遊技機
【課題】演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで遊技の興趣を向上させること。
【解決手段】演出モードの移行の態様の制御に際しては、当り遊技の終了後の遊技状態に基づいて設定されるサブ演出状態フラグにしたがう構成とした。さらにサブ演出状態フラグに関しては当り遊技の終了後が確変状態及び非確変状態となる場合に同一のモード移行頻度[高]高確率を設定し得る構成とした。これにより、当り遊技の終了後が確変状態であるか否かに関係なく演出モードの移行の態様が、同一の移行の態様で制御され得ることになる。その結果、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで遊技の興趣を向上させることができる。
【解決手段】演出モードの移行の態様の制御に際しては、当り遊技の終了後の遊技状態に基づいて設定されるサブ演出状態フラグにしたがう構成とした。さらにサブ演出状態フラグに関しては当り遊技の終了後が確変状態及び非確変状態となる場合に同一のモード移行頻度[高]高確率を設定し得る構成とした。これにより、当り遊技の終了後が確変状態であるか否かに関係なく演出モードの移行の態様が、同一の移行の態様で制御され得ることになる。その結果、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで遊技の興趣を向上させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高確率抽選状態である可能性があることを遊技者に報知する潜伏演出モードを設定可能な遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、大当り遊技の終了後、大当りの当選確率を低確率から高確率に変動させる確率変動(以下、「確変」と示す)状態を付与するものがある。このようなパチンコ遊技機においては、大当り遊技終了後、確変状態が付与されていないことを認識すると、遊技の興趣を低下させる虞があった。このため、確変状態が付与されているか否かを遊技者に認識させ難くすることで遊技の興趣の低下を防止するものがあった(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1では、潜伏確変大当りなどに当選した場合、確変状態(潜伏確変)の期待が持てる演出モード(潜伏期待演出モード)を設定することで、見た目上に確変状態であるか否かを遊技者に認識させ難くするようになっている。そして、特許文献1では、大当りなどの当選により付与される遊技状態に応じて演出モードの移行の態様の制御が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−162117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、演出モードの移行の態様の制御から確変状態であるか否かを容易に推測させてしまうと、確変状態の期待が持てる演出モードを設定する構成であっても却って遊技の興趣を低下させてしまう可能性があった。このため、演出モードの移行の態様の制御からも確変状態が付与されているか否かを遊技者に認識させ難くすることが望まれている。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、表示装置で行われる図柄変動ゲームが当りか否かを抽選する当り抽選が行われ、前記当り抽選に当選した場合には前記図柄変動ゲームの終了後に入賞手段を開放する当り遊技が行われ、前記当り遊技の終了後に前記当り抽選の抽選確率状態を前記当り抽選の当選確率が低確率抽選状態よりも高まる高確率抽選状態に制御可能であって、前記高確率抽選状態である可能性があることを遊技者に報知する潜伏演出モードを含む演出モードを設定可能な遊技機において、前記当り遊技の終了後の遊技状態に基づいてモード移行頻度を設定し、前記モード移行頻度にしたがって前記演出モードの移行の態様を制御するモード移行制御手段を備え、前記モード移行制御手段は、前記当り遊技の終了後が前記高確率抽選状態及び前記低確率抽選状態となる場合に、同一のモード移行頻度を設定し得ることを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記当り抽選を当選とする場合には前記当り遊技の終了後の遊技状態を制御するための情報を定めた当り情報が決定されるようになっており、前記モード移行制御手段は、前記当り情報に基づいて前記モード移行頻度を設定することを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機において、前記当り抽選に当選する場合に前記当り情報に基づいて前記図柄変動ゲームで確定的に停止表示させる演出用の図柄を決定する演出用図柄決定手段を備え、前記演出用の図柄には、前記当り情報に基づく前記当り遊技の終了後の遊技状態が前記低確率抽選状態及び前記高確率抽選状態の何れの場合にも決定される複数種類の特定の演出用の図柄を含み、前記モード移行制御手段は、前記特定の演出用の図柄が決定される場合における前記モード移行頻度の設定に際し、前記特定の演出用の図柄の種類に基づいて前記モード移行頻度を設定することを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】遊技盤を示す正面図。
【図2】当りの種類を説明する説明図。
【図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図4】変動パターンを説明する説明図。
【図5】(a)〜(e)は飾図(図柄組み合わせ)の表示態様を説明する説明図。
【図6】モード移行の態様を説明する説明図。
【図7】(a)はサブ演出状態フラグを説明する説明図、(b)は第1の実施形態におけるサブ演出状態抽選を説明する説明図。
【図8】(a)〜(e)はサブ演出状態抽選で用いるテーブルを説明する説明図。
【図9】(a),(b)は第1の実施形態におけるモード移行抽選を説明する説明図。
【図10】(a)〜(e)はモード移行抽選で用いるテーブルを説明する説明図。
【図11】(a)〜(d)はモード移行抽選で用いるテーブルを説明する説明図。
【図12】(a)は第2の実施形態におけるサブ演出状態抽選を説明する説明図、(b)は第2の実施形態におけるモード移行抽選を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機に具体化した第1の実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。
【0013】
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示装置としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数の図柄列(本実施形態では3列)を変動表示させて行う図柄変動ゲームを含み、該図柄変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄、以下、「飾図」と示す)を用いて行われる。
【0014】
また、演出表示装置11の左下方には、複数個の発光体(本実施形態ではLED)が配設された盤面飾り部材Kが装着されている。そして、盤面飾り部材Kには、下段の左から7個の合計7個(複数個)の発光体で構成した特別図柄発光部を備えた特別図柄表示装置12が設けられている。そして、特別図柄表示装置12では各特別図柄発光部のうち、所定個数(1個以上)の特別図柄発光部の発光体を点灯させて、その点灯した特別図柄発光部の位置と個数によって区別される組み合わせを導出する図柄変動ゲームが発光表示されるようになっている。本実施形態のパチンコ遊技機では、図柄変動ゲームで点灯又は消灯する特別図柄発光部を特別図柄(以下、「特図」と示す)として扱っている。特図は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果、小当りか否かの内部抽選(小当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。以下、特別図柄表示装置12の図柄変動ゲームを「特図変動ゲーム」と示す。
【0015】
特別図柄表示装置12には、複数種類(本実施形態では、121種類)の特図の中から、大当り抽選又は小当り抽選の抽選結果に応じて選択された特図が、特図変動ゲームの終了によって確定停止表示される。特別図柄表示装置12における121種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄と、小当りを認識し得る図柄となる20種類の小当り図柄と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄と、に分類される。大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。小当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、小当り遊技が付与される。
【0016】
また、演出表示装置11には、各列毎に[1]〜[9]の9種類の数字が飾図として表示されるようになっている。また、演出表示装置11における各列の飾図は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って変動表示されるようになっている。図柄の変動(変動表示)とは、演出表示装置11、特別図柄表示装置12において、表示図柄の種類を変化させながら図柄又は図柄列が動作している状態を示す。
【0017】
そして、特別図柄表示装置12と演出表示装置11では、同時に特図変動ゲームと該特図変動ゲームに係わる表示演出(飾図による図柄変動ゲーム)が開始され、同時に終了する(即ち、同時に特図と飾図が確定停止表示される)。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、特別図柄表示装置12では発光体の点灯及び消灯することで特図の変動が開始する一方で、演出表示装置11では各列の飾図の変動が開始する。
【0018】
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当り(当り)を認識し得る大当り図柄(当り図柄)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄が原則として確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12にはずれを認識し得るはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄が原則として確定停止表示される。なお、演出表示装置11に確定停止表示される大当り図柄は、原則として、全列の飾図が同一図柄となる図柄組み合わせによって構成される([111],[222]など)。
【0019】
また、特別図柄表示装置12にはずれを認識し得るはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄が確定停止表示される。本実施形態において、飾図によるはずれ図柄は、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ([135],[246]など)、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせによって構成される([151],[767]など)。
【0020】
また、特別図柄表示装置12に小当り(当り)を認識し得る小当り図柄(当り図柄)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11に特殊図柄が確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12で大当り図柄が確定停止表示される場合でも、演出表示装置11に特殊図柄が確定停止表示される場合もある。なお、特殊図柄は、大当り抽選の抽選確率が低確率(通常確率)から高確率に変動する確率変動状態(以下、「確変状態」と示す)が付与される可能性があることを示唆する図柄(確変示唆図柄)である。本実施形態において、飾図による特殊図柄は、3列のうち、左右2列に表示された同一の数字図柄との組み合わせにより、中列が大当り又は小当りに当選したことを認識できる装飾図柄([弱]の装飾、[強]の装飾)となる図柄組み合わせによって構成される([1・弱・1]や[1・強・1]など)。
【0021】
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の飾図が一旦停止表示された場合、リーチが形成される。ここで、一旦停止表示とは、画像表示部GHにおいてゆれ変動状態で表示されている状態であり、画像表示部GHにおいて図柄が確定停止している確定停止表示とは区別される。
【0022】
また、盤面飾り部材Kにおいて特別図柄表示装置12(特別図柄発光部)の右方には、複数個(本実施形態では2個)の発光体(本実施形態ではLED)で構成した特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留表示装置13が配設されている。特別図柄保留表示装置13は、機内部で記憶した特図用の始動保留球の記憶数(以下、「特図保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。特図保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動入賞口(上始動入賞口15又は下始動入賞口16)に遊技球が入賞(入球)することで「1」加算される一方で、特図変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、特図変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入賞すると、特図保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。特図保留記憶数は、実行保留中の特図変動ゲームの実行回数を示す。
【0023】
また、盤面飾り部材Kにおいて特別図柄保留表示装置13の右方には、複数個(本実施形態では2個)の発光体(本実施形態ではLED)で構成した普通図柄発光部を備えた普通図柄表示装置14が配設されている。普通図柄表示装置14では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲーム(以下「普図ゲーム」と示す)が行われる。そして、普通図柄表示装置14では、大当り抽選や小当り抽選(当り抽選)とは別に行う普図当りか否かの内部抽選(後述する普図当り抽選)の抽選結果を表示する。すなわち、普図は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。そして、普図当り抽選に当選した場合(普図当りの場合)には、普図ゲームで普通図柄の当り図柄(本実施形態では左側の普通図柄表示部が点灯)が確定停止表示(導出)される。一方、普図当り抽選に当選しない場合(普図はずれの場合)には、普通図柄のはずれ図柄(本実施形態では右側の普通図柄表示部が点灯)が確定停止表示(導出)される。
【0024】
また、演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口としての上入賞口15aを有する上始動入賞口15が配設されている。上始動入賞口15の奥方には入賞した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1(図3に示す)が配設されている。また、上始動入賞口15の下方には、遊技球の入球口(始動口)としての下入賞口16aを有する下始動入賞口16が配設されている。下始動入賞口16は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉機構としての開閉羽根17を備えている。下始動入賞口16は、開閉羽根17の開動作により入口が拡大されて遊技球が入賞し易い開放状態とされる一方で、開閉羽根17の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入賞し難い閉鎖状態とされる。すなわち、開閉羽根17は、下始動入賞口16の下入賞口16aを、遊技球が入球し難い閉鎖状態から遊技球が入球し易い開放状態に可変させる。そして、下始動入賞口16の奥方には入賞した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2(図3に示す)が配設されている。上始動入賞口15及び下始動入賞口16は、入賞した遊技球を検知することにより、特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
【0025】
また、下始動入賞口16の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉18を備えた特別電動役物である入賞手段としての大入賞口19が配設されている。大入賞口19の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図3に示す)が配設されている。大入賞口19は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(本実施形態ではともに14個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口19は、大当り遊技中に大入賞口扉18の開動作によって開放されることで遊技球の入賞が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。なお、本実施形態における大入賞口19は、小当り遊技中にも大入賞口扉18の開動作によって開放される。
【0026】
また、遊技盤10において演出表示装置11の左方には、普通図柄作動ゲート(以下、「ゲート」と示す)20が配設されている。ゲート20の奥方には、入球し通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW4(図3に示す)が配設されている。ゲート20は、遊技球の通過を契機に、普図ゲームの始動条件(普図当り抽選の抽選契機)のみを付与し得る。
【0027】
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、遊技者にとって有利な確率変動(以下、「確変」と示す)状態が付与される場合がある。確変状態が付与された場合、大当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率(通常確率)から高確率へ変動(向上)される。また、確変状態は、次回の大当りが生起される迄の間、付与される。確変状態は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となる。
【0028】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。変短機能は、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、ゲート20の通過に基づく普図当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率から高確率に変動させる変短状態を付与する機能である。また、変短状態中は、1回の普図当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根17の合計開放時間が、非変短状態中に比して長くなる。このように、変短状態は、開閉羽根17が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの下始動入賞口16への入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。そして、変短状態は、単位時間当りの開閉羽根17の開放時間が増加する開放時間増加状態であって、下始動入賞口16への入球率が向上する入球率向上状態でもある。
【0029】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当り遊技及び小当り遊技について図2を参照して以下に説明する。
大当り遊技は、特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)にて大当り図柄が確定停止表示され、該特図変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口19が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では16ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技では、大入賞口19の大入賞口扉18の開閉が所定回数行われるまでである。そして、1回のラウンド遊技中に大入賞口19は、規定個数(入球上限個数となる本実施形態では7球)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間となる本実施形態では25秒又は0.04秒)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
【0030】
本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、図2に示す複数種類(本実施形態では3種類)の大当りの中から1つの大当りが決定(選択)され、その決定された大当りに基づく大当り遊技が付与されるようになっている。そして、3種類の大当りのうち、何れの大当りとするかは、大当り抽選に当選した際に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定される。本実施形態において100種類の特図の大当り図柄は、図2に示すように、特図毎に分類される。そして、特図の大当り図柄では、大当りの種類が特定されるとともに大当り遊技(開放される大入賞口)の種類と当該大当り遊技の終了後を確変状態とするか否か及び変短状態とするか否かに基づく遊技状態が特定される。なお、特図の小当り図柄では、小当りが特定されるとともに小当り遊技と当該小当り遊技の終了後の遊技状態として当選時の遊技状態で継続(現状維持)させることが特定される。このため、本実施形態において、特図(特に当り図柄)が当り情報となる。
【0031】
そして、図柄Aには、特図の大当り図柄として45種類が振分けられている。図柄Bには、特図の大当り図柄として30種類が振分けられている。図柄Cには、特図の大当り図柄として25種類が振分けられている。図柄Dには、特図の小当り図柄として20種類が振分けられている。また、特図の大当り図柄の決定には、後述する特図振分用乱数が用いられ、その特図振分用乱数の抽出値をもとに特図が決定される。特図の大当り図柄には、各特図に対して、特図振分用乱数の取り得る数値(本実施形態では0〜99までの全100通りの整数値)が、所定個数ずつ(本実施形態では1つずつ)振分けられている。このため、特図の大当り図柄は、特図振分用乱数の値が特定されれば、一義的に決定する。また、特図の小当り図柄の決定には、後述する小当り図柄振分用乱数が用いられ、その小当り図柄振分用乱数の抽出値をもとに特図が決定される。特図の小当り図柄には、1つの特図に対して、小当り図柄振分用乱数の取り得る数値(本実施形態では、0〜19までの全20通りの整数値)が振分けられている。このため、特図の小当り図柄は、小当り図柄振分用乱数の値が特定されれば、一義的に決定する。なお、本実施形態では、小当り図柄振分用乱数の値に関係なく、1つの特図が決定される。
【0032】
そして、本実施形態において、大当り遊技及び小当り遊技では、同一の大入賞口19を開放させることが定められている。そして、図柄Aと図柄Cに基づく大当り遊技では、同一の大入賞口19の開放態様で開放させることが定められているとともに、これらと図柄Bに基づく大当り遊技とでは異なる大入賞口19の開放態様で開放させることが定められている。なお、図柄Bに基づく大当り遊技と図柄Dに基づく小当り遊技とでは、見た目上に同一の大入賞口19の開放態様で開放させることが定められている。
【0033】
具体的に、本実施形態における大当り遊技は、規定ラウンド数を「16回」とする大当り遊技としている。本実施形態の大当り遊技では、各ラウンド遊技を対象として1回のラウンド遊技中に大入賞口19を1回開放させて合計で16回開放させるようになっている。また、本実施形態の大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(「C(カウント)数」と示す)は「7球(7C)」に設定されている。
【0034】
そして、図柄A及び図柄Cに基づく大当り遊技では、各ラウンド遊技の大入賞口19の開放態様(最大開放時間)が「25秒」に設定されている。すなわち、この場合の大当り遊技は、大入賞口19を「25秒」開放させる動作を16回繰り返すことになる。また、図柄A及び図柄Cに基づく大当り遊技では、オープニング時間(「OP」)として「8秒」が、ラウンド間インターバル時間(「R間インターバル」)として「1.5秒」が、エンディング時間(「ED」)として「25秒」がそれぞれ設定されている。
【0035】
以下、図柄Aに基づく大当りを「16R確変大当り」と示すとともに、図柄Aに基づく大当り遊技を「16R確変大当り遊技」と示す。また、図柄Cに基づく大当りを「16R非確変大当り」と示すとともに、図柄Cに基づく大当り遊技を「16R非確変大当り遊技」と示す。以下、これらを纏めて「16R大当り」や「16R大当り遊技」と示す場合もある。
【0036】
なお、各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入賞することにより終了する場合もある。このため、16R大当り遊技において、各ラウンド遊技の合計開放時間としては「25(秒)」が最大時間となる。そして、本実施形態において、16R大当り遊技は、実質的に大入賞口へ遊技球を入賞させて賞球を獲得し得る場面(ラウンド遊技)が、1ラウンド目〜16ラウンド目(全て)の16回分のラウンド遊技となる。
【0037】
そして、16R確変大当り遊技の終了後には、確変状態(「次回」まで)と、その確変状態の終了時まで変短状態が付与されるようになっている。なお、図2では、確変状態の終了時まで変短状態を付与する場合を「次回」と表記している。また、16R非確変大当り遊技の終了後には、非確変状態と、100回(最大値)の特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)を対象として変短状態が付与される。
【0038】
また、図柄Bに基づく大当り遊技では、各ラウンド遊技の大入賞口19の開放態様(最大開放時間)が「0.04秒」に設定されている。すなわち、この場合の大当り遊技では、大入賞口19を「0.04秒」開放させる動作を16回繰り返すことになる。また、図柄Bに基づく大当り遊技では、オープニング時間(「OP」)として「0.004秒」が、ラウンド間インターバル時間(「R間インターバル」)として「1.5秒」が、エンディング時間(「ED」)として「2.86秒」がそれぞれ設定れている。
【0039】
以下、図柄Bに基づく大当りを「ショート大当り」と示すとともに、図柄Bに基づく大当り遊技を「ショート大当り遊技」と示す。
なお、各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入賞することにより終了する場合もある。しかしながら、ショート大当り遊技において、各ラウンドの開放時間として「0.04(秒)」が設定されているため、大入賞口19に入球上限個数分の遊技球を入賞させ得ないことになる。このため、ショート大当り遊技において、各ラウンド遊技では、大入賞口19に入球上限個数分の遊技球を入賞させる前に各ラウンド遊技が終了する。したがって、本実施形態において、ショート大当り遊技は、実質的に大入賞口19へ遊技球を入賞させ難いラウンド遊技で構成される。
【0040】
そして、ショート大当り遊技の終了後には、確変状態(「次回」まで)が付与される。また、ショート大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時が非確変状態且つ非変短状態(「低+無」)である場合、変短状態が付与されない(「無」)。一方、ショート大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時が非確変状態且つ変短状態(「低+有」)、確変状態且つ非変短状態(「高+無」)、確変状態且つ変短状態(「高+有」)である場合、確変状態の終了時まで(「次回」まで)変短状態が付与される。この場合には、確変状態と変短状態がともに付与される。
【0041】
また、小当り遊技は、特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)にて小当り図柄が確定停止表示され、該特図変動ゲームの終了後に開始される。また、小当り遊技では、入球上限個数(「C(カウント)数」)が「7球(7C)」に設定されている。また、小当り遊技では、小当り遊技中の大入賞口19の開放回数として「16回」が、各開放における大入賞口19の開放態様(最大開放時間)として「0.04秒」が設定されている。また、小当り遊技では、オープニング時間(「OP」)として「8秒」が、大入賞口19の開放間インターバル時間として「1.5秒」が、エンディング時間(「ED」)として「2.86秒」がそれぞれ設定されている。
【0042】
なお、小当り遊技は、入賞上限個数分の遊技球が入賞することにより終了する場合もある。しかしながら、小当り遊技において、各開放時間として「0.04(秒)」が設定されているため、16回の開放全体を通して大入賞口19に入賞上限個数分の遊技球を入賞させ得ないことになる。このため、小当り遊技では、大入賞口19に入賞上限個数分の遊技球を入賞させる前に小当り遊技が終了する。したがって、本実施形態において、小当り遊技は、実質的に大入賞口19へ遊技球を入賞させ難く構成される。
【0043】
小当りでは、小当り遊技の終了後の遊技状態を、小当り抽選の当選時の遊技状態で継続(現状維持)するようになっている。すなわち、小当りでは、小当り抽選の当選時に確変状態が付与されていれば小当り遊技の終了後も確変状態を継続(現状維持)して付与する一方、確変状態が付与されていなければ小当り遊技の終了後にも継続(現状維持)して確変状態を付与しない。また、小当りでは、小当り抽選の当選時に変短状態が付与されていれば小当り遊技の終了後にも変短状態を継続(現状維持)して付与する一方、変短状態が付与されていなければ小当り遊技の終了後にも継続(現状維持)して変短状態を付与しない。
【0044】
本実施形態における16R大当り遊技では、16R確変大当り遊技及び16R非確変大当り遊技の何れか大入賞口の開放態様などから、見た目上に判別し得ないようになっている。また、本実施形態におけるショート大当り遊技と小当り遊技では、開放させる大入賞口19、大入賞口19の開放態様(開放時間)、オープニング時間、及び開放と開放の間の時間(ラウンド間インターバル時間と開放間インターバル時間)がそれぞれ同一に設定されている。このため、ショート大当り遊技と小当り遊技では、これらにおける大入賞口19の開放態様が、同一となる。したがって、ショート大当り遊技と小当り遊技では、大入賞口19の開放態様などから、見た目上に違いを判別し得ないようになっている。
【0045】
なお、大入賞口の開放態様などから、見た目上に違いを判別し得ない大当り遊技(小当り遊技)に関しては、大当り遊技(小当り遊技)の契機となる飾図による図柄変動ゲームや、大当り遊技中(小当り遊技中)の演出からも、見た目上に違いを判別し得ないように演出を設定している。
【0046】
そして、16R大当り遊技が付与される場合には、大当り遊技の終了後が確変状態及び非確変状態の何れの場合もあり得る一方で、変短状態の付与態様に関してもこれらの間で、同一となる。その結果、16R大当り遊技が付与される場合には、確変状態であるか否かを遊技者に判別させ難くして確変状態を潜伏させる(潜確)ゲーム性を作り出している。そして、このような場合には、確変状態が付与されていることに対して期待を持てる場面となる。
【0047】
また、ショート大当り遊技又は小当り遊技が付与される場合には、大当り遊技の終了後が確変状態及び非確変状態の何れの場合もあり得る一方で、変短状態の付与態様に関してもこれらの間で、同一となり得る。その結果、ショート大当り遊技又は小当り遊技が付与される場合には、確変状態であるか否かを遊技者に判別させ難くして確変状態を潜伏させる(潜確)ゲーム性を作り出している。そして、このような場合には、確変状態が付与されていることに対して期待を持てる場面となる。
【0048】
次に、パチンコ遊技機の電気的構成を図3に基づき説明する。
機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板31と、演出制御基板32とが装着されている。
【0049】
サブ統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出制御基板32を制御する。また、演出制御基板32は、主制御基板30とサブ統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。
【0050】
以下、主制御基板30、サブ統括制御基板31、及び演出制御基板32の具体的構成について図3に基づき説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、盤面飾り部材K内に装着される盤面飾り基板K1を介して、特別図柄表示装置12、特別図柄保留表示装置13、及び普通図柄表示装置14が接続されている。これら表示装置を形成する各発光体は、盤面飾り基板K1に実装されている。
【0051】
また、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分用乱数、小当り図柄振分用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数、及び普図当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)及び小当り抽選(小当り判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り図柄を決定する際に用いられる乱数である。小当り図柄振分用乱数は、小当り図柄を決定する際に用いられる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選及び小当り抽選の何れにも当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、特図変動ゲームの変動パターンを選択する際に用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当り抽選で用いる乱数である。また、主制御用CPU30aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0052】
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、小当り判定値、リーチ判定値、普図当り判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜65535までの全65536通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、非確変状態用の大当り判定値として169個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は65536分の169となる。一方、確変状態用の大当り判定値として1690個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は65536分の1690となる。
【0053】
小当り判定値は、小当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜65535までの全65536通りの整数)の中から、大当り判定値と重複しないように定められている。本実施形態では、小当り判定値として333個の値が設定されている。これにより、小当り抽選で当選する確率は65536分の333となる。
【0054】
リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。
【0055】
普図当り判定値は、普図当り抽選で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜65535までの全65536通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、非変短状態用の普図当り判定値として3800個の値が設定されており、普図当り抽選で当選する確率は65536分の3800となる。一方、本実施形態では、変短状態用の普図当り判定値として65535個の値が設定されており、普図当り抽選で当選する確率は65536分の65535となる。
【0056】
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)の変動が開始してから図柄(特図及び飾図)が確定停止表示されるまでの間の演出のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、及びはずれ変動用の変動パターンに分類できる。当り変動は、大当り抽選又は小当り抽選に当選した場合に行われる変動である。そして、当り変動では、特図変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄又は小当り図柄を確定停止表示させる。一方、当り変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的に大当り図柄又は特殊図柄を確定停止表示させる。はずれリーチ変動は、大当り抽選及び小当り抽選に当選せずに、リーチ抽選に当選した場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれリーチ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。はずれ変動は、大当り抽選、小当り抽選、及びリーチ抽選の何れにも当選しなかった場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経ないで、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。なお、特図変動ゲームでは、特図の変動が開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで特図の変動が継続される。そして、大当り変動用、はずれリーチ変動用及びはずれ変動用の変動パターンは、それぞれ複数種類あり、何れかが選択される。
【0057】
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機における変動パターンについて、図4を参照して説明する。
本実施形態では、はずれ変動用の変動パターンとして、はずれ用変動パターンHPが用意されている。はずれ用変動パターンHPは、はずれ(リーチ抽選に非当選)の内部抽選の場合に選択される。そして、はずれ用変動パターンHPでは、飾図による図柄変動ゲームで最終的にはずれ図柄(リーチを形成しない)を確定停止表示させる内容を特定する。
【0058】
また、はずれリーチ変動用の変動パターンとして、はずれリーチ用変動パターンRPが用意されている。はずれリーチ用変動パターンRPは、はずれ(リーチ抽選に当選)の内部抽選の場合に選択される。そして、はずれリーチ用変動パターンRPでは、飾図による図柄変動ゲームで最終的にはずれ図柄(リーチを形成する)を確定停止表示させる内容を特定する。
【0059】
また、当り変動用の変動パターンとして、大当り用変動パターンAP1と、特殊用変動パターンAP2とが用意されている。大当り用変動パターンAP1は、大当りの内部抽選で大当り図柄(特図)が図柄A又は図柄Cの場合に選択される。そして、大当り用変動パターンAP1では、飾図による図柄変動ゲームで最終的に全列の図柄が(同一図柄)となる大当り図柄を確定停止表示させる内容を特定する。また、特殊用変動パターンAP2は、大当りの内部抽選で大当り図柄(特図)が図柄Bの場合に選択される。また、特殊用変動パターンAP2は、小当りの内部抽選で小当り図柄(図柄D)の場合に選択される。そして、特殊用変動パターンAP2では、飾図による図柄変動ゲームで最終的に特殊図柄を確定停止表示させる内容を特定する。本実施形態において、全列の図柄が(同一図柄)では、16R大当りが確定する。また、特殊図柄では、ショート大当り及び小当りの何れの可能性もある。
【0060】
このため、本実施形態では、大当り又は小当りの種類に関係なく、飾図による図柄変動ゲームで特殊図柄が確定停止表示される場合、特殊用変動パターンAP2に基づく演出内容で図柄変動ゲームが行われて、さらに特殊図柄が確定停止表示されることになる。したがって、本実施形態では、ショート大当り及び小当りの当選時、これらに対応するショート大当り遊技又は小当り遊技の開始に際し、同一の演出内容で特殊図柄を確定停止表示させる図柄変動ゲームを行わせることができるように構成されている。
【0061】
なお、図4に示した各種の変動パターンは、複数種類の変動パターンのうち一部である。このため、実際には、はずれリーチ変動用の変動パターンと当り変動用の変動パターンとして、図柄変動ゲームの演出内容を同一とするパターンが含まれて構成されている。
【0062】
次に、サブ統括制御基板31について説明する。
サブ統括制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU31aと、統括制御用CPU31aの統括制御プログラムや各種のテーブルを格納する統括制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM31cが設けられている。統括制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、統括制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0063】
次に、演出制御基板32について説明する。
演出制御基板32には、制御動作を所定の手順で実行することができる演出制御用CPU32aと、演出制御用CPU32aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM32bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM32cが設けられている。演出制御用CPU32aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用ROM32bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
【0064】
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。なお、特別図柄開始処理は、特別図柄入力処理の終了後に実行される。
【0065】
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
まず、主制御用CPU30aは、始動口スイッチ(上始動口スイッチSW1又は下始動口スイッチSW2)から検知信号を入力しているか否かに基づいて始動入賞口(上始動入賞口15又は下始動入賞口16)に遊技球が入賞したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている特図保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する。特図保留記憶数が「4」未満の場合、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数を1加算(+1)し、特図保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数の書き換えに伴って特別図柄保留表示装置13の表示内容を更新させる。
【0066】
続いて、主制御用CPU30aは、各種乱数(当り判定用乱数、特図振分用乱数、小当り図柄振分用乱数、リーチ判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数)のそれぞれの値を主制御用RAM30cから読み出して取得する。主制御用CPU30aは、ここで取得した各値を特図保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に格納する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0067】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
まず、主制御用CPU30aは、図柄(特図及び飾図)が変動表示中(変動中)であるか否か、又は当り中(大当り遊技中又は小当り遊技中)であるか否かの実行条件判定を実行する。この実行条件判定の判定結果が肯定の場合(変動中又は当り中である場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、実行条件判定の判定結果が肯定の場合(変動中又は当り中でない場合)、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数を読み出し、特図保留記憶数が「0」よりも大きいか否かの保留判定を実行する。この保留判定の判定結果が否定の場合(特図保留記憶数が「0」の場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、保留判定の判定結果が肯定の場合(特図保留記憶数が「0」よりも大きい場合)、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームに係る制御を実行する。その際に主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの特別図柄変動処理フラグに「1」を設定することにより、特図変動ゲームを実行することを示す情報を設定する。そして、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数を1減算(−1)し、特図保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数の書き換えに伴って特別図柄保留表示装置13の表示内容を更新させる。
【0068】
続いて、特図変動ゲームに係る制御を実行する主制御用CPU30aは、特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値を読み出し、該値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う。大当り抽選において、主制御用CPU30aは、遊技状態に応じた大当り判定値を用いて大当り判定を行う。なお、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに設定された制御フラグ(後述する確変フラグ)に基づき現在の遊技状態が確変状態か否かを把握する。
【0069】
大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている特図振分用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、その読み出した特図振分用乱数の値に基づき、特図による大当り図柄の中から特別図柄表示装置12に確定停止表示させる最終停止図柄(特図)を決定する。その後、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている変動パターン振分用乱数の値に基づき、確定停止表示させる特図により選択し得る当り変動用の変動パターンの中から変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0070】
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、主制御用CPU30aは、大当り判定時に読み出した当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている小当り判定値と一致するか否かを判定して小当り判定(小当り抽選)を行う。
【0071】
続いて、小当り判定の判定結果が肯定の場合(小当りの場合)、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている小当り図柄振分用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、その読み出した小当り図柄振分用乱数の値に基づき、特図による小当り図柄を特別図柄表示装置12に確定停止表示させる最終停止図柄(特図)として決定する。その後、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている変動パターン振分用乱数の値に基づき、確定停止表示させる特図により選択し得る当り変動用の変動パターンの中から変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0072】
一方、大当り判定及び小当り判定の判定結果が共に否定の場合(大当りでも小当りでもない場合)、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されているリーチ判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、その読み出したリーチ判定用乱数の値に基づき、リーチを形成させる(リーチあり)か否かを判定するリーチ判定(リーチ抽選)を行う。
【0073】
そして、リーチ判定の判定結果が肯定の場合(リーチ抽選でリーチに当選したことから)、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を特別図柄表示装置12にて確定停止表示させる最終停止図柄(特図)として決定する。その後、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている変動パターン振分用乱数の値に基づき、選択し得るはずれリーチ演出用の変動パターンの中から変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0074】
一方、リーチ判定の判定結果が否定の場合(リーチ抽選でリーチに当選しなかったことから)、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を特別図柄表示装置12にて確定停止表示させる最終停止図柄(特図)として決定する。その後、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている変動パターン振分用乱数の値に基づき、選択し得るはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0075】
このように特別図柄開始処理を実行することで、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームの開始時に、最先の保留記憶数に対応付けられて記憶されている乱数の各値に基づき、該各値が示す特図変動ゲームの演出内容を判定する。
【0076】
そして、特図及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図を指示する特図用の停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。また、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームの開始により特図の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特図(大当り図柄、小当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
【0077】
そして、主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく特図変動ゲームの終了後、特図で特定される大当りの種類に基づく大当り遊技の制御(当り遊技制御)を開始する。その際に主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに大当り遊技を開始させたことを示す情報を設定する。主制御用CPU30aは、大当り遊技において、大当り遊技の開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、各ラウンド遊技の開始時にラウンドコマンドを出力し、さらに大当り遊技の終了時にエンディングコマンドを出力する。オープニングコマンドはオープニング(演出)の開始を指示し、ラウンドコマンドはラウンド遊技(演出)の開始を指示し、エンディングコマンドはエンディング(演出)の開始を指示する。
【0078】
また、主制御用CPU30aは、小当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく特図変動ゲームの終了後、小当り遊技の制御(当り遊技制御)を開始する。その際に主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに小当り遊技を開始させたことを示す情報を設定する。主制御用CPU30aは、小当り遊技において、小当り遊技の開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、小当り遊技中の大入賞口19の開放の開始を指示するコマンドを出力し、さらに小当り遊技の終了時にエンディングコマンドを出力する。大入賞口19の開放の開始を指示するコマンドは、小当り遊技の大入賞口19の開閉動作中における演出の開始を指示する。
【0079】
そして、主制御用CPU30aは、大当り遊技又は小当り遊技において、大入賞口19の開閉動作を対応する開放態様で制御する。本実施形態において、主制御用CPU30aは、大当り遊技の制御又は小当り遊技の制御の開始からオープニング時間(所定時間)が経過すると、大入賞口19を開放させて初回の開放を開始させるように制御する。
【0080】
続いて、主制御用CPU30aは、大当り遊技の制御であれば、ラウンド遊技毎に予め定めたラウンド遊技時間を計測するとともに、カウントスイッチSW3からの検知信号を入力してラウンド遊技中に入球した遊技球の入球個数をカウントする。そして、主制御用CPU30aは、大当り遊技の各ラウンド遊技において、ラウンド遊技時間が経過したこと、及び入球上限個数の遊技球が入球したことの何れかを満たすことにより、開放させている大入賞口19を閉鎖させるように制御する。また、主制御用CPU30aは、小当り遊技の制御であれば、最大開放時間を計測するとともに、カウントスイッチSW3からの検知信号を入力して小当り遊技中に入球した遊技球の入球個数をカウントする。そして、主制御用CPU30aは、小当り遊技において、最大開放時間が経過する、及び入球上限個数の遊技球が入球するまでにおいて、大入賞口19を最大で16回開放させる。なお、主制御用CPU30aは、小当り遊技において、大入賞口19を16回開放させる前に、入球上限個数の遊技球が入球することにより、大入賞口19を閉鎖させて小当り遊技を終了させる場合もある。
【0081】
また、大当り遊技を終了させた主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、遊技状態を確変状態とする場合には、確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定するとともに、確変状態を付与することを示す確変コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、非確変状態を付与する場合、確変フラグに「0」を設定するとともに、非確変状態を付与することを示す非確変コマンドを出力する。同様に、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、変短状態を付与する場合、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態を付与することを示す変短コマンドを出力する。なお、本実施形態において主制御用CPU30aは、非確変大当りに当選している場合、作動回数に100回を設定し、図柄変動ゲームが実行される毎に作動回数を1減算し、作動回数が「0(零)」になると、変短状態の終了条件の成立として変短状態を終了させる。合わせて主制御用CPU30aは、作動フラグに「0」を設定するとともに、非変短状態を付与することを示す非変短コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、非変短状態を付与する場合、作動フラグに「0」を設定するとともに、非変短コマンドを出力する。なお、小当り遊技の終了後、小当り当選時の遊技状態が維持されることから、主制御用CPU30aは、小当り当選時の遊技状態に設定する。そして、これに合わせて主制御用CPU30aは、小当り当選時の遊技状態となるように確変状態や変短状態などの遊技状態を指定するコマンドを出力する。その際に、作動回数が設定されていた場合には、小当り当選時の作動回数に関しても維持させる。
【0082】
また、確変フラグ及び作動フラグは、大当り遊技や小当り遊技が付与された場合にクリアされる(「0」が設定される)ようになっている。この場合、主制御用CPU30aは、大当りや小当りが生起された場合、大当り遊技や小当り遊技の開始に伴って確変状態及び変短状態を終了させる。また、確変フラグ及び作動フラグは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されるようになっている。これら確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、非変短コマンドにより、統括制御用CPU31aは、現在、確変状態であるか非確変状態であるか、又は変短状態であるか非変短状態であるかを把握することができる。
【0083】
そして、大当り遊技又は小当り遊技を終了させた主制御用CPU30aは、終了時点における特図保留記憶数を確認し、その始動保留球をもとに、特図変動ゲームに係る処理を実行し、特図変動ゲームを行わせる。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技又は小当り遊技の終了時点における特図保留記憶数が「0」の場合、始動入賞口に遊技球が入球する迄の間、特図変動ゲームを実行させることなく、待機する。
【0084】
次に、主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する普図ゲームに関する処理について説明する。
主制御用CPU30aは、ゲート20を遊技球が通過し、該遊技球を検知したゲートスイッチSW4が出力する検知信号を入力すると、普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM30cから取得し、その値を普通図柄用の始動保留球の記憶数(以下、普図始動保留記憶数と示す)に対応付けて主制御用RAM30cに一時的に記憶する。なお、主制御用CPU30aは、普図始動保留記憶数が上限数(本実施形態では4)に達していない場合、普図始動保留記憶数を1加算して普図保留記憶数を書き換える一方で、普図始動保留記憶数が上限数に達している場合、上限数を超える普図始動保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普図当り判定用乱数の値も取得しない。
【0085】
そして、主制御用CPU30aは、普通図柄が変動表示中ではなく、普図当り遊技中ではないときに、普図始動保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cに記憶した普図当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、該値と普図当り判定値とを比較し、普図当りか否かの普図当り判定(普図当り抽選)を行う。なお、普図当り判定において主制御用CPU30aは、遊技状態が非変短状態である場合には、非変短状態用の普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較する一方で、遊技状態が変短状態である場合には、変短状態用の普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較する。
【0086】
そして、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始に伴って普通図柄表示装置14の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始により普通図柄の変動を開始させ、予め定めた変動時間の経過時に決定した普通図柄(当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。なお、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始時の遊技状態に応じて、普図ゲームの変動時間として異なる変動時間を設定し、普通図柄を確定停止表示させる。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、非変短状態の場合には変動時間として「5秒」を設定し、変短状態の場合には変動時間として非変短状態よりも短い時間となる「1.1秒」を設定する。これにより、変短状態時に行われる普図ゲームの変動時間は、非変短状態時に行われる普図ゲームの変動時間よりも短縮される。
【0087】
また、主制御用CPU30aは、普図当りとなる普図ゲームの終了後、普図当り時の遊技状態に応じて、開閉羽根17の開放態様を制御する。具体的に言えば、非変短状態において主制御用CPU30aは、開閉羽根17を第1開放時間(例えば、0.3(秒))で第1回数(例えば、1(回))分、開放させるように制御する。また、変短状態において主制御用CPU30aは、開閉羽根17を第2開放時間(例えば、2.8(秒))で第2回数(例えば、2(回))分、開放させるように制御する。
【0088】
次に、サブ統括制御基板31の統括制御用CPU31aがサブ制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを演出制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特図用の停止図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドにしたがって演出表示装置11に確定停止表示させる飾図の図柄組み合わせを決定する。そして、統括制御用CPU31aは、図5(a)〜(e)に示すように、指定された変動パターン及び特図用の停止図柄指定コマンドに基づいて飾図(図柄組み合わせ)を決定する。本実施形態において、指示される特図に基づいて飾図(図柄組み合わせ)を決定する統括制御用CPU31aが、演出用図柄決定手段として機能する。
【0089】
具体的に、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドではずれ用変動パターンHPが指定され、且つ特図用の停止図柄指定コマンドではずれ図柄が指定された場合、飾図(図柄組み合わせ)として、左右列の図柄が同一図柄とならない(リーチを形成しない)通常はずれ図柄を決定する。そして、図5(a)に示すように、画像表示部GH(演出表示装置11)では、[154]などの通常はずれ図柄が確定停止表示されることになる。
【0090】
また、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドではずれリーチ用変動パターンRPが指定され、且つ特図用の停止図柄指定コマンドではずれ図柄が指定された場合、飾図(図柄組み合わせ)として、左右列の図柄が同一図柄となる(リーチを形成する)リーチはずれ図柄を決定する。そして、図5(b)に示すように、画像表示部GH(演出表示装置11)では、[121]などのリーチはずれ図柄が確定停止表示されることになる。
【0091】
また、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドで大当り用変動パターンAP1が指定され、且つ特図用の停止図柄指定コマンドで16R確変大当り(図柄A)又は16R非確変大当り(図柄C)が指定された場合、飾図(図柄組み合わせ)として、全列の図柄が同一図柄となる飾図の大当り図柄を決定する。そして、図5(c)に示すように、画像表示部GH(演出表示装置11)では、[111]などの全列同一の大当り図柄が確定停止表示されることになる。この場合に統括制御用CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドで16R確変大当りが指定された場合、全列の図柄が奇数及び偶数による同一図柄となる飾図の大当り図柄を決定する。なお、本実施形態において、統括制御用CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドで16R確変大当りが指定された場合、2分の1(50%)の割合で奇数及び偶数の何れとするかを決定する。また、統括制御用CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドで16R非確変大当りが指定された場合、全列の図柄が偶数による同一図柄となる飾図の大当り図柄を決定する。
【0092】
このため、本実施形態において、全列の図柄が奇数による同一図柄となる飾図の大当り図柄(以下、「確変図柄」と示す)は、確定停止表示により、16R確変大当りの当選を報知するとともに、大当り遊技の終了後が確変状態となることを報知する。また、全列の図柄が偶数による同一図柄となる飾図の大当り図柄(以下、「チャンス図柄」と示す)は、確定停止表示により、16R確変大当り及び16R非確変大当りの何れの当選の可能性もあることを報知するとともに、大当り遊技の終了後が確変状態及び非確変状態の何れの可能性もあることを報知する。
【0093】
また、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドで特殊用変動パターンAP2が指定され、且つ特図用の停止図柄指定コマンドでショート大当り(図柄B)又は小当り(図柄D)が指定された場合、飾図(図柄組み合わせ)として、左右列の図柄が同一図柄で中列が装飾図柄(特殊図柄)となる大当り図柄を決定する。この場合、統括制御用CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドで指定された特図(当り)の種類に応じて、複数種類(本実施形態では2種類)の特殊図柄のうち何れかの特殊図柄の大当り図柄を決定する。
【0094】
具体的に、統括制御用CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドでショート大当り(図柄B)又は小当り(図柄D)が指定された場合、特殊図柄として中列が装飾図柄TZ1([弱])となる弱特殊図柄、及び中列が装飾図柄TZ2([強])となる強特殊図柄の何れの大当り図柄を決定する。弱特殊図柄の大当り図柄が決定される場合、図5(d)に示すように、画像表示部GH(演出表示装置11)では、[1・弱・1]などが確定停止表示されることになる。また、強特殊図柄の大当り図柄が決定される場合、図5(e)に示すように、画像表示部GH(演出表示装置11)では、[1・強・1]などが確定停止表示されることになる。
【0095】
そして、本実施形態において、統括制御用CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドでショート大当りが指定された場合、小当りが指定される場合よりも強特殊図柄を決定し易くなっている。また、統括制御用CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドで小当りが指定された場合、ショート大当りが指定される場合よりも弱特殊図柄を決定し易くなっている。なお、統括制御用CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドでショート大当りが指定された場合、小当りが指定される場合よりも強特殊図柄を決定し易くなっていれば、弱特殊図柄及び強特殊図柄の何れを決定し易くてもよい。また、統括制御用CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドで小当りが指定された場合、ショート大当りが指定される場合よりも弱特殊図柄を決定し易くなっていれば、弱特殊図柄及び強特殊図柄の何れを決定し易くてもよい。
【0096】
このため、本実施形態において、弱特殊図柄は、確定停止表示により、ショート大当り及び小当りの何れの当選の可能性もあるとともに、ショート大当りよりも小当りの当選の可能性が高いことを報知する。また、強特殊図柄は、確定停止表示により、ショート大当り及び小当りの何れの当選の可能性もあるとともに、小当りよりもショート大当りの当選可能性が高いことを報知する。その結果、本実施形態では、強特殊図柄である場合に弱特殊図柄に比して確変状態が付与される期待度(潜確期待度)が高いことを報知することになる。また、小当り遊技の終了後は、確変状態及び非確変状態の何れの場合もあることから、当り遊技の終了後が確変状態であるか否かに関係なく弱特殊図柄及び強特殊図柄の何れも確定停止表示されることになる。このため、本実施形態において、特殊図柄は、特定の演出用の図柄となる。
【0097】
そして、統括制御用CPU31aは、決定した飾図(図柄組み合わせ)を指示する飾図用の停止図柄指定コマンドを演出制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出制御基板32に出力する。
【0098】
また、統括制御用CPU31aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド、及びエンディングコマンドを入力すると、これらコマンドを演出制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、確変コマンドや変短コマンドを入力すると、確変状態や変短状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)を統括制御用RAM31cに設定する。そして、統括制御用CPU31aは、確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、及び非変短コマンドを入力するまで現在の設定内容を統括制御用RAM31cに記憶維持させる。統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cの前記設定内容によって、遊技状態が確変状態であるか否か、変短状態であるか否かを把握している。
【0099】
そして、統括制御用CPU31aは、図6に示すように、所定のモード移行条件の到来を契機に、該モード移行条件に応じた移行態様で演出モードの移行を制御する。統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに演出モードの種類を示すモードフラグ(情報)を設定することで、設定している演出モードを把握する。また、統括制御用CPU31aは、特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)の開始毎にモードフラグに示す演出モードを指示する演出指示コマンドを演出制御基板32に出力する。本実施形態において、演出モードの移行を制御する統括制御用CPU31aが、モード移行制御手段として機能する。
【0100】
本実施形態のパチンコ遊技機には、飾図による図柄変動ゲームを実行させるための複数種類(本実施形態では10種類)の演出モードが用意されている。具体的に、低モードMA1、中モードMA2、高モードMA3、及び超高モードMA4からなる非変短時潜伏演出モードMAが用意されている。また、1階モードMB1、2階モードMB2、3階モードMB3、及び4階モードMB4からなる変短時潜伏演出モードMBが用意されている。また、確変演出モードMK、及び通常演出モードMTが用意されている。各演出モードでは、図6に示すように、演出表示装置11において、対応する背景画像GA1〜GA4,GB1〜GB4,GK,GTが画像表示される。なお、本実施形態において、演出表示装置11では、飾図による図柄変動ゲームに関連して画像表示される背景画像が画像表示され、当該背景画像に重なるように各列の飾図が画像表示されて、これら飾図が変動表示されることで飾図による図柄変動ゲームが実行されるようになっている。そして、本実施形態では、演出表示装置11に画像表示される背景画像により各種演出モードを実行させ、背景画像の種類から現在滞在している演出モードの種類を遊技者が把握し得るようになっている。本実施形態における背景画像は、飾図による図柄変動ゲームで表示される飾図を除いて構成し得る画像であり、飾図による図柄変動ゲームで変動表示される飾図毎に対応付けて画像表示されるものとは異なっている。
【0101】
そして、統括制御用CPU31aは、大当り又は小当りの当選を契機に、当選の種類(特図や飾図)に応じた演出モードへの移行を定めている。この場合には、直前まで滞在していた演出モードから、対応する演出モードへの移行が行われる。なお、図6では、16R確変大当りで確変図柄である場合を「16R確(奇)」と示すとともに、16R確変大当りでチャンス図柄である場合を「16R確(偶)」と示す。また、図6では、16R非確変大当りである場合を「16R非」と示す。また図6では、ショート大当りである場合を「ショート」を示し、ショート大当り遊技の終了後が変短状態である場合を「ショート(あり)」と示すとともに、ショート大当り遊技の終了後が非変短状態である場合を「ショート(なし)」と示す。
【0102】
具体的に、16R確変大当りを特定する大当りの当選を契機としては、飾図が確変図柄(16R確(奇))であれば確変演出モードMKへの移行が定められている。すなわち、確変演出モードMKは、確変状態及び変短状態の付与中であることを遊技者に報知する。
【0103】
また、16R確変大当りを特定する大当りの当選を契機としては、飾図がチャンス図柄(16R確(偶))であれば変短時潜伏演出モードMBの中でも1階モードMB1への移行が定められている。また、16R非確変大当り(16R非)を特定する大当りの当選を契機としては、変短時潜伏演出モードMBの中でも1階モードMB1への移行が定められている。すなわち、変短時潜伏演出モードMBのそれぞれは、確変状態又は非確変状態の何れかであって、変短状態の付与中であることを遊技者に報知する。これら変短時潜伏演出モードMBは、確変状態であるか否かを遊技者に判別させ難くして確変状態を潜伏させる(潜確)させることができる潜伏演出モードである。
【0104】
そして、本実施形態では、変短時潜伏演出モードMBにおいて、1階モードMB1<2階モードMB2<3階モードMB3<4階モードMB4の順に、確変状態である期待度(潜確期待度)が高まるとともに、4階モードMB4では確変状態であることが確定するようになっている。
【0105】
また、ショート大当りを特定する大当りの当選を契機としては、当選時が変短状態(ショート)であれば、滞在中の演出モードを継続(再移行)させることが定められている。また、ショート大当りを特定する大当りの当選を契機としては、当選時が非変短状態であってショート大当り遊技の終了後が変短状態(ショート(あり))であれば、確変演出モードMKへの移行が定められている。また、ショート大当り(図柄B)を特定する大当りの当選を契機としては、当選時が非変短状態であってショート大当り遊技の終了後が非変短状態(ショート(なし))であれば、非変短時潜伏演出モードMAの何れかへの移行(継続(再移行)も含む)が定められている。また、小当り(図柄D)の当選を契機としては、当選時が変短状態であれば、滞在中の演出モードを継続(再移行)させることが定められている。また、小当り(図柄D)の当選を契機としては、当選時が非変短状態であれば、非変短時潜伏演出モードMAの何れかへの移行(継続(再移行)も含む)が定められている。すなわち、非変短時潜伏演出モードMAのそれぞれは、確変状態又は非確変状態の何れかであって、変短状態の付与中でないことを遊技者に報知する。これら非変短時潜伏演出モードMAは、確変状態であるか否かを遊技者に判別させ難くして確変状態を潜伏させる(潜確)させることができる潜伏演出モードである。
【0106】
そして、本実施形態では、非変短時潜伏演出モードMAにおいて、低モードMA1<中モードMA2<高モードMA3<超高モードMA4の順に、確変状態である期待度(潜確期待度)が高まるようになっている。そして、統括制御用CPU31aは、大当りや小当りの当選を契機として、非変短時潜伏演出モードMAの何れかへ移行(再移行)させる場合、ショート大当りで小当りよりも潜確期待度を高く設定したモードへの移行を決定し易いようになっている。
【0107】
また、非変短時潜伏演出モードMAの滞在中には、非変短時潜伏演出モードMA間を移行させ得るようになっている。そして、統括制御用CPU31aは、大当りや小当りに当選しないはずれの場合に行われるモード移行抽選の抽選結果に基づいて、非変短時潜伏演出モードMA間を移行させる。また、非変短時潜伏演出モードMAの滞在中には、モード移行抽選による通常演出モードMTへの移行とする抽選結果が導出されることを終了の条件として、非変短時潜伏演出モードMAを終了させて通常演出モードMTへの移行を定めている。この場合には、直前まで滞在していた非変短時潜伏演出モードMAから、モード移行抽選を行う特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)を経て、モード移行抽選の抽選結果に基づくモードへの移行が行われる。
【0108】
また、変短時潜伏演出モードMBの滞在中には、変短時潜伏演出モードMB間を移行させ得るようになっている。そして、統括制御用CPU31aは、大当りや小当りに当選しないはずれの場合に行われるモード移行抽選の抽選結果に基づいて、変短時潜伏演出モードMB間を移行させる。この場合には、直前まで滞在していた変短時潜伏演出モードMBから、モード移行抽選を行う特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)を経て、モード移行抽選の抽選結果に基づく変短時演出モードMBへの移行が行われる。また、変短時潜伏演出モードMBの滞在中には、非変短コマンドの入力に基づく変短状態の終了を契機に、通常演出モードMTへの移行を定めている。この場合には、直前まで滞在していた変短時潜伏演出モードMBから、変短状態での最後の特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)を経て、通常演出モードMTへの移行が行われる。
【0109】
このため、通常演出モードMTは、非変短状態の付与中であって、状況により、非確変状態であることを遊技者に報知したり、確変状態又は非確変状態の何れの状態であることを遊技者に報知したりする。そして、非変短時潜伏演出モードMAから移行する通常演出モードMTは、確変状態であるか否かを遊技者に判別させ難くして確変状態を潜伏させる(潜確)させることができる。一方、変短時潜伏演出モードMBから移行する通常演出モードMTは、非確変状態あることを遊技者に報知することになる。
【0110】
また、通常演出モードMTの滞在中には、非変短時潜伏演出モードMAの何れかへ移行させ得るようになっている。そして、統括制御用CPU31aは、大当りや小当りに当選しないはずれの場合に行われるモード移行抽選の抽選結果に基づいて、非変短時潜伏演出モードMAの何れかへ移行させる。この場合には、直前まで滞在していた通常演出モードMTから、モード移行抽選を行う特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)を経て、モード移行抽選の抽選結果に基づく非変短時潜伏演出モードMAへの移行が行われる。
【0111】
本実施形態において、大当りの当選を契機としてモードが移行される場合には、大当りの前後で、演出モードの変化とともに遊技状態の変化を伴う可能性がある。また、小当りの当選を契機としてモードが移行される場合には、小当りの前後で、演出モードの変化はあるが遊技状態の変化はないことになる。また、変短状態の終了を契機としてモードが移行される場合には、その前後で、演出モードの変化とともに変短状態の変化はあるが抽選確率状態の変化はないことになる。また、モード移行抽選の抽選結果に基づいてモードが移行される場合には、演出モードの変化はあるが遊技状態の変化はないことになる。
【0112】
次に、演出制御基板32の演出制御用CPU32aが演出制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
演出制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)をもとに、画像表示用データを選択する。演出制御用CPU32aは、画像表示用データをもとに飾図による図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU32aは、飾図による図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾図用の停止図柄指定コマンドで指示された飾図を演出表示装置11に確定停止表示させて飾図による図柄変動ゲームを終了させる。
【0113】
また、演出制御用CPU32aは、大当り遊技の制御に関するオープニングコマンド、ラウンドコマンド、及びエンディングコマンドを入力すると、対応する画像表示用データを選択する。また、演出制御用CPU32aは、小当り遊技の制御に関するオープニングコマンド、大入賞口19の開放の開始を指示するコマンド、エンディングコマンドを入力すると、対応する画像表示用データを選択する。そして、演出制御用CPU32aは、画像表示用データをもとに大当り遊技中及び小当り遊技中の各種演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU32aは、大当り遊技中及び小当り遊技中の各種演出の開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と画像表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
【0114】
また、演出制御用CPU32aは、演出モードを示す演出指示コマンドを入力すると、該コマンドで指示される演出モードに対応する背景画像用の画像表示用データを選択するとともに、この選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0115】
次に、本実施形態における演出モードの移行のうち、非変短状態及び変短状態におけるモード移行抽選について、図7〜図11に基づき詳しく説明する。
本実施形態において、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに設定(記憶)するサブ演出状態フラグにしたがったモード移行抽選を行うようになっている。すなわち、統括制御用CPU31aは、モード移行頻度としてのサブ演出状態フラグにしたがったモード移行抽選用のテーブルを用いてモード移行抽選を行うことになる。そして、モード移行抽選用のテーブルには、それぞれにモードの移行の傾向が定められており、この傾向によりモードの移行の態様が定められている。
【0116】
そして、本実施形態では、図7(a)に示すように、複数種類(本実施形態では4種類)のサブ演出状態フラグが用意されている。具体的にモード移行頻度[高]高確率にしたがったモード移行抽選を行うことを特定するサブ演出状態フラグが用意されている。そして、統括制御用CPU31aは、モード移行頻度[高]高確率にしたがったモード移行抽選を行う場合、統括制御用RAM31cにサブ演出状態フラグに[1]を設定する。また、モード移行頻度[高]擬似高確率にしたがったモード移行抽選を行うことを特定するサブ演出状態フラグが用意されている。そして、統括制御用CPU31aは、モード移行頻度[高]擬似高確率にしたがったモード移行抽選を行う場合、統括制御用RAM31cにサブ演出状態フラグに[2]を設定する。また、モード移行頻度[高]にしたがったモード移行抽選を行うことを特定するサブ演出状態フラグが用意されている。そして、統括制御用CPU31aは、モード移行頻度[高]にしたがったモード移行抽選を行う場合、統括制御用RAM31cにサブ演出状態フラグに[3]を設定する。また、通常状態にしたがったモード移行抽選を行うことを特定するサブ演出状態フラグが用意されている。そして、統括制御用CPU31aは、通常状態にしたがったモード移行抽選を行う場合、統括制御用RAM31cにサブ演出状態フラグに[0]を設定する。
【0117】
そして、統括制御用CPU31aは、図7(b)に示すように、サブ演出状態抽選を行うことで、サブ演出状態フラグを設定する。本実施形態のサブ演出状態抽選は、遊技状態毎に、特図変動ゲームの抽選結果となる図柄種別、さらに飾図による図柄変動ゲームで導出することになる飾図(図柄組み合わせ)に応じた、抽選時期において、これらに対応付けされた参照テーブルを用いて行われる。なお、図柄種別は、特図用の停止図柄指定コマンドで指定される特図である。
【0118】
具体的に、図柄種別が「はずれ」の場合には、遊技状態に関係なく変動開始(図柄変動ゲーム)を抽選契機としてサブ演出状態抽選を行うことが定められている。また、図柄種別が「はずれ」以外であって大当りや小当りに当選する場合には、遊技状態に関係なくオープニング演出の開始時(オープニング演出の指示時「OP」)を抽選契機としてサブ演出状態抽選を行うことが定められている。なお、本実施形態において統括制御用CPU31aは、大当り又は小当りの当選を契機とする移行先の演出モードを、オープニング演出からエンディング演出が行われるまで(当り遊技の開始から当り遊技の終了後)の間に決定するようになっている。このため、大当りや小当りにより設定されるサブ演出状態フラグを反映させた演出モードの移行を実現することができる。
【0119】
まず、サブ演出状態抽選で用いられる参照テーブルについて説明する。
本実施形態では、複数種類(本実施形態では5種類)のサブ演出状態抽選で用いられる参照テーブルが用意されている。具体的に、サブ演出状態1テーブルST1と、サブ演出状態2テーブルST2と、サブ演出状態3テーブルST3と、サブ演出状態4テーブルST4と、サブ演出状態5テーブルST5が用意されている。そして、各テーブルST1〜ST5では、その時のサブ演出状態フラグに基づいて、決定し得る演出状態フラグに乱数が振分けられている。例えば、サブ演出状態1テーブルST1には、図8(a)に示すように、モード移行頻度[高]高確率([高]高確率)又は通常状態であれば通常状態のみに乱数が振分けられている。また、サブ演出状態1テーブルST1には、モード移行頻度[高]擬似高確率([高]擬似高確率)であればモード移行頻度[高]擬似高確率又は通常状態に、モード移行頻度[高]([高])であればモード移行頻度[高]又は通常状態にそれぞれ所定個数の乱数が振分けられている。なお、統括制御用CPU31aは、各抽選(後述する抽選も含む)に用いる乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。そして、各抽選(後述する抽選も含む)に用いる乱数は、所定の周期毎に更新され、統括制御用RAM31cに記憶されている。
【0120】
このため、本実施形態では、サブ演出状態1テーブルST1が用いられる場合に、サブ演出状態フラグに通常状態を設定し得るとともに、その時のサブ演出状態によってはモード移行頻度[高]擬似高確率又はモード移行頻度[高]を設定し得る。また、本実施形態では、サブ演出状態2テーブルST2が用いられる場合に、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率を設定する。また、本実施形態では、サブ演出状態3テーブルST3又はサブ演出状態5テーブルST5が用いられる場合に、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]擬似高確率を設定する。また、本実施形態では、サブ演出状態4テーブルST4が用いられる場合に、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]擬似高確率又はモード移行頻度[高]を設定する。
【0121】
次に、遊技状態毎のサブ演出状態抽選について説明する。
まず、遊技状態に関係なく設定される内容について説明する。
本実施形態では、図柄種別が図柄Aである16R確変大当り(16R確)であれば、遊技状態に関係なくサブ演出状態2テーブルST2を用いることを定めている。また、本実施形態では、図柄種別が図柄Bであるショート大当り(ショート)であれば、遊技状態と飾図の特殊図柄に関係なくサブ演出状態2テーブルST2を用いることを定めている。すなわち、統括制御用CPU31aは、大当り遊技の終了後が確変状態となる場合に、遊技状態に関係なくサブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率を設定する。これにより、16R確変大当りを契機に遊技状態が確変状態且つ変短状態となる場合には、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率が設定されることになる。
【0122】
また、統括制御用CPU31aは、ショート大当りに関して遊技状態が確変状態及び非確変状態の何れかであるかに関係なく、且つ飾図が弱特殊図柄及び強特殊図柄の何れであるかに関係なくサブ演出状態2テーブルST2を用いることで、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率を設定する。これにより、ショート大当りを契機に遊技状態が確変状態且つ変短状態、又は確変状態且つ非変短状態となる場合には、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率が設定されることになる。
【0123】
このため、本実施形態において、モード移行頻度[高]高確率は、大当り遊技の終了後を確変状態とすることを定めた図柄種別(特図)に基づいて設定される高確率用のモード移行頻度となる。
【0124】
また、本実施形態では、図柄種別が図柄Cである16R非確変大当り(16R非)であれば、遊技状態に関係なくサブ演出状態3テーブルST3を用いることを定めている。すなわち、統括制御用CPU31aは、大当り遊技の終了後が非確変状態となる場合に、遊技状態に関係なくサブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]擬似高確率を設定する。これにより、16R非確変大当りを契機に遊技状態が非確変状態且つ変短状態となる場合には、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]擬似高確率が設定されることになる。
【0125】
このため、モード移行頻度[高]擬似高確率は、大当り遊技の終了後を非確変状態とすることを定めた図柄種別(特図)に基づいて設定される低確率用のモード移行頻度となる。
【0126】
次に、遊技状態が非確変状態且つ非変短状態(「低+無」)の場合について説明する。
この場合には、図柄種別が「はずれ」であれば、サブ演出状態1テーブルST1を用いることを定めている。すなわち、統括制御用CPU31aは、図柄種別が「はずれ」の場合に、サブ演出状態フラグに通常状態を設定し得る。
【0127】
また、この場合には、図柄種別が図柄Dである小当り、且つ飾図が弱特殊図柄であれば、サブ演出状態4テーブルST4を用いる一方、図柄種別が図柄Dである小当り、且つ飾図が強特殊図柄であれば、サブ演出状態5テーブルST5を用いることを定めている。この場合には、小当り遊技の終了後が非確変状態となる。すなわち、統括制御用CPU31aは、小当り遊技の終了後が非確変状態となる場合に、サブ演出状態4テーブルST4又はサブ演出状態5テーブルST5を用いることで、サブ演出状態フラグに低確率用のモード移行頻度となるモード移行頻度[高]擬似高確率又はモード移行頻度[高]を設定する。これにより、小当りを契機に遊技状態が非確変状態となる(非確変状態が継続(維持)される)場合には、ショート大当りとなる場合と異なるモード移行頻度[高]擬似高確率又はモード移行頻度[高]が設定されることになる。
【0128】
また、この場合に、統括制御用CPU31aは、特殊図柄に応じて異なるテーブルを用いることになる。具体的に、統括制御用CPU31aは、小当りであって弱特殊図柄となる場合に、サブ演出状態4テーブルST4を用いることで、モード移行頻度[高]擬似高確率又はモード移行頻度[高]を設定するとともに、モード移行頻度[高]をモード移行頻度[高]擬似高確率よりも設定し易い。また、統括制御用CPU31aは、小当りであって特殊図柄のうち潜確期待度の高い強特殊図柄となる場合に、サブ演出状態5テーブルST5を用いることで、モード移行頻度[高]擬似高確率を設定する。
【0129】
このため、本実施形態において、遊技状態が非確変状態且つ非変短状態の場合には、小当りであれば飾図の種類(特殊図柄)に基づいてサブ演出状態フラグが設定される。また、本実施形態において、モード移行頻度[高]は、小当りを定めた図柄種別(特図)に基づいて設定される小当り専用のモード移行頻度となる。
【0130】
なお、統括制御用CPU31aは、遊技状態が非確変状態且つ非変短状態において通常状態以外のサブ演出状態フラグが設定されてから行われた特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)が20回を超えていなければ、図柄種別が「はずれ」に基づくサブ演出状態抽選を行わないでその時のサブ演出状態フラグを維持させるようになっている。そして、非確変状態且つ非変短状態において通常状態以外のサブ演出状態フラグは、非確変状態且つ非変短状態における小当りの当選を契機として設定される。このため、本実施形態では、非確変状態且つ非変短状態においてサブ演出状態フラグが小当りにより設定される場合、その設定状態を少なくとも20回(大当りや小当りに当選しない)の特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)の間、維持させることになる。
【0131】
次に、遊技状態が確変状態且つ非変短状態(「高+無」)の場合について説明する。
この場合には、図柄種別が「はずれ」であれば、サブ演出状態2テーブルST2を用いることを定めている。すなわち、統括制御用CPU31aは、図柄種別が「はずれ」の場合に、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率を設定する。
【0132】
また、この場合には、図柄種別が図柄Dである小当りであれば、飾図の特殊図柄に関係なくサブ演出状態2テーブルST2を用いることを定めている。この場合には、小当り遊技の終了後が確変状態となる。すなわち、統括制御用CPU31aは、小当り遊技の終了後が確変状態となる場合に、飾図が弱特殊図柄及び強特殊図柄の何れであるかに関係なくサブ演出状態2テーブルST2を用いることで、サブ演出状態フラグに高確率用のモード移行頻度となるモード移行頻度[高]高確率を設定する。これにより、小当りを契機に遊技状態が確変状態となる(確変状態が継続(維持)される)場合には、ショート大当りとなる場合と同一のモード移行頻度[高]高確率が設定されることになる。
【0133】
このため、本実施形態において、遊技状態が確変状態且つ非変短状態の場合には、小当りであっても飾図の種類(特殊図柄)に関係なくサブ演出状態フラグが設定される。
なお、確変状態且つ非変短状態は、非確変状態且つ非変短状態におけるショート大当りの当選、及び確変状態且つ非変短状態における小当りの当選の何れかを契機として付与される。このため、確変状態且つ非変短状態では、付与に至った契機に関係なくサブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率が設定されている。そして、遊技状態が確変状態且つ非変短状態の場合には、図柄種別が「はずれ」であれば確変状態が継続されるので、サブ演出状態2テーブルST2を用いることで、モード移行頻度[高]高確率の設定を維持させるようになっている。
【0134】
次に、遊技状態が非確変状態且つ変短状態(「低+有」)の場合について説明する。
この場合には、図柄種別が「はずれ」であれば、サブ演出状態5テーブルST5を用いることを定めている。すなわち、統括制御用CPU31aは、図柄種別が「はずれ」の場合に、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]擬似高確率を設定する。
【0135】
また、この場合には、図柄種別が図柄Dである小当りであれば、飾図の特殊図柄に関係なくサブ演出状態5テーブルST5を用いることを定めている。この場合には、小当り遊技の終了後が非確変状態となる。すなわち、統括制御用CPU31aは、小当り遊技の終了後が非確変状態となる場合に、飾図が弱特殊図柄及び強特殊図柄の何れであるかに関係なくサブ演出状態5テーブルST5を用いることで、サブ演出状態フラグに低確率用のモード移行頻度となるモード移行頻度[高]擬似高確率を設定する。これにより、小当りを契機に遊技状態が非確変状態となる(非確変状態が継続(維持)される)場合には、ショート大当りとなる場合と異なるモード移行頻度[高]擬似高確率が設定されることになる。
【0136】
このため、本実施形態において、遊技状態が非確変状態且つ変短状態の場合には、小当りであっても飾図の種類(特殊図柄)に関係なくサブ演出状態フラグが設定される。
なお、非確変状態且つ変短状態は、16R非確変大当りの当選、及び非確変状態且つ変短状態における小当りの当選の何れかを契機として付与される。このため、非確変状態且つ変短状態では、付与に至った契機に関係なくサブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]擬似高確率が設定されている。そして、遊技状態が非確変状態且つ変短状態の場合には、図柄種別が「はずれ」であれば非確変状態が継続されるので、サブ演出状態5テーブルST5を用いることで、モード移行頻度[高]擬似高確率の設定を維持させるようになっている。
【0137】
また、本実施形態において、非確変状態且つ変短状態の遊技状態の場合には、変短状態の終了に伴って非確変状態且つ非変短状態の遊技状態に移行するとともに、合わせて通常演出モードMTに移行することになる。そして、このような場合には、サブ演出状態抽選を行うことなくサブ演出状態フラグに通常状態を設定するようになっている。
【0138】
次に、遊技状態が確変状態且つ変短状態(「高+有」)の場合について説明する。
この場合には、図柄種別が「はずれ」であれば、サブ演出状態2テーブルST2を用いることを定めている。すなわち、統括制御用CPU31aは、図柄種別が「はずれ」の場合に、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率を設定する。
【0139】
また、この場合には、図柄種別が図柄Dである小当りであれば、飾図の特殊図柄に関係なくサブ演出状態2テーブルST2を用いることを定めている。この場合には、小当り遊技の終了後が確変状態となる。すなわち、統括制御用CPU31aは、小当り遊技の終了後が確変状態となる場合に、飾図が弱特殊図柄及び強特殊図柄の何れであるかに関係なくサブ演出状態2テーブルST2を用いることで、サブ演出状態フラグに高確率用のモード移行頻度となるモード移行頻度[高]高確率を設定する。これにより、小当りを契機に遊技状態が確変状態となる(確変状態が継続(維持)される)場合には、ショート大当りとなる場合と同一のモード移行頻度[高]高確率が設定されることになる。
【0140】
このため、本実施形態において、遊技状態が確変状態且つ変短状態の場合には、小当りであっても飾図の種類(特殊図柄)に関係なくサブ演出状態フラグが設定される。
なお、確変状態且つ変短状態は、16R確変大当りの当選、確変状態又は変短状態におけるショート大当りの当選、及び確変状態且つ変短状態における小当りの当選の何れかを契機として付与される。このため、確変状態且つ変短状態では、付与に至った契機に関係なくサブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率が設定されている。そして、遊技状態が確変状態且つ変短状態の場合には、図柄種別が「はずれ」であれば確変状態が継続されるので、サブ演出状態2テーブルST2を用いることで、モード移行頻度[高]高確率の設定を維持させるようになっている。
【0141】
次に、モード移行抽選の具体的な態様について詳しく説明する。
そして、統括制御用CPU31aは、図9(a),(b)に示すように、モード移行抽選を行うことで、移行先の演出モードを決定して演出モードの移行の態様を制御する。本実施形態のモード移行抽選は、滞在中の演出モード毎に、サブ演出状態フラグに対応付けされた参照テーブルを用いて行われる。なお、モード移行抽選は、変動開始(はずれ(大当りや小当りに非当選)となる図柄変動ゲーム)を抽選契機としてモード移行抽選を行うことが定められている。
【0142】
まず、モード移行抽選で用いられる参照テーブルのうち特に非変短状態における通常演出モードMT及び非変短時潜伏演出モードMA(低モードMA1、中モードMA2、高モードMA3、及び超高モードMA4)で用いられる参照テーブルについて説明する。
【0143】
本実施形態では、滞在中の演出モード毎に、それぞれ複数種類(本実施形態では3種類)のモード移行抽選で用いられる参照テーブルが用意されている。具体的に、通常演出モードMTの滞在中に対し、通常[1]テーブルTT1と、通常[2]テーブルTT2と、通常[3]テーブルTT3とが用意されている。また、低モードMA1の滞在中に対し、低[1]テーブルAT11と、低[2]テーブルAT12と、低[3]テーブルAT13とが用意されている。また、中モードMA2の滞在中に対し、中[1]テーブルAT21と、中[2]テーブルAT22と、中[3]テーブルAT23とが用意されている。また、高モードMA3の滞在中に対し、高[1]テーブルAT31と、高[2]テーブルAT32と、高[3]テーブルAT33とが用意されている。また、超高モードMA4の滞在中に対し、超高[1]テーブルAT41と、超高[2]テーブルAT42と、超高[3]テーブルAT43とが用意されている。そして、各テーブルTT1〜TT3,AT11〜AT13,AT21〜AT23,AT31〜AT33,AT41〜AT43では、決定し得る移行先の演出モードに乱数が振分けられている。例えば、通常[1]テーブルTT1には、図10(a)に示すように、通常演出モードMT(通常)、低モードMA1(低)、中モードMA2(中)、又は高モードMA3(高)に所定個数の乱数が振分けられている。
【0144】
このため、本実施形態では、通常演出モードMTの滞在中であれば、通常[1]テーブルTT1及び通常[2]テーブルTT2が用いられる場合に、非変短時潜伏演出モードMAの何れかへの移行割合を同一にする一方、通常[1]テーブルTT1で通常[2]テーブルTT2に比して潜確期待度の高い演出モードへ移行し易くなっている。なお、本実施形態では、通常[1]テーブルTT1及び通常[2]テーブルTT2が用いられる場合に、超高モードMA4へ移行し得ない一方、通常[3]テーブルTT3が用いられる場合に、通常モードMTへ移行(維持)させるようになっている。
【0145】
また、本実施形態では、低モードMA1の滞在中であれば、低[1]テーブルAT11及び低[2]テーブルAT12が用いられる場合に、低モードMA1よりも潜確期待度の高い演出モードへの移行割合を同一にする一方、低[1]テーブルAT11で低[2]テーブルAT12に比して潜確期待度の高い演出モードへ移行し易くなっている。なお、本実施形態では、低[3]テーブルAT13が用いられる場合に、通常モードMTへ移行させるようになっている。
【0146】
また、本実施形態では、中モードMA2の滞在中であれば、中[1]テーブルAT21が用いられる場合に、中[2]テーブルAT22が用いられる場合に比して中モードMA2よりも潜確期待度の高い演出モードへ移行し易く、且つ中モードMA2よりも潜確期待度の低い演出モードへ移行し難くなっている。なお、本実施形態では、中[3]テーブルAT23が用いられる場合に、通常モードMTへ移行させるようになっている。
【0147】
また、本実施形態では、高モードMA3の滞在中であれば、高[1]テーブルAT31が用いられる場合に、高[2]テーブルAT32が用いられる場合に比して高モードMA3よりも潜確期待度の高い演出モードへ移行し易く、且つ高モードMA3よりも潜確期待度の低い演出モード(通常演出モードMTを含む)へ移行し難くなっている。なお、本実施形態では、高[3]テーブルAT33が用いられる場合に、通常モードMTへ移行させるようになっている。
【0148】
また、本実施形態では、超高モードMA4の滞在中であれば、超高[1]テーブルAT41及び超高[2]テーブルAT42が用いられる場合に、各演出モードへの移行割合を同一にしている。なお、本実施形態では、超高[3]テーブルAT43が用いられる場合に、通常モードMTへ移行させるようになっている。
【0149】
このため、本実施形態では、通常[1]テーブルTT1、低[1]テーブルAT11、中[1]テーブルAT21、又は高[1]テーブルAT31が用いられる場合に、演出モード毎に対応付けられる参照テーブルの中で潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度が、最も高い傾向を示すことになる。また、本実施形態では、通常[2]テーブルTT2、低[2]テーブルAT12、中[2]テーブルAT22、又は高[2]テーブルAT32が用いられる場合に、演出モード毎に対応付けられる参照テーブルの中で潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度が、前記最も高い傾向の次に高い傾向を示すことになる。なお、本実施形態では、超高[1]テーブルAT41又は超高[2]テーブルAT42が用いられる場合に、超高モードMA4に対応付けられる超高[3]テーブルAT43よりも非変短時潜伏演出モードMA間での移行頻度が、高い傾向を示すことになる。また、本実施形態では、通常[3]テーブルTT3、低[3]テーブルAT13、中[3]テーブルAT23、高[3]テーブルAT33、又は超高[3]テーブルAT43が用いられる場合に、演出モード毎に対応付けられる参照テーブルの中で潜確期待度の高い演出モードへ移行し得ない(最も低い)傾向を示すことになる。
【0150】
次に、非変短状態(非変短)におけるモード移行抽選について図9(a)基づきさらに詳しく説明する。
この場合には、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]高確率とモード移行頻度[高]擬似高確率であれば、演出モード毎に対応付けられる中で同一の参照テーブルを用いることを定めているとともに、潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度が、最も高い傾向を示す参照テーブルを用いることを定めている。具体的に、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]高確率とモード移行頻度[高]擬似高確率では、演出モードに合せて通常[1]テーブルTT1、低[1]テーブルAT11、中[1]テーブルAT21、高[1]テーブルAT31、又は超高[1]テーブルAT41が用いられる。
【0151】
また、この場合には、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]であれば、演出モード毎に対応付けられる中で潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度が、前記最も高い傾向の次に高い傾向を示す参照テーブルを用いることを定めている。具体的に、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]では、演出モードに合せて通常[2]テーブルTT2、低[2]テーブルAT12、中[2]テーブルAT22、高[2]テーブルAT32、又は超高[2]テーブルAT42が用いられる。
【0152】
また、この場合には、サブ演出状態フラグが通常状態であれば、演出モード毎に対応付けられる中で潜確期待度の高い演出モードへ移行し得ない(最も低い)傾向を示す参照テーブルを用いることを定めている。具体的に、サブ演出状態フラグが通常状態では、演出モードに合せて通常[3]テーブルTT3、低[3]テーブルAT13、中[3]テーブルAT23、高[3]テーブルAT33、又は超高[3]テーブルAT43が用いられる。
【0153】
次に、モード移行抽選で用いられる参照テーブルのうち特に変短状態における変短時潜伏演出モードMB(1階モードMB1、2階モードMB2、3階モードMB3、及び4階モードMB4)で用いられる参照テーブルについて説明する。
【0154】
本実施形態では、滞在中の演出モード毎に、それぞれ複数種類(本実施形態では2種類又は1種類)のモード移行抽選で用いられる参照テーブルが用意されている。具体的に、1階モードMB1の滞在中に対し、1階[1]テーブルBT11と、1階[2]テーブルBT12とが用意されている。また、2階モードMB2の滞在中に対し、2階[1]テーブルBT21と、2階[2]テーブルBT22とが用意されている。また、3階モードMB3の滞在中に対し、3階[1]テーブルBT31と、3階[2]テーブルBT32とが用意されている。また、4階モードMB4の滞在中に対し、4階[1]テーブルBT41が用意されている。そして、各テーブルBT11,BT12,BT21,BT22,BT31,BT32,BT41では、その時のサブ演出状態フラグに基づいて、決定し得る移行先の演出モードに乱数が振分けられている。例えば、1階[1]テーブルBT11には、図11(a)に示すように、1階モードMB1(1階)、2階モードMB2(2階)、3階モードMB3(3階)、又は4階モードMB4(4階)に所定個数の乱数が振分けられている。
【0155】
このため、本実施形態では、1階モードMB1の滞在中であれば、1階[1]テーブルBT11が用いられる場合に、1階[2]テーブルBT12が用いられる場合に比して1階モードMB1よりも潜確期待度の高い演出モードへ移行し易く、且つ1階モードMB1へ再移行(維持)し難くなっている。
【0156】
また、本実施形態では、2階モードMB2の滞在中であれば、2階[1]テーブルBT21及び2階[2]テーブルBT22が用いられる場合に、2階モードMB2へ再移行(維持)割合を同一にする一方、2階[1]テーブルBT21で2階[2]テーブルBT22に比して2階モードMB2よりも潜確期待度の高い演出モードへ移行し易くなっている。
【0157】
また、本実施形態では、3階モードMB3の滞在中であれば、3階[1]テーブルBT31が用いられる場合に、3階[2]テーブルBT32が用いられる場合に比して3階モードMB3よりも潜確期待度の高い演出モードへ移行し易く、且つ3階モードMB3へ再移行(維持)し難くなっている。なお、3階[2]テーブルBT32が用いられる場合には、4階モードMB4へは移行し得ないようになっている。
【0158】
また、本実施形態では、4階モードMB4の滞在中であれば、4階[1]テーブルBT41が用いられることで、4階モードMB4へ再移行(維持)させるようになっている。
このため、本実施形態では、1階[1]テーブルBT11、2階[1]テーブルBT21、又は3階[1]テーブルBT31が用いられる場合に、演出モード毎に対応付けられる参照テーブルの中で潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度が、高い傾向を示すことになる。また、本実施形態では、1階[2]テーブルBT12、2階[2]テーブルBT22、又は3階[2]テーブルBT32が用いられる場合に、演出モード毎に対応付けられる参照テーブルの中で潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度が、低い傾向を示すことになる。
【0159】
次に、変短状態(変短)におけるモード移行抽選について図9(b)基づきさらに詳しく説明する。
なお、本実施形態において、変短状態では、図7(b)に示したように、サブ演出状態フラグとしてモード移行頻度[高]高確率及びモード移行頻度[高]擬似高確率の何れかしか設定されないことになる。
【0160】
そして、この場合には、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]高確率であれば、潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度が、高い傾向を示す参照テーブルを用いることを定めている。具体的に、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]高確率では、演出モードに合せて1階[1]テーブルBT11、2階[1]テーブルBT21、又は3階[1]テーブルBT31が用いられる。なお、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]高確率で4階モードMB4の滞在中には、確変状態が確定していることから4階モード[1]テーブルBT41が用いられる。
【0161】
また、この場合には、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]擬似高確率であれば、潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度が、低い傾向を示す参照テーブルを用いることを定めている。具体的に、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]擬似高確率では、演出モードに合せて1階[2]テーブルBT12、2階[2]テーブルBT22、又は3階[2]テーブルBT32が用いられる。なお、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]擬似高確率では、非確変状態であることから4階モードMB4へ移行し得ないので、4階モード[1]テーブルBT41が用いられることがない。
【0162】
このように本実施形態のパチンコ遊技機では、サブ演出状態フラグに基づく演出モードの移行の態様を管理する構成とすることで、非変短状態及び変短状態であるかに応じてそれぞれに異なるゲーム性を実現している。
【0163】
そして、本実施形態では、ショート大当り又は小当りを契機に非変短状態が付与される場合、異なるサブ演出状態フラグを設定する一方で、ショート大当り又は小当りを契機とする非変短状態であればモード移行抽選で同一の参照テーブルを用いることになる。その結果、本実施形態では、非変短状態であれば、遊技状態が確変状態である場合に設定されるモード移行頻度[高]高確率と遊技状態が非確変状態である場合に設定されるモード移行頻度[高]擬似高確率である場合に、同一の参照テーブルが用いられることで、演出モードの移行の態様として同一の傾向を示すようになっている。すなわち、本実施形態では、サブ演出状態フラグに基づいて演出モードの移行の態様を管理する構成とすることで、非変短状態であれば、遊技状態が確変状態であるか非確変状態であるかに関係なく、演出モードの移行の態様として同一の傾向を示すようなゲーム性を実現している。
【0164】
さらに本実施形態では、非変短状態であれば、遊技状態が非確変状態における弱特殊図柄を伴う小当りの当選後、モード移行頻度[高]を設定し得るとともに、モード移行頻度[高]に基づくモード移行抽選でショート大当りの当選後とは異なる参照テーブルを用いることになる。その結果、本実施形態では、非変短状態であれば、遊技状態が非確変状態における弱特殊図柄を伴う小当りの当選後に設定されるモード移行頻度[高]と、ショート大当りの当選後に設定されるモード移行頻度[高]高確率とで、異なる参照テーブルが用いられることで、演出モードの移行の態様として異なる傾向を示すようになっている。すなわち、本実施形態では、サブ演出状態フラグに基づいて演出モードの移行の態様を管理する構成とすることで、非変短状態であれば、遊技状態が非確変状態における弱特殊図柄を伴う小当りの当選後、演出モードの移行の態様としてショート大当りの当選後と異なる傾向を示すようなゲーム性を実現している。なお、非変短状態であれば、遊技状態が非確変状態における強特殊図柄を伴う小当りの当選後、演出モードの移行の態様としてショート大当りの当選後と同一の傾向を示すようなゲーム性を実現している。
【0165】
さらに本実施形態では、非変短状態であれば、遊技状態が非確変状態で設定される通常状態である場合に、演出モードの移行の態様として、通常状態以外とは異なるとともに、通常演出モードMTへ即座に移行させる傾向を示すようになっている。すなわち、本実施形態では、サブ演出状態フラグに基づいて演出モードの移行の態様を管理する構成とすることで、非変短状態であれば、通常状態のもとで通常演出モードMTへ即座に移行させる傾向を示すようなゲーム性を実現している。
【0166】
一方、本実施形態では、変短状態であれば、遊技状態が確変状態である場合に設定されるモード移行頻度[高]高確率と遊技状態が非確変状態である場合に設定されるモード移行頻度[高]擬似高確率である場合に、異なる参照テーブルが用いられることで、演出モードの移行の態様として異なる傾向を示すようになっている。すなわち、本実施形態では、サブ演出状態フラグに基づいて演出モードの移行の態様を管理する構成とすることで、変短状態であれば、遊技状態が確変状態であるか非確変状態であるかに応じて、演出モードの移行の態様として異なる傾向を示すようなゲーム性を実現している。
【0167】
したがって、本実施形態では、非変短状態であれば、非確変状態(モード移行頻度[高]擬似高確率)であっても恰も確変状態(モード移行頻度[高]高確率)での演出モードの移行の態様であるかのように演出表現してなされる。一方、本実施形態では、変短状態であれば、非確変状態(モード移行頻度[高]擬似高確率)で確変状態(モード移行頻度[高]高確率)での演出モードの移行の態様とは異なるように演出表現してなされる。
【0168】
以上詳述したように、第1の実施形態は、以下の効果を有する。
(1)演出モードの移行の態様の制御に際しては、当り遊技の終了後の遊技状態に基づいて設定されるモード移行頻度(サブ演出状態フラグ)にしたがう構成とした。さらにモード移行頻度(サブ演出状態フラグ)に関しては当り遊技の終了後の遊技状態に応じて異なるモード移行頻度(サブ演出状態フラグ)を設定する構成とした。一方、モード移行の態様に関しては高確率用のモード移行頻度(モード移行頻度[高]高確率)及び低確率用のモード移行頻度(モード移行頻度[高]擬似高確率)において演出モードの移行の態様として同一の移行の態様で制御する(同一の参照テーブルに基づくモード移行抽選を行う)場合を含む構成とした。これにより、当り遊技の終了後が高確率抽選状態(確変状態)であるか否かに関係なく演出モードの移行の態様が、同一の移行の態様で制御され得ることになる。その結果、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで遊技の興趣を向上させることができる。
【0169】
(2)モード移行頻度(サブ演出状態フラグ)の設定に際しては、当り遊技の終了後の遊技状態を制御するための情報を定めた当り情報(特図)に基づいて設定される構成とした。これにより、モード移行頻度(サブ演出状態フラグ)については、内部制御(主制御用CPU30aによる遊技状態の制御)が行われる正確な情報に基づいて設定されることから、でたらめに展開される演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くするわけではないことになる。その結果、正確な内部の遊技状態を反映させつつも演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで遊技の興趣を向上させることができる。
【0170】
(3)モード移行頻度(サブ演出状態フラグ)の設定に際しては、当り情報(特図)に基づく当り遊技の終了後の遊技状態が、低確率抽選状態(非確変状態)及び高確率抽選状態(確変状態)の何れの場合にも決定される特定の演出用の図柄(飾図の特殊図柄)であれば、該特定の演出用の図柄(飾図の特殊図柄)の種類に基づいて設定される構成とした。これにより、演出用の図柄が特定の演出用の図柄(飾図が特殊図柄)である場合には、特定の演出用の図柄(飾図の特殊図柄)の種類に応じてモードの移行の態様を異ならせることで、実際の内部的な遊技状態と演出用の図柄(飾図)との組み合わせのバリエーションを増加させることができる。その結果、特に特定の演出用の図柄(飾図の特殊図柄)が決定される場合において、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで遊技の興趣を向上させることができる。
【0171】
(4)開放時間増加状態(変短状態)では、始動口(下始動入賞口16)への入球率が開放時間増加状態でない状態(非変短状態)に比して高く遊技者に有利な状態と位置付けられることから、遊技者に有利という点で遊技の興趣が高まっていると言える。このため、遊技の興趣が高まる要素を持つ開放時間増加状態(変短状態)では、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで、この間における遊技の興趣を却って低下させてしまう可能性もある。一方、開放時間増加状態でない状態(非変短状態)では、始動口(下始動入賞口16)への入球率が開放時間増加状態(変短状態)よりも低く遊技者に不利な状態と位置付けられることから、遊技者に不利という点で遊技の興趣が低くなりがちとも言える。このため、遊技の興趣が低くなりがちな要素を持つ開放時間増加状態でない状態(非変短状態)では、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで、この間における遊技の興趣を向上させ得る。そこで、演出モードの移行の態様としては、開放時間増加状態とならない場合(非変短状態)であれば高確率用のモード移行頻度(モード移行頻度[高]高確率)及び低確率用のモード移行頻度(モード移行頻度[高]擬似高確率)において同一の移行の態様で制御する(同一の参照テーブルに基づくモード移行抽選を行う)構成とした。一方、演出モードの移行の態様としては、開放時間増加状態(変短状態)となる場合であれば高確率用のモード移行頻度(モード移行頻度[高]高確率)及び低確率用のモード移行頻度(モード移行頻度[高]擬似高確率)において異なる移行の態様で制御する(異なる参照テーブルに基づくモード移行抽選を行う)構成とした。その結果、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くするというゲーム性を適切に設定することで、遊技全体の興趣を向上させることができる。
【0172】
(5)小当りの当選によっては、小当りの当選時における遊技状態が当り遊技の終了後に変化することがないことになる。このため、小当りの当選時においても演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くしてしまうと、実際には遊技状態に変化を及ぼし得ないのにかかわらず遊技者に過度な期待を与え得ることから、遊技の興趣を却って低下させてしまう可能性もある。そこで、モード移行頻度(サブ演出状態フラグ)には、小当りの当選に基づく当り遊技の終了後にのみ設定され得る小当り専用のモード移行頻度(モード移行頻度[高])を設ける構成とした。これにより、遊技者に過度な期待を与えることで遊技の興趣を却って低下させてしまうことを防止することができる。
【0173】
(6)モード移行頻度(サブ演出状態フラグ)は、当り情報(特図)に基づく当り遊技の終了後の遊技状態が、低確率抽選状態(非確変状態)及び高確率抽選状態(確変状態)の何れの場合にも決定される特定の演出用の図柄(飾図の特殊図柄)であれば該特定の演出用の図柄(特殊図柄)の種類と当り情報(特図)とに基づいて設定される構成とした。これにより、実際の内部的な遊技状態と演出用の図柄(飾図)との組み合わせのバリエーションを増加させる一方、でたらめに展開される演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くするわけでもないことになる。その結果、特に特定の演出用の図柄(飾図の特殊図柄)が決定される場合において、正確な内部の遊技状態を反映させつつも演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで遊技の興趣を向上させることができる。
【0174】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図12(a),(b)に基づき説明する。
なお、第2の実施形態は、非確変状態且つ非変短状態におけるサブ演出状態抽選の態様とモード移行抽選の態様が、第1の実施形態とは異なっている。そのため、第1の実施形態と同様の部分については、同一符号を付すことにし、その重複説明を省略する。
【0175】
まず、本実施形態の遊技状態が非確変状態且つ非変短状態(「低+無」)におけるサブ演出状態抽選について図12(a)に基づき説明する。
具体的に、本実施形態では、図柄種別が図柄Dである小当り、且つ強特殊図柄であれば、サブ演出状態2テーブルST2を用いることを定めている。この場合には、小当り遊技の終了後が非確変状態となる。すなわち、統括制御用CPU31aは、小当り遊技の終了が非確変状態となる場合に、強特殊図柄であればサブ演出状態2テーブルST2を用いることで、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率を設定する。これにより、小当りを契機に遊技状態が非確変状態となる(非確変状態が継続(維持)される)場合には、強特殊図柄であればショート大当りとなる場合と同一のモード移行頻度[高]高確率が設定され得ることになる。
【0176】
このため、本実施形態におけるモード移行頻度[高]高確率は、大当り遊技の終了後を確変状態及び非確変状態とする何れを定めた図柄種別(特図)においても設定されるモード移行頻度となる。
【0177】
次に、本実施形態の遊技状態が非確変状態且つ非変短状態におけるモード移行抽選の具体的な態様について図12(b)に基づき詳しく説明する。
そして、本実施形態において、統括制御用CPU31aは、図12(b)に示すように、モード移行抽選を行うことで、移行先の演出モードを決定して演出モードの移行の態様を制御する。
【0178】
この場合には、サブ演出状態フラグに応じて演出モード毎に対応付けられる中でそれぞれに異なる参照テーブルを用いることを定めているとともに、サブ演出状態フラグに応じて潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度として異なる傾向を示す参照テーブルを用いることを定めている。
【0179】
そして、この場合には、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]高確率であれば、演出モード毎に対応付けられる中で潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度が、最も高い傾向を示す参照テーブルを用いることを定めている。具体的に、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]高確率では、演出モードに合せて通常[1]テーブルTT1、低[1]テーブルAT11、中[1]テーブルAT21、高[1]テーブルAT31、又は超高[1]テーブルAT41が用いられる。
【0180】
また、この場合には、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]擬似高確率とモード移行頻度[高]であれば、演出モード毎に対応付けられる中で潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度が、前記最も高い傾向の次に高い傾向を示す参照テーブルを用いることを定めている。具体的に、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]擬似高確率とモード移行頻度[高]では、演出モードに合せて通常[2]テーブルTT2、低[2]テーブルAT12、中[2]テーブルAT22、高[2]テーブルAT32、又は超高[2]テーブルAT42が用いられる。
【0181】
また、この場合には、サブ演出状態フラグが通常状態であれば、演出モード毎に対応付けられる中で潜確期待度の高い演出モードへ移行し得ない(最も低い)傾向を示す参照テーブルを用いることを定めている。具体的に、サブ演出状態フラグが通常状態では、演出モードに合せて通常[3]テーブルTT3、低[3]テーブルAT13、中[3]テーブルAT23、高[3]テーブルAT33、又は超高[3]テーブルAT43が用いられる。
【0182】
そして、本実施形態では、ショート大当り又は強特殊図柄を伴う小当りを契機に非変短状態が付与される場合、同一のサブ演出状態フラグを設定することで、ショート大当り又は強特殊図柄を伴う小当りを契機とする非変短状態であればモード移行抽選で同一の参照テーブルを用いることになる。その結果、本実施形態では、非変短状態であれば、遊技状態が確変状態及び非確変状態の何れの場合にも同一の参照テーブルが用いられることで、演出モードの移行の態様として同一の傾向を示すようになっている。すなわち、本実施形態では、サブ演出状態フラグに基づいて演出モードの移行の態様を管理する構成とすることで、非変短状態であれば、遊技状態が確変状態であるか非確変状態であるかに関係なく、演出モードの移行の態様として同一の傾向を示すようなゲーム性を実現している。
【0183】
このように本実施形態では、非変短状態であれば、確変状態であるか否かに関係なく設定するサブ演出状態フラグを同一のモード移行頻度[高]高確率とすることで、非確変状態であっても恰も確変状態での演出モードの移行の態様であるかのように演出表現してなされる。一方、本実施形態では、変短状態であれば、確変状態であるか否かに応じて設定するサブ演出状態フラグを異ならせることで、非確変状態で確変状態での演出モードの移行の態様とは異なるように演出表現してなされる。
【0184】
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(2),(3),(5),(6)に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(7)演出モードの移行の態様の制御に際しては、当り遊技の終了後の遊技状態に基づいて設定されるモード移行頻度(サブ演出状態フラグ)にしたがう構成とした。さらにモード移行頻度(サブ演出状態フラグ)に関しては当り遊技の終了後が高確率抽選状態(確変状態)及び低確率抽選状態(非確変状態)となる場合に同一のモード移行頻度(モード移行頻度[高]高確率)を設定し得る構成とした。これにより、当り遊技の終了後が高確率抽選状態(確変状態)であるか否かに関係なく演出モードの移行の態様が、同一の移行の態様で制御され得る(同一の参照テーブルに基づくモード移行抽選を行い得る)ことになる。その結果、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで遊技の興趣を向上させることができる。
【0185】
(8)開放時間増加状態でない状態(非変短状態)では、始動口(下始動入賞口16)への入球率が開放時間増加状態(変短状態)よりも低く遊技者に不利な状態と位置付けられることから、遊技者に不利という点で遊技の興趣が低くなりがちとも言える。このため、遊技の興趣が低くなりがちな要素を持つ開放時間増加状態でない状態(非変短状態)では、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで、この間における遊技の興趣を向上させ得る。そこで、演出モードの移行の態様としては、開放時間増加状態とならない場合(非変短状態)であれば当り遊技の終了後が高確率抽選状態(確変状態)及び低確率抽選状態(非確変状態)となるときに、同一のモード移行頻度(モード移行頻度[高]高確率)を設定する構成とした。その結果、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くするというゲーム性を適切に設定することで、遊技全体の興趣を向上させることができる。
【0186】
(9)開放時間増加状態(変短状態)では、始動口(下始動入賞口16)への入球率が開放時間増加状態でない状態(非変短状態)に比して高く遊技者に有利な状態と位置付けられることから、遊技者に有利という点で遊技の興趣が高まっていると言える。このため、遊技の興趣が高まる要素を持つ開放時間増加状態(変短状態)では、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで、この間における遊技の興趣を却って低下させてしまう可能性もある。そこで、演出モードの移行の態様としては、開放時間増加状態(変短状態)となる場合であれば当り遊技の終了後が高確率抽選状態(確変状態)及び低確率抽選状態(非確変状態)となる場合に、異なるモード移行頻度(サブ演出状態フラグ)を設定する構成とした。その結果、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くするというゲーム性を適切に設定することで、遊技全体の興趣を向上させることができる。
【0187】
なお、上記各実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・各実施形態は、潜確状態を生じさせ得る構成であればよく、大当り(小当り)に関するスペックを変更することもできる。例えば、スペックとしては、16R非確変大当りを設定しないこともできる。また、スペックとしては、ショート大当りの終了後に非確変状態を付与するショート非確変大当りを設定することもできる。これによれば、ショート大当り、小当り、及びショート非確変大当りにより、確変状態であるか否かを遊技者に判別させ難くして確変状態を潜伏させる(潜確)ゲーム性を作り出すことができる。この場合には、第1の実施形態への適用であれば、ショート非確変大当りでサブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]擬似高確率を設定する仕様とする。一方、この場合には、第2の実施形態への適用であれば、非変短状態におけるショート非確変大当りでサブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率を設定する一方、変短状態におけるショート非確変大当りでサブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]擬似高確率を設定する仕様とする。なお、本別例では、小当りを設定しないで構成することもできる。また、本別例では、ショート非確変大当りに関し、小当りのように特殊図柄に基づいてサブ演出状態フラグの設定態様を異ならせることもできる。
【0188】
・各実施形態では、ショート大当りを契機とするサブ演出状態抽選において、小当りを契機とする場合と同様に特殊図柄(確定停止表示される飾図)に応じて、サブ演出状態フラグの設定態様を異ならせることもできる。
【0189】
・各実施形態では、非確変状態且つ非変短状態以外の遊技状態においても小当りを契機とするサブ演出状態抽選において、特殊図柄(確定停止表示される飾図)に応じてサブ演出状態フラグの設定態様を異ならせることもできる。
【0190】
・各実施形態では、特殊図柄(確定停止表示される飾図)に応じてサブ演出状態フラグの設定態様を異ならせる場合、特図に関する情報に関係なく構成してもよい。
・各実施形態では、小当りの専用のモード移行頻度となるモード移行頻度[高]を設定しなくてもよい。
【0191】
・各実施形態では、サブ演出状態フラグやモード移行抽選の構成について、変短状態で非変短状態と同様の構成としてもよいし、非変短状態と変短状態を入れ替えて構成してもよい。
【0192】
・各実施形態では、サブ演出状態フラグの設定に際し、特図にのみ基づく構成としてもよい。
・各実施形態では、サブ演出状態フラグの設定に際し、飾図にのみ基づく構成としてもよい。
【0193】
・各実施形態では、サブ演出状態フラグの設定に際し、特図ではなく遊技状態を指示する各種コマンドに基づいて設定する構成としてもよい。
・各実施形態では、モード移行抽選で参照される各テーブルにおけるモードの移行の態様の傾向の関係が保たれていれば、細かい乱数の振分け態様を変更してもよい。
【0194】
・各実施形態では、特定の演出用の図柄となる飾図を変更してもよく、例えば、特定の組み合わせとなるはずれ図柄としてもよい。
・各実施形態は、確変機能を少なくとも有していればよい。
【0195】
・各実施形態では、サブ演出状態1テーブルST1により通常状態が設定される契機を、変更してもよく「はずれ」時に毎回抽選する構成としてもよい。
・各実施形態は、サブ統括制御基板31を省略し、主制御基板30や演出制御基板32がサブ統括制御基板31の実行していた制御を実行するようにしてもよい。
【0196】
・各実施形態は、確変状態を付与する期間に上限を設定することもできる。例えば、10000回(確変状態中において十分に大当りに当選し得る回数)を設定したりすることもできる。また、確変状態の上限としては、4回、10回、100回など設定することもでき、このような場合には大当り遊技の終了後に必ず確変状態を付与する仕様を採用することもできる。
【0197】
・各実施形態における演出モードは、演出表示装置11で行われるものに限られず、可動体やランプやスピーカで行うものであってもよいし、専用の演出装置を別途設けてもよい。
【0198】
・各実施形態では、演出表示装置11を液晶式としたが、ドットマトリクス式や7セグメントLED式の表示装置としてもよいし、ドラム式などの機械式の表示装置としてもよい。
【0199】
・各実施形態は、1つの特図を用いるパチンコ遊技機に具体化したが、第1の特別図柄と第2の特別図柄からなる2つの特別図柄を用いて大当りの態様を抽選するパチンコ遊技機に具体化してもよい。
【0200】
・各実施形態では、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。この場合には、特別図柄が演出用の図柄となり得る。
【0201】
・各実施形態において、特図用の停止図柄指定コマンドは、図柄変動ゲームにおいて特別図柄表示装置12に確定停止表示させる図柄(特図)を示すコマンドでもよいし、当り(大当りや小当り)の種類を特定できる内容を示すコマンドであればよい。また、大当りや小当りの抽選結果や当り(大当りや小当り)の種類は、変動パターンから特定できる構成とすることもできる。この場合、変動パターン指定コマンドが当り(大当りや小当り)の抽選結果や当り(大当りや小当り)の種類も示すようにしてもよい。
【0202】
・第1の実施形態では、確変状態と非確変状態とで異なるサブ演出状態フラグを設定する一方で、異なるサブ演出状態フラグのもとでもモード移行抽選を同一の参照テーブルに基づき行わせることができる構成を有していれば、サブ演出状態抽選で用いられるテーブルにおける細かい乱数の振分け態様を変更してもよい。
【0203】
・第2の実施形態では、確変状態と非確変状態とで同一のサブ演出状態フラグを設定することができる構成を有していれば、サブ演出状態抽選で用いられるテーブルにおける細かい乱数の振分け態様を変更してもよい。
【0204】
・第2の実施形態では、非確変状態における強特殊図柄を伴う小当りを契機に非変短状態が付与される場合、モード移行頻度[高]高確率を設定できるようになっていればよく、例えば、専用のテーブルを設定するなどして実現してもよい。
【0205】
次に、上記各実施形態及び別例(変形例)から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)遊技球の入球を契機に前記図柄変動ゲームの始動条件を付与し、入球口を遊技球が入球し易い開放状態及び入球し難い閉鎖状態に可変させる開閉機構を有する始動口を備え、前記当り遊技の終了後には前記開閉機構の開放状態を取り得るように動作する単位時間あたりの開放時間が増加する開放時間増加状態に制御可能になっており、前記モード移行制御手段は、前記当り遊技の終了後が前記開放時間増加状態とならない場合に、前記当り遊技の終了後が前記高確率抽選状態及び前記低確率抽選状態となる場合に、同一の前記モード移行頻度を設定する請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【0206】
(ロ)前記モード移行制御手段は、前記当り遊技の終了後が前記開放時間増加状態となる場合、前記当り遊技の終了後が前記高確率抽選状態及び前記低確率抽選状態となる場合に、異なる前記モード移行頻度を設定する技術的思想(イ)に記載の遊技機。
【0207】
(ハ)前記当りには、前記当りの当選時における遊技状態を前記当り遊技の終了後も維持させることを定めた小当りを含み、前記モード移行頻度には、前記小当りの当選に基づく前記当り遊技の終了後にのみ設定され得る小当り専用のモード移行頻度が含まれている請求項1〜請求項3、及び技術的思想(イ)又は(ロ)のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【0208】
(ニ)前記モード移行制御手段は、前記特定の演出用の図柄が決定される場合における前記モード移行頻度の設定に際し、前記当り情報と前記特定の演出用の図柄の種類とに基づいて前記モード移行頻度を設定する請求項3に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0209】
A,B,C,D…特別図柄、MA(MA1〜MA4),MB(MB1〜MB4),MK,MT…演出モード、11…演出表示装置、12…特別図柄表示装置、30…主制御基板、30a…主制御用CPU、30b…主制御用ROM、30c…主制御用RAM、31…サブ統括制御基板、31a…統括制御用CPU、31b…統括制御用ROM、31c…統括制御用RAM、32…演出制御基板、32a…演出制御用CPU、32b…演出制御用ROM、32c…演出制御用RAM。
【技術分野】
【0001】
本発明は、高確率抽選状態である可能性があることを遊技者に報知する潜伏演出モードを設定可能な遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機の中には、大当り遊技の終了後、大当りの当選確率を低確率から高確率に変動させる確率変動(以下、「確変」と示す)状態を付与するものがある。このようなパチンコ遊技機においては、大当り遊技終了後、確変状態が付与されていないことを認識すると、遊技の興趣を低下させる虞があった。このため、確変状態が付与されているか否かを遊技者に認識させ難くすることで遊技の興趣の低下を防止するものがあった(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1では、潜伏確変大当りなどに当選した場合、確変状態(潜伏確変)の期待が持てる演出モード(潜伏期待演出モード)を設定することで、見た目上に確変状態であるか否かを遊技者に認識させ難くするようになっている。そして、特許文献1では、大当りなどの当選により付与される遊技状態に応じて演出モードの移行の態様の制御が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−162117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、演出モードの移行の態様の制御から確変状態であるか否かを容易に推測させてしまうと、確変状態の期待が持てる演出モードを設定する構成であっても却って遊技の興趣を低下させてしまう可能性があった。このため、演出モードの移行の態様の制御からも確変状態が付与されているか否かを遊技者に認識させ難くすることが望まれている。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、表示装置で行われる図柄変動ゲームが当りか否かを抽選する当り抽選が行われ、前記当り抽選に当選した場合には前記図柄変動ゲームの終了後に入賞手段を開放する当り遊技が行われ、前記当り遊技の終了後に前記当り抽選の抽選確率状態を前記当り抽選の当選確率が低確率抽選状態よりも高まる高確率抽選状態に制御可能であって、前記高確率抽選状態である可能性があることを遊技者に報知する潜伏演出モードを含む演出モードを設定可能な遊技機において、前記当り遊技の終了後の遊技状態に基づいてモード移行頻度を設定し、前記モード移行頻度にしたがって前記演出モードの移行の態様を制御するモード移行制御手段を備え、前記モード移行制御手段は、前記当り遊技の終了後が前記高確率抽選状態及び前記低確率抽選状態となる場合に、同一のモード移行頻度を設定し得ることを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記当り抽選を当選とする場合には前記当り遊技の終了後の遊技状態を制御するための情報を定めた当り情報が決定されるようになっており、前記モード移行制御手段は、前記当り情報に基づいて前記モード移行頻度を設定することを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機において、前記当り抽選に当選する場合に前記当り情報に基づいて前記図柄変動ゲームで確定的に停止表示させる演出用の図柄を決定する演出用図柄決定手段を備え、前記演出用の図柄には、前記当り情報に基づく前記当り遊技の終了後の遊技状態が前記低確率抽選状態及び前記高確率抽選状態の何れの場合にも決定される複数種類の特定の演出用の図柄を含み、前記モード移行制御手段は、前記特定の演出用の図柄が決定される場合における前記モード移行頻度の設定に際し、前記特定の演出用の図柄の種類に基づいて前記モード移行頻度を設定することを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】遊技盤を示す正面図。
【図2】当りの種類を説明する説明図。
【図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【図4】変動パターンを説明する説明図。
【図5】(a)〜(e)は飾図(図柄組み合わせ)の表示態様を説明する説明図。
【図6】モード移行の態様を説明する説明図。
【図7】(a)はサブ演出状態フラグを説明する説明図、(b)は第1の実施形態におけるサブ演出状態抽選を説明する説明図。
【図8】(a)〜(e)はサブ演出状態抽選で用いるテーブルを説明する説明図。
【図9】(a),(b)は第1の実施形態におけるモード移行抽選を説明する説明図。
【図10】(a)〜(e)はモード移行抽選で用いるテーブルを説明する説明図。
【図11】(a)〜(d)はモード移行抽選で用いるテーブルを説明する説明図。
【図12】(a)は第2の実施形態におけるサブ演出状態抽選を説明する説明図、(b)は第2の実施形態におけるモード移行抽選を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機に具体化した第1の実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。
【0013】
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示装置としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数の図柄列(本実施形態では3列)を変動表示させて行う図柄変動ゲームを含み、該図柄変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄、以下、「飾図」と示す)を用いて行われる。
【0014】
また、演出表示装置11の左下方には、複数個の発光体(本実施形態ではLED)が配設された盤面飾り部材Kが装着されている。そして、盤面飾り部材Kには、下段の左から7個の合計7個(複数個)の発光体で構成した特別図柄発光部を備えた特別図柄表示装置12が設けられている。そして、特別図柄表示装置12では各特別図柄発光部のうち、所定個数(1個以上)の特別図柄発光部の発光体を点灯させて、その点灯した特別図柄発光部の位置と個数によって区別される組み合わせを導出する図柄変動ゲームが発光表示されるようになっている。本実施形態のパチンコ遊技機では、図柄変動ゲームで点灯又は消灯する特別図柄発光部を特別図柄(以下、「特図」と示す)として扱っている。特図は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果、小当りか否かの内部抽選(小当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。以下、特別図柄表示装置12の図柄変動ゲームを「特図変動ゲーム」と示す。
【0015】
特別図柄表示装置12には、複数種類(本実施形態では、121種類)の特図の中から、大当り抽選又は小当り抽選の抽選結果に応じて選択された特図が、特図変動ゲームの終了によって確定停止表示される。特別図柄表示装置12における121種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄と、小当りを認識し得る図柄となる20種類の小当り図柄と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄と、に分類される。大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。小当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、小当り遊技が付与される。
【0016】
また、演出表示装置11には、各列毎に[1]〜[9]の9種類の数字が飾図として表示されるようになっている。また、演出表示装置11における各列の飾図は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って変動表示されるようになっている。図柄の変動(変動表示)とは、演出表示装置11、特別図柄表示装置12において、表示図柄の種類を変化させながら図柄又は図柄列が動作している状態を示す。
【0017】
そして、特別図柄表示装置12と演出表示装置11では、同時に特図変動ゲームと該特図変動ゲームに係わる表示演出(飾図による図柄変動ゲーム)が開始され、同時に終了する(即ち、同時に特図と飾図が確定停止表示される)。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、特別図柄表示装置12では発光体の点灯及び消灯することで特図の変動が開始する一方で、演出表示装置11では各列の飾図の変動が開始する。
【0018】
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当り(当り)を認識し得る大当り図柄(当り図柄)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄が原則として確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12にはずれを認識し得るはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄が原則として確定停止表示される。なお、演出表示装置11に確定停止表示される大当り図柄は、原則として、全列の飾図が同一図柄となる図柄組み合わせによって構成される([111],[222]など)。
【0019】
また、特別図柄表示装置12にはずれを認識し得るはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄が確定停止表示される。本実施形態において、飾図によるはずれ図柄は、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ([135],[246]など)、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせによって構成される([151],[767]など)。
【0020】
また、特別図柄表示装置12に小当り(当り)を認識し得る小当り図柄(当り図柄)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11に特殊図柄が確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12で大当り図柄が確定停止表示される場合でも、演出表示装置11に特殊図柄が確定停止表示される場合もある。なお、特殊図柄は、大当り抽選の抽選確率が低確率(通常確率)から高確率に変動する確率変動状態(以下、「確変状態」と示す)が付与される可能性があることを示唆する図柄(確変示唆図柄)である。本実施形態において、飾図による特殊図柄は、3列のうち、左右2列に表示された同一の数字図柄との組み合わせにより、中列が大当り又は小当りに当選したことを認識できる装飾図柄([弱]の装飾、[強]の装飾)となる図柄組み合わせによって構成される([1・弱・1]や[1・強・1]など)。
【0021】
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の飾図が一旦停止表示された場合、リーチが形成される。ここで、一旦停止表示とは、画像表示部GHにおいてゆれ変動状態で表示されている状態であり、画像表示部GHにおいて図柄が確定停止している確定停止表示とは区別される。
【0022】
また、盤面飾り部材Kにおいて特別図柄表示装置12(特別図柄発光部)の右方には、複数個(本実施形態では2個)の発光体(本実施形態ではLED)で構成した特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留表示装置13が配設されている。特別図柄保留表示装置13は、機内部で記憶した特図用の始動保留球の記憶数(以下、「特図保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。特図保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動入賞口(上始動入賞口15又は下始動入賞口16)に遊技球が入賞(入球)することで「1」加算される一方で、特図変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、特図変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入賞すると、特図保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。特図保留記憶数は、実行保留中の特図変動ゲームの実行回数を示す。
【0023】
また、盤面飾り部材Kにおいて特別図柄保留表示装置13の右方には、複数個(本実施形態では2個)の発光体(本実施形態ではLED)で構成した普通図柄発光部を備えた普通図柄表示装置14が配設されている。普通図柄表示装置14では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲーム(以下「普図ゲーム」と示す)が行われる。そして、普通図柄表示装置14では、大当り抽選や小当り抽選(当り抽選)とは別に行う普図当りか否かの内部抽選(後述する普図当り抽選)の抽選結果を表示する。すなわち、普図は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。そして、普図当り抽選に当選した場合(普図当りの場合)には、普図ゲームで普通図柄の当り図柄(本実施形態では左側の普通図柄表示部が点灯)が確定停止表示(導出)される。一方、普図当り抽選に当選しない場合(普図はずれの場合)には、普通図柄のはずれ図柄(本実施形態では右側の普通図柄表示部が点灯)が確定停止表示(導出)される。
【0024】
また、演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口としての上入賞口15aを有する上始動入賞口15が配設されている。上始動入賞口15の奥方には入賞した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1(図3に示す)が配設されている。また、上始動入賞口15の下方には、遊技球の入球口(始動口)としての下入賞口16aを有する下始動入賞口16が配設されている。下始動入賞口16は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉機構としての開閉羽根17を備えている。下始動入賞口16は、開閉羽根17の開動作により入口が拡大されて遊技球が入賞し易い開放状態とされる一方で、開閉羽根17の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入賞し難い閉鎖状態とされる。すなわち、開閉羽根17は、下始動入賞口16の下入賞口16aを、遊技球が入球し難い閉鎖状態から遊技球が入球し易い開放状態に可変させる。そして、下始動入賞口16の奥方には入賞した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2(図3に示す)が配設されている。上始動入賞口15及び下始動入賞口16は、入賞した遊技球を検知することにより、特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
【0025】
また、下始動入賞口16の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉18を備えた特別電動役物である入賞手段としての大入賞口19が配設されている。大入賞口19の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図3に示す)が配設されている。大入賞口19は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(本実施形態ではともに14個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口19は、大当り遊技中に大入賞口扉18の開動作によって開放されることで遊技球の入賞が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。なお、本実施形態における大入賞口19は、小当り遊技中にも大入賞口扉18の開動作によって開放される。
【0026】
また、遊技盤10において演出表示装置11の左方には、普通図柄作動ゲート(以下、「ゲート」と示す)20が配設されている。ゲート20の奥方には、入球し通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW4(図3に示す)が配設されている。ゲート20は、遊技球の通過を契機に、普図ゲームの始動条件(普図当り抽選の抽選契機)のみを付与し得る。
【0027】
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、遊技者にとって有利な確率変動(以下、「確変」と示す)状態が付与される場合がある。確変状態が付与された場合、大当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率(通常確率)から高確率へ変動(向上)される。また、確変状態は、次回の大当りが生起される迄の間、付与される。確変状態は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となる。
【0028】
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。変短機能は、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、ゲート20の通過に基づく普図当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率から高確率に変動させる変短状態を付与する機能である。また、変短状態中は、1回の普図当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根17の合計開放時間が、非変短状態中に比して長くなる。このように、変短状態は、開閉羽根17が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの下始動入賞口16への入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。そして、変短状態は、単位時間当りの開閉羽根17の開放時間が増加する開放時間増加状態であって、下始動入賞口16への入球率が向上する入球率向上状態でもある。
【0029】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当り遊技及び小当り遊技について図2を参照して以下に説明する。
大当り遊技は、特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)にて大当り図柄が確定停止表示され、該特図変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口19が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では16ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技では、大入賞口19の大入賞口扉18の開閉が所定回数行われるまでである。そして、1回のラウンド遊技中に大入賞口19は、規定個数(入球上限個数となる本実施形態では7球)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間となる本実施形態では25秒又は0.04秒)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
【0030】
本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、図2に示す複数種類(本実施形態では3種類)の大当りの中から1つの大当りが決定(選択)され、その決定された大当りに基づく大当り遊技が付与されるようになっている。そして、3種類の大当りのうち、何れの大当りとするかは、大当り抽選に当選した際に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定される。本実施形態において100種類の特図の大当り図柄は、図2に示すように、特図毎に分類される。そして、特図の大当り図柄では、大当りの種類が特定されるとともに大当り遊技(開放される大入賞口)の種類と当該大当り遊技の終了後を確変状態とするか否か及び変短状態とするか否かに基づく遊技状態が特定される。なお、特図の小当り図柄では、小当りが特定されるとともに小当り遊技と当該小当り遊技の終了後の遊技状態として当選時の遊技状態で継続(現状維持)させることが特定される。このため、本実施形態において、特図(特に当り図柄)が当り情報となる。
【0031】
そして、図柄Aには、特図の大当り図柄として45種類が振分けられている。図柄Bには、特図の大当り図柄として30種類が振分けられている。図柄Cには、特図の大当り図柄として25種類が振分けられている。図柄Dには、特図の小当り図柄として20種類が振分けられている。また、特図の大当り図柄の決定には、後述する特図振分用乱数が用いられ、その特図振分用乱数の抽出値をもとに特図が決定される。特図の大当り図柄には、各特図に対して、特図振分用乱数の取り得る数値(本実施形態では0〜99までの全100通りの整数値)が、所定個数ずつ(本実施形態では1つずつ)振分けられている。このため、特図の大当り図柄は、特図振分用乱数の値が特定されれば、一義的に決定する。また、特図の小当り図柄の決定には、後述する小当り図柄振分用乱数が用いられ、その小当り図柄振分用乱数の抽出値をもとに特図が決定される。特図の小当り図柄には、1つの特図に対して、小当り図柄振分用乱数の取り得る数値(本実施形態では、0〜19までの全20通りの整数値)が振分けられている。このため、特図の小当り図柄は、小当り図柄振分用乱数の値が特定されれば、一義的に決定する。なお、本実施形態では、小当り図柄振分用乱数の値に関係なく、1つの特図が決定される。
【0032】
そして、本実施形態において、大当り遊技及び小当り遊技では、同一の大入賞口19を開放させることが定められている。そして、図柄Aと図柄Cに基づく大当り遊技では、同一の大入賞口19の開放態様で開放させることが定められているとともに、これらと図柄Bに基づく大当り遊技とでは異なる大入賞口19の開放態様で開放させることが定められている。なお、図柄Bに基づく大当り遊技と図柄Dに基づく小当り遊技とでは、見た目上に同一の大入賞口19の開放態様で開放させることが定められている。
【0033】
具体的に、本実施形態における大当り遊技は、規定ラウンド数を「16回」とする大当り遊技としている。本実施形態の大当り遊技では、各ラウンド遊技を対象として1回のラウンド遊技中に大入賞口19を1回開放させて合計で16回開放させるようになっている。また、本実施形態の大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(「C(カウント)数」と示す)は「7球(7C)」に設定されている。
【0034】
そして、図柄A及び図柄Cに基づく大当り遊技では、各ラウンド遊技の大入賞口19の開放態様(最大開放時間)が「25秒」に設定されている。すなわち、この場合の大当り遊技は、大入賞口19を「25秒」開放させる動作を16回繰り返すことになる。また、図柄A及び図柄Cに基づく大当り遊技では、オープニング時間(「OP」)として「8秒」が、ラウンド間インターバル時間(「R間インターバル」)として「1.5秒」が、エンディング時間(「ED」)として「25秒」がそれぞれ設定されている。
【0035】
以下、図柄Aに基づく大当りを「16R確変大当り」と示すとともに、図柄Aに基づく大当り遊技を「16R確変大当り遊技」と示す。また、図柄Cに基づく大当りを「16R非確変大当り」と示すとともに、図柄Cに基づく大当り遊技を「16R非確変大当り遊技」と示す。以下、これらを纏めて「16R大当り」や「16R大当り遊技」と示す場合もある。
【0036】
なお、各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入賞することにより終了する場合もある。このため、16R大当り遊技において、各ラウンド遊技の合計開放時間としては「25(秒)」が最大時間となる。そして、本実施形態において、16R大当り遊技は、実質的に大入賞口へ遊技球を入賞させて賞球を獲得し得る場面(ラウンド遊技)が、1ラウンド目〜16ラウンド目(全て)の16回分のラウンド遊技となる。
【0037】
そして、16R確変大当り遊技の終了後には、確変状態(「次回」まで)と、その確変状態の終了時まで変短状態が付与されるようになっている。なお、図2では、確変状態の終了時まで変短状態を付与する場合を「次回」と表記している。また、16R非確変大当り遊技の終了後には、非確変状態と、100回(最大値)の特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)を対象として変短状態が付与される。
【0038】
また、図柄Bに基づく大当り遊技では、各ラウンド遊技の大入賞口19の開放態様(最大開放時間)が「0.04秒」に設定されている。すなわち、この場合の大当り遊技では、大入賞口19を「0.04秒」開放させる動作を16回繰り返すことになる。また、図柄Bに基づく大当り遊技では、オープニング時間(「OP」)として「0.004秒」が、ラウンド間インターバル時間(「R間インターバル」)として「1.5秒」が、エンディング時間(「ED」)として「2.86秒」がそれぞれ設定れている。
【0039】
以下、図柄Bに基づく大当りを「ショート大当り」と示すとともに、図柄Bに基づく大当り遊技を「ショート大当り遊技」と示す。
なお、各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入賞することにより終了する場合もある。しかしながら、ショート大当り遊技において、各ラウンドの開放時間として「0.04(秒)」が設定されているため、大入賞口19に入球上限個数分の遊技球を入賞させ得ないことになる。このため、ショート大当り遊技において、各ラウンド遊技では、大入賞口19に入球上限個数分の遊技球を入賞させる前に各ラウンド遊技が終了する。したがって、本実施形態において、ショート大当り遊技は、実質的に大入賞口19へ遊技球を入賞させ難いラウンド遊技で構成される。
【0040】
そして、ショート大当り遊技の終了後には、確変状態(「次回」まで)が付与される。また、ショート大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時が非確変状態且つ非変短状態(「低+無」)である場合、変短状態が付与されない(「無」)。一方、ショート大当り遊技の終了後には、大当り抽選の当選時が非確変状態且つ変短状態(「低+有」)、確変状態且つ非変短状態(「高+無」)、確変状態且つ変短状態(「高+有」)である場合、確変状態の終了時まで(「次回」まで)変短状態が付与される。この場合には、確変状態と変短状態がともに付与される。
【0041】
また、小当り遊技は、特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)にて小当り図柄が確定停止表示され、該特図変動ゲームの終了後に開始される。また、小当り遊技では、入球上限個数(「C(カウント)数」)が「7球(7C)」に設定されている。また、小当り遊技では、小当り遊技中の大入賞口19の開放回数として「16回」が、各開放における大入賞口19の開放態様(最大開放時間)として「0.04秒」が設定されている。また、小当り遊技では、オープニング時間(「OP」)として「8秒」が、大入賞口19の開放間インターバル時間として「1.5秒」が、エンディング時間(「ED」)として「2.86秒」がそれぞれ設定されている。
【0042】
なお、小当り遊技は、入賞上限個数分の遊技球が入賞することにより終了する場合もある。しかしながら、小当り遊技において、各開放時間として「0.04(秒)」が設定されているため、16回の開放全体を通して大入賞口19に入賞上限個数分の遊技球を入賞させ得ないことになる。このため、小当り遊技では、大入賞口19に入賞上限個数分の遊技球を入賞させる前に小当り遊技が終了する。したがって、本実施形態において、小当り遊技は、実質的に大入賞口19へ遊技球を入賞させ難く構成される。
【0043】
小当りでは、小当り遊技の終了後の遊技状態を、小当り抽選の当選時の遊技状態で継続(現状維持)するようになっている。すなわち、小当りでは、小当り抽選の当選時に確変状態が付与されていれば小当り遊技の終了後も確変状態を継続(現状維持)して付与する一方、確変状態が付与されていなければ小当り遊技の終了後にも継続(現状維持)して確変状態を付与しない。また、小当りでは、小当り抽選の当選時に変短状態が付与されていれば小当り遊技の終了後にも変短状態を継続(現状維持)して付与する一方、変短状態が付与されていなければ小当り遊技の終了後にも継続(現状維持)して変短状態を付与しない。
【0044】
本実施形態における16R大当り遊技では、16R確変大当り遊技及び16R非確変大当り遊技の何れか大入賞口の開放態様などから、見た目上に判別し得ないようになっている。また、本実施形態におけるショート大当り遊技と小当り遊技では、開放させる大入賞口19、大入賞口19の開放態様(開放時間)、オープニング時間、及び開放と開放の間の時間(ラウンド間インターバル時間と開放間インターバル時間)がそれぞれ同一に設定されている。このため、ショート大当り遊技と小当り遊技では、これらにおける大入賞口19の開放態様が、同一となる。したがって、ショート大当り遊技と小当り遊技では、大入賞口19の開放態様などから、見た目上に違いを判別し得ないようになっている。
【0045】
なお、大入賞口の開放態様などから、見た目上に違いを判別し得ない大当り遊技(小当り遊技)に関しては、大当り遊技(小当り遊技)の契機となる飾図による図柄変動ゲームや、大当り遊技中(小当り遊技中)の演出からも、見た目上に違いを判別し得ないように演出を設定している。
【0046】
そして、16R大当り遊技が付与される場合には、大当り遊技の終了後が確変状態及び非確変状態の何れの場合もあり得る一方で、変短状態の付与態様に関してもこれらの間で、同一となる。その結果、16R大当り遊技が付与される場合には、確変状態であるか否かを遊技者に判別させ難くして確変状態を潜伏させる(潜確)ゲーム性を作り出している。そして、このような場合には、確変状態が付与されていることに対して期待を持てる場面となる。
【0047】
また、ショート大当り遊技又は小当り遊技が付与される場合には、大当り遊技の終了後が確変状態及び非確変状態の何れの場合もあり得る一方で、変短状態の付与態様に関してもこれらの間で、同一となり得る。その結果、ショート大当り遊技又は小当り遊技が付与される場合には、確変状態であるか否かを遊技者に判別させ難くして確変状態を潜伏させる(潜確)ゲーム性を作り出している。そして、このような場合には、確変状態が付与されていることに対して期待を持てる場面となる。
【0048】
次に、パチンコ遊技機の電気的構成を図3に基づき説明する。
機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板31と、演出制御基板32とが装着されている。
【0049】
サブ統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出制御基板32を制御する。また、演出制御基板32は、主制御基板30とサブ統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。
【0050】
以下、主制御基板30、サブ統括制御基板31、及び演出制御基板32の具体的構成について図3に基づき説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、盤面飾り部材K内に装着される盤面飾り基板K1を介して、特別図柄表示装置12、特別図柄保留表示装置13、及び普通図柄表示装置14が接続されている。これら表示装置を形成する各発光体は、盤面飾り基板K1に実装されている。
【0051】
また、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分用乱数、小当り図柄振分用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数、及び普図当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)及び小当り抽選(小当り判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り図柄を決定する際に用いられる乱数である。小当り図柄振分用乱数は、小当り図柄を決定する際に用いられる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選及び小当り抽選の何れにも当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、特図変動ゲームの変動パターンを選択する際に用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当り抽選で用いる乱数である。また、主制御用CPU30aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0052】
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、小当り判定値、リーチ判定値、普図当り判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜65535までの全65536通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、非確変状態用の大当り判定値として169個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は65536分の169となる。一方、確変状態用の大当り判定値として1690個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は65536分の1690となる。
【0053】
小当り判定値は、小当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜65535までの全65536通りの整数)の中から、大当り判定値と重複しないように定められている。本実施形態では、小当り判定値として333個の値が設定されている。これにより、小当り抽選で当選する確率は65536分の333となる。
【0054】
リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。
【0055】
普図当り判定値は、普図当り抽選で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜65535までの全65536通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、非変短状態用の普図当り判定値として3800個の値が設定されており、普図当り抽選で当選する確率は65536分の3800となる。一方、本実施形態では、変短状態用の普図当り判定値として65535個の値が設定されており、普図当り抽選で当選する確率は65536分の65535となる。
【0056】
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)の変動が開始してから図柄(特図及び飾図)が確定停止表示されるまでの間の演出のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、及びはずれ変動用の変動パターンに分類できる。当り変動は、大当り抽選又は小当り抽選に当選した場合に行われる変動である。そして、当り変動では、特図変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄又は小当り図柄を確定停止表示させる。一方、当り変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的に大当り図柄又は特殊図柄を確定停止表示させる。はずれリーチ変動は、大当り抽選及び小当り抽選に当選せずに、リーチ抽選に当選した場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれリーチ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。はずれ変動は、大当り抽選、小当り抽選、及びリーチ抽選の何れにも当選しなかった場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経ないで、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。なお、特図変動ゲームでは、特図の変動が開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで特図の変動が継続される。そして、大当り変動用、はずれリーチ変動用及びはずれ変動用の変動パターンは、それぞれ複数種類あり、何れかが選択される。
【0057】
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機における変動パターンについて、図4を参照して説明する。
本実施形態では、はずれ変動用の変動パターンとして、はずれ用変動パターンHPが用意されている。はずれ用変動パターンHPは、はずれ(リーチ抽選に非当選)の内部抽選の場合に選択される。そして、はずれ用変動パターンHPでは、飾図による図柄変動ゲームで最終的にはずれ図柄(リーチを形成しない)を確定停止表示させる内容を特定する。
【0058】
また、はずれリーチ変動用の変動パターンとして、はずれリーチ用変動パターンRPが用意されている。はずれリーチ用変動パターンRPは、はずれ(リーチ抽選に当選)の内部抽選の場合に選択される。そして、はずれリーチ用変動パターンRPでは、飾図による図柄変動ゲームで最終的にはずれ図柄(リーチを形成する)を確定停止表示させる内容を特定する。
【0059】
また、当り変動用の変動パターンとして、大当り用変動パターンAP1と、特殊用変動パターンAP2とが用意されている。大当り用変動パターンAP1は、大当りの内部抽選で大当り図柄(特図)が図柄A又は図柄Cの場合に選択される。そして、大当り用変動パターンAP1では、飾図による図柄変動ゲームで最終的に全列の図柄が(同一図柄)となる大当り図柄を確定停止表示させる内容を特定する。また、特殊用変動パターンAP2は、大当りの内部抽選で大当り図柄(特図)が図柄Bの場合に選択される。また、特殊用変動パターンAP2は、小当りの内部抽選で小当り図柄(図柄D)の場合に選択される。そして、特殊用変動パターンAP2では、飾図による図柄変動ゲームで最終的に特殊図柄を確定停止表示させる内容を特定する。本実施形態において、全列の図柄が(同一図柄)では、16R大当りが確定する。また、特殊図柄では、ショート大当り及び小当りの何れの可能性もある。
【0060】
このため、本実施形態では、大当り又は小当りの種類に関係なく、飾図による図柄変動ゲームで特殊図柄が確定停止表示される場合、特殊用変動パターンAP2に基づく演出内容で図柄変動ゲームが行われて、さらに特殊図柄が確定停止表示されることになる。したがって、本実施形態では、ショート大当り及び小当りの当選時、これらに対応するショート大当り遊技又は小当り遊技の開始に際し、同一の演出内容で特殊図柄を確定停止表示させる図柄変動ゲームを行わせることができるように構成されている。
【0061】
なお、図4に示した各種の変動パターンは、複数種類の変動パターンのうち一部である。このため、実際には、はずれリーチ変動用の変動パターンと当り変動用の変動パターンとして、図柄変動ゲームの演出内容を同一とするパターンが含まれて構成されている。
【0062】
次に、サブ統括制御基板31について説明する。
サブ統括制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU31aと、統括制御用CPU31aの統括制御プログラムや各種のテーブルを格納する統括制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM31cが設けられている。統括制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、統括制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0063】
次に、演出制御基板32について説明する。
演出制御基板32には、制御動作を所定の手順で実行することができる演出制御用CPU32aと、演出制御用CPU32aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM32bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM32cが設けられている。演出制御用CPU32aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用ROM32bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
【0064】
以下、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。なお、特別図柄開始処理は、特別図柄入力処理の終了後に実行される。
【0065】
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
まず、主制御用CPU30aは、始動口スイッチ(上始動口スイッチSW1又は下始動口スイッチSW2)から検知信号を入力しているか否かに基づいて始動入賞口(上始動入賞口15又は下始動入賞口16)に遊技球が入賞したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている特図保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する。特図保留記憶数が「4」未満の場合、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数を1加算(+1)し、特図保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数の書き換えに伴って特別図柄保留表示装置13の表示内容を更新させる。
【0066】
続いて、主制御用CPU30aは、各種乱数(当り判定用乱数、特図振分用乱数、小当り図柄振分用乱数、リーチ判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数)のそれぞれの値を主制御用RAM30cから読み出して取得する。主制御用CPU30aは、ここで取得した各値を特図保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に格納する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0067】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
まず、主制御用CPU30aは、図柄(特図及び飾図)が変動表示中(変動中)であるか否か、又は当り中(大当り遊技中又は小当り遊技中)であるか否かの実行条件判定を実行する。この実行条件判定の判定結果が肯定の場合(変動中又は当り中である場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、実行条件判定の判定結果が肯定の場合(変動中又は当り中でない場合)、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数を読み出し、特図保留記憶数が「0」よりも大きいか否かの保留判定を実行する。この保留判定の判定結果が否定の場合(特図保留記憶数が「0」の場合)、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、保留判定の判定結果が肯定の場合(特図保留記憶数が「0」よりも大きい場合)、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームに係る制御を実行する。その際に主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの特別図柄変動処理フラグに「1」を設定することにより、特図変動ゲームを実行することを示す情報を設定する。そして、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数を1減算(−1)し、特図保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数の書き換えに伴って特別図柄保留表示装置13の表示内容を更新させる。
【0068】
続いて、特図変動ゲームに係る制御を実行する主制御用CPU30aは、特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値を読み出し、該値が主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う。大当り抽選において、主制御用CPU30aは、遊技状態に応じた大当り判定値を用いて大当り判定を行う。なお、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに設定された制御フラグ(後述する確変フラグ)に基づき現在の遊技状態が確変状態か否かを把握する。
【0069】
大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている特図振分用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、その読み出した特図振分用乱数の値に基づき、特図による大当り図柄の中から特別図柄表示装置12に確定停止表示させる最終停止図柄(特図)を決定する。その後、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている変動パターン振分用乱数の値に基づき、確定停止表示させる特図により選択し得る当り変動用の変動パターンの中から変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0070】
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、主制御用CPU30aは、大当り判定時に読み出した当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている小当り判定値と一致するか否かを判定して小当り判定(小当り抽選)を行う。
【0071】
続いて、小当り判定の判定結果が肯定の場合(小当りの場合)、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている小当り図柄振分用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、その読み出した小当り図柄振分用乱数の値に基づき、特図による小当り図柄を特別図柄表示装置12に確定停止表示させる最終停止図柄(特図)として決定する。その後、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている変動パターン振分用乱数の値に基づき、確定停止表示させる特図により選択し得る当り変動用の変動パターンの中から変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0072】
一方、大当り判定及び小当り判定の判定結果が共に否定の場合(大当りでも小当りでもない場合)、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されているリーチ判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、その読み出したリーチ判定用乱数の値に基づき、リーチを形成させる(リーチあり)か否かを判定するリーチ判定(リーチ抽選)を行う。
【0073】
そして、リーチ判定の判定結果が肯定の場合(リーチ抽選でリーチに当選したことから)、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を特別図柄表示装置12にて確定停止表示させる最終停止図柄(特図)として決定する。その後、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている変動パターン振分用乱数の値に基づき、選択し得るはずれリーチ演出用の変動パターンの中から変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0074】
一方、リーチ判定の判定結果が否定の場合(リーチ抽選でリーチに当選しなかったことから)、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を特別図柄表示装置12にて確定停止表示させる最終停止図柄(特図)として決定する。その後、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数のうち最先の保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている変動パターン振分用乱数の値に基づき、選択し得るはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0075】
このように特別図柄開始処理を実行することで、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームの開始時に、最先の保留記憶数に対応付けられて記憶されている乱数の各値に基づき、該各値が示す特図変動ゲームの演出内容を判定する。
【0076】
そして、特図及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図を指示する特図用の停止図柄指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力する。また、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームの開始により特図の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特図(大当り図柄、小当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
【0077】
そして、主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく特図変動ゲームの終了後、特図で特定される大当りの種類に基づく大当り遊技の制御(当り遊技制御)を開始する。その際に主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに大当り遊技を開始させたことを示す情報を設定する。主制御用CPU30aは、大当り遊技において、大当り遊技の開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、各ラウンド遊技の開始時にラウンドコマンドを出力し、さらに大当り遊技の終了時にエンディングコマンドを出力する。オープニングコマンドはオープニング(演出)の開始を指示し、ラウンドコマンドはラウンド遊技(演出)の開始を指示し、エンディングコマンドはエンディング(演出)の開始を指示する。
【0078】
また、主制御用CPU30aは、小当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく特図変動ゲームの終了後、小当り遊技の制御(当り遊技制御)を開始する。その際に主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに小当り遊技を開始させたことを示す情報を設定する。主制御用CPU30aは、小当り遊技において、小当り遊技の開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、小当り遊技中の大入賞口19の開放の開始を指示するコマンドを出力し、さらに小当り遊技の終了時にエンディングコマンドを出力する。大入賞口19の開放の開始を指示するコマンドは、小当り遊技の大入賞口19の開閉動作中における演出の開始を指示する。
【0079】
そして、主制御用CPU30aは、大当り遊技又は小当り遊技において、大入賞口19の開閉動作を対応する開放態様で制御する。本実施形態において、主制御用CPU30aは、大当り遊技の制御又は小当り遊技の制御の開始からオープニング時間(所定時間)が経過すると、大入賞口19を開放させて初回の開放を開始させるように制御する。
【0080】
続いて、主制御用CPU30aは、大当り遊技の制御であれば、ラウンド遊技毎に予め定めたラウンド遊技時間を計測するとともに、カウントスイッチSW3からの検知信号を入力してラウンド遊技中に入球した遊技球の入球個数をカウントする。そして、主制御用CPU30aは、大当り遊技の各ラウンド遊技において、ラウンド遊技時間が経過したこと、及び入球上限個数の遊技球が入球したことの何れかを満たすことにより、開放させている大入賞口19を閉鎖させるように制御する。また、主制御用CPU30aは、小当り遊技の制御であれば、最大開放時間を計測するとともに、カウントスイッチSW3からの検知信号を入力して小当り遊技中に入球した遊技球の入球個数をカウントする。そして、主制御用CPU30aは、小当り遊技において、最大開放時間が経過する、及び入球上限個数の遊技球が入球するまでにおいて、大入賞口19を最大で16回開放させる。なお、主制御用CPU30aは、小当り遊技において、大入賞口19を16回開放させる前に、入球上限個数の遊技球が入球することにより、大入賞口19を閉鎖させて小当り遊技を終了させる場合もある。
【0081】
また、大当り遊技を終了させた主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、遊技状態を確変状態とする場合には、確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定するとともに、確変状態を付与することを示す確変コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、非確変状態を付与する場合、確変フラグに「0」を設定するとともに、非確変状態を付与することを示す非確変コマンドを出力する。同様に、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、変短状態を付与する場合、変短状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態を付与することを示す変短コマンドを出力する。なお、本実施形態において主制御用CPU30aは、非確変大当りに当選している場合、作動回数に100回を設定し、図柄変動ゲームが実行される毎に作動回数を1減算し、作動回数が「0(零)」になると、変短状態の終了条件の成立として変短状態を終了させる。合わせて主制御用CPU30aは、作動フラグに「0」を設定するとともに、非変短状態を付与することを示す非変短コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、非変短状態を付与する場合、作動フラグに「0」を設定するとともに、非変短コマンドを出力する。なお、小当り遊技の終了後、小当り当選時の遊技状態が維持されることから、主制御用CPU30aは、小当り当選時の遊技状態に設定する。そして、これに合わせて主制御用CPU30aは、小当り当選時の遊技状態となるように確変状態や変短状態などの遊技状態を指定するコマンドを出力する。その際に、作動回数が設定されていた場合には、小当り当選時の作動回数に関しても維持させる。
【0082】
また、確変フラグ及び作動フラグは、大当り遊技や小当り遊技が付与された場合にクリアされる(「0」が設定される)ようになっている。この場合、主制御用CPU30aは、大当りや小当りが生起された場合、大当り遊技や小当り遊技の開始に伴って確変状態及び変短状態を終了させる。また、確変フラグ及び作動フラグは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されるようになっている。これら確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、非変短コマンドにより、統括制御用CPU31aは、現在、確変状態であるか非確変状態であるか、又は変短状態であるか非変短状態であるかを把握することができる。
【0083】
そして、大当り遊技又は小当り遊技を終了させた主制御用CPU30aは、終了時点における特図保留記憶数を確認し、その始動保留球をもとに、特図変動ゲームに係る処理を実行し、特図変動ゲームを行わせる。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技又は小当り遊技の終了時点における特図保留記憶数が「0」の場合、始動入賞口に遊技球が入球する迄の間、特図変動ゲームを実行させることなく、待機する。
【0084】
次に、主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する普図ゲームに関する処理について説明する。
主制御用CPU30aは、ゲート20を遊技球が通過し、該遊技球を検知したゲートスイッチSW4が出力する検知信号を入力すると、普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM30cから取得し、その値を普通図柄用の始動保留球の記憶数(以下、普図始動保留記憶数と示す)に対応付けて主制御用RAM30cに一時的に記憶する。なお、主制御用CPU30aは、普図始動保留記憶数が上限数(本実施形態では4)に達していない場合、普図始動保留記憶数を1加算して普図保留記憶数を書き換える一方で、普図始動保留記憶数が上限数に達している場合、上限数を超える普図始動保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普図当り判定用乱数の値も取得しない。
【0085】
そして、主制御用CPU30aは、普通図柄が変動表示中ではなく、普図当り遊技中ではないときに、普図始動保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cに記憶した普図当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、該値と普図当り判定値とを比較し、普図当りか否かの普図当り判定(普図当り抽選)を行う。なお、普図当り判定において主制御用CPU30aは、遊技状態が非変短状態である場合には、非変短状態用の普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較する一方で、遊技状態が変短状態である場合には、変短状態用の普図当り判定値と普図当り判定用乱数の値を比較する。
【0086】
そして、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始に伴って普通図柄表示装置14の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始により普通図柄の変動を開始させ、予め定めた変動時間の経過時に決定した普通図柄(当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。なお、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始時の遊技状態に応じて、普図ゲームの変動時間として異なる変動時間を設定し、普通図柄を確定停止表示させる。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、非変短状態の場合には変動時間として「5秒」を設定し、変短状態の場合には変動時間として非変短状態よりも短い時間となる「1.1秒」を設定する。これにより、変短状態時に行われる普図ゲームの変動時間は、非変短状態時に行われる普図ゲームの変動時間よりも短縮される。
【0087】
また、主制御用CPU30aは、普図当りとなる普図ゲームの終了後、普図当り時の遊技状態に応じて、開閉羽根17の開放態様を制御する。具体的に言えば、非変短状態において主制御用CPU30aは、開閉羽根17を第1開放時間(例えば、0.3(秒))で第1回数(例えば、1(回))分、開放させるように制御する。また、変短状態において主制御用CPU30aは、開閉羽根17を第2開放時間(例えば、2.8(秒))で第2回数(例えば、2(回))分、開放させるように制御する。
【0088】
次に、サブ統括制御基板31の統括制御用CPU31aがサブ制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを演出制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特図用の停止図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドにしたがって演出表示装置11に確定停止表示させる飾図の図柄組み合わせを決定する。そして、統括制御用CPU31aは、図5(a)〜(e)に示すように、指定された変動パターン及び特図用の停止図柄指定コマンドに基づいて飾図(図柄組み合わせ)を決定する。本実施形態において、指示される特図に基づいて飾図(図柄組み合わせ)を決定する統括制御用CPU31aが、演出用図柄決定手段として機能する。
【0089】
具体的に、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドではずれ用変動パターンHPが指定され、且つ特図用の停止図柄指定コマンドではずれ図柄が指定された場合、飾図(図柄組み合わせ)として、左右列の図柄が同一図柄とならない(リーチを形成しない)通常はずれ図柄を決定する。そして、図5(a)に示すように、画像表示部GH(演出表示装置11)では、[154]などの通常はずれ図柄が確定停止表示されることになる。
【0090】
また、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドではずれリーチ用変動パターンRPが指定され、且つ特図用の停止図柄指定コマンドではずれ図柄が指定された場合、飾図(図柄組み合わせ)として、左右列の図柄が同一図柄となる(リーチを形成する)リーチはずれ図柄を決定する。そして、図5(b)に示すように、画像表示部GH(演出表示装置11)では、[121]などのリーチはずれ図柄が確定停止表示されることになる。
【0091】
また、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドで大当り用変動パターンAP1が指定され、且つ特図用の停止図柄指定コマンドで16R確変大当り(図柄A)又は16R非確変大当り(図柄C)が指定された場合、飾図(図柄組み合わせ)として、全列の図柄が同一図柄となる飾図の大当り図柄を決定する。そして、図5(c)に示すように、画像表示部GH(演出表示装置11)では、[111]などの全列同一の大当り図柄が確定停止表示されることになる。この場合に統括制御用CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドで16R確変大当りが指定された場合、全列の図柄が奇数及び偶数による同一図柄となる飾図の大当り図柄を決定する。なお、本実施形態において、統括制御用CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドで16R確変大当りが指定された場合、2分の1(50%)の割合で奇数及び偶数の何れとするかを決定する。また、統括制御用CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドで16R非確変大当りが指定された場合、全列の図柄が偶数による同一図柄となる飾図の大当り図柄を決定する。
【0092】
このため、本実施形態において、全列の図柄が奇数による同一図柄となる飾図の大当り図柄(以下、「確変図柄」と示す)は、確定停止表示により、16R確変大当りの当選を報知するとともに、大当り遊技の終了後が確変状態となることを報知する。また、全列の図柄が偶数による同一図柄となる飾図の大当り図柄(以下、「チャンス図柄」と示す)は、確定停止表示により、16R確変大当り及び16R非確変大当りの何れの当選の可能性もあることを報知するとともに、大当り遊技の終了後が確変状態及び非確変状態の何れの可能性もあることを報知する。
【0093】
また、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドで特殊用変動パターンAP2が指定され、且つ特図用の停止図柄指定コマンドでショート大当り(図柄B)又は小当り(図柄D)が指定された場合、飾図(図柄組み合わせ)として、左右列の図柄が同一図柄で中列が装飾図柄(特殊図柄)となる大当り図柄を決定する。この場合、統括制御用CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドで指定された特図(当り)の種類に応じて、複数種類(本実施形態では2種類)の特殊図柄のうち何れかの特殊図柄の大当り図柄を決定する。
【0094】
具体的に、統括制御用CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドでショート大当り(図柄B)又は小当り(図柄D)が指定された場合、特殊図柄として中列が装飾図柄TZ1([弱])となる弱特殊図柄、及び中列が装飾図柄TZ2([強])となる強特殊図柄の何れの大当り図柄を決定する。弱特殊図柄の大当り図柄が決定される場合、図5(d)に示すように、画像表示部GH(演出表示装置11)では、[1・弱・1]などが確定停止表示されることになる。また、強特殊図柄の大当り図柄が決定される場合、図5(e)に示すように、画像表示部GH(演出表示装置11)では、[1・強・1]などが確定停止表示されることになる。
【0095】
そして、本実施形態において、統括制御用CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドでショート大当りが指定された場合、小当りが指定される場合よりも強特殊図柄を決定し易くなっている。また、統括制御用CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドで小当りが指定された場合、ショート大当りが指定される場合よりも弱特殊図柄を決定し易くなっている。なお、統括制御用CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドでショート大当りが指定された場合、小当りが指定される場合よりも強特殊図柄を決定し易くなっていれば、弱特殊図柄及び強特殊図柄の何れを決定し易くてもよい。また、統括制御用CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドで小当りが指定された場合、ショート大当りが指定される場合よりも弱特殊図柄を決定し易くなっていれば、弱特殊図柄及び強特殊図柄の何れを決定し易くてもよい。
【0096】
このため、本実施形態において、弱特殊図柄は、確定停止表示により、ショート大当り及び小当りの何れの当選の可能性もあるとともに、ショート大当りよりも小当りの当選の可能性が高いことを報知する。また、強特殊図柄は、確定停止表示により、ショート大当り及び小当りの何れの当選の可能性もあるとともに、小当りよりもショート大当りの当選可能性が高いことを報知する。その結果、本実施形態では、強特殊図柄である場合に弱特殊図柄に比して確変状態が付与される期待度(潜確期待度)が高いことを報知することになる。また、小当り遊技の終了後は、確変状態及び非確変状態の何れの場合もあることから、当り遊技の終了後が確変状態であるか否かに関係なく弱特殊図柄及び強特殊図柄の何れも確定停止表示されることになる。このため、本実施形態において、特殊図柄は、特定の演出用の図柄となる。
【0097】
そして、統括制御用CPU31aは、決定した飾図(図柄組み合わせ)を指示する飾図用の停止図柄指定コマンドを演出制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出制御基板32に出力する。
【0098】
また、統括制御用CPU31aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド、及びエンディングコマンドを入力すると、これらコマンドを演出制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、確変コマンドや変短コマンドを入力すると、確変状態や変短状態が付与されたことを示す情報(フラグなど)を統括制御用RAM31cに設定する。そして、統括制御用CPU31aは、確変コマンド、非確変コマンド、変短コマンド、及び非変短コマンドを入力するまで現在の設定内容を統括制御用RAM31cに記憶維持させる。統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cの前記設定内容によって、遊技状態が確変状態であるか否か、変短状態であるか否かを把握している。
【0099】
そして、統括制御用CPU31aは、図6に示すように、所定のモード移行条件の到来を契機に、該モード移行条件に応じた移行態様で演出モードの移行を制御する。統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに演出モードの種類を示すモードフラグ(情報)を設定することで、設定している演出モードを把握する。また、統括制御用CPU31aは、特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)の開始毎にモードフラグに示す演出モードを指示する演出指示コマンドを演出制御基板32に出力する。本実施形態において、演出モードの移行を制御する統括制御用CPU31aが、モード移行制御手段として機能する。
【0100】
本実施形態のパチンコ遊技機には、飾図による図柄変動ゲームを実行させるための複数種類(本実施形態では10種類)の演出モードが用意されている。具体的に、低モードMA1、中モードMA2、高モードMA3、及び超高モードMA4からなる非変短時潜伏演出モードMAが用意されている。また、1階モードMB1、2階モードMB2、3階モードMB3、及び4階モードMB4からなる変短時潜伏演出モードMBが用意されている。また、確変演出モードMK、及び通常演出モードMTが用意されている。各演出モードでは、図6に示すように、演出表示装置11において、対応する背景画像GA1〜GA4,GB1〜GB4,GK,GTが画像表示される。なお、本実施形態において、演出表示装置11では、飾図による図柄変動ゲームに関連して画像表示される背景画像が画像表示され、当該背景画像に重なるように各列の飾図が画像表示されて、これら飾図が変動表示されることで飾図による図柄変動ゲームが実行されるようになっている。そして、本実施形態では、演出表示装置11に画像表示される背景画像により各種演出モードを実行させ、背景画像の種類から現在滞在している演出モードの種類を遊技者が把握し得るようになっている。本実施形態における背景画像は、飾図による図柄変動ゲームで表示される飾図を除いて構成し得る画像であり、飾図による図柄変動ゲームで変動表示される飾図毎に対応付けて画像表示されるものとは異なっている。
【0101】
そして、統括制御用CPU31aは、大当り又は小当りの当選を契機に、当選の種類(特図や飾図)に応じた演出モードへの移行を定めている。この場合には、直前まで滞在していた演出モードから、対応する演出モードへの移行が行われる。なお、図6では、16R確変大当りで確変図柄である場合を「16R確(奇)」と示すとともに、16R確変大当りでチャンス図柄である場合を「16R確(偶)」と示す。また、図6では、16R非確変大当りである場合を「16R非」と示す。また図6では、ショート大当りである場合を「ショート」を示し、ショート大当り遊技の終了後が変短状態である場合を「ショート(あり)」と示すとともに、ショート大当り遊技の終了後が非変短状態である場合を「ショート(なし)」と示す。
【0102】
具体的に、16R確変大当りを特定する大当りの当選を契機としては、飾図が確変図柄(16R確(奇))であれば確変演出モードMKへの移行が定められている。すなわち、確変演出モードMKは、確変状態及び変短状態の付与中であることを遊技者に報知する。
【0103】
また、16R確変大当りを特定する大当りの当選を契機としては、飾図がチャンス図柄(16R確(偶))であれば変短時潜伏演出モードMBの中でも1階モードMB1への移行が定められている。また、16R非確変大当り(16R非)を特定する大当りの当選を契機としては、変短時潜伏演出モードMBの中でも1階モードMB1への移行が定められている。すなわち、変短時潜伏演出モードMBのそれぞれは、確変状態又は非確変状態の何れかであって、変短状態の付与中であることを遊技者に報知する。これら変短時潜伏演出モードMBは、確変状態であるか否かを遊技者に判別させ難くして確変状態を潜伏させる(潜確)させることができる潜伏演出モードである。
【0104】
そして、本実施形態では、変短時潜伏演出モードMBにおいて、1階モードMB1<2階モードMB2<3階モードMB3<4階モードMB4の順に、確変状態である期待度(潜確期待度)が高まるとともに、4階モードMB4では確変状態であることが確定するようになっている。
【0105】
また、ショート大当りを特定する大当りの当選を契機としては、当選時が変短状態(ショート)であれば、滞在中の演出モードを継続(再移行)させることが定められている。また、ショート大当りを特定する大当りの当選を契機としては、当選時が非変短状態であってショート大当り遊技の終了後が変短状態(ショート(あり))であれば、確変演出モードMKへの移行が定められている。また、ショート大当り(図柄B)を特定する大当りの当選を契機としては、当選時が非変短状態であってショート大当り遊技の終了後が非変短状態(ショート(なし))であれば、非変短時潜伏演出モードMAの何れかへの移行(継続(再移行)も含む)が定められている。また、小当り(図柄D)の当選を契機としては、当選時が変短状態であれば、滞在中の演出モードを継続(再移行)させることが定められている。また、小当り(図柄D)の当選を契機としては、当選時が非変短状態であれば、非変短時潜伏演出モードMAの何れかへの移行(継続(再移行)も含む)が定められている。すなわち、非変短時潜伏演出モードMAのそれぞれは、確変状態又は非確変状態の何れかであって、変短状態の付与中でないことを遊技者に報知する。これら非変短時潜伏演出モードMAは、確変状態であるか否かを遊技者に判別させ難くして確変状態を潜伏させる(潜確)させることができる潜伏演出モードである。
【0106】
そして、本実施形態では、非変短時潜伏演出モードMAにおいて、低モードMA1<中モードMA2<高モードMA3<超高モードMA4の順に、確変状態である期待度(潜確期待度)が高まるようになっている。そして、統括制御用CPU31aは、大当りや小当りの当選を契機として、非変短時潜伏演出モードMAの何れかへ移行(再移行)させる場合、ショート大当りで小当りよりも潜確期待度を高く設定したモードへの移行を決定し易いようになっている。
【0107】
また、非変短時潜伏演出モードMAの滞在中には、非変短時潜伏演出モードMA間を移行させ得るようになっている。そして、統括制御用CPU31aは、大当りや小当りに当選しないはずれの場合に行われるモード移行抽選の抽選結果に基づいて、非変短時潜伏演出モードMA間を移行させる。また、非変短時潜伏演出モードMAの滞在中には、モード移行抽選による通常演出モードMTへの移行とする抽選結果が導出されることを終了の条件として、非変短時潜伏演出モードMAを終了させて通常演出モードMTへの移行を定めている。この場合には、直前まで滞在していた非変短時潜伏演出モードMAから、モード移行抽選を行う特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)を経て、モード移行抽選の抽選結果に基づくモードへの移行が行われる。
【0108】
また、変短時潜伏演出モードMBの滞在中には、変短時潜伏演出モードMB間を移行させ得るようになっている。そして、統括制御用CPU31aは、大当りや小当りに当選しないはずれの場合に行われるモード移行抽選の抽選結果に基づいて、変短時潜伏演出モードMB間を移行させる。この場合には、直前まで滞在していた変短時潜伏演出モードMBから、モード移行抽選を行う特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)を経て、モード移行抽選の抽選結果に基づく変短時演出モードMBへの移行が行われる。また、変短時潜伏演出モードMBの滞在中には、非変短コマンドの入力に基づく変短状態の終了を契機に、通常演出モードMTへの移行を定めている。この場合には、直前まで滞在していた変短時潜伏演出モードMBから、変短状態での最後の特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)を経て、通常演出モードMTへの移行が行われる。
【0109】
このため、通常演出モードMTは、非変短状態の付与中であって、状況により、非確変状態であることを遊技者に報知したり、確変状態又は非確変状態の何れの状態であることを遊技者に報知したりする。そして、非変短時潜伏演出モードMAから移行する通常演出モードMTは、確変状態であるか否かを遊技者に判別させ難くして確変状態を潜伏させる(潜確)させることができる。一方、変短時潜伏演出モードMBから移行する通常演出モードMTは、非確変状態あることを遊技者に報知することになる。
【0110】
また、通常演出モードMTの滞在中には、非変短時潜伏演出モードMAの何れかへ移行させ得るようになっている。そして、統括制御用CPU31aは、大当りや小当りに当選しないはずれの場合に行われるモード移行抽選の抽選結果に基づいて、非変短時潜伏演出モードMAの何れかへ移行させる。この場合には、直前まで滞在していた通常演出モードMTから、モード移行抽選を行う特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)を経て、モード移行抽選の抽選結果に基づく非変短時潜伏演出モードMAへの移行が行われる。
【0111】
本実施形態において、大当りの当選を契機としてモードが移行される場合には、大当りの前後で、演出モードの変化とともに遊技状態の変化を伴う可能性がある。また、小当りの当選を契機としてモードが移行される場合には、小当りの前後で、演出モードの変化はあるが遊技状態の変化はないことになる。また、変短状態の終了を契機としてモードが移行される場合には、その前後で、演出モードの変化とともに変短状態の変化はあるが抽選確率状態の変化はないことになる。また、モード移行抽選の抽選結果に基づいてモードが移行される場合には、演出モードの変化はあるが遊技状態の変化はないことになる。
【0112】
次に、演出制御基板32の演出制御用CPU32aが演出制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
演出制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(変動内容)をもとに、画像表示用データを選択する。演出制御用CPU32aは、画像表示用データをもとに飾図による図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU32aは、飾図による図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾図用の停止図柄指定コマンドで指示された飾図を演出表示装置11に確定停止表示させて飾図による図柄変動ゲームを終了させる。
【0113】
また、演出制御用CPU32aは、大当り遊技の制御に関するオープニングコマンド、ラウンドコマンド、及びエンディングコマンドを入力すると、対応する画像表示用データを選択する。また、演出制御用CPU32aは、小当り遊技の制御に関するオープニングコマンド、大入賞口19の開放の開始を指示するコマンド、エンディングコマンドを入力すると、対応する画像表示用データを選択する。そして、演出制御用CPU32aは、画像表示用データをもとに大当り遊技中及び小当り遊技中の各種演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU32aは、大当り遊技中及び小当り遊技中の各種演出の開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と画像表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
【0114】
また、演出制御用CPU32aは、演出モードを示す演出指示コマンドを入力すると、該コマンドで指示される演出モードに対応する背景画像用の画像表示用データを選択するとともに、この選択した画像表示用データをもとに演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0115】
次に、本実施形態における演出モードの移行のうち、非変短状態及び変短状態におけるモード移行抽選について、図7〜図11に基づき詳しく説明する。
本実施形態において、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに設定(記憶)するサブ演出状態フラグにしたがったモード移行抽選を行うようになっている。すなわち、統括制御用CPU31aは、モード移行頻度としてのサブ演出状態フラグにしたがったモード移行抽選用のテーブルを用いてモード移行抽選を行うことになる。そして、モード移行抽選用のテーブルには、それぞれにモードの移行の傾向が定められており、この傾向によりモードの移行の態様が定められている。
【0116】
そして、本実施形態では、図7(a)に示すように、複数種類(本実施形態では4種類)のサブ演出状態フラグが用意されている。具体的にモード移行頻度[高]高確率にしたがったモード移行抽選を行うことを特定するサブ演出状態フラグが用意されている。そして、統括制御用CPU31aは、モード移行頻度[高]高確率にしたがったモード移行抽選を行う場合、統括制御用RAM31cにサブ演出状態フラグに[1]を設定する。また、モード移行頻度[高]擬似高確率にしたがったモード移行抽選を行うことを特定するサブ演出状態フラグが用意されている。そして、統括制御用CPU31aは、モード移行頻度[高]擬似高確率にしたがったモード移行抽選を行う場合、統括制御用RAM31cにサブ演出状態フラグに[2]を設定する。また、モード移行頻度[高]にしたがったモード移行抽選を行うことを特定するサブ演出状態フラグが用意されている。そして、統括制御用CPU31aは、モード移行頻度[高]にしたがったモード移行抽選を行う場合、統括制御用RAM31cにサブ演出状態フラグに[3]を設定する。また、通常状態にしたがったモード移行抽選を行うことを特定するサブ演出状態フラグが用意されている。そして、統括制御用CPU31aは、通常状態にしたがったモード移行抽選を行う場合、統括制御用RAM31cにサブ演出状態フラグに[0]を設定する。
【0117】
そして、統括制御用CPU31aは、図7(b)に示すように、サブ演出状態抽選を行うことで、サブ演出状態フラグを設定する。本実施形態のサブ演出状態抽選は、遊技状態毎に、特図変動ゲームの抽選結果となる図柄種別、さらに飾図による図柄変動ゲームで導出することになる飾図(図柄組み合わせ)に応じた、抽選時期において、これらに対応付けされた参照テーブルを用いて行われる。なお、図柄種別は、特図用の停止図柄指定コマンドで指定される特図である。
【0118】
具体的に、図柄種別が「はずれ」の場合には、遊技状態に関係なく変動開始(図柄変動ゲーム)を抽選契機としてサブ演出状態抽選を行うことが定められている。また、図柄種別が「はずれ」以外であって大当りや小当りに当選する場合には、遊技状態に関係なくオープニング演出の開始時(オープニング演出の指示時「OP」)を抽選契機としてサブ演出状態抽選を行うことが定められている。なお、本実施形態において統括制御用CPU31aは、大当り又は小当りの当選を契機とする移行先の演出モードを、オープニング演出からエンディング演出が行われるまで(当り遊技の開始から当り遊技の終了後)の間に決定するようになっている。このため、大当りや小当りにより設定されるサブ演出状態フラグを反映させた演出モードの移行を実現することができる。
【0119】
まず、サブ演出状態抽選で用いられる参照テーブルについて説明する。
本実施形態では、複数種類(本実施形態では5種類)のサブ演出状態抽選で用いられる参照テーブルが用意されている。具体的に、サブ演出状態1テーブルST1と、サブ演出状態2テーブルST2と、サブ演出状態3テーブルST3と、サブ演出状態4テーブルST4と、サブ演出状態5テーブルST5が用意されている。そして、各テーブルST1〜ST5では、その時のサブ演出状態フラグに基づいて、決定し得る演出状態フラグに乱数が振分けられている。例えば、サブ演出状態1テーブルST1には、図8(a)に示すように、モード移行頻度[高]高確率([高]高確率)又は通常状態であれば通常状態のみに乱数が振分けられている。また、サブ演出状態1テーブルST1には、モード移行頻度[高]擬似高確率([高]擬似高確率)であればモード移行頻度[高]擬似高確率又は通常状態に、モード移行頻度[高]([高])であればモード移行頻度[高]又は通常状態にそれぞれ所定個数の乱数が振分けられている。なお、統括制御用CPU31aは、各抽選(後述する抽選も含む)に用いる乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。そして、各抽選(後述する抽選も含む)に用いる乱数は、所定の周期毎に更新され、統括制御用RAM31cに記憶されている。
【0120】
このため、本実施形態では、サブ演出状態1テーブルST1が用いられる場合に、サブ演出状態フラグに通常状態を設定し得るとともに、その時のサブ演出状態によってはモード移行頻度[高]擬似高確率又はモード移行頻度[高]を設定し得る。また、本実施形態では、サブ演出状態2テーブルST2が用いられる場合に、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率を設定する。また、本実施形態では、サブ演出状態3テーブルST3又はサブ演出状態5テーブルST5が用いられる場合に、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]擬似高確率を設定する。また、本実施形態では、サブ演出状態4テーブルST4が用いられる場合に、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]擬似高確率又はモード移行頻度[高]を設定する。
【0121】
次に、遊技状態毎のサブ演出状態抽選について説明する。
まず、遊技状態に関係なく設定される内容について説明する。
本実施形態では、図柄種別が図柄Aである16R確変大当り(16R確)であれば、遊技状態に関係なくサブ演出状態2テーブルST2を用いることを定めている。また、本実施形態では、図柄種別が図柄Bであるショート大当り(ショート)であれば、遊技状態と飾図の特殊図柄に関係なくサブ演出状態2テーブルST2を用いることを定めている。すなわち、統括制御用CPU31aは、大当り遊技の終了後が確変状態となる場合に、遊技状態に関係なくサブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率を設定する。これにより、16R確変大当りを契機に遊技状態が確変状態且つ変短状態となる場合には、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率が設定されることになる。
【0122】
また、統括制御用CPU31aは、ショート大当りに関して遊技状態が確変状態及び非確変状態の何れかであるかに関係なく、且つ飾図が弱特殊図柄及び強特殊図柄の何れであるかに関係なくサブ演出状態2テーブルST2を用いることで、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率を設定する。これにより、ショート大当りを契機に遊技状態が確変状態且つ変短状態、又は確変状態且つ非変短状態となる場合には、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率が設定されることになる。
【0123】
このため、本実施形態において、モード移行頻度[高]高確率は、大当り遊技の終了後を確変状態とすることを定めた図柄種別(特図)に基づいて設定される高確率用のモード移行頻度となる。
【0124】
また、本実施形態では、図柄種別が図柄Cである16R非確変大当り(16R非)であれば、遊技状態に関係なくサブ演出状態3テーブルST3を用いることを定めている。すなわち、統括制御用CPU31aは、大当り遊技の終了後が非確変状態となる場合に、遊技状態に関係なくサブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]擬似高確率を設定する。これにより、16R非確変大当りを契機に遊技状態が非確変状態且つ変短状態となる場合には、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]擬似高確率が設定されることになる。
【0125】
このため、モード移行頻度[高]擬似高確率は、大当り遊技の終了後を非確変状態とすることを定めた図柄種別(特図)に基づいて設定される低確率用のモード移行頻度となる。
【0126】
次に、遊技状態が非確変状態且つ非変短状態(「低+無」)の場合について説明する。
この場合には、図柄種別が「はずれ」であれば、サブ演出状態1テーブルST1を用いることを定めている。すなわち、統括制御用CPU31aは、図柄種別が「はずれ」の場合に、サブ演出状態フラグに通常状態を設定し得る。
【0127】
また、この場合には、図柄種別が図柄Dである小当り、且つ飾図が弱特殊図柄であれば、サブ演出状態4テーブルST4を用いる一方、図柄種別が図柄Dである小当り、且つ飾図が強特殊図柄であれば、サブ演出状態5テーブルST5を用いることを定めている。この場合には、小当り遊技の終了後が非確変状態となる。すなわち、統括制御用CPU31aは、小当り遊技の終了後が非確変状態となる場合に、サブ演出状態4テーブルST4又はサブ演出状態5テーブルST5を用いることで、サブ演出状態フラグに低確率用のモード移行頻度となるモード移行頻度[高]擬似高確率又はモード移行頻度[高]を設定する。これにより、小当りを契機に遊技状態が非確変状態となる(非確変状態が継続(維持)される)場合には、ショート大当りとなる場合と異なるモード移行頻度[高]擬似高確率又はモード移行頻度[高]が設定されることになる。
【0128】
また、この場合に、統括制御用CPU31aは、特殊図柄に応じて異なるテーブルを用いることになる。具体的に、統括制御用CPU31aは、小当りであって弱特殊図柄となる場合に、サブ演出状態4テーブルST4を用いることで、モード移行頻度[高]擬似高確率又はモード移行頻度[高]を設定するとともに、モード移行頻度[高]をモード移行頻度[高]擬似高確率よりも設定し易い。また、統括制御用CPU31aは、小当りであって特殊図柄のうち潜確期待度の高い強特殊図柄となる場合に、サブ演出状態5テーブルST5を用いることで、モード移行頻度[高]擬似高確率を設定する。
【0129】
このため、本実施形態において、遊技状態が非確変状態且つ非変短状態の場合には、小当りであれば飾図の種類(特殊図柄)に基づいてサブ演出状態フラグが設定される。また、本実施形態において、モード移行頻度[高]は、小当りを定めた図柄種別(特図)に基づいて設定される小当り専用のモード移行頻度となる。
【0130】
なお、統括制御用CPU31aは、遊技状態が非確変状態且つ非変短状態において通常状態以外のサブ演出状態フラグが設定されてから行われた特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)が20回を超えていなければ、図柄種別が「はずれ」に基づくサブ演出状態抽選を行わないでその時のサブ演出状態フラグを維持させるようになっている。そして、非確変状態且つ非変短状態において通常状態以外のサブ演出状態フラグは、非確変状態且つ非変短状態における小当りの当選を契機として設定される。このため、本実施形態では、非確変状態且つ非変短状態においてサブ演出状態フラグが小当りにより設定される場合、その設定状態を少なくとも20回(大当りや小当りに当選しない)の特図変動ゲーム(飾図による図柄変動ゲーム)の間、維持させることになる。
【0131】
次に、遊技状態が確変状態且つ非変短状態(「高+無」)の場合について説明する。
この場合には、図柄種別が「はずれ」であれば、サブ演出状態2テーブルST2を用いることを定めている。すなわち、統括制御用CPU31aは、図柄種別が「はずれ」の場合に、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率を設定する。
【0132】
また、この場合には、図柄種別が図柄Dである小当りであれば、飾図の特殊図柄に関係なくサブ演出状態2テーブルST2を用いることを定めている。この場合には、小当り遊技の終了後が確変状態となる。すなわち、統括制御用CPU31aは、小当り遊技の終了後が確変状態となる場合に、飾図が弱特殊図柄及び強特殊図柄の何れであるかに関係なくサブ演出状態2テーブルST2を用いることで、サブ演出状態フラグに高確率用のモード移行頻度となるモード移行頻度[高]高確率を設定する。これにより、小当りを契機に遊技状態が確変状態となる(確変状態が継続(維持)される)場合には、ショート大当りとなる場合と同一のモード移行頻度[高]高確率が設定されることになる。
【0133】
このため、本実施形態において、遊技状態が確変状態且つ非変短状態の場合には、小当りであっても飾図の種類(特殊図柄)に関係なくサブ演出状態フラグが設定される。
なお、確変状態且つ非変短状態は、非確変状態且つ非変短状態におけるショート大当りの当選、及び確変状態且つ非変短状態における小当りの当選の何れかを契機として付与される。このため、確変状態且つ非変短状態では、付与に至った契機に関係なくサブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率が設定されている。そして、遊技状態が確変状態且つ非変短状態の場合には、図柄種別が「はずれ」であれば確変状態が継続されるので、サブ演出状態2テーブルST2を用いることで、モード移行頻度[高]高確率の設定を維持させるようになっている。
【0134】
次に、遊技状態が非確変状態且つ変短状態(「低+有」)の場合について説明する。
この場合には、図柄種別が「はずれ」であれば、サブ演出状態5テーブルST5を用いることを定めている。すなわち、統括制御用CPU31aは、図柄種別が「はずれ」の場合に、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]擬似高確率を設定する。
【0135】
また、この場合には、図柄種別が図柄Dである小当りであれば、飾図の特殊図柄に関係なくサブ演出状態5テーブルST5を用いることを定めている。この場合には、小当り遊技の終了後が非確変状態となる。すなわち、統括制御用CPU31aは、小当り遊技の終了後が非確変状態となる場合に、飾図が弱特殊図柄及び強特殊図柄の何れであるかに関係なくサブ演出状態5テーブルST5を用いることで、サブ演出状態フラグに低確率用のモード移行頻度となるモード移行頻度[高]擬似高確率を設定する。これにより、小当りを契機に遊技状態が非確変状態となる(非確変状態が継続(維持)される)場合には、ショート大当りとなる場合と異なるモード移行頻度[高]擬似高確率が設定されることになる。
【0136】
このため、本実施形態において、遊技状態が非確変状態且つ変短状態の場合には、小当りであっても飾図の種類(特殊図柄)に関係なくサブ演出状態フラグが設定される。
なお、非確変状態且つ変短状態は、16R非確変大当りの当選、及び非確変状態且つ変短状態における小当りの当選の何れかを契機として付与される。このため、非確変状態且つ変短状態では、付与に至った契機に関係なくサブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]擬似高確率が設定されている。そして、遊技状態が非確変状態且つ変短状態の場合には、図柄種別が「はずれ」であれば非確変状態が継続されるので、サブ演出状態5テーブルST5を用いることで、モード移行頻度[高]擬似高確率の設定を維持させるようになっている。
【0137】
また、本実施形態において、非確変状態且つ変短状態の遊技状態の場合には、変短状態の終了に伴って非確変状態且つ非変短状態の遊技状態に移行するとともに、合わせて通常演出モードMTに移行することになる。そして、このような場合には、サブ演出状態抽選を行うことなくサブ演出状態フラグに通常状態を設定するようになっている。
【0138】
次に、遊技状態が確変状態且つ変短状態(「高+有」)の場合について説明する。
この場合には、図柄種別が「はずれ」であれば、サブ演出状態2テーブルST2を用いることを定めている。すなわち、統括制御用CPU31aは、図柄種別が「はずれ」の場合に、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率を設定する。
【0139】
また、この場合には、図柄種別が図柄Dである小当りであれば、飾図の特殊図柄に関係なくサブ演出状態2テーブルST2を用いることを定めている。この場合には、小当り遊技の終了後が確変状態となる。すなわち、統括制御用CPU31aは、小当り遊技の終了後が確変状態となる場合に、飾図が弱特殊図柄及び強特殊図柄の何れであるかに関係なくサブ演出状態2テーブルST2を用いることで、サブ演出状態フラグに高確率用のモード移行頻度となるモード移行頻度[高]高確率を設定する。これにより、小当りを契機に遊技状態が確変状態となる(確変状態が継続(維持)される)場合には、ショート大当りとなる場合と同一のモード移行頻度[高]高確率が設定されることになる。
【0140】
このため、本実施形態において、遊技状態が確変状態且つ変短状態の場合には、小当りであっても飾図の種類(特殊図柄)に関係なくサブ演出状態フラグが設定される。
なお、確変状態且つ変短状態は、16R確変大当りの当選、確変状態又は変短状態におけるショート大当りの当選、及び確変状態且つ変短状態における小当りの当選の何れかを契機として付与される。このため、確変状態且つ変短状態では、付与に至った契機に関係なくサブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率が設定されている。そして、遊技状態が確変状態且つ変短状態の場合には、図柄種別が「はずれ」であれば確変状態が継続されるので、サブ演出状態2テーブルST2を用いることで、モード移行頻度[高]高確率の設定を維持させるようになっている。
【0141】
次に、モード移行抽選の具体的な態様について詳しく説明する。
そして、統括制御用CPU31aは、図9(a),(b)に示すように、モード移行抽選を行うことで、移行先の演出モードを決定して演出モードの移行の態様を制御する。本実施形態のモード移行抽選は、滞在中の演出モード毎に、サブ演出状態フラグに対応付けされた参照テーブルを用いて行われる。なお、モード移行抽選は、変動開始(はずれ(大当りや小当りに非当選)となる図柄変動ゲーム)を抽選契機としてモード移行抽選を行うことが定められている。
【0142】
まず、モード移行抽選で用いられる参照テーブルのうち特に非変短状態における通常演出モードMT及び非変短時潜伏演出モードMA(低モードMA1、中モードMA2、高モードMA3、及び超高モードMA4)で用いられる参照テーブルについて説明する。
【0143】
本実施形態では、滞在中の演出モード毎に、それぞれ複数種類(本実施形態では3種類)のモード移行抽選で用いられる参照テーブルが用意されている。具体的に、通常演出モードMTの滞在中に対し、通常[1]テーブルTT1と、通常[2]テーブルTT2と、通常[3]テーブルTT3とが用意されている。また、低モードMA1の滞在中に対し、低[1]テーブルAT11と、低[2]テーブルAT12と、低[3]テーブルAT13とが用意されている。また、中モードMA2の滞在中に対し、中[1]テーブルAT21と、中[2]テーブルAT22と、中[3]テーブルAT23とが用意されている。また、高モードMA3の滞在中に対し、高[1]テーブルAT31と、高[2]テーブルAT32と、高[3]テーブルAT33とが用意されている。また、超高モードMA4の滞在中に対し、超高[1]テーブルAT41と、超高[2]テーブルAT42と、超高[3]テーブルAT43とが用意されている。そして、各テーブルTT1〜TT3,AT11〜AT13,AT21〜AT23,AT31〜AT33,AT41〜AT43では、決定し得る移行先の演出モードに乱数が振分けられている。例えば、通常[1]テーブルTT1には、図10(a)に示すように、通常演出モードMT(通常)、低モードMA1(低)、中モードMA2(中)、又は高モードMA3(高)に所定個数の乱数が振分けられている。
【0144】
このため、本実施形態では、通常演出モードMTの滞在中であれば、通常[1]テーブルTT1及び通常[2]テーブルTT2が用いられる場合に、非変短時潜伏演出モードMAの何れかへの移行割合を同一にする一方、通常[1]テーブルTT1で通常[2]テーブルTT2に比して潜確期待度の高い演出モードへ移行し易くなっている。なお、本実施形態では、通常[1]テーブルTT1及び通常[2]テーブルTT2が用いられる場合に、超高モードMA4へ移行し得ない一方、通常[3]テーブルTT3が用いられる場合に、通常モードMTへ移行(維持)させるようになっている。
【0145】
また、本実施形態では、低モードMA1の滞在中であれば、低[1]テーブルAT11及び低[2]テーブルAT12が用いられる場合に、低モードMA1よりも潜確期待度の高い演出モードへの移行割合を同一にする一方、低[1]テーブルAT11で低[2]テーブルAT12に比して潜確期待度の高い演出モードへ移行し易くなっている。なお、本実施形態では、低[3]テーブルAT13が用いられる場合に、通常モードMTへ移行させるようになっている。
【0146】
また、本実施形態では、中モードMA2の滞在中であれば、中[1]テーブルAT21が用いられる場合に、中[2]テーブルAT22が用いられる場合に比して中モードMA2よりも潜確期待度の高い演出モードへ移行し易く、且つ中モードMA2よりも潜確期待度の低い演出モードへ移行し難くなっている。なお、本実施形態では、中[3]テーブルAT23が用いられる場合に、通常モードMTへ移行させるようになっている。
【0147】
また、本実施形態では、高モードMA3の滞在中であれば、高[1]テーブルAT31が用いられる場合に、高[2]テーブルAT32が用いられる場合に比して高モードMA3よりも潜確期待度の高い演出モードへ移行し易く、且つ高モードMA3よりも潜確期待度の低い演出モード(通常演出モードMTを含む)へ移行し難くなっている。なお、本実施形態では、高[3]テーブルAT33が用いられる場合に、通常モードMTへ移行させるようになっている。
【0148】
また、本実施形態では、超高モードMA4の滞在中であれば、超高[1]テーブルAT41及び超高[2]テーブルAT42が用いられる場合に、各演出モードへの移行割合を同一にしている。なお、本実施形態では、超高[3]テーブルAT43が用いられる場合に、通常モードMTへ移行させるようになっている。
【0149】
このため、本実施形態では、通常[1]テーブルTT1、低[1]テーブルAT11、中[1]テーブルAT21、又は高[1]テーブルAT31が用いられる場合に、演出モード毎に対応付けられる参照テーブルの中で潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度が、最も高い傾向を示すことになる。また、本実施形態では、通常[2]テーブルTT2、低[2]テーブルAT12、中[2]テーブルAT22、又は高[2]テーブルAT32が用いられる場合に、演出モード毎に対応付けられる参照テーブルの中で潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度が、前記最も高い傾向の次に高い傾向を示すことになる。なお、本実施形態では、超高[1]テーブルAT41又は超高[2]テーブルAT42が用いられる場合に、超高モードMA4に対応付けられる超高[3]テーブルAT43よりも非変短時潜伏演出モードMA間での移行頻度が、高い傾向を示すことになる。また、本実施形態では、通常[3]テーブルTT3、低[3]テーブルAT13、中[3]テーブルAT23、高[3]テーブルAT33、又は超高[3]テーブルAT43が用いられる場合に、演出モード毎に対応付けられる参照テーブルの中で潜確期待度の高い演出モードへ移行し得ない(最も低い)傾向を示すことになる。
【0150】
次に、非変短状態(非変短)におけるモード移行抽選について図9(a)基づきさらに詳しく説明する。
この場合には、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]高確率とモード移行頻度[高]擬似高確率であれば、演出モード毎に対応付けられる中で同一の参照テーブルを用いることを定めているとともに、潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度が、最も高い傾向を示す参照テーブルを用いることを定めている。具体的に、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]高確率とモード移行頻度[高]擬似高確率では、演出モードに合せて通常[1]テーブルTT1、低[1]テーブルAT11、中[1]テーブルAT21、高[1]テーブルAT31、又は超高[1]テーブルAT41が用いられる。
【0151】
また、この場合には、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]であれば、演出モード毎に対応付けられる中で潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度が、前記最も高い傾向の次に高い傾向を示す参照テーブルを用いることを定めている。具体的に、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]では、演出モードに合せて通常[2]テーブルTT2、低[2]テーブルAT12、中[2]テーブルAT22、高[2]テーブルAT32、又は超高[2]テーブルAT42が用いられる。
【0152】
また、この場合には、サブ演出状態フラグが通常状態であれば、演出モード毎に対応付けられる中で潜確期待度の高い演出モードへ移行し得ない(最も低い)傾向を示す参照テーブルを用いることを定めている。具体的に、サブ演出状態フラグが通常状態では、演出モードに合せて通常[3]テーブルTT3、低[3]テーブルAT13、中[3]テーブルAT23、高[3]テーブルAT33、又は超高[3]テーブルAT43が用いられる。
【0153】
次に、モード移行抽選で用いられる参照テーブルのうち特に変短状態における変短時潜伏演出モードMB(1階モードMB1、2階モードMB2、3階モードMB3、及び4階モードMB4)で用いられる参照テーブルについて説明する。
【0154】
本実施形態では、滞在中の演出モード毎に、それぞれ複数種類(本実施形態では2種類又は1種類)のモード移行抽選で用いられる参照テーブルが用意されている。具体的に、1階モードMB1の滞在中に対し、1階[1]テーブルBT11と、1階[2]テーブルBT12とが用意されている。また、2階モードMB2の滞在中に対し、2階[1]テーブルBT21と、2階[2]テーブルBT22とが用意されている。また、3階モードMB3の滞在中に対し、3階[1]テーブルBT31と、3階[2]テーブルBT32とが用意されている。また、4階モードMB4の滞在中に対し、4階[1]テーブルBT41が用意されている。そして、各テーブルBT11,BT12,BT21,BT22,BT31,BT32,BT41では、その時のサブ演出状態フラグに基づいて、決定し得る移行先の演出モードに乱数が振分けられている。例えば、1階[1]テーブルBT11には、図11(a)に示すように、1階モードMB1(1階)、2階モードMB2(2階)、3階モードMB3(3階)、又は4階モードMB4(4階)に所定個数の乱数が振分けられている。
【0155】
このため、本実施形態では、1階モードMB1の滞在中であれば、1階[1]テーブルBT11が用いられる場合に、1階[2]テーブルBT12が用いられる場合に比して1階モードMB1よりも潜確期待度の高い演出モードへ移行し易く、且つ1階モードMB1へ再移行(維持)し難くなっている。
【0156】
また、本実施形態では、2階モードMB2の滞在中であれば、2階[1]テーブルBT21及び2階[2]テーブルBT22が用いられる場合に、2階モードMB2へ再移行(維持)割合を同一にする一方、2階[1]テーブルBT21で2階[2]テーブルBT22に比して2階モードMB2よりも潜確期待度の高い演出モードへ移行し易くなっている。
【0157】
また、本実施形態では、3階モードMB3の滞在中であれば、3階[1]テーブルBT31が用いられる場合に、3階[2]テーブルBT32が用いられる場合に比して3階モードMB3よりも潜確期待度の高い演出モードへ移行し易く、且つ3階モードMB3へ再移行(維持)し難くなっている。なお、3階[2]テーブルBT32が用いられる場合には、4階モードMB4へは移行し得ないようになっている。
【0158】
また、本実施形態では、4階モードMB4の滞在中であれば、4階[1]テーブルBT41が用いられることで、4階モードMB4へ再移行(維持)させるようになっている。
このため、本実施形態では、1階[1]テーブルBT11、2階[1]テーブルBT21、又は3階[1]テーブルBT31が用いられる場合に、演出モード毎に対応付けられる参照テーブルの中で潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度が、高い傾向を示すことになる。また、本実施形態では、1階[2]テーブルBT12、2階[2]テーブルBT22、又は3階[2]テーブルBT32が用いられる場合に、演出モード毎に対応付けられる参照テーブルの中で潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度が、低い傾向を示すことになる。
【0159】
次に、変短状態(変短)におけるモード移行抽選について図9(b)基づきさらに詳しく説明する。
なお、本実施形態において、変短状態では、図7(b)に示したように、サブ演出状態フラグとしてモード移行頻度[高]高確率及びモード移行頻度[高]擬似高確率の何れかしか設定されないことになる。
【0160】
そして、この場合には、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]高確率であれば、潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度が、高い傾向を示す参照テーブルを用いることを定めている。具体的に、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]高確率では、演出モードに合せて1階[1]テーブルBT11、2階[1]テーブルBT21、又は3階[1]テーブルBT31が用いられる。なお、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]高確率で4階モードMB4の滞在中には、確変状態が確定していることから4階モード[1]テーブルBT41が用いられる。
【0161】
また、この場合には、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]擬似高確率であれば、潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度が、低い傾向を示す参照テーブルを用いることを定めている。具体的に、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]擬似高確率では、演出モードに合せて1階[2]テーブルBT12、2階[2]テーブルBT22、又は3階[2]テーブルBT32が用いられる。なお、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]擬似高確率では、非確変状態であることから4階モードMB4へ移行し得ないので、4階モード[1]テーブルBT41が用いられることがない。
【0162】
このように本実施形態のパチンコ遊技機では、サブ演出状態フラグに基づく演出モードの移行の態様を管理する構成とすることで、非変短状態及び変短状態であるかに応じてそれぞれに異なるゲーム性を実現している。
【0163】
そして、本実施形態では、ショート大当り又は小当りを契機に非変短状態が付与される場合、異なるサブ演出状態フラグを設定する一方で、ショート大当り又は小当りを契機とする非変短状態であればモード移行抽選で同一の参照テーブルを用いることになる。その結果、本実施形態では、非変短状態であれば、遊技状態が確変状態である場合に設定されるモード移行頻度[高]高確率と遊技状態が非確変状態である場合に設定されるモード移行頻度[高]擬似高確率である場合に、同一の参照テーブルが用いられることで、演出モードの移行の態様として同一の傾向を示すようになっている。すなわち、本実施形態では、サブ演出状態フラグに基づいて演出モードの移行の態様を管理する構成とすることで、非変短状態であれば、遊技状態が確変状態であるか非確変状態であるかに関係なく、演出モードの移行の態様として同一の傾向を示すようなゲーム性を実現している。
【0164】
さらに本実施形態では、非変短状態であれば、遊技状態が非確変状態における弱特殊図柄を伴う小当りの当選後、モード移行頻度[高]を設定し得るとともに、モード移行頻度[高]に基づくモード移行抽選でショート大当りの当選後とは異なる参照テーブルを用いることになる。その結果、本実施形態では、非変短状態であれば、遊技状態が非確変状態における弱特殊図柄を伴う小当りの当選後に設定されるモード移行頻度[高]と、ショート大当りの当選後に設定されるモード移行頻度[高]高確率とで、異なる参照テーブルが用いられることで、演出モードの移行の態様として異なる傾向を示すようになっている。すなわち、本実施形態では、サブ演出状態フラグに基づいて演出モードの移行の態様を管理する構成とすることで、非変短状態であれば、遊技状態が非確変状態における弱特殊図柄を伴う小当りの当選後、演出モードの移行の態様としてショート大当りの当選後と異なる傾向を示すようなゲーム性を実現している。なお、非変短状態であれば、遊技状態が非確変状態における強特殊図柄を伴う小当りの当選後、演出モードの移行の態様としてショート大当りの当選後と同一の傾向を示すようなゲーム性を実現している。
【0165】
さらに本実施形態では、非変短状態であれば、遊技状態が非確変状態で設定される通常状態である場合に、演出モードの移行の態様として、通常状態以外とは異なるとともに、通常演出モードMTへ即座に移行させる傾向を示すようになっている。すなわち、本実施形態では、サブ演出状態フラグに基づいて演出モードの移行の態様を管理する構成とすることで、非変短状態であれば、通常状態のもとで通常演出モードMTへ即座に移行させる傾向を示すようなゲーム性を実現している。
【0166】
一方、本実施形態では、変短状態であれば、遊技状態が確変状態である場合に設定されるモード移行頻度[高]高確率と遊技状態が非確変状態である場合に設定されるモード移行頻度[高]擬似高確率である場合に、異なる参照テーブルが用いられることで、演出モードの移行の態様として異なる傾向を示すようになっている。すなわち、本実施形態では、サブ演出状態フラグに基づいて演出モードの移行の態様を管理する構成とすることで、変短状態であれば、遊技状態が確変状態であるか非確変状態であるかに応じて、演出モードの移行の態様として異なる傾向を示すようなゲーム性を実現している。
【0167】
したがって、本実施形態では、非変短状態であれば、非確変状態(モード移行頻度[高]擬似高確率)であっても恰も確変状態(モード移行頻度[高]高確率)での演出モードの移行の態様であるかのように演出表現してなされる。一方、本実施形態では、変短状態であれば、非確変状態(モード移行頻度[高]擬似高確率)で確変状態(モード移行頻度[高]高確率)での演出モードの移行の態様とは異なるように演出表現してなされる。
【0168】
以上詳述したように、第1の実施形態は、以下の効果を有する。
(1)演出モードの移行の態様の制御に際しては、当り遊技の終了後の遊技状態に基づいて設定されるモード移行頻度(サブ演出状態フラグ)にしたがう構成とした。さらにモード移行頻度(サブ演出状態フラグ)に関しては当り遊技の終了後の遊技状態に応じて異なるモード移行頻度(サブ演出状態フラグ)を設定する構成とした。一方、モード移行の態様に関しては高確率用のモード移行頻度(モード移行頻度[高]高確率)及び低確率用のモード移行頻度(モード移行頻度[高]擬似高確率)において演出モードの移行の態様として同一の移行の態様で制御する(同一の参照テーブルに基づくモード移行抽選を行う)場合を含む構成とした。これにより、当り遊技の終了後が高確率抽選状態(確変状態)であるか否かに関係なく演出モードの移行の態様が、同一の移行の態様で制御され得ることになる。その結果、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで遊技の興趣を向上させることができる。
【0169】
(2)モード移行頻度(サブ演出状態フラグ)の設定に際しては、当り遊技の終了後の遊技状態を制御するための情報を定めた当り情報(特図)に基づいて設定される構成とした。これにより、モード移行頻度(サブ演出状態フラグ)については、内部制御(主制御用CPU30aによる遊技状態の制御)が行われる正確な情報に基づいて設定されることから、でたらめに展開される演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くするわけではないことになる。その結果、正確な内部の遊技状態を反映させつつも演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで遊技の興趣を向上させることができる。
【0170】
(3)モード移行頻度(サブ演出状態フラグ)の設定に際しては、当り情報(特図)に基づく当り遊技の終了後の遊技状態が、低確率抽選状態(非確変状態)及び高確率抽選状態(確変状態)の何れの場合にも決定される特定の演出用の図柄(飾図の特殊図柄)であれば、該特定の演出用の図柄(飾図の特殊図柄)の種類に基づいて設定される構成とした。これにより、演出用の図柄が特定の演出用の図柄(飾図が特殊図柄)である場合には、特定の演出用の図柄(飾図の特殊図柄)の種類に応じてモードの移行の態様を異ならせることで、実際の内部的な遊技状態と演出用の図柄(飾図)との組み合わせのバリエーションを増加させることができる。その結果、特に特定の演出用の図柄(飾図の特殊図柄)が決定される場合において、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで遊技の興趣を向上させることができる。
【0171】
(4)開放時間増加状態(変短状態)では、始動口(下始動入賞口16)への入球率が開放時間増加状態でない状態(非変短状態)に比して高く遊技者に有利な状態と位置付けられることから、遊技者に有利という点で遊技の興趣が高まっていると言える。このため、遊技の興趣が高まる要素を持つ開放時間増加状態(変短状態)では、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで、この間における遊技の興趣を却って低下させてしまう可能性もある。一方、開放時間増加状態でない状態(非変短状態)では、始動口(下始動入賞口16)への入球率が開放時間増加状態(変短状態)よりも低く遊技者に不利な状態と位置付けられることから、遊技者に不利という点で遊技の興趣が低くなりがちとも言える。このため、遊技の興趣が低くなりがちな要素を持つ開放時間増加状態でない状態(非変短状態)では、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで、この間における遊技の興趣を向上させ得る。そこで、演出モードの移行の態様としては、開放時間増加状態とならない場合(非変短状態)であれば高確率用のモード移行頻度(モード移行頻度[高]高確率)及び低確率用のモード移行頻度(モード移行頻度[高]擬似高確率)において同一の移行の態様で制御する(同一の参照テーブルに基づくモード移行抽選を行う)構成とした。一方、演出モードの移行の態様としては、開放時間増加状態(変短状態)となる場合であれば高確率用のモード移行頻度(モード移行頻度[高]高確率)及び低確率用のモード移行頻度(モード移行頻度[高]擬似高確率)において異なる移行の態様で制御する(異なる参照テーブルに基づくモード移行抽選を行う)構成とした。その結果、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くするというゲーム性を適切に設定することで、遊技全体の興趣を向上させることができる。
【0172】
(5)小当りの当選によっては、小当りの当選時における遊技状態が当り遊技の終了後に変化することがないことになる。このため、小当りの当選時においても演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くしてしまうと、実際には遊技状態に変化を及ぼし得ないのにかかわらず遊技者に過度な期待を与え得ることから、遊技の興趣を却って低下させてしまう可能性もある。そこで、モード移行頻度(サブ演出状態フラグ)には、小当りの当選に基づく当り遊技の終了後にのみ設定され得る小当り専用のモード移行頻度(モード移行頻度[高])を設ける構成とした。これにより、遊技者に過度な期待を与えることで遊技の興趣を却って低下させてしまうことを防止することができる。
【0173】
(6)モード移行頻度(サブ演出状態フラグ)は、当り情報(特図)に基づく当り遊技の終了後の遊技状態が、低確率抽選状態(非確変状態)及び高確率抽選状態(確変状態)の何れの場合にも決定される特定の演出用の図柄(飾図の特殊図柄)であれば該特定の演出用の図柄(特殊図柄)の種類と当り情報(特図)とに基づいて設定される構成とした。これにより、実際の内部的な遊技状態と演出用の図柄(飾図)との組み合わせのバリエーションを増加させる一方、でたらめに展開される演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くするわけでもないことになる。その結果、特に特定の演出用の図柄(飾図の特殊図柄)が決定される場合において、正確な内部の遊技状態を反映させつつも演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで遊技の興趣を向上させることができる。
【0174】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図12(a),(b)に基づき説明する。
なお、第2の実施形態は、非確変状態且つ非変短状態におけるサブ演出状態抽選の態様とモード移行抽選の態様が、第1の実施形態とは異なっている。そのため、第1の実施形態と同様の部分については、同一符号を付すことにし、その重複説明を省略する。
【0175】
まず、本実施形態の遊技状態が非確変状態且つ非変短状態(「低+無」)におけるサブ演出状態抽選について図12(a)に基づき説明する。
具体的に、本実施形態では、図柄種別が図柄Dである小当り、且つ強特殊図柄であれば、サブ演出状態2テーブルST2を用いることを定めている。この場合には、小当り遊技の終了後が非確変状態となる。すなわち、統括制御用CPU31aは、小当り遊技の終了が非確変状態となる場合に、強特殊図柄であればサブ演出状態2テーブルST2を用いることで、サブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率を設定する。これにより、小当りを契機に遊技状態が非確変状態となる(非確変状態が継続(維持)される)場合には、強特殊図柄であればショート大当りとなる場合と同一のモード移行頻度[高]高確率が設定され得ることになる。
【0176】
このため、本実施形態におけるモード移行頻度[高]高確率は、大当り遊技の終了後を確変状態及び非確変状態とする何れを定めた図柄種別(特図)においても設定されるモード移行頻度となる。
【0177】
次に、本実施形態の遊技状態が非確変状態且つ非変短状態におけるモード移行抽選の具体的な態様について図12(b)に基づき詳しく説明する。
そして、本実施形態において、統括制御用CPU31aは、図12(b)に示すように、モード移行抽選を行うことで、移行先の演出モードを決定して演出モードの移行の態様を制御する。
【0178】
この場合には、サブ演出状態フラグに応じて演出モード毎に対応付けられる中でそれぞれに異なる参照テーブルを用いることを定めているとともに、サブ演出状態フラグに応じて潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度として異なる傾向を示す参照テーブルを用いることを定めている。
【0179】
そして、この場合には、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]高確率であれば、演出モード毎に対応付けられる中で潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度が、最も高い傾向を示す参照テーブルを用いることを定めている。具体的に、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]高確率では、演出モードに合せて通常[1]テーブルTT1、低[1]テーブルAT11、中[1]テーブルAT21、高[1]テーブルAT31、又は超高[1]テーブルAT41が用いられる。
【0180】
また、この場合には、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]擬似高確率とモード移行頻度[高]であれば、演出モード毎に対応付けられる中で潜確期待度の高い演出モードへの移行頻度が、前記最も高い傾向の次に高い傾向を示す参照テーブルを用いることを定めている。具体的に、サブ演出状態フラグがモード移行頻度[高]擬似高確率とモード移行頻度[高]では、演出モードに合せて通常[2]テーブルTT2、低[2]テーブルAT12、中[2]テーブルAT22、高[2]テーブルAT32、又は超高[2]テーブルAT42が用いられる。
【0181】
また、この場合には、サブ演出状態フラグが通常状態であれば、演出モード毎に対応付けられる中で潜確期待度の高い演出モードへ移行し得ない(最も低い)傾向を示す参照テーブルを用いることを定めている。具体的に、サブ演出状態フラグが通常状態では、演出モードに合せて通常[3]テーブルTT3、低[3]テーブルAT13、中[3]テーブルAT23、高[3]テーブルAT33、又は超高[3]テーブルAT43が用いられる。
【0182】
そして、本実施形態では、ショート大当り又は強特殊図柄を伴う小当りを契機に非変短状態が付与される場合、同一のサブ演出状態フラグを設定することで、ショート大当り又は強特殊図柄を伴う小当りを契機とする非変短状態であればモード移行抽選で同一の参照テーブルを用いることになる。その結果、本実施形態では、非変短状態であれば、遊技状態が確変状態及び非確変状態の何れの場合にも同一の参照テーブルが用いられることで、演出モードの移行の態様として同一の傾向を示すようになっている。すなわち、本実施形態では、サブ演出状態フラグに基づいて演出モードの移行の態様を管理する構成とすることで、非変短状態であれば、遊技状態が確変状態であるか非確変状態であるかに関係なく、演出モードの移行の態様として同一の傾向を示すようなゲーム性を実現している。
【0183】
このように本実施形態では、非変短状態であれば、確変状態であるか否かに関係なく設定するサブ演出状態フラグを同一のモード移行頻度[高]高確率とすることで、非確変状態であっても恰も確変状態での演出モードの移行の態様であるかのように演出表現してなされる。一方、本実施形態では、変短状態であれば、確変状態であるか否かに応じて設定するサブ演出状態フラグを異ならせることで、非確変状態で確変状態での演出モードの移行の態様とは異なるように演出表現してなされる。
【0184】
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(2),(3),(5),(6)に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(7)演出モードの移行の態様の制御に際しては、当り遊技の終了後の遊技状態に基づいて設定されるモード移行頻度(サブ演出状態フラグ)にしたがう構成とした。さらにモード移行頻度(サブ演出状態フラグ)に関しては当り遊技の終了後が高確率抽選状態(確変状態)及び低確率抽選状態(非確変状態)となる場合に同一のモード移行頻度(モード移行頻度[高]高確率)を設定し得る構成とした。これにより、当り遊技の終了後が高確率抽選状態(確変状態)であるか否かに関係なく演出モードの移行の態様が、同一の移行の態様で制御され得る(同一の参照テーブルに基づくモード移行抽選を行い得る)ことになる。その結果、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで遊技の興趣を向上させることができる。
【0185】
(8)開放時間増加状態でない状態(非変短状態)では、始動口(下始動入賞口16)への入球率が開放時間増加状態(変短状態)よりも低く遊技者に不利な状態と位置付けられることから、遊技者に不利という点で遊技の興趣が低くなりがちとも言える。このため、遊技の興趣が低くなりがちな要素を持つ開放時間増加状態でない状態(非変短状態)では、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで、この間における遊技の興趣を向上させ得る。そこで、演出モードの移行の態様としては、開放時間増加状態とならない場合(非変短状態)であれば当り遊技の終了後が高確率抽選状態(確変状態)及び低確率抽選状態(非確変状態)となるときに、同一のモード移行頻度(モード移行頻度[高]高確率)を設定する構成とした。その結果、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くするというゲーム性を適切に設定することで、遊技全体の興趣を向上させることができる。
【0186】
(9)開放時間増加状態(変短状態)では、始動口(下始動入賞口16)への入球率が開放時間増加状態でない状態(非変短状態)に比して高く遊技者に有利な状態と位置付けられることから、遊技者に有利という点で遊技の興趣が高まっていると言える。このため、遊技の興趣が高まる要素を持つ開放時間増加状態(変短状態)では、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くすることで、この間における遊技の興趣を却って低下させてしまう可能性もある。そこで、演出モードの移行の態様としては、開放時間増加状態(変短状態)となる場合であれば当り遊技の終了後が高確率抽選状態(確変状態)及び低確率抽選状態(非確変状態)となる場合に、異なるモード移行頻度(サブ演出状態フラグ)を設定する構成とした。その結果、演出モードの移行の態様から遊技状態を推測させ難くするというゲーム性を適切に設定することで、遊技全体の興趣を向上させることができる。
【0187】
なお、上記各実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・各実施形態は、潜確状態を生じさせ得る構成であればよく、大当り(小当り)に関するスペックを変更することもできる。例えば、スペックとしては、16R非確変大当りを設定しないこともできる。また、スペックとしては、ショート大当りの終了後に非確変状態を付与するショート非確変大当りを設定することもできる。これによれば、ショート大当り、小当り、及びショート非確変大当りにより、確変状態であるか否かを遊技者に判別させ難くして確変状態を潜伏させる(潜確)ゲーム性を作り出すことができる。この場合には、第1の実施形態への適用であれば、ショート非確変大当りでサブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]擬似高確率を設定する仕様とする。一方、この場合には、第2の実施形態への適用であれば、非変短状態におけるショート非確変大当りでサブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]高確率を設定する一方、変短状態におけるショート非確変大当りでサブ演出状態フラグにモード移行頻度[高]擬似高確率を設定する仕様とする。なお、本別例では、小当りを設定しないで構成することもできる。また、本別例では、ショート非確変大当りに関し、小当りのように特殊図柄に基づいてサブ演出状態フラグの設定態様を異ならせることもできる。
【0188】
・各実施形態では、ショート大当りを契機とするサブ演出状態抽選において、小当りを契機とする場合と同様に特殊図柄(確定停止表示される飾図)に応じて、サブ演出状態フラグの設定態様を異ならせることもできる。
【0189】
・各実施形態では、非確変状態且つ非変短状態以外の遊技状態においても小当りを契機とするサブ演出状態抽選において、特殊図柄(確定停止表示される飾図)に応じてサブ演出状態フラグの設定態様を異ならせることもできる。
【0190】
・各実施形態では、特殊図柄(確定停止表示される飾図)に応じてサブ演出状態フラグの設定態様を異ならせる場合、特図に関する情報に関係なく構成してもよい。
・各実施形態では、小当りの専用のモード移行頻度となるモード移行頻度[高]を設定しなくてもよい。
【0191】
・各実施形態では、サブ演出状態フラグやモード移行抽選の構成について、変短状態で非変短状態と同様の構成としてもよいし、非変短状態と変短状態を入れ替えて構成してもよい。
【0192】
・各実施形態では、サブ演出状態フラグの設定に際し、特図にのみ基づく構成としてもよい。
・各実施形態では、サブ演出状態フラグの設定に際し、飾図にのみ基づく構成としてもよい。
【0193】
・各実施形態では、サブ演出状態フラグの設定に際し、特図ではなく遊技状態を指示する各種コマンドに基づいて設定する構成としてもよい。
・各実施形態では、モード移行抽選で参照される各テーブルにおけるモードの移行の態様の傾向の関係が保たれていれば、細かい乱数の振分け態様を変更してもよい。
【0194】
・各実施形態では、特定の演出用の図柄となる飾図を変更してもよく、例えば、特定の組み合わせとなるはずれ図柄としてもよい。
・各実施形態は、確変機能を少なくとも有していればよい。
【0195】
・各実施形態では、サブ演出状態1テーブルST1により通常状態が設定される契機を、変更してもよく「はずれ」時に毎回抽選する構成としてもよい。
・各実施形態は、サブ統括制御基板31を省略し、主制御基板30や演出制御基板32がサブ統括制御基板31の実行していた制御を実行するようにしてもよい。
【0196】
・各実施形態は、確変状態を付与する期間に上限を設定することもできる。例えば、10000回(確変状態中において十分に大当りに当選し得る回数)を設定したりすることもできる。また、確変状態の上限としては、4回、10回、100回など設定することもでき、このような場合には大当り遊技の終了後に必ず確変状態を付与する仕様を採用することもできる。
【0197】
・各実施形態における演出モードは、演出表示装置11で行われるものに限られず、可動体やランプやスピーカで行うものであってもよいし、専用の演出装置を別途設けてもよい。
【0198】
・各実施形態では、演出表示装置11を液晶式としたが、ドットマトリクス式や7セグメントLED式の表示装置としてもよいし、ドラム式などの機械式の表示装置としてもよい。
【0199】
・各実施形態は、1つの特図を用いるパチンコ遊技機に具体化したが、第1の特別図柄と第2の特別図柄からなる2つの特別図柄を用いて大当りの態様を抽選するパチンコ遊技機に具体化してもよい。
【0200】
・各実施形態では、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。この場合には、特別図柄が演出用の図柄となり得る。
【0201】
・各実施形態において、特図用の停止図柄指定コマンドは、図柄変動ゲームにおいて特別図柄表示装置12に確定停止表示させる図柄(特図)を示すコマンドでもよいし、当り(大当りや小当り)の種類を特定できる内容を示すコマンドであればよい。また、大当りや小当りの抽選結果や当り(大当りや小当り)の種類は、変動パターンから特定できる構成とすることもできる。この場合、変動パターン指定コマンドが当り(大当りや小当り)の抽選結果や当り(大当りや小当り)の種類も示すようにしてもよい。
【0202】
・第1の実施形態では、確変状態と非確変状態とで異なるサブ演出状態フラグを設定する一方で、異なるサブ演出状態フラグのもとでもモード移行抽選を同一の参照テーブルに基づき行わせることができる構成を有していれば、サブ演出状態抽選で用いられるテーブルにおける細かい乱数の振分け態様を変更してもよい。
【0203】
・第2の実施形態では、確変状態と非確変状態とで同一のサブ演出状態フラグを設定することができる構成を有していれば、サブ演出状態抽選で用いられるテーブルにおける細かい乱数の振分け態様を変更してもよい。
【0204】
・第2の実施形態では、非確変状態における強特殊図柄を伴う小当りを契機に非変短状態が付与される場合、モード移行頻度[高]高確率を設定できるようになっていればよく、例えば、専用のテーブルを設定するなどして実現してもよい。
【0205】
次に、上記各実施形態及び別例(変形例)から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)遊技球の入球を契機に前記図柄変動ゲームの始動条件を付与し、入球口を遊技球が入球し易い開放状態及び入球し難い閉鎖状態に可変させる開閉機構を有する始動口を備え、前記当り遊技の終了後には前記開閉機構の開放状態を取り得るように動作する単位時間あたりの開放時間が増加する開放時間増加状態に制御可能になっており、前記モード移行制御手段は、前記当り遊技の終了後が前記開放時間増加状態とならない場合に、前記当り遊技の終了後が前記高確率抽選状態及び前記低確率抽選状態となる場合に、同一の前記モード移行頻度を設定する請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【0206】
(ロ)前記モード移行制御手段は、前記当り遊技の終了後が前記開放時間増加状態となる場合、前記当り遊技の終了後が前記高確率抽選状態及び前記低確率抽選状態となる場合に、異なる前記モード移行頻度を設定する技術的思想(イ)に記載の遊技機。
【0207】
(ハ)前記当りには、前記当りの当選時における遊技状態を前記当り遊技の終了後も維持させることを定めた小当りを含み、前記モード移行頻度には、前記小当りの当選に基づく前記当り遊技の終了後にのみ設定され得る小当り専用のモード移行頻度が含まれている請求項1〜請求項3、及び技術的思想(イ)又は(ロ)のうちいずれか一項に記載の遊技機。
【0208】
(ニ)前記モード移行制御手段は、前記特定の演出用の図柄が決定される場合における前記モード移行頻度の設定に際し、前記当り情報と前記特定の演出用の図柄の種類とに基づいて前記モード移行頻度を設定する請求項3に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0209】
A,B,C,D…特別図柄、MA(MA1〜MA4),MB(MB1〜MB4),MK,MT…演出モード、11…演出表示装置、12…特別図柄表示装置、30…主制御基板、30a…主制御用CPU、30b…主制御用ROM、30c…主制御用RAM、31…サブ統括制御基板、31a…統括制御用CPU、31b…統括制御用ROM、31c…統括制御用RAM、32…演出制御基板、32a…演出制御用CPU、32b…演出制御用ROM、32c…演出制御用RAM。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置で行われる図柄変動ゲームが当りか否かを抽選する当り抽選が行われ、前記当り抽選に当選した場合には前記図柄変動ゲームの終了後に入賞手段を開放する当り遊技が行われ、前記当り遊技の終了後に前記当り抽選の抽選確率状態を前記当り抽選の当選確率が低確率抽選状態よりも高まる高確率抽選状態に制御可能であって、前記高確率抽選状態である可能性があることを遊技者に報知する潜伏演出モードを含む演出モードを設定可能な遊技機において、
前記当り遊技の終了後の遊技状態に基づいてモード移行頻度を設定し、前記モード移行頻度にしたがって前記演出モードの移行の態様を制御するモード移行制御手段を備え、
前記モード移行制御手段は、前記当り遊技の終了後が前記高確率抽選状態及び前記低確率抽選状態となる場合に、同一のモード移行頻度を設定し得ることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記当り抽選を当選とする場合には前記当り遊技の終了後の遊技状態を制御するための情報を定めた当り情報が決定されるようになっており、
前記モード移行制御手段は、前記当り情報に基づいて前記モード移行頻度を設定する請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記当り抽選に当選する場合に前記当り情報に基づいて前記図柄変動ゲームで確定的に停止表示させる演出用の図柄を決定する演出用図柄決定手段を備え、
前記演出用の図柄には、前記当り情報に基づく前記当り遊技の終了後の遊技状態が前記低確率抽選状態及び前記高確率抽選状態の何れの場合にも決定される複数種類の特定の演出用の図柄を含み、
前記モード移行制御手段は、前記特定の演出用の図柄が決定される場合における前記モード移行頻度の設定に際し、前記特定の演出用の図柄の種類に基づいて前記モード移行頻度を設定する請求項2に記載の遊技機。
【請求項1】
表示装置で行われる図柄変動ゲームが当りか否かを抽選する当り抽選が行われ、前記当り抽選に当選した場合には前記図柄変動ゲームの終了後に入賞手段を開放する当り遊技が行われ、前記当り遊技の終了後に前記当り抽選の抽選確率状態を前記当り抽選の当選確率が低確率抽選状態よりも高まる高確率抽選状態に制御可能であって、前記高確率抽選状態である可能性があることを遊技者に報知する潜伏演出モードを含む演出モードを設定可能な遊技機において、
前記当り遊技の終了後の遊技状態に基づいてモード移行頻度を設定し、前記モード移行頻度にしたがって前記演出モードの移行の態様を制御するモード移行制御手段を備え、
前記モード移行制御手段は、前記当り遊技の終了後が前記高確率抽選状態及び前記低確率抽選状態となる場合に、同一のモード移行頻度を設定し得ることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記当り抽選を当選とする場合には前記当り遊技の終了後の遊技状態を制御するための情報を定めた当り情報が決定されるようになっており、
前記モード移行制御手段は、前記当り情報に基づいて前記モード移行頻度を設定する請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記当り抽選に当選する場合に前記当り情報に基づいて前記図柄変動ゲームで確定的に停止表示させる演出用の図柄を決定する演出用図柄決定手段を備え、
前記演出用の図柄には、前記当り情報に基づく前記当り遊技の終了後の遊技状態が前記低確率抽選状態及び前記高確率抽選状態の何れの場合にも決定される複数種類の特定の演出用の図柄を含み、
前記モード移行制御手段は、前記特定の演出用の図柄が決定される場合における前記モード移行頻度の設定に際し、前記特定の演出用の図柄の種類に基づいて前記モード移行頻度を設定する請求項2に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−9842(P2013−9842A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144624(P2011−144624)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】
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