説明

部品実装装置及び部品実装方法

【課題】安価な構成で吸着ノズルの清掃を行いながら部品実装作業を実行することができる部品実装装置及び部品実装方法を提供することを目的とする。
【解決手段】フィーダベース12のスロット12aに着脱自在に装着され、他のスロット12aに装着されたテープフィーダ13の部品供給口13pに対応する箇所に粘着面23aを上方に向けた粘着テープ23が貼り付けられたノズル清掃具14を備え、吸着ノズル17を粘着テープ23に押し当てて吸着ノズル17に付着した異物を除去する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープフィーダより供給される部品を吸着ノズルにより吸着して基板に装着する部品実装装置及び部品実装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部品実装装置は、部品供給部より供給される部品を吸着ノズルによって吸着し、基板搬送路によって位置決めされた基板に装着する。このような部品実装装置では、吸着ノズルにより部品を吸着して基板に装着する部品実装動作を繰り返し実行する間に吸着ノズルの下端に異物(ごみ)が付着し、部品の正常な吸着が妨げられるようになってくることから、粘着面を上方に向けた粘着テープに吸着ノズルを接触させて吸着ノズルに付着した異物を除去できるようにしたノズル清掃具を備えている。
【0003】
このようなノズル清掃具としては、例えば、部品供給部が部品を収納したキャリヤテープを搬送することによって部品供給口に部品を供給するテープフィーダから成る場合には、テープフィーダが装着されるフィーダベースにテープフィーダと同様にして装着され、キャリヤテープを搬送する要領でテープフィーダの部品供給口に相当する位置に粘着テープを搬送供給するタイプのものが知られている(例えば、特許文献1)。このようなタイプのノズル清掃具では、粘着テープのピッチ送り動作によって粘着テープの粘着面を更新することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4475204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、粘着テープをテープフィーダの部品供給口に相当する位置に搬送供給するタイプのノズル清掃具は、機構が複雑で高価なテープのピッチ送り装置を必要とするため、コスト高になるという問題点があった。
【0006】
そこで本発明は、安価な構成で吸着ノズルの清掃を行いながら部品実装作業を実行することができる部品実装装置及び部品実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の部品実装装置は、基板の搬送及び位置決めを行う基板搬送路と、複数のフィーダ装着部を備えたフィーダベースと、フィーダベースの各フィーダ装着部に着脱自在に装着されて部品供給口に部品を供給する複数のテープフィーダと、各テープフィーダより供給される部品を吸着して基板搬送路によって位置決めされた基板に装着する吸着ノズルと、フィーダベースのフィーダ装着部に着脱自在に装着され、他のフィーダ装着部に装着されたテープフィーダの部品供給口に対応する箇所に粘着面を上方に向けた粘着テープが貼り付けられたノズル清掃具と、テープフィーダより供給される部品を吸着ノズルに吸着させて基板搬送路により位置決めされた基板に装着させる部品実装動作を実行するとともに、部品実装動作を所定回数繰り返した後、吸着ノズルに付着した異物が除去されるように吸着ノズルを粘着テープに押し当てる吸着ノズル制御手段とを備えた。
【0008】
請求項2に記載の部品実装装置は、請求項1に記載の部品実装装置であって、粘着テープは、ノズル清掃具に着脱自在に取り付けられるテープ保持部材に保持されている。
【0009】
請求項3に記載の部品実装装置は、請求項1又は2に記載の部品実装装置であって、吸着ノズルが押し当てられるノズル押し当て箇所が粘着テープ上に複数設定され、吸着ノズル制御手段は、粘着テープに吸着ノズルを押し当てるごとにノズル押し当て箇所を変更する。
【0010】
請求項4に記載の部品実装装置は、請求項3に記載の部品実装装置であって、吸着ノズル制御手段は、粘着テープ上に設定された複数のノズル押し当て箇所の全てに吸着ノズルを押し当てた後、報知器を介して粘着テープの交換を行うべきことをオペレータ報知する。
【0011】
請求項5に記載の部品実装方法は、基板の搬送及び位置決めを行う基板搬送路と、複数のフィーダ装着部を備えたフィーダベースと、フィーダベースの各フィーダ装着部に着脱自在に装着されて部品供給口に部品を供給する複数のテープフィーダと、各テープフィーダより供給される部品を吸着して基板搬送路によって位置決めされた基板に装着する吸着ノズルと、フィーダベースのフィーダ装着部に着脱自在に装着され、他のフィーダ装着部に装着されたテープフィーダの部品供給口に対応する箇所に粘着面を上方に向けた粘着テープが貼り付けられたノズル清掃具とを備えた部品実装装置による部品実装方法であって、テープフィーダより供給される部品を吸着ノズルにより吸着して基板搬送路により位置決めされた基板に装着する部品実装動作を実行する工程と、部品実装動作を所定回数繰り返した後、吸着ノズルを粘着テープに押し当てて吸着ノズルに付着した異物を除去する工程とを含む。
【0012】
請求項6に記載の部品実装方法は、請求項5に記載の部品実装方法であって、粘着テープは、ノズル清掃具に着脱自在に取り付けられるテープ保持部材に保持されている。
【0013】
請求項7に記載の部品実装方法は、請求項5又は6に記載の部品実装方法であって、吸着ノズルを押し当てるノズル押し当て箇所を粘着テープ上に複数設定し、粘着テープに吸着ノズルを押し当てるごとにノズル押し当て箇所を変更する。
【0014】
請求項8に記載の部品実装方法は、請求項7に記載の部品実装方法であって、粘着テープ上に設定した複数のノズル押し当て箇所の全てに吸着ノズルを押し当てた後、報知器を介して粘着テープの交換を行うべきことをオペレータに報知する。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、吸着ノズルを押し当てて吸着ノズルに付着した異物を除去する粘着テープが、フィーダベースのフィーダ装着部に着脱自在に装着されるノズル清掃具に貼り付けられており、粘着テープに吸着ノズルが繰り返し押し当てられて粘着テープを更新する必要が生じた場合には、フィーダベースからノズル清掃具を取り外して粘着テープそのものの交換を行うようになっているので、安価な構成で吸着ノズルの清掃を行いながら部品実装作業を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態における部品実装装置の構成図
【図2】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える部品供給部の斜視図
【図3】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備えるノズル清掃具の斜視図
【図4】本発明の一実施の形態における部品実装装置が備えるノズル清掃具の部分拡大斜視図
【図5】本発明の一実施の形態における部品実装装置が実行する部品実装方法の実行手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1において部品実装装置1は、図示しない上流工程側の装置(例えば半田印刷機や他の部品実装装置)から送られてきた基板2の搬入及び位置決め、位置決めした基板2の電極3上への部品(電子部品)4の装着及び部品4を装着した基板2の下流工程側の装置(例えば他の部品実装装置や検査機、リフロー炉等)への搬出から成る一連の動作を繰り返し実行する装置である。
【0018】
図1において部品実装装置1は、図示しない基台上に設けられて基板2の搬送及び所定の作業位置(図1に示す位置)への位置決めを行う基板搬送路11、基台上に設けられたフィーダベース12に装着された部品供給部としての複数のテープフィーダ13、同じくフィーダベース12に装着されたノズル清掃具14、基台上に設けられた直交座標型のヘッド移動ロボット15、ヘッド移動ロボット15によって水平面内で移動される装着ヘッド16、各装着ヘッド16に昇降自在かつ上下軸回りに回転自在に設けられた吸着ノズル17、装着ヘッド16に設けられた基板カメラ18及び基台上に設けられた部品カメラ19を備えている。
【0019】
図1において、基板搬送路11は水平方向に延びて設けられた一対のベルトコンベアから成り、基板2の両端部を下方から支持した状態で基板2の搬送を行う。
【0020】
図1及び図2(a),(b)において、フィーダベース12には基板搬送路11による基板2の搬送方向と直交する水平面内方向に互いに平行に延びて設けられた複数のスロット12a(フィーダ装着部)が設けられており、各スロット12aのうちのひとつにノズル清掃具14が装着され、他のスロット12aにテープフィーダ13が装着されている。
【0021】
各テープフィーダ13は、図2(b)に示すように、下部に設けられたスロット挿入部13aをスロット12aに挿入して装着され、基板搬送路11側の端部に設けられた部品供給口13pに部品4を連続的に供給する。
【0022】
ノズル清掃具14は、図2(b)及び図3(a),(b)に示すように、下部に設けられたスロット挿入部20aをスロット12aに挿入して装着される基部20と、基部20に設けられた複数の支柱21によって支持されたテープ保持部材支持部22と、テープ保持部材支持部22の上面のテープ保持部材取り付け領域22a(図3(b))に取り付けられ、粘着面23aを上方に向けた粘着テープ23を保持した(粘着テープ23が貼り付けられた)プレート状のテープ保持部材24と、テープ保持部材取り付け領域22aに取り付けられたテープ保持部材24をテープ保持部材取り付け領域22a内に固定する固定スライダ25から成る。
【0023】
ここで、テープ保持部材取り付け領域22aは、ノズル清掃具14が仮にテープフィーダ13であった場合に、フィーダベース12に取り付けられた状態でテープフィーダ13の部品供給口13pとなる箇所に形成されている。すなわちノズル清掃具14は、フィーダベース12のスロット12aに着脱自在に装着され、他のスロット12aに装着されたテープフィーダ13の部品供給口13pに対応する箇所に粘着面23aを上方に向けた粘着テープ23が貼り付けられたものとなっている。
【0024】
図1において、装着ヘッド16に設けられた吸着ノズル17は各テープフィーダ13により供給される部品4を真空吸着してピックアップし、基板搬送路11によって位置決めされた基板2の電極3上で部品4の真空吸着を解除し、部品4を吸着ノズル17から離脱させることによって部品4を基板2に装着する。
【0025】
図1において、基板カメラ18は撮像視野を下方に向けており、基板2が基板搬送路11によって作業位置に位置決めされたとき、基板2上に設けられた基板2の位置検出用の基板マーク2mを上方から撮像する。
【0026】
図1において、各部品カメラ19は撮像視野を上方に向けており、吸着ノズル17によって吸着され、装着ヘッド16の移動によって撮像視野内に位置された部品4を下方から撮像する。
【0027】
基板搬送路11による基板2の搬送及び作業位置への位置決め動作は、部品実装装置1が備える制御装置30(図1)が図示しないアクチュエータから成る基板搬送路駆動機構31(図1)の作動制御を行うことによってなされる。
【0028】
各テープフィーダ13による部品供給口13pへの部品4の供給は、制御装置30が図示しないアクチュエータ等から成るテープフィーダ駆動機構32(図1)の作動制御を行うことによってなされる。
【0029】
装着ヘッド16の水平面内方向への移動動作は、制御装置30がヘッド移動ロボット15を作動させるロボット駆動機構33(図1)の作動制御を行うことによってなされる。
【0030】
吸着ノズル17の装着ヘッド16に対する昇降及び上下軸回りの回転動作は、制御装置30が図示しないアクチュエータ等から成るノズル駆動機構34(図1)の作動制御を行うことによってなされ、各吸着ノズル17による部品4の吸着(ピックアップ)及び吸着解除(基板2への装着)動作は、制御装置30が図示しないアクチュエータ等から成る吸着機構35(図1)の作動制御を行って吸着ノズル17内に真空圧を供給し、また真空圧の供給を解除することによってなされる。
【0031】
基板カメラ18の撮像動作制御と部品カメラ19の撮像動作制御は、制御装置30によってなされる(図1)。基板カメラ18の撮像動作によって得られた画像データ及び部品カメラ19の撮像動作によって得られた画像データはそれぞれ制御装置30に送られ、制御装置30の画像認識部30a(図1)において画像認識処理される。
【0032】
制御装置30は、吸着ノズル17により部品4を吸着して基板2に装着する部品実装動作(実装ターン)を所定回数(例えば50回)実行した後は、吸着ノズル17をノズル清掃具14のテープ保持部材24に保持された(貼り付けられた)粘着テープ23の粘着面23aに押し当てることによって、吸着ノズル17の下端に付着した異物(ごみ)を除去する吸着ノズル17の清掃を行う。
【0033】
図3(a)において、ノズル清掃具14のテープ保持部材支持部22の基板搬送路11に近い側の一端部には1つの端部プレート22bと2つの側部プレート22cが設けられており、これら端部プレート22b及び側部プレート22cによって三方が囲まれた領域がテープ保持部材取り付け領域22aとなっている。
【0034】
図3(a)において、固定スライダ25は、中央部に設けられた長孔25mがテープ保持部材支持部22の上面に設けられた複数の螺子25sによって支持されており、テープ保持部材取り付け領域22aに取り付けられたテープ保持部材24を端部プレート22bに押し付けてテープ保持部材24の固定を行う固定位置(図3(a))と、テープ保持部材24の端部プレート22bへの押し付けを解除してテープ保持部材取り付け領域22aからのテープ保持部材24の取り外し及びテープ保持部材取り付け領域22aへのテープ保持部材24の取り付けを可能にする固定解除位置(図3(b))との間でスライド自在になっている。
【0035】
図4において、粘着テープ23の粘着面23aには複数の吸着ノズル17の押し当て箇所ARが設定されており、制御装置30の押し当て箇所記憶部30b(図1)には、粘着テープ23を上面に備えたテープ保持部材24がテープ保持部材支持部22のテープ保持部材取り付け領域22aに取り付けられた状態における各押し当て箇所ARの位置座標が記憶されている。なお、図4に示す吸着ノズル17の押し当て箇所ARの配置は一例に過ぎず、押し当て箇所ARの配置は特に限定はされず、任意である。
【0036】
制御装置30は、吸着ノズル17をノズル清掃具14の粘着テープ23に押し当てて吸着ノズル17の清掃を行うときは、押し当て箇所記憶部30bに記憶された複数の押し当て箇所ARから選択したひとつの押し当て箇所ARを読み出してその押し当て箇所ARに吸着ノズル17を押し当て、次に吸着ノズル17を粘着テープ23に押し当てるときには、前回とは異なる押し当て箇所ARを選択して読み出すようにする。
【0037】
これにより、吸着ノズル17は粘着テープ23の粘着面23aの常に新しい領域に押し当てられることになり、吸着ノズル17が押し当てられて粘着テープ23に付着した(吸着ノズル17から除去された)異物が再び吸着ノズル17に付着してしまうことを防止することができる。
【0038】
制御装置30は、押し当て箇所記憶部30bに記憶された全ての押し当て箇所ARに吸着ノズル17を押し当てた後は、制御装置30に繋がる報知器36の作動制御を行って、部品実装装置1のオペレータ(図示せず)に粘着テープ23の交換を行うべきことの(粘着テープ23の交換を促す)報知を行う。具体的には、報知器36が音声を発するタイプのものであれば報知器36に音声メッセージを出力させることによって、また、報知器36が画像表示を行うタイプのものであれば、報知器36に文字メッセージを出力させることによって上記報知を行う。これによりオペレータは適切な時期に粘着テープ23の交換作業を行うことができる。
【0039】
このように制御装置30は、テープフィーダ13より供給される部品4を吸着ノズル17に吸着させて基板搬送路11により位置決めされた基板に装着させる部品実装動作を実行するとともに、部品実装動作を所定回数繰り返した後、吸着ノズル17に付着した異物が除去されるように吸着ノズル17を粘着テープ23に押し当てる吸着ノズル制御手段として機能する。また制御装置30は、粘着テープ23上に設定された複数のノズル押し当て箇所ARの全てに吸着ノズル17が押し当てた後、報知器36を介して粘着テープ23の交換を行うべきことをオペレータに報知する機能を有する。
【0040】
オペレータは、粘着テープ23を交換するときは、先ず、ノズル清掃具14をフィーダベース12のスロット12aから引き抜いたうえで、固定スライダ25を固定解除位置の側にスライドさせ(図3(b)中に示す矢印A)、テープ保持部材支持部22上のテープ保持部材取り付け領域22aからテープ保持部材24を取り外す(図3(b)中に示す矢印B)。そして、テープ保持部材24に貼り付けられている粘着テープ23を剥がして新しい粘着テープ23をテープ保持部材24に貼り付ける。オペレータは、テープ保持部材24に新たしい粘着テープ23を貼り付けたら、テープ保持部材24をテープ保持部材支持部22上のテープ保持部材取り付け領域22aに取り付け、固定スライダ25を固定解除位置から固定位置にスライドさせる。これにより粘着テープ23の交換が終了する。
【0041】
次に、図5のフローチャートを用いて本実施の形態における部品実装装置1による部品実装方法の実行手順を示す。これには制御装置30は先ず、基板搬送路11を作動させて、上流工程側の装置から送られてきた基板2を受け取って搬入し、所定の作業位置に位置決めする(図5に示すステップST1)。
【0042】
制御装置30は、基板搬送路11によって基板2を作業位置に位置決めしたら、その基板2の上方に基板カメラ18を(装着ヘッド16を)移動させ、基板カメラ18に基板2に設けられた基板マーク2mの撮像を行わせて画像認識を実行し、基板搬送路11上の基板2の正規の位置からの位置ずれを算出する(図5に示すステップST2)。
【0043】
制御装置30は、ステップST2で基板2の位置ずれを算出したら、ロボット駆動機構33の作動制御を行ってヘッド移動ロボット15を作動させ、装着ヘッド16をテープフィーダ13の上方に移動させる。そして、ノズル駆動機構34の作動制御を行って、吸着ノズル17をテープフィーダ13の部品供給口13pに供給された部品4に接触させるとともに、吸着機構35の作動制御を行うことによって吸着ノズル17への真空圧の供給を行い、吸着ノズル17に部品4を吸着(ピックアップ)させる(図5に示すステップST3)。
【0044】
制御装置30は、吸着ノズル17に部品4を吸着させたら、その部品4が部品カメラ19の上方を通過するように装着ヘッド16を移動させ、部品カメラ19に部品4の撮像を行わせて画像認識を実行する(図5に示すステップST4)。そして、その画像認識の結果に基づいて部品4の異常(変形や欠損など)の有無の検査を行うとともに部品4の吸着ノズル17に対する位置を把握し、部品4の吸着ノズル17に対する位置ずれ(吸着ずれ)を算出する(図5に示すステップST5)。
【0045】
制御装置30は、部品4の吸着ずれを算出したら、ヘッド移動ロボット15の作動制御を行って、吸着ノズル17に吸着させた部品4が基板2の上方に位置するように装着ヘッド16を移動させる。そして、ノズル駆動機構34の作動制御を行って、吸着した部品4を基板2上の電極3(この電極3上には、部品実装装置1の上流工程側に配置された半田印刷機によって半田が印刷されている)に接触させるとともに、吸着機構35の作動制御を行うことによって吸着ノズル17への真空圧の供給を解除し、部品4を基板2に装着する(図5に示すステップST6)。
【0046】
ここで制御装置30は、ステップST6で部品4を基板2に装着するときには、ステップST2で求めた基板2の位置ずれと、ステップST5で求めた部品4の吸着ずれが修正されるように、基板2に対する吸着ノズル17の位置補正(回転補正を含む)を行う。
【0047】
制御装置30はステップST6で部品4を基板2装着したら、基板2に装着すべき全ての部品4を基板2に装着し終わったかどうかの判断を行う(図5に示すステップST7)。その結果、基板2に装着すべき全ての部品4を基板2に装着し終わっていないと判断した場合には、次いで、吸着ノズル17の清掃を行うことなく所定回数連続で基板2に部品4を装着したか否かの判断を行う(図5に示すステップST8)。その結果、吸着ノズル17の清掃を行うことなく所定回数連続で基板2に部品4を装着していた場合には、制御装置30は、吸着ノズル17を(装着ヘッド16を)ノズル清掃具14の上方に移動させ、吸着ノズル17をノズル清掃具14の粘着テープ23に上方から押し当てて吸着ノズル17の清掃を行う(図5に示すステップST9)。このとき制御装置30は、前述したように、粘着テープ23上に設定された複数の吸着ノズル17の押し当て箇所ARのうちから選択したひとつに吸着ノズル17を押し当てる。
【0048】
制御装置30は、ステップST9で吸着ノズル17の清掃を行ったら、粘着テープ23上に設定された複数の吸着ノズル17の押し当て箇所ARの全てについて吸着ノズル17の押し当てを行ったか(全ての押し当て箇所ARを使用したか)否かの判断を行う(図5に示すステップST10)。その結果、全ての押し付け箇所ARに吸着ノズル17の押し当てを行った場合には、制御装置30は、報知器36の作動制御を行って、オペレータに粘着テープ23の交換を行うべきことの報知を行う(図5に示すステップST11)。オペレータは、報知器36によって粘着テープ23の交換を行うべきことの報知がなされたら、速やかに前述の要領で粘着テープ23の交換を行う。
【0049】
制御装置30は、ステップST11で粘着テープ23の交換を行うべきことの報知を行った場合、或いはステップST10で全ての押し付け箇所ARに吸着ノズル17の押し当てを行っていなかった場合、また或いは、ステップST8で吸着ノズル17の清掃を行うことなく所定回数連続で基板2に部品4を装着していなかった場合にはステップST3に戻り、ステップST3〜ステップST6の部品実装動作を実行する。そして、制御装置30は、ステップST7で、基板2に装着すべき全ての部品4を基板2に装着し終わったと判断した場合には、基板搬送路11によって基板2を下流工程側の装置に搬出する(図5に示すステップST12)。
【0050】
このように、本実施の形態における部品実装装置1及び部品実装装置1による部品実装方法では、吸着ノズル17を押し当てて吸着ノズル17に付着した異物を除去する粘着テープ23が、フィーダベース12のスロット12a(フィーダ装着部)に着脱自在に装着されるノズル清掃具14に貼り付けられており、粘着テープ23に吸着ノズル17が繰り返し押し当てられて粘着テープ23を更新(粘着テープ23の粘着面23aを更新)する必要が生じた場合には、フィーダベース12からノズル清掃具14を取り外して粘着テープ23そのものの交換を行うようになっているので、安価な構成で吸着ノズル17の清掃を行いながら部品実装作業を実行することができる。
【0051】
しかも、本実施の形態では、粘着テープ23は、ノズル清掃具14に着脱自在に取り付けられたテープ保持部材24に貼り付けられており、粘着テープ23の交換作業を、予め粘着テープ23が貼り付けられたテープ保持部材24の交換作業に置き換えることができるので、粘着テープ23の交換を迅速に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
安価な構成で吸着ノズルの清掃を行いながら部品実装作業を実行することができる部品実装装置及び部品実装方法を提供する。
【符号の説明】
【0053】
1 部品実装装置
2 基板
4 部品
11 基板搬送路
12 フィーダベース
12a スロット(フィーダ装着部)
13 テープフィーダ
13p 部品供給口
14 ノズル清掃具
17 吸着ノズル
23 粘着テープ
23a 粘着面
24 テープ保持部材
30 制御装置(吸着ノズル制御手段)
36 報知器
AR ノズル押し当て箇所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の搬送及び位置決めを行う基板搬送路と、
複数のフィーダ装着部を備えたフィーダベースと、
フィーダベースの各フィーダ装着部に着脱自在に装着されて部品供給口に部品を供給する複数のテープフィーダと、
各テープフィーダより供給される部品を吸着して基板搬送路によって位置決めされた基板に装着する吸着ノズルと、
フィーダベースのフィーダ装着部に着脱自在に装着され、他のフィーダ装着部に装着されたテープフィーダの部品供給口に対応する箇所に粘着面を上方に向けた粘着テープが貼り付けられたノズル清掃具と、
テープフィーダより供給される部品を吸着ノズルに吸着させて基板搬送路により位置決めされた基板に装着させる部品実装動作を実行するとともに、部品実装動作を所定回数繰り返した後、吸着ノズルに付着した異物が除去されるように吸着ノズルを粘着テープに押し当てる吸着ノズル制御手段とを備えたことを特徴とする部品実装装置。
【請求項2】
粘着テープは、ノズル清掃具に着脱自在に取り付けられるテープ保持部材に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
吸着ノズルが押し当てられるノズル押し当て箇所が粘着テープ上に複数設定され、吸着ノズル制御手段は、粘着テープに吸着ノズルを押し当てるごとにノズル押し当て箇所を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の部品実装装置。
【請求項4】
吸着ノズル制御手段は、粘着テープ上に設定された複数のノズル押し当て箇所の全てに吸着ノズルを押し当てた後、報知器を介して粘着テープの交換を行うべきことをオペレータ報知することを特徴とする請求項3に記載の部品実装装置。
【請求項5】
基板の搬送及び位置決めを行う基板搬送路と、複数のフィーダ装着部を備えたフィーダベースと、フィーダベースの各フィーダ装着部に着脱自在に装着されて部品供給口に部品を供給する複数のテープフィーダと、各テープフィーダより供給される部品を吸着して基板搬送路によって位置決めされた基板に装着する吸着ノズルと、フィーダベースのフィーダ装着部に着脱自在に装着され、他のフィーダ装着部に装着されたテープフィーダの部品供給口に対応する箇所に粘着面を上方に向けた粘着テープが貼り付けられたノズル清掃具とを備えた部品実装装置による部品実装方法であって、
テープフィーダより供給される部品を吸着ノズルにより吸着して基板搬送路により位置決めされた基板に装着する部品実装動作を実行する工程と、
部品実装動作を所定回数繰り返した後、吸着ノズルを粘着テープに押し当てて吸着ノズルに付着した異物を除去する工程とを含むことを特徴とする部品実装方法。
【請求項6】
粘着テープは、ノズル清掃具に着脱自在に取り付けられるテープ保持部材に保持されていることを特徴とする請求項5に記載の部品実装方法。
【請求項7】
吸着ノズルを押し当てるノズル押し当て箇所を粘着テープ上に複数設定し、粘着テープに吸着ノズルを押し当てるごとにノズル押し当て箇所を変更することを特徴とする請求項5又は6に記載の部品実装方法。
【請求項8】
粘着テープ上に設定した複数のノズル押し当て箇所の全てに吸着ノズルを押し当てた後、報知器を介して粘着テープの交換を行うべきことをオペレータに報知すること特徴とする請求項7に記載の部品実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−199352(P2012−199352A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61970(P2011−61970)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】