説明

避難誘導システム、サーバ、移動体通信機器、避難誘導方法、及びプログラム

【課題】気象現象による災害発生時に市民の安全を確保する技術を提供する。
【解決手段】避難誘導システムは、気象現象を観測した結果を示す気象観測情報を取得し、取得した該気象観測情報に基づいて、該気象現象による災害から避難するための情報である避難情報を生成し、移動体通信機器に送信するサーバと、前記避難情報を受信し、該避難情報に基づいた、自身の現在位置からユーザを誘導するための避難誘導情報を出力する移動体通信機器と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気象現象による災害発生時にユーザを避難誘導する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の地球温暖化に伴い、大規模な異常気象現象が多発し、世界的に増加しつつある。そして、これらの異常気象現象の増加に伴い、気象現象の結果生じた災害による被災者数も増加の傾向にある。日本においても竜巻等の破壊的な気象現象の増加が報告されており、2008年3月からは、気象庁により竜巻注意報の発令が開始されるに至っている。
【0003】
このような状況において、市民が外出時に安全で快適な生活をおくるには、気象現象が早期に観測され、その観測結果が市民に提供されるのが望ましい。
【0004】
気象現象を早期に観測するため、例えば、特許文献1に記載の観測装置は、人工衛星に搭載されたセンサーにより得られたデータに基づいて、気象現象を広範囲で常時観測している。
【0005】
そして、特許文献1に記載の観測装置により早期に気象現象が観測されたとき、その観測した結果に基づき避難警報や注意報が発令され、これらはテレビやラジオなどのメディアを通じて市民に伝達される。そして、テレビ等を通じて避難警報を視聴することにより、市民は安全な場所へ避難することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−221468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、市民が外出中であるならば、テレビやラジオを市民が常に視聴できる環境にいるとは限らない。また、避難警報等を視聴できても、具体的にどの避難場所へ避難すべきかを直ちに判断することは困難である。
【0008】
このため、気象現象による災害発生時に避難が遅れることがあり、市民の安全が十分に確保されていないという問題があった。
【0009】
本発明の目的は、気象現象による災害発生時に市民の安全を確保する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の避難誘導システムは、気象現象を観測した結果を示す気象観測情報を取得し、取得した該気象観測情報に基づいて、該気象現象による災害から避難するための情報である避難情報を生成し、移動体通信機器に送信するサーバと、前記避難情報を受信し、該避難情報に基づいた、自身の現在位置からユーザを誘導するための避難誘導情報を出力する移動体通信機器と、を有する。
【0011】
また、本発明のサーバは、移動体通信機器の現在位置を示す現在位置情報を受信する受信手段と、気象現象を観測した結果を示す気象観測情報を取得する気象観測現象取得手段と、前記受信手段により受信された前記現在位置情報と、前記気象観測現象取得手段により取得された前記気象観測情報とに基づいて前記気象現象による災害から避難するための場所である避難場所を示す避難場所情報を生成する避難情報生成手段と、前記避難情報生成手段により生成された前記避難場所情報を前記移動体通信機器に送信する送信手段と、を有する。
【0012】
本発明の移動体通信機器は、気象現象による災害から避難するための場所である避難場所を示す避難場所情報を受信する受信手段と、自身の現在位置を取得する現在位置取得手段と、前記機器位置取得手段により取得された前記現在位置から、前記受信手段により受信された前記避難場所情報の示す前記避難場所へ、前記ユーザを誘導するための情報である避難誘導情報を生成する避難誘導情報生成手段と、前記避難誘導情報作成手段により取得された前記避難誘導情報を出力する出力手段と、を有する。
【0013】
本発明の避難誘導方法は、サーバが、気象現象を観測した結果を示す気象観測情報を取得し、取得した該気象観測情報に基づいて、該気象現象による災害から避難するための情報である避難情報を生成し、移動体通信機器に送信し、前記移動体通信機器が、前記避難情報を受信し、該避難情報に基づいた、自身の現在位置からユーザを誘導するための避難誘導情報を出力する。
【0014】
本発明のプログラムは、サーバを制御するためのプログラムであって、コンピュータに、移動体通信機器の現在位置を示す現在位置情報を受信する受信手順、気象現象を観測した結果を示す気象観測情報を取得する気象観測現象取得手順、前記受信手順により受信された前記現在位置情報と、前記気象観測現象取得手順により取得された前記気象観測情報とに基づいて前記気象現象による災害から避難するための場所である避難場所を示す避難場所情報を生成する避難情報生成手順、及び前記避難情報生成手順により生成された前記避難場所情報を前記移動体通信機器に送信する送信手順、を実行させる。
【0015】
本発明のプログラムは、移動体通信機器を制御するためのプログラムであって、コンピュータに、気象現象による災害から避難するための場所である避難場所を示す避難場所情報を受信する受信手順、自身の現在位置を取得する現在位置取得手順、前記機器位置取得手順により取得された前記現在位置から、前記受信手順により受信された前記避難場所情報の示す前記避難場所へ、前記ユーザを誘導するための情報である避難誘導情報を生成する避難誘導情報生成手順、及び前記避難誘導情報作成手順により取得された前記避難誘導情報を出力する出力手順、を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、サーバが、気象観測情報に基づいて気象現象による災害から市民(ユーザ)が避難するための情報である避難情報を生成、送信し、移動体通信機器は、避難誘導情報を出力する。このため、移動体通信機器を携帯するユーザが外出中であっても、そのユーザは容易に避難することができ、災害発生時にユーザの安全を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施形態の避難誘導システムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の避難誘導システムの全体図である。
【図3】第1の実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態の位置情報の構成の一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態の気象観測情報の構成の一例を示す図である。
【図6】第1の実施形態の避難場所データベースに格納される情報の構成の一例を示す図である。
【図7】第1の実施形態の気象移動情報の構成の一例を示す図である。
【図8】第1の実施形態の被災範囲予測情報の構成の一例を示す図である。
【図9】第1の実施形態の被災範囲の予測を示す図である。
【図10】第1の実施形態の避難場所情報の構成の一例を示す図である。
【図11】第1の実施形態の避難誘導情報に基づいて表示された画面の一例を示す図である。
【図12】第1の実施形態の移動体通信機器の構成を示したブロック図である。
【図13】第1の実施形態のサーバの動作を示すフローチャートである。
【図14】第1の実施形態の避難誘導情報作成処理を示すフローチャートである。
【図15】第1の実施形態の移動体通信機器の動作を示すフローチャートである。
【図16】第2の実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
【図17】第2の実施形態の移動体通信機器の構成を示したブロック図である。
【図18】第2の実施形態のサーバの動作を示すフローチャートである。
【図19】第2の実施形態の避難誘導情報作成処理を示すフローチャートである。
【図20】第2の実施形態の移動体通信機器の動作を示すフローチャートである。
【図21】第3の実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
【図22】第3の実施形態の移動体通信機器の構成を示したブロック図である。
【図23】第3の実施形態のサーバの動作を示すフローチャートである。
【図24】第3の実施形態の避難誘導情報作成処理を示すフローチャートである。
【図25】第3の実施形態の移動体通信機器の動作を示すフローチャートである。
【図26】第4の実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
【図27】第4の実施形態の移動体通信機器の構成を示したブロック図である。
【図28】第4の実施形態のサーバの動作を示すフローチャートである。
【図29】第4の実施形態の移動体通信機器の動作を示すフローチャートである。
【図30】変形例の避難誘導システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
本発明を実施するための第1の実施形態について図1〜図15を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本実施形態の避難誘導システム1の構成を示すブロック図である。避難誘導システム1は、気象現象が観測されたとき、移動体通信機器のユーザを効率よく避難誘導するためのシステムである。同図を参照すると、避難誘導システム1は、局地気象イベント処理センター30と、移動体通信機器50とを有する。そして、避難誘導システム1は、気象庁データ処理局20を介して気象イベント観測装置10から、気象現象の観測結果を示す観測データを受信する。また、局地気象イベント処理センター30は、準天頂衛星40を介して移動体通信機器50と通信する。
【0020】
気象イベント観測装置10は、雷、竜巻、津波、台風などの局地的かつ破壊的な気象現象を観測し、観測した結果を示す観測データを気象庁データ処理局20に送信する。図2は、避難誘導システム1の全体図である。同図を参照すると、気象イベント観測装置10は、例えば、気象衛星10a、気象レーダー10b、または海洋観測ブイ10cのいずれかの観測装置である。
【0021】
なお、気象イベント観測装置10は、気象現象を観測する装置であれば、図2に例示した観測装置以外の装置であってもよい。また、気象イベント観測装置10は、1台に限らず複数台であってもよいし、複数の種類の観測装置であってもよい。
【0022】
図1に戻り、気象庁データ処理局20は、気象イベント観測装置10から観測データを受信し、この観測データに基づいて、気象現象の発生位置を求める。そして、気象庁データ処理局20は、取得した発生位置を示す情報を含む気象観測情報を気象イベント処理センター30に送信する。気象観測情報の構成の詳細については後述する。
【0023】
気象イベント処理センター30は、サーバ31を有する。サーバ31は、移動体通信機器50からその現在位置を示す位置情報を受信し、移動体通信機器50のユーザを避難誘導するための情報である避難誘導情報を、移動体通信機器50に送信するコンピュータである。避難誘導情報の詳細については後述する。
【0024】
準天頂衛星40は、サーバ31と移動体通信機器50との間のデータ送受信を仲介する衛星である。
【0025】
なお、本実施形態では、準天頂衛星40に限らず、携帯基地局等で構成される無線通信網を通じてサーバ31と移動体通信機器50とがデータを送受信してもよい。
【0026】
移動体通信機器50は、携帯電話装置、カーナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン、ノート型のパーソナルコンピュータ、UMPC(Ultra Mobile Personal Computer)等の移動中の使用が可能な通信機器である。移動体通信機器50は、複数の人工衛星から送信される電波を受信し、その送受信時刻の差に基づいて現在地点を測位する、GPS(Global Positioning System)を利用して自身の現在位置を取得する。移動体通信機器50は、取得した現在位置を示す位置情報をサーバ31に送信し、サーバ31から避難誘導情報を受信する。そして、移動体通信機器50は、避難誘導情報を出力する。
【0027】
なお、移動体通信機器50は、GPSの利用以外の方法により、位置情報を送信してもよい。例えば、移動体通信機器50が接続している基地局のセル範囲が比較的狭い場合、移動体通信機器50は、その基地局を識別する情報を位置情報としてサーバ31に送信する。サーバ31は、その基地局の位置を求めることで、おおよその移動体通信機器50の位置を取得することができる。
【0028】
また、本実施形態では、サーバ31、移動体通信機器50は、それぞれ1台としているが、避難誘導システム1は、移動体通信機器50を複数有する構成としてもよいし、サーバ31を複数有する構成としてもよい。
【0029】
図3を参照して、サーバ31の構成について説明する。同図は、サーバ31の構成を示すブロック図である。同図を参照すると、サーバ31は、受信部311、気象観測情報取得部313、避難場所データベース315、避難情報生成部317、および送信部319を有する。
【0030】
受信部311は、移動体通信機器50の現在位置を示す位置情報3111を受信する。図4は、位置情報3111の構成の一例である。同図を参照すると、位置情報3111は、個体識別番号3111A、機器位置3111B、送信日時3111Cを示す情報を含む。個体識別番号3111Aは、移動体通信機器50に一意に割り当てられた番号である。機器位置3111Bは、移動体通信機器50の送信日時(3111C)における位置である。送信日時3111Cは、移動体通信機器が位置情報311をサーバ31に送信した日時である。
【0031】
例えば、位置情報3111は、個体識別番号3111Aとして「aaaa/1.0/bbbb/ser/11111111111」、機器位置3111Bとして「北緯○度東経○度」、送信日時3111Cとして「2008/1/1 1:00」を示す情報を含む。
【0032】
気象観測情報取得部313は、気象観測情報3131を、気象イベント観測装置10から気象庁データ処理局20を介して受信する。気象観測情報は、気象イベント観測装置10が所定時間(例えば、1時間)ごとに気象現象を観測した結果を示す情報である。図5は、気象観測情報3131の構成の一例を示した図である。同図を参照すると、気象観測情報3131は、種類3131A、中心位置3131B、観測日時3131C、および被災範囲3131Dを示す情報を有する。種類3131Aは、気象イベント観測装置10が観測した気象現象の種類である。中心位置3131Bは、その気象現象の観測時の中心位置であり、観測日時3131Cは、気象現象を観測した日時である。被災範囲3131Dは、観測日時3131Cの時点において、その気象現象による被災が予想される範囲の半径である。
【0033】
例えば、気象観測情報3131は、種類3131Aとして「竜巻」、中心位置3131Bとして「北緯○度東経○度」、観測日時3131Cとして「2008/1/1 1:00」、被災範囲3131Dとして「半径100m」を示す情報を含む。
【0034】
なお、本実施形態では、気象観測情報3131が被災範囲3131Dを示す情報を含む構成としている。しかし、気象観測情報3131が被災範囲3131Dを示す情報を含まず、サーバ31が、気象観測情報3131に基づいて被災範囲3131Dを算出する構成としてもよい。
【0035】
なお、本実施形態では、気象観測情報3131を気象庁データ処理局20から受信する構成としているが、サーバ31は、他の方法で気象観測情報3131を取得してもよい。例えば、気象観測情報3131をサーバ31の管理者が手動で入力する構成としてもよい。
【0036】
避難場所データベース315は、気象現象による災害からユーザが避難できる場所である避難場所を示す情報を格納した記憶装置である。図6は、避難場所データベース315が格納する情報の構成の一例を示した図である。同図を参照すると、避難場所データベース315は、施設名称3151、住所3152、電話番号3153、および収容人数3154を示す情報を格納する。施設名称3151は、避難場所の名称である。住所3152は、避難場所の住所であり、連絡先3153は、避難場所の電話番号である。収容人数3154は、避難場所が収容できる人数である。
【0037】
例えば、避難場所データベース315は、施設名称3151として「○○体育館」、住所3152として「東京都中央区銀座○丁目○番地」、電話番号3153として「000−111−2222」、収容人数3154として「50人」を示す情報を格納する。
【0038】
なお、避難場所データベース315は、サーバ31の外部に設けてもよい。例えば、外部に設けた避難場所データベース315とサーバ31とをネットワークで接続し、サーバ31は、そのネットワークを通じて避難場所データベース315とデータを送受信する構成としてもよい。
【0039】
図3に戻り、避難情報生成部317は、位置情報3111、気象観測情報3131、および避難場所データベース315から読み出した情報に基づいて、気象移動情報3171および被災予測範囲情報3172を生成し、また、ユーザが避難するための情報である避難情報として避難場所情報3173および避難誘導情報317を生成する。
【0040】
詳細に説明すると、まず、避難情報生成部317は、気象観測情報3131に基づいて、その気象現象の移動方向および移動速度を求める。具体的には、避難情報生成部317は、所定時間ごとに観測された気象現象の中心位置(3131B)から気象現象のこれまでの経路を求め、この経路から、その気象現象の今後の移動方向および移動速度を予測する。このとき、避難情報生成部317は、過去に観測された同種の気象現象の観測データや、移動先の地形、気象条件などを考慮して算出した移動方向等を修正し、予測精度を高めてもよい。
【0041】
避難情報生成部317は、算出した移動方向および移動速度を示す気象移動情報3171を作成する。図7に、気象移動情報3171の構成の一例を示す。同図を参照すると、気象移動情報3171は、気象現象の種類(3171A)、移動方向(3171B)、および移動速度(3171C)を示す情報を含む。
【0042】
例えば、気象移動情報3171は、種類3171Aとして「竜巻」、移動方向3171Bとして「北西」、移動方向3171Cとして「時速30km」を示す情報を含む。
【0043】
次に、避難情報生成部317は、気象観測情報3131および気象移動情報3171に基づいて所定時間(例えば、1時間)経過後に気象現象による被災が予測される範囲(以下、「被災予測範囲」という)を求める。具体的には、避難情報生成部317は、最新の中心位置(3131B)、移動方向(3171B)、および移動速度(3171C)から、所定時間経過後の気象現象の中心位置を求める。そして、避難情報生成部317は、過去に観測された同種の気象現象の観測データや、移動先の地形、気象条件などに基づいて、中心位置が所定期間経過後に到達すると予想される範囲(以下、「予報円」という)を求める。避難情報生成部317は、最新の被災範囲3131Dと求めた予報円から、被災予測範囲を求める。
【0044】
避難情報生成部317は、取得した被災予測範囲を示す情報を含む被災予測範囲情報3172を作成する。図7に、被災予測範囲情報3172の構成の一例を示す。同図を参照すると、被災予測範囲情報3172は、予測日時3172A、予報円中心3172B、予報円3172C、および被災予測範囲3172Dを示す情報を含む。予測日時3172Aは、被災範囲を予測する日時である。予報円中心3172Bは、予報円3172Cの中心位置である。予報円3172Cは、所定時間経過後に気象現象の中心位置が到達すると予想される範囲の半径である。被災予測範囲3172Dは、最新の被災範囲3131Dと予報円317C2から求められた所定時間経過後に被災が予測される範囲の半径である。
【0045】
例えば、被災予測範囲情報3172は、予測日時3172Aとして「2008/1/1 2:00」、予報円中心3172Bとして「北緯○度東経○度」、予報円3172Cとして「半径200m」、予測被災範囲3172Dとして「半径300m」を示す情報を含む。
【0046】
図9は、気象観測情報3131、気象移動情報3171、および被災予測範囲情報3172の示す内容を示した図である。同図において、黒丸は最新の中心位置3131Bであり、実線の円(TA)は被災範囲3131Dである。また、実線の矢印は移動方向(3131B)であり、白丸は予報円中心(3172B)であり、点線の円(FA)は予報円(3172C)であり、二点鎖線の円(TAE)は被災予測範囲(3172D)である。一点鎖線は、予報円中心3172Bを結んだ線であり、気象現象の予測される進路である。
【0047】
そして、避難情報生成部317は、避難場所データベース315から、所定時間経過後の被災予測範囲3172Dに含まれず、且つ、機器位置3111Bから最短時間で移動体通信機器50のユーザが到着できる住所(3152)の避難場所を示す情報を読み出す。最短時間で到達できるか否かの判断において、避難情報生成部317は、単に機器位置3111Bから避難場所までの距離が最も近いか否かを判断するだけでなく、利用できる交通機関を考慮して避難場所に到達するまでの時間を求め、最も短い時間で到達できるか否かを判断する。
【0048】
なお、到達時間がほぼ等しい避難場所が複数ある場合、サーバ31は、収容人数が多い方の避難場所を読み出す構成としてもよい。
【0049】
避難情報生成部317は、避難場所データベース315から読み出した情報を避難場所情報3173(避難情報)とする。図10は、避難場所情報3173の構成の一例を示す図である。同図を参照すると、避難場所情報3173は、施設名称3173A、住所3173B、電話番号3173C、および収容人数3173Dを示す情報を格納する。施設名称3173A、住所3173B、電話番号3173C、および収容人数3173Dは、施設名称3151、住所3152、電話番号3153、および収容人数3154と同じ内容である。
【0050】
続いて、避難情報生成部317は、位置情報3111および避難場所情報3173に基づいて、移動体通信機器50のユーザを避難誘導するための避難誘導情報3174(避難情報)を作成する。避難誘導情報3174は、少なくとも移動体通信機器50の位置から避難場所への経路(以下、「避難経路」という)、その避難場所へ向けてユーザが進むべき方向(以下、「避難方向」という)と、を移動体通信機器50に表示させるための画像データである。
【0051】
送信部319は、避難誘導情報3174を移動体通信機器50に送信する。送信された避難誘導情報3174の示す内容は、移動体通信機器50の有する表示装置に表示される。図11は、避難誘導情報3174に基づいて移動体通信機器50により表示される画面の一例を示した図である。同図に示すように、画面には、移動体通信機器50の現在位置(3174A)を中心として、最寄りの避難場所(3174B)までの避難経路(3174C)と、避難経路に沿って現在位置から進むべき避難方向(3174D)とが地図上に表示される。
【0052】
ユーザが移動により移動体通信機器50の機器位置3111Bが変更され、移動体通信機器50から変更後の位置情報3111を受信するたびに、サーバ31は、変更後の機器位置3111Bに基づいて避難誘導情報3174を作成、送信し、ユーザを避難場所まで誘導する。
【0053】
なお、サーバ31は、避難誘導情報3174を一度送信すれば、その後は送信しない構成としてもよいし、ユーザが避難場所に到着するまで所定時間ごとに送信し続ける構成としてもよい。また、避難誘導情報3174を一度送信した後、気象現象の移動方向が予想された方向と異なる方向に変化したなどの所定の条件を満たしたときに、サーバ31は、再度、避難誘導情報3174を作成し、送信する構成としてもよい。
【0054】
また、本実施形態では、避難誘導情報3174を画像データとしているが、避難誘導情報3174は避難方向や避難場所を音声で出力するための音声データであってもよいし、画像データに加え、音声データを含むデータであってもよい。
【0055】
図12を参照して、移動体通信機器50の構成について説明する。図12は、移動体通信機器50の構成を示すブロック図である。同図を参照すると、移動体通信機器50は、位置情報取得部501、送信部503、受信部505、および制御部507を有する。
【0056】
位置情報取得部501は、GPSの利用などにより、移動体通信機器50の現在位置を取得し、その現在位置を示す位置情報5011を取得する。送信部503は、位置情報取得部501により取得された位置情報501をサーバ31に送信する。受信部505は、避難誘導情報5051を受信する。この避難誘導情報5051は、サーバ31により送信された避難誘導情報3174である。
【0057】
制御部507は、移動体通信装置50全体を制御する。制御部507は、表示部5071を有する。表示部5071は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)などの表示装置である。表示部5071は、制御部507の制御により、図11で示したように、避難誘導情報5051の内容を表示する。
【0058】
なお、移動体通信機器50は、表示部5071の代わりにスピーカなどの音声出力部を有し、避難誘導情報5051の示す避難場所や避難方向を音声で出力してもよいし、表示部5071に加えて音声出力部を有し、画像および音声により、避難誘導情報5051を出力してもよい。また、移動体通信機器50は、他の通信機器に避難誘導情報5051を出力(送信)することもできる。
【0059】
図13および図14を参照して、サーバ31の動作について説明する。図13は、サーバ31の避難誘導処理を示すフローチャートである。避難誘導処理は、移動体通信機器50から位置情報3111を受信し、移動体通信機器50に避難誘導情報3174を送信する処理である。避難誘導処理は、所定のアプリケーションが実行されたときに開始する。同図を参照すると、まず、受信部311は、位置情報3111を受信する(ステップS5)。そして、気象観測情報取得部313が気象観測情報3131を取得する(ステップS10)。避難情報生成部315は、避難情報生成処理を実行する(ステップS15)。送信部317は、避難誘導情報3174を移動体通信機器50に送信する(ステップS20)。
【0060】
図14は、避難情報生成処理(ステップS15)を示すフローチャートである。同図を参照すると、避難情報生成部317は、気象観測情報3131に基づいて気象現象の移動方向および移動速度を求め、これらを示す気象移動情報3171を作成する(ステップS151)。そして、避難情報生成部317は、気象観測情報3131および気象移動情報3171に基づいて所定時間経過後の被災範囲を予測し、被災範囲を示す被災範囲予測情報3172を作成する(ステップS153)。避難情報生成部317は、避難場所データベース315に格納された情報の示す避難場所のうち、被災予測範囲に含まれず、且つ、機器位置3111Bからユーザが最短時間で到着できる避難場所を求め、この避難場所を示す避難場所情報3173を取得する(ステップS155)。避難情報生成部317は、位置情報3111および避難場所情報3173に基づいて避難経路および避難方向を求め、これらを移動体通信機器50に表示させるための避難誘導情報3174を作成する(ステップS157)。
【0061】
図15を参照して、移動体通信機器50の動作について説明する。図15は、移動体通信機器50の制御処理を示すフローチャートである。制御処理は、所定のアプリケーションが実行されたときに開始する。同図を参照すると、位置情報取得部501は、GPS等を利用して位置情報5011を取得する(ステップT5)。送信部503は、位置情報5011をサーバ31に送信する(ステップT10)。受信部505は、避難誘導情報5051を受信する(ステップT15)。表示部5071は、避難誘導情報5051の示す内容を表示する(ステップT20)。
【0062】
以上説明したように、本実施形態によれば、サーバ31は、避難場所へユーザを誘導するための避難誘導情報3174(避難情報)を生成し、移動体通信機器50に送信する。移動体通信機器50は、受信した避難誘導情報5051を表示部5071に表示する。このため、移動体通信機器50を携帯するユーザが外出中であっても、ユーザは容易に避難することができ、災害発生時にユーザの安全を確保することができる。そして、表示された避難誘導情報5051に従うことにより確実に避難場所にたどり着けるので、ユーザは外出中でも安心して避難できる。
【0063】
また、サーバ31は、避難場所データベース315に複数の避難場所を示す情報を記憶しておき、これらの避難場所のうち、被災範囲3131Dに含まれない避難場所を避難場所情報3173として避難場所データベース315から読み出す。このため、災害を被らない避難場所へユーザを安全に避難誘導できる。
【0064】
そして、所定期間経過後に該該気象現象による災害が予測される範囲である被災予測範囲3172Dを取得し、この被災予測範囲3172Dに含まれない避難場所を示す情報を前記避難場所情報3173として避難場所データベース315から読み出す。このため、時間の経過とともに気象現象が移動する場合であっても、ユーザを適切に避難誘導できる。
【0065】
さらに、サーバ31は、被災予測範囲3172Dに含まれない避難場所であって、且つ機器位置3111Bからユーザが最も短時間で到着できる避難場所を示す情報を前記避難場所情報3173として該記憶装置から読み出す。このため、ユーザは、早期に避難場所に到着でき、ユーザの安全がより確実に確保される。
【0066】
そして、避難誘導情報3174は、避難方向3174Dまたは避難経路3174Cを示す情報を含むため、ユーザは、どの方向へ避難すればよいかを把握でき、道に迷わず避難場所に到達できる
【0067】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について図16〜図20を参照して説明する。図16は、本実施形態のサーバ31aの構成を示すブロック図である。同図を参照すると、サーバ31aの構成は、避難情報生成部317が、避難誘導情報3174を作成しない以外は、第1の実施形態のサーバ31と同様の構成である。
【0068】
図17は、本実施形態の移動体通信機器50aの構成を示すブロック図である。同図を参照すると、移動体通信機器50aの構成は、受信部505が避難誘導情報5051の代わりに避難場所情報5052を受信し、制御部507が、避難誘導情報5073を作成する以外は、第1の実施形態の移動体通信機器50と同様の構成である。
【0069】
本実施形態は、避難誘導情報5072の生成を、サーバ31でなく、移動体通信機器50が行う点で、第1の実施形態と異なる。
【0070】
図18は、サーバ31aの避難誘導処理を示すフローチャートである。同図を参照すると、本実施形態の避難誘導処理は、避難情報生成処理部307が、避難誘導情報3074の代わりに避難場所情報3073を取得し(ステップS15a)、送信部307が、避難誘導情報3074の代わりに避難場所情報3073を送信する(ステップS20a)以外は、第1の実施形態の避難誘導処理と同様である。
【0071】
図19は、本実施形態の避難情報生成処理(ステップS15a)を示すフローチャートである。同図を参照すると、本実施形態の避難情報生成処理は、避難誘導情報3174の作成(ステップS157)を行わない以外は、第1の実施形態の避難誘導処理と同様である。
【0072】
図20は、移動体通信機器50aの制御処理を示すフローチャートである。同図を参照すると、受信部505が避難誘導情報5051の代わりに避難場所情報5052を受信し(ステップS15a)、ステップS15aの後に制御部が避難方向および避難経路を求め、避難誘導情報5072を作成する(ステップT18)以外は第1の実施形態の制御処理と同様である。
【0073】
本実施形態によれば、サーバ31の代わりに移動体通信機器50が、避難誘導情報5072を作成するので、サーバ31の処理が軽減される。また、画像データなどを含まない避難場所情報3073をサーバ31が送信するので、通信品質が低い場合であっても、早期かつ確実にユーザを避難誘導することができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について図21〜図25を参照して説明する。図21は、本実施形態のサーバ31bの構成を示すブロック図である。同図を参照すると、サーバ31bの構成は、受信部311を有しないほかは、第2の実施形態のサーバ31aと同様の構成である。
【0074】
図22は、本実施形態の移動体通信機器50bの構成を示すブロック図である。同図を参照すると、移動体通信機器50bの構成は、送信部503を有しない以外は、第2の実施形態の移動体通信機器50aと同様の構成である。
【0075】
本実施形態は、移動体通信機器50bとサーバ31bが位置情報(3111、5011)の送受信を行わない点で、第2の実施形態と異なる。
【0076】
図23は、サーバ31bの避難誘導処理を示すフローチャートである。同図を参照すると、本実施形態の避難誘導処理は、位置情報3111を受信するステップS5を実行せず、ステップS15aの代わりにステップS15bを実行する以外は、第2の実施形態の避難誘導処理と同様である。
【0077】
図24は、本実施形態の避難情報生成処理(ステップS15b)を示すフローチャートである。同図を参照すると、本実施形態の避難情報生成処理は、避難情報生成部317が、被災予測範囲に含まれない避難場所を示す情報を全て読み出し、避難場所情報3173とする(ステップS155a)以外は、第2の実施形態の避難誘導処理と同様である。
【0078】
図25は、移動体通信機器50bの制御処理を示すフローチャートである。同図を参照すると、ステップS15aの後、制御部507が、避難場所情報5052の示す複数の避難場所のうち、ユーザが最短時間で到着できる避難場所を求める(ステップT17)以外は第2の実施形態の制御処理と同様である。
【0079】
本実施形態によれば、サーバ31は、機器位置3111Bに基づいて最寄りの避難場所を求めなくてもよい。移動体通信機器50が多数であった場合、機器ごとに最寄りの避難場所を取得する処理をサーバ31が行うと、サーバ31の処理負荷が高くなる。しかし、本実施形態のように、最終的な避難場所の取得の処理を移動体通信機器50に負担させることで、サーバ31の処理を大幅に軽減することができる。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について図26〜図29を参照して説明する。図26は、本実施形態のサーバ31cの構成を示すブロック図である。同図を参照すると、サーバ31bの構成は、避難情報生成部317が被災範囲予測情報3173を作成しない以外は、第3の実施形態のサーバ31bと同様の構成である。
【0080】
図27は、本実施形態の移動体通信機器50cの構成を示すブロック図である。同図を参照すると、移動体通信機器50bの構成は、受信部505が気象観測情報5053および気象移動情報5054を更に受信し、制御部507が被災範囲予測情報5073を更に作成する以外は、第3の実施形態の移動体通信機器50bと同様の構成である。気象観測情報5053および気象移動情報5054並びに被災範囲予測情報5073は、気象観測情報3131および気象移動情報3171並びに被災範囲予測情報3172と同様の構成である。
【0081】
本実施形態は、被災範囲の予測をサーバ31cの代わりに移動体通信機器50cが実行する点で、第3の実施形態と異なる。
【0082】
図28は、サーバ31bの避難誘導処理を示すフローチャートである。同図を参照すると、本実施形態の避難誘導処理は、避難情報生成処理(ステップS15b)の代わりに気象移動情報3171を作成し(ステップS15c)、避難場所データベース351に格納された全ての避難場所を示す避難場所情報3173および気象移動情報3171を送信する(ステップS20b)以外は、第3の実施形態の避難誘導処理と同様である。
【0083】
図29は、移動体通信機器50cの制御処理を示すフローチャートである。同図を参照すると、ステップS5の後に、移動体通信機器50が避難場所情報5052および気象観測情報5053並びに気象移動情報5053を受信し(ステップS15b)、気象観測情報5053および気象移動情報5053に基づいて所定時間経過後の被災予測範囲を求め、この被災範囲を示す被災予測範囲情報5072を作成する(ステップS16)。そして、移動体通信機器50が、複数の避難場所のうち、被災予測範囲に含まれず、且つ、ユーザが最短時間で到着できる避難場所を求める(ステップS17a)以外は第3の実施形態の制御処理と同様である。
【0084】
本実施形態によれば、サーバ31は、被災範囲を予測する処理も行わなくてよいので、サーバ31の負担を更に軽減できる。
【0085】
なお、図13〜図15、図18〜図20、図23〜図25、図28および図29に示したフローチャートの一部または全部はコンピュータプログラムの実行により実現することもできる。
【0086】
また、上述の実施形態において、被災予測範囲情報(3172、5072)の作成は、サーバ31、31a、31bまたは移動体通信端末50cが行う構成としているが、図30に示すように、気象庁データ処理局20など、他の装置が行い、サーバ31、31a、31bまたは移動体通信端末50cが被災予測範囲情報(201)を受信する構成とすることもできる。
【0087】
移動体通信機器50の機器位置3131Bから避難誘導情報3174を求める一連のステップS5〜S20が更に細分化されている場合、どの部分の処理をサーバ31、移動体通信機器50や他の装置に負担させるかは、通信品質、サーバ31、移動体通信機器50の処理能力、サービス品質などに応じて変更することができる。
【符号の説明】
【0088】
1 避難誘導システム
10 気象イベント観測装置
10a 気象衛星
10b 気象レーダー
10c 海洋観測ブイ
20 気象庁データ処理局
30 局地気象イベント処理センター
31 サーバ
40 準天頂衛星
50 移動体通信機器
311 受信部
313 気象観測情報取得部
315 避難場所データベース
317 避難情報生成部
319 送信部
501 位置情報取得部
503 送信部
505 受信部
507 制御部
3111、5011 位置情報
3131、5053 気象観測情報
3171、5054 気象移動情報
3172、5052、5072、201 被災予測範囲情報
3173、5052 避難場所情報
3179、5051、5073 避難誘導情報
5071 表示部
TA 被災範囲
FA 予報円
TAE 被災予想範囲
S5〜S20、S151〜S157、T5〜T15、S15a、S20a、T10a、S20b、T5a、S15b ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの現在位置を取得する現在位置取得手段と、
災害から避難するための避難場所を示す情報を記憶装置に記憶する記憶手段と、
気象現象を観測した結果と前記気象現象の位置を所定時間ごとに観測した結果とを含む気象観測情報を取得する、気象観測情報取得手段と、
前記気象観測情報に基づいて、前記気象現象による災害が予測される範囲である被災予測範囲を取得する、被災予測範囲取得手段と、
前記避難場所のうち、前記被災予測範囲に含まれない避難場所を示す情報を、避難場所情報として前記記憶装置から読み出す、避難場所情報生成手段と、
前記ユーザの現在位置から前記避難場所情報の示す避難場所へ、ユーザを誘導するための避難誘導情報を生成する避難誘導情報生成手段と、
前記避難誘導情報を出力する出力手段と、
を有する避難誘導システム。
【請求項2】
サーバが、前記被災予測範囲取得手段を有する、
請求項1記載の避難誘導システム。
【請求項3】
前記サーバが、前記避難誘導情報生成手段を有する、
請求項2記載の避難誘導システム。
【請求項4】
移動体通信機器が、前記避難誘導情報生成手段を有する、
請求項2記載の避難誘導システム。
【請求項5】
移動体通信機器が、前記被災予測範囲取得手段と、前記避難誘導情報生成手段と、を有する、
請求項1記載の避難誘導システム。
【請求項6】
前記避難場所情報生成手段は、前記避難場所のうち、前記被災予測範囲に含まれない避難場所であって、且つ前記現在位置から前記ユーザが最も短時間で到着できる避難場所を示す情報を前記避難場所情報として該記憶装置から読み出す、請求項1から5のいずれか1項に記載の避難誘導システム。
【請求項7】
災害から避難するための避難場所を示す情報を記憶装置に記憶する記憶手段と、
気象現象を観測した結果と前記気象現象の位置を所定時間ごとに観測した結果とを含む気象観測情報を取得する、気象観測情報取得手段と、
前記気象観測情報に基づいて、前記気象現象による災害が予測される範囲である被災予測範囲を取得する、被災予測範囲取得手段と、
前記避難場所のうち、前記被災予測範囲に含まれない避難場所を示す情報を、避難場所情報として前記記憶装置から読み出す、避難場所情報生成手段と、
を有するサーバ。
【請求項8】
前記ユーザの現在位置から前記避難場所情報の示す避難場所へ、ユーザを誘導するための避難誘導情報を生成する避難誘導情報生成手段を有する請求項7に記載のサーバ。
【請求項9】
ユーザの現在位置を取得する現在位置取得手段と、
気象現象を観測した結果と前記気象現象の位置が所定時間ごとに観測した結果とを含む気象観測情報に基づいて、前記気象現象による災害が予測される範囲である被災予測範囲を取得する、被災予測範囲取得手段と、
前記避難場所のうち、前記被災予測範囲に含まれない避難場所を示す避難場所情報を受取る、避難場所情報受信手段と、
前記ユーザの現在位置から前記避難場所情報の示す避難場所へ、ユーザを誘導するための避難誘導情報を生成する避難誘導情報生成手段と、
前記避難誘導情報を出力する出力手段と、
を有する移動体通信機器。
【請求項10】
ユーザの現在位置を取得し、
災害から避難するための避難場所を示す情報を記憶装置に記憶し、
気象現象を観測した結果と前記気象現象の位置を所定時間ごとに観測した結果とを含む気象観測情報を取得し、
前記気象観測情報に基づいて、前記気象現象による災害が予測される範囲である被災予測範囲を取得し、
前記避難場所のうち、前記被災予測範囲に含まれない避難場所を示す情報を、避難場所情報として前記記憶装置から読み出し、
前記ユーザの現在位置から前記避難場所情報の示す避難場所へ、ユーザを誘導するための避難誘導情報を生成し、前記避難誘導情報を出力する、避難誘導方法。
【請求項11】
サーバを制御するためのプログラムであって、
コンピュータに、
災害から避難するための避難場所を示す情報を記憶装置に記憶する記憶手順、
気象現象を観測した結果と前記気象現象の位置を所定時間ごとに観測した結果とを含む気象観測情報を取得する、気象観測情報取得手順、
前記気象観測情報に基づいて、前記気象現象による災害が予測される範囲である被災予測範囲を取得する、被災予測範囲取得手順、
前記避難場所のうち、前記被災予測範囲に含まれない避難場所を示す情報を、避難場所情報として前記記憶装置から読み出す、避難場所情報生成手順、
を実行させるためのプログラム。
【請求項12】
前記コンピュータに、
前記ユーザの現在位置から前記避難場所情報の示す避難場所へ、ユーザを誘導するための避難誘導情報を生成する避難誘導情報生成手順、
をさらに実行させるための請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
移動体通信機器を制御するためのプログラムであって、
コンピュータに、
ユーザの現在位置を取得する現在位置取得手順、
気象現象を観測した結果と前記気象現象の位置を所定時間ごとに観測した結果とを含む気象観測情報に基づいて、前記気象現象による災害が予測される範囲である被災予測範囲を取得する、被災予測範囲取得手順、
前記避難場所のうち、前記被災予測範囲に含まれない避難場所を示す避難場所情報を受取る、避難場所情報受信手順、
前記ユーザの現在位置から前記避難場所情報の示す避難場所へ、ユーザを誘導するための避難誘導情報を生成する避難誘導情報生成手順、
前記避難誘導情報を出力する出力手順、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−195002(P2012−195002A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−151453(P2012−151453)
【出願日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【分割の表示】特願2008−115294(P2008−115294)の分割
【原出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000232221)日本電気航空宇宙システム株式会社 (14)
【Fターム(参考)】