説明

配向膜用組成物、偽造防止媒体、偽造防止ラベル、印刷物および転写箔

【課題】重合性液晶材料を用いて形成した高分子液晶層の支持体からの剥離を生じ難くする。
【解決手段】本発明の組成物は、支持体21、22上に形成されかつ重合性液晶材料と溶剤とを含有した塗工液を塗布して形成する高分子液晶層24の下地として使用する配向膜23用の組成物であって、第1樹脂と、第2樹脂とを含み、前記第1樹脂は前記第2樹脂よりも前記支持体21、22および前記液晶層24の各々との密着性が高く、前記第2樹脂は前記第1樹脂よりも前記溶剤に難溶であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の偽造を防止するために利用可能な偽造防止技術に関し、特に液晶を用いた偽造防止技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液晶の応用に関する研究開発は、主として表示装置に向けられていた。しかしながら、最近では、液晶の他分野への応用に関する研究開発も盛んに行なわれている。例えば、液晶の複屈折性を利用した位相差フィルムや光学補償フィルム等が検討されている。また、人間が光の偏りを知覚できないことを利用したブランドプロテクション等の製品認証技術または偽造防止技術等への液晶の応用も始まっている。
【0003】
液晶の偽造防止技術等への応用には、液晶材料の開発が大きく寄与している。なかでも、液晶分子中に架橋性を有する官能基を導入した重合性液晶材料は、メソゲン基を所定の方向に配向させ、この状態で活性エネルギー線を照射することなどにより、メソゲン基の配向状態を保ったまま固体にすることができる。しかも、このようにして得られる高分子液晶層は、耐久性に優れている。このため、偽造防止技術において、重合性液晶材料は特に有用である。
【0004】
例えば、特許文献1には、重合性液晶材料を用いてラベルを形成し、このラベルを偽造防止に利用することが記載されている。具体的には、配向能を有する支持体上に、重合性液晶材料を含んだ膜を形成する。或いは、支持体上に配向膜を形成し、この配向膜上に重合性液晶材料を含んだ膜を形成する。その後、重合性液晶材料の架橋反応を生じさせる。これにより、支持体と高分子液晶層とを含んだラベルを得る。
【0005】
このラベルの高分子液晶層自体は、耐久性に優れている。しかし、高分子液晶層と支持体との密着性は低く、また、配向膜と支持体および/または高分子液晶層との密着性も低い。そのため、このラベルには、液晶層が支持体から容易に剥離するという問題点がある。
【0006】
偽造防止に利用するラベルは、通常、真正品であることが確認されるべき物品に貼り付けられる。そして、物品に貼り付けられたラベルは、様々な外力に晒される。また、物品にラベルを貼りつけた後に上記の剥離を生じると、その物品が真正品であることを確認できなくなる可能性がある。そのため、このラベルには、光学フィルムなどと比較して、遥かに高い強度が要求される。
【0007】
特許文献2には、液晶層と支持体との密着性を改善した光学補償シートが開示されている。また、特許文献3には、高分子液晶層および支持体の各々と配向膜との密着性を改善した位相差板が開示されている。
【0008】
しかし、特許文献2および3に記載された技術によって達成される密着性は、偽造防止技術においては必ずしも十分ではない。
【特許文献1】特開2005−88381号公報
【特許文献2】特開平9−152509号公報
【特許文献3】特開2004−206100号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、重合性液晶材料を用いて形成した高分子液晶層の支持体からの剥離を生じ難くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するための第1の発明は、支持体上に形成されかつ重合性液晶材料と溶剤とを含有した塗工液を塗布して形成する高分子液晶層の下地として使用する配向膜用の組成物であって、第1樹脂と、第2樹脂とを含み、前記第1樹脂は前記第2樹脂よりも前記支持体および前記液晶層の各々との密着性が高く、前記第2樹脂は前記第1樹脂よりも前記溶剤に難溶であることを特徴とする組成物である。
【0011】
また、第2の発明は、前記第1樹脂の含有量Mと前記第2樹脂の含有量Mとの和に対する前記第1樹脂の含有量Mの比M/(M+M)が0.05〜0.40の範囲内にあることを特徴とする第1の発明の組成物である。
【0012】
また、第3の発明は、前記第1樹脂は、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルウレタン、およびイソシアネート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有し、前記第2樹脂は、スーパーエンジニアリングプラスチック材料であることを特徴とする第1の発明または第2の発明の組成物である。
【0013】
また、第4の発明は、前記第2樹脂はポリイミドを含んだことを特徴とする第1から第3の発明のいずれか1つの組成物である。
【0014】
また、第5の発明は、支持体と、第1から第4の発明のいずれか1つの組成物を前記支持体に塗布することにより形成された配向膜と、前記配向膜上に形成された高分子液晶層とを含んだことを特徴とする偽造防止媒体である。
【0015】
また、第6の発明は、前記重合性液晶材料はアクリル基を有していることを特徴とする第5の発明の偽造防止媒体である。
【0016】
また、第7の発明は、第5または第6の発明の偽造防止媒体と、その背面に支持された粘着層とを具備したことを特徴とする偽造防止ラベルである。
【0017】
また、第8の発明は、第5または第6の発明の偽造防止媒体と、これがすき込まれた紙とを具備したことを特徴とする印刷物である。
【0018】
また、第9の発明は、基材と、前記基材に前面を剥離可能に支持された第5または第6の発明の偽造防止媒体と、前記偽造防止媒体の背面に支持された接着層とを含んだことを特徴とする転写箔である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、重合性液晶材料を用いて形成した高分子液晶層の支持体からの剥離を生じ難くすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様のまたは類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態の偽造防止媒体を概略的に示す平面図である。図2は、図1に示す偽造防止媒体のII−II線に沿った断面図である。
【0022】
この偽造防止媒体10は、図2に示す基材21を含んでいる。基材21は、例えば、ポリエチレンテレフタレートからなる二軸延伸フィルムである。
【0023】
基材21上には、光反射層22が形成されている。本実施形態では、基材21と光反射層22との積層体が支持体を構成している。光反射層22は、典型的には、鏡面反射体である。光反射層22は、例えば、アルミニウムを蒸着することにより形成することができる。
【0024】
光反射層22上には、配向膜23が形成されている。配向膜23の詳細に関しては、後述する。
【0025】
配向膜23上には、位相差層として高分子液晶層24が形成されている。高分子液晶層24は、例えば、ネマチック相を呈している重合性液晶材料をその配向状態を保ったまま重合させてなるλ/4位相差層である。この場合、高分子液晶層24は、例えば、図1に矢印nA24で示す方向に沿った進相軸と、この進相軸nA24に垂直な遅相軸とを有している。このような高分子液晶層24は、波長がλであり且つ偏光面(電場ベクトルの振動面)が進相軸nA24に対して斜めの直線偏光を入射させると、偏光面が遅相軸に平行な第1直線偏光と、偏光面が進相軸nA24に平行であり且つ第1直線偏光からλ/4だけ位相が進んだ第2直線偏光とを出射する。
【0026】
高分子液晶層24としては、λ/4位相差層だけでなく、様々な位相差層を使用することができる。例えば、高分子液晶層24として、λ/2位相差層やλ/8位相差層を用いることができる。すなわち、高分子液晶層24のリターデイションは、任意である。ここでは、一例として、高分子液晶層24はλ/4位相差層であるとする。
【0027】
なお、波長λは、設計波長である。設計波長λは、典型的には、自然光のうち人間の視細胞の感度が高い緑色光の波長、例えば約550nmである。
【0028】
以下、この偽造防止媒体10またはその前面のうち、高分子液晶層24に対応した領域を第1領域11と呼び、それ以外の領域を第2領域12と呼ぶ。
【0029】
この偽造防止媒体10は、肉眼で観察した場合と偏光子を介して観察した場合とで異なる画像を表示する。これについて、以下に説明する。
【0030】
偽造防止媒体10の前面に例えば自然光を照射すると、第1領域11は、入射光とほぼ等しい強度の光を放出する。また、第2領域12も、入射光とほぼ等しい強度の光を放出する。したがって、偽造防止媒体10を肉眼で観察した場合、第1領域11と第2領域12とを判別することは困難である。すなわち、この場合、第1領域11と第2領域12とは、潜像を形成する。
【0031】
図3(a)は、図1および図2に示す偽造防止媒体10と偏光子とを重ねた場合に観察可能な画像の一例を概略的に示す平面図である。図3(b)は、図1および図2に示す偽造防止媒体10と偏光子とを重ねた場合に観察可能な画像の他の例を概略的に示す平面図である。図3(a)および(b)には、偏光子として直線偏光フィルム50を使用した例を示している。
【0032】
図3(a)では、偽造防止媒体10と直線偏光フィルム50とを、直線偏光フィルム50の光透過軸OPとλ/4高分子液晶層24の進相軸nA24とが直交するように配置している。この場合、第1領域11と第2領域12との間に明度の差はない。したがって、潜像が可視化されることはない。
【0033】
図3(b)には、図3(a)に示す状態から、直線偏光フィルム50のみを観察者側からみて時計回りに45°回転させた状態を描いている。すなわち、図3(b)の配置では、直線偏光フィルム50の透過軸OPとλ/4高分子液晶層24の進相軸nA24とは45°の角度をなしている。
【0034】
偽造防止媒体10と直線偏光フィルム50とを図3(b)に示すように配置した場合、第1領域11は暗部として見え、第2領域12は、第1領域11と比較してより明るく且つ図3(a)の配置を採用した場合の第2領域12と同じ明るさに見える。すなわち、図3(b)の配置を採用することにより、潜像を可視化することができる。
【0035】
この偽造防止媒体10は、真正であることが確認されるべき物品に支持させる。このような偽造防止対策を施した物品と偽造品などの非真正品とを肉眼で判別できない場合であっても、直線偏光フィルム50などの偏光子を使用することによりそれらを判別することができる。例えば、図3(a)および図3(b)を参照しながら説明した偽造防止媒体10と直線偏光フィルム50との配置に応じた潜像の可視像化が、真正であるか否かが未知の物品で不可能であった場合には、その物品は非真正品であると判断することができる。
【0036】
なお、ここでは、偏光子として直線偏光フィルム50を使用したが、偏光子は、直線偏光子でなくてもよい。例えば、偏光子としては、直線偏光フィルムとλ/4位相差フィルムを貼り合わせた円偏光フィルムを用いることもできる。
【0037】
次に、偽造防止媒体10の製造方法について説明する。
【0038】
まず、基材21を用意する。基材21としては、例えば、ポリエチレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステルフィルム、トリアセチルセルロースフィルムなどのセルロース系フィルム、ノルボルネン系フィルム、シクロオレフィン系フィルム、またはアクリル系フィルムなどを用いることができる。
【0039】
次に、基材21上に光反射層22を形成する。光反射層22の材料は、光反射性を得ることができれば特に限定されず、例えば、アルミニウム、金、銀、銅などの金属を用いることができる。これらの材料は、単独でまたは組合せて用いることができる。金属を使用する場合、光反射層22は、例えば、真空蒸着またはスパッタリングなどの公知の方法を用いて、基材21上に50〜1000Åの範囲にある厚みで成膜することにより得られる。
【0040】
次に、光反射層22上に配向膜23を形成する。配向膜23は、例えば、以下の方法により形成する。まず、光反射層22上に、配向膜用の組成物を塗布する。配向膜組成物の塗布には、マイクログラビア法などのグラビア法、バーコート法、リップ法などの公知の手法を用いることができる。また、配向膜組成物の塗布は、塗膜の乾燥膜厚が例えば0.1〜5μmの範囲内となるように行う。なお、配向膜組成物については、後で説明する。
【0041】
次いで、塗膜を乾燥させ、続いて、必要に応じて塗膜を焼成する。その後、塗膜に、ラビング処理などの配向処理を施す。ラビング処理には、ラビング布やラビングブラシを用いることができる。これにより、配向膜23を得る。
【0042】
次に、配向膜23上に、高分子液晶層である高分子液晶層24を形成する。高分子液晶層24は、重合性液晶材料と溶剤とを含んだ液晶層用塗工液を配向膜23上に塗布し、塗膜を乾燥および硬化させることにより得られる。ここでは、高分子液晶層24は、配向膜23の一部のみを被覆するように形成する。
【0043】
重合性液晶材料としては、例えば、ネマチック液晶材料を用いることができる。特に、液晶分子の両末端に重合可能な官能基を導入したものを使用した場合、対候性や物理強度に優れた配向膜が得られる。この官能基は、反応性や安定性を考慮するとアクリル基であることが好ましい。
【0044】
液晶層用塗工液は、典型的には、エネルギー線硬化を可能とするための重合開始剤を含有している。重合開始剤としては、例えば、α−ヒドロキシアセトフェノンおよびα−アミノアセトフェノンなどのアセトフェノンまたはその誘導体、ベンゾインエーテルまたはその誘導体、ベンジルケタールまたはその誘導体、α−ジカルボニル類、α−アシルオキシムエステル類などのラジカル重合開始剤を使用することができる。
【0045】
液晶層用塗工液が含む溶剤としては、例えば、水、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンなどのケトン、メチルアルコールおよびエチルアルコールなどのアルコール、トルエンなどの芳香族化合物を用いることができる。典型的には、液晶層用塗工液が含む溶剤としては、有機溶媒などの非水溶媒を使用する。
【0046】
液晶層用塗工液がエネルギー線硬化性である場合、塗膜へのエネルギー線の照射には、例えば、高圧水銀灯およびメタルハライドランプなどの紫外線照射装置やエレクトロンビーム照射装置などを用いることができる。末端にアクリル基を導入した重合性液晶材料を使用する場合、通常、エネルギー線として紫外線を用いる。重合性液晶材料の硬化の際、窒素パージなどを行って反応をより速やかに進めることも可能である。
【0047】
高分子液晶層24の硬化膜厚は、例えば、そのリターデイションと高分子液晶材料の複屈折率とに応じて決定する。高分子液晶層24は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。多層構造の高分子液晶層24は、例えば、高分子液晶層と配向膜とを交互に積層することにより得られる。
【0048】
上述した配向膜用組成物は、第1樹脂と第2樹脂とを含んでいる。
第1樹脂は、液晶層用塗工液に含まれる溶剤に可溶である。また、第1樹脂は、第2樹脂と比較して、光反射層22および高分子液晶層24の各々に対して優れた密着性を示す。すなわち、光反射層22上に第1樹脂からなる層を形成し、これを硬化させ、この層の上に高分子液晶層24を形成することにより得られる積層体は、第1樹脂の代わりに第2樹脂を使用すること以外は同様の方法により得られる積層体と比較して、高分子液晶層24の反射層22からの剥離は生じ難い。第1樹脂としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルウレタン、またはイソシアネート樹脂を使用することができる。
【0049】
第2樹脂は、第1樹脂と比較して、液晶層用塗工液に含まれる溶剤に難溶である。すなわち、硬化させた第2樹脂は、硬化させた第1樹脂と比較して、液晶層用塗工液に含まれる溶剤に溶け難い。典型的には、硬化させた第2樹脂は、この溶剤に不溶である。
【0050】
第2樹脂としては、ガラス転移温度が、液晶層用塗工液を用いて形成した塗膜の乾燥温度よりも高いものを使用する。例えば、第2樹脂として、ガラス転移温度が150℃以上のものを使用する。第2樹脂のガラス転移温度が先の塗膜の乾燥温度よりも低いと、高分子液晶層24において十分な配向秩序度を達成できないことがある。第2樹脂のガラス転移温度が十分に高い場合、例えば150℃以上である場合には、高い配向秩序度を達成することができる。
【0051】
第2樹脂としては、例えば、スーパーエンジニアリングプラスチック材料を使用することができる。スーパーエンジニアリングプラスチックとは、一般的には、例えば、強度が49.0MPaであり、曲げ弾性率が2.4GPa以上のプラスチックのうち、150℃以上の高温で長期使用が可能なものをいう。スーパーエンジニアリングプラスチック材料とは、このスーパーエンジニアリングプラスチックの材料をいう。スーパーエンジニアリングプラスチックまたはスーパーエンジニアリングプラスチック材料としては、例えば、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、またはポリエーテルイミド、ポリアミド、あるいはポリアミドイミドなどのポリイミドが挙げられる。
【0052】
第2樹脂として、例えば、下記化学式(1)の化合物と、下記化学式(2)および(3)の芳香族ジアミンと、下記化学式(4)のジアミンとからなる重量平均分子量が5万から30万のポリイミド共重合体を使用してもよい。この共重合体は、ガラス転移温度が150℃以上であり、また、イミド化が終了されているので、配向膜用組成物中の固形分含有量の調整等が容易になる。
【化1】

【0053】
第2樹脂として、ポリイミドの主鎖にアミド結合を導入したポリアミドイミドを使用してもよい。ポリアミドイミドは、ガラス転移温度が150℃以上であり、また、これを使用した場合には配向膜用組成物中の固形分含有量の調整等が容易になる。
【0054】
これらのイミノ基を含んだ樹脂は、硬化させなくとも液晶層用塗工液に含まれる溶剤に対する溶解性が低く、ガラス転移温度が高く、さらには適度な分子量を持っている。そのため、これら樹脂を第2樹脂として使用した場合、特に優れた性能の配向膜が得られる。
【0055】
上記の通り、第1樹脂は、第2樹脂と比較して、光反射層22に対して優れた密着性を示す。しかも、第1樹脂は、液晶層用塗工液に含まれる溶剤に可溶である。そのため、高分子液晶層24を形成する際に、配向膜23が含んでいる第1樹脂の一部が液晶層用塗工液からなる塗膜中に溶解し得る。そのため、この配向膜23は、光反射層22および高分子液晶層24の双方に対して優れた密着性を示すと考えられる。
【0056】
また、第2樹脂を使用せずに配向膜23を形成した場合、その配向処理した表面の多くが、高分子液晶層24を形成する際に液晶層用塗工液中に溶解する可能性がある。この場合、重合性液晶材料を所望の方向に配向させることが難しい。これに対し、第1および第2樹脂を用いて配向膜23を形成した場合、第2樹脂の溶解は生じ難いので、高分子液晶層24を形成する際に第1樹脂の一部が液晶層用塗工液中に溶解したとしても、重合性液晶材料を所望の方向に配向させることができる。
【0057】
すなわち、本実施形態によると、高分子液晶層24の光反射層22からの剥離を生じ難くすると共に、高分子液晶層24において十分な配向秩序度を達成することができる。
【0058】
配向膜用組成物は、第1樹脂の含有量Mと第2樹脂の含有量Mとの和に対する第1樹脂の含有量Mの比M/(M+M)が例えば0.05〜0.40の範囲内になるように調製する。比M/(M+M)を小さくすると、配向膜23の光反射層22および高分子液晶層24に対する密着性が低下する。一方、比M/(M+M)を大きくすると、高分子液晶層24における配向秩序度が低下する。また、第1樹脂がポリエステルであり、第2樹脂がポリイミドまたはポリアミドである場合、比M/(M+M)が大きいと、組成物中でポリエステルが析出することがある。この状態で塗工すると、塗膜で白化現象を生じる可能性がある。比M/(M+M)を先の範囲内とした場合には、これらの問題は生じない。
【0059】
第1および第2樹脂の溶剤としては、例えば、ノルマルメチルピロリドンやジメチルアセトアミドなどの両親媒性物質を使用することができる。但し、両親媒性物質の多くは、高沸点であり、蒸気圧が低い。そのため、単独で使用した場合には、塗膜を速やかに乾燥させることができず、また、配向膜23を均質に形成することが難しくなることがある。この問題は、例えば、両親媒性物質とテトラヒドロフランなどの低沸点および/または高蒸気圧の溶剤とを混合して使用することにより回避することができる。なお、両親媒性物質の多くは表面張力が小さいので、これを溶媒として使用した場合、グラビアコーティングなどの循環系のコーティング方法を用いたとしても、配向膜用組成物の発泡は生じ難い。
【0060】
上述した偽造防止媒体10には、様々な変形が可能である。例えば、この偽造防止媒体10の高分子液晶層24および配向膜23を、図示しない保護層で被覆してもよい。また、配向膜23の表面の一部と他の部分とでラビング方向を異ならしめ、それらラビング方向が異なる部分の双方の上に高分子液晶層24を形成してもよい。この場合、高分子液晶層24は、配向膜23の一部を被覆していてもよく、全体を被覆していてもよい。或いは、偽造防止媒体10に、以下に説明する構造を採用してもよい。
【0061】
図4は、図1および図2に示す偽造防止媒体の一変形例を概略的に示す平面図である。図5は、図4に示す偽造防止媒体のV−V線に沿った断面図である。
【0062】
この偽造防止媒体10は、以下の構成を採用した以外は、図1および図2を参照しながら説明した偽造防止媒体10と同様である。すなわち、図4および図5に示す偽造防止媒体10では、光反射層22を省略している。したがって、この偽造防止媒体10では、基材21が支持体を構成している。さらに、図4および図5に示す偽造防止媒体10は、ネマチック相を呈している重合性液晶材料をその配向状態を保ったまま重合させてなる高分子液晶層24の代わりに、コレステリック相を呈している重合性液晶材料をその配向状態を保ったまま重合させてなる高分子液晶層25を使用している。
【0063】
高分子液晶層25において、メソゲン基はヘリカル軸が膜面に略垂直なヘリカル構造を形成している。高分子液晶層25は、そのヘリカルピッチと一致する波長の光のうち、そのヘリカル構造の捩じれ方向と同じ方向に回転する偏光面を有する円偏光を、偏光面の捩じれ方向を維持したまま反射し、偏光面の回転方向が逆向きの円偏光を透過させる。
【0064】
この偽造防止媒体10は、肉眼で観察した場合と偏光子を介して観察した場合とで異なる画像を表示する。これについて、以下に説明する。なお、ここでは、基材21および配向膜23は無色透明であり、偽像防止媒体10の背面に光吸収層を形成した場合を例に説明する。また、偽造防止媒体10またはその前面のうち、高分子液晶層25に対応した領域を第1領域11と呼び、それ以外の領域を第2領域12と呼ぶ。
【0065】
偽造防止媒体10の前面に例えば自然光を照射すると、第1領域11は、左円偏光または右円偏光の一方を選択反射し、他方を透過させる。つまり、第1領域11からの反射光の強度は、入射光の強度のほぼ半分である。一方、第2領域12には反射層が存在していないので、第2領域12は、入射した自然光のほぼ全てを透過させる。そのため、偽造防止媒体10に自然光を照射して、これを肉眼で観察した場合には、第1領域11と第2領域12とを区別することができる。
【0066】
直線偏光子を介してこの偽造防止媒体10を観察した場合、第1領域11の明るさは、肉眼で観察した場合の約1/4にまで低下する。一方、第2領域12の明るさは、肉眼で観察した場合とほぼ等しい。つまり、偽造防止媒体10を直線偏光子を介して観察すると、第1領域11と第2領域12とのコントラスト比が小さくなる。
【0067】
なお、直線偏光子の代わりに円偏光子または楕円偏光子を使用した場合にも、この偽造防止媒体10は、上記と同様のコントラスト比の変化を生じる。例えば、高分子液晶層25が右円偏光を選択反射する場合、左円偏光子を介して偽造防止媒体10を観察すると、第1領域11および第2領域12の双方は暗部として見える。
【0068】
図4および図5に示す偽造防止媒体10は、以下の事項を除き、図1および図2を参照しながら説明した偽造防止媒体10と同様の方法により製造することができる。すなわち、ラビング処理を省略して、配向膜23を垂直配向膜とする。また、重合性液晶材料として、ネマチック液晶材料を使用する代わりに、コレステリック液晶材料を使用する。なお、コレステリック液晶材料としては、例えば、上述のネマチック液晶材料にカイラル剤を添加してなるものを使用することができる。
【0069】
上述した偽造防止媒体10は、上記の通り、真正であることが確認されるべき物品に支持させる。典型的には、偽造防止媒体10は、真正であることが確認されるべき物品に貼り付ける。
【0070】
この場合、偽造防止媒体10の背面、ここでは基材21の2つの主面のうち高分子液晶層24または25が形成されていない面に、粘着または接着加工を施してもよい。すなわち、偽造防止媒体10を用いて、偽造防止ラベルとして使用可能な粘着ラベルを形成してもよい。このラベルの基材21には、切り込みまたはミシン目を設けておいてもよい。すなわち、ラベルを剥がそうとしたときに、基材21が切り込みからまたはミシン目の位置で破れるような構造を採用してもよい。
【0071】
偽造防止媒体10を含んだ転写箔を形成し、これを用いて、偽造防止媒体10を物品に取り付けてもよい。
【0072】
図6は、転写箔の一例を概略的に示す断面図である。図6に示す転写箔90は、基材91を含んでいる。基材91上には、剥離層92、図1および図2に示す偽造防止媒体10、および接着層93が順次積層されている。
【0073】
偽造防止媒体10は、剥離層92を間に挟んで基材91と向き合った基材21を含んでいる。この例では、基材21が支持体を構成している。基材21上には、配向膜23、高分子液晶層24および光反射層22が順次積層されている。接着層93は、光反射層22を被覆している。
【0074】
このように、支持体が基材21である場合であっても、支持体が基材21と光反射層23との積層体である場合と同様の効果を得ることができる。
【0075】
真正であることが確認されるべき物品が印刷物である場合、偽造防止媒体10は、他の方法で物品に支持させることができる。例えば、偽造防止媒体10は、スレッド(ストリップ、フィラメント、糸状物、安全帯片などとも称される)と呼ばれる形態で紙にすき込んでもよい。
【実施例】
【0076】
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
厚さ25μmの片面アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、アルミニウム蒸着面の一部に配向膜用組成物をバーコーターで塗布した。配向膜用組成物としては、以下の組成を有する混合物を用いた。
【0077】
バイロン280 (東洋紡(株)製) 3重量%
バイロマックスHR16NN (固形分 30wt%、東洋紡(株)製) 25重量%
溶剤(50重量部のテトラヒドロフランと50重量部のジメチルアセトアミドとの混合液) 72重量%
なお、バイロン280は第1樹脂であるポリエステルからなり、バイロマックスHR16NNの固形分は第2樹脂であるポリアミドイミドからなる。つまり、配向膜用組成物の第1樹脂の含有量は3重量%であり、第2樹脂の含有量は7.5重量%である。
【0078】
この塗膜を100℃で1分間の送風乾燥に供した。乾燥後、専用ラビング機にてパイル糸がレーヨンであるラビング布を用い、押込み量0.6mm、回転数400rpmにてラビング処理を行った。これにより、配向膜を得た。
【0079】
次に、この配向膜上に液晶層用インキを塗布した。この塗膜は、硬化膜厚が約1μmとなるように形成した。この液晶層用インキの組成を以下に示す。
【0080】
液晶 (商品名:パリオカラー LC242 BASF(株)製) 30重量%
重合開始剤 (商品名:イルカギュア184 チバカイギー(株)製) 1.5重量%
溶剤 (50重量部のトルエンと50重量部のメチルエチルケトンとの混合液) 68.5重量%
この塗膜を100℃で1分間の送風乾燥に供した後、高圧水銀灯にて500mJ/cm2の光照射を行って塗膜を硬化させた。これにより、λ/4位相差層を得た。
【0081】
以下、このように作製した偽造防止媒体をサンプル1と呼ぶ。
【0082】
(実施例2)
バイロマックスHR16NNの代わりに以下の材料を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法により偽造防止媒体を作製した。以下、この偽造防止媒体をサンプル2と呼ぶ。
【0083】
スミカエクセル 4100G (住友化学工業(株)製) 7.5重量%
なお、スミカエクセル 4100Gは第2樹脂であるポリエーテルサルホンからなる。したがって、配向膜用組成物の第2樹脂の含有量は7.5重量%である。
【0084】
(実施例3)
バイロマックスHR16NNの代わりに以下の材料を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法により偽造防止媒体を作製した。以下、この偽造防止媒体をサンプル3と呼ぶ。
【0085】
ユーデル P−1700 (ソルベイアドバンスドポリマーズ(株)製) 7.5重量%
なお、ユーデル P−1700は第2樹脂であるポリサルホン樹脂からなる。したがって、配向膜用組成物の第2樹脂の含有量は7.5重量%である。
【0086】
(実施例4)
バイロマックスHR16NNの代わりに以下の材料を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法により偽造防止媒体を作製した。以下、この偽造防止媒体をサンプル4と呼ぶ。
【0087】
Uポリマー (U−8000 ユニチカ(株)製) 7.5重量%
なお、U−8000は第2樹脂であるポリアリレート樹脂からなる。したがって、配向膜用組成物の第2樹脂の含有量は7.5重量%である。
【0088】
(実施例5)
バイロマックスHR16NNの代わりに以下の材料を用いたこと以外は、実施例1と同じ方法により偽造防止媒体を作製した。以下、この偽造防止媒体をサンプル5と呼ぶ。
【0089】
リカコート SP−20 (固形分 30wt%、新日本理化(株)製) 25重量%
なお、リカコート SP−20の固形分は第2樹脂であるポリイミド樹脂からなる。したがって、配向膜用組成物の第2樹脂の含有量は7.5重量%である。
【0090】
(実施例6)
バイロン280の含有量を1重量%、溶剤の含有量を76重量%に変えて配向膜用組成物を調製した以外は、実施例1と同じ方法により偽造防止媒体を作製した。以下、この偽造防止媒体をサンプル6と呼ぶ。
【0091】
本例の配向膜用組成物の第1樹脂の含有量は1重量%であり、第2樹脂の含有量は7.5重量%である。
【0092】
(実施例7)
厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、片方の主面に実施例1で使用したのと同じ配向膜用組成物をバーコーターで塗布した。次いで、実施例1と同じ方法で、塗膜の乾燥およびラビング処理を行った。これにより、配向膜を得た。
【0093】
次に、この配向膜上に液晶層用インキを塗布した。この塗膜は、硬化膜厚が約3μmとなるように形成した。この液晶層用インキの組成を以下に示す。
【0094】
液晶 (商品名:パリオカラー LC242 BASF(株)製) 30重量%
カイラル剤 (商品名:パリオカラー LC756 BASF(株)製) 1.5重量%
重合開始剤 (商品名:イルカギュア184 チバカイギー(株)製) 1.5重量%
溶剤 (50重量部のトルエンと50重量部のメチルエチルケトンとの混合液) 67重量%
この塗膜を実施例1と同じ方法で乾燥および硬化させ、コレステリック液晶層を得た。
【0095】
以下、このように作製した偽造防止媒体をサンプル7と呼ぶ。
【0096】
(比較例1)
第2樹脂を用いずに配向膜用組成物を調製したこと以外は、実施例1と同じ方法により偽造防止媒体を作製した。以下、この偽造防止媒体をサンプル8と呼ぶ。
【0097】
(比較例2)
第1樹脂を用いずに配向膜用組成物を調製したこと以外は、実施例1と同じ方法により偽造防止媒体を作製した。以下、この偽造防止媒体をサンプル9と呼ぶ。
【0098】
上記の実施例1〜7、比較例1および2で得られたサンプル1〜9に対して、以下の評価を行った。その結果を下記表に示す。
【0099】
(1)液晶配向性試験
サンプル1〜9に対して、目視によって液晶層の配向性を評価した。液晶の配向が良好であれば、液晶層において光散乱は生じないため、液晶層は透明に見える。一方、液晶層の配向が良好でなければ、液晶層において光散乱が生じ、液晶層は白濁して見える。したがって、目視により透明に見えたものは配向性が良好であると判断して表中に「〇」印を記入し、白濁して見えたものは配向性が不十分であると判断して表中に「×」印を記入した。
【0100】
(2)密着性試験
サンプル1〜9に対して、配向膜の密着性の評価を以下の手順で行った。各々のサンプルの液晶層が形成されていない面を固定し、液晶層に粘着テープを貼り付けた。その状態で、粘着テープを一定の力で引き剥がした。液晶層がポリエチレンテレフタレートフィルムから剥離しなかったものは密着性が良好であると判断して表中に「〇」印を記入し、剥離したものは密着性が不十分であると判断して表中に「×」印を記入した。
【表1】

【0101】
表からわかるように、第1樹脂と第2樹脂とを両方含んだ配向膜用の組成物を用いた場合、液晶の配向性と、配向膜の支持体および液晶層の双方に対する密着性との両方が良好であるサンプルを作製することができた。
【0102】
一方、第1樹脂を含まない組成物を用いて配向膜を形成した場合、比較例1の結果からわかるように、剥離試験により剥離が認められた。これは、第2樹脂の、支持体および/または液晶層に対する密着性が低いためである。
【0103】
また、第2樹脂を含まない組成物を用いて配向膜を形成した場合、比較例2の結果からわかるように、液晶層に白濁が認められた。これは、配向膜を構成している第1樹脂が重合性液晶材料の溶剤に溶解してしまい、配向膜の配向能が低下したためであると推定される。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の第1実施形態の偽造防止媒体を概略的に示す平面図。
【図2】図1に示す偽造防止媒体のII−II線に沿った断面図。
【図3】(a)および(b)は、図1および図2に示す偽造防止媒体と直線偏光フィルムとを重ねた場合に観察可能な画像の例を概略的に示す平面図。
【図4】図1および図2に示す偽造防止媒体の一変形例を概略的に示す平面図。
【図5】図4に示す偽造防止媒体のV−V線に沿った断面図。
【図6】転写箔の一例を概略的に示す断面図。
【符号の説明】
【0105】
10…偽造防止媒体、11…第1領域、12…第2領域、21…基材、22…光反射層、23…配向膜、24…高分子液晶層、25…高分子液晶層、50…直線偏光フィルム、90…転写箔、91…基材、92…剥離層、93…接着層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に形成されかつ重合性液晶材料と溶剤とを含有した塗工液を塗布して形成する高分子液晶層の下地として使用する配向膜用の組成物であって、第1樹脂と、第2樹脂とを含み、前記第1樹脂は前記第2樹脂よりも前記支持体および前記液晶層の各々との密着性が高く、前記第2樹脂は前記第1樹脂よりも前記溶剤に難溶であることを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記第1樹脂の含有量Mと前記第2樹脂の含有量Mとの和に対する前記第1樹脂の含有量Mの比M/(M+M)が0.05〜0.40の範囲内にあることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記第1樹脂は、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルウレタン、およびイソシアネート樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有し、
前記第2樹脂は、スーパーエンジニアリングプラスチック材料であることを特徴とする請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
前記第2樹脂はポリイミドを含んだことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
支持体と、
請求項1から4のいずれか1項記載の組成物を前記支持体に塗布することにより形成された配向膜と、
前記配向膜上に形成された高分子液晶層とを含んだことを特徴とする偽造防止媒体。
【請求項6】
前記重合性液晶材料はアクリル基を有していることを特徴とする請求項5記載の偽造防止媒体。
【請求項7】
請求項5または6記載の偽造防止媒体と、その背面に支持された粘着層とを具備したことを特徴とする偽造防止ラベル。
【請求項8】
請求項5または6記載の偽造防止媒体と、これがすき込まれた紙とを具備したことを特徴とする印刷物。
【請求項9】
基材と、
前記基材に前面を剥離可能に支持された請求項5または6記載の偽造防止媒体と、
前記偽造防止媒体の背面に支持された接着層とを含んだことを特徴とする転写箔。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−83093(P2008−83093A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−259700(P2006−259700)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】