説明

配線・配管材保護カバー

【課題】
建物壁の出隅部又は入隅部が正確に90°で交差していない非直角の場合においても、支障なく配線・配管材の出隅部、及び入隅部を保護できる保護カバーの提供である。
【解決手段】
略直交する2つの壁面W1 ,W2 のうち一方の壁面W1 に固定される第1基台板部1のみから成って、当該第1基台板部1に一対の被係合凹部(被係合部)3が設けられた基台と、当該一対の被係合凹部(被係合部)3に係合する一対の係合片(係合部)23を備えたL字形の蓋体とから成り、当該蓋体は、基台に係合した状態で、前記一方の壁面W1 に沿ってスライド可能な構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物を構成していて隣接する2つの壁面が直交する出隅部又は入隅部に配設された配線・配管材のうち出隅部、及び入隅部に配設される配設部を保護する保護カバーに関し、更に詳しくは、前記出隅部又は入隅部が正確に90°で交差していない非直角の場合においても支障なく配線・配管材の出隅部、又は入隅部を保護できる保護カバーに関するものである。なお、本明細書において、「配線・配管材」とは、給水湯管やエアコン用冷媒管、或いは電線やケーブル等のことを言う。
【背景技術】
【0002】
例えば、建物の壁面に沿って給水湯管を配管する場合には、壁面の出隅部、及び入隅部を含んで壁面に沿って配管される給水湯管のうち直線部は直状の直線配管部保護カバーによって保護され、前記給水湯管の出隅部、及び入隅部は、それぞれL字形をした専用の保護カバーで保護されている。給水湯管の出隅配管部、及び入隅配管部を保護する各保護カバーは、前記直線配管部保護カバーと接続可能な接続口が両端に形成されていて、いずれも壁面に固定される基台と、当該基台の全体、及び前記直線配管部保護カバーの端部に対して覆蓋されて内部空間が配管空間を形成すると共に、当該基台に対して解除可能に係合される蓋体とで構成される(特許文献1参照)。
【0003】
ここで、出隅配管部を保護する保護カバーの基台は、L字形をなしていて、互いに直交して一体成形された第1及び第2の各基台板部で構成され、各基台板部における270°の交差角を形成する側の各面に左右一対の被係合部が形成され、基台全体としては、計二対の被係合部が形成されている。一方、出隅配管部を保護する保護カバーの蓋体は、基台と同様にL字形をなしていて、90°の交差角を形成する側が開口されて、側壁部の内側における当該開口に臨む部分に前記基台の被係合部と係合される計二対の係合部が形成されている。
【0004】
また、入隅配管部を保護する保護カバーに関しては、当該保護カバーを構成する基台及び蓋体がいずれもL字形をなしている点は、出隅配管部保護カバーと同様であるが、基台を構成する第1及び第2の各基台板部に対する被係合部の形成面、及び基台に対して覆蓋可能にするために蓋体に形成される開口の形成位置が出隅配管部保護カバーと逆の関係にある構成が異なる。しかし、基台に対して蓋体が覆蓋されて内部に配管空間が形成される構成、及び基台に対して蓋体が解除可能に係合される構成に関しては、出隅配管部、及び入隅配管部の各保護カバーにおいて共通した構成である。
【0005】
ところで、建物壁面の出隅部、及び入隅部は、基本的には隣接壁面の交差角が90°となるように設計されているが、施工上の不具合等が原因となって、当該出隅部、及び入隅部が部分的に直交していない場合がある。出隅配管部、及び入隅配管部のいずれの保護カバーにおいても、出隅部、及び入隅部は、隣接壁面が直交していることを前提に寸法設計されている。このため、出隅部、及び入隅部が部分的に非直角な場合には、第1及び第2の各基台板部が直交していて全体がほぼ板状となっている基台は、前記非直角に対応させて、第1及び第2の各基台板部を無理に変形させて各壁面にビス固定することは可能である。しかし、蓋体に関しては、対向配置された各側板部がL字状にわん曲された背面板部により連結されて全体が一体となった構成であって、変形に対する剛性は基台よりも遥かに大きいので、前記非直角に対応させて変形させることはできない。
【0006】
この結果、出隅部、及び入隅部の非直角の程度が所定値を超えると、基台を構成する第1及び第2の各基台板部にそれぞれ形成された計二対の被係合部に対して蓋体に形成された計二対の係合部の双方が係合されずに、一方の対のみが係合されて、他方の対は非係合状態となる場合がある。この状態では、基台、及び蓋体は、一方の対の被係合部と係合部とが係合されているのみであるため、非係合側の蓋体が壁面から大きく離れて、直線配管部保護カバーとの間に大きな隙間が発生したり、或いは経年使用により出隅配管部、又は入隅配管部の保護カバーが外れてしまうこともある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−292011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、建物壁の出隅部又は入隅部が正確に90°で交差していない非直角の場合においても、支障なく配線・配管材の出隅部、及び入隅部を保護できる保護カバーの提供を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、建物壁に沿って配設される配線・配管材のうち出隅部又は入隅部に配設される配設部を保護すべく、略直交する各壁面に沿って配設された配線・配管材の2つの直線配設部を保護する各直線配設部保護カバーを略直交させて接続可能にするために両端部に形成された接続口と、前記配線・配管材の出隅又は入隅の配設部を収容保護する収容空間とを備えた配線・配管材保護カバーであって、前記出隅部又は入隅部を構成する少なくとも一方の壁面に固定される基台と、前記直線配設部保護カバーの各端部を覆った状態で前記基台に対して分離可能に組付けられるL字形の蓋体とから成り、前記蓋体は、所定間隔をおいて配置された一対の側板部が天板部で一体に連結された形状を有し、前記出隅部又は入隅部を構成する壁面に固定される前記基台には、前記一方の壁面に配置される被係合部が設けられて、前記蓋体には、前記基台の被係合部と係合するのみで当該基台に組み付けられる係合部が設けられ、前記基台の被係合部と蓋体の係合部は、一方の壁面に固定された基台に対して蓋体を当該一方の壁面に沿って、出隅部を構成する各壁面が交差する側である壁面交差部側に、又は入隅部を構成する各壁面の交差部と反対側である反壁面交差部側にずれた位置であっても係合して、基台と蓋体との組付け状態が維持される構成であり、前記基台は、一方及び他方の各壁面にそれぞれ配設されるL字形であり、前記基台と前記蓋体における前記他方の壁面に配設される部分には、互いに係合する被係合部、及び係合部は設けられていないか、又は前記基台は、一方の壁面のみに配設される形態であることを特徴としている。
【0010】
請求項1の発明によれば、基台の被係合部と蓋体の係合部は、蓋体の係合部が基台の被係合部に対して、当該基台が固定された一方の壁面に沿って出隅部の壁面交差部側に、又は入隅部の反壁面交差部側にずれた位置であっても互いに係合して、蓋体の係合部が基台の被係合部に係合して基台と蓋体の組付け状態が維持される構成である。換言すると、基台に対して蓋体が前記壁面交差部側(出隅部の場合)又は反壁面交差部側(入隅部の場合)にずれた位置であっても、基台における出隅部又は入隅部を構成する二つの壁面のうちの一方の壁面に固定される部分に設けられた被係合部と、蓋体における当該被係合部と対応する部分に設けられた係合部との係合によって、基台と蓋体との組付け状態を維持できる。この結果、基台における他方の壁面に配置される部分には、被係合部を設けなくても、基台と蓋体との組付け状態を維持できるので、出隅部又は入隅部が直角、及び非直角(鈍角又は鋭角)のいずれの場合でも、出隅部又は入隅部に固定された基台に対して蓋体を組み付けることができて、配線・配管材における出隅部又は入隅部に配設された部分を保護できる。ここで、「基台と蓋体との組付け状態を維持できる」とは、使用時において基台に対して蓋体ががたついたり、或いは不用意にはずれたりしない状態を言う。また、蓋体の係合部が「スライドする」とは、「ずれる」ことと同義である。
【0011】
このように、請求項1の発明に係る配線・配管材の保護カバーは、基台における他方の壁面に配設される部分には、被係合部を設けなくても、基台と蓋体との組付け状態を維持できる構成であるので、基台における他方の壁面に配設される部分は存在するが、被係合部が設けられていない形態と、基台における他方の壁面に配設される部分自体が存在しない形態(一方の壁面に配設される部分のみが存在する形態)とがある。
【0012】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記一方の壁面の側に配置される基台の被係合部、及び蓋体の係合部は、当該蓋体のスライド方向に沿って複数設けられていることを特徴としている。
【0013】
請求項2の発明によれば、蓋体のスライド方向に沿った複数箇所において、基台の被係合部と蓋体の係合部とが係合する構成であるので、基台と蓋体とがしっかりと組み付けられる。
【0014】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記基台には、蓋体のスライド量を規制するスライド量規制部を備えていることを特徴としている。
【0015】
請求項3の発明によれば、基台に形成されたスライド量規制部によって、蓋体を無造作にスライドさせても、当該蓋体は、基台に形成された全ての被係合部と蓋体の係合部とが係合する位置で停止するので、出隅部に固定された基台に対して蓋体をスライドさせて組み付ける作業が容易となる。
【0016】
また、請求項4の発明は、請求項2又は3の発明において、前記基台の第1基台板部に設けられた二対の被係合部、及び当該二対の被係合部に対応して蓋体に設けられた二対の係合部は、各対において内外方向が逆になっていることを特徴としている。
【0017】
請求項4の発明によれば、基台の第1基台板部に形成された二対の被係合部と蓋体の二対の係合部との当該基台の幅方向に沿った配置関係は、各対において内外方向(基台の幅方向)において逆の関係になっているため、経年変化、或いは熱変形により蓋体が変形されても、各対の係合のいずれか一方は係合状態を維持するので、基台に対して蓋体が外れにくくなる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、基台に対して蓋体が前記壁面交差部の側にずれた位置であっても、基台における出隅部又は入隅部を構成する二つの壁面のうちの一方の壁面に固定される部分に設けられた被係合部と、蓋体における当該被係合部と対応する部分に設けられた係合部との係合によって、基台と蓋体との組付け状態を維持できるので、基台における他方の壁面に配置される部分には、被係合部を設けなくても、基台と蓋体との組付け状態を維持できて、出隅部又は入隅部が直角、及び非直角(鈍角又は鋭角)のいずれの場合でも、出隅部又は入隅部に固定された基台に対して蓋体を組み付けることができて、配線・配管材における出隅部又は入隅部に配設された部分を保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】建物壁の出隅部N1 に配管された給水湯管Pの出隅配管部P1 を保護カバーC1 で保護する状態を示す斜視図である。
【図2】保護カバーC1 を構成する基台V1 に蓋体L1 を覆蓋された状態の斜視図である。
【図3】(a),(b)は、それぞれ保護カバーC1 を構成する基台V1 及び蓋体L1 の斜視図である。
【図4】基台V1 の平面図である。
【図5】(a),(b)は、それぞれ図4のU1 −U1 線、及びU2 −U2 線断面図である。
【図6】(a)は、蓋体L1 の正面図(開口側から見た図)であり、(b)は、(a)のU3 −U3 線断面図である。
【図7】鈍角(90°+α)の出隅部N1 に保護カバーC1 の基台V1 を取付けた状態における図2のG1 −G1 線断面図である。
【図8】基台V1 に対して蓋体L1 を覆蓋させるために、蓋体L1 を壁面W1 に沿ってスライドさせている状態における図2のG1 −G1 線断面図である。
【図9】基台V1 に対して蓋体L1 が覆蓋された状態における図2のG1 −G1 線断面図である。
【図10】(a)は、図9のK1 −K1 線拡大断面図であり、(b)は、(a)のA1 で示される部分の拡大図である。
【図11】(a)は、図9のK2 −K2 線拡大断面図であり、(b)は、(a)のA2 で示される部分の拡大図である。
【図12】(a)は、図9のK3 −K3 線拡大断面図であり、(b)は、(a)のA3 で示される部分の拡大図である。
【図13】鋭角(90°−β)の出隅部N1 に保護カバーC1 の基台V1 を取付けた状態における図2のG1 −G1 線断面図である。
【図14】(a)は、図13のX3 −X3 線断面図であり、(b)は、(a)のE3 の部分の拡大図である。
【図15】(a),(b)は、鈍角(90°+α)及び鋭角(90°−β)の出隅部N1 の配管部P1 を保護カバーC1 で覆った状態において、それぞれ壁面W2 との間に形成される隙間82,83を示す図である。
【図16】直角の出隅部N1 の配管部P1 を保護カバーC1 で覆った状態における図2のG1 −G1 線断面図である。
【図17】建物壁の入隅部N2 に配管された給水湯管Pの入隅配管部P2 を保護カバーC2 で保護する状態を示す斜視図である。
【図18】保護カバーC2 を構成する基台V2 に蓋体L2 を覆蓋された状態の斜視図である。
【図19】(a),(b)は、それぞれ保護カバーC2 を構成する基台V2 及び蓋体L2 の斜視図である。
【図20】基台V2 の平面図である。
【図21】(a),(b)は、それぞれ図20のY1 −Y1 線、及びY2 −Y2 線断面図である。
【図22】(a)は、蓋体L2 の正面図(開口側から見た図)であり、(b)は、(a)のY3 −Y3 線断面図である。
【図23】鋭角(90°−β)の入隅部N2 に保護カバーC2 の基台V2 を取付けた状態における図18のG2 −G2 線断面図である。
【図24】基台V2 に対して蓋体L2 を覆蓋させるために、蓋体L2 を壁面W2 に沿ってスライドさせている状態における図18のG2 −G2 線断面図である。
【図25】基台V2 に対して蓋体L2 が覆蓋された状態における図18のG2 −G2 線断面図である。
【図26】(a)は、図25のZ1 −Z1 線拡大断面図であり、(b)は、(a)のB1 で示される部分の拡大図である。
【図27】(a)は、図25のZ2 −Z2 線拡大断面図であり、(b)は、(a)のB2 で示される部分の拡大図である。
【図28】(a)は、図25のZ3 −Z3 線拡大断面図であり、(b)は、(a)のB3 で示される部分の拡大図である。
【図29】鋭角(90°−β)の入隅部N2 に保護カバーC2 の基台V2 を取付けた状態における図18のG2 −G2 線断面図である。
【図30】(a)は、図28のJ3 −J3 線断面図であり、(b)は、(a)のJ3 の部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、最良の実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明する。なお、以下の本発明の実施例の説明では、最初に、本発明の参考例について説明し、当該参考例の一部を改変したものが、本発明の実施例に該当するという内容にて、本発明の実施例の説明を行う。
【実施例1】
【0021】
最初に、図1ないし図6を参照して、建物壁の出隅部N1 が非直角な場合において、当該出隅部N1 に配管された給水湯管Pの出隅配管部P1 を保護できる参考例1の保護カバーC1 の構成について説明し、その後に、当該保護カバーC1 を使用して、給水湯管Pの出隅配管部P1 を保護するための施工方法について説明する。図1は、建物壁の出隅部N1 に配管された給水湯管Pの出隅配管部P1 を保護カバーC1 で保護する状態を示す斜視図であり、図2は、保護カバーC1 を構成する基台V1 に蓋体L1 を覆蓋された状態の斜視図であり、図3(a),(b)は、それぞれ保護カバーC1 を構成する基台V1 及び蓋体L1 の斜視図であり、図4は、基台V1 の平面図であり、図5(a),(b)は、それぞれ図4のU1 −U1 線、及びU2 −U2 線断面図であり、図6(a)は、蓋体L1 の正面図(開口側から見た図)であり、同(b)は、同(a)のU3 −U3 線断面図である。
【0022】
図1ないし図3に示されるように、出隅配管部P1 を保護する保護カバーC1 は、全体形状がL字形をした基台V1 と、直線配管部保護カバーC0 の端部に接続される接続口20が両端部にそれぞれ形成されて、前記基台V1 に覆蓋される蓋体L1 とで構成される。基台V1 は、図3ないし図6に示されるように、第1及び第2の各基台板部1,2が直交して一体に形成されていて、第1及び第2の各基台板部1,2の交差角が270°を形成する側の面に、蓋体L1 の係合片23及び係合突起25に対して解除可能に係合させるために必要な第1及び第2の各被係合凹部3,4が形成されている。第1及び第2の各基台板部1,2の交差角が270°を形成する側の各面には、第1及び第2の各基台板部1,2の屈曲線に対して対称に各部材が一体に形成されている。第1及び第2の各基台板部1,2の屈曲部における幅方向Rの両端部には、各基台板部1,2に対して垂直となって第1立壁部5が、配管方向(幅方向Rと直交する方向)Qに沿った両端から所定距離を除いた残りの部分に連続して形成され、前記第1立壁部5の長手方向の両端部の内側には、当該第1立壁部5の長さ方向に沿って第1被係合凹部3が形成され、前記第1立壁部5には、全長が当該第1立壁部5よりも短くて高さの高い第2立壁部6が一体に形成され、第1及び第2の各立壁部5,6の外側面は、当該第2立壁部6が外方に僅かに突出して段差状に形成されて、当該段差部が第2被係合凹部4となっている。即ち、第1被係合凹部3は、第1及び第2の各基台板部1,2に幅方向Rの中心線に対して対称位置に一対ずつ形成され、第2被係合凹部4は、基台V1 に対して蓋体L1 をスライドさせて覆蓋させる際に、第1及び第2のいずれの基台板部1,2の側からも覆蓋可能なように、第1及び第2の各基台板部1,2に跨がった状態で幅方向Rの中心線に対して対称位置に一対形成されている。即ち、基台V1 は、計二対の第1被係合凹部3と一対の第2被係合凹部4を備えており、基台V1 に蓋体L1 を覆蓋されて両者V1 ,L1 を分離可能に組み付ける際に、二対の第1被係合凹部3が主体となって、基台V1 と蓋体L1 とを組み付け、施工上の不具合等により出隅部N1 が鈍角又は鋭角になっていて、二対の第1被係合凹部3のうち第2被係合凹部4と異なる側に形成された第1被係合凹部3と、蓋体L1 の一対の係合片23とが非係合状態となった場合においても、第2被係合凹部4は、常に蓋体L1 の係合突起25と係合する構造になっている。従って、基台V1 と蓋体L1 とを組み付ける際に、第1被係合凹部3は主たる機能を果たし、第2被係合凹部4は、補助的な機能を果たす。なお、第2被係合凹部4の長さは、第1立壁部5の長さと同等となっている。なお、第2被係合凹部4は、基台V1 と蓋体L1 とを組付けた状態から分離させる際に、当該分離を容易にするために第1立壁部5との形成角度(θ)〔図11(b)参照〕は鈍角となっている。
【0023】
第1立壁部5の両端面は、第1及び第2の各基台板部1,2の板面に対して鈍角を形成するように傾斜していて、第1立壁部5の延長線上には、当該第1立壁部5の端面と所定間隔をおいて、基台V1 に対して蓋体L1 をスライドさせて覆蓋させる際に、当該蓋体L1 の係合片23が当接するスライド端規制部11が形成されている。第1立壁部5の両端面と前記スライド端規制部11の内端面との間には、蓋体L1 の内側面との間に所定間隔をおいて係合片23を一体に取付けている連結部24との干渉を回避するための干渉回避空間12が形成されている。また、前記干渉回避空間12の内側には、基台V1 の第1被係合凹部3と蓋体L1 の係合片23とが係合した状態において、当該係合片23が基台V1 の幅方向Rの内方に微動して、前記係合が解除されるのを防止するために、前記係合片23と僅かに当接する当接突条13が配管方向Qに沿って形成されている。
【0024】
また、第1及び第2の各基台板部1,2の幅方向Rの両端部であって、前記第1立壁部5の内側の部分には、配管方向Qの全長に亘って各基台板部1,2を補強するための一対の補強リブ14が形成され、第1及び第2の各基台板部1,2には、幅方向Rに沿って異なる位置にそれぞれビス挿通孔15が形成されている。このように、第1及び第2の各基台板部1,2に形成される各ビス挿通孔15の位置を幅方向Rにずらしてあるのは、各ビス挿通孔15に挿通されて、出隅部N1 を構成する各壁面W1 ,W2 に螺入された各ビスの干渉を避けるためである。なお、図3ないし図5において、16は、予め出隅部N1 を構成する壁面W1 ,W2 に固定されている基台V1 に対して直線配管部保護カバーC0 の基台V0 を各壁面W1 ,W2 に固定する際に、当該基台V0 の幅方向Rに沿った位置決めを行うための一対の位置決め板部を示し、17は、成形時において第1被係合凹部3を成形するための移動型(スライドコア)の抜孔を示す。
【0025】
次に、図3及び図6を参照して、前記基台V1 に対してスライドさせて覆蓋させるための蓋体L1 について説明する。蓋体L1 は、全体形状がL字形をなしていて、交差角が90°の側が開口されて、両端部に直線配管部保護カバーC0 の端部に接続される接続口20がそれぞれ形成され、所定間隔をおいて配置されたL字形の正面形状を有する一対の側板部21が、断面L字形をした天板部22で一体に連結された形状を有している。蓋体L1 の各側板部21の内側面における前記基台V1 の計二対の第1被係合凹部3に対応する位置には、当該蓋体L1 における基台V1 と対向する側の開口に臨んだ状態で計二対の係合片23がそれぞれ一体に形成されている。具体的には、図6に示されるように、係合片23は、ストレート状の弾性片であって、側板部21と所定間隔をおいて当該側板部21及び前記開口面の双方に対して平行に配置されて、即ち、配管方向Qに沿って配置されて、連結部24を介して長手方向における接続口20の側の端部が側板部21に一体に連結されている。従って、係合片23は、連結部24に対して片持ち状に形成されて、弾性変形可能となっている。また、L字形の側板部21を屈曲部で二分した一方の内側面には、前記開口面と平行となって所定長のストレート状の係合突起25が当該開口に臨んで一体に設けられている。
【0026】
参考例1に係る出隅配管部P1 の保護カバーC1 は、基台V1 に対して蓋体L1 を覆蓋させる際に、当該蓋体L1 を出隅部N1 を構成する一方の壁面W1 (又はW2 )と平行となるように、当該壁面W1 (又はW2 )に沿ってスライドさせて行う点に特徴の一つがあり、L字形の全体形状を有する蓋体L1 をスライドさせる方向S1 は、係合片23と係合突起25との双方が形成されている側に特定(限定)され、他方の方向では、基台V1 に対する蓋体L1 の覆蓋が難しくなる。このため、蓋体L1 の天板部22の裏面における接続口20に臨む部分に、スライド方向S1 を示す矢印26が表示されていると共に、天板部22における当該矢印26と反対の面(表面)には、前記蓋体L1 を屈曲部で二分した場合に前記スライド方向S1 の側であることを示す小突起27〔図1及び図6(b)参照〕が形成されている。また、基台V1 の計二対の第1被係合凹部3と蓋体L1 の同様の係合片23とを係合させて、基台V1 と蓋体L1 とを組み付けた後に、当該組付けを解除する際には、蓋体L1 の各側板部21における係合片23が設けられている部分を僅かに内方に弾性変形させて〔図10(a)において、蓋体L1 の各側板部21に内方に向く力Fを加えて〕、第1被係合凹部3と係合片23との係合を解除する必要がある。このため、蓋体L1 の外側面における計二対の係合片23が形成されている部分には、内部に隠蔽された当該係合片23の位置を明示するための係合片位置明示部28が僅かに厚肉状となって形成されている。
【0027】
このため、基台V1 に対して蓋体L1 を覆い被せてスライド方向S1 にスライドさせると、図8に示されるように、左右一対の係合片23を蓋体L1 の側板部21の内側面に連結している一対の連結部24が、同じく左右一対の第1立壁部5の上端面に当接すると共に、蓋体L1 の各側板部21が僅かに外側に弾性変形することにより、前記一対の係合片23と同一側に形成された左右一対の係合突起25が一対の第2立壁部6の外側面に僅かに弾接した状態で、基台V1 に対して蓋体L1 がスライドされる。そして、蓋体L1 の前記一対の連結部24が、基台V1 の第1立壁部5の形成端から脱落して左右一対の干渉回避空間12に入り込むと、当該一対の連結部24が基台V1 を構成する第1又は第2の基台板部1(2)に近接することにより、一対の係合片23は、長手方向に沿って弾性変形された状態で一対の第1被係合凹部3を形成している被係合凹部形成部7の内側傾斜面8〔図5(b)及び図10参照〕を下方に向けて摺動した後に、左右一対の第1被係合凹部3と係合されると同時に、蓋体L1 の一対の係合突起25は、第2立壁部6の外側傾斜面を下方に向けて摺動した後に、左右の各側板部21の弾性変形が復元して、前記一対の係合突起25は、基台V1 の一対の第2被係合凹部4と係合される。このようにして、蓋体L1 の一方の側に設けられた一対の係合片23と一対の係合突起25とが、それぞれ基台V1 の一対の第1被係合凹部3及び一対の第2被係合凹部4に係合されると、蓋体L1 の他方の側に設けられた別の一対の係合片23は、基台V1 の他方の基台板部2(1)に形成された一対の第1被係合凹部3と係合される。これにより、基台V1 に覆い被せられた蓋体L1 は、計三対の係合部と同様の被係合部との各係合により、基台V1 に組み付けられる。
【0028】
次に、図7ないし図12を参照して、直交して隣接する2つの壁面W1 ,W2 で形成される出隅部N1 が鈍角(90°+α)の非直角である場合において、各壁面W1 ,W2 に亘って配管された給水湯管Pの出隅配管部P1 を前記保護カバーC1 で保護する方法について説明する。図7ないし図9は、それぞれ鈍角(90°+α)の出隅部N1 に保護カバーC1 の基台V1 を取付けた状態、基台V1 に対して蓋体L1 を覆蓋させるために、蓋体L1 を壁面W1 に沿ってスライドさせている状態、及び基台V1 に対して蓋体L1 が覆蓋された状態における図2のG1 −G1 線断面図である。
【0029】
最初に、図7に示されるように、(90°+α)の鈍角を有する出隅部N1 を形成する隣接する2つの壁面W1 ,W2 に保護カバーC1 の基台V1 の第1及び第2の各基台板部1,2を当てがった状態で、各基台板部1,2が各壁面W1 ,W2 にそれぞれ当接するように僅かに拡開させて、各ビス挿通孔15にビス91を挿通して各壁面W1 ,W2 に螺入させる。なお、図7において、M1 は、壁面W1 に対して直交する仮想線を示す。
【0030】
そして、出隅部N1 を構成する各壁面W1 ,W2 に保護カバーC1 の基台V1 を固定した後に、当該基台V1 に対して給水湯管Pの直線配管部P0 を収容する直線配管部保護カバーC0 の基台V0 の幅方向の位置合わせを行って、各壁面W1 ,W2 に当該基台V0 を固定する。その後に、基台V0 の管保持部にそれぞれ給水湯管Pの直線配管部P0 を保持させて、当該基台V0 に蓋体L0 を覆蓋させる。この状態が、図1に示されている。各壁面W1 ,W2 に沿って配管された給水湯管Pの直線配管部P0 は、出隅部N1 の部分でエルボ92で連結されており、当該エルボ92の部分が出隅配管部P1 となる。なお、図示の直線配管部保護カバーC0 は、2本の配管を収容できる構成であるため、上記した参考例1に係る出隅配管部保護カバーC1 及び後述の参考例2に係る入隅配管部保護カバーC2 は、いずれも2本の配管を収容できるものである。
【0031】
次に、図8に示されるようにして、出隅部N1 に固定された基台V1 に対して蓋体L1 を覆蓋させるべく、当該蓋体L1 における一対の係合片23と一対の係合突起25が形成された側を一方の壁面W1 と平行に沿わせて、出隅部N1 を構成する各壁面W1 ,W2 の交差部61に向かうスライド方向S1 にスライドさせて、上記で詳述した「係合作用」によって、基台V1 の計二対の第1被係合凹部3と蓋体L1 の計二対の係合片23とを係合させると共に、基台V1 の第2被係合凹部4と蓋体L1 の係合突起25とを係合させる。これにより、図9に示されるように、出隅部N1 に固定された基台V1 に蓋体L1 が覆蓋されて、内部の収容空間81に出隅配管部P1 であるエルボ92及び各直線配管部P0 の両端部が収容されると共に、蓋体L1 の両端部が直線配管部保護カバーC0 の端部を外側から覆うことにより、2本の直線配管部保護カバーC0 は、出隅配管部保護カバーC1 により接続される。
【0032】
ここで、図10(a)は、図9のK1 −K1 線拡大断面図であり、同(b)は、同(a)のA1 で示される部分の拡大図であり、図11(a)は、図9のK2 −K2 線拡大断面図であり、同(b)は、同(a)のA2 で示される部分の拡大図であり、図12(a)は、図9のK3 −K3 線拡大断面図であり、同(b)は、同(a)のA3 で示される部分の拡大図である。L字形の保護カバーC1 を屈曲部で二分した一方の側である一対の第1被係合凹部3と一対の第2被係合凹部4とが形成されている側においては、第1及び第2の各被係合凹部3,4は、それぞれ蓋体L1 の係合片23及び係合突起25に完全に係合している(図11及び図12参照)が、他方の側の一対の第1被係合凹部3は蓋体L1 の一対の係合片23と係合しないで、当該一対の係合片23は、基台V1 の被係合凹部形成部7の内側傾斜面8に当接したままである(図12参照)。
【0033】
このように、出隅部N1 が鈍角(90°+α)で交差しているために、L字形の保護カバーC1 を屈曲部で二分した両側にそれぞれ形成された計二対の第1被係合凹部3と計二対の係合片23との一方の対の第1被係合凹部3と係合片23とが係合されていなくても、他方の対の第1被係合凹部3と係合片23とが係合されている側には、別に形成された一対の第2被係合凹部4と一対の係合突起25とが係合していて、結果として、L字形の保護カバーC1 を屈曲部で二分した一方の側において、計二対の被係合部と係合部とが係合する構造となり、しかも、計二対の被係合部(第1及び第2の各被係合凹部3,4)又は係合部(係合片23及び係合突起25)は、前記スライド方向S1 (又は配管方向Q)に沿って距離D1(図9参照)を隔てて配置されているので、L字形の保護カバーC1 を屈曲部で二分した一方の側のみにおいて、基台V1 と蓋体L1 とをしっかりと係合できる。なお、図9に示される状態が、請求項1,2における「蓋体L1 の係合部(係合片23及び係合突起25)が、基台V1 の被係合部(第1及び第2の各被係合凹部3,4)に対して出隅部N1 の交差部61の側にずれた状態」において、基台V1 と蓋体L1 とが組み付けられた状態である。
【0034】
次に、図13及び図14を参照して、直交して隣接する2つの壁面W1 ,W2 で形成される出隅部N1 が鋭角(90°−β)の非直角である場合において、各壁面W1 ,W2 に亘って配管された給水湯管Pの出隅配管部P1 を前記保護カバーC1 で保護する方法について説明する。図13は、鋭角(90°−β)の出隅部N1 に保護カバーC1 の基台V1 を取付けた状態における図2のG1 −G1 線断面図である。また、図14(a)は、図13のX3 −X3 線拡大断面図であり、同(b)は、同(a)のE3 の部分の拡大図である。なお、図13のX1 −X1 線及びX2 −X2 線の各拡大断面図は、それぞれ図10(a)及び図11(a)と同一である。
【0035】
そして、出隅部N1 が鋭角(90°−β)である場合においても、上記した鈍角(90°+α)の場合と同様にして、基台V1 の各基台板部1,2が各壁面W1 ,W2 にそれぞれ当接するように僅かに内方に押圧させて、各基台板部1,2をビス91を介して壁面W1 ,W2 に固定した後に、前記基台V1 と直線配管部保護カバーC0 の基台V0 とを接続させて、給水湯管Pの直線配管部P0 を直線配管部保護カバーC0 内に収容する。その後に、各壁面W1 ,W2 に固定された基台V1 に蓋体L1 を覆い被せた状態において、蓋体L1 を屈曲部で二分した場合に、一対の係合片23と一対の係合突起25とが形成されている側を壁面W1 に平行に沿わせたスライド方向S1 に沿ってスライドさせると、当該一対の係合片23及び一対の係合突起25は、それぞれ基台V1 の一対の第1及び第2の各被係合凹部3,4に係合されるが、蓋体L1 の他方の側に形成された一対の係合片23は、一対の第1被係合凹部3の被係合凹部形成部7の内側傾斜面8に当接したままで、一対の係合片23と一対の第1被係合凹部3とは、非係合のままとなる。しかし、蓋体L1 を屈曲部で二分した一方の側に形成されている一対の係合片23及び一対の係合突起25が、それぞれ基台V1 のスライド方向S1 (配管方向Q)に沿って所定距離D1 をおいて形成された一対の第1及び第2の各被係合凹部3,4に(完全)係合されているため、出隅部N1 が鈍角(90°+α)の場合と同様に、基台V1 に対して蓋体L1 は、しっかりと組み付けられる。
【0036】
また、図15(a),(b)にそれぞれ示されるように、出隅部N1 が鈍角(90°+α)及び鋭角(90°−β)のいずれの場合においても、基台V1 の一対の第1被係合凹部3と蓋体L1 の一対の係合片23とが係合しない側においては、蓋体L1 の開口側の端面が壁面W2 に当接しないために、壁面W2 との間に正面視で鋭角三角形状の隙間(非接触空間)82,83が発生するが、当該隙間82,83は、目地材により閉塞される。
【0037】
なお、当然のことながら、出隅部N1 が正確に直角である場合には、基台V1 に形成されている二対の第1被係合凹部3及び一対の第2被係合凹部4は、それぞれ蓋体L1 の二対の係合片23及び一対の係合突起25に係合される(図16参照)。この出隅配管部保護カバーC1 の場合には、蓋体L1 の各側板部21を僅かに内方に押圧させて弾性変形させることにより、スライド方向S1 に沿って形成された基台V1 の一対の第1被係合凹部3と蓋体L1 の一対の係合片23との係合を解除させても、他方の側に形成されている基台V1 の一対の第1被係合凹部3と蓋体L1 の一対の係合片23とが係合状態を保持しているために、基台V1 に対して蓋体L1 を組み付けると、容易には外れない利点がある。
【0038】
また、出隅部N1 が鋭角又は鈍角で非直角な場合には、基台V1 の第1基台板部1の側に設けられた計二対の被係合凹部3,4と、蓋体L1 の対応位置に設けられた一対の係合片23と一対の係合突起25との計二対の係合部との係合により、基台V1 に対して蓋体L1 が組み付けられて、基台V1 の第2基台板部2に設けられた一対の第1被係合凹部3と、蓋体L1 の対応位置に設けられた一対の係合片23とは係合していなくて、基台V1 と蓋体L1 の前記組付けには寄与していない。このため、参考例1の基台V1 において第2基台板部2の部分をなくして第1基台板部1のみで構成された基台と、前記蓋体L1 とで構成される保護カバーによって、出隅部N1 が非直角、及び直角のいずれであっても、前記基台V1 の第2基台板部2を欠落させて第1基台板部1のみからなる基台に蓋体L1 を組み付けることができ、このような構成が本発明に係る保護カバーの実施例に該当する。
【0039】
なお、上記説明では、出隅部N1 に固定された基台V1 に対して蓋体L1 を組み付けるのに、一方の壁面W1 に沿ってスライドさせているが、出隅部N1 を構成する各壁面W1 ,W2 に対していずれもほぼ135°をなす方向から、固定された基台V1 に対して蓋体L1 を軽く押し付けることにより、基台V1 の被係合部(第1及び第2の各被係合凹部3,4)と蓋体L1 の係合部(係合片23及び係合突起25)とを係合させて、組み付けることも可能である。
【実施例2】
【0040】
次に、図17ないし図22を参照して、建物壁の入隅部N2 が非直角な場合において、当該入隅部N2 に配管された給水湯管Pの入隅配管部P2 を保護できる参考例2に係る保護カバーC2 の構成について説明し、その後に、当該保護カバーC2 を使用して、給水湯管Pの入隅配管部P2 を保護するための施工方法について説明する。図17は、建物壁の入隅部N2 に配管された給水湯管Pの入隅配管部P2 を保護カバーC2 で保護する状態を示す斜視図であり、図18は、保護カバーC2 を構成する基台V2 に蓋体L2 を覆蓋された状態の斜視図であり、図19(a),(b)は、それぞれ保護カバーC2 を構成する基台V2 及び蓋体L2 の斜視図であり、図20は、基台V2 の平面図であり、図21(a),(b)は、それぞれ図20のY1 −Y1 線、及びY2 −Y2 線断面図であり、図22(a)は、蓋体L2 の正面図(開口側から見た図)であり、同(b)は、同(a)のY3 −Y3 線断面図である。
【0041】
ここで、上記した出隅配管部保護カバーC1 と入隅配管部保護カバーC2 を構成する基台V1 (V2 )は、いずれもL字形をしていて、各部材を形成角が90°の側か、或いは270°の側に形成するかの相違のみであって、「係合構造」の面から把握した場合には、前記相違を除けば実質的に同一である。全く同様に、各保護カバーC1 ,C2 を構成する蓋体L1 ,L2 に関しても、形成角が90°の側が開口しているか、形成角が270°の側が開口しているかの相違のみであって、「係合構造」の面から把握した場合には、前記開口形成位置の相違を除けば実質的に同一である。従って、入隅配管部保護カバーC2 の説明に関しては、出隅配管部保護カバーC1 の説明で使用した「符号」と関連する「関連符号(同一又は同等部分に関しては、符号の1桁目が同一となっている)」を使用し、同一又は実質的に同等の部分の重複説明を避けて、入隅配管部保護カバーC2 の特有の部分についてのみ説明する。
【0042】
また、入隅配管部保護カバーC2 を構成する基台V2 は、図19ないし図21に示されるように、全体形状がL字形をしていて、互いに直交して折り曲げられた形状の第1及び第2の各基台板部31,32の形成角が90°の側の面に必要な部材が一体に形成されていて、形成角が270°の側の面は、入隅部N2 を構成する壁面W2 ,W3 に密着させられる面であるため平面状に形成されている。そして、前記保護カバーC1 の基台V1 とは反対に、保護カバーC2 の基台V2 を構成する第1及び第2の各基台板部31,32の形成角が90°の側の面に、第1被係合凹部33、第2被係合凹部34、第1立壁部35、第2立壁部36、内側傾斜面38、干渉回避空間42、当接突条43、補強リブ44、ビス挿通孔45、位置決め板部46及び抜孔47が、保護カバーC1 の基台V1 に形成された各部分に相当する部分にそれぞれ同様に形成されている。
【0043】
また、入隅配管部保護カバーC2 を構成する蓋体L2 は、図19及び図22に示されるように、全体形状がL字形をしていて、形成角(交差角)が270°の側が開口されていて、各側板部51の内側面における前記開口に臨む部分には、前記保護カバーC1 の蓋体L1 と同様にして、計二対の係合片53と一対の係合突起55とが形成されている。基台V2 に対して蓋体L2 をスライドさせて覆蓋させる際において、蓋体L2 を屈曲部で二分した場合に一対の係合片53と一対の係合突起55とが形成されている側の側板部51の端面の長手方向がスライド方向S2 となる。
【0044】
次に、図23ないし図28を参照して、直交して隣接する2つの壁面W2 ,W3 で形成される入隅部N2 が鈍角(90°+α)の非直角である場合において、各壁面W2 ,W3 に亘って配管された給水湯管Pの入隅配管部P2 を前記保護カバーC2 で保護する方法について説明する。図23ないし図26は、それぞれ入隅部N2 に保護カバーC2 の基台V2 を取付けた状態、基台V2 に対して蓋体L2 を覆蓋させるために、蓋体L2 を壁面W2 に沿ってスライドさせている状態、及び基台V2 に対して蓋体L2 が覆蓋された状態における図18のG2 −G2 線断面図である。
【0045】
最初に、図23に示されるように、(90°+α)の鈍角を有する入隅部N2 を形成する隣接する2つの壁面W2 ,W3 に保護カバーC2 の基台V2 の第1及び第2の各基台板部31,32を当てがった状態で、各基台板部31,32が各壁面W2 ,W3 にそれぞれ当接するように僅かに拡開させて、各ビス挿通孔45にビス93を挿通して各壁面W2 ,W3 に螺入させる。なお、図23ないし図25において、M2 は、壁面W2 に対して直交する仮想線を示す。
【0046】
そして、入隅部N2 を構成する各壁面W2 ,W3 に保護カバーC2 の基台V2 を固定した後に、当該基台V2 に対して給水湯管Pの直線配管部P0 を収容する直線配管部保護カバーC0 の基台V0 の幅方向の位置合わせを行って、各壁面W2 ,W3 に当該基台V0 を固定する。その後に、基台V0 の管保持部にそれぞれ給水湯管Pの直線配管部P0 を保持させて、当該基台V0 に蓋体L0 を覆蓋させる(図17参照)。各壁面W2 ,W3 に沿って配管された給水湯管Pの直線配管部P0 は、入隅部N2 の部分でエルボ94で連結されており、当該エルボ94の部分が入隅配管部P2 となる。
【0047】
次に、図24に示されるようにして、入隅部N2 に固定された基台V2 に対して蓋体L2 を覆蓋させるべく、当該蓋体L2 における一対の係合片53と一対の係合突起55が形成された側を一方の壁面W2 に当接させて、当該壁面W2 に沿って、入隅部N2 を構成する各壁面W2 ,W3 の交差部62に向かうスライド方向S2 にスライドさせると、蓋体L2 の一対の係合突起55が、基台V2 の一対の第2被係合凹部34に挿入係合された後に、蓋体L2 の一対の係合片53は、変形することなくそのままの姿勢で基台V2 の一対の第1被係合凹部33に挿入係合される。そして、図25に示されるように、蓋体L2 がスライド端まで達した状態においては、スライド方向S2 に沿って形成された蓋体L2 の一対の係合片53及び一対の係合突起55は、それぞれ基台V2 の一対の第1被係合凹部33及び一対の第2被係合凹部34にそれぞれ完全係合される(図26及び図27参照)が、入隅部N2 が鈍角(90°+α)であるために、蓋体L2 に形成された残りの一対の係合片55は、基台V2 の一対の第1被係合凹部33の内側傾斜面38に当接した形態となって、当該一対の係合片55と一対の第1被係合凹部33とは係合しない(図28参照)。
【0048】
このように、入隅部N2 が鈍角(90°+α)で交差しているために、L字形の保護カバーC2 を屈曲部で二分した各側にそれぞれ形成された計二対の第1被係合凹部33と計二対の係合片53との一方の対の第1被係合凹部33と係合片53とが係合されていなくても、他方の対の第1被係合凹部33と係合片53とが係合されている側には、別に形成された一対の第2被係合凹部34と一対の係合突起55とが係合していて、結果として、L字形の保護カバーC2 を屈曲部で二分した一方の側において、計二対の被係合部と係合部とが係合する構造となり、しかも、計二対の被係合部(第1及び第2の各被係合凹部33,34)又は係合部(係合片53及び係合突起55)は、前記スライド方向S2 (又は配管方向Q)に沿って距離D2 (図25参照)を隔てて配置されているので、L字形の保護カバーC2 を屈曲部で二分した一方の側のみにおいて、基台V2 と蓋体L2 とをしっかりと係合できる。
【0049】
なお、入隅部N2 が直角である場合には、蓋体L2 をスライド方向S2 にスライドさせて、基台V2 に対して蓋体L2 が覆蓋されるスライド端の直前においては、前記スライド方向S2 と直交配置された未係合状態の一対の係合片53が、被係合凹部形成部37の内側傾斜面38に弾接して、当該係合片53が連結部54を支持端として僅かに弾性変形された後に、原形状に復元して基台V2 の第1被係合凹部33に係合される。これにより、基台V2 と蓋体L2 は、二対の第1被係合凹部33と同様の係合片53との係合と、一対の第2被係合凹部34と同様の係合突起55との係合により、互いに組み付けられる。
【0050】
また、入隅部N2 が鋭角(90°−β)である場合においても、出隅配管部P1 の保護カバーC1 と同様にして、第1及び第2の各基台板部31,32を僅かに内方に押圧させて基台V2 を各壁面W2 ,W3 に固定して、当該基台V2 に接続された直線配管部保護カバーC0 内に給水湯管Pの直線配管部P0 を収容して、入隅配管部P2 が露出した状態とする。その後に、蓋体L2 を屈曲部で二分した場合において一対の係合片53と一対の係合突起55が設けられた一方の側が壁面W2 と平行に配置して、当該壁面W2 と平行なスライド方向S2 に沿って蓋体L2 をスライドさせて、壁面W2 ,W3 に固定された基台V2 に対して蓋体L2 を覆蓋させる。入隅部N2 が鋭角(90°−β)の場合においても、図29及び図30に示されるように、蓋体L2 を屈曲部で二分した他方の側に形成された一対の係合片53と基台V2 の第1被係合凹部33とが被係合状態となって、基台V2 に対して蓋体L2 は、当該蓋体L2 を屈曲部で二分した場合の一方側に形成された一対の係合片53及び一対の係合突起55と、基台V2 に形成された一対の第1及び第2の各被係合凹部33,34との係合のみにより組み付けられるが、入隅部N2 が鈍角(90°+α)の場合と同様の理由により、基台V2 に対して蓋体L2 はしっかりと組み付けられる。なお、図29のT1 −T1 線断面図、及びT2 −T2 線断面図は、それぞれ図25のZ1 −Z1 線断面図、及びZ2 −Z2 線断面図と同一である。なお、図29に示される状態が、請求項1,2における「蓋体L2 の係合部(係合片53及び係合突起55)が、基台V2 の被係合部(第1及び第2の各被係合凹部33,34)に対して入隅部N2 の交差部62と反対の側にずれた状態」において、基台V2 と蓋体L2 とが組み付けられた状態である。
【0051】
また、上記参考例2において、第2基台板部32を欠落させて、二対の被係合凹部33,34とを備えた第1基台板部31のみからなる基台と、一対の係合片53と一対の係合突起55とを備えた上記蓋体L2 とからなる保護カバーが、本発明の実施例に該当する。
【0052】
また、入隅部N2 が鈍角(90°+α)及び鋭角(90°−β)のいずれの場合でも、保護カバーC2 の蓋体L2 と壁面W3 との間に隙間が形成されること、及び当該隙間は目地材で閉塞されることは、いずれも前記保護カバーC1 と同様である。
【0053】
また、出隅部及び入隅部のいずれの保護カバーC1 、C2 においても、蓋体L1 、L2 を屈曲部で二分した一方の側に形成された係合片23(53)と係合突起25(55)との間隔D1 (D2 )が長い程、基台V1 (V2 )と蓋体L1 (L2 )とが前記「一方の側」においてのみ係合されていても、基台V1 (V2 )と蓋体L1 (L2 )との係合強度が増す。従って、蓋体L1 、L2 の一方の側に形成された係合片23(53)と係合突起25(55)との間隔D1 (D2 )は設計上長い程望ましい。
【0054】
なお、保護カバーC2 においても、一方の壁面W1 に沿ってスライドさせることなく、入隅部N2 を構成する各壁面W2 ,W3 に対していずれもほぼ45°をなす方向から、固定された基台V2 に対して蓋体L2 を軽く押し付けることにより、基台V2 の被係合部(第1及び第2の各被係合凹部33,34)と蓋体L2 の係合部(係合片53及び係合突起55)とを係合させて、組み付けることも可能である。
【0055】
また、出隅部及び入隅部のいずれの保護カバーC1 、C2 においても、基台V1 (V2 )に形成される被係合部、及び蓋体L1 (L2 )に形成される係合部の構造に関しては、上記実施例1,2で示したように、基台V1 (V2 )を屈曲部で二分した場合に一方側に形成される第1及び第2の各被係合凹部3(33),4(34)と、蓋体L1 (L2 )に形成された係合片23(53)及び係合突起25(55)とが係合した状態において、前記第1及び第2の各被係合凹部3(33),4(34)が基台V1 (V2 )の幅方向に沿って内外で逆に配置されることにより、外力が作用した場合において基台V1 (V2 )に対して蓋体L1 (L2 )が外れにくくなることと、蓋体L1 (L2 )を係合された部分で内方に弾性変形させることにより、当該係合を容易に解除できるという相反する2つの事項を同時に実現できて望ましい。しかし、本発明においては、係合状態において、前記第1及び第2の各被係合凹部3(33),4(34)が基台V1 (V2 )の幅方向に沿って内外で逆に配置されることは要件ではないので、当該第1及び第2の各被係合凹部3(33),4(34)が基台V1 (V2 )の幅方向に沿って同一側(多くの場合には内側)に配置される構造であっても、本発明の課題は達成し得る。
【0056】
更に、基台V1 (V2 )に形成される被係合部、及び蓋体L1 (L2 )に形成される係合部の構造に関しては、蓋体L1 (L2 )の係合片23(53)が、当該蓋体L1 (L2 )の開口端面に対して平行に配置され、しかも弾性変形可能な片持ち構造になっているため、蓋体L1 (L2 )の係合片23(53)と、基台V1 (V2 )の第1被係合凹部3(33)との係合時においては、蓋体L1 (L2 )における係合片23(53)が設けられた部分は弾性変形させなくても、当該係合片23(53)が弾性変形して係合される構造であって、当該係合を解除する場合においてのみ、蓋体L1 (L2 )を構成する各側板部21(51)を内方に弾性変形される構造である。しかし、本発明においては、係合部、及び被係合部の上記構造までは要件となっていないので、蓋体L1 (L2 )を屈曲部で二分した場合に一方の側に設けられる2つの係合部のいずれもが、当該蓋体L1 (L2 )の各側板部21(51)の弾性変形により係合、及びその解除がなされる構造であっても可能である。
【0057】
また、入隅部又は出隅部を構成する一方の壁面の側に配置される基台の被係合部、及び蓋体の係合部を、基台に対して蓋体がスライド可能な方向に沿って複数設けておいて、基台の第1及び第2の各基台板部に設けられた各被係合部と蓋体に設けられた各係合部とが係合している状態において、蓋体が基台に対して前記一方の壁面に沿って出隅部の壁面交差部側に、又は入隅部の反壁面交差部側にスライドした場合に、当該一方の壁面側に配置されている未係合の基台の被係合部と蓋体の係合部とが新たに係合して、当該一方の壁面側における係合数が増す、換言すると少なくとも2以上となる構成にしても、他方の壁面側に設けられた被係合部と係合部との係合が不完全となったり、或いは係合が解除されても、一方の壁面側における「複数の係合」により、基台に対する蓋体の組付け状態は維持される。また、スライドにより、当該スライド方向に沿った係合部分の総長である「係合長」を増加させる構成によっても、一方の側面側における係合のみで、基台と蓋体との組付け状態を維持できる。
【0058】
なお、上記実施例では、配線・配管材が給水湯管の場合について説明したが、本発明に係る保護カバーの他の保護対象としては、給水湯管の他に、エアコン用冷媒管、電線やケーブル等が挙げられる。
【符号の説明】
【0059】
0 :直線配管部保護カバー(直線配設部保護カバー)
1 :出隅配管部保護カバー
2 :入隅配管部保護カバー
1,L2 :蓋体
1 :出隅部
2 :入隅部
P:給水湯管(配線・配管材)
0 :直線配管部(直線配設部)
1 :出隅配管部(出隅配設部)
2 :入隅配管部(入隅配設部)
Q:配管方向
1,S2 :スライド方向
1,V2 :基台
1,W2,W3 :壁面
1,31:第1基台板部
2,32:第2基台板部
3,33:第1被係合凹部(被係合部)
4,34:第2被係合凹部(被係合部)
11:スライド端規制部(スライド量規制部)
20,50:蓋体の接続口
23,53:蓋体の係合片(係合部)
25,55:蓋体の係合突起(係合部)
81:収容空間
92:エルボ(出隅配管部)
94:エルボ(入隅配管部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物壁に沿って配設される配線・配管材のうち出隅部又は入隅部に配設される配設部を保護すべく、略直交する各壁面に沿って配設された配線・配管材の2つの直線配設部を保護する各直線配設部保護カバーを略直交させて接続可能にするために両端部に形成された接続口と、前記配線・配管材の出隅又は入隅の配設部を収容保護する収容空間とを備えた配線・配管材保護カバーであって、
前記出隅部又は入隅部を構成する少なくとも一方の壁面に固定される基台と、前記直線配設部保護カバーの各端部を覆った状態で前記基台に対して分離可能に組付けられるL字形の蓋体とから成り、
前記蓋体は、所定間隔をおいて配置された一対の側板部が天板部で一体に連結された形状を有し、
前記出隅部又は入隅部を構成する壁面に固定される前記基台には、前記一方の壁面に配置される被係合部が設けられて、前記蓋体には、前記基台の被係合部と係合するのみで当該基台に組み付けられる係合部が設けられ、
前記基台の被係合部と蓋体の係合部は、一方の壁面に固定された基台に対して蓋体を当該一方の壁面に沿って、出隅部を構成する各壁面が交差する側である壁面交差部側に、又は入隅部を構成する各壁面の交差部と反対側である反壁面交差部側にずれた位置であっても係合して、基台と蓋体との組付け状態が維持される構成であり、
前記基台は、一方及び他方の各壁面にそれぞれ配設されるL字形であり、前記基台と前記蓋体における前記他方の壁面に配設される部分には、互いに係合する被係合部、及び係合部は設けられていないか、又は前記基台は、一方の壁面のみに配設される形態であることを特徴とする配線・配管材保護カバー。
【請求項2】
前記一方の壁面の側に配置される基台の被係合部、及び蓋体の係合部は、当該蓋体のスライド方向に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の配線・配管材保護カバー。
【請求項3】
前記基台には、蓋体のスライド量を規制するスライド量規制部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の配線・配管材保護カバー。
【請求項4】
前記基台の第1基台板部に設けられた二対の被係合部、及び当該二対の被係合部に対応して蓋体に設けられた二対の係合部は、各対において内外方向が逆になっていることを特徴とする請求項2又は3に記載の配線・配管材保護カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2013−102678(P2013−102678A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−270272(P2012−270272)
【出願日】平成24年12月11日(2012.12.11)
【分割の表示】特願2007−309585(P2007−309585)の分割
【原出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】