説明

配管詰まり検知装置及び配管詰まり検知方法

【課題】投入物の流量、質の変化によらず、安定して配管の詰まりを検知できる検知装置を提供する。
【解決手段】本発明の配管詰まり検知装置1は、ゴミ焼却炉2の投入配管3に設けられたものであり、この配管詰まり検知装置1は、配管の管壁に取り付けられた複数の振動センサ7と、この複数の振動センサ7により検出された振動がそれぞれ異なるタイミングで低減した際に、配管に詰まりが発生したと判定する判定部8とが備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴミ焼却炉、サイロなどへ投入物を投入する投入配管(シュート装置)などに設けられた配管詰まりを検知する装置及び配管詰まり検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ゴミ焼却炉において、焼却炉本体に連通する投入配管に投入物の詰まりが発生し、炉内へのゴミの供給が不安定になると、燃焼状態が悪化する可能性がある。詰まりが大きくなると排除作業にもコストが掛かってしまう。このようなことから、詰まりの早期発見が重要な課題である。そのため、投入配管の詰まりを検出する技術として種々のものが開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、サイクロンシュートの粉体詰まり検出装置が開示されている。この技術は、配管内を流れる固形物と配管や配管内装置との衝突によって生じる振動や音に着目し、詰まりが発生すると衝撃振動・音が小さくなることを利用して詰まりを検知する。すなわち、振動・音が大きいと詰まりはなく、振動・音が小さくなると「詰まりが発生」と判定している。
【0004】
特許文献2には、プラスチック輸送配管の詰まり検知方法が開示されている。この技術では、詰まり位置を特定するために、配管の複数箇所に振動・音センサを設け、各位置のセンサの出力から詰まり状況を検知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−255749号公報
【特許文献2】特開2001−206546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1や特許文献2の検出技術では、投入物の投入量の変化に伴う流量の変化や投入物の嵩比重が小さくなることに起因する振動の変化を、「詰まり」として検出し誤判定を行うことが多々あった。
例えば、少ない量の投入物が連続して投入される状況を考えるに、この状況では「詰まり」は発生しておらず正常な状況である。しかしながら、特許文献1や特許文献2の検出技術では、振動センサからの出力値が小さいため、「詰まり有り」と誤判定を行う可能性大である。同様に、投入物が軟らかく軽いものに変化したために衝撃振動(衝突振動と言うこともある)が小さくなり、詰まりなく流れているにもかかわらず「詰まり有り」と誤判定してしまうことも有りうる。
【0007】
特に、一般家庭から出るゴミの焼却炉においては、様々な大きさ・嵩比重のごみを粉砕したものが投入され、投入量も運転条件により変動するので、従来の技術では正確な検知が困難である。特許文献2の技術は、振動・音の着目する周波数範囲を変更することで投入物の種類・量の変化に対応する方法が示されているが、投入物の大きさなどがある程度決まったものならまだしも、一般ゴミの焼却炉のように、投入物の種類・量の変化パターンが多数ある場合や頻繁に変化する場合には、正確な検知が不可能となる。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題点を鑑み、投入物の流量、質の変化によらず、安定して配管の詰まりを検知できる検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明の配管詰まり検知装置は、上方から投入物が投入される配管での詰まりを検知するものであって、前記配管の管壁には複数の振動センサが取り付けられ、該複数の振動センサにより検出された振動がそれぞれ異なるタイミングで低減した際に、当該配管に詰まりが発生したと判定する判定部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
前記配管はゴミ焼却炉に前記投入物を投入する投入配管である場合に、本発明の配管詰まり検知装置は好適である。
本願発明者らは、投入物の流量、質の変化によらず、安定して配管の詰まりを検知できる検知装置を開発すべく鋭意研究を行い、焼却炉等に配設された配管での詰まり発生メカニズムが、以下の通りであることを知見するに至った。
【0011】
一般家庭から出るゴミの焼却炉においては、受け入れたゴミを粉砕したものが投入配管に投入される。機器トラブルを防止するために、受け入れるゴミの種類や大きさを制限しているが、まれに規格外のゴミが含まれていることがあり、それらが十分に粉砕されないまま投入されてしまうこともある。例えば、長い棒状のゴミや漁網のようなゴミが投入されると、それらが配管内で引っかかるなどして配管詰まりの原因となる可能性がある。また、粘着性の高いゴミが配管壁に付着して原因となる可能性もある。このような原因により、一旦、投入物が配管内面に付着すると、図2に示す如く、後に投入された投入物は前述の付着投入物の上流側に滞留し付着物自体が大きくなる。やがては、配管側壁の付着物が下流から上流側にどんどん大きくなり、その付着物によって配管自体が狭窄しついには閉塞するようになる。
【0012】
本発明は、上述した「投入物の付着過程」に着目して、配管の詰まりを検出するものであり、配管の管壁には複数の振動センサが取り付けられている。投入物が正常に流下している場合には、複数の振動センサのいずれからも、比較的規則正しい振動が略一定のレベルで検出されるが、配管内に付着物が付着した場合には、付着物に近い振動センサからの出力レベルが著しく低下する。加えて、付着物の堆積状況は配管の下流側から上流側へと伸びてゆくため、複数の振動センサが検出する振動レベルは異なるタイミングで低下してゆく。ゆえに、判定部は、複数の振動センサにより検出された振動がそれぞれ異なるタイミングで低減した際に、当該配管に詰まりが発生したと判定する。
【0013】
この判定部の結果を基にすると、配管の詰まりを確実に検出できると共に、投入物の投入量の変化や投入物の嵩比重の変化に起因する振動変動を「詰まり」として検知し誤判定しない。ひいては、投入物の流量、質の変化によらず、安定して配管の詰まりを検知できるようになる。
なお好ましくは、前記複数の振動センサは、配管の上流側から下流側に向かってそれぞれ配設されていて、前記判定部は、配管の下流側から上流側へと振動が低減した際に、当該配管に詰まりが発生したと判定するとよい。
【0014】
上述した如く、配管内における投入物の付着は下流側から上流側へと広がってゆく。ゆえに、複数の振動センサを、配管の上流側から下流側に向かってそれぞれ配設し、各センサからの振動が、配管の下流側から上流側へと順に低減した際に、当該配管に詰まりが発生したと判定すると、配管の詰まりを確実に検出できる。
さらに好ましくは、前記複数の振動センサは、前記配管の側壁であって投入物が衝突する側に設けられているとよい。
【0015】
こうすることで、投入物による振動を確実に検知できるようになる。
また、前記複数の振動センサは、前記配管の管壁の周方向に沿ってそれぞれ配設されていて、前記判定部は、前記配管の周方向に沿って振動が低減した際に、当該配管に詰まりが発生したと判定するとよい。
鉛直状に配備された投入配管の場合、投入された投入物は配管内部の周方向のどの部分であっても衝突する可能性がある。ゆえに、複数の振動センサを配管の管壁の周方向に沿ってそれぞれ配設することで、配管の振動を確実に検知でき、詰まり状態を正確に判定できるようになる。
【0016】
さらに、前記配管には、当該配管を通じて振動が伝播することを抑制する振動抑制手段が設けられ、前記振動抑制手段で区切られた各区間ごとに、前記振動センサが配備されているとよい。
この振動抑制手段により、配管に生じた振動が配管内を伝搬し難くなり、各振動センサごとの振動の差異がより明確になるので、詰まり判定の精度を高くすることができる。
【0017】
本発明の配管詰まり検知方法は、上方から投入物が投入される配管の管壁に取り付けられた複数の振動センサにより、当該配管の振動を検出し、前記検出された振動がそれぞれ異なるタイミングで低減した際に、配管に詰まりが発生したと判定することを特徴とする。
この方法によれば、配管の詰まりを確実に検出できると共に、投入物の投入量の変化や投入物の嵩比重の変化に起因する振動変動を「詰まり有り」と誤判定することを回避できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る配管詰まり検知装置及び配管詰まり検知方法によると、投入物の流量、質の変化によらず、安定して配管の詰まり状況を検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】焼却炉に設置された第1実施形態に係る配管詰まり検知装置の概略図である。
【図2】第1実施形態に係る配管詰まり検知装置の部分拡大図である。
【図3】振動センサからの出力を示した図である。
【図4】衝撃振動回数の時間遷移を示した図である。
【図5】第2実施形態に係る配管詰まり検知装置の説明図である。
【図6】第3実施形態に係る配管詰まり検知装置の設置状況図である。
【図7】第3実施形態に係る配管詰まり検知装置の設置状況図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を、図を基に説明する。
なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
[第1実施形態]
図1に本発明の実施形態に係る配管詰まり検知装置1を示したものである。この配管詰まり検知装置1は、ゴミ焼却炉2の投入配管3に設けられている。この投入配管3には、投入物として、家庭ゴミがプラスチック等のゴミ袋に収納されたもの、粗大ごみ等がそのままの状態若しくは粉砕された状態で投入される。ゆえに、以降、かかる投入物を単にゴミと表記し、ゴミ焼却炉2を単に焼却炉2を表記する。
【0021】
焼却炉2は、ゴミが燃焼させられる炉本体4を備える。炉本体4には、ゴミが供給される投入口5と、この投入孔に連通する投入配管3と、燃焼用のバーナ(図示せず)と、排ガスの排出口6とが設けられている。炉内壁は、耐火レンガなどの耐火被覆材が設けられた構造となっている。
上述した構造の焼却炉2にあっては、投入配管3の上流側に設けられた投入口5から、様々な特性(硬さ、重さなど)を持つゴミが投入される。投入されたゴミは投入配管3内を流下し、焼却炉2の内に入り、燃焼・熱分解される。
【0022】
本実施形態の投入配管3は、投入口5に続く上流部3aは鉛直状に配され、下流部3bは鉛直方向に対して斜め(図1では右斜下状)に設けられている。このような投入配管3では、炉本体4と投入配管3との境界近傍で管壁への付着物Sの発生(初期の詰まり)がおこり、そこから上流側や管の中心側に付着物Sが増大(詰まりが成長)していく場合が多い。
【0023】
そのような付着物Sの発生、それに伴う配管の閉塞を検知する配管詰まり検知装置1は、投入配管3の管壁に設けられた複数の振動センサ7を有している。さらに、この複数の振動センサ7により検出された振動がそれぞれ異なるタイミングで低減した際に、当該配管に詰まりが発生したと判定する判定部8を有している。
詳しくは、図1,図2に示す如く、投入配管3の下流部3bにおいて、ゴミの流下方向(管長手方向)に沿って投入配管3の外周壁に3つの振動センサ7(7A,7B,7C)が設けられている。振動センサ7は、圧電素子等で構成され、例えば、1Hz〜10kHzの振動を検知可能であって、耐熱性に優れるように金属ケースの中に配備されている。
【0024】
投入配管3の上流部3aは垂直となっているため、投入されたゴミは、配管下流部3bの下側に衝突することとなる。そのため、3つの振動センサ7A,7B,7Cは配管下流部3bの下側の外周壁に取り付けることが好ましい。
なお、振動センサ7の取り付け数は3個に限定されない。2つでもよく4つ以上設置しても何ら問題はない。また、設置場所は、配管詰まりが発生する場所とすることが好ましい。多くの焼却炉2においては、操業実績として「配管詰まり」が起こりやすい場所が特定されていることが多いため、設置場所の選定は比較的容易である。配管詰まりの起こる場所が特定できない場合などは、投入配管3の広い領域(例えば、最上流側から最下流側へ亘って)、複数の振動センサ7を設置するとよい。
【0025】
振動センサ7の出力信号は振動計測部9で増幅される。図3には、増幅後の振動加速度の例を示している。投入されたゴミに含まれている比較的硬くて重い固形物の管壁への衝突により、衝撃的な振動が生じていることが見て取れる。この波形は、ゴミの形状や重さにより様々であり、一例として捉えるべきである。このような振動センサ7の出力信号は、コンピュータで構成された判定部8に入力され、配管内の付着物Sの有無、状況が判定される。
【0026】
判定部8で行われる判定処理は以下の通りである。
図4は、振動センサ7A,7B,7Cからの出力を基に、衝撃振動回数(例えば、図3に示すような波形で、1分間における所定閾値以上の加速度を有するピーク波形の発生回数)を算出した上で、この衝撃振動回数の時間遷移を示したものである。
図4から明らかなように、3つの振動センサ7A,7B,7Cのそれぞれについて、単位時間中の衝撃振動の回数は時間と共に変動している。振動センサ7Aは、鉛直部の下に位置しているので衝撃振動の回数が最も多く、逆に、焼却炉2に近い振動センサ7Cの衝撃振動の回数は最も少ない。
【0027】
図4のX領域では、振動センサ7A,7B,7C全てにおける衝撃振動の回数がほぼ同時に減少している。これは、ごみの投入量が減少したことに起因していると考えられる。また、ごみの質が変化し、ごみに含まれる硬くて重い投入物の割合が変化した場合にも、すべての振動センサ7の出力が同じように変化する。
一方、図4のY領域では、振動センサ7C→振動センサ7B→振動センサ7Aの順に回数が減少している。すなわち、振動センサ7Cは時間TCから衝撃振動回数(センサ自身の出力値でもよい)が減少し、振動センサ7Bは時間TBから衝撃振動回数が減少し、振動センサ7Aは時間TAから衝撃振動回数が減少している。時間TC<時間TB<時間TAであり、時間間隔(例えば、時間TA−時間TB)は例えば5分程度である。
【0028】
このように、振動センサ7A,7B,7Cの出力がそれぞれ異なるタイミングで低減することは、ごみの詰まりが、図2に示すメカニズムで成長していることに起因している。つまり、何らかの原因で投入配管3の内壁にゴミが張り付いたとしたら、それに引っ掛かるように上流側に向かって新たなゴミが付着して行き、やがては大きな詰まりへと発展してゆく。したがって、下流側に位置する振動センサ7C→振動センサ7B→振動センサ7Aの順番で出力が減ってゆくこととなる。このように、配管の下流側から上流側へと順に振動が低減した際に、判定部8は配管内に詰まりが発生した又は発生しつつあると判断する。
[第2実施形態]
図5は、本発明に係る配管詰まり検知装置1の第2実施形態を示している。第2実施形態と第1実施形態との大きな差は、投入配管3に対する振動センサ7の設置場所が異なっている点にある。振動センサ7の設置個数は3個で説明を進めるが、その数は限定されない。
【0029】
他の構成に関しては、第1実施形態と略同様であるので、説明を省略する。
例えば、図5(a)の如く、投入配管3の上流部3aが右斜下向き傾斜状に設けられ、投入配管3の下流部3bが鉛直状に設けられている場合は、投入口5から投入されたゴミは、図5(a)において、下流部3bの右側側壁に衝突するようになる。ゆえに、ゴミが最も衝突するであろう場所から上流側に振動センサ7C,振動センサ7B,振動センサ7Aを順に設置している。
【0030】
この配管構造では、図5(b)に示すように、投入配管3の下流部3bの下流側(下側)からゴミの付着が始まることが殆どであり、下流側に位置する振動センサ7C→振動センサ7B→振動センサ7Aの順番で出力が減ってゆくこととなる。このように、配管の下流側から上流側へと順に振動が低減した際に、判定部8は配管内に詰まりが発生した又は発生しつつあると判断する。
【0031】
また、図5(c),図5(d)の如く、鉛直部のみで形成された投入配管3の場合は、配管の周方向に沿ってそれぞれ配設されていて、判定部8は、配管の周方向に沿って順に振動が低減した際に、当該配管に詰まりが発生したと判定する。より好ましくは、配管の軸心に対し垂直な平面(水平面)を考え、配管の外周面であって、当該水平面内に等間隔に複数の振動センサ7を設置するようにするとよい。
【0032】
鉛直に配備された投入配管3の場合、図5(d)に示すように、配管内壁の周方向に沿って付着物Sが付着していくことが明らかとなっているため、図5(c),図5(d)のように複数のセンサを設置した場合、振動センサ7C→振動センサB→振動センサAの順番で出力が減ってゆくこととなる。このように、振動センサ7の出力がそれぞれ異なるタイミングで低減した際に、判定部8は配管内に詰まりが発生した又は発生しつつあると判断することができる。
【0033】
当然ながら、詰まりの基点が複数ある場合には、図5(c)のようなセンサ配置を投入配管3の長手方向に複数設置してもよい。
[第3実施形態]
図6は、本発明に係る配管詰まり検知装置1の第3実施形態を示している。第3施形態と第1実施形態との大きな差は、振動センサ7が設置される投入配管3の構造(特に、設置部分近傍)が異なっている点にある。振動センサ7の設置個数は3個で説明を進めるが、数は限定されない。
【0034】
図6に示すように、本実施形態では、振動センサ7を設ける管壁を、H型断面の梁部材10(振動抑制手段)によって各振動センサ7に対応する3つの区画に区切った。このような構造にすることにより、1つの区画で生じた振動が隣接する区画に伝搬し難くなり、区画ごとの振動の差異がより明確になるので、詰まり判定の精度を高くすることができる。梁部材10の断面形状はH型に限られず、管壁に比して剛性が高いものであればよい。また、区画間に防振部材を設けて振動伝播を抑制してもよい。
【0035】
また、図7に示すように、同様の効果を奏する目的で、振動センサ7を設ける配管の外周壁にリブ11を溶接することで、配管外壁を各振動センサ7に対応する3つの区画に区切ってもよい。このリブ11が振動抑制手段として作用することとなる。
以上述べた第1実施形態〜第3実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0036】
例えば、ゴミの付着は振動センサ7Cから始まるとして説明をしていたが、振動センサ7Bから始まることもあり得る。その場合、振動センサ7Cの出力は変化せず、振動センサ7B→振動センサAの順番で出力が減ってゆくこととなる。また、ゴミの付着状況により、振動センサ7Bの出力が減少した後、振動センサ7A→振動センサ7Cの順で出力が減ることもあるし、振動センサ7Bの出力が減少した後、振動センサ7Aと振動センサ7Cの出力がほぼ同時に減少することも考えられる。振動センサ7A→振動センサ7B→振動センサ7Cの順で出力が減少する可能性がないとは言えない。しかしながら、いずれの場合であっても、振動センサ7の出力がそれぞれ異なるタイミングで低減してゆくことには変わりないので、その変化を検出することで、判定部8は配管内に詰まりが発生した又は発生しつつあると判断できる。
【0037】
また、詰まりの判定手法として、衝撃振動の回数を基にした詰まり判定を開示したが、これに限られず、ごみの質や詰まりの発生・成長メカニズムに応じて最適に決めればよい。例えば、比較的均質な(硬さや重さのばらつきが少ない)ごみの場合、実施例のような衝撃的な振動を抽出するのは困難になるので、振動レベル(振幅)の時間平均値の変化に着目すればよい。
【0038】
また、投入配管3は、鉛直部と傾斜部の組合せ、又は鉛直部のみの場合を説明したが、傾斜部のみからなるものにも適用可能である。その場合、ゴミが最も衝突しやすい場所を選定しておき、その部位に複数のセンサを設置するとよい。
【符号の説明】
【0039】
1 配管詰まり検知装置
2 ゴミ焼却炉
3 投入配管
3a 投入配管の上流部
3b 投入配管の下流部
4 炉本体
5 投入口
6 排出口
7 振動センサ(7A,7B,7C)
8 判定部
9 振動計測部
10 梁部材(振動抑制手段)
11 リブ(振動抑制手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方から投入物が投入される配管での詰まりを検知する配管詰まり検知装置において、
前記配管の管壁には複数の振動センサが取り付けられ、該複数の振動センサにより検出された振動がそれぞれ異なるタイミングで低減した際に、当該配管に詰まりが発生したと判定する判定部が設けられていることを特徴とする配管詰まり検知装置。
【請求項2】
前記複数の振動センサは、配管の上流側から下流側に向かってそれぞれ配設されていることを特徴とする請求項1に記載の配管詰まり検知装置。
【請求項3】
前記判定部は、配管の下流側から上流側へと振動が低減した際に、当該配管に詰まりが発生したと判定することを特徴とする請求項2に記載の配管詰まり検知装置。
【請求項4】
前記複数の振動センサは、前記配管の側壁であって投入物が衝突する側に設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の配管の配管詰まり検知装置。
【請求項5】
前記複数の振動センサは、前記配管の管壁の周方向に沿ってそれぞれ配設されていることを特徴とする請求項1に記載の配管詰まり検知装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記配管の周方向に沿って振動が低減した際に、当該配管に詰まりが発生したと判定することを特徴とする請求項5に記載の配管詰まり検知装置。
【請求項7】
前記配管には、当該配管を通じて振動が伝播することを抑制する振動抑制手段が設けられ、前記振動抑制手段で区切られた各区間ごとに、前記振動センサが配備されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の配管詰まり検知装置。
【請求項8】
前記配管はゴミ焼却炉に前記投入物を投入する投入配管であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の配管詰まり検知装置。
【請求項9】
上方から投入物が投入される配管の管壁に取り付けられた複数の振動センサにより、当該配管の振動を検出し、
前記検出された振動がそれぞれ異なるタイミングで低減した際に、配管に詰まりが発生したと判定することを特徴とする配管詰まり検知方法。

【図4】
image rotate

【図7】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−43384(P2011−43384A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191044(P2009−191044)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】