説明

避妊薬として使用するためのエチニルエストラジオールとドロスピレノンとの組合せ剤

【課題】6β,7β,15β;16β−ジメチレン−3−オキソ−17α−プレグン−4−エン−21,17−カルボラクトン(ドロスピレノン)の新規な投与形態の提供。
【解決手段】約2〜約4mgの1日投与量に対応する量の6β,7β,15β;16β−ジメチレン−3−オキソ−17α−プレグン−4−エン−21,17−カルボラクトン(ドロスピレノン)と、約0.01〜約0.05 mgの1日投与量に対応する量の17α−エチニルエストラジオール(エチニルエストラジオール)とを含む組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ドロスピレノンとエチニルエストラジオールとからなる医薬組成物、ドロスピレノンを溶解させる方法、ドロスピレノンの投与による排卵を阻止する方法とドロスピレノンとエチニルエストラジオールの排卵の阻止への使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲスタゲンとエストロゲン成分の組合せを含有する経口避妊薬が1960年代から使用されている。当初の避妊薬製剤は、活性剤の組合せを含有する21の錠剤と活性剤を含有しない7つの錠剤からなり、各活性剤の量は各錠剤で同じ(所謂1フェーズ製剤)であった。続いて、投与サイクル上、活性剤の異なる量と割合を含有する錠剤からなる製剤が開発された(所謂マルチフェーズ製剤)。
避妊薬の信頼性は、主としてゲスタゲン成分により付与される。1日投与量は、問題のエスタゲンが排卵を効果的に阻止するのに必要とされる投与量の少なくとも最少量であるべきである。エストロゲン成分は、ゲスタゲンの排卵の阻止効果を増大し、サイクル安定性を保障するように作用する。経口避妊薬の導入以来、ゲスタゲンの1日投与量は、当初の避妊薬製剤に存在していたものより、新しくより効果的なゲスタゲンの開発を通して減少した。またエストロゲンの1日投与量を減少させることも可能となった。
【0003】
6β,7β;15β,16β−ジメチレン−3−オキソ−17α−プレグン−4−エン−21,17−カルボラクトン(ドロスピレノン)がDE2652761号で知られ、その利尿化合物としての用途が開示されている。
DE3022337号では、その化合物のゲスタゲン様活性と避妊剤としての当然の利用性が、1日当りドロスピレノンの0.5〜50 mgの投与レベルで記載されている。また、化合物の作用機序は、天然の黄体ホルモンのプロゲステロンのものに非常に類似していること、およびそれは血圧上昇を来さず、そのために、血圧が上昇しているか、またはその危険性がある女性に投与できることが注目される。さらに、ドロスピレノンは、エチニルエストラジオールと共に、1日当り0.03〜0.05 mg量で投与できることが記載されている。
【0004】
DE3051166号では、婦人科異常の治療と避妊用に1日当り0.5〜50 mgの投与レベルでドロスピレノンを使用することが開示されている。
EP398460号では、ドロスピレノンをアンドロゲン誘因障害、アルドストロン誘因障害、ホルモン異常ならびに避妊に、1日当り0.5〜50 mg、好ましくは1〜10 mgの投与量レベルでの使用を開示している。エチニルエストラジオールは、1日当り0.02〜0.04 mgのレベルで補助投与できる。
US5,756,490号では、ゲスタゲンとエストロゲンの組合せを含有する23または24の投与量単位を、エストロゲン単独を含有する4〜10の投与単位量からなる組合せ医薬製剤を開示している。ドロスピレノンが可能であるが好ましくないゲスタゲン化合物として挙げられ、エチニルエストラジオールが可能であるが好ましくないエストロゲン化合物として挙げられている。
【発明の概要】
【0005】
この発明に至る研究中に、意外にも、ドロスピレノンのこれまで開示されていない最少投与量レベルが、信頼できる避妊活性に必要なことが見出された。同様に、好ましい最大投与量が確定され、その量で、不快な副作用、特に過剰利尿を実質的に避けることができる。
従って、第1の観点で、この発明は、第1の活性剤として、組成物の投与の際、約2mg〜約4mgの1日投与量に対応する量の6β,7β;15β,16β−ジメチレン−3−オキソ−17α−プレグン−4−エン−21,17−カルボラクトン(ドロスピレノン)と、第2の活性剤として、約0.01 mg〜約0.05 mgの1日投与量に対応する量の17α−エチニルエストラジオール(エチニルエストラジオール)と、1以上の医薬的に受容な担体もしくは賦形剤とからなる医薬組成物に関する。
【0006】
活性物それ自体とは別に、ドロスピレノンのエステルまたは前駆医薬、例えばWO 98/24801号に開示のオキシイミノプレグナンカルボラクトンをこの発明の組成物に使用しうることが考えられる。同じく、エチニルエストラジオールのエステルまたはエーテルを組成物に含め得ることも考えられる。
さらなる観点で、この発明は、哺乳動物、特にヒトに、ドロスピレノンを1日当り約2mg〜約4mgの範囲の量で、1日当り約0.01 mg〜約0.05 mgの量のエチニルエストラジオール(これらの量は前記哺乳動物での排卵を阻止するのに有効である)と共に投与することからなる哺乳動物の排卵を阻止する方法に関する。
【0007】
なお、さらなる観点で、この発明は、哺乳動物、特にヒトでの排卵を阻止する医薬製剤の製造のための、エチニルエストラジオールと組み合わせたドロスピレノンの使用に関し、組成物は、組成物の投与で約2mg〜約4mgの1日投与量に相当するドロスピレノンの量と、組成物の投与で約0.01〜約0.05 mgの1日投与量に相当するエチニルエストラジオールの量からなる。
図面の簡単な説明 この発明は、図面を参照してさらに記述される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ドロスピレノンの錠剤コアからのインビトロ溶解度を示すグラフで、V1〜V7は微細化ドロスピレノンを含むバッチ、V8はマクロ結晶ドロスピレノンを含むバッチである。
【図2】ドロスピレノンの錠剤コアからのインビトロ溶解度を示すグラフで、異なる線は異なったテストバッチを表わす。
【図3】ドロスピレノンのフィルム被覆した錠剤からのインビトロ溶解度を示すグラフで、異なる線は異なったテストバッチを表わす。
【図4】エチニルエストラジオールの錠剤コアからのインビトロ溶解度を示すグラフで、異なる線は異なったテストバッチを表わす。
【図5】エチニルエストラジオールのフィルム被覆した錠剤からのインビトロ溶解度を示すグラフで、異なる線は異なったテストバッチを表わす。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明の詳細な開示
ドロスピレノンは、実質的に、例えばUS 4,129,564号またはWO 98/06738号に記載のように製造することができ、水および各種pH値の水性緩衝液にわずかに溶解性の物質である。その上、ドロスピレノンは酸性条件下で不活性の異性体に転位され、アルカリ条件下で加水分解される。そのため、化合物の良好な生物的利用能を確保するには、急速な溶解を促進する形態で提供するのが有利である。
【0010】
ドロスピレノンを医薬組成物中で微細化した形態(活性物質の粒子は10,000 cm2/g以上の表面積を有し、かつ顕微鏡下で測定した粒子サイズ分布が、所定のバッチで、30μm以上の直径を有する粒子が2以下、好ましくは≧10 μmと≦30 μmの直径を有する粒子が≦20を有する)で提供すると、組成物からの活性化合物の急速な溶解がインビトロで生ずる(“急速な溶解 (rapid dissolution) ”とは、USP溶解テスト装置2を使用し50 rpmでのUSPXXIIIのパドル法で測定し、37℃の水900 ml中で、3mgのドロスピレノンを含有する錠剤製剤からのドロスピレノンが、約30分で少なくとも70%、特に約20分で少なくとも80%の溶解として定義される)ことを意外にも見出した。ドロスピレノンを微細化形態で提供する代わりに、適当な溶媒、例えばメタノールもしくは酢酸エチルに溶解し、それを不活性な担体の表面に噴霧し、組成物中で粒子表面にドロスピレノンを含有する粒子を導入することもできる。
【0011】
何れの特定の理論にも限定されるのを望まないが、ドロスピレノンのインビトロの溶解度が、インビボでの溶解度に関連し、化合物の経口投与でインビボでのドロスピレノンの急速な溶解を生ずるとみられる。これは、化合物の胃環境での異性化および/または腸での加水分解が、実質的に減少し、化合物の高い生物学的利用率を導くことから有利である。
【0012】
エチニルエストラジオールに関しては、これも僅かに溶解性の物質であり胃腸管で一般的な条件下でドロスピレノンより分解に鋭感ではないが、微細化形態または、不活性担体粒子の表面に、例えばエタノールの溶液で噴霧して提供するのが有利である。このことは、組成物を通してエチニルエストラジオールのより均質な分布を促進する利点を付加しており、さもないとエチニルエストラジオールはごく少量導入されるため達することが難しい。エチニルエストラジオールが微細化形態で提供されるとき、顕微鏡下で測定した次の粒子サイズ分布、すなわち粒子の100%が≦15.0 μmの直径を有する、粒子の99%が≦12.5 μmの直径を有する、粒子の95%が≦10.0 μm、粒子の50%が≦3.0 μmの直径を有することが好ましい。その上、20 μm以上の粒子がなく、≦10の粒子が≧15 μmと≦20 μmの直径を有する。
【0013】
より速い溶解度を得るのに、両方の活性物質の溶解を促進するよう作用する担体もしくは賦形剤を含めることが好ましい。このような担体と賦形剤の例には、セルロース誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース;ゲル化澱粉、ゼラチンまたはポリビニルピロリドンのような水に容易に溶解する物質が含まれる。特に、ポリビニルピロリドンが特に溶解を促進するのに役立ちうるとみられる。
【0014】
この発明の組成物は、約2.5〜約3.5 mg、特に約3mgの1日投与量に対応する量のドロスピレノンからなるのが好ましい。エチニルエストラジオールの量は、約0.015〜約0.04 mg、特に約0.015〜約0.03 mgの1日投与量に相当するのが好ましい。より詳しくは、この組成物は、約3.0〜約3.5 mgの1日投与量に対応するドロスピレノンの量と、約0.015〜約0.03 mgに相当する量のエチニルエストラジオールからなる。
【0015】
この発明の組成物は、排卵の阻止能とは別に、顕著な抗アンドロゲン性を有することが見出され、そのため、アンドロゲン誘因異常、特にアクネの予防または治療に使用できる。このような使用は、上で開示した避妊薬としての使用と独立であるか両立できる。その上、ドロスピレノンはアルドステロンアンタゴニストであるので、利尿性を有し、そのためエチニルエストラジオールの水保有性を中和するのに適する。
特別な具体例で、この発明は、包装単位に入れられ、少なくとも21日の連続した期間の経口投与を意図した多数の別々に包装され個々に分離できる1日投与量単位からなり、かつ、1日投与量単位の各々が、約2〜約4mg量のドロスピレノンと約0.01〜約0.05 mg量のエチニルエストラジオールの組合せからなる、医薬製剤に関する。
【0016】
1つの具体例で、製剤は、さらに、活性剤を含まない7以下の1日投与量単位からなる。あるいは、服用レジメに、服用単位を摂取しない7以下の期間を含めることができる。しかし、応諾により、製剤中に適当な数のブランクを含めることが好ましく、その場合には、製剤における1日投与量単位の全数は少なくとも28である。ブランクを含めることまたはピルフリー日は、退薬症状の出血(withdrawal bleeding)を誘発するであろう。
【0017】
製剤は、1フェーズ組成物、すなわち、何れかの活性剤の量が全体に少なくとも21日間一定であるか、またはマルチフェーズ製剤、例えばEP 148724号に実質的に開示されたごとき2または3フェーズ製剤となるよう何れかまたは両方の活性剤の量が少なくとも21日間にわたって変化し得る製剤であってもよい。マルチフェーズ製剤では、エチニルエストラジオールの代りに、エストラジオールのような天然のエストロゲンを、例えば約0.5〜約4mg/日の量で含めることが可能であろう。
【0018】
この発明の適当な具体例では、ドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せからなる1日投与量単位の数は、21、22、23または24であってもよく、活性剤を含まない1日投与量単位の数は、場合により、7、6、5または4であってもよい。この製剤のさらなる具体例で、ドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せからなる1日投与量単位の数は、28、または28の2〜4、特に2または3倍のような28の倍数である。
代りの具体例では、この発明は、包装単位に入れられ、少なくとも28日の連続した期間の経口投与を意図した、別々に包装され個々に分離しうる1日投量単位の多数からなり、1日投与量単位の少なくとも21はドロスピレノン約2〜約4mg量とエチニルエストラジオール約0.01〜約0.05 mg量の組合せからなり、1日投与量単位の7以下はエチニルエストラジオール単独を約0.01〜約0.05 mgの量で含む避妊薬製剤に関する。
【0019】
エチニルエストラジオール単独からなる適当数の投与量単位を含めることで、高い避妊の信頼性、低い卵胞発達、月経間出血がほとんどないかまたはない満足なサイクルコントロールを得ることができる。
この場合に、製剤は、何れかの活性剤の量が全体に21日間少なくとも一定(すなわち、2フェーズ製剤)であってもよく、または何れかあるいは両方の活性剤の量が少なくとも21日間にわたって変化し、マルチフェーズ製剤、例えばEP 148724号に実質的に開示されるような例えば3あるいは4フェーズ製剤を生じるものであってもよい。マルチフェーズ製剤の場合、エチニルエストラジオールの代りに、エストラジオールのような天然のエストロゲンを、例えば約0.5〜約4mg/日の量で含めることが可能であろう。
この製剤の適当な具体例では、ドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せからなる1日投与量単位数は21、22、23または24であってもよく、次いでエチニルエストラジオール単独を含む1日投与量単位数は、場合により7、6、5または4であってもよい。
【0020】
この排卵阻止法の1つの具体例で、方法は、哺乳動物に、ドロスピレノン約2〜約4mg量とエチニルエストラジオール約0.01〜約0.05 mg量の組合せからなる1日投与量単位を少なくとも21連続日の各日に投与し、次いで、活性剤を含まない1日投与量単位を7以下の連続日の各日に投与するかまたは7日以下のあいだ投与量単位を投与しないことからなる。
【0021】
この方法の適当な具体例で、ドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せからなる1日投与量単位は、21、22、23または24連続日投与ができ、活性剤を含まない1日投与量単位は、適切に、7、6、5または4連続日投与ができる。その上、ドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せからなる1日投与量単位は、28連続日投与ができる。この具体例の変形として、ドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せからなる1日投与量単位は、28の連続日の2〜4、好ましくは2または3倍投与でき、更にドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せからなる1日投与量単位を21、22、23または24連続日投与し、続いて7、6、5または4連続日のあいだ活性剤のない1日投与量単位を投与するか、または1日投与量単位を投与しない。
【0022】
または、この発明の方法は、少なくとも21連続日の毎日、ドロスピレノン約2〜4mg量とエチニルエストラジオール約0.01〜0.05 mgの組合せからなる1日投与量単位を投与し、続いて7以下の連続日の毎日、エチニルエストラジオール単独の約0.01〜0.05 mg量を含む1日投与量単位を投与することからなる。
この別の方法で、ドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せからなる1日投与量単位は21、22、23または24連続日投与するのが適し、エチニルエストラジオール単独の1日投与量単位は適当に7、6、5または4連続日投与ができる。この方法のさらなる具体例で、ドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せからなる1日投与量単位は、28連続日の2〜4、好ましくは2または3倍投与され、ドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せの1日投与量単位の21連続日の投与と続くエチニルエストラジオール単独の1日投与量単位の7連続日の投与を伴う。
【0023】
この発明による用途に、医薬製剤は、包装単位に入れられ少なくとも21日連続日の期間の経口投与を意図した、多数の別々に包装され、かつ個々に分離できる1日投与量単位の形態であって、1日投与量単位のそれぞれは約2〜4mg量のドロスピレノンと約0.01〜0.05 mg量のエチニルエストラジオールの組合せからなるのが適当である。
上記のように、さらに製剤は、活性剤を含まない7以下の1日投与量単位からなってもよい(または、7以下の空の“場所”、例えばブリスターパックでの空のブリスター形態を含め、1日投与量単位が投与されない日をマークしてもよい)。
【0024】
あるいは、医薬製剤は、包装単位に入れられ少なくとも28日連続日の期間の経口投与を意図した、多数の別々に包装され、かつ個々に分離できる1日投与量単位の形態であってもよい。ここで、少なくとも 21の1日投与量単位のそれぞれは約2〜4mg量のドロスピレノンと約0.01〜0.05 mg量のエチニルエストラジオールの組合せからなり、該包装単位は、約0.01〜0.05 mg量のエチニルエストラジオール単独からなる7以下の1日投与量単位からなる。
【0025】
この発明の組成物は、製薬分野で公知のいずれかの方法で製剤化することができる。特に、上記のように、組成物は、単位投与量形態において微細化形態であるか、または経口投与におけるドロスピレノンおよび好ましくはエチニルエストラジオールの迅速な溶解を促進するようなドロスピレノンとエチニルエストラジオールの溶解を促進する、1以上の医薬的に許容される賦形剤との混合物中の不活性担体の粒子に溶液で噴霧されている、ドロスピレノン、および、望ましくは、エチニルエストラジオールを提供することからなる方法によって製剤化することができる。
【0026】
適当な賦形剤の例には、錠剤、丸剤またはカプセル剤のような経口服用形態を構成する、充填剤、例えばラクトース、糖またはシクロースのような糖、マンニトール、ソルビトールまたはキシリトールのような糖アルコール、小麦、トウモロコシまたはポテト澱粉のような澱粉、改質澱粉またはグリコール酸ナトリウム澱粉、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、コロイドシリカまたはステアリン酸のような潤滑剤、およびポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースまたはゼラチンのようなバインダーが含まれる。
【0027】
錠剤は、適当なフィルム形成剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはエチルセルロースで簡便にコートでき、それには、適当な賦形剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ジエチルフタレートまたはグリセロールトリアセテートのような柔軟剤、シクロース、ソルビトール、キシリトール、グルコースまたはラクトースのような充填剤、水酸化チタンのような着色剤などが任意に添加できる。
この発明の組成物は、製薬分野でそれ自体知られた方法で、通常の希釈剤または賦形剤と共に、液形態、例えば溶液、懸濁液またはエマルジョンにも製剤化できる。
【0028】
上記した1日投与量単位からなる包装単位は、他の経口避妊薬と同様にして製造することができる。これは、例えば、通常のブリスターパックまたはこの目的のために知られたいずれかの他の形態、例えばボール紙、厚紙、薄片またはプラスチック裏付けを有し適当なカバーに封入させた封入ブリスターパック中、適当数の投与量単位(この場合少なくとも21、または特別の応用には28または28の倍数)からなるパックであってもよい。各ブリスター容器には、例えばドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せを含む少なくとも21投与量単位の最初から始め、任意に7以下の空のブリスターまたは活性剤を含まないかエチニルエストラジオールのみを含む7以下の投与量単位に続く番号または標識を簡単に付してもよい(番号付けは、エチニルエストラジオールのみを含む7以下の投与量単位の最初から始めてもよい)。
【0029】
また、この発明の組成物は、皮下インプラントまたは経皮剤型のような非経口剤型の形態であってもよいと考えられる。インプラントを作るには、活性剤は、使用時に徐々に侵食されるか分解される1以上のポリマー、例えばシリコンポリマー、エチレンビニルアセテート、ポリエチレンまたはポリプロピレンと共に適宜製剤化できる。
【0030】
経皮製剤に関しては、マトリックスまたは膜の形態で、または油またはヒドロゲル中の液体または粘調剤型として作ることができる。経皮パッチには、皮膚と相溶性の接着剤、例えば、ポリアクリレート、シリコン接着剤またはポリイソブチレン、並びに例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセテート、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンクロリドまたはポリエステルから作られたホイル、および例えばポリエステルまたはシリコンもしくはフルオロポリマーで被覆した紙から作った除去しうる保護ホイルを含めるべきである。経皮用液またはゲルには、水あるいは有機溶剤またはそれらの混合物が用いうる。
【0031】
さらに経皮ゲルは、シリコン、トラガント、澱粉あるいは澱粉誘導体、セルロースあるいはセルロース誘導体、またはポリアクリル酸あるいはその誘導体のような1以上の適当なゲル化剤または粘調化剤を含むことができる。経皮製剤は、胆汁塩またはその誘導体および/またはリン脂質のような皮膚吸収を増強する1以上の物質を含んでいてもよい。適当な経皮製剤は、例えば3−ケトデゾゲストレルについてWO 94/04157号に記載されるのと同様の方法で作ることができる。または、経皮製剤は、例えば、BW Barry,“Dermatological Formulations, Percutaneous Absorption”,Marcel Dekker Inc., New-York-Basel, 1983またはYW Chien “Transdermal Controlled Systemic Medications”,Marcel Dekker Inc., New-York-Basel, 1987に開示の方法により作ることができる。
【実施例】
【0032】
この発明をさらに次の実施例で記述するが、実施例はクレームした発明の範囲を限定する意図のものではない。
実験の部
実施例1. ドロスピレノンとエチニルエストラジオールを含有する錠剤の製造
次の組成: 微細化ドロスピレノン 3.00mg 微細化エチニルエストラジオール 0.03mg ラクトース一水和物 48.17mg トウモロコシ澱粉 14.40mg 改質澱粉 9.60mg ポリビニルピロリドン25,000 4.00mg ステアリン酸マグネシウム 0.80mgの錠剤コアを、流動床付造顆粒機に、31.68 kgのトウモロコシ澱粉、21.12 kgの改質澱粉、6.60の微細化ドロスピレノン、0.066 kgの微細化エチニルエストラジオールと105.974 kgのラクトース一水和物を充填し、流動床を活性化して製造した。8.80 kgのポリビニルピロリドン25,000と46.20 kgの精製水との水性溶液を、流動床の空気流を加熱乾燥しつつ、流動床に連続的に噴霧した。工程の終わりに、1.76 kgのステアリン酸マグネシウムを造顆粒機に吸引し、流動床を維持しつつ、顆粒と混合した。得られる顆粒を回転錠剤プレスを用いる圧縮で錠剤コアにプレスした。
【0033】
2.22464 kgのヒドロキシプロピルメチルセルロースと0.44528 kgのマクロゴール6000を、14.67 kgの精製水に溶解した。0.44528 kgのタルク、1.22430 kgの二酸化チタンと0.06050 kgの酸化鉄顔料を撹拌下に10.26 kgの精製水に懸濁し、均質化した。溶液と懸濁液とを合わして用い、被覆懸濁液をコーター中で連続的に用いて錠剤コアを被覆した。
【0034】
実施例2. 錠剤からのドロスピレノンの溶解
実施例1で製造した錠剤からのドロスピレノンの溶解度を、6つのカバーガラス容量と6つのパドルを含むUSP溶解テスト装置2を用いるUSPXXIIIパドル法で測定した。錠剤を900 mlの水に37℃(±0.5℃)の温度で入れ、50 rpmで撹拌した。
【0035】
結果は図1、2と4に示す。図1によれば、マクロ結晶のドロスピレノンを含有するV8と番号を付したバッチ(しかし、他の点では実施例1で製造した錠剤と同一)は、ドロスピレノンについて極めて遅い溶解度を示し、一方、微細化ドロスピレノンを含有する全てのバッチは、30分以内に70%以上の溶解度を示した。
図2図4は、それぞれ錠剤コアとフィルム被覆した錠剤からのドロスピレノンの溶解の結果を示す。両ケース共、活性剤の70%以上が30分以内に溶解した。従って、フィルムの被覆は、溶解度に有意な影響を及ぼさなかった。
【0036】
実施例3. エチニルエストラジオールについてインビトロでの錠剤からの溶解度
実施例1に記載のように製造した錠剤からのエチニルエストラジオールの溶解度を、ドロスピレノンについての実施例2に記載したUSPパドル法に従って測定した。その結果は、錠剤コアとフィルム被覆した錠剤からの溶解度をそれぞれ示す図3と5から明らかである。両ケース共、活性剤の70%以上が30分以内に溶解した。従って、フィルムの被覆は溶解度に有意な影響を及ぼさなかった。
【0037】
実施例4. ドロスピレノン3mgとエチニルエストラジオール0.03 mgを含有する錠剤からのドロスピレノンとエチニルエストラジオールの生物学的利用能
18〜35才の42人の健康な女性を、インフォームドコンセントを得た後、オープンラベルの交差研究に含めた。研究の目的は、1バイアル当りドロスピレノン6mgとエチニルエストラジオール0.06 mgを含む経口懸濁液に対し、ドロスピレノン3mgとエチニルエストラジオール0.03 mgを含む錠剤からのドロスピレノンとエチニルエストラジオールの相対生物学的利用能をみることであった。
【0038】
生物学的利用能は、パラメータとして各活性剤の血漿濃度を用いて測定した。経口懸濁液と比較し、錠剤からのドロスピレノンとエチニルエストラジオールの相対生体利用性はそれぞれ107%と117%であった。従って、ドロスピレノンとエチニルエストラジオールは共にインビボで錠剤から完全に放出されることが結論された。
【0039】
ドロスピレノンの絶体生物学的利用能は、8人の若い健康な女性にドロスピレノン2mgを経口投与した後は76%±13%で、ドロスピレノン3.13 mgを含有する微細結晶懸濁液を6人の閉経後の女性に経口投与した後は85%±24%であることが2つの研究で測定された。
エチニルエストラジオールの経口生物学的利用能は、いくつかの研究で測定され、36%〜59%の平均値が文献で報告され、一次パス効果を示している。
【0040】
実施例5. ドロスピレノンとエチニルエストラジオールを含有する製剤の避妊効果
インフォームドコンセントを得た20〜35才の52名の女性ボランティアでのオープンラベルのランダムトライアルで、1つの予備処置サイクルと、ドロスピレノン2mgと3mgをそれぞれ含有する2つの異なる錠剤(他の点は実施例1で製造した錠剤に相当)での3つの処置サイクルを含め、追従相を含めて得た。1ヶ月のウォッシュアウト相を処置に先行した。
【0041】
所定の時点で、選択した中枢と末枢パラメータを調べた。すなわち、LH、FSH、17β−エストラジオール、プロゲステロン、頸部スコア、“けん糸性”現象('spinnbarkeit' fern phenomenon)。卵巣機能は、超音波でチェックした。加えて、SHBG、CBG、プロラクチン、全テストステロン、アンドロステンジオン、DHEA-Sおよび選択した代謝パラメータ(血清グルコース、トリグリセリド、コレステロール、HDL、LDL)を調べた。血圧、心拍数、体重およびサイクルコントロールを記録した。
【0042】
研究の結果は、LHとFSHの両方が、両方のトライアル製剤で明らかに抑制されたことを示した。従って、エストラジオールとプロデステロンの分泌は、2mgのドロスピレノン製剤を服用する3人のボランティアを除き、全ての3つの処理サイクルにわたって大いに減少した。この結果は原則的に、続いて超音波検査で確認された。卵胞熟成が、両方のトライアル製剤を用いる幾つかのケースで生じた。3つの排卵が2mgのドロスピレノンを含有する製剤で診断(その内1つは“疑わしい”として他は“錠剤服用エラー”として記載)されたが、ホルモンLH、FSH、エストラジオールおよびプロゲステロン、パラメータ“処理サイクル中の排卵”に関する2つのトライアル製剤間の差異は統計的に(p>0.05)例証されなかった。
【0043】
ホルモンを維持して子宮機能が大きく制限され、子宮筋の“けん糸性”と結晶化能が両方のトライアル製剤で大きく減少した。プロラクチンは最小限に、SHBGとCBGは明らかに両方の製剤で増加した。トリグリセリドとHDLのレベルは両方のトライアル製剤で増加し、LDLのレベルは減少した。全コレステロールは、両方の処置群で大きく変わらなかった。経口グルコースの認容性は実質上変わらないか、または僅かに減少した。テストステロン、アンドロステンジオンおよびDHEA-Sは、最小限に減少した。
【0044】
主観的および客観的認容性は、両方の処置で良好であった。これは、ドロスピレノン2mgでの最初のサイクルを除き、サイクルコントロールの場合も同じであった。血圧、心拍数と体重は大部分のケースで一定に維持されるか僅かな減少傾向を示した。
3ヶ月後処置後に、次のように結論された: 2つのトライアル製剤は、主観的および客観的認容性に関して等しく良好であった。
何れの製剤についても、マイナスの代謝効果は観察されなかった。HDLは増加の意味で積極的に影響した。
結果により、ドロスピレノンの2mg製剤は排卵阻止の閾値領域にあり、ドロスピレノンの3mg製剤は全検査ケースで例証しうる排卵阻止効果を有した前の結果が確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の活性剤として、組成物の投与の際、約2〜約4mgの1日投与量に対応する量の6β,7β;15β,16β−ジメチレン−3−オキソ−17α−プレグン−4−エン−21,17−カルボラクトン(ドロスピレノン)と第2の活性剤として、約0.01〜約0.05 mgの1日投与量に対応する量の17α−エチニルエストラジオール(エチニルエストラジオール)と、1以上の医薬的に受容な担体または賦形剤とからなる医薬組成物。
【請求項2】
ドロスピレノンが、微細化形態または不活性担体の粒子に溶液で噴霧されている請求項1による組成物。
【請求項3】
ドロスピレノンが約2.5〜約3.5 mg、特に約3mgの1日投与量に相当する量であることからなる請求項1または2による組成物。
【請求項4】
エチニルエストラジオールが、微細化形態または不活性担体の粒子に溶液で噴霧されている請求項1による組成物。
【請求項5】
エチニルエストラジオールが、約0.015〜約0.04 mg、特に0.02〜約0.03 mgの1日投与量に対応する量であることからなる請求項1または4による組成物。
【請求項6】
約3.0〜約3.5 mgの1日投与量に対応する量のドロスピレノンと、約0.015〜約0.03 mgに対応する量のエチニルエストラジオール、特に約3.0 mgの1日投与量に対応するドロスピレノンの量と0.03 mgの1日投与量に対応する量のエチニルエストラジオールとからなる前記請求項の何れかによる組成物。
【請求項7】
医薬的に受容な担体または賦形剤が、第1と第2の活性剤の急速な溶解を促進するように選択される前記請求項の何れかによる組成物。
【請求項8】
第1と第2の活性剤の少なくとも70%が、投与から30分以内に放出される前記請求項の何れかによる組成物。
【請求項9】
第1と第2の活性剤の少なくとも80%が、投与から20分以内に放出される請求項8による組成物。
【請求項10】
1日投与量単位が約2〜約4mg量のドロスピレノンと約0.01〜約0.05 mg量のエチニルエストラジオールの組合せからなる、包装単位に入れられ、少なくとも21日の連続した期間の経口投与を意図した多数の別々に包装されかつ個々に分離しうる1日投与量単位からなる医薬製剤。
【請求項11】
さらに、少なくとも21日の連続した期間に続いて経口投与を意図した活性剤を含まない7以下の1日投与量単位からなり、1日投与量単位の全数は少なくとも28である請求項10による製剤。
【請求項12】
ドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せからなる1日投与量単位の数が21、22、23または24で、活性剤を含まない1日投与量単位の数が7、6、5または4である請求項10または11による製剤。
【請求項13】
ドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せからなる1日投与量単位の数が28、または28の倍数、例えば28の2〜4、特に2または3倍である請求項10による製剤。
【請求項14】
さらに、1日投与量単位の数が21、22、23または24のドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せからなり、活性剤を含まない1日投与量単位の数が7、6、5または4である請求項13による製剤。
【請求項15】
少なくとも21の1日投与量単位が、微細化形態または不活性担体の粒子に溶液を噴霧したドロスピレノンとエチニルエストラジオールからなる請求項10〜14の何れかによる製剤。
【請求項16】
少なくとも21の1日投与量単位が、約2.5〜約3.5 mg、特に約3mg量のドロスピレノンと約0.015〜約0.04 mg、特に約0.015〜約0.03 mg量のエチニルエストラジオールとからなる請求項10〜15の何れかによる製剤。
【請求項17】
少なくとも21の1日投与量単位が、約3.0〜約3.5 mg量のドロスピレノンと約0.015〜約0.03 mgに対応する量のエチニルエストラジオールとからなる請求項10〜16の何れかによる製剤。
【請求項18】
包装単位に入れられ、かつ、少なくとも28日の連続した期間の経口投与を意図した多数の別々に包装され、かつ、個々に分離可能な1日投与量単位からなり、1日投与量単位の少なくとも21が、約2〜約4mg量のドロスピレノンと約0.01〜約0.05mg量のエチニルエストラジオールの組合せからなり、1日投与量単位の7以下が、約0.01〜約0.05 mg量のエチニルエストラジオール単独を含む医薬製剤。
【請求項19】
ドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せからなる1日投与量単位数が21、22、23または24で、エチニルエストラジオール単独からなる1日投与量単位数が7、6、5または4である請求項18による製剤。
【請求項20】
少なくとも21の1日投与量単位が、微細化形態または不活性担体の粒子に溶液を噴霧したドロスピレノンとエチニルエストラジオールからなる請求項18または19による製剤。
【請求項21】
少なくとも21の1日投与量単位が、約2.5〜約3.5 mg、特に約3mg量のドロスピレノンと、約0.015〜約0.04 mg、特に約0.02〜約0.03 mg量のエチニルエストラジオールからなる請求項18〜20の何れかによる医薬製剤。
【請求項22】
少なくとも21の1日投与量単位が、約3.0〜約3.5 mg量のドロスピレノンと約0.015〜約0.03 mgに対応する量のエチニルエストラジオールからなる請求項18〜21の何れかによる製剤。
【請求項23】
1日当り約2〜約4mgの範囲の量のドロスピレノンを、1日当り約0.01〜約0.05 mgの量のエチニルエストラジオール(これらの量は哺乳動物の排卵を阻止するのに有効である)と共に、哺乳動物に投与することからなる哺乳動物、特にヒトでの排卵を阻止する方法。
【請求項24】
ドロスピレノンの量が、1日当り約2.5〜約3.5 mgの範囲、特に約3mgである請求項23による方法。
【請求項25】
エチニルエストラジオールの量が、1日当り約0.015〜約0.04 mg、特に約0.015〜約0.03 mgである請求項23による方法。
【請求項26】
1日当り約2〜約4mgの範囲量のドロスピレノンを、1日当り約0.01〜約0.05 mg量のエチニルエストラジオール(これらの量は、哺乳動物のアンドロゲン誘因異常を防止または処置するのに有効である)と共に、哺乳動物に投与することからなるメスの哺乳動物、特に女性のアンドロゲン誘因異常を防止または処置する方法。
【請求項27】
アンドロゲン誘因異常がアクネである請求項26による方法。
【請求項28】
哺乳動物、特にヒトに、少なくとも21日の連続した日の各日に、約2〜約4mg量のドロスピレノンと約0.01〜約0.05 mg量のエチニルエストラジオールとの組合せからなる1日投与量単位を投与し、続いて7以下の連続日の各日に、活性剤を含まない1日投与量単位を投与するかまたは代りに7以下の連続日に1日投与量単位を投与しないことからなる哺乳動物の排卵を阻止する方法。
【請求項29】
ドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せからなる1日投与量単位が21、22、23または24の連続日投与され、かつ、非1日投与量単位または活性剤を含まない1日投与量単位が7、6、5または4連続日投与される請求項28による方法。
【請求項30】
ドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せからなる1日投与量単位が、28連続日投与される請求項28による方法。
【請求項31】
ドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せからなる1日投与量単位が28連続日の2〜4、好ましくは2または3倍投与され、続いてドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せからなる1日投与量単位が21日連続日投与され、かつ更に、活性剤を含まない1日投与量単位または代りに非1日投与量単位を7連続日投与される請求項28による方法。
【請求項32】
哺乳動物、特にヒトに、少なくとも21の連続日の各日に、約2〜約4mg量のドロスピレノンと約0.01〜約0.05 mg量のエチニルエストラジオールの組合せからなる1日投与量単位を投与し、続いて7以下の連続日の各日に、約0.01〜約0.05 mg量のエチニルエストラジオール単独を含む1日投与量単位を投与することからなる哺乳動物の排卵を阻止する方法。
【請求項33】
ドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せからなる1日投与量単位が21、22、23または24の連続日投与され、エチニルエストラジオール単独からなる1日投与量単位が、7、6、5または4連続日投与される請求項32による方法。
【請求項34】
ドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せからなる1日投与量単位が、28連続日の2〜4、好ましくは2または3倍投与され、続いてドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せからなる1日投与量単位を21連続日投与し、さらにエチニルエストラジオール単独からなる1日投与量単位を7連続日投与することからなる請求項32による方法。
【請求項35】
単位投与量型の微細化形態のドロスピレノン、またはドロスピレノンの溶解を促進する1以上の医薬的に受容な賦形剤と混合した不活性担体の粒子に溶液を噴霧してドロスピレノンを提供することからなる、経口投与で単位投与量形態からドロスピレノンの急速な溶解を促進する方法。
【請求項36】
組成物の投与で、約2〜約4mgの1日投与量に対応する量のドロスピレノンと、組成物の投与で、約0.01〜0.05 mgの1日投与量に対応する量のエチニルエストラジオールからなる哺乳動物、特にヒトの排卵を阻止するための医薬製剤の製造のためのエチニルエストラジオールと組み合わせたドロスピレノンの使用。
【請求項37】
ドロスピレノンが、微細化した形態または不活性担体の粒子に溶液を噴霧したものである請求項36による使用。
【請求項38】
ドロスピレノンの量が、約2.5〜約3.5 mg、特に約3.0 mgの1日投与量に対応する請求項36による使用。
【請求項39】
エチニルエストラジオールの量が、約0.015〜約0.04 mg、特に約0.02〜約0.03 mgの1日投与量に対応する請求項36による使用。
【請求項40】
エチニルエストラジオールが、微細化した形態または不活性担体の粒子に溶液を噴霧したものである請求項36による使用。
【請求項41】
メスの哺乳動物、特に女性のアンドロゲン誘因異常の予防または治療のための請求項36による使用。
【請求項42】
アンドロゲン誘因異常がアクネである請求項41による使用。
【請求項43】
製剤が、包装単位に入れられ、かつ、少なくとも21の連続日の期間の経口投与を意図した多数の別々に包装され、個々に分離しうる1日投与量単位の形態であり、1日投与量単位が約2〜約4mg量のドロスピレノンと約0.01〜約0.05 mg量のエチニルエストラジオールの組合せからなる、哺乳動物、特にヒトの排卵阻止用医薬製剤を製造するためのドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せの使用。
【請求項44】
製剤がさらに活性剤を含まない7以下の1日投与量単位からなり、1日投与量単位の全数が少なくとも28である請求項43による使用。
【請求項45】
製剤が、包装単位に入れられ、かつ、少なくとも28の連続日の期間の経口投与を意図した多数の別々に包装され、個々に分離しうる1日投与量単位の形態であり、少なくとも 21の1日投与量単位が約2〜約4mg量のドロスピレノンと約0.01〜約0.05 mg量のエチニルエストラジオールの組合せからなり、包装単位がさらに約0.01〜約0.05 mg量のエチニルエストラジオール単独からなる7以下の1日投与量単位からなる、哺乳動物、特にヒトの排卵阻止用医薬製剤を製造するためのドロスピレノンとエチニルエストラジオールの組合せの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−143959(P2009−143959A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−48381(P2009−48381)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【分割の表示】特願2001−519915(P2001−519915)の分割
【原出願日】平成12年8月31日(2000.8.31)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】