説明

遺伝的多型マーカーセット、プローブセット、検出キットおよび品種判定方法

【課題】 遺伝学的解析によってアブラナ科植物の品種の判別を可能とする遺伝的多型マーカーセット、プローブセット、検出キットおよび品種判定方法を提供する。
【解決手段】 所定の13種類のポリヌクレオチドを遺伝的多型マーカーとし、被検体のアブラナ科植物由来のゲノムにおける、前記遺伝的多型マーカーを検出する。そして、これらの遺伝的多型マーカーセットの検出結果から、アブラナ科植物の品種と遺伝的多型マーカーとの関係を示す検定表に基づいて、被検体の品種を判別する。前記遺伝的多型マーカーを用いた品種の判定によって、例えば、種子純度の検定を、遺伝的解析法により、迅速且つ簡便に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺伝的多型マーカーセット、プローブセット、検出キットおよび品種判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
植物の品質管理上、例えば、種子について、品種および純度等の判定を行うことが重要視されている。しかしながら、従来、品種および純度等の判定は、実際に種子を栽培し、初期段階における形態的特性および栽培特性等の表現形を観察し、品種間の差異を確認するという方法がとられている。しかしながら、このように、表現形による判断には、育種家の熟練した判断力が必要であり、誰にでも容易に行えるものではない。また、栽培を必須とするため、判定結果を得るまでに、時間がかかるという問題がある。
【0003】
そこで、近年、遺伝学的解析により、品種および純度の判定を行う方法が実用化されており、中でも、一塩基多型(SNPs)の解析による判定が試みられている(特許文献1)。しかしながら、アブラナ科植物については、S型遺伝子の同定方法についての技術が報告されているものの(特許文献2)、近縁品種間を識別するための有効なSNPが明らかとなっておらず、遺伝学的解析によって、品種および純度等の判定を行うことが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4389783号
【特許文献2】特許第4346933号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、遺伝学的解析によってアブラナ科植物の品種の判別を可能とする遺伝的多型マーカーセット、プローブセット、検出キットおよび品種判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遺伝的多型マーカーセットは、アブラナ科植物の品種判別用の遺伝的多型マーカーセットであって、下記(1)〜(13)のポリヌクレオチドからなるマーカーを含むことを特徴とする。
(1) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号1のDNA配列において、11番目の変異塩基(G)を含む10〜2
73の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号2のDNA配列において、11番目の変異塩基(A)を含む10〜2
83の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(2) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号3のDNA配列において、175〜176番目の変異塩基(CT)お
よび184番目の変異塩基(C)を含む10〜366の連続したDNA配列か
らなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号4のDNA配列において、165番目と166番目との間の変異塩基
(CT欠失)および183番目の変異塩基(G)含む10〜353の連続した
DNA配列からなるポリヌクレオチド。
(3) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号5のDNA配列において、90番目の変異塩基(A)を含む10〜1
40の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号6のDNA配列において、92番目の変異塩基(G)を含む10〜1
45の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(4) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号7のDNA配列において、100番目と101番目との間の変異塩基
(C欠失)および101番目と102番目との間の変異塩基(A欠失)を含む
10〜349の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号8のDNA配列において、159番目の変異塩基(C)および161
番目の変異塩基(A)を含む10〜406の連続したDNA配列からなるポリ
ヌクレオチド。
(5) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号9のDNA配列において、93番目の変異塩基(C)を含む10〜2
63の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号10のDNA配列において、108番目の変異塩基(T)を含む10
〜232の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(6) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号11のDNA配列において、264番目の変異塩基(C)を含む10
〜302の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号12のDNA配列において、301番目の変異塩基(T)を含む10
〜336の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(7) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号13のDNA配列において、254〜255番目の変異塩基(CT)
を含む10〜439の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号14のDNA配列において、261〜262番目の変異塩基(TC)
を含む10〜467の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(8) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号15のDNA配列において、197番目の変異塩基(T)および20
0番目の変異塩基(G)を含む10〜619の連続したDNA配列からなるポ
リヌクレオチド。
(A)配列番号16のDNA配列において、208番目の変異塩基(A)および21
1番目の変異塩基(A)を含む10〜620の連続したDNA配列からなるポ
リヌクレオチド。
(9) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号17のDNA配列において、263番目と264番目との間の変異塩
基(C欠失)、265番目の変異塩基(T)および267番目の変異塩基(G
)を含む10〜567の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号18のDNA配列において、265番目の変異塩基(C)、267番
目の変異塩基(A)および269番目の変異塩基(T)を含む10〜563の
連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(10) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号19のDNA配列において、292番目の変異塩基(A)を含む1
0〜352の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号20のDNA配列において、292番目の変異塩基(G)を含む1
0〜352の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(11) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号21のDNA配列において、89番目の変異塩基(G)を含む10
〜405の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号22のDNA配列において、90番目の変異塩基(A)を含む10
〜408の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(12) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号23のDNA配列において、290番目の変異塩基(C)を含む1
0〜324の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号24のDNA配列において、100番目の変異塩基(T)を含む1
0〜335の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(13) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号25のDNA配列において、226番目の変異塩基(C)を含む1
0〜329の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号26のDNA配列において、212番目の変異塩基(T)を含む1
0〜296の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
【0007】
本発明のプローブセットは、前記本発明の遺伝的多型マーカーセットを検出するためのプローブセットであって、前記(1)〜(13)のポリヌクレオチドにおける前記変異塩基を含むDNA配列またはその相補的配列を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の検出キットは、前記本発明の遺伝的多型マーカーセットを検出するための検出キットであって、前記本発明のプローブセットを含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の品種判定方法は、アブラナ科植物の品種を判定する品種判定方法であって、アブラナ科植物のゲノムにおける前記本発明の遺伝的多型マーカーセットを用いて判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明者らは、鋭意研究の結果、アブラナ科植物の品種を判別可能なSNPを含む複数種類のポリヌクレオチドを明らかにし、これに基づいて本発明を完成するに到った。本発明によれば、アブラナ科植物の被検体について、これらのポリヌクレオチドを遺伝学的マーカーセットとして、遺伝学的解析方法で検出することにより、迅速かつ簡便に、優れた信頼性で、前記被検体の品種を判別することが可能となった。また、これによって、種子の純度検定等も、迅速かつ簡便に優れた信頼性で行うことができる。このため、本発明は、例えば、種苗等の流通における品質表示ならびに品質の確認において、極めて有用な技術といえる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施例における種子純度検定結果の一例を示す写真である。
【図2】図2は、本発明の実施例における種子純度検定結果のその他の例を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<ポリヌクレオチド>
本発明のポリヌクレオチドは、前述のように、下記(1)〜(13)のポリヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも一つを含むことを特徴とする。
(1) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号1のDNA配列において、11番目の変異塩基(G)を含む10〜2
73の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号2のDNA配列において、11番目の変異塩基(A)を含む10〜2
83の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(2) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号3のDNA配列において、175〜176番目の変異塩基(CT)お
よび184番目の変異塩基(C)を含む10〜366の連続したDNA配列か
らなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号4のDNA配列において、165番目と166番目との間の変異塩基
(CT欠失)および183番目の変異塩基(G)含む10〜353の連続した
DNA配列からなるポリヌクレオチド。
(3) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号5のDNA配列において、90番目の変異塩基(A)を含む10〜1
40の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号6のDNA配列において、92番目の変異塩基(G)を含む10〜1
45の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(4) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号7のDNA配列において、100番目と101番目との間の変異塩基
(C欠失)および101番目と102番目との間の変異塩基(A欠失)を含む
10〜349の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号8のDNA配列において、159番目の変異塩基(C)および161
番目の変異塩基(A)を含む10〜406の連続したDNA配列からなるポリ
ヌクレオチド。
(5) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号9のDNA配列において、93番目の変異塩基(C)を含む10〜2
63の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号10のDNA配列において、108番目の変異塩基(T)を含む10
〜232の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(6) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号11のDNA配列において、264番目の変異塩基(C)を含む10
〜302の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号12のDNA配列において、301番目の変異塩基(T)を含む10
〜336の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(7) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号13のDNA配列において、254〜255番目の変異塩基(CT)
を含む10〜439の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号14のDNA配列において、261〜262番目の変異塩基(TC)
を含む10〜467の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(8) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号15のDNA配列において、197番目の変異塩基(T)および20
0番目の変異塩基(G)を含む10〜619の連続したDNA配列からなるポ
リヌクレオチド。
(A)配列番号16のDNA配列において、208番目の変異塩基(A)および21
1番目の変異塩基(A)を含む10〜620の連続したDNA配列からなるポ
リヌクレオチド。
(9) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号17のDNA配列において、263番目と264番目との間の変異塩
基(C欠失)、265番目の変異塩基(T)および267番目の変異塩基(G
)を含む10〜567の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号18のDNA配列において、265番目の変異塩基(C)、267番
目の変異塩基(A)および269番目の変異塩基(T)を含む10〜563
の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(10) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号19のDNA配列において、292番目の変異塩基(A)を含む1
0〜352の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号20のDNA配列において、292番目の変異塩基(G)を含む1
0〜352の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(11) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号21のDNA配列において、89番目の変異塩基(G)を含む10
〜405の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号22のDNA配列において、90番目の変異塩基(A)を含む10
〜408の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(12) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号23のDNA配列において、290番目の変異塩基(C)を含む1
0〜324の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号24のDNA配列において、100番目の変異塩基(T)を含む1
0〜335の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(13) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号25のDNA配列において、226番目の変異塩基(C)を含む1
0〜329の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号26のDNA配列において、212番目の変異塩基(T)を含む1
0〜296の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
【0013】
また、本発明のポリヌクレオチドは、この他に、下記(14)〜(23)のポリヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも一つを含むことを特徴とする。
(14) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号53のDNA配列において、60番目の変異塩基(C)を含む10
〜344の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号54のDNA配列において、56番目の変異塩基(T)を含む10
〜344の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(15) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号55のDNA配列において、131番目と132番目との間の変異
塩基(CAG欠失)を含む10〜401の連続したDNA配列からなるポリ
ヌクレオチド。
(A)配列番号56のDNA配列において、133〜135番目の変異塩基(CA
G)を含む10〜414の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(16) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号57のDNA配列において、79番目の変異塩基(T)を含む10
〜534の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号58のDNA配列において、75番目の変異塩基(C)を含む10
〜531の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(17) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号59のDNA配列において、72番目の変異塩基(T)を含む10
〜363の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号60のDNA配列において、72番目の変異塩基(G)を含む10
〜350の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(18) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号61のDNA配列において、176番目の変異塩基(C)を含む1
0〜313の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号62のDNA配列において、175番目の変異塩基(G)を含む1
0〜312の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(19) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号63のDNA配列において、196番目の変異塩基(G)を含む1
0〜316の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号64のDNA配列において、176番目の変異塩基(C)を含む1
0〜302の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(20) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号65のDNA配列において、241番目の変異塩基(G)を含む1
0〜350の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号66のDNA配列において、243番目の変異塩基(T)を含む1
0〜352の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(21) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号67のDNA配列において、53番目の変異塩基(C)を含む10
〜603の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号68のDNA配列において、86番目の変異塩基(A)を含む10
〜633の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(22) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号69のDNA配列において、193番目の変異塩基(C)を含む1
0〜249の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号70のDNA配列において、172番目の変異塩基(T)を含む1
0〜239の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(23) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号71のDNA配列において、156番目の変異塩基(T)を含む1
0〜352の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号72のDNA配列において、227番目の変異塩基(C)を含む1
0〜422の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
【0014】
また、本発明のポリヌクレオチドは、この他に、下記(24)〜(51)のポリヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも一つを含むことを特徴とする。
(24) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号73のDNA配列において、100番目の変異塩基(T)を含む1
0〜376の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号74のDNA配列において、119番目の変異塩基(G)を含む1
0〜376の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(25) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号75のDNA配列において、348番目の変異塩基(G)を含む1
0〜358の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号76のDNA配列において、333番目の変異塩基(T)を含む1
0〜342の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(26) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号77のDNA配列において、163〜165番目の変異塩基(AT
G)を含む10〜510の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号78のDNA配列において、134番目と135番目との間の変異
塩基(ATG欠失)を含む10〜483の連続したDNA配列からなるポリ
ヌクレオチド。
(27) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号79のDNA配列において、273番目の変異塩基(C)を含む1
0〜468の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号80のDNA配列において、268番目の変異塩基(T)を含む1
0〜465の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(28) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号81のDNA配列において、278番目の変異塩基(A)を含む1
0〜429の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号82のDNA配列において、488番目の変異塩基(T)を含む1
0〜642の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(29) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号83のDNA配列において、321番目の変異塩基(G)を含む1
0〜332の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号84のDNA配列において、320番目の変異塩基(A)を含む1
0〜332の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(30) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号85のDNA配列において、375〜376番目の変異塩基(CT
)を含む10〜436の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号86のDNA配列において、373〜374番目の変異塩基(TC
)を含む10〜435の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(31) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号87のDNA配列において、152番目の変異塩基(C)を含む1
0〜333の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号88のDNA配列において、148番目の変異塩基(G)を含む1
0〜327の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(32) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号89のDNA配列において、225番目の変異塩基(G)を含む1
0〜359の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号90のDNA配列において、227番目の変異塩基(A)を含む1
0〜361の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(33) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号91のDNA配列において、285番目の変異塩基(G)を含む1
0〜383の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号92のDNA配列において、271番目の変異塩基(C)を含む1
0〜382の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(34) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号93のDNA配列において、124番目の変異塩基(A)を含む1
0〜247の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号94のDNA配列において、125番目の変異塩基(G)を含む1
0〜251の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(35) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号95のDNA配列において、121番目の変異塩基(A)を含む1
0〜319の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号96のDNA配列において、120番目の変異塩基(G)を含む1
0〜358の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(36) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号97のDNA配列において、321番目の変異塩基(A)を含む1
0〜367の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号98のDNA配列において、335番目の変異塩基(G)を含む1
0〜382の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(37) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号99のDNA配列において、90番目の変異塩基(A)を含む10
〜284の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号100のDNA配列において、116番目の変異塩基(G)を含む
10〜318の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(38) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号101のDNA配列において、234番目の変異塩基(G)を含む
10〜384の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号102のDNA配列において、227番目の変異塩基(T)を含む
10〜376の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(39) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号103のDNA配列において、284番目の変異塩基(C)を含む
10〜516の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号104のDNA配列において、302番目の変異塩基(A)を含む
10〜531の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(40) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号105のDNA配列において、122番目の変異塩基(G)を含む
10〜385の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号106のDNA配列において、122番目の変異塩基(A)を含む
10〜385の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(41) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号107のDNA配列において、107番目の変異塩基(C)を含む
10〜280の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号108のDNA配列において、108番目の変異塩基(A)を含む
10〜283の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(42) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号109のDNA配列において、41番目の変異塩基(T)を含む1
0〜262の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号110のDNA配列において、41番目の変異塩基(C)を含む1
0〜264の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(43) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号111のDNA配列において、236番目の変異塩基(G)を含む
10〜320の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号112のDNA配列において、231番目の変異塩基(T)を含む
10〜305の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(44) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号113のDNA配列において、153番目の変異塩基(G)を含む
10〜283の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号114のDNA配列において、174番目の変異塩基(A)を含む
10〜287の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(45) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号115のDNA配列において、63番目の変異塩基(C)を含む1
0〜336の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号116のDNA配列において、63番目の変異塩基(T)を含む1
0〜333の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(46) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号117のDNA配列において、258番目の変異塩基(A)を含む
10〜452の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号118のDNA配列において、271番目の変異塩基(T)を含む
10〜465の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(47) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号119のDNA配列において、226番目と227番目との間の変
異塩基(T欠失)を含む10〜274の連続したDNA配列からなるポリヌ
クレオチド。
(A)配列番号120のDNA配列において、251番目の変異塩基(T)を含む
10〜309の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(48) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号121のDNA配列において、340番目の変異塩基(A)
を含む10〜627の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号122のDNA配列において、358番目の変異塩基(T)を含む
10〜514の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(49) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号123のDNA配列において、107番目の変異塩基(C)を含む
10〜260の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号124のDNA配列において、104番目の変異塩基(T)を含む
10〜257の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(50) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号125のDNA配列において、342番目の変異塩基(A)を含む
10〜627の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号126のDNA配列において、323番目の変異塩基(G)を含む
10〜606の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(51) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号127のDNA配列において、186番目の変異塩基(A)を含む
10〜250の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号128のDNA配列において、155番目の変異塩基(T)を含む
10〜221の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
【0015】
以下、本発明において、前記(S)のポリヌクレオチドは、(S)型ポリヌクレオチドといい、前記(A)のポリヌクレオチドは、(A)型ポリヌクレオチドという。二倍体のアブラナ科植物は、所定の遺伝子座について、ホモ型およびヘテロ型に分類できるため、前記(1)〜(51)のポリヌクレオチドについては、例えば、(S)型ポリヌクレオチドのホモ型、(A)型ポリヌクレオチドのホモ型、(S)型ポリヌクレオチドと(A)型ポリヌクレオチドとを有するヘテロ型が存在するといえる。また、前記(1)〜(51)の各ポリヌクレオチドについて、前記(S)型ポリヌクレオチドと前記(A)型ポリヌクレオチドとの組み合せを、ポリヌクレオチドセットいう。具体的には、例えば、前記(1)の前記(S)型ポリヌクレオチドと前記(A)型ポリヌクレオチドとの組み合せを、前記(1)のポリヌクレオチドセットいい、他の(2)〜(51)についても同様である。以下、本発明のポリヌクレオチドを、表1および2に示す名で表わすこともある。
【0016】
本発明において、前記変異塩基は、各ポリヌクレオチドのDNA配列において、前記ポリヌクレオチドセットの(S)型ポリヌクレオチドと(A)型ポリヌクレオチドとの間で、品種判別に関与する対比関係にある塩基を意味する。前記変異塩基は、各ポリヌクレオチドにおいて、置換、欠失、挿入、付加した塩基であり、以下、各塩基を、一塩基多型(SNP)ともいう。
【0017】
本発明者らは、Michigan州立大学で公開されている二十日ダイコンのEST情報に基づき、複数のプライマーセットを構築し、サヤダイコンと青首ダイコンとについて、それぞれ核酸増幅を行い、同じプライマーセットによって増幅される配列間を比較して、両者間で塩基が異なるSNP候補を探索した。そして、これらのSNP候補について、さらなる検討を重ねた結果、アブラナ科植物を判別可能なSNPを有するポリヌクレオチドを決定するに到った。つまり、アブラナ科植物について、サヤダイコンと青首ダイコンとの間における所定のSNPが、いずれのタイプであるかを検出することによって、品種を判別することを可能としたのである。これらのポリヌクレオチドが、前記(1)〜(51)のポリヌクレオチドである。前記(1)〜(51)のポリヌクレオチドにおいて、前記(S)型ポリヌクレオチドは、サヤダイコンに由来する配列のポリヌクレオチドであり、前記(A)型ポリヌクレオチドは、青首ダイコンに由来する配列のポリヌクレオチドである。本発明においては、前記(1)〜(51)のポリヌクレオチドを、後述するように、遺伝的多型マーカーセットとして使用することによって、アブラナ科植物の品種の判別が可能となった。なお、判別の方法については、本発明の品種判定方法において、詳細に説明する。
【0018】
本発明のポリヌクレオチドは、例えば、前記(1)〜(51)のいずれかのポリヌクレオチドに対する相補的配列からなるポリヌクレオチドであってもよい。また、本発明のポリヌクレオチドは、例えば、前記(1)〜(51)のいずれかのポリヌクレオチドにおいて、チミンがウラシルに置換されたRNA配列からなるポリヌクレオチドであってもよい。
【0019】
本発明のポリヌクレオチドの全長は、特に制限されないが、例えば、10〜500塩基長であり、好ましくは10〜300塩基長、より好ましくは10〜200塩基長、さらに好ましくは10〜30塩基長、特に好ましくは15〜25塩基長であり、最も好ましくは17塩基長である。
【0020】
本発明のポリヌクレオチドとしては、例えば、配列番号1〜128に示すDNA配列があげられ、中でも、配列番号1〜26に示すDNA配列および配列番号27〜72に示すDNA配列が好ましく、より好ましくは、配列番号1〜26に示すDNA配列である。また、本発明のポリヌクレオチドとしては、例えば、配列番号1〜128に示すDNA配列における前記変異塩基を含む部分配列でもよく、例えば、下記表1および表2に示す17塩基長の配列または前記17塩基長を含む配列が例示できる。下記表1および表2の塩基配列において、下線部および*印は、前記変異塩基であり、*印は、欠失を示す。なお、本発明において、両表に示すポリヌクレオチドは、例示であって、これには制限されない。
【0021】
【表1】

【表2】

【0022】
<遺伝的多型マーカーセット>
本発明の遺伝的多型マーカーセットは、前述のように、アブラナ科植物の品種判別用の遺伝的多型マーカーセットであって、前記(1)〜(13)のポリヌクレオチドからなるマーカーを含むことを特徴とする。
【0023】
本発明の遺伝的多型マーカーセットにより品種判別可能なアブラナ科植物は、特に制限されず、例えば、ダイコン、ハクサイ、キャベツ、タカナ、カラシナ、カブ、ブロッコリ、カリフラワー、クレソン、アブラナ(ナタネ)、コマツナ、チンゲンサイ、シロナ、パクチョイ、カイラン、メキャベツ、コールラビ、ルタバガ、ハツカダイコン等があげられるが、中でも、本発明の遺伝的多型マーカーは、例えば、ダイコンの品種判別用に適している。
【0024】
本発明の遺伝的多型マーカーにより、例えば、ダイコンの品種を判別する場合、判別可能なダイコンの種類は、特に制限されず、様々なダイコンが判別可能である。下記表3に、判別可能なダイコンの品種を例示するが、本発明は、これには制限されない。
【表3】

【0025】
前記表3に示す各種ダイコン(Raphanus sativus .)のうち、品種番号1〜32、54〜56は、例えば、タキイ種苗株式会社から、品種番号33〜41は、株式会社サカタのタネから、品種番号42は、カネコ種苗株式会社から、品種番号43〜49は、みかど協和株式会社から、品種番号50は、株式会社トーホクから、品種番号51、52は、株式会社渡辺採種場から、品種番号53は、有限会社松下種苗店から、品種番号57〜72は、Thompson&Morganより、それぞれ入手できる。また、品種番号73〜94は、農業生物資源ジーンバング(http://www.gene.affrc.go.jp/index_j.php)に登録されており、入手可能である。
【0026】
本発明の遺伝的多型マーカーセットにおいて、含まれる各マーカーを遺伝的多型マーカーという。また、以下、本発明の遺伝的多型マーカーセットにおいて、前記(S)型ポリヌクレオチドからなるマーカーを、(S)型マーカーまたは(S)型といい、前記(A)型ポリヌクレオチドからなるマーカーを、(A)型マーカーまたは(A)型という。二倍体のアブラナ科植物は、所定の遺伝子座について、ホモ型およびヘテロ型に分類できるため、前記(1)〜(51)のマーカーについては、例えば、(S)型マーカーのホモ型、(A)型マーカーのホモ型、(S)型マーカーと(A)型マーカーとを有するヘテロ型が存在するといえる。
【0027】
本発明の遺伝的多型マーカーセットは、前述のように、前記(1)〜(13)のポリヌクレオチドからなるマーカーを含んでいればよく、その他の構成は、何ら制限されない。本発明の遺伝的多型マーカーセットは、例えば、さらに、前記(14)〜(23)のポリヌクレオチドからなるマーカーを含んでもよく、また、前記(24)〜(51)のポリヌクレオチドからなるマーカーを含んでもよい。以下、本発明において、前記(1)〜(51)のポリヌクレオチドからなるマーカーは、それぞれ、(1)〜(51)のマーカーともいう。以下、各マーカーを、前記表1および2に示す名で表わすこともある。
【0028】
本発明において、前記(1)〜(51)のマーカーは、例えば、それぞれ、前記(S)型マーカーおよび前記(A)型マーカーのいずれでもよいが、好ましくは、それぞれ、前記(S)型マーカーおよび前記(A)型マーカーの両方を含むことが好ましい。前記(1)〜(51)のマーカーについて、それぞれ、前記(S)型マーカーと前記(A)型マーカーとを、(S)型と(A)型のマーカーペアともいう。具体例としては、前記(1)のマーカーが、前記(S)型マーカーと前記(A)型マーカーとを含む場合、前記(1)のマーカーは、前記(1)のマーカーペアともいい、他の(2)〜(51)についても同様である。本発明の遺伝的多型マーカーセットは、例えば、前記(1)〜(13)のマーカーとして、前記(1)〜(13)のマーカーペアを含むことが好ましく、さらに、前記(14)〜(23)のマーカーペアおよび/または前記(24)〜(51)のマーカーペアを含んでもよい。
【0029】
本発明における遺伝的多型マーカーとしては、例えば、配列番号1〜128に示すDNA配列があげられ、中でも、配列番号1〜26に示すDNA配列および配列番号27〜72に示すDNA配列が好ましく、より好ましくは、配列番号1〜26に示すDNA配列である。また、本発明のポリヌクレオチドとしては、例えば、配列番号1〜128に示すDNA配列における前記変異塩基を含む部分配列でもよく、例えば、前記表1および表2に示す17塩基長の配列または前記17塩基長を含む配列が例示できる。本発明において、両表に示す遺伝的多型マーカーは、例示であって、これには制限されない。
【0030】
<プローブ>
本発明のプローブセットは、前述のように、前記本発明の遺伝的多型マーカーセットを検出するためのプローブセットであって、前記(1)〜(13)のポリヌクレオチドにおける前記変異塩基を含むDNA配列またはその相補的配列を含むことを特徴とする。本発明のプローブセットは、本発明の遺伝的多型マーカーセットを検出できればよく、その他の条件は、何ら制限されない。
【0031】
本発明のプローブセットにおいて、前記DNA配列を含むプローブは、例えば、下記(1)〜(13)のプローブからなる群から選択された少なくとも一つである。
(1) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号27のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号27のDNA
配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加
したDNA配列からなり、かつ、前記(1)(S)のポリヌクレオチドにハイ
ブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号28のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号28のDNA
配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加
したDNA配列からなり、かつ、前記(1)(A)のポリヌクレオチドにハイ
ブリダイズ可能なプローブ。
(2) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号29のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号29のDNA
配列において、7番目〜8番目の塩基および16番目の塩基以外の1〜数個の
塩基が置換、欠失、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(2)(
S)のポリヌクレオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号30のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号30のDNA
配列において、8番目と9番目との間の変異(CT欠失)および16番目の塩
基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加したDNA配列からなり、
かつ、前記(2)(A)のポリヌクレオチドにハイブリダイズ可能なプローブ

(3) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号31のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号31のDNA
配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加
したDNA配列からなり、かつ、前記(3)(S)のポリヌクレオチドにハイ
ブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号32のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号32のDNA
配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加
したDNA配列からなり、かつ、前記(3)(A)のポリヌクレオチドにハイ
ブリダイズ可能なプローブ。
(4) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号33のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号33のDNA
配列において、8番目と9番目との間の変異(C欠失)および9番目と10番
目との間の変異(A欠失)以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加し
たDNA配列からなり、かつ、前記(4)(S)のポリヌクレオチドにハイブ
リダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号34のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号34のDNA
配列において、9番目および11番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠
失、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(4)(A)のポリヌク
レオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(5) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号35のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号35のDNA
配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加
したDNA配列からなり、かつ、前記(5)(S)のポリヌクレオチドにハイ
ブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号36のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号36のDNA
配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加
したDNA配列からなり、かつ、前記(5)(A)のポリヌクレオチドにハイ
ブリダイズ可能なプローブ。
(6) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号37のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号37のDNA
配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加
したDNA配列からなり、かつ、前記(6)(S)のポリヌクレオチドにハイ
ブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号38のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号38のDNA
配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加
したDNA配列からなり、かつ、前記(6)(A)のポリヌクレオチドにハイ
ブリダイズ可能なプローブ。
(7) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号39のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号39のDNA
配列において、9番目および10番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠
失、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(7)(S)のポリヌク
レオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号40のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号40のDNA
配列において、9番目および10番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠
失、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(7)(A)のポリヌク
レオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(8) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号41のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号41のDNA
配列において、8番目および11番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠
失、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(8)(S)のポリヌク
レオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号42のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号42のDNA
配列において、8番目および11番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠
失、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(8)(A)のポリヌク
レオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(9) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号43のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号43のDNA
配列において、7番目と8番目との間の変異(C欠失)、9番目および11番
目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加したDNA配列から
なり、かつ、前記(9)(S)のポリヌクレオチドにハイブリダイズ
可能なプローブ。
(A)配列番号44のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号44のDNA
配列において、7番目、9番目および11番目の塩基以外の1〜数個の塩基が
置換、欠失、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(9)(A)の
ポリヌクレオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(10) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号45のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号45のDN
A配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、
付加したDNA配列からなり、かつ、前記(10)(S)のポリヌクレオチ
ドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号46のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号46のDN
A配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、
付加したDNA配列からなり、かつ、前記(10)(A)のポリヌクレオチ
ドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(11) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号47のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号47のDN
A配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、
付加したDNA配列からなり、かつ、前記(11)(S)のポリヌクレオチ
ドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号48のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号48のDN
A配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、
付加したDNA配列からなり、かつ、前記(11)(A)のポリヌクレオチ
ドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(12) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号49のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号49のDN
A配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、
付加したDNA配列からなり、かつ、前記(12)(S)のポリヌクレオチ
ドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号50のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号50のDN
A配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、
付加したDNA配列からなり、かつ、前記(12)(A)のポリヌクレオチ
ドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(13) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号51のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号51のDN
A配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、
付加したDNA配列からなり、かつ、前記(13)(S)のポリヌクレオチ
ドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号52のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号52のDN
A配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、
付加したDNA配列からなり、かつ、前記(13)(A)のポリヌクレオチ
ドにハイブリダイズ可能なプローブ。
【0032】
本発明のプローブセットは、この他に、さらに、前記(14)〜(23)のポリヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも一つのポリヌクレオチドにおける前記変異塩基を含むDNA配列またはその相補的配列を含んでもよい。前記DNA配列を含むプローブは、例えば、下記(14)〜(23)のプローブからなる群から選択された少なくとも一つである。
(14) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号129のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号129の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(14)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号130のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号130の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(14)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(15) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号131のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号131の
DNA配列において、6番目と7番目との間の変異(CAG欠失)以外の1
〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、前
記(15)(S)のポリヌクレオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号132のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号132の
DNA配列において、5〜7番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失
、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(15)(A)のポリヌ
クレオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(16) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号133のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号133の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(16)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号134のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号134の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(16)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(17) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号135のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号135の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(17)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号136のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号136の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(17)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(18) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号137のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号137の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(18)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号138のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号138の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(18)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(19) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号139のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号139の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(19)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号140のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号140の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(19)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(20) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号141のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号141の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(20)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号142のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号142の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(20)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(21) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号143のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号143の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(21)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号144のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号144の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(21)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(22) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号145のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号145の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(22)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号146のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号146の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(22)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(23) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号147のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号147の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(23)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号148のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号148の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(23)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
【0033】
本発明のプローブは、この他に、さらに、前記(24)〜(51)のポリヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも一つのポリヌクレオチドにおける前記変異塩基を含むDNA配列またはその相補的配列を含んでもよい。前記DNA配列を含むプローブは、例えば、下記(24)〜(51)のプローブからなる群から選択された少なくとも一つである。
(24) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号149のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号149の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(24)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号150のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号150の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(24)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(25) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号151のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号151の
DNA配列において、10番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、
挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(25)(S)のポリヌク
レオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号152のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号152の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(25)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(26) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号153のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号153の
DNA配列において、8〜10番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠
失、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(26)(S)のポリ
ヌクレオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号154のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号154の
DNA配列において、8番目と9番目との間の変異(ATG欠失)以外の1
〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、前
記(26)(A)のポリヌクレオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(27) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号155のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号155の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(27)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号156のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号156の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(27)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(28) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号157のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号157の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(28)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号158のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号158の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(28)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(29) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号159のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号159の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(29)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号160のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号160の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(29)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(30) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号161のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号161の
DNA配列において、8〜9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失
、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(30)(S)のポリヌ
クレオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号162のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号162の
DNA配列において、8〜9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失
、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(30)(A)のポリヌ
クレオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(31) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号163のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号163の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(31)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号164のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号164の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(31)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(32) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号165のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号165の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(32)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号166のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号166の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(32)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(33) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号167のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号167の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(33)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号168のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号168の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(33)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(34) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号169のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号169の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(34)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号170のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号170の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(34)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(35) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号171のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号171の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(35)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号172のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号172の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(35)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(36) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号173のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号173の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(36)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号174のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号174の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(36)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(37) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号175のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号175の
DNA配列において、10番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、
挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(37)(S)のポリヌク
レオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号176のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号176の
DNA配列において、10番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、
挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(37)(A)のポリヌク
レオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(38) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号177のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号177の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(38)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号178のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号178の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(38)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(39) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号179のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号179の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(39)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号180のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号180の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(39)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(40) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号181のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号181の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(40)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号182のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号182の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(40)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(41) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号183のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号183の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(41)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号184のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号184の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(41)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(42) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号185のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号185の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(42)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号186のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号186の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(42)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(43) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号187のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号187の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(43)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号188のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号188の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(43)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(44) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号189のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号189の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(44)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号190のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号190の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(44)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(45) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号191のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号191の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(45)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号192のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号192の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(45)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(46) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号193のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号193の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(46)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号194のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号194の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(46)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(47) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号195のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号195の
DNA配列において、8番目と9番目との間の変異(T欠失)以外の1〜数
個の塩基が置換、欠失、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(
47)(S)のポリヌクレオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号196のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号196の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(47)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(48) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号197のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号197の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(48)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号198のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号198の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(48)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(49) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号199のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号199の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(49)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号200のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号200の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(49)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(50) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号201のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号201の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(50)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号202のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号202の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(50)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(51) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号203のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号203の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(51)(S)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号204のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号204の
DNA配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加したDNA配列からなり、かつ、前記(51)(A)のポリヌクレ
オチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
【0034】
以下、本発明において、前記(S)のプローブは、前記(S)型ポリヌクレオチドまたは前記(S)型マーカーを検出するための(S)型用プローブともいい、前記(A)のプローブは、前記(A)型ポリヌクレオチドまたは(A)型マーカーを検出するための(A)型用プローブともいう。
【0035】
本発明において、前記(1)〜(51)のプローブは、例えば、それぞれ、前記(S)型用プローブおよび前記(A)型用プローブのいずれでもよいが、好ましくは、それぞれ、前記(S)型用プローブおよび前記(A)型用プローブの両方を含むことが好ましい。前記(1)〜(51)のプローブについて、それぞれ、前記(S)型用プローブと前記(A)型用プローブとを、(S)型用と(A)型用のプローブペアともいう。具体例としては、前記(1)のプローブが、前記(S)型用プローブと前記(A)型用プローブとを含む場合、前記(1)のプローブは、前記(1)のプローブペアともいい、他の(2)〜(51)についても同様である。本発明のプローブセットは、例えば、前記(1)〜(13)のプローブとして、前記(1)〜(13)のプローブペアを含むことが好ましく、さらに、前記(14)〜(23)のプローブペアおよび/または前記(24)〜(51)のプローブペアを含んでもよい。
【0036】
本発明におけるプローブは、例えば、アンチセンス鎖にハイブリダイズ可能なプローブでもよいし、センス鎖にハイブリダイズ可能なプローブでもよい。前記(1)〜(51)のプローブは、アンチセンス鎖にハイブリダイズ可能なプローブである。本発明のプローブは、例えば、前記(1)〜(51)のプローブに対する相補的配列からなるプローブであってもよく、これらは、センス鎖にハイブリダイズ可能なプロ―ブである。前記(1)〜(51)の(S)型用プローブに対する相補的配列からなるプローブも、センス鎖検出用の(S)型用プローブといい、前記(1)〜(51)の(A)型用プローブに対する相補的配列からなるプローブも、センス鎖検出用の(A)型用プローブという。また、本発明におけるプローブは、例えば、前記(1)〜(51)のいずれかのプローブにおいて、チミンがウラシルに置換されたRNA配列からなるプローブであってもよい。
【0037】
本発明におけるプローブの全長は、特に制限されず、例えば、10〜100塩基長であり、好ましくは10〜50塩基長であり、より好ましくは15〜25塩基長であり、特に好ましくは、17塩基長である。
【0038】
本発明におけるプローブとしては、例えば、後述する表8および表9に示す17塩基長の配列が例示できる。なお、本発明において、両表に示すプローブは、例示であって、これには制限されない。本発明における各プローブは、例えば、前記本発明のポリヌクレオチドまたはマーカーの配列に基づけば、データベース等に登録されている各種アブラナ科植物の配列から、当業者であれば適宜設計できる。
【0039】
本発明におけるプローブは、例えば、本発明のポリヌクレオチドまたは遺伝的多型マーカーにハイブリダイズ可能であればよいが、特異的にハイブリダイズ可能であることが好ましい。本発明において、「特異的にハイブリダイズ可能」とは、例えば、一般的なハイブリダイゼーション条件下で、目的とする前記ポリヌクレオチドに対して、他のポリヌクレオチドに対してよりも、有意にハイブリダイズ可能であることを意味し、好ましくは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下(例えば、サムブルックら,Molecular Cloning,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York,USA,第2版1989)において、目的とする前記ポリヌクレオチドに対して、他のポリヌクレオチドに対してよりも、有意にハイブリダイズ可能であることを意味する。
【0040】
本発明におけるプローブは、例えば、標識物質を有する標識プローブであってもよい。前記標識物質としては、特に制限されず、例えば、蛍光物質、蛍光物質に対する消光物質、発色物質、32P等の放射性物質、ジゴキシゲニン(DIG)等の抗体、アビジンまたはビオチン等、公知の標識物質があげられる。これらの標識物質は、例えば、前記本発明のポリヌクレオチドまたは遺伝的多型マーカーの検出方法に応じて適宜設定できる。
【0041】
本発明におけるプローブは、前記標識物質による標識部位は、特に制限されず、例えば、5’末端および3’末端の少なくとも一方があげられるが、5’末端が好ましい。
【0042】
<プライマー>
本発明のプライマーは、前述のように、遺伝子増幅法により前記本発明のポリヌクレオチドまたは前記本発明の遺伝的多型マーカーを検出するためのプライマーであって、前記(1)〜(13)のポリヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも一つのポリヌクレオチドにおける前記変異塩基を含むDNA配列またはその相補的配列を含むことを特徴とする。本発明のプローブは、例えば、被検体の遺伝子における、本発明のポリヌクレオチドまたは遺伝的多型マーカーからなる領域またはそれらを含む領域を増幅できればよく、その他の条件は、何ら制限されない。
【0043】
本発明のプライマーは、この他に、前記(14)〜(23)のポリヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも一つのポリヌクレオチドにおける前記変異塩基を含むDNA配列またはその相補的配列を含むことを特徴とする。
【0044】
本発明のプライマーは、この他に、前記(24)〜(51)のポリヌクレオチドからなる群から選択される少なくとも一つのポリヌクレオチドにおける前記変異塩基を含むDNA配列またはその相補的配列を含むことを特徴とする。
【0045】
本発明のプライマーは、例えば、フォワードプライマーでもよく、リバースプライマーでもよい。また、本発明のプライマーを含むプライマーセットして、例えば、後述する本発明の品種判定方法等に使用することもできる。
【0046】
本発明のプライマーの全長は、特に制限されず、例えば、10〜50塩基長であり、好ましくは10〜30塩基長であり、より好ましくは20〜25塩基長である。また、本発明により増幅させる領域の長さは、特に制限されないが、例えば、100〜800塩基長であり、好ましくは120〜650塩基長であり、さらに好ましくは120〜600塩基長である。
【0047】
<検出キット>
本発明の検出キットは、前述のように、前記本発明のポリヌクレオチドまたは前記本発明の遺伝的多型マーカーセットを検出するための検出キットであって、前記本発明のプローブセットを含むことを特徴とする。
【0048】
本発明の検出キットは、例えば、前記プローブとして、各マーカーについて、(S)型用プローブと(A)型用プローブとを含むことが好ましい。この場合、検出目的の多型に応じて、いずれか一方を前記標識プローブとし、他方を非標識プローブとすることが好ましい。具体的には、検出目的のマーカーが(S)型の場合、例えば、(S)型用の標識プローブと、(A)型用の非標識プローブを含むことが好ましい。このように、検出目的とは異なる(A)型マーカーに対するプローブを非標識プローブとして併用すると、競合によって、(S)型用の標識化プローブが、(A)型マーカーに結合することを防止できるため、(S)型マーカーの検出を、より精度よく行うことができる。同様の理由から、検出目的のマーカーが(A)型の場合、例えば、(A)型用の標識プローブと、(S)型用の非標識プローブを含むことが好ましい。
【0049】
本発明の検出キットが、前記標識プローブと前記非標識プローブとを有する場合、両者の割合は、特に制限されないが、例えば、前記標識プローブ(L)と前記非標識プローブ(N)とのモル比(L:N)は、1:5〜1:100が好ましく、より好ましくは1:10〜1:50であり、さらに好ましくは1:10〜1:20であり、特に好ましくは1:10である。
【0050】
本発明の検出キットにおいて、前記(1)〜(13)のプローブを含んでいればよく、その他の構成は、特に制限されない。本発明の検出キットは、例えば、さらに、前記(14)〜(23)のプローブを含んでもよく、また、前記(24)〜(51)のプローブを含んでもよい。アブラナ科植物は二倍体であることから、例えば、前記(1)〜(51)のマーカーについて、(S)型のホモ、(A)型のホモ、(S)型と(A)型とのヘテロのいずれであるかを決定することが好ましい。このため、検出目的の遺伝的多型マーカーに対して、前記(S)型用プローブと前記(A)型用プローブのプローブペアを有することが好ましい。
【0051】
本発明の検出キットは、例えば、さらに、前記プローブをハイブリダイズさせる領域を増幅するための、プライマーを含んでもよい。前記プライマーとして、フォワードプライマーとリバースプライマーとからなるプライマーセットを含んでもよい。
【0052】
本発明の検出キットは、例えば、前記本発明のポリヌクレオチドまたは遺伝的多型マーカーの検出方法に応じて、さらに、他の試薬を任意で含んでもよい。前記他の試薬としては、例えば、酵素、前記酵素の基質、緩衝液等があげられる。また、本発明の検出キットは、例えば、さらに、プレート、チューブ等の容器を備えてもよい。本発明の検出キットは、例えば、さらに、使用説明書を備えてもよい。
【0053】
<品種判定方法>
本発明の品種判定方法は、前述のように、アブラナ科植物の品種を判定する品種判定方法であって、アブラナ科植物のゲノムにおける前記本発明の遺伝的多型マーカーセットを用いて判定することを特徴とする。本発明は、前記本発明の遺伝的多型マーカーセットを用いることが特徴であって、その他の条件は何ら制限されない。
【0054】
本発明の品種判定方法は、例えば、被検体のゲノムにおける前記本発明の遺伝的多型マーカーセットの検出により行うことができる。具体的には、例えば、前記アブラナ科植物のゲノムについて、前記遺伝的多型マーカーセットの検出を行い、それぞれ、(S)型および(A)型のいずれを有するかを検出することにより行える。アブラナ科植物は、二倍体であるため、例えば、各遺伝的多型マーカーについて、(S)型のホモ、(A)型のホモ、(S)型および(A)型を有するヘテロに分類することができる。したがって、前記被検体についての前記遺伝的多型マーカーセットの検出結果を、予め、同定した各種アブラナ科植物の遺伝的多型マーカーのそれぞれの型と比較することにより、前記被検体の品種を判定することができる。
【0055】
前記アブラナ科植物は、特に制限されず、例えば、前述のものがあげられ、中でもダイコンが好ましい。また、判定するダイコンの品種は、特に制限されないが、例えば、前述のように、前記表3に示す96品種のダイコンがあげられる。
【0056】
本発明の品種判定方法において、ダイコンの品種を判定する場合、例えば、ダイコンが、前記表3に示す96品種であり、前記判定は、下記表4または下記表5に示す判定表を用い、前記96品種の中のどの品種に該当するかを判定することにより実施可能である。また、下記表5は、下記表4の内容を樹状図にして表わした表である。
【表4】

【表5】

【0057】
前記表4または表5に示す判定表を用いた判定は、例えば、以下のようにして行うことができる。被検体が、例えば、任意の2種類の品種のいずれであるかを判定する場合には、前記2種類の品種と他の品種との間で異なる変異塩基を有する遺伝的多型マーカーの検出および前記2種類の品種間で異なる変異塩基を有する遺伝的多型マーカーの検出を行う。一例として、被検体が、品種番号95(青首ダイコン)と品種番号64(Zlata)のいずれであるかを判定する場合には、両品種と他の品種との間で異なる変異塩基を有する遺伝的多型マーカーとして、(3)および(7)の検出を行い、両品種間で異なる変異塩基を有する遺伝的多型マーカーとして、(8)の検出を行う。具体的には、まず、遺伝的多型マーカー(3)および(7)が(S)型であることを確認した後、遺伝的多型マーカー(8)が、(S)型マーカーと(A)型マーカーのいずれであるかを検出する。そして、前記被検体の遺伝的多型マーカー(8)が、(S)型マーカーである場合には、品種番号95と判定でき、(A)型マーカーである場合には、品種番号64と判定できる。また、判定目的の品種を特定していない場合には、例えば、前記(1)〜(13)の遺伝的多型マーカーを検出し、各マーカーについて、(S)型のホモ、(A)型のホモおよびヘテロのいずれであるかを検出し、前記表4または表5に基づいて、品種を判定すればよい。本発明においては、前記表3に示す96品種のダイコンは、例えば、前記(1)〜(13)の遺伝的多型マーカーを検出することによって、全て判定できる。
【0058】
前記ゲノムにおける前記遺伝的多型マーカーの検出方法は、特に制限されず、当業者であれば、本発明の遺伝的多型マーカーの配列に基づいて、適宜、従来公知の方法により行うことができる。
【0059】
前記アブラナ科植物のゲノムにおける前記遺伝的多型マーカーの検出は、例えば、前記遺伝的多型マーカーが、(S)型および(A)型で異なる変異塩基(SNP)を有することから、前記ゲノムについて、各遺伝的多型マーカーにおけるいずれの変異塩基を有するかを決定すればよい。
【0060】
前記アブラナ科植物のゲノムにおける前記変異塩基の決定方法は、特に制限されず、従来公知の方法が採用できる。前記決定方法としては、例えば、ダイレクトシーケンシング法、RFLP(Restriction Fragment Length Polymorphism:RFLP;制限酵素断片長多型)解析方法、PCR−RFLP法、PCR−SSCP(single−strand conformation polymorphism:一本鎖高次構造多型)法、レポーター物質とクエンチャー物質とを利用するTaqMan(商標)PCR法、Invader法、Pyrosequencing法、Acyclo Prime法、SNuPe法、MALDI−TOF MS法、DNAアレイ法、アレル特異的オリゴヌクレオチド(Allele Specific Oligonucleotide/ASO)ハイブリダイゼーション法、ドットブロット法等があげられる。ドットブロット法の場合、例えば、メンブレンに固定化した被検体の核酸と、目的の遺伝的多型マーカーに対するプローブとを反応させ、前記プローブとの結合の有無を確認することによって、変異塩基を決定できる。この際、各遺伝的多型マーカーについて、前記(S)型用プローブおよび前記(A)型用プローブをそれぞれ用いて、結合の有無を確認することが好ましい。これによって、被検体が、各遺伝的多型マーカーについて、(S)型であるか、(A)型であるか、ヘテロであるかを決定できる。また、例えば、前記遺伝的多型マーカーが(S)型であるか否かを確認する際には、検出用に、標識化した(S)型用プローブを使用し、競合用に、未標識の(A)型用プローブを併用することが好ましい。前記未標識の(A)型用プローブを共存させれば、(S)型用プローブが、(A)型マーカーの配列を有する被検体に結合することを防止できるため、判定結果の精度をより向上することができる。
【0061】
前記ゲノムにおける前記遺伝的多型マーカーの検出は、例えば、前記変異塩基の決定方法に応じて、アブラナ科植物の被検体由来のゲノムDNAまたはRNAをそのまま使用してもよいし、前記ゲノムDNAまたはRNAを鋳型として、核酸増幅方法によって増幅させた、DNAまたはRNA等の増幅産物を使用してもよい。前記核酸増幅を行う場合は、例えば、プライマーを用いて、検出目的の遺伝的多型マーカーを含む領域を増幅させることが好ましい。前記被検体由来のゲノムDNAは、例えば、葉、根、種子、カルス、培養細胞等から調製できる。前記ゲノムDNAの調製方法は、特に制限されず、従来公知の方法が採用できる。具体例として、前記種子を使用する場合、例えば、アルカリ性の水性溶媒中で前記種子を粉砕し、粉砕物からゲノムDNAを抽出できる。前記核酸増幅方法は、何ら制限されず、例えば、PCR(Polymerase Chain Reaction)法、逆転写(RT)−PCR法、ICAN(Isothermal and chimeric primer−initiated amplification of nucleic acids)法、NASABA(Nucleic acid sequence based amplification)法、TMA(Transcription−mediated amplification)法、SDA(Strand Displacement Amplification)法等、公知の核酸増幅法が採用できる。
【0062】
<品種間類似度検定方法>
本発明の品種間類似度検定方法は、前述のように、アブラナ科植物の2以上の品種間の類似度を検定する品種間類似度検定方法であって、アブラナ科植物のゲノムにおける前記本発明の遺伝的多型マーカーセットを用いて検定することを特徴とする。本発明は、前記本発明の遺伝的多型マーカーセットを用いることが特徴であって、その他の条件は何ら制限されない。
【0063】
前記アブラナ科植物は、特に制限されず、例えば、前述のものがあげられ、中でもダイコンが好ましい。また、検定するダイコンの品種は、特に制限されないが、例えば、前述のように、前記表3に示す96品種のダイコンがあげられる。
【0064】
本発明の品種間類似検定方法において、ダイコンの品種間の類似度を検定する場合、例えば、ダイコンが、前記表3に示す96品種であり、前記検定が、前記表5に示す検定表を用い、前記96品種においての類似度を検定することにより実施できる。
【0065】
<種子純度検定方法>
本発明の種子純度検定方法は、前述のように、アブラナ科植物の種子の純度を検定する種子純度検定方法であって、アブラナ科植物のゲノムにおける前記本発明の遺伝的多型マーカーセットを用い、複数の種子における目的の品種の割合を求めることを特徴とする。本発明は、前記本発明の遺伝的多型マーカーセットを用いることが特徴であって、その他の条件は何ら制限されない。
【0066】
一般に、種子は、数十個〜数百個の単位で流通される。しかしながら、例えば、目的品種の種子に他品種の種子が混入したり、目的のF1種子に親系統の自殖種子が混入するおそれ等があるため、品質管理の点から、純度検定が重要となる。本発明によれば、前述のように、本発明の遺伝的多型マーカーを用いることによって、品種の判別が可能となるため、純度検定を、迅速且つ簡便に、優れた精度で行うことが可能である。
【0067】
前記アブラナ科植物は、特に制限されず、例えば、前述のものがあげられ、中でもダイコンが好ましい。また、検定するダイコンの品種は、特に制限されないが、例えば、前述のように、前記表3に示す96品種のダイコンがあげられる。
【0068】
本発明の種子純度検定方法において、ダイコンの種子純度を検定する場合、例えば、ダイコンが、前記表3に示す96品種であり、前記検定が、前記表4または表5に示す判定表を用い、前記複数の種子の品種を判定することにより実施される。
【0069】
本発明の種子純度検定方法は、例えば、以下のようにして行うことができる。複数の種子を含むサンプルから、所定の個数の種子を採取し、各種子由来のゲノムDNAを抽出する。そして、各ゲノムDNAについて、目的の品種を判定可能な遺伝的多型マーカーの検出を行う。この検出結果が、目的の品種の遺伝的多型マーカーの結果と異なる場合は、他品種の種子と判定し、目的の品種の遺伝的多型マーカーの結果を同じ場合は、目的の品種の種子と判定する。そして、採取した種子における他品種の種子の個数より、目的の品種の種子の割合を求め、これを純度として算出すればよい。
【0070】
また、F1種子の母親系統についての純度検定を行う場合には、同様にして、ゲノムDNAを抽出し、F1種子と親系統種子との間で異なる変異塩基を示す遺伝的多型マーカーの検出を行う。この検出結果が、F1種子の遺伝的多型マーカーの結果と同じであれば、F1種子と判定し、親系統種子の遺伝的多型マーカーの結果と同じであれば、親系統種子と判定する。そして、採取した種子における親系統種子の個数より、F1種子の割合を求め、これを純度として算出すればよい。
【0071】
つぎに、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、下記実施例により制限されない。
【実施例】
【0072】
[実施例1]
本例では、前記表3に示す96種類のダイコン品種について、51種類のマーカー領域を増幅し、ドットブロット法により、多型分析を行った。そして、多型の分析結果に基づき、ダイコンの品種の判別を行った。
【0073】
(プライマーセット)
下記表6および表7に、前述した51種類のマーカーセットの増幅に使用した各プライマーセットの塩基配列を示す。
【0074】
【表6】

【表7】

【0075】
(プローブ)
下記表8および表9に、前記多型検出に用いたプローブの配列を示す。両表において、上段が、(S)型用プローブの配列であり、下段が、(A)型用プローブの配列である。前記各プローブは、前記マーカーの配列において、前記多型部位を含む17塩基長のオリゴヌクレオチドとした。また、前記各プローブは、5’末端をビオチン標識したプローブと、未標識のプローブを準備し、前者を検出用プローブ、後者を競合用プローブとして使用した。後述するように、前記(S)型マーカーの検出には、検出用(S)型用プローブと、競合用(A)型用プローブとを使用し、前記(A)型マーカーの検出には、検出用(A)型用プローブと、競合用(S)型用プローブとを使用した。また、両方において、配合比は、核酸増幅の反応液における、検出用プローブ(D)と競合用プローブ(C)とのモル比(D:C)を示す。
【0076】
【表8】

【表9】

【0077】
<品種判定>
被検体として、前記表3に示す96品種のダイコンの種子を使用した。前記各品種の種子をそれぞれ粉砕し、下記組成の抽出液を加えて混合した後、フェノール・クロロフォルム・イソアミルアルコール混合液を加え、遠心分離により上清を回収した。前記上清に等量のイソプロパノールを添加し、DNAを析出させ、再度、遠心分離した。得られた沈殿を、下記組成の1×TE緩衝液に溶解し、DNA試料を調製した。そして、前記DNA試料を添加した下記組成のPCR反応液10μLについて、PCRを行った。前記PCRは、94℃で1分間処理後、94℃で30秒、58℃で30秒、72℃で30秒を1サイクルとして、40サイクル繰り返し、72℃で1分間処理して行った。なお、下記PCR反応液におけるフォワードプライマーおよびリバースプライマーは、前述の、各マーカーに対応するプライマーセットを用いた。
【0078】
(抽出液)
200mmol/L Tris−HCl緩衝液(pH7.5)
250mmol/L NaCl
25mmol/L EDTA
0.5w/v% SDS
(1×TE緩衝液)
10mmol/L Tris−HCl(pH8.0)
1mmol/L EDTA
(PCR反応液:10μL)
10ng DNA
10pmol フォワードプライマー
10pmol リバースプライマー
1×ExTaq buffer ※1
2μmol dNTP
5U Taq polymerase ※2
※1 商品名、タカラ・バイオメディカル社製
※2 商品名ExTaq、タカラ・バイオメディカル社製
【0079】
PCR反応後、前記反応液に、下記組成のアルカリ変性液を等量添加した。変性させた反応液を、マルチピンブロッター(ATTO社)を用いて、2枚のナイロンメンブレン(商品名NytranN、GEバイオサイエンス社)に、同じ配置でドットブロットし、UVクロスリンカー(UVP社製)を用いて、UV照射して、前記反応液に含まれるDNAを前記メンブレンに結合させた。なお、各反応液について、DNAを結合させた2枚のメンブレンを1セット準備した。
(アルカリ変性液)
0.8mol/L NaOH
20mmol/L EDTA
【0080】
つぎに、下記組成のプレハイブリダイゼーション液およびハイブリダイゼーション液を調製した。前記ハイブリダイゼーション液における検出用プローブおよび競合用プローブは、前述の通りである。ここで、(S)型マーカーの検出には、前記(S)型用検出用プローブと(A)型用競合用プローブとを含む(S)型用ハイブリダイゼーション液を使用し、(A)型マーカーの検出には、前記(A)型用検出用プローブと(S)型用競合用プローブとを含む(A)型用ハイブリダイゼーション液を使用した。
【0081】
(プレハイブリダイゼーション液)
5×SSC
0.1w/v% サルコシル
0.02w/v% SDS
1w/v% Blocking Reagent(ロシュ社製)
(ハイブリダイゼーション液)
プレハイブリダイゼーション溶液 10mL
100μmol/L 検出用プローブ 5μL
100μmol/L 競合用プローブ 50μL
【0082】
DNAを結合させた前記メンブレンを、前記プレハイブリダイゼーション液に、50℃で1時間以上浸漬した後、前記プレハイブリダイゼーション溶液を除去した。そして、前記プローブを含むハイブリダイゼーション液を、熱湯中で10分間処理し、急冷した後、前記ハイブリダイゼーション液に、前記メンブレンを50℃で一晩浸漬した。この際、1セットのメンブレンのうち、一方は、前記(S)型用ハイブリダイゼーション液に浸漬し、他方は、前記(A)型用ハイブリダイゼーション液に浸漬した。そして、浸漬後の前記メンブレンを、洗浄液1(0.1w/v% SDS含有2×SSC)を用いて、室温で5分間の洗浄を2回行い、つぎに、洗浄液2(0.1w/v% SDS含有0.1×SSC)を用いて、50℃で20分間の洗浄を2回行い、さらに、下記組成のTBSを用いて、室温で5分間洗浄した。そして、1v/v% Blocking Reagent(商品名、Roche社)を含む前記TBS溶液を調製し、これに前記メンブレンを、室温で30分間以上浸漬することによって、ブロッキング処理を行った。
(TBS、pH8.0)
50mmol/L Tris−HCl緩衝液
0.9w/v% NaCl
0.02w/v% NaN
【0083】
ジゴキシゲニン抗体−アルカリフォスファターゼ複合体液(Roche社製)を前記ブロッキング液で5000倍に希釈し、これにブロッキングした前記メンブレンを、25℃で30分間浸漬した。浸漬後、前記メンブレンを、前記組成のTBSを用いて、室温で10分間の洗浄を3回行った。さらに、前記メンブレンを、下記組成のAP9.5に、室温で3分間浸漬した後、CSPD(Roche社)を前記AP9.5で500倍に希釈し、これに前記メンブレンを、37℃で5分間浸漬した。そして、前記メンブレンを、X線フィルムに露光し、発光シグナルを検出した。
(AP9.5、pH9.5)
100mmol/L Tris−HCl緩衝液
100mmol/L NaCl
5mmol/L MgCl
【0084】
そして、得られたシグナルに基づいて、96種類のサンプルについて、前記(1)〜(23)のマーカーに関し、(S)型マーカーのホモ型、(A)型マーカーのホモ型、(S)型マーカーと(A)型マーカーとを有するヘテロ型のいずれであるかを分類した。その結果、前記(1)〜(23)のマーカーによって、96品種のサンプル(品種番号1〜96)を判別可能であることがわかった。
【0085】
下記表10に、96品種のサンプル(品種番号1〜96)について、前記23種類のマーカーの型を示す。下記表10に示すように、前記23種類のマーカーの型を判別することによって、96品種のサンプルを分類できた。さらに、前記23種類のマーカーのうち、13種類のマーカーのS型、A型およびヘテロ型によって、96品種のサンプルを分類した樹状図を作製した。この樹状図を、下記表11に示す。この結果、前記23種類のマーカーの型を判別することによって、96品種のサンプルを分類できることはもちろんのこと、前記13種類のマーカーの型の判別によっても、96品種のサンプルを分類できることが確認された。
【0086】
【表10】

【表11】

【0087】
[実施例2]
<種子純度検定>
本例では、前記表3に示す96品種のダイコンの中から、単交配(Single−cross)のF1品種である2系統(白肌美人および辛之助)の種子について、種子純度検定として、親系統の自殖種子の混入の有無を確認した。
【0088】
前記白肌美人および前記辛之助のそれぞれについて、前記表1から、F1種子と親系統の種子とを判別するための遺伝子多型マーカーを選択した。前記遺伝子多型マーカーは、前記F1種子では、(S)型と(A)型とを有するヘテロ型を示し、前記F1種子の親系統種子では、(S)型のホモ型または(A)型のホモ型を示すものを選択した。具体的には、前記白肌美人について、前記表1における前記(15)のマーカーを選択し、前記辛之助について、前記表1における前記(5)のマーカーを選択した。
【0089】
まず、被検体として、前記表3に示す96品種のダイコンの中から、単交配(Single−cross)のF1品種2系統(白肌美人および辛之助)の種子を、それぞれ96個体使用した。前記各品種の種子をそれぞれ粉砕し、下記組成の抽出液を加えて混合した後、フェノール・クロロフォルム・イソアミルアルコール混合液を加え、遠心分離により上清を回収した。前記上清に等量のイソプロパノールを添加し、DNAを析出させ、再度、遠心分離した。得られた沈殿を、下記組成の1×TE緩衝液に溶解し、DNA試料を調製した。そして、前記DNA試料(10ng)を添加した下記組成のPCR反応液10μLについて、PCRを行った。前記PCRは、94℃で1分間処理後、94℃で30秒、58℃で30秒、72℃で30秒を1サイクルとして、40サイクル繰り返し、72℃で1分間処理して行った。白肌美人のPCRについては、フォワードプライマーおよびリバースプライマーとして、前記(15)のマーカーに対応する前記表6に記載のプライマーをそれぞれ使用し、辛之助のPCRについては、フォワードプライマーおよびリバースプライマーとして、前記(5)のマーカーに対応する前記表6に記載のプライマーをそれぞれ使用した。
【0090】
(抽出液)
200mmol/L Tris−HCl緩衝液(pH7.5)
250mmol/L NaCl
25mmol/L EDTA
0.5w/v% SDS
(1×TE緩衝液)
10mmol/L Tris−HCl(pH8.0)
1mmol/L EDTA
(PCR反応液:10μL)
10ng DNA試料
10pmol フォワードプライマー
10pmol リバースプライマー
1×ExTaq buffer ※1
2μmol dNTP
5U Taq polymerase ※2
※1 商品名、タカラ・バイオメディカル社製
※2 商品名ExTaq、タカラ・バイオメディカル社製
【0091】
PCR反応後、前記反応液に、下記組成のアルカリ変性液を等量添加した。変性させた前記反応液を、マルチピンブロッター(ATTO社)を用いて、2枚のナイロンメンブレン(商品名NytranN、GEバイオサイエンス社)に、同じ配置でドットブロットした。そして、UVクロスリンカー(UVP社製)を用いて、前記メンブレンにUV照射して、前記反応液に含まれるDNAを前記メンブレンに結合させた。白肌美人のPCR反応液および辛之助のPCR反応液のそれぞれについて、上述のように、2枚のメンブレンを1セット準備した。
【0092】
(アルカリ変性液)
0.8mol/L NaOH
20mmol/L EDTA
【0093】
つぎに、下記組成のプレハイブリダイゼーション液およびハイブリダイゼーション液を調製した。前記ハイブリダイゼーション液における検出用プローブおよび競合用プローブは、前記表8に示す通りである。ここで、(S)型マーカーの検出には、前記(S)型用検出用プローブと(A)型用競合用プローブとを含む(S)型用ハイブリダイゼーション液を使用し、(A)型マーカーの検出には、前記(A)型用検出用プローブと(S)型用競合用プローブとを含む(A)型用ハイブリダイゼーション液を使用した。
【0094】
(プレハイブリダイゼーション液)
5×SSC
0.1w/v% サルコシル
0.02w/v% SDS
1w/v% Blocking Reagent(ロシュ社製)
(ハイブリダイゼーション液)
プレハイブリダイゼーション溶液 10mL
100μmol/L 検出用プローブ 5μL
100μmol/L 競合用プローブ 50μL
【0095】
DNAを結合させた前記メンブレンを、前記プレハイブリダイゼーション液に、50℃で1時間以上浸漬した後、前記プレハイブリダイゼーション溶液を除去した。そして、前記プローブを含むハイブリダイゼーション液を、熱湯中で10分間処理し、急冷した後、前記ハイブリダイゼーション液に、前記メンブレンを50℃で一晩浸漬した。この際、1セットのメンブレンのうち、一方は、前記(S)型用ハイブリダイゼーション液に浸漬し、他方は、前記(A)型用ハイブリダイゼーション液に浸漬した。そして、浸漬後の前記メンブレンを、洗浄液1(0.1w/v% SDS含有2×SSC)を用いて、室温で5分間の洗浄を2回行い、つぎに、洗浄液2(0.1w/v% SDS含有0.1×SSC)を用いて、50℃で20分間の洗浄を2回行い、さらに、下記組成のTBSを用いて、室温で5分間洗浄した。そして、1v/v% Blocking Reagent(商品名、Roche社)を含む前記TBS溶液を調製し、これに前記メンブレンを、室温で30分間以上浸漬することによって、ブロッキング処理を行った。
【0096】
(TBS、pH8.0)
50mmol/L Tris−HCl緩衝液
0.9w/v% NaCl
0.02w/v% NaN
【0097】
ジゴキシゲニン抗体−アルカリフォスファターゼ複合体液(Roche社製)を前記ブロッキング液で5000倍に希釈した。この希釈液に、ブロッキングした前記メンブレンを、25℃で30分間浸漬した。浸漬後、前記メンブレンを、前記組成のTBSを用いて、室温で10分間の洗浄を3回行った。さらに、前記メンブレンを、下記組成のAP9.5に、室温で3分間浸漬した。そして、CSPD(Roche社)を前記AP9.5で500倍に希釈し、この希釈液に、前記メンブレンを、37℃で5分間浸漬した。そして、前記メンブレンを、X線フィルムに露光し、発光シグナルを検出した。
【0098】
(AP9.5、pH9.5)
100mmol/L Tris−HCl緩衝液
100mmol/L NaCl
5mmol/L MgCl
【0099】
これらの結果を、図1および図2に示す。図1および図2は、前記X線フィルムにおける発光シグナルを示す写真である。図1は、白肌美人に関する結果であり、(A)は、(S)型マーカーのシグナル検出、(B)は、(A)型マーカーのシグナル検出を示す結果である。図2は、辛之助に関する結果であり、(A)は、(S)型マーカーのシグナル検出、(B)は、(A)型マーカーのシグナル検出を示す結果である。
【0100】
図1および図2に基づいて、白肌美人および辛之助の各96個体のサンプルについて、前記遺伝子多型マーカーの分類を行った。具体的には、前記(15)のマーカーおよび前記(5)のマーカーに関し、(S)型マーカーのホモ型、(A)型マーカーのホモ型、(S)型マーカーと(A)型マーカーとを有するヘテロ型のいずれであるかを分類した。その結果、図1に示すとおり、白肌美人では、96個体全てが、(S)型マーカーおよび(A)型マーカーの両方でシグナルを示し、(S)型マーカーと(A)型マーカーとを有するヘテロ型と決定された。この結果から、白肌美人の96個体は、全て、F1種子であることが確認でき、自殖種子および他系統の混入の可能性が極めて低いことがわかった。一方、図2に示すとおり、辛之助では、96個体中95個体が、(S)型マーカーおよび(A)型マーカーの両方でシグナルを示し、(S)型マーカーと(A)型マーカーとを有するヘテロ型と決定された。しかし、図2(A)の矢印で示す1個体では、(S)型マーカーのシグナルが検出されず、(A)型マーカーのホモ型と決定された。この結果から、辛之助の95個体は、F1種子であるが、1個体は、自殖種子(母親系統)であることが確認でき、自殖種子が混入していることが判明した。以上の結果から、本発明の遺伝子多型マーカーによれば、例えば、単交配のF1品種について、種子純度検定が可能であることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明によれば、アブラナ科植物の被検体について、これらのポリヌクレオチドを遺伝学的マーカーセットとして、遺伝学的解析方法で検出することにより、迅速かつ簡便に、優れた信頼性で、前記被検体の品種を判別することが可能となった。また、これによって、アブラナ科植物の種子の純度検定等も、迅速かつ簡便に優れた信頼性で行うことができる。このため、本発明は、例えば、種苗等の流通における品質表示ならびに品質の確認において、極めて有用な技術といえる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アブラナ科植物の品種判別用の遺伝的多型マーカーセットであって、下記(1)〜(13)のポリヌクレオチドからなるマーカーを含むことを特徴とする遺伝的多型マーカーセット。
(1) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号1のDNA配列において、11番目の変異塩基(G)を含む10〜2
73の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号2のDNA配列において、11番目の変異塩基(A)を含む10〜2
83の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(2) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号3のDNA配列において、175〜176番目の変異塩基(CT)お
よび184番目の変異塩基(C)を含む10〜366の連続したDNA配列か
らなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号4のDNA配列において、165番目と166番目との間の変異塩基
(CT欠失)および183番目の変異塩基(G)含む10〜353の連続した
DNA配列からなるポリヌクレオチド。
(3) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号5のDNA配列において、90番目の変異塩基(A)を含む10〜1
40の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号6のDNA配列において、92番目の変異塩基(G)を含む10〜1
45の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(4) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号7のDNA配列において、100番目と101番目との間の変異塩基
(C欠失)および101番目と102番目との間の変異塩基(A欠失)を含む
10〜349の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号8のDNA配列において、159番目の変異塩基(C)および161
番目の変異塩基(A)を含む10〜406の連続したDNA配列からなるポリ
ヌクレオチド。
(5) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号9のDNA配列において、93番目の変異塩基(C)を含む10〜2
63の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号10のDNA配列において、108番目の変異塩基(T)を含む10
〜232の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(6) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号11のDNA配列において、264番目の変異塩基(C)を含む10
〜302の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号12のDNA配列において、301番目の変異塩基(T)を含む10
〜336の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(7) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号13のDNA配列において、254〜255番目の変異塩基(CT)
を含む10〜439の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号14のDNA配列において、261〜262番目の変異塩基(TC)
を含む10〜467の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(8) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号15のDNA配列において、197番目の変異塩基(T)および20
0番目の変異塩基(G)を含む10〜619の連続したDNA配列からなるポ
リヌクレオチド。
(A)配列番号16のDNA配列において、208番目の変異塩基(A)および21
1番目の変異塩基(A)を含む10〜620の連続したDNA配列からなるポ
リヌクレオチド。
(9) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号17のDNA配列において、263番目と264番目との間の変異塩
基(C欠失)、265番目の変異塩基(T)および267番目の変異塩基(G
)を含む10〜567の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号18のDNA配列において、265番目の変異塩基(C)、267番
目の変異塩基(A)および269番目の変異塩基(T)を含む10〜563の
連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(10) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号19のDNA配列において、292番目の変異塩基(A)を含む1
0〜352の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号20のDNA配列において、292番目の変異塩基(G)を含む1
0〜352の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(11) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号21のDNA配列において、89番目の変異塩基(G)を含む10
〜405の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号22のDNA配列において、90番目の変異塩基(A)を含む10
〜408の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(12) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号23のDNA配列において、290番目の変異塩基(C)を含む1
0〜324の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号24のDNA配列において、100番目の変異塩基(T)を含む1
0〜335の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(13) 下記(S)または(A)のポリヌクレオチド。
(S)配列番号25のDNA配列において、226番目の変異塩基(C)を含む1
0〜329の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
(A)配列番号26のDNA配列において、212番目の変異塩基(T)を含む1
0〜296の連続したDNA配列からなるポリヌクレオチド。
【請求項2】
前記アブラナ科植物が、ダイコンであることを特徴とする請求項1記載の遺伝的多型マーカーセット。
【請求項3】
前記ダイコンが、下記表1に示す品種からなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項2記載の遺伝的多型マーカーセット。
【表1】

【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の遺伝的多型マーカーセットを検出するためのプローブセットであって、前記(1)〜(13)のポリヌクレオチドにおける前記変異塩基を含むDNA配列またはその相補的配列を含むことを特徴とするプローブセット。
【請求項5】
前記DNA配列を含むプローブが、下記(1)〜(13)のプローブであることを特徴とする請求項4記載のプローブセット。
(1) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号27のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号27のDNA
配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加
したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(1)(S)のポリヌクレオチド
にハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号28のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号28のDNA
配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加
したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(1)(A)のポリヌクレオチド
にハイブリダイズ可能なプローブ。
(2) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号29のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号29のDNA
配列において、7番目〜8番目の塩基および16番目の塩基以外の1〜数個の
塩基が置換、欠失、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、請求項1の
(2)(S)のポリヌクレオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号30のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号30のDNA
配列において、8番目と9番目との間の変異(CT欠失)および16番目の塩
基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加したDNA配列からなり、
かつ、請求項1の(2)(A)のポリヌクレオチドにハイブリダイズ可能なプ
ローブ。
(3) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号31のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号31のDNA
配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加
したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(3)(S)のポリヌクレオチド
にハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号32のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号32のDNA
配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加
したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(3)(A)のポリヌクレオチド
にハイブリダイズ可能なプローブ。
(4) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号33のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号33のDNA
配列において、8番目と9番目との間の変異(C欠失)および9番目と10番
目との間の変異(A欠失)以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加し
たDNA配列からなり、かつ、請求項1の(4)(S)のポリヌクレオチドに
ハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号34のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号34のDNA
配列において、9番目および11番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠
失、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(4)(A)のポ
リヌクレオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(5) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号35のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号35のDNA
配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加
したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(5)(S)のポリヌクレオチド
にハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号36のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号36のDNA
配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加
したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(5)(A)のポリヌクレオチド
にハイブリダイズ可能なプローブ。
(6) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号37のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号37のDNA
配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加
したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(6)(S)のポリヌクレオチド
にハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号38のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号38のDNA
配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加
したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(6)(A)のポリヌクレオチド
にハイブリダイズ可能なプローブ。
(7) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号39のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号39のDNA
配列において、9番目および10番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠
失、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(7)(S)のポ
リヌクレオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号40のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号40のDNA
配列において、9番目および10番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠
失、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(7)(A)のポ
リヌクレオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(8) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号41のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号41のDNA
配列において、8番目および11番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠
失、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(8)(S)のポ
リヌクレオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号42のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号42のDNA
配列において、8番目および11番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠
失、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(8)(A)のポ
リヌクレオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(9) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号43のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号43のDNA
配列において、7番目と8番目との間の変異(C欠失)、9番目および11番
目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、付加したDNA配列から
なり、かつ、請求項1の(9)(S)のポリヌクレオチドにハイブリダイズ可
能なプローブ。
(A)配列番号44のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号44のDNA
配列において、7番目、9番目および11番目の塩基以外の1〜数個の塩基が
置換、欠失、挿入、付加したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(9)(
A)のポリヌクレオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(10) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号45のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号45のDN
A配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、
付加したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(10)(S)のポリヌク
レオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号46のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号46のDN
A配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、
付加したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(10)(A)のポリヌク
レオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(11) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号47のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号47のDN
A配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、
付加したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(11)(S)のポリヌク
レオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号48のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号48のDN
A配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、
付加したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(11)(A)のポリヌク
レオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(12) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号49のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号49のDN
A配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、
付加したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(12)(S)のポリヌク
レオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号50のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号50のDN
A配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、
付加したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(12)(A)のポリヌク
レオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(13) 下記(S)または(A)のプローブ。
(S)配列番号51のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号51のDN
A配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、
付加したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(13)(S)のポリヌク
レオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
(A)配列番号52のDNA配列からなるプローブ、または、配列番号52のDN
A配列において、9番目の塩基以外の1〜数個の塩基が置換、欠失、挿入、
付加したDNA配列からなり、かつ、請求項1の(13)(A)のポリヌク
レオチドにハイブリダイズ可能なプローブ。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか一項に記載の遺伝的多型マーカーセットを検出するための検出キットであって、請求項4または5記載のプローブセットを含むことを特徴とする検出キット。
【請求項7】
アブラナ科植物の品種を判定する品種判定方法であって、アブラナ科植物のゲノムにおける請求項1記載の遺伝的多型マーカーセットを用いて判定することを特徴とする品種判定方法。
【請求項8】
前記アブラナ科植物が、ダイコンであることを特徴とする請求項7記載の品種判定方法。
【請求項9】
ダイコンが、下記表1に示す96品種であり、前記判定が、下記表2に示す判定表を用い、前記96品種の中のどの品種に該当するかを判定することにより実施されることを特徴とする請求項8記載の品種判定方法。
【表1】

【表2】


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−188846(P2011−188846A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192790(P2010−192790)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構「イノベーション創出基礎的研究推進事業」、産業技術強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(390028130)タキイ種苗株式会社 (7)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【Fターム(参考)】