を説明するためのフローチャートである。
【図44】別例の状態報知処理における報知態様を選択するためのテーブルを説明する図である。
【図45】枠表示装置のキャラクタの移動操作を説明する図である。
【図46】演出ヴァージョンの交換操作を説明する図である。
【図47】楽曲の提供操作を説明する図である。
【図48】確率の確認操作を説明する図である。
【図49】確率の確認操作の別例を説明する図である。
【図50】枠表示装置演出処理を説明するためのフローチャートである。
【図51】キャラクタ移動処理を説明するためのフローチャートである。
【図52】演出ヴァージョン交換処理を説明するためのフローチャートである。
【図53】楽曲選択処理を説明するためのフローチャートである。
【図54】確率確認処理を説明するためのフローチャートである。
【図55】確率確認処理の別例を説明するためのフローチャートである。
【図56】本発明を適用したパチスロ遊技機を複数設置した状態の正面図である。
【図57】パチスロ遊技機における報知態様を選択するためのテーブルを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
【0023】
本実施形態の遊技機10は前面構成枠12を備え、該前面構成枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図3参照)は前面構成枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面構成枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
【0024】
また、ガラス枠15の上部には、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面構成枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、ガラス枠15の左右にはランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18(図5参照)が設けられている。
【0025】
また、前面構成枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口(図示省略)、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面構成枠12の右側には、当該前面構成枠12の前面側に突出する前面構成枠突出部26を備え、当該前面構成枠突出部26の下部には、前面構成枠12を開放したり施錠したりするための鍵27が設けられている。
【0026】
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図3参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、図示は省略するが、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部等が設けられている。
【0027】
また、この実施形態の遊技機10において、図2(a)の遊技機10の正面図及び同図(b)の遊技機10の平面図に示すように、前面構成枠突出部26は、カバーガラス14の平面と略平行の突出面26aと、当該突出面26aの左側端部から遊技機10の中央に向かって傾斜する左側面26bと、を備え、当該左側面26bに遊技者による接触操作を検出可能であり、当該接触操作を検出した場合に接触位置を示す検出信号を出力する枠表示装置28aを備えた枠表示ユニット28を備えている。ここで、前面構成枠12は、一側方を前方に突出させ、その内側側面に枠表示装置28aを設けたこととなる。これにより、枠表示装置28aは、前面構成枠12の一側方を突出させその内側側面に設けられているので、遊技者の背後の位置からでは角度が付けられることとなり当該枠表示装置28aの表示画面を覗きこまれ難くすることができる。また、当該枠表示装置28aが設けられた一側方に隣接する遊技機からは突出した前面構成枠突出部26が障壁となり、他側方に隣接する遊技機からは遊技者自身が障壁となり当該枠表示装置28aの表示画面を覗きこまれ難くすることができる。
【0028】
次に、図3を用いて遊技盤30の一例について説明する。図3は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
【0029】
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。また、センターケース40の上部には当該遊技機10の表題(例えば漫画や映画のタイトル)の文字等があしらわれた飾り部材Tが配設されている。
【0030】
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0031】
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための一般入賞口スイッチ35a〜35n(図4参照)が配設されている。
【0032】
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞領域としての始動入賞口36(第1始動入賞口)が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口(始動入賞領域)を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
【0033】
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図4参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
【0034】
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
【0035】
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図4参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図4参照)が配設されている。特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
【0036】
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0037】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(第1特図表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(第2特図表示器)52と、を備える。また、一括表示装置50には、図示は省略するが、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、LEDランプ4つで構成された特図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図1保留表示器および特図2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図2保留表示器、LEDランプ2つで構成された普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示器、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示器、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する高確率報知器、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド数表示器が設けられている。
【0038】
第1特図表示器51と第2特図表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「大当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0039】
本実施形態の遊技機10では、打球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面構成枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
【0040】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図4参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の普図保留表示器(図示省略)に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
【0041】
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)(図示省略)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0042】
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図4参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
【0043】
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図4参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1、特図2保留表示器(図示省略)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
【0044】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51又は特図2表示器52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様(停止結果態様)も特別結果態様となる。
【0045】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0046】
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0047】
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0048】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面構成枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0049】
図4は、本実施形態の遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0050】
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0051】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0052】
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0053】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0054】
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0055】
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
【0056】
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0057】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。
【0058】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0059】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ等が設定されている。
【0060】
なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0061】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数(大当り判定用乱数)や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動態様決定用乱数)、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0062】
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数、停電復旧直後等の所定のタイミングなどに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
【0063】
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0064】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0065】
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0066】
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0067】
また、入力部120には、遊技機10の前面構成枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0068】
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面構成枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0069】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0070】
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0071】
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0072】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0073】
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0074】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0075】
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0076】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0077】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
【0078】
次に、図5を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41や枠表示装置28aへの映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)と、各種のメロディや効果音などをスピーカ(音声出力部)19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音声合成用IC314を備えている。
【0079】
また、ROM330には、上記主制御用マイコン(1stCPU)311が実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなる1stCPU用のプログラムROMや映像制御用マイコン(2ndCPU)312が実行するプログラムを格納した2ndCPU用のプログラムROM、VDPが画像処理を行う際のキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROMが含まれる。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音声合成用IC314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。また、RAM320は、主制御用マイコン(1stCPU)及び映像制御用マイコン(2ndCPU)によって処理される各種データを一時的に記憶する記憶領域や各CPUの作業領域を備えている。
【0080】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間はシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDPとの間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDPには、画像ROMから読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)や、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41や枠表示装置28aへ送信する映像信号を生成する信号変換回路などが設けられている。
【0081】
VDPから主制御用マイコン311へは表示装置41及び枠表示装置28aの映像と前面構成枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDPから映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコンからのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音声合成用IC314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0082】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0083】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)が設けられている。このコマンドI/Fを介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/Fには信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0084】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置(例えばセンターケース40に設けられたランプ等)42を駆動制御する盤装飾LED制御回路(図示省略)、前面構成枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18を駆動制御する枠装飾LED制御回路(図示省略)、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41や枠表示装置28aにおける演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路(図示省略)が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路は、入出力I/F340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0085】
また、演出制御装置300には、図示は省略するが、前面構成枠突出部26に設けられた枠表示装置28aを有する枠表示ユニット28を駆動制御する制御回路等が設けられている。なお、当該制御回路も入出力I/F340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0086】
枠表示ユニット28は、枠表示装置28aと、当該枠表示装置28aを振動させることが可能な振動機構部28bと、当該枠表示装置28aを回動させる駆動源としてのモータ28cと、当該枠表示装置28aが配された前面構成枠12の回動(開閉)や、遊技機の振動等を検出する3軸加速度センサ28dと、遊技者が当該枠表示装置28aを接触操作したときの接触位置や接触強度を検出するタッチセンサ28eと、を備えている。これにより、枠表示装置28aの表示を遊技者が触れることによって種々の操作が可能となっている。すなわち、枠表示ユニット28が、遊技者が操作可能な演出操作手段をなす。
【0087】
さらに、演出制御装置300には、前面構成枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路(図示省略)が設けられている。また、演出制御装置300には、自遊技機10と他の遊技機10との間で制御情報等の情報通信を可能とする情報通信手段として、自遊技機の情報を送信する隣接台出力部321と、他遊技機からの情報を受信する隣接台入力部322がもうけられている。さらに自遊技機を、情報通信を行うグループにおける統括制御遊技機(マスタ)又は従属制御遊技機(スレイブ)に設定するためのマスタ/スレイブSW323が設けられている。これら制御回路やスイッチも入出力I/F340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0088】
音声出力を制御する音声合成用IC314は、音制御用のコマンドデータに応じた制御データと、圧縮された複数種類の音声データとが格納された音声データROM315からデータを取得して音声を発生し、増幅回路316を介して上スピーカ19a、下スピーカ19bから出力する。また、増幅回路316を介して出力される音声の大きさを調整するためのボリューム調整部317を備えている。
【0089】
また、演出制御装置300には、電源装置400の通常電源部410から所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41や枠表示装置28aを駆動するためのDC12V、コマンドI/Fの電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0090】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP、音声合成用IC314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路、スピーカを駆動する増幅回路316に供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDPに対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDPの動作の連携性を向上させることができる。
【0091】
図6には、音声合成用IC314の内部構成を示すブロック図を示した。音声合成用IC314は、SSG音源と高性能圧縮音声再生機能を併せ持つ自動演奏LSIである。図6に示す構成において、CPUインタフェース351は、主制御用マイコン311と接続するためのインタフェースであって、主制御用マイコン311からの情報や信号を入力する。CPUインタフェース351は、/SEL(インタフェースモード選択端子)、S6M(CPUインタフェースモード選択端子)、/CS(チップセレクト信号入力端子)、/WR(ライトイネーブル信号入力端子)、ENA(イネーブル信号またはライトイネーブル信号入力端子)、AD(アドレスデータ選択信号入力端子)およびCD0〜CD7(CPUからのコマンドデータ入力端子:データバス)の端子が接続されている。/SELおよびS6Mの端子の信号レベルによってモードが選択され、/CS、/WR、ENAおよびADの端子の信号レベルによってモードに応じたコマンドデータの書き込みが行われる。
【0092】
タイミング発生回路352は、処理タイミングを決定するためのクロックを発生する回路であり、XI(水晶発振子接続端子または外部クロック入力端子)、XO(水晶発振子接続端子)、CLKO(クロック出力端子)および/RESET(リセット入力端子)の端子が接続されている。XIおよびXOの端子が水晶発振子と接続されることにより水晶発振回路が構成される。外部からのクロックをXIの端子より入力することも可能である。CLKOの端子からは所定周波数のクロックが出力される。/RESETの端子がロウレベルのとき、内部レジスタが初期化される。音声合成用IC314では、電源投入時にシステムリセットを行う必要がある。
【0093】
外部ROMインタフェース353は、音声データROM315と接続するためのインタフェースであって、音声データROM315との間で情報や信号の入出力を行う。外部ROMインタフェース315は、MA00〜MA23(アドレスバス)、MD00〜MD15(データバス)およびMBMD(データバス幅選択信号入力端子)の端子が接続されている。外部ROMインタフェース353は、MA00〜MA23の端子よりアドレスを音声データROM315に出力し、MD00〜MD15の端子より音声データROM315からのデータを読み込む。MBMDの端子がハイレベルのとき、16ビットのデータバスに対応し、ロウレベルのとき、8ビットのデータバスに対応する。
【0094】
AMMデコーダ354は、主制御用マイコン311からの命令(コマンド)により、AMM(AMusement Music compression)データ形式に圧縮されたフレーズデータを音声データROM315から外部ROMインタフェース353を介して読み出し、読み出したフレーズデータをPCMデータ(Pulse Code Modulation)にデコード(復号化、伸張)する。また、AMMデコーダ354は、主制御用マイコン311からの命令に従って、ボリューム、パン(ステレオ再生したときの、音が聞こえる定位(方向)を設定する機能)およびバスブースト(低音強調)を制御する機能を備えている。この実施の形態では、AMMデコーダ354には、音声の再生チャンネルとして8チャンネルが設けられ、独立した8フレーズの同時再生が可能である。AMMは音楽信号の高能率符号化方式であり、アミューズメント機器に適したフレーズの高音質・高圧縮が実現される。AMMデータのエンコード(符号化)は、専用のエンコーダが用いられる。
【0095】
SSG音源355は、3系列のパルスジェネレータと1系列のノイズジェネレータとエンベローブジェネレータで構成されており、効果音、警報など、各種の複雑な音(矩形波3音+ノイズ1音)を発生することが可能である。
【0096】
デジタル出力インタフェース356は、AMMデコーダ354によってPCMデータにデコードされたフレーズデータをデジタル出力するためのインタフェースである。デジタル出力インタフェース356は、LRO(ワードクロックのデジタル出力端子)、BCO(ビットクロックのデジタル出力端子)およびSDO(フレーズデータのデジタル出力端子)の端子が接続されている。LROの端子からワードクロックが出力され、BCOの端子からビットクロックが出力され、SDOの端子からフレーズデータが出力される。なお、デジタル出力を行わないときは、LRO、BCO、SDOの端子はオープンにされる。
【0097】
DAコンバータオペアンプ357は、AMMデコーダ354によってPCMデータにデコードされたフレーズデータをアナログデータに変換し、変換したアナログデータを増幅してアナログ出力する回路である。DAコンバータオペアンプ357は、AOL(Lチャンネルのアナログ出力端子)およびAOR(Rチャンネルのアナログ出力端子)の端子が接続されている。AOLの端子から左側のスピーカ19aに対してアナログデータが出力され、AORの端子から右側のスピーカ19aに対してアナログデータが出力される。
【0098】
OR回路358には、AMMデコーダ354とSSG音源355とが入力側に接続され、/PLAYの端子が出力されている。/PLAYの端子は、AMMデコーダ354およびSSG音源355の各再生チャンネルのいずれかが再生中の場合はロウレベルとなる。全ての再生チャンネルが停止中の場合はハイレベルになる。
【0099】
図7には、音声合成用IC314内における信号の流れを示すシグナルフロー図を示した。上述したように、音声合成用IC314は、音声データROM315に格納されているAMMデータ形式のフレーズデータをPCMデータにデコードして出力するAMMデコーダ354と、各種の複雑な音(矩形波3音+ノイズ1音)を独自に発生して出力するSSG音源355とを備えている。
【0100】
AMMデコーダ354には、フレーズを独立して再生可能な再生チャンネルとして8チャンネル(ch0〜ch7)が設けられている。偶数再生チャンネルはモノラル、ステレオフレーズのデコードが可能であり、奇数再生チャンネルはモノラルフレーズのみデコードが可能である。再生チャンネル0がステレオフレーズデコード時に、再生チャンネル1はデコード不可能になる。同様に、再生チャンネル2,4,6がステレオフレーズデコード時に、再生チャンネル3,5,7はデコード不可能になる。なお、モノラルおよびステレオフレーズの識別は、音声合成用IC314内でフレーズデータから自動的に検出される。また、SSG音源355には、各種の音(矩形波3音+ノイズ1音)を発生する音源が2系統設けられている。
【0101】
音声合成用IC314は、8系統のシーケンサーを内蔵しており、フレーズ再生停止検出機能やタイマ機能を利用して、フレーズの出力順序の指定や、フェードイン/フェードアウト、オートパン(音像を左右、前後に周期的に移動させるエフェクト)などを実現する。
【0102】
音声合成用IC314では、主制御用マイコン311からのコマンドにもとづいて、音声データROM315に登録された制御データ(コードデータ)を実行し、フレーズ再生制御レジスタ、SSG音源制御レジスタ、およびシーケンサーレジスタにデータを設定して、フレーズデータの再生やシーケンサーの起動などを実行する。
【0103】
フレーズ再生を制御するためのフレーズ再生制御レジスタには、全チャンネルの制御レジスタと各チャンネルの制御レジスタが設けられている。そして、全チャンネルの制御レジスタには、ミュートの設定を行うためのレジスタや全再生チャンネルの音量を設定するためのレジスタ、バスブーストの設定を行うためのレジスタなどが設けられている。また、各チャンネルの制御レジスタには、再生するフレーズナンバーの設定を行うためのレジスタ、各再生チャンネルの音量を設定するためのレジスタ、各再生チャンネルのパンポット(L/Rの定位)を設定するためのレジスタ(PAN設定用のレジスタ)、再生の繰り返しを設定するためのレジスタ、再生スタート/ストップを設定するためのレジスタなどが設けられている。
【0104】
SSG音源355を制御するためのSSG音源制御レジスタには、6チャンネル(1A,1B,1C,2A,2B,2C)のパルスジェネレータで生成される矩形波の周波数を設定するためのレジスタ(楽音周波数の設定用のレジスタ)、ノイズジェネレータで生成されるノイズ音の周波数を設定するためのレジスタ、各チャンネル(1A,1B,1C,2A,2B,2C)ごとに楽音(トーン)およびノイズ音を出力するかどうかを設定するためのレジスタ(ミキサー設定用のレジスタ)、各チャンネル(1A,1B,1C,2A,2B,2C)の音量を設定するためのレジスタ、エンベローブジェネレータ(電子楽器の音源部で、鍵盤を弾いた瞬間から音が消えるまでの、音の出力レベルを変化させる部分(装置)。音の立ち上がりの鋭さや減衰などを調節することが可能。)を設定するためのレジスタ、各チャンネル(1A,1B,1C,2A,2B,2C)のパンポット(L/Rの定位)を設定するためのレジスタ(PAN設定用のレジスタ)、SSG音全チャンネルのトータルボリュームを設定するためのレジスタなどが設けられている。
【0105】
シーケンサーを制御するためのシーケンサーレジスタには、8系統のシーケンサーごとに、各シーケンサーが実行する制御データ(コードデータ)を設定するためのレジスタ、各シーケンサーの起動/停止を設定するためのレジスタ、タイマの設定を行うためのレジスタなどが設けられている。
【0106】
AMMデコーダ354では、再生するフレーズナンバーを示すデータが制御レジスタに設定された一または複数の再生チャンネルにおいて、音声データROM315から読み出されたAMMデータ形式のフレーズデータがPCMデータにデコードされる。そして、ボリューム(VOL)において、制御レジスタに設定されたデータに従ってデコードされた音声データの音量が調整される。また、パン(pan)において、制御レジスタに設定されたデータに従ってパンポット(L/Rの定位)が調整される。そして、各再生チャンネルからの音声データが合成され、バスブーストにおいて、制御レジスタに設定されたデータに従って低音を強調する音声データ処理が行われる。そして、音声データが出力I/F(デジタル出力インタフェース356および(または)DAコンバータオペアンプ357)に出力される。
【0107】
SSG音源355では、制御レジスタに設定されたデータに従って、パルスジェネレータおよびノイズジェネレータが所定周波数の楽音およびノイズ音の音源データを出力する。パルスジェネレータおよびノイズジェネレータから出力された楽音およびノイズ音は、ミキサーでミックス(混合)される。そして、制御レジスタに設定されたデータに従って、エンベローブジェネレータによって音の立ち上がりの鋭さや減衰などが調節され、また、パンポット(L/Rの定位)が調整される。そして、各チャンネルからの音声データが合成され、合成された音声データが出力I/F(デジタル出力インタフェース356および(または)DAコンバータオペアンプ357)に出力される。出力I/F356,357は、AMMデコーダ354およびSSG音源355からの音声データをデジタル出力またはアナログ出力する。
【0108】
図8には、遊技機の情報通信経路を示した。各遊技機10は、遊技制御装置100の外部情報端子71を通じて外部中継装置510に接続され、さらに遊技場の管理装置520に接続されており、大当り情報など遊技機10に関する情報を管理装置520に送信できるようになっている。また、演出制御装置300の隣接台出力部321と隣接台入力部322を介して、隣接する遊技機10が順次リング状に接続されており、遊技に関する情報を送受信できるようになっている。このように隣接台出力部321と隣接台入力部322を介して接続された複数の遊技機が一つのグループをなし、マスタ/スレイブSW323による設定により、このグループのうちの一台をマスタに設定し、残りをスレイブに設定する。マスタに設定された遊技機10はグループ内で送受信された情報に基づき、スレイブに設定された遊技機10に対して指示を送信することができる。なお、各遊技機をリング状に接続して単方向で通信するようにしたが、双方向で通信するようにしても良い。また、無線通信により接続するようにしても良い。すなわち、隣接台出力部321及び演出制御装置300が、他の遊技機の演出制御手段に対して自遊技機の制御情報を送信可能な送信手段をなす。また、隣接台入力部322及び演出制御装置300が他の遊技機からの制御情報を受信可能な受信手段をなす。
【0109】
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器(図示省略)に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0110】
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
【0111】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光、枠表示装置28aの表示を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
【0112】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、25秒又は0.5秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回(第1特別遊技状態)又は2回(第2特別遊技状態))継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0113】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態が発生する確率の状態を、少なくとも通常確率状態と該通常確率状態よりも高い高確率状態の何れかに設定する確率設定手段をなす。なお、設定された確率状態は演出制御装置300でも記憶されるようになっており、この情報を元に確率状態に関する示唆、報知を行うことが可能となっている。すなわち、演出制御装置300が、確率状態を記憶する確率状態記憶手段をなす。
【0114】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
【0115】
例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000msが600ms)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604ms)よりも短い第2停止時間(例えば704ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば300ms)よりも長い第2開放時間(例えば1400ms)となるように制御することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
【0116】
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。なお、以下の説明や図中では、時短状態をサポートと称することがある。
【0117】
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図9及び図10参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図11参照)とからなる。
【0118】
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図9に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
【0119】
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
【0120】
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電復旧である(ステップS11;Yes)と判定すると、ステップS12へ進みチェックサムと呼ばれるデータを算出する処理及び算出されたチェックサムが正常か異常かを判定する(ステップS13)。また、ステップS9で初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合、ステップS11で停電復旧でない(ステップS11;No)と判定された場合及びステップS13でチェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合は、図10のステップS20へジャンプする。
【0121】
また、ステップS13でチェックサムが正常(ステップS13;Yes)と判定した場合は、図10のステップS14へ移行して、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブ(格納)してから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS15)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、高確率でないと(ステップS16;No)と判定した場合は、ステップS17,S18をスキップしてステップS19へ移行する。
【0122】
また、ステップS16で高確率であると(ステップS16;Yes)と判定した場合は、ステップS17で高確率の報知フラグ領域にON情報をセーブしてから、一括表示装置50に設けられる高確率報知LEDのONデータをセグメント領域に設定(ステップS18)してステップS19へ移行する。ステップS19では、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。
【0123】
一方、ステップS9,S11,S13からステップS20へジャンプした場合には、まずCPUが使用するRAM内の作業領域をリセットしてから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS21)。それから、ステップS22で電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。ステップS23では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
【0124】
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0125】
上記ステップS23のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS24)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS25)、割込みを許可する(ステップS26)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0126】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS27)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
【0127】
上記ステップS27の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電検出信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックして停電が発生したか否かの判定(ステップS28)を行い、停電が発生していない場合(ステップS28;No)には、ステップS27に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS27)の前に割り込みを許可する(ステップS26)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0128】
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0129】
上記ステップS28において、停電が発生していると判定した場合(ステップS28;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS29)、全出力ポートをオフにする処理(ステップS30)を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS31)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS32)を行った後、チェックサムをセーブし(ステップS33)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS34)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0130】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図11に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図11のタイマ割込み処理が開始される。
【0131】
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
【0132】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
【0133】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0134】
〔コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(ステップS54)の詳細について説明する。図12に示すように、コマンド送信処理は、演出制御装置300に対する演出制御コマンド送信処理(ステップS71)と、払出制御装置200に対する払出コマンド送信処理(ステップS72)とからなる。
【0135】
〔演出制御コマンド送信処理〕
次に、前述のコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(ステップS71)の詳細について説明する。図13に示すように、演出制御コマンド送信処理においては、まず、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかをチェックする(ステップS81)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であればコマンドが設定されていないと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には、未送信のコマンドが設定されていると判定する(ステップS82)。
【0136】
ステップS82で、コマンドが設定されていないと判定した場合(ステップS82;No)には、当該演出制御コマンド送信処理から抜け、ステップS82で、コマンドが設定されていると判定した場合(ステップS82;Yes)には、リードカウンタを更新(+1)する(ステップS83)。次いで、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))からコマンドをロードする(ステップS84)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS85)。さらに、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(ステップS86)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS87)。そして、演出制御コマンド出力処理(ステップS88)を行い、演出制御コマンド送信処理を終了する。
【0137】
〔演出制御コマンド出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド送信処理における演出制御コマンド出力処理(ステップS88)の詳細について説明する。図14に示すように、演出制御コマンド出力処理においては、先ず、コマンド(MODE)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備して(ステップS91)、コマンドデータ出力処理(ステップS92)を実行する。その後、コマンド(ACTION)を出力し(ステップS93)、コマンド(ACTION)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備(ステップS94)してから、コマンドデータ出力処理(ステップS95)を実行する。
【0138】
〔コマンドデータ出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド出力処理におけるコマンドデータ出力処理(ステップS92、S95)の詳細について説明する。図15に示すように、コマンドデータ出力処理においては、先ず、ポートの直前の状態が失われないようにするため、演出制御コマンド出力のストローブ信号を含む出力ポート131のポート状態保持データをロードする(ステップS101)。それから、演出制御コマンドを出力ポート132へ出力(ステップS102)し、出力ポート131へはストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持してオフ状態(データの読取り無効を示す例えばロウレベル)のストローブ信号を付加して出力する(ステップS103)。そして、次のステップS104で、ストローブ信号をオフ状態にすべき時間(オフ時間)が終了したか否か判定する。ここで、オフ時間が終了していない(ステップS104;No)と判定するとステップS102へ戻って上記処理を繰り返す。
【0139】
一方、ステップS104で、オフ時間が終了した(ステップS104;Yes)と判定するとステップS105へ移行して、ストローブ信号のオン状態(データの読取り有効を示す例えばハイレベル)の時間を設定する。続いて、ステップS101でロードしたデータを保持するレジスタ上で、出力ポート131のストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持したままストローブ信号をオン状態に設定する(ステップS106)。それから、演出制御コマンドを出力(ステップS107)し、オン状態(ハイレベル)のストローブ信号を出力する(ステップS108)。
【0140】
そして、次のステップS109で、ストローブ信号をオン状態にすべき時間(オン時間)が終了したか否か判定する。ここで、オン時間が終了していない(ステップS109;No)と判定するとステップS107へ戻って上記処理を繰り返す。また、ステップS109で、オン時間が終了した(ステップS109;Yes)と判定するとステップS110へ移行して、オフ状態のストローブ信号を設定してから、オフ状態のストローブ信号を出力(ステップS111)して、当該コマンドデータ出力処理を終了する。ステップS107で演出制御コマンドを再度出力しているのは、ステップS107〜S109のループ処理中に停電が発生した場合に、出力中の演出制御コマンドが停電復帰後に出力されなくなるのを回避するためである。また、ノイズによって、コマンドコードが変わってしまうのを回避することもできる。なお、このステップS104及びステップS109は、各々の処理のみをループさせることも可能である。
【0141】
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0142】
図16に示すように、特図ゲーム処理においては、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
【0143】
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
【0144】
次に、特図ゲーム処理タイマが、既にタイムアップしたか、又は当該特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した後にタイムアップしたかをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA4)。ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
【0145】
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
【0146】
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当り又は小当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)又は小当りに応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)又は小当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
【0147】
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
【0148】
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
【0149】
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
【0150】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図17に示すように、始動口スイッチ監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動入賞口36(始動口1)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
【0151】
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA113)、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
【0152】
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合は(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0153】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。当該特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
【0154】
図18に示すように、特図始動口スイッチ共通処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
【0155】
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードして、当該ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA205)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA206;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA207)、処理をステップA208に移行する。一方、ステップA206にて、出力回数がオーバーフローしたと判定された場合は(ステップA206;Yes)、処理をステップA208に移行する。
【0156】
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA208)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。
【0157】
ステップA209にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA209;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA210)を行う。続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA211)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA212)、コマンド設定処理(ステップA213)を行う。
【0158】
続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA214)を行った後、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA215)。そして、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して、当該大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。次に、対応する変動パターン乱数1を抽出し、RWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブし(ステップA217)、次に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、RWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブし(ステップA218)、さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、RWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブした(ステップA219)後、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロードし、準備して(ステップA220)、特図保留情報判定処理(ステップA221)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については後述する。
【0159】
一方、ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA209;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA222)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA223;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA224)、コマンド設定処理(ステップA225)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA223にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合には(ステップA223;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0160】
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA221)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
【0161】
図19に示すように、先ず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であるか否かをチェックして(ステップA231)、始動口2スイッチ37aの入力でない(ステップA232;No)と判定すると、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、即ち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)であるか否かを判定する処理(ステップA233)を行う。ここで、普通変動入賞装置37がサポート中でない(ステップA233;No)と判定すると、遊技機10が大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する処理(ステップA234)を行う。
【0162】
ステップA234にて、大当り中でない(ステップA234;No)と判定すると、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA235)を行う。
【0163】
一方、ステップA233にて、普通変動入賞装置37がサポート中であると判定されるか(ステップA233;Yes)、或いは、ステップA234にて、大当り中であると判定された場合(ステップA234;Yes)は、特図保留情報判定処理を終了する。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるときは、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないこととなる。
【0164】
また、ステップA232にて、始動口2スイッチ37aの入力であると判定された場合(ステップA232;Yes)は、ステップA233、ステップA234の処理を行わずに、ステップA235に処理を移行して、それ以降の処理を行う。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
【0165】
そして、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(ステップA236;No)には、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA237)、ステップA245へ移行する。一方、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りである場合(ステップA236;Yes)には、始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックする(ステップA238)。
【0166】
そして、ステップA238におけるチェックの結果、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA239;Yes)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル1を準備して(ステップA240)、ステップA242へ移行する。また、始動口1スイッチ36aの入力でない(ステップA239;No)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル2を準備して(ステップA241)、ステップA242へ移行する。
【0167】
次いで、ステップA242では、大当り図柄乱数をチェックし、対応する入賞情報ポインタを取得する(ステップA242)。そして、大当り情報テーブルアドレステーブルを設定した(ステップA243)後、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得し、設定して(ステップA244)、ステップA245へ移行する。
【0168】
続けて、ステップA245では、設定した情報テーブル(大当り情報テーブル、又は、はずれ情報テーブル)から図柄情報を取得し、取得した図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA246)。次に、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し(ステップA247)、取得した始動口入賞演出図柄コマンドを入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA248)。
【0169】
続けて、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備し(ステップA249)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備し(ステップA250)、特図情報設定処理(ステップA251)、後半変動パターン設定処理(ステップA252)、変動パターン設定処理(ステップA253)を行う。そして、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出し、準備し(ステップA254)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として、準備して(ステップA255)、コマンド設定処理(ステップA256)を行う。続けて、始動口入賞演出図柄コマンドをロードし、準備して(ステップA257)、コマンド設定処理(ステップA258)を行い、特図保留情報判定処理を終了する。
【0170】
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図20に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA271)。そして、特図2保留数が0である(ステップA272;Yes)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA273)。そして、特図1保留数が0である(ステップA274;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA275)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA276;No)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする処理(ステップA277)を行う。
【0171】
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA278)、コマンド設定処理(ステップA279)を行う。一方、ステップA275にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA276;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA277)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA278)され、コマンド設定処理(ステップA279)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA280に移行する。そして、特図普段処理移行設定処理1(ステップA280)を行って、特図普段処理を終了する。
【0172】
一方、ステップA272にて、特図2保留数が0でない(ステップA272;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA281)を行う。なお、ステップA281における特図2変動開始処理の詳細については後述する。その後、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA282)を行って、特図普段処理を終了する。また、ステップA274にて、特図1保留数が0でない(ステップA274;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA283)を行う。なお、ステップA283における特図1変動開始処理の詳細については後述する。その後、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA284)を行って、特図普段処理を終了する。このように、ステップA271とステップA272における特図2保留数のチェックを、ステップA273とステップA274における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA281)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
【0173】
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA283)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図21に示すように、先ず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定して大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA301)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定して小当りフラグ1にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理(ステップA302)を行う。
【0174】
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA303)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA304)。続いて、図柄情報領域から図柄情報をロードし(ステップA305)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA306)。
【0175】
次に、特図1変動フラグを設定し、準備して(ステップA307)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA308)。その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図1用)を準備して(ステップA309)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA310)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA311)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA312)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA313)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
【0176】
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA281)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図22に示すように、先ず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定して大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA321)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定して小当りフラグ2にはずれ情報や小当り情報を設定する小当りフラグ2設定処理(ステップA322)を行う。
【0177】
次に、第2特図停止図柄(特図2停止図柄)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、第2特図停止図柄番号(特図2停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA324)。続いて、図柄情報領域から図柄情報をロードし(ステップA325)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA326)。
【0178】
次に、特図2変動フラグを設定し、準備して(ステップA327)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA328)。その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図2用)を準備して(ステップA329)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA330)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA331)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA332)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA333)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
【0179】
〔小当りフラグ1設定処理〕
図23には、図21に示す特図1変動開始処理における小当りフラグ1設定処理を示した。この小当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ領域1にはずれ情報をセーブし(ステップA341)、大当りフラグ1が大当りかチェックする処理(ステップA342)で、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされているかをチェックする。
【0180】
そして、大当りである場合(ステップA343;Yes)、すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされている場合は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。また、大当りでない場合(ステップA343;No)、すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされていない場合は、大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA344)、特図1判定データを準備する(ステップA345)。
【0181】
次に、小当り判定処理(ステップA346)を行い、小当りでない場合(ステップA347)は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。また、小当りである場合(ステップA347;Yes)は、小当りフラグ領域1に小当り情報をセーブし(ステップA348)、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA349)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
【0182】
〔小当りフラグ2設定処理〕
図24には、図22に示す特図2変動開始処理における小当りフラグ2設定処理を示した。この小当りフラグ2設定処理では、まず、小当りフラグ領域2にはずれ情報をセーブし(ステップA351)、大当りフラグ2が大当りかチェックする処理(ステップA352)で、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされているかをチェックする。
【0183】
そして、大当りである場合(ステップA353;Yes)、すなわち、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされている場合は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。また、大当りでない場合(ステップA353;No)、すなわち、大当りフラグ2に第2特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされていない場合は、大当り乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA354)、特図2判定データを準備する(ステップA355)。
【0184】
次に、小当り判定処理(ステップA356)を行い、小当りでない場合(ステップA357)は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。また、小当りである場合(ステップA357;Yes)は、小当りフラグ領域2に小当り情報をセーブし(ステップA358)、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA359)、小当りフラグ2設定処理を終了する。
【0185】
〔図柄変動制御処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップA19)の詳細について説明する。図25に示すように、図柄変動制御処理では、先ず、対象の変動制御フラグがセットされ当該図柄が変動中であるか否かチェックする(ステップA361)。ここで、当該図柄が変動中であると判定された場合(ステップA362;Yes)は、対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(表示用)を取得し(ステップA363)、対象の図柄の変動時間を計時する変動タイマを−1更新し、タイムアップしたか否かチェックする(ステップA364)。
【0186】
そして、タイムアップしたと判定された場合(ステップA365;Yes)は、図柄変動制御タイマ初期値を対象の変動タイマ領域にセーブし(ステップA366)、対象の図柄の変動図柄番号を更新して(ステップA367)、ステップA368へ移行する。一方、タイムアップしていないと判定された場合(ステップA365;No)は、ステップA366及びステップA367をスキップして、ステップA368へ移行し表示図柄ポインタとして対象の変動図柄番号領域の値をロードして(ステップA368)、ステップA371へ移行する。
【0187】
また、ステップA362にて、当該図柄が変動中でないと判定された場合(ステップA365;No)は、対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得し(ステップA369)、表示図柄ポインタとして対象の停止図柄番号領域の値をロードして(ステップA370)、ステップA371へ移行する。次いで、ステップA371では、表示図柄ポインタに対応する表示データを取得し(ステップA371)、取得した表示データを対象のセグメント領域にセーブして(ステップA372)、図柄変動制御処理を終了する。
【0188】
次に、演出制御装置300によって実行される制御処理について説明する。上述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。主制御用マイコンでは主に図26に示す1stメイン処理が行われ、映像制御用マイコンでは主に図30に示す2ndメイン処理が行われる。
【0189】
〔1stメイン処理〕
まず、1stメイン処理について説明する。図26に示すように、この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、演出ヴァージョンの設定を行うヴァージョン設定処理を行い(ステップB17)、割込みを許可する(ステップB18)。
【0190】
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(Watchdog Timer)をクリアし(ステップB19)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB20)を行う。その後、遊技制御コマンド解析処理(ステップB21)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB21)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
【0191】
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB22)を行う。このテストモード処理(ステップB22)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41や枠表示装置28aでの表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
【0192】
そして、遊技の演出の制御に関するシーン制御処理(ステップB23)を行う。次に、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行うための情報を設定する遊技機エラー監視処理(ステップB24)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41や枠表示装置28aでの表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理において制御を行う。
【0193】
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB25)を行い、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)が出力する音声に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB26)を行う。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB27)、盤演出装置44、枠演出装置のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB28)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB29)を行って、枠表示装置28aでの操作に基づく演出に関する処理を行う枠表示装置演出処理(ステップB30)を行い、WDTをクリアする処理(ステップB19)に戻る。
【0194】
〔ヴァージョン設定処理〕
図27には、1stメイン処理におけるヴァージョン設定処理を示した。このヴァージョン設定処理により、予め記憶されている複数の演出ヴァージョンのうち何れの演出ヴァージョンを設定するかが決定される。ヴァージョン設定処理では、まず、自台はマスタであるかを判定する(ステップB31)。各遊技機10は、遊技場の係員がマスタ/スレイブSW323により設定を行うことで、マスタとスレイブの何れかに設定される。
【0195】
自台がマスタである場合(ステップB31;Yes)は、グループ内の遊技機の数を確認するために台数確認コマンドを送信する(ステップB32)。その後、台数確認コマンドの送信から所定時間が経過したかを判定し(ステップB33)、所定時間が経過していない場合(ステップB33;No)は、一巡データを受信したかを判定する(ステップB34)。一巡データはリング状に接続されたグループの各遊技機を経由してマスタに設定された遊技機が受信するテータであり、この場合の一巡データには接続台数に関する情報が含まれている。この一巡データを受信していない場合(ステップB34:No)は、台数確認コマンドの送信から所定時間が経過したかの判定(ステップB33)に戻る。
【0196】
そして、一巡データを受信せずに所定時間が経過した場合(ステップB33;Yes)は、初期設定ヴァージョンを設定し(ステップB42)、ヴァージョン設定処理を終了する。この場合は総接続台数が1台であるとして自台の演出ヴァージョンを設定する。また、一巡データを受信した場合(ステップB34:Yes)は、接続台各々のヴァージョンを設定するヴァージョン設定データを送信し(ステップB35)、ヴァージョン設定処理を終了する。
【0197】
一方、自台はマスタでない場合(ステップB31;No)、すなわちスレイブである場合は、電源投入から所定時間が経過したかを判定し(ステップB36)、所定時間が経過していない場合(ステップB36;No)は、台数確認コマンドを受信したかを判定し(ステップB37)、受信していない場合(ステップB37)は、所定時間が経過したかの判定(ステップB36)に戻る。
【0198】
台数確認コマンドを受信せずに所定時間が経過した場合(ステップB36;Yes)は、初期設定ヴァージョンを設定し(ステップB42)、ヴァージョン設定処理を終了する。この場合は総接続台数が1台であるとして自台の演出ヴァージョンを設定する。また、台数確認コマンドを受信した場合(ステップB37)は、台数確認コマンドを自台を含めたコマンドに変換して送信する(ステップB38)。これにより、リング状に接続されたグループの各遊技機を経由するたびに台数確認コマンドに含まれる遊技機の台数に関する情報が+1更新される。
【0199】
その後、台数確認コマンドを送信してから所定時間が経過したかを判定し(ステップB39)、所定時間が経過していない場合は(ステップB39;No)、ヴァージョン設定データを受信したかを判定する(ステップB40)。ヴァージョン設定データは、マスタに設定された遊技機がグループ内の遊技機の台数に応じて、スレイブに設定された各遊技機10において設定する演出ヴァージョンを指定するために送信するデータである。このヴァージョン設定データを受信していない場合(ステップB40)は、所定時間が経過したかの判定(ステップB39)に戻る。
【0200】
そして、ヴァージョン設定データを受信せずに所定時間が経過した場合(ステップB39;Yes)は、初期設定ヴァージョンを設定し(ステップB42)、ヴァージョン設定処理を終了する。この場合は総接続台数が1台であるとして自台の演出ヴァージョンを設定する。また、ヴァージョン設定データを受信した場合(ステップB40)は、ヴァージョン設定データに基づいて自台のヴァージョンを設定し(ステップB41)、ヴァージョン設定処理を終了する。
【0201】
図28には、総設置台数(グループ内の台数)と設定される演出ヴァージョンの種類を示した。演出ヴァージョンには演出態様が異なるAからEの5種類があり、それぞれの演出ヴァージョンのデータである機種データは演出制御装置300のROM330に記憶されている。すなわち演出制御装置300が複数の演出ヴァージョンの機種データを記憶する演出ヴァージョン記憶手段をなす。総設置台数が1台の場合は演出ヴァージョンAが設定される。すなわちこの演出ヴァージョンが初期設定ヴァージョンをなす。また、総設定台数が2から6台の場合は設定される演出ヴァージョンがA、B、Cのうちから順次追加され、総接続台数が7台から9台の場合は演出ヴァージョンDが設定可能となる。さらに、総接続台数が10台以上の場合は演出ヴァージョンEが設定可能となる。
【0202】
このように、各遊技機10の演出ヴァージョンを設定することで、同一機種であっても異なる演出態様とすることができ遊技に関する演出に変化をもたせることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、遊技場に特有の演出表示を行うことが可能となり、他店との差別化を図ることも可能となる。さらに、総設置台数が増えるにつれて選択可能な演出ヴァージョンが増えるので、同一機種の遊技機を多数購入してもらうための購買意欲をそそることができる。なお、総設置台数が所定台数以上である場合に、総設置台数が所定台数以下の場合に設定可能な演出ヴァージョンのグループとはまったく異なるグループの演出ヴァージョンを設定可能としても良い。
【0203】
以上のことから、遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、該遊技制御手段からの指令情報に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの演出制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、変動表示ゲームの結果態様に関連して遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、演出制御手段は、複数の演出ヴァージョンの機種データを記憶する演出ヴァージョン記憶手段(演出制御装置300)と、他の遊技機の演出制御手段に対して自遊技機の制御情報を送信可能な送信手段(隣接台出力部321、演出制御装置300)と、他の遊技機からの制御情報を受信可能な受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)と、を備え、該受信手段により受信した制御情報に基づき、演出ヴァージョン記憶手段に記憶された複数の演出ヴァージョンの中から所定の演出ヴァージョンを選択して設定するようにしていることとなる。
【0204】
〔コマンド受信割込み処理〕
次に、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理について説明する。このコマンド受信割込み処理では、図29に示すように、先ず、遊技制御装置100から送信されたコマンドのポートの値を取り込む処理(ステップB51)を行う。そして、MODEコマンドの待機中であるか否かの判定(ステップB52)を行う。ここで、MODEコマンドの待機中の場合(ステップB52;Yes)は、さらにデータストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定(ステップB53)し、データストローブ信号SSTBがONの状態である場合(ステップB53;Yes)は、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定(ステップB54)する。
【0205】
そして、受信したコマンドがMODEコマンドである場合(ステップB54;Yes)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB55)を行い、算出後のアドレスに当該コマンドをMODEコマンドとしてセーブする処理(ステップB56)を行う。続いて、タイムアウト監視タイマに初期値を設定し、当該タイマをスタートさせる処理(ステップB57)を行った後、ACTIONコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB58)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0206】
また、ステップB53において、データストローブ信号SSTBがONの状態でない場合(ステップB53;No)、又はステップB54において、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(ステップB54;No)は、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB67)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB68)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0207】
また、ステップB52において、MODEコマンド待機中でない場合、即ち、ACTIONコマンド待機中の場合(ステップB52;No)は、タイムアウト監視タイマがタイムアウトとなったか否かを判定(ステップB59)する。ここで、タイムアウトとなっていない場合(ステップB59;No)は、データストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定(ステップB60)し、データストローブ信号SSTBがONの状態である場合(ステップB60;Yes)は、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定(ステップB61)する。
【0208】
そして、受信したコマンドがMODEコマンドである場合(ステップB61;Yes)は、ステップB55へ移行し、それ以降の処理を行う。また、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(ステップB61;No)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB62)を行い、算出後のアドレスに当該コマンドをACTIONコマンドとしてセーブする処理(ステップB63)を行う。続いて、受信済みコマンド数の値を+1更新する処理(ステップB64)を行った後、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB67)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB68)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0209】
また、ステップB59において、タイムアウトとなった場合(ステップB59;Yes)、又はステップB60において、データストローブ信号SSTBがONの状態でない場合(ステップB60;No)は、ステップB65へ移行し、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB65)を行い、算出されたアドレスのコマンドバッファにセーブされているMODEコマンドを破棄する処理(ステップB66)を行う。そして、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB67)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB68)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
【0210】
〔2ndメイン処理〕
次に、上記演出制御装置300の2ndCPU312によって実行される2ndメイン処理について説明する。図30に示すように、2ndメイン処理においては、先ず2ndCPUの初期化処理(ステップB71)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB72)を行う。
【0211】
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB73)を行い、2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)の初期化処理(ステップB74)を行う。その後、各種割込みを許可する処理(ステップB75)を行い、各種制御処理の初期化処理(ステップB76)を行う。
【0212】
次いで、VDPによる画像描画を許可する処理(ステップB77)を行った後、後述するVブランク割込み処理にてセットされるシステム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB78)を行う。ここで、システム周期待ちフラグが「1」でない場合(ステップB79;No)は、Vブランク割込み処理にてシステム周期待ちフラグがセットされるまで、ステップB79の処理を繰り返し行う。一方、システム周期待ちフラグが「1」である場合(ステップB79;Yes)は、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB80)を行い、通常ゲーム処理(ステップB81)を行い、ステップB78へ戻る。
【0213】
〔Vブランク割込み処理〕
次に、Vブランク割込み処理について説明する。Vブランク割込み処理は、例えば16ms毎の周期的なVブランク割込み信号が2ndCPUに入力されることで開始される。図31に示すように、Vブランク割込み処理が開始されると、まずフレームカウンタの値を+1更新する処理(ステップB91)を行い、当該フレームカウンタの値が規定値以上であるか判定(ステップB92)する。ここで、フレームカウンタの値が規定値未満の場合(ステップB92;No)は、Vブランク割込み処理を終了し、フレームカウンタの値が規定値以上の場合(ステップB92;Yes)は、ステップB93へ移行し、システム周期待ちフラグが「0」であるか判定(ステップB93)する。
【0214】
ここで、システム周期待ちフラグが「0」でない場合(ステップB93;No)は、Vブランク割込み処理を終了し、システム周期待ちフラグが「0」である場合(ステップB93;Yes)は、ステップB94へ移行し、VDPが表示装置41へ表示する描画を完了したか判定(ステップB94)する。VDPが描画を完了していない場合(ステップB94;No)は、Vブランク割込み処理を終了し、VDPが描画を完了した場合(ステップB94;Yes)は、ステップB95へ移行し、表示フレームバッファを切り替える処理を行い、VDPに切り替えられた表示フレームバッファへの描画開始を指示する(ステップB96)。
【0215】
次いで、VDPが描画を開始したことを示すVDP描画中フラグをセットする処理(ストップB97)を行った後、フレームカウンタを0クリアする処理(ステップB98)、システム周期待ちフラグに「1」をセットする処理(ステップB99)を行い、Vブランク割込み処理を終了する。
【0216】
〔通常ゲーム処理〕
次に、上述の2ndメイン処理における通常ゲーム処理(ステップB81)の詳細について説明する。図32に示すように、通常ゲーム処理では、先ず、遊技制御装置100から受信したコマンドをチェックする処理(ステップB101)を行う。この処理では、1stCPU311から送信されるコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後の制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。続いて、背景処理(ステップB102)を行う。背景処理では、遊技状態(確率状態や客待ち状態の有無)や、遊技モード、演出モード、リーチシーン等に応じた背景を表示する処理を行う。
【0217】
その後、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理であるリール制御/表示処理(ステップB103)、特図1保留表示器及び特図2保留表示器の表示に連動して表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示の設定を行う保留表示処理(ステップB104)を行う。さらに、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップB105)、予告キャラクタ等の設定や表示優先順位の設定を行い、特図変動表示ゲームの進行に対応する演出画像を表示装置41に表示するシーン制御/表示処理(ステップB106)を行う。そして、隣接する遊技機との制御情報の送受信に関する処理を行うサブ間通信処理(ステップB107)を行い、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップB108)を行って、通常ゲーム処理を終了する。
【0218】
〔サブ間通信処理〕
図33には、通常ゲーム処理におけるサブ間通信処理を示した。このサブ間通信処理では、まず、自台がマスタであるかを判定し(ステップB111)、マスタである場合(ステップB111;Yes)は、遊技状態確認コマンドを送信してから所定時間が経過したかを判定する(ステップB112)。遊技状態確認コマンドは、マスタに設定された遊技機がスレイブに設定された各遊技機の遊技状態(リーチ状態中や特別遊技状態中、高確率状態中など)を確認するためのコマンドである。この遊技状態確認コマンドを送信してから所定時間が経過していない場合(ステップB112;No)は、送信フラグがONであるかを判定する(ステップB113)。なお、電源投入後に未だ遊技状態確認コマンドを送信していない場合も、遊技状態確認コマンドを送信してから所定時間が経過していない場合(ステップB112;No)であると判定される。
【0219】
送信フラグがONでない場合(ステップB113;No)は、遊技状態確認コマンドを送信し(ステップB114)、送信フラグをONにして(ステップB115)、一巡データを受信したかを判定する(ステップB116)。また、送信フラグがONである場合(ステップB113;Yes)は、一巡データを受信したかを判定する(ステップB116)。一巡データはリング状に接続されたグループの各遊技機を経由してマスタに設定された遊技機が受信するテータであり、この場合の一巡データには遊技状態に関する情報が含まれている。
【0220】
この一巡データを受信していない場合(ステップB116;No)は、サブ間通信処理を終了する。また、一巡データを受信した場合(ステップB116;Yes)は、一巡データに基づいて各台遊技情報設定データを設定する(ステップB117)。各台遊技情報設定データには、スレイブに設定された各遊技機に対する指示が含まれている。例えば、予告演出が行われる遊技機の両隣の遊技機に対する音データが含まれ、該当する遊技機はこの音データに基づき所定の音声を出力する。その後、送信フラグをOFFにして(ステップB118)、サブ間通信処理を終了する。この際、設定された各台遊技情報設定データが送信されるとともに、遊技状態確認コマンドの送信からの時間を計時するタイマがクリアされる。
【0221】
一方、遊技状態確認コマンドを送信してから所定時間が経過した場合(ステップB112;Yes)は、上述のヴァージョン設定処理で確認した総設置台数が1台であるかを判定し(ステップB119)、1台である場合(ステップB119;Yes)は、サブ間通信処理を終了する。また、1台でない場合(ステップB119;No)は、サブ間接続異常報知処理(ステップB120)を行い、サブ間通信処理を終了する。サブ間接続異常報知処理(ステップB120)では、音声やランプ、画像表示などにより、スレイブに設定された遊技機と通信ができない旨の報知を行う。
【0222】
また、自台はマスタでない場合(ステップB111;No)、すなわちスレイブである場合は、遊技状態確認コマンドを受信したかを判定し(ステップB121)、受信していない場合(ステップB121;No)は、サブ間通信処理を終了する。また、受信した場合(ステップB121;Yes)は、サブ間データ送受信処理(ステップB122)を行い、サブ間通信処理を終了する。サブ間データ送受信処理(ステップB122)では、遊技状態確認コマンドを自台の遊技状態を含めたコマンドに変換して送信する。これにより、リング状に接続されたグループの各遊技機を経由するたびに各遊技機の遊技状態が含まれ、最終的にマスタに設定された遊技機が各遊技機の遊技状態を確認することができる。
【0223】
〔サブ間通信処理〕
図34には、サブ間通信処理におけるサブ間送受信処理を示した。このサブ間送受信処理では、まず、所定の変動パターンであるかを判定する(ステップB131)。所定の変動パターンとは、例えば特定のリーチである場合や大当りとなる場合である。この所定の変動パターンである場合(ステップB131;Yes)は、ボリュームダウンデータを設定し(ステップB132)、予告演出の開始タイミングであるかを判定する(ステップB133)。また、所定の変動パターンでない場合(ステップB131;No)は、予告演出の開始タイミングであるかを判定する(ステップB133)。
【0224】
そして、予告演出の開始タイミングである場合(ステップB133;Yes)は、実行される予告演出の種類を示す予告演出データを設定し(ステップB134)、一発告知の開始タイミングであるかを判定する。また、予告演出の開始タイミングでない場合(ステップB133;No)は、一発告知の開始タイミングであるかを判定する。予告演出とは、実行中の特図変動表示ゲームが大当りとなる可能性の高さを示唆する演出や、発生した始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが大当りとなる可能性の高さを示唆する演出(先読み演出)である。この予告演出では、表示装置41における画像による演出とともに所定の音声が出力される。
【0225】
一発告知の開始タイミングである場合(ステップB135;Yes)は、一発告知データを設定し(ステップB136)、自遊技機の確率状態(通常確率状態又は高確率状態)を示すデータである確率状態データを設定する(ステップB137)。また、一発告知の開始タイミングでない場合(ステップB135;No)は、確率状態データを設定する(ステップB137)。一発告知とは、大当りとなることを明確に報知する演出であって所定の音声が出力されるものである。その後、上述のように設定されたデータを含む確率状態確認コマンドを送信し(ステップB138)、サブ間データ送受信処理を終了する。
【0226】
マスタに設定された遊技機は、一巡データとして上述のようなデータを含む確率状態確認コマンドを受信し、対象の遊技機に各台遊技情報設定データを送信することで設定を行う。すなわち、ボリュームダウンデータに基づき、所定の変動パターンで特図変動表示ゲームを実行する遊技機の両隣にある遊技機が出力する音声のボリュームを小さくするように、各台遊技情報設定データとして対象の遊技機にボリュームダウン指示データを送信することで設定を行う。また、予告演出データに基づき予告演出を行う遊技機の両隣にある遊技機から所定の音声が出力されるように、各台遊技情報設定データとして対象の遊技機に予告演出音データを送信することで設定を行う。また、一発告知データに基づき一発告知を行う遊技機の両隣にある遊技機から所定の音声が出力されるように、各台遊技情報設定データとして対象の遊技機に一発告知音データを送信することで設定を行う。なお、後述するように、マスタに設定された遊技機は確率状態データに基づき、グループ内の遊技機でグループの確率状態に関する情報を報知するように報知コマンドを送信することで設定を行う。
【0227】
ここで、自遊技機が出力する予告演出音、一発告知音及び外部入力音として出力する予告演出音、一発告知音としてはSSG音源が用いられている。また、予告演出音、一発告知音はそれぞれ複数の機種で共通の共通音とされている。これにより、異なる機種間でも音データに基づく共通音を出力可能となる。また、異なる機種であっても同一の状態の発生(例えば大当りの発生)に対して関連付けられるので、他の遊技機で遊技する遊技者にも伝わりやすくなる。すなわち、演出制御装置300が、複数機種の遊技機で共通して使用される共通音を出力可能な共通音出力手段をなす。また、隣接台出力部321及び演出制御装置300が、他の遊技機の演出制御手段に制御情報として、自遊技機で出力する共通音に関する情報である音データ(予告演出データ、一発告知データ)や、確率状態情報(確率状態データ)を送信可能な送信手段をなす。また、隣接台入力部322及び演出制御装置300が、他の遊技機からの制御情報として、音データ(ボリュームダウン指示データ、予告演出音データ、一発告知音データ、予告演出データ、一発告知データ)や、確率状態情報(確率状態データ、報知コマンド)を受信可能な受信手段をなす。
【0228】
図35から図37には、スレイブに設定された遊技機で図26に示す1stメイン処理におけるサウンド制御処理において実行される、各台遊技情報設定データに基づく音声(外部入力音)に関する処理を示した。
【0229】
〔外部入力音設定処理〕
図35には、マスタに設定された遊技機から各台遊技情報設定データに基づく自遊技機で出力する音声の設定に関する処理を行う外部入力音設定処理を示した。この外部入力音設定処理では、まず、特別遊技状態中であるかを判定し(ステップB141)、特別遊技状態中である場合(ステップB141;Yes)は外部入力音設定処理を終了する。また、特別遊技状態中でない場合(ステップB141;No)は、エラー報知中であるかを判定する(ステップB142)。
【0230】
エラー報知中である場合(ステップB142;Yes)は、外部入力音設定処理を終了する。これにより、自遊技機で発生しているエラーを確実に報知することができる。また、エラー報知中でない場合(ステップB142;No)は、各台遊技情報設定データとしてボリュームダウン指示データを受信したかを判定する(ステップB143)。このボリュームダウン指示データを受信していない場合(ステップB143;No)は、各台遊技情報設定データとして予告演出音データを受信したかを判定する(ステップB145)。また、ボリュームダウン指示データを受信した場合(ステップB143;Yes)は、ボリュームダウンを設定し(ステップB144)、各台遊技情報設定データとして予告演出音データを受信したかを判定する(ステップB145)。これにより、隣接する遊技機で所定の変動パターンの特図変動表示ゲームが実行された場合に、当該遊技機の遊技者が遊技に集中でき、また隣接する遊技機の遊技者にアピールすることができ、両遊技者の興趣を向上することができる。
【0231】
各台遊技情報設定データとして予告演出音データを受信していない場合(ステップB145;No)は、各台遊技情報設定データとして一発告知音データを受信したかを判定する(ステップB147)。また、各台遊技情報設定データとして予告演出音データを受信した場合(ステップB145;Yes)は、現出力音より小さい音で受信した予告演出音データに基づく音を設定し(ステップB146)、各台遊技情報設定データとして一発告知音データを受信したかを判定する(ステップB147)。これにより、隣接する遊技機で予告演出が実行された場合に、当該遊技機と両隣の遊技機とから予告演出音を出力することができ、予告演出が実行された遊技機で遊技する遊技者に効果的に予告演出を行うことができる。すなわち、他の遊技機からも自遊技機の音が出るため、大音量でなくてもクリアに聞こえ、迫力ある音を楽しむことができる。また、隣接する遊技機の遊技者にアピールすることができ、両遊技者の興趣を向上することができ、遊技場全体で遊技の興趣を向上することができる。
【0232】
各台遊技情報設定データとして一発告知音データを受信していない場合(ステップB147;No)は、外部入力音設定処理を終了する。また、各台遊技情報設定データとして一発告知音データを受信した場合(ステップB147;Yes)は、一発告知音データを設定し(ステップB148)、外部入力音設定処理を終了する。これにより、隣接する遊技機で一発告知演出が実行された場合に、当該遊技機と両隣の遊技機とから一発告知音を出力することができ、一発告知演出が実行された遊技機で遊技する遊技者に効果的に告知を行うことができる。また、隣接する遊技機の遊技者にアピールすることができ、両遊技者の興趣を向上することができる。すなわち、受信手段をなす隣接台入力部322及び演出制御装置300が、他の遊技機からの制御情報として、音データ(予告演出データ、一発告知データ)を受信し、共通音出力手段をなす演出制御装置300が受信した音データに基づき共通音の出力を設定する。なお、予告演出音や一発告知音の出力タイミングを同期させるデータを含め、複数の遊技機から同時に音声が出力されるようにしても良い。
【0233】
〔外部入力音出力処理〕
図36には、上述の外部入力音設定処理で設定された外部入力音を出力する処理である外部入力音出力処理を示した。この外部入力音出力処理では、まず、外部入力音の設定があるかを判定し(ステップ151)、設定がない場合(ステップB151;No)は外部入力音出力処理を終了する。また、設定がある場合(ステップB151;Yes)は、出力中の音と外部入力音の優先順位を比較し(ステップB152)、音合成出力処理(ステップB153)を行い、外部入力音出力処理を終了する。
【0234】
図37には、出力中の音と外部入力音の優先順位を示した。なお、変動音Aとはリーチ状態における効果音であり、変動音BとはBGM等の音声であり、演出操作音とは演出ボタン25の操作に基づき出力される音声である。出力中の音と外部入力音の優先順位を比較する処理(ステップB152)では、この優先順位に従い比較を行い、外部入力音の方が出力中の音よりも優先順位が高い場合には音合成出力処理(ステップB153)で外部入力音を出力するようになっている。これにより、自遊技機の出力音がそれほど重要でない場合に、他遊技機の演出に参加することが可能となる。この際、外部入力音以外の自遊技機で出力する音についてはボリュームを下げ、重要な演出を行っている他の遊技機をグループ全体で盛り上げることができるようにしている。
【0235】
なお、外部入力音の方が出力中の音よりも優先順位が低い場合には、外部入力音を出力しないようにしても良いし、出力中の音よりも小さいボリュームで出力するようにしても良い。また、ここでは出力中の音と外部入力音の優先順位を比較しているが、自遊技機の遊技において出力する音どうしについてもこの優先順位に従い出力が行われるようになっており、優先順位の低い音は優先順位の高い音よりも小さいボリュームで出力されるようになっている。すなわち、演出制御装置300が、共通音の出力優先順位を記憶した出力音記憶手段をなす。また演出制御装置300が、共通音の出力優先順位が上位であれば共通音を出力する音比較出力手段をなす。
【0236】
以上のことから、遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、該遊技制御手段からの指令情報に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの演出制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、変動表示ゲームの結果態様に関連して遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、演出制御手段は、複数機種の遊技機で共通して使用される共通音を出力可能な共通音出力手段(演出制御装置300)を備え、他の遊技機の演出制御手段に対して自遊技機で出力する共通音に関する情報である音データを送信可能な送信手段(隣接台出力部321、演出制御装置300)と、他の遊技機からの音データを受信可能な受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)と、を備え、該受信手段により受信された音データに基づき、共通音出力手段により所定の音を出力可能であることとなる。
【0237】
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、共通音の出力優先順位を記憶した出力音記憶手段(演出制御装置300)と、受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)により他の遊技機から音データを受信した際に、受信した音データに基づく共通音と、共通音以外の自遊技機で出力する音とを出力音記憶手段に記憶された出力優先順位に基づき比較し、共通音の出力優先順位が上位であれば共通音を出力する音比較出力手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
【0238】
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、音データに基づく共通音を出力する際に、自遊技機で出力していた音のボリュームを下げるようにしていることとなる。
【0239】
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)により他の遊技機から音データを受信しても、自遊技機でエラーが発生している際には、他の遊技機から受信した音データに基づく共通音を出力しないようにしていることとなる。
【0240】
また、共通音出力手段(演出制御装置300)は、共通音としてSSG音源を用いるようにしていることとなる。
【0241】
図38には、外部入力音としてAMM音源を用いる場合の例を示した。AMMデコーダ354には音声の再生チャンネルとして8チャンネルが設けられ、各チャンネルに出力する音声の種類が対応付けられている。このうち、1つのチャンネル(チャンネル0)を外部入力音のためのチャンネルとして用いる。そして、外部入力音の方が出力中の音よりも優先順位が高い場合にはチャンネル0から外部入力音を出力し、外部入力音の方が出力中の音よりも優先順位が低い場合には、チャンネル0からの出力を行わないようにするか、出力中の音よりも小さいボリュームで出力する。
【0242】
図39には、外部入力音としてAMM音源を用いる場合の外部入力音設定処理の例を示した。この処理では、エラー報知中である場合(ステップB142;Yes)に、受信した音データに基づく音出力のボリューム(チャンネル0のボリューム)を0にする処理を行う(ステップB161)。これにより、外部入力音を設定しないのと同様の効果を得ることができる。
【0243】
なお、外部入力音を出力する場合を予告演出が行われる場合や、一発告知が行われる場合としたが、これ以外の場合にも外部入力音を出力するようにしても良い。例えば、遊技に関する遊技イベントとして、特別結果の発生、特定のリーチの発生、特定のキャラクタの登場、特定の音声の出力が行われる場合に近隣の遊技機から外部入力音を出力するようにしても良い。また、セキュリティやエラーに関するイベントとして、特別変動入賞装置38や普通変動入賞装置37への不正な入賞や、下皿オーバーフロー、シュート玉切れ、前枠(ガラス枠15)の開放、内枠(前面構成枠12)の開放、磁石による不正行為、振動による不正行為などが発生した場合に近隣の遊技機から外部入力音を出力するようにしても良い。
【0244】
次に、確率状態情報を送受信した遊技機が属するグループの確率状態に関する情報の報知について説明する。図34に示したように、スレイブに設定された各遊技機は自遊技機の確率状態情報である確率状態データをマスタに設定された遊技機に送信する。マスタに設定された遊技機はこの情報に基づき、自遊技機を含め確率状態情報を送受信した遊技機が属するグループにおける高確率状態である遊技機の台数について示唆、報知する報知態様を設定し、グループに属する遊技機において報知を行うように設定するようになっている。
【0245】
この確率状態についての示唆、報知は、表示装置41における所定箇所の発光色により行うようになっている。発光色にはレインボー、赤、黄、緑、白の5種類があり、レインボーが高確率台数が多く存在する可能性が最も高いことを示し、赤、黄、緑、白の順に高確率台数が多く存在する可能性が低いことを示すようになっている。なお、表示装置41で行うのではなく、前面構成枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18により行うようにしても良い。
【0246】
〔状態報知処理〕
図40には、図32に示した通常ゲーム処理における表示システム処理において行われるグループの確率状態の報知に関する設定を行なう状態報知処理を示した。この状態報知では、まず、自台はマスタであるかを判定し(ステップB171)、マスタである場合(ステップB171;Yes)は、報知禁止タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップB172)。報知禁止タイマは、後述するようにグループ内で稼動を開始した遊技機がある場合に確率状態に関する報知を禁止する期間を計時するためのタイマである。この報知禁止タイマがタイムアップしていない場合(ステップB172;No)は、状態報知処理を終了する。また、報知禁止タイマがタイムアップした場合(ステップB172;Yes)は、グループ内の稼働台数が前回の状態報知処理の実行から変化したかを判定する(ステップB173)。
【0247】
スレイブに設定された各遊技機は、マスタに設定された遊技機に対して自遊技機が稼働中であるか否かの情報を送信するようになっており、マスタに設定された遊技機はこの情報に基づきグループ内の稼働台数を把握する。自遊技機が稼働中であるか否かは、操作部24が操作されているか否かや特図変動表示ゲームが実行されているか否かなどにより判定する。なお、別途遊技者が遊技機の前方に存在するか否かを検出するセンサを設けるようにしても良い。
【0248】
このようにして検出されたグループ内の稼働台数が変化した場合(ステップB173;Yes)、すなわち稼動を開始した遊技機がある場合は、報知禁止タイマをセットする(ステップB179)。その後、確率状態の報知を行わない通常報知を設定し(ステップB180)、通常報知情報を報知コマンドとしてスレイブに設定された遊技機に送信して(ステップB181)、状態報知処理を終了する。これにより、確率状態についての示唆、報知が終了するので、報知態様の変化により遊技を開始した遊技機が高確率状態であるか否かを推測できないようにし、遊技者の期待感を煽ることができる。また、グループ内の稼働台数が変化していない場合(ステップB173;No)は、当り(大当り又は小当り)後の所定回転数以内の台があるかを判定する(ステップB174)。
【0249】
スレイブに設定された各遊技機は、マスタに設定された遊技機に対して自遊技機の当り(大当り又は小当り)後からの特図変動表示ゲームの実行回数(回転数)についての情報を送信するようになっている。この情報に基づき当り後の所定回転数以内の台がある場合(ステップB174;Yes)は、確率状態の報知を行わない通常報知を設定し(ステップB180)、通常報知情報を報知コマンドとしてスレイブに設定された遊技機に送信して(ステップB181)、状態報知処理を終了する。これにより、確率状態についての示唆、報知が終了するので、特別遊技状態の終了後の確率状態を明確に報知しない場合に、グループの確率状態に関する情報の報知態様の変化により当該遊技機が高確率状態であるか否かを推測できないようにし、遊技者の期待感を煽ることができる。なお、特別遊技状態の発生の契機となった特別結果が、特別遊技状態の終了後に確率状態を明確に報知しない特別結果であった場合のみ所定期間報知を行わないようにしても良い。また、所定回転数は、確率状態が推測できる程度の回数(例えば50回)が望ましい。
【0250】
また、当り後の所定回転数以内の台がない場合(ステップB174;No)は、総接続台数と高確率台数からテーブルを選択する(ステップB175)。その後、選択されたテーブルに基づき報知態様を選択し(ステップB176)、選択された報知態様を自遊技機の報知態様として設定する(ステップB177)。そして、選択された報知態様を報知コマンドとしてスレイブに設定された遊技機に送信して(ステップB178)、状態報知処理を終了する。
【0251】
一方、自体はマスタでない場合(ステップB171;No)、すなわちスレイブである場合は、報知コマンドを受信したかを判定する(ステップB182)。報知コマンドを受信していない場合(ステップB182;No)は、確率状態の報知を行わない通常報知を設定し(ステップB185)、状態報知処理を終了する。また、報知コマンドを受信した場合(ステップB182;Yes)は通常報知を設定する旨の通常報知情報であるかを判定する(ステップB183)。
【0252】
通常報知情報である場合(ステップB183;Yes)は、確率状態の報知を行わない通常報知を設定し(ステップB185)、状態報知処理を終了する。また、通常報知でない場合(ステップB183;No)、すなわち選択された報知態様に関する情報である場合は、選択された報知態様を設定し(ステップB184)、状態報知処理を終了する。
【0253】
図41には、マスタに設定された遊技機が報知態様を選択するためのテーブルの一例を示した。図41(a)に示すように、総接続台数と高確率台数により確率状態を示唆、報知する発光色を選択するための発光色テーブルが設定されている。例えば、総接続台数が2台であり高確率台数が0台である場合は発光色テーブルとしてTBL1が選択され、発光色としてレインボーが0%、赤が2%、黄が5%、緑が10%、白が83%の割合で選択される。また、総接続台数が2台であり高確率台数が2台である場合は、発光色テーブルとしてTBL3が選択され、発光色としてレインボーが50%、赤が30%、黄が10%、緑が5%、白が5%の割合で選択される。特にレインボーの発光色は高確率台数が複数台ある場合に選択可能となる。
【0254】
このような処理により、グループの確率状態に関する情報を報知するという従来にない報知を行うことができ、遊技に関する演出に変化をもたせることができて、遊技の興趣を向上することができる。また、遊技者は、今までのように1台の遊技機だけ見るのではなく、グループ全体を観察して遊技機を選択することができ、選択の幅が広がる。さらに、高確率の遊技機があると思えば、そのグループを横歩きして試打するため全体的に稼働が上がる。
【0255】
すなわち、演出制御装置300が確率状態を報知する確率状態報知手段をなす。また、受信手段をなす隣接台入力部322及び演出制御装置300が、他の遊技機からの制御情報として、確率状態情報(確率情報データ、報知コマンド)を受信可能であり、演出制御装置300が、受信した確率状態情報に基づき、当該確率状態情報を送受信した遊技機が属するグループの確率状態に関する情報を報知するグループ確率状態報知手段をなす。また、演出制御装置300が、グループ内にある高確率状態である遊技機の割合によって、報知態様を決定する報知態様決定手段をなす。
【0256】
〔隣接高確率状態報知処理〕
各遊技機では図32に示した通常ゲーム処理における表示システム処理において行われるグループの確率状態の報知に関する設定として、図42に示す隣接高確率状態報知処理を行う。この隣接高確率状態報知処理では、まず、自台は非稼動状態であるかを判定し(ステップB191)、非稼動状態でない場合(ステップB191;No)は、隣接高確率状態報知処理を終了する。また、非稼動状態である場合(ステップB191;Yes)は、自台は高確率状態であるかを判定する(ステップB192)。
【0257】
自台は高確率状態でない場合(ステップB192;No)は、隣接高確率状態報知処理を終了する。また、自台は高確率状態である場合(ステップB192;Yes)は、隣接する台は当り終了後所定回転数経過したかを判定する(ステップB193)。なお、隣接する遊技機の回転数についてのデータは、自遊技機が隣接する遊技機から直接受け取るようにしても良いし、マスタに設定された遊技機がデータを収集し、スレイブに設定された各遊技機に送信するようにしても良い。そして、隣接する台は当り終了後所定回転数経過していない場合(ステップB193;No)は、隣接高確率状態報知処理を終了する。また、隣接する台は当り終了後所定回転数経過した場合(ステップB193;Yes)は、自台高確率状態報知を行い(ステップB194)、隣接高確率状態報知処理を終了する。
【0258】
自台高確率状態報知では、例えば、「こっち!こっち!」と遊技者を誘導する音声を出力したり、表示装置41や枠表示装置28aに表示を行ったりすることで報知を行う。なお、自台が高確率状態である旨の情報を、当り終了後所定回転数経過した隣接する遊技機に送信し、当該遊技機において報知を行うようにして、当該遊技機で遊技をしている遊技者にのみ通知するようにしても良い。
【0259】
この処理により、隣接する空き台が高確率状態であることを報知するという従来にない報知を行うことができ、遊技に関する演出に変化をもたせることができて、遊技の興趣を向上することができる。例えば長期間当りが発生していない台(例えば1000回転、いわゆるハマリ台)で遊技している遊技者に対して、隣接する空き台が高確率状態であることを報知することができ、遊技者が不満に感じることを防止し、遊技を継続する意欲を与えることができる。
【0260】
以上のことから、遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、該遊技制御手段からの指令情報に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの演出制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、変動表示ゲームの結果態様に関連して遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、特別遊技状態が発生する確率の状態を、少なくとも通常確率状態と該通常確率状態よりも高い高確率状態の何れかに設定する確率設定手段(遊技制御装置100)を備え、演出制御手段は、確率状態を記憶する確率状態記憶手段(演出制御装置300)と、確率状態を報知する確率状態報知手段(演出制御装置300)と、他の遊技機の演出制御手段に対して自遊技機で設定した特別遊技状態の発生確率の情報である確率状態情報を送信可能な送信手段(隣接台出力部321、演出制御装置300)と、他の遊技機からの確率状態情報を受信可能な受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)と、を備え、確率状態報知手段は、該受信手段により受信した確率状態情報に基づき、当該確率状態情報を送受信した遊技機が属するグループの確率状態に関する情報を報知するグループ確率状態報知手段(演出制御装置300)を備えていることとなる。
【0261】
また、グループ確率状態報知手段(演出制御装置300)は、グループ内にある高確率状態である遊技機の割合によって、報知態様を決定する報知態様決定手段(演出制御装置300)を備えていることとなる。
【0262】
また、グループ確率状態報知手段(演出制御装置300)は、グループ内の他の遊技機が稼働を開始すると、自遊技機での報知を終了するようにしていることとなる。
【0263】
また、報知態様決定手段(演出制御装置300)は、自遊技機が高確率状態であり、かつ、非稼動状態である場合であって、隣接する遊技機が通常確率状態において所定回数の変動表示ゲームを実行した場合に、自遊技機が高確率状態であることを報知するようにしていることとなる。
【0264】
また、確率設定手段(遊技制御装置100)は、特別遊技状態の発生の契機となった結果態様に基づき当該特別遊技状態の終了後の特別遊技状態が発生する確率の状態を設定し、グループ確率状態報知手段(演出制御装置300)は、特別遊技状態の終了後、所定期間を経過するまでは報知を行わないようにしていることとなる。
【0265】
図43、図44には、状態報知処理の別例を示した。この例では非稼動台の高確率台数を示唆、報知するようにしている。この状態報知処理では、マスタに設定された遊技機において、当り後所定回転数以内の台がない場合(ステップB174;No)に非稼動台は所定数以下であるかの判定を行う(ステップB201)。非稼動台が所定数以下である場合(ステップB201;Yes)、通常報知を設定する(ステップB180)。非稼動台が少ない場合は、報知により高確率状態である遊技機が容易に認識できてしまうため、報知を行わないようにしている。なお、所定数以下とは一定の数値(例えば3台以下)であっても良いし、総設置台数により決定される数値(例えば、総設置台数が3台なら1台、総設置台数が10台なら5台)としても良い。
【0266】
そして、非稼動台が所定数以下でない場合(ステップB201;No)は、非稼動台数と高確率台数からテーブルを選択する(ステップB202)。図44には、この例における報知態様を選択するためのテーブルの一例を示した。図44(a)に示すように、非稼動台数と高確率台数により確率状態を示唆、報知する発光色を選択するための発光色テーブルが設定されているが、非稼動台が所定数以下の場合は通常報知となる。なお、図44(b)、(c)におけるTBL1から7は、図41(b)から(h)に示したTBL1から7である。
【0267】
また、図43において、選択された報知態様を報知コマンドとして送信する処理(ステップB178)を行った後、自台は非稼動台であるかの判定を行う(ステップB203)。自台が非稼動台でない場合(ステップB203;No)は、通常報知を設定する(ステップB180)。また、自台が非稼動台である場合(ステップB203;Yes)は、設定された報知態様を設定する(ステップB177)。すなわち、非稼動台でのみ報知を行うようになっている。
【0268】
スレイブに設定された遊技機では、通常報知情報でない場合(ステップB183;No)に、自台が非稼動台であるかを判定し(ステップB204)、自台が非稼動台でない場合(ステップB204;No)は通常報知を設定し、非稼動台である場合(ステップB204;Yes)は、選択された報知態様を設定する(ステップB184)。すなわち、スレイブに設定された遊技機でも非稼動台でのみ報知を行うようになっている。
【0269】
このようにすることで、空き台についてのみの情報を報知でき、遊技者が遊技台を選択する参考となる。なお、報知禁止タイマを設定しないようにしても良く、このようにすれば、報知態様の変化により遊技を開始した遊技機が高確率状態であるか否かを推測できるので、グループ内の空き台の稼働率を向上させることができる。
【0270】
以上のことから、報知態様決定手段(演出制御装置300)は、グループ内の遊技機が稼働を開始すると、残りの遊技機における高確率状態である遊技機の割合によって、報知態様を決定するようにしていることとなる。
【0271】
次に、枠表示装置28aの操作に基づく演出について説明する。枠表示装置28aには遊技に関連した種々の演出画像や情報が表示されるが、この演出画像や情報を、送信手段(隣接台出力部321、演出制御装置300)及び受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)により隣接する遊技機と送受信し、演出画像や情報を変化させることができるようになっている。
【0272】
例えば、枠表示装置28aに所定のキャラクタが表示された場合に、当該キャラクタを隣接する遊技機に移動することが可能となっている。図45には、このような操作の一例を示した。図45(a)に示すように枠表示装置28aに所定のキャラクタ80が表示された際に、図45(b)に示すように遊技者が右隣の遊技機に向けてキャラクタ80をこするように操作する(フリックする)ことで、図45(c)に示すように右隣の遊技機の表示装置41にキャラクタ80が移動するようになっている。
【0273】
また、枠表示装置28aの操作に基づき、自遊技機で設定されている演出ヴァージョンと隣接する遊技機で設定されている演出ヴァージョンを交換することができるようになっている。図46には、このような操作の一例を示した。ここでは、自遊技機(図中左)ではAモードの演出ヴァージョンが設定され、右隣の遊技機(図中右)ではBモードの演出ヴァージョンが設定されている状態となっている。
【0274】
隣接するそれぞれの遊技機で枠表示装置28aにおいて演出ヴァージョンの交換を選択すると、図46(a)に示すように、枠表示装置28aに現在の演出ヴァージョンを示す表示81と、演出ヴァージョンの交換が可能なことを示す表示82がなされる。そして、図46(b)に示すように、両遊技機の遊技者が互いの遊技機へ向けて演出ヴァージョンを示す表示81をこするように操作することで交換条件が成立し、図46(c)に示すように両遊技機の演出ヴァージョンが入れ替わるようになっている。これにより、遊技機間で演出を交換できるという従来にない演出を行うことができ、遊技に関する演出に変化をもたせることができて、遊技の興趣を向上することができる。
【0275】
また、枠表示装置28aの操作に基づき、自遊技機で遊技中に再生可能な楽曲を、隣接する遊技機で遊技中に再生可能な楽曲として提供できるようになっている。自遊技機で遊技中に再生可能な楽曲は、演出制御装置300において予め記憶された複数種類の楽曲のうちから数種類が選択されるようになっており、遊技者はこのうちから遊技中に再生したい楽曲を選択可能である。選択可能な楽曲の種類や数は当りの発生などの所定条件が成立することにより変更されるようになっている。すなわち、演出制御装置300が、楽曲選択手段で選択可能な楽曲を設定する選択可能楽曲設定手段をなす。
【0276】
図47には、このような操作の一例を示した。自遊技機で枠表示装置28aにおいて楽曲の変更を選択すると、図47(a)に示すように、枠表示装置28aに現在選択可能な楽曲を示す表示83がなされる。ここで、遊技者が再生したい楽曲の表示83に触れるように操作(タッチ操作)すれば遊技中の音楽が当該楽曲に変更される。また、図47(b)に示すように、自遊技機の遊技者が提供したい楽曲の表示83を隣接する遊技機へ向けてこするように操作すると、図47(c)に示すように、隣接する遊技機で当該楽曲を選択可能となる。これにより、知人どうしなどで楽曲の授受が可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
【0277】
また、枠表示装置28aの操作に基づき、隣接する遊技機の確率状態を推測できるようになっている。図48には、このような操作の一例を示した。自遊技機で所定の条件が成立すると、図48(a)に示すように、枠表示装置28aにおいて自遊技機の確率状態を示唆する表示84がなされる。なお、所定の条件とは、例えば所定時刻になることや、特別遊技状態の終了後から所定期間経過後である。この表示84では、魚群の色により確率状態を示唆するようになっており、レインボーが高確率状態である可能性が最も高く、赤、黄、緑、白の順に高確率状態である可能性が低いことを示すようになっている。
【0278】
そして、図47(b)に示すように、遊技者が確率状態を示唆する表示84を隣接する遊技機に向けてこするように操作すると、図47(c)に示すように、隣接する遊技機の枠表示装置28aにも確率状態を示唆する表示84が表示され、当該遊技機の確率状態が示唆されるようになっている。なお、枠表示装置28aでの操作に基づき隣接する遊技機において確率状態を表示するのは、当該隣接する遊技機が非稼動中であることが好ましいが、稼働中でも表示可能としても良い。
【0279】
また、枠表示装置28aの操作に基づき、近隣の遊技機の確率状態が表示されるようになっている。図49には、このような操作の一例を示した。自遊技機で所定の条件が成立すると、図49(a)に示すように、枠表示装置28aにおいて近隣の遊技機の確率状態を表示可能とする表示85がなされる。なお、所定の条件とは、例えば所定時刻になることや、特別遊技状態の終了後から所定期間経過後である。遊技者がこの表示に触れるように操作(タッチ操作)すると、図49(b)に示すように高確率状態である遊技機の自遊技機からの位置が示されるようになっている。
【0280】
これにより、遊技者の操作に基づき自遊技機や他遊技機の確率状態に関する情報を得ることができるという従来にない演出を行うことができ、遊技に関する演出に変化をもたせることができて、遊技の興趣を向上することができる。
【0281】
〔枠表示装置演出処理〕
以上のような制御を行うために、1stメイン処理における枠表示装置演出処理(ステップB30)において、図50に示す処理を行う。この枠表示装置演出処理では、まず、図45に示したようなキャラクタの移動操作に関する処理を行うキャラクタ移動処理(ステップB211)を行い、図46に示したような演出ヴァージョンの交換に関する処理を行う演出ヴァージョン交換処理(ステップB212)を行う。その後、図47に示したような遊技中に再生可能な楽曲の選択や提供に関する処理を行う楽曲選択処理(ステップB213)を行い、図48や図49に示したような確率状態の確認に関する処理を行う確率確認処理(ステップB214)を行って、枠表示装置演出処理を終了する。
【0282】
〔キャラクタ移動処理〕
図51には、枠表示装置演出処理におけるキャラクタ移動処理を示した。このキャラクタ移動処理では、まず、キャラクタフリック操作があるかを判定する(ステップB221)。キャラクタフリック操作とは、図45(b)に示したように遊技者が隣接する遊技機に向けてキャラクタ80をこするように操作することである。このキャラクタフリック操作がない場合は、キャラクタ移動要求コマンドを受信したかを判定する(ステップB223)。また、キャラクタフリック操作があった場合(ステップB221;Yes)は、移動対象の台にキャラクタ移動要求コマンドを送信し(ステップB222)、キャラクタ移動要求コマンドを受信したかを判定する(ステップB223)。
【0283】
キャラクタ移動要求コマンドを受信していない場合(ステップB223;No)は、キャラクタ移動完了コマンドを受信したかを判定する(ステップB227)。また、キャラクタ移動要求コマンドを受信した場合(ステップB223;Yes)は、キャラクタを受け入れ可能であるかを判定する(ステップB224)。キャラクタを受け入れ可能でない場合(ステップB224;No)は、キャラクタ移動完了コマンドを受信したかの判定を行う(ステップB227)。この場合はキャラクタの移動が行われない。また、キャラクタを受け入れ可能である場合(ステップB224;Yes)は、表示装置にキャラクタを表示し(ステップB225)、移動元の台にキャラクタ移動完了コマンドを送信して(ステップB226)、キャラクタ移動完了コマンドを受信したかの判定を行う(ステップB227)。これにより、図45(c)に示したように移動先の表示装置41にキャラクタが表示されるようになる。
【0284】
キャラクタ移動完了コマンドを受信していない場合(ステップB227;No)は、キャラクタ移動処理を終了する。また、キャラクタ移動完了コマンドを受信した場合(ステップB227;Yes)は、枠表示装置からキャラクタを消去し(ステップB228)、キャラクタ移動処理を終了する。これにより、図45(c)に示したように移動元の枠表示装置28aからキャラクタが消去されるようになる。
【0285】
〔演出ヴァージョン交換処理〕
図52には、枠表示装置演出処理における演出ヴァージョン交換処理を示した。この演出ヴァージョン交換処理では、まず、演出ヴァージョン交換操作があるかを判定する(ステップB231)。演出ヴァージョン交換操作とは、図46(b)に示したように、交換先の遊技機に向けて演出ヴァージョンを示す表示81をこするように操作することである。この演出ヴァージョン交換操作がない場合(ステップB231;No)は、演出ヴァージョン交換要求コマンドを受信したかを判定する(ステップB233)。また、演出ヴァージョン交換操作がある場合(ステップB231;Yes)は、交換対象の台に演出ヴァージョン交換要求コマンドを送信し(ステップB232)、演出ヴァージョン交換要求コマンドを受信したかを判定する(ステップB233)。演出ヴァージョン交換要求コマンドには、自遊技機で設定されていた演出ヴァージョンの情報が含まれている。
【0286】
演出ヴァージョン交換要求コマンドを受信していない場合(ステップB233;No)は、交換期間タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップB236)。また、演出ヴァージョン交換要求コマンドを受信した場合(ステップB233;Yes)は、演出ヴァージョンを交換可能であるかを判定する(ステップB234)。演出ヴァージョンを交換可能でない場合(ステップB234;No)は、交換期間タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップB236)。この場合は演出ヴァージョン交換が行われない。また、演出ヴァージョンを交換可能である場合(ステップB234;Yes)は、交換期間タイマを設定し(ステップB235)、交換期間タイマがタイムアップしたかを判定する(ステップB236)。
【0287】
交換期間タイマは、一方の遊技機で演出ヴァージョン交換操作があった場合に、他方の遊技機で演出ヴァージョン交換操作が行われるのを待機する期間を計時するタイマである。この交換期間タイマがタイムアップしている場合(ステップB236;Yes)は、演出ヴァージョン交換完了コマンドを受信したかを判定する(ステップB240)。この場合は演出ヴァージョンの交換が行われない。また、交換期間タイマがタイムアップしていない場合(ステップB236;No)は、演出ヴァージョン交換操作があるかを判定する(ステップB238)。
【0288】
演出ヴァージョン交換操作がない場合(ステップB238;No)は、演出ヴァージョン交換完了コマンドコマンドを受信したかを判定する(ステップB240)。また、演出ヴァージョン交換操作があった場合(ステップB238;Yes)は、演出ヴァージョン交換要求コマンドに基づく演出ヴァージョンを設定し(ステップB238)、移動元の台に演出ヴァージョン交換完了コマンドを送信して(ステップB239)、演出ヴァージョン交換完了コマンドコマンドを受信したかを判定する(ステップB240)。演出ヴァージョン交換完了コマンドには、自遊技機で設定されていた演出ヴァージョンの情報が含まれている。
【0289】
演出ヴァージョン交換完了コマンドを受信していない場合(ステップB240;No)は、演出ヴァージョン交換処理を終了する。また、演出ヴァージョン交換完了コマンドを受信した場合(ステップB240;Yes)は、演出ヴァージョン交換完了コマンドに基づく演出ヴァージョンを設定し(ステップB241)、演出ヴァージョン交換処理を終了する。これにより、図46(c)に示したように演出ヴァージョンの交換が完了する。
【0290】
以上のことから、遊技者が操作可能な演出操作手段(枠表示ユニット28)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、演出操作手段の操作に基づき、自遊技機で設定された演出ヴァージョンと、他の遊技機で設定された演出ヴァージョンとを交換可能であることとなる。
【0291】
〔楽曲選択処理〕
図53には、枠表示装置演出処理における楽曲選択処理を示した。この楽曲選択処理では、まず、楽曲選択操作があるかを判定する(ステップB251)。楽曲選択操作とは、図47に示したように表示された現在選択可能な楽曲を示す表示83のうち、遊技者が再生したい楽曲の表示83に触れるように操作(タッチ操作)することである。この楽曲選択操作がない場合(ステップB251;No)は、楽曲提供操作があるかを判定する(ステップB253)。また、楽曲選択操作がある場合(ステップB251;Yes)は、選択された楽曲を遊技球の楽曲として設定し(ステップB252)、楽曲提供操作があるかを判定する(ステップB253)。すなわち、演出制御装置300が、演出操作手段(枠表示ユニット28)の操作に基づき遊技中に再生可能な楽曲を複数の楽曲のうちから選択可能とする楽曲選択手段をなす。
【0292】
楽曲提供操作とは、図47(b)に示したように、提供したい楽曲の表示83を提供先の遊技機へ向けてこするように操作することである。この楽曲提供操作がない場合(ステップB253;No)は、楽曲提供コマンドを受信したかを判定する(ステップB255)。また、楽曲提供操作がある場合(ステップB253;Yes)は、提供対象の台に楽曲提供コマンドを送信し(ステップB253)、楽曲提供コマンドを受信したかを判定する(ステップB255)。楽曲提供コマンドには提供される楽曲の情報が含まれている。
【0293】
楽曲提供コマンドを受信していない場合(ステップB255;No)は、楽曲提供完了コマンドを受信したかを判定する(ステップB259)。また、楽曲提供コマンドを受信した場合(ステップB255;Yes)は、自遊技機ですでに選択可能な楽曲であるかを判定する(ステップB256)。自遊技機ですでに選択可能な楽曲である場合(ステップB256;Yes)は、楽曲提供完了コマンドを受信したかを判定する(ステップB259)。この場合楽曲の提供は行われない。また、自遊技機ですでに選択可能な楽曲でない場合(ステップB256;No)は、楽曲提供コマンドに基づき当該楽曲を選択可能楽曲に設定し(ステップB257)、提供元の台に楽曲提供完了コマンドを送信して(ステップB258)、楽曲提供完了コマンドを受信したかを判定する(ステップB259)。
【0294】
楽曲提供完了コマンドを受信していない場合(ステップB259;No)は、楽曲選択処理を終了する。また、楽曲提供完了コマンドを受信した場合(ステップB259;Yes)は、当該楽曲を選択可能楽曲から削除し(ステップB260)、楽曲選択処理を終了する。これにより、図47(c)に示したように選択可能楽曲の提供が完了する。すなわち、演出制御装置300が、演出操作手段の操作に基づき自遊技機で選択可能な楽曲を他の遊技機で選択可能とする選択可能楽曲譲渡手段をなす。
【0295】
以上のことから、遊技者が操作可能な演出操作手段(枠表示ユニット28)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、演出操作手段の操作に基づき遊技中に再生可能な楽曲を複数の楽曲のうちから選択可能とする楽曲選択手段(演出制御装置300)と、楽曲選択手段で選択可能な楽曲を設定する選択可能楽曲設定手段(演出制御装置300)と、演出操作手段の操作に基づき自遊技機で選択可能な楽曲を他の遊技機で選択可能とする選択可能楽曲譲渡手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
【0296】
〔確率確認処理〕
図54には、枠表示装置演出処理における確率確認処理を示した。この確率確認処理では、まず、確率確認操作があるかを判定する(ステップB271)。確率確認操作とは、図48(b)に示したように確率状態を示唆する表示84を確認対象の遊技機に向けてこするように操作することである。この確率確認操作がない場合(ステップB271;No)は、確率確認コマンドを受信したかを判定する(ステップB273)。また、確率確認操作があった場合(ステップB271;Yes)は、確認対象の台に確率確認コマンドを送信し(ステップB272)、確率確認コマンドを受信したかを判定する(ステップB273)。
【0297】
確率確認コマンドを受信していない場合(ステップB273;No)は、確率確認処理を終了する。また、確率確認コマンドを受信した場合(ステップB273;Yes)は、確率確認可能状態であるかを判定する(ステップB274)。確率確認可能状態でない場合(ステップB274;No)は、確率確認処理を終了する。また、確率確認可能状態である場合(ステップB274;Yes)は、枠表示装置に確率確認表示を表示し(ステップB275)、確率確認処理を終了する。これにより、図48(c)に示したように、確認対象の遊技機の枠表示装置28aに確率状態を示唆する表示84が表示される。
【0298】
〔確率確認処理〕
図55には、図49に示したような確率状態の報知を行う場合の枠表示装置演出処理における確率確認処理を示した。この確率確認処理では、まず、確率確認操作があるかを判定する(ステップB281)。この場合の確率確認操作は、図49(a)に示したように、近隣の遊技機の確率状態を表示可能とする表示85に触れるように操作(タッチ操作)することである。この確率確認操作がない場合(ステップB281;No)は、確率確認処理を終了する。また、確率確認操作があった場合(ステップB281;Yes)は、枠表示装置に確率確認表示を表示し(ステップB282)、確率確認処理を終了する。これにより、図49(b)に示したように、近隣の遊技機の確率状態が表示される。
【0299】
以上のことから、遊技に関する情報を表示する表示装置(表示装置41、枠表示装置28a)と、遊技者が操作可能な演出操作手段(枠表示ユニット28)と、を備え、確率状態報知手段(演出制御装置300)は、演出操作手段の操作に基づき、確率状態情報を送受信したグループに属する自遊技機又は他の遊技機の確率状態に関する情報を表示装置に表示可能であることとなる。
【0300】
なお、上述の実施形態では、隣接する遊技機との制御情報の送受信により様々な演出を行うようにしたが、ここに挙げたもの以外の演出を行うことも可能である。例えば、グループ内の稼働台数に応じて表示装置41での表示態様を変更するようにしても良い。表示装置41の表示態様を変更するとは、例えば、稼働台数が多いほど、表示装置41で表示する背景画像の視点が高くなる(眺めが良くなる)ようにすることである。また、稼働台数が多いほど確率状態を示唆する表示を行うなどでも良い。このようにすることで、遊技を行っている遊技者の数により演出が変化するという従来にない演出を行うことができ、遊技に関する演出に変化をもたせることができて、遊技の興趣を向上することができる。
【0301】
すなわち、遊技に関する情報を表示する表示装置41を備え、送信手段(隣接台出力部321、演出制御装置300)は、他の遊技機の演出制御手段に対して自遊技機の稼働情報を送信可能であり、受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)は、他の遊技機からの稼働情報を受信可能であり、演出制御手段(演出制御装置300)は、受信した稼働情報に基づき、表示装置41の表示態様を変更するようにしても良い。
【0302】
また、特図保留情報判定処理(先読み処理)の結果を隣接する遊技機により報知するようにしても良い。例えば、始動記憶が4つある状態で4番目に特図変動表示ゲームを実行する始動記憶が大当りとなる場合に、まず、1番目の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始時に「3」の外部入力音を自遊技機から3つ先の遊技機から出力する。その後、2番目の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始時に「2」の外部入力音を自遊技機から2つ先の遊技機から出力し、3番目の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始時に「1」の外部入力音を自遊技機に隣接する遊技機から出力する。そして、大当りとなる4番目の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始時に自遊技機から「0」の音声を出力することで、遠くの台からカウントダウンの音声が近づくような演出を行うようにしても良い。
【0303】
また、外部入力音や遊技中に再生可能な楽曲は、遊技機に予め記憶されている音源により出力するようにしているが、出力対象の遊技機が該当する音源を記憶していない場合に、音源データを送信するようにしても良い。すなわち、演出制御手段(演出制御装置300)は、他の遊技機に音源データを送信可能な送信手段(隣接台出力部321、演出制御装置300)と、他の遊技機からの音源データを受信可能な受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)と、を備え、受信手段により受信した音源データに基づき音声を出力可能としても良い。
【0304】
また、音源としてSSG音源とAMM音源を用いるとしたが、これ以外の音源を用いるようにしても良く、PSG(Programmable Sound Generator)音源やADPCM音源、PCM音源、AMM音源、DAC音源、MP3音源などその他の種類の音源あるいは方式などを用いることができる。
【0305】
また、図56、図57に示すように、パチスロ遊技機にも本発明を適用可能である。図56に示すように、各パチスロ遊技機10に設定曖昧報知用LED90を設け、これにより確率状態情報を送受信したパチスロ遊技機が属するグループの確率状態に関する情報の報知を行うようにする。
【0306】
図57には、マスタに設定されたパチスロ遊技機10が報知態様を選択するためのテーブルの一例を示した。図57(a)に示すように、このパチスロ遊技機10では特別遊技状態が発生する確率の状態が異なる複数の確率設定として、6段階の確率設定のうちから何れかを遊技店の係員の操作により設定可能である。そして、設定1から3である場合を低設定とし、設定4から6である場合を高設定としてグループの確率状態に関する情報の報知を行う。報知態様は、図57(b)に示すように設定された、総接続台数と高設定台数により確率状態を示唆、報知する設定曖昧報知用LED90の発光色を選択するための発光色テーブルに基づき選択される。なお、図57(b)におけるTBL1から7は、図41(b)から(h)に示したTBL1から7である。
【0307】
これにより、パチンコ遊技機に限らずパチスロ遊技機でもグループの確率状態に関する情報を報知するという従来にない報知を行うことができ、遊技に関する演出に変化をもたせることができて、遊技の興趣を向上することができる。また、遊技者は、今までのように1台の遊技機だけ見るのではなく、グループ全体を観察して遊技機を選択することができ、選択の幅が広がる。さらに、高確率の遊技機があると思えば、そのグループを横歩きして試打するため全体的に稼働が上がる。
【0308】
なお、図56に示すパチスロ遊技機に備えられた、遊技に関する情報を表示する表示装置91においてグループの確率状態に関する情報の報知を行うようにしても良い。また、グループ内で送受信した音データに基づく音声の出力を行うようにしても良い。
【0309】
以上のことから、確率設定手段(遊技制御装置100)は、特別遊技状態が発生する確率の状態が異なる複数の確率設定のうちから遊技店の係員の操作により何れかの確率設定を選択可能であり、送信手段(隣接台出力部321、演出制御装置300)は、他の遊技機の演出制御手段に対して自遊技機で選択された確率設定を確率状態情報として送信可能であり、グループ確率状態報知手段(演出制御装置300)は、受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)により受信した確率状態情報に基づき、当該確率状態情報を送受信した遊技機が属するグループの確率設定に関する情報を報知するようにしていることとなる。
【0310】
以上のような遊技機は、遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、該遊技制御手段からの指令情報に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの演出制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、変動表示ゲームの結果態様に関連して遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機であって、演出制御手段は、複数機種の遊技機で共通して使用される共通音を出力可能な共通音出力手段(演出制御装置300)を備え、他の遊技機の演出制御手段に対して自遊技機で出力する共通音に関する情報である音データを送信可能な送信手段(隣接台出力部321、演出制御装置300)と、他の遊技機からの音データを受信可能な受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)と、を備え、該受信手段により受信された音データに基づき、共通音出力手段により所定の音を出力可能である。
【0311】
したがって、音による遊技に関する演出を効果的に行うことができる。すなわち、他の遊技機からも自遊技機の音が出るため、大音量でなくてもクリアに聞こえ、迫力ある音を楽しむことができる。また、他の遊技機で遊技している複数の遊技者にも自遊技機での遊技の状態を知らせることができ、遊技場全体で遊技の興趣を向上することができる。
【0312】
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、共通音の出力優先順位を記憶した出力音記憶手段(演出制御装置300)と、受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)により他の遊技機から音データを受信した際に、受信した音データに基づく共通音と、共通音以外の自遊技機で出力する音とを出力音記憶手段に記憶された出力優先順位に基づき比較し、共通音の出力優先順位が上位であれば共通音を出力する音比較出力手段(演出制御装置300)と、を備えている。
【0313】
したがって、自遊技機の出力音がそれほど重要でない場合に、他遊技機の演出に参加することができる。
【0314】
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、音データに基づく共通音を出力する際に、自遊技機で出力していた音のボリュームを下げるようにしている。
【0315】
したがって、自遊技機で出力していた音のボリュームを下げることで、重要な演出を行っている他の遊技機をグループ全体で盛り上げることができる。
【0316】
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、受信手段(隣接台入力部322、演出制御装置300)により他の遊技機から音データを受信しても、自遊技機でエラーが発生している際には、他の遊技機から受信した音データに基づく共通音を出力しないようにしている。
【0317】
したがって、自遊技機でのエラーの発生を確実に報知することができる。
【0318】
また、共通音出力手段(演出制御装置300)は、共通音としてSSG音源を用いるようにしている。
【0319】
したがって、異なる機種間でも音データに基づく共通音を出力可能となる。また、当該共通音を異なる機種であっても同一の状態の発生(例えば大当りの発生)に対して関連付けておけば、異なる機種で遊技する遊技者にも伝わりやすくなる。
【0320】
また、遊技者が操作可能な演出操作手段(枠表示ユニット28)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、演出操作手段の操作に基づき遊技中に再生可能な楽曲を複数の楽曲のうちから選択可能とする楽曲選択手段(演出制御装置300)と、楽曲選択手段で選択可能な楽曲を設定する選択可能楽曲設定手段(演出制御装置300)と、演出操作手段の操作に基づき自遊技機で選択可能な楽曲を他の遊技機で選択可能とする選択可能楽曲譲渡手段(演出制御装置300)と、を備えている。
【0321】
したがって、知人どうしなどで楽曲の授受が可能となり、遊技の興趣が向上する。
【0322】
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
【0323】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0324】
10 遊技機
28 枠表示ユニット(演出操作手段)
100 遊技制御装置(遊技制御手段、確率設定手段)
300 演出制御装置(演出制御手段、送信手段、受信手段、共通音出力手段、出力音記憶手段、音比較出力手段、楽曲選択手段、選択可能楽曲設定手段、選択可能楽曲譲渡手段)
321 隣接台出力部(送信手段)
322 隣接台入力部(受信手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、該遊技制御手段からの指令情報に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの演出制御を行う演出制御手段と、を備え、前記変動表示ゲームの結果態様に関連して遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
前記演出制御手段は、
複数機種の遊技機で共通して使用される共通音を出力可能な共通音出力手段を備え、
他の遊技機の演出制御手段に、自遊技機で出力する前記共通音に関する情報である音データを送信可能な送信手段と、
他の遊技機からの前記音データを受信可能な受信手段と、を備え、
該受信手段により受信された音データに基づき、前記共通音出力手段により所定の音を出力可能であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出制御手段は、
前記共通音の出力優先順位を記憶した出力音記憶手段と、
前記受信手段により他の遊技機から前記音データを受信した際に、受信した前記音データに基づく共通音と、前記共通音以外の自遊技機で出力する音とを前記出力音記憶手段に記憶された出力優先順位に基づき比較し、前記共通音の前記出力優先順位が上位であれば前記共通音を出力する音比較出力手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出制御手段は、
前記音データに基づく共通音を出力する際に、自遊技機で出力していた音のボリュームを下げることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記演出制御手段は、
前記受信手段により他の遊技機から前記音データを受信しても、自遊技機でエラーが発生している際には、他の遊技機から受信した前記音データに基づく共通音を出力しないことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記共通音出力手段は、前記共通音としてSSG音源を用いることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
遊技者が操作可能な演出操作手段を備え、
前記演出制御手段は、
前記演出操作手段の操作に基づき遊技中に再生可能な楽曲を複数の楽曲のうちから選択可能とする楽曲選択手段と、
前記楽曲選択手段で選択可能な楽曲を設定する選択可能楽曲設定手段と、
前記演出操作手段の操作に基づき自遊技機で選択可能な楽曲を他の遊技機で選択可能とする選択可能楽曲譲渡手段と、を備えることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項1】
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、該遊技制御手段からの指令情報に基づいて複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの演出制御を行う演出制御手段と、を備え、前記変動表示ゲームの結果態様に関連して遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
前記演出制御手段は、
複数機種の遊技機で共通して使用される共通音を出力可能な共通音出力手段を備え、
他の遊技機の演出制御手段に、自遊技機で出力する前記共通音に関する情報である音データを送信可能な送信手段と、
他の遊技機からの前記音データを受信可能な受信手段と、を備え、
該受信手段により受信された音データに基づき、前記共通音出力手段により所定の音を出力可能であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出制御手段は、
前記共通音の出力優先順位を記憶した出力音記憶手段と、
前記受信手段により他の遊技機から前記音データを受信した際に、受信した前記音データに基づく共通音と、前記共通音以外の自遊技機で出力する音とを前記出力音記憶手段に記憶された出力優先順位に基づき比較し、前記共通音の前記出力優先順位が上位であれば前記共通音を出力する音比較出力手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出制御手段は、
前記音データに基づく共通音を出力する際に、自遊技機で出力していた音のボリュームを下げることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記演出制御手段は、
前記受信手段により他の遊技機から前記音データを受信しても、自遊技機でエラーが発生している際には、他の遊技機から受信した前記音データに基づく共通音を出力しないことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記共通音出力手段は、前記共通音としてSSG音源を用いることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
遊技者が操作可能な演出操作手段を備え、
前記演出制御手段は、
前記演出操作手段の操作に基づき遊技中に再生可能な楽曲を複数の楽曲のうちから選択可能とする楽曲選択手段と、
前記楽曲選択手段で選択可能な楽曲を設定する選択可能楽曲設定手段と、
前記演出操作手段の操作に基づき自遊技機で選択可能な楽曲を他の遊技機で選択可能とする選択可能楽曲譲渡手段と、を備えることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図2】
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【図4】
【図5】
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【図11】
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【図13】
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【図15】
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【図21】
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【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
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【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【公開番号】特開2013−146(P2013−146A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130788(P2011−130788)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】
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