説明

遮断機の阻止棒

【課題】阻止棒を撓み変形の少ない状態で確実、迅速に開閉作動させ得るだけの頑丈さを備えながら、車輌との衝突時における車輌の損傷と阻止棒自体の破損を抑制する。
【解決手段】車輌の進行を制御する遮断機の阻止棒であって、横断面形状における長辺方向が上下方向となる直方体状に形成された第1樹脂発泡体4Aと、横断面形状における長辺方向が上下方向となる直方体状に形成され、かつ、前記第1樹脂発泡体4Aよりも圧縮硬さの小さな第2樹脂発泡体4Bとの積層構造に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速道路の料金所や有料駐車場等おいて、車輌進入通路に対して直交又は略直交する姿勢で開閉することにより車輌の進行を制御する遮断機の阻止棒に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、高速道路の料金所で採用されているETC(電子料金徴収システム)においては、無線通信によって料金徴収が行われた適正な車輌に対しては直ちに遮断機の阻止棒を開いて車輌を通過させ、無線通信によって料金徴収を行うことのできない不正車輌に対しては遮断機の阻止棒を閉じ状態に維持して車輌の通過を阻止している。
しかし、ETC車載器にETCカードを装着したものと勘違いした場合、或いは、設定最大進入速度以上の高速で進入した場合等では、遮断機の阻止棒に車輌が衝突する可能性があり、その衝突によって阻止棒の折損や車輌の破損を招来するとともに、衝突後に元の閉止位置に跳ね戻る阻止棒が後続車輌に叩き付けられる危険性がある。
【0003】
そのため、遮断機の本体側においては、阻止棒の取付け杆が固定連結されている取付けアームが遮断機の昇降アームに対して縦軸芯周りで揺動可能に取付け、車輌との衝突時における衝撃力で取付けアームが車輌進行方向に折れ曲がり揺動させることにより、衝突時の衝撃力を緩和する方法が採られており、また、阻止棒においても車輌の損傷を抑制する改良が要望されている。
【0004】
そして、従来の遮断機の阻止棒においては、剛性の大きなステンレス管や曲げ強度の大きなカーボンロッド等の金属製芯管と、該金属製芯管を覆う円筒状又は角筒状に成形された発泡ウレタンや発泡ポリエチレン等の発泡合成樹脂製の緩衝保護筒体とから構成していた(特許文献1,2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平8−158327号公報
【特許文献2】特開2001−288720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の遮断機の阻止棒では、金属製芯管を覆う発泡合成樹脂製の緩衝保護筒体によって、車輌との衝突時における衝撃を緩和して車輌の損傷を抑制するとともに、金属製芯管によって剛性を高めて、阻止棒を撓み変形の少ない状態で確実、迅速に開閉作動させることができるものの、阻止棒の重量がまだ重く、交換時の取り扱いに不便を生じるばかりでなく、車輌との衝突時の衝撃力で阻止棒を備えた取付けアームが遮断機の昇降アームに対して車輌進行方向に急激に折れ曲がり揺動した際、水平方向で撓み変形する阻止棒が遮断機設置箇所の近傍に存在する車輌検知器等の固定部に衝突して金属製芯管の変形や折損を惹起していた。
そして、このような阻止棒の変形・破損が発生する度に、料金所の料金収受員等が至急に取り換える必要があるため、多くの手間を要すると共に危険性を伴う問題があつた。
【0007】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、阻止棒を撓み変形の少ない状態で確実、迅速に開閉作動させ得るだけの頑丈さを備えながら、車輌との衝突時における車輌の損傷と阻止棒自体の破損を抑制することのできる遮断機の阻止棒を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による第1の特徴構成は、車輌の進行を制御する遮断機の阻止棒であって、横断面形状における長辺方向が上下方向となる直方体状に形成された第1樹脂発泡体と、横断面形状における長辺方向が上下方向となる直方体状に形成され、かつ、前記第1樹脂発泡体よりも圧縮硬さの小さな第2樹脂発泡体との積層構造に構成されている点にある。
【0009】
上記特徴構成によれば、直方体状に形成された圧縮硬さの大きな剛性のある第1樹脂発泡体と同じく直方体状に形成された圧縮硬さの小さな弾性のある第2樹脂発泡体とを、横断面形状における長辺方向が上下方向となる向き姿勢で積層構造にして使用することにより、阻止棒全体の重量の軽減化を図りながら、開閉のための昇降時における撓み変形を抑制することができるとともに、第1樹脂発泡体の表面に位置する第2樹脂発泡体によって、車輌との衝突時における衝撃力を緩和することができる。
【0010】
しかも、前記第1樹脂発泡体と第2樹脂発泡体との積層構造における横断面形状の短辺方向(板厚方向)が水平方向になるから、水平方向の外力による弾性変形量を大きくすることができ、更に、軽量化によって慣性エネルギーが小さくなることも相俟って、例え、車輌との衝突時の衝撃力で阻止棒を備えた取付けアームが遮断機の昇降アームに対して車輌進行方向に急激に折れ曲がり揺動して、阻止棒が遮断機設置箇所の近傍に存在する車輌検知器等の固定部に衝突しても、その衝撃力は小さく、阻止棒の変形・破損を抑制することができる。
【0011】
従って、阻止棒を撓み変形の少ない状態で確実、迅速に開閉作動させ得るだけの頑丈さを備えながらも、車輌との衝突時における車輌の損傷と阻止棒自体の破損を抑制することができ、しかも、軽量化によって阻止棒の交換時の取り扱いも少ない労力で容易に行うことができる。
【0012】
本発明による第2の特徴構成は、前記第2樹脂発泡体が第1樹脂発泡体の板厚方向両側の外側面に固着されている点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、圧縮硬さの大きな剛性のある第1樹脂発泡体の車輌進入方向でもある板厚方向両側の外側面に、圧縮硬さの小さな弾性のある第2樹脂発泡体が固着された三層構造に構成されているから、車輌進入通路の左右両側脇の何れか一方に遮断機が設置される場合でも、阻止棒の向き姿勢を考慮する必要が無く、取り扱いの容易化を図ることができる。しかも、前記阻止棒の背面側に位置する第2樹脂発泡体を利用して、車輌との衝突時の衝撃力で阻止棒を備えた取付けアームが遮断機の昇降アームに対して車輌進行方向に急激に折れ曲がり揺動して、阻止棒の背面が遮断機設置箇所の近傍に存在する車輌検知器等の固定部に衝突した際の衝撃力を緩和することができる。
【0014】
本発明による第3の特徴構成は、前記第1樹脂発泡体と第2樹脂発泡体との間には、第2樹脂発泡体よりも厚みの薄い合成樹脂板が、その板面を上下方向に沿わせた状態で介装されている点にある。
【0015】
上記特徴構成によれば、直方体状に形成された圧縮硬さの大きな剛性のある第1樹脂発泡体と、同じく直方体状に形成された圧縮硬さの小さな弾性のある第2樹脂発泡体、及び厚みの薄い合成樹脂板とを、横断面形状における長辺方向及び板面が上下方向となる向き姿勢で積層構造にして使用することにより、阻止棒全体の重量の軽減化を図りながら、開閉のための昇降時における上下方向での撓み変形及び厚み方向での必要以上の撓み変形を抑制することができるとともに、第1樹脂発泡体の表面に位置する第2樹脂発泡体によって、車輌との衝突時における衝撃力を緩和することができ、しかも、車輌が遮断姿勢の阻止棒に衝突した際、阻止棒を備えた取付けアームを遮断機の昇降アームに対して車輌進行方向に確実に折れ曲がり揺動させることができる。
【0016】
本発明による第4の特徴構成は、前記第2樹脂発泡体の外側面に合成樹脂製の保護シートが貼り付けられている点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、第1樹脂発泡体の表面に位置する圧縮硬さの小さな弾性のある第2樹脂発泡体によって、車輌との衝突時における衝撃力を緩和しながらも、第2樹脂発泡体の損傷を合成樹脂製の保護シートで抑制することができる。
【0018】
本発明による第5の特徴構成は、前記第1樹脂発泡体の基部に、金属製の継手部材の取付け筒体が外嵌状態で固定連結され、この継手部材の取付け筒体には、遮断機の昇降アームに対して縦軸芯周りで揺動可能に取付けられている取付けアームに固定連結される取付け杆が連設されているとともに、前記継手部材の取付け筒体とこれに内嵌された第1樹脂発泡体における嵌合連結部から先端側に偏倚した部位とにわたって挿通された紐状体により、継手部材の取付け筒体と第1樹脂発泡体とが結節されている点にある。
【0019】
上記特徴構成によれば、遮断機の本体側においては、阻止棒の取付け杆が固定連結されている取付けアームが遮断機の昇降アームに対して縦軸芯周りで揺動可能に取付けられ、車輌との衝突時における衝撃力で取付けアームが車輌進行方向に折れ曲がり揺動させることにより、衝突時の衝撃力を緩和する方法が採られていても、車輌との衝突が繰り返されるうちに、前記第1樹脂発泡体が継手部材の取付け筒体の先端との境界相当部位で破断する可能性があるが、この場合でも、前記継手部材とこれの取付け筒体に内嵌された第1樹脂発泡体における嵌合連結基部から先端側に偏倚した部位とにわたって挿通された紐状体により、継手部材と第1樹脂発泡体とが結節されているため、破断した第1樹脂発泡体が他の車輌進入通路を走る車輌に向かって飛散することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
〔第1実施形態〕
図1〜図8は、高速道路の料金所に設置される遮断機Aを示し、車輌進入通路W脇の料金アイランドCIに据付けられる遮断機本体1に、車輌進入方向と平行な水平軸芯X周りで上下方向に駆動揺動される金属製の昇降アーム2を設け、この昇降アーム2に、縦軸芯Y周りで車輌進入方向に沿って水平方向に揺動可能な金属製の筒状の取付けアーム3が枢支連結されているとともに、前記取付けアーム3には、阻止棒4の基端部を固定連結してあるアルミニュウム合金等の金属製の継手部材5における角筒状の取付け杆5Aを内嵌状態で固定連結し、更に、前記昇降アーム2と取付けアーム3との間には、前記阻止棒4が車輌進入方向に対して直交又は略直交する姿勢にある状態で係合保持可能で、かつ、車輌が阻止棒4に衝突したとき、昇降アーム2に対する取付けアーム3の縦軸芯Y周りでの逃げ揺動を許容するべく、衝突時の衝撃力で自動的に係止解除される係止手段8が設けられている。
【0021】
前記阻止棒4は、図5〜図8に示すように、横断面形状における長辺方向が上下方向となる直方体状に形成されたポリエチレンフォームやポリウレタンフォーム等の第1樹脂発泡体4Aと、横断面形状における長辺方向が上下方向となる直方体状に形成され、かつ、前記第1樹脂発泡体4Aよりも圧縮硬さの小さなポリエチレンフォームやポリウレタンフォーム等の第2樹脂発泡体4Bとを、該第2樹脂発泡体4Bが第1樹脂発泡体4Aの板厚(厚み)方向両側の外側面に接着剤等で固着される三層の積層構造に接合して構成されている。
【0022】
また、前記第1樹脂発泡体4Aの板厚(例えば、当該実施形態では板厚が40mm)が第2樹脂発泡体4Bの板厚(例えば、当該実施形態では板厚が10mm)の倍以上に構成されているとともに、前記両第2樹脂発泡体の外側面には、白色の表面に形成された合成樹脂製の保護シート4Cが接着剤等で貼り付けられ、更に、前記保護シート4Cの表面には、赤色の表面に形成された菱形状の複数枚の合成樹脂製の表示シート4Dが接着剤等で貼り付けられている。
【0023】
前記第1樹脂発泡体4Aは、密度0.12g/cm3、圧縮硬さ0.34MPa(3.5kg/cm2)の一段発泡させたポリエチレンフォーム(例えば、株式会社イノアックコーポレーションのP・E−ライトA−080)から構成されているとともに、前記第2樹脂発泡体4Bは、密度0.030g/cm3、圧縮硬さ0.03MPa(0.3kg/cm2)の二段発泡させたポリエチレンフォーム(例えば、株式会社イノアックコーポレーションのP・E−ライトB−302)から構成されている。
【0024】
前記第1樹脂発泡体4Aとしては、密度0.12〜0.15g/cm3、圧縮硬さ0.15〜0.34MPa(1.5〜3.5kg/cm2)のポリエチレンフォームを好適に用いることができ、また、前記第2樹脂発泡体4Bとしては、密度0.027〜0.05g/cm3、圧縮硬さ0.03〜0.08MPa(0.3〜0.8kg/cm2)のポリエチレンフォームを好適に用いることができる。
【0025】
そして、直方体状に形成された圧縮硬さの大きな剛性のある第1樹脂発泡体4Aと、同じく直方体状に形成された圧縮硬さの小さな弾性のある第2樹脂発泡体4Bとを、横断面形状における長辺方向が上下方向となる向き姿勢で積層構造にして接着剤等で接合することにより、阻止棒4全体の重量の軽減化を図りながら、開閉のための昇降時における撓み変形を抑制することができるとともに、第1樹脂発泡体4Aの表面に位置する第2樹脂発泡体4Bによって、車輌との衝突時における衝撃力を緩和することができる。
【0026】
しかも、前記第1樹脂発泡体4Aと第2樹脂発泡体4Bとの積層構造における横断面形状の短辺方向(板厚方向)が水平方向になるから、水平方向の外力による弾性変形量を大きくすることができ、更に、軽量化によって慣性エネルギーが小さくなることも相俟って、例え、車輌との衝突時の衝撃力で阻止棒4を備えた取付けアーム3が遮断機Aの昇降アーム2に対して車輌進行方向に急激に折れ曲がり揺動して、阻止棒4が遮断機設置箇所の近傍に存在する固定部の一例である車輌検知器Bに衝突しても、その衝撃力は小さく、阻止棒4の変形・破損を抑制することができる。
【0027】
前記継手部材5は、前記第1樹脂発泡体4Aの嵌合連結基部4aが長手方向から嵌合する取付け筒体5Bとこれに固着された角筒状の取付け杆5Aとから構成され、更に、前記取付け筒体5Bは、取付け杆5Aが固着されている断面コの字状の受け部材5aとこれの開口を開閉する蓋部材5bとから構成されているとともに、前記第1樹脂発泡体4Aの嵌合連結基部4aを嵌合した状態で受け部材5aと蓋部材5bとを締付け連結する複数組(当該実施形態では三組)のボルト5C・袋ナット5Dが設けられている。
【0028】
前記受け部材5aと蓋部材5bには、前記ボルト5C・袋ナット5Dに対する挿通孔5c,5dが貫通形成されているとともに、前記第1樹脂発泡体4Aの嵌合連結基部4aにも前記ボルト5C・袋ナット5Dに対する挿通孔4cが貫通形成され、更に、前記継手部材5の取付け杆5Aには、遮断機Aの取付けアーム3を構成する横断面コの字状のアーム本体3Aとこれの開口を閉止する蓋体3Bとの間で取付け杆5Aを操作レバー9A付きボルト9・ナット10にて挾持固定するための取付け孔5eが貫通形成されている。
【0029】
前記第1樹脂発泡体4Aの嵌合連結基部4aには、継手部材5の取付け筒体5B内に突出する取付け杆5Aの基端部に嵌合する凹部4bが形成されているとともに、前記継手部材5の取付け筒体5Bとこれに内嵌された第1樹脂発泡体4Aの嵌合連結基部4a及び第1樹脂発泡体4Aにおける嵌合連結基部4aから先端側に偏倚した部位にそれぞれ挿通孔6を形成し、この両挿通孔6にわたって挿通された合成樹脂製の飛散防止用の紐状体7により、継手部材5の取付け筒体5Bと第1樹脂発泡体4Aとが結節されている。
【0030】
前記飛散防止用の紐状体7は、多数の係止凹部を長手方向に形成してある帯状部7aの一端部に、該帯状部7aの先端側から挿入可能な筒部7bを一体形成するとともに、前記筒部7bの内面には、帯状部7aの差し込み移動時には逃げ移動し、帯状体7aの抜け出し移動時には前記係止凹部に係合して該帯状体7aの抜け出し移動を阻止する抜止め突起(図示せず)が設けられている。
【0031】
前記係止手段8は、昇降アーム2のうち、取付けアーム3が入り込む装着凹部2Aに対応する上下のフランジ部2Bに、装着凹部2Aに向かって弾性力で突出付勢された係止ボール8Aを設けるとともに、前記取付けアーム3のアーム本体3Aにおける上下のフランジ部3aには、前記係止ボール8Aと係合可能な係止凹部8aを備えた係止受け部材8Bを設けて構成されている。
【0032】
そして、遮断機Aの遮断機本体1においては、阻止棒4の取付け杆5Aが固定連結されている取付けアーム3が遮断機Aの昇降アーム2に対して縦軸芯Y周りで揺動可能に取付けられ、車輌との衝突時における衝撃力で取付けアーム3が車輌進行方向に折れ曲がり揺動することにより、衝突時の衝撃力を緩和する方法が採られていても、車輌との衝突が繰り返されるうちに、前記第1樹脂発泡体4Aが継手部材5の取付け筒体5Bの先端との境界相当部位で破断する可能性があるが、この場合でも、前記継手部材5の取付け筒体5Bとこれに内嵌された第1樹脂発泡体4Aにおける嵌合連結基部4aから先端側に偏倚した部位とにわたって挿通された紐状体7により、継手部材5の取付け筒体5Bと第1樹脂発泡体4Aとが結節されているため、破断した第1樹脂発泡体4Aの破断片が他の車輌進入通路Wを走る車輌に向かって飛散することを防止することができる。
【0033】
〔第2実施形態〕
図9、図10は、前記第1樹脂発泡体4Aと両第2樹脂発泡体4Bとの間のうち、車輌進入側に位置する第2樹脂発泡体4Bと第1樹脂発泡体4Aとの間には、第2樹脂発泡体4Bの板厚(例えば、板厚が10mm)よりも厚みの薄い(例えば、板厚が0.5mm)ポリカーボネート板等の合成樹脂板8が、その板面を上下方向に沿わせた状態で介装されている。
【0034】
前記合成樹脂板8の基端部は、前記第1樹脂発泡体4Aの嵌合連結基部4aと一緒に嵌合した状態で受け部材5aと蓋部材5bとを締付け連結する複数組(当該実施形態では三組)のボルト5C・袋ナット5Dにより固定連結されているとともに、それ以外の部位は、第1樹脂発泡体4Aと第2樹脂発泡体4Bとの対向面間に接着剤で固着されている。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0035】
〔その他の実施形態〕
(1) 上述の第1実施形態では、前記両第2樹脂発泡体4Bの外側面に合成樹脂製の保護シート4Cを接着剤等で貼り付けたが、前記第1樹脂発泡体4A及び両第2樹脂発泡体4Bの全体をポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルム等の合成樹脂製の保護フィルムで密着囲繞してもよい。
【0036】
(2) 上述の第1実施形態では、前記継手部材5の取付け筒体5Bとこれに内嵌された第1樹脂発泡体4Aにおける嵌合連結基部4aから先端側に偏倚した部位とにわたって挿通された飛散防止用の紐状体7により、継手部材5の取付け筒体5Bと第1樹脂発泡体4Aとを結節したが、第1樹脂発泡体4Aにおける嵌合連結基部4aから先端側に偏倚した部位に挿通孔6を形成し、この挿通孔6に挿通した合成樹脂製の飛散防止用の紐状体7を、継手部材5に止着してもよい。
【0037】
(3) 上述の第1実施形態では、前記継手部材5と第1樹脂発泡体4Aにおける嵌合連結基部4aから先端側に偏倚した部位とを飛散防止用の紐状体7で連繋したが、前記第1樹脂発泡体4A及び両第2樹脂発泡体における嵌合連結基部4aから先端側に偏倚した部位と前記継手部材5とを飛散防止用の紐状体7で連繋してもよい。
【0038】
(4) 上述の第1実施形態では、前記第1樹脂発泡体4Aの板厚方向両側の外側面にそれぞれ第2樹脂発泡体4Bを接着剤等で固着したが、前記第1樹脂発泡体4Aの板厚方向一側方の外側面にのみ第2樹脂発泡体4Bを接着剤等で固着してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1実施形態の遮断機の正面図
【図2】遮断機の平面図
【図3】遮断機の要部の拡大一部切欠き平面図
【図4】折れ曲がり揺動時の要部の拡大斜視図
【図5】(イ)、(ロ)は阻止棒の平面図と正面図
【図6】阻止棒の拡大横断面図
【図7】阻止棒の分解平面図
【図8】阻止棒の分解正面図
【図9】本発明の第2実施形態の阻止棒を示す分解平面図
【図10】阻止棒の正面図
【符号の説明】
【0040】
A 遮断機
Y 縦軸芯
2 昇降アーム
3 取付けアーム
4 阻止棒
4A 第1樹脂発泡体
4B 第2樹脂発泡体
4C 保護シート
4a 基部
5 継手部材
5A 取付け杆
5B 取付け筒体
7 紐状体
8 合成樹脂板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輌の進行を制御する遮断機の阻止棒であって、横断面形状における長辺方向が上下方向となる直方体状に形成された第1樹脂発泡体と、横断面形状における長辺方向が上下方向となる直方体状に形成され、かつ、前記第1樹脂発泡体よりも圧縮硬さの小さな第2樹脂発泡体との積層構造に構成されている遮断機の阻止棒。
【請求項2】
前記第2樹脂発泡体が第1樹脂発泡体の板厚方向両側の外側面に固着されている請求項1記載の遮断機の阻止棒。
【請求項3】
前記第1樹脂発泡体と第2樹脂発泡体との間には、第2樹脂発泡体よりも厚みの薄い合成樹脂板が、その板面を上下方向に沿わせた状態で介装されている請求項1又は請求項2記載の遮断機の阻止棒。
【請求項4】
前記第2樹脂発泡体の外側面には合成樹脂製の保護シートが貼り付けられている請求項1、2又は3記載の遮断機の阻止棒。
【請求項5】
前記第1樹脂発泡体の基部には、金属製の継手部材の取付け筒体が外嵌状態で固定連結され、この継手部材の取付け筒体には、遮断機の昇降アームに対して縦軸芯周りで揺動可能に取付けられている取付けアームに固定連結される取付け杆が連設されているとともに、前記継手部材とこれの取付け筒体に内嵌された第1樹脂発泡体における嵌合連結基部から先端側に偏倚した部位とにわたって挿通された紐状体により、継手部材の取付け筒体と第1樹脂発泡体とが結節されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の遮断機の阻止棒。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−14066(P2008−14066A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−187684(P2006−187684)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【出願人】(501111142)株式会社タチバナ (5)
【出願人】(505398963)西日本高速道路株式会社 (105)
【出願人】(502246300)株式会社ジェイファスト (7)
【Fターム(参考)】