説明

配線基板ユニット

【課題】プリント配線基板にパワーモジュールが実装された配線基板ユニットにおいて、端子台を用いて従来よりも大きな電流に対応させる。
【解決手段】配線基板ユニットは、プリント配線基板(2)と、プリント配線基板(2)に実装されたパワーモジュール(3)と電気配線(8)とを接続する端子台(10)とを備えている。端子台(10)は、パワーモジュール(3)が直接に接続される端子接続部(11)と、電気配線(8)が接続される配線接続部(12)とを備えている。プリント配線基板(2)には、端子接続部(11)の平面正投影面積より大きい孔部(2c)が形成されている。端子接続部(11)は、プリント配線基板(2)の孔部(2c)の下方又は上方に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気回路の回路素子と電気配線とが接続された配線基板ユニットに関し、特に、接続部材構造に係るものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、上記配線基板ユニットにおいてプリント配線基板にパワーモジュールなどの電源系回路素子(以下、パワーモジュールを電源系回路素子の代表例として説明する)を実装する場合、パワーモジュールの端子ピンはプリント配線基板における主回路のプリント配線(銅箔)に接合されている。例えば、冷凍装置(ここで言う冷凍装置には空調装置も含まれる)ではパワーモジュールとしてインバータモジュールが用いられている。このパワーモジュールは外部電源とインバータ圧縮機(駆動対象)との間に接続されている。そして、パワーモジュールの端子ピンから供給される電流は、プリント配線基板の主回路の銅箔を流れて、圧縮機に供給される。
【0003】
ここで、上記パワーモジュールは、近年、半導体素子の性能向上に伴い、大容量のものでも小型化されてきている。そのため、パワーモジュールに設けられている端子ピン同士の間隔も狭くなる傾向にある。また、プリント基板に直接はんだ付けするタイプのものでも50〜100Aの大電流を定格とするものがあるが、小型のものでは端子ピンの断面積も小さくなるため、モジュール内のチップの熱により端子ピンも高熱になる。そして、プリント配線基板と端子ピンとの接続部分も高熱になる。その結果、プリント配線基板の耐熱温度を超えてしまい、そうなると定格電流まで使用できなくなってしまうことが考えられる。
【0004】
一方、例えば上述した空調機のインバータ制御に用いられる配線基板ユニットにおいて、上記のような大電流に対応させようとすると、上記接続部分も含めてプリント配線(銅箔)の断面積を大きくして抵抗値を下げる必要がある。しかし、銅箔の抵抗値を下げるためには、銅箔の厚さを極端に厚くすることはできないので、銅箔の幅を広げる必要がある。
【0005】
銅箔の幅を広げることは、パワーモジュールの端子ピン同士の間隔が狭くなってきていることに相反する。したがって、端子ピン同士の間隔が狭い大容量のパワーモジュールを用いたプリント配線基板ユニットで銅箔の幅を広げて大電流に対応できるようにすることは実用的ではない。
【0006】
ところで、特許文献1には、プリント配線基板上に接合される端子台を電気回路の接続部材(10)として用い、この端子台にパワーモジュールの端子ピンをネジ留めする構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平06−302932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の構成では、端子ピンから供給される電流は、接続部材である端子台に流れる。この端子台を用いると、電流経路の断面積を大きくすることができるので、端子台に関しては抵抗値を下げて発熱量を小さくすることができると考えられる。また、特許文献1のものはネジ端子式モジュールに関するものであり、端子ピンの断面積が大きいため、発熱を低く抑えられると考えられる。
【0009】
ここで、特許文献1の端子台は、主回路のプリント配線(銅箔)に接触する位置ではんだ接合されていて電流がその銅箔を流れるが、パワーモジュールが大型であるために銅箔の幅を広げることが可能である。しかし、モジュールが小型化されると、銅箔の幅を極端に広くすることは困難であり、それがプリント配線基板の設計上の制約になってしまう。また、主回路のプリント配線(銅箔)の幅を広げると、プリント配線基板そのものも大型化してしまうことになる。
【0010】
また、例えば汎用のプリント配線基板では銅箔の厚さが35μm程度しかなく、1mm幅で1A程度の電流しか流せないといわれているので、その厚さの銅箔で30Aの電流を流そうとすると約30mmの箔幅、50Aの電流を流そうとすると約50mmの箔幅が必要となる。これに対して、パワーモジュールの端子間距離は狭い部分で約5〜10mm程度であり、端子間の絶縁距離を考慮すると、実際問題として、配線パターンだけを工夫して大電流化を実現することは不可能であった。
【0011】
そこで、従来の配線基板ユニットで大電流に対応させる場合は、温度を下げるためにパターン上に放熱フィンを設けたり、銅箔厚さが厚くてコストの高いプリント配線基板を使用したり、端子のすぐそばに専用の太いジャンパ線をはんだ付けしたりして対応していたが、これらの方法ではコストが高いうえ、大電流がプリント配線のパターン上を流れるために、大電流を流せるといっても30A程度が限界であった。
【0012】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、プリント配線基板にパワーモジュールなどの回路素子が実装された配線基板ユニットにおいて、接続部材を用いて従来よりも大きな電流に対応させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の発明は、プリント配線基板(2)と、該プリント配線基板(2)に取り付けられ且つ電気回路の回路素子(3)と電気配線(8)とを接続する接続部材(10)とを備えた配線基板ユニットを対象としている。
【0014】
さらに、上記接続部材(10)は、上記回路素子(3)の端子ピン(3a)が直接に接続される端子接続部(11)と、上記電気配線(8)が接続される配線接続部(12)とを備えている。上記配線接続部(12)は、台座板(13)と、該台座板(13)から下向きに延びて下端部がプリント配線基板(2)に固定される脚部(14)とを備え、上記端子接続部(11)は、上記配線接続部(12)から板状に延び、上記端子ピン(3a)のピン接続部(11c)を備えている。
【0015】
そして、上記プリント配線基板(2)には、少なくとも上記端子接続部(11)のピン接続部(11c)の平面正投影面積より大きい孔部(2c)が形成される一方、上記端子接続部(11)は、少なくとも上記ピン接続部(11c)が上記プリント配線基板(2)の孔部(2c)の下方又は上方に位置するように構成されている。
【0016】
第2の発明は、プリント配線基板(2)と、該プリント配線基板(2)に取り付けられ且つ電気回路の回路素子(3)と電気配線(8)とを接続する第1の接続部材(10)及び第2の接続部材(10)とを備えた配線基板ユニットを対象としている。
【0017】
さらに、上記各接続部材(10)は、上記回路素子(3)の端子ピン(3a)が直接に接続される端子接続部(11)と、上記電気配線(8)が接続される配線接続部(12)とを備えている。上記配線接続部(12)は、台座板(13)と、該台座板(13)から下向きに延びて下端部がプリント配線基板(2)に固定される脚部(14)とを備え、上記端子接続部(11)は、上記配線接続部(12)から板状に延び、上記端子ピン(3a)のピン接続部(11c)を備えている。
【0018】
そして、上記プリント配線基板(2)には、少なくとも上記端子接続部(11)のピン接続部(11c)の平面正投影面積より大きい孔部(2c)が上記ピン接続部(11c)に対応して形成される一方、上記第1の接続部材(10)の端子接続部(11)は、少なくとも上記ピン接続部(11c)が上記プリント配線基板(2)の孔部(2c)の下方に位置するように構成され、上記第2の接続部材(10)の端子接続部(11)は、少なくとも上記ピン接続部(11c)が上記プリント配線基板(2)の孔部(2c)の内部に位置するように構成されている。
【0019】
第3の発明は、プリント配線基板(2)と、該プリント配線基板(2)に取り付けられ且つ電気回路の回路素子(3)と電気配線(8)とを接続する第1及び第2の接続部材(10)とを備えた配線基板ユニットを対象としている。
【0020】
さらに、上記各接続部材(10)は、上記回路素子(3)の端子ピン(3a)が直接に接続される端子接続部(11)と、上記電気配線(8)が接続される配線接続部(12)とを備えている。上記配線接続部(12)は、台座板(13)と、該台座板(13)から下向きに延びて下端部がプリント配線基板(2)に固定される脚部(14)とを備え、上記端子接続部(11)は、上記配線接続部(12)から板状に延び、上記端子ピン(3a)のピン接続部(11c)を備えている。
【0021】
そして、上記プリント配線基板(2)には、少なくとも上記端子接続部(11)のピン接続部(11c)の平面正投影面積より大きい孔部(2c)が上記ピン接続部(11c)に対応して形成される一方、上記第1の接続部材(10)の端子接続部(11)は、少なくとも上記ピン接続部(11c)が上記プリント配線基板(2)の孔部(2c)の上方に位置するように構成され、上記第2の接続部材(10)の端子接続部(11)は、少なくとも上記ピン接続部(11c)が上記プリント配線基板(2)の孔部(2c)の内部に位置するように構成されている。
【0022】
第4の発明は、第1〜第3の発明の何れか1の発明において、上記端子接続部(11)が、上記脚部(14)に連接され且つ該脚部(14)に直角に屈折した連接部(11b)と、該連接部(11b)の先端に連続形成されたピン接続部(11c)を備えた構成としている。
【0023】
第5の発明は、第1〜第3の発明の何れか1の発明において、上記端子接続部(11)が、上記脚部(14)に連接され且つ該脚部(14)に対して傾斜した連接部(11b)と、該連接部(11b)の先端に連続形成されたピン接続部(11c)を備えた構成としている。
【0024】
第6の発明は、第1〜第3の発明の何れか1の発明において、上記接続部材(10)の配線接続部(12)が、1つの部材で形成される一方、上記端子接続部(11)が、配線接続部(12)と別部材の1つの部材で形成された構成としている。
【0025】
上記第1〜第3の発明では、例えば、パワーモジュール(3)などの電源系回路素子(3)の端子ピン(3a)が接続部材(10)の端子接続部(11)に接続され、該接続部材(10)の配線接続部(12)に電気配線(8)が接続される。したがって、上記回路素子(3)から供給される電流は、接続部材(10)から電気配線(8)を介して駆動対象へ供給される。つまり、電源系回路素子の大電流(3)を配線パターンに流さないようにすることができる。
【0026】
また、上記プリント配線基板(2)に形成されている孔部(2c)に対応した位置に配置されている端子接続部(11)に回路素子(3)の端子ピン(3a)が接合され、配線接続部(12)に電気配線(8)が接続され、回路素子(3)からの電流が接続部材(10)を通って電気配線(8)へ流れていく。したがって、上記回路素子(3)からの熱がプリント配線基板(2)に伝わり難くなるので、電気配線(8)に大電流を流すことができる。
【0027】
また、上記プリント配線基板(2)に形成されている孔部(2c)の外でプリント配線基板(2)と平行に配置されている端子接続部(11)に回路素子(3)の端子ピン(3a)が接合され、配線接続部(12)に電気配線(8)が接続され、回路素子(3)からの電流が接続部材(10)を通って電気配線(8)へ流れていく。したがって、上記回路素子(3)からの熱がプリント配線基板(2)により確実に伝わり難くなる。
【0028】
上記第5の発明では、連接部(11b)を傾斜させているので、該連接部(11b)の幅を大きくすることができるので、大電流を流すことができると共に、上記連接部(11b)による放熱作用が生じることになる。
【0029】
第6の発明では、パワーモジュール(3)などの回路素子(3)の端子ピン(3a)に第1部材である端子接続部(11)が接続され、第2部材である配線接続部(12)に電気配線(8)が接続され、さらに端子接続部(11)を支持する配線接続部(12)が上記プリント配線基板(2)に取り付けられる。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、パワーモジュール(3)などの電源系回路素子(3)の端子ピン(3a)に接続部材(10)の端子接続部(11)を接続するとともに、接続部材(10)の配線接続部(12)に電気配線(8)を取り付けている。したがって、本発明によれば、上記電源系回路素子(3)から供給される電流が接続部材(10)から電気配線(8)を介して駆動対象へ供給されるので、プリント配線基板(2)の配線パターン(銅箔)上を電源系の主回路の電流を流さないようにすることができる。この結果、上記プリント配線基板(2)の銅箔の厚みを厚くしたり幅を広くしたりする必要がなく、配線パターン上に放熱フィンを設けたりする必要もないので、大型化せずに大電流に対応させることができ、且つコストが高くなることを防止することができる。
【0031】
また、上記接続部材(10)に厚肉の材料を用いることにより、温度上昇を抑えることができるので、全体として熱伝達がよくなる。この結果、上記回路素子(3)であるパワーモジュールに内蔵されているチップに流すことができる電流の限界まで使用することが可能となる。
【0032】
また、上記プリント配線基板(2)に形成されている孔部(2c)に対応した位置に端子接続部(11)が配置されているので、端子接続部(11)が周囲の空気に露出するように構成できるので、接続部材(10)からの放熱が促進される。また、プリント配線基板(2)と端子接続部(11)が接触しないので、上記回路素子(3)からの熱がプリント配線基板(2)に伝わり難くなるので、電気配線(8)に大電流を流すことができる。
【0033】
また、上記プリント配線基板(2)に形成されている孔部(2c)の下方又は上方で端子接続部(11)に回路素子(3)の端子ピン(3a)が接合されるので、上記回路素子(3)からの熱がプリント配線基板(2)により確実に伝わり難くすることができる。
【0034】
第2又は第3の発明によれば、プリント配線基板(2)の孔部(2c)の外で端子接続部(11)に回路素子(3)の端子ピン(3a)が接合される接続部材(10)と、プリント配線基板(2)の孔部(2c)の内で端子接続部(11)に回路素子(3)の端子ピン(3a)が接合される接続部材(10)とを設けているので、回路素子(3)の高さが異なる場合であっても、容易に対応することが可能となる。
【0035】
特に、従来、回路素子(3)の高さが異なる場合、回路素子(3)の支持台を高くするか又は低くして調整し、手間を要していた。第2又は第3の発明によれば、接続部材(10)を選択して用いることにより、高さが異なる回路素子(3)に対応することができる。この結果、作業性の向上を図ることができる。
【0036】
上記第5の発明によれば、連接部(11b)を傾斜させているので、該連接部(11b)の幅を大きくすることができるので、大電流を流すことができると共に、上記連接部(11b)(14a)による放熱作用が生じることになる。
【0037】
第6の発明では、端子接続部(11)と該端子接続部(11)を支持する配線接続部(12)とを別部材で構成しているので、端子接続部(11)の変更のみで回路素子(3)の端子ピン(3a)の高さに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、本発明の実施形態1に係る配線基板ユニットの平面図である。
【図2】図2は、端子台の拡大斜視図である。
【図3】図3は、図1の要部を示す側面図である。
【図4】図4は、図1の配線基板ユニットにおける端子台周りの平面図である。
【図5】図5は、プリント配線基板の回路構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、パワーモジュールと端子台の接続位置関係を示す平面図である。
【図7】図7は、図1の配線基板ユニットを含む制御装置を備えた空気調和装置の冷媒回路図である。
【図8】図8は、実施形態2の端子台の拡大斜視図である。
【図9】図9は、実施形態2の配線基板ユニットの要部を示す側面図である。
【図10】図10は、実施形態3の配線基板ユニットの要部を示す側面図である。
【図11】図11は、実施形態3の第1端子台の拡大斜視図である。
【図12】図12は、実施形態3の第1端子台の周りの配線基板ユニットの要部を示す側面図である。
【図13】図13は、実施形態3の変形例であって配線基板ユニットの要部を示す側面図である。
【図14】図14は、実施形態4の端子台の拡大斜視図である。
【図15】図15は、実施形態5に係る端子台を示し、図15(A)は接続状態の要部断面図、図15(B)は要部平面図である。
【図16】図16は、端子台の寸法と温度上昇との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0040】
《発明の実施形態1》
本実施形態1は、冷凍装置(空気調和装置)の制御装置に用いられる配線基板ユニットに関するものである。
【0041】
図1に示すように、本実施形態1の配線基板ユニット(1)は、プリント配線基板(2)にパワーモジュール(外部電源に接続されるインバータモジュール)(3)などの電源系の回路素子やその他の電子部品(4,5,6,7)が実装されて構成されている。尚、上記パワーモジュール(3)は、プリント配線基板(2)の裏側に位置し、実際には破線になる部分があるが、図では便宜上実線で表している。
【0042】
上記プリント配線基板(2)の電子部品(4,5,6,7)には、CPU(中央演算処理装置)(4)、変圧器(5)、コンデンサ(6)、各機器へのコネクタ(7)などが含まれている。パワーモジュール(3)の端子ピン(3a)は、プリント配線基板(2)を貫通して上方(図の手前側)に延びている。
【0043】
上記配線基板ユニット(1)は、プリント配線基板(2)に固定される端子台(10)が設けられている。該端子台(10)は、プリント配線基板(2)から上方へ突出したパワーモジュール(3)の端子ピン(3a)と、図1の要部側面図である図3に示す電気配線(8)とが接続されている。つまり、上記端子台(10)は、プリント配線基板(2)を備えた電気回路の電源系のパワーモジュール(3)と電気配線(8)とを接続している。
【0044】
そして、上記端子台(10)は、側面から見て下方が開口した逆U字状に形成されて接続部材を構成している。
【0045】
上記端子台(10)は、図2の拡大斜視図に示すように、パワーモジュール(3)の端子ピン(3a)を直接に接続するための端子接続部(11)と、電気配線(8)を接続するための配線接続部(12)とを備えている。上記端子台(10)の実寸は、配線接続部(12)を平面から見て約10mm×10mm程度の寸法の部品である。上記配線接続部(12)は、板状の台座板(13)と、該台座板(13)から該台座板(13)に直交する方向へ下向きに延びてプリント配線基板(2)に固定される一対の脚部(14)とを備えている。該脚部(14)は、プリント配線基板(2)における基板部(2a)の所定の取付位置に取り付けられている。このプリント配線基板(2)における基板部(2a)は、この実施形態において、プリント配線(銅箔)の設けられていない箇所のことをいう。尚、図1では銅箔の配線パターンは省略している。
【0046】
図5は、プリント配線基板(2)の回路構成を示すブロック図である。上記プリント配線基板(2)には、電源回路(100)と空調機制御回路(101)とインバータ制御回路(102)と駆動回路(103,104)とインバータモジュールであるパワーモジュール(3)が設けられている。該パワーモジュール(3)が、電源(106)と圧縮機(107)(後述する図7の冷媒回路の圧縮機(52)に対応する)の間に接続されている。上記パワーモジュール(3)は、チップを含めて種々の電子部品を内部接続することにより構成されている。なお、太い破線で示しているのは、パワーモジュール(3)内の電子部品を接続する内部配線(111)である。
【0047】
図6はパワーモジュール(3)と端子台(10)の接続位置関係を示す平面図であり、図のA〜Cの記号は、図5に示しているA〜Cの記号と対応している。上記端子台(10)は、A〜Cの3種類に分類することができる。記号Aで示している第1の端子台(10)は、主回路の電流を電線(110)のみに流す端子台(10)、記号B1〜B4で示している第2の端子台(10)は、主回路の大電流を電線(110)に流すとともに、駆動回路(103,104)やスナバ回路等の低電流の配線パターン(108)にも接続されている端子台(10)、そして記号C1,C2で示している第3の端子台(10)は、電線(110)と電源回路(100)の制御用低電流配線パターン(109)に接続される端子台(10)である。駆動回路(103,104)は、3アームの内の1アームのみを示しており、他は省略している。このように、端子台(10)は種々の用途に使用することができる。
【0048】
図6において、A,B1〜B4,C1,C2で示している端子台(10)は、パワーモジュール(3)の端子ピン(3a)と電気配線(8)とを接続している。Aを除くB1〜B4,C1,C2の端子台(10)は、制御回路や駆動回路の配線パターンも接続されている。これらB1〜B4,C1,C2の端子台(10)では、駆動系主回路の電流が主にパワーモジュール(3)と電気配線(8)とに流れ、配線パターンである銅箔には微小電流しか流れない。そのため、銅箔が高温になってプリント配線基板(2)への熱の影響が大きくなってしまう問題も生じない。
【0049】
上記端子台(10)は、図2〜図4に示すように、金属板材料を折り曲げて形成され、電流の流れる部分の断面積を大きくしている。したがって、上記端子台(10)は、プリント配線のパターン(銅箔)上を電流が流れる場合と比べて発熱量が小さくなり、プリント配線基板(2)への熱の影響が小さくなる。
【0050】
以上のように、上記パワーモジュール(3)と電気配線(8)との間で授受される電流は、主に端子台(10)を介して流れる。
【0051】
上記端子台(10)は、1枚の導電性金属板材料からなる折り曲げ成形部品により構成されている。上記端子台(10)の配線接続部(12)は、平面から見て正方形ないし長方形形状に形成されている。上記脚部(14)は、この配線接続部(12)の台座板(13)の一対の対向縁部から折り曲げ部(12a)を介して約90度の角度で下向きに折り曲げて形成されている。折り曲げ部(12a)は、図では直角の角部になっているが、実際にはわずかなアール面(曲面)になっている。
【0052】
上記配線接続部(12)には、図3に示す取り付けネジである留めネジ(9)を締め付けて電気配線(8)を留めるために、図2に示すように雌ねじ部(12b)がバーリング加工部(12c)に形成されている。尚、上記バーリング加工部(12c)は、ナットを溶接するか、ナットをカシメて固定する形状で代用してもよい。この雌ねじ部(12b)にはワッシャ(9a)を介して留めネジ(9)が締め付けられ、上記電気配線(8)は配線接続部(12)の上面とワッシャ(9a)との間に挟持された状態で保持される。尚、上記電気配線(8)は留めネジ(9)以外を用いる方法で配線接続部(12)に取り付けてもよい。
【0053】
上記脚部(14)は、端子台(10)をプリント配線基板(2)の基板部(2a)における所定の取付位置にはんだ付けで固定するための固定爪(はんだ付け接合部)(14b)を備え、上記プリント配線基板(2)に端子台(10)を取り付けるための取付部として機能している。
【0054】
上記固定爪(14b)は、相対する脚部(14)に2つずつ形成され、プリント配線基板(2)における上記所定の取付位置には、これらの固定爪(14b)に対応する位置に取付け孔(2b)が形成されている(図3参照)。上記固定爪(14b)は取付け孔(2b)に上方から挿入された状態で上記取付け孔(2b)から下方へ突出する長さに形成されるとともに、プリント配線基板(2)から下方へ突出した部分がプリント配線基板(2)の下面にはんだ付けされる。
【0055】
上記端子接続部(11)が形成されていない脚部(14)の2つの固定爪(14b)には、プリント配線基板(2)に対する抜け止め機能と位置決め機能を持たせるために凸部(14c)が形成されている。このことにより、これらの固定爪(14b)は、取付け孔(2b)に嵌合する基端部が取付け孔(2b)から突出する先端部よりも大径に形成されて、該基端部が取付け孔(2b)に圧入されるように構成されている。ここでは固定爪(14b)を2つにしているが、1つでもよいし、3つ以上あってもよい。
【0056】
また、上記固定爪(14b)は、図4に示すように、上記端子接続部(11)から所定間隔離れた位置に形成され、このことにより、図4に破線で示されるはんだ(16)用のランドを固定爪(14b)の周囲に設けることができるようにするためのはんだよけスペース(10s)が設けられている。
【0057】
一方、上記端子接続部(11)は、一方の脚部(図2の右側の脚部)(14)の下端から、それに対向する脚部(図2の左側の脚部)(14)とは反対の方向へ向かって延出し、台座板(13)とほぼ平行になるように形成されている。このように、上記端子接続部(11)は配線接続部(12)から板状に延出している。
【0058】
上記端子接続部(11)は、上記脚部(14)の下端中央部に形成された延長部(14d)に折曲げ部(14a)を介して連接されている。該延長部(14d)は、固定爪(14b)の間に位置し、図3に示すように、端子台(10)をプリント配線基板(2)に取り付けた状態で該プリント配線基板(2)より下方に突出する長さに形成されている。また、上記折曲げ部(14a)は脚部(14)に対して直角に屈折されている。
【0059】
上記端子接続部(11)は、連接部(11b)とピン接続部(11c)とを備え、平板状に形成されている。該連接部(11b)は、上記脚部(14)の延長部(14d)から脚部(14)の側方に延びている。具体的に、上記連接部(11b)は、脚部(14)から直角に外側に屈曲し、ピン接続部(11c)の幅よりやや狭い幅に形成されている。
【0060】
上記ピン接続部(11c)は、連接部(11b)の先端に連続形成された矩形板状に形成され、該ピン接続部(11c)の先端寄りの位置に、パワーモジュール(3)の端子ピン(3a)を挿入するために端子ピン挿入孔(11a)が形成されている。上記端子接続部(11)には、端子ピン挿入孔(11a)に挿入して上方へ突出した端子ピン(3a)がはんだ付けで接合されるようになっている。そして、上記端子接続部(11)の端子ピン挿入孔(11a)により、パワーモジュール(3)の端子ピン(3a)を接合するためのはんだ付け接合部(端子はんだ付け接合部)が構成されている。
【0061】
また、上記端子台(10)は、図3に示すように、該端子台(10)をプリント配線基板(2)に取り付けた状態で端子接続部(11)がプリント配線基板(2)と平行になり、かつ端子接続部(11)とプリント配線基板(2)との間隔寸法が所定寸法になるように構成されている。つまり、この構成によれば、端子接続部(11)はプリント配線基板(2)と平行を保ったまま図の上下に位置を変えて製造することができる。
【0062】
特に、本実施形態では、上記端子接続部(11)は、図3に示すように、プリント配線基板(2)より下方に位置している。
【0063】
また、上記プリント配線基板(2)の孔部(2c)は、端子接続部(11)に対応して形成されている。該孔部(2c)は、端子接続部(11)、つまり、連接部(11b)とピン接続部(11c)との平面正投影面積より大きい面積に形成され、図4に示すように、連接部(11b)とピン接続部(11c)と貫通する大きさに形成されている。さらに、上記孔部(2c)は、平面視において、孔部(2c)の内周面と連接部(11b)及びピン接続部(11c)の外周面との間に隙間δが生ずる平面積に形成されている。
【0064】
上記孔部(2c)は、プリント配線基板(2)の上面側に端子接続部(11)の上面が露出させ、放熱効果を促進している。
【0065】
このように、本実施形態では、上記端子接続部(11)が、板状に形成された部分であって、上記プリント配線基板(2)の孔部(2c)の下方位置に形成されている。こうすることにより、プリント配線基板(2)に形成されている孔部(2c)に対応した位置(孔部(2c)の下方位置)に配置されている端子接続部(11)にパワーモジュール(3)の端子ピン(3a)が接合され、配線接続部(12)に電気配線(8)が接続されて、パワーモジュール(3)からの電流が端子台(10)を通って電気配線(8)へ流れていく。
【0066】
上記パワーモジュール(3)には放熱フィン(15)が接続されている。図3に示すように、上記端子台(10)の脚部(14)はプリント配線基板(2)の基板部(2a)の裏面にはんだ付けで接続されている。
【0067】
上記端子台(10)の端子接続部(11)には、端子ピン挿入孔(11a)に端子ピン(3a)が挿入されるとともに、端子ピン(3a)が端子ピン挿入孔(11a)から上方へ突出した部分において端子ピン(3a)と端子接続部(11)がはんだ付けで接合されている。このように、本実施形態では、上記端子台(10)がプリント配線基板(2)の上面に配置され、パワーモジュール(3)が、プリント配線基板(2)の下面に配置されているので、端子台(10)とパワーモジュール(3)はプリント配線基板(2)の異なる面に配置されていることになる。
【0068】
次に、上記配線基板ユニット(1)を含む制御装置を備えた空気調和装置(冷凍装置)について説明する。
【0069】
図7は、空気調和装置(50)の冷媒回路図である。上記空気調和装置(50)の冷媒回路(51)は、圧縮機(52)と室外熱交換器(熱源側熱交換器)(53)と膨張弁(膨張機構)(54)と室内熱交換器(利用側熱交換器)(55)と四路切換弁(56)とを備え、これらが冷媒配管により接続されて閉回路に構成されている。圧縮機(52)は、電動機のインバータ制御により運転容量を調整できる可変容量圧縮機により構成されている。
【0070】
上記四路切換弁(56)の各ポート(P1〜P4)には、圧縮機(52)の吐出側と室外熱交換器(53)と室内熱交換器(55)と圧縮機(52)の吸入側とが接続されている。
【0071】
この空気調和装置(50)の冷房運転時は、四路切換弁(56)を図7に実線で示す第1位置に切り換える。そして、圧縮機(52)から吐出した冷媒は、室外熱交換器(53)で凝縮した後、膨張弁(54)で減圧され、室内熱交換器(55)で蒸発して圧縮機(52)に戻る。そして、上記室内熱交換器(55)では、室内空気を冷却し、室内が冷房される。
【0072】
一方、暖房運転時は、四路切換弁(56)を図7に破線で示す第2位置に切り換える。そして、圧縮機(52)から吐出した冷媒は、室内熱交換器(55)で凝縮した後、膨張弁(54)で減圧され、室内熱交換器(55)で蒸発して圧縮機(52)に戻る。そして、上記室内熱交換器(55)では、室内空気を加熱し、室内が暖房される。
【0073】
−実施形態1の効果−
本実施形態では、外部電源からパワーモジュール(3)を通じて供給される主回路の電流は、端子台(10)を介して電気配線(8)へ流れ、インバータ駆動の圧縮機(52)へ供給される。ここで、従来の構成ではパワーモジュール(3)から供給された主回路の大電流がプリント配線基板(2)の銅箔上を流れ、この銅箔の断面積が小さいため、銅箔が高温になって基板(2)への影響も大きくなってしまう問題があったのに対して、本実施形態では、大電流はパワーモジュール(3)から端子台(10)を通って電気配線(8)へ流れるから、プリント配線基板(2)の銅箔上を流れない。
【0074】
そして、端子台(10)を金属材料板から形成しており、十分な厚さにすることが容易であるから、端子台(10)の抵抗値を下げることができる。そのため、端子台(10)の発熱を抑えられるし、端子台(10)自体が金属製であることと、端子接続部(11)が上下両面とも露出していることから、放熱効果も期待できる。したがって、プリント配線基板(2)の温度が上昇するのを抑えられる。また、従来は高価なプリント配線基板(2)を使っても30A程度を駆動対象に供給するのが限界であったのに対して、本実施形態によれば、大容量インバータ等で45A〜60A程度のより大きな電流を流す必要がある場合でも対応することが可能となる。
【0075】
このように、本実施形態によれば、箔厚の薄い安価なプリント配線基板(2)を用いて大電流化に対応することが可能となる。また、本発明の接続部材である端子台(10)は数センチメートル程度の非常に小さい部品であって、かつ、プリント配線基板(2)の銅箔の幅を広くしなくても銅箔に大電流が流れるのを防止できるから、プリント配線基板(2)が大型化してしまうのも防止できる。したがって、経済的効果が非常に大きい。
【0076】
さらに、一枚の金属材料を折り曲げて端子台(10)を形成できるため、製造を簡単にすることができる。また、上記端子台(10)は1端子ごとに個別の部品であって、汎用品として用いることができるので、プリント配線基板(2)上の部品配置の変更を自由にすることも可能になるとともに、他のプリント配線基板への流用が非常に容易に行える。このため、開発日程を短縮できる大きなメリットがある。
【0077】
一方、大電流化に対応するためには、バスバーを樹脂で固めた部品(いわゆる電路盤)や、プリント配線基板(2)にバスバーを埋め込んだ部品を用いることも可能であるが、その場合は単価が大幅に高くなるとともに転用が困難なため、プリント配線基板を開発するテーマごとに大型の専用部品が必要になって初期投資も大きくなる。その結果、商品化のタイミングを逃したり製品の価格が高くなったりするのに対して、本実施形態ではそのような問題も生じない。
【0078】
また、本実施形態では端子台(10)を折り曲げ成形品にしているが、折り曲げ成形を採用すると、端子台(10)の構成を簡単にする効果があるので、製品化の際には非常に有利である。
【0079】
また、上記プリント配線基板(2)に形成されている孔部(2c)の下方位置に端子接続部(11)が配置されているので、端子接続部(11)が周囲の空気に露出するように構成できるので、端子台(10)からの放熱が促進される。また、プリント配線基板(2)と端子接続部(11)が接触しないので、上記パワーモジュール(3)からの熱がプリント配線基板(2)に伝わり難くなるので、電気配線(8)に大電流を流すことができる。
【0080】
《発明の実施形態2》
次に、本発明の実施形態2を図面に基づき詳細に説明する。
【0081】
本実施形態2は、図8及び図9に示すように、実施形態1が端子台(10)の端子接続部(11)をプリント配線基板(2)の下方に配置したのに代えて、端子台(10)の端子接続部(11)をプリント配線基板(2)の上方に配置したものである。
【0082】
具体的に、上記端子台(10)の配線接続部(12)における脚部(14)の下端中央部には、固定爪(14b)の間に上方に切り欠かれた切欠部(14e)が形成されている。そして、上記端子接続部(11)が上記切欠部(14e)の上辺から折曲げ部(14a)を介して連接され、上記脚部(14)の外側方に延びている。
【0083】
また、上記端子台(10)は、図9に示すように、該端子台(10)をプリント配線基板(2)に取り付けた状態で端子接続部(11)がプリント配線基板(2)と平行になり、かつ端子接続部(11)とプリント配線基板(2)との間隔寸法が所定寸法になるように構成されている。つまり、本実施形態では、上記端子接続部(11)は、プリント配線基板(2)より上方に位置している。
【0084】
そして、上記プリント配線基板(2)には、端子接続部(11)の下方に該端子接続部(11)に対応した孔部(2c)が形成されている。該孔部(2c)は、実施形態1と同様に、端子接続部(11)、つまり、連接部(11b)とピン接続部(11c)との平面正投影面積より大きい面積に形成されている。
【0085】
その他の構成・作用効果は実施形態1と同様である。
【0086】
《発明の実施形態3》
次に、本発明の実施形態3を図面に基づき詳細に説明する。
【0087】
本実施形態3は、図10〜図12に示すように、実施形態1が1つのパワーモジュール(3)を設けたのに代わり、3つのパワーモジュール(3A,3B,3C)を設けたものである。
【0088】
具体的に、本実施形態3の配線基板ユニット(1)は、第1パワーモジュール(3A)と第2パワーモジュール(3B)と第3パワーモジュール(3C)とが実装されている。この3つのパワーモジュール(3A,3B,3C)は、インバータモジュールやコンバータモジュールを構成している。
【0089】
上記各パワーモジュール(3A,3B,3C)は、プリント配線基板(2)の裏面に配置され、放熱フィン(15)に取り付けられている。そして、上記各パワーモジュール(3A,3B,3C)は、上下高さ(厚さ)が異なっている。上記第1パワーモジュール(3A)は、基準的な高さに形成され、第2パワーモジュール(3B)は、第1パワーモジュール(3A)より高さが低く、第3パワーモジュール(3C)は、第1パワーモジュール(3A)より高さが高く形成されている。
【0090】
一方、上記各パワーモジュール(3A,3B,3C)が接続される3つの端子台(10A,10B,10C)は、各パワーモジュール(3A,3B,3C)に対応している。
【0091】
具体的に、本実施形態3の配線基板ユニット(1)は、第1端子台(10A)と第2端子台(10B)と第3端子台(10C)とが設けられている。
【0092】
上記第1端子台(10A)は、図11及び図12に示すように、脚部(14)の下端で固定爪(14b)の間に端子接続部(11)が折曲げ部(14a)を介して連接されている。該端子接続部(11)は、上記脚部(14)の外側方に延びている。
【0093】
上記第1端子台(10A)は、図12に示すように、該端子台(10)をプリント配線基板(2)に取り付けた状態で端子接続部(11)がプリント配線基板(2)と平行になり、かつプリント配線基板(2)の孔部(2c)の内部に配置され、つまり、上記端子接続部(11)がプリント配線基板(2)と同一平面上に配置されている。上記孔部(2c)は、実施形態1と同様に、端子接続部(11)、つまり、連接部(11b)とピン接続部(11c)との平面正投影面積より大きい面積に形成されている。そして、平面視において、孔部(2c)の内周面と連接部(11b)及びピン接続部(11c)の外周面との間に隙間δが形成されている(図4参照)。
【0094】
一方、上記第2端子台(10B)は、実施形態1に示す構造に構成され、端子接続部(11)がプリント配線基板(2)の下方に配置されている。
【0095】
また、上記第3端子台(10C)は、実施形態2に示す構造に構成され、端子接続部(11)がプリント配線基板(2)の上方に配置されている。
【0096】
上述したように、高さの異なる複数のパワーモジュール(3A,3B,3C)がある場合、各パワーモジュール(3A,3B,3C)毎にプリント配線基板(2)にはんだ付けできる高さが異なることになる。
【0097】
高さの異なる複数のパワーモジュール(3A,3B,3C)がある場合、同じプリント配線基板(2)に取り付けることが難しく、従来、プリント配線基板(2)を2枚に分けたり、性能面やコスト面で劣る別のパワーモジュール(3A,3B,3C)を採用して高さを合わせることがあった。
【0098】
また、従来、パワーモジュール(3A,3B,3C)の端子ピン(3a)の高さ位置を合わせるために、高さが低い第2パワーモジュール(3B)は、放熱フィン(15)との間に位置合わせのための嵩上げ板を挿入する一方、高さが高い第3パワーモジュール(3C)は、放熱フィン(15)を削るようにしていた。
【0099】
この高さが異なるパワーモジュール(3A,3B,3C)が生ずる理由は、端子ピン(3a)の長さが一般的に定まっていることから、高さが異なるパワーモジュール(3A,3B,3C)を実装する場合、はんだ付け高さが異なることになる。
【0100】
これに対して、本実施形態では、端子接続部(11)の高さ方向位置の違う端子台(10A,10B,10C)を数種類用意しておくだけで、高さの異なるパワーモジュール(3A,3B,3C)でも同一のプリント配線基板(2)に実装することが可能となる。これは、プリント配線基板(2)に取り付けた状態で端子接続部(11)がプリント配線基板(2)と平行になり、かつ端子接続部(11)とプリント配線基板(2)との間隔寸法が所定寸法になるように構成しているために可能になったものである。
【0101】
このようにすると、1枚のプリント配線基板(2)に複数のパワーモジュール(3)を接続する場合で各パワーモジュール(3)の高さが異なる場合であっても、対応することが容易となる。
【0102】
そして、プリント配線基板(2)に形成されている孔部(2c)の外でプリント配線基板(2)と平行に配置されている端子接続部(11)にパワーモジュール(3)の端子ピン(3a)が接合され、配線接続部(12)に電気配線(8)が接続されて、パワーモジュール(3)からの電流が接続部材(10)を通って電気配線(8)へ流れていく。
【0103】
その他の構成・作用効果は実施形態1と同様である。
【0104】
−実施形態3の変形例−
(変形例1)
上記実施形態3は、高さの異なる3種類のパワーモジュール(3A,3B,3C)を実装する場合であったが、基準的な高さの第1パワーモジュール(3A)と、第1パワーモジュール(3A)より高さが低い第2パワーモジュール(3B)とを実装する場合であってもよい。
【0105】
この場合、端子接続部(11)がプリント配線基板(2)の孔部(2c)の内部に配置された第1端子台(10A)と、実施形態1に示す端子接続部(11)がプリント配線基板(2)の下方に配置された第2端子台(10B)とを用いることになる。
【0106】
一方、基準的な高さの第1パワーモジュール(3A)と、第1パワーモジュール(3A)より高さが高い第3パワーモジュール(3C)とを実装する場合であってもよい。
【0107】
この場合、端子接続部(11)がプリント配線基板(2)の孔部(2c)の内部に配置された第1端子台(10A)と、実施形態2に示す端子接続部(11)がプリント配線基板(2)の上方に配置された第3端子台(10C)とを用いることになる。
【0108】
尚、高さが低い第2パワーモジュール(3B)と高さが高い第3パワーモジュール(3C)とを実装する場合は、何れかのパワーモジュール(3B,3C)の高さにプリント配線基板(2)の高さを合わせるので、上述した何れかの変形例に対応することになる。
【0109】
(変形例2)
また、高い第3パワーモジュール(3C)を実装する場合は、図13に示すように、プリント配線基板(2)の孔部(2c)は、第3パワーモジュール(3C)の上方が開放される大きさに形成してもよい。
【0110】
《発明の実施形態4》
次に、本発明の実施形態4を図面に基づき詳細に説明する。
【0111】
本実施形態4は、図14に示すように、実施形態1の端子台(10)の端子接続部(11)が直角に折り曲げたのに代わり、斜めに折り曲げるようにしたものである。
【0112】
具体的に、上記端子台(10)は、端子接続部(11)の連接部(11b)が傾斜面に形成されている。つまり、上記端子台(10)の配線接続部(12)における脚部(14)の下端中央部には、固定爪(14b)の間に上方に切り欠かれた切欠部(14e)が形成されている。そして、上記端子接続部(11)が上記切欠部(14e)の上辺から折曲げ部(14a)を介して連接され、上記脚部(14)の外側方に延びている。そして、上記端子接続部(11)の連接部(11b)は、ピン接続部(11c)と同一の幅に形成されている。
【0113】
上記端子台(10)では、実施形態1の連接部(11b)のように、連接部(11b)の幅を狭く形成する必要がないので、大電流を流すことが可能となる。また、上記連接部(11b)がプリント配線基板(2)と接触しない非接触部になるので、この非接触部により、放熱フィンの効果も発揮させることができる。
【0114】
その他の構成・作用効果は実施形態1と同様である。尚、本実施形態の場合、プリント配線基板(2)の孔部(2c)は、実施形態2のように、端子接続部(11)がプリント配線基板(2)の上方に位置する場合及び実施形態3のように、端子接続部(11)のピン接続部(11c)がプリント配線基板(2)と同一平面上に位置される場合、ピン接続部(11c)に対応した大きさのみでもよい。
【0115】
《発明の実施形態5》
次に、本発明の実施形態5を図面に基づき詳細に説明する。
【0116】
本実施形態5は、図15に示すように、実施形態1の端子台(10)の1つの部材で形成したのに代わり、2ピース型の構造にしたものである。
【0117】
具体的に、上記端子台(10)は、第1部材で構成される端子接続部(11)と、第2部材で構成され且つ上記端子接続部(11)を支持するとともにプリント配線基板(2)に取り付けられる配線接続部(12)とを備えている。
【0118】
上記端子接続部(11)は、幅の一定な帯板状の導電性金属材を折り曲げて形成したものである。該端子接続部(11)は、配線接続部(12)に載置して固定される固定部(11d)と、該固定部(11d)の一端から90°の角度で下方へ延出する連接部(11b)と、該連接部(11b)の下端から90°の角度で固定部(11d)と反対側へ延出するピン接続部(11c)とから構成されている。上記固定部(11d)には留めネジ(9)を通すための貫通孔(11e)が形成され、上記ピン接続部(11c)には端子ピン挿入孔(11a)が端子はんだ付け接合部として形成されている。
【0119】
上記配線接続部(12)は、端子接続部(11)を支持する支持部材であって、実施形態1の端子台(10)よりも幅が広い帯板状金属材を折り曲げて形成したものである。上記配線接続部(12)は、端子接続部(11)の固定部(11d)が載置されて固定される台座部(13)と、該台座部(13)の両端から下方へ90°の角度で互いに平行に延出する脚部(取付部)(14)とを有している。尚、上記端子接続部(11)の幅と配線接続部(12)の幅は適宜定めればよい。
【0120】
上記固定部(11d)と連接部(11b)との角度及び連接部(11b)とピン接続部(11c)の角度が、それぞれ90°の場合について記載している箇所に関して、固定部(11d)とピン接続部(11c)とが(水平方向で)平行となる前提で、固定部(11d)と連接部(11b)との角度及び連接部(11b)とピン接続部(11c)の角度は任意に設定してもよい。
【0121】
上記台座部(13)には、留めネジ(9)を締め付けて電気配線を留めるための雌ねじ部(12b)がバーリング加工部(12c)に形成されている。バーリング加工部(12c)は、ナットを溶接するか、ナットをカシメて固定する形状でもよい。この雌ねじ部(12b)には、端子接続部(11)の固定部(11d)に形成されている貫通孔(11e)の位置を合わせた状態で、電気配線(8)の圧着端子(8a)とワッシャ(平座金及びバネ座金)(9a)を介して留めネジ(9)が締め付けられる。このことにより、上記電気配線(8)の圧着端子(8a)は端子接続部(11)の固定部(11d)の上面とワッシャ(9a)との間に挟持された状態で保持されるようになっている。
【0122】
上記脚部(14)の下端には、実施形態1と同様に合計4つの固定爪(14b)が各脚部(24)に2本ずつ形成されている。ここでは固定爪(14b)を2本ずつとしているが、端子接続部(11)と配線接続部(12)とを支持できる範囲で自由な数の固定爪(14b)で構成してもよい。この固定爪(14b)は、実施形態1と同様に、プリント配線基板(2)における上記所定の取付位置に形成されている取付け孔(2b)に上方から挿入された状態で、上記取付け孔(2b)から下方へ突出する長さに形成されるとともに、プリント配線基板(2)から下方へ突出した部分がプリント配線基板(2)の下面にはんだ付けされるようになっている。また、図示していないが、固定爪(14b)にプリント配線基板(2)に対する配線接続部(12)の抜け止め機能と位置決め機能を持たせるための凸部(図示省略)が形成されている点も実施形態1と同様である。
【0123】
なお、プリント配線基板(2)の構成や空気調和装置の構成も実施形態1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0124】
本実施形態によれば、上記端子接続部(11)と該端子接続部(11)を支持する配線接続部(12)とを別部材で構成しているので、端子接続部(11)の変更のみでパワーモジュール(3)の端子ピン(3a)の高さに対応することができる。
【0125】
その他の構成・作用効果は実施形態1と同様である。
【0126】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0127】
上記実施形態1では、脚部(14)をプリント配線基板(2)の基板部(2a)に接合する部分や、端子接続部(11)にパワーモジュール(3)の端子ピン(3a)を接合する部分に、上記実施形態でははんだ付けを利用している。はんだ付けは小型化に有利であるが、大電流に対応させることだけを目的とするのであれば、はんだ付け以外の接合方法を用いてもよい。
【0128】
また、配線接続部(12)に電気配線(8)を取り付ける部分に関しても、必ずしもネジ留めでなくてもよい。例えば、ネジ留め以外にも、上述したハトメを用いる構成や、いわゆるファストンタブを用いた構造(レセプタクルにタブを差し込んで接続する構造)、カシメ、溶接など、種々の接続構造を採用することができる。
【0129】
さらに、端子台(10)は、脚部(14)に配線を接続する雌ねじ部(12b)を設けるようにしてもよい。
【0130】
また、使用するパワーモジュール(3)によって端子形状が異なるため、端子ピン挿入孔(11a)の位置や形状及び個数は、使用するパワーモジュール(3)に合わせて設計すればよい。
【0131】
さらに、上記各実施形態では、接続部材として端子台(10)について説明したが、接続部材はこれら以外の任意の形状にしてもよい。
【0132】
また、上記各実施形態では、配線基板ユニット(1)を空気調和装置(50)に適用する例について説明したが、適用対象は、冷凍装置一般に適用可能である。
【0133】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【実施例】
【0134】
次に、接続部材である端子台(10)の実施例について、寸法と温度上昇との関係について図16を用いて説明する。
【0135】
一般に、プリント配線基板の実用温度上昇値は20K以内と言われている。図16に示す電流密度と温度上昇のグラフより、温度上昇が20Kになるときのプリント配線基板の銅箔幅は、銅箔厚み35μm換算で26mm(30A通電)、70mm(60A通電)となり、両面基板を使用すれば、幅はその半分になり、片面あたり13mm(30A通電)、35mm(60A通電)となる。実際は、パワーモジュールの内部の半導体の発熱(約50K)や、端子ピンの発熱(60A通電で約80K)の影響を受けるので、さらに広い銅箔幅が必要になると考えられる。
【0136】
ここで一例として、市販の100Aモジュールで端子ピンの断面寸法が1.15mm×0.8mmのものを使用する場合、端子ピンの断面積は約0.95mmになる。このモジュールの隣り合う端子ピン間の距離を7.6mmとする場合、ピン間の絶縁距離を考慮すると、プリント配線基板への実装時に設けることができる最大銅箔幅は、片面当たり6mm程度になる。そのため、汎用性の高いプリント配線基板の中で最も銅箔が厚い70ミクロンの両面基板を用いても、従来構造であれば30A通電が限界となる。
【0137】
これに対して、上記各実施形態の接続部材(10)を使用すると、厚さ1.2mmで製作した場合の必要な電路の幅が60A通電で2.5mmとなり、上記の6mmに対して十分に余裕があり、実用上問題なく使用できる。
【0138】
このように、プリント配線基板に実装するパワーモジュールには定格電流が100A程度のものがあり、さらに大電流化の動向がある。そして、汎用性の高いプリント配線基板の中で最も銅箔が厚い70μmの両面基板でも、従来は30Aを越える用途には対応できなかった。本発明の接続部材(10)は、このような大電流のパワーモジュールに対応するもので、30Aを越える用途に使用することにより、パワーモジュールの定格電流一杯まで使用できるうえ、小型化、配線簡素化に有用である。また、モジュールをプリント配線基板に実装するのを妨げるものでもない。
【産業上の利用可能性】
【0139】
以上説明したように、本発明は、プリント配線基板を備えた電気回路の回路素子と電気配線とが接続される配線基板ユニットについて有用である。
【符号の説明】
【0140】
1 配線基板ユニット
2 プリント配線基板
2c 孔部
3 パワーモジュール(回路素子)
3a 端子ピン
8 電気配線
10 端子台(10)(接続部材)
11 端子接続部
11b 連接部
11c ピン接続部
12 配線接続部
13 台座板
14 脚部
14b 固定爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント配線基板(2)と、該プリント配線基板(2)に取り付けられ且つ電気回路の回路素子(3)と電気配線(8)とを接続する接続部材(10)とを備えた配線基板ユニットであって、
上記接続部材(10)は、上記回路素子(3)の端子ピン(3a)が直接に接続される端子接続部(11)と、上記電気配線(8)が接続される配線接続部(12)とを備え、
上記配線接続部(12)は、台座板(13)と、該台座板(13)から下向きに延びて下端部がプリント配線基板(2)に固定される脚部(14)とを備え、
上記端子接続部(11)は、上記配線接続部(12)から板状に延び、上記端子ピン(3a)のピン接続部(11c)を備え、
上記プリント配線基板(2)には、少なくとも上記端子接続部(11)のピン接続部(11c)の平面正投影面積より大きい孔部(2c)が形成される一方、
上記端子接続部(11)は、少なくとも上記ピン接続部(11c)が上記プリント配線基板(2)の孔部(2c)の下方又は上方に位置するように構成されている
ことを特徴とする配線基板ユニット。
【請求項2】
プリント配線基板(2)と、該プリント配線基板(2)に取り付けられ且つ電気回路の回路素子(3)と電気配線(8)とを接続する第1の接続部材(10)及び第2の接続部材(10)とを備えた配線基板ユニットであって、
上記各接続部材(10)は、上記回路素子(3)の端子ピン(3a)が直接に接続される端子接続部(11)と、上記電気配線(8)が接続される配線接続部(12)とを備え、
上記配線接続部(12)は、台座板(13)と、該台座板(13)から下向きに延びて下端部がプリント配線基板(2)に固定される脚部(14)とを備え、
上記端子接続部(11)は、上記配線接続部(12)から板状に延び、上記端子ピン(3a)のピン接続部(11c)を備え、
上記プリント配線基板(2)には、少なくとも上記端子接続部(11)のピン接続部(11c)の平面正投影面積より大きい孔部(2c)が上記ピン接続部(11c)に対応して形成される一方、
上記第1の接続部材(10)の端子接続部(11)は、少なくとも上記ピン接続部(11c)が上記プリント配線基板(2)の孔部(2c)の下方に位置するように構成され、
上記第2の接続部材(10)の端子接続部(11)は、少なくとも上記ピン接続部(11c)が上記プリント配線基板(2)の孔部(2c)の内部に位置するように構成されている
ことを特徴とする配線基板ユニット。
【請求項3】
プリント配線基板(2)と、該プリント配線基板(2)に取り付けられ且つ電気回路の回路素子(3)と電気配線(8)とを接続する第1及び第2の接続部材(10)とを備えた配線基板ユニットであって、
上記各接続部材(10)は、上記回路素子(3)の端子ピン(3a)が直接に接続される端子接続部(11)と、上記電気配線(8)が接続される配線接続部(12)とを備え、
上記配線接続部(12)は、台座板(13)と、該台座板(13)から下向きに延びて下端部がプリント配線基板(2)に固定される脚部(14)とを備え、
上記端子接続部(11)は、上記配線接続部(12)から板状に延び、上記端子ピン(3a)のピン接続部(11c)を備え、
上記プリント配線基板(2)には、少なくとも上記端子接続部(11)のピン接続部(11c)の平面正投影面積より大きい孔部(2c)が上記ピン接続部(11c)に対応して形成される一方、
上記第1の接続部材(10)の端子接続部(11)は、少なくとも上記ピン接続部(11c)が上記プリント配線基板(2)の孔部(2c)の上方に位置するように構成され、
上記第2の接続部材(10)の端子接続部(11)は、少なくとも上記ピン接続部(11c)が上記プリント配線基板(2)の孔部(2c)の内部に位置するように構成されている
ことを特徴とする配線基板ユニット。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1つにおいて、
上記端子接続部(11)は、上記脚部(14)に連接され且つ該脚部(14)に直角に屈折した連接部(11b)と、該連接部(11b)の先端に連続形成されたピン接続部(11c)を備えている
ことを特徴とする配線基板ユニット。
【請求項5】
請求項1から3の何れか1つにおいて、
上記端子接続部(11)は、上記脚部(14)に連接され且つ該脚部(14)に対して傾斜した連接部(11b)と、該連接部(11b)の先端に連続形成されたピン接続部(11c)を備えている
ことを特徴とする配線基板ユニット。
【請求項6】
請求項1から3の何れか1つにおいて、
上記接続部材(10)の配線接続部(12)は、1つの部材で形成される一方、上記端子接続部(11)は、配線接続部(12)と別部材の1つの部材で形成されている
ことを特徴とする配線基板ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−96804(P2011−96804A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−248492(P2009−248492)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】