説明

遠隔操作装置及び方法

【課題】無線品質の悪化に対処可能な遠隔操作装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一特徴は、コントローラにより無線制御される自走可能な遠隔操作装置であって、前記コントローラとの無線通信の無線品質を測定する無線品質測定部と、当該遠隔操作装置の位置を測定する位置測定部と、前記測定された無線品質と当該遠隔操作装置の位置とを関連付け、各位置における測定された無線品質を示す無線品質マップを生成する無線品質マップ生成部と、前記コントローラとの無線通信の無線品質の良否を示す所定の条件を判定することによって、前記無線通信の無線品質が悪化したことを検出する無線品質悪化検出部と、前記無線品質が悪化したことが検出されると、前記無線品質マップを参照して所定の無線品質以上の移動先を特定し、前記移動先に当該遠隔操作装置を移動させるよう制御する走行制御部とを有する遠隔操作装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線制御される自走可能な遠隔操作装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信により遠隔的に操作可能なロボットなどの遠隔操作装置が、様々な用途で利用されている。このような遠隔操作ロボットは、特に人間が直接作業するには危険な環境などにおいて効果的に利用されている。
【0003】
このような無線制御される自走可能な遠隔操作ロボットでは、遠隔操作ロボットが移動するとき、各地点における無線環境の変動により無線品質が良好でない地点に移動してしまうと、遠隔操作ロボットが制御不能になるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した問題点に鑑み、本発明の課題は、無線品質の悪化に対処可能な遠隔操作装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の一特徴は、コントローラにより無線制御される自走可能な遠隔操作装置であって、前記コントローラとの無線通信の無線品質を測定する無線品質測定部と、当該遠隔操作装置の位置を測定する位置測定部と、前記測定された無線品質と当該遠隔操作装置の位置とを関連付け、各位置における測定された無線品質を示す無線品質マップを生成する無線品質マップ生成部と、前記コントローラとの無線通信の無線品質の良否を示す所定の条件を判定することによって、前記無線通信の無線品質が悪化したことを検出する無線品質悪化検出部と、前記無線品質が悪化したことが検出されると、前記無線品質マップを参照して所定の無線品質以上の移動先を特定し、前記移動先に当該遠隔操作装置を移動させるよう制御する走行制御部とを有する遠隔操作装置に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、無線品質の悪化に対処可能な遠隔操作装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明の一実施例による遠隔操作ロボットの制御システムを示す。
【図2】図2は、本発明の一実施例による遠隔操作ロボットとコントローラとの構成を示す。
【図3】図3は、本発明の一実施例による無線品質マップの一例を示す。
【図4】図4は、本発明の一実施例による遠隔操作ロボットの一例となる動作を示す。
【図5】図5は、本発明の一実施例による遠隔操作ロボットの処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
以下の実施例では、コントローラにより無線制御される自走可能な遠隔操作ロボットを説明する。以下の実施例に開示される遠隔操作ロボットは、移動中に定期的に現在位置と当該位置における無線品質とを測定し、測定された各位置と当該位置における測定された無線品質とを関連付けた無線品質マップを作成する。遠隔操作ロボットは、コントローラからの無線信号が正常に受信できなくなるなど無線品質の悪化を検出すると、作成した無線品質マップを参照して、無線品質が良好な位置に自律的に移動する。これにより、移動に伴って無線環境が不良な地点に移動してしまい、コントローラによる無線制御が不能になったとしても、遠隔操作ロボットは、移動中に作成した無線品質マップに基づき無線品質が良好な移動先に自律的に移動することによって、コントローラとの無線通信を自律的に再開させることが可能になる。
【0010】
まず、図1を参照して、本発明の一実施例による遠隔操作ロボットを制御するシステムを説明する。図1は、本発明の一実施例による遠隔操作ロボットの制御システムを示す。
【0011】
図1に示されるように、制御システム10は、遠隔操作ロボット100とコントローラ200とを有する。遠隔操作ロボット100は、コントローラ200から無線通信により操作信号を受信し、受信した操作信号に従って移動や実装に応じた作業などの各種動作を実行する。典型的には、遠隔操作ロボット100は、図示されるようなパワーショベルなどの作業用機械、監視機能を備えた監視ロボットなどであってもよく、自律走行機能を備えた何れか適切な遠隔制御可能な装置である。コントローラ200は、ユーザ又はオペレータによって操作され、ユーザから入力された遠隔操作ロボット100に対する操作信号や制御信号などの各種無線信号を遠隔操作ロボット100に送信する。
【0012】
次に、図2〜4を参照して、本発明の一実施例による遠隔操作ロボットの構成を説明する。図2は、本発明の一実施例による遠隔操作ロボットとコントローラとの構成を示す。
【0013】
図2に示されるように、遠隔操作ロボット100は、無線通信部110と、データ送受信部115と、モータ制御部120と、モータ125と、無線品質取得部130と、位置情報取得部135と、無線品質マップ生成部140と、無線品質悪化検出部145と、自律走行制御部150とを有する。また、コントローラ200は、操作情報入力部210と、データ送受信部215と、無線通信部220と、データ表示部225とを有する。図示されるように、遠隔操作ロボット100とコントローラ200とは、無線通信部110,220とを介し通信接続される。
【0014】
まず、遠隔操作ロボット100の構成を説明する。無線通信部110は、コントローラ200から操作信号や制御信号を含む各種無線信号を受信すると共に、遠隔操作ロボット100により取得された情報などを示すデータ信号や制御信号を含む各種無線信号をコントローラ200に送信する。典型的には、無線通信部110は、アンテナ、送受信回路、変調復調回路、符号化復号化回路などの無線通信を実行するための何れか既知のハードウェア構成により実現されてもよい。本実施例では、無線通信部110は、受信した無線信号から遠隔操作ロボット100に対する操作信号を抽出し、抽出した操作信号をデータ送受信部115に提供する。また、無線通信部110は、受信した無線信号の電波強度や受信電力レベルなどの無線信号の無線品質を示す無線品質情報を無線品質取得部130に提供する。
【0015】
データ送受信部115は、無線通信部110から受信した操作信号をモータ制御部120に提供する。さらに、データ送受信部115は、無線通信部110を介しコントローラ200から操作信号を含む各種信号を適切に受信すると、コントローラ200からの無線信号を適切に受信したことを示す受信成功通知を無線品質悪化検出部145に送信する。
【0016】
モータ制御部120は、データ送受信部115から受信した操作信号に従って、駆動手段であるモータ125から提供される動力を用いて、遠隔操作ロボット100が実行可能な各種動作を制御する。遠隔操作ロボット100は、自律走行可能に構成されており、例えば、図示されたパワーシャベルの実施例では、モータ制御部120は、モータ125からキャタピラ駆動部に提供される動力を制御して、受信した操作信号により指示される方向及び速度により遠隔操作ロボット100を移動させる。また、典型的には、遠隔操作ロボット100は、各種作業を実行するよう構成されており、例えば、図示されたパワーシャベルの実施例では、モータ制御部120は、シャベル駆動部に提供される動力を制御して、受信した操作信号による指示に従ってシャベルを動作させる。このようにして、モータ制御部120は、遠隔操作ロボット100に実装される各種駆動部を制御する。
【0017】
モータ125は、遠隔操作ロボット100の動力生成手段として備えられ、モータ制御部120による制御の下、生成した動力を遠隔操作ロボット100に実装される各種駆動部に提供する。本実施例では、遠隔操作ロボット100の動力生成手段として蓄電池等(図示せず)を電源とするモータ125が使用されるが、本発明はこれに限定されるものでない。例えば、遠隔操作ロボット100の動力生成手段は、適当な燃料等をエネルギー源とするエンジンや他の適切な動力生成手段により実現されてもよい。
【0018】
無線品質取得部130は、無線通信部110から無線信号の無線品質情報を取得し、無線品質マップ生成部140に提供する。典型的には、無線品質取得部130は、一定の間隔などにより無線通信部110から定期的に無線品質情報を取得する。あるいは、無線品質取得部130は、無線通信部110の電波強度測定回路などにより測定が実行される毎にその測定結果を受信し、一定の期間において受信した測定結果の平均値を算出し、これを無線品質情報として無線品質マップ生成部140に提供してもよい。
【0019】
位置情報取得部135は、遠隔操作ロボット100の現在位置を測定し、測定結果を位置情報として無線品質マップ生成部140に提供する。典型的には、位置情報取得部135は、GPS(Global Positioning System)回路などにより実現されてもよい。また、位置情報取得部135は、GPS回路に加えて、自律航法機能を実現するための加速度センサやジャイロセンサなどの各種センサ回路を有してもよい。これにより、通信環境の悪化によりコントローラ200との通信だけでなくGPS信号も受信できなくなった場合でも、自律航法機能を利用して遠隔操作ロボット100の現在位置を推定することが可能となる。
【0020】
無線品質マップ生成部140は、無線品質取得部130と位置情報取得部135とからそれぞれ受信した無線品質情報と位置情報とに基づき、位置情報に示される各位置と無線品質情報に示される当該位置における無線品質とを関連付けた無線品質マップを生成する。図3に示されるように、無線品質マップは、無線品質が測定された各位置と当該位置における無線品質の測定結果とを関連付け、予め提供されている地図データ上にマッピングすることにより作成されてもよい。例えば、無線品質の測定結果をマッピングする地図データは、緯度経度情報だけでなく、遠隔操作ロボット100が走行可能な経路を有していてもよい。この場合、後述されるように、無線品質の悪化が検出され、無線品質が良好な位置に移動する際に、現在位置と移動先との直線的な経路だけでなく、遠隔操作ロボット100は、何れか適切なルーティング機能を利用して、実際に走行可能な移動先への移動経路を決定することが可能になる。
【0021】
さらに、図3に示されるように、無線品質マップには、遠隔操作ロボット100の走行軌跡がマッピングされてもよい。図3に示される無線品質マップによると、遠隔操作ロボット100は、無線品質の良好な位置に現在あることが確認できる。なお、図示された無線品質マップでは、遠隔操作ロボット100の走行軌跡以外の位置における無線品質も測定済みとされているが、初期的には走行軌跡以外の位置における無線品質は未測定のため不明であると考えられる。図示された無線品質マップでは、これら走行軌跡以外の位置における無線品質は、以前の測定などにより取得された測定結果又は何れか適切な推定方法により既知の測定結果から推定された無線品質が利用されている。この場合、無線品質マップ生成部140は、遠隔操作ロボット100により無線品質が実際に測定されると、この最新の測定結果を用いて現在の無線品質マップを更新する。
【0022】
無線品質悪化検出部145は、遠隔操作ロボット100とコントローラ200との間の無線通信の無線品質の悪化を検出する。具体的には、無線品質悪化検出部145は、コントローラ200からの無線信号が適切に受信されたことを示す受信成功通知がデータ送受信部115から所定の期間以上受信できなかった場合、コントローラ200との無線品質が悪化したと判断し、無線品質が悪化した旨を自律走行制御部150に通知する。この所定の期間は、実装に依存して何れか適切な期間に設定される。例えば、コントローラ200からの無線信号が10msなど所定の送信間隔で送信される場合、この所定の期間は、1秒間など所定の送信間隔よりも長い何れか適当な期間に設定されてもよい。
【0023】
また、無線品質悪化検出部145は、無線品質取得部130から無線品質情報を取得し、取得した無線品質情報に基づき無線品質の悪化を検出するようにしてもよい。例えば、無線品質悪化検出部145は、取得した無線品質情報に示される電波強度や受信電力レベルなどが所定の閾値以下になると、コントローラ200との無線品質が悪化したと判断し、無線品質が悪化した旨を自律走行制御部150に通知するようにしてもよい。
【0024】
さらに、無線品質悪化検出部145は、データ送受信部115と無線品質取得部130との双方から提供される情報を用いて無線品質の悪化を検出するようにしてもよい。例えば、データ送受信部115から所定の期間以上受信成功通知が受信できなかった場合、及び/又は無線品質取得部130から取得した電波強度や受信電力レベルなどが所定の閾値以下になった場合、無線品質悪化検出部145は、無線品質が悪化した旨を自律走行制御部150に通知するようにしてもよい。このように、無線品質悪化検出部145は、コントローラ200との無線通信の無線品質の良否を示す上述したような各種条件を判定することによって、無線通信の無線品質が悪化したことを検出する。
【0025】
自律走行制御部150は、無線品質悪化検出部145から無線品質悪化の検出結果を受信すると、無線品質マップ生成部140により生成された無線品質マップを参照して、無線品質が良好な位置に遠隔操作ロボット100を自律的に移動させる。
【0026】
この移動先は、何れか適切な方法により決定されてもよい。例えば、図4に示されるように、自律走行制御部150は、無線品質マップを参照して、無線品質マップに重畳されている遠隔操作ロボット100の走行軌跡を確認し、走行経路を戻る方向に移動方向を決定してもよい。この方法によると、遠隔操作ロボット100は、通信可能であった地点に戻ることになるため、確実にコントローラ200との無線通信を再開できる位置に移動することが可能となる。
【0027】
あるいは、自律走行制御部150は、無線品質マップを参照して、無線品質悪化検出部145から検出結果が通知された時点における遠隔操作ロボット100の位置から最も近い所定の閾値以上の無線品質を有する位置を特定し、この特定された位置に遠隔操作ロボット100を移動させるようモータ制御部120に指示してもよい。この方法によると、無線品質の良好なより近い位置に移動することによって、上述した走行経路を戻る方法よりも迅速に通信を再開させることが可能になる。
【0028】
さらに、自律走行制御部150は、無線品質マップを参照して、コントローラ200からすでに指示された移動方向に無線品質が良好な位置があることを検出した場合、当該位置を移動先として決定してもよい。この場合、一時的にコントローラ200との間の無線通信が途絶しても、コントローラ200からの当初の指示に従って遠隔操作ロボット100を移動させながら、決定された移動先で無線通信を再開することが可能である。すなわち、ユーザの指示を充足させながら、無線通信を再開させることが可能となる。
【0029】
ここで、遠隔操作ロボット100が施設内などに配置され、現在位置と移動先との間に壁などの障害物があることが無線品質マップから予め分かっている場合、自律走行制御部150は、何れか適切なナビゲーション技術を利用して無線品質マップの地図データから移動先への適切な移動経路を決定するようにしてもよい。この場合、遠隔操作ロボット100は、通信環境の悪化によりGPSによる位置情報が取得できなくなっても、上述したような自律航法機能を利用することにより現在位置を推定しながら、決定された移動経路を走行して移動先に移動することが可能となる。
【0030】
自律走行制御部150は、上述したような何れか適切な方法により移動先を決定し、決定した移動先に遠隔操作ロボット100を移動させるようモータ制御部120に指示する。
【0031】
次に、コントローラ200の構成を説明する。操作情報入力部210は、ハンドル、レバー、ボタンなどの何れか適切な入力手段により実現され、ユーザ又はオペレータから遠隔操作ロボット100に対する操作指示などの操作情報を受信し、受信した操作情報をデータ送受信部215に送信する。
【0032】
データ送受信部215は、操作情報入力部210から受信したユーザによる操作指示を遠隔操作ロボット100に無線送信するため、受信した操作情報を無線通信部220に送信する。また、データ送受信部215は、無線通信部220を介し遠隔操作ロボット100から受信した各種情報をデータ表示部225に転送する。遠隔操作ロボット100から受信する情報として、例えば、遠隔操作ロボット100がキャプチャ手段などにより取得した遠隔操作ロボット100の周囲の画像、センサ手段などにより測定された各種測定結果などがあげられる。
【0033】
無線通信部220は、データ送受信部215から提供される操作情報を含む無線信号を遠隔操作ロボット100に送信すると共に、遠隔操作ロボット100から受信した無線信号から各種情報を抽出してデータ送受信部215に提供する。典型的には、無線通信部220は、アンテナ、送受信回路、変調復調回路、符号化復号化回路などの無線通信を実行するための何れか既知のハードウェアにより実現されてもよい。
【0034】
データ表示部225は、ディスプレイなどの表示手段などにより実現され、データ送受信部215から受信した各種情報を表示手段に表示する。例えば、遠隔操作ロボット100から送信された遠隔操作ロボット100の前方の画像をディスプレイに表示し、ユーザは、この画像を確認しながら操作指示を与える。
【0035】
次に、図5を参照して、本発明の一実施例による遠隔操作ロボットの処理を説明する。図5は、本発明の一実施例による遠隔操作ロボットの処理を示すフロー図である。
【0036】
ステップS101において、コントローラ200による遠隔操作中、遠隔操作ロボット100は、コントローラ200との無線通信の無線品質を測定すると共に、遠隔操作ロボット100の現在位置を測定する。具体的には、無線品質取得部130は、1秒間などの一定の間隔で無線通信部110から無線品質情報を取得し、これと同時に、位置情報取得部135は、受信したGPS信号などに基づき遠隔操作ロボット100の現在位置を測定する。
【0037】
ステップS103において、遠隔操作ロボット100は、取得した無線品質情報と位置情報とを関連付けて、無線品質マップを生成する。具体的には、無線品質マップ生成部140は、無線品質取得部130と位置情報取得部135とからそれぞれ受信した無線品質情報と位置情報とに基づき、位置情報に示される各位置と無線品質情報に示される当該位置における無線品質とを関連付けることによって、無線品質マップを生成又は更新する。
【0038】
ステップS105において、遠隔操作ロボット100は、コントローラ200との無線品質が悪化したか判断する。具体的には、無線品質悪化検出部145は、コントローラ200からの無線信号が適切に受信されることを示す受信成功通知がデータ送受信部115から所定の期間以上受信できなかった場合、コントローラ200との無線品質が悪化したと判断する。あるいは、無線品質悪化検出部145は、無線品質取得部130から無線品質情報を取得し、取得した無線品質情報に示される電波強度や受信電力レベルなどが無線信号の適切な受信が困難になる所定の閾値以下になった場合、コントローラ200との無線品質が悪化したと判断するようにしてもよい。
【0039】
コントローラ200との無線品質の悪化が検出されなかった場合(ステップS105:NO)、ステップS107において、遠隔操作ロボット100は、コントローラから受信した操作信号に基づきモータ125を制御する。その後、当該フローはステップS101に戻って、遠隔操作ロボット100の動作中、上述した処理を繰り返す。
【0040】
他方、コントローラ200との無線品質の悪化が検出された場合(ステップS105:YES)、ステップS109において、遠隔操作ロボット100は、無線品質マップを参照して、無線品質が良好な位置を特定し、特定された位置に移動する。具体的には、自律走行制御部150は、無線品質マップを参照して無線品質の良好な位置を移動先として決定し、遠隔操作ロボット100を決定された移動先に移動させるための制御信号をモータ制御部120に送信する。移動先において通信が再開した後、当該フローはステップS101に戻って、遠隔操作ロボット100の動作中、上述した処理を繰り返す。
【0041】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0042】
10 制御システム
100 遠隔操作ロボット
110 無線通信部
115 データ送受信部
120 モータ制御部
125 モータ
130 無線品質取得部
135 位置情報取得部
140 無線品質マップ生成部
145 無線品質悪化検出部
150 自律走行制御部
200 コントローラ
210 操作情報入力部
215 データ送受信部
220 無線通信部
225 データ表示部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラにより無線制御される自走可能な遠隔操作装置であって、
前記コントローラとの無線通信の無線品質を測定する無線品質測定部と、
当該遠隔操作装置の位置を測定する位置測定部と、
前記測定された無線品質と当該遠隔操作装置の位置とを関連付け、各位置における測定された無線品質を示す無線品質マップを生成する無線品質マップ生成部と、
前記コントローラとの無線通信の無線品質の良否を示す所定の条件を判定することによって、前記無線通信の無線品質が悪化したことを検出する無線品質悪化検出部と、
前記無線品質が悪化したことが検出されると、前記無線品質マップを参照して所定の無線品質以上の移動先を特定し、前記移動先に当該遠隔操作装置を移動させるよう制御する走行制御部と、
を有する遠隔操作装置。
【請求項2】
前記無線品質悪化検出部は、前記コントローラからの無線信号を所定の間隔で受信できなかった場合、前記コントローラとの無線通信の無線品質が悪化したと判定する、請求項1記載の遠隔操作装置。
【請求項3】
前記無線品質マップ生成部は、前記無線品質マップに当該遠隔操作装置の走行軌跡を重畳し、
前記走行制御部は、前記無線品質が悪化したことが検出されると、前記無線品質マップに重畳された当該遠隔操作装置の走行軌跡を戻る方向に当該遠隔操作装置を移動させるよう制御する、請求項1又は2記載の遠隔操作装置。
【請求項4】
前記無線品質マップ生成部は、当該遠隔操作装置が走行可能な経路を示す地図データに各位置における測定された無線品質をマッピングすることによって、前記無線品質マップを生成し、
前記走行制御部は、前記無線品質マップの走行可能な経路に沿って当該遠隔操作装置を前記移動先に移動させるよう制御する、請求項1又は2記載の遠隔操作装置。
【請求項5】
コントローラにより無線制御される自走可能な遠隔操作装置における方法であって、
前記コントローラとの無線通信の無線品質と、前記遠隔操作装置の位置とを測定するステップと、
前記測定された無線品質と前記遠隔操作装置の位置とを関連付け、各位置における測定された無線品質を示す無線品質マップを生成するステップと、
前記コントローラとの無線通信の無線品質の良否を示す所定の条件を判定することによって、前記無線通信の無線品質が悪化したか判断するステップと、
前記無線品質が悪化したと判断されると、前記無線品質マップを参照して所定の無線品質以上の移動先を特定し、前記移動先に前記遠隔操作装置を移動させるよう制御するステップと、
を有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−52462(P2013−52462A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191115(P2011−191115)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】