説明

遊技管理システム

【課題】遊技球発射ハンドルの操作量の違いに起因した遊技データのバラツキを特定できる遊技管理システムを提供すること。
【解決手段】遊技球発射ハンドル17の操作量に応じて遊技球を発射し遊技するパチンコ機2と、前記パチンコ機2が出力する遊技情報に基づいて遊技データを管理するホールコンピュータ40と、を備えた遊技管理システム1において、前記パチンコ機2は、前記遊技球発射ハンドル17の操作量を前記遊技情報とともに出力し、前記ホールコンピュータ40は、前記遊技情報に基づいて得られる出球情報を含む遊技データを前記遊技球発射ハンドルの操作量と対応付けて管理する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の遊技データの管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、多数の遊技機を設置した遊技場には、各遊技機が稼働に伴い発生する遊技信号に基づき、各遊技機の売上げ、粗利、割数、出球率などの遊技データを集計・管理する、いわゆるホールコンピュータが設置されており、営業管理ツールとして用いられている。ホールコンピュータが集計・管理する遊技データは、遊技場の営業利益を左右する重要な指標であることから、正確で信頼性の高い情報であることが望まれるものの、遊技者の遊技の仕方の違いによってバラツキが生じることがある。
【0003】
例えば、遊技媒体に遊技球を使用して遊技するパチンコ機は、回転操作式の遊技球発射ハンドルと、当該遊技球発射ハンドルの回転操作量に応じた弾発力で遊技球を所定の遊技領域へ発射する発射モータとを備え、遊技者が遊技球発射ハンドルを回転操作することで遊技球を所望の強さで発射して遊技が行われる。このパチンコ機においては、遊技者が遊技中に遊技球の発射を故意に止める、いわゆる止打ちを行った場合、この止打ちによって遊技データにバラツキが生じることが知られている。そこで従来では、ホールコンピュータが、遊技データに基づいて、例えば1分間あたりのアウト数(遊技球投入数)やセーフ数(賞球(払出)数)、ベース(=セーフ数/アウト数)、スタート回数(図柄変動回数(当落抽選回数))を算出し、これら値に基づいて遊技データの有効/無効を判断し、無効な遊技データを除外する技術が提案されている。この技術によれば、遊技者の止打ち遊技時の遊技データが無効となり、遊技者の遊技の仕方の違いによって生じる遊技データのバラツキが抑えられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−297094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、遊技者の遊技方法の違いとして、止打ちによる遊技データのバラツキを解消できるものの、遊技球発射ハンドルの回転操作量の違いによる遊技データのバラツキについては管理することはできなかった。
一般に、遊技場側が新規に遊技機を購入した場合、遊技機の出球性能や遊技性を試すために、いわゆる試打ちにより遊技データの採取が行われる。この試打ちは、遊技球発射ハンドルの回転操作量を固定して行われるが、このときの遊技球発射ハンドルの回転操作量と、営業時に遊技者が遊技を行う際の回転操作量とが異なる場合、営業時の遊技データと試打ち時の遊技データとの間に大きなズレが生じることがある。このようなズレを遊技場側が発見した場合、その原因を特定することは困難である。
【0006】
具体的には、営業時において、遊技球の入賞が試打時よりも多く発生している場合、その原因が、入賞口への遊技球の誘導に寄与する障害釘の不良によるものなかのか、或いは不正行為によるものなかを判断する必要がある。この場合、障害釘の不良を特定するために、営業時の遊技球の発射状況を再現する必要があるものの、従来の技術では、その発射状況を再現することはできない。そのため、遊技場の管理者等が、遊技球発射ハンドルの回転操作量を少しずつ変え、その都度入賞具合を確認するという作業が必要となり、確認作業が煩雑なばかりか、問題の発射状況を再現できるとも限らない。
【0007】
また、パチンコ機の中には、通常遊技時には遊技盤の左側を狙って遊技球を打ち出し、特賞発生時には遊技盤の右側を狙って遊技球を打ち出す、いわゆる右打ちにより遊技を行う機種がある。このようなパチンコ機では、営業時の遊技データと試打ち時の遊技データとのズレの原因が、遊技者の遊技球発射ハンドル操作の誤りによって生じたのか、或いは遊技盤に立設した障害釘の不良やパチンコ機の故障、不正行為によって生じたのか判断することは非常に困難である。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、遊技球発射ハンドルの操作量の違いに起因した遊技データのバラツキを特定できる遊技管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、遊技球発射ハンドルの操作量に応じて遊技球を発射し遊技する遊技機と、前記遊技機が出力する遊技情報に基づいて遊技データを管理するホールコンピュータと、を備えた遊技管理システムにおいて、前記遊技機は、前記遊技球発射ハンドルの操作量を前記遊技情報とともに出力し、前記ホールコンピュータは、前記遊技情報に基づいて得られる出球情報を含む遊技データを前記遊技球発射ハンドルの操作量と対応付けて管理することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記遊技管理システムにおいて、前記遊技機ごとに設けられ、対応する遊技機の前記遊技球の貸出を制御するとともに、前記ホールコンピュータと通信する遊技球貸出装置を備え、前記遊技球貸出装置は、対応する遊技機から出球情報と、前記遊技球発射ハンドルの操作量とを取得し、前記ホールコンピュータに出力することを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上記遊技管理システムにおいて、前記遊技球貸出装置は、表示部を備え、前記遊技球発射ハンドルの操作量を前記表示部に表示することを特徴とする。
【0012】
また本発明は、上記遊技管理システムにおいて、前記遊技球貸出装置は、対応する遊技機について前記ホールコンピュータが管理している出球情報と前記遊技球発射ハンドルの操作量とを対応付けたデータを前記ホールコンピュータから取得し前記表示部に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、遊技機が遊技情報とともに遊技球発射ハンドルの操作量を出力し、この遊技情報に基づいて得られる出球情報を含む遊技データをホールコンピュータが遊技球発射ハンドルの操作量と対応付けて管理する構成であるため、遊技球発射ハンドルの操作量と出球との対応関係が特定される。これにより、遊技場の管理者等は遊技データが示す出球にバラツキが生じた場合に、そのバラツキが遊技球発射ハンドルの操作に起因したものか否かを容易に特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る遊技管理システムの全体構成を示す図である。
【図2】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】遊技球貸出装置の機能的構成を示す図である。
【図4】タッチ液晶モジュールにおけるハンドル操作量の表示画面の一例を示す図である。
【図5】操作量メータのメータ表示の他の態様を示す図である。
【図6】ハンドル操作量部集計データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る遊技管理システム1の全体構成を示す図である。
遊技管理システム1は、遊技球を遊技媒体に使用するパチンコ機2を設置した遊技場に設けられ、パチンコ機2から遊技情報を取得して管理するシステムであり、複数台のパチンコ機2及びCR(Card Reader)ユニット(遊技球貸出装置)3と、精算機4と、ホールコンピュータ40を含む管理コンピュータ群5とを備え、CRユニット3、精算機4及び管理コンピュータ群5のそれぞれが通信ネットワーク6により互いに通信可能に接続されている。
【0016】
パチンコ機2は、遊技球を遊技媒体に使用する遊技機である。このパチンコ機2は、遊技者が、価値媒体たるプリペイド媒体22を購入、或いは、プリペイド媒体22に現金をチャージし、該プリペイド媒体22の残価値を代償として遊技球を借りて遊技する、いわゆるCR機と呼ばれる遊技機であり、パチンコ機2と、当該パチンコ機2と通信可能に接続され、プリペイド媒体22を読み取る上記CRユニット3とを備えて遊技システム7が構成され、パチンコ機2は、CRユニット3との通信により所定条件が満足された事を条件に遊技球を発射可能に構成されている。
【0017】
パチンコ機2は、遊技盤(ゲージ盤)8の前面に前面ガラス9を設け、該前面ガラス9を通じて遊技盤8の遊技領域を視認可能に構成したパチンコ機本体10を備えている。遊技盤8の遊技領域には、遊技球通過時に賞球が得られる始動口11や入賞口12、常閉状態の大入賞口(いわゆるアタッカー)13と、これら始動口11、入賞口12及び大入賞口13のいずれにも入賞しなかった遊技球(いわゆるアウト玉)を遊技領域から遊技盤8の裏側に導いて回収する回収口14と、多数の障害釘15と、始動口11への遊技球の入賞(通過)に伴い図柄を変動表示する図柄表示ユニットとしての遊技機液晶表示器16とが設けられている。
【0018】
パチンコ機本体10の正面には、遊技球の貸出操作用の玉貸ボタン38A、プリペイド媒体22の返却(遊技終了の指示)操作用の遊技終了ボタン38B、遊技機液晶表示器16での表示演出時などに操作入力するプッシュボタン38C等の各種操作ボタンが設けられている。
またパチンコ機本体10の右下には、遊技球を遊技盤8の遊技領域に1発ずつ所定の時間間隔で発射する遊技球発射ハンドル17が設けられている。遊技球発射ハンドル17の操作に伴って発射された遊技球が始動口11を通過したことを契機にパチンコ機2は特賞の当落抽選を行うとともに、遊技機液晶表示器16に図柄を後述する表示演出を伴って変動表示し、停止図柄により当落抽選結果を遊技者に通知する。また当選時には、パチンコ機2は、大入賞口13を開放して遊技球が入賞し易い状態とすることで遊技者に持玉を増やす機会を与える。
【0019】
ここで、このパチンコ機2は、所定個数(例えば25個)の遊技球をパチンコ機本体10に封入し、これらの遊技球をパチンコ機本体10の中で循環利用する封入球式の遊技機として構成されている。具体的には、パチンコ機2は、遊技盤8に発射され、入賞口12等に入賞した遊技球(いわゆるセーフ玉)及び回収口14に回収された遊技球(いわゆるアウト玉)をそれぞれ遊技盤8の裏側に回収し、発射位置に還流する循環流路(図示せず)を有し、当該循環流路内に所定個数の遊技球を封入して、封入した遊技球を繰り返して遊技領域に発射することで遊技を行うように構成されている。封入球式のパチンコ機2においては、パチンコ機本体10の外部から遊技球を補充する必要がないため、パチンコ機本体10の正面に、遊技球を一時的に貯留するいわゆる上皿や、上皿からパチンコ機本体10の内部に遊技球を捕球する捕球口、上皿に賞球を排出する排出口等は設けられておらず、かかる上皿等が従来配設された箇所(すなわち、前面ガラス9の下)には、タッチ液晶モジュール20が設けられている。
タッチ液晶モジュール20は、パチンコ機本体10の台枠に組み込まれたタッチ操作可能な表示ユニットであり、CRユニット3の操作部及び表示部として機能し、かかる構成については、後に詳述する。
【0020】
CRユニット3は、各パチンコ機2の片側に配置され互いに通信可能に接続されており、プリペイド媒体22の残価値がゼロでない事を条件に、玉貸ボタン38Aの操作を示す貸出操作信号をパチンコ機2から受信した場合に遊技球の貸出指示信号を出力する。プリペイド媒体22の残価値は、管理コンピュータ群5(より正確には後述するプリペイドシステム管理コンピュータ42)に管理されており、CRユニット3は、玉貸完了時に、管理コンピュータ群5との間で貸出玉数に応じてプリペイド媒体22の残価値を減じる処理を行う。なお、CRユニット3は、玉貸時における残価値の使用単位(例えば100円単位、500円単位など)や、1個の遊技球あたりの貸出単価(例えば4円/玉、1円/玉など)を予め設定可能に構成されており、遊技場側が営業形態に応じて適宜に設定・変更可能に成されている。
【0021】
プリペイド媒体22にはICを内蔵した硬貨形状のICコイン22A及びカード型の会員カード22Bが用いられている。会員カード22Bは、遊技店に会員登録している顧客に貸与される記録媒体であり、ICコイン22Aは、それ以外の顧客(いわゆる、ビジター)に貸与される記録媒体である。プリペイド媒体22には、一意に特定するための識別情報が付与されており、この識別情報と残価値とが対応付けられて管理コンピュータ群5により管理されている。
【0022】
このCRユニット3は、プリペイド媒体22の発行機能を有し、紙幣(例えば、「一万円」、「五千円」や「二千円」などの紙幣)を挿入する紙幣挿入口39、ICコイン22Aを投入するコイン投入口23、ICコイン22Aを排出するコイン排出口24、会員カード22Bを挿入する会員カード挿入口25が設けられている。
CRユニット3は、紙幣挿入口39に紙幣が挿入された場合、管理コンピュータ群5と通信して紙幣の額面に応じた価値をプリペイド媒体22に付与する処理を行う。具体的には、CRユニット3は、プリペイド媒体22として会員カード22Bが挿入されている場合には、会員カード22Bの残価値を管理する管理コンピュータ群5に対し、会員カード22Bの識別情報に投入金額分の価値を付与する旨を通知する。これにより、会員カード22Bへのプリペイド残高のチャージが行われる。また、会員カード22Bが挿入されていない場合には、CRユニット3は、新規にICコイン22Aを発行するとともに、ICコイン22Aの残価値を管理する管理コンピュータ群5に対し、このICコイン22Aの識別情報に投入金額分の価値を付与する旨を通知する。これにより、会員カード22Bを持たない遊技者に、プリペイド媒体22としてのICコイン22Aが新規に発行される。
【0023】
CRユニット3は、プリペイド媒体22が投入されている間、その残価値をタッチ液晶モジュール20に表示し、玉貸ボタン38Aの操作により玉貸が行われるごとに、残価値を減算更新し、また更新後の残価値をタッチ液晶モジュール20に表示する。また、CRユニット3は、遊技終了ボタン38Bが操作されたときには、プリペイド媒体22を排出するとともに、プリペイド媒体22の識別情報と残価値とを管理コンピュータ群5に送信し、これにより、CRユニット3から排出されたときのプリペイド媒体22の最終的な残価値が管理コンピュータ群5に記録される。
精算機4は、プリペイド媒体22の残価値を精算する装置であり、この精算機4には、ICコイン22Aのコイン投入口26及び会員カード22Bのカード挿入口27が設けられている。精算機4は、プリペイド媒体22が投入された場合、残価値を上記管理コンピュータ群5に問い合わせ、残価値に応じた金額を払い出す。精算機4は、金額払出完了後に、その旨を管理コンピュータ群5に通知し、管理コンピュータ群5が、そのプリペイド媒体22の残価値として記録している値をクリアすることで精算が完了する。
【0024】
この遊技管理システム1においては、パチンコ機2ごとにデータ表示器28を備えている。データ表示器28は、対応するパチンコ機2の過去営業日の大当たり情報や、当日の大当たり回数、前回大当たりからの図柄変動回数(スタート回数)といった遊技情報を表示する表示パネル29を有する。またデータ表示器28には、表示パネル29の他にも、遊技場のホールスタッフを呼び出す呼出ボタン30や、パチンコ機2の大当たり状態や確率変動遊技状態、時短遊技状態等の所定の遊技状態を報知するランプ31等が設けられている。各データ表示器28は、対応するパチンコ機2と通信するCRユニット3に接続され、パチンコ機2が出力する遊技情報をCRユニット3から取得して表示パネル29に表示する。
【0025】
管理コンピュータ群5は、ホールコンピュータ40と、顧客管理サーバ41と、プリペイドシステム管理コンピュータ42と、持玉管理サーバ43とを備えている。
ホールコンピュータ40は、各パチンコ機2での出球や大当たり回数、エラー状況、パチンコ機2のパチンコ機本体10が備える扉の開放等の遊技機に係る遊技情報、並びに、各CRユニット3への入金や再プレイ、プリペイド残価値の消費等に関する情報を中枢的に管理するコンピュータである。ホールコンピュータ40は、パチンコ機2ごとに設けたCRユニット3から上記遊技情報等の各種情報を取得する。
【0026】
顧客管理サーバ41は、会員登録した顧客を管理するコンピュータであり、顧客の氏名や年齢、性別、職業、携帯電話番号、会員番号、サービス利用のための暗証番号、会員カード22Bの識別情報、顧客が遊技場に預けている再遊技可能な遊技媒体数(いわゆる貯玉数)、遊技履歴に係る情報を管理する。CRユニット3は、会員カード22Bが挿入された場合、タッチ液晶モジュール20に暗証番号入力画面を表示して入力を促し、入力された暗証番号及び会員カード22Bの識別情報の正当性を顧客管理サーバ41に問い合わせる。CRユニット3は、これらの正当性が顧客管理サーバ41によって認められた場合に、当該顧客管理サーバ41から貯玉数を取得し、タッチ液晶モジュール20に表示する。またCRユニット3は貯玉が使用されるごとに顧客管理サーバ41に貯玉使用数を送信し、これにより顧客管理サーバ41が当該顧客の貯玉数を減算更新する。また、顧客の持玉を貯玉に変える指示が図示せぬ景品カウンター等に設置したコンピュータ等から顧客管理サーバ41に入力された場合に、顧客管理サーバ41が当該顧客の貯玉数を加算更新する。
【0027】
プリペイドシステム管理コンピュータ42は、プリペイド媒体22としてのICコイン22A及び会員カード22Bの各識別情報と残価値を対応付けて記憶し、これらの残価値を管理するコンピュータである。CRユニット3は、プリペイド媒体22が投入されたときには、当該プリペイド媒体22の識別情報に対応する残価値をプリペイドシステム管理コンピュータ42に問い合わせ、応答により得られた残価値をタッチ液晶モジュール20に度数表示する。
プリペイド媒体22の残価値は、CRユニット3でのチャージによって増加し、また玉貸によって減少し、プリペイドシステム管理コンピュータ42は、これらチャージ及び玉貸しに応じて残価値を更新する。すなわち、CRユニット3が残価値をプリペイド媒体22にチャージした場合には、プリペイドシステム管理コンピュータ42は、チャージされた残価値を識別情報とともに取得して残価値を加算更新する。玉貸ボタン38Aの操作に応じてCRユニット3が玉貸を行った場合には、プリペイドシステム管理コンピュータ42は、かかる玉貸の代償価値をプリペイド媒体22の識別情報とともに取得して残価値を減算更新する。
このプリペイドシステム管理コンピュータ42には、上述した精算機4が通信ネットワーク6を介して接続されており、精算機4は、プリペイド媒体22が投入された場合には、精算機4がプリペイド媒体22の残価値をプリペイドシステム管理コンピュータ42に問い合わせて、残価値に応じた金額払い出し等の精算を行う。
【0028】
持玉管理サーバ43は、遊技者の持玉数を管理するコンピュータである。具体的には、持玉管理サーバ43は、遊技者の持玉数を、投入されているプリペイド媒体22の識別情報とともに通信ネットワーク6を介してCRユニット3から取得して管理する。遊技者は、獲得当日に限り、持玉を遊技に使用することができ、CRユニット3は、プリペイド媒体22が投入されたときには、当該プリペイド媒体22の識別情報に対応する持玉数を持玉管理サーバ43に問い合わせ、応答により得られた持玉数をタッチ液晶モジュール20に表示する。このときCRユニット3は、持玉を使って遊技球の払い出しを受けるための持玉使用ボタン(図示せず)をタッチ液晶モジュール20に表示し、当該持玉使用ボタンが操作された場合には、所定玉数の遊技球の払出指示信号をパチンコ機2に出力するとともに、持玉管理サーバ43に対してプリペイド媒体22の識別情報とともに使用持玉数を送信する。持玉管理サーバ43は、使用持玉数を取得すると、対応するプリペイド媒体22の持玉数を減算更新する。また、CRユニット3は、プリペイド媒体22の排出時には、持玉管理サーバ43に対してプリペイド媒体22の識別情報とともに最終的な持玉数を送信し、この持玉数が持玉管理サーバ43に記録される。
【0029】
この遊技管理システム1においては、遊技者が持玉を景品や貯玉に交換可能になされている。すなわち、遊技者が景品カウンター(図示せず)等で持玉を景品や貯玉に交換した場合、当該景品カウンターのコンピュータから持玉を交換した旨が、プリペイド媒体22の識別情報とともに持玉管理サーバ43に入力され、持玉管理サーバ43がプリペイド媒体22の識別情報に対応する持玉数を減算更新することで交換が完了する。なお、持玉を貯玉に交換するときには、顧客管理サーバ41に、貯玉数がプリペイド媒体22の識別情報とともに送信され、管理されている貯玉数が加算更新される。また遊技場の営業日の終了時に、持玉がゼロでない会員カード22Bが持玉管理サーバ43に記録されている場合に、当該持玉管理サーバ43が顧客管理サーバ41に記録を転送し、当該顧客管理サーバ41が管理する会員カード22Bの貯玉に持玉を加算することで、自動で振り替えるようにしても良い。
【0030】
図2は、パチンコ機2の電気的構成をCRユニット3と共に示す図である。
パチンコ機2は、図2に示すように、主基板に分類される遊技機メイン基板53及び払出制御基板54と、主基板に対する周辺基板である演出用サブ基板51及び発射制御基板52とを備えている。主基板は、当落抽選及び遊技球の獲得に影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがある機能を有する回路を実装した基板である。
遊技機メイン基板53は、入賞に伴う賞球の払出指示や特賞の当落を抽選する回路を備えた基板である。具体的には、パチンコ機2は、始動口11、入賞口12及び大入賞口13のそれぞれに遊技球の入賞を検知する入賞検知センサ55を備え、検知信号が遊技機メイン基板53に出力される。遊技機メイン基板53は、始動口11、入賞口12及び大入賞口13ごとに賞球数を対応付けて記憶する入賞口別賞球数記憶部53Aを備え、入賞口への入賞が検知されるごとに、当該入賞口に応じた数の賞球の払い出しを指示する賞球払出指示信号を払出制御基板54に出力し、また遊技盤8に賞球数別に設けた賞球通知灯56を点灯する。
【0031】
また遊技機メイン基板53は、始動口11への入賞の検知を契機として特賞の当落抽選を行い、当落抽選結果を図柄表示部(いわゆる、特別図柄表示器)59に表示する。図柄表示部59は、遊技盤8に視認可能に設けられ、例えば7セグメント表示器や多数のLEDランプにより構成されており、表示図柄(7セグ表示や点灯LEDランプの組み合わせ)によって当落抽選結果を表示する。図柄表示部59では、当落抽選結果を示す表示図柄が、遊技機メイン基板53が都度決定する時間の変動表示を経て表示される。また、遊技機メイン基板53は、遊技機液晶表示器16や音源、ランプ等により当落抽選結果に応じた遊技演出を行うべく、どういった演出を行うかを指定し、また図柄の変動時間(当落抽選結果の表示タイミング)等を指定する演出指示信号を、当落抽選結果を示す大当たり発生信号とともに演出用サブ基板51に出力する。
【0032】
払出制御基板54は、遊技球の払出及び発射を管理するものである。このパチンコ機2は、上述の通り、封入球式の遊技機として構成されているため、遊技中にパチンコ機2の外から遊技球が投入されることはなく、当該遊技球の実際の投入に代えて、発射可能な遊技球の投入がデジタルデータ上で行われる。
すなわち、払出制御基板54は、遊技者が発射可能な遊技球の残数(以下、「発射可能玉数」と言う)を記憶する遊技機管理発射可能玉数記憶部54Aを備え、発射可能玉数が「ゼロ」でない事を条件に、遊技球の発射を許可する発射許可信号を後述する発射制御基板52に出力する。払出制御基板54は、CRユニット3から貸出指示信号が入力された場合、所定貸玉個数の遊技球の投入に代えて、当該所定貸玉個数分を発射可能玉数に加算する。
【0033】
また、払出制御基板54には、発射可能玉数の増減を管理可能にすべく、回収口14に回収されたアウト玉を検知するアウト玉検知センサ57、発射後遊技領域に到達しなかった遊技球であるファウル玉を検知するファウル玉検知センサ58、及び、発射された遊技球を検知する1或いは複数の発射球検知センサ65(図示例では1つ)のそれぞれの検知信号が入力される。そして、払出制御基板54は、遊技機メイン基板53から賞球払出指示信号を受けるごと、ファウル玉が検知されるごと、及びCRユニット3から貸出指示信号のいずれかが入力されるごとに発射可能玉数を加算更新し、また発射球検知センサ65の検知信号が入力されるごとに発射可能玉数を減算更新することで発射可能玉数を(すなわち遊技者の持玉数)を管理し、また、この発射可能玉数を遊技盤8に設けた玉数表示灯60に常時表示する。
なお、アウト玉検知センサ57及びファウル玉検知センサ58の出力を遊技機メイン基板53に入力し、当該遊技機メイン基板53から払出制御基板54に出力する構成としても良い。
【0034】
上記発射制御基板52は、発射許可信号が払出制御基板54から入力されている事を条件に発射装置67による遊技球の発射を制御する基板である。発射装置67は、発射制御基板52の制御に基づいて遊技球を発射する装置であり、上記遊技球発射ハンドル17と、遊技球発射ハンドル17の回転操作時の操作量を検出する操作量検出器68と、発射制御基板52の制御の下、操作量検出器68により検出された遊技球発射ハンドル17の操作量に応じた弾発力で遊技球を発射する発射モータ69とを備えている。また本実施形態では、操作量検出器68の検出信号が後述する外部端子板61にも出力されている。発射制御基板52は、遊技球の発射が可能か否かを示す発射状態信号を払出制御基板54に出力する。
なお、遊技球の発射を発射モータ69に代えて発射ソレノイドで行っても良い。
また、操作量検出器68の検出信号を、当該操作量検出器68から後述する外部端子板61に直接出力する構成に限らず、図2中仮想線で示すように、払出制御基板54を経由して、或いは、発射制御基板52及び払出制御基板54を順に経由して外部端子板61に出力する構成としても良い。
【0035】
演出用サブ基板51は、遊技機メイン基板53の演出指示信号に基づいて、遊技機液晶表示器16や図示せぬ音源、台枠ランプを制御して、当落抽選結果に応じた遊技演出を行う回路を搭載した基板であり、遊技機メイン基板53に対して信号を出力することはなく、その動作が遊技機メイン基板53の当落抽選結果に影響を及ぼす事がないように構成されている。演出用サブ基板51は、各表示演出に用いる画像データを記憶する演出データ記憶部51Aを備え、遊技機メイン基板53の演出指示信号及び演出の進行に合わせて画像データを演出データ記憶部51Aから順次読み出し、この画像データに基づく画像信号を遊技機液晶表示器16に出力して、遊技機液晶表示器16に表示させる。
【0036】
またパチンコ機2は、上述した部材の他にも、図2に示すように、外部端子板61と、貸出装置接続基板62とを備え、さらに、上述したタッチ液晶モジュール20が組み込まれている。
外部端子板61は、遊技情報、及び遊技球発射ハンドル17の操作量を示す外部出力信号SoutをCRユニット3に一方向に出力する端子板であり、CRユニット3から外部端子板61への信号入力は禁止されている。外部端子板61から出力される遊技情報は、遊技機メイン基板53及び払出制御基板54が管理する情報であり、これらの基板から外部端子板61に出力される。
この遊技情報を示す信号には、パチンコ機2での大当たり発生を示す大当たり信号、図柄表示部59での図柄の変動停止を示す図柄停止信号(スタート信号)、賞球数を示す賞球信号、アウト玉数を示すアウト玉信号、ファウル玉数を示すファウル玉信号等が含まれている。この遊技情報を周辺機器が取得することで、大当たり信号及び図柄変動停止信号に基づいて大当たり発生や大当たり発生回数、図柄変動回数(スタート回数)を特定でき、また、アウト玉信号、ファウル玉信号及び賞球信号に基づいて、払出制御基板54とは別に差玉を管理することができる。本実施形態では、外部端子板61がCRユニット3に接続されており、当該CRユニット3は、払出制御基板54とは別に、差玉に基づいて持玉数を管理し、さらに、遊技球発射ハンドル17との操作量の遊技者への通知、及びホールコンピュータ40への出力を行っている。
貸出装置接続基板62は、CRユニット3と接続するための基板であり、この貸出装置接続基板62を介してCRユニット3からパチンコ機2に貸出指示信号(持玉使用時にあっては払出指示信号)が出力され、また、玉貸し/払出しが正常に完了したか否かを示す貸出(払出)結果信号がパチンコ機2からCRユニット3に入力される。
なお、外部端子板61と貸出装置接続基板62とを1枚の基板として構成しても良い。
【0037】
タッチ液晶モジュール20は、CRユニット3により制御されて当該CRユニット3の表示部及び操作部として機能する。すなわち、CRユニット3が遊技球貸出装置の装置本体に相当し、タッチ液晶モジュール20が遊技球貸出装置の表示部及び操作部に相当し、これらによって遊技球貸出装置63が構成される。かかる遊技球貸出装置63の構成について図3を参照して説明する。
【0038】
図3は、遊技球貸出装置63の機能的構成を示す図である。
タッチ液晶モジュール20は、遊技球貸出装置63の装置本体たるCRユニット3に互いに通信可能に接続されており、液晶パネル73及びタッチパネル74を備えた液晶表示部75と、この液晶表示部75を制御する回路を実装した操作表示制御基板77とを備え、この液晶表示部75の表示画像を制御する画像表示制御信号SgがCRユニット3から操作表示制御基板77に入力されている。液晶表示部75に対するタッチ操作は、操作表示制御基板77からCRユニット3にタッチ操作入力信号Stとして出力され、当該CRユニット3にタッチ操作が入力される。すなわち、このタッチ液晶モジュール20は、パチンコ機2に組み込まれているものの、その表示動作はCRユニット3によって制御され、なおかつ、入力操作はCRユニット3に出力されており、CRユニット3の表示部及び操作部として構成されている。
【0039】
また、CRユニット3からタッチ液晶モジュール20には、当該タッチ液晶モジュール20の電力供給線76を介して動作電力が供給されている。すなわち、タッチ液晶モジュール20は、CRユニット3との間でパチンコ機2を介さずに直接的に通信し、また、動作電力もCRユニット3から供給を受ける構成であるため、パチンコ機2が備える電気回路を変更する必要が無く、製造等が容易となる。なお、タッチ液晶モジュール20は、CRユニット3との間の通信を、パチンコ機2が備える外部端子板61や貸出装置接続基板62を通じて行っても良い。
【0040】
CRユニット3は、メイン基板80と、ICコイン22Aを読み書きするコインR/W81と、会員カード22Bを読み書きするカードR/W82と、ワンセグ放送(ワンセグ:携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス)を受信してタッチ液晶モジュール20に表示するワンセグ受信回路83と、パチンコ機2及びタッチ液晶モジュール20を接続するための接続基板である遊技機側外部入出力接続基板84と、ホール側外部入出力接続基板85とを備えている。遊技機側外部入出力接続基板84には、遊技球発射ハンドル17の操作量及び遊技情報を含む外部出力信号Soutが入力され、これらの情報がホール側外部入出力接続基板85からホールコンピュータ40に向けて出力される。
【0041】
メイン基板80は、各部を中枢的に制御するメイン制御汎用CPU87を備え、上記ICコイン22A及び会員カード22Bのデータの読み書き、管理コンピュータ群5、及びデータ表示器28とのデータ送受等の制御、パチンコ機2に対する玉貸制御の他、さらに遊技中におけるプリペイド媒体22の残価値、持玉及び再プレイ可能玉数(貯玉数)を管理する。
詳述すると、メイン制御汎用CPU87は、キャッシュメモリを備え、当該キャッシュメモリを用いて、プリペイド残価値記憶部88、貸出装置管理持玉数記憶部89、再プレイ可能玉数記憶部90、遊技機管理残玉数記憶部91として機能する。
プリペイド残価値記憶部88は、プリペイド媒体22の残価値を記憶するものであり、プリペイド媒体22の投入時、或いは発行時にプリペイドシステム管理コンピュータ42から取得した残価値を初期値として記憶し、玉貸操作に伴って残価値を減算更新し、またチャージ操作に伴って加算更新する。
【0042】
貸出装置管理持玉数記憶部89は、CRユニット3がパチンコ機2から受信した遊技情報に基づいて遊技者の持玉数(以下、「貸出装置管理持玉数」と言う)を算出し記憶するものである。すなわち、CRユニット3は、遊技球の貸出操作や貯玉、持玉の払出操作ごとに、貸出玉数又は払出玉数を貸出装置管理持玉数に加算し、また遊技情報に含まれるアウト玉信号に基づいて貸出装置管理持玉数を減算更新し、さらに遊技情報に含まれるファウル玉或いは賞球を示す賞球信号に基づいて貸出装置管理持玉数を加算更新する。この貸出装置管理持玉数は、図2に示すように、タッチ液晶モジュール20にリアルタイムに表示される。
【0043】
ここで、パチンコ機2においても、上述の通り、払出制御基板54が持玉数を計数しており、この計数値が遊技機管理発射可能玉数記憶部54Aに記憶される。パチンコ機2が管理している遊技機管理残玉数は、発射制御基板52から遊技球発射を示す信号を受けるごとに減算更新されるのに対し、CRユニット3が管理している貸出装置管理持玉数は、アウト玉の検知信号に基づいて減算更新されるため、貸出装置管理持玉数の減算更新タイミングが遊技機管理残玉数よりも遅くなる。そこで、遊技終了ボタン38Bの操作に伴って持玉数を持玉管理サーバ43に通知する際には、CRユニット3はパチンコ機2から遊技機管理残玉数を取得して上記遊技機管理残玉数記憶部91に記憶し、この遊技機管理残玉数を持玉管理サーバ43に通知することで、正確な持玉数を記録することとしている。遊技終了ボタン38Bの操作時には、この遊技機管理残玉数も図2に示すようにタッチ液晶モジュール20に表示される。
【0044】
再プレイ可能玉数記憶部90は、遊技者の貯玉数を記憶するものであり、会員カード22Bの挿入後パスワード認証正常終了時に、顧客管理サーバ41から取得した貯玉数を初期値として記憶し、貯玉の払出操作に伴って貯玉数を減算更新する。この貯玉数は、図2に示すように、タッチ液晶モジュール20に再プレイ可能玉数として表示され、遊技終了ボタン38Bの操作時に、再プレイ可能玉数記憶部90に記憶されている貯玉数が顧客管理サーバ41に送信されて記録される。
【0045】
また、CRユニット3のメイン制御汎用CPU87は、ハンドル操作量報知制御部92として機能する。ハンドル操作量報知制御部92は、遊技球発射ハンドル17の操作量を表示部たるタッチ液晶モジュール20に表示して通知するものであり、操作量取得部93と、操作量表示制御部94と、登録履歴記憶部95とを備えている。
操作量取得部93は、パチンコ機2から入力された外部出力信号Soutに含まれているハンドル操作量を取得し、操作量表示制御部94は、当該ハンドル操作量を表示するための画像表示制御信号Sgを生成しタッチ液晶モジュール20に出力する。登録履歴記憶部95は、遊技者の操作によって登録指示された時点でのハンドル操作量を記憶する。
【0046】
図4は、タッチ液晶モジュール20の液晶表示部75におけるハンドル操作量の表示画面96の一例を示す図である。
この遊技球貸出装置63は、動作モードとして、ハンドル操作量をタッチ液晶モジュール20の液晶表示部75に表示して遊技者に通知するハンドル操作量ナビゲーションモード(以下、「操作量ナビモード」という)を備えている。この操作量ナビモードへの移行は、液晶表示部75に対するタッチ操作等の遊技者の操作を契機に行われる。
操作量ナビモードにおいては、操作量表示制御部94の表示制御の下、図4に示すように、液晶表示部75の表示画面96に、操作量メータ97A、登録ボタン97B、登録履歴ボタン97C、履歴消去ボタン97D、及びモード終了ボタン97Eが表示される。
操作量メータ97Aは、遊技球発射ハンドル17の操作量をメータ表示した画像である。この操作量メータ97Aにあっては、操作量のメータ表示とともに、遊技球発射ハンドル17の操作量を示す数値が、操作量の最大値を基準(100)とした割合により表示されており、遊技者が操作量を覚え易くなっている。なお、操作量メータ97Aのメータ表示としては、種々のデザインを採用することができ、例えば図5(A)〜図5(C)に示すメータ表示を操作量メータ97Aとして用いることができる。
【0047】
図4に示す登録ボタン97Bは、操作量の記録を指示するタッチ操作ボタンであり、登録履歴ボタン97Cは、記録された操作量の履歴の一覧表示を指示するタッチ操作ボタンであり、また、履歴消去ボタン97Dは、記録されている操作量の消去を指示するタッチ操作ボタンである。また、モード終了ボタン97Eは、操作量ナビモードの終了を指示するタッチ操作ボタンである。
ハンドル操作量報知制御部92は、登録ボタン97Bがタッチ操作された場合、そのときの遊技球発射ハンドル17の操作量を登録履歴記憶部95に時刻とともに記録し、また登録履歴ボタン97Cがタッチ操作された場合には、登録履歴記憶部95に記録されている操作量を読み出してタッチ液晶モジュール20に一覧表示させる。またハンドル操作量報知制御部92は、履歴消去ボタン97Dが操作された場合には、登録履歴記憶部95に記録されている操作量を全て、或いは遊技者がタッチ操作等で選択したものを消去する。そして、モード終了ボタン97Eがタッチ操作された場合に、操作量ナビモードを終了し、これに伴い、液晶表示部75の表示画面96を、通常時の表示画面に戻す。
なお、ハンドル操作量報知制御部92は、プリペイド媒体22の返却操作用の遊技終了ボタン38Bが操作された場合に、登録履歴記憶部95に記録されている操作量の履歴を自動で消去するようにしても良い。
【0048】
遊技者は、遊技球発射ハンドル17の操作量を遊技状態ごとに履歴登録することで、大当たり遊技中に右打ちするなどして、遊技球発射ハンドル17の操作量を大きく変えた場合でも、それ以前の操作量に簡単に戻すことができ、遊技状態ごとに所望の操作量に簡単に合わせて遊技を継続できる。さらに、複数の操作量を履歴登録することで、始動口11への入賞頻度が低下する、いわゆる回転ムラが発生したときに、登録済みの操作量の中から他の操作量を選んで回転ムラに対応することもできる。
【0049】
CRユニット3にパチンコ機2から出力された遊技情報、及び遊技球発射ハンドル17の操作量は、上述のように、ホール側外部入出力接続基板85からホールコンピュータ40に出力され、当該ホールコンピュータ40が遊技データとして管理する。
ホールコンピュータ40は、一般的なパーソナルコンピュータにより構成されており、本実施形態では、図3に示すように、遊技データ集計管理部45と、遊技データ記憶部46と、ハンドル操作量別集計部47とを備えている。
遊技データ集計管理部45は、パチンコ機2ごとの各CRユニット3から受け取った遊技情報を集計する等して、各遊技機の売上げを示す売上情報や出球状況を示す出球情報を含む遊技データを生成し管理する。また本実施形態では、遊技データ集計管理部45は、遊技情報に基づいて、所定時間(例えば1分)ごとに操作量解析対応遊技データ49をパチンコ機2ごとに生成する。この操作量解析対応遊技データ49は、アウト数やセーフ数、スタート回数、ベース等の出球状況を示す出球情報のデータと、遊技状態(通常遊技、大当たり遊技、確率変動遊技、時短遊技など)を示すデータと、時刻と、その間の遊技球の発射状況を示すデータとして遊技球発射ハンドル17の操作量の平均値とを対応付けたデータである。この操作量解析対応遊技データ49により、出球状況と、遊技状態と、そのときの遊技球の発射状況とが記録される。
【0050】
遊技データ記憶部46は、遊技データ集計管理部45が順次生成する操作量解析対応遊技データ49を格納し、ハンドル操作量別集計部47は、操作量解析対応遊技データ49に基づいて、遊技状態別のベースや出球率といった出球状況と遊技球発射ハンドル17の操作量との対応関係、遊技状態と操作量との対応関係といった、操作量との各種対応関係を集計して出力する。この対応関係の出力は、例えばグラフ表示や数値のテーブルデータ出力等の任意の態様が可能である。そして、操作量との各種対応関係との集計結果に基づいて、遊技場の管理者は、遊技球発射ハンドル17の操作量の違いによる遊技データ(特に、出球状況)のバラツキを把握することができる。
【0051】
この遊技管理システム1においては、遊技場の管理者等が遊技球貸出装置63を操作することで、遊技球貸出装置63が自身と対になるパチンコ機2の操作量解析対応遊技データ49やハンドル操作量別集計部47の各種集計データ等の遊技データをホールコンピュータ40から取得し、液晶表示部75に表示し、遊技場の管理者等が、その場で確認できるようになっている。
図6は、液晶表示部75に表示される集計データの一例たるハンドル操作量別集計データ99を示す図である。この図に示すように、ハンドル操作量別集計データ99では、通常遊技、確変・時短遊技、及び大当たり遊技といった遊技状態ごとに、遊技球発射ハンドル17の操作量の使用頻度と、出球状況を示すデータとが対応付けられている。
【0052】
遊技場の管理者等は、パチンコ機2の点検やメンテナンス時には、ハンドル操作量別集計データ99を遊技球貸出装置63の液晶表示部75に表示させることで、パチンコ機2の出球状況を、当該パチンコ機2を目にしながら確認できる。また、遊技場の管理者等が、液晶表示部75に表示された遊技データに基づいて出球状況に異常を認めた場合には、その出球状況に対応するハンドル操作量をハンドル操作量別集計データ99から把握できるため、そのときの遊技球の発射状況を、その場で速やかに再現して、異常の発生を確かめることができる。さらに、遊技場の管理者等が異常を認めた出球発生時の状況を詳細に把握したい場合には、タッチ液晶モジュール20をタッチ操作することで、遊技球貸出装置63(CRユニット3)が、その異常と認められた出球状況時のハンドル操作量をホールコンピュータ40の遊技データ記憶部46から取得して液晶表示部75に表示し、その場で容易に確認できる。
【0053】
このように本実施形態によれば、パチンコ機2が遊技情報及び遊技球発射ハンドル17の操作量を含む外部出力信号Soutを出力し、ホールコンピュータ40が、この遊技情報に基づいて出球状況を示す出球情報を含む遊技データを生成し、遊技球発射ハンドル17の操作量と対応付けて操作量解析対応遊技データ49として遊技データ記憶部46に記憶して管理する構成とした。
この構成により、遊技球発射ハンドル17の操作量と出球状況との対応関係が特定され、遊技場の管理者等は、遊技データが示す出球状況にバラツキが生じた場合に、そのバラツキが遊技球発射ハンドル17の操作に起因したものか否かを容易に特定できる。
【0054】
特に、本実施形態では、パチンコ機2が出力する遊技情報及び遊技球発射ハンドル17の操作量を、遊技球貸出装置63を経由してホールコンピュータ40に出力する構成としたため、パチンコ機2は、遊技情報等をホールコンピュータ40に出力するために、遊技球貸出装置63以外の他の周辺機器と接続する必要がなく、当該パチンコ機2に接続する機器を遊技球貸出装置63のみにできる。これによりパチンコ機2の配線接続作業の容易化などが図られる。さらに、パチンコ機2が備える周辺機器との入出力インターフェースを遊技球貸出装置63とのインターフェースのみにできる。これにより、インターフェース部分を通じて外部から不正な信号をパチンコ機2に与えて誤動作させる等の不正行為に対する対策がし易くなる。
【0055】
また、遊技球貸出装置63が遊技情報及び遊技球発射ハンドル17の操作量を取得することで、遊技中の遊技者に遊技球発射ハンドル17の操作量を表示により通知したり、操作量の履歴登録を可能とし、当該履歴を表示する等のサービスを提供することができる。
特に、遊技者は、遊技状態ごとに、そのときに最適な遊技球発射ハンドル17の操作量を履歴登録することで、大当たり遊技中に右打ちするなどして遊技球発射ハンドル17の操作量を大きく変えた場合でも、それ以前の操作量に簡単に戻すことができ、遊技状態ごとに所望の操作量に簡単に合わせて遊技を継続できる。さらに、複数の操作量を履歴登録することで、始動口11への入賞頻度が低下する、いわゆる回転ムラが発生したときに、登録済みの操作量の中から他の操作量を選んで回転ムラに対応することもできる。
【0056】
また本実施形態によれば、パチンコ機2ごとに設けられた遊技球貸出装置63が、対応するパチンコ機2の出球状況(出球情報)と、遊技球発射ハンドル17の操作量とを対応付けたハンドル操作量別集計データ99をホールコンピュータ40から取得し、液晶表示部75に表示する構成とした。
この構成により、遊技場の管理者等は、パチンコ機2の点検やメンテナンス作業時には、その場で、対象のパチンコ機2の出球状況を確認できる。また出球状況に異常を認めた場合には、その出球状況時の遊技球発射ハンドル17の操作量を頼りに、その時の遊技球の発射状況を再現し、異常を確認することができる。
特に本実施形態では、遊技球貸出装置63が遊技球発射ハンドル17の操作量をパチンコ機2から取得し液晶表示部75に表示することから、異常が認められる出球状況時の遊技球発射ハンドル17の操作量に基づいて、その時と同じ遊技球の発射状況を簡単に再現することができる。
【0057】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、遊技球発射ハンドル17として回転操作式のハンドルを例示したが、操作量に応じて遊技球の打ち出しが変わる操作子であれば、例えばスライダー型やレバー型等の任意の操作子を用いることができる。
また上述した実施形態では、ホールコンピュータ40が遊技情報に基づいて出球情報を生成する構成としたが、これに限らない。すなわち、パチンコ機2が遊技球貸出装置63に遊技情報を出力し、当該遊技球貸出装置63がセーフ玉やアウト玉等に基づいて出球情報を生成しても良く、また、この出球情報と、遊技球発射ハンドル17の操作量とを対応付けて管理し、ホールコンピュータ40に適宜のタイミングで出力する構成としても良い。
また上述した実施形態では、遊技者の遊技時の出球状況と、遊技球発射ハンドル17の操作量との対応関係を主に例示したが、本発明は、遊技場の管理者等による試打ちにより、遊技球発射ハンドル17の操作量による出球性能の変化を把握する際にも応用することができる。
また、遊技機としては、遊技媒体として遊技球を使用し、当該遊技球を遊技球発射ハンドル17の操作量に応じて発射して遊技する遊技機であれば、任意の遊技機に本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 遊技管理システム
2 パチンコ機(遊技機)
3 CRユニット
7 遊技システム
15 障害釘
17 遊技球発射ハンドル
20 タッチ液晶モジュール
22 プリペイド媒体
40 ホールコンピュータ
45 遊技データ集計管理部
46 遊技データ記憶部
47 ハンドル操作量別集計部
49 操作量解析対応遊技データ
52 発射制御基板
54 払出制御基板
63 遊技球貸出装置
67 発射装置
68 操作量検出器
69 発射モータ
75 液晶表示部(表示部)
92 ハンドル操作量報知制御部
93 操作量取得部
94 操作量表示制御部
95 登録履歴記憶部
97A 操作量メータ
99 ハンドル操作量別集計データ
Sout 外部出力信号(遊技情報、操作量)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球発射ハンドルの操作量に応じて遊技球を発射し遊技する遊技機と、
前記遊技機が出力する遊技情報に基づいて遊技データを管理するホールコンピュータと、を備えた遊技管理システムにおいて、
前記遊技機は、前記遊技球発射ハンドルの操作量を前記遊技情報とともに出力し、前記ホールコンピュータは、前記遊技情報に基づいて得られる出球情報を含む遊技データを前記遊技球発射ハンドルの操作量と対応付けて管理することを特徴とする遊技管理システム。
【請求項2】
前記遊技機ごとに設けられ、対応する遊技機の前記遊技球の貸出を制御するとともに、前記ホールコンピュータと通信する遊技球貸出装置を備え、
前記遊技球貸出装置は、対応する遊技機から出球情報と、前記遊技球発射ハンドルの操作量とを取得し、前記ホールコンピュータに出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技管理システム。
【請求項3】
前記遊技球貸出装置は、表示部を備え、
前記遊技球発射ハンドルの操作量を前記表示部に表示することを特徴とする請求項2に記載の遊技管理システム。
【請求項4】
前記遊技球貸出装置は、
対応する遊技機について前記ホールコンピュータが管理している出球情報と前記遊技球発射ハンドルの操作量とを対応付けたデータを前記ホールコンピュータから取得し前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の遊技管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図4】
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【図5】
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