説明

部品管理装置及び部品管理方法

【課題】生産ラインに対して部品の適切な移動を作業者に指示することで生産性を向上させることが出来る部品管理装置を提供する。
【解決手段】部品管理装置10であって、記憶部130は、複数の生産計画と、生産計画で使用される複数の部品から構成される部品群を識別する系統情報とを含む生産計画情報と、系統情報で識別される部品群に残存する残存部品を示す情報を含むライン過剰部品数情報と、生産計画ごとのプリント基板の生産に使用される使用部品を示す情報を含む部品構成情報とを記憶しており、部品管理装置10は、系統情報が定められている生産計画の実行後のライン過剰部品数情報に含まれる情報で示される系統情報ごとの残存部品と、系統情報が定められていない生産計画である新規計画における部品構成情報に含まれる情報で示される使用部品との共有率を用いて、新規計画での系統情報を決定する系統設定部103を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板に装着される部品を管理する部品管理装置及び部品管理方法に関し、特に、各種プリント基板の生産計画に応じて生産ラインに供給される部品を管理する部品管理装置及び部品管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、部品装着装置は、従来の部品配置部が稼動するロータリー方式から、部品配置部が固定式であるモジュラー方式に移行が進んでいる。モジュラー化された部品装着装置の部品配置部は、台車構造になっており、多種多様に部品を台車単位で一括交換できる機能を持つようになってきている。また、高機能化が進んでおり、1台の部品装着装置で多種多様な部品に対応することが出来るようになってきている。この部品装着装置の部品配置部に供給される部品を管理する部品管理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、部品管理装置は、生産対象となるプリント基板に装着される各部品の品番と員数とを特定する。そして、特定した各部品の品番と員数とから、生産対象となるプリント基板を台数分生産するにあたって必要となる各部品の数量を特定する。そして、生産ラインに設置されたカセットから供給される部品以外に、倉庫に収納されている部品も含めて、特定した各部品の数量を確保することができるか否かを判定する。判定した結果、特定した各部品の数量を確保することができる場合には、リール単位で、各部品の所在のリストを作成する。一方、特定した各部品の数量を確保することができない場合には、確保することができなかった部品のリストを作成する。
【0004】
このように、部品管理装置は、生産ラインに設置されたカセットから供給される部品を流用することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−182731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、機種切り替え時間のうち、前機種から次機種への部品交換時間が大きな比重を占める。機種切り替え時間を短縮し、設備の生産性を高める為には、部品交換時間を短縮する必要がある。
【0007】
部品の交換方法には大きく2種類存在する。ひとつ目(交換方法1)は、前機種で使用した部品のうち、次機種でも使用する共通部品については、前機種から流用し、次機種のみで使用する部品のみを倉庫から出庫する方法である。特に複数機種で共通に使われる部品については、複数機種において同じ部品配置位置(配列)とすることで、部品交換時間の短縮を図ってきた。
【0008】
もう一方(交換方法2)は、次機種の部品を前機種が生産中に全て外段取り化しておき、前機種の生産完了後一括交換することで部品交換する方法である。一括交換された前機種の部品は、倉庫に全て返庫されることになる。この外段取り化の方法は、先に説明した方法より部品交換時間が短いが、部品準備としては、前機種と次機種の共通部品も、次機種の専用部品も同様に全部品を準備する必要がある為、部品準備の工数が増加することになる。
【0009】
したがって、前機種からの部品流用が多い次機種の時は、交換方法1で部品交換を行い、流用する部品が少ない時は、交換方法2で部品交換を行うのが一般的である。
【0010】
従来の部品管理装置では、交換方法1(生産ラインに設置されたカセットから供給される部品を流用する設定)をとるか。交換方法2(流用しない設定)をとるかを切り替えることで、それぞれの運用を実現することが可能であった。
【0011】
しかしながら、たとえば、次々機種が前機種と流用する部品が多い場合、前機種と次機種について一括交換を行い、次機種と次々機種についてさらに一括交換すると、前機種の部品を倉庫に戻してすぐにまた倉庫から次次機種の為に部品を出庫する必要が発生し、部品供給に無駄な工数が使用されるという課題を有していた。
【0012】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、生産ラインに対して部品の適切な移動を作業者に指示することで、生産性を向上させることが出来る部品管理装置及び部品管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る部品管理装置は、プリント基板を生産する生産計画に応じて、記憶部に記憶されている情報を用いて、生産ラインに供給される部品を管理する部品管理装置であって、前記記憶部は、複数の前記生産計画と、それぞれの前記生産計画ごとに定められる情報であり、前記生産計画で使用される複数の前記部品から構成される部品群を識別する情報である系統情報とを含む生産計画情報と、前記系統情報ごとの、前記生産計画の実行後に前記系統情報で識別される部品群に残存する部品である残存部品を示す残存部品情報を含むライン過剰部品数情報と、前記生産計画ごとの前記プリント基板の生産に使用される部品である使用部品を示す使用部品情報を含む部品構成情報とを記憶しており、前記部品管理装置は、前記生産計画情報に含まれる複数の生産計画のうち系統情報が定められている生産計画の実行後の前記ライン過剰部品数情報に含まれる前記残存部品情報で示される前記系統情報ごとの残存部品と、前記複数の生産計画のうち系統情報が定められていない生産計画である新規計画における前記部品構成情報に含まれる前記使用部品情報で示される使用部品との共通度合いを示す共有率を用いて、前記新規計画で使用される部品群を示す系統情報を決定する系統設定部を備える。
【0014】
これによれば、部品管理装置は、系統情報が定められている生産計画の実行後の系統情報ごとの残存部品と、系統情報が定められていない新規計画における使用部品との共有率を用いて、新規計画における系統情報を決定する。ここで、系統情報とは、生産計画で使用される複数の部品から構成される部品群を識別する情報であり、生産ラインで生産に使用される部品の生産終了時の残数を次の生産に引き継ぐ流れを示す情報である。このように、生産ラインの部品をその流れ(系統)ごとに管理することで、連続していないプリント基板の機種に関しても、以前の機種の生産残部品を利用することが可能となる。つまり現場の残部品を系統ごとに分けて保管しておき、新規で生産計画を実行する際には、部品を集める時間が最も短縮できる系統を選択し、その残部品を流用することが出来る。なお、プリント基板の機種切り替えとしては、次機種が、現生産機種の系統と流用度が高ければ、その少ない差分だけの交換で機種切り替えは完了し、次機種が現生産機種の系統と流用度が低ければ、流用度の高い別の系統の残材料を流用した外段取りを現生産機種の生産中に実施することができる。このように、生産ラインに対して部品の適切な移動を作業者に指示することで、部品供給時間の短縮と機種切り替え時間の短縮による生産性の向上の両立を実現することができる。
【0015】
また、好ましくは、前記記憶部は、前記生産ラインに在庫されている部品であるライン在庫部品を示すライン在庫部品情報と、前記ライン在庫部品の数とを含む在庫情報を、さらに記憶しているとともに、前記生産計画で生産されるプリント基板の機種と、当該プリント基板の数とをさらに含む前記生産計画情報と、前記残存部品ごとの前記残存部品の数をさらに含む前記ライン過剰部品数情報と、前記使用部品情報としての前記プリント基板の機種ごとの前記使用部品を示す情報と、前記使用部品の数を示す情報とをさらに含む前記部品構成情報とを記憶しており、前記系統設定部は、前記生産計画情報と前記部品構成情報とを用いて、前記系統情報が定められている生産計画で使用される前記使用部品の数を算出し、算出した前記使用部品の数と前記在庫情報とを用いて、前記系統情報が定められている生産計画の実行後の前記残存部品の数を算出して前記ライン過剰部品数情報を作成し、作成した前記ライン過剰部品数情報を用いて、前記新規計画で使用される部品群を示す前記系統情報を決定する。
【0016】
これによれば、系統設定部は、生産計画情報と部品構成情報と在庫情報とを用いて、系統情報が定められている生産計画の実行後のライン過剰部品数情報を作成し、当該ライン過剰部品数情報を用いて、新規計画での系統情報を決定する。このため、部品管理装置は、記憶部に記憶されている情報を用いることで、新規計画での系統情報を決定することができ、決定した当該系統情報を用いて、生産ラインに対して部品の適切な移動を作業者に指示することで、生産性を向上させることが出来る。
【0017】
また、好ましくは、前記記憶部は、さらに、倉庫に存在する部品である倉庫部品を示す倉庫部品情報と、前記倉庫部品を供給する部品群を示す系統情報とを含むピッキング情報を記憶しており、前記部品管理装置は、さらに、前記系統設定部が系統情報を決定した前記新規計画で使用される部品である新規部品を前記倉庫からピッキングするための前記ピッキング情報を作成する材料引当計算部を備え、前記材料引当計算部は、前記新規計画における前記生産計画情報と前記部品構成情報とを用いて、前記新規部品を示す情報である新規部品情報を計算し、前記新規部品情報と、前記生産計画の実行後の前記ライン過剰部品数情報に含まれる、前記新規計画における系統情報での前記残存部品情報とを用いて、前記倉庫から前記生産ラインに供給する部品であるピッキング部品を示すピッキング部品情報を計算し、前記ピッキング部品情報で示される前記ピッキング部品の数が前記倉庫部品の数よりも多い場合、欠品情報を出力し、前記ピッキング部品の数が前記倉庫部品の数以下の場合、当該倉庫部品を示す倉庫部品情報に、前記新規計画における系統情報と同一の系統情報が付与された前記ピッキング情報を作成する。
【0018】
これによれば、材料引当計算部は、新規計画における生産計画情報と部品構成情報とライン過剰部品数情報とを用いて、ピッキング部品を示すピッキング部品情報を計算し、ピッキング部品の数と倉庫部品の数とを比較して、倉庫部品情報に系統情報が付与されたピッキング情報を作成する。このように、部品管理装置は、記憶部に記憶されている情報を用いることで、系統情報が付与されたピッキング情報を作成することができ、作成したピッキング情報を用いて作業者にピッキングを指示することができる。このため、生産ラインに対して部品の適切な移動を作業者に指示することで、生産性を向上させることができる。
【0019】
また、好ましくは、前記記憶部は、さらに、倉庫に存在する部品である倉庫部品を示す倉庫部品情報と、前記倉庫部品を供給する部品群を示す系統情報とを含む在庫情報を記憶しており、前記部品管理装置は、さらに、所定の系統情報で示される部品群に所定の倉庫部品を供給するためのピッキング情報に従って行われたピッキング実績に基づいて、前記所定の倉庫部品を示す倉庫部品情報に、前記所定の系統情報と同一の系統情報が付与された前記在庫情報を作成するピッキング部を備える。
【0020】
これによれば、部品管理装置は、ピッキング実績に基づいて、所定の倉庫部品を示す倉庫部品情報に所定の系統情報が付与された在庫情報を作成する。これにより、在庫情報を系統ごとに管理することができ、当該在庫情報を用いて、生産ラインに対して部品の適切な移動を作業者に指示することで、生産性を向上させることができる。
【0021】
なお、本発明は、このような部品管理装置として実現することができるだけでなく、当該部品管理装置に含まれる処理部が行う特徴的な処理をステップとする部品管理方法としても実現することができる。また、部品管理方法に含まれる特徴的な処理をコンピュータに実行させるプログラムや集積回路として実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る部品管理装置によれば、生産ラインに対して部品の適切な移動を作業者に指示することで生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態における部品管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における部品情報マスタの一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における部品構成マスタの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における生産計画情報の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における在庫情報の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるライン過剰部品数情報の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるピッキング情報の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における部品管理装置が行う処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態における系統設定部が新規計画の系統を設定する処理の一例を示すフローチャートである。
【図10A】本発明の実施の形態における系統設定部が新規計画の系統を設定する処理を説明するための図である。
【図10B】本発明の実施の形態における系統設定部が新規計画の系統を設定する処理を説明するための図である。
【図10C】本発明の実施の形態における系統設定部が新規計画の系統を設定する処理を説明するための図である。
【図10D】本発明の実施の形態における系統設定部が新規計画の系統を設定する処理を説明するための図である。
【図11】本発明の実施の形態における材料引当計算部が行う材料引当計算及びピッキング情報作成の処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態におけるピッキング部がピッキング作業を行う処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
<全体構成について>
図1は、本発明の実施の形態における部品管理装置10の機能構成を示すブロック図である。
【0026】
同図に示すように、部品管理装置10は、生産計画作成装置110から生産計画情報を取得するとともに、生産実績収集装置120から生産実績情報を取得して、各種プリント基板を生産する生産計画に応じて生産ラインに供給される部品を管理する装置である。
【0027】
ここで、生産計画作成装置110は、例えば、スケジューリングシステムであり、生産ラインごとの生産順序などの生産計画を示す情報である生産計画情報を作成する。また、生産実績収集装置120は、例えば、MES(Manufacturing Execution System)であり、生産ラインごとの生産実績を示す情報である生産実績情報を収集する。
【0028】
また、部品管理装置10は、例えばコンピュータにより構成され、材料管理部100及び記憶部130を備えている。材料管理部100は、生産計画入力部101、ピッキング情報作成部102、在庫入力部105、ピッキング部106、生産実績入力/材料消費計算部107、返庫計算部108、及びマスタ入力部109を備えている。また、記憶部130は、部品情報マスタ131、部品構成マスタ132、生産計画情報133、在庫情報134、ライン過剰部品数情報135及びピッキング情報136を記憶しているメモリである。
【0029】
生産計画入力部101は、生産計画作成装置110が作成した生産計画情報を入力し、取得した生産計画情報を、記憶部130の生産計画情報133に登録する。
【0030】
ピッキング情報作成部102は、系統設定部103と材料引当計算部104とを備えている。
【0031】
系統設定部103は、新規計画の系統を設定する。具体的には、系統設定部103は、新規計画の系統の番号である系統番号を決定し、決定した系統番号を記憶部130に書き込むことで、記憶部130の生産計画情報133を更新する。
【0032】
ここで、系統とは、生産ラインで生産に使用する部品の生産終了時の残数を次の生産に引き継ぐ流れのことである。つまり、次の計画のピッキング材料計算時に、同じ系統番号を持つ生産完了計画の残部品及び残数を引当てて、足りない分を倉庫から出庫するよう計算することになる。同じ系統番号が無い場合は、全て倉庫から出庫するよう計算することになる。
【0033】
材料引当計算部104は、記憶部130に記憶されている生産計画情報133を参照して、必要な部品とその数量、また倉庫からピッキングすべき部品とその数量を決定し、決定した部品とその数量を記憶部130のピッキング情報136に登録する。
【0034】
在庫入力部105は、新たに倉庫に入庫される部品について、部品の品番、残数などを、例えばコンピュータの画面を介して入力し、入力された情報を、記憶部130の在庫情報134に登録する。
【0035】
ピッキング部106は、作業者が実際に倉庫から部品をピッキングする作業を支援する処理部である。ピッキング部106は、記憶部130に記憶されているピッキング情報136を参照して当該支援を行い、作業者によってピッキングが行われるごとに、記憶部130の在庫情報134とピッキング情報136とを更新登録する。
【0036】
生産実績入力/材料消費計算部107は、ピッキングされた部品をもとに生産が進捗された際に、生産実績収集装置120で収集された生産実績情報を入力し、消費部品とその数量とを計算し、記憶部130の生産計画情報133、在庫情報134及びピッキング情報136を更新する。
【0037】
返庫計算部108は、生産が終了した後に、生産ラインで不必要な部品を計算し、当該不必要な部品を倉庫に戻したことを登録する処理部であり、記憶部130の在庫情報134を更新する。
【0038】
マスタ入力部109は、部品情報及びプリント基板の部品構成情報について、例えばコンピュータの画面から入力し、入力された情報を、記憶部130の部品情報マスタ131、部品構成マスタ132に登録する。
【0039】
次に、記憶部130が記憶している部品情報マスタ131、部品構成マスタ132、生産計画情報133、在庫情報134、ライン過剰部品数情報135及びピッキング情報136について、詳細に説明する。
【0040】
<部品情報マスタ131>
図2は、本発明の実施の形態における部品情報マスタ131の一例を示す図である。
【0041】
部品情報マスタ131は、部品情報を示すデータの集まりである。ここで、部品情報は、プリント基板にマウントされる部品に関する情報であり、部品情報マスタ131には、部品品番、部品名称、棚番、梱包数、メーカ名、ピッチ、巾を示す情報が含まれる。また、当該情報は、部品品番ごとに登録されている。
【0042】
ここで、部品品番は、部品固有の番号であり、プリント基板の生産に使用される部品である使用部品を示す使用部品情報の呼称である。部品名称は、部品の種類を判別できる名称である。棚番は、倉庫内での置き場所を示す情報である。梱包数は、新規に購入された時の部品の入り数である。メーカ名は、製造元の企業名である。ピッチは、部品がリール形状の部品である場合に、部品が封じされている間隔である。巾は、当該リールの巾である。
【0043】
<部品構成マスタ132>
図3は、本発明の実施の形態における部品構成マスタ132の一例を示す図である。
【0044】
部品構成マスタ132は、部品構成情報を示すデータの集まりである。ここで、部品構成情報は、プリント基板を生産するのに必要な部品の品番と員数の情報であり、生産計画ごとのプリント基板の生産に使用される部品である使用部品を示す使用部品情報を含む。つまり、部品構成情報は、当該使用部品情報としてのプリント基板の機種ごとの使用部品を示す情報と、使用部品の数を示す情報とを含む。
【0045】
具体的には、部品構成マスタ132には、機種、面、Ver、ライン、設備、レーン、部品品番及び員数を示す情報が含まれる。また、当該情報は、機種、面、Ver、ライン、設備、レーンごとに登録されている。
【0046】
ここで、機種は、生産されるプリント基板固有の番号であり、呼称である。面は、機種の表面か、裏面かを判別するための情報である。Verは、部品構成の改版にともなう部品品番、員数の違いを判別するバージョン情報である。ラインは、生産ラインのことである。設備は、生産設備のことである。レーンは、設備のフィーダ番号のことである。部品品番は、部品固有の番号、つまりプリント基板の機種ごとのプリント基板の生産に使用される部品である使用部品を示す使用部品情報であり、部品情報マスタ131の部品品番と紐付く。員数は、当該ラインで当該機種の生産に使用される部品の数量である。
【0047】
<生産計画情報133>
図4は、本発明の実施の形態における生産計画情報133の一例を示す図である。
【0048】
生産計画情報133は、生産計画情報を示すデータの集まりである。ここで、生産計画情報は、プリント基板をいつ、どの生産ラインで生産するかを示す情報であり、複数の生産計画と、それぞれの生産計画ごとに定められる情報であり、生産計画で使用される複数の部品から構成される部品群を識別する情報である系統情報と、生産計画で生産されるプリント基板の機種と、当該プリント基板の数とを含む。
【0049】
具体的には、生産計画情報133には、ロットNO、ライン、系統、機種、面、Ver、生産日、計画台数、開始時刻及び状態を示す情報が含まれる。また、当該情報は、ロットNOごとに登録されている。また、同じラインでも系統ごとに生産計画情報が登録されている。
【0050】
ここで、ロットNOは、生産計画を示す固有の番号であり、生産計画作成装置110ないしは、生産計画入力部101で決定される番号である。ラインは、生産予定のライン名称である。系統は、系統情報を示し、ライン過剰部品数を引き継ぐ生産計画のシリーズを判別する情報である。機種は、生産されるプリント基板固有の番号であり、部品構成マスタ132の機種と紐付く。面は、機種の表面か、裏面かを判別するための情報である。Verは、部品構成の改版にともなう部品品番、員数の違いを判別するバージョン情報である。生産日は、当該機種、面、Verにおいて生産される予定日である。計画台数は、生産する枚数である。開始時刻は、生産開始予定時刻である。状態は、材料管理部100が計画を管理する上で必要となる情報であり、ロットNOごとに、未引当、引当済み、ピッキング中、ピッキング完了、生産中、生産完了のいずれかが登録される。
【0051】
<在庫情報134>
図5は、本発明の実施の形態における在庫情報134の一例を示す図である。
【0052】
在庫情報134は、在庫情報を示すデータの集まりである。ここで、在庫情報は、倉庫や生産ラインに存在する部品の品番と残数を示す情報であり、生産ラインに在庫されている部品であるライン在庫部品を示すライン在庫部品情報と、ライン在庫部品の数と、倉庫に存在する部品である倉庫部品を示す倉庫部品情報と、部品を供給する部品群を示す系統情報とを含む。
【0053】
具体的には、在庫情報134には、リールID、部品品番、残数、所在、ライン、設備、系統、入庫日、初期数量及び状態を示す情報が含まれる。また、当該情報は、リールIDごとに登録されている。また、同じラインでも系統ごとに在庫情報が登録されている。
【0054】
ここで、リールIDは、部品単品固有の情報であり、在庫入力部105で決定される番号である。部品品番は、部品固有の番号であり、ライン在庫部品情報及び倉庫部品情報を示す。残数は、リールIDごとの部品の残数である。所在は、部品の存在する場所が生産ラインなのか倉庫なのかを示す情報である。ラインは、部品の所在が生産ラインである場合に、どの生産ラインかを示す情報である。設備は、部品の所在が生産ラインである場合に、どの設備に当該部品が存在するかを示す情報である。系統は、系統情報を示し、ライン過剰部品数を引き継ぐ生産計画のシリーズを判別する情報である。入庫日は、部品が入庫した日付である。初期数量は、倉庫入庫時の部品の数量である。状態は、材料管理部100が在庫を管理する上で必要となる情報であり、リールIDごとに未引当、引当済み、ピッキング完了のいずれかが登録される。
【0055】
<ライン過剰部品数情報135>
図6は、本発明の実施の形態におけるライン過剰部品数情報135の一例を示す図である。
【0056】
ライン過剰部品数情報135は、ライン過剰部品数情報を示すデータの集まりである。ここで、ライン過剰部品数情報は、生産ラインで引当済の生産計画が全て生産完了した時点での部品の残数を予測した情報であり、系統情報ごとの、生産計画の実行後に系統情報で識別される部品群に残存する部品である残存部品を示す残存部品情報と、残存部品ごとの残存部品の数とを含む。
【0057】
具体的には、ライン過剰部品数情報135には、ライン、設備、系統、部品品番及び余り数を示す情報が含まれる。また、当該情報は、ライン、設備、系統、部品品番ごとに登録されている。
【0058】
ここで、ラインは生産されるラインを示す情報である。設備は、生産される設備を示す情報である。系統は、系統情報を示し、ライン過剰部品数を引き継ぐ生産計画のシリーズを判別する情報である。部品品番は、部品固有の番号であり、残存部品情報を示す。余り数は、ライン、設備、系統、部品品番ごとの、生産ラインで引当済の生産計画が全て生産完了した時点での部品の残数を予測した情報である。
【0059】
<ピッキング情報136>
図7は、本発明の実施の形態におけるピッキング情報136の一例を示す図である。
【0060】
ピッキング情報136は、ピッキング情報を示すデータの集まりである。ここで、ピッキング情報は、倉庫から生産ラインへ出庫する予定の部品の情報であり、倉庫に存在する部品である倉庫部品を示す倉庫部品情報と、倉庫部品を供給する部品群を示す系統情報とを含む。
【0061】
具体的には、ピッキング情報136は、ピッキングNO、ライン、系統、設備、部品品番、リールID、残数、棚番、ロットNO、ピッキング状態を示す情報が含まれる。
【0062】
ここで、ピッキングNOは、ピッキングの単位である。ラインは、生産されるラインを示す情報である。設備は、生産される設備を示す情報である。系統は、系統情報を示し、ライン過剰部品数を引き継ぐ生産計画のシリーズを判別する情報である。部品品番は、部品固有の番号であり、倉庫部品情報を示す。リールIDは、ピッキング予定のリールIDである。残数は、ピッキング予定の部品の残数である。棚番は、ピッキング予定のリールが保管されている棚の位置を示す情報である。ロットNOは、生産計画を示す固有の番号であり、このピッキング情報がどの生産計画であるかを示す。ピッキング状態は、ピッキングの進捗を表し、ピッキング予定の情報は未作業とし、ピッキングが完了した情報は済みとする。
【0063】
<全体のプロセス>
次に、本発明による一連の処理を、図8のフローチャートに基づき説明する。図8は、本発明の実施の形態における部品管理装置10が行う処理の一例を示すフローチャートである。
【0064】
同図に示すように、まず、材料管理部100の生産計画入力部101は、生産計画作成装置110などから生産計画情報を入力し、入力された生産計画情報を、記憶部130の生産計画情報133に記憶させる(S101)。これにより、図4に示された生産計画情報133には、どの生産ラインでどのプリント基板を幾つ作るか、またその生産開始予定日、生産開始時刻の情報が登録される。また、当該生産計画情報133には、系統の情報が登録される。
【0065】
そして、材料管理部100の在庫入力部105は、在庫情報を入力し、入力された在庫情報を、記憶部130の在庫情報134に記憶させる(S102)。これにより、図5に示された在庫情報134には、部品固有のリールIDごとに、部品品番、部品の残数などの情報が登録される。また、当該在庫情報134には、系統の情報が登録される。
【0066】
そして、材料管理部100の系統設定部103は、生産ラインごとに、新規計画の系統を設定する(S103)。
【0067】
具体的には、系統設定部103は、生産計画情報に含まれる複数の生産計画のうち系統情報が定められている生産計画の実行後のライン過剰部品数情報に含まれる残存部品情報で示される系統情報ごとの残存部品と、複数の生産計画のうち系統情報が定められていない生産計画である新規計画における部品構成情報に含まれる使用部品情報で示される使用部品との共通度合いを示す共有率を用いて、新規計画で使用される部品群を示す系統情報を決定する。なお、この系統設定部103が新規計画の系統を設定する処理の詳細については、後述する。
【0068】
そして、材料管理部100の材料引当計算部104は、新規計画の生産に必要な部品の在庫が存在するか否かを判断し、存在する部品の在庫のピッキング情報を作成し、ピッキング情報136に記憶させる(S104)。
【0069】
つまり、材料引当計算部104は、系統設定部103が系統情報を決定した新規計画で使用される部品である新規部品を倉庫からピッキングするためのピッキング情報を作成する。なお、この材料引当計算部104が行う材料引当計算及びピッキング情報作成の処理の詳細については、後述する。
【0070】
そして、材料管理部100は、上記の処理(S103、S104)が全ての生産ラインにおいて実施されたか否かを判断する(S105)。そして、材料管理部100は、全ての生産ラインにおいて実施されたと判断した場合は(S105でY)、次の処理に移行し、全ての生産ラインにおいて実施されていないと判断した場合は(S105でN)、再度上記処理(S103、S104)を実施する。
【0071】
次に、材料管理部100のピッキング部106は、生産ラインごとに、ピッキング作業を実施する(S106)。
【0072】
具体的には、ピッキング部106は、所定の系統情報で示される部品群に所定の倉庫部品を供給するためのピッキング情報に従って行われたピッキング実績に基づいて、当該所定の倉庫部品を示す倉庫部品情報に、当該所定の系統情報と同一の系統情報が付与された在庫情報を作成する。なお、このピッキング部106がピッキング作業を行う処理の詳細については、後述する。
【0073】
そして、材料管理部100は、全ての生産ラインにおいて実施されたか否かを判断する(S107)。そして、材料管理部100は、全ての生産ラインにおいて実施されたと判断した場合は(S107でY)、次の処理に移行し、全ての生産ラインにおいて実施されていないと判断した場合は(S107でN)、再度上記処理(S106)を実施する。
【0074】
次に、材料管理部100の生産実績入力/材料消費計算部107は、生産ラインごとの生産実績を入力し、入力に基づき部品の残数を減算する(S108)。
【0075】
そして、材料管理部100は、全ての生産ラインにおいて実施されたか否かを判断する(S109)。そして、材料管理部100は、全ての生産ラインにおいて実施されたと判断した場合は(S109でY)、次の処理に移行し、全ての生産ラインにおいて実施されていないと判断した場合は(S109でN)、再度上記処理(S108)を実施する。
【0076】
次に、材料管理部100の返庫計算部108は、生産ラインごとに返庫を行う(S110)。なお、返庫計算部108は、材料管理部100を操作する作業者の任意により実施される。返庫計算部108は、各系統ごとに、当面の計画で不必要な部品を算出する。作業者は、その算出結果をもとに、生産ラインから、倉庫に部品を移動させる。
【0077】
そして、材料管理部100は、全ての生産ラインにおいて実施されたか否かを判断する(S111)。そして、材料管理部100は、全ての生産ラインにおいて実施されたと判断した場合は(S111でY)、次の処理に移行し、全ての生産ラインにおいて実施されていないと判断した場合は(S111でN)、再度上記処理(S110)を実施する。
【0078】
以上により、部品管理装置10が行う処理は、終了する。
【0079】
次に、ポイントとなる3つのプロセスについて、以下に説明する。
【0080】
<新規計画の系統設定(図8のS103)について>
本発明による一連の処理のうち、新規計画の系統設定(図8のS103)の詳細を、図9のフローチャートに基づき説明する。図9は、本発明の実施の形態における系統設定部103が新規計画の系統を設定する処理の一例を示すフローチャートである。
【0081】
同図に示すように、系統設定部103は、新規計画の系統設定の開始指示を受け付ける(S121)。つまり、材料管理部100を操作する作業者は、生産計画入力部101が入力した新規計画を確認し、系統設定する新規計画を指定することで、新規計画の系統設定の開始指示を行う。
【0082】
そして、系統設定部103は、部品構成マスタ132、生産計画情報133及び在庫情報134を取得して、ライン過剰部品数情報を作成し、ライン過剰部品数情報135を更新する(S122)。
【0083】
具体的には、系統設定部103は、記憶部130に記憶されている生産計画情報133から、引当済みの生産計画を取得する。また、系統設定部103は、記憶部130に記憶されている部品構成マスタ132から、引当済み生産計画の機種の部品構成を取得する。また、系統設定部103は、記憶部130に記憶されている在庫情報134から、取得した全ての部品についての在庫情報を取得する。そして、系統設定部103は、取得した情報から、ライン過剰部品数情報を作成し、図6に示された記憶部130のライン過剰部品数情報135に登録する。
【0084】
ここで、ライン過剰部品数情報135に含まれるライン過剰部品数の計算方法として、系統設定部103は、部品構成マスタ132の部品品番ごとにその員数と生産計画情報133の計画台数とを乗じた引当済み計画の生産必要数を計算する。つまり、系統設定部103は、生産計画の系統ごとに紐付けて管理することで、生産ライン・系統・部品品番ごとの必要数を管理する。次に、系統設定部103は、在庫情報134に含まれる在庫情報から、生産ライン・系統・部員品番ごとの在庫数を計算する。そして、系統設定部103は、生産ライン・系統・部品品番ごとに、上記の在庫数から必要数を減じた数量がライン過剰部品数であるとしてライン過剰部品数情報を作成し、ライン過剰部品数情報135を更新する。
【0085】
そして、系統設定部103は、共通部品を決定して共有率を計算し、当該共有率を用いて、新規計画の系統を決定する(S123)。
【0086】
具体的には、系統設定部103は、記憶部130に記憶されている生産計画情報133から、作業者によって指定された系統設定する新規計画を取得する。そして、系統設定部103は、記憶部130に記憶されている部品構成マスタ132から、当該系統設定する新規計画の機種の部品構成を取得する。そして、系統設定部103は、最新のライン過剰部品数情報135に含まれるライン過剰部品数情報の部品品番と、新規計画の部品構成の部品品番とを比較し、両方に存在する部品品番の部品を共通部品と決定する。
【0087】
そして、系統設定部103は、共通部品の種数を新規計画の部品構成の部品種数で除した値を共有率として、生産ライン・系統ごとに共有率を計算する。そして、系統設定部103は、計算した共有率が事前に設定された系統決定設定値以上で、最も共有率が高い生産ライン・系統を選択し、生産計画情報133の新規計画の系統として登録する。系統設定部103は、もし、どの生産ライン・系統においても、計算した共有率が系統決定設定値よりも小さい場合は、新たな系統番号を起こして、系統を登録する。
【0088】
<系統設定の実施例>
以下、系統設定部103が新規計画の系統を設定する処理の一例について、説明する。
【0089】
図10A〜図10Dは、本発明の実施の形態における系統設定部103が新規計画の系統を設定する処理を説明するための図である。具体的には、図10Aは、部品構成マスタ132に含まれる部品構成情報の一例を示す図であり、図10Bは、生産計画情報133に含まれる生産計画情報の一例を示す図であり、図10Cは、在庫情報134に含まれる在庫情報の一例を示す図であり、図10Dは、ライン過剰部品数情報135に含まれるライン過剰部品数情報の一例を示す図である。また、以下では、新規計画の系統を決定する際の閾値となる系統決定設定値が0.5の場合を想定し、説明する。
【0090】
系統設定部103は、ライン過剰部品数情報135に含まれるライン過剰部品数情報を計算するために、生産計画情報133に含まれる生産計画情報のうち、引当済み計画の機種と計画台数とを取得する。図10Bに示した生産計画情報133の例によると、ロットNO.P0001、P0002、P0003が引当済み計画に該当する。
【0091】
そして、系統設定部103は、部品構成マスタ132に含まれる部品構成情報から、引当済みの機種の部品構成を取得し、それぞれの部品の員数×計画台数により、それぞれの部品の生産必要数を計算する。
【0092】
例えば、引当済み計画P0001は、機種AAA、計画台数3000であるので、生産必要数は部品品番aが3000、部品bが3000、部品cが3000、部品dが3000、部品eが3000である。同様に、系統設定部103は、引当済み計画P0002、P0003についても同様に計算する。
【0093】
次に、系統設定部103は、部品ごとに、在庫情報134に含まれる在庫情報から生産必要数を差し引き、ライン過剰部品数を計算する。例えば、部品品番aでは、生産必要数は、機種AAAで3000、機種CCCで3000となるので、生産必要数合計6000であり、在庫情報では部品品番aは10000であるので、部品品番aのライン過剰部品数は4000となる。同様に、系統設定部103は、全ての部品についてライン過剰部品数を計算する。
【0094】
そして、新規計画がDDDである場合、系統設定部103は、部品構成マスタ132及びライン過剰部品数情報135を参照し、ライン過剰部品数の系統1と新規計画DDDとの共通部品数はa、b、d、xの4部品であり、共有率は4/5=0.8であると算出する。また、系統設定部103は、系統2と新規計画DDDとの共通部品数はqの1部品であり、共有率は1/5=0.2であると算出する。この場合、系統設定部103は、系統1が共有率0.8と最も高く、また系統決定設定値以上である為、新規計画DDDの系統を1と決定する。
【0095】
もし、新規計画がEEEである場合、系統設定部103は、ライン過剰部品数の系統1と新規計画EEEの共通部品数はa、bの2部品であり、共有率は2/5=0.4、系統2と新規計画EEEの共通部品数はrの1部品であり、共有率は1/5=0.2であると算出する。この場合、系統設定部103は、系統1が共有率0.4と最も高いが、系統決定設定値以下である為、新規計画EEEの系統を、1でも2でもなく新たな系統番号3と決定する。
【0096】
以上のように、系統設定部103は、生産計画情報と部品構成情報とを用いて、系統情報が定められている生産計画で使用される使用部品の数を算出し、算出した使用部品の数と在庫情報とを用いて、系統情報が定められている生産計画の実行後の残存部品の数を算出してライン過剰部品数情報を作成する。
【0097】
そして、系統設定部103は、生産計画情報に含まれる複数の生産計画のうち系統情報が定められている生産計画の実行後のライン過剰部品数情報に含まれる残存部品情報で示される系統情報ごとの残存部品と、複数の生産計画のうち系統情報が定められていない生産計画である新規計画における部品構成情報に含まれる使用部品情報で示される使用部品との共通度合いを示す共有率を用いて、新規計画で使用される部品群を示す系統情報を決定する。
【0098】
<材料引当計算/ピッキング情報作成(図8のS104)について>
次に本発明による一連の処理のうち、材料引当計算及びピッキング情報作成(図8のS104)の詳細を、図11のフローチャートに基づき説明する。図11は、本発明の実施の形態における材料引当計算部104が行う材料引当計算及びピッキング情報作成の処理の一例を示すフローチャートである。
【0099】
同図に示すように、材料引当計算部104は、材料引当計算の開始指示を受け付ける(S141)。つまり、材料管理部100を操作する作業者は、図8のS103で決定された未引当新規計画の系統を確認し、引当処理をスタートさせる。
【0100】
そして、材料引当計算部104は、部品構成マスタ132、生産計画情報133及び在庫情報134を取得して、ライン過剰部品数情報を作成し、ライン過剰部品数情報135を更新する(S142)。
【0101】
具体的には、材料引当計算部104は、図9のS122と同様の処理にて、ライン過剰部品数情報を求める。つまり、材料引当計算部104は、記憶部130の生産計画情報133から、引当済みの生産計画を取得する。また、材料引当計算部104は、記憶部130の部品構成マスタ132から、引当済み生産計画の機種の部品構成を取得する。また、材料引当計算部104は、記憶部130の在庫情報134から、取得した全ての部品についての在庫情報を取得する。そして、材料引当計算部104は、取得した情報から、ライン過剰部品数情報を作成し、記憶部130のライン過剰部品数情報135に登録する。
【0102】
ここで、ライン過剰部品数情報135に含まれるライン過剰部品数の計算方法として、材料引当計算部104は、部品構成マスタ132の部品品番ごとにその員数と生産計画情報133の計画台数とを乗じた引当済み計画の生産必要数を計算する。つまり、材料引当計算部104は、生産計画の系統ごとに紐付けて管理することで、生産ライン・系統・部品品番ごとの必要数を管理する。次に、材料引当計算部104は、在庫情報134に含まれる在庫情報から生産ライン・系統・部員品番ごとの在庫数を計算する。そして、材料引当計算部104は、生産ライン・系統・部品品番ごとに、上記の在庫数から必要数を減じた数量がライン過剰部品数であるとしてライン過剰部品数情報を作成し、ライン過剰部品数情報135を更新する。このように、材料引当計算部104は、図9の説明の例と同様に、ライン過剰部品数を計算する。
【0103】
なお、材料引当計算部104は、ライン過剰部品数情報135の更新を行うのではなく、系統設定部103が更新したライン過剰部品数情報135を取得することにしてもよい。
【0104】
そして、材料引当計算部104は、未引当新規計画の部品構成を取得し、生産必要数とピッキング量とを計算する(S143)。
【0105】
具体的には、材料引当計算部104は、記憶部130に記憶されている生産計画情報133から、図8のS103で系統設定された未引当新規計画を取得するとともに、部品構成マスタ132から当該未引当新規計画の機種の部品構成を取得する。そして、材料引当計算部104は、当該未引当新規計画の部品構成マスタ132の部品品番ごとにその員数と生産計画情報の計画台数とを乗じた、未引当計画の生産必要数を計算する。このように、材料引当計算部104は、生産計画の系統ごとに紐付けて管理することで、生産ライン・系統・部品品番ごとの必要数を管理する。
【0106】
次に、材料引当計算部104は、ピッキング量を計算する。具体的には、材料引当計算部104は、生産ライン・系統・部品品番ごとの必要数からライン過剰部品数を減じた数量を、ピッキング量として算出する。
【0107】
そして、材料引当計算部104は、算出したピッキング量に基づき、倉庫在庫の引当を行う(S144)。
【0108】
具体的には、材料引当計算部104は、記憶部130に記憶されている在庫情報134から、所在が倉庫の未引当の部品を取得し、算出したピッキング量に基づき、未引当の部品の中から、残数の合計がピッキング量を満たす分だけのリールIDの状態の項目を、引当済みとして在庫情報134を更新する。
【0109】
また、材料引当計算部104は、部品品番ごとにピッキング量と倉庫在庫の未引当部品数量とを比較して、欠品の有無を判断する(S145)。具体的には、材料引当計算部104は、倉庫在庫の引当処理(S144)において引当済みとした倉庫在庫がピッキング量よりも多いか否かを判断する。
【0110】
そして、材料引当計算部104は、ピッキング量よりも倉庫在庫が多いと判断した場合(S145で「なし」)は、欠品がないとして次のS148の処理に進み、ピッキング量よりも倉庫在庫が少ないと判断した場合(S145で「あり」)は、欠品である為、S146の処理に進む。
【0111】
そして、材料引当計算部104は、欠品がある場合(S145で「あり」)、部品品番ごとに部品が不足している量を、画面ないしは帳票に出力する(S146)。
【0112】
そして、材料引当計算部104は、処理を継続するか中断するかの指示を受け付ける(S147)。具体的には、材料管理部100を操作する作業者は、S146の処理で出力された情報を確認し、処理を継続するか中断するかを判断する。そして、材料引当計算部104は、処理の継続を受け付けた場合(S147で「継続」)は、S148の処理に進み、処理の中断を受け付けた場合(S147で「中断」)は、処理を終了する。
【0113】
そして、材料引当計算部104は、欠品がない場合(S145で「なし」)、または処理の継続を受け付けた場合(S147で「継続」)、ピッキング情報を作成し、ピッキング情報136を更新する(S148)。
【0114】
具体的には、材料引当計算部104は、S144の処理で引当済みとしたリールIDの情報から、これからピッキングすべき情報であるピッキング情報を作成し、系統情報とともに記憶部130のピッキング情報136に登録する。
【0115】
以上のように、材料引当計算部104は、新規計画における生産計画情報と部品構成情報とを用いて、新規部品を示す情報である新規部品情報を計算する。そして、材料引当計算部104は、新規部品情報と、生産計画の実行後のライン過剰部品数情報に含まれる、新規計画における系統情報での残存部品情報とを用いて、倉庫から生産ラインに供給する部品であるピッキング部品を示すピッキング部品情報を計算する。そして、材料引当計算部104は、ピッキング部品情報で示されるピッキング部品の数が倉庫部品の数よりも多い場合、欠品情報を出力し、ピッキング部品の数が倉庫部品の数以下の場合、当該倉庫部品を示す倉庫部品情報に、新規計画における系統情報と同一の系統情報が付与されたピッキング情報を作成する。
【0116】
<ピッキング(図8のS106)について>
次に、本発明による一連の処理のうち、ピッキング(図8のS106)の詳細を、図11のフローチャートに基づき説明する。図12は、本発明の実施の形態におけるピッキング部106がピッキング作業を行う処理の一例を示すフローチャートである。
【0117】
同図に示すように、ピッキング部106は、ピッキング対象の生産ライン及びピッキングNOの選択を受け付ける(S161)。つまり、材料管理部100を操作する作業者は、これからピッキングする生産ライン及びピッキングNOを選択する。
【0118】
そして、ピッキング部106は、ピッキング対象となる部品品番の情報を、PDA(Personal Digital Assistant)に表示させる(S162)。
【0119】
具体的には、ピッキング部106は、記憶部130に記憶されているピッキング情報136から、選択を受け付けたピッキングNOの情報を取得し、ピッキング情報に基づく在庫情報を在庫情報134から取得する。そして、ピッキング部106は、ピッキング対象となる部品品番の情報を、ピッキング作業の携帯端末となるPDAに表示させる。
【0120】
そして、ピッキング部106は、PDAに表示された部品品番に対応するリールIDの入力を受け付ける(S163)。
【0121】
具体的には、ピッキング部106を操作する作業者は、PDAに表示される部品品番の情報をもとに、倉庫からリールを探し、探したリールIDの情報をPDAに入力する。このとき、例えば、リールには、リールIDをバーコード化した情報が印字されており、PDAにはバーコードをスキャンするリーダが付いており、作業者が探したリールのバーコードをPDAでスキャンさせることで、リールIDが入力される。
【0122】
そして、ピッキング部106は、入力されたリールIDがピッキングすべきリールか否かの判断を実施する(S164)。ピッキング部106は、当該リールIDがピッキングすべきリールであると判断した場合(S164でOK)、次の処理(S165)に進み、当該リールIDがピッキングすべきリールでないと判断した場合(S164でNG)、S163の処理に戻る。
【0123】
そして、ピッキング部106は、当該リールIDがピッキングすべきリールであると判断した場合は(S164でOK)、入力されたリールIDに基づき、ピッキング情報136と在庫情報134とを更新する(S165)。
【0124】
具体的には、ピッキング部106は、ピッキング情報136の中から該当リールIDの情報のピッキング状態の項目を済みに更新し、在庫情報134の該当リールIDの情報の所在・ライン・系統の項目を、それぞれ更新する。
【0125】
そして、ピッキング部106は、全ての部品のピッキングを完了したか否かを判断し(S166)、ピッキングを完了したと判断した場合は(S166でY)、処理を終了し、ピッキングを完了していないと判断した場合は(S166でN)、S162の処理にもどり、次の部品品番の情報をPDAに表示させる。
【0126】
<まとめ>
上記のように、本発明の実施の形態における部品管理装置10では、生産ラインで生産に使用する部品の生産終了時の残数を次の生産に引き継ぐ流れとして、系統という概念を設定した。そして、機種ごとに系統を系統番号として設定し、次の生産計画のピッキング材料計算時に、同じ系統番号がある場合には、同じ系統番号を持つ生産完了計画の残部品、残数を引当てて、足りない分を倉庫から出庫するように計算した。また、同じ系統番号が無い場合には、全て倉庫から出庫するよう計算するようにした。
【0127】
この結果、生産ラインの部品種と残数をその流れ(系統)ごとに管理することで、連続していない機種に関しても、前機種の生産残部品を利用したピッキング情報を作成することが可能となる。つまり現場の残部品を系統ごとに分けて保管しておき、新規でピッキング情報を作成する際には、部品を集める時間が最も短縮できる系統を選択し、その残部品を流用したピッキング情報を作成することが出来る。現場の機種切り替えとしては、次機種が、現生産機種の系統と流用度が高ければ、その少ない差分だけの交換で機種切り替えは完了する。また、次機種が現生産機種の系統と流用度が低ければ、流用度の高い別の系統の残部品を流用した外段取りを現生産機種の生産中に実施し、機種切り替えは一括交換を行うことが出来る。
【0128】
具体的には、系統設定部103は、生産計画情報と部品構成情報と在庫情報とを用いて、系統情報が定められている生産計画の実行後のライン過剰部品数情報を作成し、当該ライン過剰部品数情報を用いて、新規計画での系統情報を決定する。このため、部品管理装置10は、記憶部130に記憶されている情報を用いることで、新規計画での系統情報を決定することができ、決定した当該系統情報を用いて、生産ラインに対して部品の適切な移動を作業者に指示することで、生産性を向上させることが出来る。
【0129】
また、材料引当計算部104は、新規計画における生産計画情報と部品構成情報とライン過剰部品数情報とを用いて、ピッキング部品を示すピッキング部品情報を計算し、ピッキング部品の数と倉庫部品の数とを比較して、倉庫部品情報に系統情報が付与されたピッキング情報を作成する。このように、部品管理装置10は、記憶部130に記憶されている情報を用いることで、系統情報が付与されたピッキング情報を作成することができ、作成したピッキング情報を用いて作業者にピッキングを指示することができる。このため、生産ラインに対して部品の適切な移動を作業者に指示することで、生産性を向上させることができる。
【0130】
また、部品管理装置10は、ピッキング実績に基づいて、所定の倉庫部品を示す倉庫部品情報に所定の系統情報が付与された在庫情報を作成する。これにより、在庫情報を系統ごとに管理することができ、当該在庫情報を用いて、生産ラインに対して部品の適切な移動を作業者に指示することで、生産性を向上させることができる。
【0131】
以上のことから、本発明の実施の形態に係る部品管理装置10によれば、部品供給時間の短縮と、機種切り替え時間の短縮による生産性の向上の両立が実現できる。
【0132】
特に、小量生産で、多品種を1つの生産ラインで生産する場合に、この発明は有効である。
【0133】
また、作業者が、部品供給だけにするか、機種切り替えするかを迷わずに、生産できるので、作業者間の差異がなく、無駄な時間がなく生産できる。
【0134】
<なお書き>
なお、上記実施の形態では、1ラインを1つの生産ラインとしてラインごとに実施したが、2ラインを1つの生産ラインとして2ラインごとに実施することもでき、3ラインを1つの生産ラインとしても適用できる。さらに、1つの工場を1つの生産ラインとして仮想して、適用することもできる。
【0135】
また、上記実施の形態では、系統決定設定値(部品の共有率)が0.5であると設定したが、系統決定設定値を変更できるようにした方がよい。例えば、生産ラインごと、時期ごとに、系統決定設定値の設定を変更できれば都合がよい。作業者に時間がある時は、系統決定設定値を下げて、部品ごとに供給すれば、在庫削減ができる。逆に、作業者に時間がない時は、系統決定設定値を上げて、台車ごとに、一括して部品を交換した方が、時間を有効に使用できる。なお、この系統決定設定値の変更は、作業者によって行われてもよいし、系統設定部103が自動で行うことにしてもよい。
【0136】
また、上記実施の形態では、部品管理装置10は、図1に示される各構成要素を備えていることとしたが、部品管理装置10は、図1に示される各構成要素を全て備えていなくともよい。例えば、部品管理装置10は、系統設定部103のみを備える構成であってもよい。また、同様に、図8において、部品管理装置10は、系統設定部103が行う処理(図8のS103)のみを行うことにしてもよい。これによっても、部品管理装置10は、系統情報を用いて部品を管理し、生産ラインに対して部品の適切な移動を作業者に指示することで、生産性を向上させることが出来る。
【0137】
また、本発明は、このような部品管理装置10として実現することができるだけでなく、当該部品管理装置10に含まれる処理部が行う特徴的な処理をステップとする部品管理方法としても実現することができる。また、部品管理方法に含まれる特徴的な処理をコンピュータに実行させるプログラムや集積回路として実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【0138】
以上、本発明の実施の形態に係る部品管理装置10について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、プリント基板に装着される部品を管理する部品管理装置などとして、特に、各種プリント基板の生産計画に応じて生産ラインに供給される部品を管理する部品管理装置などとして利用することができる。
【符号の説明】
【0140】
10 部品管理装置
100 材料管理部
101 生産計画入力部
102 ピッキング情報作成部
103 系統設定部
104 材料引当計算部
105 在庫入力部
106 ピッキング部
107 生産実績入力/材料消費計算部
108 返庫計算部
109 マスタ入力部
110 生産計画作成装置
120 生産実績収集装置
130 記憶部
131 部品情報マスタ
132 部品構成マスタ
133 生産計画情報
134 在庫情報
135 ライン過剰部品数情報
136 ピッキング情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板を生産する生産計画に応じて、記憶部に記憶されている情報を用いて、生産ラインに供給される部品を管理する部品管理装置であって、
前記記憶部は、
複数の前記生産計画と、それぞれの前記生産計画ごとに定められる情報であり、前記生産計画で使用される複数の前記部品から構成される部品群を識別する情報である系統情報とを含む生産計画情報と、
前記系統情報ごとの、前記生産計画の実行後に前記系統情報で識別される部品群に残存する部品である残存部品を示す残存部品情報を含むライン過剰部品数情報と、
前記生産計画ごとの前記プリント基板の生産に使用される部品である使用部品を示す使用部品情報を含む部品構成情報とを記憶しており、
前記部品管理装置は、
前記生産計画情報に含まれる複数の生産計画のうち系統情報が定められている生産計画の実行後の前記ライン過剰部品数情報に含まれる前記残存部品情報で示される前記系統情報ごとの残存部品と、前記複数の生産計画のうち系統情報が定められていない生産計画である新規計画における前記部品構成情報に含まれる前記使用部品情報で示される使用部品との共通度合いを示す共有率を用いて、前記新規計画で使用される部品群を示す系統情報を決定する系統設定部を備える
部品管理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、
前記生産ラインに在庫されている部品であるライン在庫部品を示すライン在庫部品情報と、前記ライン在庫部品の数とを含む在庫情報を、さらに記憶しているとともに、
前記生産計画で生産されるプリント基板の機種と、当該プリント基板の数とをさらに含む前記生産計画情報と、
前記残存部品ごとの前記残存部品の数をさらに含む前記ライン過剰部品数情報と、
前記使用部品情報としての前記プリント基板の機種ごとの前記使用部品を示す情報と、前記使用部品の数を示す情報とをさらに含む前記部品構成情報とを記憶しており、
前記系統設定部は、
前記生産計画情報と前記部品構成情報とを用いて、前記系統情報が定められている生産計画で使用される前記使用部品の数を算出し、
算出した前記使用部品の数と前記在庫情報とを用いて、前記系統情報が定められている生産計画の実行後の前記残存部品の数を算出して前記ライン過剰部品数情報を作成し、
作成した前記ライン過剰部品数情報を用いて、前記新規計画で使用される部品群を示す前記系統情報を決定する
請求項1に記載の部品管理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、さらに、倉庫に存在する部品である倉庫部品を示す倉庫部品情報と、前記倉庫部品を供給する部品群を示す系統情報とを含むピッキング情報を記憶しており、
前記部品管理装置は、さらに、前記系統設定部が系統情報を決定した前記新規計画で使用される部品である新規部品を前記倉庫からピッキングするための前記ピッキング情報を作成する材料引当計算部を備え、
前記材料引当計算部は、
前記新規計画における前記生産計画情報と前記部品構成情報とを用いて、前記新規部品を示す情報である新規部品情報を計算し、
前記新規部品情報と、前記生産計画の実行後の前記ライン過剰部品数情報に含まれる、前記新規計画における系統情報での前記残存部品情報とを用いて、前記倉庫から前記生産ラインに供給する部品であるピッキング部品を示すピッキング部品情報を計算し、
前記ピッキング部品情報で示される前記ピッキング部品の数が前記倉庫部品の数よりも多い場合、欠品情報を出力し、前記ピッキング部品の数が前記倉庫部品の数以下の場合、当該倉庫部品を示す倉庫部品情報に、前記新規計画における系統情報と同一の系統情報が付与された前記ピッキング情報を作成する
請求項1または2に記載の部品管理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、さらに、倉庫に存在する部品である倉庫部品を示す倉庫部品情報と、前記倉庫部品を供給する部品群を示す系統情報とを含む在庫情報を記憶しており、
前記部品管理装置は、さらに、
所定の系統情報で示される部品群に所定の倉庫部品を供給するためのピッキング情報に従って行われたピッキング実績に基づいて、前記所定の倉庫部品を示す倉庫部品情報に、前記所定の系統情報と同一の系統情報が付与された前記在庫情報を作成するピッキング部を備える
請求項1〜3のいずれか1項に記載の部品管理装置。
【請求項5】
プリント基板を生産する生産計画に応じて、記憶部に記憶されている情報を用いて、生産ラインに供給される部品を管理する部品管理方法であって、
前記記憶部は、
複数の前記生産計画と、それぞれの前記生産計画ごとに定められる情報であり、前記生産計画で使用される複数の前記部品から構成される部品群を識別する情報である系統情報とを含む生産計画情報と、
前記系統情報ごとの、前記生産計画の実行後に前記系統情報で識別される部品群に残存する部品である残存部品を示す残存部品情報を含むライン過剰部品数情報と、
前記生産計画ごとの前記プリント基板の生産に使用される部品である使用部品を示す使用部品情報を含む部品構成情報とを記憶しており、
前記部品管理方法は、
前記生産計画情報に含まれる複数の生産計画のうち系統情報が定められている生産計画の実行後の前記ライン過剰部品数情報に含まれる前記残存部品情報で示される前記系統情報ごとの残存部品と、前記複数の生産計画のうち系統情報が定められていない生産計画である新規計画における前記部品構成情報に含まれる前記使用部品情報で示される使用部品との共通度合いを示す共有率を用いて、前記新規計画で使用される部品群を示す系統情報を決定する系統設定ステップを含む
部品管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−16087(P2013−16087A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149588(P2011−149588)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】