説明

部品取出し設備

【課題】部品点数が少なく簡便な構造をもち、設備の信頼性が高く、設備費用を抑えることができる部品取出し設備を提供する。
【解決手段】部品台車11に、回転可能に回転支柱27を立て、この回転支柱27に部品棚28を設け、回転支柱27を回すことにより、取出し対象の部品をロボット16に臨ませ、部品Wをロボット16で取出すようにした部品取出し設備において、部品台車11に、ロボットアーム22の先端を係止する第1係止部31が設けられ、回転支柱27又は部品棚28に、ロボットアーム22の先端を係止する第2係止部32、32が設けられ、第1係止部31により部品台車11を移動させ、第2係止部32、32により回転支柱27を回転させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を載置した部品棚を回転させ、部品棚に載置した部品を取出すようにした部品取出し設備に関する。
【背景技術】
【0002】
部品を載置する部品棚を回転可能に設け、この部品棚に搬送装置を用いて部品を載置し保管するようにした保管棚装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−307125公報(図2)
【0003】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図9は従来の技術の基本構成を説明する図であり、保管棚装置100には、ワーク101を載せる部品棚102と、この部品棚102を回転させる部品棚駆動機構103と、が備えられている。
【0004】
部品棚102は、複数段の棚板102a・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)を有する。また、部品棚駆動機構103は、棚板102a・・・を駆動する棚板駆動機構103a・・・を有する。
各々の棚板102a・・・には、棚板駆動機構103a・・・が連結されている。
【0005】
1つの棚板駆動機構103aは、駆動モータ104と、この駆動モータ104に駆動される減速機105と、この減速機105により駆動される駆動プーリ106及び従動プーリ107と、駆動プーリ106と従動プーリ107の間に掛け渡す駆動ベルト108と、からなり、従動プーリ107は、棚板102a及び棚板回転角度検出器109に連結されている。
【0006】
部品棚駆動機構103を作動させ、部品棚102に備えられている各々の棚板102a・・・を所定角度に回転させ、棚板102a・・・に形成したスリット102b・・・にワーク101を通過させ、各棚板102a・・・の所定位置に部品101を載置するようにした。図中、111は棚板102a・・・の回転中心、112はワーク101の移動経路である。
【0007】
このように、特許文献1の保管棚装置100には、各棚板102a・・・ごとに、棚板駆動機構103a・・・が設けられている。加えて、1つの棚板駆動機構103aは、駆動モータ104や減速機105などからなる複雑な構造をもっていた。保管棚装置100には、棚板102aの数だけ棚板駆動機構103aを有しており、部品点数が多くなり、複雑な構造を有していた。部品点数が多くなるため、設備の信頼性に改良の余地があった。また、設備費用も嵩んでいた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、部品点数が少なく簡便な構造をもち、設備の信頼性が高く、設備費用を抑えることができる部品取出し設備を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、部品台車に部品棚を設け、この部品棚に載置した部品をロボットで取出すようにした部品取出し装置において、部品台車には、鉛直軸方向に回転可能に回転支柱が立てられ、この回転支柱に複数段の部品棚が設けられると共に、ロボットアームの先端を係止する第1係止部が設けられ、回転支柱又は部品棚に、ロボットアームの先端を係止する第2係止部が設けられ、第1係止部により部品台車を移動させることができ、第2係止部により回転支柱を回転させることができるようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、回転支柱には、所定の回転角度で回転を止めるクリック機構が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、回転支柱には、回転方向を一定にする一方向機構が設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、部品をロボットで取出す部品取出しステージには、部品台車の位置を所定位置に保持する保持機構が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明では、部品台車は、AGVに載置して搬送されると共に、第1係止部によりAGVと部品取出しステージの間を移動可能に設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明では、第1係止部又は第2係止部の少なくともいずれか一方には、ロボットアームの動作の座標の原点を兼ねさせていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明では、回転支柱又は部品棚には、ロボットアームの先端を係止する第2係止部が設けられ、この第2係止部により回転支柱を回転させることができるようにした。
【0016】
従来例によれば、回転機構をもつ部品棚の回転は、モータなどの駆動源を用いて行われていた。回転機構は、部品点数が多くなり、複雑な構造を有するものであった。このため、設備の信頼性に改良の余地があり、設備費用が嵩んでいた。
【0017】
この点、本発明では、部品を取出すロボットアームと部品台車に設ける第2係止部とにより、部品棚を回転可能にしたので、部品台車の内外にモータなどの駆動源や回転機構を設けることなく、部品棚を回転させることが可能となる。
部品台車の内外に、専用の駆動手段や回転機構を設ける必要がなくなり、簡便な構造にできるので、設備の信頼性が高まると共に設備費用を低く抑えることができる。
【0018】
加えて、部品台車に、ロボットアームの先端を係止する第1係止部が設けられ、この第1係止部により部品台車を移動させることができるようにした。つまり、ロボットアームに移動手段を兼ねさせるようにしたので、部品台車を移動させるための専用の駆動機構が不要となる。専用の駆動機構が不要になれば、部品点数が少なくなり、簡便な構造にすることができる。部品点数が少なくなり、簡便な構造となるので、設備費用を低く抑えることができる。
部品台車に汎用型の台車を利用すれば、さらなる設備費用の低減を図ることができる。
【0019】
つまり本発明によれば、部品棚の回転、部品台車の移動及び部品の取出しを一台のロボットにて行わせることができ、簡便な構造をもち設備の信頼性が高い部品取出し設備を得ることができる。
【0020】
請求項2に係る発明では、回転支柱には、所定の回転角度で回転を止めるクリック機構が設けられているので、所定の回転角度に部品棚を止めることができる。
従って、回転支柱にクリック機構を介在させることで、簡便な機構にて、部品をロボットに臨ませることができると共に、部品棚の位置決め精度を高めることができる。
【0021】
請求項3に係る発明では、回転支柱には、回転方向を一定にする一方向機構が設けられているので、部品棚の位置が定まり易くなる。部品棚の位置が定まり易くなれば、ロボットのテイーチング調整を一層容易に行えるようになり、メンテナンス費用を抑えることができる。
【0022】
請求項4に係る発明では、部品取出しステージには、部品台車を保持する保持機構が設けられている。部品取出しステージに、部品台車が保持可能になるので、ロボットにより部品棚を安定して回転させることができる。
【0023】
請求項5に係る発明では、部品台車は、AGVに載置して搬送されると共に第1係止部によりAGVと部品取出しステージの間を移動可能に設けられている。部品棚から部品を取出すロボットに、部品台車の移動を兼ねさせ、AGVと連動させることで、工場の自動化が図れ、生産費用の低減を図ることができる。
【0024】
請求項6に係る発明では、第1係止部又は第2係止部の少なくともいずれか一方には、ロボットアームの動作の座標の原点を兼ねさせている。
従来、部品台車を部品取出しステージに移動させた後、この部品取出しステージにて、部品台車の位置を所定位置に保持する際に、部品台車の位置が若干変化する場合があった。部品台車の位置が若干でも変化すると、部品の把持位置がずれるため、把持不良などにつながる虞があった。
【0025】
この点、本発明では、第1係止部又は第2係止部にて、ロボットアームの動作の座標の原点を修正させ、部品取出しステージに移動した部品台車ごとに、部品取出しの作業原点を割り出すことを可能にした。このため、常に正確な位置で部品の取出しが行えるようになり、部品取出し精度を一層高めることができる。併せて、把持不良などの不具合をなくすことができ、部品取出し作業に係る信頼性が高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る部品取出し設備の平面図であり、部品取出し設備10には、部品台車11を載置したAGV12(自走台車12)が停止して部品台車11の受け渡しを行うステーションとしての停止ステージ13と、この停止ステージ13に連続して配置されAGV12との間で部品台車11を移動可能にする部品取出しステージ15とが配置されている。
【0027】
部品取出しステージ15を中心に、前記停止ステージ13の反対側には、ロボット16が配置され、このロボット16を中心に部品取出しステージ15の反対側には、次工程となる作業台17が配置されている。
【0028】
図2は本発明に係る部品取出し設備の斜視図であり、ロボット16には、駆動部21・・・と、これらの駆動部21・・・に駆動され伸縮可能に設けたロボットアーム22と、このロボットアーム22の先端に部品Wを把持可能にする把持部材23と、この把持部材23と略直角に設けられ部品台車11を移動及び回転可能にする駆動爪24と、が備えられている。
【0029】
部品台車11には、基部26と、この基部26に鉛直軸廻りに回転可能に立てた回転支柱27と、この回転支柱27に設け部品Wを載置する複数段の部品棚28と、が備えられている。
基部26には、駆動爪24が係合して部品台車11を移動可能にする第1係止部31が形成されている。
【0030】
部品台車11は、AGV12に載置して搬送されると共に、第1係止部31によりAGV12と部品取出しステージ15の間に移動可能に設けられている。また、部品棚28には、ロボットアーム22の先端に設けた駆動爪24を係止する第2係止部32、32が設けられ、駆動爪24を第2係止部32、32の一方に係止させることにより回転支柱27を回転させることができるようにした。回転支柱27の詳細構造は後述する。
【0031】
部品台車11には、ロボットアーム22の先端を係止する第1係止部31が設けられ、第1係止部31により部品台車11を移動させることができる。
すなわち、部品台車11は、AGV12に載置して搬送されると共に、第1係止部31によりAGV12と部品取出しステージ15の間を移動可能に設けられている。
【0032】
このように、部品棚28から部品を取出すロボット16に、部品台車11の移動を兼ねさせ、AGV12と連動させることで、工場の自動化を図ることができ、併せて、生産費用の低減を図ることができる。
【0033】
また、部品Wをロボット16によって取出す部品取出しステージ15には、部品台車11の位置を所定位置に保持する保持機構33が設けられている。
保持機構33は、部品取出しステージ15の側部に複数のシリンダユニット34・・・を設け、これらのシリンダユニット34・・・のロッド34r・・・が水平方向で部品台車11の中心を向くように配置し、これらロッド34r・・・の先端に進退可能に押圧パッド35・・・を設けてなる。押圧パッド35・・・を基部26の側面26s・・・に押圧することで、部品取出しステージ15に、部品台車11が保持可能になり、ロボット16により部品棚28を安定して回転させることができる。
【0034】
図3は本発明に係る部品台車に立設された回転支柱の断面図であり、基部26に支柱保持部41が取付けられている。
支柱保持部41と回転支柱27の間には、回転支柱27に形成した鍔部42を下方から回転可能に支持するスラスト軸受43が設けられ、回転支柱27に形成した小径部27dを回転可能に支持するラジアル軸受44が設けられている。つまり、部品台車11に、鉛直軸廻りに回転可能に回転支柱27を立てた。
【0035】
回転支柱27には、複数段の部品棚28が設けられている。
部品棚28は、回転支柱27から左右に水平部材46・・・を延設し、各々の水平部材46・・・の先端に部品W・・・を載置する棚部材47・・・を取付けたものである。棚部材47・・・は、回転支柱27の外方に向け互いに反対の位相となる位置に配置されているので、部品Wの収納数を効果的に高めることができる。
【0036】
例えば、自動車部品を部品台車に載置する場合において、内板を一方の棚部材47・・・に載置し、内板に対応する外板を他方の棚部材47・・・に載置するようにして、内板を取出し、回転支柱27を略180°回転させ、次に外板を取出すことで、組立エリアの部品保管スペースを節約し、収容数を増やすと共に、これらの部品を効率良く取出すことができる。
【0037】
回転支柱27の下部には、回転方向を一定にする一方向機構51が連結されている。一方向機構51とは、いわゆるワンウエイクラッチ機構であり、例えば、ラチェット機構がこれに相当する。
【0038】
回転支柱27に一方向機構51を設けたので、部品棚28の位置が定まり易くなる。部品棚28の位置が定まり易くなれば、ロボット(図1の符号16)のテイーチング調整を一層容易に行えるようになり、メンテナンス時間を短縮でき、メンテナンス費用を抑えることができる。
また、支柱保持部41には、クリック機構52が取付けられている。クリック機構52の詳細を次図で説明する。
【0039】
図4は図3の4−4線断面図であり、回転支柱27には、所定の回転角度で回転を止めるクリック機構52が設けられている。
クリック機構52は、ホルダ部材53に設けるボール54、54と、回転支柱27の一部に前記ボール54、54に係合可能に形成する凹部55と、を主要な要素とする。
ホルダ部時53は、支柱保持部41に取付けられている。
【0040】
ホルダ部材53には、ボール収納部56、56が形成され、これらのボール収納部56、56には、収納したボール54、54を半径方向内向きに押圧するスプリング57、57が設けられている。58、58はスプリング57、57をホルダ部材53に固定する固定ブッシュである。
【0041】
回転支柱27が回転すると、180°毎にボール54が回転支柱27の凹部55に係合して、固定側に設けたホルダ部材53に回転支柱27が止まる。
回転支柱27には、所定の回転角度で回転を止めるクリック機構52が設けられているので、所定の回転角度に部品棚28を止めることができる。
【0042】
従って、回転支柱27にクリック機構52を介在させることで、簡便な機構にて、部品(図3の符号W)をロボット16に臨ませることができると共に、部品棚28の位置決め精度を高めることができる。
【0043】
図5は本発明に係る部品棚に設けられている第2係止部及びその作用を説明する図であり、平面視で部品棚28の回転支柱27の中心から所定値だけ離れた位置には、第2係止部32、32が形成されている。この第2係止部32、32にロボットアーム22の駆動爪24を差し込み係合させ、部品棚28を回転支柱27の中心を軸に図m方向に回転させる。
ロボットアーム22を部品棚28の駆動手段として用いることで、専用の駆動機構を設けることなく部品棚28を回転させることが可能となる。
【0044】
以上に述べた部品取出し設備の作用を次に述べる。
図6は部品台車をAGVから部品取出しステージまで移動させる作用を説明する図であり、停止ステージ13に部品台車11を載置したAGV12が到着し、この部品台車11の第1係止部31に駆動爪24を係合させ、部品台車11をAGV12から部品取出しステージ15に図u方向に移動させる。
【0045】
部品台車11に、ロボットアーム22の先端を係止する第1係止部31が設けられ、この第1係止部31により部品台車11を移動させることができるようにした。つまり、ロボットアーム22に移動手段を兼ねさせるようにしたので、部品台車11を移動させるための専用の駆動機構が不要となる。専用の駆動機構が不要になれば、部品点数が少なくなり、簡便な構造にすることができる。部品点数が少なくなり、簡便な構造となるので設備の信頼性が高まると共に、設備費用を低く抑えることができる。
【0046】
部品台車に汎用型の台車を利用すれば、さらなる設備費用の低減を図ることができる。
つまり本発明によれば、部品棚28の回転、部品台車11の移動及び部品Wの取出しを1台のロボット16にて行わせることができ、簡便な構造をもつ部品取出し設備10を得ることができる。
【0047】
部品取出しステージ15に部品台車11を移動させた後、保持機構(図1の符号33)により部品台車11を保持させる。
図3に戻って、部品台車11を部品取出しステージ15に移動させた後、この部品取出しステージ15にて、部品台車11の位置を所定位置に保持する際に、部品台車11の位置が若干変化する場合があった。部品台車11の位置が若干でも変化すると、部品の把持位置がずれるため、把持不良などにつながる虞があった。
そこで、本発明では、第1係止部31又は第2係止部32の少なくともいずれか一方に、ロボットアーム22の動作の座標の原点を兼ねさせるようにした。
【0048】
そして、第1係止部31又は第2係止部32にて、ロボットアーム22の動作の座標の原点を修正させ、部品取出しステージ15に移動した部品台車11ごとに、部品取出しの作業原点を割り出すことを可能にした。つまり、ロボット16には、ロボット原点補正機能をもたせた。
【0049】
ロボットアーム22の動作の座標の原点としての第1係止部31又は第2係止部32を部品台車11に設けると共に、ロボット16にロボット原点補正機能をもたせたので、常に正確な位置で部品の取出しが行えるようになり、部品取出し精度を一層高めることができる。併せて、例えば、把持不良など部品取出し時の不具合をなくすことができ、部品取出し作業に係る信頼性を向上させることができる。
【0050】
図7は部品棚を回転させ部品をロボット側に臨ませる作用を説明する図であり、第2係止部32、32のうちの一方の第2係止部32にロボットアーム22の駆動爪24を係合させ、図v方向に回転支柱27を回すことにより、取出し対象の部品Wをロボット16に臨ませることができる。
【0051】
すなわち、部品棚28に、ロボットアーム22の先端を係止する第2係止部32、32が設けられ、この第2係止部32、32により回転支柱27を回転させることができるようにした。
【0052】
従来例によれば、回転機構をもつ部品棚の回転は、モータなどの駆動源を用いて行われていた。このため、回転機構は、部品点数が多くなり、複雑な構造を有し設備の信頼性に改良の余地があり、加えて、設備費用が嵩むものであった。
【0053】
この点、本発明では、部品を取出すロボットアーム22を利用し、部品棚28の回転を兼ねさせるようにした。駆動爪24と第2係止部32により、部品棚28を回転させることが可能となるので、部品台車の内外にモータなどの駆動源や回転機構を設けることなく、部品棚を回転させることが可能となる。
【0054】
部品台車の内外に、専用の駆動手段や回転機構が不要になるので、設備故障の確率が減り設備の信頼性を高めると共に、設備費用を低く抑えることができる。
なお、本実施例では、部品棚28に第2係止部32、32を設けたが、回転支柱27に第2係止部32、32を設けることは差し支えない。
【0055】
図8は部品棚から部品を取出す作用を説明する図であり、ロボットアーム22の先端に設けた把持部材23を、部品棚28に載置されている部品Wに近づけ、部品Wを把持しロボット16で取出すようにした。
【0056】
図1を併せて参照し、この後、必要に応じて部品棚28を回転させ部品を取出すものとし、部品棚28に部品がなくなったところで、第1係止部31に駆動爪24を係合し、部品取出しステージ15からAGV12に部品台車11を移動させる。そして、空になった部品台車を移動させ、部品棚に部品が載置されている次のAGV12を停止ステージ13に移動させ動作の1サイクルが終了する。
【0057】
尚、請求項1では、クリック機構を省略することは差し支えない。また、一方向機構を省略することは差し支えない。
また、本発明は、実施の形態では自動車の組立工程に適用したが、自動車部品、機械部品、その他の一般の電気機械の組立工程に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の部品取出し設備は、自動車用の車体部品、艤装部品の取出し設備に利用すると好適である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係る部品取出し設備の平面図である。
【図2】本発明に係る部品取出し設備の斜視図である。
【図3】本発明に係る部品台車に立設された回転支柱の断面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】本発明に係る部品棚に設けられている第2係止部及びその作用を説明する図である。
【図6】部品台車をAGVから部品取出しステージまで移動させる作用を説明する図である。
【図7】部品棚を回転させ部品をロボット側に臨ませる作用を説明する図である。
【図8】部品棚から部品を取出す作用を説明する図である。
【図9】従来の技術の基本構成を説明する図である。
【符号の説明】
【0060】
10…部品取出し設備、11…部品台車、15…部品取出しステージ、16…ロボット、22…ロボットアーム、27…回転支柱、28…部品棚、31…第1係止部、32…第2係止部、33…保持機構、51…一方向機構、52…クリック機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品台車に部品棚を設け、この部品棚に載置した部品をロボットで取出すようにした部品取出し装置において、
前記部品台車には、鉛直軸方向に回転可能に回転支柱が立てられ、この回転支柱に複数段の部品棚が設けられると共に、前記ロボットアームの先端を係止する第1係止部が設けられ、前記回転支柱又は前記部品棚に、前記ロボットアームの先端を係止する第2係止部が設けられ、前記第1係止部により部品台車を移動させることができ、前記第2係止部により前記回転支柱を回転させることができるようにしたことを特徴とする部品取出し設備。
【請求項2】
前記回転支柱には、所定の回転角度で回転を止めるクリック機構が設けられていることを特徴とする請求項1記載の部品取出し設備。
【請求項3】
前記回転支柱には、回転方向を一定にする一方向機構が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の部品取出し設備。
【請求項4】
前記部品をロボットによって取出す部品取出しステージには、前記部品台車の位置を所定位置に保持する保持機構が設けられていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の部品取出し設備。
【請求項5】
前記部品台車は、AGVに載置して搬送されると共に、前記第1係止部により前記AGVと前記部品取出しステージの間を移動可能に設けられていることを特徴とする請求項2、請求項3又は請求項4記載の部品取出し設備。
【請求項6】
前記第1係止部又は前記第2係止部の少なくともいずれか一方には、前記ロボットアームの動作の座標の原点を兼ねさせていることを特徴とする請求項1、請求項4又は請求項5記載の部品取出し設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−308296(P2008−308296A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−157793(P2007−157793)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】