運転認知トレーニング装置及び運転認知トレーニング方法
【課題】運転操作に伴う認知(脳)活動による消費カロリーをより精度よく算出する。
【解決手段】予め決められた運転操作子の操作を要求する課題としてトレーニング実行者に異なる操作を要求する複数の課題が設定され、その複数の課題を、トレーニングとして一題ずつトレーニング実施者に出題する。そして、出題した課題に対する上記トレーニング実行者の上記運転操作子の操作についての検出情報、トレーニング実行中の上記トレーニング実行者の生体情報についての検出情報、及び上記トレーニング実施者の生体的個人情報に基づき、上記トレーニング中の課題認知によるカロリー消費量を算出する。
【解決手段】予め決められた運転操作子の操作を要求する課題としてトレーニング実行者に異なる操作を要求する複数の課題が設定され、その複数の課題を、トレーニングとして一題ずつトレーニング実施者に出題する。そして、出題した課題に対する上記トレーニング実行者の上記運転操作子の操作についての検出情報、トレーニング実行中の上記トレーニング実行者の生体情報についての検出情報、及び上記トレーニング実施者の生体的個人情報に基づき、上記トレーニング中の課題認知によるカロリー消費量を算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転操作のトレーニングに関する技術である。
【背景技術】
【0002】
車両の運転による消費カロリーを算出する技術としては、例えば特許文献1に記載の装置がある。この装置は、運転操作に係わる運転者の運動量を算出し、算出した運動量と基礎代謝量とから運転者の消費カロリーを算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−136516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の装置は、運転操作による消費カロリーを算出するが、運転操作に伴う認知(脳)活動による消費カロリーを精度よく算出できていない。
本発明は、上記のような点に着目したもので、運転操作に伴う認知(脳)活動による消費カロリーをより精度よく算出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、予め決められた運転操作子の操作を要求する課題としてトレーニング実行者に異なる操作を要求する複数の課題が設定され、その複数の課題を、トレーニングとして一題ずつトレーニング実施者に出題する。そして、出題した課題に対する上記トレーニング実行者の上記運転操作子の操作についての検出情報、トレーニング実行中の上記トレーニング実行者の生体情報についての検出情報、及び上記トレーニング実施者の生体的個人情報に基づき、上記トレーニング中の課題認知によるカロリー消費量を算出する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、総消費カロリーのうちの課題認知によるカロリー消費を算出することで、課題認知によるカロリー消費を提示可能とする。この課題認知によるカロリー消費を提示可能とすることで、本発明によれば、トレーニングを実施する効果が明確になり、トレーニングへのモチベーションを向上することが可能とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に基づく実施形態に係る運転認知トレーニング装置の構成図である。
【図2】本発明に基づく実施形態に係る運転認知トレーニング装置の構造体を説明する図である。
【図3】本発明に基づく実施形態に係る運転認知トレーニング装置を説明する図である。
【図4】課題出題制御部の構成を説明する図である。
【図5】記憶課題テーブルの例を示す図である。
【図6】記憶課題テーブルの例を示す図である。
【図7】頻度性課題テーブルの例を示す図である。
【図8】課題レベル演算部での設定変更の処理を説明する図である。
【図9】認知消費カロリー算出部の構成を説明する図である。
【図10】予備情報取得部の処理を説明するフローチャート図である。
【図11】本情報取得部の処理を説明するフローチャート図である。
【図12】トレーニングのレベルアップの段階を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の運転認知トレーニング装置は、車両の運転をトレーニング対象とした装置である。トレーニングする運転対象は車両に限定されない。本発明は、飛行機、船舶、列車、特殊車両などの運転操作をトレーニングする場合であっても適用可能である。また、以下の本実施形態では、運転認知トレーニング装置がトレーニング専用装置の場合を例に挙げて説明する。
【0009】
本実施形態の運転認知トレーニング装置は、図1に示すように、課題提示装置1と、操作検出装置2と、生体情報検出装置3と、結果提示装置4と、コントローラ5とを備える。
ここで、運転認知トレーニング装置は、車体の車室を模した若しくは流用した車室構造体をハード構成として備える。本実施形態の車室構造体は、図2及び図3に示すように、車体のフレームをそのまま流用した車室構造体とする。そして、車室内の運転席10にトレーニング実施者が着座する構成とし、その運転席10の前方には、通常の車両と同様に、ステアリングホイール11、ブレーキペダル12、アクセルペダル13が運転操作子として設けられている。また、運転席10の前方には、フロントガラス14が設けられている。その他の車室内の構成は、通常の車両と同等の設備構成となっている。
【0010】
なお、フロントガラス14の代わりに、液晶その他からなるディスプレイ装置の表示部が設けられていても良い。この場合には、フロントガラス14が存在する位置に走行時の景色映像などを表示可能となる。
上記ステアリングホイール11は運転操作子を構成する。ステアリングホイール11の操舵は、図3に示すように、操舵センサ2aからなる操作検出装置2によって検出される。操作検出装置2は、検出結果をコントローラ5に出力する。
【0011】
上記ブレーキペダル12は運転操作子を構成する。ブレーキペダル12の操作は、図3に示すように、ペダル操作検出センサ2bからなる操作検出装置2によって検出される。操作検出装置2は、検出結果をコントローラ5に出力する。
また、上記結果提示装置4は、例えばステアリングホイール11の側方位置に配置されている。結果提示装置4は、情報を提示する表示部と、選択情報などの情報を入力するためのボタンなどからなる情報入力部とを備える。情報入力は、タッチパネル形式などでも良い。また、上記結果提示装置4は、通信装置を介して、他の位置にあるデータベースから情報を取得可能となっていても良い。
【0012】
また本実施形態の課題提示装置1は、複数位置に配置した光源LEDから構成される。上記複数の光源LEDは、複数の色を発光できるLEDからそれぞれ構成する。そして、上記複数の光源LEDは、運転席10の前方視界位置に配置される。本実施形態では、図2に示すように、上記複数の光源LEDを、上記フロントガラス14を基準として、左右両側(ピラー位置)の上部及び下部にそれぞれ配置すると共に、フロントガラス14の下部中央位置に配置する。すなわち、5個の光源LED1〜5を、左右両側及び下部中央に分散して配置する。なお、課題提示装置1は、光源LEDに限定されず、スピーカを使用しても良い。
【0013】
また、生体情報検出装置3は、トレーニング実行者の生体情報を検出する。本実施形態の生体情報検出装置3は、例えば心拍若しくは脈拍を検出する心拍検出センサから構成される。その生体情報検出装置3は、トレーニング実施者が着座する座席若しくは、トレーニング実施者が把持するステアリングホイールに設けられている。生体情報検出装置3は、検出信号をコントローラ5に出力する。尚、この生体情報は、より好ましくはトレーニング実行前にも取得し、トレーニング実行による心拍若しくは脈拍の変化量を検出するとよい。また、トレーニング実行前のデータは車両に予め所定値を設定してもよい。
【0014】
コントローラ5は、課題提示の制御処理や消費カロリーの算出処理等の処理を行う電子制御ユニットである。コントローラ5は、一般的なECUと同様にCPU、ROM、RAM等で構成され、ROMには後述する各種処理部を実現するプログラムが格納されている。このコントローラ5は、機能的には、図1に示すように、個人情報取得部5Aと、課題出題制御部5Bと、成績演算部5Cと、課題レベル演算部5Dと、認知消費カロリー算出部5Eと、カロリー消費提示部5Fとを備える。
【0015】
個人情報取得部5Aは、トレーニング実施者の生体的個人情報を取得する。本実施形態では、生体的個人情報は、年齢と体重とする。個人情報取得部5Aは、例えば上記結果提示装置4を通じて、年齢と体重の入力を促す報知を行い、その報知に伴う上記結果提示装置4への入力情報を取得する。入力は実施者個人の年齢と体重の情報そのものでも良いし、トレーニング実施者の属性(性別や年代等)を識別するトレーニング実施者識別情報であっても良い。識別情報の場合には、公知のPHRシステムを利用しても良い。すなわち、個人情報取得部5Aは、通信装置を通じてPHRシステムのデータベースにアクセスして、対象者の年齢及び体重の情報を取得しても良い。なお、年齢の代わりに骨密度情報などの生体的個人情報であっても良い。この場合、骨密度情報から年齢を推定しても良い。なお、体重計や骨密度計などの生体的個人情報を計測する計測装置を更に備え、個人情報取得部5Aは、その計測装置から生体的個人情報を取得しても良い。
【0016】
課題出題制御部5Bは、課題提示装置1を通じて課題を提示する。すなわち、課題出題制御部5Bは、課題を提示し課題に応じた運転操作子の操作を要求することを繰り返すトレーニング処理を出題する処理を実施する。
認知消費カロリー算出部5Eは、トレーニング中に検出される運転操作子の操作及び生体情報と上記生体的個人情報とに基づき、上記トレーニング処理に対する認知活動によるカロリー消費量を算出する。
【0017】
カロリー消費提示部5Fは、認知消費カロリー算出部5Eが算出した認知活動によるカロリー消費量を提示する。なお、結果提示部は、認知消費カロリー算出部5Eが算出した認知活動によるカロリー消費量を記憶部6に蓄積し、要求に応じて、その蓄積したカロリー消費量の情報を移動端末その他の装置に送信する構成であっても良い。
次に、上記課題出題制御部5Bについて説明する。
【0018】
課題出題制御部5Bは、図4に示すように、予備課題出題部5Baと本課題出題部5Bbとを備える。
予備課題出題部5Baは、予備のトレーニング処理として認知負荷が無い若しくは小さい状態での上記運転操作子の操作を要求する予備トレーニング処理を出題する処理を実施する。本実施形態の予備課題出題部5Baは、運転操作子について単純操作を繰り返す課題を提示する。例えば、一つの光源(例えばフロントウインド下部中央の光源)を一定の周期で点滅することで課題を提示し、その課題に同期をとってステアリングホイールを左右の予め設定した操舵角以上の操舵を要求する。この場合、課題の提示に先立って、光源が点灯したら、指定した運転操作子を操作して下さいとトレーニング指示を報知しておく。光源の代わりに、音によって課題提示を行っても良い。
【0019】
または、予備課題出題部5Baは、10秒間で10回、指定した運転操作子を操作して下さいと報知することで、単純な運転操作子操作の繰り返しを要求するように構成しても良い。このように、予備課題出題部5Baは、トレーニング実行者に対して運転操作子の単純操作を要求する課題を提示する処理を実施する。単純操作の繰り返し作業は、認知負荷が無い若しくは小さい状態となる。
【0020】
ここで本実施形態の予備課題出題部5Baは、運転操作子の操作としてステアリング操作とブレーキペダル操作とについて個別に上記単純操作を要求する構成とする。
次に本課題出題部5Bbの処理について説明する。
本課題出題部5Bbの処理は、記憶課題及び頻度性課題の少なくとも一方の課題を提示する処理を実施する。本実施形態の本課題出題部5Bbでは、記憶課題及び頻度性課題の両方の処理を提示する場合を例示する。本課題出題部5Bbの処理は、記憶課題又は頻度性課題の一方の課題を提示する構成でも良い。
【0021】
ここで、記憶部6には、記憶課題及び頻度性課題の課題規則に関する情報が格納されている。課題規則に関する情報は、点灯パターンのテーブルを含む。
本課題出題部5Bbは、記憶部6に格納されている記憶課題及び頻度性課題の規則に合わせて、光源LEDの発光パターンの制御を行う。例えば、本課題出題部5Bbは、図5に示すような課題規則のテーブルから順番に点灯パターンデータを読み込むと共に、読み込んだ点灯パターンデータに対応する光源LEDを予め設定されている課題提示時間(LEDの発光時間)t秒だけ発光させる。本課題出題部5Bbは、このようにして課題をトレーニング実施者に提示すると共に、提示情報を成績演算部5Cに出力する。課題提示の規則はこれに限定されない。課題提示は、例えば、光源LEDをランダムに発光させ、予め設定してある入力規則に従い、入力操作を要求するようにしてもよい。
【0022】
本課題出題部5Bbが課題提示装置1を通じて提示する記憶課題及び頻度性課題について説明する。
「記憶課題」
まず記憶課題について説明する。
記憶課題は、運転に必要な記憶能力を鍛える課題である。
【0023】
本実施形態の記憶課題の規則は、特定の提示パターンを提示し、その提示から設定された記憶時間の後に提示パターンに対応するステアリング操作を行うことを要求する。設定された記憶時間は設定変更可能となっている。
図5は、記憶課題の規則テーブルの例を示す図である。この図5で示される規則は、記憶時間n(IDのステップ数)が「0」の場合の例である。この図5に示すテーブルの規則では、向かって左側に位置するLED1及びLED3がともに青または緑で且つ同じ色で点灯したときに、操作入力としてステアリングホイール11を右に予め設定した操舵角以上操舵すると正解とする。また向かって右側に位置するLED2及びLED4がともに青または緑で且つ同じ色で点灯したときに、操作入力としてステアリングホイール11を左に予め設定した操舵角以上操舵すると正解とする。上述以外の色での発光が異なる場合や、点灯する光源LEDの位置が異なる場合には、操舵入力を行わない規則する。
【0024】
上記規則は、例えば結果提示装置4の表示部に表示することでトレーニング実施者に報知しておく。
図5では記憶時間nが「0」に設定されているため、操舵入力を要求する点灯パターン(提示パターン)が提示されたときに、操舵入力が要求される。
また図6は、記憶時間nが「1」の場合における記憶課題の規則テーブルの例である。この例では、操舵入力を要求する点灯パターン(提示パターン)が提示されると、つまり上述のように対応する光源LEDで色が揃ったことを記憶させ、その後の1ステップ次のステップIDでの点灯パターンが表示された場合に、対応する操舵入力を要求、つまり対応する操舵入力を正解とする。同様に、記憶時間nがNに設定された場合には、操舵入力を要求する点灯パターン(提示パターン)が提示されてから、Nステップ後の点灯パターンがあったときに、対応する操舵入力を要求、つまり対応する操舵入力を正解とする。
【0025】
このように、本実施形態では、設定された記憶時間nに対応する時間だけ、操舵入力を要求する点灯パターン(提示パターン)が有ったことを記憶して、記憶時間n後に対応する操舵入力を行う課題となる。したがって、記憶時間nが長いほど、記憶課題は難しくなる。
ここで、各光源LEDの点灯色として橙、紫、白、黄など、点灯色を増やし、それぞれの色に対応して入力を行う、入力を行わないなどの規則を設定することで、記憶課題の難易度を調整するようにしても良い。
【0026】
「頻度性課題」
次に、頻度性課題について説明する。
頻度性課題は、運転に必要な能力である緊急反応操作を鍛える課題である。
本実施形態の頻度性課題の規則は、設定された提示信号に応じてブレーキ操作を要求する頻度性課題を、設定した提示頻度で提示する規則とする。設定した提示頻度は、設定変更となっている。
【0027】
本実施形態の頻度性課題の提示は、上述の記憶課題の提示に割り込む形で頻度性課題を提示し、上記割り込む頻度を設定した提示頻度に応じて設定される。
図7で示されるテーブルの規則について説明する。
第1列目の「割り込みID」の欄は、上述の記憶課題のIDに対する割り込むIDを指定している。第2列目の「Delay(秒)」の欄は、第1欄で指定されたIDに対してどれだけ遅れて表示するかを指定する。第3列〜第5列は、提示パターンを示し、第6列は、提示に対して要求される操作入力を示している。例えば、1行目のテーブルデータは、「割り込みID」で指定された、記憶課題におけるID=5の点灯パターンが提示されてから、1.5秒後にLED1を赤色に点灯させることを規定している。そして、図6のテーブル例では、LED1から5のいずれかに赤色が点灯したときにブレーキ入力を行う課題になっている。
【0028】
頻度mの調整は、記憶課題が提示するIDの進捗にあわせ、割り込む回数を指定する。例えば記憶課題の提示が10ステップ進む間に、1回の赤色の点灯を提示する場合には、頻度性課題の出現頻度mは10%となる。また、記憶課題の提示が10ステップ進む間に、2回の赤色の点灯を指定すれば、出現頻度mは20%となる。このように、提示頻度である出現頻度m%を調整できる構成とし、この出願頻度mの値が小さければ、たまにしか点灯しない赤色を監視し、出願頻度mの値を大きく設定すれば、赤色の点灯が増え、赤色LEDへの認知・判断能力をトレーニングする課題になる。
【0029】
成績演算部5Cは、ペダル操作検出センサ2b、操舵センサ2aからのブレーキペダル12及びステアリングホイール11の操作情報を取得する。また、成績演算部5Cは、本課題出題部5Bbから提示情報と対応するテーブル規則を取得する。そして、成績演算部5Cは、記憶課題のトレーニング成果判定と頻度性課題のトレーニング成果判定とに分けて個別に、本課題出題部5Bbからの情報に応じた正しい操作入力が入力されたか否か操作入力の適性判断を行う。成績演算部5Cは、上記適性判断に基づき、記憶課題と頻度性課題とについて、それぞれ正解率、不正解率あるいは、反応時間を計算し、それを課題に対する成績とする。上記計算する成績は、重みを付けた正解率、不正解率、反応時間の和として総合成績としてもよい。成績演算部5Cは、計算した成績を記憶部6に対しトレーニング成果の履歴として記憶すると共に、トレーニング実施者からの操作入力若しくは自動的に表示部に、そのトレーニング成果を報知するようにしても良い。報知は音声によって提示しても良い。
【0030】
トレーニング実施者がトレーニング成果の履歴を確認できるようにすることは、トレーニング継続のモチベーション向上に繋がる。
また上記課題レベル演算部5Dは、記憶部6に記憶されている成績に基づき、予め設定した間隔で、成績の評価の見直しを行い、成績の評価を変更した場合には、その評価変更に応じて記憶時間nステップと頻度m%の値を設定変更する。記憶時間nステップと頻度m%の値を設定変更することで、トレーニング実施者の成績に応じてトレーニング内容の難易度が変更される。
【0031】
上記課題レベル演算部5Dは、トレーニング実施者毎に記憶時間nステップと頻度m%の値を設定して、記憶部6の記憶しておく。その記憶時間nステップと頻度m%の値の初期値は、例えばn=「0」、m=10%など予め設定された初期値とし、一番最初(初回)にトレーニングを開始するときに、その初期値からトレーニングを開始するようになっている。なお、初期値は、トレーニング実施者が入力するようにしても良い。
【0032】
また上記課題レベル演算部5Dは、上記頻度性課題の提示に応じて入力されるブレーキ操作入力の正解度、つまり成績に基づき上記提示頻度を設定変更する。図6は、記憶時間nステップと頻度m%の値の設定変更の例を示す図である。
上記課題レベル演算部5Dは、例えば、図8に示すように処理が行われる。
【0033】
先ずステップS10では、トレーニング開始となると頻度m及び記憶時間を初期化する。
次にステップS20では、上述のような課題提出に対する操作入力を取得し、ステップS30にて課題の評価を行う。このとき、予め設定した連続数だけ正解の場合には、上記頻度mを5だけ大きくする(ステップS40)。一方、予め設定した連続数だけ不正解の場合には、上記頻度mを5だけ低くする(ステップS70)。但し、上記初期値を頻度mの下限値とする(ステップS80)。その後ステップS20に戻る。
【0034】
また、ステップS60では、上記課題レベル演算部5Dは、上記頻度mが予め設定した値以上となっていると判定した場合、ステップS60にて、記憶時間nを増加してステップS20に戻る。図6に示す例では、頻度mが50%以上の場合に、記憶時間を増加する(図6では、nを1ステップ大きくする)と共に、頻度mを初期値に戻す。これを繰り返すことで、頻度mが予め設定した値以上となるたびに、記憶時間nが増加することとなる。
【0035】
次に、認知消費カロリー算出部5Eについて説明する。
認知消費カロリー算出部5Eは、図9に示すように、予備情報取得部5Ea、及び本常用取得部5Ebを備える。
予備情報取得部5Eaは、予備トレーニング中に検出した運転操作子の作動とそのときの総消費カロリーと取得する。そして予備情報取得部5Eaは、その運転操作子の作動に伴う仕事量と総消費カロリーとの関係について統計処理を実施して、運動消費カロリーと運転操作子の仕事量との相関関係を求める。
【0036】
予備情報取得部5Eaの処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。
予備情報取得部5Eaは、起動すると、先ずステップS210にて、個人情報取得部5Aから生体的個人情報として、トレーニング実行者の年齢及び体重を取得する。
次に、ステップS220では、生体情報検出装置3に情報要求信号を送って、生体情報検出装置3から、安静時のトレーニング実行者の心拍数を取得する。安静時の心拍数は、例えば無負荷での心拍数を連続的に取得し、心拍数が安定したときの心拍数を安静時の心拍数として採用する。
【0037】
次に、ステップS225では、操作する運転操作子を指定する。本実施形態において、指定される運転操作子は、ステアリングホイール若しくはブレーキペダルである。本実施形態では、最初にステアリングホイールを指定する。
次に、ステップS230では、予備課題出題部5Baに対して出願提示要求を出力する。
【0038】
次に、ステップS240では、予め設定した情報取得間隔で生体情報検出装置3から心拍数の情報の取得を開始する。
次に、ステップS250では、予め設定した区間時間毎の総消費カロリーを算出する。
総消費カロリーの算出は、例えば下記式で実施する。
総消費カロリー= (現在心拍数−安静時心拍数)
÷((220−年齢)−安静時心拍数)×100
×体重×1.05×区間時間
【0039】
またステップS260にて、操作検出装置2からの信号に基づき上記区間時間での操作回数を取得する。そして、下記式に基づき、その操作回数に基づき操作端仕事量を算出する。
操作端仕事量 =操作回数 × 単位操作当たりの仕事量
単位操作当たりの仕事量は、対象とする運転操作子を1回操作するのに要する仕事量である。
そして、同一区間時間での総消費カロリーと操作端仕事量とからなる相関データを組にして記憶部6に記憶する。区間時間は、例えば少なくとも2以上の運転操作子の操作が可能な時間に設定する。
【0040】
次に、ステップS270にて、予め設定した数以上の相関データが取得出来たか否かを判定し、取得出来た場合にはステップS280に移行する。相関データの数が予め設定した値未満の場合にはステップS250に移行する。予め設定した和は例えば10とする。
ステップS280では、指定する運転操作子として、ステアリングホイールとブレーキペダルの両方が実施されたかを判定する。一方の操舵部だけの処理が完了の場合には、指定する運転操作子の変更を行ってステップS225に移行する。一方、全ての運転操作子について処理が終了している場合には、ステップS290に移行する。すなわち、予備情報取得部5Eaは、運転操作子毎に情報を取得して、後述のように、運転操作子毎に回帰式を求める。
【0041】
ステップS290では、予備課題出題部5Baに課題終了信号を送信する。
次にステップS300では、取得した総消費カロリーと操作端仕事量とからなる複数の相関データを統計処理することで、運動消費カロリーと操作端仕事量との相関関係を表す相関式を求める。そして、その求めた相関式をトレーニング実行者の識別IDと関係付けて記憶する。その後、処理を終了する。ステップS300の処理は、ステップS270とS280の間で実施しても良い。
【0042】
本実施形態では、統計処理として回帰処理を実施して、下記のような回帰式を求める。ここで、上記予備トレーニングでは、認知負荷が無いか小さいので、取得した総消費カロリーは運転消費カロリーとみなすことが可能である。
運動消費カロリー =操作端仕事量 +b
ここでbは、統計処理によって定まる定数である。
【0043】
次に、本常用取得部5Ebの処理について、図11のフローチャートを参照して説明する。
本常用取得部5Ebは、起動すると、先ずステップS410にて、トレーニング実行者の識別情報の入力を要求して、トレーニング実行者の識別情報を入力する。そして、識別情報に基づき記憶部6を検索して、対象とするトレーニング実行者の生体的個人情報として年齢及び体重を取得する。又、最終総消費カロリー及び最終運転消費カロリーをゼロに初期化する。
【0044】
次に、ステップS420では、本課題出題部5Bbに対して出願提示要求を出力する。
次に、ステップS430では、予め設定した情報取得間隔で生体情報検出装置3から心拍数の情報の取得を開始する。
次に、ステップS440では、予め設定した区間時間毎の総消費カロリーを算出する。
【0045】
総消費カロリーの算出は、例えば下記式で実施する。この区間時間は、上記予備情報取得部5Eaでの区間時間と一致させる必要はない。
総消費カロリー= (現在心拍数−安静時心拍数)
÷((220−年齢)−安静時心拍数)×100
×体重×1.05×区間時間
そして、最終総消費カロリーに対して上記の処理で求めた総消費カロリーを加算する。
最終総消費カロリー=最終総消費カロリー +総消費カロリー
【0046】
またステップS450にて、操作検出装置2からの信号に基づき上記区間時間での各運転操作子の操作回数を取得する。そして、下記式に基づき、その操作回数に基づき各運転操作子毎の操作端仕事量を算出する。
操作端仕事量 =操作回数 × 単位操作当たりの仕事量
単位操作当たりの仕事量は、対象とする運転操作子を1回操作するのに要する仕事量である。
【0047】
次に、ステップS460では、記憶部6に記憶している上記トレーニング実行者に関連付いている各運転操作子に対応する回帰式からそれぞれ、各運転操作子での運動消費カロリーを算出する。
具体的には、ステアリング操作の操作端仕事量を対応する回帰式に代入して、ステアリング操作による運転消費カロリーを算出する。同様に、ブレーキペダル操作の操作端仕事量を対応する回帰式に代入して、ブレーキペダル操作による運転消費カロリーを算出する。
【0048】
そして、ステアリング操作による運転消費カロリーとブレーキペダル操作による運転消費カロリーとを加算して総運転消費カロリーを算出する。
総運転消費カロリー=ステアリング操作による運転消費カロリー
+ブレーキペダル操作による運転消費カロリー
そして、最終運転消費カロリーに対して、上記の処理で求めた総運転消費カロリーを加算する。
最終運転消費カロリー=最終運転消費カロリー +総運転消費カロリー
【0049】
次に、ステップS470にて、トレーニング終了条件を満足しているか否かを判定する。トレーニング終了と判定するとステップS480に移行する。一方、トレーニング終了条件を満足していないと判定するとステップS440に移行する。
ステップS480では、本課題出題部5Bbに対して終了信号を出力する。
ステップS490では、下記式に基づき、認知(脳)活動消費カロリーの算出を行う。
認知(脳)活動消費カロリー=(最終総消費カロリー)−(最終運転消費カロリー)
ステップS500では、結果提示部を介して、ステップS490で求めた認知(脳)活動消費カロリーを表示する。
【0050】
なお、上記認知(脳)活動消費カロリーの算出及び表示は、予め設定した時間毎に実施しても良い。この場合には、予め設定した時間毎の認知(脳)活動消費カロリーでも良いし、トレーニング開始からの累積値でもあっても良い。
【0051】
(動作その他)
トレーニングの手順としては、次の通りである。
また、運転認知トレーニング装置は、トレーニングの初回に1回、若しくは予め設定した期間(半年とか1年)経過後と判定した場合には、予備課題出題部5Baを作動する。そして、予備課題出題部5Baは、単純操作の課題を提示して、回帰式を求めるための情報を取得して、回帰式を算出する。トレーニング実施者の情報は、記憶部6に有するので、回帰式が存在するか、またいつ求めたかを判定することが可能である。なお、記憶部6は、ウエブ上など他の位置に存在していても構わない。
【0052】
一方、対象とするトレーニング実行者の回帰式が存在する場合には、運転認知トレーニング装置は、本課題出題部5Bbを作動して、実際のトレーニングを実施する。
これによって、トレーニング実行者は、後述のように認知能力の向上を図ることが出来ると共に、そのトレーニングによる認知(脳)活動消費カロリーを知ることが可能となる。なお、総消費カロリーも併行して表示しても良い。
【0053】
次に、認知を要求する実際のトレーニングについて説明する。
実施のトレーニングとして、1つの課題テーブルの実施時間(トレーニング時間)を予め設定しておき、1テーブルの課題を1セットとする。この課題セットを何度か繰り返し実施してもよい。あるいは、別の課題テーブルと入れ替えて実施してもよい。すなわち、課題テーブルとして複数のテーブルデータを持っていて選択可能となっていても良い。
【0054】
そして、課題のトレーニング実施者に対し、記憶課題と頻度性課題の規則について説明を行い、頻度性課題を優先して実施することを説明する。または結果提示装置4の表示部に表示する。
トレーニングは、トレーニング実施者が初心者であれば、記憶課題の記憶時間nを0ステップ、頻度性課題のmを10%を初期値に設定する。一方、十分にトレーニングの成果が現れている実施者であれば、記憶時間nと頻度mを十分大きな値を最初に設定してもよい。
【0055】
トレーニングのレベル向上は、まず頻度mの調整から行う。トレーニングの1セット終了後、あるいはトレーニング中においても頻度性課題への反応が適切かつ正確に行われていれば、順次頻度mの値を増加例えば5%増加させ、光源LEDの赤色点灯の頻度mを増加させる。逆に頻度性課題の反応時間が増加、正確な反応ができてなければ、頻度mの値を減少、例えば5%減少させ光源LEDの赤色点灯の出現頻度mを下げる。これは頻度性課題が、運転にとって優先度の高い緊急回避反応をトレーニングするものであり、十分な反応ができるまでトレーニングを繰り返す。
【0056】
そして、トレーニングの進捗状況により頻度mを徐々に上げ、頻度mの値が50%でも十分な反応ができるようになった段階となったときに、記憶課題の記憶時間nの値を増加させる。記億時間を増加することで、光源LEDの点灯と対応する操作入力のタイミングを遅らせ、作業の記憶能力をトレーニングする。このとき、記憶時間を増加させる度に頻度性課題の頻度mを初期値に戻すことで、記憶課題が複雑になっても頻度性課題を優先してトレーニングする。
【0057】
このように、図12に示すように、頻度性課題の成績に応じて頻度mを増やし、頻度mが50%以上となる度に記憶時間を増やすと共に頻度mを減少することを繰り返すこととなる。
これによって、トレーニング初期では、優先して緊急反応操作のトレーニングを行い単調な運転下でも緊急事態時には適切な反応ができる能力のトレーニングを行う。次に、頻度性課題の頻度mを増やし、走行環境における周囲の認知や判断の能力のトレーニングを行う。次に、記憶課題の難易度を上げることで人や障害物、他車など複数の注意喚起への対応能力のトレーニングを行い、さらに記憶課題の難易度が高く、頻度性課題の頻度mが高いトレーニングでは、複雑かつ素早い操作のトレーニングを行い、段階的に運転能力を向上させる。
【0058】
(変形例)
(1)上記課題提示装置1は、複数位置に配置した光源LEDから構成された例である。上記課題提示装置1は、別の装置から構成されていても良い。例えば、上記課題提示装置1は、スピーカを使用した構成としても良い。例えば、トレーニング実施者が視聴可能な位置に1又は2以上のスピーカを設ける。そして、上記スピーカからの音の音色、音の大きさ、音源の方向の少なくとも1つの提示によって、課題提示を実行する。
また、上記課題提示装置1は一つの光源LEDから構成されていても良いし、光源LEDとスピーカの組合せから構成されていても良い。
要は、トレーニング実施者が認識可能な提示が可能な装置であればよい。
(2)また、課題提示位置は、トレーニング実施者の前方に限定されない。運転席10を基準として、前方、側方、後方などに光源LEDなどからなる課題提示装置1を配置して課題提示を実施しても良い。
(3)また、上記実施形態では、運転操作子としてブレーキペダル12とステアリングホイール11を例示した。課題提示に対してトレーニング実施者が操作する運転操作子は、アクセルペダル13やシフトレバーなどの他の運転操作子であっても良い。また、運転操作子は、1つに限定されても良い。
【0059】
ここで、本課題出題部5Bbは課題出題部を構成する。操作検出装置2は操作検出部を構成する。生体情報検出装置3は生体情報検出部を構成する。結果提示装置4は結果提示装置4を構成する。ステップS440は総消費カロリー算出部を構成する。ステップS450、S460は運転カロリー算出部を構成する。ステップS490は認知カロリー算出部を構成する。区間時間はトレーニング処理時間に対応する。予備情報取得部5Eaは相関関係取得部を構成する。
【0060】
(本実施形態の効果)
本実施形態は、次のような効果を奏する。
(1)本課題出題部5Bbは、トレーニング実行者に対し予め決められた運転操作子の操作を要求する課題として、上記トレーニング実行者に異なる操作を要求する複数の課題が設定され、その複数の課題を、一題ずつ出題する。生体情報検出装置3は、トレーニング実行者の生体情報を検出する。個人情報取得部5Aは、上記トレーニング実施者の生体的個人情報を取得する。認知消費カロリー算出部5Eは、検出される運転操作子の操作及び上記検出される生体情報と上記個人情報取得部で取得される生体的個人情報とに基づき、上記トレーニング中の課題認知によるカロリー消費量を算出する。結果提示装置4は、上記課題認知消費カロリー算出部が算出した課題認知によるカロリー消費量を報知する処理を実施する。
この構成によれば、認知トレーニング単体のトレーニング量が数値的に把握でき、モチベーションが向上する。
すなわち、総消費カロリーのうち、課題認知によるカロリー消費がどのくらいかわからないと、トレーニングをやっても運動機能への効果がわかりにくくトレーニングをやめてしまう可能性がある。これに対し、認知処理による消費カロリーを表示することにより、トレーニングを実施する効果が明確になり、トレーニングをやりたくなるモチベーションが向上すると推定される。
【0061】
(2)結果提示装置4は、上記課題認知消費カロリー算出部が算出した課題認知によるカロリー消費量のデータを記憶する。記憶したデータは、車体から独立した報知手段を備える機器等に送信するようにすると良い。
これによって、後で課題認知によるカロリー消費がどのくらいか確認可能となる。
(3)上記認知消費カロリー算出部5Eは、上記検出される生体情報と上記取得される生体的個人情報とに基づき予め設定した所定時間中の総消費カロリーを算出する。また認知消費カロリー算出部5Eは、上記検出される運転操作子の操作に基づいて上記所定時間中の運動消費カロリーを算出する。そして、認知消費カロリー算出部5Eは、上記算出した総消費カロリーと上記算出した運動消費カロリーとに基づき課題認知によるカロリー消費量を算出する。
この構成によれば、総消費カロリーから運転消費カロリーを除くことで、より精度良く認知トレーニング(課題認知)による脳活動の消費カロリーを算出できる。
【0062】
(4)上記認知消費カロリー算出部5Eは、安静時の心拍数、トレーニング中の心拍数、トレーニング処理時間、トレーニング実施者の年齢及び体重に基づき、上記総消費カロリーを算出する。
これによって、総消費カロリーを含む各消費カロリーを簡便に算出できる。
(5)予備課題出題部5Baは、予備トレーニングとして、上記課題部が出題する課題を単純化することで、課題認知負荷が無い若しくは小さい状態とした予備課題を出題する。予備情報取得部5Eaは、予備課題出題部が出題した予備課題に対する予備総消費カロリーを取得し、上記予備課題に対する上記運転操作子の操作に伴う予備仕事量とを取得し、該予備仕事量と予備総消費カロリーとの関係について統計処理を実施することで、運動消費カロリーと運転操作子の仕事量との相関関係を求める。そして、上記認知消費カロリー算出部5Eは、上記トレーニング中に検出される運転操作子の操作と上記相関関係取得部が求めた相関関係に基づき運動消費カロリーを算出する。
これによって、認知トレーニングの身体運動活動の消費カロリーをより正確に算出可能となる。この結果、より精度良く脳活動消費カロリーの算出ができる。
【0063】
(6)上記生体情報検出装置3は、生体情報としてトレーニング実施者の心拍に関する情報を検出する心拍検出センサである。その心拍検出センサは、トレーニング実施者が着座する座席若しくは、上記運転操作子であるステアリングホイールに設けられる。
この構成によれば、トレーニング実施者に煩わしいセンサの取り付けを要求することなく、簡便に心拍自体もしくは脈拍から心拍に関する情報を取得可能となる。
【0064】
(7)上記個人情報取得部5Aは、トレーニング実施者の生体的個人情報を入力するため、当該トレーニング装置に入力部を設け、その入力部からの入力情報によって生体的個人情報を取得する。
トレーニング実施者などの手入力により、正確な年齢および体重を簡単に取得し、消費カロリーの算出ができる。
(8)上記個人情報取得部5Aは、トレーニング実施者の生体的個人情報を格納した当該トレーニング装置外にあるデータベースと通信して、対象とするトレーニング実施者の生体的個人情報を取得する。
トレーニング実施者に煩わしい手入力を要求することなく、年齢および体重に例示される生体的個人情報を取得し、消費カロリーの算出ができる。
【符号の説明】
【0065】
1 課題提示装置
2 操作検出装置
2a 操舵センサ
2b ペダル操作検出センサ
3 生体情報検出装置
4 結果提示装置
5 コントローラ
5A 個人情報取得部
5B 課題出題制御部
5Ba 予備課題出題部
5Bb 本課題出題部
5C 成績演算部
5D 課題レベル演算部
5E 認知消費カロリー算出部
5Ea 予備情報取得部
5Eb 本常用取得部
5F カロリー消費提示部
6 記憶部
10 運転席
11 ステアリングホイール
12 ブレーキペダル
LED 光源
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転操作のトレーニングに関する技術である。
【背景技術】
【0002】
車両の運転による消費カロリーを算出する技術としては、例えば特許文献1に記載の装置がある。この装置は、運転操作に係わる運転者の運動量を算出し、算出した運動量と基礎代謝量とから運転者の消費カロリーを算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−136516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の装置は、運転操作による消費カロリーを算出するが、運転操作に伴う認知(脳)活動による消費カロリーを精度よく算出できていない。
本発明は、上記のような点に着目したもので、運転操作に伴う認知(脳)活動による消費カロリーをより精度よく算出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、予め決められた運転操作子の操作を要求する課題としてトレーニング実行者に異なる操作を要求する複数の課題が設定され、その複数の課題を、トレーニングとして一題ずつトレーニング実施者に出題する。そして、出題した課題に対する上記トレーニング実行者の上記運転操作子の操作についての検出情報、トレーニング実行中の上記トレーニング実行者の生体情報についての検出情報、及び上記トレーニング実施者の生体的個人情報に基づき、上記トレーニング中の課題認知によるカロリー消費量を算出する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、総消費カロリーのうちの課題認知によるカロリー消費を算出することで、課題認知によるカロリー消費を提示可能とする。この課題認知によるカロリー消費を提示可能とすることで、本発明によれば、トレーニングを実施する効果が明確になり、トレーニングへのモチベーションを向上することが可能とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に基づく実施形態に係る運転認知トレーニング装置の構成図である。
【図2】本発明に基づく実施形態に係る運転認知トレーニング装置の構造体を説明する図である。
【図3】本発明に基づく実施形態に係る運転認知トレーニング装置を説明する図である。
【図4】課題出題制御部の構成を説明する図である。
【図5】記憶課題テーブルの例を示す図である。
【図6】記憶課題テーブルの例を示す図である。
【図7】頻度性課題テーブルの例を示す図である。
【図8】課題レベル演算部での設定変更の処理を説明する図である。
【図9】認知消費カロリー算出部の構成を説明する図である。
【図10】予備情報取得部の処理を説明するフローチャート図である。
【図11】本情報取得部の処理を説明するフローチャート図である。
【図12】トレーニングのレベルアップの段階を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の運転認知トレーニング装置は、車両の運転をトレーニング対象とした装置である。トレーニングする運転対象は車両に限定されない。本発明は、飛行機、船舶、列車、特殊車両などの運転操作をトレーニングする場合であっても適用可能である。また、以下の本実施形態では、運転認知トレーニング装置がトレーニング専用装置の場合を例に挙げて説明する。
【0009】
本実施形態の運転認知トレーニング装置は、図1に示すように、課題提示装置1と、操作検出装置2と、生体情報検出装置3と、結果提示装置4と、コントローラ5とを備える。
ここで、運転認知トレーニング装置は、車体の車室を模した若しくは流用した車室構造体をハード構成として備える。本実施形態の車室構造体は、図2及び図3に示すように、車体のフレームをそのまま流用した車室構造体とする。そして、車室内の運転席10にトレーニング実施者が着座する構成とし、その運転席10の前方には、通常の車両と同様に、ステアリングホイール11、ブレーキペダル12、アクセルペダル13が運転操作子として設けられている。また、運転席10の前方には、フロントガラス14が設けられている。その他の車室内の構成は、通常の車両と同等の設備構成となっている。
【0010】
なお、フロントガラス14の代わりに、液晶その他からなるディスプレイ装置の表示部が設けられていても良い。この場合には、フロントガラス14が存在する位置に走行時の景色映像などを表示可能となる。
上記ステアリングホイール11は運転操作子を構成する。ステアリングホイール11の操舵は、図3に示すように、操舵センサ2aからなる操作検出装置2によって検出される。操作検出装置2は、検出結果をコントローラ5に出力する。
【0011】
上記ブレーキペダル12は運転操作子を構成する。ブレーキペダル12の操作は、図3に示すように、ペダル操作検出センサ2bからなる操作検出装置2によって検出される。操作検出装置2は、検出結果をコントローラ5に出力する。
また、上記結果提示装置4は、例えばステアリングホイール11の側方位置に配置されている。結果提示装置4は、情報を提示する表示部と、選択情報などの情報を入力するためのボタンなどからなる情報入力部とを備える。情報入力は、タッチパネル形式などでも良い。また、上記結果提示装置4は、通信装置を介して、他の位置にあるデータベースから情報を取得可能となっていても良い。
【0012】
また本実施形態の課題提示装置1は、複数位置に配置した光源LEDから構成される。上記複数の光源LEDは、複数の色を発光できるLEDからそれぞれ構成する。そして、上記複数の光源LEDは、運転席10の前方視界位置に配置される。本実施形態では、図2に示すように、上記複数の光源LEDを、上記フロントガラス14を基準として、左右両側(ピラー位置)の上部及び下部にそれぞれ配置すると共に、フロントガラス14の下部中央位置に配置する。すなわち、5個の光源LED1〜5を、左右両側及び下部中央に分散して配置する。なお、課題提示装置1は、光源LEDに限定されず、スピーカを使用しても良い。
【0013】
また、生体情報検出装置3は、トレーニング実行者の生体情報を検出する。本実施形態の生体情報検出装置3は、例えば心拍若しくは脈拍を検出する心拍検出センサから構成される。その生体情報検出装置3は、トレーニング実施者が着座する座席若しくは、トレーニング実施者が把持するステアリングホイールに設けられている。生体情報検出装置3は、検出信号をコントローラ5に出力する。尚、この生体情報は、より好ましくはトレーニング実行前にも取得し、トレーニング実行による心拍若しくは脈拍の変化量を検出するとよい。また、トレーニング実行前のデータは車両に予め所定値を設定してもよい。
【0014】
コントローラ5は、課題提示の制御処理や消費カロリーの算出処理等の処理を行う電子制御ユニットである。コントローラ5は、一般的なECUと同様にCPU、ROM、RAM等で構成され、ROMには後述する各種処理部を実現するプログラムが格納されている。このコントローラ5は、機能的には、図1に示すように、個人情報取得部5Aと、課題出題制御部5Bと、成績演算部5Cと、課題レベル演算部5Dと、認知消費カロリー算出部5Eと、カロリー消費提示部5Fとを備える。
【0015】
個人情報取得部5Aは、トレーニング実施者の生体的個人情報を取得する。本実施形態では、生体的個人情報は、年齢と体重とする。個人情報取得部5Aは、例えば上記結果提示装置4を通じて、年齢と体重の入力を促す報知を行い、その報知に伴う上記結果提示装置4への入力情報を取得する。入力は実施者個人の年齢と体重の情報そのものでも良いし、トレーニング実施者の属性(性別や年代等)を識別するトレーニング実施者識別情報であっても良い。識別情報の場合には、公知のPHRシステムを利用しても良い。すなわち、個人情報取得部5Aは、通信装置を通じてPHRシステムのデータベースにアクセスして、対象者の年齢及び体重の情報を取得しても良い。なお、年齢の代わりに骨密度情報などの生体的個人情報であっても良い。この場合、骨密度情報から年齢を推定しても良い。なお、体重計や骨密度計などの生体的個人情報を計測する計測装置を更に備え、個人情報取得部5Aは、その計測装置から生体的個人情報を取得しても良い。
【0016】
課題出題制御部5Bは、課題提示装置1を通じて課題を提示する。すなわち、課題出題制御部5Bは、課題を提示し課題に応じた運転操作子の操作を要求することを繰り返すトレーニング処理を出題する処理を実施する。
認知消費カロリー算出部5Eは、トレーニング中に検出される運転操作子の操作及び生体情報と上記生体的個人情報とに基づき、上記トレーニング処理に対する認知活動によるカロリー消費量を算出する。
【0017】
カロリー消費提示部5Fは、認知消費カロリー算出部5Eが算出した認知活動によるカロリー消費量を提示する。なお、結果提示部は、認知消費カロリー算出部5Eが算出した認知活動によるカロリー消費量を記憶部6に蓄積し、要求に応じて、その蓄積したカロリー消費量の情報を移動端末その他の装置に送信する構成であっても良い。
次に、上記課題出題制御部5Bについて説明する。
【0018】
課題出題制御部5Bは、図4に示すように、予備課題出題部5Baと本課題出題部5Bbとを備える。
予備課題出題部5Baは、予備のトレーニング処理として認知負荷が無い若しくは小さい状態での上記運転操作子の操作を要求する予備トレーニング処理を出題する処理を実施する。本実施形態の予備課題出題部5Baは、運転操作子について単純操作を繰り返す課題を提示する。例えば、一つの光源(例えばフロントウインド下部中央の光源)を一定の周期で点滅することで課題を提示し、その課題に同期をとってステアリングホイールを左右の予め設定した操舵角以上の操舵を要求する。この場合、課題の提示に先立って、光源が点灯したら、指定した運転操作子を操作して下さいとトレーニング指示を報知しておく。光源の代わりに、音によって課題提示を行っても良い。
【0019】
または、予備課題出題部5Baは、10秒間で10回、指定した運転操作子を操作して下さいと報知することで、単純な運転操作子操作の繰り返しを要求するように構成しても良い。このように、予備課題出題部5Baは、トレーニング実行者に対して運転操作子の単純操作を要求する課題を提示する処理を実施する。単純操作の繰り返し作業は、認知負荷が無い若しくは小さい状態となる。
【0020】
ここで本実施形態の予備課題出題部5Baは、運転操作子の操作としてステアリング操作とブレーキペダル操作とについて個別に上記単純操作を要求する構成とする。
次に本課題出題部5Bbの処理について説明する。
本課題出題部5Bbの処理は、記憶課題及び頻度性課題の少なくとも一方の課題を提示する処理を実施する。本実施形態の本課題出題部5Bbでは、記憶課題及び頻度性課題の両方の処理を提示する場合を例示する。本課題出題部5Bbの処理は、記憶課題又は頻度性課題の一方の課題を提示する構成でも良い。
【0021】
ここで、記憶部6には、記憶課題及び頻度性課題の課題規則に関する情報が格納されている。課題規則に関する情報は、点灯パターンのテーブルを含む。
本課題出題部5Bbは、記憶部6に格納されている記憶課題及び頻度性課題の規則に合わせて、光源LEDの発光パターンの制御を行う。例えば、本課題出題部5Bbは、図5に示すような課題規則のテーブルから順番に点灯パターンデータを読み込むと共に、読み込んだ点灯パターンデータに対応する光源LEDを予め設定されている課題提示時間(LEDの発光時間)t秒だけ発光させる。本課題出題部5Bbは、このようにして課題をトレーニング実施者に提示すると共に、提示情報を成績演算部5Cに出力する。課題提示の規則はこれに限定されない。課題提示は、例えば、光源LEDをランダムに発光させ、予め設定してある入力規則に従い、入力操作を要求するようにしてもよい。
【0022】
本課題出題部5Bbが課題提示装置1を通じて提示する記憶課題及び頻度性課題について説明する。
「記憶課題」
まず記憶課題について説明する。
記憶課題は、運転に必要な記憶能力を鍛える課題である。
【0023】
本実施形態の記憶課題の規則は、特定の提示パターンを提示し、その提示から設定された記憶時間の後に提示パターンに対応するステアリング操作を行うことを要求する。設定された記憶時間は設定変更可能となっている。
図5は、記憶課題の規則テーブルの例を示す図である。この図5で示される規則は、記憶時間n(IDのステップ数)が「0」の場合の例である。この図5に示すテーブルの規則では、向かって左側に位置するLED1及びLED3がともに青または緑で且つ同じ色で点灯したときに、操作入力としてステアリングホイール11を右に予め設定した操舵角以上操舵すると正解とする。また向かって右側に位置するLED2及びLED4がともに青または緑で且つ同じ色で点灯したときに、操作入力としてステアリングホイール11を左に予め設定した操舵角以上操舵すると正解とする。上述以外の色での発光が異なる場合や、点灯する光源LEDの位置が異なる場合には、操舵入力を行わない規則する。
【0024】
上記規則は、例えば結果提示装置4の表示部に表示することでトレーニング実施者に報知しておく。
図5では記憶時間nが「0」に設定されているため、操舵入力を要求する点灯パターン(提示パターン)が提示されたときに、操舵入力が要求される。
また図6は、記憶時間nが「1」の場合における記憶課題の規則テーブルの例である。この例では、操舵入力を要求する点灯パターン(提示パターン)が提示されると、つまり上述のように対応する光源LEDで色が揃ったことを記憶させ、その後の1ステップ次のステップIDでの点灯パターンが表示された場合に、対応する操舵入力を要求、つまり対応する操舵入力を正解とする。同様に、記憶時間nがNに設定された場合には、操舵入力を要求する点灯パターン(提示パターン)が提示されてから、Nステップ後の点灯パターンがあったときに、対応する操舵入力を要求、つまり対応する操舵入力を正解とする。
【0025】
このように、本実施形態では、設定された記憶時間nに対応する時間だけ、操舵入力を要求する点灯パターン(提示パターン)が有ったことを記憶して、記憶時間n後に対応する操舵入力を行う課題となる。したがって、記憶時間nが長いほど、記憶課題は難しくなる。
ここで、各光源LEDの点灯色として橙、紫、白、黄など、点灯色を増やし、それぞれの色に対応して入力を行う、入力を行わないなどの規則を設定することで、記憶課題の難易度を調整するようにしても良い。
【0026】
「頻度性課題」
次に、頻度性課題について説明する。
頻度性課題は、運転に必要な能力である緊急反応操作を鍛える課題である。
本実施形態の頻度性課題の規則は、設定された提示信号に応じてブレーキ操作を要求する頻度性課題を、設定した提示頻度で提示する規則とする。設定した提示頻度は、設定変更となっている。
【0027】
本実施形態の頻度性課題の提示は、上述の記憶課題の提示に割り込む形で頻度性課題を提示し、上記割り込む頻度を設定した提示頻度に応じて設定される。
図7で示されるテーブルの規則について説明する。
第1列目の「割り込みID」の欄は、上述の記憶課題のIDに対する割り込むIDを指定している。第2列目の「Delay(秒)」の欄は、第1欄で指定されたIDに対してどれだけ遅れて表示するかを指定する。第3列〜第5列は、提示パターンを示し、第6列は、提示に対して要求される操作入力を示している。例えば、1行目のテーブルデータは、「割り込みID」で指定された、記憶課題におけるID=5の点灯パターンが提示されてから、1.5秒後にLED1を赤色に点灯させることを規定している。そして、図6のテーブル例では、LED1から5のいずれかに赤色が点灯したときにブレーキ入力を行う課題になっている。
【0028】
頻度mの調整は、記憶課題が提示するIDの進捗にあわせ、割り込む回数を指定する。例えば記憶課題の提示が10ステップ進む間に、1回の赤色の点灯を提示する場合には、頻度性課題の出現頻度mは10%となる。また、記憶課題の提示が10ステップ進む間に、2回の赤色の点灯を指定すれば、出現頻度mは20%となる。このように、提示頻度である出現頻度m%を調整できる構成とし、この出願頻度mの値が小さければ、たまにしか点灯しない赤色を監視し、出願頻度mの値を大きく設定すれば、赤色の点灯が増え、赤色LEDへの認知・判断能力をトレーニングする課題になる。
【0029】
成績演算部5Cは、ペダル操作検出センサ2b、操舵センサ2aからのブレーキペダル12及びステアリングホイール11の操作情報を取得する。また、成績演算部5Cは、本課題出題部5Bbから提示情報と対応するテーブル規則を取得する。そして、成績演算部5Cは、記憶課題のトレーニング成果判定と頻度性課題のトレーニング成果判定とに分けて個別に、本課題出題部5Bbからの情報に応じた正しい操作入力が入力されたか否か操作入力の適性判断を行う。成績演算部5Cは、上記適性判断に基づき、記憶課題と頻度性課題とについて、それぞれ正解率、不正解率あるいは、反応時間を計算し、それを課題に対する成績とする。上記計算する成績は、重みを付けた正解率、不正解率、反応時間の和として総合成績としてもよい。成績演算部5Cは、計算した成績を記憶部6に対しトレーニング成果の履歴として記憶すると共に、トレーニング実施者からの操作入力若しくは自動的に表示部に、そのトレーニング成果を報知するようにしても良い。報知は音声によって提示しても良い。
【0030】
トレーニング実施者がトレーニング成果の履歴を確認できるようにすることは、トレーニング継続のモチベーション向上に繋がる。
また上記課題レベル演算部5Dは、記憶部6に記憶されている成績に基づき、予め設定した間隔で、成績の評価の見直しを行い、成績の評価を変更した場合には、その評価変更に応じて記憶時間nステップと頻度m%の値を設定変更する。記憶時間nステップと頻度m%の値を設定変更することで、トレーニング実施者の成績に応じてトレーニング内容の難易度が変更される。
【0031】
上記課題レベル演算部5Dは、トレーニング実施者毎に記憶時間nステップと頻度m%の値を設定して、記憶部6の記憶しておく。その記憶時間nステップと頻度m%の値の初期値は、例えばn=「0」、m=10%など予め設定された初期値とし、一番最初(初回)にトレーニングを開始するときに、その初期値からトレーニングを開始するようになっている。なお、初期値は、トレーニング実施者が入力するようにしても良い。
【0032】
また上記課題レベル演算部5Dは、上記頻度性課題の提示に応じて入力されるブレーキ操作入力の正解度、つまり成績に基づき上記提示頻度を設定変更する。図6は、記憶時間nステップと頻度m%の値の設定変更の例を示す図である。
上記課題レベル演算部5Dは、例えば、図8に示すように処理が行われる。
【0033】
先ずステップS10では、トレーニング開始となると頻度m及び記憶時間を初期化する。
次にステップS20では、上述のような課題提出に対する操作入力を取得し、ステップS30にて課題の評価を行う。このとき、予め設定した連続数だけ正解の場合には、上記頻度mを5だけ大きくする(ステップS40)。一方、予め設定した連続数だけ不正解の場合には、上記頻度mを5だけ低くする(ステップS70)。但し、上記初期値を頻度mの下限値とする(ステップS80)。その後ステップS20に戻る。
【0034】
また、ステップS60では、上記課題レベル演算部5Dは、上記頻度mが予め設定した値以上となっていると判定した場合、ステップS60にて、記憶時間nを増加してステップS20に戻る。図6に示す例では、頻度mが50%以上の場合に、記憶時間を増加する(図6では、nを1ステップ大きくする)と共に、頻度mを初期値に戻す。これを繰り返すことで、頻度mが予め設定した値以上となるたびに、記憶時間nが増加することとなる。
【0035】
次に、認知消費カロリー算出部5Eについて説明する。
認知消費カロリー算出部5Eは、図9に示すように、予備情報取得部5Ea、及び本常用取得部5Ebを備える。
予備情報取得部5Eaは、予備トレーニング中に検出した運転操作子の作動とそのときの総消費カロリーと取得する。そして予備情報取得部5Eaは、その運転操作子の作動に伴う仕事量と総消費カロリーとの関係について統計処理を実施して、運動消費カロリーと運転操作子の仕事量との相関関係を求める。
【0036】
予備情報取得部5Eaの処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。
予備情報取得部5Eaは、起動すると、先ずステップS210にて、個人情報取得部5Aから生体的個人情報として、トレーニング実行者の年齢及び体重を取得する。
次に、ステップS220では、生体情報検出装置3に情報要求信号を送って、生体情報検出装置3から、安静時のトレーニング実行者の心拍数を取得する。安静時の心拍数は、例えば無負荷での心拍数を連続的に取得し、心拍数が安定したときの心拍数を安静時の心拍数として採用する。
【0037】
次に、ステップS225では、操作する運転操作子を指定する。本実施形態において、指定される運転操作子は、ステアリングホイール若しくはブレーキペダルである。本実施形態では、最初にステアリングホイールを指定する。
次に、ステップS230では、予備課題出題部5Baに対して出願提示要求を出力する。
【0038】
次に、ステップS240では、予め設定した情報取得間隔で生体情報検出装置3から心拍数の情報の取得を開始する。
次に、ステップS250では、予め設定した区間時間毎の総消費カロリーを算出する。
総消費カロリーの算出は、例えば下記式で実施する。
総消費カロリー= (現在心拍数−安静時心拍数)
÷((220−年齢)−安静時心拍数)×100
×体重×1.05×区間時間
【0039】
またステップS260にて、操作検出装置2からの信号に基づき上記区間時間での操作回数を取得する。そして、下記式に基づき、その操作回数に基づき操作端仕事量を算出する。
操作端仕事量 =操作回数 × 単位操作当たりの仕事量
単位操作当たりの仕事量は、対象とする運転操作子を1回操作するのに要する仕事量である。
そして、同一区間時間での総消費カロリーと操作端仕事量とからなる相関データを組にして記憶部6に記憶する。区間時間は、例えば少なくとも2以上の運転操作子の操作が可能な時間に設定する。
【0040】
次に、ステップS270にて、予め設定した数以上の相関データが取得出来たか否かを判定し、取得出来た場合にはステップS280に移行する。相関データの数が予め設定した値未満の場合にはステップS250に移行する。予め設定した和は例えば10とする。
ステップS280では、指定する運転操作子として、ステアリングホイールとブレーキペダルの両方が実施されたかを判定する。一方の操舵部だけの処理が完了の場合には、指定する運転操作子の変更を行ってステップS225に移行する。一方、全ての運転操作子について処理が終了している場合には、ステップS290に移行する。すなわち、予備情報取得部5Eaは、運転操作子毎に情報を取得して、後述のように、運転操作子毎に回帰式を求める。
【0041】
ステップS290では、予備課題出題部5Baに課題終了信号を送信する。
次にステップS300では、取得した総消費カロリーと操作端仕事量とからなる複数の相関データを統計処理することで、運動消費カロリーと操作端仕事量との相関関係を表す相関式を求める。そして、その求めた相関式をトレーニング実行者の識別IDと関係付けて記憶する。その後、処理を終了する。ステップS300の処理は、ステップS270とS280の間で実施しても良い。
【0042】
本実施形態では、統計処理として回帰処理を実施して、下記のような回帰式を求める。ここで、上記予備トレーニングでは、認知負荷が無いか小さいので、取得した総消費カロリーは運転消費カロリーとみなすことが可能である。
運動消費カロリー =操作端仕事量 +b
ここでbは、統計処理によって定まる定数である。
【0043】
次に、本常用取得部5Ebの処理について、図11のフローチャートを参照して説明する。
本常用取得部5Ebは、起動すると、先ずステップS410にて、トレーニング実行者の識別情報の入力を要求して、トレーニング実行者の識別情報を入力する。そして、識別情報に基づき記憶部6を検索して、対象とするトレーニング実行者の生体的個人情報として年齢及び体重を取得する。又、最終総消費カロリー及び最終運転消費カロリーをゼロに初期化する。
【0044】
次に、ステップS420では、本課題出題部5Bbに対して出願提示要求を出力する。
次に、ステップS430では、予め設定した情報取得間隔で生体情報検出装置3から心拍数の情報の取得を開始する。
次に、ステップS440では、予め設定した区間時間毎の総消費カロリーを算出する。
【0045】
総消費カロリーの算出は、例えば下記式で実施する。この区間時間は、上記予備情報取得部5Eaでの区間時間と一致させる必要はない。
総消費カロリー= (現在心拍数−安静時心拍数)
÷((220−年齢)−安静時心拍数)×100
×体重×1.05×区間時間
そして、最終総消費カロリーに対して上記の処理で求めた総消費カロリーを加算する。
最終総消費カロリー=最終総消費カロリー +総消費カロリー
【0046】
またステップS450にて、操作検出装置2からの信号に基づき上記区間時間での各運転操作子の操作回数を取得する。そして、下記式に基づき、その操作回数に基づき各運転操作子毎の操作端仕事量を算出する。
操作端仕事量 =操作回数 × 単位操作当たりの仕事量
単位操作当たりの仕事量は、対象とする運転操作子を1回操作するのに要する仕事量である。
【0047】
次に、ステップS460では、記憶部6に記憶している上記トレーニング実行者に関連付いている各運転操作子に対応する回帰式からそれぞれ、各運転操作子での運動消費カロリーを算出する。
具体的には、ステアリング操作の操作端仕事量を対応する回帰式に代入して、ステアリング操作による運転消費カロリーを算出する。同様に、ブレーキペダル操作の操作端仕事量を対応する回帰式に代入して、ブレーキペダル操作による運転消費カロリーを算出する。
【0048】
そして、ステアリング操作による運転消費カロリーとブレーキペダル操作による運転消費カロリーとを加算して総運転消費カロリーを算出する。
総運転消費カロリー=ステアリング操作による運転消費カロリー
+ブレーキペダル操作による運転消費カロリー
そして、最終運転消費カロリーに対して、上記の処理で求めた総運転消費カロリーを加算する。
最終運転消費カロリー=最終運転消費カロリー +総運転消費カロリー
【0049】
次に、ステップS470にて、トレーニング終了条件を満足しているか否かを判定する。トレーニング終了と判定するとステップS480に移行する。一方、トレーニング終了条件を満足していないと判定するとステップS440に移行する。
ステップS480では、本課題出題部5Bbに対して終了信号を出力する。
ステップS490では、下記式に基づき、認知(脳)活動消費カロリーの算出を行う。
認知(脳)活動消費カロリー=(最終総消費カロリー)−(最終運転消費カロリー)
ステップS500では、結果提示部を介して、ステップS490で求めた認知(脳)活動消費カロリーを表示する。
【0050】
なお、上記認知(脳)活動消費カロリーの算出及び表示は、予め設定した時間毎に実施しても良い。この場合には、予め設定した時間毎の認知(脳)活動消費カロリーでも良いし、トレーニング開始からの累積値でもあっても良い。
【0051】
(動作その他)
トレーニングの手順としては、次の通りである。
また、運転認知トレーニング装置は、トレーニングの初回に1回、若しくは予め設定した期間(半年とか1年)経過後と判定した場合には、予備課題出題部5Baを作動する。そして、予備課題出題部5Baは、単純操作の課題を提示して、回帰式を求めるための情報を取得して、回帰式を算出する。トレーニング実施者の情報は、記憶部6に有するので、回帰式が存在するか、またいつ求めたかを判定することが可能である。なお、記憶部6は、ウエブ上など他の位置に存在していても構わない。
【0052】
一方、対象とするトレーニング実行者の回帰式が存在する場合には、運転認知トレーニング装置は、本課題出題部5Bbを作動して、実際のトレーニングを実施する。
これによって、トレーニング実行者は、後述のように認知能力の向上を図ることが出来ると共に、そのトレーニングによる認知(脳)活動消費カロリーを知ることが可能となる。なお、総消費カロリーも併行して表示しても良い。
【0053】
次に、認知を要求する実際のトレーニングについて説明する。
実施のトレーニングとして、1つの課題テーブルの実施時間(トレーニング時間)を予め設定しておき、1テーブルの課題を1セットとする。この課題セットを何度か繰り返し実施してもよい。あるいは、別の課題テーブルと入れ替えて実施してもよい。すなわち、課題テーブルとして複数のテーブルデータを持っていて選択可能となっていても良い。
【0054】
そして、課題のトレーニング実施者に対し、記憶課題と頻度性課題の規則について説明を行い、頻度性課題を優先して実施することを説明する。または結果提示装置4の表示部に表示する。
トレーニングは、トレーニング実施者が初心者であれば、記憶課題の記憶時間nを0ステップ、頻度性課題のmを10%を初期値に設定する。一方、十分にトレーニングの成果が現れている実施者であれば、記憶時間nと頻度mを十分大きな値を最初に設定してもよい。
【0055】
トレーニングのレベル向上は、まず頻度mの調整から行う。トレーニングの1セット終了後、あるいはトレーニング中においても頻度性課題への反応が適切かつ正確に行われていれば、順次頻度mの値を増加例えば5%増加させ、光源LEDの赤色点灯の頻度mを増加させる。逆に頻度性課題の反応時間が増加、正確な反応ができてなければ、頻度mの値を減少、例えば5%減少させ光源LEDの赤色点灯の出現頻度mを下げる。これは頻度性課題が、運転にとって優先度の高い緊急回避反応をトレーニングするものであり、十分な反応ができるまでトレーニングを繰り返す。
【0056】
そして、トレーニングの進捗状況により頻度mを徐々に上げ、頻度mの値が50%でも十分な反応ができるようになった段階となったときに、記憶課題の記憶時間nの値を増加させる。記億時間を増加することで、光源LEDの点灯と対応する操作入力のタイミングを遅らせ、作業の記憶能力をトレーニングする。このとき、記憶時間を増加させる度に頻度性課題の頻度mを初期値に戻すことで、記憶課題が複雑になっても頻度性課題を優先してトレーニングする。
【0057】
このように、図12に示すように、頻度性課題の成績に応じて頻度mを増やし、頻度mが50%以上となる度に記憶時間を増やすと共に頻度mを減少することを繰り返すこととなる。
これによって、トレーニング初期では、優先して緊急反応操作のトレーニングを行い単調な運転下でも緊急事態時には適切な反応ができる能力のトレーニングを行う。次に、頻度性課題の頻度mを増やし、走行環境における周囲の認知や判断の能力のトレーニングを行う。次に、記憶課題の難易度を上げることで人や障害物、他車など複数の注意喚起への対応能力のトレーニングを行い、さらに記憶課題の難易度が高く、頻度性課題の頻度mが高いトレーニングでは、複雑かつ素早い操作のトレーニングを行い、段階的に運転能力を向上させる。
【0058】
(変形例)
(1)上記課題提示装置1は、複数位置に配置した光源LEDから構成された例である。上記課題提示装置1は、別の装置から構成されていても良い。例えば、上記課題提示装置1は、スピーカを使用した構成としても良い。例えば、トレーニング実施者が視聴可能な位置に1又は2以上のスピーカを設ける。そして、上記スピーカからの音の音色、音の大きさ、音源の方向の少なくとも1つの提示によって、課題提示を実行する。
また、上記課題提示装置1は一つの光源LEDから構成されていても良いし、光源LEDとスピーカの組合せから構成されていても良い。
要は、トレーニング実施者が認識可能な提示が可能な装置であればよい。
(2)また、課題提示位置は、トレーニング実施者の前方に限定されない。運転席10を基準として、前方、側方、後方などに光源LEDなどからなる課題提示装置1を配置して課題提示を実施しても良い。
(3)また、上記実施形態では、運転操作子としてブレーキペダル12とステアリングホイール11を例示した。課題提示に対してトレーニング実施者が操作する運転操作子は、アクセルペダル13やシフトレバーなどの他の運転操作子であっても良い。また、運転操作子は、1つに限定されても良い。
【0059】
ここで、本課題出題部5Bbは課題出題部を構成する。操作検出装置2は操作検出部を構成する。生体情報検出装置3は生体情報検出部を構成する。結果提示装置4は結果提示装置4を構成する。ステップS440は総消費カロリー算出部を構成する。ステップS450、S460は運転カロリー算出部を構成する。ステップS490は認知カロリー算出部を構成する。区間時間はトレーニング処理時間に対応する。予備情報取得部5Eaは相関関係取得部を構成する。
【0060】
(本実施形態の効果)
本実施形態は、次のような効果を奏する。
(1)本課題出題部5Bbは、トレーニング実行者に対し予め決められた運転操作子の操作を要求する課題として、上記トレーニング実行者に異なる操作を要求する複数の課題が設定され、その複数の課題を、一題ずつ出題する。生体情報検出装置3は、トレーニング実行者の生体情報を検出する。個人情報取得部5Aは、上記トレーニング実施者の生体的個人情報を取得する。認知消費カロリー算出部5Eは、検出される運転操作子の操作及び上記検出される生体情報と上記個人情報取得部で取得される生体的個人情報とに基づき、上記トレーニング中の課題認知によるカロリー消費量を算出する。結果提示装置4は、上記課題認知消費カロリー算出部が算出した課題認知によるカロリー消費量を報知する処理を実施する。
この構成によれば、認知トレーニング単体のトレーニング量が数値的に把握でき、モチベーションが向上する。
すなわち、総消費カロリーのうち、課題認知によるカロリー消費がどのくらいかわからないと、トレーニングをやっても運動機能への効果がわかりにくくトレーニングをやめてしまう可能性がある。これに対し、認知処理による消費カロリーを表示することにより、トレーニングを実施する効果が明確になり、トレーニングをやりたくなるモチベーションが向上すると推定される。
【0061】
(2)結果提示装置4は、上記課題認知消費カロリー算出部が算出した課題認知によるカロリー消費量のデータを記憶する。記憶したデータは、車体から独立した報知手段を備える機器等に送信するようにすると良い。
これによって、後で課題認知によるカロリー消費がどのくらいか確認可能となる。
(3)上記認知消費カロリー算出部5Eは、上記検出される生体情報と上記取得される生体的個人情報とに基づき予め設定した所定時間中の総消費カロリーを算出する。また認知消費カロリー算出部5Eは、上記検出される運転操作子の操作に基づいて上記所定時間中の運動消費カロリーを算出する。そして、認知消費カロリー算出部5Eは、上記算出した総消費カロリーと上記算出した運動消費カロリーとに基づき課題認知によるカロリー消費量を算出する。
この構成によれば、総消費カロリーから運転消費カロリーを除くことで、より精度良く認知トレーニング(課題認知)による脳活動の消費カロリーを算出できる。
【0062】
(4)上記認知消費カロリー算出部5Eは、安静時の心拍数、トレーニング中の心拍数、トレーニング処理時間、トレーニング実施者の年齢及び体重に基づき、上記総消費カロリーを算出する。
これによって、総消費カロリーを含む各消費カロリーを簡便に算出できる。
(5)予備課題出題部5Baは、予備トレーニングとして、上記課題部が出題する課題を単純化することで、課題認知負荷が無い若しくは小さい状態とした予備課題を出題する。予備情報取得部5Eaは、予備課題出題部が出題した予備課題に対する予備総消費カロリーを取得し、上記予備課題に対する上記運転操作子の操作に伴う予備仕事量とを取得し、該予備仕事量と予備総消費カロリーとの関係について統計処理を実施することで、運動消費カロリーと運転操作子の仕事量との相関関係を求める。そして、上記認知消費カロリー算出部5Eは、上記トレーニング中に検出される運転操作子の操作と上記相関関係取得部が求めた相関関係に基づき運動消費カロリーを算出する。
これによって、認知トレーニングの身体運動活動の消費カロリーをより正確に算出可能となる。この結果、より精度良く脳活動消費カロリーの算出ができる。
【0063】
(6)上記生体情報検出装置3は、生体情報としてトレーニング実施者の心拍に関する情報を検出する心拍検出センサである。その心拍検出センサは、トレーニング実施者が着座する座席若しくは、上記運転操作子であるステアリングホイールに設けられる。
この構成によれば、トレーニング実施者に煩わしいセンサの取り付けを要求することなく、簡便に心拍自体もしくは脈拍から心拍に関する情報を取得可能となる。
【0064】
(7)上記個人情報取得部5Aは、トレーニング実施者の生体的個人情報を入力するため、当該トレーニング装置に入力部を設け、その入力部からの入力情報によって生体的個人情報を取得する。
トレーニング実施者などの手入力により、正確な年齢および体重を簡単に取得し、消費カロリーの算出ができる。
(8)上記個人情報取得部5Aは、トレーニング実施者の生体的個人情報を格納した当該トレーニング装置外にあるデータベースと通信して、対象とするトレーニング実施者の生体的個人情報を取得する。
トレーニング実施者に煩わしい手入力を要求することなく、年齢および体重に例示される生体的個人情報を取得し、消費カロリーの算出ができる。
【符号の説明】
【0065】
1 課題提示装置
2 操作検出装置
2a 操舵センサ
2b ペダル操作検出センサ
3 生体情報検出装置
4 結果提示装置
5 コントローラ
5A 個人情報取得部
5B 課題出題制御部
5Ba 予備課題出題部
5Bb 本課題出題部
5C 成績演算部
5D 課題レベル演算部
5E 認知消費カロリー算出部
5Ea 予備情報取得部
5Eb 本常用取得部
5F カロリー消費提示部
6 記憶部
10 運転席
11 ステアリングホイール
12 ブレーキペダル
LED 光源
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレーニング実行者に対し予め決められた運転操作子の操作を要求する課題として、上記トレーニング実行者に異なる操作を要求する複数の課題が設定され、その複数の課題を、一題ずつ出題する課題出題部と、
上記課題出題部が出題した課題に対する上記トレーニング実行者の上記運転操作子の操作を検出する操作検出部と、
上記トレーニング実行者によるトレーニング実行中の上記トレーニング実行者の生体情報を検出する生体情報検出部と、
上記トレーニング実施者の生体的個人情報を取得する個人情報取得部と、
上記操作検出部で検出される運転操作子の操作及び上記生体情報検出部で検出される生体情報と上記個人情報取得部で取得される生体的個人情報とに基づき、上記トレーニング中の課題認知によるカロリー消費量を算出する課題認知消費カロリー算出部と、
上記課題認知消費カロリー算出部が算出した課題認知によるカロリー消費量を報知する処理を実施する結果処理部と、
を備えることを特徴とする運転認知トレーニング装置。
【請求項2】
上記課題認知消費カロリー算出部が算出した課題認知によるカロリー消費量を記憶する記憶部を備えることを特徴とする請求項1に記載した運転認知トレーニング装置。
【請求項3】
上記課題認知消費カロリー算出部は、上記生体情報検出部で検出される生体情報と上記個人情報取得部で取得される生体的個人情報とに基づき予め設定した所定時間中の総消費カロリーを算出する総消費カロリー算出部と、上記操作検出部で検出される運転操作子の操作に基づいて上記所定時間中の運動消費カロリーを算出する運動消費カロリー算出部とを備え、総消費カロリー算出部が算出した総消費カロリーと運動消費カロリー算出部が算出した運動消費カロリーとに基づき課題認知によるカロリー消費量を算出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した運転認知トレーニング装置。
【請求項4】
上記総消費カロリー算出部は、上記トレーニング実行前の生体情報として、安静時の心拍数、上記トレーニング実行中の生体情報として、トレーニング中の心拍数、上記生体的個人情報として、トレーニング実施者の年齢及び体重に基づき、上記総消費カロリーを算出することを特徴とする請求項3に記載した運転認知トレーニング装置。
【請求項5】
予備トレーニングとして、上記課題部が出題する課題を単純化することで、課題認知負荷が無い若しくは小さい状態とした予備課題を出題する予備課題出題部と、
上記予備課題出題部が出題した予備課題に対する予備総消費カロリーを取得し、上記予備課題に対する上記運転操作子の操作に伴う予備仕事量とを取得し、該予備仕事量と予備総消費カロリーとの関係について統計処理を実施することで、運動消費カロリーと運転操作子の仕事量との相関関係を求める相関関係取得部と、を更に備え、
上記運動消費カロリー算出部は、上記トレーニング中に検出される運転操作子の操作と上記相関関係取得部が求めた相関関係に基づき運動消費カロリーを算出することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載した運転認知トレーニング装置。
【請求項6】
上記生体情報検出部は、生体情報としてトレーニング実施者の心拍に関する情報を検出する心拍検出センサであり、その心拍検出センサは、トレーニング実施者が着座する座席若しくは、上記運転操作子であるステアリングホイールに設けられることを特徴する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した運転認知トレーニング装置。
【請求項7】
上記個人情報取得部は、トレーニング実施者の生体的個人情報を入力するため、当該トレーニング装置に入力部を設け、その入力部からの入力情報によって生体的個人情報を取得することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した運転認知トレーニング装置。
【請求項8】
上記個人情報取得部は、トレーニング実施者の生体的個人情報を格納した当該トレーニング装置外にあるデータベースと通信して、対象とするトレーニング実施者の生体的個人情報を取得することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載した運転認知トレーニング装置。
【請求項9】
予め決められた運転操作子の操作を要求する課題としてトレーニング実行者に異なる操作を要求する複数の課題が設定され、その複数の課題を、トレーニングとして一題ずつトレーニング実施者に出題し、
出題した課題に対する上記トレーニング実行者の上記運転操作子の操作についての検出情報、トレーニング実行中の上記トレーニング実行者の生体情報についての検出情報、及び上記トレーニング実施者の生体的個人情報に基づき、上記トレーニング中の課題認知によるカロリー消費量を算出し、
上記算出した課題認知によるカロリー消費量をカロリー消費量データとして記憶し、
記憶した上記カロリー消費量データを報知手段に送信することを特徴とする運転認知トレーニング方法。
【請求項1】
トレーニング実行者に対し予め決められた運転操作子の操作を要求する課題として、上記トレーニング実行者に異なる操作を要求する複数の課題が設定され、その複数の課題を、一題ずつ出題する課題出題部と、
上記課題出題部が出題した課題に対する上記トレーニング実行者の上記運転操作子の操作を検出する操作検出部と、
上記トレーニング実行者によるトレーニング実行中の上記トレーニング実行者の生体情報を検出する生体情報検出部と、
上記トレーニング実施者の生体的個人情報を取得する個人情報取得部と、
上記操作検出部で検出される運転操作子の操作及び上記生体情報検出部で検出される生体情報と上記個人情報取得部で取得される生体的個人情報とに基づき、上記トレーニング中の課題認知によるカロリー消費量を算出する課題認知消費カロリー算出部と、
上記課題認知消費カロリー算出部が算出した課題認知によるカロリー消費量を報知する処理を実施する結果処理部と、
を備えることを特徴とする運転認知トレーニング装置。
【請求項2】
上記課題認知消費カロリー算出部が算出した課題認知によるカロリー消費量を記憶する記憶部を備えることを特徴とする請求項1に記載した運転認知トレーニング装置。
【請求項3】
上記課題認知消費カロリー算出部は、上記生体情報検出部で検出される生体情報と上記個人情報取得部で取得される生体的個人情報とに基づき予め設定した所定時間中の総消費カロリーを算出する総消費カロリー算出部と、上記操作検出部で検出される運転操作子の操作に基づいて上記所定時間中の運動消費カロリーを算出する運動消費カロリー算出部とを備え、総消費カロリー算出部が算出した総消費カロリーと運動消費カロリー算出部が算出した運動消費カロリーとに基づき課題認知によるカロリー消費量を算出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した運転認知トレーニング装置。
【請求項4】
上記総消費カロリー算出部は、上記トレーニング実行前の生体情報として、安静時の心拍数、上記トレーニング実行中の生体情報として、トレーニング中の心拍数、上記生体的個人情報として、トレーニング実施者の年齢及び体重に基づき、上記総消費カロリーを算出することを特徴とする請求項3に記載した運転認知トレーニング装置。
【請求項5】
予備トレーニングとして、上記課題部が出題する課題を単純化することで、課題認知負荷が無い若しくは小さい状態とした予備課題を出題する予備課題出題部と、
上記予備課題出題部が出題した予備課題に対する予備総消費カロリーを取得し、上記予備課題に対する上記運転操作子の操作に伴う予備仕事量とを取得し、該予備仕事量と予備総消費カロリーとの関係について統計処理を実施することで、運動消費カロリーと運転操作子の仕事量との相関関係を求める相関関係取得部と、を更に備え、
上記運動消費カロリー算出部は、上記トレーニング中に検出される運転操作子の操作と上記相関関係取得部が求めた相関関係に基づき運動消費カロリーを算出することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載した運転認知トレーニング装置。
【請求項6】
上記生体情報検出部は、生体情報としてトレーニング実施者の心拍に関する情報を検出する心拍検出センサであり、その心拍検出センサは、トレーニング実施者が着座する座席若しくは、上記運転操作子であるステアリングホイールに設けられることを特徴する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した運転認知トレーニング装置。
【請求項7】
上記個人情報取得部は、トレーニング実施者の生体的個人情報を入力するため、当該トレーニング装置に入力部を設け、その入力部からの入力情報によって生体的個人情報を取得することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した運転認知トレーニング装置。
【請求項8】
上記個人情報取得部は、トレーニング実施者の生体的個人情報を格納した当該トレーニング装置外にあるデータベースと通信して、対象とするトレーニング実施者の生体的個人情報を取得することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載した運転認知トレーニング装置。
【請求項9】
予め決められた運転操作子の操作を要求する課題としてトレーニング実行者に異なる操作を要求する複数の課題が設定され、その複数の課題を、トレーニングとして一題ずつトレーニング実施者に出題し、
出題した課題に対する上記トレーニング実行者の上記運転操作子の操作についての検出情報、トレーニング実行中の上記トレーニング実行者の生体情報についての検出情報、及び上記トレーニング実施者の生体的個人情報に基づき、上記トレーニング中の課題認知によるカロリー消費量を算出し、
上記算出した課題認知によるカロリー消費量をカロリー消費量データとして記憶し、
記憶した上記カロリー消費量データを報知手段に送信することを特徴とする運転認知トレーニング方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−17728(P2013−17728A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154620(P2011−154620)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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