説明

運転者の姿勢制御装置

【課題】 運転者の性別と身体情報に基づき算出したシートの位置情報を利用して運転者の姿勢を制御する運転者の姿勢制御装置を提供する。
【解決手段】
本発明は、車両に備えられ運転者の姿勢を制御する装置において、性別と身長と座高と体形に相応するシートの位置情報を格納する格納手段と、運転者の性別、背、座高、体重の入力を受ける情報入力手段と、前記入力を受けた運転者の背と座高に基づき運転者の座高区間を決定する座高区間決定手段と、前記入力を受けた性別と背及び体重に基づき運転者の体形区間を決定する体形区間決定手段と、前記格納手段に格納されているシートの位置情報に基づき前記運転者の性別、身長、座高区間、体形区間に相応するシートの位置を決定する制御手段とを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は運転者の姿勢制御装置に係り、より詳しくは、運転者の性別と身体情報に基づき算出したシートの位置情報、シートの位置情報及び走行環境情報、あるいは、シートの位置情報及び走行環境情報と運転者の健康情報を利用して運転者の姿勢を制御する運転者の姿勢制御装置(IDAS、Intelligent Driver Accommodation System)に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、運転者は車両に固定設置された器具及び付属物等を活用して車両を運転する。即ち、運転者は手でステアリングホイールを操作し、足でアクセルペダルとブレーキペダル及びクラッチペダルを操作し、目で後方の視野を確保するためルームミラーとサイドミラーを活用する。
しかし、運転者ごとに身体の条件が異なるので、アクセルペダルとブレーキペダル及びクラッチペダルを操作する運転者の位置が調節できてこそ楽に運転することができる。このため、運転席のシートは前後に移動させることができ、シートの背凭れはその勾配を一定の角度ずつ回転させることができ、運転席の頭受けも高さ及び勾配を調整することができるようになっている。 さらに、ルームミラーとサイドミラーもまた前後左右に一定角度ずつ回転が可能なので、反射角を調整することができるようになっている。
【0003】
したがって、運転者は車両を出発させる前に必ず楽で安全に運転することのできる運転姿勢を取るため、運転席の位置とルームミラー及びサイドミラーの反射角度を自分の体位に合わせて調整することができる。
しかし、身体に無理にならない正しい姿勢で運転する運転者は多くない。特に、ステアリングホイールと運転席との間の距離が近すぎて硬直した姿勢で運転する運転者は勿論、ステアリングホイールと運転席との間の距離が大きく離れて殆ど横になった姿勢で運転する運転者が相当数存在する。
このような運転姿勢は長期的に運転者の健康を損なう原因として作用するので、運転者が好ましい運転姿勢を有するよう助力する運転者の姿勢制御方案に対する要求が切実である。
【0004】
併せて、車両の走行環境(道路の種類、交通状況など)を反映し、一定の範囲を外れない限度内で運転者の運転姿勢を変更させ、運転者の身体に無理がかからず走行環境に適応した運転姿勢をとることができる方案がさらに求められる。
さらに、車両の走行環境(道路の種類、交通状況など)及び運転者の健康状態を反映し、一定の範囲を外れない限度内で運転者の運転姿勢を変更させ、運転者の身体に無理がかからず運転者の健康状態に適応する運転姿勢をとることができる方案がさらに求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−078566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、運転者の性別と身体情報に基づき算出したシートの位置情報を利用して運転者の姿勢を制御する運転者の姿勢制御装置を提供することである。
また、本発明は、運転者の性別と身体情報に基づき算出したシートの位置情報及び走行環境情報を利用して運転者の姿勢を制御する運転者の姿勢制御装置を提供することに他の目的がある。
さらに、本発明は、運転者の性別と身体情報に基づき算出したシートの位置情報及び走行環境情報と運転者の健康情報を利用して運転者の姿勢を制御する運転者の姿勢制御装置を提供することに他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る装置は、車両に備えられ運転者の姿勢を制御する装置において、性別と身長と座高と体形に相応するシートの位置情報を格納する格納手段と、運転者の性別、背、座高、体重の入力を受ける情報入力手段と、前記入力を受けた運転者の背と座高に基づき運転者の座高区間を決定する座高区間決定手段と、前記入力を受けた性別と背及び体重に基づき運転者の体形区間を決定する体形区間決定手段と、前記格納手段に格納されているシートの位置情報に基づき前記運転者の性別、身長、座高区間、体形区間に相応するシートの位置を決定する制御手段とを含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る装置は、車両に備えられ運転者の姿勢を制御する装置において、性別と身長と座高と体形に相応するシートの位置情報を格納する格納手段と、運転者の性別、背、座高、体重の入力を受ける情報入力手段と、前記入力を受けた運転者の背と座高に基づき運転者の座高区間を決定する座高区間決定手段と、前記入力を受けた性別と背及び体重に基づき運転者の体形区間を決定する体形区間決定手段と、走行環境情報を収集する情報収集手段と、前記格納手段に格納されているシートの位置情報に基づき、前記運転者の性別、身長、座高区間、体形区間に相応するシートの位置を検出し、前記検出したシートの位置に前記情報収集手段が収集した走行環境情報を付加して最終シートの位置と高さを決定する制御手段とを含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る装置は、車両に備えられ運転者の姿勢を制御する装置において、性別と身長と座高と体形に相応するシートの位置情報を格納する格納手段と、運転者の性別、背、座高、体重の入力を受ける情報入力手段と、前記入力を受けた運転者の背と座高に基づき運転者の座高区間を決定する座高区間決定手段と、前記入力を受けた性別と背及び体重に基づき運転者の体形区間を決定する体形区間決定手段と、車種情報と健康情報を収集する情報収集手段と、前記格納手段に格納されているシートの位置情報に基づき、前記運転者の性別、身長、座高区間、体形区間に相応するシートの位置を検出したあと、前記情報収集手段が収集した走行環境情報を付加して最終シートの位置と高さを決定し、前記情報収集手段が収集した健康情報を付加して背凭れの角度を決定する制御手段とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、運転者の性別と身体情報に基づき算出したシートの位置情報を利用して運転者の姿勢を制御することにより、運転者に正しい運転姿勢を保たせる効果がある。
さらに、本発明は、運転者の性別と身体情報に基づき算出したシートの位置情報及び走行環境情報を利用して運転者の姿勢を制御することにより、運転者に走行環境に適応する運転姿勢を保たせる効果がある。
さらに、本発明は、運転者の性別と身体情報に基づき算出したシートの位置情報及び走行環境情報と運転者の健康情報を利用して運転者の姿勢を制御することにより、運転者の健康状態に適応する運転姿勢を保たせる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明が適用される運転者の姿勢制御システムに対する一実施形態の構成を示す図である。
【図2】本発明に係る運転者の姿勢制御装置に対する一実施形態の構成を示す図である。
【図3】本発明に係る運転者の性別及び身体情報に基づくシートの位置範囲を示す一例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る好ましい実施形態を詳しく説明する。
図1は、本発明が適用される運転者の姿勢制御システムに対する一実施形態の構成を示す図である。以下、車両内のECU(Electronic Control Units)により制御される装置であって、シート、ミラー、ステアリングホイールを例に挙げて説明するが、これに局限されるものではない。
図1に示す通り、本発明が適用される運転者の姿勢制御システムは、姿勢制御装置10、ECU 20、シート駆動装置30、ミラー駆動装置40、ステアリングホイール駆動装置50などを含む。
【0013】
本発明に係る姿勢制御装置10は、運転者の性別と身体情報に基づき算出したシートの位置情報を利用してシートの位置を決定し、前記決定されたシートの位置に相応するミラーの位置とステアリングの位置を決定するよう、ECU 20を介しシート駆動装置30、ミラー駆動装置40、ステアリングホイール駆動装置50を制御する。このとき、シートの位置に係るシートの高さと背凭れの角度、そしてミラーの位置とステアリングホイールの位置は事前テストによりテーブルの形態で備えられる。
【0014】
姿勢制御装置10は、運転者の性別と身体情報に基づき算出したシートの位置情報に走行環境情報を付加して最終シートの位置を決定し、前記決定されたシートの位置に相応するシートの高さとミラーの位置及びステアリングの位置を決定するよう、ECU 20を介しシート駆動装置30、ミラー駆動装置40、ステアリングホイール駆動装置50を制御する。
また、姿勢制御装置10は、運転者の性別と身体情報に基づき算出したシートの位置情報に走行環境情報及び運転者の健康情報を付加して最終シートの位置を決定し、前記決定されたシートの位置に相応するシートの高さと背凭れの角度、そしてミラーの位置及びステアリングの位置を決定するよう、ECU 20を介しシート駆動装置30、ミラー駆動装置40、ステアリングホイール駆動装置50を制御する。
【0015】
次に、ECU 20は車両内の全ての電子装置をコントロールする電子制御装置であって、CAN(Controller Area Network)通信、LIN(Local Interconnect Network)通信、フレックスレイ(Flexray)通信等を介し姿勢制御装置10から獲得した装置別制御値に従い当該電子装置の駆動を制御する。即ち、ECU 20は姿勢制御装置10から獲得した制御値に従う駆動信号に基づき電子装置を制御する。
例えば、ECU 20は第1乃至第n駆動信号(A)に基づきシートの位置と高さ及び背凭れ角度などを調節するようシート駆動装置30を制御する。このときAは、シート駆動装置30を駆動させる駆動信号を意味する。
【0016】
ECU 20は第1乃至第n駆動信号(B)に基づき、ルームミラー、左側サイドミラー、右側サイドミラーの角度を調節するようミラー駆動装置40を制御する。このときBは、ミラー駆動装置40を駆動させる駆動信号を意味する。
ECU 20は、第1乃至第n駆動信号(C)に基づきステアリングホイールの支持軸の長さ及び角度を調節するようステアリングホイール駆動装置50を制御する。このときCは、ステアリングホイール駆動装置50を駆動させる駆動信号を意味する。
【0017】
図2は、本発明に係る運転者の姿勢制御装置に対する一実施形態の構成を示す図である。
図2に示す通り、本発明に係る運転者の姿勢制御装置10は、格納部11、情報入力部12、座高区間決定部13、体形区間決定部14、情報収集部15及び制御部16を含む。
格納部11は、性別(Sex)と身長(Stature)と座高(Sitting Stature)と体形(BMI:Body Mass Index)に従うシートの位置を表すグラフを格納している。即ち、格納部11は、図3に示す性別と身長と足の長さを類推するための座高区間と体形に従うシートの位置であって、ブレーキペダル又はアクセラレーターペダルの中心(Center)からシートの座部と背凭れの交差する地点までの直線距離を表す情報(グラフ)を格納している。
【0018】
このようなグラフは、運転者の性別、身長、座高、体形を互いに有機的に適用し非常に精巧に生成されたグラフであって、その正確性が非常に高いことを一見で知ることができる。
併せて、格納部11は、シートの位置に従うミラーの位置及びステアリングホイールの位置を記録したテーブルを格納している。
次に、情報入力部12は車両内の運転者から運転者の性別、身長、座高、体重(Weight)の入力を受ける。このとき、制御部16により情報入力のための案内画面が画面表示部(図示省略)を介し運転者に提供される。
例えば、運転者の性別の入力を受けるための男女選択ボタンを提供し運転者から性別の入力を受け、背、座高、体重は直接数値で入力される。
【0019】
次に、座高区間決定部13は、情報入力部12を介し入力された運転者の座高を背で割算した結果値に基づいて運転者の座高区間を決定する。このとき、座高区間は運転者の足の長さを類推するための区間であって、一例としてA1区間(0.551以上)、A2区間(0.550〜0.521)、A3区間(0.520以下)に区分する。これに関する詳細な説明は図3で具体的に言及する。
体形区間決定部14は、情報入力部12を介し入力された性別と身長及び体重に基づいて運転者の体形区間を決定する。即ち、体形区間決定部14は運転者が女性の場合と男性の場合のそれぞれに対し、一例として肥満区間(BMI 24以上)、正常区間(BMI 24未満18.5以上)、痩せ形区間(BMI 18.5未満)の3区間に区分する。これに関する詳細な説明は図3で具体的に言及する。
【0020】
BMI算出方式は数Iの通りである。
[数1]
BMI=体重/(背) (1)
このとき、体重の単位はkgで、背の単位はmである。
次に、情報収集部15は車種情報、走行環境情報(道路情報、交通情報など)及び健康情報を収集する。
即ち、情報収集部15はCAN(Controller Area Network)通信、LIN(Local Interconnect Network)通信、フレックスレイ(Flexray)通信などを介し車種情報を収集する。
【0021】
情報収集部15は、車両内に備えられたナビゲーションシステムと連動し現在位置における道路情報と交通情報を収集することもでき、移動通信や無線LAN通信(ワイブロ、ワイファイなど)を介し外部のサーバ(一例としてモジェン(Mozen)サーバ)から現在位置における道路情報と交通情報を収集することもできる。このとき、道路情報は高速道路、一般道路などを含み、交通情報は現在の道路状況情報として渋滞情報(例えば、前方10Km区間渋滞など)を意味する。
情報収集部15は、移動通信や無線LAN通信(ワイブロ、ワイファイなど)を介し外部のサーバ(一例としてモジェン(Mozen)サーバ)から運転者の健康情報を収集することもできる。このとき、モジェンサーバは運転者からの健康情報を直接入力されて管理することもでき、運転者の同意のもとに病院内の患者管理サーバから運転者の健康情報を獲得して管理することもできる。併せて、健康情報は運転と関連した健康情報であって、一例として腰ディスクの有無になり得る。
【0022】
制御部16は、格納部11に格納されている運転者の性別と身体情報に従うシートの位置情報を利用してシートの位置を決定し、前記決定されたシートの位置に相応するミラーの位置とステアリングの位置を設定する。
即ち、制御部16は、格納部11に格納されている運転者の性別と身体情報に従うグラフに基づき、情報入力部12を介し運転者から入力された運転者の性別及び身長と、座高区間決定部13が決定した運転者の座高区間、そして体形区間決定部14が決定した運転者の体形区間に相応するシートの位置を検出する。
【0023】
例えば、運転者が女性で、背が168Cm、座高が75Cm、体重が48Kgの場合、BMIが17で痩せ形区間330に該当し、座高区間は0.446でA3区間に該当する。したがって、前記条件に合うシートの位置区間でその中心値をシートの位置に決定する。一例として、シートの位置区間が950〜970であるとしたとき、シートの位置は960となる。
さらに、制御部16は、格納部11に格納されている運転者の性別と身体情報に従うシートの位置に走行環境情報を付加して最終シートの位置を決定し、前記決定されたシートの位置に相応するシートの高さを設定する。
【0024】
即ち、制御部16は、格納部11に格納されている運転者の性別と身体情報に従うグラフに基づき、情報入力部12を介し運転者から入力された運転者の性別及び身長と、座高区間決定部13が決定した運転者の座高区間、そして体形区間決定部14が決定した運転者の体形区間に相応するシートの位置を検出し、前記検出したシートの位置に情報収集部15の収集した走行環境情報を付加して最終シートの位置を決定し、それに伴うシートの高さを設定する。
例えば、渋滞区間に位置する場合、シートの位置をステアリングホイール方向に所定の距離(一例として9mm)を移動させ、シートの高さを基準値ほど(一例として15mm)高める。このとき、渋滞区間は道路の種類に応じて別の基準を適用する。即ち、時速60Kmの速度制限のある一般道路の場合、一例として時速30Km以下であれば渋滞区間と判断し、時速80Kmの速度制限のある自動車専用道路の場合、一例として40Km以下であれば渋滞区間と判断し、時速100Km以上の高速道路の場合、一例として50Km以下であれば渋滞区間と判断する。
【0025】
このように渋滞区間でシートの位置を前方(車両の前進方向)に移動させシートの高さを高める理由は、低速区間における前方注視時間が高速区間における前方注視時間より長く要しないためである。即ち、運転者は、低速区間で周辺の景色や、車両の前後及び左右で走行している車両に気を使おうとするため、これを助けるためにシートの位置と高さを調節するのである。
さらに、制御部16は、格納部11に格納されている運転者の性別と身体情報に従うシートの位置に走行環境情報を付加して最終シートの位置と高さを決定し、前記決定されたシートの位置と高さに健康情報を付加して背凭れの角度を決定する。
【0026】
即ち、制御部16は、格納部11に格納されている運転者の性別と身体情報に従うグラフに基づき、情報入力部12を介し運転者から入力された運転者の性別及び身長と、座高区間決定部13が決定した運転者の座高区間、そして体形区間決定部14が決定した運転者の体形区間に相応するシートの位置を検出したあと、情報収集部15が収集した走行環境情報を付加して最終シートの位置と高さを決定し、情報収集部15が収集した健康情報を付加して背凭れの角度を決定する。
例えば、運転者が腰ディスクのある場合、シートの背凭れを所定の角度前方に倒して下体と上体のなす角を狭める。このとき、背凭れの調節角度は、運転者の体形に従い『肥満状態>正常状態>痩せた状態』を満足する。
【0027】
一般に、腰ディスクを病んでいる運転者は、腰を伸ばす行動が非常に不便である。これは腰を伸ばすときディスクが神経を圧迫するためである。このような腰ディスク患者の運転環境を向上させるため背凭れの角度を調節するのである。
付加的に心血管系疾患(高血圧、心筋梗塞症、狭心症など)を病んでいる運転者の場合は、血液循環が円滑になされ得るよう、背凭れを所定の角度後方に倒して下体と上体のなす角を広げる。
【0028】
図3は、本発明に係る運転者の性別及び身体情報に基づくシートの位置範囲を示す一例示図である。
図3において、x軸は運転者の身長(単位:Cm)を表し、y軸はブレーキペダルの中心からシートの座部と背凭れが交差する地点までの直線距離(単位:mm)を表す。
さらに、A1は座高を身長(背)で割算した値(身長対比座高の割合)が0.551以上の運転者の属する区間を表し、A2は座高を身長で割算した値が0.521〜0.550の運転者の属する区間を表し、A3は座高を身長で割算した値が0.520以下の運転者の属する区間を表す。
【0029】
このとき、各区間は『300』のように区間の中心線を基準に左側は女性区間を表し、右側は男性区間を表し、女性区間と男性区間は再度それぞれ3区間に区分し、女性区間の場合、肥満区間310、正常区間320及び痩せ形区間330を含み、男性区間の場合もまた肥満区間340、正常区間350及び痩せ形区間360を含む。ここで肥満区間と正常区間及び痩せ形区間は均等分割が好ましいが、加重値を与えて分割の割合が互いに異なる区間に分割することもできる。
ここで、『310』区間から『360』区間までのx軸に水平な直線距離は、一例として20mmで、ブレーキペダルの中心からシートの座部と背凭れが交差する地点までの直線距離の最小値と最大値の差は170mmである。
結局、A1、A2、A3区間それぞれはこのような『300』構造を有する。参考までにB1、B2は限界線を意味する。
【符号の説明】
【0030】
11 格納部
12 情報入力部
13 座高区間決定部
14 体形区間決定部
15 情報収集部
16 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に備えられ運転者の姿勢を制御する装置において、
性別と身長(背)と座高と体形に相応するシートの位置情報を格納する格納手段と、
運転者の性別、背、座高、体重の入力を受ける情報入力手段と、
前記入力を受けた運転者の背と座高に基づき運転者の座高区間を決定する座高区間決定手段と、
前記入力を受けた性別と背及び体重に基づき運転者の体形区間を決定する体形区間決定手段と、
前記格納手段に格納されているシートの位置情報に基づき、前記運転者の性別、身長、座高区間、体形区間に相応するシートの位置を決定する制御手段と、
を含むことを特徴とする運転者の姿勢制御装置。
【請求項2】
前記シートの位置は、
前記車両のブレーキペダルの中心から前記シートの座部と背凭れの交差する地点までの直線距離であることを特徴とする請求項1に記載の運転者の姿勢制御装置。
【請求項3】
前記シートの位置は、
所定の区間で表現されることを特徴とする請求項2に記載の運転者の姿勢制御装置。
【請求項4】
前記座高区間決定手段は、
前記入力を受けた運転者の座高を身長で割算した結果値に基づき、前記運転者の座高区間を決定することを特徴とする請求項1に記載の運転者の姿勢制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記格納手段に格納されているシートの位置情報に基づき、前記運転者の性別、身長、座高区間、体形区間に相応するシートの位置を決定した後、前記決定されたシートの位置に相応するミラーの位置及びステアリングホイールの位置を設定することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の運転者の姿勢制御装置。
【請求項6】
車両に備えられ運転者の姿勢を制御する装置において、
性別と身長(背)と座高と体形に相応するシートの位置情報を格納する格納手段と、
運転者の性別、背、座高、体重の入力を受ける情報入力手段と、
前記入力を受けた運転者の背と座高に基づき運転者の座高区間を決定する座高区間決定手段と、
前記入力を受けた性別と背及び体重に基づき運転者の体形区間を決定する体形区間決定手段と、
走行環境情報を収集する情報収集手段と、
前記格納手段に格納されているシートの位置情報に基づき、前記運転者の性別、身長、座高区間、体形区間に相応するシートの位置を検出し、前記検出したシートの位置に前記情報収集手段の収集した走行環境情報を付加して最終シートの位置と高さを決定する制御手段と、
を含むことを特徴とする運転者の姿勢制御装置。
【請求項7】
前記シートの位置は、
前記車両のブレーキペダルの中心から前記シートの座部と背凭れの交差する地点までの直線距離であることを特徴とする請求項6に記載の運転者の姿勢制御装置。
【請求項8】
前記シートの位置は、
所定の区間で表現されることを特徴とする請求項7に記載の運転者の姿勢制御装置。
【請求項9】
前記座高区間決定手段は、
前記入力を受けた運転者の座高を身長で割算した結果値に基づき、前記運転者の座高区間を決定することを特徴とする請求項6に記載の運転者の姿勢制御装置。
【請求項10】
前記制御手段は、
前記車両が渋滞区間に位置する場合、前記シートの位置を前方(走行方向)に第1基準値移動させ、前記シートの高さを第2基準値高めることを特徴とする請求項6乃至9の何れかに記載の運転者の姿勢制御装置。
【請求項11】
車両に備えられ運転者の姿勢を制御する装置において、
性別と身長(背)と座高と体形に相応するシートの位置情報を格納する格納手段と、
運転者の性別、背、座高、体重の入力を受ける情報入力手段と、
前記入力を受けた運転者の背と座高に基づき運転者の座高区間を決定する座高区間決定手段と、
前記入力を受けた性別と背及び体重に基づき運転者の体形区間を決定する体形区間決定手段と、
車種情報と健康情報を収集する情報収集手段と、
前記格納手段に格納されているシートの位置情報に基づき、前記運転者の性別、身長、座高区間、体形区間に相応するシートの位置を検出したあと、前記情報収集手段の収集した走行環境情報を付加して最終シートの位置と高さを決定し、前記情報収集手段の収集した健康情報を付加して背凭れの角度を決定する制御手段と、
を含むことを特徴とする運転者の姿勢制御装置。
【請求項12】
前記シートの位置は、
前記車両のブレーキペダルの中心から前記シートの座部と背凭れの交差する地点までの直線距離であることを特徴とする請求項11に記載の運転者の姿勢制御装置。
【請求項13】
前記シートの位置は、
所定の区間で表現されることを特徴とする請求項12に記載の運転者の姿勢制御装置。
【請求項14】
前記座高区間決定手段は、
前記入力を受けた運転者の座高を身長で割算した結果値に基づき、前記運転者の座高区間を決定することを特徴とする請求項11に記載の運転者の姿勢制御装置。
【請求項15】
前記制御手段は、
前記車両が渋滞区間に位置する場合、前記シートの位置を前方(走行方向)に第1基準値移動させ前記シートの高さを第2基準値高め、前記シートの背凭れを第3基準値角度前方に倒して運転者の下体と上体のなす角を狭めることを特徴とする請求項11乃至14の何れかに記載の運転者の姿勢制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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