説明

還元飲料用濃縮組成物の製造方法

【課題】カテキン類を高濃度に含有するにも関わらず、苦味及び収斂味が低減され、適度な甘味と酸味が両立し、濃縮形態であるため輸送性に優れた還元飲料用濃縮組成物の製造方法の提供。
【解決手段】下記順の下記工程を含む、非重合体カテキン類0.5〜25.0質量%を含有する還元飲料用濃縮組成物の製造方法:
(1)水にヒドロキシカルボン酸を混合する工程、
(2)非重合体カテキン類を含有する茶抽出物の濃縮物及び/又は精製物を前記水に混合する工程、
(3)炭水化物を前記水に混合する工程。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は非重合体カテキン類を高濃度に含有する還元飲料用濃縮組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
市販の緑茶抽出物の濃縮物は、緑茶抽出物の濃縮物に含まれる成分の影響によって収斂味や苦味が強く、また喉越しが悪かった。カテキンによる生理効果を発現させる上で必要となる長期間の飲用への適性から、いずれの技術においても高濃度カテキン配合飲料特有のカテキン由来の苦味低減と適度な甘味や酸味を両立し、長期に保存安定可能な飲料が望まれていた(特許文献1〜3)。さらに、飲料形態にする前段階において、流通が容易である還元飲料用濃縮組成物も開発されていたが、苦味が低減されたものではなかった(特許文献4)。
【0003】
このような還元飲料用濃縮組成物には一般に保存料、具体的には、ヒドロキシカルボン酸が使用されている。ヒドロキシカルボン酸を飲料の製造時に使用する方法としては、天然型カテキン類を良好に保存する目的で茶抽出液または抽出用水にヒドロキシカルボン酸であるアスコルビン酸を添加する方法(特許文献5、6)や、タンニンの浸出量が少ない緑茶飲料の製造の為にアスコルビン酸を溶解した溶液を用いて緑茶葉から抽出する方法(特許文献7)などが知られている。非重合体カテキン類を含有する飲料にアスコルビン酸等の保存料を配合するにあたって、その投入順序が得られる飲料や濃縮物にどのような影響を及ぼすかについての報告はこれまでの所見当たらない。
【特許文献1】特開2002−142677号公報
【特許文献2】特開平8−109178号公報
【特許文献3】特開平8−298930号公報
【特許文献4】米国特許第6413570号明細書
【特許文献5】特開2002−84973号公報
【特許文献6】特開2004−187613号公報
【特許文献7】特開平2−13348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、非重合体カテキン類を高濃度に含有するにも関わらず、飲料に還元した際に苦味及び収斂味が低減され、適度な甘味と酸味が両立し、保存安定性が良好である還元飲料用濃縮組成物の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、高濃度の非重合体カテキン類を含有する茶抽出物の濃縮物及び/又は精製物、甘味料として炭水化物、並びに酸味料としてヒドロキシカルボン酸を特定の順番で混合した結果、飲料に還元した際に苦味や収斂味が低減され、適度な甘味と酸味が両立する還元飲料用濃縮組成物が得られることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、下記順の下記工程を含む、非重合体カテキン類0.5〜25.0質量%を含有する還元飲料用濃縮組成物の製造方法を提供するものである。
(1)水にヒドロキシカルボン酸を混合する工程、
(2)非重合体カテキン類を含有する茶抽出物の濃縮物及び/又は精製物を前記水に混合する工程、
(3)炭水化物を前記水に混合する工程。
【発明の効果】
【0007】
本発明により得られる還元飲料用濃縮組成物は、保存安定性が良好であり、かつ、これを還元した際に、苦味や収斂味が低減しており、適度な甘味と酸味が両立する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明における非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレートなどの非エピ体カテキン類及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類を合わせての総称であり、非重合体カテキン類の濃度は上記8種の合計量に基づいて定義される。
【0009】
本発明の製造方法においては、まず(1)水にヒドロキシカルボン酸を混合する(工程(1))。このとき、5〜45℃の温度の水を使用することが、還元飲料用濃縮組成物を還元して得られた飲料(還元飲料)の苦味の低減、最適な甘味と酸味の両立の観点から好ましい。さらに還元飲料の苦味低減の観点から、水の温度の下限は8℃、更に10℃、特に35℃が好ましく、他方上限は42℃が特に好ましい。
【0010】
工程(1)で用いられるヒドロキシカルボン酸としては、アスコルビン酸、エリソルビン酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸等が挙げられるが、pH調整や酸化防止効果の点からアスコルビン酸が好ましい。ヒドロキシカルボン酸の使用量は、本発明の還元飲料用濃縮組成物中の濃度として下限は0.01質量%、更に0.1質量%、特に0.3質量%となる量が好ましく、他方上限は10.0質量%、更に9質量%、特に5.0質量%となる量が好ましい。ヒドロキシカルボン酸の濃度が0.01質量%以上である場合、還元飲料の苦味が抑制できるとともに適度な酸味となり、非重合体カテキン類の保存安定性が良好になる。一方、ヒドロキシカルボン酸の濃度が10.0質量%以下であると濃縮組成物の粘性や色相等が変質することなく保存安定性が良好であり、還元飲料とした際に適度な酸味や苦味が得られる。
【0011】
水としては、イオン交換水、天然水、蒸留水、水道水等が挙げられるが、味の点から特にイオン交換水が好ましい。
【0012】
次いで、工程(1)で得られた水溶液を非重合体カテキン類濃度が0.13質量%となるようにイオン交換水で希釈した時のpH(25℃)が2.5〜6.0の範囲内になるように調整することが好ましい(pH調整工程)。
すなわち、pH調整工程は、工程(1)で得られた水溶液のpHを調整するための任意の工程であり、工程(1)で得られた水溶液のpHが2.5〜6.0の範囲内にないときに本工程を行い、pHが前記範囲内にあれば本工程を行うことなく後述する工程(2)を行うことができる。
【0013】
かかるpH調整には、工程(1)で得られた水溶液に、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム及び炭酸カリウムから選ばれる少なくとも1種を含有する水溶液(弱アルカリ水溶液)を投入することが好ましい。
弱アルカリ水溶液の添加量は、工程(1)で得られた水溶液を非重合体カテキン類濃度が0.13質量%となるようにイオン交換水で希釈した時のpHが2.5〜6.0となる量であるが、還元飲料の風味、色相及び保存安定性の観点から、好ましくは2.8〜5.5、更に好ましくは3.0〜5.0、特に好ましくは3.8〜4.5となる量である。pHが2.5以上では適度な酸味が得られ、長期の保存において非重合体カテキン類の保持に有利である。又、pHが6.0以下であると、長期の保存において還元性を有する糖類と非重合体カテキン類の反応が起き難くなり、非重合カテキン類の保持に有利である。pHの調整は、前記弱アルカリ水溶液以外にアスコルビン酸、クエン酸等の有機酸を用いて前記範囲にすることができ、長期の保存が可能で適度な酸味を有する還元飲料用濃縮組成物となる。
【0014】
このように工程(1)の次にpH調整工程を行うことにより、次工程以降での発泡を抑制でき、かつ還元飲料の苦味を低減できる。また、弱アルカリ水溶液を投入後、消泡するまで十分な時間(好ましくは5分以上)をかけて攪拌する。
【0015】
次に、工程(1)又はpH調整工程で得られた水溶液に、非重合体カテキン類を含有する茶抽出物の濃縮物及び/又は精製物を混合する(工程(2))。このように、酸性条件下で茶抽出物の濃縮物及び/又は精製物を混合することで、色相及び保存安定性を向上させると共に苦味や収斂味を低減し、更に適度な酸味を付与することができる。
工程(2)に用いられる茶抽出物の濃縮物及び/又は精製物としては、緑茶抽出物の濃縮物及び/又は精製物が好ましく、具体的には、緑茶抽出物の濃縮物及び/又は精製物の水溶液、あるいは当該緑茶抽出物の濃縮物及び/又は精製物に緑茶抽出液を配合したものが挙げられるが、緑茶抽出物の精製物が特に好ましい。ここでいう緑茶抽出物の濃縮物とは、緑茶葉から熱水もしくは水溶性有機溶媒により抽出した溶液から水分を一部除去して非重合体カテキン類濃度を高めたものであり、形態としては、固体、水溶液、スラリー状など種々のものが挙げられる。
【0016】
非重合体カテキン類を含有する緑茶抽出物の濃縮物としては市販の三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」などが挙げられる。非重合体カテキン類濃度が後掲の範囲内にあれば、これらを精製したものを用いてもよい。緑茶抽出物の精製物としては、例えば、緑茶抽出物又はその濃縮物を水又は水とエタノールなどの有機溶媒の混合物に懸濁して生じた沈殿を除去し、次いで溶媒を留去して精製したもの、茶葉から熱水もしくはエタノールなどの水溶性有機溶媒により抽出した抽出物を濃縮したものを更に精製したもの、あるいは抽出物を直接精製したものを用いてもよい。茶抽出物の精製においては、茶抽出物等を水又は有機溶媒水溶液に懸濁させて生じた沈殿を濾過する前に、活性炭と、酸性白土又は活性白土とを添加して処理してもよい。
【0017】
非重合体カテキン類は、緑茶抽出物又はその精製物をタンナーゼ処理により非重合体カテキン類中のガレート体率を低下させることができる。タンナーゼによる処理は、緑茶抽出物の非重合体カテキン類に対してタンナーゼを0.5〜10質量%の範囲になるように添加することが好ましい。タンナーゼ処理の温度は、酵素活性が得られる15〜40℃が好ましく、更に好ましくは20〜30℃である。タンナーゼ処理時のpH(25℃)は、酵素活性が得られる4〜6が好ましく、更に好ましくは4.5〜6であり、特に好ましくは5〜6である。
【0018】
非重合体カテキン類にはエピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びカテキンガレートからなるガレート体と、エピガロカテキン、ガロカテキン、エピカテキン及びカテキンからなる非ガレート体がある。上記のガレート体率とは、(A)非重合体カテキン類中の(B)非重合体カテキン類のガレート体の割合([(B)/(A)]×100)をいう。(A)非重合体カテキン類中の(B)ガレート体率(以下、単に「ガレート体率」という)は5〜55質量%が好ましい。ガレート体率の下限は8質量%、特に10質量%が好ましく、他方上限は54質量%、更に53質量%、更に50質量%、特に48質量%であることが苦味抑制の観点から好ましい。
【0019】
茶抽出物の濃縮物及び/又は精製物は、還元飲料用濃縮組成物中の非重合体カテキン類濃度が0.5〜25質量%、好ましくは2.0〜25.0質量%、更に好ましくは3.0〜25.0質量%、特に好ましくは4.0〜18.0質量%になるように添加する。非重合体カテキン類含量が上記範囲内である場合、還元飲料とした際に非重合体カテキン類による生理効果を確実に期待できると共に、苦味及び収斂味を十分に抑制することが可能になる。
【0020】
次に、工程(2)で得られた水溶液に、炭水化物を混合する(工程(3))。これにより、本発明の還元飲料用濃縮組成物が得られる。炭水化物を上記工程後に添加することにより、非重合体カテキン類の苦味抑制や収斂味の低減効果が高められる。
【0021】
本発明で用いられる炭水化物は、単糖、複合多糖、オリゴ糖、糖アルコール又はそれらの混合物を含むものである。単糖の例としてはテトロース、ペントース、ヘキソース及びケトヘキソースがある。ヘキソースの例は、ブドウ糖として知られるグルコースのようなアルドヘキソースである。果糖として知られるフルクトースはケトヘキソースである。単糖類の例としては、コーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ、果糖ブドウ糖液糖、ブドウ糖果糖液糖、アガペエキス、蜂蜜等の混合単糖も使用できる。複合多糖としての好ましい例はマルトデキストリンである。更に、多価アルコール、例えばグリセロール類も本発明で用いることができる。
【0022】
本発明で用いる炭水化物は、非重合体カテキン類の保存安定性の向上や最適な甘味を得るために非還元性の糖類又は糖アルコールがより好ましく、またこれらを併用することもできる。非還元性の糖類としてはオリゴ糖があるが、例えば二糖類としてスクロース、マルトース、ラクトース、セルビオース、トレハロース、三糖類としてラフィノース、パノース、メレジトース、ゲンチアノース、四糖類としてスタキオ−ス等が挙げられる。このオリゴ糖の重要なタイプは二糖であり、代表例はサトウキビ、サトウダイコンから得られるショ糖又はテンサイ糖として知られるスクロースである。製品としては精製糖であるグラニュー糖、車糖、加工糖、液糖、シュガーケーンやメイプルシロップ等が使用できる。
【0023】
本発明で用いる炭水化物は、カロリーの観点から糖アルコールが更に好ましく、糖アルコールとしてはエリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、パラチノース、マンニトール、タガトース等などが好ましい。本発明の還元飲料用濃縮組成物ではこれら炭水化物の中でもカロリーが少ないエリスリトールが最適である。
【0024】
炭水化物の使用量は還元飲料用濃縮組成物中に1.0〜65.0質量%となる量が好ましい。かかる使用量の下限は10.0質量%、更に15.0質量%、更に20.0質量%、特に24.0質量%が好ましく、他方上限は60.0質量%、更に50.0質量%、特に40.0質量%が好ましい。炭水化物の濃度が上記範囲内である場合、還元飲料の苦味及び収斂味を十分に抑制することができる。
【0025】
炭水化物が一定程度以上存在すると酸味、塩味とのバランスが取り易いので、非重合体カテキン類を0.13質量%濃度となるようにイオン交換水で希釈して還元飲料とした際にショ糖を1としたときの甘味度が2以上であることが好ましい(参考文献:JISZ8144、官能評価分析−用語、番号3011、甘味;JISZ9080、官能評価分析−方法、試験方法;飲料用語辞典4−2甘味度の分類、資料11(ビバレッジジャパン社);特性等級試験mAG試験、ISO 6564−1985(E)、「Sensory Analysis−Methodology−Flavour profile method」等)。一方、甘味度が8以下であると、甘味による喉にひっかかる感覚を抑制でき、喉越しが良好になる。尚、これらの炭水化物は茶抽出物由来のものも含む。
【0026】
本発明の製造方法においては、各工程において還元飲料用濃縮組成物中の各成分の濃度及び物性が所定の値になるように各配合成分を添加して調整するか、あるいは各工程を行った後に、又は全工程を行った後に還元飲料用濃縮組成物中の各成分の濃度及び物性が所定の値になるように調整する工程を備えていてもよい。
【0027】
工程(1)は前記のように35〜45℃で行うことが好ましい。工程(2)、(3)及びpH調整工程の温度は特に制限されないが、45℃以下、特に20〜45℃の温度で行うのが好ましい。
【0028】
本発明により得られる還元飲料用濃縮組成物は液体又は粉末状の形態であり、飲料用濃縮物である(コーデックス食品添加物14.1.4.3参照)。これをイオン交換水、炭酸水又は他の飲料などを加える等の還元操作後、殺菌して製品にしたものが還元飲料である。還元時には、JAS果汁飲料品質表示基準(日本農林規格協会編、P79)に記載の濃縮果汁や還元果汁の基準とされる糖用屈折率計示度(Brix)を基準に希釈を行うことができる。また、本発明においては、製品(還元飲料)中の非重合体カテキン類濃度を0.05〜0.5質量%にすることが好ましく、かかる非重合体カテキン類濃度に調整するために緑茶抽出物の濃縮物及び/又は精製物を更に配合することも可能である。
【0029】
本発明により得られる還元飲料用濃縮組成物は、液体の場合は非重合体カテキン類の酸化防止やハンドリングの観点から20以上のBrixが好ましく、更に好ましくはBrixが35〜70、特に好ましくはBrixが40〜50である。Brixが20以上では還元飲料の苦味、収斂味は抑制効果が良好であり、Brixが70以下であると濃縮組成物に含有する炭水化物やヒドロキシカルボン酸の結晶化が良好に抑制できる。
【0030】
本発明により得られる還元飲料用濃縮組成物が固体、たとえば粉末状の場合は、固形分が70質量%以上のものが吸湿防止やハンドリングの観点から好ましい。同様の観点から、固形分は80質量%以上、特に90質量%以上であることが好ましい。還元飲料用濃縮組成物を溶かして飲む際に、非重合体カテキン類を高濃度に溶解させるために平均粒径10μm以下のものが好ましい。粉末状の還元飲料用濃縮組成物を製造するには、真空濃縮法や凍結濃縮法などを採用することができる。粉末化の方法は乾式でも湿式でもよく、真空乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥などがあり、品質的には凍結乾燥が好ましく、コスト面では噴霧乾燥が好ましい。凍結乾燥の乾燥温度は−50〜50℃程度であり、噴霧乾燥の乾燥温度は50℃〜120℃程度である。また、粉末状還元飲料用濃縮組成物の形態は、容器詰の上でスプーンによる計量方法を用いても良いが、スティックタイプのものが1杯分を簡便に調整できる点で好ましい。また密封容器内は窒素ガスを充填し、材質は酸素透過性の低いものの方がインスタント粉末飲料の品質を維持する上で好ましい。
【0031】
本発明により得られる還元飲料用濃縮組成物は、一般の飲料用濃縮品と同様に包装材料に使用できるポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アルミ蒸着フィルム等を材質とするレトルトパックで提供されることが好ましく、更に金属缶、PETボトル、ガラス容器のような形態でも提供されることができる。
【0032】
本発明により得られる還元飲料用濃縮組成物は製造後、輸送や保管した後イオン交換水や炭酸水などで希釈して還元飲料とするが、保存安定性に優れるため冷蔵のみならず室温付近(10〜50℃)でも保存が可能である。本発明により得られる還元飲料用濃縮組成物は製造時にPPなどの容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた殺菌条件で製造できる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。更に、酸性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを中性に戻すことや、中性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを酸性に戻すなどの操作も可能である。殺菌条件の例としては、風味や保存安定性の観点からプレート式熱交換器などで60〜145℃が好ましい。
【実施例】
【0033】
(非重合体カテキン類の測定)
本発明における還元飲料用濃縮組成物3.0gまたは1.7gをイオン交換水で100gに希釈した後、メンブランフィルター(0.8μm)でろ過し、次いで蒸留水で希釈した試料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。測定後、希釈率で換算して非重合体カテキン類の濃度を求めた。
【0034】
濃度勾配条件(体積%)
時間 移動相A 移動相B
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
62分 97% 3%
【0035】
(風味の評価)
容器詰還元飲料をパネラー5名により飲用試験を行い、後述する基準飲料に対する相対的な評価として、苦味を6段階、収斂味を6段階、酸味を3段階、及び甘味を4段階で評価し、平均化した結果を用いた。
【0036】
(安定性の評価)
還元飲料用濃縮組成物を殺菌後、5℃で3日保管した。保管後の還元飲料用濃縮組成物の状態を目視で観察し下記の基準で判定した。
評価基準
不均一である ×
やや不均一である △
均一である ○
【0037】
製造例1
「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物1」の製造
市販の緑茶抽出物の濃縮物(三井農林(株)「ポリフェノンHG」)100gを90.0質量%エタノール900gに分散させ、30分熟成し、2号濾紙及び孔径0.2μmの濾紙で濾過し、イオン交換水200mLを加えて減圧濃縮を行った。このうち75.0gをステンレス容器に投入し、イオン交換水で全量を1,000gとし、5質量%重曹水溶液3.0gを添加してpH5.5に調整した。次いで、22℃、150r/minの攪拌条件下で、イオン交換水1.07g中にキッコーマンタンナーゼKTFH(Industrial Grade、500U/g以上)0.27g(非重合体カテキン類に対して2.4%)を溶解した液を添加し、55分後にpHが4.24に低下した時点で酵素反応を終了した。次いで95℃の温浴にステンレス容器を浸漬し、90℃、10分間保持して酵素活性を完全に失活した後、25℃まで冷却した後に濃縮処理を行い「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物1」を得た。非重合体カテキン類は15.0質量%、非重合体ガレート体率は44.4質量%、水分量は75.0質量%であった。
【0038】
製造例2
「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物2」の製造
市販の緑茶抽出物の濃縮物(三井農林(株)「ポリフェノンHG」)1,000gを、25℃、200r/minの攪拌条件下で、95質量%エタノール水溶液9,000g中に懸濁させ、活性炭(クラレコールGLC、クラレケミカル社製)200gと酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)500gを投入後、約10分間攪拌を続けた。次いで、25℃で約30分間の攪拌処理を続けた。2号濾紙で活性炭、酸性白土、及び沈殿物を濾過した後、0.2μmメンブランフィルターによって再濾過を行った。最後にイオン交換水200gを濾過液に添加し、40℃、3.3kPaでエタノールを留去し、減圧濃縮を行った。このうち750gをステンレス容器に投入し、イオン交換水で全量を10,000gとし、5質量%重炭酸ナトリウム水溶液30gを添加してpH5.5に調整した。次いで、22℃、150r/minの攪拌条件下で、イオン交換水10.7g中にキッコーマンタンナーゼKTFH(Industrial Grade、500U/g以上)2.7gを溶解した液を添加し、30分後にpHが4.24に低下した時点で酵素反応を終了した。95℃の温浴にステンレス容器を浸漬し、90℃、10分間保持して酵素活性を完全に失活させた。次いで、25℃まで冷却した後に濃縮処理を行い「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物2」を得た。非重合体カテキン類は15.0質量%、非重合体ガレート体率は44.4質量%、水分量75.0質量%であった。
【0039】
製造例3
「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物3」の製造
市販の緑茶抽出物の濃縮物(三井農林(株)「ポリフェノンHG」)1、000gを25℃、200rpm攪拌条件下の95質量%エタノール水溶液4909g中に懸濁させ、活性炭(クラレコールGLC、クラレケミカル社製)200gと酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)1000gを投入後、約10分間攪拌を続けた。そして40質量%エタノール水溶液4091gを10分間かけて滴下したのち、室温のまま約30分間の攪拌処理を続けた。最終的にエタノール水溶液は70質量%となった。その後、2号濾紙で活性炭及び沈殿物を濾過したのち、0.2μmメンブランフィルターによって再濾過を行った。最後にイオン交換水2000gを濾過液に添加し、25℃まで冷却した後に濃縮処理を行い「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物3」を得た。非重合体カテキン類は22.0質量%、非重合体ガレート体率は52.9質量%、水分量45.2質量%であった。
【0040】
実施例1
撹拌した40℃のイオン交換水にアスコルビン酸3.0gを溶解し、次いで10質量%重曹水溶液10gを投入し、炭酸ガスが消泡するまで10分間撹拌後、「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物1」353.3g、中国産緑茶抽出物の濃縮物73.0g、エリスリトール274.0gの順にイオン交換水に溶解し全量を1,000gとし、138℃でUHT殺菌後レトルトパックに充填した。得られた還元飲料用濃縮組成物の非エピ体率は15.0質量%、非重合体ガレート体率は46.3質量%、カフェイン/非重合体カテキン類比は0.104、没食子酸0.16質量%であった。還元飲料用濃縮組成物の組成、物性を表1に示す。
次いで、得られた還元飲料用濃縮組成物のうち17gを使用し、果糖38.6g、エリスリトール2.9g、クエン酸1.0g、アスコルビン酸0.45g、緑茶香料0.5gを添加し、さらに重曹水でpHを4.0に調整し、イオン交換水で全量を1,000gとした。得られた還元飲料をUHT殺菌しガラス容器に充填して容器詰還元飲料を得た。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表2に示す。
【0041】
実施例2
実施例1で得られた還元飲料用濃縮組成物のうち17gを使用し、果糖38.6g、エリスリトール2.9g、クエン酸1.0g、アスコルビン酸0.45g、レモンライム香料1.0gを添加し、さらに重曹水でpHを4.0に調整し、イオン交換水で全量を1,000gとした。得られた還元飲料をUHT殺菌しガラス容器に充填して容器詰還元飲料を得た。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表2に示す。
【0042】
実施例3
撹拌した40℃のイオン交換水にアスコルビン酸3.0gを溶解し、次いで10質量%重曹水溶液15.0gを投入し、炭酸ガスが消泡するまで10分間撹拌後、「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物1」を500.0g、エリスリトール273.6gの順に溶解し全量を1,000gとし、138℃でUHT殺菌後レトルトパックに充填した。得られた還元飲料用濃縮組成物の非エピ体率は16.9質量%、非重合体ガレート体率は44.4質量%、カフェイン/非重合体カテキン類比は0.059、没食子酸0.24質量%であった。還元飲料用濃縮組成物の組成、物性を表1に示す。
次いで、得られた還元飲料用濃縮組成物のうち17gを使用し、果糖38.6g、エリスリトール2.85g、アスコルビン酸0.45g、クエン酸1.0g、レモンライム香料1.0gを添加し、さらに重曹水でpHを4.0に調整し、イオン交換水で全量を1,000gとした。得られた還元飲料をUHT殺菌しガラス容器に充填して容器詰還元飲料を得た。組成、風味評価結果を表2に示す。
【0043】
実施例4
実施例3で得られた還元飲料用濃縮組成物のうち17gを使用し、中国産緑茶抽出物の濃縮物0.2g、果糖38.6g、エリスリトール2.9g、クエン酸1.0g、アスコルビン酸0.45g、緑茶香料0.5gを添加し、さらに重曹水でpHを4.0に調整し、イオン交換水で全量を1,000gとした。得られた還元飲料をUHT殺菌しガラス容器に充填して容器詰還元飲料を得た。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表2に示す。
【0044】
実施例5
撹拌した40℃のイオン交換水にアスコルビン酸3.0gを溶解し、次いで10質量%重曹水溶液15.0gを投入し、炭酸ガスが消泡するまで10分間撹拌後、「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物1」を500.0g、エリスリトール273.6gの順に溶解し全量を1,000gとした。次いで、凍結乾燥機(日本フリーザーBFD-2)を使用し、−20℃、5〜10Torrの条件下で乾燥し、還元飲料用濃縮組成物の粉末374gを得た。この粉末状還元飲料用濃縮組成物の非エピ体率は12.2質量%、非重合体ガレート体率は44.4質量%、カフェイン/非重合体カテキン類比は0.059、没食子酸0.24質量%であった。還元飲料用濃縮組成物の組成、物性を表1に示す。
次いで、得られた粉末状還元飲料用濃縮組成物のうち7.8gを使用し、果糖38.6g、緑茶香料0.5gを添加し、重曹水でpHを4.0に調整し、イオン交換水で全量を1,000gとした。得られた還元飲料をUHT殺菌後ガラス容器に充填して容器詰還元飲料を得た。組成、風味評価結果を表2に示す。
【0045】
比較例1
撹拌した40℃のイオン交換水に「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物1」500.0g、アスコルビン酸3.0g、エリスリトール273.6g、10質量%重曹水溶液15.0gの順に溶解し全量を1,000gとし、146℃でUHT殺菌後レトルトパックに充填した。得られた還元飲料用濃縮組成物の非エピ体率は44.9質量%、非重合体ガレート体率は44.4質量%、カフェイン/非重合体カテキン類比は0.059、没食子酸質量0.24質量%であった。還元飲料用濃縮組成物の組成、物性を表1に示す。
次いで、得られた還元飲料用濃縮組成物のうち17gを使用し、果糖38.6g、エリスリトール2.85g、クエン酸1.0g、レモンライム香料1.0gを添加し、さらに重曹水でpHを5.45に調整し、イオン交換水で全量を1,000gとした。得られた還元飲料をUHT殺菌しガラス容器に充填して容器詰還元飲料を得た。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表2に示す。
【0046】
基準飲料
撹拌した40℃のイオン交換水に「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物1」177.0g、中国産緑茶抽出物の濃縮物73.0g、アスコルビン酸89.3g、エリスリトール250.0g、10質量%重曹水溶液10.0gの順に溶解し全量を1,000gとし、146℃でUHT殺菌してレトルトパックに充填した。この還元飲料用濃縮組成物の非エピ体率は45.0質量%、非重合体ガレート体率は47.3質量%、カフェイン/非重合体カテキン類比は0.104、没食子酸0.09質量%であった。還元飲料用濃縮組成物の組成、物性を表1に示す。
次いで、得られた還元飲料用濃縮組成物のうち30gを使用し果糖38.6g、緑茶香料0.5gを添加し、さらに重曹水でpHを5.45に調整し、イオン交換水で全量を1,000gとした。得られた還元飲料をUHT殺菌しガラス容器に充填して容器詰還元飲料を得た。容器詰還元飲料の組成を表2に示す。
【0047】
【表1】

【0048】
【表2】

【0049】
実施例6
撹拌した40℃のイオン交換水にアスコルビン酸3.0gを溶解し、次いで10質量%重曹水溶液15.0gを投入し、炭酸ガスが消泡するまで10分間撹拌後、「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物2」500.0g、エリスリトール245.0gの順にイオン交換水に溶解し、全量を1,000gとし、138℃でUHT殺菌後レトルトパックに充填した。還元飲料用濃縮組成物の組成、物性を表3に示す。
次いで、得られた還元飲料用濃縮組成物のうち17.0gを使用し、緑茶抽出物の濃縮物0.2g、果糖38.6g、エリスリトール2.9g、クエン酸1.0g、アスコルビン酸0.45g、緑茶香料0.5gを添加し、更に重曹水でpHを4.0に調整し、イオン交換水で全量を1,000gとした。得られた還元飲料をUHT殺菌しガラス容器に充填して容器詰還元飲料を製造した。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表4に示す。
【0050】
実施例7
緑茶抽出物の濃縮物を使用せず、緑茶香料の代わりにレモンライム香料を使用した以外は実施例6と同様に容器詰還元飲料を製造した。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表4に示す。
【0051】
実施例8
果糖、エリスリトール、クエン酸を使用せずにサイクロデキストリンを使用し、アスコルビン酸の代わりにアスコルビン酸Naを使用し、重曹水でpH調整しなかった以外は実施例6と同様に容器詰還元飲料を製造した。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表4に示す。
【0052】
実施例9
レモンライム香料を使用せずにグレープフルーツ香料、グレープフルーツ果汁を使用し、更にブドウ糖、スクラロース、クエン酸ナトリウム、食塩、サイクロデキストリンを使用し、クエン酸を増量し、重曹水でpH調整しなかった以外は実施例7と同様に容器詰還元飲料を製造した。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表4に示す。
【0053】
実施例10
「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物2」を「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物3」に変更し、10質量%重曹水を使用せずに実施例6と同様に還元飲料用濃縮組成物を製造し、次いで容器詰還元飲料を製造した。還元飲料用濃縮組成物の組成、物性を表3に示し、容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表4に示す。
【0054】
実施例11
「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物2」を「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物3」に変更し、10質量%重曹水を使用せずに実施例7と同様に還元飲料用濃縮組成物を製造し、次いで容器詰還元飲料を製造した。還元飲料用濃縮組成物の組成、物性を表3に示し、容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表4に示す。
【0055】
比較例2
撹拌した40℃のイオン交換水に「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物2」を500.0g、アスコルビン酸3.0g、エリスリトール245.0g、10%重曹水溶液5.0gの順に溶解し、炭酸ガスが消泡するまで攪拌した。次いで、全量を1,000gとし、146℃でUHT殺菌後レトルトパックに充填した。得られた還元飲料用濃縮組成物の非エピ体率は41.1質量%、非重合体ガレート体率は44.4質量%、カフェイン/非重合体カテキン類比は0.023、没食子酸0.30質量%であった。還元飲料用濃縮組成物の組成、物性を表3に示す。
次いで、得られた濃縮組成物のうち17.0gを使用し、実施例7と同様の組成を採用して比較例1と同様の方法で容器詰還元飲料を製造した。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表4に示す。
【0056】
比較例3
「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物2」を「非重合体カテキン類含有緑茶抽出物の精製物3」に変更した以外は比較例2と同様の順番で実施例7と同様の組成の容器詰還元飲料を製造した。容器詰還元飲料の組成、風味評価結果を表2に示す。
【0057】
【表3】

【0058】
【表4】

【0059】
表2及び4から実施例1〜11の容器詰還元飲料は、比較例1〜3の容器詰還元飲料に比べて苦味、収斂味、酸味及び甘味のバランスが改善していることが明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記順の下記工程を含む、非重合体カテキン類0.5〜25.0質量%を含有する還元飲料用濃縮組成物の製造方法:
(1)水にヒドロキシカルボン酸を混合する工程、
(2)非重合体カテキン類を含有する茶抽出物の濃縮物及び/又は精製物を前記水に混合する工程、
(3)炭水化物を前記水に混合する工程。
【請求項2】
工程(1)と工程(2)の間に、工程(1)で得られた水溶液を非重合体カテキン類濃度が0.13質量%となるようにイオン交換水で希釈したときのpHが2.5〜6.0の範囲内になるように調整するpH調整工程を含む請求項1記載の還元飲料用濃縮組成物の製造方法。
【請求項3】
炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム及び炭酸カリウムから選ばれる少なくとも1種を含有する水溶液を混合してpH調整する請求項2記載の還元飲料用濃縮組成物の製造方法。
【請求項4】
炭水化物が非還元性糖類及び/又は糖アルコールである請求項1〜3のいずれか1項に記載の還元飲料用濃縮組成物の製造方法。
【請求項5】
糖アルコールがエリスリトールである請求項4記載の還元飲料用濃縮組成物の製造方法。
【請求項6】
ヒドロキシカルボン酸がアスコルビン酸である請求項1〜5のいずれか1項に記載の還元飲料用濃縮組成物の製造方法。
【請求項7】
炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム及び炭酸カリウムから選ばれる少なくとも1種を含有する水溶液を投入後、消泡するまで撹拌する請求項3〜6のいずれか1項に記載の還元飲料用濃縮組成物の製造方法。
【請求項8】
工程(1)〜(3)及びpH調整工程のすべてが45℃以下で行われる請求項2〜7のいずれか1項に記載の還元飲料用濃縮組成物の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法により得られた還元飲料用濃縮組成物を還元してなる還元飲料。

【公開番号】特開2008−301809(P2008−301809A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−100387(P2008−100387)
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】