説明

遠隔のボイス・オーバまたは音楽の制作と管理の方法および装置

ボイス・オーバあるいはミュージック・セッションをレコーディングするデスク・トップ・アップリケーション(300)およびサポート・ウェブ・サイトであって、制作スタッフとタレントが互いに遠く離れている場合、アプリケーション(300)は、オーディオ・ビジュアル・データ、レコーディング、その他を転送する高品質データ・フォーマットとレコーディング・セッションに関連し、その一部ではない口頭の指令をやり取りする低品質データ・フォーマットを提供する。デスク・トップ・アプリケーション(300)は、レコーディング中のタレントが参照するためサウンドとビデオを再生し、レコーディング・セッションあるいは個々のテイクの時間を測り、この測定時間に基づいて支払額を計算するメカニズムも提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、David J.Colemanの名で2004年9月27日出願の発明の名称「遠隔のボイス・オーバまたは音楽の制作と管理の方法および装置」の米国仮特許出願番号60/613,572に対する35U.S.C§119に基づきアメリカ合衆国において優先権を主張するものである。上記の全体を本願に組入れる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、全体として音声および音楽の遠隔レコーディングの管理を含むデータ処理に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
遠隔オーディオ・レコーディングは、主として6つの独立したステップおよび最大4人の当事者を対象とする。そのステップは、オーディション、契約の締結、セッションのスケジュールの決定、パフォーマンスのレコーディング、提供されたサービスに対する支払い、アカウントの調整などである。4人の当事者とは、パフォーマンスをするアーティスト、アーティストのビジネス面の管理、契約ベースでアーティストを雇うプロデューサ、レコーディングを引き受けるクライアントである。
【0004】
コマーシャル、広告、TVプログラム、映画などのオーディオないしオーディオ・ビジュアル・メディアのためのボイス・オーバや音楽における努力において、これらの制作を完了するには様々なコストが必要である。これらのコストの通常の内訳は、スタジオ・レンタル料、移動費用、制作のために雇った制作スタッフおよびタレントの報酬である。
【0005】
これらのコストを削減するため、およびコンピュータ・ネットワーク上における高速データ転送の出現によって、ボイス・オーバ制作のための遠隔レコーディングは、広く普及してきた。遠隔レコーディングは、今日では一般に様々な利用可能な技術を用いて行われている。遠隔オーディオ制作で基本的に使用されている例では、総合デジタル通信網(ISDN)回線は、制作スタッフがいる場所と通信を目的として雇われるタレントがいる別の場所との間に準備される。この高品質手法は、10年以上にわたって使用されてきており、制作を管理するためにISDN回線で全二重通信(二方向通信)を行うことができる。これらの方法では、タレントに対する多重トラック・サウンド・ミキシングが可能であり、ヘッドフォンでオーディオ・トラックを聞きながら彼らは、スクリプトを読むことが可能である。しかし、このような設備には、回線両端末に符号化複合化ハードウェアおよび通信プロバイダからの高価な専用データ回線が必要である。オーディオ・ビジュアル制作の場合、このような設備では、コマーシャル・ビデオを見ながらタレントがスクリプトを読むことができない。更に、レコーディングは、一般に受信端で、通常プロのサウンド・スタジオで行われ、タレントの家や所望の場所では行われない。
【0006】
この他の従来からの制作設備では、ファイル転送プロトコル(FTP)を用いる電話セッションが行われる。近年、これが遠隔レコーディングの普通の方法となっている。この設備では、プロデューサ(制作者)あるいはディレクタがタレントを電話に呼んで、彼らに指示を与えることができる。次に、タレントは、例えば、自分の家のコンピュータにトラックをレコーディングする。一般に、この方法を選択するプロデューサは、AVIDのようなデジタル・システムで編集を行う。セッションが終了すると、プロデューサは、サウンド・ファイルを編集システムに取り込む。しかし、その結果、形成されるファイルのサイズは、FTPを通して送るには大きすぎ場合があり、タレントは、不必要な部分を編集で除去し、そのファイルをプロデューサ/ディレクタがダウン・ロードできるようにファイルとサーバにアップ・ロードしなければならない。
【0007】
更に別の遠隔制作装備では、命令および管理を目的として電話セッションをイニシエートし、セッションをMP3フォートでレコーディングし、レコーディングしたセッションを制作スタッフにeメールするか、別な方法で送信する。MP3の圧縮は、eメールできるように、あるいはインターネットで容易に転送できるように小さいファイル・サイズにすることができる。しかし、このようなオーディオ圧縮フォーマットは、レコーディングされたセッションのサウンドの品質を低下させることがあり、高品質の制作に用いるには不適切な場合がある。
【0008】
プロデューサのなかには、遠隔制作では管理されないボイス・オーバ/音楽作業を選択している人もある。これらの場合、プロデューサ/ディレクタは、スクリプトをタレントにeメールし、タレントは、指図なしでそれを読み、すでに記述したようにFTP,eメールやその他の方法でレコーディングされたトラックを送り返す。しかし、管理されないセッションは、制作スタッフがチェックした段階で、満足できないレコーディングであったということにもなる。したがって、このようなシステムは、レコーディング修正セッションが必要になれば、実際にコスト増になる可能性を孕んでいる。
【0009】
そのため、従来の方法や技術におけるいくつかの問題に対処するボイス・オーバ/音楽の遠隔制作・管理向けの方法および装置が求められている。
【0010】
発明の要約
したがって、本発明の目的は、ソフトウェア・アプリケーションがプロデューサとレコーディングするタレントの間でスクリプト・データ、レコーディングされたテイク、オーディオ・ビジュアル・データを送信するため高品質データ・フォーマットを確立することを可能にするようなボイス・オーバ/音楽の遠隔制作を管理する方法と装置の様々な特徴を紹介することである。プロデューサとレコーディングするタレントとの間で口頭のコメントを送信する低品質データ・フォーマットが確立される。ボイス・オーバ/音楽制作のレコーディング・セッションおよび個別のテイクの時間が選択される。このような時間選択データは、重要な制限時間内でレコーディングを行うために使用することができる。レコーディング・セッションの間にスクリプト・データ、ボイス・オーバ/音楽制作のオーディオ・ビジュアル・コンポーネント、テイク・データおよびコメント、セッション識別情報は、制作関係当事者とレコーディング関係当事者の間でやり取りされる。ナレーション能力は、ソフトウェアを介してタレントに提供される。異なった当事者は、それぞれの活動に応じて請求される。
【0011】
(発明の詳細な説明)
本文で使用されているように、以下の用語は、本発明に関して対応する意味およびそれに対するすべての同義のものを有すると理解される。
【0012】
サウンド・ストレイク(SOUNDSTREAK)サイト:各当事者に請求のため並びにデスクトップ・サウンド・ストレイク・ソフトウェアを有するプロデューサとタレントとの間の交信を調整するインターネットあるいはネットワークのサイト。
【0013】
プロデューサ・コンポーネント:サウンド・ストレイク・サイトおよびタレントのコンピュータと一括して交信するプロデューサのコンピュータに常駐するすべてのソフトウェア・コンポーネント
【0014】
タレント・コンポーネント:サウンド・ストレイク・サイトおよびタレントのコンピュータと一括して交信するタレントのコンピュータに常駐するすべてのソフトウェア・コンポーネント
【0015】
共通コンポーネント:プロデューサのコンピュータとタレントのコンピュータの双方に常駐するサウンド・ストレイク・ソフトウェア・コンポーネント
【0016】
OS:コンピュータ用オペレーティング・システム・ソフトウェア
SIP:VOIP/インターネット技術用のセッション開始プロトコル
RTP:リアルタイム転送プロトコル、即ち、タイム・ベース・メディア・データ用メディア転送プロトコル
RTCP:RTPの通信統計および状態をやり取りするRTP制御プロトコル
JMF:メディア処理およびストリーミングのための一般仕様を提供するサン・マイクロ・システムズが設計したジャバ(登録商標)・メディア・フレーム・ワーク
VoIP:ボイス・オーバ・インターネット・プロトコル
【0017】
現今では、大部分の利用可能なタレントは、それぞれの家庭もしくは望ましい場所から離れた遠隔セッションをレコーディングする防音ブース付の自家スタジオを有している。このような環境を利用できるシステムを導入することは、有利である。したがって、本発明の様々な面がこれらの既存の設備を使用して新しい複雑なハードウェアを導入せずに設置し、活用することができる。
【0018】
ある実施例では、現在、導入されており、本書でしばしばサウンド・ストレイクと呼ぶサウンド・レコーディング管理ソフトウェアは、ボイス・オーバ/音楽の遠隔レコーディングおよび管理のためインターネットで可能となるアクセスの容易さを提供するデスクトップ・アプリケーションである。
【0019】
サウンド・ストレイクは、他のアプリケーションで、プロデューサがタレントをオーディションし、制作したレコーディングを管理し、サービスを提供する当事者に請求書を送付することを可能にする機能性を有する。更に、通常レコーディング・セッションにより生成されるペーパ・トレイルは、今や電子的にその形成が容易になっている。丁度、セールズフォース・コムが販売作業を自動化し、向上させたように、サウンド・ストレイクは、メディア制作活動を劇的に向上させるように構成された同様なネットワーク化されたツールを提供する。結果としては、ユーザから見ると、大きなビジネス・プロセスを管理しているように見える。究極的には、この手法は、競争相手をより大きなサウンド・ストレイク・システムのコンポーネントに追い遣ってしまう。
【0020】
サウンド・ストレイクは、プロデューサにボイス・オーバの作業プロセスを管理させるウェブ・ベース・アプリケーションの働きをする。サウンド・ストレイクは、実際のレコーディング・セッションを管理するデスクトップ・コンポーネントを有している。
【0021】
中心的サウンド・ストレイク機能は、ボイス・オーバ・アーティストのハード・ドライブに保存され、プロデューサのハード・ドライブに転送されるレコーディングを行うボイス・オーバ・アーティストとの約束である「セッション」である。請求、ペーパーワーク、スケジューリングは、すべてセッション・ベースで行われる。構造的には、各セッションは、プロジェクトをもとにグループ化される。プロジェクトは、期間的には有限であるが、期限は、決められていない長期雇用である。
【0022】
サウンド・ストレイクにおいて、プロデューサは、セッションをセットアップし、そのときに利用可能な関連情報を入力する(詳細は下記の通り)。一旦、セッションがセット・アップされると、プロデューサは、スクリプト情報を入力し、タレントを選び、必要な通信のすべての受信者を特定する。すべての請求ならびにセッションの管理データは、インターネットあるいは他のネットワークを介してやり取りされる。しかし、実際のレコーディング・プロセスは、実質的デスクトップの機能性を有するインタフェースを通して行われる。アナウンサのコンピュータが高品質レコーディングをするのと同時に、プロデューサは、低品質音声ストリームに乗せたレコーディングを聞くことができる。レコーディングに満足したならば、プロデューサは目的とする高品質レコーディングを品質が管理されたFTPを介して彼らのデスクトップに転送することができる。プロデューサは、このレコーディングを受け取り、再生し、保存することができる。
【0023】
サウンド・ストレイクは、時間請求ソフトウェア製品とすることも可能である。このような実施例では、プロデューサとタレントが各セッションに接続した時間を記録でき、プロデューサのプリペイド・アカウントからの残高を減額するか、後日の請求のための請求書を生成する。請求書発行の場合、サウンド・ストレイクは、接続時間の内部ログを維持し、アカウントが滞納になったら、ユーザの接続オプションを無効にする。
【0024】
本発明の同様なコンポーネントが同じように参照されている図1から図3においては、ボイス・オーバ/音楽の遠隔制作および管理の方法と装置の様々な実施例を紹介する。
【0025】
図1は、本発明のボイス・オーバ/音楽制作・管理プロセスを実施できる例として示すコンピュータ・ネットワーク100を示す。特定の実施例では、コンピュータ・ネットワーク100は、インターネットである。しかし、コンピュータ・ネットワーク100は、本書で記述するデータを転送するのに適したネットワークなら、どれでもよい。したがって、このコンピュータ・ネットワーク100は、広範囲ネットワーク(WAN)、ローカル・エリア・ネットワーク、無線ネットワーク、光ファイバ・ネットワークおよび/またはこれらの組み合わせである。図1の構成は、例示を目的とするものであり、以下のプロセスは、前記構成に限定するものと解釈すべきではない。
【0026】
例として示すコンピュータ・ネットワーク100は、プロデューサ、ディレクタ、あるいは他の制作スタッフが操作するプロデューサのコンピュータ102を有し、更に制作のために雇った男優、女優もしくはミュージシャン(即ち「タレント」)が操作するタレントのコンピュータを有する。データは、デジタル加入者線 (DSL)、ケーブル・モデム、ISDN、T−1回線、T−2回線、T−3回線、あるいはそのほかの高速接続などの高速データ回線を通して送信される。コンピュータ102、110は、様々なデータを1つあるいはそれ以上の高品質データ・フォーマットによって、あるいは1つあるいはそれ以上の低品質データ・フォーマットによって送信する。いくつかの実施例では、高品質データは、第1の接続120を通して、低品質データは、別の低品質接続を通して提供される。しかし、データ・フォーマットは、1つの接続を通して送信できることは、容易に考えられる。
【0027】
高品質データ・フォーマットは、従来から使用されてきたWAV、AIFF、MPEG、AVIなどの1つあるいはそれ以上のフォーマットである。低品質データ・フォーマットは、VOIP用の従来の符号複合化用のあるいは圧縮などを使用することによる高品質フォーマットよりも典型的にデータ・スペースないし帯域が小さい他のオーディオ・データ・フォーマット(MP3など)の1つまたはそれ以上のフォーマットである。 低品質フォーマットは、高品質フォーマットと同じでもよいが、一方、低帯域の利用およびそのサイズを達成するために低いオーディオ・サンプリング・レートを使用してもよい。ここに、遠隔制作におけるコンピュータ処理およびネットワーク帯域利用の縮小という利点がある。
【0028】
様々な実施例において、プロデューサのコンピュータ102とタレントのコンピュータ110は、1つの物理的ネットワーク接続を通して高品質データおよび低品質データを交信する。しかし、コンピュータ102、110は、いくつかの実施例では、高品質データ(通常、大きなデータ・サイズ)がISDNのような高速回線120を介して送信され、また低品質データがダイアル・アップ接続のような低速通信回線122を介して送信される2つの別々の送信回線を通して交信する。
【0029】
ハイパ転送プロトコル(HTTP)、FTPやデータ・ストリーミング技術を含み、しかし、それらに限定されない複数のデータ・フォーマットのいずれかを用いて、データがコンピュータ102、110の間で送信される。データ送信は、必要に応じて、多数の既存の技術のいずれかを用いて暗号化される。
【0030】
制作コンピュータ102とタレントのコンピュータ110のどちらも紹介されている各プロセスを遂行するのに使用する適切なコンピューティング装置であればよい。制作コンピュータ102は、例えば、適切なオペレーティング・システム・ソフトウェア104(即ち、ウインドウズ(登録商標)2000,2003,XP,MAC OS X,SUN OS)、アプリケーション・ソフトウェア106、サウンド・レコーディング・ソフトウェア108のうち、最後のソフトウェア108は、制作スタッフとタレントが本書のプロセスを実施するのをアシストするプログラミング命令を含み、これらを装備した、通常、IBM コープ、アップル・コープにより製造されるタイプのパーソナル・コンピュータである。サウンド・レコーディング管理ソフトウェア108は、適切なコンピューティング言語でプログラムされており、スタンド・アロン・アプリケーションを使用してもよいし、あるいは以下の説明のように、サウンド・ストレイク・サーバの役割をする第三者のコンピュータ130によってネットワーク100を通して制作コンピュータ102および/またはタレントのコンピュータ110に供給されてもよい。様々な実施例において、サウンド・レコーディング管理ソフトウェア108は、アビド、ファイナル・カット・プロ、プロ・ツールズのような既存のサウンド・ビデオ編集アプリケーションに接続されるプラグイン・プログラムでもよい。
【0031】
タレントのコンピュータ110も、例えば、IBM コープ、アップル・コープ、サン・マイクロシステムズによって一般に製造されるタイプの家庭のパーソナル・コンピュータのような、いずれかの適切なコンピューティング装置を使用してもよい。タレントのコンピュータ110は、制作コンピュータ102のコンポーネントと同じでも、同じではなくてもよいが、それらに適合できるオペレーティング・システム114とアプリケーション・ソフトウェア116を含む。タレントのコンピュータ110は、更にタレント人材が各々の以下に述べられる役割を遂行できるようにするサウンド・レコーディング・ソフトウェア108を含んでいる。
【0032】
以下に例示した通常のサウンド・ストレイク・ソフトウェア・コンポーネントは、プロデューサとアナウンサの双方のコンピュータに常駐させてよい。
【0033】
(i) ミーティング・エージェント:サウンド・ストレイクが動作し始めると、そのコンポーネントは、ユーザのログイン本人証明(ID)/パスワードを要求し、このセッション初期化を終了するように「ミーティング・コーオーディネータ」に伝える。このコンポーネントは、SIPクライアントの履行を要約し、ソフトウェエア・インターネット・フォーンに近い機能を実行する。
【0034】
(ii) 通信ハンドラ:このコンポーネントは、ボイス通信用にRTPおよびRTCPが使用している2つのローカル・データ・グラム・プロトコル(UDP)ポートとファイル転送プロトコル(FTP)の配信を待つ送信制御プロトコル(TCP)とを割り当てる。アナウンサに対しては、RTPおよびRTCP用の2つの追加TCPポートが信頼性のあるビデオは、配信のために割り当てられる。次に、このコンポーネントは、「ミーティング・エージェント」が他の参加者の情報を知らせてくるのを待つ。すべての必要な情報が得られるようになったなら、本コンポーネントは、他の参加者に対する接続をイニシエートするよう動作し、通信チャネルが正常に機能していることを定期的にチェックし、確認する。メディア・ストリーミング・チャネルについては、このコンポーネントは、チャネルの正常動作を確認するため戻されたRTCPパケットをチェックする。NATやファイヤ・ウォールなどの通信上の問題を処理するため「ポート・パンチ」や他のメカニズムを使用するように本コンポーネントを拡張してもよい。
【0035】
(iii) リソース・オーガナイザ:本コンポーネントは、ビデオ、記録した音声、スクリプト、履歴のような資源をプロジェクトとして整備し、各プロジェクトをディスク・フォルダ内に位置づける。本コンポーネントは、システムがレコーディング・プロセスを促進する関連資源を位置づけ、保存するのを助ける。
【0036】
(iv) ミーティング・ステータス・パネル:このコンポーネントは、プロデューサ名、タレント名、アカウント情報などの状態情報を提供する。
【0037】
(v) メディア・ストリーム・センダ:このコンポーネントは、例えば、RTPストリーミングによって音声とビデオを送信する。この実装によって要求のタイプに基づいてUDPまたはTCPによるストリーミングを行うことができる。
【0038】
(vi) リソース・センダ:記録された音声ファイル、ポスティングする情報を含む資源を受信の保障なしに配信する。
【0039】
(vii) メディア・ストリーム・レシーバ:このコンポーネントは、例えば、RTPストリーミングによって音声とビデオを受信する。ある種の実装によっては、要求のタイプに基づいてストリーミングを処理することが可能となる。
【0040】
(viii) リソース・レシーバ:このコンポーネントは、記録された音声ファイやポスティングする情報を含む資源を受信する。
【0041】
(ix) ビデオ・ターミナル:このコンポーネントは、受動質問あるいは能動報知によって、同期のためのビデオを再生し、再生時間情報を提供する。この他に、ユーザのための再生コントローラを提供する。
【0042】
(x) オーディオ・プレーヤ:このコンポーネントは、オーディオを独立して再生する。オーディオが多重化メディアのトラックとして定義できれば、ビデオと一緒に再生する。これは、いかに説明する「トーク・バック」などの場合に使用できる。
【0043】
(xi) スクリプト・ビューワ:このコンポーネントは、「ビデオ・ターミナル」によって知らされた時間情報に基づいて動的に現在のスクリプトを提供し、アナウンサが準備して話せるように予めビジュアル信号を表示する。スクリプト・パネルを、タレントには読取り専用としてスクリプト・ビューワによって、一方、プロデューサにはスクリプトを編集し、スクリプトの各要素が始まる時間を記すことができるようにスクリプト・エディタによって、提示される。
【0044】
(xii) オペレーション・コントロール・パネル:このコンポーネントは、「トーク・バック」、「スタート」、「ストップ」のような動作のためのボタンを用意し、他のコンポーネントに対し操作するイベントを通知する。
【0045】
(xiii) レコーディング・ステータス・パネル:このコンポーネントは、現在のレコーディング・ステータスと履歴情報を提供し、プロデューサがコメント挿入し、編集することを可能にする。
【0046】
(xiv) レコーディング・ステータス・レンダラ:このコンポーネントは、「100%」や「REC」のようなレコーディング・ステータス情報を様々なスタイルで提供する。
【0047】
(xv) サウンド・キャプチャラ:このコンポーネントは、レコーディングあるいはトークバックのためのマイクロホンから音声を取得し、「サウンド・プロセッサ」というコンポーネントを使用して処理する。取得されたサウンドは、リアルタイム通信のために「メディア・ストリーム・センダ」に送られる。
【0048】
(xvi) サウンド・プロセッサ:このコンポーネントは、「トーク・バック」モードで高速配信をするため記録されたサウンドあるいは音声を処理して低品質にする。
【0049】
以下に例として示したサウンド・ストレイク・プロデューサ・コンポーネントは、プロデューサのコンピュータに常駐させてよい。
【0050】
(i) アドレス・ブック:プロデューサは、タレントを選び、アドレス・ブックへ追加する。こうすることで、タレントの情報の全部あるいは良い部分が、プロデューサのコンピュータに自動的に保存される。それによって、データの手入力を最小限に減らし、アドレス・ブック・データの品質管理を促進する。また、これがプロデューサのアドレス・ブックのサイズが増大させ、ビジネスの観点からは、他のシステムに移転不可能なサウンド・ストレイクをベースしたビジネス資産を創り出すことにより顧客の忠誠心を高めることにつながる。「アドレス・ブックへの書き加え」の機能性は、保存されたタレントのリスト上あるいは保存されたタレントに関する検索結果のページの特定の名前の隣のチェック・ボックスを選ぶことにより向上し始める。
【0051】
(ii) スクリプト・エディタ:このコンポーネントは、各テイクとスクリプト要素のスタート・タイムを記すボタンが設けられる以外は、スクリプト・ビューワと同じである。
【0052】
(iii) スクリプト・タイム・マーカ:このコンポーネントにより、プロデューサがスクリプトにおける時間を記すことが可能となる。プロデューサは、ビデオを見ながらスクリプトを編集し、再生コントローラをコントロールする。次に、プロデューサは、マーク用ボタンをクリックすることにより正確な時間でスクリプトにマークをつける。マークの時間情報を保存し、タレントがレコーディングにおいて目視確認する助けに使用する。
【0053】
以下に例として示したサウンド・ストレイク・タレント側コンポーネントは、タレントのコンピュータに常駐させてよい。
【0054】
(i) レコーディング・ステータス・レポータ:このコンポーネントは、定義された時間の決め方で、レコーディング・ステータス情報をプロデューサ対してはテータス更新のために、サウンド・ストレイク・サイトには支払い記録のために提出する。
【0055】
(ii) レコーディング・タイマ:このコンポーネントは、レポーティングの進捗についてのほかに各テイクと現在のレコーディングの時間情報を常に把握し続ける。
【0056】
サウンド・ストレイクは、ユーザ・タイプに対応する機能が与えられるならば、ユーザ(プロデューサやタレント)の各タイプごとにオペレーション・システム、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、メモリ・スペースなどに関して最小構成と最適構成を指定する。更に、サウンド・ストレイクは、タレントに対しサウンド・ストレイク専用で、指定サイズの外部ハード・ドライブを用意することを要求する。この場合、サウンド・ストレイクは、更に最適の「同時」書き込み(レコーディング)と読み取り(FTP転送)を見込む区分基準を指示する。サウンド・ストレイクは、ドライブに対する排他的保護アクセスを確保する。コンピュータの大きな障害が発生した場合、タレントは、外部ドライブをファイル転送のため別な場所に移動することができなければならない。
【0057】
様々な実施例において、サウンド・ストレイク・サイトとしての第三者のコンピュータ130が、ネットワーク100上でプロデューサとタレントにサウンド・レコーディング・管理・ソフトウェア108を提供する。レコーディング・セッションの例えば、合計時間をもとにソフトウェア108の使用に対する1人あるいは2人の当事者に請求する。代わりに、または追加として、第三者のコンピュータは、プロデューサとタレントの1人または2人にソフトウェア108の使用に対する会員料金または受信料金を請求する。更に、いろいろな実施例において、第三者のコンピュータ130は、プロデューサとタレントの間で、本書で説明されるデータを送受信する。あるいは、このデータは、サウンド・ストレイク・サイトの関与なしに、インターネットまたは他のネットワーク上を通して両者間で直接やり取りされる。
【0058】
下記のサウンド・ストレイク・ソフトウェア・コンポーネントは、サウンド・ストレイク・サイトに常駐させてよい。
【0059】
(i) ミーティング・コーオーディネータ:ユーザ・レジストリとロケーションを維持し、調査するため、SIPプロキシ/サーバとして働くサウンド・ストレイク・サイトのコンポーネントである。ユーザがそれぞれのコンピュータでサウンド・ストレイクを起動し、IDを入力すると、次の章で定義される「ミーティング・エージェント」は、ロケーション情報を更新するためインターネット・プロトコル(IP)とリスニング・ポートなどのユーザIDとロケーション情報をこのコンポーネントに送信する。このコンポーネントは、SIP「招待」コマンドを受け取り、招待されたプロデューサ・ロケーションを調べ、セッション初期化のためのミーティングを調整する。わずかにセッション・イニシエーションとレコーディング時間ポスティングだけがサウンド・ストレイク・サイトと通信を必要とする。この他のすべての通信は、プロデューサとタレントの間で直接にやり取りする。
【0060】
上述の機能性のほかに、サウンド・ストレイク・サイトは、訪れるユーザに5つの選択肢を提供する:(1)ボイス・オーバ・アーティストないしタレントとしてログインする、(2)プロデューサとしてログインする、(3)サイトのメンバであるタレントを閲覧する、(4)サウンド・ストレイクの製品を訪問する、(5)ユーザ登録をする。
【0061】
プロデューサとして登録する新しいユーザは、自分のメールアドレスを入力し、英数字のパスワードを作り、パスワードを確認することを求められる。サウンド・ストレイクは、登録されたユーザのデータベースに照らして入力されたメール・アドレスをチェックする。すべてのサウンド・ストレイク・ユーザのIDは、一意的でなければならない。ユーザとパスワードが既に存在するならば、この人物は「ログインされた」インタフェースに転送される。正確なメール・アドレスとパスワードを知っている者は、実際に、そのユーザであると考えられる。一旦、プロデューサがメール・アドレスとパスワードを選択したなら、彼らは、登録手続きの次のステップとして「ユーザ情報」ページに進む。新しいプロデューサは、以下の情報、即ち名前、肩書き、会社、契約情報を尋ねられる。このデータは、サウンド・ストレイク・ユーザ・データベースの適切な分野、「プロデューサ」というタイプに保存される。
【0062】
プロデューサが登録されると、「プロデューサ・ログイン」ボタンが押される。ログインは、例えば、ユーザのメール・アドレスで行われる。最初のランディング・ページは、デフォールトのセッション確立ページであり、画面上部に該サイトのほかの領域にアクセスするナビゲーション・リンクが設けられている。
【0063】
新しいボイス・オーバのタレントが登録を希望すれば、自分のメール・アドレスを入力し、英数字のパスワードをつくり、このパスワードを確認することを求められる。サウンド・ストレイクは、登録済みユーザのデータベースに照らして入力されたメール・アドレスをチェックする。すべてのサウンド・ストレイク・ユーザのIDは、一意的でなければならない。ユーザとパスワードが既に存在するならば、この人物は「ボイス・オーバ・ログイン」インタフェースに転送される。正確なメール・アドレスとパスワードを知っている者は、実際にそのユーザであると考えられる。
【0064】
一旦、タレントがメール・アドレスとパスワードを選択したなら、彼らは、登録手続きの次のステップとして「ユーザ情報」ページに進む。すべての登録を希望するタレントは、以下の情報、即ち、名前、会社、連絡情報、性別、エージェント情報、声の特性、声のサンプル、外部の関連ウェブ・サイト(これがある場合)について質問される。登録するタレントは、一般に、本書に記述されている検索、閲覧、ショッピング・カート機能で利用可能である。ただし、タレントがこれらの機能を介しての利用可能性につき別段の指定をした場合は、この限りでない。このような場合は、承認されたプロデューサだけが特定のタレント情報にアクセスを許すように、別の招待/承認メカニズムを実施してもよい。
【0065】
上説したタレント閲覧機能に対応するため、特定の制作のためにタレントを探しているプロデューサが検討できるようにタレントそれぞれの特性や情報が保存される。したがって、タレントは、以下の事項を保存できる。
【0066】
(i) ボイス特性:アーティストは、例えば、「ハードセル」(強く売る)、「ソフトセル」(穏やかに売る)、「アクセント」、「漫画系」などのタレントの声を説明する様々な分類の仕方をしている。網羅的なリストは、ここでは用意していない。タレントは、適用可能なできるだけ多くの特性に自分を分類するオプションを与えられる。更に、追加コメント用テキスト・フィールドが、詳細記述のために提供される。
【0067】
(ii) ボイス・サンプル:タレントは、多数の自身のオーディオ・クリップをアップロードするオプションを有する。サウンド・ストレイクの構造基盤の限界によって決まる長さおよびファイル・サイズの限度がある。
【0068】
(iii) ウェブ・サイト:タレントは、料金を払ってサウンド・ストレイクがホストであるウェブ・サイトのリストを作る。
【0069】
(iv) 利用可能性:タレントは、プロデューサとタレントあるいはエージェントに対して利用可能性を表示し、この情報を長期間にわたって維持し、更新しなければならない。
【0070】
タレントは、自分のエージェントあるいは代理人の身分を確認する機会が与えられる。エージェント情報を入力する目的で、サウンド・ストレイクがすでに登録したエージェントを含むドロップ・ダウンまたはポップ・アップ・ウィンドウを提示される。既存のエージェントが選択されると、すべてのパブリック・アクセスの場合(閲覧、ショッピング・カートその他)、エージェントの連絡情報が提示される。セッションの確立に際して、スケジュールの設定にエージェントとタレントの連絡が必要なためタレントとエージェントの連絡情報が示される。
【0071】
既存のエージェント・データは、一般にタレントは入力せず、編集を行わない。サウンド・ストレイクでは、そのようなデータは、エージェント自身からあるいは、正確な情報が載っている全国のディレクトリから入力する。タレントが自分のエージェントに会わない場合、「提出エージェント」を利用できる。この情報は、ウェブサイト・データベースに送られるべきではない。代わりに、その情報は、サウンド・ストレイクに送って認証をする。タレントがエージェントを持っていないなら、タレントの連絡情報は、スケジューリングと請求のために入力される。
【0072】
タレントが登録を完了した後、「ボイス・オーバ・アーティスト・ログイン」ボタンが押される。ログインIDは、ユーザのメール・アドレスでよい。ランディング・ページは、上端にそのサイトの別の領域にアクセスできるナビゲーション・リンクがあるアーティストのプロフィール・ページである。タレントは、彼等の自家スタジオが高機能でプロ級のマイクロフォン、防音装置、必要なすべての信号処理装置を備えていることを自分で確保する責任がある。
【0073】
登録が済んだら、公認のサウンド・ストレイク・ユーザは、タレントのディレクトリを調べることができる。閲覧には、アルファベット順のリスト、アナウンサのタイプ別の閲覧、エージェント別の閲覧、キーワードによるよりロバストな検索、組合のメンバを調べるブーリアン・フラグ、タレントの位置、タレントの声のタイプが含まれる。サウンド・ストレイクに一旦、十分なトラフィックが確立すると、ユーザが自信を持って新しいタレントを勧誘できるように、タレントの(従来のセッションのプロデューサからのフィードバックで決められる)タレントの格付け資料が与えられる。
【0074】
タレントのリストは、複雑さと内容の豊かさでは種々雑多である。タレントのリストは、各タレントについて以下に例として示す事項、即ち、ID番号(自動的に生成)、名前、場所、エージェント、性別、組合メンバーシップ、例えば、映画俳優組合(SAG)および/またはアメリカ・テレビ・ラジオ芸能人連盟(AFTRA)、連情報、声のタイプ、声のサンプル、タレントのウェブ・ページ(サウンド・ストレイクを主体あるいは外部)、サウンド・ストレイク固有のエージェンシ・ウェブ・ページ、タレント格付け、現在の利用可能性を含んでいる。リストの発行は、サウンド・ストレイクの運営者にとって収入源であるので、特定のタレントの掲載量とスタイルは、タレントがリスト事業に支払う料金などに依存しよう。
【0075】
登録後、プロデューサは、サウンド・ストレイクを直ちに使用し始めることが可能であるが、タレントは、登録を済ましたとき、一般にセッション確立ページを見ることも無い。セッション確立ページは、一般にセッションをセット・アップするすべてのユーザが使う同じインタフェースである。
【0076】
セッション確立を開始する最初の画面は、請求のためである。プロデューサは、サウンド・ストレイクが承認した顧客に請求書を送るか、クレジット・カードで払うか、サウンド・ストレイクの販売促進のための売買申し込みのいずれかを選択できる。プロデューサは、サウンド・ストレイクにいくつかのクレジット・カードを支払いの選択肢として記憶し、適切なラジオ・ボタンで選択することができる。請求書による請求とクレジット・カードによる課金の詳細は、以下に説明する。
【0077】
サービスを提供するスタジオ、エージェンシ、請負業者は、サウンド・レコーディング施設から請求書を受け取ることを既に行っている。これにならって、サウンド・ストレイクは、これらの事業体と関係を確立し、彼等に代わってサウンド・ストレイクを使って行ったすべてのビジネスに対する月ごとの請求書を発行する。スタジオは、サウンド・ストレイクを使用する権利を有するユーザのリストを承認する責任がある。プロデューサが承認されたベンダと関係ができると、そのベンダは、ドロップ・ダウン・オプション(選択肢)として表示される。ユーザが選択すると、スタジオがサウンド・ストレイクに対してユーザが特定ベンダと請求書取引をセット・アップする要求を提出するオプションにより請求書取引をどの様にスタジオがセット・アップするかを説明するポップ・アップ・ウィンドウを表示するヘルプ・リンクが設けられている。スタジオの判断で承認されたプロデューサのリストを最新の状態に維持することができる。サウンド・ストレイクは、スタジオに対してプロデューサ、時間、プロジェクト・ネームの内訳を示して請求する。これによりスタジオの使用レベルの監視をスムーズに行うことができる。
【0078】
クレジットカード、デビット・カード、その他の便利な支払い手段による支払いに対応するため、サウンド・ストレイクは、ベリ・デザイン、エメタその他などのいくつかのベンダ認証プログラムと提携してクレジット・カード情報を入力する顧客の安心度を高める。このような入力された情報は、現金払いないしクレジット・カードのタイプ、カード番号、満期月日、請求住所、名前、電話番号などを含む。これらの情報は、よく知られた各種の方法で支払い手段に請求する前に認証される。
【0079】
支払いをするとき、プロデューサは、例えば、1回あるいはそれ以上のセッションで使用される一定の接続分数をユーザに提供する拡販コードを入力することオプションを有する。
【0080】
適切な支払い手段が、合意された価格設定にしたがって、かつ拡販コード関連して、認定され、確認された後、プロデューサは、セッション情報を入力するように求められる。セッションは、プロジェクト・ネーム、セッション・ネーム、プロデューサの識別情報、タレントの識別情報を必要とする。更に、必要なら、別の1人あるいはそれ以上のユーザがセッションに参加することを指示される。これらの、さらに別のセット・アップ・オプションは、以下に更に詳細に説明する。
【0081】
プロジェクト・ネームは、プロデューサが指定する。すべてのセッションは、一対多数の構成でプロジェクト・ネームで分かれたプロジェクトごとにグループ化される。従来のプロジェクトは、ドロップ・ダウン・ウィンドウ・ボックスから選択する。「ニュープロジェクト」が選択されると、小さなポップ・アップ・ウィンドウが表示されるので、プロデューサは、プロジェクト・ネームを入力する。データの保全性のため、入力されたプロジェクト・ネームが前のプロジェクト名に近い場合、サウンド・ストレイクは、この近似に関し重複した、あるいは紛らわしい入力を避けるか、最小限にするよう指示する。サウンド・ストレイクは、時間の長さ、地理的領域、プロジェクト・ネームが付いた詳細なクライアント情報などの詳細プロジェクト情報の入力を見越している。
【0082】
プロデューサは、特定のプロジェクト名における特定のセッションに対し、セッション名を入力する。
【0083】
次に、プロデューサは、セッション・タイプを選択する。例えば、オーディション、管理されたレコーディング、管理されないレコーディングを含めて、選択するセッションには3種類ある。各々を順番に以下に記述する。
【0084】
セッションがオーディションの場合は、プロデューサは、一般に1つのセッションに数人のタレントを加えたいと思う。タレントからオーディションがサウンド・ストレイクに届くと、プロデューサに、例えば、メールで知らされる。これらのオーディション・ファイルは、セッション・セットアップ中に定義されたプロジェクト・ネームの一部として残る。
【0085】
管理を必要としないセッションでは、プロデューサは、管理されないセッションへタレントを参加させるでしょう。セット・アップが完了すると、スクリプトが指名されたタレントに送られ、こんどはタレントが自分の選んだプログラムを使ってレコーディングを行い、媒体をプロデューサにアップ・ロードする。いくつかの実施例では、オーディオ・レコーディング・ソフトウェアは、サウンド・ストレイクにより供給され、あるいは他のベンダとの提携により提供される。上記のオーディションの説明の場合と同じように、タレントから記録されたセッションをアップ・ロードすれば、そのセッションを担当するプロデューサは、メールなどによって知らせを受ける。
【0086】
管理されたセッションについては、プロデューサは、セッションを定義し、タレントを特定し、サウンド・ストレイクのプロデューサ・コンポーネントを用いて、セッションのレコーディングを管理する。
上記セッションの定義のいずれかが完了すると、以下に説明するように、スクリプトのメールおよび/またはファックスが特定されたタレントに送信される。
【0087】
いずれかのプロジェクトあるいはセッションを制作するデフォールト・プロデューサは、現在ログ・イン中のプロデューサである。しかし、追加のあるいは代わりのプロデューサは、身分の確認をする。
上述したように、プロデューサは、セッション用のタレントの身分を確認する。サウンド・ストレイク・サイトからすべての利用可能なタレントおよび/またはプロデューサのアドレス・ブックに記載のタレントを拾いだすセッション・セット・アップにおいてドロップ・ダウン・ウィンドウ・ボックスが提供される。
【0088】
プロデューサは、セッションのための他のクライアントを指定するオプションを有する。アドレス・ブックに「クライアント」と書かれてある個人のリストがドロップ・ダウン・ウィンドウで手に入れることができる。他の新たなクライアントを入力するフィールドが提供される。
【0089】
他の様々なセッション設定も、セッション・セット・アップ中に行われる。例をいくつか挙げれば、スプリプトをファクシミリでタレントに送付するオプション、組合メンバー・レポートもしくはアフトラあるいはサグの組合契約を電子的に生成し提出するオプション、セッション情報をタレントのエージェントに自動的に提出するオプション、セッションに関連するオーディオあるいは映画ファイルをサウンド・ストレイクに、又はサウンド・ストレイクからロードするオプションである。いずれの当事者も書式あるいは文書を完成するため電子署名を追加し、契約に対する合意を確認できる。サウンド・ストレイクは、サグ/アフトラの署名者として行動し、あるいは仲介者として、したがって非署名者となる場合は、会社がタレントに支払うサウンド・ストレイクを利用して組合員のタレントを記録することができる。サウンド・ストレイクは、タレント・パートナ・インクと同じような完全サービス・タレント支払い処理ビジネスを統合してもよい。
【0090】
セッション・セット・アップにおいて、プロデューサは、少なくとも1つのスクリプトについて動作を促される。各スクリプトは、ネーム・ボックスを有している。その隣に、例えば「Ex. 20Sec. Spot.,Tops & Tails」が示される。ネーム・ボックスの下には、切り貼りインタフェースとアップ・ロード・ボタンが配置されている。切り貼りウィンドウの下に、別のスクリプトを追加することが可能である。これによって、ページが新しくなり、最初のものの下に別のネーム・ウィンドウと切り貼りウィンドウが設けられる。どれだけ多くのスクリプトを追加できるかという制限は無い。
【0091】
入力が終わると、最後のステップは、すべてのセッション情報と最終確認のための選択された請求書情報のページである。プロデューサに、すべての関係者、請求書情報、スクリプトとそのタイトルを表示する確認用ページが提示される。これらのオプションの各々の横に、迅速かつ容易に訂正を行えるように「エディット」リンクが表示される。確認ページを終了するには、ユーザはエクシットまたはコンファームを押して出る。
【0092】
サウンド・ストレイク・サイトは、プロデューサのクレジット・カードにセッションあたり1時間分のレコーディングを予め認可することができる。レコーディング・セッションの終了時に、事前認可は、解除され、クレジット・カードは、正確な金額、レート(A)x 分数(B)、で請求される。クレジット・カード請求金額は、容易な精算のためプロデューサの明細書にサウンド・ストレイク[セッション・ネーム プロジェクト・データ]と表示される。請求金額あるいは事前の認可が不首尾に終わった場合、ユーザは、別なカードを入れるよう指示される。
【0093】
確認することにより、選択した送信オプションに基づいてタレントに対してスクリプトを自動的にファクシミリ送信あるいはその他の送信を起動させる。こうすることにより、サウンド・ストレイク請求書送信がスタートする前に、タレントは、充分時間をとってスクリプトを点検することが可能になる。
【0094】
セッションがセット・アップされると、セッションは、プロデューサの希望するスケジュールにしたがって開始される。セッションのレコーディングは、サウンド・ストレイクの他の部分と異なり、ある量のデスク・トップ同様の機能を必要とするレコード・インタフェースを用いて実施される。具体的には再生ボタン、記録ボタン、タイマ、スクリプト・ウィンドウなどは、局所的に対話可能であることが必要だが、ユーザのコンピュータからサウンド・ストレイクのサーバまで周遊的通信は必要ではない。レコード・インタフェースは、以下のソフトウェア・コンポーネントを含む。
【0095】
(i) サウンド・ストレイク・スタジオ サウンド・ストレイク・スタジオは、プロデューサとタレントが通信を行い、テイクを記録し、スクリプトを点検し、ファイルを転送する仮想環境であり、仮想的に文書化を承認する。
【0096】
(ii) ソフトウェアのバージョン検査により入手可能な最新バージョンであることを確認する。セッションを記録しようとするとき、サウンド・ストレイクが適切なソフトウェアを検出しない場合、ユーザは、最新バージョンをダウン・ロードするよう促される。更に、ユーザが最後にダウン・ロードして以来、変更部分ファイル、更新ファイル、後続バージョンがリリースされていれば、ユーザは、最新のソフトウェアをダウン・ロードするよう指示される。
【0097】
(iii) システム診断 タレントのシステムの完全性は、サウンド・ストレイクの性能にとって重要である。サウンド・ストレイクは、すべてのタレントに対して、空きメモリの量のような外部ドライブ・システムの最低限の必要条件を指示する。サウンド・ストレイクは、付加性能としての特定のメモリ構成を薦める。しかし、長期の使用により、タレントの記憶装置は、雑になり、速度が低下することがある。したがって、いくつかの診断ソフトを各レコーディングの前にタレントのコンピュータで実行し、結果をプロデューサとタレントの双方に提示することが必要である。トラブル・シューティングのためのメッセージやガイダンスも利用可能である。
【0098】
図2は、図1のコンピュータ・ネットワーク100で実行できるボイス・オーバ/音楽の遠隔制作および管理の例として示したプロセス200のフローチャートを示す。本書で使用されているように、「トータル・レコーディング・セッション」は、ボイス・オーバ/音楽制作で典型的に行われる複数の「テイク」を指している。様々な実施例において、プロデューサとタレントは、データを直接交換するか、あるいは第三者のコンピュータ108を通して交換する。
【0099】
上述したように、制作スタッフがコンピュータ・ネットワーク100でタレントとの間で二方向通信を確立するとプロセス200が起動する(ステップ202)。少なくとも1つの高品質データ・フォーマット120を確立し、スクリプト・データ、ボイス・オーバ/音楽を必要とする作品のビジュアルあるいはオーディオ・ビジュアル・プレゼンテーション、記録されたテイク、テイクシート・データ、コメント文章、レコーディング・セッションの時間インデックス・データ(記録されたテイクをボイス・オーバ/音楽作品のオーディオ・ビジュアル・データにマッチさせるために使用される)を転送する。制作スタッフとタレントとの間の口頭による指示およびフィードバックは、帯域使用を維持するため低品質データ・フォーマット122で提供される。この理由は、こうした情報は、長く保持されることはまれで、一般に高品質を必要としないからである。このような口頭の指令およびコメントは、ヘッドフォン、スピーカおよび/またはマイクロフォンを用いて両当事者間で聞いたり、話したりされる。
【0100】
サウンド・ストレイクは、ユーザ・タイプに基づいて動作し、参加したユーザのインタフェースを提供する。ある外部ウィンドウは、ユーザの電話帳記載の人物の状態、オン・ラインか否かを示す。ユーザが待っている目的の人物がオン・ラインになると、ユーザは、その者にユーザIDや名前をクリックすることにより連絡をとることができる。イニシエーションが行われると、以下に詳しく述べる「トーク・バック」ボタン/機能がタレント側から作動させる。レコーディング時間がまだある場合、「スタート」レコーディング・ボタンを有効にする。
【0101】
プロセス200が進行して、次にステップ204くると、ボイス・オーバ/音楽制作のためのタレントが読むスクリプトは、サウンド・レコーディング管理ソフトウェア108を通してアップ・ロードされる。注目すべきことは、スクリプトとそれに対応するビジュアルないしオーディオ・ビジュアル制作は、レコーディング・セッションの進行中に何時でも制作スタッフにより変更されたり、タレントに対して新たにアップロードすることもある。スクリプトおよび付随するビジュアルないしオーディオ・ビジュアル・プレゼンテーションも、同様に変更されることがある。このようにアップ・ロードされたデータの例として示す画面表示を図3に示し、以下に詳細に説明する。
【0102】
タレントがはじめてあるプロジェクトで仕事を始めるときには、アナウンサの機械にはビデオもスクリプトもない。サウンド・ストレイクは、プロデューサからタレントに送るビデオ・ファイルおよびテイク/スクリプト定義を推し進め/同期させる。このプロセスにおいて、タレントは、ビデオがローディングされている際に同時にこれを下見することができる。配信が終わると、ファイルの写しをプロジェクト・ディレクトリのタレントの現地のディスクに保存される。同じプロジェクトを後でアクセスするため、ビデオ・ファイルが変更されたり、テイク/スクリプトが修正されたりしなければ、重複してローディングする必要はない。
【0103】
タレントは、準備のためビデオを再生/一見するため同じ再生コントローラを自由に使用できる。タレントがビデオを再生して見手いる間、同期させたスクリプトがスクリプト・ビューワに表示される。
【0104】
プロセス200は、続いてステップ206まで行く。ここではタイマがレコーディング・セッションのためスタートする。タイマは、スクリプトおよびビジュアルもしくはオーディオ・ビジュアル・プレゼンテーションにしたがってレコーディングを適切なタイミングで進捗することを可能にすることを含み、いろいろな目的のために使用される。タイマは、記録セッションの編集に使用するためのタイム・インデックス・データを提供する。タイマは、全レコーディング・セッションの合計時間を表示および/またはレコーディング・セッションの個別テイクの時間を表示する。タイマをストップ・ウォッチとして使用できるようにスタート・ストップ・ボタンがタレントに提供される。
【0105】
プロデューサが「レコード」ボタンをクリックして、レコーディング・プロセスがスタートしたとき、スクリプト・ビューワがビデオ・ターミナルに同期したスクリプトを表示する。例えば、0.5秒あるいは1秒という予め設定された先行時間だけ前に、スクリプト・ビューワの次のスクリプトが反転表示されるか、あるいは明瞭な信号・インジケータでマークされる。記録された音声が、テイクあたりのファイルとしてタレントのコンピュータに記憶され、同時にプロデューサのコンピュータに送信される。リアル・タイム・オーディオ・ストリームが制作サイトに到着したとき、プロデューサのビデオ・ターミナルが、オーディオのメディアの時間に同期してビデオを再生する。これによって、ネットワークの遅れあるいはパケットの脱落あったときでも、プロデューサが同じものを見たり、聞いたりできるようにしてある。レコーディングが終了したあと、即ち、テイクが終わったとき、完成した記録済み音声ファイルは、信頼できる方法でプロデューサに送信され、つぎにプロデューサが、ジッタのような問題により品質の低下することなしに、記録された結果を見直すことができる。プロデューサは、タレントには見えないレコーディング・ステータス・パネル上にコメントを入力することができる。
【0106】
プロセス200に戻ると、次に、テイク、合計セッション・タイム、マニュアル・ストップ・ウォッチ・タイム(使われている場合)、制作スタッフあるいはタレントが入力した文書のコメントおよび各テイクのファイル転送ステータスを列記する詳細テイク・シートを作成する(ステップ208)。この情報は、サウンド・レコーディング管理ソフトウェア108に表示され、更に、いずれの当事者も検討できるように印刷することもできる。ボイス・オーバ/音楽作品に対応するビデオ、オーディオもしくはオーディオ・ビジュアル・データは、タレントがオーディオ・ビジュアル・データを走らせてテイクをリアルタイムで記録できるように、タレントに提供される。(本書では「リード・ピクチャ」「ナレーション能力」と云う)。
【0107】
ステップ210では、レコーディング・セッションにおける単一のテイクは、タレントによって完成させることができる。制作スタッフは、作業が進行する間、ボイス・オーバ/音楽のテイクを聞くことができる。他の当事者(各当事者のエージェント、ボイス・オーバ/音楽を発注する当事者、作品編集者、その他)は、ネットワーク100上で通信をする他のコンピュータを介してレコーディング中のライブ・セッションにアクセスできる。完成すると、それぞれの記録されたテイクは、点検と承認を求めて制作スタッフに転送される。ボイス・オーバ/音楽が完成する前に、記録されたテイクの転送を始めてもよい。以下に述べるように、サウンド・レコーディング管理ソフトウェア108は、上記転送の進捗状況を示す。テイクは、転送前にタレントが点検するためセッションの間に再生することができる。
【0108】
制作スタッフが完成し、かつ条件を満たしたテイクとして受け入れられ、したがって、これ以上テイクをとる必要が無いような記録されたセッションのテイクを本書では「バイ・テイク」と呼ぶ。1つのテイクが記録されると、制作スタッフは、ソフトウェア108を使って、このようなテイクはバイ・テイクであると判断し、表示する。
1つのテイクが記録された後、ステップ212で、バイ・テイクが表示されると、プロセス200は、ステップ214まで進む。しかし、バイ・テイクがステップ212で表示されなければ、プロセス200は、バイ・テイクが確立されるまで上記ステップ210に戻る。
【0109】
バイ・テイクが承認されると、このバイ・テイクは、高品質データ・フォーマット102を用いて、制作スタッフにアップロードされる。レコーディング・セッションもしくはボイス・オーバ/音楽制作が終わる前に、上記バイ・テイクがアップ・ロードされる。第三者のコンピュータ130がサウンド・レコーディング管理ソフトウェア108をプロデューサとタレントに供給する実施例において、ボイス・オーバ/音楽作品が完成した後、セッションの時間計測に基づく支払いは、セッションの長さと時間ベースの料金に基づくセッションについて計算され、プロデューサに請求する(ステップ216)。以上でプロセス200は終了する。
【0110】
様々な実施例で、バイ・テイクは、タレントのコンピュータ110あるいはプロセス200の一部としての第三者のコンピュータ130のメモリでバックアップをとることができる。
図3に示すのは、例としての画面表示300である。これは、サウンド・レコーディング管理ソフトウェア108によって制作スタッフおよび/またはタレントに提示される。スタンド・アロン・アプリケーションの場合、グラフィカル・ユーザ・インタフェース別のアプリケーション・ウィンドウにディスプレイ300が設けられる。ネットワーク100がインターネットの場合、ディスプレイ300は、インターネット・ブラウザなどのウィンドウに表示される。
【0111】
ディスプレイ300は、以下の事項を含む。即ち、セッション識別データ302の表示、ボイス・オーバ/音楽制作に対応するビジュアルおよび/またはオーディオ・ビジュアル・プレゼンテーションを表示、実行する領域304、ボイス・オーバ/音楽スクリプトの文章(スクリプト・データ)を表示する領域306、選択されたテイクあるいはセッションの再生をイニシエイトするボタンをはじめとして、テイクあるいはセッションのタイマをスタートし、ストップするコントロール・ボタン308、セッションあるいはテイクの現在の時間を表示するタイマ・ディスプレイ310、(1)セッションにおける各テイクのテイク番号、(2)タイマ・データに基づくスタート時間とストップ時間を含む1つあるいはそれ以上のテイクのタイム・インデックス、(3)各テイクにつき入力された文章によるコメント、(4)テイクが条件を満たしているかを示すフィールド、(5)セッションの各テイクに対応するデータ・ファイルの転送ステータスを示す多数のフィールドを含むテイク・シート・データを表示する領域312である。
【0112】
ディスプレイ300は、領域30に表示されたスクリプト文章に対応する領域304にビジュアルおよび/またはオーディオビジュアル・データを表示する、例えば、ウインドウズ・メディア・プレーヤを使用するナレーション能力を提供する。これによって、付随するボイス・オーバ/音楽のレコーディングをしながら、さらには記録されたテイクに索引を付けながら、タレントがボイス・オーバ/音楽制作の付随するオーディオ/ビデオを見ることが可能になる。領域304は、再生、一時停止、停止、巻き戻し、早送り、ミュート、音量調整などのすべてのウインドウズ・メディア・プレーヤ機能にアクセスすることを可能にする。
【0113】
タレントをアシストし、スクリプトと対応するオーディオ・ビジュアル・データを別々に表示する負担を軽減するため、サウンド・ストレイクは、様々な実施例において、「ボイス・オーバ・カラオケ」と呼ばれる特別なオン・スクリーン・プレゼンテーション方式を提供する。大きなビデオ・プレイヤ・ウィンドウは、タレントのコンピュータの画面に表示される。同じ画面の位置において動くビデオに重ねて制作されるテキストのスクリプトを表示するであろう。これによって、タレントは、パフォーマンスに対応するビデオ画像を見ながら読むことができる。スクリプトの表示と同様に、選択可能なページ・タブを設ければ、タレントは、テキストの音声を重ねた次のページにすばやく切り替えることができよう。あるいは、オーディオ・ビジュアル・データに対するテキストの同期は、以下に述べるようにサウンド・ストレイクによって自動的に管理できる。
【0114】
追加の同様なプログラムを、オーディオ・ビジュアル・データを提供するためサウンド・ストレイク内で使用でき、内蔵することもできよう。例えば、アップル・コープが開発したメディア・プレーヤであるクイック・タイムは、ウインドウズやマック OS上で各種のメディア・フォーマットを再生できる。クイック・タイム・ジャバは、メディア再生および処理を目的にクイック・タイムと通信するためアップルが提供するジャバ APIである。ネットワーク・アドレス・トランスレータ(NAT)は、サウンド・ストレイク環境においてインターネット・アドレス・アーキテクチャを創出するため個人のアドレス体系を一斉同報アドレス体系に相互接続するために使用できる。
【0115】
セッションを確立中にメディアをアップ・ロードすると、メディア再生ウィンドウは、プロデューサとアナウンサのための映画を表示する。すべての映画映写オプションは、プロデューサ用メディア・プレーヤで利用できるようにすべきである。プロデューサのメディア・プレーヤは、タレントのメディア・プレーヤを制御する。例えば、プロデューサのデスクトップ上で再生、停止、巻き戻しをすれば、タレントのデスクトップ上でも同じ動作が行われる。オーディオ・ビジュアル・メディアがセット・アップ中にアップ・ロードされると、ビューワ上の検索アイコンでブラウザのウィンドウが開き、ここでプロデューサは、必要なら手元のムービ・ファイルを探しアップロードする。アップ・ロード・プロセスは、オーディオ・ビジュアル・ファイルをタレントのコンピュータにも転送する。
【0116】
タレントのインタフェースは、プロデューサのインターフェースの受動型、簡易バージョンである。したがって、タレントのインタフェースは、以下の機能を有している。
(i) スクリプト・ウィンドウ:スクリプトを見たり編集するためのウィンドウである。
(ii) タブ:タレントのタブは、プロデューサのものと同じである。タレントは、タブ名を編集したり、タブを追加したりはできない。タレントは、リハーサルのためにナビゲートすることができる。
(iii) テキスト・ウィンドウ:タレントは、プロデューサが選んだタブをテキスト・ウィンドウで見る。アナウンサにとって、このウィンドウは、編集不可能である。しかし、タレントは、見やすいようにテキスト・サイズを拡大縮小することができ、スクロールすることもできる。
(iv) セッションの長さ:タレントが接続した時間が画面に表示される。
【0117】
(v) メディア・ウィンドウ:テキスト・ウィンドウのように、プロデューサが見ているものをこのウィンドウで見ることになる。これは、タレントにとって調整する手段がない受動的ウィンドウである。
(vi) トーク・バック・ミュート・ボタン:発信する会話を無音にするラジオ・ボタンである。
(vii) テイク数インジケータ:このインジケータは、「1」で始まり、レコーディング・プロセスが開始され、停止されるたびに値が1だけ増える。これは、スクリプトの各テイクにより順次増加するグローバル・ナンバである。
(viii) テイク名インジケータ:このテイク名は、例えば、[スクリプト・ナンバ]・[テイク#]のようにサウンド・ストレイクによって自動的に生成される。
(ix) プロジェクト情報ディスプレイ:例えば、プロジェクト名、プロデューサ名と連絡電話、セッション名、タレント名と連絡情報、レコーディング日を含む。
【0118】
(x) 利用可能ディスク空き容量インジケータ:テイクがあるたびに計算されるこの数字は、アナウンサが今後のレコーディングのために使用できるディスクの空き容量の近似値である。
(xi) オート・スレート・インジケータ:点灯しているときは、オートスレートがONになっていることを示す。
【0119】
(xii)オート・タイム:オート・レコード機能は、信号の後の音声を検出し、自動的にテイク・タイムを開始する。レコーディングが停止すると、システムは、自然な周囲の静かさ以上の最後の可聴音の時間を検出する。信号終了後の最初の可聴音から停止前、最後可聴音までの時間ギャップは、計算された時間に等しい。この時間は、プロデューサとタレントのそれぞれのインタフェースにおけるランニング時間として表示されることが理想的である。
(xiii)ストップ・ウォッチ・タイム:このタイムは、通常、空白であり、プロデューサがウィンドウを編集したり、キーボードのストップ・ウォッチを使用するときだけ変化する。
(xiv)転送プログレス:これは、プログレス・バーの1種であり、ファイルのサイズとデータの量に基づいて転送の進捗状況の近似値を示す。
(xv)VU計:デシベル計であり、カラーコードにより危険な高オーディオ・レベルを示す。(緑は、許容範囲にあるレベル、黄は、望ましくない音量に近いレベル、赤は、過大な音量を示す。)色の較正は、他のメディア・プログラムで使用されるVU計と一致しなければならない。
【0120】
以下に別のプロデューサ機能を受け入れるタレントのインタフェースの改良バージョンであるプロデューサの画面上のすべての要素を説明する。
(i) スクリプト・ウィンドウ:タレントのインタフェースと同じように、プロデューサは、スクリプトを見たり、編集したりするためのウィンドウを有する。
(ii) タブ:ウィンドウは、各スクリプトに1つずつ画面の上方に並んだいくつかのタブを有している。これらのタブは、指定された名前にしたがって名前を付けられる。最後のタブは、タブを追加したことを示す「+」記号を付けられる。クリックされると、新たなタブが現れ自動的に[タブN]という名前が付けられる、Nは、最新のタブの連続番号である。プロデューサは、タブ名をクリックして、名前を変える。プロデューサが指定するタブの数に制限はない。プロデューサが画面に表示できるよりも多くのタブを指定すれば、一番右のタブに矢印が表示される。これは、クリックすれば、より多くのタブが現れることを示している。矢印のタブをクリックすれば、他のタブ名を表示するドロップ・ダウン・ウィンドウが現れる。タブが画面2つ分よりも多い場合、中程のタブを選択すれば、スクリプト・ウィンドウの両端に1つずつ、2つの矢印のタブが現れる。これは、どちらの方向にもまだタブがあることを示している。プロデューサが新たなタブをクリックすると、システムは、現在のタブを更新すべきか聞いてくる。ノーであれば、すべての変更は、失われる。
(iii) 切り張りウィンドウ:タブは、大きなテキスト・ウィンドウの一番上に並ぶ。セッションのセット・アップ中にスクリプトが指定された場合、各スクリプトのテキストがタブの下に現れる。スクリプトが指定されなかったか、新たなタブが追加されれば、ウィンドウは、空白になる。ウィンドウが空白か否かにかかわらず、プロデューサは、そのウィンドウがテキスト編集インタフェースであるかのように、反転、追加、削除、タイピング入力、切り取り、貼り付けを行うことができる。
(iv) 更新ボタン:どの時点でもプロデューサは、「アップ・デイト」ボタンをクリックでき、現在のタブで行った変更は、自動的にタレントのウィンドウおよびいずれの参加者のウィンドウにも表示される。
(v) セッションの長さ:プロデューサが接続していた時間を表示してタレントに知らせる。プロデューサとタレントは、共にレコーディングするためにはネットワークに接続されていなければならない。サウンド・ストレイクの時間は、両当事者が接続された瞬間から、いずれかの当事者がログオフするまで計算される。
(vi) ユーザ・インジケータ:タレントがネットワークに接続されているとき、彼らの名前の隣にアイコンが表示される。
(vii) セッション連絡情報:タレントの電話番号が画面に表示されると、プロデューサは、彼らが送れた場合、アナウンサを呼び出す。
(viii) プロデューサとタレントとの間で2方向通信を行うための画面上のボタンとキーボードのキーである。デフォルト状態は、プロデューサは、タレントが言うことはすべて聞くことができるが、タレントは、トーク・バックを起動しなければプロデューサの言うことを聞くことはできない。すべてのクライアントあるいは参加者は、プロデューサ・タイプのインタフェースを備えれば、いつでもコミュニケートできる。2方向通信を有効にすれば、ボタンは点灯し、トーク・バックが作動していることを視覚的の知らせるようになっている。アナウンサがテイクをレコーディングしている最中に、プロデューサが応答しようとすると、プロデューサに警告をするメッセージが表示される。しかし、中断が必要なときには、プロデューサは、そのまま続けることができる。プロデューサは、トーク・バックが作動しているときテイクを自動的に終了しても、しなくてもよい。
(ix) レコード・ボタン:レコード・ボタンによって、タレントのコンピュータを操作してオーディオ・データの捕捉を開始させ、これを指定されたメモリ装置とそのドライブに書き込みを開始させる。このボタンは、赤く点滅して、レコーディングが行われていることを知らせる。これによってオート・スレートを起動させ、それによって、テイクの自動的な口頭のスレーティングおよびオーディオ・ファイルの一部として記録されるビーという信号も起動する。レコード・ボタンを押すたびに、準備されたキャッシュ記憶または保存プロセスがどんなものであれ始動させることが必要である。レコーディング時間は、累計される。要約した使用情報は、レコーディング・ステータス・パネル上に表示され、さらに請求書情報をとしてサウンド・ストレイク・サイトへ送信される。一度でも使用度が利用可能レコーディング時間プラス許容オーバ・タイムを超過すると、レコーディング機能は、「スタート」レコーディング・ボタンと警報メッセージが表示される。このサービス中断は、テイクが終了するまで遅れさせる。
(x) ストップ・ボタン:このボタンは、タレントのコンピュータがオーディオ・ファイルをレコーディングすることを中止させる。このアクションによって、テイク番号をインクリメントさせ、テイク・リスト作成インタフェースをインクリメントさせ、オーディオ・ファイルを読むためオート・タイマ(選択されていれば)を起動し、テイク・タイムを計算し、それを画面の適切な位置に表示する。
(xi) テイク・ナンバ:この数は、「1」から始まり、レコーディング・プロセスが開始し、停止するたびに自動的にインクリメントする。
(xii) テイク名:デフォルトでは、テイク名は、自動的に計算されて、[スクリプト名].[テイク#]のように得られる。ここでスクリプト名は、アクティブ・スクリプト・ウィンドウのタブ名から来て、テイク#は、アクティブ・テイクである。
(xiii) プロジェクト情報ディスプレイ:ここでは、例えば、プロジェクト名、プロデューサ名と連絡電話、セッション名、タレント名と連絡情報、レコーディングの期日を含む。すべての印刷(この機能および他の機能のための)は、ブラウザの機能により処理される。印刷の結果は、画面に表示される基本的情報と一致する。
(xiv) オート・スレート・インジケータ:点灯状態は、オート・スレートがオンになっていることを示す。プロデューサとタレントは、テイクの口頭によるスレーティングは必要ではないことと、口頭のスレーティングはオート・タイミング機能の妨げになることを知っている必要がある。オンのときは、システムは、テイクを適切な番号を用いて言葉でスレートを行い、明瞭な信号を発生する。この機能をオフにすると、オートスレーティングを無効にするとプロデューサに伝える警報が表示され、確認を要求する。
(xv) オートタイム:オート・レコード機能は、信号のあとで最初の音声を検出し、テイク・タイムが起動する。レコーディングが停止されると、システムは、白色ノイズ以上の最後の可聴音の時間を検出する。最初の可聴音終了後の信号と最初の停止前可聴音との時間ギャップは、計算された時間に等しい。この時間は、各ユーザのそれぞれのインタフェースにおけるランニング時間として表示されることが理想的である。
(xvi) ストップ・ウォッチ・タイム:プロデューサは、キーボードをストップ・ウォッチとして使用する選択するオプションを有する。キーを1回押せば、タイマが起動し、同じキーをもう1回押せば、またタイマが起動する。このフィールドは、編集可能である。
プロデューサは、オート・タイミングを確認するためストップ・ウォッチ機能(キーボードまたは手動で)を使用するよう促される。
(xvii) コメント・フィールド:プロデューサは、テイクについてのコメントを直接テイク・ウィンドウに入力する。コメントは、通常タレントには表示されない。
(xvii) グッド/ノーグッド・ラジオ・ボタン:プロデューサは、テイクが合格か不合格かの表示には慣れている。テイクを合格と示すラジオ・ボタンは、適正である。この動作は、サウンド・ストレイク・システムにおいてテイクに関する注釈だけをするものである。これは、アナログ編集からの遺産であり、すべてのデジタル編集システムで持続するものであり、サウンド・ストレイクで提供することは適切である。
(xix) 転送ラジオ・ボタン:このボタンは、FTPを用いてタレントのコンピュータからサウンド・ストレイクのサーバもしくはプロデューサのコンピュータまで転送するプロセスを起動させる。これは、背景において直ちに起動し、進行中のレコーディングの妨げになってはならない。
(xx) 転送プログレス:これは、プログレス・バーの1種であり、ファイルのサイズとデータの量に基づいて転送の進捗状況の近似値を示す。このインジケータは、重要ではあるが、時間測定、レコーディング、スクリプトの更新など、優先度の高い機能の妨げになってはならない。
(xxi) VU計:デシベル計であり、カラーコードにより危険な高オーディオ・レベルを示す。色の較正については、他のメディア・プログラムで使用されるVU計と一致しなければならない。
(xxii) ファイル転送ボタン:記録されたファイルは、サウンド・ストレイクのサーバとプロデューサのコンピュータのいずれかに転送されなければならない。「エンド・セッション」ボタンは、すべての転送ファイルが完了するまで不活性である。ここからプロデューサは、それぞれ暇なときにクリップをプロデューサのコンピュータへダウン・ロードする。ファイルが転送されると、プログラムは、ファイルをタレントのコンピュータから削除する。こうすることにより、すべてのサウンド・ストレイクを使うプロデューサが円滑なレコーディング作業を行うことが保障される。理論的にはプロデューサがレコーディングされたものを所有しているわけであり、したがってプロデューサの資産を守ることになる。いくつかの実施例では、サウンド・ストレイクは、レコーディング作品、スクリプト情報、その他の関連文書の保存用コピーをプロデューサのコンピュータ、タレントのコンピュータ、あるいはサウンド・ストレイク・サイトのいずれかに保存できる。
(xxiii) エンド・セッション・ボタン:プロデューサは、セッション終了時を示す「エンド・セッション」と名付けられたボタンを有している。「エンド・セッション」ボタンを選ぶと、この後ビューヒストリ機能を用いて見ることができるセッションの全体を保存することを含むいくつかの機能を起動する。「エンド・セッション」ボタンをクリックすると、セッション・コンファメーション・ページを立ち上がる。プロデューサは、適切な情報を書き込み、「プロデューサ・シグニチャ」というページのボタンをクリックする。アナウンサが点検するアナウンサ・ウィンドウに書式が現れる。アナウンサが満足すれば、アナウンサは「タレント・シグニチャ」というボタンをクリックする。ウィンドウは、閉じて、セッションの完了に関するファクシミリをタレントのエージェンシおよび/または、適切なら、その組合に送信することを含む紙のレコードが生成される。
【0121】
プロジェクトのすべての関連資料は、下記の例としての構造のプロジェクト・フォルダに保存される:
プロジェクト−フォルダ−ネーム[フォルダ]
ビデオ−ファイル
テイク−アンド−スクリプト−デフィニション−ファイル
ペンディング−ツー−ビー−ポスト−フォー−ファイル
ワーキング−ログ−ファイル
テイク1[フォルダ]
ワーキング−オーディオ−ファイル(ウィル ビカム ファイナル−オーディオ−ファイル,イフ アクセプテッド)
アンアクセプテッド−オーディオ−ファイル−01(オプショナリ ストアード)
アンアクセプテッド−オーディオ−ファイル−02
テイク2[フォルダ]
...
【0122】
この構造内で、下記のファイルは、下記のタイプの情報を保存する。
ビデオ−ファイル:ビデオの内容を保存する。
テイク−アンド−スクリプト−デフィニション−ファイル:各テイクのメディア・タイム定義と関連したスクリプト内容を保存する。
ペンディング−ツー−ビー−ポスト−ファイル:レコーディング・タイムのポスティングが失敗に終わったときに存在する。このファイルは、蓄積転送をするときに使用される。保全性、つまり手による操作を避けるため、システムは、整合性検査のため暗号化フォーマットによってポストされたデータは、ファイルに、レコーディング・タイム情報は、各テイク・フォルダに保存する。
ワーキング−ログ−ファイル:レコーディング・プロセスのためのすべての関係情報を保存する。
このファイルは、時間消費あるいはシステム・トラブル・シューティングに関する意見の相違を解消するのに役立つ。
ワーキング−オーディオ−ファイル:現在のレコーディング・オーディオ・ファイル(WAVフォーマットによる)を保存する。
ひとたびレコーディングが行われ、条件を満たす場合、ファイルは、最終オーディオ・ファイルに名前を変える。
アンアクセプテッド−オーディオ−ファイル−01:システムは、ユーザに対し比較のため条件を満たさない記録されたファイルを保存するオプションを与える。最大数およびサイズを、制約のため定義できる。
【0123】
多様な実施例において、サウンド・ストレイクは、内部と外部の2種類の一般的なレポートを作成する。内部レポートは、一般にトラブル・シューティング、使用パターン、消費者分析、特徴デバッギングのために設けられる。外部レポートは、監査、請求書発行、ビジネス管理などを目的としてユーザおよび消費者のために生成されるレポートである。高いレベルでは、レポート作成には3つのステップ、即ち、情報の作成、情報の保存、情報の発表がある。情報の作成の仕方は、ソース・コードに基づく。情報の検索および提示は、データウェア・ハウジング、ウェブ生成レポート、自動的バックグラウンド・プログラム、当業界の通常の技術を有する者には容易に知ることができる多様な方法のいずれかによって、行われる。
【0124】
多様な実施例において、サウンド・ストレイクは、サウンド・ストレイク・プロセスの何らかのステップが不具合になったとき、エラーメッセージを生成する。エラーメッセージは、2つの機能を果たす。
【0125】
第一に、エラーメッセージは、専門的能力に関係なく、ユーザが単純なエラーに対処するための第1防衛線としての役割を担うことを可能にする。これは、技術的サポートのコストを低減し、顧客満足度を向上させる。単純なエラーに関しては、ポップ・アップ・メッセージが表示され、エラーについておよびエラーの通常の修正方法について、やさしい言葉で説明する。このようなエラーメッセージは、以下の項目を含む。
(i) 接続エラー:レコーディング・セッションは、一般にコストが高く、接続については、直ちに対処しなければならない。2人のユーザがファイア・ウォール、プロキシ設定、使用不能ポートなどの問題のため接続できないとき、システムは、その情報とそのエラーを直ちに修正するステップをユーザに提供する必要がある。
(ii) レコーディング準備とレコーディング・エラー:良好なレコーディングには、信号の捕捉とディスクへの書き込みが必要である。タレントのコンピュータの能力によっては、上記の双方を同時に行えば、そのシステムに大きな負担をかけることになりかねない。ディスクへの書き込みにおいて、受容性のレベルによっては一時的な遅れが生じがちであり、信号捕捉は、中断するわけにはいかない。しかし、いかなるプロセスも完全に中断できないので、サウンド・ストレイクは、不注意によるシステムの一時停止に注意を払っており、その分析ができるようになっている。例えば、記録されたサウンドのレベルの減少が検出されたため、レコーディングが大きな影響を受けた場合、サウンド・ストレイクは、メッセージを直ちに生成しなければならない。というのは、セッションが完了したあと、プロデューサが信号捕捉エラーのためセッションが不完全であること、あるいは不十分な品質であることに気がつくといったことが起きる可能性をなくすためである。
(iii) 転送エラー:サウンド・ストレイクは、転送が不完全であったり、中断されたりしたことを検出し、それに対処することが起きることがある。報告という観点からみると、一般に必要なことは、レポートがユーザに対して問題点を明確にかつ即座に伝えることである。そうすることにより、ユーザが接続されている現在のセッションのなかで、もう一度転送を試みることが可能になる。
第2に、エラーがユーザには解決できないほど複雑なとき、メッセージは、問題に速やかに対応し、それを修正するため技術的サポートを与えられるように充分に詳細でなければならない。ロード失敗、サイト・クラッシュ、その他は、技術的サポート要員のための内部レポートという形でログインされる。さらに、ユーザが登録およびサウンド・レコーディング・プロセスを放棄したときトラッキングは製品管理にとって重要であり、提供するサービスのレベルを向上させる。サウンド・ストレイクからの収入は、単に最初に購入することよりも、その利用の仕方に密接に関係しているので、ユーザが経験を積むことが収入の増大に直接の相関がある。
【0126】
上記の内部レポートに加えて、サウンド・ストレイクは、多様な実施例において、以下のタイプを含む外部レポートを生成する。
(i) セッション・サマリ:ユーザは、確認されたセッションの要約の提示を受ける。このページは、セッションに対する今後のすべての参照のためのランディング・ページである。セッション・サマリの情報は、以下の通りであり、指示された関連情報に対するハイパーリンクを含む。即ち、日付、セッションの長さ、プロジェクト名(プロジェクト・サマリ・ページにハイパーリンク設定)、セッション名、プロデューサ名とその連絡情報(アドレス・ブックにハイパーリンク設定)、タレント名と(アドレス・ブックにハイパーリンク設定)、クライアント名とその連絡情報(アドレス・ブックにハイパーリンク設定)、タイトルつきスクリプト、転送されたテイク(適用できる場合、詳細テイク情報にハイパーリンク設定)、書式(組合届け出、請求書発行、その他の文書にハイパーリンク設定)。これらのすべての情報は、データウェア・ハウジング・システムなどが実施されると、適切なフォーマットとデータ型を有するデータベースが妥当なフィールドで満たされるようにするため、生成される。
(ii) プロジェクト・サマリ:ユーザにとっては、サウンド・ストレイクは、セッション中心の仕事をする。しかし、長い時間をかけて、プロデューサは「プロジェクト中心」の体験となる。様々なセッションが、プロジェクトのもとに統合される。これは、クライアントのためにプロジェクトを推進するのがプロデューサの実際の仕事である。イベントが販拡やスポーツなどの短期のイベントであっても、そのイベントをサポートするのに必要なメディアは、単一のセッションにおいて捕捉されるデータよりも大きい。プロデューサが新たなセッションのため既存のプロジェクトを参照するなら、プロジェクトの識別情報は、古いセッションから新しいセッションまで同じでなければならない。
(iii) クライアント・サマリ:プロデューサは、タレントはもとよりクライアント(スタジオ、広告エージェンシなど)を管理するためサウンド・ストレイクを使用する。したがって、サウンド・ストレイクは、クライアント別に活動を要約するレポートを提供する。
(iv) ユーザ・サマリ:1人のプロデューサが複数のクライアントを有しているので、彼らはプロデューサがやり取りしたすべてのユーザにわたる活動を知る必要がある。
【0127】
同様な機能が、他のタイプのユーザに提供されることもある。
【0128】
サウンド・ストレイクは、大衆の方を向くインターネットの存在とASPウェブ・アプリケーションの双方であるので、インタフェースと機能は、新しいユーザであるか、新しくはないが未登録であるユーザかによって異なる。未登録ビジタは、このようなユーザに対して会社の要約、役員のプロフィール、サウンド・ストレイクのサービスの説明を提供する通常のサウンド・ストレイク・サイトにアクセスできる。これらのビジタは、機密情報を保護し、登録済みユーザあるいは許可された連絡のみに指定された情報を保護しながら、登録を求め、有用性を示す目的の制限された機能にもアクセスできる。
【0129】
上述の機能の基礎にある、データのセキュリティ(安全確保)も、重要な考え方である。これは、サウンド・ストレイクが、クレジット・カード、個人の連絡情報のような機密情報を利用するからである。サウンド・ストレイクの取引にとって相応しいセキュリティのためとともに、試みられた安全に対する侵害から守るため監視報告システムを所定の位置になければならない。サウンド・ストレイクの環境のすべてのセキュリティは、現在行われ、将来開発される最善のコンピュータおよびネットワークのセキュリティの慣習に適合しなければならない。サウンド・ストレイクは、クレジット・カード保存、個人データ保存、資産(オーディオ・ファイル保全)保護のために相応しいサイト全域レベルのセキュリティを実施する。サウンド・ストレイクは、ユーザがサウンド・ストレイク・ドメインから出て行くか、設定された時間(例えば、10分間)以上、何もしていない場合、そのユーザを自動的にログアウトする。ユーザは、ログイン名を記憶しているその地域のコンピュータを所有するオプションを与えられる。
【0130】
サウンド・ストレイクのサービスを利用するため、プロデューサは、利用するサービスに対する請求書を発行する目的で彼らの最初のセッションが始まる前に、承認を受けなければならない。いずれかのユーザが、彼らが承認されていないにも拘わらずサウンド・ストレイク・クライアントの名前を使ってサービスの要求を入力したら、プレ・ポピュレイト要求のあるメール・ウィンドウがユーザからの情報要求を受けるとポップ・アップ表示される。そのユーザは、要求された情報を提出し、サウンド・ストレイクは、それを適切なクライアントのIT連絡先に転送する。サウンド・ストレイクは、クライアントに働きかけて判断を要請する。確認を受け取ると、サウンド・ストレイクは、ユーザに対し彼らが承認されたことを伝える。サウンド・ストレイクは、ユーザが請求書を発行する権限がなくなったことをクライアントが通知を出す政策を策定する。サウンド・ストレイクは、ユーザの内訳、請求書を発行する時期、プロジェクトを記載した請求書を毎月クライアントに送付する。クライアントの会計システムは、クライアントが権限を付与した者のリストから除外できていないユーザを把握することができる。
【0131】
最後にセキュリティについては、サウンド・ストレイクが実施するファイル転送と同期アプリケーション制御の方法に対応した既知の方法で対処できる本来的ピア・ツーピア(対等型)セキュリティのリスクが存在する。
【0132】
以上ではサウンド・ストレイクの機能は、各種の検討したユーザの視点から説明してきたが、あとは、図1について既に述べたサーバ130のようなサウンド・ストレイク・サーバの実装について説明する。
【0133】
サウンド・ストレイク・サーバの実装は、様々な実施例において、以下のソフトウェアを使用する。即ちジャバ VM、ジャバ・メディア・フレームワーク、ウインドウズ・パフォーマンス・パック、ネット・バイ・マイクロソフト、ウインドウズ OSのためのSUNおよびIBMによる参照実装ソフトウェア、クイック・タイム・ジャバをインストールしたクイック・タイムである。
この他のFTP操作および拡張マークアップ言語(XMLの構文解析などの様々なサポートは、設計者の選択によって利用可能となった。
【0134】
サウンド・ストレイク・サーバの実装には、リアル・タイム・メディア処理、ストリーミングおよびVoIPなどの多くの努力目標があり、本書は、関連問題に対処する現在利用可能な最善の解決法を提供することを目的としている。解決法のうちのあるものは、実装段階あるいはソフトウェアとハードウェアの機能が今後発展するにしたがって変化していく。
【0135】
本システムは、ユーザが以下の必要な装置および環境を備えていることを前提としている。
(i) 例えば、少なくとも48Khzあるいはオーディオ・データ捕捉のサンプル・レートの近傍をサポートする高品質レコーディング装置
(ii) インターネットに直接接続するブロードバンド・インターネット接続。本設計では、部屋がNETおよび/またはファイア・ウォールの後ろで共有する接続を行うように保たれる。
(iii) 最低の中央処理装置(CPU)速度、メモリ・サイズ、ディスク容量を具備するマシン
【0136】
機能上の目標は、それぞれのシステムがこれらの要件を満たすプロデューサとタレントに高いレコーディング品質と生産性を維持しながら、分散されたそれぞれの場所における作業に対する手頃な解決法を提供することである。音声通信の待ち時間をできるだけ小さくするため、セッションの記録された部分を除く通信は、いずれも低品質フォーマットで送られる。
【0137】
できるだけ多くのOSでサウンド・ストレイクを実装できるように、NETなどの他の実装は容易に考えられるが、ジャバを開発言語として選ぶことができる。しかし、ジャバ環境では、ジャバ・スイングは、現在、表示のレイアウトを行なったりユーザのやり取りを操作するために使われるジャバのグラフィックのインタフェース(GUI)ソリューションの豊富な組合せを提供できる。
【0138】
JMFは、特に差込接続性および「データ・ソース」と「プロセサ」の基礎成分によって、一般的フレキシブルなプラットフォームのオーディオ・ビデオ処理およびストリーミング・サポートを定義する。しかし、サン・マイクロ・システムズおよびIBMが提供する「参照実装」は、マック OS環境においてビデオ・フォーマットのサポートする側面では不十分である。
【0139】
アップルのクイック・タイムは、上記の不十分さを補うようにみえるが、これはウインドウズのためのRTPストリーミング機能が無いので問題解決の完全なソリューションとはなりえず、そのオーディオ捕捉機能は、環境によっては、ウインドウズ・システム上でハードディスクが満杯になる問題を起こす可能性がある。
【0140】
この問題の解決法は、JMFを使ってストリーミングや残りのいろいろなプロセスを処理しながら、クイック・タイムを用いてビデオとオーディオを再生するのである。「ムービ」と「データ・レフ」のようなクイック・タイム・ジャバ・オブジェクトによって実施されるJMF「データ・ソース」を展開することにより上記の2つのコンポーネントがつながる。
【0141】
各種のメディア・フォーマットと複数のOS環境をサポートする複雑さを、単一の静的ソリューションですべてを解決することはできない。したがって、この問題に対処するためダイナミックな実装ファクトリ・デザインが使用される。例えば、ビデオ・プロセシングには、以下を用いる。
VideoTerminal端末=ImplementationFactory.getVideoTerminal(...);
【0142】
実装のためには、実装ファクトリは、ムービ・プレーヤによるビデオ・ターミナル・インターフェースおよびクイック・タイム・ジャバ(登録商標)内の関連クラスを実行させるQTビデオ・ターミナルを返す。ビデオ・ターミナルは、play(),stop(),changePlayRate(...),addMediaChangeListener(...),
notifyMediaChanges(Rate,Time...)のような要求される能力によって定義されるインターフェースである。
【0143】
完全なシステムは、QTビデオ・ターミナル・タイプの代わりにビデオ・ターミナル・タイプあるいは、他の実装タイプを使用する。実装ファクトリは、OSあるいはビデオ・ターミナル・インプリメンテーションを返すビデオ・フォーマットに基づいて決定を下す。これによって、システムのフレキシビリティを劇的に高め、製造開始前に試作品の分解修理を避けられる。このフレキシビリティは、フレッシュ・ビデオ・ターミナルを有効に、あるいは状況によってはより良いリアル・ビデオ・ターミナルを有効にする。これらは、独立して実施でき、関連論理は、システム全体に影響を与えることなしに実装ファクトリで追加することができる。
【0144】
同じソリューションは、他のメディア処理、ストリーミング、ダイナミック通信メカニズム(以下に示す)で使用される。
SoundCapturer=ImplementationFactory.getSoundCapturer(...)
MediaStreamSender=ImplementationFactory.getMediaStreamSender(...)
このような実装のために、実装ファクトリは、常にJMFサウンド・キャプチャおよびJMFステム・センダを返す。いくつかの実装では、NETコンポーネントも使用される。
【0145】
メディア用のメディア同期方法は、ビデオ、オーディオおよび別のシナリオのための関連スクリプトを同期させることを含む。メディア間同期では、第1の選択肢であり、場合によっては、これが適切ではないこともある。したがって、相応しいケースでは、代わりに、更なるプログラミング作業が必要な外部同期を行う。
【0146】
メディア間同期を行うのは、ビデオとオーディオなどの異なるタイプのメディアが同じファイルの異なるトラックに存在するときと、別のインメディア・トラックのように外部ソースから再生できるときである。この場合、メディア・プレーヤは、各トラックのメディア・タイムに基づいて、それ自身を同期させる。適切な実装のケースは、テイクのためサウンドが記録されており、オーディオ・ファイルが点検のためプロデューサに送られたときである。このオーディオ・ファイルは、オーディオに対応するビデオにとっての外部トラックと定義できる。外部トラックが何らかの理由で定義できる場合、ビデオとオーディオは、合体あるいは多重化が可能であり、合体によって別なファイルを形成する。
【0147】
外部同期は、1つのメディアの再生を制御するスレッドを多数設けるケースを指している。すべてのメディア・タイプのスタート・タイムは、厳密に同期を行い、それぞれのスレッドは、関連したメディア・タイプに基づいて独立して再生される。第1のアクティブ・メディア・タイプ/スレッドを各シナリオごとに定義し、他のスレッドを制御し、それらのスレッドにタイム・ジャンプや再生速度の変化を伝える。例えば、ユーザは、プレイ・コントローラを使用してビデオ再生の位置と速度を変化させる。適切な実装のケースは、レコーディングのためにスクリプトを表示することである。この場合、ビデオ・ターミナルは、第1のスレッドを想定し、「スクリプト・ビューワ」あるいは「ボイス・オーバ・カラオケ」に時間と再生速度の変化をしらせる。
【0148】
クイック・タイムが、ビデオ、オーディオとテキストのメディア間同期をサポートするが、実装は、アップル・ムービ・ファイル・フォーマットに限定されている。したがって、外部同期は、一般にスクリプト表示にはより適切なメカニズムである。
【0149】
べつの適切な実装は、プロデューサのコンピュータにおいてリアル・タイムでビデオを再生することである。この場合、ビデオ・ターミナルが第2の(パッシブ)スレッドを想定しているとき、ストリーミングのオーディオ・ハンドラは、第1のスレッドを想定する。これは、一時的ないし永続的なジッタあるいは通信中断のようなケースを扱うために計画される。クイック・タイムは、遠方のソースからのトラック再生をサポートし、上記のケースは、メディア間同期によって実施される。
【0150】
ビデオ・プレーヤとオーディオ・プレーヤは、リソースをローカルのディスクに保存するか遠方の場所からストリーミングで送られてくるかにかかわらず、他のコンポーネントがリソースを利用することを可能にする透明メディア・リソース・スウィングを実施する。例えば、タレントがレコーディングをしているとき、オーディオ・データは、ネットワークを通してストリーミングする。レコーディングが終了すると、高品質オーディオ・データをプロデューサのコンピュータに送信することが可能である。いずれのケースでも、コンポーネントは、このことに無関心で動作し、遠隔データあるいはローカル・オーディオ・ファイルを再生する、ただし、出力オーディオ品質は、後者のケースのほうがよい。
【0151】
ビデオの場合、タレントがビデオをプレビュすると、ビデオがネットワークを通して流れてくる。レコーディング・プロセスが終了したあとは、ビデオは、タレントのコンピュータにファイルとして存在する。いずれの場合も、ビデオの再生は、同じであるが、前者では、ネットワークの状態がよくないときは、ジッタを発生する。
【0152】
メディア操作のほかに、認証、通信、ユーザ・インタフェース(UI)、サポートなどの機能を実行するために様々なモジュールが提供される。SIP認証&調整モジュールは、SIPが容易に対応できるログイン認証を行うハイパテキスト転送プロトコル(HTTP)を使用する。暗号化のため、HTTPは、HTTPSに交換される。SIPは、SIPの簡単さの点でH.323のような他のプロトコルおよび実装と問題追跡において典型的にやさしいプラン・テキスト・フォーマットよりも望ましい。SIPクライアントは、面倒な電話サービスを処理する代わりにレコーディングのための初期調整だけを行う。サウンド・ストレイク・サイトと連携して動作するSIPプロキシ・サーバは、参加者からのスピン・インバイト、ユーザ検索機能、更新、質問位置情報を扱うため提供される。
【0153】
VoIP接続の別の可能性のある実装は、X−PROあるいはXTEN,Inc.のIBEAMなどのライセンスを受けた第三者の「ソフトフォン」モジュールあるいはサウンド・ストレイクに搭載可能な同様な製品を使用する可能性がある。VoIP機能に対する第3の提案は、サウンド・ストレイクにおけるVONAGEとNET2PHONEのような本格的VoIPソリューションを構築し、サウンド・ストレイクがプロバイダのソフトウェアを制御できるインタフェースを設計することを含む。
【0154】
通信ハンドリング・モジュールは、センダ・タイプとレシーバ・タイプとを分け、これらは、更に、ストリーミングと非ストリーミングに分類される。前者は、RTPプロトコル・ハンドリングを指す。センダは、接続をイニシエートするとか、データをレシーバに送るようなアクティブ・ジョブを行う。レシーバは、受動的にポートに配信あるいはリクエストがあるかを聞く。自己充足の目的のために、レシーバは、他の方法のコールがなくても、それが生成されたとき聞くことを始める、自動的に何時作られるかを聞き始める。本書は、センダとレシーバが通信ハンドラに要求あるいは登録してポートおよびプロトコル情報を得ることを推奨する。センダとレシーバは、定期的に通信ハンドラにハンド・シェーク状態を知らせる。ストリーミングするセンダとレシーバの通信は、保証された送信(即ち、送信は、TCPによるかUDPによるか)を要求するか否かを示すフラグを有する。
【0155】
UIコンポーネント・モジュールは、ディスプレイ表示とイベント処理を管理する。すべてのコンポーネントは、他のモジュー内の方法を特にネットワーク関連の要求をコールしながら、長い中断に備える。画面のフリージングがタイム・アウトよりも長く続かないように、予め定義されたタイム・アウト値を使用する。処理結果を待ちながら、UIコンポーネントが、他のコンポーネントをフリーズさせてはならない。場合によっては、時計スレッドもしくは独立プロセス・スレッドを使用できる。
【0156】
サポーティング・モジュールは、予め定義した実装クラスもしくは何らかの静的情報を有するオブジェクトを返すエンバイロメント・テラ実装ファクトリのようなサポート・クラスを定義する。この他のサポート・クラスは、リソース・オーガナイザおよびレコーディング・ステータス・リポータを含む。リソース・オーガナイザは、プロジェクト・フォルダ構造を理解し、他のコンポーネントが記録されたオーディオ・ファイルのようなリソースを探しあるいは保存する。これは、カスタムの「ファイル・チューザ」を使ってプロデューサおよびタレントが資料を検討するのを助ける。レコーディング・ステータス・リポータは、消費時間をプロデューサとサウンド・ストレイクに報告する。この仕様書は、ポスティングのためのXMLメッセージを想定しているが、他のフォーマットを使うこともできる。
【0157】
すべてのジャバ・コードは、主要パッケージ「サウンド・ストレイク」の下にパッケージされる。ファイル名のコンフリクトを避けるためファイル・タイプを参照するネーミングの慣習にしたがって、すべてのサポート・ファイルが生成される。様々なジャバ・パッケージは、サブ・パッケージにグループ分けされる各クラスおよびインタフェースを含めて提供される。イベントは、JMFで定義されるイベントであり、設計の選択肢としてのカスタム・イベントを含む。
【0158】
レコーディングのサウンドは、サンプル・レートが少なくとも48kHz、ビット深度10(高解像度テレビジョン規格における)で、WAVファイルとして記録し保存される。捕捉ハードウェアが、48kHzをサポートしないとき、サンプル・レートは、サポートされたレートが分かるまで44.1,32,22.254,22.05,16,11.127,11.025,8kHzの順序で低下する。
【0159】
ユーザは、たとえベストでなくても、別の好ましいサンプル・レートを選ぶことが許される。データ捕捉機能が44.1kHz以上をサポートできなければ、オーディオ品質問題について警告メッセージをユーザに提示し、ユーザが捕捉ハードウェアをアップ・グレードすることを推奨する。高速配信のためとオーディオ送信の遅れを最小にするため、88ビット・モノラルを使って応答しリアル・タイム・レコーディング送信を行い、信頼性があるが低品質の配信を提供する。
【0160】
それぞれいくらかバラつきがあるが、多くの種類のビデオ・フォーマットおよび符号化/復号化機能が利用できる。選択したビデオ再生およびストリーミング・ソリューション、クイック・タイムおよびJMF機能は、多くの一般的なビデオ・フォーマットを操作することができる。以下のフォーマットおよび符号化/復号化機能は、ビデオにおいてサポートされる。即ち、AVI(マイクロソフトのオーディオ・ビデオ・インターリーブ)、MOV(アップルのクイック・タイム・ムービ・ファイル・エクステンション)、MPEG(モーション・ピクチャ・エキスパート・グループによるこの規格のすべてのバージョン)、シネパック、ソレムソン(ビデオ3)である。
【0161】
サウンド・ストレイク・サイトおよびプロデューサ/タレント・コンポーネントは、様々なユーザの間でメッセージのやり取りの役割を担っている。SIP招待および応答は、ミーティング・セッションを開始し、場所、ポートおよびレコーディング関連の情報をユーザ間で交換するために使用され、図5に示すフォーマット構成される。図6に示すフォーマットで構成されるテイク/スクリプト定義メッセージは、テイク定義およびスクリプトの内容を定義し、同期させるためにプロデューサからタレントに配信される。レコーディング・タイム・ポスティング・メッセージは、認証と支払いの目的でタレントのコンピュータからサウンド・ストレイク・サイトに送られ、図7に示す例として示すフォーマットで構成される。
【0162】
サウンド・ストレイクのサービスは、スタンド・アロン・アプリケーションあるいはインターネット上の第三者によるサービスとしてプロデューサとタレントに提供される。後者の場合には、サウンド・ストレイクの機能に対するアクセスは、電話会社がいつも行っているように、使用した分数は、上述の時間決定機能から決定されて、使用分ベースでいずれかの当事者に請求する。更に、制作スタッフ、タレントあるいは両者を月ごとの(もしくは他の期間)契約することが、オン・ライン・サービスにアクセスするために必要である。アクセスに対する支払いは、既知の様々なオン・ライン取引プロセスのいずれかを利用して達成可能である。制作スタッフとタレントの間に発生する支払いは、上述の開示を検討されれば容易に理解されるように、時間決定機能によって決定される。
【0163】
サウンド・ストレイクは、ソフトウェア・ゲーム・メーカのパソコンやその他のゲーム・プラットフォームの制作はもとより、ビデオ・ゲーム、ラジオ・テレビジョン業界(コマーシャル、広告、公共広告、エンターテインメント・プログラムの制作)、映画業界(映画制作および吹き替え)、会社の販売および訓練(トレーニング・セミナ他)、インターネット・サービス・プロバイダ(ウェブ広告)において有益に使用されている。サウンド・ストレイクのこの他の利用は、上述の開示を精査すれば容易に理解される。
【0164】
上掲の説明はジャバ・ベースの実装に関して述べてきたが、この他の開発言語や環境を、マイクロソフトのネットなどのサウンド・ストレイク機能を実施への適応が簡単であることは容易に考えられる。
【0165】
これまで特に最善の手法を述べてきたが、その記述は、例を示すためのものであり、形態および詳細にわたって、これ以外の変形は、当業者によって、添付した請求項に定義した手法の趣旨および範囲を逸脱することなしに行うことが可能であることは理解される。
【図面の簡単な説明】
【0166】
本開示のほかの側面は、添付図面を参照して下記の様々な実施例の詳細な説明を検討することにより更に容易に理解される。
【図1】本発明のプロセスが展開される例として示すコンピュータ・ネットワークのブロック図である。
【図2】図1のネットワークで行う遠隔のレコーディングおよび管理の例として示すプロセスのフローチャートである。
【図3】図2の遠隔レコーディングと管理に使用される例として示す画面表示を示す。
【図4】図2の遠隔レコーディングと管理に使用されるソフトウェアの構造上の階層と部分の例としての表現である。
【図5】図1のネットワーク上でやり取りされるSIP要求のための例としてのフォ−マットの1つの表現である。
【図6】図1のネットワーク上でやり取りされるテイクもしくはスクリプト定義メッセージの例としてのフォーマットの1つの表現である。
【図7】図1のネットワーク上でやり取りされるレコーディング・タイム・ポスティング・メッセージのための例として示すフォーマットの1つの表現である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれネットワークに接続されたコンピュータを有する制作者およびタレントがかかわる遠隔ボイス・オーバもしくは音楽の制作を管理する方法であって、セッションにおいてタレントが生成するテイクをレコーディングする高品質データ・フォーマットを確立し、セッションにおいて、制作者とタレントの間の口頭によるコメントを送信する低品質データ・フォーマットを確立し、セッションの長さを選択することを特徴とする前記方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、更にタレントから制作者に対しリアル・タイムで高品質データ・フォーマットによりテイクをストリーミングすることを含む前記方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法であって、高品質データ・フォーマットでテイクをタレントのコンピュータ上に保存することを含む前記方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法であって、更に、テイクは、バイ・テイクであると制作者からの指示を受信し、
記憶されたテイクがタレントから制作者に転送し、
転送が完了したら、記憶されたテイクをタレントのコンピュータから消去することを含む前記方法。
【請求項5】
請求項3記載の方法であって、更にテイクがバイ・テイクではないとの制作者からの指示を受信し、
セッションが完了したら、記憶されたテイクをタレントのコンピュータから消去することを含む前記方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法であって、更に、テイクに対応するオーディオ・ビジュアル・データを制作者からタレントに送信し、
オーディオ・ビジュアル・データをタレントに提供し、
リアル・タイムでオーディオ・ビジュアル・データに合わせてテイクをレコーディングし、
オーディオ・ビジュアル・データにテイクを同期させることを含む前記方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法であって、前記送信は、オーディオ・ビジュアル・データを第2の高品質データ・フォーマットで送信することを含む前記方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法であって、更に、セッションに対応するオーディオ・ビジュアル・データおよびスクリプト・データを送信し、
カラオケのようにオーディオ・ビジュアル・データとスクリプト・データを表示することを含む前記方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法であって、更に、テイクのレコーディングを開始し、
テイク中に制作者からタレントへの口頭でのコメントを低品質データ・フォーマットによる送信によりテイクを中断し、
中断時にテイクのレコーディングを終了し、
レコーディングのコピーをタレントのコンピュータに保存することを含む前記方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法であって、更に、セッションの終了後、タレントのコンピュータからレコーディングを消去することを含む前記方法。
【請求項11】
請求項9記載の方法であって、更に、制作者からテイク転送の要求を受け取り、
タレントから制作者にレコーディングを送信することを含む前記方法。
【請求項12】
請求項1記載の方法であって、更に、テイクを高品質データ・フォーマットでタレントのコンピュータに保存することを含む前記方法。
【請求項13】
請求項1記載の方法であって、高品質データおよび低品質データは、電話線、ケーブル・モデム線、デジタル加入者線、統合サービス・デジタル通信網線、T−1回線、T−2回線、T−3回線の少なくともいずれかにより送信される前記方法。
【請求項14】
請求項1記載の方法であって、高品質データおよび低品質データは、1つのネットワーク接続によって送信される前記方法。
【請求項15】
請求項1記載の方法であって、高品質データおよび低品質データは、別々のネットワーク接続によって送信される前記方法。
【請求項16】
請求項1記載の方法であって、セッションの終了の指示を受信し、
セッションのタイミングに基づいて生じる制作者からの支払額を決定することを含む前記方法。
【請求項17】
それぞれネットワークに遠隔で接続されたコンピュータを有する制作者およびタレントがかかわる制作を管理する方法であって、
セッション中にタレントが生成する少なくとも1つのテイクをストリーミングしレコーディングする高品質データ・フォ−マットを確立し、
セッション中における制作者とタレントの間の口頭でのコメントを送信し、
少なくとも1つのテイクに対応するオーディオ・ビジュアル・データを制作者からタレントに送信し、
オーディオ・ビジュアル・データをタレントに提供し、
リアル・タイムでオーディオ・ビジュアル・データに合わせてテイクをレコーディングし、
テイクのレコーディングをオーディオ・ビジュアル・データに同期させる前記方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法であって、更に、セッションの長さを選択し、
長さの選択に基づいて発生する制作者からの支払額を決定することを含む前記方法。
【請求項19】
それぞれネットワークを通して接続されたコンピュータを有する製作者およびタレントがかかわる遠隔ボイス・オーバもしくは音楽の制作を管理する方法であって、
セッションにおいてタレントが生成するテイクをレコーディングする高品質データ・フォーマットを確立し、
セッション中において制作者とタレントの間の口頭でのコメントを低品質データ・フォーマットで送信し、
テイクのレコーディングを開始し、
テイク中に制作者からタレントへの口頭でのコメントを低品質データ・フォーマットによる送信によりテイクを中断し、
中断を受けてテイクのレコーディングを自動的に終了し保存する前記方法。
【請求項20】
請求項19記載の方法であって、更に、セッションの長さを選択し、
選択に基づいて生じる制作者からの支払額を決定する前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−517305(P2008−517305A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−533763(P2007−533763)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/034850
【国際公開番号】WO2006/037053
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(507096205)
【Fターム(参考)】