説明

配線または配管の保護カバー

【課題】工場設備における多数の配線コードまたは配管ホースの配置処理において、現地施工が容易であり、駆動設備などに取り付けられ、都度屈曲し追随することが余儀なく求められる場合においても、異常な外観変化を伴わず美観的にスッキリと見せる、慮外の開腹を防ぐ配線保護カバーおよびそれを用いた配線コードまたは配管ホースを被覆結束方法、さらに該保護カバーにより結束一体化された結束体を提供する。
【解決手段】ラセン状またはリング状の硬質芯材と柔軟層が交互に繰り返される円筒型の芯材補強ホースの円筒周上の一部が該ホース長さ方向に連続して裁断され、その横断面形状が、裁断部の片側が円筒内に巻き込まれた“の字状”の形状を有している配線または配管の保護カバーおよび記載の保護カバーの裁断部を押し拡げ、配線または配管を該カバー内に束ねて挿入したのち、該保護カバーを捻ることで配線または配管に該保護カバーをラセン状に密着させる配線または配管挿入保護カバーの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の配線コード、配管ホース等の柔軟な線材の結束を兼ねた配線または配管の保護カバーおよび該カバーに線材を挿入固定する方法、さらに配線または配管が挿入された保護カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、工場設備における多数の配線コードや配管ホース等を配置処理する方法として、外観上および安全上などの問題から、近接するものを一つに束ねることが一般的に行われている。
この結束方法としては、代表的に次の四つのタイプが挙げられる。
(1)約50cm程度の間隔で勘合結束バンド(インシュロックタイ)で複数の線材自体を結束する方法。
(2)ラセン結束帯(スパイラルチューブ)を複数の線材に巻き付け結束する方法。
(3)縦割りホースに複数の線材を内蔵させ、縦割りホース上から、約50cm程度の間隔で勘合結束バンド(インシュロックタイ)で縦割りホースを封じる方法。
(4)予めホースまたはチューブに配線や配管を内蔵させ、後に端部を装置等に連結する方法、
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した四つの方法の特徴は以下である。
(2)の勘合結束バンド(インシュロックタイ)は、非常に簡便であるが、見栄えが悪く、屈曲時においては、それぞれの柔軟性差によって線材間のバラケが見受けられる問題がある。
(2)のラセン結束帯(スパイラルチューブ)は、(1)と比較して、屈曲時のバラケ問題は改善されるものの、巻き付けたラセンのピッチ間から各種線材が垣間見えるなど美観的な問題は避けられず、さらに、巻き付けに手間取ること、チューブをスパイラルにカットする製法故にφ50mm以上に結束する大口径製品の入手困難であること、などの新たな問題もある。
【0004】
(3)の縦割りホース内蔵は、各種線材が内蔵されることから、線材間のバラケが目視されることなく、汎用ホースを縦割りし部分的に封じて利用するため大口径の対応も可能であるが、屈曲時においては封じられていない部分で縦割り部が割腹する場合がある。
(4)の予めホースまたはチューブへの内蔵は、最も外観的に優れており、屈曲時の問題も解決するものであるが、配線が事前決定している場合だけに対応可能であり、追加変更が困難であり、現地施工性が悪いという問題がある。
【0005】
これら一般的な方法の一長一短から、現地施工が容易であり、駆動設備などに取り付けられ、都度屈曲し追随することが余儀なく求められる場合においても、異常な外観変化を伴わず美観的にスッキリと見せることが未解決の課題であった。
さらには、機械の動作影響を考慮し、軽量化および電磁波影響をも考慮すべき課題として挙げられる。
【0006】
本発明は、現地施工が容易であり、駆動設備などに取り付けられ、都度屈曲し追随することが余儀なく求められる場合においても、異常な外観変化を伴わず美観的にスッキリと見せる、慮外の開腹を防ぐ、柔軟な配線又は配管保護カバーおよび同カバーへの線材束の挿入固定方法、そして配線または配管が挿入された保護カバー、さらには電磁波シール性など機能化付与技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記した目的を達成するためのものであり、具体的には、ラセン状またはリング状の硬質芯材と柔軟層が交互に繰り返される円筒型の芯材補強ホースの円筒周上の一部が該ホース長さ方向に連続して裁断され、その横断面形状が、裁断部の片側が円筒内に巻き込まれた“の字状”の形状を有している柔軟な配線又は配管(以下両者を代表して配線と称す)保護カバーである。
【0008】
そして好ましくは、上記柔軟層が、不織布または織編布の繊維層と樹脂フィルムがラミネート複合されたものである配線保護カバーである。
また、好ましくは、上記硬質芯材が、上記軟質層表面の樹脂に融着されて一体化された構造であり、硬質芯材を構成する樹脂および軟質層表面を構成する樹脂が共にオレフィン系樹脂である配線保護カバーである。
さらに、好ましくは、上記柔軟層が、電磁波吸収性能を有する繊維を含む不織布または織編布の繊維層と樹脂フィルムがラミネート複合された構造体である配線保護カバーである。
【0009】
さらに本発明は、上記の配線保護カバーの裁断部を押し拡げ、配線を該カバー内に束ねて挿入したのち、該配線保護カバーを捻ることで配線に該保護カバーをラセン状に密着させる配線挿入保護カバーの製造方法であり、さらに、上記の保護カバーの内部に配線が束ねられて挿入されており、該保護カバーが捻られていることにより、その裁断部が保護カバー長さ方向に対して角度を有している、配線が挿入された保護カバーである。
【0010】
本発明の“の字状”構造の配線保護カバーは、一方の切断部端部が他方の切断端部に入り込む構造である故に、端部を出入りさせて密着させることで、被覆対象である配線を束ねた状態での対応可能な外径範囲が広く、且つ屈曲時の割腹を防ぐことができる。
【0011】
本発明の配線保護カバーは、事前に賦型された“の字状”構造を有しているので、被覆対象の多数本の配線に対して巻き付く高いクリップ性を有しており、結束バンドなどで一定間隔に封じることは本発明においても実施しても良いが、その必要性は少なく、被覆始点と被覆終点を結束バンドなどで被覆対象に固定する簡易な設置で充分可能である。
【0012】
被覆対象である多数本の配線が、駆動設備などに取り付けられ、高曲率(小さな曲げR)での屈曲反復が想定される場合には、さらなる割腹対策として、配線の被覆始点を固定して被覆し、配線を挿入させ、終点を固定する前に、配線保護カバー材を捻り、被覆対象にラセン状に密着させた後に終点を固定する方法が確実であり、好ましい。
【0013】
本発明の配線保護カバーは、必ずしも限定されるものではないが、機能化方法として、柔軟層が、不織布または織布の繊維層に代表される柔軟繊維層と樹脂フィルムがラミネート複合接着された構造であることが、薄肉軽量であっても屈曲や捻りによって、亀裂や破れが発生し難い点で好ましい。さらには、この柔軟繊維層を構成する繊維の一部または全部を電磁波シール性の繊維とすることで、配線より漏出される電磁波を本発明の保護カバーによって防止することが可能である。
【0014】
硬質芯材層と柔軟層の組み合わせは、軽量であり溶融時の接着性が高い樹脂の組み合わせであることが望ましく、硬質芯材を構成する樹脂および硬質芯材に接する軟質層表面の樹脂が、共に、ポリプロピレンやポリエチレンに代表されるオレフィン系樹脂である場合が最適である。例えば、硬質芯材として、ポリプロピレンや高密度ポリエチレンを用い、軟質層表面樹脂として低密度ポリエチレンを用いるのが好適例として挙げられる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明に係る慮外の開腹を防ぐ柔軟な配線保護カバー構造への配線の挿入は、現地施工が容易であり、駆動設備などに取り付けられ、都度屈曲し追随することが余儀なく求められる場合においても、異常な外観変化を伴わず美観的にスッキリと見せるものであり、さらには、柔軟化、軽量化、電磁波シール性など機能化方法も併せて供ずるものであり、工場設備における自由に曲げることが可能な多数の柔軟な配線コードおよび柔軟な配管ホース等、すなわち本発明でいう配線の配置処理において、外観上および安全上などの改善を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施形態を図面に従って説明するが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
【0017】
図1は本発明に係る、慮外の開腹を防ぐ配線保護カバーを示す斜視図である。図2は、本発明の慮外の開腹を防ぐ配線保護カバーの“の字状”構造を示す断面図である。図3は、本発明の慮外の開腹を防ぐ配線保護カバーにおいて、”の字状”構造が押し拡げられ、配線を内蔵した状態の断面図である。図4は、本発明の慮外の開腹を防ぐ柔軟な配線保護カバー材を捻り、被覆対象にラセン状に密着させ固定する方法を示す斜視図である。
【0018】
本発明の慮外の開腹を防ぐ柔軟な配線保護カバーの構造に関し、図に基づき説明する。
本発明の配線保護カバー1(図1)とは、ラセン状またはリング状の硬質芯材2と柔軟層3が、交互に繰り返される円筒型の芯材補強ホースを、その円筒周上の一部においてホース長さ方向に連続して裁断した裁断部4を有するものであり、裁断部の一切片が他切片の内部に巻き込まれた形状“の字状”構造5(図2)の示すことを特徴とする。
【0019】
本発明では、後述するように、硬質芯材と柔軟層からなるホースをまず長さ方向に裁断した(すなわちホース長さ方向に沿ってホースを裂いた)後、熱処理を行い、断面形状を“の字状”とする方法が配線保護カバーの割腹防止の点で好ましいことから用いられるが、本発明はこのような後処理方法により“の字状”にする方法に限定されるものではない。
【0020】
配線コードおよび配管ホースなど各種柔軟線材(配線)6(図3)を束ねて被覆内蔵7するにあたっては、裁断部を押し拡げながら被覆すべき各種配線を配線保護カバー内に順次押し込み、”の字状”構造のクリップ力(形状復元力)によって結束するものであり、屈曲時においても裁断部の巻き込まれ部分があるため、配線保護カバーの割腹を防ぐことが可能である。
【0021】
さらには、確実な割腹対策方法として、保護カバーを配線の被覆すべき始点に固定8(図4)した後、裁断部を押し拡げ柔軟配線を束ねて被覆し、その後に配線保護カバーのみを捻ることで柔軟配線に対し、配線保護カバーをラセン状に密着9させ終点固定10する方法が挙げられる。捻ることにより、保護カバーの裁断部が保護カバー長さ方向に対して角度を有することとなる。その角度としては、保護カバー長さ方向(長さ方向を0°とした場合)に対して5〜60°が割腹を防止する上で好ましく、特に10〜40°が好ましい。
【0022】
本発明におけるラセン状またはリング状の硬質芯材と柔軟層が交互に繰り返される円筒型の芯材補強ホースとは、“の字状”構造に加工された後、配線保護カバーとして使用されるものであり、制約されるものではないが、使用目的から、加工前のホース状態でφ25〜200mmの口径(内径)であり、且つ、“の字状”構造加工後の口径(内径)がφ15〜125mmであることが一般的使用範囲である。硬質芯材の太さとしては 〜 mmの径が好ましい。硬質芯材はラセン状またはリング状に配されることが必要であるが、ラセンまたはリングのピッチとしては5〜100mmが好ましい。また“の字状”の重なり部分は、柔軟線材を挿入しない状態で10〜100mm程度が配線を被覆挿入する際の作業性の点で好ましい。“の字状”の重なり部分の長さは裁断後に行う熱処理温度と熱処理時間を変更することにより長くしたり短くすることが可能である。
【0023】
配線保護カバーにおける軟質層は、限定されるものでないが不織布または織編布の繊維層と樹脂フィルムが、ラミネート加工によって接着複合された構造であることが、軽量で柔軟、さらには屈曲による耐クラック性を高める点から好ましい。尚、樹脂フィルムと繊維層の複合は、各一層であることに限定されるものではなく、例えば、繊維層を二枚の樹脂フィルムで挟み込んだ場合には、複合強度を向上させることで軟質層の耐久性を高めることも可能である。
【0024】
軟質層はラセン状またはリング状の硬質芯材間を覆うものである。軟質層として、繊維層と樹脂フィルムの複合体を用いる場合には、繊維層として目付30〜150g/mのものが、さらに樹脂フィルムとしては、厚さ5〜300μmのものが好ましい。好ましくは、繊維層を中間層とし、その上下を樹脂フィルムで覆ったものが好ましい。繊維層を構成する繊維としては、接着性の点でポリオレフィン系またはポリエステル系の繊維が好ましい。
【0025】
不織布または織編布の繊維層に代表される繊維層は、樹脂フィルムと効率よくラミネート加工によって接着できるものであることが好ましく、代表的には、熱融着ティーパック原料として工業的に利用される、目付50〜120g/m、特に70g/m程度の熱融着性変性ポリエステル製のスパンボンド不織布が最適である。
【0026】
樹脂フィルムと硬質芯材は、軽量という観点からオレフィン系樹脂同士の組み合わせであることが、樹脂フィルム上に溶融した硬質芯材を強固に融着させることが可能であり好ましく、特には、樹脂フィルムが厚さ5〜300μの低密度ポリエチレン(LDPE)であり、硬質芯材が芯径φ3〜20mmの高密度ポリエチレン(HDPE)である組み合わせが最適である。
【0027】
さらには、不織布または織布の繊維層に代表される繊維層に電磁波吸収性繊維(代表的にはカーボン系繊維、金属繊維、金属コーティング繊維等の導電性繊維)を各種手法で混綿、または生繊維を蒸し焼きなど施しカーボン系繊維としたものを用いることで、慮外の開腹を防ぐ柔軟な配線保護カバーに電磁波吸収性能を持たせることも可能である。具体的には、繊維層を構成する全繊維の10〜100重量%程度が電磁波吸収性繊維であるのが好ましい。
【0028】
本発明における、柔軟な円筒型芯材補強ホースの円筒周上の一部を連続して裁断する方法は、特に限定されるものでなく、ハサミおよび切断回転刃による裁断などが一般的に利用されるが、近年開発された超音波振動カッターを利用した方法が、手間がかからず、且つ、切削屑が出ないことから最も効率よい例として挙げられる。この方法は、柔軟な円筒型芯材補強ホースの外径に見合うホールド用筒体の一部に超音波振動カッター刃を仕込み、ホースを筒体から引き抜くことによって連続して裁断する方法である。
【0029】
本発明における、柔軟な円筒型芯材補強ホースの円筒周上の一部を連続して裁断した配線保護カバーに“の字状”構造の賦型を付与する方法としては、特に限定されるものではないが、一般的に、加熱による柔軟化と賦型および冷却固定化の工程連結が考えられ、配線保護カバーの構成材質および大きさによって、加熱温度および加熱時間などの条件を決定すればよい。一般的には、加熱温度として、硬質芯材構成樹脂及び柔軟層表面樹脂がポリエチレン製の場合には、80〜160℃(熱風温度)の範囲が、加熱時間としては5秒〜5分、特に15秒〜2分の範囲で、かつ樹脂が大きく溶融しない範囲の温度および時間が用いられる。そして、加熱温度を高めることによりあるいは加熱時間を長くすることにより“の字状”の重なり部分を長くすることができる。
【0030】
また、この加熱賦型固定化は、前記した超音波振動カッターによる連続裁断と、さらなる工程の連結化が可能であり、これらを複合したシステムであることが、柔軟な円筒型芯材補強ホースから、一括で連続裁断と賦型を行い、本発明の“の字状”断面形状を示す、慮外の開腹を防ぐ柔軟な配線保護カバー構造を得る為の最良の形態である。
【0031】
本発明に係る慮外の開腹を防ぐ柔軟な配線保護カバー構造およびその使用方法は、現地施工が容易であり、駆動設備などに取り付けられ、都度屈曲し追随することが余儀なく求められる場合においても、異常な外観変化を伴わず美観的にスッキリと見せるものであり、さらには、柔軟化、軽量化、電磁波シール性など機能化方法も併せて供ずるものであり、工場設備における多数の配線コードおよび配管ホースの配置処理において、外観上および安全上などの点で非常に有用である。
【実施例】
【0032】
次に実施例により本発明を説明するが、該実施例により本発明は何ら制限を受けるものではない。
【0033】
実施例1
内径φ50mm、HDPE芯材径φ3mm、芯材ラセン巻回ピッチ20mm、軟質層250μ(表面のフィルム層はLDPEからなる厚さ40μmのフィルムで、不織布層は、熱融着性変性ポリエステル繊維から構成されたスパンボンド不織布で、目付70g/mで厚さ210μmのものである)で構成された円筒型芯材補強ホースをホース長手方向(縦方向)に一ヶ所連続裁断して得た配線保護カバーに対して、140℃の熱風を30秒照射して”の字状”構造に賦型した後、形状を冷却固定化し、“の字形状”の最小内径φ38mm、オーバーラップ部約38mmの、慮外の開腹を防ぐ柔軟な配線保護カバーを得た。
【0034】
この配線保護カバーを用いて、長さ2mの配管ゴムホース4本(外径φ16mm×2本、外径φ19mm×2本)を結束被覆し、そして両端部をインシュロックタイで固定した。
【0035】
実施例2
実施例1の慮外の開腹を防ぐ柔軟な配線保護カバーを、長さ2mのホース4本(外径φ16mm×2本、外径φ19mm×2本)、合計4本のホースに対し、ネジリながらホースに密着する様に結束被覆し、両端部をインシュロックタイで固定した。保護カバーの裁断部は保護カバーの長さ方向に対して40°の角度でラセン状に保護カバー周面に存在していた。
【0036】
比較例1
実施例1と同一の、内径φ50mm、HDPE芯材径φ3mm、芯材ラセン巻回ピッチ20mm、軟質層250μ(LDPE層40μ、不織布層70g/m210μ)で構成された、柔軟な円筒型芯材補強ホースをホース長手方向(縦方向)に一ヶ所連続裁断して得た、柔軟な配線保護カバー(“の字状”構造を有しておらず)を、長さ2mのホース4本(外径φ16mm×2本、外径φ19mm×2本)、合計4本のホースを結束被覆し、両端部をインシュロックタイで固定した。
【0037】
上記の実施例1、実施例2、比較例1で得られた配線挿入保護カバーを、それぞれ曲げ半径500R、400R、300R、200R、100Rで曲げ、内部のホースの割腹露出(被覆からホースがはみ出す状態)、割腹露見(被覆内容物が目視確認できる状態)、を確認した。
【0038】
【表1】

試験結果:曲げ半径と、内部ホースの割腹露出(被覆から内部のホースがはみ出したバラケ状態、表記:×)、割腹露見(被覆内容物が目視確認できる状態、表記:△)異常なし(表記:○)の分布
【0039】
試験結果より、実施例2は曲げ半径100Rであっても内容物ホースの露出、露見など、一切の問題発生がなかった。一方、実施例1においても、曲げ半径300Rで露見、曲げ半径100Rで露出であり、曲げ半径500Rで露見される比較例1との比較では、では、大きく改善されていることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態に係る保護カバーおよび一部に配線を内蔵した状態を示す斜視図
【図2】本発明の一実施形態に係る配線保護カバーの“の字状”構造を示す断面図
【図3】本発明の一実施形態に係る配線保護カバーにおいて“の字状”構造が押し拡げられ、配線を内蔵した状態の断面図
【図4】本発明の一実施形態に係る配線保護カバー材を捻り、配線にラセン状に密着させ固定させた状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0041】
1 配線保護カバー
2 ラセン状またはリング状の硬質芯材
3 柔軟層
4 裁断部
5 “の字状”構造
6 各種柔軟線材
7 被覆内蔵
8 始点固定
9 ラセン状密着
10 終点固定

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラセン状またはリング状の硬質芯材と柔軟層が交互に繰り返される円筒型の芯材補強ホースの円筒周上の一部が該ホース長さ方向に連続して裁断され、その横断面形状が、裁断部の片側が円筒内に巻き込まれた“の字状”の形状を有している配線または配管の保護カバー。
【請求項2】
柔軟層が、不織布または織編布の繊維層と樹脂フィルムがラミネート複合されたものである請求項1記載の配線または配管の保護カバー。
【請求項3】
硬質芯材が、軟質層表面の樹脂に融着されて一体化された構造であり、硬質芯材を構成する樹脂および軟質層表面を構成する樹脂が共にオレフィン系樹脂である請求項1または2に記載の配線または配管の保護カバー。
【請求項4】
柔軟層が、電磁波吸収性能を有する繊維を含む不織布または織編布の繊維層と樹脂フィルムがラミネート複合された構造体である請求項1〜3のいずれかに記載の配線または配管の保護カバー。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の保護カバーの裁断部を押し拡げ、配線または配管を該カバー内に束ねて挿入したのち、該保護カバーを捻ることで配線または配管に該保護カバーをラセン状に密着させる配線または配管挿入保護カバーの製造方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の保護カバーの内部に配線または配管が束ねられて挿入されており、該保護カバーが捻られていることにより、その裁断部が保護カバー長さ方向に対して角度を有している、配線または配管が挿入された保護カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−116933(P2010−116933A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−288558(P2008−288558)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(000104906)クラレプラスチックス株式会社 (52)
【Fターム(参考)】