説明

配線工程操作のために有効な剥離剤溶液

エッチングレジスト灰化プロセスに代わる剥離プロセスにおいて用いることができる配線工程(BEOL)の剥離剤溶液が提供される。この剥離剤溶液は、良好な効率性及び低く許容できる金属エッチング速度で、半導体集積回路のための半導体デバイス上に回路を製造及び/又は電極を形成するのに有用である。好ましい剥離剤は、極性で非プロトン性の溶媒、水、アミン、及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシドではない第4級水酸化物を含む。更に、これらの方法にしたがって製造される集積回路デバイス及び電子相互接続構造が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年6月24日出願の米国仮出願61/075,195(参照として本明細書中に包含する)の利益を主張する。
本発明は、半導体集積回路又は液晶ディスプレイのための半導体デバイス上に回路を製造するか又は電極を形成するのに用いるための配線工程(BEOL)剥離剤、新規なBEOL剥離剤を用いて製造される半導体デバイス、更にはBEOL剥離剤を用いて半導体デバイスを製造する方法、及びBEOL剥離剤の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路を製造する技術は、単一の集積回路チップ上に形成することができるトランジスタ、キャパシタ、及び他の電子デバイスの数に関して進歩している。この増加した集積レベルは、主として、集積回路の最小加工寸法の縮小、及び集積回路を構成する層の数の増加によって得られている。一般に「サブミクロン」と呼ばれている今日の設計構造は、0.25ミクロンより小さく低下している。この減少した寸法を有する集積回路部品の製造、及び製造工程を減少する必要性により、化学的剥離剤溶液を用いてレジスト及び関連する材料を除去することを含むこれらの製造の全ての局面に関して新しい要求が突きつけられている。
【0003】
半導体集積回路又は液晶ディスプレイのための半導体デバイスは、通常は、ポリマーレジスト材料の1以上の層で基材を被覆してレジスト膜を与え;光に曝露し、次に現像することによって感光性レジスト膜をパターン化し;パターン化されたレジスト膜をマスクとして用いて基材の曝露された部分をエッチングして微小回路を形成し;そして、無機基材からレジスト膜を除去する;工程を含むプロセスによって製造される。或いは、微小回路を形成した後に、エッチ後残渣を灰化し、そしてエッチ後残渣剥離剤を用いて基材から残留レジスト残渣を除去することができる。回路製造のこの部分は、配線形成工程(BEOL)と呼ばれる。必要なものは、単一工程で残留フォトレジスト及びエッチ後残渣を除去することができるBEOL剥離剤溶液である。
【0004】
優れたBEOL剥離剤溶液は、(a)最終灰化又はエッチ後除去工程を必要とすることなく、レジスト残渣、エッチ残渣、及び関連する材料を中程度乃至低い温度において速やかに且つきれいに除去し;(b)全ての曝露された部品、特に下層の低κ又は超低κの誘電体及び金属に対して許容できる影響を有し;(c)レジスト及び/又はエッチ後残渣を溶解及び/又は懸濁して、剥離剤溶液の早期の廃棄が必要になるウエハ上への固形物の析出及び/又は再堆積を未然に防ぐ大きな能力を有し;(d)製造雰囲気において用いるのに安全であり;(e)許容できる貯蔵寿命を有し;そして(f)より低い技術ノードと下位互換性;でなければならない。優れたBEOL剥離剤溶液はまた、再加工プロセスにおいて基材の損傷なしにレジスト残渣を迅速に除去しなければならない。最後に、優れた剥離剤溶液は最小の毒性を示さなければならない。本発明は、これらの必要性に取り組み、解決する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一般的な目的は、フォトレジスト、残渣、及び関連する材料を配線工程(BEOL)操作から除去するための組成物;半導体構造の製造においてこの組成物を使用する方法;及びこの組成物を用いて製造される半導体構造;を提供することである。好ましい態様の組成物は、半導体構造中又は半導体構造上に含まれる金属及び/又は誘電体材料をエッチングするか又は他の方法で損傷を与えることなく用いることができる。ここで用いるレジストという用語は、フォトレジスト又はレジスト材料、エッチ後残渣、又はこれらの組み合わせを指す。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの対象は、極性で非プロトン性の溶媒、水、アミン、及び第4級水酸化物を含むBEOL剥離剤溶液である。好適な第4級水酸化物は、下記に与える式I:
【0007】
【化1】

【0008】
(式中、ZはN又はPであり;R、R、R、及びRは、合計で少なくとも5個の炭素を有するアルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせである)
によって表される。好ましいBEOL剥離剤溶液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを実質的に含まない。好ましBEOL剥離剤溶液に関しては、アミンは、ヒドロキシ置換アルキルアミン、及び/又はヒドロキシ置換アルキルアミンのアルキルエーテルである。特に好ましいヒドロキシ置換アルキルアミンはモノエタノールアミンであり、好ましいアミンエーテルはヒドロキシ置換アルキルアミンのメチルエーテルである。好ましいBEOL剥離剤溶液に関しては、極性で非プロトン性の溶媒はジメチルスルホキシド(DMSO)である。DMSOの濃度は約20%〜約95%の範囲であってよいが、好ましいBEOL溶液においては、非プロトン性溶媒の濃度は、一般に約40〜約90重量%、より好ましくは約55〜約90重量%の範囲である。好ましい溶液に関する含水量は、一般に約2〜約15重量%の範囲である。しかしながら、水の最適量は、他の成分の選択及びそれらの割合によって変動する可能性がある。ここで記載するBEOL剥離剤溶液はBEOL用途のために最適化されているが、これらの剥離剤溶液は、(i)高濃度注入レジスト除去;(ii)ゲート形成におけるエッチ後残渣、(iii)浮遊ゲート形成におけるエッチ後残渣、及び(iv)再加工用途など(しかしながらこれらに限定されない)の種々の他の標準的な用途において、フォトレジスト、エッチ残渣などを除去するために用いることができる。
【0009】
本発明の他の目的は、BEOLプロセスにおいて基材からレジスト膜を除去する方法を提供することである。この方法は、フォトレジスト、平坦化材料、フォトレジスト残渣などからなる群から選択される成分をその上に有する基材を提供し、そして基材を、BEOL剥離剤溶液を含む組成物と接触させて、フォトレジスト及び関連する材料の除去を行う工程を含む。フォトレジスト、平坦化材料、フォトレジスト残渣などは、ここでは「レジスト」と総称する。接触工程において用いられる好ましいBEOL剥離剤溶液としては、上記に記載のものが挙げられる。接触工程は、例えばメガソニックのような他の清浄化補助手段を用いるか又は用いないで、剥離剤溶液中に基材を浸漬することを含むか、或いは噴霧具を用いて基材上に剥離剤溶液を噴霧することによるものであってよい。接触に続く更なる工程には、剥離剤溶液との接触から基材を取り出し、及び/又は適当な溶媒で基材をすすぐ更なる工程を含ませることができる。接触工程中においては、剥離剤溶液は好ましくは、少なくとも約40℃の温度、より好ましくは約50℃〜約75℃の範囲の温度に保持する。
【0010】
重要な基材特性は低κ誘電率値である。この値は、剥離剤溶液と接触させた後に変動、通常は増加する可能性がある。この低κ誘電率値の変動(Δκ)は、基材から揮発性物質を除去し、次に剥離剤溶液と接触させ、すすぎ工程を行うことによって最小にすることができる。揮発性物質は、基材を加熱するか、基材を減圧にかけるか、又はこれらの組み合わせを行うことによって、処理された基材から除去することができる。除去は、揮発性物質を除去するように特にデザインされた処理の結果として行うか、或いは加熱及び/又は真空処理を含むその後の処理工程中に同時に行うことができる。現在の技術では、基材からレジストを除去することで≦0.1の低κ誘電率値の変動が得られることが望ましい。
【0011】
本発明の他の目的は、一部分において、上記に記載の方法にしたがって金属構成材を有する基材からレジスト、レジスト残渣などを除去して、エッチングプロセスの数を減少させて且つ構造に対する損傷を減少させて相互接続構造を形成することによって形成される電子相互接続構造を提供することである。図4は、バリヤ層4によって分離している2つの誘電体層5及び6内でビア3を通して相互接続している溝1及び2を有する代表的な電子相互接続構造を示す。溝1及び2並びにビア3には、通常は、銅、アルミニウムのような金属、又はこれらの金属を含む合金が充填されている。電子相互接続構造の製造において好ましいBEOL剥離剤溶液を用いると、これらの金属の腐食及び/又はエッチングは通常は減少する。
【0012】
本発明の他の目的は、一部において、上記に記載の方法にしたがって金属構成材を含むウエハを処理してレジスト残渣を除去することによって金属エッチングを減少させて得ることができる集積回路デバイスを提供することである。図5は、2によって示されるチップルーターを通して相互接続されている1によって示される複数のコンピューターチップを有する代表的な集積回路デバイスを示す。
【0013】
本発明の更なる目的は、容器を提供し;剥離剤溶液の成分を提供し;そして、これらの成分を容器に加えて容器内に内容物を与える;ことによってBEOL剥離剤溶液を製造する方法を提供することである。成分を提供することには、個々の成分、種々の成分を含む組成物、又はこれらの組み合わせを提供することを含ませることができる。更に、剥離剤溶液の成分を加えることには、個々の成分、予め混合した成分、及び/又は提供された成分を含む予め形成した剥離剤溶液を実質的に任意の順番で加えることを含ませることができる。好ましい成分としては、極性で非プロトン性の有機溶媒、水、アミン、及び次式:
【0014】
【化2】

【0015】
(式中、ZはN又はPであり;R、R、R、及びRは、合計で少なくとも5個の炭素を有するアルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせである)
を有する第4級水酸化物が挙げられる。容器としては、剥離剤溶液を保持することができる実質的に全ての容器を挙げることができ、液体製品を輸送又は移送するために用いられる通常の容器、フォトレジスト及び/又はエッチ残渣を除去するために基材を処理するのに用いるための剥離剤溶液を含ませるのに用いられる装置が挙げられる。ここで用いる容器には、基材の処理中に剥離剤溶液を保持及び/又は移送するのに用いる装置が含まれ、剥離剤溶液を移送するのに用いる任意の配管系を含む保持及び移送容器が挙げられるが、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】図1Aは、非清浄(NC)とみなされる不合格の清浄化手順の後のビア列のSEM(上面)を与える。
【図1B】図1Bは、非清浄(NC)とみなされる不合格の清浄化手順の後の単一のビアのSEM(上面)を与える。
【図2A】図2Aは、清浄(C)とみなされる合格の清浄化手順の後のビア列のSEM(上面)を与える。
【図2B】図2Bは、清浄(C)とみなされる合格の清浄化手順の後のビア列のSEM(横断面)を与える。
【図2C】図2Cは、清浄(C)とみなされる合格の清浄化手順の後の単一のビアのSEM(上面)を与える。
【図3A】図3Aは、低κ誘電体に対して大きなエッチ損傷を与える合格の清浄化手順の後のビア列のSEM(上面)を与える。
【図3B】図3Bは、低κ誘電体に対して大きなエッチ損傷を与える合格の清浄化手順の後のビアのSEM(上面)を与える。
【図4】図4は、電子相互接続構造を示す。
【図5】図5は、複数の電子相互接続構造を含む電子デバイスを示す。
【図6】図6は、代表的なフォトレジスト又はレジスト積層体を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の理解を促進する目的のために、ここで示された態様を参照し、これを記載するために特定の用語を用いる。しかしながら、それによって特許請求の範囲を限定することは意図しておらず、ここで示すその原理の変更及び更なる修正並びに更なる適用は、本発明が関係する技術の当業者が通常的に想到すると考えられる。
【0018】
ここで用いる配線工程又はBEOLは、トランジスタ、レジスタなどを配線で相互接続する集積回路製造の一部を指す。製造のBEOL部分は、通常は第1の金属接点のためのパターン化、或いはウエハ上への金属の第1の層の堆積で開始される。
【0019】
本発明による組成物は、極性で非プロトン性の溶媒、水、及びアミン、並びに第4級水酸化物を含むBEOL剥離剤溶液を含む。好ましい剥離剤溶液は、ジメチルスルホキシド、水、アミン、及び次式:
【0020】
【化3】

【0021】
(式中、ZはN又はPであり;R、R、R、及びRは、合計で少なくとも5個の炭素を有するアルキル基、アリール基、又はこれらの組み合わせである)
によって表される第4級水酸化物を含む。BEOL剥離剤溶液にはまた、アルカノールアミン、又はアルカノールアミンのアルキルエーテルを含ませることもできる。好ましい第4級水酸化物としては、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、及びテトラブチルホスホニウムヒドロキシドが挙げられる。特に好ましいBEOL剥離剤溶液はまた、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を実質的に含まない。約0.5%未満のTMAHを含む剥離剤溶液は、TMAHを実質的に含まないとみなされる。
【0022】
本組成物は、通常は約20%〜約95%、より好ましくは約40%〜約90%の、例えばDMSOのような極性で非プロトン性の溶媒、及び約2%〜約10%の第4級水酸化物を含む。好ましい第4級置換基としては、(C〜C)アルキル、ベンジル、アリール、及びこれらの組み合わせが挙げられ、但し4つの置換基中に含まれる炭素の数は少なくとも5個である。また、剥離剤配合物には、場合によっては界面活性剤を、通常は約0.01%〜約3%の範囲、又はより好ましくは約0.01〜約2%の範囲のレベルで含ませることもできる。必要なアルカノールアミンの好適なレベルは、組成物の約2%〜約60%の範囲であってよい。これまで試験された好ましい組成物は、約2%〜約10%の水も含む。ここで与える全ての%は重量%である。
【0023】
好ましいアルカノールアミンは、少なくとも2個の炭素原子を有し、異なる炭素原子上にアミノ及びヒドロキシル置換基を有する。好適なアルカノールアミンとしては、エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルイソプロパノールアミン、N−エチルイソプロパノールアミン、N−プロピルイソプロパノールアミン、2−アミノプロパン−1−オール、N−メチル−2−アミノプロパン−1−オール、N−エチル−2−アミノプロパン−1−オール、1−アミノプロパン−3−オール、N−メチル−1−アミノプロパン−3−オール、N−エチル−1−アミノプロパン−3−オール、1−アミノブタン−2−オール、N−メチル−1−アミノブタン−2−オール、N−エチル−1−アミノブタン−2−オール、2−アミノブタン−1−オール、N−メチル−2−アミノブタン−1−オール、N−エチル−2−アミノブタン−1−オール、3−アミノブタン−1−オール、N−メチル−3−アミノブタン−1−オール、N−エチル−3−アミノブタン−1−オール、1−アミノブタン−4−オール、N−メチル−1−アミノブタン−4−オール、N−エチル−1−アミノブタン−4−オール、1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オール、2−アミノ−2−メチルプロパン−1−オール、1−アミノペンタン−4−オール、2−アミノ−4−メチルペンタン−1−オール、2−アミノヘキサン−1−オール、3−アミノヘプタン−4−オール、1−アミノオクタン−2−オール、5−アミノオクタン−4−オール、1−アミノプロパン−2,3−ジオール、2−アミノプロパン−1,3−ジオール、トリス(オキシメチル)アミノメタン、1,2−ジアミノプロパン−3−オール、1,3−ジアミノプロパン−2−オール、及び2−(2−アミノエトキシ)エタノールが挙げられるが、これらに限定されない。好ましいアルカノールアミンのエーテルを同様に用いることができる。
【0024】
必須ではないが、剥離剤溶液の配合物に腐食抑制剤を更に含ませて、剥離剤溶液と接触している間の金属の腐食を更に最小にすることができる。好適な腐食抑制剤としては、Cu(I)及びCu(II)の塩;芳香族ヒドロキシル化合物、例えばカテコール、アルキルカテコール類、例えばメチルカテコール、エチルカテコール、及びt−ブチルカテコール、レゾルシノール類、フェノール類、及びピロガロール;芳香族トリアゾール類、例えばベンゾトリアゾール、アルキルベンゾトリアゾール類;カルボン酸類、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、フタル酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、無水酢酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、サリチル酸、没食子酸、及び没食子酸エステル、例えば没食子酸メチル、及び没食子酸プロピル;上記記載のカルボキシル含有有機含有化合物の有機塩;ケイ酸エチル;塩基性物質、例えばエタノールアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、及びピリジン類、例えば2−アミノピリジンなど;並びにキレート化合物、例えばリン酸ベースのキレート化合物、例えば1,2−プロパンジアミンテトラメチレンホスホン酸、及びヒドロキシエタンホスホン酸、カルボン酸ベースのキレート化合物、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、並びにそのナトリウム及びアンモニウム塩、ジヒドロキシエチレングリシン、及びニトリロトリ酢酸、アミンベースのキレート化合物、例えばビピリジン、テトラフェニルポルフィリン、及びフェナントロリン、及びオキシムベースのキレート化合物、例えばジメチルグリオキシム、及びジフェニルグリオキシム;が挙げられるが、これらに限定されない。単一の腐食抑制剤を用いることができ、或いは複数の腐食抑制剤の組み合わせを用いることができる。BEOL剥離剤溶液において有用な好適な腐食抑制剤の例は、2007年10月30日出願の米国特許出願11/928,754、及び2007年10月30日出願の米国特許出願11/928,728に記載されている。腐食抑制剤は、通常は約1ppm〜約10%の範囲のレベルで有用であることが分かっている。
【0025】
また、好ましい剥離剤溶液は、ウエハ中に存在する低又は超低κ誘電体層に対する損傷を最小にするか又は抑止するように配合することもできる。1つのアプローチは、グリセリンのような誘電体損傷抑止剤を加えることを含む。グリセリン又は他の抑制剤の好適なレベルは、現時点においては約0.25〜1%のオーダーであると考えられている。第2のアプローチは、低分子量のアルカノールアミンをより高分子量のアルカノールアミンで置き換えることを含む。グラム単位でモノエタノールアミンをアミノエチルエタノールアミンで置き換えることによって、誘電体層に対する減少した損傷が達成された。
【0026】
場合によって用いる好ましい界面活性剤としては、フルオロ界面活性剤が挙げられる。好ましいフルオロ界面活性剤の一例は、DuPont FSO(ポリエチレングリコール(50%)、エチレングリコール(25%)、1,4−ジオキサン(<0.1%)、水(25%)を有するフッ素化テロマーBモノエーテル)である。
【0027】
基材を接触させるためには少なくとも40℃の好ましい温度が好ましく、一方、大多数の適用のためには約50℃〜約75℃の温度がより好ましい。基材が感受性であるか、又はより長い除去時間が必要な特定の用途のためには、より低い接触温度が適切である。例えば、基材を再加工する際には、フォトレジストを除去し、基材への損傷を回避するために、剥離剤溶液をより低い温度においてより長い時間保持することが適切である可能性がある。完全なレジスト除去のためにより長い接触時間が必要な場合には、剥離剤溶液の上に乾燥窒素の雰囲気を配置することによって、雰囲気からの水吸収を減少し、乾燥剥離剤溶液の向上した特性を保持することができる。
【0028】
基材を浸漬する際には、組成物を撹拌することによってフォトレジストの除去が更に促進される。撹拌は、機械的撹拌、循環、組成物を通して不活性ガスをバブリングすること、又はこれらの任意の組み合わせによって行うことができる。所望量のレジスト膜を除去したら、剥離剤溶液との接触から基材を取り出し、水、アルコール、又はこれらの混合物ですすぐ。DI水が水の好ましい形態であり、イソプロパノールが好ましいアルコールである。酸化を受ける構成材を有する基材に関しては、すすぎを不活性雰囲気下で行うことができる。本発明による好ましい剥離剤溶液は、現在の市販の製品と比較して向上したフォトレジスト材料の積載容量を有しており、与えられた体積の剥離剤溶液を用いてより多数の基材を処理することができる。ここで用いる積載容量は、固体を溶解、懸濁させるか、又は清浄化するウエハ上へ析出及び/又は再堆積することを他の形態で回避する剥離剤溶液の能力を指す。
【0029】
浸漬法に加えて、噴霧装置を用いて、所望の温度に保持した剥離剤溶液でウエハを被覆することもできる。噴霧は、場合によっては、超音波処理などの更なる清浄化補助手段を用いるか、及び/又は不活性雰囲気下で、或いは場合によっては例えば酸素又はオゾンのような活性ガスの存在下で行うことができる。ウエハを定期的に取り出し、検査して十分な清浄化が行われた時点を定める。清浄なウエハは、イソプロパノールですすいで、乾燥することができる。レジストの複数の層を除去するため、或いはBEOL清浄化工程としてこの方法を用いることができる。
【0030】
更に、ポジレジスト及び/又はネガレジストの1つ又は複数の層を有するレジスト積層体を含むウエハをこれらの方法によって処理することもできる。代表的なレジスト積層体としては、例えば平坦化層、底部反射防止被覆層、ハードマスク、及び/又はフォトレジストを含むことができるレジストの1つ又は複数の層を挙げることができるが、これらに限定されない。図6は、(a)超低κ誘電体10、(b)ビア16及び誘電体10内及びその上方の平坦化材料12、(c)平坦化材料12と接触しているハードマスク13、(d)ハードマスク13と接触している底部反射防止被覆14、及び(e)フォトレジスト18を含む代表的な一般のビアファーストレジスト積層体を示す。図6は、1つのタイプの代表的な積層体層における層間の関係を示すために与えるものであり、開示されている剥離剤溶液の実用性を限定することは意図しない。当業者であれば、用いるプロセス及び選択された材料によって他の複数の層の組み合わせを用いることができ、開示されている溶液はこれらの他の積層体層の組み合わせを同様に除去することができることを認識するであろう。
【0031】
図1Aは、「非清浄」(NC)の結果を示すビア列のSEM(上面)を与える。図1Bは、「非清浄」(NC)の結果を示す単一のビアのSEM(上面)を与える。図2Aは、「清浄」(C)の結果を示すビア列のSEM(上面)を与える。図2Bは、「清浄」(C)の結果を示すビア列のSEMを与える。図2Cは、「清浄」(C)の結果を示す単一のビアのSEM(上面)を与える。図3Aは、低κ誘電体の大きなエッチングを有するウエハを示すビア列のSEM(上面)を与える。図3Bは、低κ誘電体の大きなエッチングを示す単一のビアのSEM(上面)を与える。
【実施例】
【0032】
実施例において用いた方法:
以下の実施例において試験する配合物に関する成分を室温において撹拌しながら配合して、100gの均一な剥離剤溶液を与えた。超低κ黒ダイヤII中に形成されたビア及び溝のパターンを有するパターン化試験ウエハを得た。この試験ウエハには未だそれらのフォトレジスト積層体が存在しており、超低κ黒ダイヤII中にパターンを転写した後に更に清浄化又は処理してはいなかった。パターン化試験ウエハを約4cm×3cmの片に切り取り、小型ウエハホルダー中に載置した。
【0033】
表中に他に記されていない限りにおいて、それぞれの剥離剤溶液を65℃に加熱し、ウエハ片を浸漬した。それらが完全に浸漬したら直ぐにタイマーを始動させた。浸漬を1、3、5、又は10分間保持し、その後ウエハをイソプロパノールですすぎ、乾燥した。試料は、実質的に全ての材料が除去された場合には清浄(C)と、実質的に全ての材料が除去されなかった場合には非清浄(NC)と評価した。図1A、1B、2A、2B、2C、3A、及び3Bは、C及びNCによって何が意味されるかを示す。図によって定められるように、非清浄(NC)は清浄化が全く行われなかったことを意味してはいない。これらの方法を、噴霧具を用いて同様に実施した。
【0034】
イメージングのために、試料を2cm×3cmの片に切り取り、表面を穏やかにフラッシングして塵及び粒子を除去した。試料を、スパッタ室内に、切り取った端部を上に向けて約30°の角度で立てかけた。室を20mTorrにポンプで減圧し、その後Arガスを流入して50mTorrの圧力にした。電源を入れて、20mAに調節した。試料を100秒間スパッタリング(Pdターゲット、直径4”、厚さ1/8インチ、Ted Pellaから入手)して、試料表面上に約0.8nmのPd金属を堆積させた。1〜3nmの解像度を有するFEI Sirion FE−SEM又は1〜1.4nmの解像度を有するHitachi S-4800 UHR FE−SEMのいずれかの上で、走査電子顕微鏡(SEM)画像を得た。
【0035】
実施例1:レジスト除去配合物:
上記に記載のようにして入手して調製した試験試料を、剥離剤溶液の試験試料中に、1、2、3、及び4分間の間浸漬し、上記に記載のようにして清浄化に関して評価した。幾つかの異なる剥離剤溶液に関する結果を下表1に与える。表1において示されるように、アルカノールアミン又はそのエーテルを含ませることによって清浄化性能を向上させることができ、特定のアルカノールアミン及びその濃度を選択することによって剥離剤溶液の清浄化性能に更に影響を与えることができる。
【0036】
【表1】

【0037】
実施例2:清浄化に対するテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの悪影響:
表2に示すように、剥離剤溶液に種々の量のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを加えると清浄化プロセスが妨げられ、幾つかの場合においては低κ誘電体がエッチングされた。
【0038】
【表2】

【0039】
実施例3:水濃度の影響:
表3に与えるデータは、(a)水を含まない剥離剤溶液は性能が劣っていた;(b)若干の水を加えると溶液の清浄化性能が向上した;及び(c)過度に多い水を加えるとより長い接触時間によって低κ誘電体のエッチングが起こった;ことを示す。
【0040】
【表3】

【0041】
実施例4:清浄化に対する温度の影響:
温度の関数としての清浄化性能に関する情報を下表4に与える。
【0042】
【表4】

【0043】
実施例5:第4級ホスホニウムヒドロキシドを含む剥離剤溶液:
テトラブチルホスホニウムヒドロキシドを含む剥離剤溶液は有効な清浄化を示し、低κ誘電体に対して僅かな影響しか示さなかった。更に、他の第4級ホスホニウムヒドロキシドを用いて清浄化性能を最適にすることができる。
【0044】
【表5】

【0045】
実施例6:第2の極性で非プロトン性の溶媒:
表6に示すように、剥離剤溶液に第2の極性で非プロトン性の溶媒を含ませて所望の清浄化レベルを保持することができる。
【0046】
【表6】

【0047】
実施例7:基材の低κ誘電率値(Δκ)の変動の最小化:
新しい黒ダイヤII(BDII)のブランケットウエハを約1”×1”の試料に切り出した。この試料をまず250℃のオーブン中に30分間配置して、剥離剤溶液中に浸漬する前に、堆積時にそれらが有する低い誘電率値(κ)を得ることを確保した。結果を記録した。次に、実施例5(c)において記載した配合物中に、65℃において60秒間試料を浸漬し、取り出し、水及びイソプロピルアルコールですすぎ、乾燥した。誘電率の測定を行い、結果を記録して低誘電率値κを与えた。次に、乾燥した試料を、250℃に保持したオーブン内に30分間配置した。誘電率の測定を行い、結果を記録した(κ)。(全ての誘電率値は、Materials Development Corporation, Chatsworth, CA, www.mdc4cv.comからのMercury Probeモデル820B上で測定し、結果を記録した)。この手順から得られた代表的な値の組は、κ=2.40;κ=2.87;及びκ=2.49を含む。したがって、揮発性物質を除去することによって得られる低誘電率値の変動量(Δκ)は、2.49−2.40、則ち0.09である。揮発性物質を除去しない場合には、低誘電率値の変動量(Δκ)は、2.87―2.40、則ち0.47になる。Δκを≦0.1に保持することは、低κDBIIを用いる半導体製造プロセスにおける成功実現のために必要である。
【0048】
本発明を特定の態様を参照して上記で詳細に記載したが、当業者であれば本発明の精神及び範囲から逸脱することなく開示した態様において修正及び変更を行うことができることが理解されるであろう。かかる修正及び変更は全てカバーされると意図される。更に、ここで引用した全ての公報は、当該技術のレベルを示すものであり、それぞれが個々に参照として包含され、全て示されているように、その全部を参照として本明細書中に包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
極性で非プロトン性の溶媒、水、アミン、及び第4級水酸化物を含み、第4級水酸化物が次式:
【化1】

(式中、ZはN又はPであり;R、R、R、及びRは、合計で少なくとも5個の炭素を有するアルキル基、ベンジル、アリール基、又はこれらの組み合わせである)
を有する、基材からレジストを除去するための剥離剤溶液。
【請求項2】
剥離剤溶液がグリセリンを更に含み、極性で非プロトン性の溶媒がジメチルスルホキシド及び1−ホルミルピペリジンからなる群から選択される、請求項1に記載の剥離剤溶液。
【請求項3】
非プロトン性溶媒が組成物の約40%〜約90%を構成し;水が組成物の約2%〜約15%を構成し;第4級水酸化物が組成物の約1%〜約10%を構成し;アミンが組成物の約2%〜約60%を構成する、請求項1に記載の剥離剤溶液。
【請求項4】
非プロトン性溶媒がジメチルスルホキシドである、請求項3に記載の剥離剤溶液。
【請求項5】
ZがNである、請求項4に記載の剥離剤溶液。
【請求項6】
ZがPである、請求項1に記載の剥離剤溶液。
【請求項7】
アミンが、少なくとも2つの炭素原子、少なくとも1つのアミノ置換基、及び少なくとも1つのヒドロキシル置換基を有し、アミノ及びヒドロキシル置換基が異なる炭素原子に結合しているアルカノールアミンである、請求項3に記載の剥離剤溶液。
【請求項8】
第4級水酸化物が、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、及びテトラブチルホスホニウムヒドロキシドからなる群から選択される、請求項3に記載の剥離剤溶液。
【請求項9】
ZがPであり、第4級水酸化物が、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド、テトラフェニルホスホニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、エチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、プロピルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、アリルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、ドデシルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、テトラデシルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムヒドロキシド、カルボエトキシエチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、カルボメトキシエチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、カルボエトキシメチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、及びカルボメトキシメチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシドからなる群から選択される、請求項3に記載の剥離剤溶液。
【請求項10】
剥離剤溶液がテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを実質的に含まない、請求項3に記載の剥離剤溶液。
【請求項11】
(a)その上にレジストを有する基材を提供し;(b)基材を剥離剤溶液と、レジストを除去するのに十分な時間接触させ;(c)剥離剤溶液から基材を取り出し;そして(d)溶媒を用いて基材から剥離剤溶液を洗い流す;ことを含み、基材を剥離剤溶液と接触させる工程が、基材を、極性で非プロトン性の溶媒、水、アミン、及び次式:
【化2】

(式中、ZはN又はPであり;R、R、R、及びRは、合計で少なくとも5個の炭素を有するアルキル基、ベンジル、アリール基、又はこれらの組み合わせである)
を有する第4級水酸化物を含む剥離剤溶液と接触させることを含む、基材からレジストを除去する方法。
【請求項12】
基材を剥離剤溶液と接触させることが、基材を、組成物の約40%〜約90%を構成する極性で非プロトン性の溶媒;組成物の約2%〜約10%を構成する水;組成物の約1%〜約10%を構成する第4級水酸化物;及び組成物の約2%〜約65%を構成するアミン;
を含む剥離剤溶液と接触させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
基材を剥離剤溶液と接触させることが、基材を、極性で非プロトン性の溶媒がジメチルスルホキシドである剥離剤溶液と接触させることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
基材を剥離剤溶液と接触させることが、基材を、極性で非プロトン性の溶媒が1−ホルミルピペリジンである剥離剤溶液と接触させることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
基材を剥離剤溶液と接触させることが、基材を、次式:
【化3】

(式中、ZはNである)
を有する第4級水酸化物を含む剥離剤溶液と接触させることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
基材を剥離剤溶液と接触させることが、基材を、次式:
【化4】

(式中、ZはPである)
を有する第4級水酸化物を含む剥離剤溶液と接触させることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
基材を剥離剤溶液と接触させることが、基材を、少なくとも2つの炭素原子、少なくとも1つのアミノ置換基、及び少なくとも1つのヒドロキシル置換基を有し、アミノ及びヒドロキシル置換基が異なる炭素原子に結合しているアルカノールアミンを含むアミンを含む剥離剤溶液と接触させることを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
基材を剥離剤溶液と接触させることが、基材を、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、及びテトラプロピルアンモニウムヒドロキシドからなる群から選択される第4級水酸化物を有する剥離剤溶液と接触させることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
基材を剥離剤溶液と接触させることが、基材を、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド、テトラフェニルホスホニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、エチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、プロピルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、ブチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、アリルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、ドデシルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、テトラデシルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムヒドロキシド、カルボエトキシエチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、カルボメトキシエチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、カルボエトキシメチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシド、及びカルボメトキシメチルトリフェニルホスホニウムヒドロキシドからなる群から選択される第4級水酸化物を有する剥離剤溶液と接触させることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
基材を剥離剤溶液と接触させることが、基材を剥離剤溶液中に撹拌しながら少なくとも約40℃の温度で浸漬することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
基材を剥離剤溶液と接触させることが剥離剤溶液を基材上に噴霧することを含み、剥離剤溶液が少なくとも約40℃の温度である、請求項11に記載の方法。
【請求項22】
基材を剥離剤溶液と接触させることが、基材を、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを実質的に含まない剥離剤溶液と接触させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項23】
その上にレジストを有する基材を提供することが、2つのポリマー層を有する二層レジストであるレジストを有する基材を提供することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項24】
その上にレジストを有する基材を提供することが、1つの無機層及び1つのポリマー層を有する二層レジストであるレジストを有する基材を提供することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項25】
基材から吸着揮発性物質を除去して処理された基材を得る工程を更に含み;
基材を提供することが、κとして規定される低κ誘電率値を有する基材を提供することを含み;処理された基材を得ることが、κとして規定される低κ誘電率値を有する処理された基材を得ることを含み;
Δκ≦0.1(ここでΔκはκとκとの間の差と定義される)である、請求項11に記載の方法。
【請求項26】
(a)その上にレジストを有する基材を提供し;(b)基材を剥離剤溶液と、所望量のレジストを除去するのに十分な時間接触させ;(c)剥離剤溶液から基材を取り出し;そして(d)溶媒を用いて基材から剥離剤溶液を洗い流す;ことを含み、
基材を剥離剤溶液と接触させることが、基材を、極性で非プロトン性の溶媒、水、アミン、及び次式:
【化5】

(式中、ZはN又はPであり;R、R、R、及びRは、合計で少なくとも5個の炭素を有するアルキル基、ベンジル、アリール基、又はこれらの組み合わせである)
を有する第4級水酸化物を含む剥離剤溶液と接触させることを含む方法にしたがって製造される電子デバイス。
【請求項27】
(a)容器を提供し;
(b)剥離剤溶液配合物の成分を提供し;そして
(c)剥離剤溶液の成分を容器に加えて内容物を与える;
工程を含み、
成分を提供することが、極性で非プロトン性の有機溶媒、水、アミン、及び次式:
【化6】

(式中、ZはN又はPであり;R、R、R、及びRは、合計で少なくとも5個の炭素を有するアルキル基、ベンジル、アリール基、又はこれらの組み合わせである)
を有する第4級水酸化物を提供することを含む、BEOL剥離剤溶液の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−525641(P2011−525641A)
【公表日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516568(P2011−516568)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/048409
【国際公開番号】WO2010/008877
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(508129137)ダイナロイ・エルエルシー (5)
【Fターム(参考)】