説明

遊技盤の梱包ライン

【課題】緩衝材で囲繞した遊技盤を効率的に包装箱へ収納可能な遊技盤の梱包ラインを提供する。
【解決手段】上方が開口する包装箱11を収納待機位置P2に搬送する箱搬送コンベヤ12の上方に、遊技盤13を収納待機位置P2に臨む包装箱11の開口上方の箱収納位置P3に搬送する可動コンベヤ29が配設される。可動コンベヤ29は、搬送位置と下降位置および退避位置の間を移動し得る。箱収納位置P3に搬送した遊技盤13の下面を支持可能な支持部材36,36は、遊技盤下面の支持を解除する解除位置に移動し得る。可動コンベヤ29から支持部材36,36に受け渡された遊技盤13に緩衝材を配設した後、支持部材36,36を解除位置に移動すると共に可動コンベヤ29を退避位置に移動することで、収納待機位置P2に位置する包装箱11に遊技盤13を収納することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技盤を包装箱に収納する梱包ラインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種部品が取り付けられた遊技盤は、段ボール等からなる包装箱に収納して出荷される。包装箱への遊技盤の収納に際しては、運搬時等における遊技盤の損傷等を防止するため、例えば特許文献1に開示されるような緩衝材(詰物)で該遊技盤を囲繞した状態で包装箱に収納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−192009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多数の部品が取り付けられた遊技盤は重く、緩衝材で囲繞した遊技盤を持ち上げて包装箱に収納する作業は、作業者への負担が大きく、作業効率が低下する原因となっている。
【0005】
すなわち本発明は、従来の技術に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、緩衝材で囲繞した遊技盤を効率的に包装箱へ収納可能な遊技盤の梱包ラインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
包装箱(11)に遊技盤(13)を収納する遊技盤の梱包ラインにおいて、
上方が開口する包装箱(11)を収納待機位置(P2)まで搬送する箱搬送コンベヤ(12)と、
前記箱搬送コンベヤ(12)より上方に配設され、前記遊技盤(13)を前記収納待機位置(P2)に臨む包装箱(11)の開口上方の箱収納位置(P3)まで搬送する搬送位置と、該搬送位置より下方の下降位置および該下降位置から退避して収納待機位置(P2)の包装箱(11)の上方から離間する退避位置との間を移動可能に構成された可動コンベヤ(29)と、
前記可動コンベヤ(29)上の箱収納位置(P3)に搬送された遊技盤(13)の下面を支持可能な支持位置と、該支持位置から退避して遊技盤下面の支持を解除する解除位置との間を移動可能に構成された支持手段(36)と、
前記可動コンベヤ(29)および支持手段(36)の作動を制御する制御手段(23)とを備え、
前記制御手段(23)は、前記可動コンベヤ(29)により箱収納位置(P3)まで遊技盤(13)を搬送した際に、支持手段(36)を支持位置に移動させた状態で可動コンベヤ(29)を下降位置に移動するよう作動制御すると共に、前記支持手段(36)で下面が支持された遊技盤(13)に緩衝材(43)を配設した後に該支持手段(36)を解除位置に移動すると共に可動コンベヤ(29)を退避位置に移動するよう作動制御することを特徴とする。
【0007】
請求項1の発明によれば、箱収納位置で下面が支持された遊技盤を緩衝材で囲繞した後、該遊技盤の下面支持を解除することで、緩衝材で囲繞された遊技盤を下降して包装箱に収納することができる。すなわち、作業者は緩衝材で囲繞した遊技盤を持ち上げることなく包装箱に収納することができ、作業負荷を軽減し得ると共に作業効率を向上し得る。また、支持手段で支持されている遊技盤を緩衝材で囲繞する際に、例えば遊技盤が支持手段から脱落しても下降位置の可動コンベヤで遊技盤の落下を防ぐことができ、安全性が高い。
【0008】
請求項2に係る発明では、前記可動コンベヤ(29)上の箱収納位置(P3)に搬送された遊技盤(13)の上部を支持するガイド手段(30)を有し、
前記緩衝材(43)は、遊技盤(13)の下面および左右の各側面を囲繞する壁部(44,45,46)を備え、
前記ガイド手段(30)は、遊技盤(13)の上端縁における左右方向の中央部を支持する中ガイド(31)と左右の側部を支持する左ガイド(32)および右ガイド(33)を備え、左右の両ガイド(32,33)は遊技盤(13)を支持する支持位置および離間する離間位置の間を移動可能に構成され、
前記制御手段(23)は、前記遊技盤(13)が箱収納位置(P3)に到来した後に左右の両ガイド(32,33)を離間位置に移動するよう作動制御することを要旨とする。
請求項2の発明によれば、遊技盤の左右側部を支持するガイドを退避位置に移動することで、該ガイドに邪魔されることなく遊技盤の左右側面に沿って緩衝材の壁部を臨ませることができる。
【0009】
請求項3に係る発明では、前記制御手段(23)に接続され、前記箱収納位置(P3)に遊技盤(13)が到来したことを検知する検知手段(34)と、
前記制御手段(23)に接続された第1および第2の操作スイッチ(41,42)とを備え、
前記制御手段(23)は、前記検知手段(34)から検知信号が入力された際には、前記可動コンベヤ(29)を搬送位置から下降位置まで下降すると共に前記左右の両ガイド(32,33)を支持位置から離間位置まで移動するよう作動制御し、前記第1の操作スイッチ(41)から操作信号が入力された際には、前記可動コンベヤ(29)を下降位置から退避位置に移動すると共に前記支持手段(36)を支持位置から解除位置に移動するよう作動制御し、第2の操作スイッチ(42)から操作信号が入力された際には、退避位置の可動コンベヤ(29)および解除位置の支持手段(36)を搬送位置および支持位置に移動すると共に前記左右の両ガイド(32,33)を離間位置から支持位置に移動するよう作動制御することを要旨とする。
請求項3の発明によれば、操作スイッチの操作によって所定のシーケンスで各手段を作動させることができる。
【0010】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項4に係る発明は、
包装箱(11)に遊技盤(13)を収納する遊技盤の梱包ラインにおいて、
上方が開口する包装箱(11)を収納待機位置(P2)まで搬送する箱搬送コンベヤ(12)と、
前記箱搬送コンベヤ(12)より上方に配設され、前記遊技盤(13)を前記収納待機位置(P2)に臨む包装箱(11)の開口上方の箱収納位置(P3)まで搬送する搬送位置と、該搬送位置から退避して収納待機位置(P2)の包装箱(11)の上方から離間する退避位置との間を移動可能に構成された可動コンベヤ(29)と、
前記可動コンベヤ(29)上の箱収納位置(P3)に搬送された遊技盤(13)の下面を支持可能な支持位置と、該支持位置から退避して遊技盤下面の支持を解除する解除位置との間を移動可能に構成された支持手段(36)と、
前記可動コンベヤ(29)および支持手段(36)の作動を制御する制御手段(23)とを備え、
前記制御手段(23)は、前記可動コンベヤ(29)により箱収納位置(P3)まで遊技盤(13)を搬送した際に、支持手段(36)を支持位置に移動させた状態で可動コンベヤ(29)を退避位置に移動するよう作動制御すると共に、前記支持手段(36)で下面が支持された遊技盤(13)に緩衝材(43)を配設した後に該支持手段(36)を解除位置に移動するよう作動制御することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明によれば、箱収納位置で下面が支持された遊技盤を緩衝材で囲繞した後、該遊技盤の下面支持を解除することで、緩衝材で囲繞された遊技盤を下降して包装箱に収納することができる。すなわち、作業者は緩衝材で囲繞した遊技盤を持ち上げることなく包装箱に収納することができ、作業負荷を軽減し得ると共に作業効率を向上し得る。
【0012】
請求項5に係る発明では、前記可動コンベヤ(29)上の箱収納位置(P3)に搬送された遊技盤(13)の上部を支持するガイド手段(30)を有し、
前記緩衝材(43)は、遊技盤(13)の下面および左右の各側面を囲繞する壁部(44,45,46)を備え、
前記ガイド手段(30)は、遊技盤(13)の上端縁における左右方向の中央部を支持する中ガイド(31)と左右の側部を支持する左ガイド(32)および右ガイド(33)を備え、左右の両ガイド(32,33)は遊技盤(13)を支持する支持位置および離間する離間位置の間を移動可能に構成され、
前記制御手段(23)は、前記遊技盤(13)が箱収納位置(P3)に到来した後に左右の両ガイド(32,33)を離間位置に移動するよう作動制御することを要旨とする。
請求項5の発明によれば、遊技盤の左右側部を支持するガイドを離間位置に移動することで、該ガイドに邪魔されることなく遊技盤の左右側面に沿って緩衝材の壁部を臨ませることができる。
【0013】
請求項6に係る発明では、前記緩衝材(43)には、前記遊技盤(13)の下面を保護する下壁部(44)の上面に、前記支持手段(36)の支持位置から解除位置への移動方向に沿って延在する凹部(44a)が支持手段(36)に対応する位置に形成されていることを要旨とする。
請求項6の発明によれば、緩衝材の下壁部に遊技盤が載置された状態で、支持手段の解除位置への移動をスムーズに行なうことができる。
【0014】
請求項7に係る発明では、前記緩衝材(43)には、前記遊技盤(13)の下面を保護する下壁部(44)に、遊技盤(13)に取付けられた部品(28)の下面を支持可能な支持片(44b)が折曲可能に設けられると共に、前記箱収納位置(P3)で支持された遊技盤(13)に配設された緩衝材(43)の前記支持片(44b)に対応する位置に、該支持片(44b)を部品(28)の下面を支持する位置まで折曲する折曲げ手段(39)が設けられていることを要旨とする。
請求項7の発明によれば、遊技盤に配設した部品の下面を支えるための緩衝材の支持片を、支持手段で遊技盤を支持した状態で簡単に折曲することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る遊技盤の梱包ラインによれば、緩衝材で囲繞した遊技盤を効率的に包装箱へ収納することができると共に、作業負荷を軽減し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の好適な第1実施例に係る遊技盤の梱包ラインの概略正面図である。
【図2】第1実施例に係る梱包ラインの製函機および箱搬送コンベヤを示す概略平面図である。
【図3】第1実施例に係る梱包ラインの製函機を示す概略側面図である。
【図4】第1実施例に係る梱包ラインの箱収納位置に配設される各装置を概略的に示すものであって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図5】第1実施例に係る梱包ラインの箱収納位置に配設される各装置を、該箱収納位置に遊技盤が到来した状態で示すものであって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図6】第1実施例に係る梱包ラインの箱収納位置に配設される各装置を、可動コンベヤを下降位置に移動した状態で示すものであって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図7】第1実施例に係る梱包ラインの箱収納位置に配設される各装置を、遊技盤に緩衝材を取付けた状態で示すものであって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図8】第1実施例に係る梱包ラインの箱収納位置に配設される各装置を、可動コンベヤを退避位置に移動した状態で示すものであって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【図9】第1実施例に係る梱包ラインの作業ステーションを、収納待機位置に包装箱が位置すると共に、箱収納位置に遊技盤が到来する前の状態で示す概略正面図である。
【図10】第1実施例に係る梱包ラインの作業ステーションを、緩衝材を取付けた遊技盤を収納待機位置の包装箱に収納する状態で示す概略正面図である。
【図11】第1実施例に係る梱包ラインにおいて折曲げ手段で包装箱の支持片を折曲げる状態を示す説明図である。
【図12】第1実施例に係る梱包ラインの制御ブロック図である。
【図13】実施例に係る緩衝材を示す概略斜視図である。
【図14】第2実施例に係る梱包ラインにおける箱収納位置に配設される各装置を、支持手段で遊技盤を支持した状態で示すものであって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明に係る遊技盤の梱包ラインにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
〔第1実施例〕
図1は、第1実施例に係る遊技盤の梱包ラインの全体構成を概略的に示すものである。当該梱包ラインで取扱う遊技盤13は、パチンコ機に代表される遊技機における枠から取外されて単体で梱包および出荷されるものであり、遊技盤13単体で梱包されて遊技店に出荷され、該遊技店の設置枠台に固定される外枠に開閉および着脱可能に組付けられている中枠に対して遊技店側で遊技盤13が組付けられる。梱包ラインは、製函機10で上方に開口する箱状に製函された包装箱11を、開口が上方を向く姿勢で搬送する箱搬送コンベヤ12の上方に離間して、前記遊技盤13を、起立姿勢で搬送する盤搬送コンベヤ14が該箱搬送コンベヤ12と平行に配設される。なお、包装箱11および遊技盤13の搬送方向と交差する幅方向の一側方が操作側として設定されており、この操作側を手前、これと反対側を奥と指称するものとする。また、以下の説明において、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すように梱包ラインを手前側(操作側)から見た状態で指称する。
【0019】
(製函機について)
前記製函機10は、箱搬送コンベヤ12の上流に設定された受渡し位置P1の手前側に、図2または図3に示す如く、平面的に折り畳まれた段ボールシート15が起立姿勢で前後方向に重なるように集積されるシートマガジン16を備える。段ボールシート15は、シートマガジン16の下部に配設された移送装置17に載置されて、該移送装置17によりシート取出し位置まで移送されるよう構成される。なお、段ボールシート15は、包装箱11の胴部を構成する前後左右の4つの壁部を連設すると共に、各壁部の端部にフラップを夫々形成したものであって、該段ボールシート15は、包装箱11の底部を形成する下部フラップを下にした起立姿勢で移送装置17に載置される。
【0020】
受渡し位置P1の奥側には、シートマガジン16から段ボールシート15を1枚づつ取出す取出し装置18が配設される。取出し装置18は、シートマガジン16のシート取出し位置に臨む段ボールシート15に対して進退移動可能な吸着手段19を備え、該吸着手段19を奥側の待機位置から段ボールシート15における受渡し位置P1を向く後壁部を吸着可能な位置まで前進し、該後壁部を吸着した後に吸着手段19を待機位置に戻すことで段ボールシート15を受渡し位置P1に取出すよう構成される。
【0021】
前記シートマガジン16には、シート取出し位置に臨む段ボールシート15における後壁部の上下端部に該段ボールシート15の取出しを許容する状態で接触するブラシ状の規制部材20,20が配設される(図3参照)。この規制部材20,20は、前記取出し装置18によりシート取出し位置に臨む段ボールシート15が取出される際に、次の段ボールシート15の上下端部に接触することで、該次の段ボールシート15が前の段ボールシート15に重なった状態で取出されるのを規制するべく機能する。なお、前記移送装置17は、段ボールシート15が取出される毎に集積されているシート群を移送して、移送方向最前の段ボールシート15をシート取出し位置に臨ませるよう構成される。
【0022】
前記シートマガジン16の取出し側には、前記取出し装置18による段ボールシート15の取出しに際し、該段ボールシート15における後壁部と前壁部とに連設される一方の側壁部に当接するガイド部材21が設けられ、段ボールシート15がシートマガジン16から取出される際にガイド部材21に側壁部が当接して位置規制されることで、段ボールシート15が箱状に開函されるようになっている。前記受渡し位置P1には、該受渡し位置P1に取出された箱状の段ボールシート15の下部フラップを折込む折込み手段(図示せず)が配設され、該折込み手段により下部フラップが折込まれることで、上方に開口する包装箱11が組立てられて、該包装箱11が受渡し位置P1から図示しない送り手段によって箱搬送コンベヤ12に送り込まれるよう構成される。なお、折込まれた下部フラップは、箱搬送コンベヤ12へ送り込まれる際に、図示しないテープ貼着手段により貼着される封印テープによって封緘されるようになっている。
【0023】
(箱搬送コンベヤについて)
前記箱搬送コンベヤ12は、箱搬送方向に離間した複数のローラを回転可能に備えたローラコンベヤであって、上方に開口する包装箱11を載置して搬送するよう構成される。箱搬送コンベヤ12における製函機10からの包装箱11の受取り位置に、包装箱11を検知可能な第1検知手段22が設けられ、該第1検知手段22による検知信号が、梱包ラインの全体を制御する制御手段23(図12参照)に入力されるようになっている。また、箱搬送コンベヤ12の下流端に設定された収納待機位置P2に包装箱11が到来したことを検知する第2検知手段24が設けられ(図1参照)、該第2検知手段24による検知信号が制御手段23に入力される。なお、収納待機位置P2が設定される領域が、遊技盤13を包装箱11に収納する作業ステーションとして設定され、作業者は収納待機位置P2の手前側で収納作業を待機するようになっている。
【0024】
(盤搬送コンベヤについて)
前記盤搬送コンベヤ14は、図1に示す如く、盤搬送方向に離間した複数のローラを回転可能に備えたローラコンベヤであって、遊技盤13を起立姿勢で載置搬送するよう構成される。この盤搬送コンベヤ14は、前記箱搬送コンベヤ12で載置搬送される包装箱11と干渉しない間隔で該箱搬送コンベヤ12の上方に離間している。また盤搬送コンベヤ14の上方には、該コンベヤ14に載置した遊技盤13の上端部を支持する複数の支持ローラ25が、盤搬送方向に離間して盤搬送コンベヤ14の下流端まで並設されている。盤搬送コンベヤ14の下流端には、遊技盤13を検知可能な第3検知手段26が配設され、該第3検知手段26の検知信号が制御手段23に入力されるようになっている。
【0025】
前記遊技盤13は、前面に遊技領領が形成されるアクリル板あるいはベニヤ板等からなる板部材27の裏側に、図柄表示装置、各種演出装置や制御装置等の部品28を配設した裏ユニットを取付けて構成されたものであって、該遊技盤13は、前面を手前側に向けた姿勢で盤搬送コンベヤ14に載置され、この状態で遊技盤13の重心は、裏側に取付けた各種部品等の重みによって板部材27の後側に位置するようになっている。板部材27の裏側に配設される制御装置等の部品28は、該板部材27の下端より上側に位置して、その下面が後述する緩衝材43の支持片44bで支持されるようになっている。
【0026】
(可動コンベヤについて)
前記盤搬送コンベヤ14の下流側における前記箱搬送コンベヤ12に設定された収納待機位置P2の上方に、図9に示す如く、盤搬送コンベヤ14から遊技盤13を起立姿勢で受け取って搬送する可動コンベヤ29が配設される。この可動コンベヤ29は、遊技盤13を収納待機位置P2に臨む包装箱11の開口上方の箱収納位置P3まで搬送する搬送位置(図4,図5参照)と、該搬送位置より下方の下降位置(図6,図7参照)および下降位置から奥側に退避して収納待機位置P2の包装箱11の上方から離間する退避位置(図8参照)との間を移動可能に構成される。可動コンベヤ29は、コンベヤフレームに回転可能に配設した複数のローラを盤搬送方向に離間して配置したローラコンベヤであって、該コンベヤフレームに配設した駆動モータによってローラを回転駆動するよう構成される。そして、可動コンベヤ29は、前記制御手段23により作動制御されるエアシリンダ等の作動手段によって、前記搬送位置、下降位置および退避位置に移動される。なお、可動コンベヤ29の下降位置は、後述する支持装置35の支持部材36による遊技盤13の支持位置より下方で、かつ収納待機位置P2に臨む包装箱11の上方に設定される。
【0027】
(ガイド手段について)
前記可動コンベヤ29の上方には、該コンベヤ29で搬送される遊技盤13の上部を支持するガイド手段30が配設される。ガイド手段30は、図5に示す如く、遊技盤13の上端縁における左右方向の中央部を支持する中ガイド31と、左右の側部を支持する左ガイド32および右ガイド33を備え、左右の両ガイド32,33は、遊技盤13を支持する支持位置および奥側に離間する離間位置の間を移動可能に構成される。左右の両ガイド32,33は、前記制御手段23により作動制御されるエアシリンダ等の作動手段によって、前記支持位置と離間位置とに一体的に移動される。なお、ガイド手段30は、支持位置において遊技盤13の裏側の上端縁を支持するよう位置決めされている。また左ガイド32の左端は、図9に示す如く、前記盤搬送コンベヤ14の上方に配置されている最下流側の支持ローラ25に近接するよう位置決めされ、該支持ローラ25により支持されなくなった遊技盤13の上端縁を左ガイド32で引き続き支持し得るよう構成される。
【0028】
前記可動コンベヤ29で搬送される遊技盤13が箱収納位置P3に到来したことを検知する第4検知手段(検知手段)34が設けられ、該第4検知手段34の検知信号が制御手段23に入力されるようになっている。なお、前記右ガイド33の右端部(可動コンベヤ29の下流端側)に、遊技盤13の右側端が当接可能なストッパ33aが手前側に向けて延設され、可動コンベヤ29で搬送される遊技盤13が箱収納位置P3を越えて下流側に移動するのを該ストッパ33aで規制するよう構成される。
【0029】
(支持装置について)
前記箱収納位置P3に臨む遊技盤13の下面を支持可能な支持装置35が配設される。支持装置35は、図4に示す如く、盤搬送方向に離間する一対の支持部材(支持手段)36,36を備え、各支持部材36は前記可動コンベヤ29におけるローラ間に臨んで、可動コンベヤ29の搬送位置から下降位置への移動を阻害しないよう構成される。また一対の支持部材36,36は、箱収納位置P3に臨む遊技盤13における左右端部より中央側の下面を支持する位置に臨むように位置決めされている(図5(a)参照)。支持装置35は、支持部材36,36を、前記制御手段23により作動制御されるエアシリンダ等の作動手段によって、遊技盤13の下面を支持可能な支持位置と奥側に退避した解除位置との間を移動するよう構成される(図6,図8参照)。なお、支持部材36,36の解除位置では、後述する緩衝材43で囲繞された遊技盤13が真下に下降するのを許容するようになっている。また第1実施例では、支持位置における支持部材36,36の上面は、搬送位置の可動コンベヤ29における遊技盤13の載置面より下側に位置し、可動コンベヤ29が搬送位置から下降する途中で遊技盤13が支持部材36,36に受け渡されるよう構成される。
【0030】
なお、前記ガイド手段30における少なくとも中ガイド31は、遊技盤13が支持部材36,36で支持された状態で、該遊技盤13の上部を支持し得るように位置決めされている。また支持装置35で支持された遊技盤13より奥側に、該遊技盤13の裏面(例えば制御装置等の部品28の裏面)に当接可能な規制片37が設けられ、後述するように遊技盤13を支持している支持部材36,36が支持位置から解除位置に移動する際に、遊技盤13が支持部材36,36の移動につれて奥側に移動するのを規制片37で規制するよう構成される。
【0031】
(折曲げ手段について)
前記可動コンベヤ29の奥側には、エアシリンダ等の作動手段により上下動可能な折曲げ部材38を備えた折曲げ手段39が、可動コンベヤ29と一体的に移動するように配設される。折曲げ部材38は、可動コンベヤ29の下降位置において、支持部材36,36より下方で後述する緩衝材43の遊技盤13への取付けを許容する下位置と、支持部材36,36より上方の上位置との間を移動するよう構成される(図11参照)。また折曲げ部材38は、遊技盤13に緩衝材43が取付けられた状態で、該緩衝材43における遊技盤13の下面を保護する下壁部44に形成された支持片44bの下方に対応するよう位置決めされる。そして、折曲げ部材38を下位置から上位置に移動することで、支持片44bを上向きに立ち上げるように折曲して、該支持片44bにより遊技盤13の裏側に配設されている制御装置等の部品28の下面を支持するよう構成される。実施例では、支持片44bは両支持部材36,36の間に位置し、これに対応して折曲げ部材38も両支持部材36,36の間を上下動するよう構成される。
【0032】
(封緘機について)
前記箱搬送コンベヤ12の下流側に封緘機40が接続され、箱搬送コンベヤ12から封緘機40に搬送された上方が開口する包装箱11は、該封緘機40で上部フラップが折込まれると共に封印テープが貼着されて封緘されるよう構成される。
【0033】
(制御手段について)
梱包ラインの全体を制御する制御手段23には、前記製函機10、箱搬送コンベヤ12、盤搬送コンベヤ14、可動コンベヤ29、ガイド手段30、支持装置35、折曲げ手段39および第1〜第4検知手段22,24,26,34が接続される。なお、図12では、製函機や各コンベヤ等の制御対象となる各装置が接続する態様で図示してあるが、具体的には各装置における駆動モータやシリンダ等の作動手段が接続され、これら駆動モータや作動手段を制御手段23で制御することで各装置において所定の動作を行なうよう構成される。
【0034】
前記制御手段23は、前記第1検知手段22が包装箱11を検知していない状態(非検知状態)においては、前記製函機10を制御して包装箱11の組立て作業を継続し、該第1検知手段22が包装箱11を検知した検知信号が入力されたときに、製函機10による包装箱11の組立て作業を中断するよう製函機10を作動制御する。また制御手段23は、前記第2検知手段24が収納待機位置P2に包装箱11が到来したことを検知した検知信号が入力されたときに箱搬送コンベヤ12を停止するよう制御し、収納待機位置P2に上方が開口する包装箱11を停止状態で待機させるようになっている。
【0035】
前記制御手段23は、前記第3検知手段26が遊技盤13を検知した検知信号が入力されたときに盤搬送コンベヤ14を停止制御し、遊技盤13を可動コンベヤ29の上流側で停止待機させるよう設定される。また制御手段23は、前記第4検知手段34が遊技盤13を検知した検知信号が入力された際には、前記可動コンベヤ29を停止すると共に該可動コンベヤ29を搬送位置から下降位置まで下降し、更に前記左右の両ガイド32,33を支持位置から離間位置まで移動するよう制御する。
【0036】
前記制御手段23には、作業者により操作される第1の操作スイッチ41および第2の操作スイッチ42が接続され、制御手段23は、第1の操作スイッチ41から操作信号が入力された際には、下降位置に臨む前記可動コンベヤ29を退避位置に移動させると共に、前記支持装置35の支持部材36,36を支持位置から解除位置に移動させるよう制御する。また制御手段23は、第2の操作スイッチ42から操作信号が入力された際には、退避位置の可動コンベヤ29および解除位置の支持部材36,36を搬送位置および支持位置に移動させると共に、前記左右の両ガイド32,33を離間位置から支持位置に移動させるよう制御する。そして制御手段23は、可動コンベヤ29、支持部材36,36および両ガイド32,33が対応する搬送位置および支持位置に戻り、かつ前記第4検知手段34が遊技盤13の非検知状態の条件で、前記盤搬送コンベヤ14を走行して遊技盤13を可動コンベヤ29に向けて搬送するよう設定される。なお、第2の操作スイッチ42から操作信号が入力された際に制御手段23は、箱搬送コンベヤ12の走行を開始し、収納待機位置P2の包装箱11を下流側に接続する前記封緘機40に搬出するよう設定される。
【0037】
前記第1の操作スイッチ41としてはフットスイッチが採用され、後述するように作業者が緩衝材43を両手で持っている状態で、足で操作し得るようになっている。また第2の操作スイッチ42としては、操作業が手で操作可能な押ボタン式のスイッチが採用される。
【0038】
(緩衝材について)
前記遊技盤13に配設される緩衝材43は、図13に示す如く、段ボールシートから形成された長尺な板材を、幅方向に延在する折線によって折曲することで凹状に形成することが可能な材料であって、2つの折線に挟まれて遊技盤13の下面を保護する下壁部44と、該下壁部44の左右両側に連設されて遊技盤13の左右の側面を保護する左壁部45および右壁部46とから構成される。下壁部44の上面には、遊技盤13の下面を支持する各支持部材36と対応する位置に、該支持部材36を収容可能な凹部44aが、前後方向に延在するように形成される。実施例の緩衝材43は、段ボールシートを折り重ねた2重構造となっており、上側に重ねるシートを切欠くことで凹部44aが形成されている。なお、実施例では凹部44aが緩衝材43の後端(支持部材36が支持位置から解除位置へ移動する側の端部)まで延在しているが、凹部44aが後端に至らないようにして後端部において左右のシートが連結する状態を保持するようにして強度低下を防止するようにしてもよい。
【0039】
また前記下壁部44には、左右方向の中間に、左右方向に離間する一対の切込みを後端側から前側に向けて所定長さで形成することで、両切込みの間に前部側を支点として立ち上がるように折曲可能な支持片44bが設けられている。この支持片44bは、遊技盤13の裏面に取付けられた制御装置等の部品28の下面を支持可能な位置に設けられる(図11参照)。なお、左右の壁部45,46には、緩衝材43を遊技盤13に取付けた際に該遊技盤13の側面に当接しない上部位置に手掛け孔47が夫々形成されている。また左右の壁部45,46における遊技盤13の側面に対向する内面側には、上下方向に延在する凹溝48が夫々形成されており、該凹溝48に、遊技盤13における板部材27の端部が嵌まり込むことで遊技盤13の前後方向の移動規制を行ない得るようになっている。
【0040】
〔第1実施例の作用〕
次に、前述した第1実施例に係る遊技盤の梱包ラインの作用につき説明する。
【0041】
前記制御手段23は、図1に示す如く、前記第1検知手段22が包装箱11を検知していない(非検知状態)条件で、前記製函機10による包装箱11の組立てを行なわせるよう該製函機10を作動制御する。すなわち、製函機10では、図2または図3に示す如く、前記取出し装置18の吸着手段19が前進してシートマガジン16のシート取出し位置に臨む段ボールシート15の後壁部を吸着し、該吸着手段19が奥側の待機位置に後退することで、シートマガジン16から1枚の段ボールシート15が取出される。このとき、段ボールシート15の側壁がガイド部材21に当接して移動が規制されることで、段ボールシート15は箱状に開函されて受渡し位置P1に取出される。なお、吸着手段19で吸着されて最前の段ボールシート15が取出される際に、次の段ボールシート15は上下の規制部材20,20によって取出し方向に移動するのが規制されることで、2枚の段ボールシート15が重なった状態で取出されてしまうのは防止される。また、最前の段ボールシート15が取出されると、シートマガジン16の移送装置17が駆動されて次の段ボールシート15がシート取出し位置まで移送され、次の取出しを待機する。
【0042】
前記取出し装置18により受渡し位置P1に取出された包装箱11は、下部フラップが折込まれた後に前記箱搬送コンベヤ12に送り出され、このときに下部フラップが封印テープによって封印される。製函機10で組立てられた包装箱11が箱搬送コンベヤ12の受取り位置に送り込まれることで、前記第1検知手段22が包装箱11を検知し、該検知信号の入力によって前記制御手段23は製函機10での包装箱11の組立てを中断するよう該製函機10を制御する。そして、箱搬送コンベヤ12の下流側での処理によって受取り位置から包装箱11が下流側に搬送され、第1検知手段22が再び包装箱11を検知しなくなると、制御手段23は製函機10による包装箱11の組立てを再開するよう該製函機10を制御する。すなわち、箱搬送コンベヤ12上に、常に所定数の包装箱11が待機するように製函機10が作動制御され、収納待機位置P2への包装箱11の供給が滞るのを防ぐことができる。
【0043】
前記箱搬送コンベヤ12の走行によって最下流側に位置する包装箱11が収納待機位置P2に到来したことを第2検知手段24が検知すると、前記制御手段23は第2検知手段24からの検知信号の入力に基づいて箱搬送コンベヤ12を停止するよう制御し、これにより上方に開口する包装箱11が収納待機位置P2に停止して遊技盤13の収納を待機する。
【0044】
前記盤搬送コンベヤ14には、前向きの起立姿勢で載置された遊技盤13の上端部が支持ローラ25で支持されており、該盤搬送コンベヤ14の走行によって遊技盤13が下流側に起立姿勢のまま搬送される。図9に示す如く、前記第3検知手段26が遊技盤13を検知した検知信号が制御手段23に入力されると、該制御手段23は盤搬送コンベヤ14を停止制御し、前記可動コンベヤ29の上流側で遊技盤13を停止する。制御手段23は、前記第2の操作スイッチ42から操作信号が入力された際に、盤搬送コンベヤ14を走行するよう制御し、第3検知手段26で検知されていた遊技盤13を可動コンベヤ29に向けて搬送する。
【0045】
前記盤搬送コンベヤ14から搬送位置の可動コンベヤ29に送り込まれた遊技盤13は、上端部の裏面が前記ガイド手段30で支持された状態で下流側に搬送され、前記第4検知手段34が遊技盤13を検知すると、前記制御手段23は第4検知手段34からの検知信号の入力に基づいて可動コンベヤ29を停止する。このとき、図5に示すように遊技盤13の右側面(下流端)が右ガイド33のストッパ33aに当接して位置規制され、該遊技盤13は箱収納位置P3に位置決めされる。また、前記支持装置35の支持位置に臨む各支持部材36の上面は、搬送位置の可動コンベヤ29の載置面より下側に位置しているから、可動コンベヤ29で搬送される遊技盤13が支持部材36に接触して搬送が阻害されることはない。なお、前述したように遊技盤13は、板部材27の裏側に配設される各種部品によって重心が裏側に位置して裏側上端が前記ガイド手段30側に倒れるように支持されるから、遊技盤13の裏側上端をガイド手段30で支持した状態で可動コンベヤ29により安定して搬送される。また左ガイド32の左端は、図9に示す如く、最下流側の支持ローラ25に近接しているから、盤搬送コンベヤ14から可動コンベヤ29へ移動する遊技盤13の上端部は左ガイド32によって引き続き支持されて安定した受け渡しが図られる。
【0046】
前記制御手段23は、第4検知手段34から検知信号が入力された際には、図6に示す如く、前記可動コンベヤ29および左右の両ガイド32,33を制御し、該可動コンベヤ29を搬送位置から下降位置まで下降すると共に左右の両ガイド32,33を支持位置から離間位置まで移動する。そして、可動コンベヤ29が搬送位置から下降位置に移動する際に、前記支持位置に臨む一対の支持部材36,36に遊技盤13が受け渡される。これにより遊技盤13は、下面が左右両端より内側で一対の支持部材36,36で支持されると共に、裏側上端の中央部位が前記中ガイド31で支持され、該遊技盤13の下面および左右の両側面は略露出した状態となる。
【0047】
前記一対の支持部材36,36で下面が支持されている遊技盤13に対し、前記作業ステーションに待機している作業者は、手前側から緩衝材43の下壁部44を遊技盤13の下側に差し入れると共に、左右の壁部45,46を遊技盤13の対応する左右の側面に沿わすように折曲げて、該遊技盤13の下面および左右の側面を緩衝材43で囲繞する(図7参照)。このとき、遊技盤13の上端左右両側を支持していた左右のガイド32,33は奥側に退避しているから、緩衝材43の左右の壁部45,46を遊技盤13の左右の側面に支障なく沿わせることができる。また、支持部材36,36で支持されている遊技盤13に対して緩衝材43を配設する作業に際し、何等かの原因によって遊技盤13が支持部材36,36から脱落したとしても、図7(c)に示すように前記可動コンベヤ29が支持部材36,36の下方に位置しているから、該遊技盤13が箱搬送コンベヤ12に落下するのは防止される。
【0048】
前記箱収納位置P3の遊技盤13を囲繞した緩衝材43の左右の壁部45,46を手掛け孔47,47に指を掛けて保持した状態で、作業者が足で前記第1の操作スイッチ41を操作すると、前記制御手段23は、先ず前記折曲げ手段39を制御し、図11に示す如く、前記折曲げ部材38を下位置から上位置まで移動することで、緩衝材43の下壁部44に形成した支持片44bが折曲げ部材38により立ち上がるように折曲げられて、遊技盤13の裏側に配設されている部品28の下面が支持片44bで支持される。次いで制御手段23は、前記可動コンベヤ29および支持装置35を制御し、図8に示す如く、下降位置に臨む可動コンベヤ29を退避位置に移動すると共に、支持装置35の支持部材36,36を支持位置から解除位置に移動する。緩衝材43の下壁部44には、各支持部材36に対応する位置に凹部44aが形成されているから、該支持部材36の支持位置から解除位置への移動はスムーズに行なわれ、支持部材36と共に遊技盤13の下部が奥側に移動されるのは抑制される。また、遊技盤13における部品28の裏面が、前記規制片37に当接しているので、該規制片37によっても遊技盤13が奥側へ移動するのは確実に防止され、緩衝材43で囲繞された遊技盤13は、前記収納待機位置P2の真上の箱収納位置P3からの変位は抑制される。前記折曲げ手段39による支持片44bの折曲げは、支持装置35による遊技盤13の支持解除前に行なわれるから、折曲げ時に作業者が遊技盤13を支え持つ必要はなく、作業者に負担を掛けることなく簡単に折曲げを行なうことができる。
【0049】
前記支持装置35の支持部材36,36による遊技盤13の支持が解除されると、緩衝材43に遊技盤13の自重が加わるので、作業者は左右の壁部45,46を持ったまま緩衝材43を下げることで、緩衝材43および遊技盤13は、図10に示す如く、収納待機位置P2に臨む包装箱11に上方から収納される。前記緩衝材43で囲繞されている遊技盤13は、裏側に配設した部品28の下面が支持片44bで支持され、また板部材27の左右両端が緩衝材43の左右の壁部45,46の凹溝48,48に嵌まり込んで位置決めされているから、遊技盤13を包装箱11に収納する際に該遊技盤13が移動することで収納に支障を来たすのは防止される。また、緩衝材43の下面が包装箱11の内底面に到達した際に生ずる衝撃は、前記支持片44bで吸収し得るから、前記部品28の損傷等も防止し得る。更に、遊技盤13を囲繞した状態での緩衝材43の下壁部44の外形寸法は、包装箱11の開口寸法より僅かに小さく設定されており、遊技盤13と共に緩衝材43が包装箱11に収納される際には該包装箱11内の空気は、緩衝材43と包装箱11との隙間が小さいために逃げ難く、よって空気の抵抗により遊技盤13の下降速度が抑制されて、緩衝材43の下面が包装箱11の内底面に到達した際に生ずる衝撃を小さくすることができる。すなわち、緩衝材43の下面が包装箱11の内底面に到達した際に生ずる衝撃自体を小さくし得るから、前記支持片44bでの衝撃吸収作用と相俟って部品28の損傷等を確実に防止し得る。
【0050】
そして、作業者が前記第2の操作スイッチ42を操作すると、前記制御手段23は、前記可動コンベヤ29および支持装置35を制御し、退避位置に臨む可動コンベヤ29を搬送位置に移動すると共に、支持装置35の支持部材36,36を解除位置から支持位置に移動する。また左右の両ガイド32,33が制御手段23で制御され、両ガイド32,33が離間位置から支持位置まで移動し、次の遊技盤13の搬入を待機する(図4の状態)。そして、制御手段23は、前記第4検知手段34が非検知状態の条件で、前記盤箱送コンベヤ14を走行するよう制御し、最下流側の遊技盤13を可動コンベヤ29に向けて搬送する。更に、箱搬送コンベヤ12が走行するよう制御され、遊技盤13が収容された包装箱11が前記封緘機40に搬出され、該包装箱11の上部フラップが折込まれて封印テープで封印される。
【0051】
前述したように、上方に開口する包装箱11が待機する収容待機位置P2の上方の箱収納位置P3に遊技盤13を供給すると共に、当該箱収納位置P3で遊技盤13に緩衝材43を配設することができ、遊技盤13の支持を解除してそのまま下降させるだけで、緩衝材43で囲繞された遊技盤13を包装箱11に収納することができる。すなわち、作業者は緩衝材43で囲繞した遊技盤13を、包装箱11に上方から収納し得る位置まで持ち上げる必要はなく、作業者の負担を軽減することができると共に作業効率を向上し得る。
【0052】
〔第2実施例〕
図14は、第2実施例に係る遊技盤の梱包ラインの要部を示すものであって、基本的な構成は第1実施例と同じであり、可動コンベヤ29の動作のみが異なるので、異なる部分についてのみ説明する。なお、第1実施例と第2実施例とで装置構成が異なるものではないので、両実施例の同一部材に同じ符号を付すものとする。
【0053】
第2実施例の梱包ラインにおいて、制御手段23は、前記第4検知手段34からの検知信号が入力された際には、可動コンベヤ29を、搬送位置から遊技盤13を支持部材36,36に受け渡し得る高さだけ下降した後に退避位置まで後退するよう制御する。すなわち、第2実施例の梱包ラインにおいては、第4検知手段34により遊技盤13が検知されたときには、図14(c)に示す如く、可動コンベヤ29が退避位置に移動すると共に、前記左右のガイド32,33が離間位置に移動するよう構成される。このように遊技盤13の下方から可動コンベヤ29を奥側に退避することで、遊技盤13の下方には大きな空間ができ、該遊技盤13に対する緩衝材43の配設作業が容易となる。
【0054】
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、箱搬送コンベヤ、盤搬送コンベヤおよび可動コンベヤを何れもローラコンベヤで構成したが、ベルトコンベヤ等、他の公知の方式のコンベヤを用いることができる。例えば、可動コンベヤでは、複数のベルトコンベヤを離間して直列に配置し、各コンベヤ間に支持部材を配置することで、支持部材と干渉することなくコンベヤを上下動することは可能となる。
(2) 実施例では、一対の支持部材で遊技盤の下面を支持するよう構成したが、支持部材の数は、遊技盤を安定して支持し得るものであれば、1つあるいは3つ以上であってもよい。
(3) 実施例では、ガイドを支持位置と離間位置との間を前後動するよう構成したが、ガイドを下方の支持位置と上方の離間位置との間を移動する構成を採用し得る。この場合のガイドの形状としては、遊技盤の前後面を支持する形態のものを用いることができる。
(4) 実施例では、箱搬送コンベヤと盤搬送コンベヤとを平行に配置したレイアウトで説明したが、収納待機位置と箱収納位置とが上下方向で一致していれば、例えば両コンベヤの搬送方向が交差するように配置されたレイアウトであってもよい。
(5) 第2実施例では、可動コンベヤから支持部材に遊技盤を受け渡す際に可動コンベヤを下降させたが、支持部材を搬送位置の可動コンベヤにおける搬送面より上方に移動することで遊技盤を受け取るよう構成し、可動コンベヤについては前後方向に直線的に移動する構成を採用し得る。
【符号の説明】
【0055】
11 包装箱
12 箱搬送コンベヤ
13 遊技盤
23 制御手段
28 部品
29 可動コンベヤ
30 ガイド手段
31 中ガイド
32 左ガイド
33 右ガイド
34 第4検知手段(検知手段)
36 支持部材(支持手段)
39 折曲げ手段
41 第1の操作スイッチ
42 第2の操作スイッチ
43 緩衝材
44 下壁部
44a 凹部
44b 支持片
45 左壁部
46 右壁部
P2 収納待機位置
P3 箱収納位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装箱に遊技盤を収納する遊技盤の梱包ラインにおいて、
上方が開口する包装箱を収納待機位置まで搬送する箱搬送コンベヤと、
前記箱搬送コンベヤより上方に配設され、前記遊技盤を前記収納待機位置に臨む包装箱の開口上方の箱収納位置まで搬送する搬送位置と、該搬送位置より下方の下降位置および該下降位置から退避して収納待機位置の包装箱の上方から離間する退避位置との間を移動可能に構成された可動コンベヤと、
前記可動コンベヤ上の箱収納位置に搬送された遊技盤の下面を支持可能な支持位置と、該支持位置から退避して遊技盤下面の支持を解除する解除位置との間を移動可能に構成された支持手段と、
前記可動コンベヤおよび支持手段の作動を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記可動コンベヤにより箱収納位置まで遊技盤を搬送した際に、支持手段を支持位置に移動させた状態で可動コンベヤを下降位置に移動するよう作動制御すると共に、前記支持手段で下面が支持された遊技盤に緩衝材を配設した後に該支持手段を解除位置に移動すると共に可動コンベヤを退避位置に移動するよう作動制御する
ことを特徴とする遊技盤の梱包ライン。
【請求項2】
前記可動コンベヤ上の箱収納位置に搬送された遊技盤の上部を支持するガイド手段を有し、
前記緩衝材は、遊技盤の下面および左右の各側面を囲繞する壁部を備え、
前記ガイド手段は、遊技盤の上端縁における左右方向の中央部を支持する中ガイドと左右の側部を支持する左ガイドおよび右ガイドを備え、左右の両ガイドは遊技盤を支持する支持位置および離間する離間位置の間を移動可能に構成され、
前記制御手段は、前記遊技盤が箱収納位置に到来した後に左右の両ガイドを離間位置に移動するよう作動制御する請求項1記載の遊技盤の梱包ライン。
【請求項3】
前記制御手段に接続され、前記箱収納位置に遊技盤が到来したことを検知する検知手段と、
前記制御手段に接続された第1および第2の操作スイッチとを備え、
前記制御手段は、前記検知手段から検知信号が入力された際には、前記可動コンベヤを搬送位置から下降位置まで下降すると共に前記左右の両ガイドを支持位置から離間位置まで移動するよう作動制御し、前記第1の操作スイッチから操作信号が入力された際には、前記可動コンベヤを下降位置から退避位置に移動すると共に前記支持手段を支持位置から解除位置に移動するよう作動制御し、第2の操作スイッチから操作信号が入力された際には、退避位置の可動コンベヤおよび解除位置の支持手段を搬送位置および支持位置に移動すると共に前記左右の両ガイドを離間位置から支持位置に移動するよう作動制御する請求項2記載の遊技盤の梱包ライン。
【請求項4】
包装箱に遊技盤を収納する遊技盤の梱包ラインにおいて、
上方が開口する包装箱を収納待機位置まで搬送する箱搬送コンベヤと、
前記箱搬送コンベヤより上方に配設され、前記遊技盤を前記収納待機位置に臨む包装箱の開口上方の箱収納位置まで搬送する搬送位置と、該搬送位置から退避して収納待機位置の包装箱の上方から離間する退避位置との間を移動可能に構成された可動コンベヤと、
前記可動コンベヤ上の箱収納位置に搬送された遊技盤の下面を支持可能な支持位置と、該支持位置から退避して遊技盤下面の支持を解除する解除位置との間を移動可能に構成された支持手段と、
前記可動コンベヤおよび支持手段の作動を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記可動コンベヤにより箱収納位置まで遊技盤を搬送した際に、支持手段を支持位置に移動させた状態で可動コンベヤを退避位置に移動するよう作動制御すると共に、前記支持手段で下面が支持された遊技盤に緩衝材を配設した後に該支持手段を解除位置に移動するよう作動制御する
ことを特徴とする遊技盤の梱包ライン。
【請求項5】
前記可動コンベヤ上の箱収納位置に搬送された遊技盤の上部を支持するガイド手段を有し、
前記緩衝材は、遊技盤の下面および左右の各側面を囲繞する壁部を備え、
前記ガイド手段は、遊技盤の上端縁における左右方向の中央部を支持する中ガイドと左右の側部を支持する左ガイドおよび右ガイドを備え、左右の両ガイドは遊技盤を支持する支持位置および離間する離間位置の間を移動可能に構成され、
前記制御手段は、前記遊技盤が箱収納位置に到来した後に左右の両ガイドを離間位置に移動するよう作動制御する請求項4記載の遊技盤の梱包ライン。
【請求項6】
前記緩衝材には、前記遊技盤の下面を保護する下壁部の上面に、前記支持手段の支持位置から解除位置への移動方向に沿って延在する凹部が支持手段に対応する位置に形成されている請求項1〜5の何れか一項に記載の遊技盤の梱包ライン。
【請求項7】
前記緩衝材には、前記遊技盤の下面を保護する下壁部に、遊技盤に取付けられた部品の下面を支持可能な支持片が折曲可能に設けられると共に、前記箱収納位置で支持された遊技盤に配設された緩衝材の前記支持片に対応する位置に、該支持片を部品の下面を支持する位置まで折曲する折曲げ手段が設けられている請求項1〜6の何れか一項に記載の遊技盤の梱包ライン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−1231(P2012−1231A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136636(P2010−136636)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】