説明

配信管理システム、画像処理装置、配信管理方法、配信管理プログラム、及び記録媒体

【課題】処理フローの設定時に既存の処理フローを検索可能にして、既存の処理フローを有効活用すること。
【解決手段】画像データを取得して前記画像データを配信する配信管理システムであって、前記画像データに対しての入力、画像変換、出力に関する各処理を組み合わせた処理フローを記憶する記憶手段307と、前記処理フローを設定するときに、前記各処理の種類を指定可能とし、指定された処理の種類を含む処理フローを検索する検索手段302と、検索された検索結果を表示する表示手段306と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信管理システム、画像処理装置、配信管理方法、配信管理プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの企業において、多機能複合機などの画像入出力機器のネットワーク上への配置・接続が進んでいる。画像入出力機器は、業務の効率化を図る手段として大きな役割を担っている。特に、紙文書の電子化と配布を効率的に行う配信管理システムが重要になっている。このシステムを構成する大きな要素は、画像入出力機器(スキャナなど)と配信管理サーバである。配信管理サーバには、あらかじめさまざまな業務・用途にあわせた複数の配信設定(処理フロー)メニューが登録されている。利用者は、画像入出力機器のオペレーションパネル(操作部)から、業務に適した処理フローを選択してスキャンを行う。
【0003】
例えば、特開2006−018640号公報(特許文献1)には、配信処理や画像変換処理をプラグイン化し、ユーザーや管理者がそれらプラグインを任意に組み合わせて入力、画像変換、出力の処理フローを作成し、その処理フローを利用して画像データの配信処理を行う技術が開示されている。また、特開2008−97586号公報(特許文献2)には、画像入出力機器から入力される画像データに必要な書誌情報を設定して、画像データに対する処理フローの処理の実行の制御を容易に行うことができる技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来技術では、処理フローの設定段階で、一から処理フローを設定するか、処理フローをコピーして再設定するかの選択肢しかなく、既存の処理フローを有効に活用して新規な処理フローを設定することはできなかった。また、既存の処理フローを修正又は削除しようとした場合、処理フロー一覧から所望の処理フローを効率よく探すことはできなかった。
【0005】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、処理フローの設定時に既存の処理フローを検索可能にして、既存の処理フローを有効活用することができる配信管理システム、画像処理装置、配信管理方法、配信管理プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における一局面の配信管理システムは、画像データを取得して前記画像データを配信する配信管理システムであって、前記画像データに対しての入力、画像変換、出力に関する各処理を組み合わせた処理フローを記憶する記憶手段と、前記処理フローを設定するときに、前記各処理の種類を指定可能とし、指定された処理の種類を含む処理フローを検索する検索手段と、検索された検索結果を表示する表示手段と、を備える。
【0007】
また、本発明における他の局面の画像処理装置は、画像データを取得して前記画像データを処理する画像処理装置であって、前記画像データに対して入力、画像変換、出力に関する各処理を組み合わせた処理フローを記憶する記憶手段と、前記処理フローを設定するときに、前記各処理の種類を指定可能とし、指定された処理の種類を含む処理フローを検索する検索手段と、検索された検索結果を出力する出力手段と、を備える。
【0008】
また、本発明における他の局面の配信管理方法は、前記画像データに対して入力、画像変換、出力に関する各処理を組み合わせた処理フローを記憶する記憶手段を備える配信管理システムにおける配信処理方法であって、前記処理フローを設定するときに、前記各処理の種類を指定可能とし、指定された処理の種類を含む処理フローを検索する検索ステップと、検索された検索結果を出力する出力ステップと、を有する。
【0009】
また、本発明の配信管理システム、画像処理装置、及び配信管理方法は、コンピュータにより実行可能なプログラムにより実現することができ、また、プログラムを記録した記録媒体をコンピュータに読み取らせて実現することも可能である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、処理フローの設定時に既存の処理フローを検索可能にして、既存の処理フローを有効活用することができる配信管理システム、画像処理装置、配信管理方法、配信管理プログラム、及び記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1に係る配信管理システムの一例を示す図。
【図2】実施例1に係る画像処理サーバのハードウェア構成の一例を示す図。
【図3】実施例1におけるMFPと画像処理サーバの主要機能構成の一例を示すブロック図。
【図4】処理フローの例を示す図。
【図5】フロー編集手段の機能構成を示すブロック図。
【図6】表示画面の一例を示す図。
【図7】実施例1における検索処理の一例を示すフローチャート。
【図8】実施例2におけるMFPと画像処理サーバの主要機能構成の一例を示すブロック図。
【図9】制約条件の一例を示す図。
【図10】実施例2におけるエラー判定処理の一例を示すフローチャート。
【図11】変形例に係る画像処理装置の主要機能構成の一例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる配信管理システム、画像処理装置(又は画像処理サーバ)、配信管理方法、配信管理プログラム及び記録媒体の実施例を詳細に説明する。
【0013】
また、以下に示す実施例では、画像データを入力する画像処理装置として、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能を一つの筐体に搭載した複合機を例にあげて説明しているが、これに限定されるものではなく、画像データを入力可能な画像処理装置であれば、スキャナ装置、ファクシミリ装置、コピー装置などいずれにも適用することができる。
【0014】
[実施例1]
<システム構成とハードウェア構成>
図1は、実施例1に係る配信管理システムの一例を示す図である。図1に示すように、配信管理システムは、ネットワークを介してMFP(Multifunction Peripheral)10、MFP20、画像処理サーバ30、情報処理端末(例えば、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Data Assistance)など)40が接続されている。
【0015】
MFP10、20は、スキャン機能、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能などを一つの筐体に搭載したものである。MFP10、20は、スキャナ機能により紙媒体等をスキャン処理して画像データを生成し、生成された画像データを画像処理サーバ30に送信する。MFPの詳細については後述する。
【0016】
画像処理サーバ30は、各MFPでスキャンされた画像データを受信して、指定された配信設定に従って種々の処理や配信処理を実行するワークステーション等のコンピュータである。配信設定には、メール送信、FAX送信、フォルダ配信などがある。また、画像処理サーバ30は、取得した画像データに対して白紙判定を行ない、無駄な画像データを配信したり、記憶したりすることを防止する。
【0017】
また、画像処理サーバ30は、入力された画像データに基づいて処理フローを実行するサーバであり、ユーザーによって構築された処理フローに従って文書の蓄積又は配信処理を実行する。即ち、画像を処理するという観点において、画像処理サーバ30も画像処理装置として機能する。画像処理サーバ30の詳細については後述する。
【0018】
情報処理端末40は、管理者によりデータ配信に関する管理ツールが起動され、入力、画像変換、出力の各プラグインが順に選択されることで配信設定を作成する。
【0019】
実施例1に係る画像処理サーバ30のハードウェア構成について説明する。図2は、実施例1に係る画像処理サーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0020】
図2に示すように、画像処理サーバ30は、制御部31、主記憶部32、補助記憶部33、外部記憶装置I/F部34、ネットワークI/F部36、入力部37、表示部38を含む。
【0021】
制御部31は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行うCPUである。また、制御部31は、主記憶部32に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力装置や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、出力装置や記憶装置に出力する。
【0022】
主記憶部32は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などであり、制御部31が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0023】
補助記憶部33は、HDD(Hard Disk Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0024】
外部記憶装置I/F部34は、USB(Universal Serial Bus)などのデータ伝送路を介して接続された記憶媒体35(例えば、フラッシュメモリなど)と当該画像処理サーバとのインタフェースである。
【0025】
また、記憶媒体35に、所定のプログラムを格納し、記憶媒媒体35に格納されたプログラムは外部記憶装置I/F部34を介して画像処理サーバ30にインストールされ、インストールされた所定のプログラムは画像処理サーバ30により実行可能となる。
【0026】
ネットワークI/F部36は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して接続された通信機能を有する周辺機器と当該画像処理サーバとのインタフェースである。
【0027】
入力部37や表示部38は、キースイッチ(ハードキー)とタッチパネル機能(GUIのソフトウェアキーを含む:Graphical User Interface)を備えたLCD(Liquid Crystal Display)とから構成され、画像処理サーバ30が有する機能を利用する際のUI(User Interface)として機能する表示及び/又は入力装置である。
【0028】
<機能構成>
図3は、実施例1におけるMFP10と画像処理サーバ30の主要機能構成の一例を示すブロック図である。まず、MFP10の主要機能構成について説明する。MFP10は、画像読込手段101、通信手段102、配信設定DB103を含む。その他一般的なMFPが有するプリンタ機能やコピー機能やFAX機能等については図示していない。
【0029】
画像読込手段101は、スキャン機能により原稿を読み込んで画像データを取得する。画像データの取得については、FAXで受信したり、情報処理端末40から取得したりしてもよい。
【0030】
通信手段102は、機器情報や画像データなどの送受信を行う。特に、通信手段102は、画像データの配信処理要求や白紙検知要求などがユーザーから指示された場合、画像データと当該要求とを画像処理サーバ30に送信する。
【0031】
記憶手段103は、入力、画像変換、出力の各プラグインを格納し、また、各プラグインが組み合わされた配信設定(以下、処理フローという)を1又は複数格納する。
【0032】
ここで、処理フローについて図4を用いて説明する。図4は、処理フローの例を示す図である。図4では、処理フロー1と処理フロー2との2つの例を示す。まず、処理フロー1は、入力のプラグインとして「Scan入力」、次に、画像変換のプラグインとして「PDF変換」、最後に出力(配信)のプラグインとして「FTP(File Transfer Protocol)配信」、「Folder配信」が設定されている。処理フロー2は、入力のプラグインとして「FAX入力」、画像変換のプラグインとして「OCR処理」、出力のプラグインとして「E−mail配信」が設定されている。
【0033】
図3に戻り、画像処理サーバ30の主要機能構成について説明する。画像処理サーバ30は、通信手段301、フロー検索手段302、フロー処理手段303、受付手段304、フロー編集手段305、表示手段306、記憶手段307を含む。
【0034】
通信手段301は、機器情報や画像データなどの送受信を行う。特に、MFP10から画像データを受信したり、配信設定の宛先に対し、画像処理した画像データを送信したりする。
【0035】
フロー検索手段302は、処理フローの設定時に、ユーザーにより検索条件を指定され、検索実行を指示された場合、検索条件に合致する既存の処理フローを記憶手段307に記憶されている処理フローの中から検索する。検索条件は、例えば、指定された処理の種類や処理の属性及び属性の値と一致することである。処理の種類としては、入力、画像変換、出力やさらに詳細なスキャン入力、PDF変換、メール送信などである。属性とは、例えば、入力に関するプラグインであれば、「サイズ」、「白黒設定」、「解像度」などであり、属性の値とは、「サイズ」に対しては「A4」、「白黒設定」に対しては「ON」、「解像度」に対しては「600dpi」などである。ユーザーは、前述した検索条件を適宜指定可能となっている。
【0036】
また、フロー検索手段302は、処理フローにおける処理の位置、又は処理フローの形に基づいて検索することも可能である。処理フローにおける位置とは、任意の処理が処理フローにおいてどの位置にあるかを示すものである。これより、処理Cがフローの終点にある処理フローを検索したり、処理Cが始点にある処理フローを検索したりすることができる。また、処理フローの形とは、終点が複数ある、処理フローが枝分かれしていない、または処理が任意数以上あるなどを示すものである。これより、処理フローの形に基づいて検索条件を指定することで、同じ形の処理フローのみを検索することができる。
【0037】
また、記憶手段307を画像処理サーバ30が有していない場合、フロー検索手段302は、ネットワークを介して記憶手段103の中から検索条件に合致する処理フローを検索する。また、検索手段302は、検索結果を表示手段306に通知する。
【0038】
フロー処理手段303は、処理フローに含まれる各処理を実行する。各処理とは、画像データの変換等の画像処理や、画像データをファイルサーバ、SMTPサーバ、MFP10等に配信する配信処理等のことを言う。
【0039】
受付手段304は、検索結果に含まれる処理フローや各処理を選択可能とし、選択された処理フロー又は各処理の編集を受け付ける。ここで、編集とは、処理フローを削除したり、処理フローに含まれる1又は複数の処理を削除したり、処理フローを修正したり、処理フローを新規作成したりすること等を言う。
【0040】
フロー編集手段305は、受付手段304により選択された処理フロー又は各処理に対して、受け付けられた編集を実行する。フロー編集手段305については図5を用いて詳しく説明する。
【0041】
図5は、フロー編集手段305の機能構成を示すブロック図である。図5に示すように、フロー編集手段305は、修正手段351、フロー削除手段352、処理削除手段353、新規作成手段354を含む。
【0042】
修正手段351は、選択された処理フローに含まれる処理の設定内容を修正可能とする。具体的には、表示画面に現在の各処理の設定内容が表示され、設定内容が変更された場合、変更後の設定内容が保存される。
【0043】
フロー削除手段352は、受付手段304により選択された処理フローを削除する。処理削除手段353は、受付手段304により選択された処理フローに含まれる1又は複数の処理を、処理フローから削除する。ここでの1又は複数の処理は、基本的には検索条件に用いられた処理のことである。
【0044】
新規作成手段354は、受付手段304により選択された処理フローに基づいて変更された処理フローを新規の処理フローとして記憶手段307に記憶する。
【0045】
図3に戻り、表示手段306は、フロー検索手段302の検索結果を表示画面に表示する。また、表示手段306は、検索結果に基づいて編集を受け付ける編集受付領域を表示画面に表示する。
【0046】
図6は、表示画面の一例を示す図である。図6に示す例は、処理フローの設定段階で、検索を行うときに表示される画面である。図6に示すように、表示画面は、処理種類の指定を受け付ける領域A、属性及び値の指定を受け付ける領域B、検索結果に対して編集を受け付ける領域C、検索結果を表示する領域Dを含む。
【0047】
領域Aでは、処理の種類が表示され、処理毎にチェックできるようになっている。チェックできる処理は1以上である。領域Bでは、領域Aでチェックした処理の属性や値を入力できるようになっている。図6に示す例では、「B」(処理)の「名前」(属性)が「あ」(値)を含む処理を有する処理フローが検索されることになる。
【0048】
また、領域Cでは、検索された処理フローに対して、編集を受け付けるボタンが表示されている。ここでは、「編集」は修正手段351に相当し、「フロー削除」はフロー削除手段352に相当し、「フロー内のアイテムのみ削除」は処理削除手段353に相当し、「新規フローとして編集」は、新規作成手段354に相当する。
【0049】
また、領域Dでは、領域Aや領域Bで検索条件を指定し、検索を実行した後に検索結果が表示される。図6に示す例では、「B」(処理)の「名前」(属性)が「あ」(値)を含む処理を有する処理フロー一覧が表示される。
【0050】
ここで、各処理フローにチェックボックスが付いており、選択可能となっている。また、現在チェックを付けているものには、他の処理フローとは区別できるような処理が施されて表示される。また、符号「E」で示されるように、検索条件となった処理「B」には他の処理とは区別できるように強調処理が施される。
【0051】
<動作>
図7は、実施例1における検索処理の一例を示すフローチャートである。図7に示すように、ステップS11において、フロー検索手段302は、検索条件の指定を受け付ける。検索条件の指定については図6等で説明した通りである。
【0052】
次に、ステップS12において、フロー検索手段302は、記憶手段307に記憶されている処理フローを1つ取得する。次に、ステップS13において、フロー検索手段302は、検索条件に一致する(部分一致も含む)処理フローであるか否かを判定する。ステップS13の判定結果がYES(一致する)である場合、ステップS14に進み、判定結果がNO(一致しない)である場合ステップS16に進む。
【0053】
ステップS14において、フロー検索手段302は、検索条件に一致する処理フローに対し、検索条件となった処理に強調処理が行われるように指示する。強調処理とは、例えば、他の処理とは区別できるように色が異なるようにしたり、太枠にしたり、背景の色を変えたりすることである。
【0054】
ステップS15において、フロー検索手段302は、強調処理が指示された処理フローを検索結果に追加する。
【0055】
ステップS16において、フロー検索手段302は、記憶手段307に記憶されている処理フロー全てを検索したか否かを判定する。ステップS16の判定結果がYES(全て検索)である場合ステップS17に進み、判定結果がNO(全て検索してない)である場合、ステップS12に戻る。
【0056】
ステップS17において、表示手段306は、フロー検索手段302の検索結果を表示画面に表示する。このとき、検索条件となった処理については強調処理が施される。
【0057】
以上、実施例1によれば、処理フローの設定時に既存の処理フローを検索可能にして、既存の処理フローを有効活用することができる。
【0058】
また、検索条件として、処理の種類を指定したり、処理の属性及び値を指定したりすることができ、ユーザー所望の処理フローを検索することができる。また、検索条件として、処理フローの形や処理フローにおける処理の位置を指定することで処理フロー検索のバリエーションを増やすことができる。
【0059】
[実施例2]
次に、実施例2に係る配信管理システムについて説明する。実施例2では、検索結果の処理フローを編集する際、制約条件を参照することで編集後の処理フローの適否を判定することができる。
【0060】
<機能構成>
図8は、実施例2におけるMFP10と画像処理サーバ50の主要機能構成の一例を示すブロック図である。図8に示す機能において、図3と同様の機能のものは同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0061】
図8に示すように、画像処理サーバ50は、通信手段301、フロー検索手段302、フロー処理手段303、受付手段304、フロー編集手段305、記憶手段307、エラー判定手段501、表示手段502、記憶手段503を含む。以下、エラー判定手段501、表示手段502、記憶手段503について説明する。
【0062】
エラー判定手段501は、フロー編集手段305により編集される処理フローが問題ないかを制約条件を参照することにより判定する。制約条件は、編集後の処理フローがシステム内で有効に処理できる条件を記述したものである。
【0063】
図9は、制約条件の一例を示す図である。図9に示すように、編集内容毎に条件が対応付けられており、そのときのエラーメッセージも対応付けられている。図9に示す例では、ユーザーが編集内容として「新規作成」(図6に示す「新規フローとして編集」)を指定したときに、処理フローの保存数が既に最大値である場合にエラーと判定される。この判定でエラーと判定されたとき、表示画面には例えば「保存数が最大です」というメッセージが表示される。
【0064】
また、ユーザーが「フロー削除」(図6に示す「フロー削除」)を指定したときに、削除対象の処理フローがシステムに必要な処理を含むか否かを判定する。システムに必要な処理とは、その他の処理フローには含まれていない唯一の処理(以下、必要処理という)のことをいう。
【0065】
つまり、必要処理を含むフローを削除すれば、システム内で必要処理を実行することができなくなる。例えば、「FAX受信」の処理を含む処理フローが1つしかないときに、この処理フローを削除してしまうと、システムはFAX受信できなくなってしまうため、削除不可能とする。他にも、システムでデフォルト設定されている処理フローは、システムに必要な処理を含むとする。この判定でエラーと判定されたとき、表示画面には例えば「システムに必要な処理を含むため削除できません」というメッセージが表示される。
【0066】
また、ユーザーが「処理削除」(図6に示す「フロー内のアイテムのみ削除」)を指定したときに、フロー条件に合うか否かが判定される。フロー条件とは、例えば、終点に設定可能な処理が終点に設定されている、任意の処理Cは画像変形の処理が必要である、必ず配信系の処理が設定されている等の処理フローがシステム内で有効に処理されるための条件である。この判定でエラーと判定されたとき、表示画面には例えば「処理フローが無効です」というメッセージが表示される。
【0067】
図8に戻り、表示手段502は、エラー判定手段501によりエラーと判定されたとき、前述したようにメッセージを表示画面に表示する。これより、無効な処理フローの編集を行っていることをユーザーに対して注意喚起することができる。
【0068】
記憶手段503は、図8に示す制約条件を記憶する。なお、図8に示す例において記憶手段503は記憶手段307と分けた構成にしたが、一つの記憶手段に記憶されていてもよいことは言うまでもない。
【0069】
<動作>
図10は、実施例2におけるエラー判定処理の一例を示すフローチャートである。図10に示すように、ステップS21において、受付手段304は、選択された処理フロー又は検索条件の処理に対し、編集を受け付ける。
【0070】
ステップS21において、エラー判定手段501は、受付手段304により受け付けた編集内容の制約条件を参照する。ステップS22において、エラー判定手段501は、編集対象の処理フローが、制約条件に基づいてエラーとなるか否かを判定する。ここで、制約条件を満たさない場合にエラーとなる。ステップS23の判定結果がYES(エラー)である場合ステップS25に進み、判定結果がNO(エラーではない)である場合ステップS24に進む。
【0071】
ステップS24において、フロー編集手段305は、受付手段304により選択された処理フローに対して編集処理を行う。編集については前述した通りである。
【0072】
ステップS25において、表示手段502は、制約条件に対応付けられているエラーメッセージを表示画面に表示する。
【0073】
以上、実施例2によれば、検索結果である処理フローを編集しようとしたとき、編集後の処理フローがシステム内で有効に処理できるか否かを判定することで、エラーである場合には事前にユーザーに注意喚起することができる。
【0074】
[変形例]
次に前述した各実施形態の変形例について説明する。変形例では、前述したサーバ30が組み込まれたMFP60について説明する。なお、変形例ではMFPも画像処理装置と呼ぶことにする。図11は、変形例に係る画像処理装置60の機能構成の一例を示すブロック図である。図11に示すように、検索処理や編集処理を行なう機能が画像処理装置60に組み込まれている。画像処理装置60の各機能は、基本的には図3に示す機能と同様である。
【0075】
以上より、変形例に係る画像処理装置60によれば、MFP単体で、実施例1に示した処理を行なうことができる。また、実施例2に示した画像処理サーバ50の機能を画像処理装置60に組み込むことで、MFP単体で実施例2に示した処理を行うことができる。
【0076】
なお、実施例1、2の画像処理サーバは、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置を備えており、ワークステーションや通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0077】
実施例1、2の画像処理サーバで実行される配信管理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0078】
また、実施例1、2の画像処理サーバで実行される配信管理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施例1、2の画像処理サーバで実行される配信管理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0079】
また、実施例1、2の画像処理サーバで実行される配信管理プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0080】
実施例1,2の画像処理サーバで実行される配信管理プログラムは、前述した各手段を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から配信管理プログラムを読み出して実行することにより上記各手段が主記憶装置上にロードされ、主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0081】
また、変形例のMFPで実行される配信管理プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
【0082】
変形例のMFPで実行される配信管理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0083】
さらに、変形例のMFPで実行される配信管理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、変形例のMFPで実行される配信管理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0084】
変形例のMFPで実行される配信管理プログラムは、前述した各手段を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから配信管理プログラムを読み出して実行することにより上記各手段が主記憶装置上にロードされ、主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0085】
なお、本発明は、上記実施例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施例にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0086】
10、20、60 MFP
30、50 画像処理サーバ
40 情報処理端末
101 画像読込手段
102 通信手段
103 記憶手段
301 通信手段
302 フロー検索手段
303 フロー処理手段
304 受付手段
305 フロー編集手段
306、502 表示手段
307 記憶手段
351 修正手段
352 フロー削除手段
353 処理削除手段
354 新規作成手段
501 エラー判定手段
503 記憶手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【特許文献1】特開2008−219820号公報
【特許文献2】特開2002−077669号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを取得して前記画像データを配信する配信管理システムであって、
前記画像データに対しての入力、画像変換、出力に関する各処理を組み合わせた処理フローを記憶する記憶手段と、
前記処理フローを設定するときに、前記各処理の種類を指定可能とし、指定された処理の種類を含む処理フローを検索する検索手段と、
検索された検索結果を表示する表示手段と、
を備える配信管理システム。
【請求項2】
前記検索手段は、
前記処理の属性及び値をさらに指定可能とし、指定された前記処理の属性及び値を有する処理を含む前記処理フローを検索する請求項1記載の配信管理システム。
【請求項3】
前記検索手段は、
前記処理フローにおける処理の位置及び/又は前記処理フローの形をさらに指定可能とし、指定された前記処理の位置及び/又は前記処理フローの形を有する処理フローを検索する請求項1又は2記載の配信管理システム。
【請求項4】
前記検索結果に含まれる処理フローを選択し、選択された処理フローの編集を受け付ける受付手段と、
前記選択された処理フローに対して、受け付けられた編集を行う編集手段とを備える請求項1乃至3いずれか一項に記載の配信管理システム。
【請求項5】
前記受け付けられた編集を行う場合、前記選択された処理フローに関する制約条件を参照して編集後の処理フローにエラーが無いかを判定する判定手段を備え、
前記表示手段は、
前記判定手段によりエラーがあると判定された場合、前記エラーの内容をメッセージ表示する請求項4記載の配信管理システム。
【請求項6】
前記編集手段は、
前記選択された処理フロー全体を削除する全削除手段と、
前記選択された処理フローに含まれる1又は複数の処理を削除する一部削除手段とを有する請求項4又は5記載の配信管理システム。
【請求項7】
前記編集手段は、
前記選択された処理フローに基づいて新規処理フローを作成する新規作成手段を有する請求項4乃至6いずれか一項に記載の配信管理システム。
【請求項8】
前記編集手段は、
前記選択された処理フローに含まれる1又は複数の処理の修正を行う修正手段を有する請求項4乃至7いずれか一項に記載の配信管理システム。
【請求項9】
画像データを取得して前記画像データを処理する画像処理装置であって、
前記画像データに対して入力、画像変換、出力に関する各処理を組み合わせた処理フローを記憶する記憶手段と、
前記処理フローを設定するときに、前記各処理の種類を指定可能とし、指定された処理の種類を含む処理フローを検索する検索手段と、
検索された検索結果を出力する出力手段と、
を備える画像処理装置。
【請求項10】
前記画像データに対して入力、画像変換、出力に関する各処理を組み合わせた処理フローを記憶する記憶手段を備える配信管理システムにおける配信処理方法であって、
前記処理フローを設定するときに、前記各処理の種類を指定可能とし、指定された処理の種類を含む処理フローを検索する検索ステップと、
検索された検索結果を出力する出力ステップと、
を有する配信処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、画像データを取得して前記画像データを配信する機能を持たせた配信管理プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記画像データに対しての入力、画像変換、出力に関する各処理を組み合わせた処理フローを記憶する記憶手段と、
前記処理フローを設定するときに、前記各処理の種類を指定可能とし、指定された処理の種類を含む処理フローを検索する検索手段と、
検索された検索結果を表示する表示手段と、
として機能させるための配信管理プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の配信管理プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−183197(P2010−183197A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−23050(P2009−23050)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】