説明

道路ネットワークデータ整備装置

【課題】 通行の困難性に関する通行困難性情報の整備漏れを防止しつつ、高精度で付与することのできる道路ネットワークデータ整備装置を提供する。
【解決手段】 CPUは、まずリンク角度が、判定基準となる角度30度以上であるか否かを判定する。リンク角度が30度以上である場合、2つのリンクのうち何れか一方の道路幅員情報が4m以上であるか否かを判定する。そして、CPUは、何れか一方のリンクに対応する道路の幅員が4m以上であると判定した場合、通行の困難性のレベルを最も低いレベル1に設定する。また、2つのリンクに対応する道路の幅員が何れも4m未満であると判定した場合、通行の困難性のレベルをレベル2に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置等において経路探索を実行する際に用いられる道路ネットワークデータに対して交通規制情報を整備するための道路ネットワークデータ整備装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置等で経路探索を実行する場合、道路の形状を表わすリンクデータと、そのリンクデータの端点又は接続点の位置を表わすノードデータとで構成される道路ネットワークデータが用いられる。この道路ネットワークデータには、ノードデータに接続される複数のリンクデータに対して、どのリンクデータから進入してどのリンクデータに退出することが困難であるかという交通規制情報としての通行困難性情報が付与されている(特許文献1参照)。この通行困難性情報が付与されていることで、実際の経路探索では、通行が困難である道路をできるだけ避けるような経路が探索されるため、ユーザは通行しやすいルートを走行することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−83526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、こうした道路ネットワークデータの交通規制情報は、実際の道路が撮影された動画等を参照して、オペレータによって整備されている。そのため複数のオペレータで道路の困難性を判断する基準が異なり、付与精度にばらつきが生じるといった問題や、複雑な道路ネットワークの場合には整備漏れが生じ得るといった問題がある。
本発明は、こうした道路ネットワークの整備時に生ずる問題点を解決するためになされた発明である。その目的は、通行の困難性に関する通行困難性情報の整備漏れを防止しつつ、高精度で付与することのできる道路ネットワークデータ整備装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、複数のリンクデータ及びノードデータで構成される道路ネットワークデータを入力する入力部と、入力された前記道路ネットワークデータを記憶するデータ記憶部と、前記道路ネットワークデータから、1つのノードデータ及び該ノードデータに接続される2つのリンクデータの組み合わせを抽出する抽出部と、前記2つのリンクデータのなす角に関する角度情報及び前記リンクデータに付与されている幅員情報に基づいて前記2つのリンクデータに対応する道路の一方から他方への通行の困難性を判定する判定部と、前記通行の困難性に関する通行困難性情報を前記道路ネットワークデータに付与する通行困難性情報付与部とを備えることを特徴とする。
なお、上述した特徴は、本発明の特徴の全てではなく、これらを要部とする構成又は方法等も発明となり得る。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、通行の困難性に関する通行困難性情報が道路ネットワークデータに対応する全ての地点において漏れなくかつ高精度に付与された道路ネットワークデータを整備することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】道路ネットワークデータ整備装置の構成図。
【図2】道路ネットワークの説明図。
【図3】通行規制情報を付与する処理のフローチャート。
【図4】通行困難性の判定処理のフローチャート。
【図5】経路探索処理の説明図。
【図6】参考例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施形態)
以下、本発明を具体化した実施形態を説明する。
図1に示すように、本実施例における道路ネットワークデータ整備装置は、入力部としてのDVDドライブ11、データ記憶部としてのハードディスク12、抽出部及び判定部及び通行困難性情報付与部としてのCPU13、一時記憶部としてのメモリ14を備える。
【0009】
これら各部11〜14は、相互にデータ通信可能な状態でバス15に接続されており、各部11、12、14はCPU13によって動作制御される。
DVDドライブ11は、DVD−ROM16に記憶されている、複数のリンクデータ及びノードデータで構成される道路ネットワークデータを読み込む機能を有する。
ハードディスク12には、DVDドライブ11から読み込まれた道路ネットワークデータや、各種プログラム等が記憶される。
【0010】
CPU13は、各種プログラムが実行されることにより、当該プログラムに応じた処理を実行する。例えば、本実施形態において、CPU13は、以下の処理等を実行する。
・道路ネットワークデータから、1つのノードデータ及びそのノードデータに接続される2つのリンクデータの組み合わせを抽出する。
・2つのリンクデータのなす角度に関する情報及び当該リンクデータに属性情報として付与されている幅員情報に基づいて2つのリンクデータに対応する道路の一方から他方への通行が可能であるか否かを判定する。
・通行が可能か否かの判定結果に基づいて、通行の困難性に関する通行困難性情報を道路ネットワークデータに付与する。
【0011】
メモリ14には、CPU13によってハードディスク12に記憶されている道路ネットワークデータから抽出されたリンクデータやノードデータ等の各種データが一時的に記憶される。
次に、道路ネットワークデータについて説明する。
図2に示すように、地図21の道路に対応する道路ネットワークデータは、道路を表わす複数のリンクデータ22及び交差点等を表わすノードデータ23で構成される。
【0012】
リンクデータ22は、地図上の各道路を、交差・分岐・合流する点など複数の地点で分割したときの地点間を結んだリンクに関するデータである。リンクデータ22は、リンクを特定する固有のID番号、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始端及び終端に存在するノードの緯度・経度座標、リンクにおける複数地点の緯度・経度座標、道路名称、道路種別、道路幅員、車線数、右折・左折専用車線の有無とその専用車線の数、及び制限速度等の各種データを属性情報として有する。
【0013】
一方、ノードデータ23は、地図上の各道路が交差、合流、分岐する地点や、道路の属性が変更される地点等に付されるノードに関するデータである。ノードデータ23は、ノードを特定する固有のID番号、ノード座標、ノード名称、ノードに接続するリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、交差点種類等の各種データを属性情報として有する。
【0014】
次に、本実施形態における道路ネットワークデータ整備装置によって、道路ネットワークデータを整備するための方法について説明する。
図3に示すように、まずDVDドライブ11から、通行の困難性に関する通行困難性情報が未整備である所定の地域における道路ネットワークデータが読み込まれるとともに、当該道路ネットワークデータがハードディスク12に記憶される(ステップS31)。
【0015】
次に、CPU13は、道路ネットワークデータから、1つのノードデータと、そのノードデータに対応するノードに接続されている2つのリンクのリンクデータとで構成されるデータの組み合わせを抽出してメモリ14に記憶する(ステップS32)。具体的には、CPU13は、ノードデータに付与されている固有のID番号に基づいて、ID番号の小さいデータから順に1つずつノードデータを抽出する。更に、CPU13は、当該ノードデータに付されており、そのノードデータに対応するノードに接続するリンクのリンクID情報に基づいて抽出された2つのリンクデータを抽出する。
【0016】
この1つのノードデータと2つのリンクデータとの組み合わせを道路ネットワークデータから全て抽出する。ただし、CPU13は、1つのノードデータ及びそのノードデータに接続される2つのリンクデータの組み合わせであって通行が不可能である組み合わせについては除外する。除外するか否かの判断には、予めノードデータに付与されている進入禁止や一方通行等の交通規制情報が用いられる。つまり、CPU13は、通行が可能な組み合わせについてのみ抽出する。論理規制情報によって通行が制限されている経路については、困難性を判断する必要がないためである。
【0017】
ここで、1つのノードに3つのリンクが接続されている場合には、当該1つのノードについて、3つの組み合わせが抽出される。また、1つのノードに4つのリンクが接続されている場合には、当該1つのノードについて、6つの組み合わせが抽出される。つまり、1つのノードにN個(Nは2以上の整数)のリンクが接続されている場合には、1つのノードについて、(N−N)/2個の組み合わせが抽出される。なお、メモリ14の容量には制限があるため、この組み合わせの抽出処理は、メモリ14に記憶できる規模で分割して実行される。
【0018】
次に、CPU13は、1つのノードデータと、そのノードデータに接続されている2つのリンクデータとの組み合わせにおいて、ノードを頂点とした2つのリンクのなすリンク角度を算出する。具体的には、CPU13によって、ノードの存在する位置座標と、当該ノードから延びる2つのリンク上における特定位置の位置座標とに基づいてリンク角度が算出される。更に、CPU13は、2つのリンクデータに付与されている道路幅員情報を抽出する(ステップS33)。
【0019】
そして、CPU13は一方のリンクから他方のリンクへの通行困難性について、リンク角度情報及び道路幅員情報に基づいて判定する(ステップS34)。
次に、この通行困難性の判定処理について具体的に説明する。
図4に示すように、CPU13は、まずリンク角度が、判定基準となる角度30度以上であるか否かを判定する(ステップS41)。
【0020】
リンク角度が30度以上である場合、2つのリンクのうち何れか一方の道路幅員情報が4m以上であるか否かを判定する(ステップS42)。そして、CPU13は、何れか一方のリンクに対応する道路の幅員が4m以上であると判定した場合、通行の困難性のレベルを最も低いレベル1に設定する(ステップS43)。また、2つのリンクに対応する道路の幅員が何れも4m未満であると判定した場合、通行の困難性のレベルをレベル2に設定する(ステップS44)。
【0021】
つまり、リンク角度が30度以上であって、かつ、何れか一方のリンクに対応する道路の幅員が4m以上であれば、その道路の通行は一般的に容易であると推定して、通行の困難性のレベルは最も低いレベル1に設定される。これに対して、リンク角度が30度以上であったとしても、2つのリンクに対応する道路の幅員が何れも4m未満であれば、車種によっては通行に支障を来たすことも想定される。したがって、こうしたノード及びリンクの組み合わせについては、通行の困難性のレベルをレベル2(通行が困難な場合もあり)に設定される。
【0022】
一方、リンク角度が30度未満である場合、2つのリンクのうち何れか一方の道路幅員が4m以上であるか否かを判定する(ステップS45)。そして、CPU13は、道路幅員が4m以上であると判定した場合、通行の困難性のレベルをレベル2に設定する(ステップS46)。また、道路幅員が4未満であると判定した場合、通行の困難性のレベルを最も高いレベル3に設定する(ステップS47)。
【0023】
つまり、リンク角度が30度未満であったとしても、何れか一方のリンクに対応する道路の幅員が4m以上であれば、その道路は車種によっては必ずしも通行が困難であるとはいえない場合もあるため、通行の困難性のレベルはレベル2に設定される。これに対して、リンク角度が30度未満であって、かつ2つのリンクに対応する道路の幅員が何れも4m未満であれば、車両での通行は不可能であるか、あるいは極めて困難であることが想定される。したがって、こうしたノード及びリンクの組み合わせについては、通行の困難性のレベルはレベル3(通行は極めて困難)に設定される。
【0024】
このようにして設定された通行の困難性に関するレベル情報は、CPU13によって一方のリンクから他方のリンクへの通行の困難性を示す通行困難性情報として、対応するノードデータに付与される(ステップS48)。
そして、CPU13は、道路ネットワークにおける1つのノードデータと、そのノードデータに接続されている2つのリンクデータとで構成される全ての組み合わせについて処理が終了したか否かを確認する(ステップS49)。処理が終了していない場合には、通行困難性の判定処理を続行する。一方、処理が終了している場合には通行困難性の判定処理を終了する。
【0025】
次に、このようにして通行の困難性に関する通行困難性情報としてのレベル情報が付与された道路ネットワークデータを用いて実行される経路探索処理について説明する。経路探索処理は、車両に搭載されているナビゲーション装置等において、ユーザによって出発地、目的地、及び、探索条件等の各種情報が入力された場合に実行される。
【0026】
経路探索処理では、ノードデータ、リンクデータ、及びこれらノードデータ及びリンクデータに付与されている属性情報を用いて、出発地から目的地までのリンクコストが最小となるようなリンクの一連の組み合わせを最短経路データとして出力する。最短経路データの算出に際しては、ダイクストラ法やラベル修正法などの一般的な最短経路探索手法を用いることができる。
【0027】
図5に示すように、ユーザによって出発地点SP、目的地点GPが設定される。すると、CPU13は、ダイクストラ法によって出発地点SPから目的地点GPまでの最短経路を探索する。ここで、リンクL1〜L6には、それぞれ10,2,12,8,10,6というリンクコストが付与されているものとする。
従来技術のように、リンクに付与されているリンクコストにのみ基づいて経路が探索された場合、リンクL1→リンクL6→リンクL5に対応する道路の経路が探索結果として出力される。
【0028】
一方、各ノードに通行困難性情報であるレベル情報が付与されている場合には、リンクに付与されているリンクコストに加えて当該レベル情報が参照されて経路が出力される。ここで、ノードN1にはリンクL1からリンクL6への通行が困難であるとして、レベル3のレベル情報が付されており、その他のノードN2〜5にはレベル1のレベル情報が付されているものとする。
【0029】
この場合、リンクL1からリンクL6への通行は極めて困難であると判断された上で別の経路が探索される。つまり、図5の場合、リンクL1→リンクL2→リンクL3→リンクL4→リンクL5に対応する道路の経路が探索結果として出力されることになる。
このように、本実施形態で整備された道路ネットワークデータを経路探索に用いれば、ノードに通行の困難性を表わすレベル情報が付与されていることで、進入禁止や一方通行等の法律で通行が禁止されていることを表す交通規制情報によって通行が規制されてはいないが、実際の交通が困難であると判定された道路の通行を回避するような経路探索結果を得ることが可能となる。
【0030】
以上、説明した実施例によれば、以下の効果を奏する。
・道路ネットワークデータから、1つのノードデータ及びそのノードデータに接続される2つのリンクデータの組み合わせをコンピュータによって抽出するようにした。したがって、全ての組み合わせを漏らすことなく抽出することができるため、整備漏れを防止することができる。
・2つのリンクデータのなす角に関する角度情報及びリンクデータの道路幅員情報に基づいて、2つのリンクデータに対応する道路の一方から他方への通行の困難性のレベルを判定するようにした。したがって、道路の困難性を判断する基準が一定に保たれて、付与精度にばらつきが生じることを防止することができる。
【0031】
・CPU13は、1つのノードデータ及びそのノードデータに接続される2つのリンクデータの組み合わせについて、一方のリンクから他方のリンクへの通行が可能な組み合わせついてのみ抽出するようにした。したがって、不要な判定が防止されて、処理の高速化が可能となる。
・複数の車種毎に、通行の困難性のレベルを判定するとともに、当該レベルを道路ネットワークデータに付与するようにした。したがって、当該道路ネットワークデータを用いて経路探索を実行する場合、車種に応じて最適な経路探索を実行することができる。
【0032】
(参考例)
次に、道路ネットワークデータを整備する他の方法について説明する。
本手法では、道路ネットワークデータに付与されている属性情報に基づいて通行の困難性を判定するのではなく、市街地図データに基づいて判定される。図6(a)に示すように、市街地図データは、道路61や建物62の外枠形状が描かれた市街地図を表わすためのデータである。市街地図データは、図6(b)に示すように、道路61に対応する道路ポリゴン63や交差点に対応する交差点ポリゴン64が対応付けられた状態でハードディスク12に記憶されている。
【0033】
まずDVDドライブ11から市街地図データが読み込まれるとともに、当該市街地図データがハードディスク12に記憶される。
次に、CPU13は、市街地図データから、交差点に対応する部分の交差点ポリゴン64に関するデータを抽出してメモリ14に記憶する。そして、図6(c)に示すように、CPU13は、所定の大きさの円ポリゴン65を形成して、当該円ポリゴン65が交差点に対応する交差点ポリゴン64内に収まるか否かを判定する。
【0034】
この円ポリゴン65が市街地図データにおける所定の交差点ポリゴン64内に収まる場合には、所定の車両(例えば、最小回転半径が5mである車両)が当該交差点に接続する一方の道路から他方の道路へ進行することが可能であると。逆に、円ポリゴン65が市街地図データにおける所定の交差点ポリゴン64内に収まらない場合、換言すれば、円ポリゴン65の一部の領域と交差点ポリゴン64の一部の領域とが重複する場合、車両は当該交差点に接続する一方の道路から他方の道路へ進行することが不可能である。
【0035】
円ポリゴン65が交差点を表わす交差点ポリゴン64内に収まる場合には、CPU13は、当該ポリゴンに対応する交差点に対して車両が通行可能である通行可能情報を付与する。一方、円ポリゴン65が交差点ポリゴン64内に収まらない場合には、CPU13は、当該交差点ポリゴン64に対応する交差点に対して車両が右左折困難であることを示す通行不可能情報を付与する。CPU13は、こうした判定処理を、市街地図データにおける全ての交差点に対して実行する。
【0036】
判定処理が終了すると、CPU13は、道路ネットワークデータを読み込む。そして、当該道路ネットワークデータと、市街地図データとの交差点対応付け処理を施す。この処理によって、道路ネットワークデータにおける交差点を表わすノードと、市街地図データにおける交差点とが1対1で対応付けられる。最後に、市街地図データにおける交差点に付与されている通行可能情報及び通行不可能情報が、通行困難性情報として、道路ネットワークデータにおける交差点を表わすノードデータに反映される。
【0037】
(別例)
上記実施形態及び参考例は、以下のような形態に適宜変更してもよい。
・通行困難性についての判定処理においては、小型車、中型車、大型車など、複数の車種に応じた判定が好適である。具体的には、車種毎に角度基準値、幅員基準値を予め設定しておく。そして、車種毎に判定された通行困難性に関する情報をノードデータに属性情報として付与するようにしてもよい。このような属性情報の付与された道路ネットワークを用いることにより、大型車では通行が困難であるが、小型車、中型車では通行が可能であるといった情報に基づいて、好適な経路探索が可能となる。
【0038】
・通行困難性の判定処理においては、リンク角度の判定よりも道路幅員の判定を先に実行してもよい。また、判定基準となるリンク角度や道路幅員に関する情報は、適宜変更可能である。
・通行の困難性に関する通行困難性情報としてレベル1〜3を採用したが、所定の困難性の判断基準を満たさない経路にのみ、対応するノードのノードデータに進入禁止に関する情報を付与するといった態様や、困難性のレベルに応じて経路のコストを付加するような態様としてもよい。また、判断基準を複数設けて、通行の困難性を更に多くのレベルに分類するようにしてもよい。
【0039】
・道路ネットワークデータは、USBケーブルを介して外付けのハードディスクから入力するようにしてもよい。また、社内LANなど、各種ネットワーク回線を経由して他のコンピュータやサーバ等から入力するようにしてもよい。
【0040】
上記実施形態は、以下の発明として表現することもできる。
複数のリンクデータ及びノードデータで構成される道路ネットワークデータを入力部から入力し、入力された前記道路ネットワークデータをデータ記憶部に記憶し、前記道路ネットワークデータから、1つのノードデータ及び該ノードデータに接続される2つのリンクデータの組み合わせを抽出して一時記憶部に記憶し、前記2つのリンクデータのなす角度に関する情報及び前記リンクデータに付与されている幅員情報に基づいて前記2つのリンクデータに対応する道路の一方から他方への通行の困難性を判定し、前記通行の困難性に関する通行困難性情報を前記道路ネットワークデータに付与する道路ネットワークデータ整備方法。
【符号の説明】
【0041】
11…入力部としてのDVDドライブ、12…データ記憶部としてのハードディスク、13…判定部及び通行困難性情報付与部としてのCPU、22…リンクデータ、23…ノードデータ。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリンクデータ及びノードデータで構成される道路ネットワークデータを入力する入力部と、
入力された前記道路ネットワークデータを記憶するデータ記憶部と、
前記道路ネットワークデータから、1つのノードデータ及び該ノードデータに接続される2つのリンクデータの組み合わせを抽出する抽出部と、
前記2つのリンクデータのなす角に関する角度情報及び前記リンクデータの幅員情報に基づいて前記2つのリンクデータに対応する道路の一方から他方への通行の困難性を判定する判定部と、
前記通行の困難性に関する通行困難性情報を前記道路ネットワークデータに付与する通行困難性情報付与部と
を備える道路ネットワークデータ整備装置。
【請求項2】
前記抽出部は、前記ノードデータに付与されている、交通の規制を表す交通規制情報に基づいて、前記2つのリンクデータのうち一方から他方への通行が可能な組み合わせを抽出する請求項1に記載の道路ネットワークデータ整備装置。
【請求項3】
前記判定部は、属性の異なる複数の車種毎に前記2つのリンクデータに対応する道路の一方から他方への通行の困難性を判定し、
前記通行困難性情報付与部は、前記車種毎の通行困難性情報を前記道路ネットワークデータに付与する請求項1又は請求項2に記載の道路ネットワークデータ整備装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−217711(P2010−217711A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66321(P2009−66321)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(597151563)株式会社ゼンリン (155)
【Fターム(参考)】