説明

遠心分離機

本発明は、ローター(2)が配置されるスペース(18)の範囲を定めて密封するケーシング(15)を備える遠心分離機(1)に関わる。ローター(2)は、密閉又は、スペース(18)から分離される分離空間(7)を形成し、液体から高密度の構成要素及び低密度の構成要素の遠心分離が行われる。導入口(9)は、分離スペース(7)へ液体を導入するためにローター(2)に延伸し、第1の送出口(25)は、液体から分離された構成要素を排出するためにローター(2)から延伸する。スペース(18)は、ポンプ装置(19)によりスペースを負圧に維持される。ローター(2)は、液体から分離された高密度の構成要素を排出するために、分離空間(7)からスペース(18)まで延伸する第2の送出口(11)を備える。本発明は、さらに遠心分離機における方法に関わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローターを含む遠心分離機及び、その遠心分離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心分離機の稼働は、エネルギーの消費を必要とする。その部分は、回転部、例えば、ローターと周囲のガスとの間の接触で航空力学的な損失の形で失われる。これらの損失は、遠心分離機の不必要に高いエネルギー消費量が引き起こすのであろう。
【0003】
この損失は、さらに、遠心分離に対する回転部及び、その隣接部品と、材料(例えば、前記流体)が温度上昇に寄与する。多くの場合、この温度上昇は望ましくはなく、特に、特に熱作用に敏感な流体が分離される。
【0004】
温度上昇の更なる問題は、発生された熱を処理しなければならないかもしれず、多くの場合、遠心分離器は、冷却装置、例えば、水冷式ケーシングを備えるセパレータの提供されなければならない必要がある。
特許文献1は、退避スペース内に入れられたパレーターボウルの中で分離が起こる遠心分離機におけるビール(beer)の清澄化について記述する。
【0005】
目的は、セパレーターを通り抜けるビール温度上昇を減少させて、それにより、清澄化を改善することである。記述された遠心分離機は、固体壁タイプと称されるローターを有し、ローターの周囲の送出口経由でビールからいくらかの分離された成分も放出することを可能にしない。
【0006】
特許文献2は、ローターの周囲スペース内で、回転中の航空力学の損失を減少させるために、ローターの周囲スペース内の蒸気及び水蒸気形態からもたらされた水の容器で構成される流体のクリーニングを含む遠心機について記述する。壁は、分離された成分がローターの周囲のスペースへ出ていくのを防止するために配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】DK 75995C
【特許文献2】RU 2240183 C2
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、上述の欠点を減少することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、低いエネルギー消費量の遠心分離機を得て、遠心分離機の回転部品の温度上昇を減少させて、遠心分離機からの雑音を減少させて、ローターの衛生的な周囲環境の改善を伴う放出遠心分離機を得ることである。
【0010】
このように、本発明に関わる放出遠心分離機は、回転のために配置されるローターの間隔を空け、外装の周囲に対して相対的に封止されるスペースの範囲を定める外装を備える。
ローターは、ロータの周囲のスペースから分離され、または封止された分離スペース自身の範囲内で形成され、稼働中に発生する流体からの少なくとも1つの低密度の成分及び、少なくとも1つの高密度成分の遠心分離の間隔を空ける。流体は、流体に基づくとしてもよい。また、構成要素は、流体及び/又は微粒子の形態であってもよい。
【0011】
少なくとも1つの入り口は、遠心分離用の分離スペースへ前記流体を導入するためにローターへ伸びる。また、少なくとも第1の送出口は、稼働中に流体から分離された、少なくとも1つの構成要素の排出のためのローターから伸びる。ローターの周囲スペース、つまり回転のために配置されたローターのスペーは、さらに、ポンプ装置に繋がる。
【0012】
セパレーターは、代案としては適合され、前記スペースに対して、ポンプ装置を接続するための接続を提供してもよい。ポンプ装置は、稼働中にスペースからガスを取り除くために配置され、それによって、前記スペースにおいて負圧を維持する。ポンプ装置は、ポンプ、真空源または、負圧源の形式をとってもよい。
【0013】
ローターは、稼働中に流体から分離された少なくとも1つの高密度構成要素の排出のために、スラッジ出口と呼ばれる少なくとも、第2の送出口をさらに備え、その構成要素は、以下にスラッジフェーズと称されている。スラッジフェーズは、スラッジ粒子状物質及び/または、高密度を備えた少なくとも1つの流動性構成要素、言い換えれば、重フェーズを備えてもよい。粒子状物質は、固体及び/または、流体の形態であってもよい。
【0014】
前記第2の送出口は、分離スペースの放射状に外側部分であろう分離スペースの部分からローターの回転スペースまで延び、結果として、ローターの外側周囲に導くだろう。このように、本発明は、遠心分離機の稼働中の摩擦損を減少させる。
【0015】
ローターの回転スペースに対する接続における回転部の加温は、熱作用に敏感な流体を分離することを可能にして減少する。ローターを回転させるにおける伝熱もまた減少し、さらに、遠心分離機の外部部品、例えば、外装部の冷却のために必要とすることが予定される。
【0016】
さらなる結果は、ローターの外側のスペースで比較的に涼しい環境、スペース内で表面に付着する、放出されたスラッジフェーズのリスクを減させて、渦巻く流れまたは、渦巻き状の流れを減少させる平穏な環境である。その結果は、積、コーティング、大きなはがれリスクの低下を伴いローターの外側スペースで改善された衛生環境で、スペースを清潔に保持するために平易に成し得る。
【0017】
さらには、スラッジフェーズは、前記スラッジ出口経由で排出した後、つまり、大気圧下でスラッジ出口を経て同様な排出をした後よりも、小量のガスが含まれるであろう。大気圧でスラッジフェーズの後処理がある場合、これは、処理されるスラッジが少量であることを意味する。
【0018】
スペース内で負圧のさらなる結果は、回転部からのノイズ発生及びノイズ伝搬が減少する、それによって、遠心分離機から減少したノイズレベル及び、より少ない不愉快なノイズ特性を維持する。詳細には、ローター回転の減少している間、スラッジ出口でノイズを伴う問題が発生し、スラッジ出口のより簡易な構成を許可する。
【0019】
本発明の実施形態によれば、分離スペースは、錐台(frustaa)−円錐形の分離ディスクの積み重ねを備え、回転中に流体の構成要素の有効な分離を提供する。本発明の別の実施形態によれば、前記少なくとも第2の送出口、またはスラッジ出口は、稼働中にスラッジフェーズの断続的な排出のために配置される。少なくとも1つの第2の送出口は、ローターの円周の周囲で分配された1組の送出口を構成してもよい。代案として、前記スラッジ出口は稼働中にスラッジフェーズの連続的な排出のために配置されてもよい。
【0020】
本発明の別の実施形態によれば、遠心分離機は、前記スペースに媒介物を供給するための装置を含む。媒介物は、ローターの温度を調整するためにローターに接触し熱移動を行う。それは、遠心的分離された構成要素の温度を制御及び調整するために、さらに、ローターの加熱制限することを可能とする。
【0021】
前記スペースに媒介物を供給するための装置は、媒介物のためのリサーバまたは注入ラインを設けてもよい。本発明の別の実施形態によれば、前記媒介物は、前記熱移動接触が少なくとも部分的に蒸発させ、ローターが回転するスペース内で、蒸発中に消費される蒸発熱に従って、搬送されるガス媒介物の形態を成す流体で構成される。
【0022】
同様に、ポンプ装置は、スペースからガスを取り除くために配置され、この蒸発熱の一部は、スペースから伝えられる。スペースが負圧で維持されるという事実は、流体の蒸発を促進し、適度な温度であっても、ローターからの有効な熱伝達となる。媒介物は、水または例えばエタノール等のアルコールを含んでもよい。
【0023】
同様に、ローターが回転するスペース内の環境は、湿気を保持し、スペースに隣接している表面上の堆積及びコーティングのリスクを減少させ、それによって、改善された衛生環境を維持する。前記媒介物は、さらに、ローターとの接触により暖められるガス媒介物を含み、同様に、前記ポンプ装置を介して、ローターから離れて搬送される。
【0024】
本発明の別の実施形態によれば、前記ガス媒体は、空気の密度より低い密度及び/または、同様の物理的状態下の空気の粘性より低い粘性を有している。排出または、ポンプダウン状態のローターが回転するスペース内に残留するガスが空気の密度より低い密度及び/または、空気の粘性より低い粘性を有しているならば、同じ圧力及び同じ温度で、エネルギー消費の減少及び、摩擦に基づく温度上昇効果の減少を成しうる。
【0025】
媒介物は水を含んでもよく、または、ガス媒体は水蒸気を含んでもよい。そのガス形態は、空気より低密度を有し、それ故に、低い空気力学の抵抗を引き起こす。ガス媒体は、さらに少なくとも窒素ガス、一酸化炭素及びヘリウムの中から1つを含んでもよい。
【0026】
本発明の別の実施形態によれば、前記媒介物は、ローターに向かって吹き付けられ、好ましくは、その外側表面に向かい吹き付けられる。これは、媒介物とローターの間の熱移動接触の結果となる。同様に代案として、前記媒介物は、スペース内で細かく分割されるまたは、噴霧状となり、ローターが回転するスペース内で気流及び乱気流によって、ローターに熱移動接触をもたらされる。
【0027】
本発明の別の実施形態によれば、バルブによって調整される媒介物の流れ込みは、媒介物用コンテナとスペースの間の圧力差によって、ローターが回転する前記スペースの中に押し入られる。稼働期間中に、バルブは、遠心分離機のある稼働状態、例えば、ローターのある部分温度または、遠心分離のための流体の温度を基に、スペース内に媒介物の流れ込みの調整に適応されてもよい。
【0028】
圧力差は、ローターが回転するスペースと遠心分離機の環境の間の圧力の差に基づき、それにより、流れ込みを維持する及び調整する簡易でコスト効率の良い方法が提供される。
【0029】
本発明の別の実施形態によれば、遠心分離機は、凝縮液に前記ガス媒体を圧縮する前記スペース内に低温度表面を備えている。その低温度表面は、好ましくは、ローターのある部分の温度より低い温度であり、冷却または熱の除去をするために冷却ループを備えてもよい。ローター周囲のスペースの負圧は、ローターと低温度表面の間の伝熱によい環境を与える。
【0030】
本発明の別の実施形態によれば、凝縮液は、例えば、その外側表面に対してローターと接触させられ、そのスペース内で媒体の循環を維持し、そして同時に、ローターから低温度表面へ熱が伝達される。その低温度表面は、凝縮液が重力または遠心力によってローターと接触するまで後方に搬送される位置しているかもしれない。
【0031】
本発明の別の実施形態によれば、ポンプ装置は、流体リングポンプ、ラメラポンプ、イジェクターポンプ、膜ポンプ、ピストンポンプ、スクロールポンプまたは、ねじポンプ、あるいは組み合わせから何かを含む。ポンプ装置は、さらに真空源または、負圧源であってもよい。予め水を備える流体リングポンプは、水と混合するガスの汲み上げることに好適する。
【0032】
代案として、ラメラポンプは、水に対して一般的な水蒸気圧力以下の圧力に達するために使用される。排出ポンプは、さらに前記負圧を生成する方法として、システム内における既存の流体流、例えば、導入口または、送出口で遠心分離のために前記流体の流れを用いるこが可能である。
【0033】
本発明の別の実施形態によれば、ポンプ装置は、ローターの周囲スペースからガスと、そのスペースから供給された媒介物を含むであろう流体原料の両方を取り除くように配置されてもよい。スラッジフェーズは、分離スペース、凝縮液、清浄剤あるいはこれらの組み合わせからスペースに排出される。
【0034】
ポンプ装置は、例えば、連続的または間欠的にいずれか一方で、ロータリの周囲スペースからガス及び/または流体の媒介物を取り除くために配置される。代案として、ポンプ装置は、例えばローターの支持に適するスピンドルの稼働の間、回転する遠心分離機のある部分によって駆動することに適応してもよい。
【0035】
本発明の別の実施形態によれば、ポンプ装置は、ローターの周囲スペースからガスを取り除くために配置され、これらにより、スペース内を負圧、即ち、1−50kPa、好ましくは2−10kPaの圧力ほどの大気圧より低い圧力を維持する。
ポンプ装置は、遠心分離機のある操作状態に基づいて稼働期間中にスペースの圧力を調節するためにさらに配置されてもよい。
【0036】
スペース内の圧力は、スペース内の例えば、ローターの部分的温度に基づき、稼働期間中に調節してもよく、その場合には、圧力は、前記温度でローターの周囲スペース内の媒介物の蒸気圧に関して調節してもよい。スペース内の圧力は、例えば、水蒸気の飽和または略飽和蒸気の形態であるスペース内の残留ガスである故に、前記蒸気圧で、または、それ以上を保持してもよい。
スペースの圧力は、さらに、遠心分離機の振動または、共振好ましくは、ローターまたは隣接した部分における共振に基づき、稼働期間中に調整されてもよい。気がかりな雑音及び音は、このように防止されてもよい。
【0037】
別の代案として、スペース内の圧力は、スペースのガスの流れに基づく稼働期間中に調節されてもよい。その場合には、ガスフローの乱れは、スペース内のガスの好ましく渦巻くまたは、渦巻き状の流れを提供するために制御されてもよい。 改善された衛生の環境は、稼働期間中にスペースでこのように維持されてもよい。
【0038】
スペースの圧力及びガスフローの乱れは、例えば、流体又はガスの清浄剤がスペースへ導入される際に、スペースの有効なクリーニングを達成するために、クリーニング工程の期間に調節されてもよい。そのようなクリーニング工程中に、清浄剤は、第2の送出口または、スラッジ出口からスペースに供給されてもよい。
【0039】
本発明の別の実施形態によれば、ケーシングは、熱の遮断及び/または、遮音材料を含む。
【0040】
システム内の換算熱量を生成する損失で、ケーシング、ロータ及びこのように外部温度作用からの流動を遮蔽するために温度遮断部材を用いる可能性がある。
ケーシングもまた、遠心分離機からの雑音を最小限にするために絶縁されてもよい。
【0041】
代案としては、熱の遮断及び遮音性の両方を持っている絶縁部材を使用することである。
【0042】
本発明の別の実施形態によれば、ローター周囲の前記スペースは、分離スペースに加えて、稼働期間中に、少なくとも1つの構成要素を含んでいるローターに形成されたスペースに関連するように密閉または分離される。
ローター周囲のスペースは、さらに、ローターの吸気チャンバーまたは、ローターの排気チャンバーまたは、吸気チャンバー及び排気チャンバーの両方から分離するか、密閉してもよい。吸気チャンバーは、導入口まで延びる、ローター内に形成されたチャンバである。排気チャンバーは、第1の送出口から延びる、ローター内に形成されたチャンバである。
【0043】
前記密閉は、機械的密閉、気体的密閉、流体的密閉、迷路的密閉、または、これらの組み合わせでもよい。前記分離は、さらに、稼働の期間中に満たされた流体及び/または、スラッジである、及びスペース及び/またはチャンバーを密閉または、分離したローターの周囲スペースとの間に拡がる、少なくとも1つの通路の手段によって提供される。
【0044】
そのような通路は、導入口、第1及び/または第2の送出口、吸気及び/または排出チャンバー、及び、分離スペースの通路、または、これらの組み合わせであってもよい。ローター内に形成された前記密封または分離されたスペースの流体は、ローター周囲のスペース内の圧力及びまたはガス含有量により比較的に変化されない。
【0045】
本発明の別の実施形態によれば、前記スペースは、ローターにトルクを供給するために配置されるドライブ装置に関連のあるように密閉される。ドライブ装置は、ローターの支持に適応された軸を介してローターに駆動トルクを伝搬するために配置されてもよい。ローター周囲のスペースは、ローターとドライブ装置の間の軸の周囲を気密に密閉してもよい。
【0046】
本発明の別の実施形態によれば、排出装置は、稼働の期間中にローター周囲のスペースからスラッジフェーズを排除するために配置される。
排出装置もローターの温度を調整するためのスペースに供給された液媒、及びスペースで生じる他の流体を排除するために配置されてもよい。排出装置は、負圧が流れに逆らって維持されるように、チェックバルブ機能を設けてもよい。それで、ローター周囲のスペースの中への排出装置を通過する流れが防止される。
【0047】
排出装置はさらに、スペース内で負圧が維持されるために、ローター周囲のスペースからガスを排除するために配置される。
本発明の別の実施形態によれば、遠心分離機は、ローター周囲のスペースと排出装置の間のベッセルが設けられ、そのベッセルはスペースで生じるスラッジフェーズ及び他の流体を集めるために配置される。ギャザリングベッセルは、サイクロンの形式をとり、スラッジフェーズを減速させて集めるために設けてもよい。
【0048】
本発明は、さらに、上述したように遠心分離機の方法に係り、その方法は、以下のステップを含む:
ローター周囲のスペースからガスを排出して、前記スペースにおける負圧を維持し、稼働中に流体から分離された少なくとも1つの構成要素を前記第2の送出口経由でローター周囲の分離スペースの箇所からスペースまで排出する。
本発明の別の実施形態によれば、方法は、以下のステップを含む:
前記スペースに媒介物を供給し、媒介物はローターの温度を調整するために、ローターと接触でして伝熱する。
【0049】
本発明の別の実施形態によれば、前記媒介物は、ローターが少なくとも部分的に蒸発させ、スペース内でガス媒体を形成すると共に、熱を伝搬するように接触する流体を含み、また、その中で少なくとも前記ガス媒体の一部はスペースから搬出される。
【0050】
本発明は、流体の少なくとも2つの構成要素を分離するために、上述した遠心分離機の使用に関係し、流体または、流体の少なくとも1つの構成要素は、熱作用に対して敏感である。
【0051】
本発明は、さらに、流体の少なくとも2つの構成要素の遠心分離を含むプロセスで上述した遠心分離機の使用に関係し、その中で、プロセスの結果が前記遠心分離期間中に熱作用によって影響される。
本発明のさらなる効果及び目的は、それを例示する好ましい実施形態と共に、添付された概要の図面を参照すると共に、さらに詳細に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る遠心分離機を示す図である。
【図2】図2は、本発明の別の実施形態に対する遠心分離機を示す図である。
【図3】図3は、本発明のさらなる実施形態に係る遠心分離機の部分構成示す図である。
【図4】図4は、本発明のさらなる実施形態に係る遠心分離機の部分構成示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
種々の図面に示された互いに同じ部位には、同じ参照符号を付している。
本発明に係る遠心分離機の一例は、図1に示され、その遠心分離機1は、軸3の手段による回転軸に関して回転するために配置されたローター2を備えている。
前記軸は、遠心分離機の構造4内の最下段方位5及び最上段方位6で支持される。ローター2は、それ自体で稼働中に発生する流体の少なくとも2つの構成要素の遠心分離を行う分離スペース7を形成する。
【0054】
分離スペース7は、前記流体の有効な分離を達成するために、円錐形(frusto-conical)の隔盤8のスタックを備えている。遠心分離のための流体を導入するための導入口9は、ローター内に伸び、分離スペースに流体を供給する。導入口9は、軸3を通過して延伸し、中空な管状部材の形式である。
流体の構成要素の少なくとも1つを放出するために、第1の導入口10は、分離スペースから延伸する。
【0055】
ローターは、分離スペースの半径方向の外部分からローターの周囲スペースまで、前記流体またはヘビーフェイズで高密度構成要素及び/または、スラッジの排出のために、断続的に開放可能な複数のスラッジ出口の形式で第2の送出口11の一組で外部周囲に設けられている。
【0056】
遠心分離機1は、駆動トルクを受け取るために軸に接続されたピニオン13及びエレメント14で構成されたウォーム歯車の形態を成す転送手段を介して軸に接続されたドライブモータ12をさらに含む。
【0057】
図2に示されるように、転送手段は、その代わりに、プロペラ軸、駆動ベルトまたはその同等のものの形式で与えられてもよく、軸に直接的に接続されている。
図1は、ローター2を囲むケーシング15、トップベアリングシール16により軸3の周囲が密閉され、及び送出口シール17による送出口10を示している。
【0058】
ケーシングは、このようにローターを含み、ケーシングの環境に関連して気密に密閉されるスペース18を制限する。
送出口シール17は、さらに、稼働期間中、例えば分離スペース7で遠心分離のための流体の少なくとも1つの構成要素を含むローター内のスペースと関連してスペース18を密閉する。
【0059】
遠心分離機は、さらに、ローター周囲のスペース18からのガス除去のために、注水流体リングポンプまたは、代案としてラメラ・ポンプの形態のポンプ装置19を備えている。
セパレーターは、さらに、スペース18の動作圧より高い圧力で流体の供給のためのリザーバまたは吸い込み管路の形で前記スペースへ流体の供給装置20を備えている。供給装置20は、前記スペース18に接続され、ノズル22への流体流を調整するためにバルブ21を備えている。
【0060】
遠心分離機はさらに、スペース18に接続され、スラッジ出口11からギャザリングスラッジ及び流体に適応された、サイクロンの形態を成すベッセル23を備えている。
ギャザリングベッセルは、ギャザリングベッセル内の存在するスラッジ及び流体のための排出用スラッジポンプの形態を成している排出装置24がさらに接続される。
スラッジポンプは、スラッジポンプを経て、ベッセル23内への流れ込みを防止するチェックバルブ機能を備えている。
【0061】
図1に示すセパレーターの稼働中に、ドライブモータ12からウォーム歯車装置13及び14を経て、軸3に伝搬されるトルクによってローター2を回転させる。
ガスは、真空ポンプ19によって、ローター周囲のスペース18から排気して、スペースで1−50kPaの圧力で好ましくは、2−10kPaの圧力を維持する。
【0062】
導入口9を経て、温度Toの流体は、分離スペース7及び、分離スペース内に適合された円錐形の隔盤8との間でもたらされる。流体中でより重い構成要素、例えば、スラッジ粒子状物質及び/または、重いフェーズは、隔盤と間に半径方向の外側に移動し、スラッジフェーズ出口11内に蓄積する。
【0063】
スラッジは、開かれたスラッジ出口11によって分離スペースから断続的に空になり、スラッジ及び一定量の流体は遠心力による分離スペースから排出される。スラッジの排出は、連続的に行われ、その場合には、スラッジ出口11は、開放ノズルの形態を採用し、また、スラッジ及び/または重いフェーズの一定量は、遠心力によって連続的に排出される。
【0064】
スラッジ出口を経て分離スペースから排出されるスラッジは、周囲スペース18から、それに接続されるギャザリングベッセル23に搬送され、スラッジポンプ24によって汲み出されるスラッジを蓄積する。
流体、例えば、軽いフェーズまたは、純粋な流体の低濃度の構成要素は、より重い構成要素なしで、隔盤間と送出口10を通り抜けて半径方向の内側へ移動する。
【0065】
摩擦は、スペース18で残留するガス内でローターの回転、分離スペースを通り抜けた流体の流れ、及びToよりも多少高温になり、送出口で分離された流体のための関係による損失により引き起こされる。
分離した流体を送出する温度が影響するために、水は、ローター2の例えば、その外側表面へむかって、接触で伝熱にするようにスプレーされる。
【0066】
熱は、ローターとの接触で蒸発する水によって、ローターから取り除かれると共に、蒸発熱を消費する。水の蒸発は、スペース内で維持された負圧によってさらに促進される。水蒸気は、ポンプ装置19によってローター周囲のスペース18から取り除かれ、前記負圧を維持する。
水の蒸発に後続する水蒸気は、ローター2及びスペース18からポンプ装置19まで離れた熱の移動の結果、スペースから離れるように伝搬される。
【0067】
本発明による遠心分離機1の別の例は、図2示すように、上述した例とは以下のように異なっている。
導入口9は、分離スペース7に流体を供給するために、管状の軸3の中空を経てローター2まで延伸する。
【0068】
ローターは、自身から延びる、流体から分離された低密度の構成要素または、軽いフェーズのための送出口25及び、流体から分離された高密度の構成要素または、重いフェーズのための送出口26を有する。送出口25及び26はケーシング15を通り抜けるように延び、また、スペース18はシール17によって密閉される。
【0069】
ローターは、スペースへのスラッジフェーズの排出のために、外周面側にはスラッジ出口11を備えている。遠心分離機は、回転可能なエレメント28及び、回転可能なエレメント28を囲む定常のエレメント27を含むドライブモータ12を備えている。及び、遠心分離機は、稼働中には軸3に接続されているので、軸に対して駆動トルクが伝達され、その後、ローター2に伝達される。
【0070】
ドライブモータは電気モータであり、好ましくは、ハイブリッド永久磁石モータ(HPMモータ)タイプである。遠心分離機は、さらに、ローター周囲のスペース18からガスの分離のためのポンプ装置19と、スペース18に流体を供給するための供給装置20とを共に備えている。この供給装置は、前記スペース18に接続されたノズル22への流体の流入を調整するためのバルブ21を備えている。
【0071】
遠心分離機は、さらに、ローター周囲のスペース18からスラッジ及び他の流体を取り除くためのポンプを形成する排出装置24を備えている。ポンプ24は、ポンプ24とスペースの間の結合パイプの近傍で、何も媒介するギャザリングベッセル無しで、スペース18の低い位置に接続される。
【0072】
本発明による遠心分離機の部分的構成の例では、図3に示すように、前述した例とは以下が異なっている。
ローター2は、固体の軸3に支援される。パイプの形状を成す導入口9は、分離スペース7に流体を供給するために、上方からローター内に延びている。ローターは、ロータから延びて、導入口9を取り囲み、流体の少なくとも1つの構成要素を排出するための送出口10を有している。
【0073】
導入口9及び送出口10は、ケーシング15を通過するように延出し、また、ローター周囲のスペース18は、それらの周囲をシール30によって密閉される。ローターは、スペースに対して、スラッジフェーズを排出するために、外側周囲にスラッジ出口を備えている。
【0074】
遠心分離機は、後述する冷却のためのシール30に冷却液を供給する供給装置20を備えている。冷却液は、スペース18内に持ち込まれ、ローターに接触する。冷却液の流れは、バルブ21によって調整される。
遠心分離機は、さらに、スペースからのガスと流体を除去するためのポンプ29を備えている。ポンプは負圧を維持し、またスペース18からスラッジ及び他の流体を排出する。
【0075】
本発明による遠心分離機の部分構成のさらなる例は、図4に示すように、前述した例とは以下が異なっている。
遠心分離機は、スペース18からガスを除去するためのポンプ装置19を備えている。そのスペースは、ケーシング15に囲まれ、ローター2を含んでいる。セパレーターは、さらに、スペース18に流体を供給するための供給装置20と、ローター周囲のスペース18からスラッジ及び他の流体を除去するためのポンプ24を形成する排出装置とを共に備えている。
【0076】
ローター2上でスペース18に囲まれる領域は、冷却されて低温度表面31を形成する。その領域は、重力によってローター上に落下または流れ落ちて、冷却表面上で蓄積され凝縮された水蒸気にするための表面の一つ以上を備えている。
【0077】
稼働中に、冷媒の一定量は、スペース内に運び込まれ、ローターと接触する。一例では、気化した冷却液の少なくとも一部が蒸発する、スペース内で最も暖かい表面である。蒸気は、低温度表面31に対して凝縮し、再び蒸発するためにローター上に下がり落ちる前に蓄積する。結果は、ローターと低温度表面の間の有効伝熱量である。
ケーシング15は、さらに、熱遮断及び遮音材料の外側シェル32を備える。結果的に、スペース18のさらに安定した熱の環境及び、セパレーターのよい音響の特徴に帰着する。
【符号の説明】
【0078】
1…遠心分離機、2…ローター、3…軸、4…構造、5…最下段方位、6…最上段方位、7…分離スペース、8…隔盤、9…導入口、10…第1の導入口、11…第2の送出口、12…ドライブモータ、13…ピニオン、14…エレメント、15…ケーシング、16…トップベアリングシール、17…送出口シール、18…スペース、19…真空ポンプ(ポンプ装置)、20…供給装置、21…バルブ、23…ギャザリングベッセル、24…スラッジポンプ、30…シール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲環境から相対的に密閉されるスペース(18)の範囲を定めるケーシング(15)と、
前記ケーシング(15)内で、スペース(18)とは密閉または分離されるように形成された分離スペース(7)内に配置され、稼働期間中の空間に取り入れられる流体から少なくとも1つの高密度の構成要素及び少なくとも1つの低密度の構成要素を回転により遠心分離するローター(2)と、
前記分離スペースに前記流体を導入するために延伸する少なくとも1つの導入口(9)と、
前記ロータから延伸し、稼働期間中に流体から分離された少なくとも1つの構成要素を排出するための少なくとも1つの第1の送出口(10,25,26)と、
稼働期間中に、スペース(18)内を負圧で維持してガスを除去するために配置されたポンプ装置(19,29)と、
前記ロータに備えられ、稼働期間中、前記流体から分離された少なくとも1つの高密度の構成要素を排気するために、前記分離スペース(7)の一部分から前記スペース(18)に延伸する少なくとも1の第2の送出口(11)と、
具備することを特徴とする遠心分離機(1)。
【請求項2】
前記第2の送出口(11)は、稼働期間中に前記流体から分離された少なくとも1つの高密度の構成要素の断続的に排出するために配置されることを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機。
【請求項3】
前記第2の送出口(11)は、稼働期間中に前記流体から分離された少なくとも1つの高密度の構成要素の連続的に排出するために配置されることを特徴とする請求項1に記載の遠心分離機。
【請求項4】
さらに、前記ローターの温度調整を行うために、前記ロータに対して熱移動接触で移動される媒介物をスペースに供給するための装置(20)を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遠心分離機。
【請求項5】
前記媒介物は、前記スペース内でガス媒介物を形成し、蒸発することにより少なくとも部分的である前記熱移動接触である液体を含むことを特徴とする請求項4に記載の遠心分離機。
【請求項6】
前記媒介物は、ガス媒体を含むことを特徴とする請求項4に記載の遠心分離機。
【請求項7】
前記ガス媒体は、空気の密度より低い密度及び/または空気の粘性より低い粘性を有していることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の遠心分離機。
【請求項8】
前記媒介物は、ローター(2)に向かってスプレーされることを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか1項に記載の遠心分離機。
【請求項9】
前記媒介物は、スペース(18)に詳細に分配されることを特徴とする請求項4乃至請求項8のいずれか1項に記載の遠心分離機。
【請求項10】
前記スペース(18)の中への媒介物の流れは、媒介物用のコンテナーとスペースの間の圧力差によって動作し、バルブ(21)によってコントロールされることを特徴とする請求項4乃至請求項9のいずれか1項に記載の遠心分離機。
【請求項11】
縮合液への前記ガス媒体の縮合のためのスペース(18)内で低温度表面(31)をさらに備えることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の遠心分離機。
【請求項12】
縮合液は、ローターの温度を調整するために、前記ローター(2)との熱移動接触によりもたらされることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の遠心分離機。
【請求項13】
ケーシング(15)は、熱遮断及び/または遮音材料(32)を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の遠心分離機。
【請求項14】
前記スペース(18)は、吸気チャンバー及び排気チャンバーの両方または、前記ローターの吸気チャンバーまたは、前記ローターの排気チャンバーから密閉または、分離することを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の遠心分離機。
【請求項15】
前記スペース(18)は、前記ローター(2)にトルクを供給するために配置されるドライブ装置(12)に関連されるように密閉されることを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の遠心分離機。
【請求項16】
前記スペース(18)から稼働期間中に、前記流体から分離された少なくとも1つの構成要素を除去するために配置された排出装置(24,29)を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の遠心分離機。
【請求項17】
17. 前記流体から分離された少なくとも1つの構成要素を集めるために、前記スペース(18)と排出装置(24,29)との間に、さらに、ベッセル(23)を具備することを特徴とする請求項16に記載の遠心分離機。
【請求項18】
ローター周囲の負圧が維持されるスペース(18)からガスを除去し、
稼働期間中に前記流体から分離された少なくとも1つの高密度の構成要素を前記第2の送出口(11)を経て、分離スペース(17)の一部分から前記スペース(18)まで排気することを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれか1項に記載の遠心分離機の分離方法。
【請求項19】
さらに、前記ローターの温度を調整するために、前記ローター(2)に熱移動接触して運ばれる媒体物を前記スペースにスプレーすることを特徴とする請求項18に記載の遠心分離機の分離方法。
【請求項20】
前記媒介物は、前記スペース内で、ガス媒介物を形成し、蒸発することにより少なくとも部分的である前記熱移動接触である液体を含み、
前記ガス媒介物の一部分は、前記スペースから除去されることを特徴とする請求項19に記載の遠心分離機の分離方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−519581(P2012−519581A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552912(P2011−552912)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【国際出願番号】PCT/SE2010/050251
【国際公開番号】WO2010/101524
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(502305917)アルファ・ラバル・コーポレイト・エービー (21)
【Fターム(参考)】