説明

配電システム

【課題】昼間および非深夜電力時間帯において、自然エネルギー発電電源と商用電源を効率的、且つ経済的な配電システムを提供する。
【解決手段】昼間及び非深夜電力時間帯においては、最大電力追従制御手段を有する太陽電池発電手段と、最大電力追従制御手段を有するマグネシウム空気電池発電手段と、系統連係用二次電池及び系統連係手段で商用電源へ高価な電力を売電し、深夜電力時間帯においては深夜電力蓄電用二次電池で商用電源の安価な深夜電力を蓄電して、昼間および非深夜電力時間帯において自家消費することにより、エネルギー利用効率がよく、且つ経済的な配電システムとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池発電、風力発電、波力発電等の自然エネルギーによる発電電力と商用電源電力との連係において、エネルギー利用効率と経済性において、効果的な連係方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自然エネルギーである太陽電池、商用電源等の分散電源によって充電される二次電池等の直流電力供給源を配設して、直流電力供給源の直流電力と商用電源とを併用して宅内の機器を動作させる配電システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−178025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、電力需要の旺盛な昼間において、商用電源で全てを又は大部分を供給する体系では、電力設備費用が増大すると共に余剰深夜電力も大きくなる問題があるが、一方、自然エネルギーである太陽電池発電、風力発電または波力発電による発電電力を大量に増設しても、自然のお天気任せの現実によって、商用電源電力設備費用の減少にはつながらない問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、自然エネルギーである太陽電池発電、風力発電及び波力発電の欠点である天候を克服する手段として、海水又は食塩水を電解液としたマグネシウム金属又はマグネシウム合金をアノード電極とした空気電池発電を天候克服補助手段とする。
【0006】
又、電力需要の旺盛な昼間において、自然エネルギーである太陽電池発電、風力発電または波力発電と、併設する海水または食塩水を電解液としたマグネシウム金属またはマグネシウム合金をアノード電極とした空気電池発電による電力を商用電源に給電すると共に深夜電力を蓄電池に蓄電すると共に電気給湯器に受電して貯湯することにより計画発電が可能となる。
【0007】
又、海水または食塩水を電解液としたマグネシウム金属またはマグネシウム合金をアノード電極とした空気電池で発生する水素ガスを燃料電池発電に利用すると共に生成する多機能を有する水酸化マグネシウムを生産する。
【0008】
又、燃料電池の燃料源として、マグネシウム金属またはマグネシウム合金をアノード電極とした空気電池で生成する水素ガスと、都市ガス、プロパンガスまたは天然ガス等を併用する。
【0009】
そして又、マグネシウム空気電池発電手段の電解液に浸漬した電極に付着している水酸化マグネシウムを超音波洗浄手段で洗浄する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の発電システムは発電規模をあらかじめ設定出来るので、自然エネルギーである太陽電池発電、風力発電または波力発電と、併設する海水または食塩水を電解液としたマグネシウム金属又はマグネシウム合金をアノード電極とした空気電池発電による電力量だけを毎日確実に確保出来るので、それだけ商用電源の規模を縮小出来る効果がある。
【0011】
又、自然エネルギーである太陽電池発電、風力発電又は波力発電と、併設する海水又は食塩水を電解液としたマグネシウム金属又はマグネシウム合金をアノード電極とした空気電池発電設置者は安価な深夜電力を蓄電器および電気給湯器に貯蔵すると共に自然エネルギーである太陽電池発電、風力発電又は波力発電と、併設する海水又は食塩水を電解液としたマグネシウム金属又はマグネシウム合金をアノード電極とした空気電池及び燃料電池による発電電力は、電力価格が高い昼間に商用電源に給電販売出来るので経済的である。
【0012】
又、太陽電池だけで自立型電源とすることは、困難であるが、マグネシウム金属又はマグネシウム合金をアノード電極とした空気電池を併設することにより、雨天及び夜間に発電を継続することが出来るので、安心で経済的な自立型電源とすることが出来る。
【0013】
又、マグネシウム金属又はマグネシウム合金をアノード電極とした空気電池で多機能を有する水酸化マグネシウムが生成するので、発電単価を低減する効果がある。
【0014】
そして又、マグネシウム空気電池発電手段の電解液に浸漬した電極に付着している水酸化マグネシウムを超音波洗浄手段で洗浄して前記電極から前記水酸化マグネシウムを剥離脱落させることにより、前記電極へのイオン透過性が向上するので、電気化学反応が回復する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は配電システムの実施方法を示した説明系統図である。(実施例1)
【図2】図2は配電システムの実施方法を示した説明系統図である。(実施例2)
【図3】図3は配電システムの実施方法を示した説明系統図である。(実施例3
【発明を実施するための形態】
【0016】
太陽電池の短所である、太陽光がない気象等の自然条件でも、直流電力供給源を維持出来る配電システムとすることが実現する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本第一発明の1実施例の説明系統図であり、主として住宅において用いるものである。直流電力供給源として、太陽電池1、マグネシウムアノード空気電池2、該マグネシウムアノード空気電池2で生成する水素ガスを燃料とする燃料電池3及び二次電池4Aを配設していて、商用電源5の非深夜電力時間帯に直流電力供給源の電力を逆潮流で売電する。前記太陽電池1、マグネシウムアノード空気電池2、燃料電池3のそれぞれに接続している最大電力点追従制御器6A、6B、6Cを内設した最大電力点追従式のコントロールユニット6は前記太陽電池1、マグネシウムアノード空気電池2、燃料電池3の発電直流電力を最大電力点追従制御するだけでなく、DC-DC昇圧機能、充放電機能、過充電防止機能、過電圧放電防止機能、抵抗、直流電源への逆電流防止機能、低電圧機能等を有する構成としていて、前記コントロールユニット6の入力側に前記各直流電力供給源が接続されると共に出力側にはDC-DCコンバータ7の入力側が接続される。該DC-DCコンバータ7の出力側には並列に二次電池4Aおよびパワーコンデェショナ8Aの入力側に接続している。なお、該パワーコンデェショナ8Aの出力側には図示してない系統連係用ブレーカを配設した分電盤9Bが接続される。前記パワーコンデェショナ8Aの図示してないDC-AC変換装置であるインバータは直流電力を周波数及び出力電圧に調整した交流電力を商用系統に連係出力する。一方、前記商用電源5の深夜電力時間帯には、AC-DCコンバータ10で直流に変換し充放電器11で二次電池4Bに充電すると共に並列に接続したパワーコンデェショナ8Bに接続し、さらに該パワーコンデェショナ8Bの出力側に分電盤9Aを接続している。なお、図示してないが、分電盤9Bの交流電力の負荷には深夜電力給湯器も含まれる。
【0018】
図2は、本第二発明の一実施例の説明系統図であり、主に自立型電源12として用いるものであり、図1の商用電源を省いたものである。従って、パワーコンデェショナ8Aの出力側には分電盤9Aが接続される。
【0019】
図3は、本第三発明の一実施例の説明系統図であり、図1および図2記載の燃料電池3においては、燃料として水素ガスだけを使用していたが、本実施例においては、前記燃料電池3の燃料ガス導入口13の上流に水素ガス流路14と天然ガス流路15を併設すると共に、該天然ガス流路15には燃料改質機16を配設すると共に電動三方弁17を配設していて、特に図2に記載した自立型電源12に配設することで、完全な自立性を確保することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は、太陽光が地上に照射されない時には太陽電池では発電出来ない、致命的欠陥を補うと共に商用電源施設の無駄な発電能力拡大を防ぐことに利用できる。また、自立型電源施設として利用出来る。
【符号の説明】
【0021】
1 太陽電池
2 マグネシウムアノード空気電池
3 燃料電池
4A、4B 二次電池
5 商用電源
6A、6B、6C 最大電力点追従制御器
6 コントロールユニット
7 DC-DCコンバータ
8A、8B パワーコンデェショナ
9A、9B 分電盤
10 AC-DCコンバータ
11 充放電器
12 自立型電源
13 燃料ガス導入口
14 水素ガス流路
15 天然ガス流路
16 燃料改質機
17 電動三方弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最大電力追従制御手段を有する自然エネルギー発電手段と、最大電力追従制御手段を有し海水又は食塩水を電解液としたマグネシウム空気電池発電手段と、該空気電池発電手段で生成する水素ガスを燃料とする燃料電池発電手段と、系統連係用および深夜電力蓄電用二次電池で構成される直流電力供給源と、商用電源と、系統連係手段と、直流電力供給源から商用電源への逆潮流タイマー制御手段と、深夜電力利用および/または深夜電力貯蔵手段を少なくとも有することを特徴とする配電システム。
【請求項2】
最大電力追従制御手段を有する太陽電池発電手段と、最大電力追従制御手段を有するマグネシウム空気電池発電手段と、該空気電池発電手段で生成する水素ガスを燃料とする燃料電池発電手段と、二次電池で構成される直流電力供給源を少なくとも有することを特徴とする請求項1記載の配電システム。
【請求項3】
マグネシウム空気電池発電手段で発生する水素ガス及び炭素水素ガスを改質手段で改質したものを燃料とし、利用選択手段で前記素ガス又は炭素水素ガスを燃料選択する燃料電池を配設する請求項1または2記載の配電システム。
【請求項4】
マグネシウム空気電池発電手段の電解液に浸漬した電極に付着している水酸化マグネシウムを超音波洗浄手段で洗浄することを特徴とする特徴とする請求項1、2または3記載の配電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−239245(P2012−239245A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104800(P2011−104800)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(306037861)ブルーアクア・インダストリー株式会社 (11)
【Fターム(参考)】