説明

部品供給装置および表面実装機

【課題】電子部品作業装置のメンテナンスに伴う移動作業を簡素化することすることが可能な部品供給装置を提供する。
【解決手段】この部品供給装置200は、部品10を用いて所定の作業を行う装置本体を備えた表面実装機100に用いる部品供給装置であって、部品10を収納するパレット収納部210と、平面的に見て、パレット収納部210を装置本体に対して一定の範囲内で移動可能に規制する本体側規制部240およびベース側規制部250とを備える

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、部品供給装置および表面実装機に関し、特に、電子部品を収納する部品収納部を備えた部品供給装置および表面実装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品を収納する部品収納部を備えた部品供給装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1では、電子部品装着装置と、電子部品装着装置の背面側の所定位置に配置され、電子部品装着装置に電子部品を供給する部品供給装置とが開示されている。この部品供給装置は、電子部品が並べて配置されたパレットを収納するマガジン部を含むエレベータ部と、マガジン部に収納されたパレットを電子部品装着装置上の所定位置(ピックアップ部)まで搬送するパレット導入機構を含むカート部とを備えている。これらのエレベータ部およびカート部は、連結機構によって互いに固定的に連結するように構成されているとともに、連結を解除した場合には、エレベータ部およびカート部がそれぞれキャスターによって互いに自由に移動可能に構成されている。また、エレベータ部およびカート部は、互いの制御部が信号線によりコネクタ接続されており、同期して一連の部品供給動作を実行するように構成されている。また、カート部のパレット導入機構がエレベータ部のマガジン部からパレットを取り出して搬送し、ピックアップ部で電子部品装着装置がパレット上の電子部品をピックアップするために、エレベータ部およびカート部は、それぞれ別個に水平出しを行うように構成されている。
【0004】
ここで、上記特許文献1の電子部品装着装置の部品供給装置側の各部に対してメンテナンス作業を行う場合には、まず、エレベータ部とカート部との連結機構による連結を解除するとともに信号線のコネクタを取り外して、エレベータ部とカート部との接続を解除する必要がある。そして、エレベータ部を移動させて退避させた後に、カート部を移動させて退避させることにより、メンテナンス作業を行うことが可能となる。また、メンテナンス作業終了後には、カート部を移動させて元の位置に戻した後に、エレベータ部を移動させてカート部と連結させ、信号線のコネクタを接続し直す必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−238822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の部品供給装置では、電子部品装着装置のメンテナンス作業を行う度に、部品供給装置(エレベータ部およびカート部)を移動させるためにエレベータ部とカート部との接続を解除しなければならないので、電子部品装着装置のメンテナンス作業を行う度に、接続された信号線のコネクタの取り外し作業と、コネクタの再接続作業とを行う必要がある。このため、メンテナンスに伴う部品供給装置の移動作業がユーザにとって煩雑であるという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、電子部品作業装置のメンテナンスに伴う移動作業を簡素化することすることが可能な部品供給装置および表面実装機を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による部品供給装置は、電子部品を用いて所定の作業を行う作業装置本体を備えた電子部品作業装置に用いる部品供給装置であって、電子部品を収納する部品収納部と、平面的に見て、部品収納部を作業装置本体に対して一定の範囲内で移動可能に規制する移動範囲規制手段とを備える。
【0009】
この第1の局面による部品供給装置では、上記のように、平面的に見て、部品収納部を作業装置本体に対して一定の範囲内で移動可能に規制する移動範囲規制手段を設けることによって、部品収納部を電子部品作業装置に部品供給を行う位置から一定の範囲内で作業装置本体に対して移動させることができる。これにより、電子部品作業装置のメンテナンス時に部品供給装置の部品収納部を一定の範囲内で移動させるだけでメンテナンス作業空間を容易に確保することができる。また、信号線や、電源供給線およびエアー供給ホースなどを部品供給装置に接続する場合にも、部品収納部の移動可能な一定の範囲を、これらの信号線や電源供給線およびエアー供給ホースなどの長さの範囲内に設定することにより、部品供給装置に接続された各種ケーブル類の着脱作業を行うことなく、部品収納部を移動させるだけでメンテナンス作業空間を確保することができる。これにより、メンテナンスに伴う部品供給装置の移動作業を簡素化することができる。これらの結果、第1の局面では、メンテナンスに伴う部品供給装置の移動作業を簡素化しながら、容易に作業装置本体に対するメンテナンス作業空間を確保することができる。
【0010】
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、移動範囲規制手段は、部品収納部を、作業装置本体に対するメンテナンス作業時の作業空間を広げる方向に一定の範囲内で移動可能に規制するように構成されている。このように構成すれば、メンテナンス作業時に、移動範囲規制手段が規制する範囲内で部品収納部を移動させるだけで、容易に作業装置本体に対するメンテナンス作業空間を広げることができる。
【0011】
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、部品収納部は、電子部品を保持するパレットを収納するように構成され、部品収納部に収納されたパレットを部品収納部から作業装置本体側の所定位置に移動させる引き出し機構をさらに備え、部品収納部は、引き出し機構を作業装置本体側に配置したまま、引き出し機構および作業装置本体に対して一定の範囲内で移動可能に構成されている。このように構成すれば、メンテナンス作業時には、パレットを収納することにより大型化しやすい部品収納部を、引き出し機構および作業装置本体に対して一定の範囲内で移動させて容易に作業空間を確保することができる。また、引き出し機構を作業装置本体側に配置したまま部品収納部を移動させることができるので、メンテナンス作業終了後の復帰作業時に、引き出し機構の位置決めや水平出しが不要となり、電子部品作業装置のメンテナンスに伴う作業をさらに簡素化することができる。
【0012】
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、移動範囲規制手段は、部品収納部を一定の軌跡で一定の範囲内を移動可能に規制するように構成されている。このように構成すれば、移動範囲規制手段によって、メンテナンス作業時に部品収納部を移動(退避)させたのと同じ軌跡で部品収納部を元の位置に移動させることができるので、メンテナンス作業終了後に部品収納部を容易に元の位置に戻すことができる。これにより、メンテナンス作業終了後の復帰作業時に、部品収納部の位置決めが不要となり、電子部品作業装置のメンテナンスに伴う作業をさらに簡素化することができる。
【0013】
この場合において、好ましくは、移動範囲規制手段は、部品収納部を作業装置本体から離れる方向で、かつ、水平方向斜めに移動可能に規制するように構成されている。このように構成すれば、作業装置本体に対して干渉することなく、部品収納部を斜め方向に離間させて効果的に作業空間を確保することができる。すなわち、たとえば部品収納部を作業装置本体に向かって後方に移動させる場合には、メンテナンス作業者が部品収納部を作業装置本体から引き出すようにして移動(退避)させることになり、電子部品作業装置の後方に大きくスペースが開いていない場合には作業者の移動の妨げとなる。また、部品収納部を作業装置本体に向かって側方(真横方向)に移動させる場合には、電子部品作業装置の他の機構と干渉する可能性がある。このため、部品収納部を斜め方向に離間させることにより、部品収納部が作業装置本体に対して干渉することなく、効果的に作業空間を確保することができる。
【0014】
上記移動範囲規制手段が部品収納部を一定の軌跡で移動可能に規制する構成において、好ましくは、移動範囲規制手段は、ガイド部材と、ガイド部材に係合した状態でガイド部材に沿って移動可能な移動部材とを含み、ガイド部材は、部品収納部側または作業装置本体側のいずれか一方側に設置されており、移動部材は、部品収納部側または作業装置本体側のいずれか他方側に設置され、部品収納部は、ガイド部材および移動部材を介して作業装置本体と接続された状態で、作業装置本体に対して一定の範囲で移動可能に構成されている。このように構成すれば、部品収納部と作業装置本体との接続を維持したまま、ガイド部材の長さ分の範囲(距離)で、かつ、ガイド部材に沿った一定の軌跡で部品収納部を確実に移動させることができる。これにより、メンテナンス作業の前後で部品収納部と作業装置本体との接続の解除作業や接続作業が不要となり、電子部品作業装置のメンテナンスに伴う作業をさらに簡素化することができるとともに、部品収納部の位置決め作業も不要となり、電子部品作業装置のメンテナンスに伴う作業をさらに簡素化することができる。
【0015】
上記移動範囲規制手段が部品収納部を一定の軌跡で移動可能に規制する構成において、好ましくは、移動範囲規制手段は、部品収納部を、鉛直方向の軸回りに、作業装置本体から離間する方向に回動可能に規制する軸部材を含む。このように構成すれば、部品収納部を軸部材回りに回動させるだけで、容易に作業装置本体に対するメンテナンス作業空間を広げることができるとともに、部品収納部を逆方向に回動させるだけで元の位置に戻すことができるので、部品収納部の位置決め作業も不要となり、電子部品作業装置のメンテナンスに伴う作業をさらに簡素化することができる。また、部品収納部を軸部材回りに回動させるので、信号線や、電源供給線およびエアー供給ホースなどが軸部材付近の位置で接続されている場合には、部品収納部の移動のためのこれらのケーブル類の長さを短くすることができる。
【0016】
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、平坦な上面部を含み、作業装置本体に対して固定的に設置されたベース部材をさらに備え、部品収納部は、ベース部材の上面部上に配置され、移動範囲規制手段は、部品収納部をベース部材の上面部上で移動可能に規制するように構成されている。このように構成すれば、部品収納部をベース部材の平坦な上面部上で移動させることができるので、一度ベース部材の水平出しをして作業装置本体に対して固定しておけば、部品収納部を上面部上で移動させても部品収納部に対する水平出しが不要となる。これにより、メンテナンス作業時に部品収納部を移動させても、その都度部品収納部の水平出し作業を行う必要がないので、電子部品作業装置のメンテナンスに伴う作業をさらに簡素化することができる。
【0017】
この場合において、好ましくは、部品収納部は、ベース部材の上面部と対向する下面部を含み、下面部または上面部のいずれか一方側に設けられ、下面部または上面部の他方側に対して当接しながら回転移動可能な移動車をさらに備える。このように構成すれば、移動車によって部品収納部をベース部材の上面部上で円滑に移動させることができる。
【0018】
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、軸回りに回転可能なネジ軸と、ネジ軸に螺合するメネジ部材とをさらに備え、部品収納部は、ネジ軸およびメネジ部材のいずれか一方を有し、ネジ軸をメネジ部材に対して相対的に回転させることによって、作業装置本体に対して部品収納部を一定の範囲内で移動可能なように構成されている。このように構成すれば、ネジ軸とメネジ部材とによって、容易に部品収納部を一定の方向に一定の範囲で正確に移動させることができるとともに、メネジ部材がネジ軸に螺合することによって部品収納部が固定的に保持されるので、部品収納部の位置がずれるのを防止することができる。また、ネジ軸をメネジ部材に対して相対的に回転させることによって部品収納部を移動させるので、複数のパレットを部品収納部に収納する場合などの部品収納部の重量が大きくなる場合にも、部品収納部を容易に移動させることができる。
【0019】
この発明の第2の局面による表面実装機は、電子部品を保持して基板上の所定位置に載置するヘッドユニットを含む実装機本体と、電子部品を収納する部品収納部と、平面的に見て、部品収納部を実装機本体に対して一定の範囲内で移動可能に規制する移動範囲規制手段とを含む部品供給部とを備える。
【0020】
この第2の局面による表面実装機では、上記のように、平面的に見て、部品収納部を実装機本体に対して一定の範囲内で移動可能に規制する移動範囲規制手段を含む部品供給部を設けることによって、部品供給を行う位置から部品収納部を一定の範囲内で実装機本体に対して移動させることができる。これにより、表面実装機のメンテナンス時に部品供給部の部品収納部を一定の範囲内で移動させるだけでメンテナンス作業空間を容易に確保することができる。また、信号線や、電源供給線およびエアー供給ホースなどを部品供給部に接続する場合にも、部品収納部の移動可能な一定の範囲を、これらの信号線や電源供給線およびエアー供給ホースなどの長さの範囲内に設定することにより、部品供給部に接続された各種ケーブル類の着脱作業を行うことなく、部品収納部を移動させるだけでメンテナンス作業空間を確保することができる。これにより、メンテナンスに伴う部品供給部の移動作業を簡素化することができる。これらの結果、第2の局面では、表面実装機のメンテナンスに伴う部品供給部の移動作業を簡素化しながら、容易に実装機本体に対するメンテナンス作業空間を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態による表面実装機および部品供給装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示した第1実施形態による表面実装機を示す平面図である。
【図3】図2の領域700を拡大して示した表面実装機の第4レーンの拡大平面図である。
【図4】図3の矢印Y2方向側から見た第4レーンの領域700における正面図である。
【図5】図4の800−800線に沿った第4レーンの断面図である。
【図6】図2に示した表面実装機のパレット収納部を退避位置に配置した場合を示す平面図である。
【図7】図2に対応するパレット収納部を固定位置に配置した場合を示した後方斜視図である。
【図8】図6に対応するパレット収納部を退避位置に配置した場合を示した後方斜視図である。
【図9】本発明の第1実施形態による部品供給装置を説明するための側面図(部分断面図)である。
【図10】本発明の第1実施形態による部品供給装置の昇降機構を説明するための図である。
【図11】本発明の第1実施形態による部品供給装置のベース部およびベース側規制部を説明するための斜視図である。
【図12】本発明の第1実施形態による部品供給装置の引き出し機構および本体側規制部を説明するための斜視図である。
【図13】本発明の第1実施形態による部品供給装置の移動動作を説明するための図である。
【図14】本発明の第1実施形態による表面実装機および部品供給装置の制御的な構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の第1実施形態による表面実装機のメンテナンス作業を説明するためのフロー図である。
【図16】本発明の第2実施形態による表面実装機および部品供給装置を示した平面図である。
【図17】本発明の第2実施形態による部品供給装置の回動規制部を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
(第1実施形態)
以下、図1〜図14を参照して、本発明の第1実施形態による表面実装機100および部品供給装置200の構造について説明する。第1実施形態では、本発明の「部品供給装置」を表面実装機の部品供給部に適用した例について説明する。なお、表面実装機100は、本発明の「電子部品作業装置」の一例である。
【0024】
図1に示すように、第1実施形態による表面実装機100は、基台5上に設けられた装置本体が筐体内に収容されている。図2に示すように、表面実装機100は、プリント基板1に部品を実装する装置である。表面実装機100は、X方向に延びる基板搬送コンベア2と、基板搬送コンベア2の上方をXY方向に移動可能なヘッドユニット3およびヘッドユニット4とを備えている。これらの基板搬送コンベア2とヘッドユニット3およびヘッドユニット4とは、それぞれ基台5上に配置されている。矢印Y1方向側に配置されたヘッドユニット3と矢印Y2方向側に配置されたヘッドユニット4とは、互いに向かい合うようにして、それぞれ基台5上において基板搬送コンベア2の上方に配置されている。また、基台5上には、基板搬送コンベア2の両側を挟むように、矢印Y1方向側と矢印Y2方向側とにそれぞれ2つの部品供給部5a〜5dが設けられている。なお、プリント基板1は、本発明の「基板」の一例である。
【0025】
部品供給部5a〜5cには、それぞれ、小型の電子部品を供給するための複数のテープフィーダ6がX方向に並ぶように取り付けられている。テープフィーダ6は、小型の電子部品(図示せず)が所定の間隔で保持された部品テープ(図示せず)を保持可能に構成されている。テープフィーダ6は、部品テープをテープフィーダ6の先端の部品取出部6aまで送り出すことにより、小型の電子部品を供給する機能を有する。
【0026】
また、部品供給部5dには、大型の電子部品(部品10)を供給するための部品供給装置200が設けられている。部品供給装置200は、部品10が並べられたトレイ11を保持するパレット12を複数収納するパレット収納部210を備え、部品供給位置12aまでパレット12を搬送することにより、部品10を供給する機能を有する。これにより、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4は、部品供給位置12aに配置されたパレット12上の部品10を取得するとともに、基板搬送コンベア2上のプリント基板1に部品を実装するように構成されている。なお、本出願において特徴的な構成を有する部品供給装置200の詳細な構造は、後述する。また、部品10は、本発明の「電子部品」の一例である。また、パレット収納部210は、本発明の「部品収納部」の一例である。
【0027】
基板搬送コンベア2は、上流側(矢印X2方向側)の図示しない搬送路から搬入されるプリント基板1をX方向に搬送し、所定の実装作業位置にプリント基板1を配置するとともに、実装作業が終了したプリント基板1を下流側(矢印X1方向側)に搬出する機能を有する。
【0028】
基板搬送コンベア2は、矢印Y2方向側(手前側)から順に配列された第1レーン21および第2レーン22からなる第1コンベア2aと、第3レーン23および第4レーン24からなる第2コンベア2bとの、2つのコンベアを含んでいる。4本のレーンの内、外側の第1レーン21および第4レーン24は、それぞれ基台5上に固定的に設置されている。ただし、第4レーン24については、後述する微調節機構50によってY方向の位置を調節することが可能なように構成されている。一方、内側の第2レーン22および第3レーン23は、X方向の両側にY方向に延びるように設けられた一対のレール25上に設置され、レール25と係合する一対のスライダ部22aおよび23aによってそれぞれレール25に沿ってY方向に移動可能なように構成されている。このような構成により、第1レーン21および第2レーン22からなる第1コンベア2aと、第3レーン23および第4レーン24からなる第2コンベア2bとは、Y方向に移動可能な第2レーン22と第3レーン23とによって、搬送されるプリント基板1の幅に合わせてコンベア幅(レーン間隔)を互いに独立して変更することが可能なように構成されている。
【0029】
具体的には、基板搬送コンベア2は、Y方向に延びるようにX方向に並んで配置された一対のボールネジ軸31aおよび一対のボールネジ軸31bを合計4本含んでいる。また、基板搬送コンベア2は、これらの2組のボールネジ軸31aおよび31bを回転駆動するための駆動モータ32aおよび32bと、モータ軸プーリ33aおよび33bと、一対のネジ軸プーリ34aおよび34bと、駆動ベルト35aおよび35bとを含んでいる。なお、これらの2組のボールネジ軸は上下(Z方向)に配置(図4参照)されている。したがって、上側の一対のボールネジ軸31aおよびボールネジ軸31aの矢印Y2方向側に設けられた一対のネジ軸プーリ34aと、下側の一対のボールネジ軸31bおよびボールネジ軸31bの矢印Y2方向側に設けられたネジ軸プーリ34bとは、平面的に見て重なる位置に配置されている。
【0030】
上側の一対のボールネジ軸31aは、それぞれ、モータ軸プーリ33bと、ネジ軸プーリ34aと、モータ軸プーリ33bおよびネジ軸プーリ34aに掛け回した駆動ベルト35bとを介して駆動モータ32bの駆動力が伝達されるように構成されている。これにより、上側の一対のボールネジ軸31aは、それぞれ軸回りに同期して回転駆動されるように構成されている。また、第1レーン21〜第4レーン24の内、第3レーン23にのみ、上側の一対のボールネジ軸31aに螺合する一対のボールナット(図示せず)が固定的に設けられている。これにより、駆動モータ32bにより上側の一対のボールネジ軸31aを回転駆動することによって、第3レーン23をレール25に沿ってY方向に移動させるように構成されている。
【0031】
また、下側の一対のボールネジ軸31bは、それぞれ、モータ軸プーリ33aと、ネジ軸プーリ34bと、モータ軸プーリ33aおよびネジ軸プーリ34bに掛け回した駆動ベルト35aとを介して駆動モータ32aの駆動力が伝達されるように構成されている。これにより、下側の一対のボールネジ軸31bは、それぞれ軸回りに同期して回転駆動されるように構成されている。また、第1レーン21〜第4レーン24の内、第2レーン22にのみ、下側の一対のボールネジ軸31bに螺合するボールナット(図示せず)が固定的に設けられている。これにより、駆動モータ32aにより下側の一対のボールネジ軸31bを回転駆動することによって、第2レーン22をレール25に沿ってY方向に移動させるように構成されている。
【0032】
また、基板搬送コンベア2の第1コンベア2aおよび第2コンベア2bは、第1レーン21および第2レーン22と、第3レーン23および第4レーン24とに沿ってそれぞれ設けられた図示しない搬送ベルトを駆動することによって、それぞれ独立してプリント基板1をX方向に搬送することが可能なように構成されている。
【0033】
具体的には、基板搬送コンベア2は、X方向の両側に1本ずつ設けられたY方向に延びるスプライン軸41aおよび41bと、各スプライン軸41aおよび41bを回転駆動する搬送モータ42aおよび42bと、モータ軸プーリ43aおよび43bと、スプライン軸プーリ44aおよび44bと、駆動ベルト45aおよび45bとを含んでいる。
【0034】
第1コンベア2aの第1レーン21および第2レーン22には、それぞれスプライン軸41aと回転方向に係合するスプライン軸受46aが設けられているとともに、このスプライン軸受46aに連結されたプーリ(図示せず)に搬送ベルト(図示せず)が巻き回されている。また、スプライン軸41aは、モータ軸プーリ43aと、スプライン軸プーリ44aと、モータ軸プーリ43aおよびスプライン軸プーリ44aに掛け回した駆動ベルト45aとを介して、搬送モータ42aの駆動力が伝達されるように構成されている。これにより、搬送モータ42aの駆動力によって、スプライン軸41aを介して第1レーン21に設けられたスプライン軸受46aと、第2レーン22に設けられたスプライン軸受46aとを回転させることにより、第1レーン21および第2レーン22の図示しない搬送ベルトがそれぞれ同期して駆動されるように構成されている。
【0035】
同様に、第2コンベア2bの第3レーン23および第4レーン24には、それぞれスプライン軸41bと回転方向に係合するスプライン軸受46bが設けられているとともに、このスプライン軸受46bに連結されたプーリ(図示せず)に搬送ベルト(図示せず)が巻き回されている。また、スプライン軸41bは、モータ軸プーリ43bと、スプライン軸プーリ44bと、モータ軸プーリ43bおよびスプライン軸プーリ44bに掛け回した駆動ベルト45bとを介して、搬送モータ42bの駆動力が伝達されるように構成されている。これにより、搬送モータ42bの駆動力によって、スプライン軸41bを介して第3レーン23に設けられたスプライン軸受46aと、第4レーン24に設けられたスプライン軸受46aとを回転させることにより、第3レーン23および第4レーン24の図示しない搬送ベルトがそれぞれ同期して駆動されるように構成されている。
【0036】
ここで、図3〜5に示すように、第4レーン24には、第1レーンと第4レーンとのY方向の間隔を微調節するための微調節機構50が設けられている。すなわち、基板搬送コンベア2の上流側および下流側には、プリント基板1の製造ラインを構成する他の装置と接続される搬送路がそれぞれ設けられており、これらの搬送路のコンベア幅が、組付誤差などに起因して僅かに異なる場合がある。このような場合に、基板搬送コンベア2は、微調節機構50を用いて第4レーン24のY方向の位置を微調節することによって、コンベア幅を上流側および下流側の搬送路のコンベア幅と一致させるように微調節することが可能なように構成されている。
【0037】
微調節機構50は、第4レーン24の脚部24a(図4参照)と基台5とを固定する固定部材51と、ブラケット53を介して調節用ネジ54を保持する保持部材52とを含んでいる。
【0038】
固定部材51は、基台側固定部51aと脚部固定部51bとからなるL字状の断面形状(図5参照)を有する。図3に示すように、基台側固定部51aには、Y方向に延びる細長形状の長孔51cが4箇所に設けられている。この長孔51cはY方向の幅Wを有し、ネジ部材55のネジ軸55aが螺合することなくそれぞれ挿入されるように構成されている。基台5に設けられたネジ穴55bに長孔51cを通過させたネジ部材55のネジ軸55aを螺合させることにより、基台側固定部51aがネジ部材55と基台5とによって締結されるように構成されている。したがって、図5に示すように、基台側固定部51aがネジ部材55によってネジ固定された状態で、ネジ軸55aのY方向側には長孔51cの幅W分(幅Wとネジ軸55aの軸径との差分)だけ間隙が存在する。
【0039】
図5に示すように、脚部固定部51bには、四隅(図4参照)にネジ部材56のネジ軸がそれぞれ挿入される円孔51dが設けられている。脚部24aに設けられたネジ穴56aに円孔51dを通過したネジ軸を螺合させて締結することにより、脚部固定部51bが脚部24aを固定するように構成されている。なお、脚部24aの下端部は基台5の上面から離間しており、この固定部材51によって脚部24aが支持されている。
【0040】
また、保持部材52は、L字状形状を有し、ネジ部材52aにより基台5に固定されている。保持部材52の上部にはブラケット53がネジ部材53aにより取り付けられている。ブラケット53は調節用ネジ54を支持孔53b(図5参照)により回転可能に支持している。この調節用ネジ54は、脚部24aに設けられた調節用ネジ穴54bに調節用ネジ54のネジ軸54aが螺合するように配置されている。なお、図5に示すように、保持部材52は、脚部24aの矢印Y2方向側の表面から矢印Y2方向側にずれた位置に設けられ、ブラケット53に保持された調節用ネジ54のネジ軸54aと脚部24aの調節用ネジ穴54bとは、互いに余り(遊び)が存在する状態で螺合している。
【0041】
ここで、固定部材51の基台側固定部51aを締結する4つのネジ部材55をそれぞれ緩めると、基台側固定部51aは、締め付け力の減少によって、4つのネジ部材55がそれぞれ挿入された長孔51cの幅W分(幅Wとネジ軸55aの軸径との差分)だけ基台5に対して移動可能となる。したがって、このとき第4レーン24と固定部材51とのY方向の位置は、脚部24aの調節用ネジ穴54bに螺合する保持部材52の調節用ネジ54によって保持されることになる。保持部材52は、基台5に固定されているので、この状態で調節用ネジ54を回転させることにより、脚部24aの調節用ネジ穴54bに対するネジ締め分(または緩め分)だけ固定部材51と固定部材51に支持された脚部24aとをY方向に平行に移動させることが可能となる。このような構成により、微調節機構50は、第4レーン24を固定部材51の長孔51cの幅W分(幅Wとネジ軸55aの軸径との差分)だけY方向に平行に移動可能とすることによって、第1レーン21と第4レーン24との間隔を微調節可能とするように構成されている。
【0042】
図2に示すように、矢印Y1方向側のヘッドユニット3と、矢印Y2方向側のヘッドユニット4とは、それぞれ同一構成を有し、互いに対向するように配置されている。また、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4は、それぞれX方向に延びるヘッドユニット支持部71aおよび71bに沿ってX方向に移動可能に構成されている。具体的には、図2に示すように、ヘッドユニット支持部71aは、X方向に延びるボールネジ軸72aと、ボールネジ軸72aを回転させるサーボモータ73aと、X方向のガイドレール(図示せず)とを有している。また、ヘッドユニット3は、ボールネジ軸72aが螺合されるボールナット3aを有している。同様に、ヘッドユニット支持部71bは、X方向に延びるボールネジ軸72bと、ボールネジ軸72bを回転させるサーボモータ73bと、X方向のガイドレール(図示せず)とを有している。また、ヘッドユニット4は、ボールネジ軸72bが螺合されるボールナット4aを有している。ヘッドユニット3およびヘッドユニット4は、それぞれ、サーボモータ73aおよび73bによりボールネジ軸72aおよび72bが回転されることにより、ヘッドユニット支持部71aおよび71bに対してX方向に移動するように構成されている。
【0043】
また、これらのヘッドユニット支持部71aおよび71bは、基台5上に基板搬送コンベア2を跨ぐように設けられたY方向に延びる一対の固定レール部80に沿って、それぞれY方向に移動可能に構成されている。具体的には、一対の固定レール部80は、それぞれ、ヘッドユニット支持部71aおよび71bの両端部をY方向に移動可能に支持するガイドレール81と、固定レール部80の内部にY方向に沿って配列された複数の永久磁石からなる固定子(図示せず)とを有している。また、ヘッドユニット支持部71aおよび71bのそれぞれの両端には、界磁コイルからなる可動子(図示せず)が固定子の近傍に配置されるように設けられている。ヘッドユニット支持部71aおよび71bは、可動子(界磁コイル)に供給される電流を制御することによって、ガイドレール81に沿ってY方向に移動するように構成されている。このような構成により、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4は、それぞれ基台5上方をXY方向に移動することが可能なように構成されている。
【0044】
また、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4には、それぞれ、X方向に列状に配置された10本の実装ヘッド部90が設けられている。各実装ヘッド部90には、先端(下端)に部品吸着および搭載を行うための吸着ノズル(図示せず)が、下方に突出するようにして取り付けられている。各実装ヘッド部90の吸着ノズルは、先端に負圧状態を発生させることによって、テープフィーダ6から供給される部品を先端に吸着および保持することが可能である。また、実装ヘッド部90には、吸着ノズルを上下方向(Z方向)に移動させるサーボモータなどの昇降装置(図示せず)とが設けられている。また、実装ヘッド部90は、サーボモータなどのノズル回転装置(図示せず)によって部品を搬送する途中に吸着ノズルを回転させることにより、ノズルの先端に保持された部品の姿勢(水平面内の向き)を調整することが可能である。以上の構成により、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4を用いて部品供給部5a〜5cに取り付けられたテープフィーダ6の部品取出部6aから部品を取得するとともに、部品供給部5dに配置された部品供給装置200により部品供給位置12aに保持されたパレット12上の部品10を取得して、プリント基板1にこれらの部品を実装することが可能である。
【0045】
また、図2に示すように、ヘッドユニット3の矢印X2方向側の側部およびヘッドユニット4の矢印X1方向側の側部には、それぞれ、基板撮像装置93が取り付けられている。この基板撮像装置93は、部品搭載時に、プリント基板1の表面に設けられた基板マーク(図示せず)を撮像することにより部品の装着位置の基準点を取得するように構成されている。
【0046】
また、図2に示すように、矢印Y2方向側の2つの部品供給部5aおよび5bの間と、矢印Y1方向側の2つの部品供給部5cおよび5dの間とには、部品撮像装置5eがそれぞれ設けられている。これらの部品撮像装置5eは、基台5上に固定的に設けられ、吸着ノズルの下面と対向するように、撮像方向を上方に向けて取り付けられている。これにより、ヘッドユニット3(ヘッドユニット4)の吸着ノズルに部品を吸着した状態でヘッドユニット3(ヘッドユニット4)の吸着ノズルに保持された部品の下面を下方向から順次撮像することが可能になる。
【0047】
次に、本出願において特徴的な構成を有する部品供給装置200について詳細に説明する。図2に示すように、部品供給装置200は、複数のパレット12を収納するパレット収納部210と、パレット収納部210が載置されたベース部220と、パレット12を部品供給位置12aまで移動させるための引き出し機構230と、パレット収納部210を所定方向に所定範囲で移動可能に規制するための本体側規制部240(図12参照)およびベース側規制部250(図11参照)とを備えている。パレット収納部210は、本体側規制部240を介して表面実装機100(基台5)と移動可能に接続されているとともに、ベース側規制部250を介してベース部220と移動可能に接続されている。なお、ベース部220は、本発明の「ベース部材」の一例である。また、本体側規制部240およびベース側規制部250は、それぞれ、本発明の「移動範囲規制手段」の一例である。
【0048】
ここで、第1実施形態では、パレット収納部210は、本体側規制部240およびベース側規制部250によって、表面実装機100の本体(基台5および基台5上の各種機構)から離れる方向(メンテナンス作業時の作業空間を広げる方向)で、かつ斜め方向に一定の範囲で移動可能なように構成されている。具体的には、図2に示すように、パレット収納部210は、本体側規制部240の後述するリニアガイドレール241aおよび241bに沿って、ベース部220上を水平にA方向に移動可能なように構成されている。これにより、パレット収納部210は、表面実装機100に対する部品供給を行う固定位置P1と、表面実装機100のメンテナンス時に作業空間を確保するための退避位置P2(図6参照)との間の範囲(距離L4、図13参照))で、ベース部220上をA方向に移動可能なように構成されている。なお、第1実施形態では、このA方向は、X方向に対して約18度傾斜した斜め方向である。また、リニアガイドレール241aおよび241bは、本発明の「ガイド部材」の一例である。
【0049】
また、この第1実施形態では、図2に示すように、パレット収納部210が固定位置P1に配置された状態で、表面実装機100の矢印Y1方向側(部品供給装置200側)に開放されたスペースは、距離L1のスペースとなる。これに対して、図6に示すように、パレット収納部210が退避位置P2に配置された状態では、パレット収納部210が矢印A2方向(斜め後方)に移動することによって、距離L2のスペースだけ表面実装機100の矢印Y1方向側(部品供給装置200側)が開放される。これにより、距離L1と距離L2との差分L3の分だけメンテナンス作業空間を広げることが可能なように構成されている。
【0050】
また、図7および図8に示すように、パレット収納部210は、電力供給線、表面実装機100の後述する制御装置101と接続された信号線、および図示しないエア駆動機構を駆動するためのエア供給ケーブルなどを収容したハーネス260を介して、表面実装機100と接続されている。パレット収納部210は、固定位置P1(図7参照)と退避位置P2(図8参照)との間の範囲で移動した場合にも、ハーネス260の接続を解除することなく移動することが可能なように構成されている。
【0051】
図9に示すように、パレット収納部210は、筐体211と、パレット12を収納するマガジン部212と、マガジン部212を上下方向(Z方向)に移動させるための昇降機構213(図10参照)と、本体側規制部240により基台5(表面実装機100)と接続される接続部214と、ベース側規制部250によりベース部220と接続される底部材215とを含んでいる。
【0052】
筐体211には、内部にマガジン部212および昇降機構213(図10参照)が設けられている。また、筐体211の表面実装機100側(矢印Y2方向側)の側面(正面)には、引き出し機構230と対応する位置に開口部211aが設けられており、マガジン部212に収納されたパレット12(図2参照)を引き出し機構230により引き出すことが可能なように構成されている。
【0053】
図9に示すように、マガジン部212は、箱状構造を有し、水平方向に延びるように、パレット12に対応する形状に形成されたスロット部212aが上下方向(Z方向)に複数配列されている。マガジン部212は、この複数のスロット部212aのそれぞれに部品10(トレイ11)が載置されたパレット12が挿入されることにより、複数のパレット12を上下方向(Z方向)に積層して保持するように構成されている。
【0054】
図10に示すように、昇降機構213は、筐体211の内面側に設けられた昇降モータ(LZ軸モータ)213aと、昇降モータ213aにより上下方向(Z方向)の軸回りに回転駆動されるボールネジ軸213bと、ボールネジ軸213bに螺合するボールナット213cと、マガジン部212に固定的に設けられた上下一対の可動板213dおよび213eと、ボールネジ軸213bの両側に上下方向(Z方向)に設けられた一対のガイド軸213fと、昇降モータ213aおよびボールネジ軸213bを支持するための固定板213gおよび213hとを含んでいる。一対のガイド軸213fは、筐体211の上部に固定されているとともに、固定板213gおよび213hがそれぞれ一対のガイド軸213fに所定位置で固定的に支持されている。昇降モータ213aは上側の固定板213gに取り付けられているとともに、固定板213gと下側の固定板213hとによってボールネジ軸213bが回転可能に支持されている。
【0055】
上側の可動板213dは、上側の固定板213gの上方の位置に配置され、図示しない挿入穴に挿入された一対のガイド軸213fに沿って上下方向に移動可能に構成されている。また、下側の可動板213eは、下側の固定板213hの上方の位置に配置され、図示しない挿入穴に挿入されたガイド軸213fに沿って上下方向に移動可能に構成されているとともに、ボールナット213cが可動板213eに固定的に取り付けられている。これにより、昇降モータ213aによりボールネジ軸213bを回転駆動することによって、ボールナット213cを有する可動板213eと、マガジン部212および可動板213dとが上下方向に昇降するように構成されている。このような構成により、昇降機構213は、マガジン部212を筐体211内で昇降させ、マガジン部212の各スロット部212aに収納されたパレット12を引き出し機構230による所定の引き出し位置に配置することが可能である。
【0056】
図9に示すように、接続部214は、本体側規制部240の後述するスライダ242aおよび242b(図12参照)とパレット収納部210とを接続するために設けられている。接続部214は、筐体211の正面側側面に固定的に取り付けられたL字状の取り付け具214aと、スライダ242aおよび242bの上面側に取り付けられたベース板214bと、取り付け具214aおよびベース板214bを連結するための連結板214cとから構成されている。これらのL字状の取り付け具214aと連結板214cとの連結、および連結板214cとベース板214bとは、それぞれネジ部材によって連結固定されている。なお、スライダ242aおよび242bは、本発明の「移動部材」の一例である。
【0057】
底部材215は、平坦形状を有し、パレット収納部210(筐体211)の下面部を構成している。この底部材215の下面(パレット収納部210の下面)側に、ベース側規制部250の後述する移動用ナット251a(図11参照)およびブロック部材254aおよびローラ部材256が固定的に設けられている。なお、ローラ部材256は、本発明の「移動車」の一例である。また、移動用ナット251aは、本発明の「メネジ部材」の一例である。
【0058】
図11に示すように、ベース部220は、平坦形状を有する上面部221と、ベース部220を表面実装機100の基台5に固定するための固定板222と、ベース部220の四隅にそれぞれ設けられた車輪223と、脚部224とを含んでいる。
【0059】
上面部221は、平面的に見てパレット収納部210よりも大きい面積を有し、パレット収納部210の移動可能範囲に対応する大きさに形成されている。この上面部221にはベース側規制部250の後述する台形ネジ251およびネジ軸受252aおよび252bと、ハンドル253と、4つの固定用ブロック254と、ダンパ255とが設けられている。なお、台形ネジ251は、本発明の「ネジ軸」の一例である。
【0060】
固定板222は、上面部221上の表面実装機100側の端部に設けられている。ベース部220は、この固定板222を介して、表面実装機100の本体(基台5を含む機構部分)の所定位置に連結可能なように構成されている。なお、表面実装機100とベース部220とを連結する場合には、表面実装機100およびベース部220の設置面(地面)の状態によって僅かに位置ずれが生じる場合がある。このため、固定板222は、4つのリンク部材222a、222b、222cおよび222dからなるリンク機構を介して僅かに移動可能な状態で上面部221上に設けられている。
【0061】
また、車輪223は、ベース部220の下面側の四隅にそれぞれに設けられ、地面(床面)と接している。ベース部220は、固定板222による表面実装機100との連結前の状態では、車輪223により自由に移動することが可能なように構成されている。
【0062】
脚部224は、ベース部220の下面側の四隅に設けられた各車輪223の内側にそれぞれ設けられている。脚部224にはレベリングボルトからなる高さ調節機構が設けられている。ベース部220の設置時には、この脚部224によってベース部220およびベース部220上のパレット収納部210の水平出しを行うことが可能である。
【0063】
図12に示すように、引き出し機構230は、表面実装機100の基台5上の所定位置(部品供給部5d)に固定的に設けられている。引き出し機構230は、支持台231と、パレット12をY方向に移送するための一対の移送レール232と、パレット12の把持部121(図13参照)と係合してパレット12を引き出すためのクランプ機構233と、クランプ機構233をY方向に移動させるためのクランプ移動部234とを含んでいる。
【0064】
支持台231は、支持脚231a(図9参照)を有し、基台5の上面上の所定位置に固定的に設置されている。具体的には、支持台231は、パレット収納部210が部品供給を行う固定位置P1に配置された状態で、マガジン部212内のパレット12とX方向の位置が一致するように設けられている。
【0065】
一対の移送レール232は、支持台231のX方向の両端に支持板232aを介してそれぞれY方向に水平に延びるように設けられている。支持板232aは、移送レール232をそれぞれパレット収納部210の筐体211に設けられた開口部211a(図9参照)に対応する所定の高さ位置で支持するように構成されている。また、パレット収納部210のマガジン部212に収納されたパレット12は、クランプ機構233によって一対の移送レール232上に引き出されるとともに、X方向の両端を移送レール232に支持された状態で、Y方向に移動することが可能となる。
【0066】
クランプ機構233は、パレット12の把持部121(図13参照)と係合するための一対のクランプ部233aと、上端でクランプ部233aを支持する基部233bとを有し、移送レール232と同じ高さ位置にクランプ部233aが配置されるように設けられている。一対のクランプ部233aは、図13に示すように、パレット12の把持部121に対応するように、平面的に見て略C字状の係合部をそれぞれ有するとともに、互いにX方向に対向するように配置されている。また、一対のクランプ部233aは、図示しないエアシリンダによってX方向に移動可能に構成されている。これにより、クランプ機構233は、一対のクランプ部233aをX方向に駆動することによって、パレット12の把持部121とクランプ部233aとの係合および係合の解除を行うことが可能なように構成されている。また、基部233bは、クランプ移動部234に移動可能に支持されている。
【0067】
図12に示すように、クランプ移動部234は、支持台231上に設けられ、移送モータ(LH軸モータ)234aと、移送モータ234aに取り付けられた駆動プーリ234bと、従動プーリ234c、234d(図9参照)および234eと、支持台231の中央に配置されY方向に延びるガイド234f(図9参照)とを含んでいる。また、移送モータ234aの駆動プーリ234bと従動プーリ234cとには、ベルト234gが巻き回されるとともに、従動プーリ234cと従動プーリ234dおよび234eとには、他のベルト234hが巻き回されている。また、ガイド234fには、ガイド234fに沿ってY方向に移動可能に係合するスライダ234i(図9参照)が設けられ、このスライダ234iがベルト234hに固定的に取り付けられている。これにより、移送モータ234aを駆動することによってベルト234hを移動させると、ベルト234hに固定されたスライダ234iがガイド234fに沿ってY方向に移動するように構成されている。
【0068】
図9に示すように、このスライダ234i上にクランプ機構233(基部233b)が取り付けられることによって、クランプ機構233がクランプ移動部234によりY方向に移動されるように構成されている。クランプ移動部234は、クランプ機構233がマガジン部212内のパレット12の把持部121と係合する位置と、パレット12が部品供給位置12aに配置される位置との間の範囲で、クランプ機構233をY方向に移動させるように構成されている。このような構成により、引き出し機構230は、固定位置P1に配置されたパレット収納部210からパレット12を引き出して部品供給位置12aまで移送する。
【0069】
図12に示すように、本体側規制部240は、基台5上の所定位置にそれぞれ固定的に設けられたリニアガイドレール241aおよび241bと、リニアガイドレール241aおよび241bに沿ってそれぞれ移動可能に係合するスライダ242aおよび242bと、ダンパ243および固定用ブロック244とを含んでいる。
【0070】
リニアガイドレール241aおよび241bは、それぞれA方向に直線状に延びるように設けられ、X方向に並ぶように互いに平行に配置されている。リニアガイドレール241aおよび241bは、パレット収納部210の移動範囲(距離)L4(図13参照)に対応した長さを有している。また、リニアガイドレール241aおよび241bの両側部に湾曲した溝部を有し、この溝部に対応する形状を有するスライダ242aおよび242bが係合するように構成されている。
【0071】
スライダ242aおよび242bは、リニアガイドレール241aおよび241bの両側部の溝部と係合し、リニアガイドレール241aおよび241bに沿ってA方向にのみ移動可能なように構成されている。図9に示すように、このスライダ242aおよび242bの上面部が、それぞれパレット収納部210のベース板214bの下面側に固定的に取り付けられている。なお、図12では、説明のためにベース板214bの図示を省略している。このように、パレット収納部210は、筐体211に取り付けられた接続部214(取り付け具214a、連結板214cおよびベース板214b)と、スライダ242aおよび242bと、リニアガイドレール241aおよび241bとを介して、表面実装機100の基台5に対してA方向にのみ移動可能な状態で接続されている。
【0072】
ダンパ243は、基台5上において、リニアガイドレール241aおよびスライダ242aの矢印X2方向側に固定的に設けられている。図13に示すように、ダンパ243は、パレット収納部210が退避位置P2に向けて移動されるとベース板214bの矢印X2方向側側面がダンパ243と当接するように構成されている。したがって、ダンパ243は、パレット収納部210を退避位置P2以上には矢印A2方向に移動しないように係止することにより、パレット収納部210の矢印A2方向側の移動範囲を規制する機能を有する。なお、図13では、パレット収納部210、ベース板214b、底部材215に設けられたブロック部材254aおよびローラ部材256などの各部材(パレット収納部210側に設けられた部材、移動用ナット251aを除く)を二点鎖線により図示している。
【0073】
また、固定用ブロック244は、ダンパ243とは逆に、基台5上において、リニアガイドレール241bおよびスライダ242bの矢印X1方向側に配置されている。図13に示すように、固定用ブロック244は、パレット収納部210が固定位置P1に向けて移動されるとベース板214bの矢印X1方向側側面が固定用ブロック244と当接するように構成されている。したがって、固定用ブロック244は、パレット収納部210を固定位置P1以上には矢印A1方向に移動しないように係止することにより、パレット収納部210の矢印A1方向側の移動範囲を規制する機能を有する。また、ベース板214b上の矢印X1方向側の端部には、ブロック部材244aが設けられている。パレット収納部210が固定位置P1に配置された状態で、固定用ブロック244とブロック部材244aとは当接し、ネジ部材によりブロック部材244aを固定用ブロック244に固定することが可能なように構成されている。
【0074】
なお、図13に示すように、リニアガイドレール241aおよびスライダ242aの近傍には、ブラケット261aを介して基台5上方の所定位置に固定された確認スイッチ261が設けられている。また、スライダ242aのベース板214bを挟んだ上面側の位置(図9参照)に、突起部材261bが設けられている。そして、図13に示すように、パレット収納部210が固定位置P1に配置された状態で、ベース板214b上の突起部材261bが確認スイッチ261のスイッチ部と当接することにより確認スイッチ261をオン状態にするとともに、パレット収納部210が固定位置P1からA方向に移動すると、突起部材261bが確認スイッチ261のスイッチ部から離間して確認スイッチ261をオフ状態にするように構成されている。この確認スイッチ261をオフ状態にすると、表面実装機100および部品供給装置200に設けられた各種モータ類に対する信号がオフ状態となるように構成され、メンテナンス作業中の誤作動を防止するように構成されている。
【0075】
また、リニアガイドレール241bおよびスライダ242bの近傍には、パレット収納部210が固定位置P1に配置されたことを検知する位置確認センサ262が設けられている。位置確認センサ262は、ブラケットを介して、支持台231の所定位置に設けられた孔部262a内(図12参照)から基台5側に突出するように配置されている。位置確認センサ262は、図示しない発光部と受光部とからなる透過型光センサにより構成されている。一方、ベース板214bの上面上には、所定間隔を空けて対向する発光部と受光部との間に位置するように遮光板(図示せず)がA方向に沿って延びるように配置されており、パレット収納部210が固定位置P1に配置された場合にのみ光が透過可能となるように設けられている。これにより、パレット収納部210が固定位置P1に配置された状態では発光部から出射された光が受光部により受光されるため、固定位置P1に配置されたことを位置確認センサ262が検出可能なように構成されている。
【0076】
図9に示すように、ベース側規制部250は、パレット収納部210の底部材215とベース部220の上面部221との間の領域に設けられている。図11に示すように、ベース側規制部250は、ベース部220の上面部221上に設けられた、台形ネジ251およびネジ軸受252aおよび252bと、ハンドル253と、4つの固定用ブロック254と、ダンパ255とを含んでいる。また、ベース側規制部250は、パレット収納部210の底部材215の下面に設けられた、移動用ナット251aと、4つのブロック部材254aと、4つのローラ部材256とを含んでいる。なお、図11では、底部材215、ブロック部材254aおよびローラ部材256を二点鎖線により図示している。
【0077】
台形ネジ251は、軸方向が上面部221上でA方向に向けて配置されており、ネジ軸受252aおよび252bによって軸回りに回転可能に支持されている。また、台形ネジ251の矢印A1方向側の端部には、ハンドル253が取り付けられており、このハンドル253を用いて台形ネジ251を回転させることが可能なように構成されている。また、移動用ナット251aは、この台形ネジ251に螺合するとともに、パレット収納部210の底部材215の下面に固定的に設けられている。これにより、図13に示すように、台形ネジ251を移動用ナット251aに対して回転させることによって移動用ナット251aをA方向に移動させ、この結果、パレット収納部210をA方向に移動させるように構成されている。この台形ネジ251の軸長は、移動用ナット251a(パレット収納部210)の可動範囲L4に対応している。
【0078】
また、図11に示すように、4つの固定用ブロック254は、ベース部220の上面部221上の所定位置にそれぞれ設けられている。また、底部材215の下面の4つのブロック部材254aは、これらの4つの固定用ブロック254とそれぞれA方向に対向するように配置されている。図13に示すように、固定用ブロック254とブロック部材254aとは、パレット収納部210が固定位置P1に配置されている状態で互いの対向する側面同士が当接するように構成されており、この状態で固定用ブロック254とブロック部材254aとをネジ止めすることが可能なように構成されている。また、図11に示すように、ブロック部材254aの矢印A1方向側にはピン254bが設けられるとともに、固定用ブロック254の対応する位置に穴部(図示せず)が設けられており、パレット収納部210が固定位置P1に配置されている状態での位置決めが正確に行われるように構成されている。ブロック部材254aは底部材215の下面側でパレット収納部210の移動に伴って移動するため、パレット収納部210が退避位置P2に位置する状態では、固定用ブロック254とブロック部材254aとはパレット収納部210の移動距離分だけ互いに離間する。
【0079】
また、ダンパ255は、ベース部220の上面部221の矢印X2方向側の端部近傍に矢印A1方向に向けて固定的に設けられている。図13に示すように、ダンパ255は、パレット収納部210が退避位置P2に位置する状態で1つのブロック部材254a(矢印X2方向側かつ矢印Y2方向側のブロック部材254a)と当接するように構成されている。これにより、ダンパ255は、パレット収納部210を退避位置P2以上には矢印A2方向に移動しないよう係止する機能を有する。
【0080】
また、図11に示すように、底部材215の下面側に設けられた4つのローラ部材256は、それぞれ、移動方向を矢印A方向に向けて取り付けられた車輪を有するカムフォロアからなる。ローラ部材256は、ベース部220の上面部221に車輪が当接した状態でA方向に回転移動可能なように取り付けられている。このため、ローラ部材256は、パレット収納部210とベース部220との摩擦抵抗を減少させ、パレット収納部210がベース部220の上面部221上を円滑に移動させる機能を有する。
【0081】
表面実装機100および部品供給装置200の動作は、図14に示す制御装置101によって制御されている。制御装置101は、演算処理部102、モータ制御部103、記憶部104、画像処理部105および外部入出力部106を含んでいる。また、制御装置101は、表面実装機100のY方向の両側に1つずつ設けられた液晶表示装置などの表示ユニット107(図1参照)と、キーボードなどの入力ユニット108(図1参照)とを備えている。
【0082】
演算処理部102は、論理演算を実行するCPUなどから構成されている。演算処理部102は、記憶部104のROMに記憶されている実装プログラムに従って、モータ制御部103を介してヘッドユニット3、ヘッドユニット4、基板搬送コンベア2(第1コンベア2aおよび第2コンベア2b)および部品供給装置200などの動作を制御するように構成されている。
【0083】
モータ制御部103は、演算処理部102から出力される制御信号に基づいて、ヘッドユニット3およびヘッドユニット4の各部のモータ(X方向に移動するためのサーボモータ73aおよび73b(X軸モータ)、Y方向に移動するための界磁コイル(Y軸モータ)、10本の実装ヘッド部90の吸着ノズルをそれぞれ上下方向に移動させるための昇降装置のサーボモータ(Z軸モータ)、吸着ノズルをそれぞれR軸方向(各吸着ノズルの中心軸回りの回転方向)に回転移動させるためのノズル回転装置のサーボモータ(R軸モータ))の駆動を制御するように構成されている。また、モータ制御部103は、演算処理部102から出力される制御信号に基づいて、部品供給装置200の各部のモータ(昇降モータ(LZ軸モータ)213aおよび移送モータ(LH軸モータ)234a)などの駆動を制御するように構成されている。また、モータ制御部103は、演算処理部102から出力される制御信号に基づいて、基板搬送コンベア2の各部のモータ(駆動モータ32aおよび32bと、搬送モータ42aおよび42b)などの駆動を制御するように構成されている。なお、これらのサーボモータのエンコーダ(図示せず)からの信号が、モータ制御部103を介して演算処理部102に入力されることにより、動作制御が行われる。
【0084】
記憶部104は、CPUを制御するプログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)および装置の動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)などから構成されている。また、記憶部104には、実装対象となるプリント基板1の寸法、基準マーク位置などの基板データや、実装対象となる部品に関わる各種データと、実装位置および実装方向データ等、所定の実装済みプリント基板1の製造を行うための実装プログラムとが記憶されている。
【0085】
画像処理部105は、演算処理部102から出力される制御信号に基づいて、部品撮像装置5eおよび基板撮像装置93から所定のタイミングで撮像信号の読み出しを行うとともに、読み出した撮像信号に所定の画像処理を行うことにより、部品や基板マークを認識するのに適した画像データを生成するように構成されている。これらの画像データが演算処理部102に出力され、実装位置および実装方向の補正が行われるように構成されている。
【0086】
外部入出力部106は、表面実装機100に設けられた各種センサ(図示せず)や、部品供給装置200の位置確認センサ262および確認スイッチ261などと接続され、これらの信号を受け付けるように構成されている。また、外部入出力部106は、演算処理部102から出力される制御信号に基づいて、表面実装機100および部品供給装置200に設けられたエアシリンダ(一対のクランプ部233aを移動させるためのエアシリンダなど)などの各種アクチュエータに対する動作制御を行うように構成されている。
【0087】
次に、図7、図8、図13および図15を参照して、本発明の第1実施形態による表面実装機100のメンテナンス時の作業について詳細に説明する。
【0088】
図15に示すように、ステップS1において、作業者により、表面実装機100に対してメンテナンスモードへの移行指示が入力される。具体的には、作業者が、表示ユニット107の画面上から、入力ユニット108を用いてメンテナンスモードへの移行指示を行う。これにより、演算処理部102によって表面実装機100および部品供給装置200の動作が所定の停止処理動作を経て停止される。
【0089】
ステップS2では、作業者が表示ユニット107の画面上および表面実装機100(部品供給装置200)の動作状況から設備停止を確認し、設備が停止するまで待機する。設備停止が確認されると、ステップS3に進み、部品供給装置200の引き出し機構230上にパレット12が引き出された状態であればパレット収納処理が行われる。具体的には、作業者が表面実装機100の入力ユニット108を操作するか、または部品供給装置200の図示しない操作ボタンを操作することにより、引き出し機構230を動作させてパレット12の収納を行う。そして、ステップS4においてパレット収納処理の完了を確認し、パレット収納処理が完了するまで待機する。パレット収納処理の完了が確認されると、ステップS5に進む。なお、既にパレット12が収納されている場合には、パレット収納処理は不要である。
【0090】
ステップS5では、作業者が、パレット収納部210のロック解除を行う。すなわち、図13に示すように、作業者は、本体側規制部240のブロック部材244aと固定用ブロック244とのネジ固定、および、ベース側規制部250の固定用ブロック254とブロック部材254aとのネジ固定を解除する。これにより、パレット収納部210がA方向に移動可能な状態となる。
【0091】
次に、ステップS6において、作業者がベース側規制部250のハンドル253を回して、パレット収納部210を固定位置P1から退避位置P2へ矢印A2方向に距離L4だけ移動させる。この際、図13に示すように、ベース部220上でのパレット収納部210のネジ送り移動に伴い、本体側規制部240のスライダ242aおよび242bがそれぞれリニアガイドレール241aおよび241bに沿って矢印A2方向に直線移動する。パレット収納部210が退避位置P2に到達すると、接続部214のベース板214bと本体側規制部240のダンパ243とが当接するとともに、ベース側規制部250のブロック部材254aとダンパ255とが当接して、パレット収納部210が係止される。また、パレット収納部210の移動に伴い位置確認センサ262の検出信号がオフとなり、実装プログラムの実行が禁止され誤動作が防止されるようになる。さらに、パレット収納部210の移動に伴い確認スイッチ261がオフ状態となり、各種モータ類に対する信号がオフ状態となる。これにより、実装プログラムの実行以外のモータの作動も防止される。このパレット収納部210の移動は、パレット収納部210に接続されたハーネス260(図7および図8参照)の接続を解除することなく行うことが可能である。
【0092】
そして、ステップS7において、作業者がパレット収納部210をネジやクランプなどを用いて仮固定して、パレット収納部210の作業中の移動を防止する。以上の作業の後、ステップS8において、表面実装機100のメンテナンス作業が行われる。
【0093】
その後、ステップS9において、作業者がメンテナンス作業の終了を確認した後、ステップS10において、作業者がパレット収納部210の仮固定を解除する。なお、第1実施形態では、台形ネジ251と移動用ナット251aとが螺合することによりパレット収納部210が固定されるので、ステップS7の仮固定作業およびステップS10の仮固定の解除作業は、省略してもよい。
【0094】
ステップS11において、図13に示すように、作業者がステップS6とは逆方向にハンドル253を回して、パレット収納部210を退避位置P2から固定位置P1へ矢印A1方向に移動させる。パレット収納部210は、スライダ242aおよび242bがそれぞれリニアガイドレール241aおよび241bに沿って移動することにより、ステップS6と同じ一定の軌跡(A方向の直線軌跡)で正確に固定位置P1に戻される。パレット収納部210が固定位置P1に到達すると、接続部214のベース板214bと本体側規制部240の固定用ブロック244とが当接するとともに、ベース側規制部250の固定用ブロック254とブロック部材254aとが当接して、パレット収納部210が係止される。また、パレット収納部210の移動に伴い位置確認センサ262の検出信号がオンとなり、パレット収納部210が正しく固定位置P1に配置されたことが検出される。さらに、パレット収納部210の移動に伴い確認スイッチ261がオン状態となり、各種モータ類も動作可能となる。なお、パレット収納部210は、ベース部220の脚部224により水平出しが行われた後に、平坦な上面部221上を移動するので、この移動後に再度水平出しを行う必要がない。
【0095】
次に、ステップS12において、作業者がパレット収納部210のロックを行う。すなわち、本体側規制部240のブロック部材244aと固定用ブロック244とのネジ固定や、ベース側規制部250の固定用ブロック254とブロック部材254aとのネジ固定を行う。これにより、パレット収納部210が固定位置P1に固定される。
【0096】
最後に、ステップS13において、作業者が表示ユニット107の画面上から位置確認センサ262の検出信号がオンとなっていることを確認して、作業が終了する。なお、この確認作業では、確認スイッチ261がオン状態となっていることを確認するようにしてもよい。
【0097】
第1実施形態では、上記のように、パレット収納部210を表面実装機100(基台5)に対して一定の範囲内で移動可能に規制する本体側規制部240およびベース側規制部250を設けることによって、パレット収納部210を表面実装機100に部品供給を行う固定位置P1から一定の範囲内で基台5に対して移動させることができる。これにより、表面実装機100のメンテナンス時に部品供給装置200のパレット収納部210を一定の範囲内(距離L4)で移動させるだけでメンテナンス作業空間を容易に確保することができる。また、信号線や、電源供給線およびエアー供給ホースなどを収容したハーネス260の着脱作業を行うことなく、パレット収納部210を移動させるだけでメンテナンス作業空間を確保することができる。これにより、メンテナンスに伴う部品供給装置200の移動作業を簡素化することができる。これらの結果、第1実施形態では、メンテナンスに伴う部品供給装置200の移動作業を簡素化しながら、容易に表面実装機100に対するメンテナンス作業空間を確保することができる。
【0098】
また、第1実施形態では、上記のように、本体側規制部240およびベース側規制部250により、パレット収納部210を、表面実装機100(基台5)に対するメンテナンス作業時の作業空間を広げる方向(矢印A2方向)に一定の範囲(距離L4)内で移動可能に規制することによって、メンテナンス作業時に、本体側規制部240およびベース側規制部250が規制する範囲(距離L4)内でパレット収納部210を移動させるだけで、容易に表面実装機100に対するメンテナンス作業空間を広げることができる。
【0099】
また、第1実施形態では、上記のように、パレット収納部210を、引き出し機構230を表面実装機100の本体側(基台5)に配置したまま、引き出し機構230および表面実装機100の基台5に対して一定の範囲(距離L4)内で移動可能に構成することによって、メンテナンス作業時には、パレット12を収納する大型のパレット収納部210のみを、引き出し機構230および表面実装機100の本体(基台5)に対して一定の範囲(距離L4)内で移動させて容易に作業空間を確保することができる。また、引き出し機構230を表面実装機100の本体側(基台5)に配置したままパレット収納部210を移動させることができるので、メンテナンス作業終了後の復帰作業時に、引き出し機構230の位置決めや水平出しが不要となり、表面実装機100のメンテナンスに伴う作業をさらに簡素化することができる。
【0100】
また、第1実施形態では、上記のように、本体側規制部240およびベース側規制部250により、パレット収納部210を一定の軌跡(A方向)で一定の範囲(距離L4)内を移動可能に規制することによって、本体側規制部240およびベース側規制部250によって、メンテナンス作業時にパレット収納部210を移動(退避位置P2へ移動)させたのと同じ軌跡でパレット収納部210を元の位置(固定位置P1)に移動させることができるので、メンテナンス作業終了後にパレット収納部210を容易に固定位置P1に戻すことができる。これにより、メンテナンス作業終了後の復帰作業時に、パレット収納部210の位置決めが不要となり、表面実装機100のメンテナンスに伴う作業をさらに簡素化することができる。
【0101】
また、第1実施形態では、上記のように、本体側規制部240およびベース側規制部250により、パレット収納部210を表面実装機100の本体(基台5)から離れる方向で、かつ、水平方向斜め(A方向)に移動可能に規制することによって、表面実装機100の本体(基台5)に対して干渉することなく、パレット収納部210を斜め方向に離間させて効果的に作業空間を確保することができる。すなわち、たとえばパレット収納部210を基台5に向かって後方(矢印Y1方向)に移動させる場合には、メンテナンス作業者がパレット収納部210を表面実装機100の本体(基台5)から引き出すようにして移動(退避)させることになり、表面実装機100の後方に大きくスペースが開いていない場合には作業者の移動の妨げとなる。また、パレット収納部210を表面実装機100の本体(基台5)に向かって側方(X方向)に移動させる場合には、表面実装機100の他の機構と干渉する可能性がある。このため、パレット収納部210を斜め方向(矢印A2方向)に離間させることにより、パレット収納部210が表面実装機100の本体に対して干渉することなく、効果的に作業空間を確保することができる。
【0102】
また、第1実施形態では、上記のように、本体側規制部240に、リニアガイドレール241aおよび241bと、リニアガイドレール241aおよび241bに係合した状態でリニアガイドレール241aおよび241bに沿って移動可能なスライダ242aおよび242bとを設け、パレット収納部210を、リニアガイドレール241aおよび241bと、スライダ242aおよび242bとを介して表面実装機100の本体(基台5)と接続された状態で、表面実装機100に対して一定の範囲(距離L4)で移動可能に構成することによって、パレット収納部210と表面実装機100の本体(基台5)との接続を維持したまま、リニアガイドレール241aおよび241bの長さ分の範囲(距離L4)で、かつ、リニアガイドレール241aおよび241bに沿った一定の軌跡(A方向)でパレット収納部210を確実に移動させることができる。これにより、メンテナンス作業の前後でパレット収納部210と表面実装機100の本体(基台5)との接続の解除作業や接続作業が不要となり、表面実装機100のメンテナンスに伴う作業をさらに簡素化することができるとともに、パレット収納部210の位置決め作業も不要となり、表面実装機100のメンテナンスに伴う作業をさらに簡素化することができる。
【0103】
また、第1実施形態では、上記のように、本体側規制部240およびベース側規制部250により、パレット収納部210をベース部220の平坦形状を有する上面部221上で移動可能に規制することによって、パレット収納部210をベース部220の平坦な上面部221上で移動させることができるので、一度ベース部220の水平出しをして表面実装機100の本体(基台5)に対して固定しておけば、パレット収納部210を上面部221上で移動させてもパレット収納部210に対する水平出しが不要となる。これにより、メンテナンス作業時にパレット収納部210を移動させても、その都度パレット収納部210の水平出し作業を行う必要がないので、表面実装機100のメンテナンスに伴う作業をさらに簡素化することができる。
【0104】
また、第1実施形態では、上記のように、パレット収納部210の底部材215にローラ部材256を設け、ベース部220の上面部221に対して当接しながら回転移動させることによって、ローラ部材256によってパレット収納部210をベース部220の上面部221上で円滑に移動させることができる。
【0105】
また、第1実施形態では、上記のように、パレット収納部210の底部材215に移動用ナット251aを設け、台形ネジ251を移動用ナット251aに対して相対的に回転させることによって、表面実装機100の本体(基台5)に対してパレット収納部210を一定の範囲内(距離L4)で移動可能なように構成することによって、台形ネジ251と移動用ナット251aとによって、容易にパレット収納部210をA方向に一定の範囲(距離L4)で正確に移動させることができるとともに、移動用ナット251aが台形ネジ251に螺合することによってパレット収納部210が固定的に保持されるので、パレット収納部210の位置がずれるのを防止することができる。また、台形ネジ251を移動用ナット251aに対して相対的に回転させることによってパレット収納部210を移動させるので、複数のパレット12を収納するパレット収納部210の重量が大きくなる場合にも、パレット収納部210を容易に移動させることができる。
【0106】
(第2実施形態)
次に、図16および図17を参照して、本発明の第2実施形態による部品供給装置300について説明する。この第2実施形態では、本体側規制部240およびベース側規制部250によりパレット収納部210をA方向に距離L4の範囲で移動可能に規制した上記第1実施形態と異なり、回動規制部340によりパレット収納部210を表面実装機100(基台5)に対して一定の範囲内で回動させるように規制する例について説明する。なお、回動規制部340は、本発明の「移動範囲規制手段」の一例である。
【0107】
図16に示すように、第2実施形態では、部品供給装置300は、パレット収納部210と、ベース部220と、引き出し機構230と、回動規制部340とを備えている。なお、パレット収納部210、ベース部220および引き出し機構230の構成は、上記第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0108】
図16に示すように、回動規制部340は、基台5の矢印Y1方向側の側部に設けられている。図17に示すように、回動規制部340は、軸方向が鉛直方向(Z方向)に延びるように設けられた回動軸341と、回動軸341を軸回りに回動可能に支持する支持部342および343と、回動軸341と一体的に回動するように設けられた接続部344および345とを含んでいる。回動規制部340は、パレット収納部210を回動軸341回りの一定の軌跡で、かつ、一定の角度範囲θ(図16参照)だけ回動可能とするように規制する。
【0109】
支持部342は、回動軸341の上部を回動可能に支持するともに、基台5の上面と支持部342の上面とが略一致する高さ位置で基台5の側面に固定されている。また、支持部343は、回動軸341の下部を回動可能に支持するとともに、ベース部220よりも上方の高さ位置で基台5に固定されている。したがって、図16に示すように、回動軸341は、基台5のY1方向側端部近傍の位置に配置されている。第2実施形態では、回動軸341は、支持部342および343によって、矢印B方向に角度θの範囲で回動可能に構成されている。第2実施形態では、この回動角度範囲θは、約35度となるように構成されている。
【0110】
接続部344は、回動軸341の上端(矢印Z1方向端部)の位置に、回動軸341に対して固定的に取り付けられている。したがって、接続部344は、支持部342よりも上方の位置で、回動軸341と一体的に回動する。接続部344は、平坦な接続面344aを有し、接続面344aでパレット収納部210の筐体211に固定的に取り付けられている。具体的には、図16に示すように、接続部344は、筐体211の矢印Y2方向側側面(前面)であって、矢印X2方向側の端部の位置で筐体211に固定的に取り付けられている。
【0111】
また、接続部345は、支持部343の上側の位置で、回動軸341に対して固定的に取り付けられている。したがって、接続部345は、回動軸341と一体的に回動する。接続部345は、平坦な接続面345aを有し、接続面345aでパレット収納部210の筐体211に固定的に取り付けられている。なお、接続部344と接続部345とは上下方向に配置されているので、平面的に見て重なる位置で、筐体211に固定的に取り付けられている。
【0112】
このように、第2実施形態では、パレット収納部210は、接続部344および接続部345と、回動軸341と、支持部342および支持部343とを介して基台5に回動可能な状態で接続されている。これにより、パレット収納部210を回動軸341回りに、表面実装機100(基台5)から離間する矢印B2方向に回動させて退避位置P3に配置することが可能であるとともに、表面実装機100(基台5)に近づく矢印B1方向に回動させて固定位置P1(図2参照)に配置することが可能なように構成されている。第2実施形態では、パレット収納部210が角度θ回動することによって、パレット収納部210が退避位置P3に配置された状態で距離L5のスペースだけ、表面実装機100の矢印Y1方向側(部品供給装置300側)が開放される。これにより、距離L1と距離L5との差分L6の分だけメンテナンス作業空間を広げることが可能なように構成されている。なお、第2実施形態におけるパレット収納部210の固定位置は、上記第1実施形態と同じ固定位置P1である。
【0113】
また、図17に示すように、パレット収納部210は、固定位置P1と退避位置P3(図16参照)との間の範囲で移動(回動)した場合にも、ハーネス260の接続を解除することなく移動することが可能なように構成されている。すなわち、ハーネス260は、回動規制部340の近傍(回動軸341の近傍)の位置で、表面実装機100とパレット収納部210とを接続するように設けられている。このため、パレット収納部210をB方向に角度範囲θで回動した場合にも、回動中心(回動軸341)の近傍に設けられたハーネス260は殆ど移動することがない。このため、第2実施形態では、ハーネス260を接続したままパレット収納部210を移動させるために必要なハーネス260の長さを、上記第1実施形態よりも短くすることが可能である。
【0114】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0115】
第2実施形態では、上記のように、回動規制部340に、パレット収納部210を、鉛直方向(Z方向)の軸回りに、表面実装機100(基台5)から離間する方向(矢印B2)に回動可能に規制する回動軸341を設けることによって、パレット収納部210を回動軸341回りに矢印B2方向に回動させるだけで、容易に表面実装機100の本体(基台5)に対するメンテナンス作業空間を広げることができるとともに、パレット収納部210を逆方向(矢印B1方向)に回動させるだけで元の位置(固定位置P1)に戻すことができるので、パレット収納部210の位置決め作業も不要となり、表面実装機100のメンテナンスに伴う作業をさらに簡素化することができる。また、パレット収納部210を回動軸341回りに回動させるので、パレット収納部210の移動のためのハーネス260の長さを短くすることができる。
【0116】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0117】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0118】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、本発明の部品供給装置を表面実装機の部品供給部に適用した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ICハンドラのような部品検査装置に用いられる部品供給装置に本発明を適用してもよい。
【0119】
また、上記第1実施形態では、リニアガイドレール241aおよび241bによりパレット収納部210の移動方向をA方向(表面実装機100に対して斜め後方)に規制した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、パレット収納部を左右方向(X方向)のみに移動可能に規制してもよい。また、パレット収納部を一度後方(矢印Y1方向)に移動させた後、左右方向(X方向)に移動させるように規制してもよい。また、パレット収納部を後方のみに移動させてもよいし、パレット収納部を18度以外の斜め方向に移動させるように構成してもよい。
【0120】
また、上記第1実施形態では、一対のリニアガイドレール241aおよび241bをX方向に配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、1つのリニアガイドレールによりパレット収納部を規制してもよいし、3つ以上のリニアガイドレールを設けてもよい。
【0121】
また、上記第1実施形態では、パレット収納部210を距離L4の範囲で移動可能に規制するとともに、上記第2実施形態では、パレット収納部210を回動角度θの範囲で回動可能に規制するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、パレット収納部の移動範囲をL4よりも小さく、またはL4よりも大きくなるように構成してもよいし、パレット収納部の回動範囲をθよりも小さく、またはθよりも大きくなるように構成してもよい。
【0122】
また、上記第1および第2実施形態では、パレット収納部210を、引き出し機構230が表面実装機100側(基台5上)に配置されたままの状態で、表面実装機100および引き出し機構230に対して移動するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、引き出し機構をパレット収納部と一体的に移動するように構成してもよい。
【0123】
また、上記第1実施形態では、パレット収納部210をA方向に直線状の軌跡で移動可能に規制した例を示し、上記第2実施形態では、パレット収納部210をB方向に円弧状の軌跡で回動可能に規制した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、パレット収納部を円弧以外の軌跡で移動可能に規制してもよいし、パレット収納部をベース部上の範囲内で自由に移動可能に規制してもよい。
【0124】
また、上記第1および第2実施形態では、パレット収納部210を水平方向に移動(回動)可能に規制した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、パレット収納部を退避位置に向けて斜め上方または斜め下方に移動させるように構成してもよい。
【0125】
また、上記第1および第2実施形態では、パレット収納部210をベース部220上で移動するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、パレット収納部を直接地面(床面)に設置して、移動可能に構成してもよい。
【0126】
また、上記第1実施形態では、パレット収納部210の底部材215に車輪を有するローラ部材256を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、パレット収納部にローラ部材を設けることなく移動可能に構成してもよい。
【0127】
また、上記第1実施形態では、パレット収納部210とベース部220との間にベース側規制部250を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ベース側規制部を設けることなく、本体側規制部のみによりパレット収納部の移動範囲を規制してもよい。
【0128】
また、上記第1実施形態では、パレット収納部210をベース側規制部250の台形ネジ251と移動用ナット251aとにより移動させるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、台形ネジと移動用ナットとを設けることなく、作業者が直接パレット収納部を押して移動させるようにしてもよいし、エアシリンダなどを用いてパレット収納部を移動させるようにしてもよい。また、台形ネジの回転をハンドル253ではなく、サーボモータなどを用いて回転させてもよい。
【0129】
また、上記第1実施形態では、本体側規制部240のスライダ242aおよび242bをパレット収納部210側に取り付けるとともに、リニアガイドレール241aおよび241bを表面実装機100側(基台5)に設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表面実装機100側(基台5)にスライダを固定的に設けるとともに、パレット収納部210側にリニアガイドレールを設け、パレット収納部の移動に伴って、リニアガイドレールがスライダに対して移動するように構成してもよい。
【0130】
また、上記第1実施形態では、パレット収納部210の底部材215に移動用ナット251aを設け、ベース部220に台形ネジ251を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、台形ネジをパレット収納部の底部材に設けるとともに、移動用ナットをベース部に設けてもよい。
【符号の説明】
【0131】
1 プリント基板(基板)
3、4 ヘッドユニット
10 部品(電子部品)
12 パレット
100 表面実装機(電子部品作業装置)
200、300 部品供給装置(部品供給部)
210 パレット収納部(部品収納部)
220 ベース部(ベース部材)
230 引き出し機構
240 本体側規制部(移動範囲規制手段)
250 ベース側規制部(移動範囲規制手段)
241a、241b リニアガイドレール(ガイド部材)
242a、242b スライダ(移動部材)
251 台形ネジ(ネジ軸)
251a 移動用ナット(メネジ部材)
256 ローラ部材(移動車)
340 回動規制部(移動範囲規制手段)
341 回動軸(軸部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を用いて所定の作業を行う作業装置本体を備えた電子部品作業装置に用いる部品供給装置であって、
電子部品を収納する部品収納部と、
平面的に見て、前記部品収納部を前記作業装置本体に対して一定の範囲内で移動可能に規制する移動範囲規制手段とを備える、部品供給装置。
【請求項2】
前記移動範囲規制手段は、前記部品収納部を、前記作業装置本体に対するメンテナンス作業時の作業空間を広げる方向に一定の範囲内で移動可能に規制するように構成されている、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記部品収納部は、電子部品を保持するパレットを収納するように構成され、
前記部品収納部に収納されたパレットを前記部品収納部から前記作業装置本体側の所定位置に移動させる引き出し機構をさらに備え、
前記部品収納部は、前記引き出し機構を前記作業装置本体側に配置したまま、前記引き出し機構および前記作業装置本体に対して一定の範囲内で移動可能に構成されている、請求項1または2に記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記移動範囲規制手段は、前記部品収納部を一定の軌跡で一定の範囲内を移動可能に規制するように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記移動範囲規制手段は、前記部品収納部を前記作業装置本体から離れる方向で、かつ、水平方向斜めに移動可能に規制するように構成されている、請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記移動範囲規制手段は、ガイド部材と、前記ガイド部材に係合した状態で前記ガイド部材に沿って移動可能な移動部材とを含み、
前記ガイド部材は、前記部品収納部側または前記作業装置本体側のいずれか一方側に設置されており、
前記移動部材は、前記部品収納部側または前記作業装置本体側のいずれか他方側に設置され、
前記部品収納部は、前記ガイド部材および前記移動部材を介して前記作業装置本体と接続された状態で、前記作業装置本体に対して一定の範囲で移動可能に構成されている、請求項4または5に記載の部品供給装置。
【請求項7】
前記移動範囲規制手段は、前記部品収納部を、鉛直方向の軸回りに、前記作業装置本体から離間する方向に回動可能に規制する軸部材を含む、請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項8】
平坦な上面部を含み、前記作業装置本体に対して固定的に設置されたベース部材をさらに備え、
前記部品収納部は、前記ベース部材の上面部上に配置され、
前記移動範囲規制手段は、前記部品収納部を前記ベース部材の上面部上で移動可能に規制するように構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の部品供給装置。
【請求項9】
前記部品収納部は、前記ベース部材の上面部と対向する下面部を含み、
前記下面部または前記上面部のいずれか一方側に設けられ、前記下面部または前記上面部の他方側に対して当接しながら回転移動可能な移動車をさらに備える、請求項8に記載の部品供給装置。
【請求項10】
軸回りに回転可能なネジ軸と、
前記ネジ軸に螺合するメネジ部材とをさらに備え、
前記部品収納部は、前記ネジ軸および前記メネジ部材のいずれか一方を有し、
前記ネジ軸を前記メネジ部材に対して相対的に回転させることによって、前記作業装置本体に対して前記部品収納部を一定の範囲内で移動可能なように構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の部品供給装置。
【請求項11】
電子部品を保持して基板上の所定位置に載置するヘッドユニットを含む実装機本体と、
電子部品を収納する部品収納部と、平面的に見て、前記部品収納部を前記実装機本体に対して一定の範囲内で移動可能に規制する移動範囲規制手段とを含む部品供給部とを備える、表面実装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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