説明

遠赤外線効果のあるマット

【課題】遠赤外線効果を有し、使用時の違和感がないマット。
【解決手段】外袋と内袋の二重袋からなり、外袋は外側から順に天然パルプ不織布層1、竹炭・粘着剤層2、天然パルプ不織布層3及びポリエチレン層4からなる4層構造とする。内袋は天然パルプ不織布のみであり、その内袋中に充填物を詰める。

【発明の詳細な説明】現在、市場に出回っている遠赤外線効果のあるマットは、充填物として備長炭や竹炭を利用したものがある。これらの製品では使用時に炭塊による接触違和感を避けるため炭塊を粉砕し、且つ緩衝材として綿やプラスチック発泡物を炭塊に混合して充填されているものがある。しかし、このようなマットでは使用時の違和感は完全に無くなることはなく、十分な快感は得られない。又、マットの開閉口にファスナーを取付けるた製品が見受けられるがこの取り付け作業には熟練を要し、且つ、手間と時間が掛かり量産化に問題がある。ファスナーは固い材質のため取付け部分に違和感を感じることもあり、また時折ファスナーの噛合わせ不良等故障が発生する難点がある。本発明者は、遠赤外線効果のあるマットが有するこれらの様々な欠点を改善すべく鋭意検討の結果、竹炭塗料を天然パルプ不織布に塗布した請求項1に記載のマットが使用時の違和感が大幅に軽減出来ることが分かった。又、特に熱源が無くても、例えば充填物が天然パルプであっても竹炭塗料の竹炭が放射する遠赤外線により、体を暖め、冷えを防止し、寝付きが良くなる、静電気遮断、消臭等の効果が得られるマットとして使えること。更に、充填物として天然パルプに替えて発熱組成物を利用する場合は、一段と高い遠赤外線効果が得られ、上記効果のほか肩凝り解消、血行代謝促進等リハビリ治療の効果が得られるマットとして使えることが分かった。又、このラミネート層を用いて外袋の外縁のうち3箇所の密閉シールとチャック取付けのためにはヒートシールが効率的であり、このためには接着性の良好なポリオレフィン樹脂を選択する必要がある。外袋開口部のファスナーはチャックに比べ前記の欠点があり、チャックはコストが安価、縫製取付け時間が不要、ファスナーの様に噛み込み不良がない等有利な点がある。マットの寸法は自由自在に選択できて、三方製袋機で量産が可能であり、縫製加工に比べ大幅に時間が短縮できる。
【実施例1】1外袋基材及び外袋の作製1)天然パルプ不織布巻取品(商品名:キノクロス…目付(米坪)30g/m)の一方の面にヒートシール性のあるポリエチレン樹脂(商品名:三菱L−340)を通常の押出ラミネート方式によりラミ膜厚40μでラミネート加工を施し巻取る。
2)竹炭を粉砕機により125μm以下の大きさに粉砕しアクリル粘着剤と混合し、竹炭・アクリル粘着剤混合液を調製する。
固形分 アクリル粘着剤 100重量部 50重量部 竹 炭 10重量部 10重量部 希釈水 20重量部3)1)で得られた不織布のラミネート加工品を巻取連続繰出式の塗工乾燥貼合機(コーター)により、2)で得られた竹炭・アクリル粘着剤混合液を1)の天然パルプ不織布ラミネート加工巻取品のラミネート加工されていない面に塗布し乾燥し、50g/m(B.D)の竹炭・アクリル粘着剤混合層を形成する。この乾燥した竹炭・アクリル粘着剤混合層面に天然パルプ不織布(商品名:テクセル…目付(米坪)100g/m)を貼合せ、請求項1に記載の4層構造の外袋用巻き取り品を得た。
4)3)で得られた4層構造の外袋用巻き取り品を適当な寸法に断裁(例えば1800×600mm幅に断裁)し、断裁品のラミネート加工面同志を対向させその外縁部4箇所の内、3箇所をシール幅10mmでヒートシール機により熱接着を施す。次いで残りの外縁部へプラスチック製チャックを熱接着で取付ける。
2 内袋の作製と天然パルプの充填天然パルプ不織布(商品名:キノクロス…目付(米坪)60g/m)を(例えば1800×600mm幅に)断裁し、断裁品の外縁部4箇所の内、3箇所をシール幅5mmで糊により接着を施す。次いで残りの外縁部を利用して、予め10mmΦ位に解きほぐしてある古紙パルプを内袋へ充填する。充填後開口部を糊により接着する。(例えば1800×600mm幅の場合、古紙パルプ900gが適量)
3 遠赤外線効果のあるマットの作製上記2で天然パルプを充填した内袋を上記1で製作した外袋に詰めプラスチック製チャックを閉じることで遠赤外線効果のあるマットが完成する。
【実施例2】1外袋基材及び外袋の作製1)天然パルプ不織布巻取品(商品名:キノクロス…目付(米坪)30g/m)の一方の面にヒートシール性のあるポリエチレン樹脂(商品名:三菱L−340)を通常の押出ラミネート方式によりラミ膜厚40μでラミネート加工を施し巻取る。
2)竹炭を粉砕機により125μm以下の大きさに粉砕しアクリル粘着剤と混合し、竹炭・アクリル粘着剤混合液を調製する。
竹炭・アクリル粘着剤混合液 固形分 アクリル粘着剤 100重量部 50重量部 竹 炭 10重量部 10重量部 希釈水 20重量部3)1)で得られた不織布のラミネート加工品を巻取連続繰出式の塗工乾燥貼合機(コーター)により、2)で得られた竹炭・アクリル粘着剤混合液を1)の天然パルプ不織布ラミネート加工巻取品のラミネート加工されていない面に塗布し乾燥し、50g/m(B.D)の竹炭・アクリル粘着剤混合層を形成する。この乾燥した竹炭・アクリル粘着剤混合層面に天然パルプ不織布(商品名:テクセル…目付(米坪)100g/m)を貼合せ、請求項1に記載の4層構造の外袋用巻き取り品を得た。
4)3)で得られた4層構造の外袋用巻き取り品を適当な寸法に断裁(例えば1800×600mm幅に断裁)し、断裁品のラミネート加工面同志を対向させその外縁部4箇所の内、3箇所をシール幅10mmでヒートシール機により熱接着を施す。次いで残りの外縁部へプラスチック製チャックを熱接着で取付ける。
2 内袋の作製と発熱組成物の充填天然パルプ不織布(商品名:キノクロス…目付(米坪)60g/m)を)例えば1800×600mm幅に)断裁し、断裁品の外縁部4箇所の内、3箇所をシール幅5mmで糊により接着を施す。次いで残りの外縁部を利用して、発熱組成物を内袋へ充填する。充填後開口部を糊により接着する。(例えば1800×600mm幅の場合、発熱組成物1800gが適量)
発熱組成物としては例えば使い捨てカイロ等で利用されている鉄粉、活性炭金属塩化物等を適当な割合で添加混合したものを用いれば良い。
3 遠赤外線効果のあるマットの作製上記2で発熱組成物を充填した内袋を上記1で製作した外袋に詰めプラスチック製チャックを閉じることで赤外線効果のあるマットが完成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】は外袋4層構造の断面図である。
【図2】は外袋の平面図である。
【図3】は外袋をA、B間で断裁した場合の断面図である。
【図4】は外袋をC、D間で断裁した場合の断面図である。
【図5】は内袋の平面図である。
【図6】は古紙パルプを充填した内袋をA’、B’間で断裁した場合の断面図である。
【図7】は古紙パルプを充填した内袋をC’、D’間で断裁した場合の断面図である。
【図8】は発熱組成物を充填した内袋をA’、B’間で断裁した場合の断面図である。
【図9】は発熱組成物を充填した内袋をC’、D’間で断裁した場合の断面図である。
【符号の説明】
1 天然パルプ不織布層(テクセル)
2 竹炭・粘着剤層
3 天然パルプ不織布層(キノクロス)
4 ポリエチレン層
5 ヒートシール部分
6 チャック
7 天然パルプ不織布(キノクロス)
8 天然パルプ
9 発熱組成物

【特許請求の範囲】
【請求項1】 外袋と内袋の二重袋からなるマットにおいて外袋はその外側から順に天然パルプ不織布層、竹炭塗料層、天然パルプ不織布層、ポリエチレン層からなる4層構造を有し、内袋は天然パルプ不織布の一層だけで、その内袋中に充填物を詰めた遠赤外線効果のあるマット。
【請求項2】 内袋の充填物が天然パルプである請求項1に記載の遠赤外線効果のあるマット。
【請求項3】 内袋の充填物が発熱体組成物である請求項1に記載の遠赤外線効果のあるマット。
【請求項4】 外袋の外縁のうち3箇所は密閉にシールされ、残りの1箇所はチャックにより開閉が自由となる様に設計された請求項1に記載の遠赤外線効果のあるマット。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate


【図5】
image rotate


【図9】
image rotate


【公開番号】特開2000−14495(P2000−14495A)
【公開日】平成12年1月18日(2000.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−216383
【出願日】平成10年6月26日(1998.6.26)
【出願人】(000122265)王子化工株式会社 (3)
【Fターム(参考)】