説明

遠隔操作型走行玩具

【課題】 進路を照明し続けうる遠隔操作の照明手段と点滅しうる遠隔操作の照明手段とを含むヘッドライト装置を備えた新規の遠隔操作型走行玩具を提供するを提供するものである。
【解決手段】 遠隔操作器を用いて離れた位置から操作しうるヘッドライト装置を備えた遠隔操作型走行玩具に関し、連続照明発光体として機能するヘッドライト2と点滅照明発光体として機能するフラッシュライト3を並べて設けられた左右一対のヘッドライト装置4、5を車体6の正面左右両側個所に装備し、舵取制御用操作部、速度制御用操作部、ヘッドライトの点灯・消灯制御用操作部及びフラッシュライトの点灯・消灯制御用操作部を備えた遠隔操作器により前記照明手段を遠隔操作しうるようにされたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔操作器を用いて離れた位置から操作しうるヘッドライト装置を備えた遠隔操作型走行玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従前、一つの発光体からなるヘッドライト装置を点滅させる形式の自動車玩具は、特許文献1によって開示されている。
【0003】
しかしながら、前記自動車玩具は、ヘッドライト装置が点滅を繰り返すようにされた構成であって、当該ヘッドライト装置の発光作用による興趣は必ずしも充分にあるとは言えないものであった。しかも、消灯時にはヘッドライト本来の機能すなわち進路を照明し続ける機能を失した状態になってしまうという致命的欠陥を有しているものであった。また、遊戯者自身の意思で自在に点灯・消灯をコントロールして遊戯するという楽しみ方が全くできないものであった。してみると、本発明とは技術思想において全く異なるものである。
【0004】
そこで前記実情に鑑み、本発明は、前記自動車玩具とは全く異質の遠隔操作型走行玩具すなわち、進路を照明し続けうる遠隔操作の照明手段と点滅しうる遠隔操作の照明手段とを含むヘッドライト装置を備えた遠隔操作型走行玩具を提供し、これによりヘッドライトの発光作用による興趣を顕著に高め、前記致命的欠陥を解消し、遊戯者自身の意思による点灯・消灯操作を自在に楽しめるようにしたものである。
【0005】
【特許文献1】登録実用第3030130号公報
【0006】
なお、本願出願人は、進路を照明し続けうる遠隔操作の照明手段と点滅しうる遠隔操作の照明手段とを含むヘッドライト装置を備えた遠隔操作型走行玩具について、先行技術を調査したが、これに関連する先行技術文献を見出すことができなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ヘッドライト装置の発光作用による興趣を顕著に高め、前記致命的欠陥を解消し、遊戯者自身の意思による点灯・消灯操作を自在に楽しめるようにした新規の遠隔操作型走行玩具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に係る遠隔操作型走行玩具にあっては、進路を照明し続けうる遠隔操作の連続照明手段と点滅しうる遠隔操作の点滅照明手段とを含むヘッドライト装置を備えたことを特徴とする。
【0009】
したがって、後述するような多数パターンのバリエーションで遊戯に興ずることができる。
【0010】
その結果、ヘッドライト装置の発光作用による興趣が顕著に高められることになり、前記致命的欠陥が解消されることになり、遊戯者自身の意思による点灯・消灯操作が自在に楽しめるようにされることになり、新規の遠隔操作型走行玩具を提供するという所期の目的を完全に達成することができる。
【0011】
請求項2に係る遠隔操作型走行玩具にあっては、前記請求項1記載の遠隔操作型走行玩具に関し、前記連続照明手段に含む連続照明発光体及び前記点滅照明手段に含む点滅照明発光体を一つの支持部材に固定して車体正面の左右両側個所に止着したことを特徴とする。
【0012】
したがって、連続照明手段に含む連続照明発光体及び前記点滅照明手段に含む点滅照明発光体を一つの支持部材に固定することでヘッドライト装置を構成することができ、後述するような所謂柔らかボディの車体に対する連続照明発光体及び点滅照明発光体の取付作業を容易にすることができる。
【0013】
請求項3に係る遠隔操作型走行玩具にあっては、前記請求項1又は2記載の遠隔操作型走行玩具に関し、舵取制御用操作部、速度制御用操作部、ヘッドライトの点灯・消灯制御用操作部及びフラッシュライトの点灯・消灯制御用操作部を備えた遠隔操作器により前記両照明手段を遠隔操作しうるようにされたことを特徴とする。
【0014】
したがって、遊戯者は、前記遠隔操作器を持ち、これを操作することで車体の舵取制御、車体の(前後進)速度制御、ヘッドライトの点灯・消灯制御及びフラッシュライトの点灯・消灯制御ができる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る遠隔操作型走行玩具は、進路を照明し続けうる遠隔操作の連続照明手段と点滅しうる遠隔操作の点滅照明手段とを含むヘッドライト装置を備えているので、ヘッドライト装置の発光作用による興趣を顕著に高めることができ、前記致命的欠陥を解消することができ、遊戯者自身の意思による点灯・消灯操作を自在に楽しめるようにすることができる。
【0016】
請求項2に係る遠隔操作型走行玩具は、前記連続照明手段に含む連続照明発光体及び前記点滅照明手段に含む点滅照明発光体を一つの支持部材に固定した状態で車体正面の左右内側個所に止着するようにしたので、車体に対する連続照明発光体及び点滅照明発光体の取付は容易に能率よくできる。しかも、支持部材に対する連続照明発光体及び点滅照明発光体の取付が車体とは所謂分業で生産でき、工程の簡略化ができる。
【0017】
請求項3に係る遠隔操作型走行玩具は、舵取制御用操作部、速度制御用操作部、ヘッドライトの点灯・消灯制御用操作部及びフラッシュライトの点灯・消灯制御用操作部を備えた遠隔操作器により前記両照明手段を遠隔操作しうるようにされたことを特徴とするので、前記のバリエーションをつけた多くの遊戯パターンを実行して楽しむことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態に係る遠隔操作型走行玩具1は、図1乃至図3に示すように、連続照明発光体として機能するヘッドライト2と点滅照明発光体として機能するフラッシュライト3を並べて設けられた左右一対のヘッドライト装置4、5を構成し、この左右一対のヘッドライト装置4、5を車体6の正面左右両側個所に装備した遠隔操作型走行玩具である。なお、図1は本発明の実施の形態に係る遠隔操作型走行玩具1を示す全体の斜視図、図2は図1AーA線に沿う要部の拡大断面図、図3は図1BーBに沿う要部の拡大断面図である。
【0019】
この遠隔操作型走行玩具1はこれと対の無線式遠隔操作器7により舵取制御及び速度制御並びにライト点灯・消灯制御しうる構成にされている。なお、本発明は有線式遠隔操作器により舵取制御及び速度制御並びにライト点灯・消灯制御しうる構成にすることができる。また、この実施の形態に係る遠隔操作型走行玩具1は、前記発光体としてLED(発光ダイオード)を用いて省電力化されているが、これ以外の発光体を用いてもよい。ヘッドライト2もフラッシュしうる構成にして実施することができる。
【0020】
前記左右各ライト装置4、5は、ヘッドライト2とフラッシュライト3が支持部材8に横並び配置に固定され、当該支持部材8が固定部材9を介して車体6に固定されている。なお、前記ヘッドライト2及びフラッシュライト3の支持部材8に対する固定は、縦並び配置、斜め並び配置等任意の並び配置にすることができる。また、前記固定部材9は透明プラスチックによって構成されレンズを兼ねる構造にされている。
【0021】
また、遠隔操作器7は、正面の上半分の左右両側個所に舵取制御用操作レバー11と速度制御用操作レバー12が設けられ、正面の下半分の中央個所に上下配置でヘッドライト2の点灯・消灯制御用ボタンスイッチ13とフラッシュライト3の点灯・消灯制御用ボタンスイッチ14が設けられている。前記操作レバー及びスイッチは、舵取制御用操作機能、速度制御用操作機能、ヘッドライトの点灯・消灯制御用操作機能及びフラッシュライトの点灯・消灯制御用操作機能を果たす他の構成にすることができる。
【0022】
さらに、前記車体6は、車輪16を備えたシャーシ17に外装ボディ18を被せることで構成され、そしてその中に、遠隔制御のための受信回路等電子回路を含むプリント基盤、モータやバッテリを含む駆動回路、機械的部品等(これらは図示せず)が内蔵され、前記無線遠隔操作器6から舵取制御信号、速度制御信号及び点灯・消灯制御信号を受信することで前後進しうるようにされている。また前記外装ボディ18は、手で押したときにはその力で凹み、手を離したときには弾発的に復元する厚さのポリエチレンテレフタレート透明薄板、ポリカーボネート透明薄板等合成樹脂薄板により成形された軽量な所謂柔らかボディにしてあり、内面に塗料19を塗布してある。この塗料の塗布は、前記ヘッドライト装置4,5の取付部分20には施さず当該部分20を透明のままにすることで投光性を良くしてある。このような柔らかボディに対してヘッドライト2及びフラッシュライト3を装備する場合には、前記支持部材8及び固定部材9を介して取り付けることが強度的にも極めて有効であり、当該取付が容易にされ且つ確固たるものにされる。なお、外装ボディ18は、他の硬いプラスチック、その他の材料で構成してもよい。
【0023】
前記実施の形態に係る遠隔操作型走行玩具は、前記のとおりであるので、遊戯者は、前記無線遠隔操作器7を持ち、舵取制御用操作レバー11と速度制御用操作レバー12を操作して車体6を走行させることができる、しかも当該走行中あるいは停車中にあっては、ヘッドライト2の点灯・消灯制御用ボタンスイッチ13を操作してヘッドライト2を点灯・消灯させたり、フラッシュライト3の点灯・消灯制御用ボタンスイッチ14を操作してフラッシュライト3を点灯・消灯させたりする等の多数種のバリエーションで遊戯に興ずることができる。
【0024】
なお、前記バリエーションには、例えば所謂消灯状態で前・後進走行、蛇行走行させるパターン、ヘッドライトの点灯状態で前・後進走行、蛇行走行させるパターン、フラッシュライトの点灯状態で前・後進走行、蛇行走行させるパターン、ヘッドライト・フラッシュライト両ライトの点灯状態で前・後進走行、蛇行走行させるパターン、停車状態でヘッドライトを点灯・消灯状態にするパターン、停車状態でフラッシュライトを点灯・消灯状態にするパターン、走行中にあってヘッドライトを小刻みに点灯・消灯状態にするパターン、走行中にあってフラッシュライトを小刻み点灯・消灯状態にするパターン等がある。
【0025】
本発明は、ヘッドライトが消灯状態にある時には、フラッシュライトの点灯はできない構成にして実施することができる。
【0026】
本発明は、前記実施の形態の遠隔操作型走行玩具に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載されている発明の精神を逸脱しない範囲で、設計において種々の変更ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態を示す全体の斜視図である。
【図2】図1AーA線に沿う要部の拡大断面図である。
【図3】図1BーB線に沿う要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 実施の形態に係る遠隔操作型走行玩具
2 ヘッドライト
3 フラッシュライト
4 ヘッドライト装置
5 ヘッドライト装置
6 車体
7 無線式遠隔操作器
8 支持部材
9 固定部材
11 舵取制御用操作レバー
12 速度制御用操作レバー
13 点灯・消灯制御用ボタンスイッチ
14 点灯・消灯制御用ボタンスイッチ
16 車輪
17 シャーシ
18 外装ボディ
19 塗料
20 塗料無し透明部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
進路を照明し続けうる遠隔操作の連続照明手段と点滅しうる遠隔操作の点滅照明手段とを含むヘッドライト装置を備えたことを特徴とする遠隔操作型走行玩具。
【請求項2】
前記連続照明手段に含む連続照明発光体及び前記点滅照明手段に含む点滅照明発光体を一つの支持部材に固定して車体正面の左右両側個所に止着したことを特徴とする請求項1記載の遠隔操作型走行玩具。
【請求項3】
舵取制御用操作部、速度制御用操作部、ヘッドライトの点灯・消灯制御用操作部及びフラッシュライトの点灯・消灯制御用操作部を備えた遠隔操作器により前記照明手段を遠隔操作しうるようにされたことを特徴とする請求項1又は2記載の遠隔操作型走行玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−167386(P2006−167386A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−382504(P2004−382504)
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【出願人】(391021868)株式会社トイコー (3)
【Fターム(参考)】