遊技機
【課題】共通の単一のアクチュエータを駆動源として、第1,第2装飾部材の斬新な動作を実現して演出効果を高めることができる遊技機を提供する。
【解決手段】第1装飾部材41Aに第2装飾部材42Aを揺動自在に連結するとともに、第1装飾部材41Aに作動部材47Aを相対移動自在に装着し、駆動機構により第1装飾部材41Aを退避位置から進出位置へ移動させる際、作動機構48Aにより、退避位置と途中位置間では、作動部材47A及び第1,第2装飾部材41A,42Aを一体的に移動させ、途中位置と進出位置間では、第1装飾部材41Aと作動部材47Aとを相対移動させて、第2装飾部材42Aを第1装飾部材41Aと共に移動させながら揺動させる。
【解決手段】第1装飾部材41Aに第2装飾部材42Aを揺動自在に連結するとともに、第1装飾部材41Aに作動部材47Aを相対移動自在に装着し、駆動機構により第1装飾部材41Aを退避位置から進出位置へ移動させる際、作動機構48Aにより、退避位置と途中位置間では、作動部材47A及び第1,第2装飾部材41A,42Aを一体的に移動させ、途中位置と進出位置間では、第1装飾部材41Aと作動部材47Aとを相対移動させて、第2装飾部材42Aを第1装飾部材41Aと共に移動させながら揺動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に関し、特に、第1装飾部材が退避位置から進出位置へ移動する際、退避位置と途中位置間では、第1,第2装飾部材を一体的に移動させ、途中位置と進出位置間では、第2装飾部材を第1装飾部材と共に移動させながら揺動させる技術である。
【背景技術】
【0002】
近年、パチンコ遊技機において、遊技興趣を高めるために、装飾部材と、この装飾部材を所定の退避位置と進出位置とに亙って移動させる電動モータを有する駆動機構とを備えた可動役物装置、更に、装飾部材を画像表示器の画面前側で移動させる可動役物装置が広く実用に供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の可動役物装置では、複数の正座した人形が昇降し、それら人形の上半身が傾動(お辞儀)する。特許文献1の第1の実施例(図2〜図8参照)では、複数の人形が昇降板に載置され、複数の人形の手が昇降板の下面に配置されたスライド板に連結されている。昇降板に設けた下鉛直板片に電動モータとピニオンが装着され、この電動モータによりピニオンが回転駆動されると、このピニオンが静止側のラックと噛合している状態では、複数の人形が昇降板と共に昇降される。
【0004】
昇降板の下鉛直板片にスライド用ギヤが装着され、このスライド用ギヤの外周近傍部にピンが設けられ、このピンがスライド板に設けた下鉛直板片に形成された上下方向に長い係合溝に係合している。電動モータによりピニオンが回転駆動されると、このピニオンがスライド用ギヤと噛合している状態では、スライド板が前後方向へスライドされて、複数の人形の上半身が傾動される。ピニオンにはギヤ部と非ギヤ部とが形成され、このピニオン(ギヤ部)がラックとスライド用ギヤとに択一的に噛合し、複数の人形の上半身が起立姿勢に保持された状態で昇降板(複数の人形)が昇降され、昇降板が上限位置に保持された状態で複数の人形の上半身が傾動される。
【0005】
特許文献1の第2の実施例(図9〜図13参照)では、昇降ベース板が電動モータにより駆動されるパンタグラフ機構により昇降され、この昇降ベース板の上側に、複数の人形が載置された昇降板と、複数の人形の手が連結されたスライド板が配設されている。昇降板は昇降ベース板に複数の鉛直バネを介して連結され、スライド板は水平バネにより昇降板に対して後方へ付勢されている。スライド板の下面にカム部が設けられ、このカム部に係合するカム押圧部が昇降ベース板に設けられている。
【0006】
昇降ベース板がその上限位置近傍以外の位置にある状態で、複数の鉛直バネにより昇降板と昇降ベース板はその間の距離を一定に保持して一体的に昇降され、その際、水平バネにより複数の人形の上半身が起立姿勢に保持される。昇降ベース板がその上限位置近傍にある状態で、昇降板が静止側の係止部により上限位置に係止保持され、そこで、昇降ベース板が昇降板に対して相対的に昇降されると、スライド板のカム部とベース板のカム押圧部によりスライド板が前後方向へスライドされる。つまり、特許文献1の第1の実施例と同様に、複数の人形の上半身が起立姿勢に保持された状態で昇降板(複数の人形)が昇降され、昇降板が上限位置に保持された状態で複数の人形の上半身が傾動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−57829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の可動役物装置では、共通の単一の電動モータを駆動源として、人形を昇降させ、また、人形の上半身を傾動させるが、人形を昇降させる動作と人形の上半身を傾動させる動作は同時に行われず夫々単独で行われる。しかし、この装飾部材の動作では、斬新さに欠け、装飾部材が形成する物の動きを思うように表現できない場合がある。
【0009】
特許文献1の可動役物装置において、第2の実施例では、昇降板と昇降ベース板とを相対移動させることにより、スライド板をスライドさせるが、そのために、昇降ベース板にパンタグラフ機構を連結し、その昇降ベース板に複数の鉛直バネを介して昇降板を連結している。つまり、昇降板を移動停止させた状態で、昇降ベース板を移動させることにより、昇降板と昇降ベース板との相対移動を発生させる構造であるため、人形を昇降させる動作と人形の上半身を傾動させる動作は同時に行われず夫々単独で行われることになる。
【0010】
本発明の目的は、共通の単一のアクチュエータを駆動源として、第1,第2装飾部材の斬新な動作を実現して演出効果を高め、その為の作動信頼性を高めることができる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明(遊技機)は、第1装飾部材(41A/41B/41C) と、この第1装飾部材(41A/41B/41C) を所定の退避位置と進出位置とに亙って移動させる駆動機構(46A/46B/46C) とを備えた遊技機(1) において、前記第1装飾部材(41A/41B/41C) に揺動自在に連結された第2装飾部材(42A/42B/42C) と、前記第1装飾部材(41A/41B/41C) に相対移動自在に装着された作動部材(47A/47B/47C) と、前記第1装飾部材(41A/41B/41C) が前記退避位置から進出位置へ至るまでの途中位置へ移動する際に、前記作動部材(47A/47B/47C) 及び前記第1,第2装飾部材(41A/41B/41C,42A/42B/42C) を一体的に移動させ、前記第1装飾部材(41A/41B/41C) が前記途中位置から進出位置へ移動する際に、前記第1装飾部材(41A/41B/41C) と前記作動部材(47A/47B/47C) とを相対移動させて、前記第2装飾部材(42A/42B/42C) を前記第1装飾部材(41A/41B/41C) と共に移動させながら揺動させる作動機構(48A/48B/48C) を備えたことを特徴としている。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、前記作動機構(48A) は、前記作動部材(47A) を前記第1装飾部材(41A) に対して前記進出位置側へ付勢するバネ部材(70)と、前記第1装飾部材(41A) に設けられ且つ前記第1装飾部材(41A) が前記退避位置から途中位置へ移動する際に前記作動部材(47A) が係合する第1係合部(73)と、静止側部材(50)に設けられ且つ前記第1装飾部材(41A) が前記途中位置から進出位置へ移動する際に前記作動部材(47A) が係合する第2係合部(74)とを備えたことを特徴としている。
【0013】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記作動機構(48A) は、前記第1装飾部材(41A) と前記作動部材(47A) との相対移動により前記第2装飾部材(42A) を揺動させるカム機構(49A) を有することを特徴としている。
【0014】
第4の発明は、第3の発明において、前記カム機構(49A) は、前記作動部材(47A) と前記第2装飾部材(42A) の一方に設けられたカム溝(80)と、前記作動部材(47A) と前記第2装飾部材(42A) の他方に設けられ前記カム溝(80)に係合するカム係合部(81)とを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明(遊技機)によれば、共通の単一のアクチュエータを駆動源として、第1,第2装飾部材の斬新な動作を実現して演出効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】パチンコ遊技機の斜視図である。
【図2】パチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。
【図3】パチンコ遊技機の制御系のブロック図である。
【図4】3体の第1装飾部材が退避位置にある状態の可動役物装置の正面図である。
【図5】図4の可動役物装置の裏面図である。
【図6】左1体の第1装飾部材が途中位置にあり残り2体の第1装飾部材が退避位置にある状態の可動役物装置の正面図である。
【図7】図6の可動役物装置の裏面図である。
【図8】左右2体の第1装飾部材が途中位置にあり残り1体の第1装飾部材が退避位置にある状態の可動役物装置の正面図である。
【図9】図8の可動役物装置の裏面図である。
【図10】3体の第1装飾部材が途中位置にある状態の可動役物装置の正面図である。
【図11】図10の可動役物装置の裏面図である。
【図12】3体の第1装飾部材が進出位置にある状態の可動役物装置の正面図である。
【図13】図12の可動役物装置の裏面図である。
【図14】装飾部材等の要部を示す可動役物装置の前側からの斜視図である。
【図15】図14の可動役物装置の後側からの斜視図である。
【図16】装飾部材等を省略した可動役物装置の前側からの斜視図である。
【図17】図16の可動役物装置の正面図である。
【図18】図16の可動役物装置の裏面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0018】
図1、図2に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールの島構造体に取付けられる外枠(図示略)に開閉枠2が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉扉3に窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着されている。開閉枠2の左端部に開閉扉3の左端部が鉛直軸心回りに回動自在に支持され、開閉扉3の右端部には、開閉扉3を開閉枠2に施錠するキーシリンダ3cが装着されている。開閉枠2に遊技盤4が装着され、遊技盤4とその前側の透明板3bとの間に遊技球が流下可能な遊技領域4aが形成され、この遊技領域4aが開閉扉3により開閉される。
【0019】
開閉扉3には、窓3aの下側に遊技球を貯留する貯留皿5が設けられ、その貯留皿5に演出ボタンSW6(「SW」はスイッチを意味する)が装着され、貯留皿5の右下側に発射ハンドル7が装着されている。発射ハンドル7が回動操作されると、貯留皿5から発射位置に導入された遊技球が発射され、貯留皿5に複数の遊技球が貯留されている場合には、複数の遊技球が約0.6秒間隔で連続発射される。発射された遊技球はガイドレール8で案内され遊技領域4aの上部に導入される。
【0020】
図2、図3に示すように、遊技盤4には遊技領域4aに配置された多数の障害釘(図示略)の他、第1始動口10、開閉式の第2始動口11aを有する始動口装置11、ゲート12、開閉式の大入賞口13aを有する大入賞口装置13、複数(4つ)の一般入賞口14が設けられている。第1始動口10、ゲート12、複数の一般入賞口14には、夫々、そこに入賞した遊技球を検出する第1始動口SW10a、ゲートSW12a、複数の一般入賞口SW14aが付設されている。
【0021】
始動口装置11は、第2始動口11a、第2始動口11aを開閉する開閉部材11b、第2始動口11aに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW11c、開閉部材11bを開閉駆動する第2始動口SOL11d(「SOL」はソレノイドアクチュエータを意味する)を有する。大入賞口装置13は、大入賞口13a、大入賞口13aを開閉する開閉部材13b、大入賞口13aに入賞した遊技球を検出する大入賞口SW13c、開閉部材13bを開閉駆動する大入賞口SOL13dを有する。
【0022】
遊技球が入賞口10,11a,13a,14に入賞した場合、遊技球1個の入賞につき入賞口10,11a,13a,14毎に設定された数の遊技球が貯留皿5に払出される。遊技球が始動口10,11aに入賞した場合に大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選した場合、通常は閉塞の大入賞口13aが複数ラウンドに亙って開閉する大当り遊技が発生する。遊技球がゲート12を通過した場合に当り抽選が行われ、その当り抽選で当選した場合、通常は閉塞の第2始動口11aが1又は複数回開閉する補助遊技が発生する。
【0023】
遊技盤4にはセンタ役物15が取付けられ、このセンタ役物15に、画像表示器16と、図4〜図18に示す可動役物装置17が装備されている。センタ役物15は遊技盤4に比較的大きく形成されたセンタ開口部に嵌合装着されたセンタ枠部材15aを有し、このセンタ枠部材15aの下部には遊技球が転動するステージ15bが形成されている。
【0024】
画像表示器16はその画面をパチンコ遊技機1の前側からセンタ枠部材15aの内側を通して視認できるように配置されている。画像表示器16には、大当り抽選に関する遊技演出が表示され、その遊技演出では、大当り抽選を演出するために複数の演出図柄が変動後停止するように表示されるとともに、複数の演出図柄以外に演出動画が表示され、また、大当り遊技中には、その大当り遊技を演出するために演出動画が表示される。
【0025】
遊技盤4の右下部には遊技表示盤19が設けられ、この遊技表示盤19は、第1特図表示器19a、第2特図表示器19b、普図表示器19c、第1特図保留ランプ19d、第2特図保留ランプ19e、普図保留ランプ19fを備えている。
【0026】
第1特図表示器19aには第1特別図柄が変動可能に表示され、第1特図保留ランプ19dには第1特図保留数が表示され、その第1特図保留数は4未満の場合に第1始動口10に遊技球が入賞する毎に1加算される。第2特図表示器19bには第2特別図柄が変動可能に表示され、第2特図保留ランプ19eには第2特図保留数が表示され、その第2特図保留数は4未満の場合に第2始動口11aに遊技球が入賞する毎に1加算される。
【0027】
第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第1特図保留数が1以上の場合、第2特図保留数が0の場合には、第1特図保留数が1減算されて第1特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第2特図保留数が1以上の場合、第2特図保留数が1減算されて第2特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。
【0028】
普図表示器19cには普通図柄が変動可能に表示され、普図保留ランプ19fには普図保留数が表示され、その普図保留数は4未満の場合にゲート12に遊技球が入賞する毎に1加算される。普通図柄が変動停止状態で、普図保留数が1以上の場合、普図保留数が1減算されて普通図柄が変動開始され、その後の停止図柄で当り抽選の結果が表示される。
【0029】
パチンコ遊技機1の制御系について説明する。
図3に示すように、制御装置30は、遊技制御基板31、払出制御基板32、演出制御基板33、画像制御基板34、ランプ制御基板35を備え、これら制御基板31〜35に夫々CPUとROMとRAMを含むコンピュータを備えて構成され、演出制御基板33は更にRTC(「RTC」はリアルタイムクロックを意味する)を備えている。
【0030】
遊技制御基板31のコンピュータは、第1,第2始動口SW10a,11c、ゲートSW12a、大入賞口SW13c、複数の一般入賞口SW14aからの信号と、払出制御基板32からの情報とを受けて、第2始動口SOL11d、大入賞口SOL13d、図柄表示器19a〜19c、図柄保留ランプ19d〜19fを制御し、払出制御基板32と演出制御基板33とに制御情報(遊技情報)を出力する。
【0031】
払出制御基板32のコンピュータは、遊技制御基板31からの制御情報と、払出球検出SW36b、球有り検出SW36c、満タン検出SW36dからの信号とを受けて、払出モータ36aを制御し、遊技制御基板32に制御情報(払出情報)を出力する。演出制御基板33のコンピュータは、遊技制御基板31、画像制御基板34、ランプ制御基板35からの制御情報と、演出ボタンSW6からの信号とを受けて、画像制御基板34、ランプ制御基板35に制御情報を出力する。
【0032】
画像制御基板34のコンピュータは、演出制御基板33からの制御情報を受けて、遊技演出用の画像表示器16とスピーカ37とを制御し、演出制御基板33に制御情報を出力する。ランプ制御基板35のコンピュータは、演出制御基板33からの制御情報を受けて、主に画像制御基板34のコンピュータによる制御に同期させて、遊技演出用の枠ランプ38aと盤ランプ38bと可動役物装置17とを制御する。
【0033】
可動役物装置17について説明する。
図4〜図18に示すように、可動役物装置17は、第1,第2,第3の可動役物40A,40B,40Cと、第1,第2,第3の可動役物40A,40B,40Cを動作させる役物動作機構45とを備えている。また、可動役物装置17は、センタ枠部材15aの下部に固定された静止側部材である役物ベース50を備え、この役物ベース50に第1,第2,第3の可動役物40A,40B,40Cと役物動作機構45が装着されている。
【0034】
第1,第2,第3の可動役物40A,40B,40Cは、夫々、サーファーギミックを形成し、画像表示器16の画面下端側において左右方向に並設されている。この第1,第2,第3の可動役物40A,40B,40Cは、夫々、第1装飾部材41A,41B,41Cと、第1装飾部材41A,41B,41Cに揺動自在に連結された第2装飾部材42A,42B,42Cとを備えている。
【0035】
役物動作機構45は、第1,第2,第3の可動役物40A,40B,40Cの夫々に対して、第1装飾部材41A,41B,41Cを所定の退避位置(図4等参照)と進出位置(図12等参照)とに亙って上下方向へ移動させる駆動機構46A,46B,46Cと、第1装飾部材41A,41B,41Cに上下方向へ相対移動自在に装着された作動部材47A,47B,47Cと、第1装飾部材41A,41B,41Cが退避位置から進出位置へ至るまでの途中位置(図10等参照)へ移動する際に、作動部材47A,47B,47C及び第1,第2装飾部材41A,41B,41C,42A,42B,42Cを一体的に移動させ、第1装飾部材41A,41B,41Cが途中位置から進出位置へ移動する際に、第1装飾部材41A,41B,41Cと作動部材47A,47B,47Cとを相対移動させて、第2装飾部材42A,42B,42Cを第1装飾部材41A,41B,41Cと共に移動させながら揺動させる作動機構48A,48B,48Cとを備えている。
【0036】
先ず、役物ベース50について説明し、次に、第1の可動役物40Aについて詳細に説明する。尚、第2,第3の可動役物40B,40Cについては、第1の可動役物40Aと基本的に同じ構成であるので、詳細な説明を省略する。
【0037】
図4、図6、図8、図10、図12、図16〜図18等に示すように、役物ベース50は、第1ケース51と、その後面部に固定された第2ケース52とを有する。第1ケース51の前壁には、3つの第1装飾部材41A,41B,41Cを夫々上下方向へ移動自在にガイドする上下方向に長い3つのガイドスリット53A,53B,53C(ガイド部)と、3つの作動部材47A,47B,47Cの一部が夫々上下方向へ移動可能に挿入される上下方向に長い3つの凹溝54A,54B,54Cとが形成され、第1ケース51の後壁に上下方向に長い3つのガイドスリット55A,55B,55Cが形成されている。
【0038】
図4〜図15に示すように、第1の可動役物40Aにおいて、第1,第2装飾部材41A,42Aは第1ケース51の前側に配置され、第1装飾部材41Aは、サーファーの顔と胴体と尻と両足とサーファーが乗るサーフィンを形成し、第2装飾部材42Aは、サーファーの服と両手を形成している。第2装飾部材42Aの上端部が、第1装飾部材41Aに、その顔の後側において前後方向の軸41Aaを介して回動自在に支持されている。第2装飾部材42Aは、第1装飾部材41Aの顔とその後方に位置する胴体の上端部分との間から下方へ垂れ下がり、その服により第1装飾部材41Aの胴体と尻とを覆う通常位置(図4等参照)と、この通常位置から左方へずれて第1装飾部材41Aの尻を露出させる作動位置(図12等参照)とに亙って回動される。
【0039】
図14〜図18に示すように、第1の可動役物40Aは、第1装飾部材41Aの下端部に固定されその下側に配設された装飾ケース部材43を有する。この装飾ケース部材43にスライダー44が設けられ、このスライダー44が第1ケース51のガイドスリット53Aに摺動自在に係合している。スライダー44の後端部に駆動機構46Aの可動ラック68が固定されている。これにより、第1装飾部材41Aは、可動ラック68と共に、姿勢を保持された状態で、第1ケース51のガイドスリット53Aにより退避位置と進出位置とに亙って上下方向へ移動自在にガイドされている。
【0040】
次に、駆動機構46A,46B,46Cについて詳細に説明し、その後、作動部材47A、作動機構48Aについて詳細に説明する。尚、作動部材47B,47C、作動機構48B,48Cについては、作動部材47A、作動機構48Aと基本的に同じ構成であるので、詳細な説明を省略する。
【0041】
図5,図7,図9,図11,図13,図16〜図18等に示すように、駆動機構46A,46B,46Cは、共通の単一の電動モータ60を駆動源とするものであり、3つの第1装飾部材41A,41B,41Cを昇降させる場合に、退避位置から途中位置へは左側の第1装飾部材41A→右側の第1装飾部材41C→中央の第1装飾部材41Bの順番で上昇させ、途中位置と進出位置との間では3つの第1装飾部材41A,41B,41Cを同時に昇降させ、進出位置から退避位置へは3つの第1装飾部材41A,41B,41Cを同時に一気に下降させるように構成されている。
【0042】
そのために、3つのカム部61Aa,61Ba,61Caを有するカム付ギヤ61A,61B,61Cと、2つの中間ギヤ62,63が、第2ケース52の内部に配設され、第2ケース52の後壁に夫々前後方向の軸を介して回転自在に支持されて、図示のように直列状に噛合している。電動モータ60は第2ケース52に取付けられ、その出力軸60aに固着された出力ギヤ64が中間ギヤ63に噛合し、電動モータ60が駆動されると、3つのカム付ギヤ61A,61B,61Cが、同方向に同期して回動される。
【0043】
また、3つの揺動部材65A,65B,65Cが、第2ケース52の内部に配設され、第2ケース52の後壁に夫々カム付ギヤ61A,61B,61Cの上側において前後方向の軸を介して回転自在に支持されている。3つの揺動部材65A,65B,65Cは、夫々、3つのカム部61Aa,61Ba,61Caと係合可能なカム従動部65Aa,65Ba,65Caと、レバー部65Ab,65Bb,65Cbとを有する。カム付ギヤ61A,61B,61Cが回動されることで、カム部61Aa,61Ba,61Caとカム従動部65Aa,65Ba,65Caとにより、レバー部65Ab,65Bb,65Cbが上下に揺動される。
【0044】
また、3つのラック・ピニオン機構66A,66B,66Cが、第1ケース51の内部に配設され、夫々3つの揺動部材65A,65B,65Cのレバー部65Ab,65Bb,65Cbの先端部分と連動連結されている。ラック・ピニオン機構66Aは、上下方向に延びる固定ラック67及び可動ラック68、これら両ラック67,68に噛合するピニオン69を有する。固定ラック67は第1ケース51に固定され、可動ラック68は、前記のように、第1ケース51のガイドスリット52Aにより上下方向へ移動自在にガイドされている。
【0045】
第1ケース51のガイドスリット55Aにはスライダー69aが摺動自在に係合して上下方向へガイドされている。揺動部材65Aのレバー部65Abの先端部分は、そこに形成された長孔65Acと、スライダー69aに後方突出状に設けられたピン69bとを介して、スライダー69aに回動自在に且つスライド自在に連結され、このスライダー69aにピニオン69が前後方向の軸を介して回転自在に装着されている。このラック・ピニオン機構66Aにより、揺動部材65Aが回動され、レバー部65Abの先端部分が上昇すると、その上昇量の約2倍の上昇量で第1装飾部材41Aが上昇され、レバー部65Abの先端部分が下降すると、その下降量の約2倍の下降量で第1装飾部材41Aが下降される。尚、他のラック・ピニオン機構66B,66Cについては、ラック・ピニオン機構66Aと同じ構成であるので説明を省略する。
【0046】
ここで、図18に示すように、カム付ギヤ61Aのカム部61Aaは、中心側から径方向外側へ延びるカム始端部61Aa1、カム始端部61Aa1の径方向外端部から第2方向A2(後面視にて反時計回り方向)へ延びる第1円弧部61Aa2、第1円弧部61Aa2の第2方向A2の端部から径方向外側へ傾斜状に延びる傾斜部61Aa3、傾斜部61Aa3の径方向外端部から第2方向A2へ延びる(第1円弧部61Aa2よりも大径の)第2円弧部61Aa4、第2円弧部61Aa4の第2方向A2の端部から中心側へ延びるカム終端部61Aa5を有する。
【0047】
カム付ギヤ61B,61Cのカム部61Ba,61Caは、カム部61Aaのカム始端部61Aa1、傾斜部61Aa3、第2円弧部61Aa4、カム終端部61Aa5と同形状のカム始端部61Ba1,61Ca1、第1円弧部61Ba2,61Ca2、傾斜部61Ba3,61Ca3、カム終端部61Ba5,61Ca5を有するとともに、カム部61Baは、カム部61Aaの第1円弧部61Aa2よりも周方向長さが短い第1円弧部61Ba2を有し、カム部61Caは、カム部61Aaの第1円弧部61Aa2よりも周方向長さが短く且つカム部61Baの第1円弧部61Ba2よりも周方向長さが長い第1円弧部61Ca2を有する。
【0048】
3つのカム部61Aa,61Ba,61Caにおいて、傾斜部61Aa3,61Ba3,61Ca3、第2円弧部61Aa4,61Ba4,61Ca4、カム終端部61Aa5,61Ba5,61Ca5は同位相に配置され、つまり、カム始端部61Aa1は、カム始端部61Ca1よりも第1方向A1(後面視にて時計回り方向)に先行した位相に配置され、また、カム始端部61Ca1は、カム始端部61Ba1よりも第1方向A2に先行した位相に配置されている。これにより、3つのカム付ギヤ61A,61B,61Cが同期して回動されことにより、3つの第1装飾部材41A,41B,41Cが次のように動作する。
【0049】
先ず、3つの揺動部材65A,65B,65Cのカム従動部65Aa,65Ba,65Caが3つのカム部61Aa,61Ba,61Caに係合していない状態、つまり3つの第1装飾部材41A,41B,41Cが退避位置にある状態から、3つのカム付ギヤ61A,61B,61Cが第1方向へ回動されると、先ず、カム従動部65Aaがカム始端部61Aa1に係合し押動され第1円弧部61Aa2に係合する動作により、第1装飾部材41Aが退避位置から途中位置へ上昇して途中位置に保持される。
【0050】
続いて、カム従動部65Caがカム始端部61Ca1に係合し押動され第1円弧部61Ca2に係合する動作により、第1装飾部材41Cが退避位置から途中位置へ上昇して途中位置に保持され、続いて、カム従動部65Baがカム始端部61Ba1に係合し押動され第1円弧部61Ba2に係合する動作により、第1装飾部材41Bが退避位置から途中位置へ上昇して途中位置に保持される。
【0051】
次に、3つのカム従動部65Aa,65Ba,65Caが、同時に、3つの傾斜部61Aa3,61Ba3,61Ca3に係合し押動され3つの第2円弧部61Aa4,61Ba4,61Ca4に係合する動作により、3つの第1装飾部材41A,41B,41Cが同時に途中位置から進出へ上昇して進出位置に保持される。ここで、3つのカム従動部65Aa,65Ba,65Caが3つの傾斜部61Aa3,61Ba3,61Ca3に係合した状態で、3つのカム付ギヤ61A,61B,61Cが往復回動されることで、3つの第1装飾部材41A,41B,41Cが同期して上下に揺動される。
【0052】
次に、カム付ギヤ61A,61B,61Cが第1方向へ回動されることで、3つのカム従動部65Aa,65Ba,65Caが、3つのカム終端部61Aa5,61Ba5,61Ca5により、3つの第2円弧部61Aa4,61Ba4,61Ca4から同時に係合解除し、この動作により、3つの第1装飾部材41A,41B,41Cが、それらの自重等により、同時に進出位置から退避位置へ一気に下降する。
【0053】
作動部材47Aは、下部が装飾ケース部材43の内部に収容され、上部が装飾ケース部材43よりも上方へ突出している。ここで、装飾ケース部材43の後壁には、作動部材47Aを上下方向へガイドする上下方向に延びるガイドスリット43aが形成されている。作動部材47Aの下部には、ガイドスリット43aに摺動自在に係合する上下方向に比較的長い被ガイド部47aが設けられ、この被ガイド部47aの前後両端部に、装飾ケース部材43の後壁を挟むように、ガイドスリット43aよりも左右方向幅が広い前スライド片47bと後スライド片(図示略)が設けられている。第1ケース51の凹溝54Aには、作動部材47Aの後スライド片が上下方向へ移動可能に挿入されている。
【0054】
作動機構48Aは、作動部材47Aを第1装飾部材41Aに対して上方(進出位置側)へ付勢するバネ部材70と、第1装飾部材41Aに設けられ且つ第1装飾部材41Aが退避位置から途中位置へ移動する際に作動部材47Aがバネ部材70の付勢力により係合する第1係合部73と、静止側部材である役物ベース50に設けられ且つ第1装飾部材41Aが途中位置から進出位置へ移動する際に作動部材47Aが係合する第2係合部74とを有する。
【0055】
バネ部材70には引っ張りコイルバネが採用され、このバネ部材70が装飾ケース部材43の内部に鉛直向きに収容され、このバネ部材70の上端部が装飾ケース部材43に連結され、バネ部材70の下端部が作動部材47Aに連結されている。第1装飾部材41Aの第1係合部73は、装飾ケース部材43のガイドスリット43aの上端部により構成され、役物ベース50の第2係合部74は、第1ケース51の作動用スリット54Aの上端部により構成されている。
【0056】
第1装飾部材41Aが進出位置と途中位置間を移動する際、作動部材47Aが第1装飾部材41Aの第1係合部73に係合した状態で、第1装飾部材41Aと作動部材47Aとを一体的に昇降させることができ、第1装飾部材41Aが途中位置と進出位置間を移動する際、作動部材47Aが役物ベース50の第2係合部74に係合した状態で、作動部材47Aを移動停止状態に保持し、作動部材47Aに対する第1装飾部材41Aの相対移動を発生させることができる。
【0057】
また、作動機構48Aは、第1装飾部材41Aと作動部材47Aとの相対移動により第2装飾部材42Aを揺動させるカム機構49Aを有する。このカム機構49Aは、作動部材47Aに設けられたカム溝80と、第2装飾部材42Aに設けられカム溝80に係合するカム係合部81とを有する。カム溝80は、作動部材47Aの上端部分に形成され、第2装飾部材42Aの後側に配置され、且つ第1装飾部材41Aの上部よりも後方に位置している。このカム溝80は、右方ほど下方へ移行するように傾斜した傾斜溝部80aと、この傾斜溝部80aの左上端部に連なりそこから上方へ延びる鉛直溝部80bを有する。
【0058】
カム係合部81は、第2装飾部材42Aの略中央部に後方突出状に形成されている。第1装飾部材41Aの上部には軸41Aaを中心とする円弧状の挿通孔(図示略)が形成され、カム係合部81は、その挿通孔を挿通して、第1装飾部材41Aよりも後側へ突出してカム溝80に係合している。第1装飾部材41Aが進出位置と途中位置間を移動する際、つまり第1装飾部材41Aと作動部材47Aが一体的に昇降される際、カム係合部81は傾斜溝部80aの右下端部に係合し、第2装飾部材42Aが、その服により第1装飾部材41Aの胴体と尻とを覆う通常位置となる。
【0059】
第1装飾部材41Aが途中位置と進出位置間を移動する際、つまり第1装飾部材41Aが作動部材47Aに対して相対的に昇降される際、カム係合部81が傾斜溝部80aを相対的に移動することにより、第2装飾部材42Aが左右に揺動される。第1装飾部材41Aが進出位置の少し手前位置で、カム係合部81が鉛直溝部80bの下端部に達して、第1装飾部材41Aが通常位置から左方へ最大にずれて第1装飾部材41Aの尻を露出させる作動位置となる。第1装飾部材41Aが前記手前位置と進出位置間を移動する際には、第2装飾部材42Aが作動位置に保持される。
【0060】
可動役物装置17の作用・効果について説明する。
可動役物装置17は、図4、図5に示すように、第1装飾部材41A,41B,41Cが全て退避位置にある状態から、電動モータ60が駆動されて次のように作動する。先ず、図5、図6に示すように、駆動機構46Aにより左側の第1装飾部材41Aが退避位置から途中位置へ上昇される。
【0061】
次に、図7、図8に示すように、第1装飾部材41Aが途中位置に保持された状態で、駆動機構46Cにより右側の第1装飾部材41Cが退避位置から途中位置へ上昇される。次に、図9、図10に示すように、第1装飾部材41A,41Cが途中位置に保持された状態で、駆動機構46Bにより中央の第1装飾部材41Bが退避位置から途中位置へ上昇され、第1装飾部材41A,41B,41Cが全て途中位置に保持される。
【0062】
第1装飾部材41A,41B,41Cが退避位置から途中位置へ上昇する際、作動部材37A,37B,37Cは第1装飾部材41A,41B,41Cと一体的に上昇するため、第1装飾部材41A,41B,41Cの尻が第2装飾部材42A,42B,42Cの服に隠された状態で、第1,第2装飾部材41A,41B,41C,42A,42B,42Cが一体的上昇する。このように、3体の第1,第2,第3の可動役物40A,40B,40Cからなるサーファーギミックが出現する。
【0063】
その後、駆動機構46A,46B,46Cにより第1装飾部材41A,41B,41Cが同時に途中位置から進出位置へ上昇され、その際、作動部材37A,37B,37Cは移動停止され、故に、作動部材37A,37B,37Cに対して第1装飾部材41A,41B,41Cが相対移動するため、第2装飾部材42A,42B,42Cが第1装飾部材と共に移動しながら揺動する。
【0064】
ここで、駆動機構46A,46B,46Cにより第1装飾部材41A,41B,41Cが途中位置と進出位置間で往復昇降され、これにより、3体の第1,第2,第3の可動役物40A,40B,40Cからなるサーファーギミックが波乗りの動作を実現し、このとき、滑稽に第1装飾部材41A,41B,41Cの尻が第2装飾部材42A,42B,42Cの服で隠されたり隠されなかったりすることが繰り返し行われる。
【0065】
その後、最終的に、駆動機構46A,46B,46Cにより第1装飾部材41A,41B,41Cが同時に一気に進出位置から退避位置へ下降され、3体の第1,第2,第3の可動役物40A,40B,40Cからなるサーファーギミックが退去する。
【0066】
この可動役物装置17によれば、第1の可動役物40Aに関して、第1装飾部材41Aと、この第1装飾部材41Aに揺動自在に連結された第2装飾部材42Aと、第1装飾部材41Aを退避位置と進出位置とに亙って移動させる電動モータ60を有する駆動機構46Aと、第1装飾部材41Aに相対移動自在に装着された作動部材47Aとを設けた。
【0067】
そして、第1装飾部材41Aが退避位置から進出位置へ至るまでの途中位置へ移動する際に、作動部材47A及び第1,第2装飾部材41A,42Aを一体的に移動させ、第1装飾部材41Aが途中位置から進出位置へ移動する際に、第1装飾部材41Aと作動部材47Aとを相対移動させて、第2装飾部材42Aを第1装飾部材41Aと共に移動させながら揺動させる作動機構48Aを設けた。
【0068】
つまり、共通の単一の電動モータ60を駆動源として、第1装飾部材41Aが退避位置から進出位置へ移動する際、退避位置と途中位置間では、第1,第2装飾部材41A,42Aを一体的に移動させ、途中位置と進出位置間では、第2装飾部材を第1装飾部材と共に移動させながら揺動させるという、第1,第2装飾部材41A,42Aの斬新な動作を実現して、演出効果を高めることができる。
【0069】
作動機構48Aは、作動部材47Aを第1装飾部材41Aに対して進出位置側(上方)へ付勢するバネ部材70と、第1装飾部材41Aに設けられ且つ第1装飾部材41Aが退避位置から途中位置へ移動する際に作動部材47Aが係合する第1係合部73と、役物ベース50に設けられ且つ第1装飾部材41Aが途中位置から進出位置へ移動する際に作動部材47Aが係合する第2係合部74とを設けた。
【0070】
従って、第1装飾部材41Aが退避位置から途中位置へ移動する際に、作動部材47A及び第1,第2装飾部材41A,42Aを確実に一体的に移動させることができ、第1装飾部材41Aが途中位置から進出位置へ移動する際に、第1装飾部材41Aと作動部材47Aとを確実に相対移動させることができ、つまりは、第1,第2装飾部材41A,42Aの前記斬新な動作を実現する為の作動信頼性を高めることができる。
【0071】
作動機構48Aは、第1装飾部材41Aと作動部材47Aとの相対移動により第2装飾部材42Aを揺動させるカム機構49Aを有し、そのカム機構49Aは、作動部材47Aに設けられたカム溝80と、第2装飾部材42Aに設けられカム溝80に係合するカム係合部81とを有するので、第1装飾部材41Aと作動部材47Aとの相対移動により第2装飾部材42Aを確実に揺動させることが可能になる。
【0072】
また、第2,第3の可動役物40B,40Cに関しても、第1の可動役物40Aに関する前記効果と同様の効果を奏する。しかも、第1,第2,第3の可動役物40A, 40B,40Cに関して、これら駆動機構46A,46B,46Cの駆動源を共通の単一の電動モータ60として、3体の第1,第2,第3の可動役物40A,40B,40Cの前記の巧みな動作を実現することができ、依って、演出効果を非常に高めることができる。
【0073】
尚、図示省略するが、カム機構において、第2装飾部材42Aにカム溝を設け、作動部材47Aにカム溝に係合するカム係合部を設けてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前記開示事項以外の種々の変更を付加して実施可能である。また、本発明は、前記パチンコ遊技機以外の種々のパチンコ遊技機、或いはパチンコ遊技機以外のスロットマシン等の種々の遊技機に適用可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 パチンコ遊技機
41A,41B,41C 第1装飾部材
42A,42B,42C 第2装飾部材
46A,46B,46C 駆動機構
47A,47B,47C 作動部材
48A,48B,48C 作動機構
49A カム機構
50 役物ベース
70 バネ部材
73 第1係合部
74 第2係合部
80 カム溝
81 カム係合部
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に関し、特に、第1装飾部材が退避位置から進出位置へ移動する際、退避位置と途中位置間では、第1,第2装飾部材を一体的に移動させ、途中位置と進出位置間では、第2装飾部材を第1装飾部材と共に移動させながら揺動させる技術である。
【背景技術】
【0002】
近年、パチンコ遊技機において、遊技興趣を高めるために、装飾部材と、この装飾部材を所定の退避位置と進出位置とに亙って移動させる電動モータを有する駆動機構とを備えた可動役物装置、更に、装飾部材を画像表示器の画面前側で移動させる可動役物装置が広く実用に供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の可動役物装置では、複数の正座した人形が昇降し、それら人形の上半身が傾動(お辞儀)する。特許文献1の第1の実施例(図2〜図8参照)では、複数の人形が昇降板に載置され、複数の人形の手が昇降板の下面に配置されたスライド板に連結されている。昇降板に設けた下鉛直板片に電動モータとピニオンが装着され、この電動モータによりピニオンが回転駆動されると、このピニオンが静止側のラックと噛合している状態では、複数の人形が昇降板と共に昇降される。
【0004】
昇降板の下鉛直板片にスライド用ギヤが装着され、このスライド用ギヤの外周近傍部にピンが設けられ、このピンがスライド板に設けた下鉛直板片に形成された上下方向に長い係合溝に係合している。電動モータによりピニオンが回転駆動されると、このピニオンがスライド用ギヤと噛合している状態では、スライド板が前後方向へスライドされて、複数の人形の上半身が傾動される。ピニオンにはギヤ部と非ギヤ部とが形成され、このピニオン(ギヤ部)がラックとスライド用ギヤとに択一的に噛合し、複数の人形の上半身が起立姿勢に保持された状態で昇降板(複数の人形)が昇降され、昇降板が上限位置に保持された状態で複数の人形の上半身が傾動される。
【0005】
特許文献1の第2の実施例(図9〜図13参照)では、昇降ベース板が電動モータにより駆動されるパンタグラフ機構により昇降され、この昇降ベース板の上側に、複数の人形が載置された昇降板と、複数の人形の手が連結されたスライド板が配設されている。昇降板は昇降ベース板に複数の鉛直バネを介して連結され、スライド板は水平バネにより昇降板に対して後方へ付勢されている。スライド板の下面にカム部が設けられ、このカム部に係合するカム押圧部が昇降ベース板に設けられている。
【0006】
昇降ベース板がその上限位置近傍以外の位置にある状態で、複数の鉛直バネにより昇降板と昇降ベース板はその間の距離を一定に保持して一体的に昇降され、その際、水平バネにより複数の人形の上半身が起立姿勢に保持される。昇降ベース板がその上限位置近傍にある状態で、昇降板が静止側の係止部により上限位置に係止保持され、そこで、昇降ベース板が昇降板に対して相対的に昇降されると、スライド板のカム部とベース板のカム押圧部によりスライド板が前後方向へスライドされる。つまり、特許文献1の第1の実施例と同様に、複数の人形の上半身が起立姿勢に保持された状態で昇降板(複数の人形)が昇降され、昇降板が上限位置に保持された状態で複数の人形の上半身が傾動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−57829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の可動役物装置では、共通の単一の電動モータを駆動源として、人形を昇降させ、また、人形の上半身を傾動させるが、人形を昇降させる動作と人形の上半身を傾動させる動作は同時に行われず夫々単独で行われる。しかし、この装飾部材の動作では、斬新さに欠け、装飾部材が形成する物の動きを思うように表現できない場合がある。
【0009】
特許文献1の可動役物装置において、第2の実施例では、昇降板と昇降ベース板とを相対移動させることにより、スライド板をスライドさせるが、そのために、昇降ベース板にパンタグラフ機構を連結し、その昇降ベース板に複数の鉛直バネを介して昇降板を連結している。つまり、昇降板を移動停止させた状態で、昇降ベース板を移動させることにより、昇降板と昇降ベース板との相対移動を発生させる構造であるため、人形を昇降させる動作と人形の上半身を傾動させる動作は同時に行われず夫々単独で行われることになる。
【0010】
本発明の目的は、共通の単一のアクチュエータを駆動源として、第1,第2装飾部材の斬新な動作を実現して演出効果を高め、その為の作動信頼性を高めることができる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明(遊技機)は、第1装飾部材(41A/41B/41C) と、この第1装飾部材(41A/41B/41C) を所定の退避位置と進出位置とに亙って移動させる駆動機構(46A/46B/46C) とを備えた遊技機(1) において、前記第1装飾部材(41A/41B/41C) に揺動自在に連結された第2装飾部材(42A/42B/42C) と、前記第1装飾部材(41A/41B/41C) に相対移動自在に装着された作動部材(47A/47B/47C) と、前記第1装飾部材(41A/41B/41C) が前記退避位置から進出位置へ至るまでの途中位置へ移動する際に、前記作動部材(47A/47B/47C) 及び前記第1,第2装飾部材(41A/41B/41C,42A/42B/42C) を一体的に移動させ、前記第1装飾部材(41A/41B/41C) が前記途中位置から進出位置へ移動する際に、前記第1装飾部材(41A/41B/41C) と前記作動部材(47A/47B/47C) とを相対移動させて、前記第2装飾部材(42A/42B/42C) を前記第1装飾部材(41A/41B/41C) と共に移動させながら揺動させる作動機構(48A/48B/48C) を備えたことを特徴としている。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、前記作動機構(48A) は、前記作動部材(47A) を前記第1装飾部材(41A) に対して前記進出位置側へ付勢するバネ部材(70)と、前記第1装飾部材(41A) に設けられ且つ前記第1装飾部材(41A) が前記退避位置から途中位置へ移動する際に前記作動部材(47A) が係合する第1係合部(73)と、静止側部材(50)に設けられ且つ前記第1装飾部材(41A) が前記途中位置から進出位置へ移動する際に前記作動部材(47A) が係合する第2係合部(74)とを備えたことを特徴としている。
【0013】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記作動機構(48A) は、前記第1装飾部材(41A) と前記作動部材(47A) との相対移動により前記第2装飾部材(42A) を揺動させるカム機構(49A) を有することを特徴としている。
【0014】
第4の発明は、第3の発明において、前記カム機構(49A) は、前記作動部材(47A) と前記第2装飾部材(42A) の一方に設けられたカム溝(80)と、前記作動部材(47A) と前記第2装飾部材(42A) の他方に設けられ前記カム溝(80)に係合するカム係合部(81)とを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明(遊技機)によれば、共通の単一のアクチュエータを駆動源として、第1,第2装飾部材の斬新な動作を実現して演出効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】パチンコ遊技機の斜視図である。
【図2】パチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。
【図3】パチンコ遊技機の制御系のブロック図である。
【図4】3体の第1装飾部材が退避位置にある状態の可動役物装置の正面図である。
【図5】図4の可動役物装置の裏面図である。
【図6】左1体の第1装飾部材が途中位置にあり残り2体の第1装飾部材が退避位置にある状態の可動役物装置の正面図である。
【図7】図6の可動役物装置の裏面図である。
【図8】左右2体の第1装飾部材が途中位置にあり残り1体の第1装飾部材が退避位置にある状態の可動役物装置の正面図である。
【図9】図8の可動役物装置の裏面図である。
【図10】3体の第1装飾部材が途中位置にある状態の可動役物装置の正面図である。
【図11】図10の可動役物装置の裏面図である。
【図12】3体の第1装飾部材が進出位置にある状態の可動役物装置の正面図である。
【図13】図12の可動役物装置の裏面図である。
【図14】装飾部材等の要部を示す可動役物装置の前側からの斜視図である。
【図15】図14の可動役物装置の後側からの斜視図である。
【図16】装飾部材等を省略した可動役物装置の前側からの斜視図である。
【図17】図16の可動役物装置の正面図である。
【図18】図16の可動役物装置の裏面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0018】
図1、図2に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールの島構造体に取付けられる外枠(図示略)に開閉枠2が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉扉3に窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着されている。開閉枠2の左端部に開閉扉3の左端部が鉛直軸心回りに回動自在に支持され、開閉扉3の右端部には、開閉扉3を開閉枠2に施錠するキーシリンダ3cが装着されている。開閉枠2に遊技盤4が装着され、遊技盤4とその前側の透明板3bとの間に遊技球が流下可能な遊技領域4aが形成され、この遊技領域4aが開閉扉3により開閉される。
【0019】
開閉扉3には、窓3aの下側に遊技球を貯留する貯留皿5が設けられ、その貯留皿5に演出ボタンSW6(「SW」はスイッチを意味する)が装着され、貯留皿5の右下側に発射ハンドル7が装着されている。発射ハンドル7が回動操作されると、貯留皿5から発射位置に導入された遊技球が発射され、貯留皿5に複数の遊技球が貯留されている場合には、複数の遊技球が約0.6秒間隔で連続発射される。発射された遊技球はガイドレール8で案内され遊技領域4aの上部に導入される。
【0020】
図2、図3に示すように、遊技盤4には遊技領域4aに配置された多数の障害釘(図示略)の他、第1始動口10、開閉式の第2始動口11aを有する始動口装置11、ゲート12、開閉式の大入賞口13aを有する大入賞口装置13、複数(4つ)の一般入賞口14が設けられている。第1始動口10、ゲート12、複数の一般入賞口14には、夫々、そこに入賞した遊技球を検出する第1始動口SW10a、ゲートSW12a、複数の一般入賞口SW14aが付設されている。
【0021】
始動口装置11は、第2始動口11a、第2始動口11aを開閉する開閉部材11b、第2始動口11aに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW11c、開閉部材11bを開閉駆動する第2始動口SOL11d(「SOL」はソレノイドアクチュエータを意味する)を有する。大入賞口装置13は、大入賞口13a、大入賞口13aを開閉する開閉部材13b、大入賞口13aに入賞した遊技球を検出する大入賞口SW13c、開閉部材13bを開閉駆動する大入賞口SOL13dを有する。
【0022】
遊技球が入賞口10,11a,13a,14に入賞した場合、遊技球1個の入賞につき入賞口10,11a,13a,14毎に設定された数の遊技球が貯留皿5に払出される。遊技球が始動口10,11aに入賞した場合に大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選した場合、通常は閉塞の大入賞口13aが複数ラウンドに亙って開閉する大当り遊技が発生する。遊技球がゲート12を通過した場合に当り抽選が行われ、その当り抽選で当選した場合、通常は閉塞の第2始動口11aが1又は複数回開閉する補助遊技が発生する。
【0023】
遊技盤4にはセンタ役物15が取付けられ、このセンタ役物15に、画像表示器16と、図4〜図18に示す可動役物装置17が装備されている。センタ役物15は遊技盤4に比較的大きく形成されたセンタ開口部に嵌合装着されたセンタ枠部材15aを有し、このセンタ枠部材15aの下部には遊技球が転動するステージ15bが形成されている。
【0024】
画像表示器16はその画面をパチンコ遊技機1の前側からセンタ枠部材15aの内側を通して視認できるように配置されている。画像表示器16には、大当り抽選に関する遊技演出が表示され、その遊技演出では、大当り抽選を演出するために複数の演出図柄が変動後停止するように表示されるとともに、複数の演出図柄以外に演出動画が表示され、また、大当り遊技中には、その大当り遊技を演出するために演出動画が表示される。
【0025】
遊技盤4の右下部には遊技表示盤19が設けられ、この遊技表示盤19は、第1特図表示器19a、第2特図表示器19b、普図表示器19c、第1特図保留ランプ19d、第2特図保留ランプ19e、普図保留ランプ19fを備えている。
【0026】
第1特図表示器19aには第1特別図柄が変動可能に表示され、第1特図保留ランプ19dには第1特図保留数が表示され、その第1特図保留数は4未満の場合に第1始動口10に遊技球が入賞する毎に1加算される。第2特図表示器19bには第2特別図柄が変動可能に表示され、第2特図保留ランプ19eには第2特図保留数が表示され、その第2特図保留数は4未満の場合に第2始動口11aに遊技球が入賞する毎に1加算される。
【0027】
第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第1特図保留数が1以上の場合、第2特図保留数が0の場合には、第1特図保留数が1減算されて第1特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第2特図保留数が1以上の場合、第2特図保留数が1減算されて第2特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。
【0028】
普図表示器19cには普通図柄が変動可能に表示され、普図保留ランプ19fには普図保留数が表示され、その普図保留数は4未満の場合にゲート12に遊技球が入賞する毎に1加算される。普通図柄が変動停止状態で、普図保留数が1以上の場合、普図保留数が1減算されて普通図柄が変動開始され、その後の停止図柄で当り抽選の結果が表示される。
【0029】
パチンコ遊技機1の制御系について説明する。
図3に示すように、制御装置30は、遊技制御基板31、払出制御基板32、演出制御基板33、画像制御基板34、ランプ制御基板35を備え、これら制御基板31〜35に夫々CPUとROMとRAMを含むコンピュータを備えて構成され、演出制御基板33は更にRTC(「RTC」はリアルタイムクロックを意味する)を備えている。
【0030】
遊技制御基板31のコンピュータは、第1,第2始動口SW10a,11c、ゲートSW12a、大入賞口SW13c、複数の一般入賞口SW14aからの信号と、払出制御基板32からの情報とを受けて、第2始動口SOL11d、大入賞口SOL13d、図柄表示器19a〜19c、図柄保留ランプ19d〜19fを制御し、払出制御基板32と演出制御基板33とに制御情報(遊技情報)を出力する。
【0031】
払出制御基板32のコンピュータは、遊技制御基板31からの制御情報と、払出球検出SW36b、球有り検出SW36c、満タン検出SW36dからの信号とを受けて、払出モータ36aを制御し、遊技制御基板32に制御情報(払出情報)を出力する。演出制御基板33のコンピュータは、遊技制御基板31、画像制御基板34、ランプ制御基板35からの制御情報と、演出ボタンSW6からの信号とを受けて、画像制御基板34、ランプ制御基板35に制御情報を出力する。
【0032】
画像制御基板34のコンピュータは、演出制御基板33からの制御情報を受けて、遊技演出用の画像表示器16とスピーカ37とを制御し、演出制御基板33に制御情報を出力する。ランプ制御基板35のコンピュータは、演出制御基板33からの制御情報を受けて、主に画像制御基板34のコンピュータによる制御に同期させて、遊技演出用の枠ランプ38aと盤ランプ38bと可動役物装置17とを制御する。
【0033】
可動役物装置17について説明する。
図4〜図18に示すように、可動役物装置17は、第1,第2,第3の可動役物40A,40B,40Cと、第1,第2,第3の可動役物40A,40B,40Cを動作させる役物動作機構45とを備えている。また、可動役物装置17は、センタ枠部材15aの下部に固定された静止側部材である役物ベース50を備え、この役物ベース50に第1,第2,第3の可動役物40A,40B,40Cと役物動作機構45が装着されている。
【0034】
第1,第2,第3の可動役物40A,40B,40Cは、夫々、サーファーギミックを形成し、画像表示器16の画面下端側において左右方向に並設されている。この第1,第2,第3の可動役物40A,40B,40Cは、夫々、第1装飾部材41A,41B,41Cと、第1装飾部材41A,41B,41Cに揺動自在に連結された第2装飾部材42A,42B,42Cとを備えている。
【0035】
役物動作機構45は、第1,第2,第3の可動役物40A,40B,40Cの夫々に対して、第1装飾部材41A,41B,41Cを所定の退避位置(図4等参照)と進出位置(図12等参照)とに亙って上下方向へ移動させる駆動機構46A,46B,46Cと、第1装飾部材41A,41B,41Cに上下方向へ相対移動自在に装着された作動部材47A,47B,47Cと、第1装飾部材41A,41B,41Cが退避位置から進出位置へ至るまでの途中位置(図10等参照)へ移動する際に、作動部材47A,47B,47C及び第1,第2装飾部材41A,41B,41C,42A,42B,42Cを一体的に移動させ、第1装飾部材41A,41B,41Cが途中位置から進出位置へ移動する際に、第1装飾部材41A,41B,41Cと作動部材47A,47B,47Cとを相対移動させて、第2装飾部材42A,42B,42Cを第1装飾部材41A,41B,41Cと共に移動させながら揺動させる作動機構48A,48B,48Cとを備えている。
【0036】
先ず、役物ベース50について説明し、次に、第1の可動役物40Aについて詳細に説明する。尚、第2,第3の可動役物40B,40Cについては、第1の可動役物40Aと基本的に同じ構成であるので、詳細な説明を省略する。
【0037】
図4、図6、図8、図10、図12、図16〜図18等に示すように、役物ベース50は、第1ケース51と、その後面部に固定された第2ケース52とを有する。第1ケース51の前壁には、3つの第1装飾部材41A,41B,41Cを夫々上下方向へ移動自在にガイドする上下方向に長い3つのガイドスリット53A,53B,53C(ガイド部)と、3つの作動部材47A,47B,47Cの一部が夫々上下方向へ移動可能に挿入される上下方向に長い3つの凹溝54A,54B,54Cとが形成され、第1ケース51の後壁に上下方向に長い3つのガイドスリット55A,55B,55Cが形成されている。
【0038】
図4〜図15に示すように、第1の可動役物40Aにおいて、第1,第2装飾部材41A,42Aは第1ケース51の前側に配置され、第1装飾部材41Aは、サーファーの顔と胴体と尻と両足とサーファーが乗るサーフィンを形成し、第2装飾部材42Aは、サーファーの服と両手を形成している。第2装飾部材42Aの上端部が、第1装飾部材41Aに、その顔の後側において前後方向の軸41Aaを介して回動自在に支持されている。第2装飾部材42Aは、第1装飾部材41Aの顔とその後方に位置する胴体の上端部分との間から下方へ垂れ下がり、その服により第1装飾部材41Aの胴体と尻とを覆う通常位置(図4等参照)と、この通常位置から左方へずれて第1装飾部材41Aの尻を露出させる作動位置(図12等参照)とに亙って回動される。
【0039】
図14〜図18に示すように、第1の可動役物40Aは、第1装飾部材41Aの下端部に固定されその下側に配設された装飾ケース部材43を有する。この装飾ケース部材43にスライダー44が設けられ、このスライダー44が第1ケース51のガイドスリット53Aに摺動自在に係合している。スライダー44の後端部に駆動機構46Aの可動ラック68が固定されている。これにより、第1装飾部材41Aは、可動ラック68と共に、姿勢を保持された状態で、第1ケース51のガイドスリット53Aにより退避位置と進出位置とに亙って上下方向へ移動自在にガイドされている。
【0040】
次に、駆動機構46A,46B,46Cについて詳細に説明し、その後、作動部材47A、作動機構48Aについて詳細に説明する。尚、作動部材47B,47C、作動機構48B,48Cについては、作動部材47A、作動機構48Aと基本的に同じ構成であるので、詳細な説明を省略する。
【0041】
図5,図7,図9,図11,図13,図16〜図18等に示すように、駆動機構46A,46B,46Cは、共通の単一の電動モータ60を駆動源とするものであり、3つの第1装飾部材41A,41B,41Cを昇降させる場合に、退避位置から途中位置へは左側の第1装飾部材41A→右側の第1装飾部材41C→中央の第1装飾部材41Bの順番で上昇させ、途中位置と進出位置との間では3つの第1装飾部材41A,41B,41Cを同時に昇降させ、進出位置から退避位置へは3つの第1装飾部材41A,41B,41Cを同時に一気に下降させるように構成されている。
【0042】
そのために、3つのカム部61Aa,61Ba,61Caを有するカム付ギヤ61A,61B,61Cと、2つの中間ギヤ62,63が、第2ケース52の内部に配設され、第2ケース52の後壁に夫々前後方向の軸を介して回転自在に支持されて、図示のように直列状に噛合している。電動モータ60は第2ケース52に取付けられ、その出力軸60aに固着された出力ギヤ64が中間ギヤ63に噛合し、電動モータ60が駆動されると、3つのカム付ギヤ61A,61B,61Cが、同方向に同期して回動される。
【0043】
また、3つの揺動部材65A,65B,65Cが、第2ケース52の内部に配設され、第2ケース52の後壁に夫々カム付ギヤ61A,61B,61Cの上側において前後方向の軸を介して回転自在に支持されている。3つの揺動部材65A,65B,65Cは、夫々、3つのカム部61Aa,61Ba,61Caと係合可能なカム従動部65Aa,65Ba,65Caと、レバー部65Ab,65Bb,65Cbとを有する。カム付ギヤ61A,61B,61Cが回動されることで、カム部61Aa,61Ba,61Caとカム従動部65Aa,65Ba,65Caとにより、レバー部65Ab,65Bb,65Cbが上下に揺動される。
【0044】
また、3つのラック・ピニオン機構66A,66B,66Cが、第1ケース51の内部に配設され、夫々3つの揺動部材65A,65B,65Cのレバー部65Ab,65Bb,65Cbの先端部分と連動連結されている。ラック・ピニオン機構66Aは、上下方向に延びる固定ラック67及び可動ラック68、これら両ラック67,68に噛合するピニオン69を有する。固定ラック67は第1ケース51に固定され、可動ラック68は、前記のように、第1ケース51のガイドスリット52Aにより上下方向へ移動自在にガイドされている。
【0045】
第1ケース51のガイドスリット55Aにはスライダー69aが摺動自在に係合して上下方向へガイドされている。揺動部材65Aのレバー部65Abの先端部分は、そこに形成された長孔65Acと、スライダー69aに後方突出状に設けられたピン69bとを介して、スライダー69aに回動自在に且つスライド自在に連結され、このスライダー69aにピニオン69が前後方向の軸を介して回転自在に装着されている。このラック・ピニオン機構66Aにより、揺動部材65Aが回動され、レバー部65Abの先端部分が上昇すると、その上昇量の約2倍の上昇量で第1装飾部材41Aが上昇され、レバー部65Abの先端部分が下降すると、その下降量の約2倍の下降量で第1装飾部材41Aが下降される。尚、他のラック・ピニオン機構66B,66Cについては、ラック・ピニオン機構66Aと同じ構成であるので説明を省略する。
【0046】
ここで、図18に示すように、カム付ギヤ61Aのカム部61Aaは、中心側から径方向外側へ延びるカム始端部61Aa1、カム始端部61Aa1の径方向外端部から第2方向A2(後面視にて反時計回り方向)へ延びる第1円弧部61Aa2、第1円弧部61Aa2の第2方向A2の端部から径方向外側へ傾斜状に延びる傾斜部61Aa3、傾斜部61Aa3の径方向外端部から第2方向A2へ延びる(第1円弧部61Aa2よりも大径の)第2円弧部61Aa4、第2円弧部61Aa4の第2方向A2の端部から中心側へ延びるカム終端部61Aa5を有する。
【0047】
カム付ギヤ61B,61Cのカム部61Ba,61Caは、カム部61Aaのカム始端部61Aa1、傾斜部61Aa3、第2円弧部61Aa4、カム終端部61Aa5と同形状のカム始端部61Ba1,61Ca1、第1円弧部61Ba2,61Ca2、傾斜部61Ba3,61Ca3、カム終端部61Ba5,61Ca5を有するとともに、カム部61Baは、カム部61Aaの第1円弧部61Aa2よりも周方向長さが短い第1円弧部61Ba2を有し、カム部61Caは、カム部61Aaの第1円弧部61Aa2よりも周方向長さが短く且つカム部61Baの第1円弧部61Ba2よりも周方向長さが長い第1円弧部61Ca2を有する。
【0048】
3つのカム部61Aa,61Ba,61Caにおいて、傾斜部61Aa3,61Ba3,61Ca3、第2円弧部61Aa4,61Ba4,61Ca4、カム終端部61Aa5,61Ba5,61Ca5は同位相に配置され、つまり、カム始端部61Aa1は、カム始端部61Ca1よりも第1方向A1(後面視にて時計回り方向)に先行した位相に配置され、また、カム始端部61Ca1は、カム始端部61Ba1よりも第1方向A2に先行した位相に配置されている。これにより、3つのカム付ギヤ61A,61B,61Cが同期して回動されことにより、3つの第1装飾部材41A,41B,41Cが次のように動作する。
【0049】
先ず、3つの揺動部材65A,65B,65Cのカム従動部65Aa,65Ba,65Caが3つのカム部61Aa,61Ba,61Caに係合していない状態、つまり3つの第1装飾部材41A,41B,41Cが退避位置にある状態から、3つのカム付ギヤ61A,61B,61Cが第1方向へ回動されると、先ず、カム従動部65Aaがカム始端部61Aa1に係合し押動され第1円弧部61Aa2に係合する動作により、第1装飾部材41Aが退避位置から途中位置へ上昇して途中位置に保持される。
【0050】
続いて、カム従動部65Caがカム始端部61Ca1に係合し押動され第1円弧部61Ca2に係合する動作により、第1装飾部材41Cが退避位置から途中位置へ上昇して途中位置に保持され、続いて、カム従動部65Baがカム始端部61Ba1に係合し押動され第1円弧部61Ba2に係合する動作により、第1装飾部材41Bが退避位置から途中位置へ上昇して途中位置に保持される。
【0051】
次に、3つのカム従動部65Aa,65Ba,65Caが、同時に、3つの傾斜部61Aa3,61Ba3,61Ca3に係合し押動され3つの第2円弧部61Aa4,61Ba4,61Ca4に係合する動作により、3つの第1装飾部材41A,41B,41Cが同時に途中位置から進出へ上昇して進出位置に保持される。ここで、3つのカム従動部65Aa,65Ba,65Caが3つの傾斜部61Aa3,61Ba3,61Ca3に係合した状態で、3つのカム付ギヤ61A,61B,61Cが往復回動されることで、3つの第1装飾部材41A,41B,41Cが同期して上下に揺動される。
【0052】
次に、カム付ギヤ61A,61B,61Cが第1方向へ回動されることで、3つのカム従動部65Aa,65Ba,65Caが、3つのカム終端部61Aa5,61Ba5,61Ca5により、3つの第2円弧部61Aa4,61Ba4,61Ca4から同時に係合解除し、この動作により、3つの第1装飾部材41A,41B,41Cが、それらの自重等により、同時に進出位置から退避位置へ一気に下降する。
【0053】
作動部材47Aは、下部が装飾ケース部材43の内部に収容され、上部が装飾ケース部材43よりも上方へ突出している。ここで、装飾ケース部材43の後壁には、作動部材47Aを上下方向へガイドする上下方向に延びるガイドスリット43aが形成されている。作動部材47Aの下部には、ガイドスリット43aに摺動自在に係合する上下方向に比較的長い被ガイド部47aが設けられ、この被ガイド部47aの前後両端部に、装飾ケース部材43の後壁を挟むように、ガイドスリット43aよりも左右方向幅が広い前スライド片47bと後スライド片(図示略)が設けられている。第1ケース51の凹溝54Aには、作動部材47Aの後スライド片が上下方向へ移動可能に挿入されている。
【0054】
作動機構48Aは、作動部材47Aを第1装飾部材41Aに対して上方(進出位置側)へ付勢するバネ部材70と、第1装飾部材41Aに設けられ且つ第1装飾部材41Aが退避位置から途中位置へ移動する際に作動部材47Aがバネ部材70の付勢力により係合する第1係合部73と、静止側部材である役物ベース50に設けられ且つ第1装飾部材41Aが途中位置から進出位置へ移動する際に作動部材47Aが係合する第2係合部74とを有する。
【0055】
バネ部材70には引っ張りコイルバネが採用され、このバネ部材70が装飾ケース部材43の内部に鉛直向きに収容され、このバネ部材70の上端部が装飾ケース部材43に連結され、バネ部材70の下端部が作動部材47Aに連結されている。第1装飾部材41Aの第1係合部73は、装飾ケース部材43のガイドスリット43aの上端部により構成され、役物ベース50の第2係合部74は、第1ケース51の作動用スリット54Aの上端部により構成されている。
【0056】
第1装飾部材41Aが進出位置と途中位置間を移動する際、作動部材47Aが第1装飾部材41Aの第1係合部73に係合した状態で、第1装飾部材41Aと作動部材47Aとを一体的に昇降させることができ、第1装飾部材41Aが途中位置と進出位置間を移動する際、作動部材47Aが役物ベース50の第2係合部74に係合した状態で、作動部材47Aを移動停止状態に保持し、作動部材47Aに対する第1装飾部材41Aの相対移動を発生させることができる。
【0057】
また、作動機構48Aは、第1装飾部材41Aと作動部材47Aとの相対移動により第2装飾部材42Aを揺動させるカム機構49Aを有する。このカム機構49Aは、作動部材47Aに設けられたカム溝80と、第2装飾部材42Aに設けられカム溝80に係合するカム係合部81とを有する。カム溝80は、作動部材47Aの上端部分に形成され、第2装飾部材42Aの後側に配置され、且つ第1装飾部材41Aの上部よりも後方に位置している。このカム溝80は、右方ほど下方へ移行するように傾斜した傾斜溝部80aと、この傾斜溝部80aの左上端部に連なりそこから上方へ延びる鉛直溝部80bを有する。
【0058】
カム係合部81は、第2装飾部材42Aの略中央部に後方突出状に形成されている。第1装飾部材41Aの上部には軸41Aaを中心とする円弧状の挿通孔(図示略)が形成され、カム係合部81は、その挿通孔を挿通して、第1装飾部材41Aよりも後側へ突出してカム溝80に係合している。第1装飾部材41Aが進出位置と途中位置間を移動する際、つまり第1装飾部材41Aと作動部材47Aが一体的に昇降される際、カム係合部81は傾斜溝部80aの右下端部に係合し、第2装飾部材42Aが、その服により第1装飾部材41Aの胴体と尻とを覆う通常位置となる。
【0059】
第1装飾部材41Aが途中位置と進出位置間を移動する際、つまり第1装飾部材41Aが作動部材47Aに対して相対的に昇降される際、カム係合部81が傾斜溝部80aを相対的に移動することにより、第2装飾部材42Aが左右に揺動される。第1装飾部材41Aが進出位置の少し手前位置で、カム係合部81が鉛直溝部80bの下端部に達して、第1装飾部材41Aが通常位置から左方へ最大にずれて第1装飾部材41Aの尻を露出させる作動位置となる。第1装飾部材41Aが前記手前位置と進出位置間を移動する際には、第2装飾部材42Aが作動位置に保持される。
【0060】
可動役物装置17の作用・効果について説明する。
可動役物装置17は、図4、図5に示すように、第1装飾部材41A,41B,41Cが全て退避位置にある状態から、電動モータ60が駆動されて次のように作動する。先ず、図5、図6に示すように、駆動機構46Aにより左側の第1装飾部材41Aが退避位置から途中位置へ上昇される。
【0061】
次に、図7、図8に示すように、第1装飾部材41Aが途中位置に保持された状態で、駆動機構46Cにより右側の第1装飾部材41Cが退避位置から途中位置へ上昇される。次に、図9、図10に示すように、第1装飾部材41A,41Cが途中位置に保持された状態で、駆動機構46Bにより中央の第1装飾部材41Bが退避位置から途中位置へ上昇され、第1装飾部材41A,41B,41Cが全て途中位置に保持される。
【0062】
第1装飾部材41A,41B,41Cが退避位置から途中位置へ上昇する際、作動部材37A,37B,37Cは第1装飾部材41A,41B,41Cと一体的に上昇するため、第1装飾部材41A,41B,41Cの尻が第2装飾部材42A,42B,42Cの服に隠された状態で、第1,第2装飾部材41A,41B,41C,42A,42B,42Cが一体的上昇する。このように、3体の第1,第2,第3の可動役物40A,40B,40Cからなるサーファーギミックが出現する。
【0063】
その後、駆動機構46A,46B,46Cにより第1装飾部材41A,41B,41Cが同時に途中位置から進出位置へ上昇され、その際、作動部材37A,37B,37Cは移動停止され、故に、作動部材37A,37B,37Cに対して第1装飾部材41A,41B,41Cが相対移動するため、第2装飾部材42A,42B,42Cが第1装飾部材と共に移動しながら揺動する。
【0064】
ここで、駆動機構46A,46B,46Cにより第1装飾部材41A,41B,41Cが途中位置と進出位置間で往復昇降され、これにより、3体の第1,第2,第3の可動役物40A,40B,40Cからなるサーファーギミックが波乗りの動作を実現し、このとき、滑稽に第1装飾部材41A,41B,41Cの尻が第2装飾部材42A,42B,42Cの服で隠されたり隠されなかったりすることが繰り返し行われる。
【0065】
その後、最終的に、駆動機構46A,46B,46Cにより第1装飾部材41A,41B,41Cが同時に一気に進出位置から退避位置へ下降され、3体の第1,第2,第3の可動役物40A,40B,40Cからなるサーファーギミックが退去する。
【0066】
この可動役物装置17によれば、第1の可動役物40Aに関して、第1装飾部材41Aと、この第1装飾部材41Aに揺動自在に連結された第2装飾部材42Aと、第1装飾部材41Aを退避位置と進出位置とに亙って移動させる電動モータ60を有する駆動機構46Aと、第1装飾部材41Aに相対移動自在に装着された作動部材47Aとを設けた。
【0067】
そして、第1装飾部材41Aが退避位置から進出位置へ至るまでの途中位置へ移動する際に、作動部材47A及び第1,第2装飾部材41A,42Aを一体的に移動させ、第1装飾部材41Aが途中位置から進出位置へ移動する際に、第1装飾部材41Aと作動部材47Aとを相対移動させて、第2装飾部材42Aを第1装飾部材41Aと共に移動させながら揺動させる作動機構48Aを設けた。
【0068】
つまり、共通の単一の電動モータ60を駆動源として、第1装飾部材41Aが退避位置から進出位置へ移動する際、退避位置と途中位置間では、第1,第2装飾部材41A,42Aを一体的に移動させ、途中位置と進出位置間では、第2装飾部材を第1装飾部材と共に移動させながら揺動させるという、第1,第2装飾部材41A,42Aの斬新な動作を実現して、演出効果を高めることができる。
【0069】
作動機構48Aは、作動部材47Aを第1装飾部材41Aに対して進出位置側(上方)へ付勢するバネ部材70と、第1装飾部材41Aに設けられ且つ第1装飾部材41Aが退避位置から途中位置へ移動する際に作動部材47Aが係合する第1係合部73と、役物ベース50に設けられ且つ第1装飾部材41Aが途中位置から進出位置へ移動する際に作動部材47Aが係合する第2係合部74とを設けた。
【0070】
従って、第1装飾部材41Aが退避位置から途中位置へ移動する際に、作動部材47A及び第1,第2装飾部材41A,42Aを確実に一体的に移動させることができ、第1装飾部材41Aが途中位置から進出位置へ移動する際に、第1装飾部材41Aと作動部材47Aとを確実に相対移動させることができ、つまりは、第1,第2装飾部材41A,42Aの前記斬新な動作を実現する為の作動信頼性を高めることができる。
【0071】
作動機構48Aは、第1装飾部材41Aと作動部材47Aとの相対移動により第2装飾部材42Aを揺動させるカム機構49Aを有し、そのカム機構49Aは、作動部材47Aに設けられたカム溝80と、第2装飾部材42Aに設けられカム溝80に係合するカム係合部81とを有するので、第1装飾部材41Aと作動部材47Aとの相対移動により第2装飾部材42Aを確実に揺動させることが可能になる。
【0072】
また、第2,第3の可動役物40B,40Cに関しても、第1の可動役物40Aに関する前記効果と同様の効果を奏する。しかも、第1,第2,第3の可動役物40A, 40B,40Cに関して、これら駆動機構46A,46B,46Cの駆動源を共通の単一の電動モータ60として、3体の第1,第2,第3の可動役物40A,40B,40Cの前記の巧みな動作を実現することができ、依って、演出効果を非常に高めることができる。
【0073】
尚、図示省略するが、カム機構において、第2装飾部材42Aにカム溝を設け、作動部材47Aにカム溝に係合するカム係合部を設けてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前記開示事項以外の種々の変更を付加して実施可能である。また、本発明は、前記パチンコ遊技機以外の種々のパチンコ遊技機、或いはパチンコ遊技機以外のスロットマシン等の種々の遊技機に適用可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 パチンコ遊技機
41A,41B,41C 第1装飾部材
42A,42B,42C 第2装飾部材
46A,46B,46C 駆動機構
47A,47B,47C 作動部材
48A,48B,48C 作動機構
49A カム機構
50 役物ベース
70 バネ部材
73 第1係合部
74 第2係合部
80 カム溝
81 カム係合部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1装飾部材と、この第1装飾部材を所定の退避位置と進出位置とに亙って移動させる駆動機構とを備えた遊技機において、
前記第1装飾部材に揺動自在に連結された第2装飾部材と、
前記第1装飾部材に相対移動自在に装着された作動部材と、
前記第1装飾部材が前記退避位置から進出位置へ至るまでの途中位置へ移動する際に、前記作動部材及び前記第1,第2装飾部材を一体的に移動させ、前記第1装飾部材が前記途中位置から進出位置へ移動する際に、前記第1装飾部材と前記作動部材とを相対移動させて、前記第2装飾部材を前記第1装飾部材と共に移動させながら揺動させる作動機構を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記作動機構は、
前記作動部材を前記第1装飾部材に対して前記進出位置側へ付勢するバネ部材と、
前記第1装飾部材に設けられ且つ前記第1装飾部材が前記退避位置から途中位置へ移動する際に前記作動部材が係合する第1係合部と、
静止側部材に設けられ且つ前記第1装飾部材が前記途中位置から進出位置へ移動する際に前記作動部材が係合する第2係合部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記作動機構は、前記第1装飾部材と前記作動部材との相対移動により前記第2装飾部材を揺動させるカム機構を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記カム機構は、
前記作動部材と前記第2装飾部材の一方に設けられたカム溝と、
前記作動部材と前記第2装飾部材の他方に設けられ前記カム溝に係合するカム係合部とを有することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項1】
第1装飾部材と、この第1装飾部材を所定の退避位置と進出位置とに亙って移動させる駆動機構とを備えた遊技機において、
前記第1装飾部材に揺動自在に連結された第2装飾部材と、
前記第1装飾部材に相対移動自在に装着された作動部材と、
前記第1装飾部材が前記退避位置から進出位置へ至るまでの途中位置へ移動する際に、前記作動部材及び前記第1,第2装飾部材を一体的に移動させ、前記第1装飾部材が前記途中位置から進出位置へ移動する際に、前記第1装飾部材と前記作動部材とを相対移動させて、前記第2装飾部材を前記第1装飾部材と共に移動させながら揺動させる作動機構を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記作動機構は、
前記作動部材を前記第1装飾部材に対して前記進出位置側へ付勢するバネ部材と、
前記第1装飾部材に設けられ且つ前記第1装飾部材が前記退避位置から途中位置へ移動する際に前記作動部材が係合する第1係合部と、
静止側部材に設けられ且つ前記第1装飾部材が前記途中位置から進出位置へ移動する際に前記作動部材が係合する第2係合部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記作動機構は、前記第1装飾部材と前記作動部材との相対移動により前記第2装飾部材を揺動させるカム機構を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記カム機構は、
前記作動部材と前記第2装飾部材の一方に設けられたカム溝と、
前記作動部材と前記第2装飾部材の他方に設けられ前記カム溝に係合するカム係合部とを有することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−48654(P2013−48654A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186829(P2011−186829)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】
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