説明

遠隔作業支援システム、遠隔作業支援方法、及び、接続管理サーバ

【課題】複数の遠隔作業端末間で的確な環境情報の共有が可能な多地点における遠隔作業支援システム及び方法を提供すること。
【解決手段】遠隔作業支援システムは100、ネットワーク9を介して複数の情報端末の間にマルチメディア情報を共有するための通信接続を確立させる接続管理サーバ10と、遠隔作業端末5と、作業指示端末4と、環境情報を送信可能な情報端末である環境情報取得装置6と、を備える。接続管理サーバ10は、遠隔作業端末5と作業指示端末4の間に第1の通信接続が確立している状態で、遠隔作業端末5と環境情報取得装置6の間に第2の通信接続を確立させる。その後、環境情報取得装置6は、遠隔作業端末5に対して環境情報を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔作業支援システム、遠隔作業支援方法、及び、接続管理サーバに関し、特に多地点における複数の遠隔作業端末間での接続切替を行う遠隔作業支援システム、遠隔作業支援方法、及び、接続管理サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、遠隔地で作業を行う遠隔作業者に対して、作業指示者がその作業を指示、管理する遠隔作業支援を行うために、使用する端末の間で音声、映像等のマルチメディア情報である環境情報をリアルタイムに共有することが可能となっている。このような遠隔作業支援に関連する技術として、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載のものがある。
【0003】
特許文献1に記載の技術は、遠隔作業端末及び作業指示端末の間で、ネットワークを介して、相互にマルチメディア情報を送受信し、遠隔作業端末及び作業指示端末に、それぞれが受信したマルチメディア情報を表示することにより情報共有するものである。さらに、作業指示端末が遠隔作業端末に対して、ネットワークを介して、作業指示者の作業指示を通知するものである。
【0004】
特許文献1に記載の遠隔作業支援システムを適用した例は、図11(a)に示すことができる。ここで、遠隔作業支援システムは、遠隔作業者が装着するHMD(Head Mounted Display)521を搭載した遠隔作業端末520、同様に、HMD531を搭載した遠隔作業端末530、及び、HMD541を搭載した遠隔作業端末540と、作業指示者が操作する作業指示端末420とを含む。通信M412は、作業指示端末420と遠隔作業端末520との間でのマルチメディア情報の通信を示す。同様に、通信M413及び通信M414は、作業指示端末420と遠隔作業端末530及び遠隔作業端末540、それぞれとの間のマルチメディア情報の通信を示す。
【0005】
図11(b)は、通信M412の例を示す図である。通信M412aは、作業指示端末420から遠隔作業端末520への送信を示す。通信M412aの内容は、画像、映像、テキスト等であり、遠隔作業端末520で受信後、HMD521に表示される。通信M412bは、遠隔作業端末520から作業指示端末420への送信を示す。通信M412bの内容は、HMD521で撮影された映像情報であり、作業指示端末420で受信後、作業指示端末420の画面(不図示)に表示される。
【0006】
このように、遠隔作業支援に関連する技術では、遠隔作業端末及び作業指示端末の間でのマルチメディア情報の共有を行い、さらに共有した情報に指示内容を付加して遠隔作業者へ送信することにより支援している。そのため、作業指示端末は、図11のように複数の遠隔作業端末の環境情報を受信し、把握している。
【0007】
特許文献2に記載の技術は、遠隔作業端末及び作業指示端末の間で、ネットワークを介して、相互にマルチメディア情報を共有するものである。さらに、ネットワークに接続されたデータベースに対して、作業指示端末から検索を行い、検索結果を遠隔作業端末に通知するものである。
【特許文献1】特開2006−163731号公報
【特許文献2】特開2002−132487号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の技術は、遠隔作業端末及び作業指示端末の間での1対1の情報共有を行うことができるが、遠隔作業端末が、他の遠隔地の環境情報を共有することができないという課題がある。特許文献1及び特許文献2に記載の遠隔作業支援システムにおいて、作業指示端末は、各遠隔作業端末からの環境情報を受信することで、全体の状況を集約し、一元管理することが可能である。しかし、作業指示端末がボトルネックとなり、各遠隔作業端末がリアルタイムな情報共有ができない可能性がある。それは、遠隔作業端末においては、作業指示端末からの情報のみを受信するため、連携して作業を行わなければならない他の遠隔作業者の状況を知るには、作業指示端末からの指示を待たねばならず、作業効率が低くなり、さらには、作業安全が確保できない恐れがある。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、複数の遠隔作業端末間での接続切替を容易にすることで、的確な環境情報の共有を可能とする、多地点における遠隔作業支援システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかる遠隔作業支援システムは、ネットワークを介して複数の情報端末の間にマルチメディア情報を共有するための通信接続を確立させる接続管理サーバと、第1の遠隔作業者により操作され、前記マルチメディア情報を送受信可能な情報端末である第1の遠隔作業端末と、前記第1の遠隔作業者に作業指示を出す作業指示者により操作され、前記マルチメディア情報を送受信可能な情報端末である作業指示端末と、前記第1の遠隔作業者が行う遠隔作業に関連するマルチメディア情報である環境情報を取得し、前記環境情報を送信可能な情報端末である第1の環境情報取得装置と、を備えるものである。
前記接続管理サーバは、前記第1の遠隔作業端末と前記作業指示端末の間に第1の通信接続が確立している状態で、前記第1の遠隔作業端末と前記第1の環境情報取得装置の間に第2の通信接続を確立させる。その後、前記第1の環境情報取得装置は、前記第1の遠隔作業端末に対して前記環境情報を送信する。
【0011】
本発明にかかる遠隔作業支援方法は、第1の遠隔作業者により操作され、マルチメディア情報を送受信可能な情報端末である第1の遠隔作業端末と、前記第1の遠隔作業者に作業指示を出す作業指示者により操作され、前記マルチメディア情報を送受信可能な情報端末である作業指示端末と、を備え、前記第1の遠隔作業端末と前記作業指示端末の間で、ネットワークを介してマルチメディア情報を送受信するための通信接続を確立して情報共有を行うものである。前記第1の遠隔作業端末と前記作業指示端末の間に第1の通信接続が確立している状態で、前記第1の遠隔作業者が行う遠隔作業に関連するマルチメディア情報である環境情報を取得し、前記環境情報を送信可能な情報端末である第1の環境情報取得装置と、前記第1の遠隔作業端末との間に第2の通信接続を確立し、前記第1の環境情報取得装置から前記第1の遠隔作業端末へ前記環境情報を送信する。
【0012】
本発明にかかる接続管理サーバは、第1の遠隔作業者により操作され、マルチメディア情報を送受信可能な情報端末である第1の遠隔作業端末と、前記第1の遠隔作業者に作業指示を出す作業指示者により操作され、前記マルチメディア情報を送受信可能な情報端末である作業指示端末と、前記第1の遠隔作業者が行う遠隔作業に関連するマルチメディア情報である環境情報を取得し、前記環境情報を送信可能な情報端末である第1の環境情報取得装置とのそれぞれとネットワークを介して接続され、複数の情報端末の間にマルチメディア情報を共有するための通信接続を確立させるものである。前記第1の遠隔作業端末と前記作業指示端末の間に第1の通信接続が確立している状態で、前記第1の遠隔作業端末と前記第1の環境情報取得装置の間に第2の通信接続を確立させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、複数の遠隔作業端末間で的確な環境情報の共有が可能な、多地点における遠隔作業支援システム及び方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。
【0015】
発明の実施例1.
図1は、本発明の実施例にかかる遠隔作業支援システム100の全体構成を示すブロック図である。遠隔作業支援システム100は、サーバ10と、作業指示端末4と、遠隔作業端末5と、環境情報取得装置6とが、ネットワーク9を介して接続されている。遠隔作業端末5及び環境情報取得装置6は、作業指示端末4から離れた作業場所(遠隔地)に存在し、共に遠隔作業に用いられるものである。
【0016】
サーバ10は、WEBAPL(ウェブアプリケーション)サーバ1と、SIP(Session Initiation Protocol)呼制御サーバ2と、SIP呼処理サーバ3とを含む。尚、サーバ10は、典型的なコンピュータシステムで実現されていればよい。又は、サーバ10は、ネットワーク9に接続された複数のコンピュータシステムに分割して処理されても構わない。
【0017】
WEBAPLサーバ1は、WEB提供部11、WEBAPLインタフェース(I/F)への要求部12、通信部13を備えている。WEB提供部11は、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)プロトコル等によるWEBコンテンツを提供する機能を備えている。尚、当該WEBコンテンツは、マルチメディア情報を共有するための接続先SIPクライアントと、マルチメディア情報種別の入力欄を設けている。WEBAPLIFへの要求部12は、SIP呼制御サーバ2のWEBAPLインタフェース(I/F)部22と通信し、セッションの接続・切り替え(接続切替)を要求する機能を備えている。通信部13はネットワーク9を通じて他のサーバまたはクライアントと通信する機能を備えている。
【0018】
SIP呼制御サーバ2は、SIP呼制御部21、WEBAPLI/F部22、通信部23を備えている。SIP呼制御部21は、SIP呼処理サーバ3とSIPによる通信を行う機能を備えている。WEBAPLI/F部22はWEBAPLサーバ1から受信するセッションの接続切替要求を受信し、SIPの要求に変換する機能を備えている。通信部23は、ネットワーク9を通じて他のサーバまたはクライアントと通信する機能を備えている。
【0019】
尚、WEBAPLI/Fへの要求部12と、WEBAPLI/F部22との通信は、例えば、SOAP(Simple Object Access Protocol)通信によるWEBサービス技術により実現されるものであればよい。
【0020】
SIP呼処理サーバ3は、SIP呼処理部31と通信部32を備えている。SIP呼処理部31は、SIP呼制御部21、SIP呼処理部42、SIP呼処理部52、SIP呼処理部62と、SIPによる通信を行う機能を備えている。通信部32は、ネットワーク9を通じて他のサーバまたはクライアントと通信する機能を備えている。
【0021】
作業指示端末4は、作業指示者が遠隔作業支援に使用するHTTP及びSIPクライアント端末である。作業指示端末4は、通信部41、SIP呼処理部42、指示内容入力部43、メディア入力部44、メディア出力部45、WEB入力部46、マイク47、カメラ48、情報端末49、キーボード410、マウス411を備えている。
【0022】
通信部41は、ネットワーク9を通じて他のサーバまたはクライアントと通信する機能を備えている。SIP呼処理部42は、SIP呼処理サーバ3のSIP呼処理部31とSIPによる通信を行う機能を備えている。指示内容入力部43は、マイク47、カメラ48、キーボード410及びマウス411を用いて、作業指示情報を入力する機能を備えている。メディア入力部44は、マイク47、カメラ48及び情報端末49からマルチメディア情報を入力する機能を備えている。メディア出力部45は、受信したメディア情報を情報端末49に出力する機能を備えている。WEB入力部46は、WEBAPLサーバ1が提供しているWEBコンテンツに対して送信する要求を入力する機能を備えている。マイク47、カメラ48、キーボード410及びマウス411は、それぞれ他の物理的なハードウェアに内包されても良い。
【0023】
遠隔作業端末5は、遠隔作業者が遠隔作業に使用するHTTP及びSIPクライアント端末である。遠隔作業端末5は、通信部51、SIP呼処理部52、メディア入力部53、メディア出力部54、WEB入力部55、マイク57、カメラ58、HMD59を備えている。
【0024】
通信部51は、ネットワーク9を通じて他のサーバまたはクライアントと通信する機能を備えている。SIP呼処理部52は、SIP呼処理サーバ3のSIP呼処理部31とSIPによる通信を行う機能を備えている。メディア入力部53は、マイク57、カメラ58及びHMD59からマルチメディア情報を入力する機能を備えている。メディア出力部54は、受信したメディア情報をHMD59に出力する機能を備えている。WEB入力部55はWEBAPLサーバ1が提供しているWEBコンテンツに対して送信する要求を入力する機能を備えている。マイク57、カメラ58及びHMD59は、それぞれ他の物理的なハードウェアに内包されても良い。
【0025】
環境情報取得装置6は、遠隔作業端末5とは離れた場所に位置し、環境情報を取得するSIPクライアント装置である。ここで、環境情報とは、作業環境の周囲から取得される、作業に必要とされる情報である。環境情報取得装置6は、通信部61、SIP呼処理部62、メディア入力部63、マイク67、カメラ68を備えている。
ネットワーク9は、インターネット、公衆網、専用線、移動体通信網等のネットワークである。
【0026】
通信部61は、ネットワーク9を通じて他のサーバまたはクライアントと通信する機能を備えている。SIP呼処理部62は、SIP呼処理サーバ3のSIP呼処理部31とSIPによる通信を行う機能を備えている。メディア入力部63は、マイク67、カメラ68からマルチメディア情報を入力する機能を備えている。マイク67、カメラ68は、それぞれ他の物理的なハードウェアに内包されても良い。
【0027】
本実施例では、マルチメディア情報の共有にSIPを用いる。これにより、SIPクライアント間で様々なマルチメディア情報の共有が可能となる。また、SIPクライアント間で、複数のマルチメディア情報の共有が可能である。尚、SIP通信に関する処理は、公知技術としてよく知られているものであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0028】
ここで、遠隔作業端末5のカメラ58で撮影される映像情報を作業指示端末4と共有する例を説明する。まず、作業指示端末4又は遠隔作業端末5から、映像情報を共有するための接続要求がサーバ10に対して行われる。次に、サーバ10のSIP呼処理サーバ3は、SIP呼処理部42及びSIP呼処理部52との接続処理を中継し、映像情報における作業指示端末4及び遠隔作業端末5の間でのセッションを確立する。セッションの確立によりデータ通信経路が決まる。SIP呼処理サーバ3は、SIP呼処理部42及びSIP呼処理部52へデータ通信経路を通知する。その後、作業指示端末4及び遠隔作業端末5の間で直接、映像情報の送受信が行われ、映像情報が共有される。また、セッションは、作業指示端末4及び遠隔作業端末5のいずれか一方が通信を終了するか、又は、一定時間通信が行われないことにより、SIP呼処理サーバ3により破棄される。
【0029】
図2は、本発明の実施例にかかる遠隔作業支援システム100のシーケンス図である。ここでは、作業指示端末4及び遠隔作業端末5の間は、音声情報及び映像情報におけるセッションM111が確立しているものとする。つまり、作業指示端末4は、遠隔作業端末5に対して、遠隔作業支援を行っている状態である。ここで、音声情報は、マイク47及びマイク57から入力された音声である。また、映像情報は、カメラ48及びカメラ58で撮影された映像、及び、作業指示端末4内で取得済みの動画像データであるとする。
【0030】
以下では、この状態から、作業指示端末4及び遠隔作業端末5の間での映像情報のセッションのみを接続切替して、環境情報取得装置6が取得している映像情報を、作業指示端末4と遠隔作業端末5とに表示する流れについて説明する。
【0031】
まず、作業指示端末4は、WEBAPLサーバ1に対して、環境情報取得装置6と映像情報におけるセッション確立のための接続要求を行う(S101)。具体的には、作業指示端末4は、WEB入力部46からWEB提供部11の提供するWEBコンテンツに対して、接続先SIPクライアントとして作業指示端末4並びに環境情報取得装置6、及び、遠隔作業端末5並びに環境情報取得装置6を、また、マルチメディア情報種別として映像情報を、接続要求情報として入力する。作業指示端末4は、通信部41からネットワーク9を介して、WEBAPLサーバ1に向けて前記接続要求情報を含むHTTPリクエスト(接続切替要求)を送信する。
【0032】
次に、WEBAPLサーバ1は、受信した接続切替要求をSIP呼制御サーバ2へ送信する(S102)。具体的には、WEBAPLサーバ1は、通信部13にて前記HTTPリクエストを受信し、WEB提供部11にて前記HTTPリクエストに含まれる接続要求情報を抽出し、WEBAPLI/Fへの要求部12にて、接続要求情報をSOAPメッセージ(接続切替要求)に変換して、通信部13にてSIP呼制御サーバ2へ送信する。
【0033】
続いて、SIP呼制御サーバ2は、受信した接続切替要求をSIP呼処理サーバ3へ送信する(S103)。具体的には、まず、SIP呼制御サーバ2は、通信部23にて前記SOAPメッセージを受信し、WEBAPLI/F部22にてSOAPメッセージに含まれる接続要求を抽出する。次に、SIP呼制御サーバ2は、SIP呼制御部21にて前記接続要求から、作業指示端末4及び環境情報取得装置6の間で映像情報におけるセッションを確立する接続要求であるSIPメッセージと、遠隔作業端末5及び環境情報取得装置6の間で映像情報におけるセッションを確立する接続要求であるSIPメッセージとを生成する。その後、SIP呼制御サーバ2は、前記SIPメッセージを通信部23にてSIP呼処理サーバ3へ送信する。
【0034】
続いて、SIP呼処理サーバ3は、受信したSIPメッセージから、各セッションを確立するために、必要な宛先へ接続要求を送信する。SIP呼処理サーバ3は、通信部32にて前記SIPメッセージを受信し、SIP呼処理部31にてSIPメッセージを解析し、接続要求を生成する。ここでは、4つの接続要求が生成される。尚、以降、S104乃至S107の処理順序は、以下の説明の順番に限らない。
【0035】
まず、作業指示端末4及び環境情報取得装置6の間で映像情報におけるセッションを確立する処理を説明する。SIP呼処理サーバ3は、SIP呼処理部31にて、作業指示端末4が環境情報取得装置6と映像情報におけるセッションを確立する接続要求を生成し、通信部32にて作業指示端末4へ送信する(S104)。ここでは、作業指示端末4において、既に遠隔作業端末5との映像情報におけるセッションが確立しているため、接続切替要求とする。尚、映像情報におけるセッションは、一つの端末において、複数確立しても構わない。そのため、以降で、接続切替要求としているものは、接続要求であってもよい。また、SIP呼処理サーバ3は、SIP呼処理部31にて、環境情報取得装置6が作業指示端末4と映像情報におけるセッションを確立する接続要求を生成し、通信部32にて環境情報取得装置6へ送信する(S105)。
【0036】
この後、作業指示端末4及び環境情報取得装置6は、それぞれ接続要求を受信し、SIP呼処理サーバ3を介したSIP通信を行うことで、作業指示端末4及び環境情報取得装置6の間で映像情報におけるセッションM112を確立する。尚、セッションの確立に関する処理は、公知技術としてよく知られているものであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0037】
次に、遠隔作業端末5及び環境情報取得装置6の間で映像情報におけるセッションを確立する処理を説明する。SIP呼処理サーバ3は、SIP呼処理部31にて、遠隔作業端末5が環境情報取得装置6と映像情報におけるセッションを確立する接続要求を生成し、通信部32にて遠隔作業端末5へ送信する(S106)。ここでは、遠隔作業端末5において、既に作業指示端末4との映像情報におけるセッションが確立しているため、接続切替要求とする。また、SIP呼処理サーバ3は、SIP呼処理部31にて、環境情報取得装置6が遠隔作業端末5と映像情報におけるセッションを確立する接続要求を生成し、通信部32にて環境情報取得装置6へ送信する(S107)。
【0038】
この後、遠隔作業端末5及び環境情報取得装置6は、それぞれ接続要求を受信し、SIP呼処理サーバ3を介したSIP通信を行うことで、遠隔作業端末5及び環境情報取得装置6の間で映像情報におけるセッションM113を確立する。
【0039】
また、セッションM112及びM113が確立することにより、セッションM111は、作業指示端末4及び遠隔作業端末5の間で音声情報におけるセッションM114となる。
【0040】
これにより、環境情報取得装置6のカメラ68で撮影される映像情報は、セッションM112及びM113により作業指示端末4及び遠隔作業端末5の間で共有されることになる。また、セッションM114により、作業指示端末4及び遠隔作業端末5の間での音声情報の共有は維持される。そのため、作業指示者及び遠隔作業者は、共に遠隔地である環境情報取得装置6付近の映像情報を見ながら、音声情報によりコミュニケーションを取ることができ、より効果的な遠隔作業支援を行うことができる。
【0041】
尚、ここでは、環境情報取得装置6が取得している映像情報を、作業指示端末4と遠隔作業端末5とに表示するようにしたが、環境情報取得装置6がマイク67で取得している音声情報を共有してもよい。
【0042】
尚、ここでは、共有されるマルチメディア情報は、音声情報及び映像情報としたが、これに限定されない。例えば、共有されるマルチメディア情報は、画像、テキスト、ホワイトボード共有等であればよい。これにより、より効果的な遠隔作業支援を行うことができる。
【0043】
図3及び図4は、本発明の実施例1にかかる遠隔作業支援方法の適用例を示す図である。図3では、遠隔作業者50は、領域610付近で作業をしており、作業指示者40は、遠隔作業者50に対して遠隔作業支援を行っている。作業指示者40は、作業指示端末4を操作している。遠隔作業者50は、遠隔作業端末5を装着している。作業指示端末4及び遠隔作業端末5の間は、音声情報及び映像情報におけるセッションM111が確立している。斜線で示した領域610は、危険区域を意味し、遠隔作業者50が入ることができない領域である。危険物611は、遠隔作業者50の作業を妨げる物体である。環境情報取得装置6は、領域610を撮影し、映像情報を取得する。
【0044】
図3において、危険物611は、領域610内に存在している。環境情報取得装置6に撮影される映像情報は、領域610内の危険物611を含む。しかし、作業指示端末4及び遠隔作業端末5の間は、セッションM111のみが確立している。そのため、この時点で、遠隔作業端末5は、危険物611の映像情報を取得しておらず、遠隔作業者50は、危険物611の位置を認識できない。
【0045】
ここで、図2で説明したように、セッションM112及びM113を確立する。それにより、作業指示端末4及び遠隔作業端末5は、危険物611の映像情報を取得することができ、危険物611の位置を認識できる。そのため、図4に示すように、危険物611が領域610の外へ移動し、遠隔作業者50に近付く場合、遠隔作業端末5は、危険物611が移動する映像情報を取得しているため、遠隔作業者50は、危険物611が自分に近付いていることを認識し、事前に対処をすることができる。又は、作業指示端末4は、危険物611が移動する映像情報を取得しているため、作業指示者40は、遠隔作業者50に対してセッションM114を通じて、音声情報により危険回避策を指示することができる。
【0046】
このように、本発明の実施例では、遠隔作業端末5は、作業指示端末4からのマルチメディア情報のみでなく、作業指示端末4以外の媒体(ここでは、環境情報取得装置6)からのマルチメディア情報を受信することができるため、多くの環境情報を得ることができる。そのため、的確な作業支援情報を把握することができる。
【0047】
また、本発明の実施例では、遠隔作業端末5は、環境情報取得装置6からのマルチメディア情報を受信しつつ、作業指示端末4とのコミュニケーションを同時に行うことができるため、多くの環境情報を基にした作業指示をリアルタイムに、かつ、的確に伝達してもらうことができる。
【0048】
さらに、本発明の実施例では、遠隔作業端末5は、危険地帯等のような人間が容易に進入できない場所に設置してあるカメラ等の情報端末から環境情報を受信しつつ、作業指示端末4からの指示を受信可能である。
【0049】
尚、本発明の実施例では、マルチメディア情報の共有方法をSIP通信としたが、これに限定されない。例えば、H.323などを用いることにより実現可能である。
【0050】
また、上述したWEB提供部11の提供するWEBコンテンツは、上述したものに限らない。WEB提供部11の提供するWEBコンテンツは、マルチメディア情報を共有するための接続先SIPクライアントと、マルチメディア情報種別等が指定できるものであれば構わない。
【0051】
尚、上述したサーバ10は、汎用のコンピュータ装置を利用して汎用のOS上で作動するアプリケーションプログラムにより構成されたものであればよく、構成それ自体も一例であって、適宜に変更して実施できることは勿論である。
【0052】
接続切替要求は、遠隔作業端末5から出してもよい。また、環境情報取得装置6が自ら接続切替要求を送信しても良い。
【0053】
発明の実施例2.
本発明の実施例1においては、1台の環境情報取得装置6の環境情報を、作業指示端末4及び遠隔作業端末5の間で共有していたが、本実施例では、複数台の環境情報取得装置6a及び6bの環境情報を作業指示端末4及び遠隔作業端末5の間で切り替えて共有する例を説明する。以下に、本発明の実施例2について図面を参照して詳細に説明する。
【0054】
図5は、本発明の実施例2にかかる遠隔作業支援システム101の全体構成を示すブロック図である。遠隔作業支援システム101は、本発明の実施例1にかかる遠隔作業支援システム100において、環境情報取得装置6が環境情報取得装置6a及び6bに置き換わったものである。環境情報取得装置6a及び6bは、環境情報取得装置6と同等の構成であるため、説明を省略する。また、それ以外の構成についても、図1と同等のため、説明を省略する。
【0055】
図6は、本発明の実施例にかかる遠隔作業支援システム101のシーケンス図である。ここで、作業指示端末4及び遠隔作業端末5の間は、音声情報におけるセッションM211が確立しているものとする。また、遠隔作業端末5及び環境情報取得装置6aの間は、映像情報におけるセッションM212が確立しているものとする。つまり、作業指示端末4は、遠隔作業端末5に対して、音声情報により遠隔作業支援を行っている状態である。
【0056】
以下では、この状態から、遠隔作業端末5及び環境情報取得装置6aの間の映像情報のセッションを接続切替して、環境情報取得装置6bが取得している映像情報を、遠隔作業端末5に表示する流れについて説明する。
【0057】
まず、遠隔作業端末5は、作業指示端末4に対して、環境情報取得装置6bと映像情報におけるセッション確立のための接続要求を行う(S201)。具体的には、遠隔作業端末5は、マイク57にて遠隔作業者50の接続要求の音声を取得し、通信部51にて作業指示端末4へ音声情報を送信する。尚、ここでの接続要求は、音声以外、例えば、テキストデータであってもよい。
【0058】
次に、作業指示端末4は、WEBAPLサーバ1に対して、遠隔作業端末5及び環境情報取得装置6bの間での映像情報におけるセッション確立のための接続要求を行う(S202)。具体的には、作業指示端末4は、WEB入力部46からWEB提供部11の提供するWEBコンテンツに対して、接続先SIPクライアントとして遠隔作業端末5及び環境情報取得装置6bを、また、マルチメディア情報種別として映像情報を、接続要求情報として入力する。作業指示端末4は、通信部41からネットワーク9を介して、WEBAPLサーバ1に向けて前記接続要求情報を含むHTTPリクエスト(接続切替要求)を送信する。
【0059】
次に、WEBAPLサーバ1は、受信した接続切替要求をSIP呼制御サーバ2へ送信する(S203)。具体的には、図2のS102と同様のため、説明を省略する。
【0060】
続いて、SIP呼制御サーバ2は、受信した接続切替要求をSIP呼処理サーバ3へ送信する(S204)。具体的には、図2のS103と同様のため、説明を省略する。
【0061】
続いて、SIP呼処理サーバ3は、受信したSIPメッセージから、各セッションを確立するために、必要な宛先へ接続要求を送信する。ここでは、2つの接続要求が生成される。尚、以降、S205及びS206の処理順序は、以下の説明の順番に限らない。
【0062】
次に、遠隔作業端末5及び環境情報取得装置6bの間で映像情報におけるセッションを確立する処理を説明する。SIP呼処理サーバ3は、SIP呼処理部31にて、遠隔作業端末5が環境情報取得装置6bと映像情報におけるセッションを確立する接続要求を生成し、通信部32にて遠隔作業端末5へ送信する(S205)。ここでは、遠隔作業端末5において、既に環境情報取得装置6aとの映像情報におけるセッションが確立しているため、接続切替要求とする。また、SIP呼処理サーバ3は、SIP呼処理部31にて、環境情報取得装置6bが遠隔作業端末5と映像情報におけるセッションを確立する接続要求を生成し、通信部32にて環境情報取得装置6bへ送信する(S206)。
【0063】
この後、遠隔作業端末5及び環境情報取得装置6bは、それぞれ接続要求を受信し、SIP呼処理サーバ3を介したSIP通信を行うことで、遠隔作業端末5及び環境情報取得装置6bの間で映像情報におけるセッションM213を確立する。
【0064】
また、セッションM213が確立することにより、セッションM212は、SIP呼処理サーバ3により破棄される。
【0065】
これにより、遠隔作業端末5で表示される映像情報は、環境情報取得装置6aのカメラ68aで撮影される映像情報から、環境情報取得装置6bのカメラ68bで撮影される映像情報へ切り替わることになる。また、セッションM211により、作業指示端末4及び遠隔作業端末5の間での音声情報の共有は維持される。そのため、遠隔作業者50は、状況に応じて、遠隔地である環境情報取得装置6a及び6b付近の映像情報を切り替えて状況を認識することができ、より効果的な遠隔作業支援を行うことができる。
【0066】
図7は、本発明の実施例2にかかる遠隔作業支援方法の適用例を示す図である。遠隔作業者50は、警備業務等における巡回のため領域612付近から領域613付近へ移動中であり、領域612及び613付近に異常があれば何らかの対応を行う必要があるとする。また、作業指示者40は、遠隔作業者50に対して遠隔作業支援を行っている。作業指示者40は、作業指示端末4を操作している。遠隔作業者50は、遠隔作業端末5を装着している。作業指示端末4及び遠隔作業端末5の間は、音声情報におけるセッションM211が確立している。また、斜線で示した領域612及び613は、危険区域を意味し、遠隔作業者50が入ることができない領域である。環境情報取得装置6aは、領域612を撮影し、映像情報を取得する。環境情報取得装置6bは、領域613を撮影し、映像情報を取得する。
【0067】
ここで、まず、遠隔作業端末5及び環境情報取得装置6bの間は、映像情報におけるセッションM212が確立している。そして、遠隔作業端末5は、領域612内の映像情報を取得することができ、遠隔作業者50は、領域612付近に異常がないことを確認したとする。
【0068】
その後、図6で説明したように、セッションM213を確立する。それにより、遠隔作業端末5は、領域613内の映像情報を取得することができる。そのため、遠隔作業者50は、領域613付近に到着する前に、領域613付近の状況を認識できる。例えば、領域613内に異常が確認された場合、遠隔作業者50は、領域613付近に到着する前に、作業指示端末4からの的確な作業指示を得ることができ、異常に対して、早めに的確な対処をすることができる。
【0069】
このように、本実施例では、遠隔作業端末5は、自己の移動に合わせて、適切な映像情報に切り替えることができ、効率的に作業支援情報を把握することができる。
【0070】
このように、本実施例では、遠隔作業者側が主体となり、遠隔作業者が見る映像を切り替えるように作業支援者に対して指示することによる、警備業務等における巡回を効率的に行うことも可能である。遠隔作業者は巡回中に自分の視野以外の箇所まで監視することができ、効率的に作業を行うことが可能となる。
【0071】
尚、本実施例では、セッションM213の確立に伴い、セッションM212を破棄したが、M212を維持しても構わない。すなわち、遠隔作業端末5は、環境情報取得装置6a及び6bの映像情報を受信しても構わない。その場合、HMD59の画面上を2分割することで実現できる。同様に、作業指示端末4及び遠隔作業端末5は、複数の映像情報を受信して構わない。
【0072】
発明の実施例3.
本発明の実施例1及び2においては、固定された環境情報取得装置から取得される環境情報を、遠隔作業端末5に表示していたが、本実施例では、複数の遠隔作業者における遠隔作業支援について扱う。ここでは、環境情報取得装置を遠隔作業者が装着する遠隔作業端末である例を説明する。以下に、本発明の実施例3について図面を参照して詳細に説明する。
【0073】
図8は、本発明の実施例3にかかる遠隔作業支援システム102の全体構成を示すブロック図である。遠隔作業支援システム102は、本発明の実施例1にかかる遠隔作業支援システム100において、環境情報取得装置6が遠隔作業端末5a及び5bに置き換わったものである。ここで、遠隔作業端末5a及び5bは、環境情報取得装置6の機能を包含するものである。遠隔作業端末5、5a及び5bは、作業指示端末4から離れた作業場所(遠隔地)に存在し、また、それぞれも遠隔地に存在し、共に遠隔作業に用いられるものである。また、遠隔作業端末5a及び5bは、遠隔作業端末5と同等の構成であるため、説明を省略する。また、それ以外の構成についても、図1と同等のため、説明を省略する。
【0074】
図9は、本発明の実施例にかかる遠隔作業支援システム102のシーケンス図である。ここでは、作業指示端末4及び遠隔作業端末5の間は、映像情報及び音声情報におけるセッションM311及びM312が確立しているものとする。また、作業指示端末4並びに遠隔作業端末5aの間、及び、作業指示端末4並びに遠隔作業端末5bの間は、音声情報におけるセッションM313及びM314が確立しているものとする。つまり、作業指示端末4は、遠隔作業端末5を中心に、遠隔作業端末5a及5bに対しても、遠隔作業支援を行っている状態である。
【0075】
以下では、この状態から、遠隔作業端末5が取得している映像情報を、遠隔作業端末5aと遠隔作業端末5bとに表示する流れについて説明する。そのために、遠隔作業端末5並びに遠隔作業端末5aの間、及び、遠隔作業端末5並びに遠隔作業端末5bの間での映像情報におけるセッションの接続を行う。
【0076】
まず、作業指示端末4は、WEBAPLサーバ1に対して、遠隔作業端末5並びに遠隔作業端末5aの間、及び、遠隔作業端末5並びに遠隔作業端末5bの間での映像情報におけるセッション確立のための接続要求を行う(S301)。具体的には、作業指示端末4は、WEB入力部46からWEB提供部11の提供するWEBコンテンツに対して、接続先SIPクライアントとして遠隔作業端末5並びに遠隔作業端末5a、及び、遠隔作業端末5並びに遠隔作業端末5bを、また、マルチメディア情報種別として映像情報を、接続要求情報として入力する。作業指示端末4は、通信部41からネットワーク9を介して、WEBAPLサーバ1に向けて前記接続要求情報を含むHTTPリクエスト(接続切替要求)を送信する。
【0077】
次に、WEBAPLサーバ1は、受信した接続切替要求をSIP呼制御サーバ2へ送信する(S302)。具体的には、図2のS102と同様のため、説明を省略する。
【0078】
続いて、SIP呼制御サーバ2は、受信した接続切替要求をSIP呼処理サーバ3へ送信する(S303)。具体的には、図2のS103と同様のため、説明を省略する。
【0079】
続いて、SIP呼処理サーバ3は、受信したSIPメッセージから、各セッションを確立するために、必要な宛先へ接続要求を送信する。ここでは、4つの接続要求が生成される。以降、S304乃至S307の処理は、S104乃至S107と同様のため、説明を省略する。また、S304乃至S307の処理順序は、以下の説明の順番に限らない。
【0080】
この後、遠隔作業端末5及び5aは、それぞれS304及びS305により接続要求を受信し、SIP呼処理サーバ3を介したSIP通信を行うことで、遠隔作業端末5及び5aの間で映像情報におけるセッションM315を確立する。
【0081】
また、遠隔作業端末5及び5bは、それぞれS306及びS307により接続要求を受信し、SIP呼処理サーバ3を介したSIP通信を行うことで、遠隔作業端末5及び5bの間で映像情報におけるセッションM316を確立する。
【0082】
これにより、遠隔作業端末5のカメラ58で撮影される映像情報は、セッションM315及びM316により遠隔作業端末5a及び5bのHMD59a及び59bにて表示され、作業指示端末4及び遠隔作業端末5と共有されることになる。また、セッションM312、M313及びM314により、作業指示端末4及び遠隔作業端末5、遠隔作業端末5a並びに遠隔作業端末5bの間での音声情報の共有は維持される。そのため、遠隔作業端末5a及び5bは、作業指示端末4からの音声情報による指示を待たず、遠隔作業端末5の作業状況を把握することができる。
【0083】
図10は、本発明の実施例3にかかる遠隔作業支援方法の適用例を示す図である。作業指示者40は、遠隔作業者50、50a及び50bに対して遠隔作業支援を行っている。また、遠隔作業者50a及び50bは、遠隔作業者50の作業状況に応じて作業を行う必要があるとする。また、作業指示者40は、作業指示端末4を操作している。遠隔作業者50、50a及び50bは、それぞれ遠隔作業端末5、5a及び5bを装着している。作業指示端末4及び遠隔作業端末5の間は、映像情報におけるセッションM311が確立している。また、作業指示端末4及び遠隔作業端末5、5a並びに5bの間は、それぞれ音声情報におけるセッションM312、M313及びM314が確立している。
【0084】
ここで、図9で説明したように、セッションM315及びM316を確立する。それにより、遠隔作業端末5a及び5bは、遠隔作業端末5のカメラ58で撮影される映像情報を取得することができる。そのため、遠隔作業者50a及び50bは、遠隔作業者50の作業状況を把握することができる。
【0085】
このように、本実施例では、遠隔作業者が複数人いる場合に、従来方法と比較してさらに効率的な遠隔作業支援を行うことが可能である。つまり、遠隔作業者が複数人いる場合、作業支持者は、各々の遠隔作業者に対して作業指示を与えることができるため、各々の作業状況を把握している。しかし、遠隔作業者は個別の作業状況および作業指示者からの指示のみしか把握することができない。そこで、本実施例により、遠隔作業者が他の遠隔作業者の作業状況を受信することで、自分以外の作業状況を知ることができ、作業地域全体の状況を多面的に把握することが可能となる。
【0086】
すなわち、本実施例では、複数人で構成される遠隔作業者それぞれの状況情報を個々の遠隔作業者に送信することで、作業地域全体の状況を作業指示者のみでなく、個々の遠隔作業者がお互いの状況を把握することが可能となる。
【0087】
尚、本実施例では、遠隔作業端末5の映像情報を、遠隔作業端末5a及び5bと共有したが、遠隔作業端末5a及び5bの映像情報を遠隔作業端末5と共有するなど、その他の端末の組み合わせ、マルチメディア情報の組み合わせであっても構わない。
【0088】
その他の発明の実施例.
尚、本発明の活用例として、危険地帯を含む遠隔作業、または複数人で構成される遠隔作業などが挙げられる。
【0089】
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施例1にかかる遠隔作業支援システム100の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1にかかる遠隔作業支援システム100のシーケンス図である。
【図3】本発明の実施例1にかかる遠隔作業支援方法の適用例を示す図である。
【図4】本発明の実施例1にかかる遠隔作業支援方法の適用例を示す図である。
【図5】本発明の実施例2にかかる遠隔作業支援システム101の全体構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施例にかかる遠隔作業支援システム101のシーケンス図である。
【図7】本発明の実施例2にかかる遠隔作業支援方法の適用例を示す図である。
【図8】本発明の実施例3にかかる遠隔作業支援システム102の全体構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施例にかかる遠隔作業支援システム102のシーケンス図である。
【図10】本発明の実施例3にかかる遠隔作業支援方法の適用例を示す図である。
【図11】関連する技術における遠隔作業支援システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0091】
1 WEBAPLサーバ 2 呼制御サーバ 3 呼処理サーバ
4 作業指示端末 5、5a、5b 遠隔作業端末
6、6a、6b 環境情報取得装置 9 ネットワーク 10 サーバ
11 WEB提供部 12 WEBAPLインタフェース(I/F)への要求部
13 通信部 21 SIP呼制御部
22 WEBAPLインタフェース(I/F)部
23 通信部 31 SIP呼処理部 32 通信部 40 作業指示者
41 通信部 42 SIP呼処理部 43 指示内容入力部
44 メディア入力部 45 メディア出力部 46 WEB入力部
47 マイク 48 カメラ 49 情報端末
50、50a、50b 遠隔作業者 51、51a、51b 通信部
52、52a、52b SIP呼処理部 53、53a、53b メディア入力部
54、54a、54b メディア出力部 55、55a、55b WEB入力部
57、57a、57b マイク 58、58a、58b カメラ
61、61a、61b 通信部 62、62a、62b SIP呼処理部
63、63a、63b メディア入力部 67、67a、67b マイク
68、68a、68b カメラ 100 遠隔作業支援システム
101 遠隔作業支援システム 102 遠隔作業支援システム
410 キーボード 411 マウス 420 作業指示端末
520 遠隔作業端末 530 遠隔作業端末 540 遠隔作業端末
610 領域 611 危険物 612 領域 613 領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して複数の情報端末の間にマルチメディア情報を共有するための通信接続を確立させる接続管理サーバと、
第1の遠隔作業者により操作され、前記マルチメディア情報を送受信可能な情報端末である第1の遠隔作業端末と、
前記第1の遠隔作業者に作業指示を出す作業指示者により操作され、前記マルチメディア情報を送受信可能な情報端末である作業指示端末と、
前記第1の遠隔作業者が行う遠隔作業に関連するマルチメディア情報である環境情報を取得し、前記環境情報を送信可能な情報端末である第1の環境情報取得装置と、を備える遠隔作業支援システムであって、
前記接続管理サーバは、
前記第1の遠隔作業端末と前記作業指示端末の間に第1の通信接続が確立している状態で、前記第1の遠隔作業端末と前記第1の環境情報取得装置の間に第2の通信接続を確立させ、
前記第1の環境情報取得装置は、
前記第1の遠隔作業端末に対して前記環境情報を送信する、遠隔作業支援システム。
【請求項2】
前記接続管理サーバは、
前記第1の遠隔作業端末へ前記第1の環境情報取得装置との接続要求を送信すると共に、前記第1の環境情報取得装置へ前記第1の遠隔作業端末との接続要求を送信し、前記第2の通信接続を確立させる、請求項1に記載の遠隔作業支援システム。
【請求項3】
前記第1の遠隔作業端末又は前記作業指示端末は、
前記第2の通信接続を確立させることを要求する第1の接続要求を前記接続管理サーバへ送信し、
前記接続管理サーバは、
前記第1の接続要求に応じて、前記第2の通信接続を確立させる、請求項1又は2に記載の遠隔作業支援システム。
【請求項4】
前記第1の通信接続は、前記第2の通信接続が確立した後に、維持されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遠隔作業支援システム。
【請求項5】
前記第1の遠隔作業端末又は前記作業指示端末は、
前記第1の接続要求と共に、前記作業指示端末と前記第1の環境情報取得装置の間に第3の通信接続を確立させることを要求する第2の接続要求を前記接続管理サーバへ送信し、
前記接続管理サーバは、
前記第2の接続要求に応じて、前記作業指示端末へ前記第1の環境情報取得装置との接続要求を送信すると共に、前記第1の環境情報取得装置へ前記作業指示端末との接続要求を送信し、前記作業指示端末と前記第1の環境情報取得装置の間に第3の通信接続を確立させ、
前記第1の環境情報取得装置は、
前記作業指示端末に対して前記環境情報を送信する、請求項3又は4に記載の遠隔作業支援システム。
【請求項6】
前記遠隔作業支援システムは、
前記第1の環境情報取得装置から離れた位置に存在し、前記環境情報を取得し、前記環境情報を送信可能な情報端末である第2の環境情報取得装置をさらに備え、
前記第1の遠隔作業端末又は前記作業指示端末は、
前記第2の通信接続が確立している状態で、前記第1の遠隔作業端末と前記第2の環境情報取得装置の間に第4の通信接続を確立させることを要求する第3の接続要求を前記接続管理サーバへ送信し、
前記接続管理サーバは、
前記第3の接続要求に応じて、前記第1の遠隔作業端末へ前記第2の環境情報取得装置との接続要求を送信すると共に、前記第2の環境情報取得装置へ前記第1の遠隔作業端末との接続要求を送信し、前記第1の遠隔作業端末と前記第2の環境情報取得装置の間に第4の通信接続を確立させ、
前記第2の環境情報取得装置は、
前記第1の遠隔作業端末に対して前記環境情報を送信する、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の遠隔作業支援システム。
【請求項7】
前記第1の環境情報取得装置は、
第2の遠隔作業者により操作され、前記マルチメディア情報を送受信可能な情報端末である第2の遠隔作業端末であって、
前記第2の遠隔作業端末は、前記第2の通信接続により、前記第1の遠隔作業端末から送信される前記マルチメディア情報を受信する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の遠隔作業支援システム。
【請求項8】
前記接続管理サーバは、
前記第1乃至第3の接続要求を受け付ける接続要求受付部と、
前記第1乃至第3の接続要求に基づき、接続対象となる情報端末ごとに接続指示を生成する接続制御部と、
前記接続指示を前記接続対象となる情報端末ごとに送信し、前記接続対象となる情報端末間の接続を確立させる接続確立部と、を備える、請求項6又は7に記載の遠隔作業支援システム。
【請求項9】
前記接続要求受付部は、WEBインタフェースである請求項8に記載の遠隔作業支援システム。
【請求項10】
前記通信接続は、セッション開始プロトコル(SIP:Session Initiation Protocol)に従って確立される、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の遠隔作業支援システム。
【請求項11】
前記接続要求受付部は、WEBアプリケーションサーバであり、
前記接続制御部は、SIP呼制御サーバであり、
前記接続確立部は、SIP呼処理サーバである、請求項10に記載の遠隔作業支援システム。
【請求項12】
前記第1の遠隔作業端末は、
前記マルチメディア情報の入力を受け付ける第1のメディア入力部と、
前記マルチメディア情報の出力を行う第1のメディア出力部と、
前記接続管理サーバへ他の情報端末との通信接続を要求する第1の接続要求部と、
前記接続管理サーバからの接続要求に応じて、他の情報端末との通信接続を確立する第1の接続処理部と、を備える、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の遠隔作業支援システム。
【請求項13】
前記作業指示端末は、
前記マルチメディア情報の入力を受け付ける第2のメディア入力部と、
前記マルチメディア情報の出力を行う第2のメディア出力部と、
前記接続管理サーバへ他の情報端末との通信接続を要求する第2の接続要求部と、
前記接続管理サーバからの接続要求に応じて、他の情報端末との通信接続を確立する第2の接続処理部と、を備える、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の遠隔作業支援システム。
【請求項14】
前記第1の環境情報取得装置は、
前記環境情報を取得する環境情報取得部と、
前記接続管理サーバからの接続要求に応じて、他の情報端末との通信接続を確立する第3の接続処理部と、を備える、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の遠隔作業支援システム。
【請求項15】
第1の遠隔作業者により操作され、マルチメディア情報を送受信可能な情報端末である第1の遠隔作業端末と、
前記第1の遠隔作業者に作業指示を出す作業指示者により操作され、前記マルチメディア情報を送受信可能な情報端末である作業指示端末と、を備え、
前記第1の遠隔作業端末と前記作業指示端末の間で、ネットワークを介してマルチメディア情報を送受信するための通信接続を確立して情報共有を行う、遠隔作業支援方法であって、
前記第1の遠隔作業端末と前記作業指示端末の間に第1の通信接続が確立している状態で、前記第1の遠隔作業者が行う遠隔作業に関連するマルチメディア情報である環境情報を取得し、前記環境情報を送信可能な情報端末である第1の環境情報取得装置と、前記第1の遠隔作業端末との間に第2の通信接続を確立し、
前記第1の環境情報取得装置から前記第1の遠隔作業端末へ前記環境情報を送信する、遠隔作業支援方法。
【請求項16】
前記第2の通信接続は、
前記第1の遠隔作業端末へ前記第1の環境情報取得装置との接続要求を送信すると共に、前記第1の環境情報取得装置へ前記第1の遠隔作業端末との接続要求を送信することで確立する、請求項15に記載の遠隔作業支援方法。
【請求項17】
前記第2の通信接続を確立させることを要求する第1の接続要求を送信し、
前記第1の接続要求に応じて、前記第2の通信接続を確立する、請求項15又は16に記載の遠隔作業支援方法。
【請求項18】
前記第1の通信接続は、前記第2の通信接続が確立した後に、維持されることを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載の遠隔作業支援方法。
【請求項19】
前記第1の接続要求と共に、前記作業指示端末と前記第1の環境情報取得装置の間に第3の通信接続を確立させることを要求する第2の接続要求を送信し、
前記第2の接続要求に応じて、前記作業指示端末へ前記第1の環境情報取得装置との接続要求を送信すると共に、前記第1の環境情報取得装置へ前記作業指示端末との接続要求を送信し、前記作業指示端末と前記第1の環境情報取得装置の間に第3の通信接続を確立し、
前記第1の環境情報取得装置から前記作業指示端末へ前記環境情報を送信する、請求項17又は18に記載の遠隔作業支援方法。
【請求項20】
前記第1の環境情報取得装置から離れた位置に存在し、前記環境情報を取得し、前記環境情報を送信可能な情報端末である第2の環境情報取得装置をさらに備え、
前記第2の通信接続が確立している状態で、前記第1の遠隔作業端末と前記第2の環境情報取得装置の間に第4の通信接続を確立させることを要求する第3の接続要求を送信し、
前記第3の接続要求に応じて、前記第1の遠隔作業端末へ前記第2の環境情報取得装置との接続要求を送信すると共に、前記第2の環境情報取得装置へ前記第1の遠隔作業端末との接続要求を送信し、前記第1の遠隔作業端末と前記第2の環境情報取得装置の間に第4の通信接続を確立し、
前記第2の環境情報取得装置から前記第1の遠隔作業端末へ前記環境情報を送信する、請求項17乃至19のいずれか1項に記載の遠隔作業支援方法。
【請求項21】
前記第1の環境情報取得装置は、
第2の遠隔作業者により操作され、前記マルチメディア情報を送受信可能な情報端末である第2の遠隔作業端末であって、
前記第2の遠隔作業端末は、前記第2の通信接続により、前記第1の遠隔作業端末から送信される前記マルチメディア情報を受信する、請求項15乃至19のいずれか1項に記載の遠隔作業支援方法。
【請求項22】
第1の遠隔作業者により操作され、マルチメディア情報を送受信可能な情報端末である第1の遠隔作業端末と、
前記第1の遠隔作業者に作業指示を出す作業指示者により操作され、前記マルチメディア情報を送受信可能な情報端末である作業指示端末と、
前記第1の遠隔作業者が行う遠隔作業に関連するマルチメディア情報である環境情報を取得し、前記環境情報を送信可能な情報端末である第1の環境情報取得装置とのそれぞれとネットワークを介して接続され、複数の情報端末の間にマルチメディア情報を共有するための通信接続を確立させる接続管理サーバであって、
前記第1の遠隔作業端末と前記作業指示端末の間に第1の通信接続が確立している状態で、前記第1の遠隔作業端末と前記第1の環境情報取得装置の間に第2の通信接続を確立させる、接続管理サーバ。
【請求項23】
前記第1の遠隔作業端末へ前記第1の環境情報取得装置との接続要求を送信すると共に、前記第1の環境情報取得装置へ前記第1の遠隔作業端末との接続要求を送信し、前記第2の通信接続を確立させる、請求項22に記載の接続管理サーバ。
【請求項24】
前記第2の通信接続を確立させることを要求する第1の接続要求に応じて、前記第2の通信接続を確立させる、請求項22又は23に記載の接続管理サーバ。
【請求項25】
前記第1の接続要求を受け付ける接続要求受付部と、
前記第1の接続要求に基づき、接続対象となる情報端末ごとに接続指示を生成する接続制御部と、
前記接続指示を前記接続対象となる情報端末ごとに送信し、前記接続対象となる情報端末間の接続を確立させる接続確立部と、を備える、請求項24に記載の接続管理サーバ。
【請求項26】
前記第1の通信接続は、前記第2の通信接続が確立した後に、維持されることを特徴とする請求項22乃至25のいずれか1項に記載の接続管理サーバ。
【請求項27】
前記第1の接続要求と共に、前記作業指示端末と前記第1の環境情報取得装置の間に第3の通信接続を確立させることを要求する第2の接続要求に応じて、前記作業指示端末へ前記第1の環境情報取得装置との接続要求を送信すると共に、前記第1の環境情報取得装置へ前記作業指示端末との接続要求を送信し、前記作業指示端末と前記第1の環境情報取得装置の間に第3の通信接続を確立させる、請求項24乃至26のいずれか1項に記載の接続管理サーバ。
【請求項28】
前記接続管理サーバは、
前記第1の環境情報取得装置から離れた位置に存在し、前記環境情報を取得し、前記環境情報を送信可能な情報端末である第2の環境情報取得装置とネットワークを介して接続され、
前記第2の通信接続が確立している状態で、前記第1の遠隔作業端末と前記第2の環境情報取得装置の間に第4の通信接続を確立させることを要求する第3の接続要求に応じて、前記第1の遠隔作業端末へ前記第2の環境情報取得装置との接続要求を送信すると共に、前記第2の環境情報取得装置へ前記第1の遠隔作業端末との接続要求を送信し、前記第1の遠隔作業端末と前記第2の環境情報取得装置の間に第4の通信接続を確立させる、請求項24乃至27のいずれか1項に記載の接続管理サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−110473(P2009−110473A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−284833(P2007−284833)
【出願日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】