説明

酵素処理風味材及びこれを使用するパン類の製造法

【課題】小麦粉を原料とする生地に小麦本来が有する美味しさを実現できるような酵素処理風味材を提供する事であって、特にパン生地においては標準中種法に代表される通常の製パン法で得られるパンに長時間発酵法で得られるような旨味やコク味、さらには香ばしさを付与したり、さらには発酵時間の短い冷凍生地製パン法において得られる風味の乏しいパンに、小麦本来が有する美味しさを付与できる酵素処理風味材を提供する事にある。
【解決手段】小麦の胚乳、胚芽及び表皮からなる群のうち少なくとも1種以上を含む小麦由来原料並びに水を含む混合物を酵素処理してなる風味材であり、酵素がアミラーゼ及びプロテアーゼであり、当該風味材を使用してなる小麦粉含有生地であり、特にパン生地であって、当該生地を発酵し加熱するパン類の製造法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酵素処理風味材及びこれを使用する小麦粉含有生地、特にパン生地に関するものであり、さらに詳しくは、旨味やコク味、さらには香ばしさに優れたパン類を得るための酵素処理風味材及びこれを使用する小麦粉含有食品、特にパン類の製造法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近のパン業界においては、しっとり感やソフト感など主にパンの食感に特徴をもたせたものや、小麦本来が有する美味しさ(旨み、甘み、香ばしさなど)といった風味に特徴を持たせた商品が多く見受けられるようになってきた。前者のパンの食感改良に関する試みとして、湯種製法や乳化剤などの物性改良剤の使用による効果が広く認められている(非特許文献1、非特許文献2)。一方、後者の目的のような小麦本来が有する美味しさ(旨み、甘みなど)に関する試みとして、これまでに0〜15℃程度の低温で長時間発酵させる低温長時間発酵法や、0℃〜氷結点(−7℃〜−10℃前後)までの間で発酵させる氷温熟成法などが開発されている(非特許文献3)。これらの方法は、パン生地を低温で長時間発酵させることで、酵母の働きによるパン生地の熟成(内在プロテアーゼによる遊離アミノ酸の増加、代謝による様々な発酵風味成分の生成など)による風味の向上が狙いとなっている。しかし、これらの方法は風味の改良効果としては認められるが、長時間発酵することによる生産性の低下や、大量の生地を低温で保存するための大規模な冷蔵設備が必要となるなどの問題があった。
【0003】
そこで、生産性の低下を招かず、また、大規模な設備などを必要としないで、パンにより豊かな風味を付与するために、これまでにも幾つかの試みがなされている。例えば、特許文献1では油相と水相からなる混合液の酵母発酵物からなる発酵風味付与材が提案されている。この提案では酵母発酵の基質として砂糖のみを使用しており、酵母の発酵による香気成分は得られるものの、旨味やコク味に乏しく、呈味性の点で満足のいくものでは無かった。また、特許文献2ではアミノ酸類を含む水相と油相からなる混合液のイースト発酵物を含んでなる発酵風味付与剤が提案されている。ある種のアミノ酸の使用においても独特の焼き香りが得られることが記載されているが、風味が単調であり、奥行きに欠ける風味となってしまう。またさらに特許文献3では、低温生育性の乳酸菌を製パン時に酵母と併用して使用することで、パン生地中の総遊離アミノ酸量を増加させることによって、パンの風味を向上させる方法が提案されているが、十分な効果を得るには比較的長い発酵時間が必要となる点では、前述の低温長時間発酵法と同類であり、本発明とは明確に区別される。さらには、特許文献4において全窒素成分に対する遊離アミノ酸の割合が40%以上である小麦グルテンの酵素分解調味液の乾燥粉末化物を、小麦粉その他の原料と共に混捏し、得られた生地を常法により成形、焼成することを特徴とするパンの製造法が提案されている。しかしながら、小麦粉成分の一部を分離精製した小麦グルテンの酵素分解液は独特の好ましくない匂いや着色を帯びており、これらをパンに添加しても、確かに旨みなど一部の風味は強調されるようにはなるが、本発明が目指すような小麦粉全体に由来する小麦本来が有するような美味しい風味の付与には至らなかった。
【0004】
【非特許文献1】食の科学、No293、12〜16p、2002
【非特許文献2】パン科学会誌、Vol45、3〜23p、1999
【非特許文献3】食品と化学、Vol4、100〜105p、1991
【特許文献1】特開平10−4862号公報
【特許文献2】特開2003−33153号公報
【特許文献3】特開2003−116454公報
【特許文献4】特開2001−231434号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、小麦粉を原料とする生地に小麦本来が有する美味しさを実現できるような酵素処理風味材を提供する事であって、特にパン生地においては標準中種法に代表される通常の製パン法で得られるパンに長時間発酵法で得られるような旨味やコク味、さらには香ばしさを付与したり、さらには発酵時間の短い冷凍生地製パン法において得られる風味の乏しいパンに、小麦本来が有する美味しさを付与できる酵素処理風味材を提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意研究を行った結果、小麦の胚乳、胚芽及び表皮からなる群のうち少なくとも1種以上を含む小麦由来原料並びに水を含む混合物を、アミラーゼ及びプロテアーゼで酵素処理を行うこと、また、さらにこの酵素処理風味材にアミノ酸類、中でもプロリン、オルニチンから1種以上を選択したものを添加することで、従来の標準中種法に代表される通常の製パン法において得られるパンに、長時間発酵法で得られるような旨味やコク味、さらには香ばしさを付与したり、さらには発酵時間の短い冷凍生地製パン法において得られる風味の乏しいパンに、小麦本来が有する美味しさを付与できる酵素処理風味材が製造出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明の第1は、小麦の胚乳、胚芽及び表皮からなる群のうち少なくとも1種以上を含む小麦由来原料並びに水を含む混合物を酵素処理してなる風味材である。第2は、酵素がアミラーゼ及びプロテアーゼである、第1記載の風味材である。第3は、更にアミノ酸類を添加してなる、第1記載の風味材である。第4は、アミノ酸類がプロリン及びオルニチンから1種又は2種選択したものである、第3記載の風味材である。第5は、液状、ペースト状又は塑性状である、第1〜第4の何れか1に記載の風味材である。第6は、第1〜第5の何れか1に記載の風味材を使用してなる小麦粉含有生地である。第7は、第6記載の小麦粉含有生地を加熱してなる小麦粉含有食品である。第8は、パン生地である、第6記載の小麦粉含有生地である。第9は、第8記載のパン生地を発酵し加熱するパン類の製造法である。
【発明の効果】
【0007】
小麦粉含有生地の代表例であるパン生地において、標準中種法に代表される通常の製パン法で得られるパンに長時間発酵法で得られるような旨味やコク味、さらには香ばしさを付与したり、さらには発酵時間の短い冷凍生地製パン法において得られる風味の乏しいパンに、小麦本来が有する美味しさを付与できる酵素処理風味材を提供する事が可能になった。又、当該風味材の使用によりクラッカー生地においてもコク味、香りに優れたクラッカーを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の風味材は小麦の胚乳、胚芽及び表皮から少なくとも1種以上を含む小麦由来原料(以下小麦粉類と呼ぶ)並びに水を含む混合物を酵素処理して得ることが出来る。小麦粉類とは、小麦の胚乳、胚芽及び表皮から少なくとも1種以上を含む小麦由来原料であって、澱粉、たん白質、油脂、灰分、ビタミン等種々の成分を含有するものである。そして、小麦の胚乳、胚芽、表皮は加工処理されて一般に各々、小麦粉、小麦胚芽、ふすまと呼ばれている。小麦粉類としては、一般的に販売されている小麦全粒粉、小麦粉、小麦胚芽粉、ふすま粉などが挙げられる。また、小麦粉としては強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉等が例示でき、また1等粉、2等粉など等級の種類を問わない。また、これら小麦粉類は粉状に粉砕されたものが好ましく、本発明が目的とする小麦本来が有する美味しさを引き出すのに適している。特に小麦胚芽や小麦ふすまには粒状やフレーク状のものが多く見られるが、これらを小麦粉のような粉状にまで粉砕したものを使用することで、これらの素材に含まれる小麦本来の有する旨みやコクなどの美味しさの成分が風味材中に存在し易くなる。
【0009】
本発明で使用される小麦粉類は、澱粉、たん白質、油脂、灰分、ビタミン等種々の成分を含有するものである。たん白質は、本発明が目的とする長時間熟成を行ったパンに見られるようなアミノ酸やペプチド類の起源となるので好ましい。灰分はパンにコクや深みのある複雑な呈味性を与えることができる。中でも、これらの小麦粉類及び水を含む混合物中において、たん白質含量が0.5〜4.0重量%、灰分含量が0.03〜0.6重量%のものが好ましく、より好ましくはたん白質含量が1.5〜3.0重量%、灰分含量が0.1〜0.4重量%のものがパンへの風味付与の点で優れている。たん白質や灰分の含量が少なすぎると、本発明が目的とするパンの風味付与効果が不十分であり、多すぎると小麦本来が有する好ましい風味バランスが崩れたものとなる。また、通常小麦中のたん白質や灰分は胚乳よりも胚芽や表皮に多く含まれることから、各種小麦粉と小麦胚芽やふすまを混合することで、上記のようなたん白質及び灰分含量に調整して使用することができる。
【0010】
更に、これらの小麦粉類として、ロースト処理された小麦粉、小麦胚芽、ふすまが、菌数が低減されること、風味材製造中における腐敗やコンタミの危険性が回避されることと共に、パンへの風味付与の点においても好ましい。ローストの程度は特に問わないが、弱すぎると菌数の低減効果が不十分であり、強すぎると茶色の着色やロースト臭が強くなり過ぎるため好ましくない。また更に、予め澱粉が糊化されているα化された小麦粉類を使用してもよい。
【0011】
以上のような小麦粉類及び水を含む混合物の全固形分は、5〜30重量%、より好ましくは10〜20重量%である。全固形分が少ないと、十分な風味付与効果が得にくくなり、全固形分が多すぎると、粘度が高くなってしまい、作業性が著しく困難となったり、コスト的にも割高となってしまう。
【0012】
本発明に使用されるアミラーゼは澱粉を加水分解する酵素を指し、α―アミラーゼ、β―アミラーゼ、グルコアミラーゼ及びイソアミラーゼ類が含まれるが、このうち1種以上を選択して使用することが出来る。アミラーゼによる処理は小麦粉中の澱粉を分解して澱粉の糊化による増粘を防ぎ、作業性が改善されると共にプロテアーゼによるたん白質の分解を容易にする効果と、澱粉から少糖類や単糖類などを切り出し、小麦に由来する仄かな甘みの付与が可能となる効果とがある。前記の効果において、アミラーゼ処理を行わないと、小麦粉類及び水を含む混合物の全固形分が特に10重量%以上の場合には、澱粉の糊化による粘度上昇のために作業性が著しく低下するなど、本発明の実現は困難となる。前記の効果と後記の効果のためには、アミラーゼ処理をプロテアーゼ処理の前か又は同時に行うのが好ましい。後記の効果のために、続いて行うプロテアーゼ処理の工程時に合わせて更にアミラーゼ処理を行っても構わない。
【0013】
アミラーゼ処理の条件は特に限定はされず、プロテアーゼによるたん白質の分解に支障がなく、また作業性に問題がない程度まで反応させることが出来れば良い。例えば、前記の効果を得るためには、小麦粉類及び水を含む混合物の全固形分5〜30重量%、反応pHは5.0〜7.0、反応温度は40〜95℃、反応時間は10〜120分で行うことができる。後記の効果を得るためには、同時に行うプロテアーゼ処理の条件に合わせて処理することができる。
ここで、澱粉を効率よく分解させるためには、糊化を行いながらアミラーゼ処理を行うことが好ましい。澱粉を糊化させるには、小麦粉類及び水を含む混合物を65〜95℃まで加熱すればよい。この際、予めアミラーゼを小麦粉類及び水を含む混合物に添加してから加熱を行った方が、澱粉が糊化始めると瞬時にアミラーゼが作用することができるので、処理中の粘度上昇が抑えられるなど、反応の作業性や効率が良くなる。また、α化された小麦粉類を使用する場合には、予め澱粉が糊化しているので、糊化のために加熱する必要は無く、65℃未満の温度でもアミラーゼ処理することができる。
【0014】
本発明において、アミラーゼ処理の後、加熱処理することによって、酵素の失活及び殺菌を行うことが好ましい。加熱殺菌は、主にその後に続くプロテアーゼ処理中での腐敗を防止するために行うものであり、目的とする酵素の失活及び微生物の殺菌が十分行える範囲であれば良く、特に限定は行わないが、例えば間接加熱によるバッチ式の場合は70〜95℃、4〜40分、直接蒸気吹込み式の場合は110〜160℃、3〜30秒の範囲で殺菌するのが好ましい。
【0015】
本発明に使用されるプロテアーゼは、たん白質分子を加水分解する酵素を指し、エンドペプチダーゼ及びエキソペプチダーゼが含まれるが、このうち1種以上を選択して使用することが出来る。プロテアーゼによる処理は小麦粉中のたん白質を加水分解し、旨味、コク味に寄与するアミノ酸やペプチド類を生成させるために行う。プロテアーゼ処理を行わないと、パンへの旨みやコクなどの風味付与が著しく低下してしまう。また、プロテアーゼ処理を行う際に、アミラーゼ処理を同時に行ってもよい。
【0016】
プロテアーゼ処理の条件は特に限定はされず、パンに旨みやコクなどの風味付与が可能となるような程度まで反応させることが出来ればよい。例えば、小麦粉類及び水を含む混合物の全固形分5〜30重量%、反応pHは3.5〜6.5、反応温度は20〜60℃、反応時間は2〜24時間で行うことができる。長時間処理させる場合には、腐敗を防ぐために予めpHを5.5以下程度まで下げてから反応を行うことが好ましい。
【0017】
プロテアーゼ処理の程度は、使用する小麦粉類及び水を含む混合物のたん白質含量やパンに添加する添加量によって異なるため特に限定はしないが、酵素処理風味材中にアミノ酸として、0.3〜5.0重量%、より好ましくは1.0〜3.0重量%含むのが好ましい。また、プロテアーゼ処理によって得られるこれらのアミノ酸以外に、必要に応じて別途アミノ酸類を添加してもよい。これらのアミノ酸類の添加時期は、酵素処理の前後を問わず何れの時期にも添加することが出来るが、添加の際には攪拌などを行い十分にアミノ酸を分散溶解させることが好ましい。
【0018】
アミノ酸類の種類としては、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、シスチン、フェニルアラニン、チロシン、スレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、プロリン、セリン及びオルチニンから1種又は2種以上選択して使用することが出来る。特に、これらアミノ酸類の中でもプロリン及びオルニチンから1種又は2種を選択して使用することで、小麦本来が有する旨みやコクのみならず、焼成したパンを食した際の香ばしさが一層増すので好ましい。別途添加するアミノ酸類の配合量は風味材に対してそれぞれ0.05〜5.0重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3.0重量%であり、更に好ましくは0.2〜1.0重量%である。少なすぎると効果が不十分であり、多すぎるとアミノ酸に由来する風味となってしまう。
【0019】
こうして得られる風味材は、最終的にアミノ酸として、0.3〜6.0重量%、より好ましくは1.0〜3.5重量%含むものが好ましい。風味材中のアミノ酸の量が、少ないとパンへ風味付与効果が不十分であり、多すぎると旨みやコクが強過ぎたり、風味材自体の風味や色調なども悪化し、本発明が目的とする小麦本来が有するような美味しい風味が得にくくなる。
【0020】
本発明においては酵素処理を施す際に、各種乳酸菌による乳酸発酵を同時に行うことが好ましい。この場合、乳酸発酵によってpHが低下するので、予めpHを調整する必要がなく、腐敗防止の点でも好ましい。また、乳酸菌が生成する各種成分によって、酵素処理物が有する独特の匂いなどがマスキングされるため、パンへの添加使用がし易くなる。
【0021】
また、こうして得られた風味材は加熱処理することによって、酵素の失活及び殺菌を行う。加熱処理の方法は特に限定されず、通常のプレート式殺菌、直接蒸気吹込み式殺菌などで行うことができる。殺菌条件は、目的とする酵素の失活及び微生物の殺菌が十分行える範囲であれば良く、例えば間接加熱によるバッチ式の場合は70〜95℃、4〜40分、直接蒸気吹込み式の場合は110〜160℃、3〜30秒の範囲で殺菌するのが好ましい。
【0022】
また、加熱殺菌を行う前に風味の強化のために必要に応じてアミノ酸の他にも各種食品素材、香料などの添加物を別途加えて使用しても良い。また、日持ち性の向上、pHの調整、物性の調整などのために、塩類やpH調整剤、増粘剤などを適宜添加して使用しても良い。特に、pHについては低すぎると、パン生地に添加した際に生地がダレるなど製パン性が悪化するので注意が必要である。好ましくは、pH4.0〜7.0の範囲となるように調整するのが良い。
【0023】
本発明の風味材は、液状、ペースト状又は塑性状を呈しており、小麦粉を原料とする生地に使用することによって小麦本来が有する美味しさを付与することが出来る。小麦粉含有生地としては、パン生地が代表例として挙げられるが、その他にも、例えば、クッキー生地、饅頭生地やドーナツ生地、クラッカー生地、パイ生地、ピザ生地、ホットケーキ生地、スポンジケーキ生地、クレープ生地、餃子生地等も包含するものである。これらの生地の中でも本願発明の風味材の効果を引き出させる点で加熱前に発酵する生地が好ましく、具体的にはパン生地、ドーナツ生地、クラッカー生地が例示できる。
【0024】
本発明の風味材を用いて小麦粉含有生地を調製する場合は、通常の上記生地調製時に一部置き換えて使用することが出来る。使用量は目的とする風味が得られるよう適宜増減すれば良く、小麦粉含有生地全体に対して0.5〜20重量%が好ましく、より好ましくは1〜15重量%であり、更に好ましくは3〜10重量%である。少なすぎると効果が不十分であり、多すぎると風味が強くなり過ぎたり、生地がダレたりするなど小麦粉含有食品が得にくくなる。
小麦粉含有食品としては、パン類、クッキー、ドーナツ、クラッカー、パイ、スポンジケーキ等が例示できる。
【0025】
本発明の風味材は何れのパン生地にも使用することが出来、パン生地全体に対して0.5〜20重量%が好ましく、より好ましくは1〜15重量%であり、更に好ましくは3〜10重量%である。少なすぎると効果が不十分であり、多すぎると風味が強くなり過ぎたり、生地がダレたりするなど製パン製が悪化するので好ましくない。
パン類の製造法としてはスクラッチ製造法、冷凍生地製造法何れの製造法も採用することができる。スクラッチ製造法では、標準中種製法、長時間中種製法、ストレート法、液種法が例示できる。
中種製法では、パン生地の最終配合の原料、例えば、小麦粉、水、イースト及びイーストフードの其々を10割とした場合、小麦粉を3割から10割、水を2割から10割、イーストを1割から3割、イーストフードを3割から10割を最初に混合して、3℃から27℃の環境下で十分発酵させ、所定の時間が経過した後、残りの原料を混合してパン生地を調製していく方法であり、前もって発酵させる割合が比較的多い方法である。
ストレート法とはパン生地中の全ての原料を混合して調製していく方法である。このストレート法の生地発酵のさせ方には多くの種類が有るが、総じて中種製法より発酵時間が短いものである。
液種法とは、パン生地の最終配合の原料を其々10割とした場合、小麦粉を最大2割まで、水を3割から8割、イーストを0.1割から5割、イーストフード3割から10割を最初に混合し、3℃から27℃の環境下で発酵させ、所定の時間が経過した後残りの原料を混合して調製していく方法である。 この液種法は中種製法に比べるとパン生地中に前もって発酵させた割合が少ない。
【0026】
冷凍生地製造法では、標準中種製法、ストレート法、液種法が例示できるが多くの場合ストレート法が採用されている。出来上がったパン生地を冷凍する方法としては、生地玉冷凍法、成型冷凍法の2つの方法が挙げられる。
生地玉冷凍法とはパン生地を調製した後、所定の重量に分割した後、冷凍保存させ、しかる後、生地玉を解凍し成型後加熱してパンを得る方法である。 成型冷凍法とはパン生地を調製した後、所定の重量に分割し成型した後、冷凍保存させ、しかる後、解凍し加熱してパンを得る方法である。本発明はいずれの方法も適時選択できる。
【0027】
本発明のパン類は、スクラッチ製造法、冷凍生地製造法何れの製造法でも得ることができ、スクラッチ生地の場合は、本発明の発酵風味材を使用した生地をホイロで発酵させ加熱して得ることが出来き、冷凍生地の場合は、発酵風味材を使用した冷凍パン生地を解凍、ホイロで発酵させ加熱して得ることが出来る。加熱する方法としてはオーブン、フライ、蒸しによる加熱が挙げられる。好ましくはオーブンによる加熱が好ましく、パン類としてはフィリングなどの詰め物をしたパンも含め、食卓パン類、菓子パン類、調理惣菜パン類が提示できる。具体的にはテーブルロール、バンズ、バターロール、コッペパン、メロンパン、あんぱん、クリームパン、ジャムパン、スィートロール、ブリオッシュなどが挙げられる。
【実施例】
【0028】
以下に本発明の実施例を示し本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は、いずれも重量基準を意味する。
パンの評価
食パンの評価は生での旨み、コク味、香り及びトースト時の香りを評価した。
評価は以下の4段階で実施した。
◎:非常に好ましい
○:好ましい
△:ふつう
×:好ましくない
コッペパンの評価は通常生食なので生での旨み、コク味、香りを評価した。
評価は以下の4段階で実施した。
◎:非常に好ましい
○:好ましい
△:ふつう
×:好ましくない
クラッカーの評価
クラッカーの評価は通常生食なので生での旨み、コク味、香りを評価した。
評価は以下の4段階で実施した。
◎:非常に好ましい
○:好ましい
△:ふつう
×:好ましくない
【0029】
実験例1:「風味材1」の調製
水80部にアミラーゼ(クライスターゼL1、大和化成製)を0.1部分散溶解し、ホモミキサーで攪拌しながら、小麦全粒粉(全粒粉D、昭和産業製;たん白質12%、灰分1.2%)20部を混合して、80℃まで加温、30分保持して澱粉を糊化しながらアミラーゼ処理を行った。反応中、澱粉の糊化による粘度上昇が見られたが、アミラーゼの作用によって直ぐに粘度は低下した。ついで、95℃、30分の条件で加熱殺菌及び酵素を失活させた後、40℃まで冷却して小麦全粒粉分散溶液を調製した。ついで、この小麦全粒粉分散溶液にプロテアーゼ(プロテアーゼAG、アマノエンザイム製)を0.3部、アミラーゼ(クライスターゼL1、大和化成製)を0.1部、乳酸菌スターター(サンエイラクトMMF-LS151)を0.01部添加し、40℃で15時間放置後、炭酸ナトリウムでpH5.0に調整し、95℃で20分の条件で加熱殺菌および酵素を失活させた後、5℃まで冷却し「風味材1」を得た。この風味材の全固形分は19.0重量%、アミノ酸を1.5重量%含んでおり、5℃で液状を呈していた。
【0030】
実験例2:「風味材2」の調製
水80部にアミラーゼ(クライスターゼL1、大和化成製)を0.1部分散溶解し、ホモミキサーで攪拌しながら焙焼小麦粉(ローストフラワーRG、日清製粉製;たん白質10%、灰分0.7%)15部、および脱脂小麦胚芽(ハイギーB、日清製粉製;たん白質30.6%、灰分4.7%)5部を混合して、80℃まで加温、30分保持して澱粉を糊化しながらアミラーゼ処理を行った。反応中、澱粉の糊化による粘度上昇が見られたが、アミラーゼの作用によって直ぐに粘度は低下した。95℃、30分の条件で加熱殺菌および酵素を失活させた後、40℃まで冷却して小麦粉分散溶液を調製した。ついで、この小麦粉分散溶液に乳酸を攪拌しながら添加してpHを5.5に調整した後、プロテアーゼ(プロテアーゼAG、アマノエンザイム製)を0.3部を添加し、40℃で15時間放置後、95℃で20分間加熱殺菌後、95℃で20分の条件で加熱殺菌および酵素を失活させた後、5℃まで冷却し「風味材2」を得た。この風味材の全固形分は18.5重量%、アミノ酸を1.9重量%含んでおり、5℃で液状を呈していた。
【0031】
実験例3:「風味材3」の調製
小麦全粒粉20部の代わりに焙焼小麦粉(ローストフラワーRD、日清製粉製;たん白質8.0%、灰分0.4%)10部を使用する以外は実験例1に従い、「風味材3」を得た。この風味材の全固形分は9.0重量%、アミノ酸を0.5重量%含んでおり、5℃で液状を呈していた。
【0032】
比較実験例1:「風味材4」の調製
小麦全粒粉20部の代わりにとうもろこし粉(コーンフラワー、日本製粉製;たん白質6.0%、灰分0.5%)20部を使用する以外は実験例1に従い、「風味材4」を得た。この風味材の全固形分は18.5重量%、アミノ酸を0.7重量%含んでおり、5℃で液状を呈していた。
【0033】
比較実験例2:「風味材5」の調製
小麦全粒粉20部の代わりにうるち米粉(さらら、たかい食品製;たん白質6.1%、灰分0.4%)20部を使用する以外は実験例1に従い、「風味材5」を得た。この風味材の全固形分は19.0重量%、アミノ酸を0.7重量%含んでおり、5℃で液状を呈していた。
【0034】
比較実験例3:「風味材6」の調製
小麦全粒粉20部の代わりに小麦グルテン(A−グルG、グリコ栄養食品製;たん白質70.3%、灰分0.7%)を4部と水96部を使用する以外は実験例1に従い、「風味材6」を得た。この風味材の全固形分は3.5重量%、アミノ酸を1.5重量%含んでおり、5℃で液状を呈していた。
【0035】
実験例4:「風味材7」の調製
実験例1で得られた「風味材1」100部に対しプロリン(L-プロリン、協和ウエルネス製)を0.3部添加し「風味材7」を得た。この風味材の全固形分は19.0重量%、アミノ酸を1.8重量%含んでおり、5℃で液状を呈していた。
【0036】
実験例5:「風味材8」の調製
実験例1で得られた「風味材1」100部に対しオルニチン(L-オルニチン塩酸塩、協和ウエルネス製)を0.3部添加し「風味材8」を得た。この風味材の全固形分は19.0重量%、アミノ酸を1.8重量%含んでおり、5℃で液状を呈していた。
【0037】
実験例6:「風味材9」の調製
実験例1で得られた「風味材1」100部に対しプロリン(L-プロリン、協和ウエルネス製)0.15部およびオルニチン(L-オルニチン塩酸塩、協和ウエルネス製)を0.15部添加し「風味材9」を得た。この風味材の全固形分は19.0重量%、アミノ酸を1.8重量%含んでおり、5℃で液状を呈していた。
【0038】
実施例1
表1の配合に従い、強力粉70.0部、生イースト2.5部、イーストフード0.1部に水42.0部を加え縦型ミキサーを使用して、低速で3分ミキシングを行い、ついで4時間発酵させ、中種を調製した。ついで中種に強力粉30.0部、砂糖5.0部、食塩1.8部、実験例1の「風味材1」 5.0部に水20.5部を加え低速で3分、ついで中速で4分ミキシングし、油脂6.0部添加後、さらに低速で3分、ついで中速で3分ミキシングを行った。20分の発酵後、200gに分割し30分間のベンチタイムをとり、成型型詰めを行った。ついで温度38℃、湿度82%にて50分間ホイロをとった。ついで220℃、35分焼成を行い食パンを調製した。これらの製造条件を段落番号〔0039〕に纏めた。翌日、パンの評価を行った。この食パンはコク味、旨味に優れ、トースト後も香ばしさを有していた。これらの結果を表2に纏めた。

表1
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材料
(中種)
強力粉 70.0部
生イースト 2.5部
イーストフード 0.1部
水 42.0部

(本生地)
強力粉 30.0部
砂糖 5.0部
食塩 1.8部
脱脂粉乳 3.0部
油脂 6.0部
水 20.5部
風味材1 5.0部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0039】
食パンの製造条件(中種法)

中種の調製:ミキシング3分(低速)、1分(中速)、発酵4時間

本捏ね:油脂以外の材料を全てミキシング3分(低速)、4分(中速)、油脂を添加、3分(低速)、3分(中速)

発酵:20分

ベンチ時間:30分

ホイロ温度、湿度:38℃、82%

ホイロ時間:50分

焼成温度、時間:220℃、35分
【0040】
実施例2
実施例1において、実験例1の「風味材1」を実験例2の「風味材2」、に代えた以外は実施例1と同様な配合、同様な処理を行い食パンを調製した。実施例1と同様、この食パンもコク味、旨味に優れ、トースト後も香ばしさを有していた。これらの結果を表2に纏めた。
【0041】
実施例3
実施例1において、実験例1の「風味材1」を実験例3の「風味材7」、に代えた以外は実施例1と同様な配合、同様な処理を行い食パンを調製した。この食パンは実験例1よりも強いコク味、旨味を有しており、トースト後も強く好ましい香ばしさを有していた。これらの結果を表2に纏めた。
【0042】
実施例4
実施例1において、実験例1の「風味材1」を実験例4の「風味材8」、に代えた以外は実施例1と同様な配合、同様な処理を行い食パンを調製した。この食パンも実験例1よりも強いコク味、旨味を有しており、トースト後も強く好ましい香ばしさを有していた。これらの結果を表2に纏めた。
【0043】
実施例5
実施例1において、実験例1の「風味材1」を実験例5の「風味材9」、に代えた以外は実施例1と同様な配合、同様な処理を行い食パンを調製した。この食パンも実験例3、4よりも奥行きのあるコク味、旨味を有しており、トースト後も奥行きのある強く好ましい香ばしさを有していた。これらの結果を表2に纏めた。
【0044】
実施例1〜実施例5の食パンの評価を表2に纏めた。(中種法)
【表2】

【0045】
比較例1
表1の配合に従い、実施例1において、実験例1の「風味材1」を使用せず、水20.5部と「風味材1」5.0部を水24.0部に置き換える以外は実施例1と同様な配合、同様な処理を行い食パンを調製した。この食パンは明らかにコク味や旨みに乏しく、トースト後の香ばしさも少なかった。これらの結果を表3に纏めた。
【0046】
実施例6
実施例1において、実験例1の「風味材1」を実験例3の「風味材3」、に代えた以外は実施例1と同様な配合、同様な処理を行い食パンを調製した。この食パンは僅かにコク味、旨みを有していた。これらの結果を表3に纏めた。
【0047】
比較例2
実施例1において、実験例1の「風味材1」を比較実験例1の「風味材4」、に代えた以外は実施例1と同様な配合、同様な処理を行い食パンを調製した。この食パンは若干のコーン様の甘味を感じるものの、コク味や旨みに乏しく、美味しいパンの風味は有していなかった。これらの結果を表3に纏めた。
【0048】
比較例3
実施例1において、実験例1の「風味材1」を比較実験例2の「風味材5」、に代えた以外は実施例1と同様な配合、同様な処理を行い食パンを調製した。この食パンは若干の甘味を感じるものの、コク味や旨みに乏しく、美味しいパンの風味は有していなかった。これらの結果を表3に纏めた。
【0049】
比較例4
実施例1において、実験例1の「風味材1」を比較実験例3の「風味材6」、に代えた以外は実施例1と同様な配合、同様な処理を行い食パンを調製した。この食パンは明らかに違味を感じ、一般的な美味しいパンの風味は有していなかった。これらの結果を表3に纏めた。
【0050】
比較例1、実施例6、比較例2〜比較例4の食パンの評価を表3に纏めた。
(中種法)
【表3】

【0051】
実施例7
表4の配合に従い、強力粉90.0部、薄力粉10.0部、砂糖10.0部、食塩1.8部、脱脂粉乳4.0部,生イースト5.0部、イーストフード0.3部に水54.5部、「風味材1」5.0部を加え縦型ミキサーを使用して、低速で3分、中速で7分ついで高速で1分ミキシングを行った。ついで油脂6.0部を添加後、さらに低速で3分、中速で5分、高速で30秒ミキシングを行った。15分間発酵させ、その後70gで分割した。ついで20分間のベンチタイムをとり、成型後、速やかに凍結させた.1ヶ月凍結保存後、天板に成型した生地を並べ22℃、120分間解凍を行った。ついで温度35℃、湿度70%にて60分間ホイロをとった。ついで180℃、11分焼成を行いコッペパンを調製した。これらの製造条件を段落番号〔0052〕に纏めた。翌日、コッペパンの評価を行った。このコッペパンはコク味、旨味に優れていた。これらの結果を表4に纏めた。
【0052】
コッペパンの製造条件(冷凍生地法)

生地の調製:ミキシング3分(低速)、7分(中速)、1分(高速)、油脂を添加、3分(低速)、5分(中速)、30秒(高速)

発酵:15分

ベンチ時間:20分

急速冷凍

生地解凍:22℃、120分

ホイロ温度、湿度:35℃、70%

ホイロ時間:60分

焼成温度、時間:180℃、11分
【0053】
比較例5
実施例7において、実験例1の「風味材1」を使用せず、水54.5部と「風味材1」5.0部を水58.0部に置き換える以外は実施例7と同様な配合、同様な処理を行いコッペパンを調製した。このコッペパンは明らかにコク味に乏しかった。これらの結果を表4に纏めた。
【0054】
実施例7及び比較例5のコッペパンの配合と評価を表4に纏めた。(冷凍生地法)
【表4】

【0055】
実施例8
表5の配合に従い、薄力粉70.0部、イースト0.25部、水26.0部を加え、縦型ミキサーを使用して、低速で3分、中速で7分ミキシングを行い、ついで6時間発酵させ、中種生地を調整した。ついで、中種に薄力粉30.0部、食塩1.5部、重曹0.65部、実験例1の「風味材1」5.0部を加え低速で3分、中速で4分ミキシングし、ショートニング5.0部を添加後、さらに低速で3分、中速で3分ミキシングを行った。2時間の発酵後、2mmまでの厚さまで圧延し、直径40mmの金型で型抜きを行い、ついで180℃、15分焼成を行いクラッカーを調製した。製造条件を段落番号〔0056〕に纏めた。翌日、クラッカーの評価を行った。このクラッカーはコク味、香りに優れていた。これらの結果を表5に纏めた。
【0056】
クラッカーの製造条件

中種の調整:ミキシング3分(低速)、7分(中速)、発酵6時間

本捏ね:ショートニング以外の材料を全てミキシング3分(低速)、4分(中速)、ショートニングを添加、3分(低速)、3分(中速)

発酵2時間

圧延、成型サイズ:厚さ2mm、直径40mm

焼成温度、時間:180℃、15分
【0057】
比較例6
実施例8において、実験例1の「風味材1」を使用せず、水26.0部と「風味材1」5.0部を水29.5部に置き換える以外は実施例8と同様な配合、同様な処理を行いクラッカーを調製した。このクラッカーは明らかにコク味、香りに乏しかった。これらの結果を表5に纏めた。
【0058】
実施例8及び比較例6のクラッカーの配合と評価を表5に纏めた。
【表5】

【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、酵素処理風味材及びこれを使用する小麦粉含有生地、特にパン生地に関するものであり、さらに詳しくは、旨味やコク味、さらには香ばしさに優れたパン類を得るための酵素処理風味材及びこれを使用する小麦粉含有食品、特にパン類の製造法に関するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小麦の胚乳、胚芽及び表皮からなる群のうち少なくとも1種以上を含む小麦由来原料並びに水を含む混合物を酵素処理してなる風味材。
【請求項2】
酵素がアミラーゼ及びプロテアーゼである、請求項1記載の風味材。
【請求項3】
更にアミノ酸類を添加してなる、請求項1記載の風味材。
【請求項4】
アミノ酸がプロリン及びオルニチンから1種又は2種選択したものである、請求項3記載の風味材。
【請求項5】
液状、ペースト状又は塑性状である、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の風味材。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の風味材を使用してなる小麦粉含有生地。
【請求項7】
請求項6記載の小麦粉含有生地を加熱してなる小麦粉含有食品。
【請求項8】
パン生地である、請求項6記載の小麦粉含有生地。
【請求項9】
請求項8記載のパン生地を発酵し加熱するパン類の製造法。

【公開番号】特開2008−263833(P2008−263833A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109964(P2007−109964)
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(000236768)不二製油株式会社 (386)
【Fターム(参考)】