配線案内具およびこれを備える籠ドア装置
【課題】本発明は、エレベータの籠ドア装置に装着される配線案内具として、安価な構成で騒音を生じないメンテナンスフリーの配線案内具を提供する。
【解決手段】配線案内具１０Ａは、籠ドア装置２の第１のドアパネル２１に組み込まれる検出装置３から乗籠１の上に設けられる制御装置４４までの間に配線されるケーブル５を保持するものであり、第１のブラケット１１と第２のブラケット１２と帯状部材１３とを備える。帯状部材１３は、第１のドアパネル２１の外面に垂直な向きに幅を有し、可撓部１０１と硬直部１０２とが中間部１３２に設けられている。可撓部１０１は、帯状部材１３の一端１３１と他端１３３とを近付けた場合に湾曲する部分であり、硬直部１０２は、可撓部１０１の両側にそれぞれ配置される。第１のドアパネル２１が移動することに伴って硬直部１０２が真直度を保ちつつ可撓部１０１が湾曲する。
【解決手段】配線案内具１０Ａは、籠ドア装置２の第１のドアパネル２１に組み込まれる検出装置３から乗籠１の上に設けられる制御装置４４までの間に配線されるケーブル５を保持するものであり、第１のブラケット１１と第２のブラケット１２と帯状部材１３とを備える。帯状部材１３は、第１のドアパネル２１の外面に垂直な向きに幅を有し、可撓部１０１と硬直部１０２とが中間部１３２に設けられている。可撓部１０１は、帯状部材１３の一端１３１と他端１３３とを近付けた場合に湾曲する部分であり、硬直部１０２は、可撓部１０１の両側にそれぞれ配置される。第１のドアパネル２１が移動することに伴って硬直部１０２が真直度を保ちつつ可撓部１０１が湾曲する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、エレベータの籠ドア装置に装備されるセンサなどから延びる配線を保持する配線案内具、およびこれを備える籠ドア装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
エレベータの乗籠に設けられる籠ドア装置のドアパネルは、利用者およびその携行物を挟まないようにするための安全装置を備えている。この安全装置は、ドアパネルの縁に設けられて利用者や荷物に接触したことを検知する検出装置と、検出された信号を基に閉じかけたドアパネルを開く方向に作動させる制御装置とを備えている。
【０００３】
特許文献１に記載のエレベータにおいて、制御装置は、乗籠の上に設けられ、検出装置から制御装置までの間は、ケーブルによって接続されている。ケーブルは、乗籠に対して移動するドアパネルの裏面（外側面）と平行な面に沿って垂れ下がるローラチェーンに添い付けられている。ローラチェーンは、ドアパネルが開かれると、それ自身の自重によって垂れ下がる。
【特許文献１】特許第２５０５３７８号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ローラチェーンは、一般に金属製のものと樹脂製のものとが有るが、いずれも多数の継手ピンにおいて均等に曲がるのではなく、ケーブルとの兼ね合いによって部分的に曲がりやすいところが生じる。そのため、当該部のケーブルは、小さい半径で繰り返し屈曲されることとなり、ケーブルの内部で断線するおそれがある。
【０００５】
また、ローラチェーンの場合、自重によって常に張力が掛かる。したがって、乗籠側およびドアパネル側に固定されるローラチェーンの端部は、ドアパネルが繰り返し開け閉めされることによって、回動部分が摩耗しやすい。そして、ローラチェーンは、チェーンを構成するリンクどうしが擦れて騒音を発生することもある。ローラチェーンが滑らかに曲がるようにグリス等の潤滑剤を塗布すると、この潤滑材によってケーブルの被覆が経年的に劣化しやすくなる場合がある。さらに、ローラチェーンは、単位長さあたりの製品単価が高い。
【０００６】
そこで、本発明は、エレベータの籠ドア装置に装着される配線案内具として、安価な構成で騒音を生じないメンテナンスフリーの配線案内具、およびこれを備える籠ドア装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明に係る配線案内具は、エレベータの乗籠に設けられる籠ドア装置のドアパネルに組み込まれる検出装置から乗籠の上に設けられる制御装置までの間に配線されるケーブルを保持するものであり、第１のブラケットと第２のブラケットと帯状部材とを備える。第１のブラケットは、ドアパネル側に固定される。第２のブラケットは、乗籠側に固定される。帯状部材は、第１のブラケットに一端が固定され第２のブラケットに他端が固定されて、ドアパネルの外面に垂直な向きに幅を有し、可撓部と硬直部とが中間部に設けられている。可撓部は、一端と他端とを近付けた場合に湾曲する部分であり、硬直部は、可撓部を挟んで両側にそれぞれ配置される。そして、ドアパネルが移動することに伴ってドアパネルの外面に沿う方向に可撓部が湾曲する。
【０００８】
この場合、帯状部材は、基材と補強プレートを備える。基材は、一端から他端まで均一な厚みを有している。補強プレートは、短冊状に形成されて曲げ剛性を有し、硬直部に装着される。
【０００９】
または、帯状部材は、一端から他端まで均一な厚みを有した基材で形成し、基材の厚み方向に基材から一体に立ち上がるリブか、基材の側部を折り返して作られるヘミング部か、基材を厚み方向へ変形させたビード部、を硬直部に有することも好ましい。このとき、基材は、バネ鋼で成形することが好ましい。さらに他の形態の帯状部材は、硬直部が可撓部よりも分厚く一体成形されていることも好ましい。
【００１０】
そして、帯状部材にケーブルを装着しやすいように、帯状部材は、中間部に間隔を空けて複数の固定孔もしくは複数の切欠を有し、ケーブルは、固定孔に通される、もしくは切欠に装着される結束具によって帯状部材に固定されると良い。
【００１１】
本発明に係る籠ドア装置は、ドアパネルとドア駆動装置と制御装置と検出装置とケーブルと配線なんない具とを備える。ドアパネルは、エレベータの乗籠の乗口に設ける。ドア駆動装置は、乗籠の上部に配置されてドアパネルを所定方向に移動させる。制御装置は、乗籠の上部に配置されてドア駆動装置の動作を制御する。検出装置は、ドアパネルの端部近傍に設けられて干渉物を検出する。ケーブルは、制御装置から検出装置までの間に配線される。配線案内具は、ケーブルを保持する。この配線案内具は、第１のブラケットと第２のブラケットと帯状部材とを備える。第１のブラケットは、ドアパネル側に固定する。第２のブラケットは、乗籠側に固定する。帯状部材は、第１のブラケットに一端が固定され第２のブラケットに他端が固定されてドアパネルの外面に垂直な向きに幅を有しており、可撓部および硬直部が中央部に形成される。可撓部は、一端と他端とを近付けた場合に湾曲する部分である。硬直部は、可撓部を挟んで両側にそれぞれ配置する。
【発明の効果】
【００１２】
本発明に係る配線案内具は、上記構成の帯状部材を備えているので、ドアパネルが開放されることに伴い、帯状部材の硬直部が真っ直ぐに保たれたままドアパネルの外面に沿う方向に帯状部材の可撓部が湾曲し、帯状部材全体は、ドアパネルと交差する方向に曲がらない。つまり、この配線案内具は、ドアパネルが開放される動作に伴って、可撓部が撓み、帯状部材は、下方へ折曲げられた状態となる。
【００１３】
したがって、この配線案内具の帯状部材に、ドアパネルに装備される検出装置か乗籠の上に配置される制御装置までのケーブルを添わせて保持することにより、ドアパネルが移動する際にケーブルが周囲に触れたり引っかかったりすることが無い。そして、この帯状部材に添い付けられたケーブルにとって、繰り返し屈曲されることによる負荷が少ない。さらに、この配線案内具は、構成が簡素であるので安価に提供できる。また、配線案内具は、可動部を有していないので作動音が発生しないだけでなく、メンテナンスを必要としない。
【００１４】
硬直部と可撓部とを有する帯状部材の一形態として、均一な厚みを有する基材と、硬直部に装着される短冊状の補強プレートとを有する帯状部材は、構成要素が少なく簡単に作ることができる。また、硬直部と可撓部とを有する帯状部材の他の形態として、帯状部材を一端から他端まで均一な厚みを有した基材で形成し、基材の厚み方向に基材から一体に立ち上がるリブか、基材の側部を折り返して作られるヘミング部か、基材を厚み方向へ変形させたビード部か、を硬直部に設ける発明によれば、１つの部材から切断加工および成形加工を行うだけで作ることができるので、さらに構成が簡単であり、製造単価を安く抑えることができる。
【００１５】
また、バネ鋼を基材に利用することで、ドアパネルが閉じられた状態で第１のブラケットおよび第２のブラケットに帯状部材に沿う方向に掛かる張力を軽減することができる。そして、ドアパネルが繰り返し開け閉めされた場合にも、ケーブルを同じ位置に保持する再現性が得られる。
【００１６】
さらに、帯状部材の中間部に間隔を空けて複数の固定孔または切欠を設け、これらに係合するように結束具を装着すると、帯状部材が繰り返し曲げられた場合にも、帯状部材に対して添い付けたケーブルをそのままの状態に維持しやすい。
【００１７】
本発明に係る籠ドア装置によれば、上記構成の配線案内具を備えるので、ドアパネルを開け閉めする動作にともないケーブルが湾曲する部分が一定している。またケーブルが湾曲させられる曲げ半径も大きく緩やかであるので、籠ドア装置に設けられるケーブルの耐用年数を延ばすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１８】
本発明に係る第１の実施形態の配線案内具１０Ａについて、エレベータの乗籠１に設けられる籠ドア装置２に装備された状態を例に、図１から図４を参照して説明する。図１に示された籠ドア装置２は、片開き式であって、第１のドアパネル２１と第２のドアパネル２２とを有する二連ドアである。籠ドア装置２が閉じられる場合に先行する側の第１のドアパネル２１の縁には、干渉物や障害物を検出する検出装置３が組み込まれている。
【００１９】
検出装置３は、アーム３１とバンパーバー３２とリミットスイッチ３３とを備える。アーム３１は、第２のドアパネル２２の外側に、上下の２か所に取り付けられたベース板３４に１つずつ枢着されている。バンパーバー３２は、枢着端から斜め上に向かって延びるアーム３１の回動端に連結されており、自重によって第１のドアパネル２１の縁から突出している。
【００２０】
また、係合片３１１が下部側のアーム３１の枢着端に一体に形成されている。下部側のベース板３４は、バンパーバー３２の出代を調整するストッパボルト３５を有している。リミットスイッチ３３は、下部側のベース板３４に固定されている。リミットスイッチ３３のレバー３３１は、バンパーバー３２がストッパボルト３５によって止まっている状態で、係合片３１１に付勢されたオン（ＯＮ）状態であり、バンパーバー３２が第１のドアパネル２１に少し押し込まれた状態で、係合片３１１と離れてオフ（ＯＦＦ）状態になる。
【００２１】
図１に示すように、第１のドアパネル２１および第２のドアパネル２２は、上部にハンガローラ２３を有し、下部にガイドローラ２４を有している。ハンガローラ２３は、乗籠１の乗口の上部に水平に配置されたハンガレール２５に案内される。ハンガレール２５は、第１のドアパネル２１および第２のドアパネル２２のハンガローラ２３にそれぞれ対応して設けられる。第１のドアパネル２１は、乗籠１の上に載せられたドア駆動装置４に連結されている。
【００２２】
ドア駆動装置４は、プーリ４１１，４１２と駆動用ロープ４２と駆動モータ４３と制御装置４４とを備える。プーリ４１１，４１２は、ハンガレール２５の両方の端部の上方に１つずつ一対に配置されている。駆動用ロープ４２は、ハンガレール２５に沿う方向にプーリ４１１，４１２に掛け渡されている。駆動モータ４３は、乗籠１の上に据えられており、籠ドア装置２が乗籠１の乗口を塞ぐ閉状態における第１のドアパネル２１側のプーリ４１１にベルト４３１で連結されている。制御装置４４は、駆動モータ４３の駆動制御を行う。この他にドア駆動装置４は、第１のドアパネル２１が移動する距離に対して半分の距離で第２のドアパネル２２を移動させるリンク機構を備える。
【００２３】
また、制御装置４４は、第１のドアパネル２１に取り付けられた検出装置３とケーブル５で接続されている。このケーブル５は、図１および図４に示すように籠ドア装置２が乗籠１の乗口を開放する開状態にで第１のドアパネル２１および第２のドアパネル２２が片寄せられる戸袋Ｐ側となるハンガレール２５の端部２５１およびプーリ４１２を迂回して、配線されている。
【００２４】
図１に示すように、リミットスイッチ３３から延びるケーブル５は、第１のドアパネル２１の外面に沿って鉛直方向に結束具５１で固定されている。第１のドアパネル２１の上部に達したケーブル５は、配線案内具１０Ａによって、乗籠１側に渡される。配線案内具１０Ａは、第１のブラケット１１と第２のブラケット１２と帯状部材１３とを備える。
【００２５】
第１のブラケット１１は、ドアパネル側の固定部となる第１のドアパネル２１の上部に固定されている。第２のブラケット１２は、乗籠１側の固定部となるハンガレール２５の戸袋Ｐ側の端部２５１に固定されている。第１のブラケット１１および第２のブラケット１２は、互いに対面する支持片１１１，１２１を有している。帯状部材１３は、第１のドアパネル２１および第２のドアパネル２２の外面に垂直な向きに幅を有している。
【００２６】
帯状部材１３の一端１３１は、図１に示すように、中間部１３２が下方に延びる向きに第１のブラケット１１の支持片１１１に固定され、他端１３３は、中間部１３２が下方に延びる向きに第２のブラケット１２の支持片１２１に固定されている。帯状部材１３は、図２に示すように、可撓部１０１と硬直部１０２とが中間部１３２に設けられている。可撓部１０１は、帯状部材１３の一端１３１と他端１３３とを近付けた場合に湾曲する部分である。また、硬直部１０２は、可撓部１０１を挟む両側にそれぞれ設けられており、帯状部材１３の一端１３１と他端１３３とが近付けられた状態においても真直度を維持する十分な剛性を有している。
【００２７】
この帯状部材１３は、基材１４と補強プレート１５とで構成されている。基材１４は、一端１３１から他端１３３まで均一な厚みを有した帯状のバネ鋼製である。補強プレート１５は、曲げ剛性を有し硬直部１０２に下方から装着される短冊形状である。補強プレート１５の幅方向に両側の縁１５１は、基材１４の縁１４１を挟むように巻き返されており、幅方向に中央部分が、厚み方向に複数箇所スポット溶接により接合されている。
【００２８】
帯状部材１３は、バネ鋼を用いる代わりに可撓性を有しかつ非伸縮性の部材、好ましくは、耐屈曲性に優れた合成樹脂材、例えば、ポリウレタン製のバンドを用いる。また、可撓性を有する部材と非伸縮性の材料とを張り合わせた複合材であっても良い。
【００２９】
ケーブル５は、第１のブラケット１１から第２のブラケット１２まで、基材１４の上面に沿って配線され、途中の数箇所で図３に示すように結束具５１で固縛されている。この結束具５１は、合成樹脂製であっても良いし、針金であっても良い。また、補強プレート１５や基材１４の幅に対して巻きつく寸法に作られたＣ形の可撓性部材のクリップで留めても良い。
【００３０】
これらの結束具５１が装着された位置からずれないようにするために、結束具５１が巻き掛けられる部分に切欠を設けたり、孔を設けることも好ましい。また、結束具５１を基材１４に接着固定しても良い。図１および図３において、配線案内具１０Ａは、１本のケーブル５を保持する状態である。検出装置３がリミットスイッチ３３以外に複数の光学式センサなどを備える場合は、各センサから延びるケーブル５を同じ要領で配線することとなる。
【００３１】
したがって、配線案内具１０Ａに添い付けるケーブル５は、１本に限らず２本以上でも良い。センサの数が多い場合は、第１のドアパネル２１の外側に信号処理部を設け、複数のセンサの信号を一旦この信号処理部に集めて処理した後、１つのケーブル５で制御装置４４に接続しても良い。
【００３２】
以上のように構成された配線案内具１０Ａが装着された籠ドア装置２は、乗籠１が目的のフロアに停止すると、ドア駆動装置４によって第１のドアパネル２１および第２のドアパネル２２を戸袋Ｐ側に移動させ、乗籠１の乗口を開放する開状態となる。第１のドアパネル２１が戸袋Ｐ側に向かって移動することによって、第１のブラケット１１は、第２のブラケット１２に接近する。
【００３３】
また、上述のように帯状部材１３は、バネ鋼で形成されており、可撓部１０１が中央に、その両脇に硬直部１０２が形成されている。したがって、配線案内具１０Ａの帯状部材１３は、第１のドアパネル２１が戸袋Ｐに近づくにつれて、それ自身の自重およびケーブル５の重量によって、硬直部１０２の真直度が維持されたまま、可撓部１０１が全体的にに曲げられてゆく。
【００３４】
図４に示すように、第１のドアパネル２１が第２のドアパネル２２に重なる位置まで移動すると、帯状部材１３は、可撓部１０１がなだらかな円弧状に湾曲された状態となる。そして、硬直部１０２は、補強プレート１５によって真っ直ぐに維持されている。つまり、帯状部材１３の全体がＵ字形になる。
【００３５】
また、ドア駆動装置４によって第１のドアパネル２１および第２のドアパネル２２が乗籠１の乗口を閉じる方向へ駆動されると、配線案内具１０Ａの第１のブラケット１１と第２のブラケット１２とが互いに離れる。帯状部材１３の基材１４がバネ鋼で作られているので、帯状部材１３が伸ばされると可撓部１０１の曲げ率が徐々に減らされる。つまり、湾曲させられたケーブル５は、伸ばすときにも全体的に伸ばされる。
【００３６】
このように構成されることによって、籠ドア装置２が第１のドアパネル２１および第２のドアパネル２２を移動させて開状態と閉状態とを繰り返す場合、配線案内具１０Ａの帯状部材１３は、局部的に屈曲することなく、可撓部１０１が曲げ半径の大きななだらかな円弧状に湾曲され、戻される。したがって、この帯状部材１３に添い付けられたケーブル５は、可撓部１０１において曲げ半径の大きいなだらかな円弧状に湾曲させられることが繰り返されるだけであるので、繰返し応力に対する劣化が防止される。
【００３７】
そして、この配線案内具１０Ａは、構造が簡単であるので製造単価も安く、可動部を有していないので籠ドア装置２が駆動される場合に作動音を発生することもない。このように、メンテナンスフリーかつ安価な配線案内具１０Ａを提供することができる。
【００３８】
次に、上述の配線案内具１０Ａと形態の異なる第２から第５の実施形態の配線案内具について説明する。各実施形態で示す配線案内具は、帯状部材１３の構成が第１の実施形態の配線案内具１０Ａと異なっている。配線案内具１０Ａを除く籠ドア装置２に係る構成は、第１の実施形態において記載した通りである。したがって、その詳細は、該当する箇所および関連する図面を参照するものとして、ここでの記載を割愛する。また、以下の実施形態中において、第１の実施形態の配線案内具１０Ａの構成と、同じ機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【００３９】
本発明に係る第２の実施形態の配線案内具１０Ｂについて、図５および図６を参照して説明する。配線案内具１０Ｂは、図５に示すように帯状部材１３の形態が第１の実施形態に記載の配線案内具１０Ａの場合と比べて異なる。
【００４０】
図５に示した帯状部材１３は、可撓部１０１および硬直部１０２も含めて一端１３１から他端１３３まで均一な厚みを有した基材１４で形成されている。硬直部１０２の範囲の基材１４の縁１４１は、一続きに立ち上がり、リブ１０３を形成している。また、帯状部材１３は、硬直部１０２の範囲に固定孔１３５を間隔を開けて複数箇所に設けている。
【００４１】
１箇所に設けられる固定孔１３５は、図５および図６に示すように、幅方向に二本のケーブル５を挟む位置に２個、一対に設けられている。そして、図６に示すように、ケーブルは、固定孔１３５に通された結束具５１によって帯状部材１３に固定される。結束具の形態は、図６に示すように、一般にケーブル類を固縛する結束バンドのようなものでも、針金でも良い。また、結束具５１は、固定孔１３５に通して環状に固縛するだけでなく、２つの孔に各々端部を差し込み係止することでケーブル５を帯状部材１３に保持するものでも良い。
【００４２】
このように構成された帯状部材１３を備える配線案内具１０Ｂは、第１の実施形態において図４に示したように、第１のドアパネル２１が第２のドアパネル２２と共に戸袋Ｐ側に移動した開状態において、硬直部１０２が真っ直ぐ伸びたまま、可撓部１０１が全体的に湾曲したＵ字形になる。したがって、この配線案内具１０Ｂは、第１の実施形態の配線案内具１０Ａと同様の効果を得ることができる。
【００４３】
さらに、基材１４から立ち上がるリブ１０３によって硬直部１０２の曲げ剛性を確保している。曲げ加工するだけで、可撓部１０１および硬直部１０２を同じ厚みの材料から一体に成形することができるので、加工が簡単であり製造単価を安くすることができる。なお、同様の効果を得るために、断面がＬ字形に曲げられた補強部材をリブとして硬直部１０２に取り付けても良い。
【００４４】
本発明に係る第３の実施形態の配線案内具１０Ｃについて、図７および図８を参照して説明する。図７に示す配線案内具１０Ｃの帯状部材１３は、硬直部１０２の範囲の基材１４の縁１４１を折り返して形成したヘミング部１０４を有している。図５に示した第２の実施形態の配線案内具１０Ｂの帯状部材１３と比較した場合、リブ１０３が内側に折り倒されて図８に示すようにヘミング部１０４を形成している。
【００４５】
各部の固定孔１３５は、幅方向にほぼ中央となる位置に開口されている。帯状部材１３の上に配線されたケーブル５は、図８に示すように固定孔１３５に通された結束具５１によって固定される。図８において、結束具５１は、針金を綾掛けに取り回し、端部を互いに撚って留めている。これ以外の方法で留めても良いし、第１の実施形態や第２の実施形態に示した方法で留めても良い。
【００４６】
このように構成された帯状部材１３を備える配線案内具１０Ｃは、ヘミング部１０４を形成した簡単な構造によって硬直部１０２が設けられており、第１の実施形態の配線案内具１０Ａおよび第２の実施形態の配線案内具１０Ｂと同様の効果を得ることができる。
【００４７】
本発明に係る第４の実施形態の配線案内具１０Ｄについて、図９および図１０を参照して説明する。図９に示す配線案内具１０Ｄの帯状部材１３は、硬直部１０２の範囲の基材１４の幅方向に中央部にビード部１０５が形成されている。このビード部１０５は、基材１４を厚み方向に上方へプレス加工により膨出させたものである。
【００４８】
中間部１３２に間隔を空けて複数箇所に設けられる固定孔１３５は、ビード部１０５を挟むように一対に設けられている。ケーブル５は、図１０に示すように、ビード部１０５の両側に沿わせるように帯状部材１３の上面に配線され、固定孔１３５に通される結束具５１によって固定される。
【００４９】
このように構成された帯状部材１３を備える配線案内具１０Ｄは、基材１４にビード部１０５を形成した簡単な構造によって硬直部１０２が設けられており、第１から第３の実施形態においてそれぞれ示した配線案内具と同様の効果を得ることができる。また、ビード部１０５が上方へ突出しているので、これに沿わせてケーブル５を配線しやすい。
【００５０】
本発明に係る第５の実施形態の配線案内具１０Ｅについて、図１１および図１２を参照して説明する。図１１に示す配線案内具１０Ｅの帯状部材１３は、硬直部１０２の範囲の基材１４に平行に２本のビード部１０５が形成されている。このビード部１０５は、第４の実施形態のビード部１０５と同様に基材１４をプレス成形して設けられている。硬直部１０２にビード部１０５が２本設けられているので、曲げ剛性が高い。
【００５１】
固定孔１３５は、ビード部１０５の間に設けられている。ケーブル５は、図１２に示すようにビード部１０５が成形されることによって帯状部材１３の下面側に作られる窪みに添い付けられ、固定孔１３５に通されて綾掛けに巻き掛けられた結束具５１によって固定される。
【００５２】
以上のように、各実施形態における配線案内具１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ，１０Ｄ，１０Ｅの帯状部材１３は、いずれにおいても可撓部１０１よりも硬直部１０２の曲げ剛性を高めることで、曲がりやすい部分と曲がり難い部分とを意図的に作っている。第２から第５の実施形態における帯状部材１３の硬直部１０２は、均一な厚みの基材１４を厚み方向へ変形させて、曲げ剛性を確保するものである。同じ機能を有するさらに他の形態として、断面形状が波形であったり、山形であったり、あるいは、ケーブル５を包む筒状であっても良い。
【００５３】
これにより、籠ドア装置２が開かれた状態で、ケーブル５を保持する配線案内具が嵩張ることなく折曲げられ、その繰り返しの再現性も良い。また、上述の各実施形態において、帯状部材１３の基材１４にバネ鋼を使用するので、局部的に曲がってしまうことも防止することができる。
【００５４】
同様の効果を奏するものとして、硬直部１０２を可撓部１０１よりも分厚く一体に成形した帯状部材１３を備える配線案内具としても良い。帯状部材１３の硬直部１０２を分厚く成形することを考慮すると、基材１４の材質は、合成樹脂製であることが好ましい。
【００５５】
第１の実施形態における籠ドア装置２は、いわゆる片開き式の籠ドア装置を示している。本発明の配線案内具は、左右対称にドアパネルが移動する両開き式の籠ドア装置にも適用することができる。この場合、検出装置３は、左右各々の側のドアパネルが閉じられる方向に移動する場合に先行する側に設けられ、この検出装置３から制御装置までに接続されるケーブルを保持する配線案内具は、右側と左側とで個々に装着される。
【００５６】
また、籠ドア装置のドアパネルの枚数は、片開きの場合は、２枚に限らず、さらに３枚のドアパネルであっても良い。さらに、両開きの場合は、片側それぞれ１枚ずつであっても、両方共に２枚ずつであっても適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【００５７】
【図１】本発明に係る第１の実施形態の配線案内具を備える籠ドア装置を示す斜視図。
【図２】図１に示した配線案内具の帯状部材を延ばした状態の平面図。
【図３】図１中にＦ３で示した部分の配線案内具の拡大図。
【図４】図１に示したドアパネルが開かれた状態における配線案内具およびその周辺部の斜視図。
【図５】本発明に係る第２の実施形態の配線案内具の帯状部材を示す斜視図。
【図６】図５中のＦ６−Ｆ６線に沿って示す帯状部材の硬直部の断面図。
【図７】本発明に係る第３の実施形態の配線案内具の帯状部材を示す斜視図。
【図８】図７中のＦ８−Ｆ８線に沿って示す帯状部材の硬直部の断面図。
【図９】本発明に係る第４の実施形態の配線案内具の帯状部材を示す斜視図。
【図１０】図９中のＦ１０−Ｆ１０線に沿って示す帯状部材の硬直部の断面図。
【図１１】本発明に係る第５の実施形態の配線案内具の帯状部材を示す斜視図。
【図１２】図１１中のＦ１２−Ｆ１２線に沿って示す帯状部材の硬直部の断面図。
【符号の説明】
【００５８】
１…乗籠、２…籠ドア装置、３…検出装置、５…ケーブル、１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ，１０Ｄ，１０Ｅ…配線案内具、１１…第１のブラケット、１２…第２のブラケット、１３…帯状部材、１４…基材、１５…補強プレート、２１…第１のドアパネル（ドアパネル）、４４…制御装置、５１…結束具、１０１…可撓部、１０２…硬直部、１０３…リブ、１０４…ヘミング部、１０５…ビード部、１３１…（帯状部材の）一端、１３２…（帯状部材の）中間部、１３２…（帯状部材の）他端、１３５…固定孔。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、エレベータの籠ドア装置に装備されるセンサなどから延びる配線を保持する配線案内具、およびこれを備える籠ドア装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
エレベータの乗籠に設けられる籠ドア装置のドアパネルは、利用者およびその携行物を挟まないようにするための安全装置を備えている。この安全装置は、ドアパネルの縁に設けられて利用者や荷物に接触したことを検知する検出装置と、検出された信号を基に閉じかけたドアパネルを開く方向に作動させる制御装置とを備えている。
【０００３】
特許文献１に記載のエレベータにおいて、制御装置は、乗籠の上に設けられ、検出装置から制御装置までの間は、ケーブルによって接続されている。ケーブルは、乗籠に対して移動するドアパネルの裏面（外側面）と平行な面に沿って垂れ下がるローラチェーンに添い付けられている。ローラチェーンは、ドアパネルが開かれると、それ自身の自重によって垂れ下がる。
【特許文献１】特許第２５０５３７８号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ローラチェーンは、一般に金属製のものと樹脂製のものとが有るが、いずれも多数の継手ピンにおいて均等に曲がるのではなく、ケーブルとの兼ね合いによって部分的に曲がりやすいところが生じる。そのため、当該部のケーブルは、小さい半径で繰り返し屈曲されることとなり、ケーブルの内部で断線するおそれがある。
【０００５】
また、ローラチェーンの場合、自重によって常に張力が掛かる。したがって、乗籠側およびドアパネル側に固定されるローラチェーンの端部は、ドアパネルが繰り返し開け閉めされることによって、回動部分が摩耗しやすい。そして、ローラチェーンは、チェーンを構成するリンクどうしが擦れて騒音を発生することもある。ローラチェーンが滑らかに曲がるようにグリス等の潤滑剤を塗布すると、この潤滑材によってケーブルの被覆が経年的に劣化しやすくなる場合がある。さらに、ローラチェーンは、単位長さあたりの製品単価が高い。
【０００６】
そこで、本発明は、エレベータの籠ドア装置に装着される配線案内具として、安価な構成で騒音を生じないメンテナンスフリーの配線案内具、およびこれを備える籠ドア装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明に係る配線案内具は、エレベータの乗籠に設けられる籠ドア装置のドアパネルに組み込まれる検出装置から乗籠の上に設けられる制御装置までの間に配線されるケーブルを保持するものであり、第１のブラケットと第２のブラケットと帯状部材とを備える。第１のブラケットは、ドアパネル側に固定される。第２のブラケットは、乗籠側に固定される。帯状部材は、第１のブラケットに一端が固定され第２のブラケットに他端が固定されて、ドアパネルの外面に垂直な向きに幅を有し、可撓部と硬直部とが中間部に設けられている。可撓部は、一端と他端とを近付けた場合に湾曲する部分であり、硬直部は、可撓部を挟んで両側にそれぞれ配置される。そして、ドアパネルが移動することに伴ってドアパネルの外面に沿う方向に可撓部が湾曲する。
【０００８】
この場合、帯状部材は、基材と補強プレートを備える。基材は、一端から他端まで均一な厚みを有している。補強プレートは、短冊状に形成されて曲げ剛性を有し、硬直部に装着される。
【０００９】
または、帯状部材は、一端から他端まで均一な厚みを有した基材で形成し、基材の厚み方向に基材から一体に立ち上がるリブか、基材の側部を折り返して作られるヘミング部か、基材を厚み方向へ変形させたビード部、を硬直部に有することも好ましい。このとき、基材は、バネ鋼で成形することが好ましい。さらに他の形態の帯状部材は、硬直部が可撓部よりも分厚く一体成形されていることも好ましい。
【００１０】
そして、帯状部材にケーブルを装着しやすいように、帯状部材は、中間部に間隔を空けて複数の固定孔もしくは複数の切欠を有し、ケーブルは、固定孔に通される、もしくは切欠に装着される結束具によって帯状部材に固定されると良い。
【００１１】
本発明に係る籠ドア装置は、ドアパネルとドア駆動装置と制御装置と検出装置とケーブルと配線なんない具とを備える。ドアパネルは、エレベータの乗籠の乗口に設ける。ドア駆動装置は、乗籠の上部に配置されてドアパネルを所定方向に移動させる。制御装置は、乗籠の上部に配置されてドア駆動装置の動作を制御する。検出装置は、ドアパネルの端部近傍に設けられて干渉物を検出する。ケーブルは、制御装置から検出装置までの間に配線される。配線案内具は、ケーブルを保持する。この配線案内具は、第１のブラケットと第２のブラケットと帯状部材とを備える。第１のブラケットは、ドアパネル側に固定する。第２のブラケットは、乗籠側に固定する。帯状部材は、第１のブラケットに一端が固定され第２のブラケットに他端が固定されてドアパネルの外面に垂直な向きに幅を有しており、可撓部および硬直部が中央部に形成される。可撓部は、一端と他端とを近付けた場合に湾曲する部分である。硬直部は、可撓部を挟んで両側にそれぞれ配置する。
【発明の効果】
【００１２】
本発明に係る配線案内具は、上記構成の帯状部材を備えているので、ドアパネルが開放されることに伴い、帯状部材の硬直部が真っ直ぐに保たれたままドアパネルの外面に沿う方向に帯状部材の可撓部が湾曲し、帯状部材全体は、ドアパネルと交差する方向に曲がらない。つまり、この配線案内具は、ドアパネルが開放される動作に伴って、可撓部が撓み、帯状部材は、下方へ折曲げられた状態となる。
【００１３】
したがって、この配線案内具の帯状部材に、ドアパネルに装備される検出装置か乗籠の上に配置される制御装置までのケーブルを添わせて保持することにより、ドアパネルが移動する際にケーブルが周囲に触れたり引っかかったりすることが無い。そして、この帯状部材に添い付けられたケーブルにとって、繰り返し屈曲されることによる負荷が少ない。さらに、この配線案内具は、構成が簡素であるので安価に提供できる。また、配線案内具は、可動部を有していないので作動音が発生しないだけでなく、メンテナンスを必要としない。
【００１４】
硬直部と可撓部とを有する帯状部材の一形態として、均一な厚みを有する基材と、硬直部に装着される短冊状の補強プレートとを有する帯状部材は、構成要素が少なく簡単に作ることができる。また、硬直部と可撓部とを有する帯状部材の他の形態として、帯状部材を一端から他端まで均一な厚みを有した基材で形成し、基材の厚み方向に基材から一体に立ち上がるリブか、基材の側部を折り返して作られるヘミング部か、基材を厚み方向へ変形させたビード部か、を硬直部に設ける発明によれば、１つの部材から切断加工および成形加工を行うだけで作ることができるので、さらに構成が簡単であり、製造単価を安く抑えることができる。
【００１５】
また、バネ鋼を基材に利用することで、ドアパネルが閉じられた状態で第１のブラケットおよび第２のブラケットに帯状部材に沿う方向に掛かる張力を軽減することができる。そして、ドアパネルが繰り返し開け閉めされた場合にも、ケーブルを同じ位置に保持する再現性が得られる。
【００１６】
さらに、帯状部材の中間部に間隔を空けて複数の固定孔または切欠を設け、これらに係合するように結束具を装着すると、帯状部材が繰り返し曲げられた場合にも、帯状部材に対して添い付けたケーブルをそのままの状態に維持しやすい。
【００１７】
本発明に係る籠ドア装置によれば、上記構成の配線案内具を備えるので、ドアパネルを開け閉めする動作にともないケーブルが湾曲する部分が一定している。またケーブルが湾曲させられる曲げ半径も大きく緩やかであるので、籠ドア装置に設けられるケーブルの耐用年数を延ばすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１８】
本発明に係る第１の実施形態の配線案内具１０Ａについて、エレベータの乗籠１に設けられる籠ドア装置２に装備された状態を例に、図１から図４を参照して説明する。図１に示された籠ドア装置２は、片開き式であって、第１のドアパネル２１と第２のドアパネル２２とを有する二連ドアである。籠ドア装置２が閉じられる場合に先行する側の第１のドアパネル２１の縁には、干渉物や障害物を検出する検出装置３が組み込まれている。
【００１９】
検出装置３は、アーム３１とバンパーバー３２とリミットスイッチ３３とを備える。アーム３１は、第２のドアパネル２２の外側に、上下の２か所に取り付けられたベース板３４に１つずつ枢着されている。バンパーバー３２は、枢着端から斜め上に向かって延びるアーム３１の回動端に連結されており、自重によって第１のドアパネル２１の縁から突出している。
【００２０】
また、係合片３１１が下部側のアーム３１の枢着端に一体に形成されている。下部側のベース板３４は、バンパーバー３２の出代を調整するストッパボルト３５を有している。リミットスイッチ３３は、下部側のベース板３４に固定されている。リミットスイッチ３３のレバー３３１は、バンパーバー３２がストッパボルト３５によって止まっている状態で、係合片３１１に付勢されたオン（ＯＮ）状態であり、バンパーバー３２が第１のドアパネル２１に少し押し込まれた状態で、係合片３１１と離れてオフ（ＯＦＦ）状態になる。
【００２１】
図１に示すように、第１のドアパネル２１および第２のドアパネル２２は、上部にハンガローラ２３を有し、下部にガイドローラ２４を有している。ハンガローラ２３は、乗籠１の乗口の上部に水平に配置されたハンガレール２５に案内される。ハンガレール２５は、第１のドアパネル２１および第２のドアパネル２２のハンガローラ２３にそれぞれ対応して設けられる。第１のドアパネル２１は、乗籠１の上に載せられたドア駆動装置４に連結されている。
【００２２】
ドア駆動装置４は、プーリ４１１，４１２と駆動用ロープ４２と駆動モータ４３と制御装置４４とを備える。プーリ４１１，４１２は、ハンガレール２５の両方の端部の上方に１つずつ一対に配置されている。駆動用ロープ４２は、ハンガレール２５に沿う方向にプーリ４１１，４１２に掛け渡されている。駆動モータ４３は、乗籠１の上に据えられており、籠ドア装置２が乗籠１の乗口を塞ぐ閉状態における第１のドアパネル２１側のプーリ４１１にベルト４３１で連結されている。制御装置４４は、駆動モータ４３の駆動制御を行う。この他にドア駆動装置４は、第１のドアパネル２１が移動する距離に対して半分の距離で第２のドアパネル２２を移動させるリンク機構を備える。
【００２３】
また、制御装置４４は、第１のドアパネル２１に取り付けられた検出装置３とケーブル５で接続されている。このケーブル５は、図１および図４に示すように籠ドア装置２が乗籠１の乗口を開放する開状態にで第１のドアパネル２１および第２のドアパネル２２が片寄せられる戸袋Ｐ側となるハンガレール２５の端部２５１およびプーリ４１２を迂回して、配線されている。
【００２４】
図１に示すように、リミットスイッチ３３から延びるケーブル５は、第１のドアパネル２１の外面に沿って鉛直方向に結束具５１で固定されている。第１のドアパネル２１の上部に達したケーブル５は、配線案内具１０Ａによって、乗籠１側に渡される。配線案内具１０Ａは、第１のブラケット１１と第２のブラケット１２と帯状部材１３とを備える。
【００２５】
第１のブラケット１１は、ドアパネル側の固定部となる第１のドアパネル２１の上部に固定されている。第２のブラケット１２は、乗籠１側の固定部となるハンガレール２５の戸袋Ｐ側の端部２５１に固定されている。第１のブラケット１１および第２のブラケット１２は、互いに対面する支持片１１１，１２１を有している。帯状部材１３は、第１のドアパネル２１および第２のドアパネル２２の外面に垂直な向きに幅を有している。
【００２６】
帯状部材１３の一端１３１は、図１に示すように、中間部１３２が下方に延びる向きに第１のブラケット１１の支持片１１１に固定され、他端１３３は、中間部１３２が下方に延びる向きに第２のブラケット１２の支持片１２１に固定されている。帯状部材１３は、図２に示すように、可撓部１０１と硬直部１０２とが中間部１３２に設けられている。可撓部１０１は、帯状部材１３の一端１３１と他端１３３とを近付けた場合に湾曲する部分である。また、硬直部１０２は、可撓部１０１を挟む両側にそれぞれ設けられており、帯状部材１３の一端１３１と他端１３３とが近付けられた状態においても真直度を維持する十分な剛性を有している。
【００２７】
この帯状部材１３は、基材１４と補強プレート１５とで構成されている。基材１４は、一端１３１から他端１３３まで均一な厚みを有した帯状のバネ鋼製である。補強プレート１５は、曲げ剛性を有し硬直部１０２に下方から装着される短冊形状である。補強プレート１５の幅方向に両側の縁１５１は、基材１４の縁１４１を挟むように巻き返されており、幅方向に中央部分が、厚み方向に複数箇所スポット溶接により接合されている。
【００２８】
帯状部材１３は、バネ鋼を用いる代わりに可撓性を有しかつ非伸縮性の部材、好ましくは、耐屈曲性に優れた合成樹脂材、例えば、ポリウレタン製のバンドを用いる。また、可撓性を有する部材と非伸縮性の材料とを張り合わせた複合材であっても良い。
【００２９】
ケーブル５は、第１のブラケット１１から第２のブラケット１２まで、基材１４の上面に沿って配線され、途中の数箇所で図３に示すように結束具５１で固縛されている。この結束具５１は、合成樹脂製であっても良いし、針金であっても良い。また、補強プレート１５や基材１４の幅に対して巻きつく寸法に作られたＣ形の可撓性部材のクリップで留めても良い。
【００３０】
これらの結束具５１が装着された位置からずれないようにするために、結束具５１が巻き掛けられる部分に切欠を設けたり、孔を設けることも好ましい。また、結束具５１を基材１４に接着固定しても良い。図１および図３において、配線案内具１０Ａは、１本のケーブル５を保持する状態である。検出装置３がリミットスイッチ３３以外に複数の光学式センサなどを備える場合は、各センサから延びるケーブル５を同じ要領で配線することとなる。
【００３１】
したがって、配線案内具１０Ａに添い付けるケーブル５は、１本に限らず２本以上でも良い。センサの数が多い場合は、第１のドアパネル２１の外側に信号処理部を設け、複数のセンサの信号を一旦この信号処理部に集めて処理した後、１つのケーブル５で制御装置４４に接続しても良い。
【００３２】
以上のように構成された配線案内具１０Ａが装着された籠ドア装置２は、乗籠１が目的のフロアに停止すると、ドア駆動装置４によって第１のドアパネル２１および第２のドアパネル２２を戸袋Ｐ側に移動させ、乗籠１の乗口を開放する開状態となる。第１のドアパネル２１が戸袋Ｐ側に向かって移動することによって、第１のブラケット１１は、第２のブラケット１２に接近する。
【００３３】
また、上述のように帯状部材１３は、バネ鋼で形成されており、可撓部１０１が中央に、その両脇に硬直部１０２が形成されている。したがって、配線案内具１０Ａの帯状部材１３は、第１のドアパネル２１が戸袋Ｐに近づくにつれて、それ自身の自重およびケーブル５の重量によって、硬直部１０２の真直度が維持されたまま、可撓部１０１が全体的にに曲げられてゆく。
【００３４】
図４に示すように、第１のドアパネル２１が第２のドアパネル２２に重なる位置まで移動すると、帯状部材１３は、可撓部１０１がなだらかな円弧状に湾曲された状態となる。そして、硬直部１０２は、補強プレート１５によって真っ直ぐに維持されている。つまり、帯状部材１３の全体がＵ字形になる。
【００３５】
また、ドア駆動装置４によって第１のドアパネル２１および第２のドアパネル２２が乗籠１の乗口を閉じる方向へ駆動されると、配線案内具１０Ａの第１のブラケット１１と第２のブラケット１２とが互いに離れる。帯状部材１３の基材１４がバネ鋼で作られているので、帯状部材１３が伸ばされると可撓部１０１の曲げ率が徐々に減らされる。つまり、湾曲させられたケーブル５は、伸ばすときにも全体的に伸ばされる。
【００３６】
このように構成されることによって、籠ドア装置２が第１のドアパネル２１および第２のドアパネル２２を移動させて開状態と閉状態とを繰り返す場合、配線案内具１０Ａの帯状部材１３は、局部的に屈曲することなく、可撓部１０１が曲げ半径の大きななだらかな円弧状に湾曲され、戻される。したがって、この帯状部材１３に添い付けられたケーブル５は、可撓部１０１において曲げ半径の大きいなだらかな円弧状に湾曲させられることが繰り返されるだけであるので、繰返し応力に対する劣化が防止される。
【００３７】
そして、この配線案内具１０Ａは、構造が簡単であるので製造単価も安く、可動部を有していないので籠ドア装置２が駆動される場合に作動音を発生することもない。このように、メンテナンスフリーかつ安価な配線案内具１０Ａを提供することができる。
【００３８】
次に、上述の配線案内具１０Ａと形態の異なる第２から第５の実施形態の配線案内具について説明する。各実施形態で示す配線案内具は、帯状部材１３の構成が第１の実施形態の配線案内具１０Ａと異なっている。配線案内具１０Ａを除く籠ドア装置２に係る構成は、第１の実施形態において記載した通りである。したがって、その詳細は、該当する箇所および関連する図面を参照するものとして、ここでの記載を割愛する。また、以下の実施形態中において、第１の実施形態の配線案内具１０Ａの構成と、同じ機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【００３９】
本発明に係る第２の実施形態の配線案内具１０Ｂについて、図５および図６を参照して説明する。配線案内具１０Ｂは、図５に示すように帯状部材１３の形態が第１の実施形態に記載の配線案内具１０Ａの場合と比べて異なる。
【００４０】
図５に示した帯状部材１３は、可撓部１０１および硬直部１０２も含めて一端１３１から他端１３３まで均一な厚みを有した基材１４で形成されている。硬直部１０２の範囲の基材１４の縁１４１は、一続きに立ち上がり、リブ１０３を形成している。また、帯状部材１３は、硬直部１０２の範囲に固定孔１３５を間隔を開けて複数箇所に設けている。
【００４１】
１箇所に設けられる固定孔１３５は、図５および図６に示すように、幅方向に二本のケーブル５を挟む位置に２個、一対に設けられている。そして、図６に示すように、ケーブルは、固定孔１３５に通された結束具５１によって帯状部材１３に固定される。結束具の形態は、図６に示すように、一般にケーブル類を固縛する結束バンドのようなものでも、針金でも良い。また、結束具５１は、固定孔１３５に通して環状に固縛するだけでなく、２つの孔に各々端部を差し込み係止することでケーブル５を帯状部材１３に保持するものでも良い。
【００４２】
このように構成された帯状部材１３を備える配線案内具１０Ｂは、第１の実施形態において図４に示したように、第１のドアパネル２１が第２のドアパネル２２と共に戸袋Ｐ側に移動した開状態において、硬直部１０２が真っ直ぐ伸びたまま、可撓部１０１が全体的に湾曲したＵ字形になる。したがって、この配線案内具１０Ｂは、第１の実施形態の配線案内具１０Ａと同様の効果を得ることができる。
【００４３】
さらに、基材１４から立ち上がるリブ１０３によって硬直部１０２の曲げ剛性を確保している。曲げ加工するだけで、可撓部１０１および硬直部１０２を同じ厚みの材料から一体に成形することができるので、加工が簡単であり製造単価を安くすることができる。なお、同様の効果を得るために、断面がＬ字形に曲げられた補強部材をリブとして硬直部１０２に取り付けても良い。
【００４４】
本発明に係る第３の実施形態の配線案内具１０Ｃについて、図７および図８を参照して説明する。図７に示す配線案内具１０Ｃの帯状部材１３は、硬直部１０２の範囲の基材１４の縁１４１を折り返して形成したヘミング部１０４を有している。図５に示した第２の実施形態の配線案内具１０Ｂの帯状部材１３と比較した場合、リブ１０３が内側に折り倒されて図８に示すようにヘミング部１０４を形成している。
【００４５】
各部の固定孔１３５は、幅方向にほぼ中央となる位置に開口されている。帯状部材１３の上に配線されたケーブル５は、図８に示すように固定孔１３５に通された結束具５１によって固定される。図８において、結束具５１は、針金を綾掛けに取り回し、端部を互いに撚って留めている。これ以外の方法で留めても良いし、第１の実施形態や第２の実施形態に示した方法で留めても良い。
【００４６】
このように構成された帯状部材１３を備える配線案内具１０Ｃは、ヘミング部１０４を形成した簡単な構造によって硬直部１０２が設けられており、第１の実施形態の配線案内具１０Ａおよび第２の実施形態の配線案内具１０Ｂと同様の効果を得ることができる。
【００４７】
本発明に係る第４の実施形態の配線案内具１０Ｄについて、図９および図１０を参照して説明する。図９に示す配線案内具１０Ｄの帯状部材１３は、硬直部１０２の範囲の基材１４の幅方向に中央部にビード部１０５が形成されている。このビード部１０５は、基材１４を厚み方向に上方へプレス加工により膨出させたものである。
【００４８】
中間部１３２に間隔を空けて複数箇所に設けられる固定孔１３５は、ビード部１０５を挟むように一対に設けられている。ケーブル５は、図１０に示すように、ビード部１０５の両側に沿わせるように帯状部材１３の上面に配線され、固定孔１３５に通される結束具５１によって固定される。
【００４９】
このように構成された帯状部材１３を備える配線案内具１０Ｄは、基材１４にビード部１０５を形成した簡単な構造によって硬直部１０２が設けられており、第１から第３の実施形態においてそれぞれ示した配線案内具と同様の効果を得ることができる。また、ビード部１０５が上方へ突出しているので、これに沿わせてケーブル５を配線しやすい。
【００５０】
本発明に係る第５の実施形態の配線案内具１０Ｅについて、図１１および図１２を参照して説明する。図１１に示す配線案内具１０Ｅの帯状部材１３は、硬直部１０２の範囲の基材１４に平行に２本のビード部１０５が形成されている。このビード部１０５は、第４の実施形態のビード部１０５と同様に基材１４をプレス成形して設けられている。硬直部１０２にビード部１０５が２本設けられているので、曲げ剛性が高い。
【００５１】
固定孔１３５は、ビード部１０５の間に設けられている。ケーブル５は、図１２に示すようにビード部１０５が成形されることによって帯状部材１３の下面側に作られる窪みに添い付けられ、固定孔１３５に通されて綾掛けに巻き掛けられた結束具５１によって固定される。
【００５２】
以上のように、各実施形態における配線案内具１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ，１０Ｄ，１０Ｅの帯状部材１３は、いずれにおいても可撓部１０１よりも硬直部１０２の曲げ剛性を高めることで、曲がりやすい部分と曲がり難い部分とを意図的に作っている。第２から第５の実施形態における帯状部材１３の硬直部１０２は、均一な厚みの基材１４を厚み方向へ変形させて、曲げ剛性を確保するものである。同じ機能を有するさらに他の形態として、断面形状が波形であったり、山形であったり、あるいは、ケーブル５を包む筒状であっても良い。
【００５３】
これにより、籠ドア装置２が開かれた状態で、ケーブル５を保持する配線案内具が嵩張ることなく折曲げられ、その繰り返しの再現性も良い。また、上述の各実施形態において、帯状部材１３の基材１４にバネ鋼を使用するので、局部的に曲がってしまうことも防止することができる。
【００５４】
同様の効果を奏するものとして、硬直部１０２を可撓部１０１よりも分厚く一体に成形した帯状部材１３を備える配線案内具としても良い。帯状部材１３の硬直部１０２を分厚く成形することを考慮すると、基材１４の材質は、合成樹脂製であることが好ましい。
【００５５】
第１の実施形態における籠ドア装置２は、いわゆる片開き式の籠ドア装置を示している。本発明の配線案内具は、左右対称にドアパネルが移動する両開き式の籠ドア装置にも適用することができる。この場合、検出装置３は、左右各々の側のドアパネルが閉じられる方向に移動する場合に先行する側に設けられ、この検出装置３から制御装置までに接続されるケーブルを保持する配線案内具は、右側と左側とで個々に装着される。
【００５６】
また、籠ドア装置のドアパネルの枚数は、片開きの場合は、２枚に限らず、さらに３枚のドアパネルであっても良い。さらに、両開きの場合は、片側それぞれ１枚ずつであっても、両方共に２枚ずつであっても適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【００５７】
【図１】本発明に係る第１の実施形態の配線案内具を備える籠ドア装置を示す斜視図。
【図２】図１に示した配線案内具の帯状部材を延ばした状態の平面図。
【図３】図１中にＦ３で示した部分の配線案内具の拡大図。
【図４】図１に示したドアパネルが開かれた状態における配線案内具およびその周辺部の斜視図。
【図５】本発明に係る第２の実施形態の配線案内具の帯状部材を示す斜視図。
【図６】図５中のＦ６−Ｆ６線に沿って示す帯状部材の硬直部の断面図。
【図７】本発明に係る第３の実施形態の配線案内具の帯状部材を示す斜視図。
【図８】図７中のＦ８−Ｆ８線に沿って示す帯状部材の硬直部の断面図。
【図９】本発明に係る第４の実施形態の配線案内具の帯状部材を示す斜視図。
【図１０】図９中のＦ１０−Ｆ１０線に沿って示す帯状部材の硬直部の断面図。
【図１１】本発明に係る第５の実施形態の配線案内具の帯状部材を示す斜視図。
【図１２】図１１中のＦ１２−Ｆ１２線に沿って示す帯状部材の硬直部の断面図。
【符号の説明】
【００５８】
１…乗籠、２…籠ドア装置、３…検出装置、５…ケーブル、１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ，１０Ｄ，１０Ｅ…配線案内具、１１…第１のブラケット、１２…第２のブラケット、１３…帯状部材、１４…基材、１５…補強プレート、２１…第１のドアパネル（ドアパネル）、４４…制御装置、５１…結束具、１０１…可撓部、１０２…硬直部、１０３…リブ、１０４…ヘミング部、１０５…ビード部、１３１…（帯状部材の）一端、１３２…（帯状部材の）中間部、１３２…（帯状部材の）他端、１３５…固定孔。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
エレベータの乗籠に設けられる籠ドア装置のドアパネルに組み込まれる検出装置から前記乗籠の上に設けられる制御装置までの間に配線されるケーブルを保持する配線案内具において、
前記ドアパネル側に固定される第１のブラケットと、
前記乗籠側に固定される第２のブラケットと、
前記第１のブラケットに一端が固定され前記第２のブラケットに他端が固定されて前記ドアパネルの外面に垂直な向きに幅を有し、前記一端と前記他端とを近付けた場合に湾曲する可撓部およびこれを挟んで両側にそれぞれ配置される硬直部が中間部に設けられた帯状部材と
を備え、前記ドアパネルが移動することに伴って前記ドアパネルの外面に沿う方向に前記可撓部が湾曲することを特徴とする配線案内具。
【請求項２】
前記帯状部材は、前記一端から前記他端まで均一な厚みを有した基材と、曲げ剛性を有し前記硬直部に装着される短冊状の補強プレートとを備えることを特徴とする請求項１に記載の配線案内具。
【請求項３】
前記帯状部材は、前記一端から前記他端まで均一な厚みを有した基材で形成され、
前記硬直部は、前記基材の厚み方向に前記基材から一体に立ち上がるリブを有することを特徴とする請求項１に記載の配線案内具。
【請求項４】
前記帯状部材は、前記一端から前記他端まで均一な厚みを有した基材で形成され、
前記硬直部は、前記基材の側部を折り返して作られるヘミング部を有することを特徴とする請求項１に記載の配線案内具。
【請求項５】
前記帯状部材は、前記一端から前記他端まで均一な厚みを有した基材で形成され、
前記硬直部は、前記基材を厚み方向へ変形させたビード部を有することを特徴とする請求項１に記載の配線案内具。
【請求項６】
前記基材は、バネ鋼で成形されることを特徴とする請求項２から請求項５のいずれか１項に記載の配線案内具。
【請求項７】
前記帯状部材は、前記中間部に間隔を空けて複数の固定孔を有し、
前記ケーブルは、前記固定孔に通された結束具によって前記帯状部材に固定される
ことを特徴とする請求項１に記載の配線案内具。
【請求項８】
前記帯状部材は、前記中間部の側部に間隔を空けて複数の切欠を有し、
前記ケーブルは、前記切欠に装着された結束具によって前記帯状部材に固定される
ことを特徴とする請求項１に記載の配線案内具。
【請求項９】
エレベータの乗籠の乗口に設けられるドアパネルと、
前記乗籠の上部に配置されて前記ドアパネルを所定方向に移動させるドア駆動装置と、
前記乗籠の上部に配置されて前記ドア駆動装置の動作を制御する制御装置と、
前記ドアパネルの端部近傍に設けられて干渉物を検出する検出装置と、
前記制御装置から前記検出装置までの間に配線されるケーブルと、
前記ケーブルを保持する配線案内具と、を備え、
前記配線案内具は、
前記ドアパネル側に固定される第１のブラケットと、前記乗籠側に固定される第２のブラケットと、前記第１のブラケットに一端が固定され前記第２のブラケットに他端が固定されて前記ドアパネルの外面に垂直な向きに幅を有しており前記一端と前記他端とを近付けた場合に湾曲する可撓部およびこれを挟んで両側にそれぞれ配置される硬直部が中間部に形成された帯状部材と、を備える
ことを特徴とする籠ドア装置。
【請求項１】
エレベータの乗籠に設けられる籠ドア装置のドアパネルに組み込まれる検出装置から前記乗籠の上に設けられる制御装置までの間に配線されるケーブルを保持する配線案内具において、
前記ドアパネル側に固定される第１のブラケットと、
前記乗籠側に固定される第２のブラケットと、
前記第１のブラケットに一端が固定され前記第２のブラケットに他端が固定されて前記ドアパネルの外面に垂直な向きに幅を有し、前記一端と前記他端とを近付けた場合に湾曲する可撓部およびこれを挟んで両側にそれぞれ配置される硬直部が中間部に設けられた帯状部材と
を備え、前記ドアパネルが移動することに伴って前記ドアパネルの外面に沿う方向に前記可撓部が湾曲することを特徴とする配線案内具。
【請求項２】
前記帯状部材は、前記一端から前記他端まで均一な厚みを有した基材と、曲げ剛性を有し前記硬直部に装着される短冊状の補強プレートとを備えることを特徴とする請求項１に記載の配線案内具。
【請求項３】
前記帯状部材は、前記一端から前記他端まで均一な厚みを有した基材で形成され、
前記硬直部は、前記基材の厚み方向に前記基材から一体に立ち上がるリブを有することを特徴とする請求項１に記載の配線案内具。
【請求項４】
前記帯状部材は、前記一端から前記他端まで均一な厚みを有した基材で形成され、
前記硬直部は、前記基材の側部を折り返して作られるヘミング部を有することを特徴とする請求項１に記載の配線案内具。
【請求項５】
前記帯状部材は、前記一端から前記他端まで均一な厚みを有した基材で形成され、
前記硬直部は、前記基材を厚み方向へ変形させたビード部を有することを特徴とする請求項１に記載の配線案内具。
【請求項６】
前記基材は、バネ鋼で成形されることを特徴とする請求項２から請求項５のいずれか１項に記載の配線案内具。
【請求項７】
前記帯状部材は、前記中間部に間隔を空けて複数の固定孔を有し、
前記ケーブルは、前記固定孔に通された結束具によって前記帯状部材に固定される
ことを特徴とする請求項１に記載の配線案内具。
【請求項８】
前記帯状部材は、前記中間部の側部に間隔を空けて複数の切欠を有し、
前記ケーブルは、前記切欠に装着された結束具によって前記帯状部材に固定される
ことを特徴とする請求項１に記載の配線案内具。
【請求項９】
エレベータの乗籠の乗口に設けられるドアパネルと、
前記乗籠の上部に配置されて前記ドアパネルを所定方向に移動させるドア駆動装置と、
前記乗籠の上部に配置されて前記ドア駆動装置の動作を制御する制御装置と、
前記ドアパネルの端部近傍に設けられて干渉物を検出する検出装置と、
前記制御装置から前記検出装置までの間に配線されるケーブルと、
前記ケーブルを保持する配線案内具と、を備え、
前記配線案内具は、
前記ドアパネル側に固定される第１のブラケットと、前記乗籠側に固定される第２のブラケットと、前記第１のブラケットに一端が固定され前記第２のブラケットに他端が固定されて前記ドアパネルの外面に垂直な向きに幅を有しており前記一端と前記他端とを近付けた場合に湾曲する可撓部およびこれを挟んで両側にそれぞれ配置される硬直部が中間部に形成された帯状部材と、を備える
ことを特徴とする籠ドア装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【公開番号】特開２００７−３０８２２２（Ｐ２００７−３０８２２２Ａ）
【公開日】平成１９年１１月２９日（２００７．１１．２９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−１３６５８９（Ｐ２００６−１３６５８９）
【出願日】平成１８年５月１６日（２００６．５．１６）
【出願人】（３９００２５２６５）東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年１１月２９日（２００７．１１．２９）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年５月１６日（２００６．５．１６）
【出願人】（３９００２５２６５）東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Ｆターム（参考）】
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