説明

遺伝子の検出方法、検出装置、並びに検出用チップ

【課題】プローブの電極への固定化量を定量的に把握できるようにし、高感度に、高速大量に、遺伝子を定量検出することを可能とする。
【解決手段】特定の配列を有する遺伝子をプローブとハイブリダイゼーションさせて、電気化学的に前記遺伝子を検出する方法であって、当該方法は、前記プローブを電気化学的に検出するものであることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遺伝子の塩基配列のほか、遺伝子DNAの一塩基置換SNP(シングル・ヌクレオチド・ポリモフィズム:人の遺伝コード中の変種)、数塩基置換、点突然変異、遺伝子の欠損等の遺伝子の異常を検出し解析可能とする遺伝子の検出方法、検出装置、並びに検出用チップに関する。
【0002】
【従来の技術】
生物学、医学、薬学分野においては、遺伝子解析や遺伝子検査等のための種々の遺伝子の検出方法が提案されている。遺伝子の一般的検出原理は、検出したい遺伝子と相補的な遺伝子断片(プローブ)を標識し、試料遺伝子断片とハイブリダイゼーションを行った後、未反応のプローブを除去してプローブに導入した標識を指針として検出反応を行うものである。
【0003】
遺伝子の検出方法には、具体的には、DNAシーケンス法、サザンハイブリダイゼーション法、蛍光標識する方法、電気化学的検出法等がある。
【0004】
DNAシーケンス法は、遺伝子の解析したい領域をPCR法(ポリミラーゼ連鎖反応法)で増幅したのち、蛍光標識されたヌクレオチドを用いてシーケンスを行い、当領域内の遺伝子配列を決定する方法である。
【0005】
サザンハイブリダイゼーション法は、一般的には、まず、サンプル遺伝子を1種類以上の制限酵素でフラグメントとした後、ゲル電気泳動にかけてサイズによって分離する。次にサンプル遺伝子を一本鎖に変性した後、ナイロン・フィルターまたはニトロセルロース・ペーパーに固定化する。そして、この変性された一本鎖と放射性同位元素(RI)でラベルされた塩基対を形成する相補的な一本鎖(プローブ)とをハイブリダイゼーションさせて、フィルターまたはニトロセルロース・ペーパーを洗浄する。洗浄後、上記フィルターまたはニトロセルロース・ペーパーをオートラジオグラフにかけ、現像することによってプローブとハイブリダイズする特定の配列を有する遺伝子が検出される。
【0006】
また、ハイブリダイゼーション前にサンプル遺伝子を蛍光標識しておき、これとプローブとをハイブリダイゼーションさせ、蛍光を測定する手法も知られている。
【0007】
また、最近では、電気化学的手法による遺伝子検出法が注目を集めている。この手法は、遺伝子とプローブとをハイブリダーゼーションさせた二本鎖を電気化学的に検出するものであり、中でも二本鎖に特異的な結合能を有し電気化学的応答を示すリガンド(配位子)を用いたものが、装置のコンパクト化、高感度検出の可能性、コスト、簡便さなどの点から実用化に近いレベルにあるものといえる。特に、多数の遺伝子群をハイスループット解析したり、遺伝子発現のモニタリングを行う上では遺伝子の迅速で高感度な検出が重要となってくるため、電気化学的手法が有望となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の遺伝子の検出方法では、電極に固定化されるプローブの量を均一にコントロールするのが困難であるという問題がある。固定化されるプローブの量が均一でなく測定の度に変化するため、定量的に遺伝子を検出することが難しい。
【0009】
また、固定化されたプローブの量を把握することによってプローブ固定化量を標準化することも考えられるが、現在の技術ではプローブ量を正確に把握することは困難である。
【0010】
例えば、上記の電気化学的な遺伝子の検出方法では、あハイブリダイゼーションされた二本鎖を高感度に検出できるが、固定化プローブ量を一定に保つことが困難かつ固定化量を正確に測定することが困難であるために、結果として解析の検出感度に限界があるという問題がある。
【0011】
本発明は、上記従来の問題点を解決することを目的とするものであり、プローブの電極への固定化量を定量的に把握できるようにし、高感度でもって、高速大量(ハイスループット)に、簡便に遺伝子を定量検出し、信頼性のある解析が可能な遺伝子の検出方法等を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、特定の配列を有する遺伝子をプローブとハイブリダイゼーションさせて、電気化学的に前記遺伝子を検出する方法であって、前記プローブを電気化学的に検出するものであることを特徴とする遺伝子の検出方法を提供する。
【0013】
プローブとは、サンプル遺伝子を探索する探索子の意味である。プローブとしては、サンプル遺伝子と相補的な塩基対部分を有する遺伝子が用いられ、具体的には、同一の又は異なる遺伝子配列を有する複数のPCR産物、オリゴヌクレオチド、mRNA、cDNA、PNA(peptidic nucleic acid)、またはLNA(locked nucleic acid;Proligo LLC社商標)等が用いられる。
【0014】
本発明では、プローブを電気化学的に検出することにより、遺伝子の検出操作の系の中におけるプローブを定量的に把握することができる。
【0015】
本発明における遺伝子の検出方法は、前記電気化学的検出により、電極へのプローブ固定化量を算出することを特徴とする。これにより、高感度に遺伝子を定量検出することができる。
【0016】
本発明は、上記課題を解決するために、特定の配列を有する遺伝子をプローブとハイブリダイゼーションさせて、電気化学的に前記遺伝子を検出する方法であって、ハイブリダイゼーションされた二本鎖を電気化学的に検出するものであるとともに、前記プローブを電気化学的に検出するものであることを特徴とする検出方法を提供する。
【0017】
本発明では、二本鎖およびプローブを電気化学的に検出することにより、遺伝子の検出操作の系の中における二本鎖およびプローブを定量的に把握することができる。
【0018】
本発明における遺伝子の検出方法は、前記電気化学的検出により、電極へのプローブ固定化量当たりの二本鎖形成量を算出することを特徴とする。このように、プローブ固定化量と二本鎖形成量との相対量を算出することにより、高感度に遺伝子を定量検出することがでる。
【0019】
本発明における遺伝子の検出方法は、前記二本鎖にインターカレータを導入して当該二本鎖を電気化学的に検出することを特徴とする。
【0020】
インターカレータとは、二本鎖の二重らせんの塩基対間に入り込むリガンド(配位子)のことである。インターカレータを導入することにより、二本鎖をより高感度に識別することが可能となる。
【0021】
本発明における遺伝子の検出方法は、特定の配列を有する遺伝子を電気化学的に検出する方法であって、プローブを電極に固定する工程と、当該プローブの電極への固定化量を電気化学的に検出する工程と、前記プローブと前記遺伝子とをハイブリダイゼーションさせ二本鎖を形成させる工程と、インターカレータを導入して前記二本鎖を電気化学的に検出する工程と、を有するものである。
【0022】
本方法では、予めプローブの固定化量を検出した後、ハイブリダイゼーションさせ、その後インターカレータを導入し二本鎖量を検出するものであり、プローブ固定化量と二本鎖量とをそれぞれ検出できるので、プローブ量当たりに結合した目的遺伝子量を正確に把握でき高感度の遺伝子検出が可能となる。
【0023】
本発明における遺伝子の検出方法は、特定の配列を有する遺伝子を電気化学的に検出する方法であって、プローブを電極に固定する工程と、当該プローブの電極への固定化量を電気化学的に検出する工程と、前記プローブと前記遺伝子とをインターカレータ存在下に反応させ、当該プローブと前記遺伝子とをハイブリダイゼーションさせ二本鎖を形成させる工程と、インターカレータを導入して前記二本鎖を電気化学的に検出する工程と、を有するものである。
【0024】
本方法では、予めプローブの固定化量を検出した後、インターカレータを導入しながらハイブリダイゼーションさせた後、二本鎖量を検出するものであり、プローブ固定化量と二本鎖量とをそれぞれ検出できるので、プローブ量当たりに結合した目的遺伝子量を正確に把握でき高感度の定量検出が可能となる。
【0025】
本発明における遺伝子の検出方法は、特定の配列を有する遺伝子を電気化学的に検出する方法であって、プローブを電極に固定する工程と、当該プローブと前記遺伝子とをハイブリダイゼーションさせ二本鎖を形成させる工程と、前記二本鎖にインターカレータを導入する工程と、電気化学的な測定により、前記二本鎖を検出するとともに、前記プローブの電極への固定化量を検出する工程と、を有するものである。
【0026】
本方法では、プローブ固定化、ハイブリダイゼーションを行った後に、プローブ固定化量と二本鎖量とをそれぞれ同時に検出して、プローブ固定化量当たりの二本鎖形成量を正確に把握することができ、また、2つの電気化学的な測定を一度に行うことができるので検出が簡易かつ迅速となる。
【0027】
本発明における遺伝子の検出方法は、特定の配列を有する遺伝子を電気化学的に検出する方法であって、プローブを電極に固定する工程と、当該プローブと前記遺伝子とをインターカレータ存在下に反応させ、当該プローブと前記遺伝子とをハイブリダイゼーションさせ二本鎖を形成させる工程と、電気化学的な測定により、前記二本鎖を検出するとともに、前記プローブの電極への固定化量を検出する工程と、を有するものである。
【0028】
本方法でも、プローブ固定化量と二本鎖量とを同時に定量検出できるので検出が簡易かつ迅速となる。
【0029】
本発明の遺伝子の検出方法は、特定の配列を有する遺伝子を電気化学的に検出する方法であって、プローブと前記遺伝子とをハイブリダイゼーションさせ二本鎖を形成させる工程と、前記二本鎖にインターカレータを導入する工程と、前記プローブを電極に固定する工程と、電気化学的な測定により、前記二本鎖を検出するとともに、前記プローブの電極への固定化量を検出する工程と、を有するものである。
【0030】
本方法では、プローブとサンプル遺伝子とを均一溶液中または電極表面付近の溶液中においてハイブリダイゼーションさせた後、これにインターカレータを導入してラベル化し、その後プローブを電極へ固定化し、プローブ固定化量と二本鎖量とをそれぞれ同時に検出して、プローブ固定化量当たりの二本鎖形成量を正確に把握することができる。本方法では、プローブを電極へ固定化せず、溶液中においてハイブリダイゼーションやインターカレーションを行うため、これらの反応の効率が高められる利点もある。
【0031】
本発明における遺伝子の検出方法は、特定の配列を有する遺伝子を電気化学的に検出する方法であって、プローブと前記遺伝子とをインターカレータ存在下に反応させ、当該プローブと前記遺伝子とをハイブリダイゼーションさせ二本鎖を形成させる工程と、前記二本鎖におけるプローブを電極に固定する工程と、電気化学的な測定により、前記二本鎖を検出するとともに、前記プローブの電極への固定化量を検出する工程と、を有するものである。
【0032】
本方法でも、プローブ固定化量当たりの二本鎖形成量を正確に把握できるとともに、溶液中で反応させるので反応効率が高められる利点がある。
【0033】
前記遺伝子の検出方法においては、前記プローブが電気化学的シグナル部を有してなり、当該電気化学的シグナル部を介して流れる電流を測定することにより電極へのプローブ固定量を検出することを特徴とする。
【0034】
本方法では、プローブに電気化学的シグナル部を設けたことによりプローブ固定化量を当該シグナルを介して正確に定量検出することができる。プローブの電気化学的シグナル部とは、プローブにおいて電気化学的応答を示す物質により化学修飾された部位を意味する。この電気化学的応答を示す物質としては、酸化還元活性を有する物質、酸化活性を有する物質、還元活性を有する物質等が挙げられる。
【0035】
前記遺伝子の検出方法においては、前記プローブがその末端に電極固定化部を有し、その逆の末端に前記電気化学的シグナル部を有してなることを特徴とする。
【0036】
前記遺伝子の検出方法においては、前記プローブの電気化学的シグナル部の検出電位と、前記二本鎖の検出電位とが、異なることを特徴とする。両検出電位を同じ電位に設定してもそれぞれ測定することはできるが、異なる検出電位とすることにより、両検出電位を同時に測定することが可能となる利点がある。同時に測定できるので検出が簡易かつ迅速となる。
【0037】
前記電気化学的シグナル部は、アントラキノン、フェロセン、カテコールアミン、金属ビピリジン、金属フェナンスリン錯体、ビオローゲン等であってもよい。
【0038】
前記インターカレータは縫い込み型インターカレータであることが好ましい。縫い込み型インターカレータとは、二本鎖へのインターカレーション時に二つ又は三つの置換基が主溝と副溝にそれぞれ突き出した複合体を形成する薬剤である。したがって縫い込み型インターカレータが二本鎖からはずれるとき置換基の一つがストッパーとして働く。これによって二本鎖核酸からの解離は極めて遅くなり、二本鎖が安定化するという利点がある。特に、フェロセン修飾された縫い込み型インターカレータが好ましい。
【0039】
本発明の遺伝子の検出装置は、特定の配列を有する遺伝子をプローブとハイブリダイゼーションさせて、電気化学的に前記遺伝子を検出する装置であって、当該装置は、ハイブリダイゼーションされた二本鎖を電気化学的に検出する手段と、前記プローブを電気化学的に検出する手段と、を有するものであることを特徴とする。
【0040】
本発明の遺伝子の検出用チップは、特定の配列を有する遺伝子をハイブリダイゼーションさせるプローブが固定された電極と、当該電極の対極である共通電極と、を有する遺伝子の検出用チップであって、前記電極と前記共通電極との間に電圧を印加し、前記ハイブリダイゼーションされた二本鎖を電気化学的に検出するとともに、前記プローブを電気化学的に検出することが可能であることを特徴とする。本チップは、例えば、遺伝子の発現量、塩基配列、一塩基置換SNP、数塩基置換、点突然変異、転座、欠損、増幅、またはトリプレットリピートを検出するのに有用である。
【0041】
本発明の遺伝子の検出用チップにおいては、前記電極が複数のピン電極からなっていてもよい。
【0042】
上記検出用チップは、遺伝子診断用であってもよい。本発明の検出用チップを用いて遺伝子診断することにより、筋ジストロフィー、血友病、フェニルケトン尿症等の単一遺伝子病、糖尿病、がん、高血圧、心筋梗塞、肥満症等の多因子遺伝子病に関する遺伝子の発現量と塩基配列等を診断したり、発症前の遺伝子の発現量と塩基配列等を診断したり、適切な治療法や薬を選択するための判断材料にすることができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
本発明に係る遺伝子の検出方法、並びに検出装置及び検出用チップの実施の形態を図面を参照しながら以下に説明する。なお、図面は本発明の一実施の形態にすぎず、これに限定されるものではない。
【0044】
図1は、本発明に係る遺伝子の検出方法を概念的に示す図である。図1において、プローブ1は、プローブ本体部5と、当該プローブ本体部5の一の末端にある電極固定化部2と、他方の末端にある電気化学的シグナル部3と、を有している。まず、溶液中にてサンプル遺伝子4とプローブ1とをハイブリダイゼーションさせると、プローブ本体部5と対応する塩基配列を持つサンプル遺伝子4とが結合して二本鎖を形成する。そこへ、インターカレータ6を添加すると、インターカレーションが起こり、インターカレータ6が二本鎖へ結合する。次に、プローブ1を電極へ固定させ、サイクリックボルタンメトリー(CV)やディファレンシャルパルスボルタンメトリー(DPV)等によって電気化学的測定を行う。電気化学的シグナル部3からの検出電位Vaと、インターカレータからの検出電位Vbとを異なる電位として電流を検出し、それぞれ検出されたピークの電流値からベースラインを引いた値IaとIbとを求める。IbとIaとの比(Ib/Ia)が固定化されたプローブ量当たりに形成された二本鎖量を表す。
【0045】
上記は、溶液中でインターカレーション反応を行う検出方法について述べたが、上記のほか、プローブの電極への固定化工程、プローブ固定化量の検出工程、インターカレーション工程等の順序を入れ替えた場合にも同様に本発明が適用され得る。
【0046】
本発明に用いられる電極としては、プローブを固定できるものであればいずれをも使用でき、好適には金、グラシーカーボン、炭素などが挙げられる。
【0047】
本発明に用いられるプローブの電気化学的シグナル部は、電気化学的活性を有する物質であればいずれもが用いられるが、特に酸化還元活性を有する物質が好ましい。この酸化還元活性を有する物質としては、アントラキノン、フェロセン、カテコールアミン、金属ビピリジン、金属フェナンスリン錯体、ビオローゲンなどが好ましく、特にフェロセンが好ましい。
【0048】
プローブとしては、生物試料から抽出した遺伝子を制限酵素で切断し、電気泳動による分離などで精製した遺伝子、あるいは化学合成したDNAのいずれもが用いられる。プローブの配列は予め決定しておくことが好ましい。プローブの配列決定方法は周知の手法を用いる。
【0049】
プローブに電気化学的シグナル部を導入する方法としては、プローブ本体の5’末端および/または3’末端にアミド結合により電気化学的応答を示す物質を結合させる方法が挙げられる。5’末端および/または3’末端に、リンカーを介してアミド結合により電気化学的応答を示す物質を結合させてもよい。電気化学的応答を示す物質とプローブ本体との結合は、公知の方法によって行われる。5’末端にアミノ基が導入されたプローブ本体とフェロセンとの結合によるプローブ製造の例を以下に説明する。プローブを適当な緩衝液(例えば、炭酸ナトリウム−炭酸水素ナトリウム緩衝液)に溶解し、これに例えば、フェロセンカルボン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを含む有機溶媒(例えば、DMSO)を加えて反応させ、HPLCなどを用いて精製することにより、5’末端側にフェロセンが結合したプローブが得られる。
【0050】
プローブを電極に固定化する方法としては、公知の方法が用いられる。例えば、電極が金である場合、プローブ本体にチオール基(SH基)を導入し、金と硫黄との金―硫黄配位結合を介してプローブが電極に結合される。プローブ本体にチオール基を導入する方法としては、Mizuo MAEDA,Koji NAKANO,Shinji UCHIDA,and Makoto TAKAGI,Chemistry Letters,1805−1808(1994)あるいはB.A.Connolly,Nucleic Acids Rs.,13,4484(1985)に記載されている。上記の方法で得られるチオール基を有するプローブを金電極に滴下し、低温下(例えば4℃)で、数時間放置することにより、フェロセンで修飾されたプローブが金電極に固定化される。
【0051】
他の方法として、グラシーカーボンを過マンガン酸カリウムで酸化することにより電極表面にカルボン酸を導入し、プローブに修飾されたアミノ基とアミド結合を形成させて固定化し得る。グラシーカーボンへの固定化は、Kelly M.Millan and Susan R.Mikkelsen,Analitical Chemistry65,2317−2323(1993)に記載されている。
【0052】
電極の表面に金メッキをする前の前処理方法やSH−金結合に関しては、例えばJ.Am.Chem.Soc 111号P321〜 1989年 C.D.Bain著や、Anal.Chem.70号P2396〜1998年 JJ.Gooding著に記載がある。
【0053】
上記で得られたプローブが結合した電極を、サンプル遺伝子を含む検体溶液に導入することにより、プローブと相補的な配列を有するサンプル遺伝子がハイブリダイゼーションされ、二本鎖が形成される。ハイブリダイゼーションの方法は周知である。
【0054】
本発明に用いられるインターカレータとしては、フェロセン、カテコールアミン、金属ピピリジン錯体、金属フェナンスリン錯体、ピオローゲン、またはこれら化合物を導入した縫い込み型インターカレータを有効成分とするものが挙げられ、特に好ましくは、フェロセン縫い込み型インターカレータである。この他に、エチジュウム、エチジュウムブロマイド、アクリジン、アミノアクリジン、アクリジンオレンジ、プロフラビン、エリブチシン、アクチノマイシンD、ドーノマイシン、マイトマイシンC、トリス(フェナントロリン)亜鉛錯体、トリス(フェナントロリン)ルテニュウム錯体、トリス(フェナントロリン)コバルト錯体、ジ(フェナントロリン)亜鉛錯体、ジ(フェナントロリン)ルテニュウム錯体、ジ(フェナントロリン)コバルト錯体、ビピリジンプラチナ錯体、ターピリジンプラチナ錯体、フェナントロリンプラチナ錯体、トリス(ビピリジル)亜鉛錯体、トリス(ビピリジル)ルテニュウム錯体、トリス(ビピリジル)コバルト錯体、ジ(ビピリジル)亜鉛錯体、ジ(ビピリジル)ルテニュウム錯体、ジ(ビピリジル)コバルト錯体を有効成分としてもよい。
【0055】
ハイブリダイゼーション反応中のインターカレータは、数nM〜数mMオーダーの濃度範囲で用いられ得る。好ましくは、0.1mM〜5mMであり、最も好ましくは0.5mMである。
【0056】
インターカレータは、二本鎖の層間に侵入し、一種の電荷移動錯体を形成する。インターカレーションにより電極に流れる電流値が変化する。この電流は二本鎖に結合したインターカレータの酸化還元反応によるものである。二本鎖の形成の程度がインターカレートの程度として定量検出され得る。したがって、この電流値を検出することにより二本鎖量が測定され得る。
【0057】
一方、電極へのプローブ固定量は、プローブの電気化学的シグナル部の酸化還元反応による電流値変化により定量検出され得る。
【0058】
図2は、本発明の検出装置の全体構成を説明する斜視図である。図2において、本発明に係る遺伝子の検出装置11は、検出用チップ12と、この検出用チップ12を差し込み可能な装入口29を有し、プローブを電気化学的に検出可能であり、かつ、ハイブリダイゼーションにより生じる二本鎖を電気化学的に検出可能とする測定装置13と、パソコン35とから構成される。
【0059】
電気化学的な検出手段としては、サイクリックボルタモグラム、デファレンシヤルパルスボルタモグラム、ポテンシオスタット等を用いることができる。
【0060】
図3は、検出用チップ12の構造を示す図であり、図3に示すように、検出用チップ12は、中央部に窪み18が形成されたフレーム14と、該フレーム14に着脱可能に装着される本体部15とから構成される。窪み18内には、溶液(プローブ、サンプル遺伝子、インターカレータ、洗浄液等)を充填することができるようになっている。本体部15には、フレーム14の窪み18に対応する領域に、多数のピン電極10が均等に突設されている。窪み18に所定の溶液を順次注入したり洗浄したりする操作を行い、ハイブリダイゼーション、インターカレーション等を行った後、検出用チップ12を上記装入口29へ差し込み、共通電極用ターミナル端子27及び各ピン電極用ターミナル端子20を、測定装置の受け端子に接続し、選択スイッチを介して電圧回路に接続し、共通電極と各ピン電極10の間に弱い電圧をかけると、インターカレータによりラベル化された部位および/またはプローブの化学的シグナル化された部位と、ピン電極10との間には、電圧回路及び共通電極を通して微弱電流が流れる。この電流を検出することにより遺伝子の検出を行う。
【実施例】
以下、実施例を挙げて説明するが、本願発明が実施例に限定されないことはいうまでもない。
【0061】
(実施例1)
ヒトのp53遺伝子、エクソン4のコドン72番目のG→CトランスバージョンのSNP検出実験を行った。
【0062】
まず、金電極に以下で示されるプローブを固定化させた。
【0063】
【化1】

上式に示すように、プローブはオリゴヌクレオチド(ODN)の両末端にリンカーとして ―(CH― を有してなるプローブ本体部Cと、その5’末端側に結合したチオール基からなる電極固定化部Aと、3’末端側のフェロセンを有した電気化学的シグナル部Bと、からなる。プローブ本体部Cは、以下の(a)により表される。
【0064】
【化2】

このプローブを金電極に結合させて固定化させた後、ターゲットDNAとしてPCR産物(280bp)を熱変性させ、ハイブリダイゼーション反応を行った。未結合のターゲットDNAを除去後、以下に示されるフェロセン化ナフタレンジイミドからなるインターカレータを添加してDNAの二本鎖部に結合させた。
【0065】
【化3】

その後、測定用電解質溶液(0.1M AcOH−AcOK(pH5.6),0.1M KCl,0.05mM NFc)中でDPV(ディファレンシャルパルスボルタンメトリー)測定をした。その結果を、図4に示す。
【0066】
図4に示すように、インターカレータ由来のシグナル(Ib)が0.44V(Ag/AgCl参照電極)の電位に検出され、さらにプローブ由来のシグナル(Ia)が0.52V(Ag/AgCl参照電極)の電位に検出された。
【0067】
次に、同様の実験を、ターゲットDNA濃度(x)を変化させて(5,10,50,100fmol/μl)行った結果を図5に示す。それぞれ検出されたピークの電流値からベースラインを引いた値Ia(5)〜Ia(100),Ib(5)〜Ib(100)を求め、下式(1)においてこれらの比を算出し、プロットした結果を図6に示す。
【0068】
I ratio(x) =Ib(x) / Ia(x) ・・・式(1)
図6に示すように、電極に固定されているプローブ量Ia(x)は、それぞれの電極においてばらつきが認められる。このため、二本鎖DNA量Ib(x)を検出するのみでは、プローブ量当たりの二本鎖DNA量を電極間で比較すると誤差が出るおそれがある。しかし、本実施例では式(1)によりプローブ量をもとに補正することによって、二本鎖DNA形成量を正確に定量できるようになった。
【0069】
(実施例2)
次に、上記実施例1において、プローブを以下で示されるものに替えた以外は上記実施例1と同様にして実験した。
【0070】
【化4】

上式に示すように、プローブは、オリゴヌクレオチド(ODN)の一末端にリンカーとして ―(CH― を有してなるプローブ本体部Dと、その5’末端側にチオール基からなる電極固定化部でありかつ電気化学的シグナル部であるEと、からなる。E部は、電極固定化部であると同時に、電気化学的シグナル部としても機能する。金電極上にE部が結合してできたAu−S結合において、Sが酸化されることに伴って開裂されることに基づく電流変化が電気化学的シグナルとして検出される。プローブ本体部Dは、p53遺伝子のSNP Pro72である。
【0071】
このプローブを金電極に結合させて固定化させた後、ターゲットDNAとしてPCR産物(280bp)を熱変性させ、ハイブリダイゼーション反応を行った。未結合のターゲットDNAを除去後、インターカレータを添加し、測定用電解質溶液(0.1M AcOH−AcOK(pH5.6),0.1M KCl,0.05mM NFc)中でDPV(ディファレンシャルパルスボルタンメトリー)測定をした。その結果を、図7に示す。
【0072】
図7に示すように、インターカレータ由来のシグナル(Ib)が0.43V(Ag/AgCl参照電極)の電位に検出され、さらにプローブ由来のシグナル(Ia)が1.00V(Ag/AgCl参照電極)の電位に検出された。
【0073】
さらに、実施例1と同様にターゲットDNA量を変化させて実験をしたところ、定量性のあることが確認できた。
【0074】
(実施例3)
次に、上記実施例1において、プローブを以下で示されるものに替えた以外は上記実施例1と同様にして実験した。
【0075】
【化5】

上式に示すように、プローブはオリゴヌクレオチド(ODN)の一末端にリンカーとして ―(CH― を有してなるプローブ本体部Fと、その5’末端側のジスルフィド結合からなる電極固定化部Gと、アントラキノンからなる電気化学的シグナル部Hとからなる。プローブ本体部Fは、p53遺伝子のSNP Pro72である。
【0076】
このプローブを金電極に結合させ固定化させた後、ターゲットDNAとしてPCR産物(280bp)を熱変性させ、ハイブリダイゼーション反応を行った。未結合のターゲットDNAを除去後、インターカレータを添加し、測定用電解質溶液(0.1M AcOH−AcOK(pH5.6),0.1M KCl,0.05mM NFc)中でCV(サイクリックボルタンメトリー)測定をした。その結果を、図8に示す。
【0077】
図8に示すように、CVの酸化電位500mVにインターカレータに由来するシグナル(Ib)が検出された。また、還元電位700mVにプローブの電気化学的シグナル部Hに由来するシグナル(Ia)が検出された。実施例1と同様にターゲットDNA濃度(x)を変化をさせて、Ib(x)/Ia(x)を算出したところ、定量性が得られることが確認された。
【0078】
(実施例4)
次に、上記実施例3において用いたプローブと同じプローブを、電極に固定することなくサンプルDNAとハイブリダイズさせた。この溶液に金電極を浸し、プローブをその電極固定化部Gを介して金電極表面に結合させた。さらに溶液にインターカレータを添加して二本鎖DNAに結合させて、測定用電解質溶液(0.1M AcOH-AcOK (pH5.6), 0.1M KCl, 0.05mM NFc)中でCV(サイクリックボルタンメトリー)測定をした。
【0079】
その結果、あらかじめプローブDNAを電極に固定させた実施例1〜3の場合に比べて、酸化電位500mVの検出電流(Ib)及び還元電位700mVの検出電流(Ia)の大きさが約70%低下したが、Iratio(Ib/Ia) を用いた定量的検出に問題のないことがわかった。
【0080】
【発明の効果】
本発明に係る遺伝子の検出方法、並びに検出装置及び検出用チップは、プローブの電極への固定化量を定量的に把握できるようにしたものであるので、高感度でもって、高速大量に、簡便に遺伝子を定量検出・解析することができる。
【0081】
このように、高感度、ハイスループット(高速大量)の処理ができる本発明に係る検出装置は、生物学、医学分野での遺伝子、表現形質との相関の解析に有効な手段である。薬剤代謝酵素、がん抑制遺伝子などの特定の遺伝子を、本発明に係る遺伝子の発現量、塩基配列、一塩基置換SNP、数塩基置換、点突然変異、転座、欠損、増幅、またはトリプレットリピートの検出・解析装置よって、解析することにより、遺伝子診断にも利用できる。
【0082】
例えば、本発明に係る検出装置では、高感度、ハイスループット(高速大量)の処理が可能であるから、日本人の遺伝子に関するデータを収集し、病気の発症と関連する遺伝子を同定し、将来発症するのを予測・予防することに役立てることができる。
【0083】
また、遺伝子を診断することにより、適切な治療法を選択したり、副作用の少ない薬を選択したりする上で役立てることができる。
【0084】
さらに、病気の遺伝子解析の結果を利用して、臨床実験等を繰り返すことなく、新薬を開発することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る遺伝子の検出方法を概念的に示す図である。
【図2】 本発明に係る遺伝子の検出装置の全体構成を説明する斜視図である。
【図3】 図3は、本発明に係る遺伝子の検出用チップの全体構成を説明する斜視図である。
【図4】 実施例1における検出電流の変化を示す測定結果である。
【図5】 実施例1における検出電流の変化を示す測定結果である。
【図6】 実施例1におけるIb/Ia値の変化を示すグラフである。
【図7】 実施例2における検出電流の変化を示す測定結果である。
【図8】 実施例3における検出電流の変化を示す測定結果である。
【符号の説明】
1 プローブ
2 電極固定化部
3 電気化学的シグナル部
4 サンプル遺伝子
5 プローブ本体部
6 インターカレータ
11 検出装置
12 検出用チップ
13 測定装置
14 検出用チップのフレーム
15 検出用チップの本体部
18 窪み
10 ピン電極
29 測定装置の装入口
35 パソコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の配列を有する遺伝子をプローブとハイブリダイゼーションさせて、電気化学的に前記遺伝子を検出する方法であって、
当該方法は、前記プローブを電気化学的に検出するものであることを特徴とする、遺伝子の検出方法。
【請求項2】
前記電気化学的検出により、電極へのプローブ固定化量を算出することを特徴とする、請求項1記載の遺伝子の検出方法。
【請求項3】
特定の配列を有する遺伝子をプローブとハイブリダイゼーションさせて、電気化学的に前記遺伝子を検出する方法であって、
当該方法は、ハイブリダイゼーションされた二本鎖を電気化学的に検出するものであるとともに、前記プローブを電気化学的に検出するものであることを特徴とする、遺伝子の検出方法。
【請求項4】
前記電気化学的検出により、電極へのプローブ固定化量当たりの二本鎖形成量を算出することを特徴とする、請求項1記載の遺伝子の検出方法。
【請求項5】
前記二本鎖にインターカレータを導入して当該二本鎖を電気化学的に検出することを特徴とする、請求項3又は4記載の遺伝子の検出方法。
【請求項6】
特定の配列を有する遺伝子を電気化学的に検出する方法であって、
プローブを電極に固定する工程と、
当該プローブの電極への固定化量を電気化学的に検出する工程と、
前記プローブ
と前記遺伝子とをハイブリダイゼーションさせ二本鎖を形成させる工程と、
インターカレータを導入して前記二本鎖を電気化学的に検出する工程と、
を有する、遺伝子の検出方法。
【請求項7】
特定の配列を有する遺伝子を電気化学的に検出する方法であって、
プローブを電極に固定する工程と、
当該プローブの電極への固定化量を電気化学的に検出する工程と、
前記プローブと前記遺伝子とをインターカレータ存在下に反応させ、当該プローブと前記遺伝子とをハイブリダイゼーションさせ二本鎖を形成させる工程と、
インターカレータを導入して前記二本鎖を電気化学的に検出する工程と、
を有する、遺伝子の検出方法。
【請求項8】
特定の配列を有する遺伝子を電気化学的に検出する方法であって、
プローブを電極に固定する工程と、
当該プローブと前記遺伝子とをハイブリダイゼーションさせ二本鎖を形成させる工程と、
前記二本鎖にインターカレータを導入する工程と、
電気化学的な測定により、前記二本鎖を検出するとともに、前記プローブの電極への固定化量を検出する工程と、
を有する、遺伝子の検出方法。
【請求項9】
特定の配列を有する遺伝子を電気化学的に検出する方法であって、
プローブを電極に固定する工程と、
当該プローブと前記遺伝子とをインターカレータ存在下に反応させ、当該プローブと前記遺伝子とをハイブリダイゼーションさせ二本鎖を形成させる工程と、
電気化学的な測定により、前記二本鎖を検出するとともに、前記プローブの電極への固定化量を検出する工程と、
を有する、遺伝子の検出方法。
【請求項10】
特定の配列を有する遺伝子を電気化学的に検出する方法であって、
プローブと前記遺伝子とをハイブリダイゼーションさせ二本鎖を形成させる工程と、
前記二本鎖にインターカレータを導入する工程と、
前記プローブを電極に固定する工程と、
電気化学的な測定により、前記二本鎖を検出するとともに、前記プローブの電極への固定化量を検出する工程と、
を有する、遺伝子の検出方法。
【請求項11】
特定の配列を有する遺伝子を電気化学的に検出する方法であって、
プローブと前記遺伝子とをインターカレータ存在下に反応させ、当該プローブと前記遺伝子とをハイブリダイゼーションさせ二本鎖を形成させる工程と、
前記二本鎖におけるプローブを電極に固定する工程と、
電気化学的な測定により、前記二本鎖を検出するとともに、前記プローブの電極への固定化量を検出する工程と、
を有する、遺伝子の検出方法。
【請求項12】
前記プローブが電気化学的シグナル部を有してなり、当該電気化学的シグナル部を介して流れる電流を測定することにより電極へのプローブ固定量を検出することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の遺伝子の検出方法。
【請求項13】
前記プローブがその末端に電極固定化部を有し、その逆の末端に前記電気化学的シグナル部を有してなる、請求項12記載の遺伝子の検出方法。
【請求項14】
前記プローブの電気化学的シグナル部の検出電位と、前記二本鎖の検出電位とが、異なることを特徴とする、請求項12記載の遺伝子の検出方法。
【請求項15】
前記電気化学的シグナル部がアントラキノン、フェロセン、カテコールアミン、金属ビピリジン、金属フェナンスリン錯体、ビオローゲン、又はチオール基である請求項12〜14のいずれか一項に記載の遺伝子の検出方法。
【請求項16】
前記インターカレータが縫い込み型インターカレータである請求項5〜15のいずれか一項に記載の遺伝子の検出方法。
【請求項17】
特定の配列を有する遺伝子をプローブとハイブリダイゼーションさせて、電気化学的に前記遺伝子を検出する装置であって、
当該装置は、ハイブリダイゼーションされた二本鎖を電気化学的に検出する手段と、
前記プローブを電気化学的に検出する手段と、
を有するものであることを特徴とする、遺伝子の検出装置。
【請求項18】
特定の配列を有する遺伝子をハイブリダイゼーションさせるプローブが固定された電極と、
当該電極の対極である共通電極と、を有する遺伝子の検出用チップであって、
前記電極と前記共通電極との間に電圧を印加し、前記ハイブリダイゼーションされた二本鎖を電気化学的に検出するとともに、前記プローブを電気化学的に検出することが可能であることを特徴とする、遺伝子の検出用チップ。
【請求項19】
前記電極が複数のピン電極からなる請求項18記載の遺伝子の検出用チップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−170615(P2006−170615A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−12413(P2001−12413)
【出願日】平成13年1月19日(2001.1.19)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成11年度新エネルギー・産業技術総合開発機構「タンパク質機能解析」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(596057011)
【出願人】(501005829)株式会社TUMジーン (1)
【Fターム(参考)】